JP2009219191A - 車両の回生電力制御装置及び回生電力制御方法 - Google Patents

車両の回生電力制御装置及び回生電力制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】車両の操縦安定性を向上させることが可能な車両の回生電力制御装置を提供する。
【解決手段】発電機4が発電した電力を交流電力に変換するインバータ6と、インバータ6が変換した交流電力により従駆動輪を駆動させるモータ8と、発電機4とインバータ6の間でインバータ6と並列かつ電気的に接続し、且つモータ8が発生した回生電力をジュール熱に変換して消費する電力消費部64と、通電状態でインバータ6の直流側と電力消費部64を接続するスイッチング部66を備え、回生電力がインバータ6及びモータ8の損失から構成される内部損失以上である場合に、スイッチング部66を通電状態に切り替えて、インバータ6の直流側と電力消費部64を接続し、さらに、発電機4が発電する電力が従駆動輪の駆動時に発電機4が発電すべき必要電力となるように、発電機4への発電指令値を制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、主駆動輪の駆動源となるエンジン等の主駆動源で発電機を駆動し、その発電機が発電した電力により、インバータを介して従駆動輪の駆動源となるモータを駆動する車両が備える車両の回生電力制御装置に関する。
従来から、発電機が発電した電力によって駆動し、従駆動輪の駆動原となるモータを備える車両においては、ロールバックやロールフォワード等の走行状態で、モータが発電機として機能し、回生電力が発生する。なお、ロールバックとしては、登り傾斜の坂道における後退等があり、ロールフォワードとしては、回生制動時や、下り傾斜の坂道における慣性による前進等がある。
このようにして発生した回生電力は、モータから、発電機等の供給側へ戻り、発電機が発電する電力を抑制する要因となるため、モータの回生による制動力やモータが出力するトルクが低下する要因となるおそれがある。
このような問題を解決するために、例えば、特許文献1に記載されているように、インバータ及びモータの損失から構成される内部損失によって、回生電力を消費することにより、モータの回生による制動力やモータが出力するトルクの低下を抑制する発明がある。
特許文献1に記載されている発明は、バッテリが満充電の状態であり、回生電力をバッテリに蓄電できない状態で回生電力を消費するために、モータに印加する電圧を減少させることにより、電流を増加させるものである。これにより、モータの銅損及びインバータ内の抵抗による損失から構成される内部損失を増加させて、モータが発生した回生電力を、ジュール熱に変換して消費する。
特開平5−252606号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている発明を含め、内部損失によって回生電力を消費する方法では、発電機の発電量を、内部損失によって消費可能な範囲内に抑制する必要がある。
したがって、ロールバックやロールフォワード等から力行へ移行した状態で、車両が四輪駆動状態となり、モータが出力するトルクを増加させたい場合であっても、内部損失によって発電機の発電量に制限がかかってしまうこととなる。
このため、発電機の発電量が、従駆動輪の駆動時に発電すべき必要電力未満となり、坂道の登攀走行や、坂道発進等の大きな加速力が要求される場合であっても、従駆動輪のトルクを所望の大きさとすることが困難であるという問題が生じるおそれがある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、回生状態から力行へ移行する際に、従駆動輪のトルクを所望の大きさとすることが可能な車両の回生電力制御装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、主駆動輪を駆動する主駆動源からの駆動力を動力源として発電する発電機が発電した電力が、供給された電力を交流電力に変換するインバータを介して従駆動輪を駆動するモータへ供給される車両に備えられ、
前記発電機よりも前記モータ側で、前記モータが発生した回生電力を消費する車両の回生電力制御装置であって、
前記発電機と前記インバータとの間でインバータと並列かつ電気的に接続した電力消費回路が備える通電した前記回生電力を消費する電力消費部と、前記インバータの直流側とを、前記回生電力発生時の前記インバータの直流側における直流電圧及び直流電流のうち少なくとも一方に応じて、接続または接続を遮断し、
前記発電機への発電指令値を、前記回生電力が発生するとともに前記インバータの直流側と前記電力消費部とを接続すると、前記発電機が発電する電力が前記従駆動輪の駆動時に発電機が発電すべき必要電力となるように制御することを特徴とする車両の回生電力制御装置を提供するものである。
本発明によれば、通電した回生電力を消費する電力消費部とインバータの直流側とを、回生電力発生時の、インバータの直流側における直流電圧及び直流電流のうち少なくとも一方に応じて、接続または接続を遮断する。これに加え、回生電力が発生するとともに電力消費部とインバータの直流側とを接続すると、発電機への発電指令値を、発電機が発電する電力が、従駆動輪の駆動時に発電機が発電すべき必要電力となるように制御する。
このため、モータが発電機となって発生する回生電力を、電力消費部によって、発電機よりもモータ側で消費することが可能となるとともに、発電機が発電する電力を、従駆動輪の駆動時に発電機が発電すべき必要電力とすることが可能となる。
その結果、回生状態から力行へ移行する際に、モータのトルクを、従駆動輪の駆動時に必要とされるトルクとすることが可能となるため、従駆動輪のトルクを所望の大きさとすることが可能となり、車両の操縦安定性を向上させることが可能となる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(実施形態)
(構成)
図1は、本実施形態の回生電力制御装置を備えた車両の概略装置構成図である。
図1中に示すように、本実施形態の回生電力制御装置を備えた車両は、エンジン1と、主駆動輪2と、発電機4と、インバータ6と、モータ8と、従駆動輪10とを有する車両である。
エンジン1は、内燃機関であり、主駆動輪2を駆動させる主駆動源を構成している。本実施形態では、主駆動輪2を、車両前後方向前方において、それぞれ、左右に配置した、左右前輪2L、2Rによって構成している。
エンジン1の吸気管路(図示せず)には、例えば、メインスロットルバルブとサブスロットルバルブとを介装している。
メインスロットルバルブには、アクセル開度指示装置であるアクセルペダルを連結しており、アクセルペダルの踏み込み量等に応じて開閉することにより、その開度を調整制御する構成となっている。アクセルペダルには、アクセル開度を検出するアクセルセンサを設けている。アクセルセンサは、検出したアクセル開度を含む情報信号を、後述するエンジンコントローラ12に送信する。
サブスロットルバルブは、アクチュエータとしてステップモータを備えており、ステップモータのステップ数に応じた回転角により、そのサブスロットル開度を調整制御する構成となっている。また、サブスロットルバルブには、スロットルセンサ(図示せず)を設けており、このスロットルセンサによって検出したサブスロットル開度検出値に基づいて、ステップモータのステップ数をフィードバック制御する構成となっている。
ここで、サブスロットルバルブのサブスロットル開度を、メインスロットルバルブのメインスロットル開度以下等に調整することにより、運転者によるアクセルペダルの操作とは独立して、エンジン1の出力トルクTeを減少させることが可能な構成となっている。つまり、サブスロットルバルブの開度を調整する制御を、エンジン1による主駆動輪2の加速スリップを抑制する駆動力制御とする。
エンジンコントローラ12は、アクセルセンサ及び4WDコントローラ14に接続しており、メインスロットルバルブを電気的に調整制御してメインスロットル開度を調整し、エンジン1の駆動状態を制御する機能を有している。メインスロットルバルブの電気的な調整制御は、例えば、アクセルセンサが検出したアクセル開度と、4WDコントローラ14が出力した信号とに基づいて行う。
左右前輪2L、2Rには、それぞれ、前輪速センサ16FL、16FRを設けている。
各前輪速センサ16FL、16FRは、それぞれ、対応する左右前輪2L、2Rの回転速度及び回転数を検出し、この検出した回転速度及び回転数を含む情報信号を、4WDコントローラ14に出力する。
エンジン1と左右前輪2L、2Rとの間には、トランスミッション等を備える変速機18を介装している。これにより、エンジン1が駆動すると、エンジン1の回転トルクTeを、変速機18を介して、左右前輪2L、2Rに伝達する構成としている。
発電機4は、エンジン1からの駆動力を動力源として駆動し、直流の電力を発電する。具体的には、発電機4が有する回転軸を、エンジン1の回転軸と無端ベルト20を介して連結している。これにより、エンジン1の回転トルクTeの一部を、無端ベルト20を介して発電機4に伝達し、発電機4の回転軸を、エンジン1の回転数Neにプーリ比を乗じた回転数Nhで回転させて、直流の電力を発電する。
また、発電機4は、4WDコントローラ14が調整する発電機界磁電流Ifgに応じて、エンジン1に対する負荷となり、その負荷トルクに応じた発電を行う。発電機4が発電する直流の電力(発電電力)の大きさは、発電機4の回転数Ngと発電機界磁電流Ifgとの大きさにより決定する。なお、発電機4の回転数Ngは、エンジン1の回転数Neから、プーリ比に基づき演算することが可能である。
発電機4には、電線22及びジャンクションボックス24を介して、インバータ6を接続している。そして、発電機4が発電した直流の電力を、ジャンクションボックス24を介して、インバータ6へ供給可能としている。
ジャンクションボックス24は、その内部に、発電機4とインバータ6とを接続または遮断するリレーが設けてある。そして、このリレーを接続した状態で、発電機4が発電した直流の電力をインバータ6へ供給する。インバータ6は、発電機4が供給した直流の電力を、例えば、三相交流等の交流電力に変換してモータ8へ供給する。
モータ8は、例えば、界磁巻線型同期モータであり、界磁コイルを有するロ一タ(図示せず)と、回転磁界を発生するための三相巻線(電機子コイル)が巻かれたステータ(図示せず)とを備えている。なお、モータ8としては、上記の界磁巻線型同期モータ以外に、ロータに永久磁石を有する永久磁石型同期モータや誘導モータを適用してもよい。
また、モータ8は、ロータが有する界磁コイルに電流を流すことで発生する磁界と、ステータに巻かれた電機子コイルから発生する磁界との相互作用により回転運動する。これにより、モータ8は、従駆動輪10を駆動させる従駆動源を構成している。本実施形態では、従駆動輪10を、車両前後方向後方において、それぞれ左右に配置した、左右後輪10L、10Rによって構成している。
また、モータ8は、ロータが外力により回転させられる場合には、これらの磁界の相互作用により、電機子コイルの両端に起電力を発生して発電動作する。すなわち、モータ8が発電機となって、回生電力を発生させる。なお、ロータが外力により回転させられて、回生電力が発生する場合の具体例としては、上述したロールバックやロールフォワード等がある。
モータ8の駆動軸は、減速機26、クラッチ28及びデフ30を介して、左右後輪10L、10Rに接続可能となっている。したがって、モータ8の駆動軸が左右後輪10L、10Rに接続された状態で、モータ8が、左右後輪10L、10Rによって構成される従駆動輪10を駆動させる。
クラッチ28は、例えば、湿式多板クラッチによって形成してあり、モータ8から左右後輪10L、10Rまでのトルク伝達経路に介装している。なお、本実施形態においては、締結手段としてのクラッチ28を湿式多板クラッチとしたが、これに限定されるものではなく、クラッチ28を、例えば、パウダークラッチやポンプ式クラッチとしてもよい。
また、クラッチ28は、4WDコントローラ14が出力するクラッチ制御指令に応じて、接続状態または解放状態となり、車両の駆動状態を、四輪駆動状態または二輪駆動状態とする。
具体的には、クラッチ28を接続状態とすると、モータ8の駆動軸を左右後輪10L、10Rに接続して、車両を四輪駆動状態とする。この状態では、左右前輪2L、2R及び左右後輪10L、10Rを駆動輪とする。
一方、クラッチ28を解放状態とすると、モータ8の駆動軸と左右後輪10L、10Rとの接続を解除して、車両を二輪駆動状態とする。この状態では、左右前輪2L、2Rのみを駆動輪とする。
左右後輪10L、10Rには、それぞれ、後輪速センサ32RL、32RRを設けている。
各後輪速センサ32RL、32RRは、それぞれ、対応する左右後輪10L、10Rの回転速度及び回転数を検出し、この検出した回転速度及び回転数を含む情報信号を、4WDコントローラ14に出力する。
図2は、パワーエレクトロニクス部の構成を示す図である。
図2中に示すように、パワーエレクトロニクス部は、発電機4と、インバータ6と、モータ8と、電力消費回路34と、4WDコントローラ14とを備えている。
発電機4は、整流器36を介してインバータ6と接続しており、発電機側界磁回路38を有している。
整流器36とインバータ6との間には、発電機電流センサ40、直流電流センサ42及び直流電圧センサ44を配置している。
発電機電流センサ40は、具体的には、発電機4と電力消費回路34との間に配置してある。
また、発電機電流センサ40は、発電機4からインバータ6の入力側へ供給する電流、すなわち、発電機4が発電した電流(発電機電流Igen)を検出し、この検出した発電機電流Igenの大きさを含む情報信号を、4WDコントローラ14に出力する。
直流電流センサ42は、具体的には、電力消費回路34と後述するキャパシタ46との間に配置してある。
また、直流電流センサ42は、電力消費回路34とキャパシタ46との間、すなわち、インバータ6の直流側における直流電流Idcを検出し、この検出した直流電流Idcの大きさを含む情報信号を、4WDコントローラ14に出力する。なお、以下の説明では、回生電力発生時の直流電流Idc、すなわち、インバータ6の直流側から発電機4側へ流れる直流電流を、「回生直流電流rIdc」と記載する。
この回生直流電流rIdcは、モータ8が発生した回生電力のうち、インバータ6及びモータ8の損失から構成される内部損失で消費される電力と、キャパシタ46の容量との和を超える電力の電流である。なお、以下の説明では、キャパシタ46の容量に関する記載は省略する。
直流電圧センサ44は、具体的には、キャパシタ46とインバータ6との間に配置してある。
また、直流電圧センサ44は、キャパシタ46とインバータ6との間、すなわち、インバータ6の直流側における直流電圧Vdcを検出し、この検出した直流電圧Vdcの大きさを含む情報信号を、4WDコントローラ14に出力する。なお、以下の説明では、回生電力発生時の直流電圧Vdcを、「回生直流電圧rVdc」と記載する。
この回生直流電圧rVdcは、モータ8が発生した回生電力のうち、インバータ6及びモータ8の損失から構成される内部損失で消費可能な電力を超える電力の電圧である。
インバータ6の直流側(入力回路)には、キャパシタ46を並列に設置している。これにより、コンデンサインプット型の回路を形成している。
インバータ6の交流側(出力回路)には、モータ8が接続しており、インバータ6の交流側とモータ8との間には、V相電流センサ48及びW相電流センサ50を配置している。
V相電流センサ48は、インバータ6の交流側からモータ8へ出力するV相電流を検出し、この検出したV相電流の大きさを含む情報信号を、4WDコントローラ14に出力する。
W相電流センサ50は、インバータ6の交流側からモータ8へ出力するW相電流を検出し、この検出したW相電流の大きさを含む情報信号を、4WDコントローラ14に出力する。
発電機側界磁回路38は、定電圧電源52と、発電機側界磁コイル54とを備えており、4WDコントローラ14が出力した発電機制御信号に応じて、発電機界磁電流Ifgの大きさを制御する。なお、本実施形態では、定電圧電源52として、車両に搭載した14Vバッテリを用いる。
また、発電機側界磁回路38は、界磁電流電源として、定電圧電源52または発電機4自身の出力電圧(システム電圧)を選択する構成とする。これにより、界磁電流電源の陽極側を発電機側界磁コイル54に接続して、トランジスタ(図示せず)のスイッチングを行うように構成する。この場合、システム電圧Vsがバッテリ電圧Vbを下回っている状態では、他励領域となってバッテリ電圧Vbを発電機側界磁コイル54の電源とする。一方、発電機4の出力が増加した場合等、システム電圧Vsがバッテリ電圧Vb以上となる場合には、自励領域となって発電機4の出力電圧Vgを選択し、発電機側界磁コイル54の電源とする。すなわち、システム電圧Vs及びバッテリ電圧Vbのうち、大きい方の電圧を電源電圧とすることにより、界磁電源電圧が0[V]となることを防止可能である。また、発電機界磁電流Ifgの値を、システム電圧に応じて増大することが可能であるため、発電機出力の大幅な増加が可能である。
モータ8は、モータ側界磁回路56を有しており、その駆動軸にレゾルバ58を連結している。
モータ側界磁回路56は、モータ側界磁コイル60を備えており、発電機4が発電した電圧を電源として、モータ側界磁回路56に流れるモータ界磁電流Ifmを制御する。また、モータ側界磁回路56は、定電圧電源として、発電機側界磁回路38が備える定電圧電源52を共用する。
また、モータ側界磁回路56は、発電機側界磁回路38と同様に、界磁電流電源として、定電圧電源52またはシステム電圧Vsを選択する構成を適用する。これにより、発電機側界磁回路38と同様に、システム電圧Vs及びバッテリ電圧Vbのうち、大きい方の電圧を電源電圧とすることにより、界磁電源電圧が0[V]となることを防止する。
また、モータ側界磁回路56の構成は、公知のHブリッジ回路を含み、4WDコントローラ14が出力したモータ制御信号によって、モータ側界磁回路56に逆電圧が加わる場合にも対応可能な構成とする。
レゾルバ58は、モータ8が有するロータの回転角度位置θを検出し、この検出した回転角度位置θを含む情報信号を、4WDコントローラ14に出力する。
モータ側界磁コイル60には、モータ界磁電流センサ62を設けている。
モータ界磁電流センサ62は、モータ側界磁回路56を流れるモータ界磁電流Ifmを検出し、この検出したモータ界磁電流Ifmの大きさを含む情報信号を、4WDコントローラ14に出力する。
電力消費回路34は、発電機4とインバータ6との間で、インバータと並列かつ電気的に接続している。
また、電力消費回路34は、電力消費部64と、スイッチング部66とを備えている。
電力消費部64は、例えば、抵抗であり、回生電力等の電力を通電すると、この電力をジュール熱に変換して消費する。
スイッチング部66は、例えば、スイッチング素子であり、後述する切り替え制御部68が出力する切り替え信号に応じて、通電状態または非通電状態に切り替わる。
また、スイッチング部66は、通電状態でインバータ6の直流側と電力消費部64とを接続し、且つ非通電状態でインバータ6の直流側と電力消費部64との接続を遮断する。
4WDコントローラ14は、例えば、マイクロコンピュータ等の演算処理装置を備えた構成である。4WDコントローラ14の構成については、後述する。
以下、図1及び図2を参照しつつ、図3から図9を用いて、4WDコントローラ14の構成について説明する。
図3は、4WDコントローラ14の詳細を示すブロック図である。
図3中に示すように、4WDコントローラ14は、目標モータトルク演算部14A、発電機供給電力演算部14B、回生電力発生判定部14C、回生電力供給部14Dを備えている。さらに、4WDコントローラ14は、モータ制御部14E、電圧指令値制御部14F、発電電流指令演算部14G、発電量制御部14Hを備えている。
目標モータトルク演算部14Aは、主駆動輪2及び従駆動輪10の車輪速度信号に基づいて算出した主駆動輪2と従駆動輪10との車輪速度差と、アクセルペダル開度とから、モータトルク指令値Tr*を算出する。すなわち、目標モータトルク演算部14Aは、従駆動輪10の駆動時に必要とされる、モータ8のトルクを演算する。
そして、目標モータトルク演算部14Aは、算出したモータトルク指令値Tr*を、発電機供給電力演算部14B、モータ制御部14E及び発電量制御部14Hへ出力する。
発電機供給電力演算部14Bは、モータトルク指令値Tr*とモータ回転数Nmとに基づいて、発電機供給電力Pgを、以下に示す式(1)により演算する。すなわち、発電機供給電力演算部14Bは、従駆動輪10の駆動時に発電機4が発電すべき必要電力を演算する。なお、モータ回転数Nmは、例えば、レゾルバ58が検出した回転角度位置θを含む情報信号に基づいて求める。
Pg=Tr*×Nm/Иm…(1)
ここで、Иmはインバータ効率である。すなわち、発電機供給電力Pgは、トルク指令値Ttとモータ回転数Nmとの積により求めた、モータに必要な電力Pm(=Tr*×Nm)よりも、インバータ効率Иmの分、多い値となる。
そして、発電機供給電力演算部14Bは、算出した発電機供給電力Pgを、発電電流指令演算部14Gへ出力する。
回生電力発生判定部14Cは、モータ回転数Nm及びシフト位置に基づいて、車両の挙動がロールバックまたはロールフォワードとなっているか否かを判定する。そして、その判定結果を、回生電力供給部14Dへ出力する。具体例としては、シフト位置が「Dレンジ」等の前進側である場合に、モータ回転数Nmが負側(逆転側)であると、車両の挙動がロールバックであると判定する。
すなわち、回生電力発生判定部14Cは、回生電流が発生しているか否かを判定し、その判定結果を、回生電力供給部14Dへ出力する。なお、シフト位置は、例えば、変速機18に、現在のシフト位置を検出し、この検出したシフト位置を含む情報信号を4WDコントローラ14へ出力する、シフト位置検出センサを設ける。そして、このシフト位置検出センサが出力した情報信号に基づいて、シフト位置を求める。
図4は、回生電力供給部14Dの詳細を示すブロック図である。
図4中に示すように、回生電力供給部14Dは、電力判定部70と、切り替え制御部68とを備えている。
電力判定部70は、回生電力発生判定部14Cから、回生電流が発生しているとの判定結果を受信すると、モータ8が発生した回生電力が、内部損失以上であるか否かを判定する。そして、その判定結果を、切り替え制御部68へ出力する。
具体的には、回生直流電流rIdcが0A以上である場合に、回生電力が内部損失以上であると判定し、回生直流電流rIdcが0A未満である場合に、回生電力が内部損失未満であると判定する。
切り替え制御部68は、電力判定部70から、回生電力が内部損失以上であるとの判定結果を受信すると、スイッチング部66を通電状態に切り替える情報信号を生成する。そして、この生成した情報信号を、スイッチング部66、モータ制御部14E、電圧指令値制御部14F、発電電流指令演算部14G及び発電量制御部14Hへ出力する。なお、本実施形態では、切り替え制御部68が、スイッチング部66を通電状態に切り替える情報信号を出力した後、この情報信号をDuty制御しない場合について説明する。すなわち、本実施形態では、切り替え制御部68が、スイッチング部66を通電状態へ切り替えた状態で、スイッチング部66をDuty制御しない場合について説明する。
スイッチング部66を通電状態に切り替える情報信号を受信したスイッチング部66は、通電状態に切り替わり、インバータ6の直流側と電力消費部64とを接続する。
ここで、上記のように、電力判定部70が、回生電力が内部損失以上であると判定し、切り替え制御部68が、スイッチング部66を通電状態に切り替える情報信号を出力して、スイッチング部66が通電状態となるまでには、一般的に、応答遅れが生じる。この場合、回生電力を電力消費部64へ通電する前に、回生電力が電力消費回路34よりも発電機4側へ流れることとなる。
したがって、本実施形態では、予め、0A以上の値である閾値(以下、「回生直流電流閾値rIdc_siki」と記載する)を設定する。そして、この回生直流電流閾値rIdc_sikiと回生直流電流rIdcとを比較して、回生電力が内部損失以上であるか否かの判定を行う。なお、回生直流電流閾値rIdc_sikiは、例えば、5A〜10A程度とする。
一方、切り替え制御部68は、回生電力が内部損失未満であるとの判定結果を受信すると、スイッチング部66を非通電状態に切り替える情報信号を生成する。そして、この生成した情報信号を、スイッチング部66、モータ制御部14E、電圧指令値制御部14F、発電電流指令演算部14G及び発電量制御部14Hへ出力する。
スイッチング部66を非通電状態に切り替える情報信号を受信したスイッチング部66は、非通電状態に切り替わり、インバータ6の直流側と電力消費部64との接続を遮断する。
以上により、切り替え制御部68は、回生直流電流rIdcに応じて、スイッチング部66を通電状態または非通電状態に切り替える。
以下、上述した回生電力供給部14Dの動作を、図5を参照して説明する。
図5は、回生電力供給部14Dの動作を示すフローチャートである。
図5中に示すように、回生電力供給部14Dの動作は、電力判定部70が、回生電力発生判定部14Cから、回生電流が発生しているとの判定結果を受信した時点からスタートする(スタート)。
回生電流が発生しているとの判定結果を受信した電力判定部70は、回生電力が内部損失以上であるか否かを判定し、その判定結果を、切り替え制御部68へ出力する(ステップS10)。
また、ステップS10における処理は、電力消費回路34の制御を開始するフラグ(図5中に示す「電力消費回路制御開始フラグ」)が成立するか否かの判定を行う処理を兼ねる。
電力判定部70が、回生電力が内部損失以上であると判定すると、この判定結果を、切り替え制御部68へ出力するとともに、電力消費回路制御開始フラグが成立している(Yes)と判定する。
回生電力が内部損失以上であるとの判定結果を受信した切り替え制御部68は、スイッチング部66を通電状態に切り替える情報信号を生成する(図5中に示す「電力消費回路SW:オン」)。そして、この情報信号を、スイッチング部66へ出力する(ステップS12)。
このとき、切り替え制御部68は、スイッチング部66を通電状態へ切り替えた状態で、スイッチング部66をDuty制御しない。
切り替え制御部68が、スイッチング部66を通電状態に切り替える情報信号を出力した後、回生電力供給部14Dの処理は、ステップS10の処理へ復帰する(リターン)。
一方、電力判定部70が、回生電力が内部損失未満であると判定すると、この判定結果を、切り替え制御部68へ出力するとともに、電力消費回路制御開始フラグが成立していない(No)と判定する。
回生電力が内部損失未満であるとの判定結果を受信した切り替え制御部68は、スイッチング部66を非通電状態に切り替える情報信号を生成する(図5中に示す「電力消費回路SW:オフ」)。そして、この情報信号を、スイッチング部66へ出力する(ステップS14)。
切り替え制御部68が、スイッチング部66を非通電状態に切り替える情報信号を出力した後、回生電力供給部14Dの処理は、ステップS10の処理へ復帰する(リターン)。
図6は、モータ制御部14Eの詳細を示すブロック図である。
図6中に示すように、モータ制御部14Eは、モータ界磁発電指令値算出部100と、乗算部102と、モータ側フィードバック制御部104と、モータ側PI制御部106と、モータ側Duty制御部108とを備えている。
また、モータ制御部14Eは、回生電力供給部14Dから、スイッチング部66を通電状態に切り替える情報信号を受信すると動作する。
モータ界磁発電指令値算出部100では、モータ回転数Nmと、目標モータトルク演算部14Aで算出されたモータトルク指令値Tr*とを、予め格納されたモータ界磁発電指令値特性マップに適用して、モータ界磁発電指令値If*を算出する。そして、算出したモータ界磁発電指令値If*を、モータ側フィードバック制御部104へ出力する。
図7は、回生電力発生時における、モータ界磁発電指令値特性マップの一例を示す図である。
図7中に示すように、モータ界磁発電指令値特性マップは、発電機4が発電する電力(発電電力)と、モータ回転数Nmと、モータトルク指令値Tr*との関係を定義するマップである。なお、本実施形態では、モータトルクが一定である状態のマップを用いる。
発電電力とモータ回転数Nmとの関係は、回生電力が発生している領域では、回転数が減少(負側へ増加)するほど、発電電力も増加する。そして、増加した発電電力が発電電力閾値となると、発電電力は一定値となる。ここで、発電電力閾値は、車両の挙動が、回生電力が発生している状態から力行へ移行する際に、従駆動輪10の駆動時に必要とされる電力に応じて設定する。
以下、図6を参照した説明に戻る。
乗算部102では、発電機電流Igenと回生直流電圧rVdcとを乗算し、この乗算した結果をモータ側フィードバック制御部104へ出力する。
モータ側フィードバック制御部104では、モータ界磁発電指令値If*と、乗算部102が出力した乗算結果から、フィードバック制御によって両者の偏差を算出し、この算出した偏差を、モータ側PI制御部106へ出力する。
モータ側PI制御部106では、モータ側フィードバック制御部104で算出した偏差に対してPI制御を行った後、この偏差を、モータ側Duty制御部108へ出力する。
モータ側Duty制御部108では、PI制御を行った偏差に対し、回生直流電圧rVdcを用いてDuty制御を行い、モータトルク指令値を生成する。そして、この生成したモータトルク指令値を、モータ側界磁回路56へ出力する。
以上により、モータ制御部14Eは、回生電力が発生するとともにスイッチング部66を通電状態に切り替えると、モータ8のトルクが、目標モータトルク演算部14Aの演算したトルクとなるように、モータ8へのトルク指令値を制御する。
以下、上述した回生電力発生判定部14C、回生電力供給部14D及びモータ制御部14Eの動作を、図8を参照して説明する。
図8は、回生電力発生判定部14C、回生電力供給部14D及びモータ制御部14Eの動作を示すフローチャートである。
図8中に示すように、回生電力発生判定部14C、回生電力供給部14D及びモータ制御部14Eの動作は、回生電力発生判定部14Cが、回生電流が発生しているか否かの判定を行う時点からスタートする(スタート)。なお、図8中では、回生電流が発生しているか否かの判定を、車両の挙動がロールバックであるか否かの判定(図8中に示す「ロールバック運転」)を用いて行った場合を例示している。
回生電力発生判定部14Cは、ステップS20において、車両の挙動がロールバックであるか否かの判定を行う。そして、車両の挙動がロールバックであると判定した場合、この判定結果を、回生電力供給部14Dが備える電力判定部70へ出力する。
一方、回生電力発生判定部14Cは、ステップS20において、車両の挙動がロールバックではないと判定した場合、この判定結果を、回生電力供給部14Dが備える電力判定部70へ出力した後、ステップS20の処理へ復帰する(リターン)。
車両の挙動がロールバックであるとの判定結果を受信した電力判定部70は、ステップS22において、回生直流電流閾値rIdc_sikiと回生直流電流rIdcとを比較し、回生電力が内部損失以上であるか否かの判定を行う。そして、回生直流電流閾値rIdc_sikiが回生直流電流rIdc以上であり、回生電力が内部損失以上であると判定すると、この判定結果を、切り替え制御部68へ出力する。
一方、電力判定部70は、ステップS22において、回生直流電流閾値rIdc_sikiが回生直流電流rIdc未満であり、回生電力が内部損失未満であると判定すると、この判定結果を、切り替え制御部68へ出力する。
回生電力が内部損失以上であるとの判定結果を受信した切り替え制御部68は、ステップS24において、スイッチング部66を通電状態に切り替える情報信号を生成する。そして、この情報信号を、スイッチング部66及びモータ制御部14Eへ出力する(図8中に示す「電力消費回路制御開始」)。このとき、切り替え制御部68は、スイッチング部66を通電状態へ切り替えた状態で、スイッチング部66をDuty制御しない。
スイッチング部66を通電状態に切り替える情報信号を受信したスイッチング部66は、通電状態に切り替わり、インバータ6の直流側と電力消費部64とを接続する。そして、電力消費部64は、スイッチング部66を介して通電した回生電力を、ジュール熱に変換して消費する。
一方、回生電力が内部損失未満であるとの判定結果を受信した切り替え制御部68は、ステップS26において、スイッチング部66を非通電状態に切り替える情報信号を生成し、この情報信号を、スイッチング部66へ出力する。その後、ステップS20の処理へ復帰する(リターン)。
スイッチング部66を非通電状態に切り替える情報信号を受信したスイッチング部66は、非通電状態に切り替わり、インバータ6の直流側と電力消費部64との接続を遮断する。これにより、車両の挙動がロールバックである状態で、回生電力を、電力消費部64を用いることなく、内部損失によって消費することとなる(図8中に示す「内部損失でロールバック運転」)。
スイッチング部66を通電状態に切り替える情報信号を受信したモータ制御部14Eは、ステップS28において、モータトルク指令値を生成する(図8中に示す「ロールバック発電制御開始」)。そして、この生成したモータトルク指令値を、モータ側界磁回路56へ出力する。モータトルク指令値をモータ側界磁回路56へ出力した後、ステップS20の処理へ復帰する(リターン)。
電圧指令値制御部14Fは、モータ制御部14Eと同様、回生電力供給部14Dから、スイッチング部66を通電状態に切り替える情報信号を受信すると動作する。そして、回生直流電圧rVdcがモータ8の誘起電圧を超えるように、発電機4への電圧指令値を制御する。
具体的には、スイッチング部66を通電状態とした後の回生直流電圧rVdcの減少量と、スイッチング部66を通電状態とする前の回生直流電圧rVdcの増加量と、モータ8の誘起電圧に応じて、発電機4への発電電圧指令値Vdc*を算出する。そして、この算出した発電電圧指令値Vdc*を、発電機4へ出力する。
なお、電圧指令値制御部14Fは、上述したように、切り替え制御部68が、スイッチング部66を通電状態へ切り替えた状態で、スイッチング部66をDuty制御しない場合に、上記の動作を行う。一方、切り替え制御部68が、スイッチング部66を通電状態へ切り替えた状態で、スイッチング部66をDuty制御する場合には、異なる動作を行う。切り替え制御部68が、スイッチング部66を通電状態へ切り替えた状態で、スイッチング部66をDuty制御する場合における、電圧指令値制御部14Fの動作については、後述する。
以下、図9を参照して、電圧指令値制御部14Fにより、回生直流電圧rVdcがモータ8の誘起電圧を超えるように、発電機4への電圧指令値を制御する理由について説明する。
図9は、スイッチング部66を通電状態とした状態における、発電機電流Igen(以下、「ジェネレータ電流」と記載する)及び直流電圧Vdcの動作点(以下、単に「動作点」と記載する)の動きを示す図である。なお、図9中に示す横軸はジェネレータ電流であり、縦軸は直流電圧Vdcである。また、図9中に示す複数本の直線Aは、それぞれ、発電機の界磁電流が一定であるときに、動作点が移動する経路である。
図9中に示すように、発電機への電圧指令値が低く、直流電圧Vdcが低い点(図9中に示すLowP1)でスイッチング部66を通電状態とすると、動作点が移動して、ジェネレータ電流が増加するととともに直流電圧Vdcが減少する。そして、減少した直流電圧Vdcは、抵抗値上の収束動作点(図9中に示すLowR1)で収束する。
この状態では、減少した直流電圧Vdcが、モータ8の誘起電圧未満となるため、発電機となったモータ8の制御が破綻する。
これに対し、本実施形態のように、電圧指令値制御部14Fにより、発電機4への電圧指令値を制御すると、直流電圧Vdcが低い点lowP1よりも直流電圧Vdcが高い点(図9中に示すHiP1)で、スイッチング部66が通電状態となる。これは、切り替え制御部68がスイッチング部66を通電状態に切り替える情報信号を出力して、スイッチング部66が通電状態となるまでに生じる応答遅れの間に、直流電圧Vdcが増加するためである。
lowP1よりも直流電圧Vdcが高い点HiP1で、スイッチング部66を通電状態とすると、動作点が移動して、ジェネレータ電流が増加するととともに直流電圧Vdcが減少する。そして、減少した直流電圧Vdcは、LowR1よりも直流電圧Vdcが高い収束動作点(図9中に示すHiR1)で収束する。
この状態では、減少した直流電圧Vdcが、モータ8の誘起電圧以上となるため、発電機となったモータ8の制御が破綻することを防止可能となる。
発電電流指令演算部14Gは、モータ制御部14Eと同様、回生電力供給部14Dから、スイッチング部66を通電状態に切り替える情報信号を受信すると動作する。そして、発電機4が発電する電力が発電機供給電力Pgとなるように、発電機4への発電指令値を制御する。
具体的には、まず、発電機供給電力演算部14Bで算出した発電機供給電力Pgと、電圧指令値制御部14Fで算出した発電電圧指令値Vdc*に基づいて、電流指令値idc*を、以下に示す式(2)により演算する。
Idc*=Pg/Vdc*…(2)
そして、上述した式(2)によって演算した電流指令値idc*を、発電機制御信号として発電機4へ出力する。
発電量制御部14Hは、モータ制御部14Eと同様、回生電力供給部14Dから、スイッチング部66を通電状態に切り替える情報信号を受信すると動作する。そして、発電機4が発電する電力が、電力消費回路34及び内部損失によって消費可能な電力を超えないように、発電機4の発電量を制御する。
具体的には、発電機電流Igenと回生直流電流rIdcに応じて、発電機電流Igenが回生直流電流rIdcを超えないように、発電機4へ、発電を停止する発電停止信号を出力する。なお、発電機電流Igenが回生直流電流rIdcを超える状態とは、電力消費部64へ、回生電力に加え、発電機4が発電した電力を通電する状態である。
なお、上記のような、目標モータトルク演算部14Aは、従駆動輪10の駆動時に必要とされるモータ8のトルクを演算する、トルク演算手段を構成している。
また、上記のような、発電機供給電力演算部14Bは、従駆動輪10の駆動時に発電機4が発電すべき必要電力を演算する、電力演算手段を構成している。
また、上記のような、電力消費回路34及び回生電力供給部14Dは、モータ8が発生した回生電力を発電機4よりもモータ8側で消費する、回生電力消費手段を構成している。
また、上記のような、モータ制御部14Eは、モータ8のトルクが目標モータトルク演算部14Aの演算したトルクとなるように、モータ8へのトルク指令値を制御するトルク制御手段を構成している。
また、上記のような、電圧指令値制御部14Fは、回生直流電圧rVdcがモータ8の誘起電圧を超えるように発電機4への電圧指令値を制御する、電圧指令値制御手段を構成している。
また、上記のような、発電電流指令演算部14Gは、発電機4が発電する電力が従駆動輪10の駆動時に発電機4が発電すべき必要電力となるように、発電機4への発電指令値を制御する発電指令値制御手段を構成している。
(動作)
次に、回生電力制御装置の動作について、図1から図9を参照しつつ、図10及び図11を用いて説明する。なお、以下の説明は、主に図10を用いて説明する。
図10は、車両の走行時における、モータ8及びパワーエレクトロニクス部の挙動を示すタイムチャートである。なお、図10中に示すグラフは、上から、モータ回転数(Motor speed)、モータトルク(Truque)、直流電流(DC Current)の挙動を、それぞれ示している。さらに、図10中に示すグラフは、上から、直流電力(Power)、直流電圧(DC Voltage)、発電機界磁電流(Generator field current)の挙動を、それぞれ示している。
また、本実施形態では、一例として、モータトルク及び発電機界磁電流を一定値に制御した場合を説明する。また、本実施形態では、一例として、回生直流電流閾値rIdc_sikiを0Aとした場合を説明する。
また、図11は、図10のタイムチャートの一部と連動する、ジェネレータ電流及び直流電圧Vdcの動作点の動きを示す図である。なお、図11中に示す横軸、縦軸及び複数本の直線Aは、それぞれ、図9中に示すものと同様の要素を示している。また、図11中では、図9と異なり、増加した電圧が制御破綻の要因となる「過電圧閾値」を示している。
図10のタイムチャートは、車両が力行状態で走行している時点(図中に示す「t0」)からスタートする。
車両が力行状態で走行している状態から、例えば、アクセルペダルの踏み込み操作の停止やブレーキペダルの踏み込み操作等を行い、車速が減少すると、モータ回転数が減少(負側へ増加)していく。
このとき、モータ回転数の減少に伴い、モータ出力(「直流電力」欄に示す「ωT:モータ出力」)が減少するため、直流電流Idc(「直流電流」欄に示す「DC電流:Idc」)が減少する。この状態では、モータ出力は、内部損失(「直流電力」欄に示す「モータ+インバータ消費パワー:(Rs+Ron)Im」)未満である。
また、上記の状態では、車速の減少に伴い、エンジン1の回転数が減少するため、発電機電流Igen(「直流電流」欄に示す「ジェネレータ電流:Igen」)が減少する。これにより、直流電圧Vdcと発電機電流Igenからなる発電機電力(「直流電力」欄に示す「ジェネレータパワー:Vdc×Igen」)が減少する。また、直流電流Idc及び発電機電流Igenが減少するため、直流電圧Vdcが増加する。
そして、モータ回転数が減少して、モータ8の回転数が0rpmとなり(図中に示す「t1」)、さらに、車両が後退する(ロールバック)と、モータ8の回転数が0rpmから減少する。そして、モータ8の回転数が負側の回転数となり、モータ出力が増加して、モータ8が発電機となって回生電力を発生する。また、モータ8の回転数が負側の回転数となると、回転数の増加に伴って、モータ8による回生制動力が増加する。
ロールバックが継続して、モータ8の負側への回転数が増加すると、モータ出力が増加する。このため、回生電力が増加し、内部損失へ近づく。この状態では、回生電力が内部損失未満である間は、回生電力を内部損失で消費するため、回生電力が電力消費回路34よりも発電機4側へ流れることを防止可能となる。
また、モータ8が発電機となって回生電力を発生すると、回生電力発生判定部14Cが、回生電流が発生しているとの判定結果を回生電力供給部14Dへ出力する。
回生電流が発生しているとの判定結果を受信した回生電力供給部14Dでは、電力判定部70が、回生電力が内部損失以上であるか否かを判定する。回生電力が内部損失以上であるか否かを判定した電力判定部70は、その判定結果を、切り替え制御部68へ出力する。
ここで、回生電力が内部損失未満である間(図10及び図11中に示す「t1→t2」)は、電力判定部70が、回生電力が内部損失未満であるとの判定結果を切り替え制御部68へ出力するため、スイッチング部66は非通電状態となる。
また、上記の状態では、エンジン1の回転数が「t1」の時点よりも減少するため、発電機電流Igen及び発電機電力が「t1」の時点よりも減少する。また、直流電流Idc及び発電機電流Igenが「t1」の時点よりも減少するため、直流電圧Vdcが「t1」の時点よりも増加する。
これにより、発電機電流Igenの減少に伴って増加した直流電圧Vdcが過電圧閾値へ近づくとともに、ジェネレータ電流が減少する(図11参照)。
モータ8の負側への回転数が増加し、モータ出力が増加すると、回生電力が内部損失と等しくなった時点(図中に示す「t2」)で、電力判定部70が、回生電力が内部損失以上であると判定し、その判定結果を切り替え制御部68へ出力する。
回生電力が内部損失以上であるとの判定結果を受信した切り替え制御部68は、スイッチング部66を通電状態に切り替える情報信号を、スイッチング部66、モータ制御部14E、電圧指令値制御部14Fへ出力する。これに加え、回生電力が内部損失以上であるとの判定結果を受信した切り替え制御部68は、スイッチング部66を通電状態に切り替える情報信号を、発電電流指令演算部14G及び発電量制御部14Hへ出力する。
そして、スイッチング部66を通電状態に切り替える情報信号を受信したスイッチング部66は、通電状態に切り替わり、インバータ6の直流側と電力消費部64とを接続する。これにより、スイッチング部66を介して回生電力を電力消費部64へ通電する。電力消費部64は、スイッチング部66を介して通電した回生電力を、ジュール熱に変換して消費する。
したがって、回生電力を、内部損失に加え、さらに、電力消費部64によって消費することとなり、回生電力の総消費量(「直流電力」欄に示す「全損失:(モータ+インバータ消費パワー)+放電抵抗損失」)が増加する。
また、スイッチング部66を通電状態に切り替える情報信号を受信したモータ制御部14Eは、モータ8のトルクが、目標モータトルク演算部14Aの演算したトルクとなるように、モータ8へのトルク指令値を制御する。
さらに、スイッチング部66を通電状態に切り替える情報信号を受信した電圧指令値制御部14Fは、回生直流電圧rVdcがモータ8の誘起電圧を超えるように、発電機4への電圧指令値を制御する。これにより、図10及び図11中に示す「t2→t3」の間は、直流電圧Vdcが「t2」の時点よりも増加するため、直流電流Idc及び発電機電流Igenが、「t2」の時点よりも減少する。
また、スイッチング部66を通電状態に切り替える情報信号を受信した発電電流指令演算部14Gは、発電機4が発電する電力が発電機供給電力Pgとなるように、発電機4への発電指令値を制御する。これにより、発電機電流Igenの減少度合いを、発電機4が発電する電力が、従駆動輪10の駆動時に発電機4が発電すべき必要電力となるような減少度合いとして、発電機電流Igenが0Aとなることを防止する。
このため、発電機電流Igenが増加するともに、直流電圧Vdcが減少する。この時点「t2」では、発電機電流Igenの増加分を、全て、電力消費部64へ通電することとなる。
そして、発電機電流Igenの増加に伴い、発電機電力も増加する。発電機電力の増加分は、電力消費部64による回生電力の消費分であり、回生電力の総消費量の増加分であるため、回生電力が電力消費回路34よりも発電機4側へ流れることを防止可能となる。
以上により、発電機電流Igenの増加に伴い、直流電圧Vdcが過電圧閾値から離れる方向へ減少するとともに、ジェネレータ電流が増加する(図11参照)。
回生電力が内部損失と等しくなった時点「t2」からロールバックが継続して、モータ8の負側への回転数が増加し、モータ出力が増加すると、電力消費部64へ通電する回生電力の電流(図中に示す「放電ジェネレータ電流:Ir」)が増加する。この状態では、エンジン1の回転数が「t2」の時点よりも減少するため、発電機電流Igen及び発電機電力が、「t2」の時点よりも減少する。
また、上記の状態では、モータ出力の増加と発電機電力の減少に応じ、回生電力の総消費量が増加する。このため、回生電力が電力消費回路34よりも発電機4側へ流れることを防止可能となる。
これにより、回生電力の総消費量の増加に伴って、直流電圧Vdcが電力消費部64の抵抗に沿って増加するとともに、ジェネレータ電流が増加する(図11参照)。
ロールバックの継続中に、モータ8の回生制動力が増加してロールバックが停止し、車両の挙動が停止状態となると、ロールバックが停止した時点(図中に示す「t3」)で、モータ回転数の負側への増加が停止する。
モータ回転数の負側への増加が停止すると、電力消費部64へ通電する回生電力の電流の増加、発電機電流Igen及び発電機電力の減少、直流電圧Vdcの増加及び直流電流Idcの減少が停止する。
このとき、発電電流指令演算部14Gは、発電機電流Igen及び発電機電力を、従駆動輪10の駆動時に発電機4が発電すべき必要電力となるように、発電機4への発電指令値を制御している。このため、発電機4が発電する電力は、従駆動輪10の駆動時に発電機4が発電すべき必要電力を維持する。
この状態では、電力消費部64へ通電する回生電力に応じて、直流電圧Vdcの減少が停止する値(収束電圧)が異なる(図11参照)。すなわち、図10及び図11中に示す「t3」から「t4」の区間では、回生電力の量に応じて、収束電圧が異なる。
また、モータ出力の増加と発電機電力Igenの減少が停止するため、回生電力の総消費量の増加が停止し、モータ出力及び発電機電力Igenに応じた値を保持する。このため、回生電力が電力消費回路34よりも発電機4側へ流れることを防止可能となる。
ロールバックが停止した状態において、アクセルペダルの踏み込み操作が行われた時点(図中に示す「t4」)で、エンジン1の駆動力を主駆動輪2へ伝達すると、車両の挙動は、力行状態へと移行する。
この状態では、エンジン1の回転数が増加して、発電機電流Igenが増加する。また、モータ8の負側への回転数が減少し、発電機としてのモータ出力が減少するため、電力消費部64へ通電する回生電力が減少して、内部損失へ近づく。
このとき、発電電流指令演算部14Gは、発電機電流Igen及び発電機電力が、従駆動輪10の駆動時に発電機4が発電すべき必要電力となるように、発電機4への発電指令値を制御している。このため、発電機電流Igenは、従駆動輪10の駆動時に発電機4が発電すべき必要電力を下回ることなく増加し、モータ8のトルクを安定して出力することが可能となる。
また、この状態では、直流電圧Vdcが減少するため、直流電流Idcが増加する。また、直流電流Idc及び発電機電流Igenが増加するため、発電機電力が増加する。
また、モータ出力の減少と発電機電力の増加に応じ、回生電力の総消費量が減少する。ここで、モータ出力の減少度合いは、発電機電力の増加度合いよりも大きいため、回生電力の総消費量が減少する。このため、回生電力が電力消費回路34よりも発電機4側へ流れることを防止可能となる。
モータ出力の減少により回生電力が減少し、この回生電力が内部損失未満となった時点(図中に示す「t5」)で、電力判定部70が、回生電力が内部損失未満であると判定し、その判定結果を切り替え制御部68へ出力する。
回生電力が内部損失未満であるとの判定結果を受信した切り替え制御部68は、スイッチング部66を非通電状態に切り替える情報信号を、スイッチング部66、モータ制御部14E、電圧指令値制御部14Fへ出力する。これに加え、回生電力が内部損失未満であるとの判定結果を受信した切り替え制御部68は、スイッチング部66を非通電状態に切り替える情報信号を、発電電流指令演算部14G及び発電量制御部14Hへ出力する。
スイッチング部66を非通電状態に切り替える情報信号を受信したスイッチング部66は、非通電状態に切り替わり、インバータ6の直流側と電力消費部64との接続を遮断して、回生電力の電力消費部64への通電を遮断する。
これにより、電力消費部64を用いることなく、内部損失によって回生電力を消費することとなり、回生電力の総消費量が減少する。この状態では、全ての回生電力が内部損失によって消費されるため、回生電力が電力消費回路34よりも発電機4側へ流れることを防止可能となる。
また、スイッチング部66を非通電状態に切り替える情報信号を受信したモータ制御部14Eは、モータ8へのトルク指令値の制御を停止する。これにより、発電機電流Igenが減少するともに、直流電圧Vdcが増加する。
そして、発電機電流Igenの減少に伴い、発電機電力が減少する。このとき、発電機電力の減少分は、電力消費部64へ通電していた回生電力の消費分であり、回生電力の総消費量の減少分であるため、回生電力が電力消費回路34よりも発電機4側へ流れることを防止可能となる。
回生電力が内部損失未満となった時点「t5」から、モータ8の負側への回転数が減少し、モータ出力が減少すると、エンジン1の回転数が「t5」の時点よりも増加する。このため、発電機電流Igen及び発電機電力が、「t5」の時点よりも増加する。
そして、モータ8の回転数が0rpmを越えた時点(図中に示す「t6」)で、モータ8が発生した駆動力が従駆動輪10に伝達され、従駆動輪10が駆動する。これにより、車両は、四輪駆動状態で走行する。
以上により、本実施形態の回生電力制御装置では、回生電力が内部抵抗を超えている間(図10中に示す「t2」から「t5」の間)において、発電機4が発電する電力が、従駆動輪10の駆動時に発電機4が発電すべき必要電力となる。すなわち、図10及び図11中に示す「放電抵抗ON⇒Vdc=Rdis×Ir」の区間において、発電機4が発電する電力が、従駆動輪10の駆動時に発電機4が発電すべき必要電力となる。
以下、図10及び図11を参照しつつ、図12及び図13を用いて、本実施形態の回生電力制御装置の動作と、従来例の回生電力制御装置の動作とを比較する。
図12は、従来例の回生電力制御装置による、車両の走行時における、モータ8及びパワーエレクトロニクス部の挙動を示すタイムチャートである。なお、図12中に示すグラフは、図10中に示したものと同様であり、以下の説明では、モータトルク及び発電機界磁電流を一定値に制御し、回生直流電流閾値rIdc_sikiを0Aとした場合を説明する。
また、図13は、図12のタイムチャートの一部と連動する、ジェネレータ電流及び直流電圧Vdcの動作点の動きを示す図である。なお、図13中に示す横軸、縦軸、複数本の直線A及び過電圧閾値は、それぞれ、図11中に示すものと同様の要素を示している。
図12のタイムチャートは、車両が力行状態で走行している時点(図中に示す「t0」)からスタートする。
車両が力行状態で走行している状態から、例えば、アクセルペダルの踏み込み操作の停止やブレーキペダルの踏み込み操作等を行い、車速が減少すると、モータ回転数が減少していく。
このとき、モータ回転数の減少に伴い、モータ出力が減少するため、直流電流Idcが減少する。この状態では、モータ出力が、内部損失未満である。
また、上記の状態では、車速の減少に伴い、エンジン1の回転数が減少するため、発電機電流Igenが減少し、発電機電力が減少する。また、直流電流Idc及び発電機電流Igenが減少するため、直流電圧Vdcが増加する。
モータ回転数が減少して、モータ8の回転数が0rpmとなった時点(図中に示す「t1」)から、さらに、車両が後退する(ロールバック)と、モータ8の回転数が0rpmから減少する。そして、モータ8の回転数が負側の回転数となり、モータ出力が増加して、モータ8が発電機となって回生電力を発生する。また、モータ8の回転数が負側の回転数となると、回転数の増加に伴って、モータ8による回生制動力が増加する。
ロールバックが継続して、モータ8の負側への回転数が増加すると、モータ出力が増加する。このため、回生電力が増加して内部損失へ近づく。この状態では、回生電力が内部損失未満である間(図12及び図13中に示す「t1→t2」)は、全ての回生電力を内部損失で消費するため、回生電力はインバータ6の直流側へ流れない。
また、上記の状態では、エンジン1の回転数が「t1」の時点よりも減少するため、発電機電流Igen及び発電機電力が「t1」の時点よりも減少する。また、直流電流Idc及び発電機電流Igenが「t1」の時点よりも減少するため、直流電圧Vdcが「t1」の時点よりも増加する。
これにより、発電機電流Igenの減少に伴って増加した直流電圧Vdcが過電圧閾値へ近づくとともに、ジェネレータ電流が減少する(図13参照)。
モータ8の負側への回転数が増加し、モータ出力が増加すると、回生電力が内部損失を超えた時点(図中に示す「t2」)で、回生電力が、内部損失による消費量を超える。
これにより、回生電力がインバータ6よりも発電機4側へ流れ、直流電圧Vdcが増加して、過電圧閾値を越える(図13参照)。
直流電圧Vdcが過電圧閾値を越えると、増加した直流電圧Vdc、すなわち、インバータ6よりも発電機4側へ流れた回生電力により、発電機4及びモータ8の制御破綻(過電圧フェイル)が生じる。
以上により、従来例の回生電力制御装置では、回生電力の発生時において、発電機4の発電量を、内部損失によって消費可能な範囲内に抑制する必要がある。このため、坂道の登攀走行や、坂道発進等の大きな加速力が要求される場合であっても、従駆動輪10のトルクを所望の大きさとすることが困難となる。
(効果)
(1)本実施形態の車両の回生電力制御装置では、回生電力発生時のインバータの直流側における直流電流に応じて、スイッチング部を通電状態にしてインバータの直流側と電力消費部とを接続する。
このため、回生電力が内部損失を超えても、内部損失を超えた回生電力を、電力消費部によって消費することが可能となり、回生電力が電力消費回路よりも発電機側へ流れることを防止可能となる。また、内部損失を超えた回生電力を、電力消費部によって消費することが可能となるため、発電機の発電量を、内部損失によって消費可能な範囲内に抑制する必要が無い。
また、電流指令値制御手段が、回生電力が発生するとともにスイッチング部を通電状態に切り替えると、発電機が発電する電力が電力演算手段の演算した電力となるように、発電機への電流指令値を制御する。
その結果、回生電力によって発電機及びモータの制御破綻が生じることを防止可能となるとともに、回生電力が発生している状態からモータによって従駆動輪を駆動させる状態へと移行する際に、従駆動輪のトルクを所望の大きさとすることが可能となる。
以上により、車両の操縦安定性を向上させることが可能となる。
(2)また、本実施形態の車両の回生電力制御装置では、電力判定部が、回生電力が内部損失以上であると判定すると、切り替え制御部が、スイッチング部を通電状態に切り替える。一方、電力判定部が、回生電力が内部損失未満であると判定すると、切り替え制御部が、スイッチング部を非通電状態に切り替える。
このため、回生電力が内部損失を超える前に、スイッチング部を通電状態にしてインバータの直流側と電力消費部とを接続することが可能となり、内部損失を超えた回生電力を、電力消費部によって消費することが可能となる。
その結果、回生電力が電力消費回路よりも発電機側へ流れることを防止可能となり、回生電力によって発電機及びモータの制御破綻が生じることを防止可能となる。
また、回生電力が発生している状態からモータによって従駆動輪を駆動させる状態へと移行する際に、発電機が発電した電力を、円滑にモータへ供給することが可能となる。
(3)また、本実施形態の車両の回生電力制御装置では、回生電力が発生するとともにスイッチング部を通電状態に切り替えると、電圧指令値制御手段が、直流電圧がモータの誘起電圧を超えるように、発電機への電圧指令値を制御する。
また、電圧指令値制御手段は、スイッチング部を通電状態とした後の直流電圧の減少量、及び通電状態とする前の直流電圧の増加量に応じて、直流電圧がモータの誘起電圧を超えるように電圧指令値を制御する。
その結果、回生電力によって発電機及びモータの制御破綻が生じることを防止可能となるため、車両の操縦安定性を向上させることが可能となる。
(4)また、本実施形態の車両の回生電力制御装置では、回生電力が発生するとともにスイッチング部を通電状態に切り替えると、発電指令値制御手段が、発電機が発電した発電機電流に応じて、発電指令値を制御する。
その結果、発電機の発電する電力を、インバータへ安定して供給することが可能となるため、車両の操縦安定性を向上させることが可能となる。
(5)また、本実施形態の車両の回生電力制御装置では、回生電力が発生するとともにスイッチング部を通電状態に切り替えると、発電量制御部が、発電機の発電量を制御する。具体的には、発電機が発電する電力が、電力消費部及び内部損失によって消費可能な電力を超えないように、発電機の発電量を制御する。
このため、発電機が発電する電力をインバータへ供給する必要が無い状態で、発電機の発電量を抑制することが可能となり、電力消費部が消費する電力を減少させることが可能となる。
その結果、電力消費部に生じる温度上昇を抑制することが可能となるとともに、電力消費部において、回生電力を効率良く消費することが可能となるため、電力消費部の寿命を長期化することが可能となる。
(応用例)
(1)なお、本実施形態の車両の回生電力制御装置では、電力判定部が、回生電力が内部損失以上であるか否かを判定する際に、回生直流電流と内部損失との比較を用いたが、これに限定されるものではない。すなわち、電力判定部が、回生電力が内部損失以上であるか否かを判定する際に、回生直流電圧と発電機への電圧指令値との比較を用いてもよい。
具体的には、回生直流電圧と発電電圧指令値とを比較し、回生直流電圧が発電電圧指令値以上である場合に、回生電力が内部損失以上であると判定する。一方、回生直流電圧が発電電圧指令値未満である場合に、回生電力が内部損失未満であると判定する。
この場合、回生電力が内部損失を超えている状態で、スイッチング部を通電状態に切り替えることとなる。このため、直流電圧の計測に基づくサンプリングや、スイッチング部の動作状況の計測に基づくサンプリング等のデータを用いて、過電圧フェイルを防止する。
(2)また、本実施形態の車両の回生電力制御装置では、切り替え制御部が、スイッチング部を通電状態へ切り替えた状態で、スイッチング部をDuty制御していないが、これに限定されるものではない。すなわち、切り替え制御部が、スイッチング部を通電状態へ切り替えた状態で、スイッチング部をDuty制御してもよい。
この場合、回生電力供給部及び電圧指令値制御部が、切り替え制御部が、スイッチング部を通電状態へ切り替えた状態で、スイッチング部をDuty制御していない場合と異なる動作を行う。
具体的には、スイッチング部を通電状態とした後の直流電圧に応じて、直流電圧がモータの誘起電圧を超えるように、電圧指令値を制御する。これにより、スイッチング部を通電状態とした後に、動作点の急変が生じることを防止可能となる。
以下、図14を参照して、切り替え制御部68が、スイッチング部66を通電状態へ切り替えた状態で、スイッチング部66をDuty制御する場合における、切り替え制御部68の構成を説明する。
図14は、切り替え制御部68が、スイッチング部66を通電状態へ切り替えた状態で、スイッチング部66をDuty制御する場合における、切り替え制御部68の詳細を示すブロック図である。
図14中に示すように、切り替え制御部68は、切り替え側フィードバック制御部110と、切り替え側PI制御部112と、切り替え側Duty制御部114とを備えている。
切り替え側フィードバック制御部110では、回生電力が内部損失以上であるとの判定結果を受信すると、回生直流電圧rVdcと電圧指令値Vdc*から、公知のフィードバック制御によって両者の偏差ΔVdcを算出する。そして、この算出した偏差ΔVdcを、切り替え側PI制御部112へ出力する。
切り替え側PI制御部112では、回生直流電圧rVdcと電圧指令値Vdc*との偏差ΔVdcを受信すると、この偏差ΔVdcに対して公知のPI制御を行う。そして、PI制御を行った偏差ΔVdcを、切り替え側Duty制御部114へ出力する。
切り替え側Duty制御部114では、PI制御を行った回生直流電圧rVdcと電圧指令値Vdc*との偏差ΔVdcを受信すると、この偏差ΔVdcに対するDuty制御を行って、スイッチング部66を通電状態に切り替える情報信号を生成する。そして、この生成した情報信号を、スイッチング部66、モータ制御部14E、電圧指令値制御部14F、発電電流指令演算部14G及び発電量制御部14Hへ出力する。
以上により、切り替え制御部68は、スイッチング部66を通電状態へ切り替えた状態で、スイッチング部66をDuty制御する。
次に、図15を参照して、切り替え制御部68が、スイッチング部66を通電状態へ切り替えた状態で、スイッチング部66をDuty制御する場合における、回生電力供給部14Dの動作を説明する。
図15は、切り替え制御部68が、スイッチング部66を通電状態へ切り替えた状態で、スイッチング部66をDuty制御する場合における、回生電力供給部14Dの動作を示すフローチャートである。
図15中に示すように、回生電力供給部14Dの動作は、電力判定部70が、回生電力発生判定部14Cから、回生電流が発生しているとの判定結果を受信した時点からスタートする(スタート)。
回生電流が発生しているとの判定結果を受信した電力判定部70は、回生電力が内部損失以上であるか否かを判定し、その判定結果を、切り替え制御部68へ出力する(ステップS30)。
また、ステップS30における処理は、電力消費回路34の制御を開始するフラグ(図15中に示す「電力消費回路制御開始フラグ」)が成立するか否かの判定を行う処理を兼ねる。
電力判定部70が、回生電力が内部損失以上であると判定すると、この判定結果を、切り替え制御部68へ出力するとともに、電力消費回路制御開始フラグが成立していると判定する。
回生電力が内部損失以上であるとの判定結果を受信した切り替え制御部68は、スイッチング部66を通電状態に切り替える情報信号を生成する。そして、この生成した情報信号を、スイッチング部66へ出力する(ステップS32)。
このとき、切り替え制御部68は、スイッチング部66を通電状態へ切り替えた状態で、スイッチング部66をDuty制御する(図15中に示す「電力消費回路Duty制御」)。
切り替え制御部68が、スイッチング部66を通電状態に切り替える情報信号を出力した後、回生電力供給部14Dの処理は、ステップS30の処理へ復帰する(リターン)。
一方、電力判定部70が、回生電力が内部損失未満であると判定すると、この判定結果を、切り替え制御部68へ出力するとともに、電力消費回路制御開始フラグが成立していないと判定する。
回生電力が内部損失未満であるとの判定結果を受信した切り替え制御部68は、スイッチング部66を非通電状態に切り替える情報信号を生成する(図15中に示す「電力消費回路SW:オフ」)。そして、この情報信号を、スイッチング部66へ出力する(ステップS34)。
切り替え制御部68が、スイッチング部66を非通電状態に切り替える情報信号を出力した後、回生電力供給部14Dの処理は、ステップS30の処理へ復帰する(リターン)。
(3)また、本実施形態の車両の回生電力制御装置では、回生直流電流閾値rIdc_sikiを、0A以上の値に設定したが、これに限定されるものではなく、回生直流電流閾値rIdc_sikiを、0Aを越える値に設定してもよい。もっとも、この場合、回生電力が発生する前に、スイッチング部が通電状態となるため、発電機電流及び直流電圧の動作点が、モータの誘起電圧以下となってしまう。このため、以下に示す理由に基づき、電圧指令値制御部14Fにより、発電機への発電指令値を制御して、発電機界磁電流を制御する。
以下、図16及び図17を参照して、回生直流電流閾値rIdc_sikiを、0Aを越える値に設定した場合における、発電機への発電指令値の制御について説明する。
図16は、回生直流電流閾値rIdc_sikiが0Aを越えている状態で、スイッチング部66を通電状態とした状態における、ジェネレータ電流及び動作点の動きを示す図である。なお、図16中に示す横軸、縦軸及び複数本の直線Aは、それぞれ、図9中に示すものと同様の要素を示している。
図16中に示すように、直流電圧Vdcが低く、且つ動作点の位置が回生直流電流閾値rIdc_siki分だけ0Aよりも大きい時点(図16中に示すLowP2)でスイッチング部66を通電状態とすると、動作点が移動して、ジェネレータ電流が増加する。これに加え、直流電圧Vdcが減少する。そして、減少した直流電圧Vdcは、抵抗値上の収束動作点(図16中に示すLowR2)で収束する。
この状態では、減少した直流電圧Vdcが、モータ8の誘起電圧未満となるため、発電機となったモータ8の制御が破綻する。
これに対し、電圧指令値制御部14Fにより、回生直流電流閾値rIdc_siki分に応じて、発電機4への電圧指令値を制御する。具体的には、例えば、図17中に示すような発電機4の特性図に基づいて、電流指令値Idc*と実発電電流値との偏差に対してPI制御を行い、実発電電流値が電流指令値Idc*に追従するように、発電機4の発電機界磁電流を制御する。また、発電電圧指令値Vdc*と実発電電圧値との偏差に対してPI制御を行い、3相正弦波指令の振幅を補正する。なお、図17は、発電機4の特性図である。また、図17中に示す曲線B1〜B4は、発電機4の自励領域において、界磁電圧PWMデューティー比を固定とし、発電機4の負荷を徐々に変化させた場合の動作点の軌跡であり、曲線B1〜B4はデューティー比の違いを示している。
これにより、直流電圧Vdcが低い点lowP2よりも直流電圧Vdcが高い点(図16中に示すHiP2)で、スイッチング部66が通電状態となる。
lowP2よりも直流電圧Vdcが高い点HiP2で、スイッチング部66を通電状態とすると、動作点が移動して、ジェネレータ電流が増加するととともに直流電圧Vdcが減少する。そして、減少した直流電圧Vdcは、LowR2よりも直流電圧Vdcが高く、且つジェネレータ電流が大きい収束動作点(図16中に示すHiR2)で収束する。
この状態では、減少した直流電圧Vdcが、モータ8の誘起電圧以上となるため、発電機となったモータ8の制御が破綻することを防止可能となる。
(4)また、本実施形態の車両の回生電力制御装置では、切り替え制御部が、電力判定部による回生電力が内部損失以上であるか否かの判定の判定に応じて、スイッチング部を通電状態または非通電状態に切り替える。しかしながら、切り替え制御部によるスイッチング部の切り替えは、これに限定されるものではなく、例えば、回生電力と、予め設定した電力閾値との比較に応じて、スイッチング部を通電状態または非通電状態に切り替えてもよい。もっとも、本実施形態の車両の回生電力制御装置のように、回生電力が内部損失以上であるか否かの判定の判定に応じて、スイッチング部を通電状態または非通電状態に切り替えることが、回生電力を効率良く消費することが可能となるため、好適である。
(5)また、本実施形態の車両の回生電力制御装置では、回生電力が発生するとともにスイッチング部を通電状態に切り替えると、発電機が発電した発電機電流に応じて、発電指令値を制御する発電指令値制御手段を備えているが、これに限定されるものではない。すなわち、発電指令値制御手段を備えていない構成としてもよい。もっとも、本実施形態の車両の回生電力制御装置のように、発電指令値制御手段を備えた構成とすることが、発電機の発電する電力を、インバータへ安定して供給することが可能となるため、好適である。
(6)また、本実施形態の車両の回生電力制御装置では、回生電力が発生するとともにスイッチング部を通電状態に切り替えると、発電機の発電量を制御する、発電量制御部を備えているが、これに限定されるものではない。すなわち、発電量制御部を備えていない構成としてもよい。もっとも、本実施形態の車両の回生電力制御装置のように、発電量制御部を備えた構成とすることが、発電機が発電する電力をインバータへ供給する必要が無い状態で、発電機の発電量を抑制することが可能となるため、好適である。
本発明の回生電力制御装置を備えた車両の概略装置構成図である。 パワーエレクトロニクス部の構成を示す図である。 4WDコントローラ14の詳細を示すブロック図である。 回生電力供給部14Dの詳細を示すブロック図である。 回生電力供給部14Dの動作を示すフローチャートである。 モータ制御部14Eの詳細を示すブロック図である。 回生電力発生時における、モータ界磁発電指令値特性マップの一例を示す図である。 回生電力発生判定部14C、回生電力供給部14D及びモータ制御部14Eの動作を示すフローチャートである。 スイッチング部66を通電状態とした状態における、発電機電流Igen及び直流電圧Vdcの動作点の動きを示す図である。 本発明の回生電力制御装置を備えた車両の走行時における、モータ8及びパワーエレクトロニクス部の挙動を示すタイムチャートである。 本発明の回生電力制御装置を備えた図10のタイムチャートの一部と連動する、ジェネレータ電流及び直流電圧Vdcの動作点の動きを示す図である。 従来例の回生電力制御装置による、車両の走行時における、モータ8及びパワーエレクトロニクス部の挙動を示すタイムチャートである。 図12のタイムチャートの一部と連動する、ジェネレータ電流及び直流電圧Vdcの動作点の動きを示す図である。 切り替え制御部68が、スイッチング部66を通電状態へ切り替えた状態で、スイッチング部66をDuty制御する場合における、切り替え制御部68の詳細を示すブロック図である。 切り替え制御部68が、スイッチング部66を通電状態へ切り替えた状態で、スイッチング部66をDuty制御する場合における、回生電力供給部14Dの動作を示すフローチャートである。 回生直流電流閾値rIdc_sikiが0Aを越えている状態で、スイッチング部66を通電状態とした状態における、ジェネレータ電流及び動作点の動きを示す図である。 発電機4の特性図である。
符号の説明
1 エンジン
2 主駆動輪
4 発電機
6 インバータ
8 モータ
10 従駆動輪
12 エンジンコントローラ
14 4WDコントローラ
14B 発電機供給電力演算部
14F 電圧指令値制御部
14G 発電電流指令演算部
16 前輪速センサ
32 後輪速センサ
34 電力消費回路
38 発電機側界磁回路
40 発電機電流センサ
42 直流電流センサ
44 直流電圧センサ
46 キャパシタ
54 発電機側界磁コイル
56 モータ側界磁回路
60 モータ側界磁コイル
62 モータ界磁電流センサ
64 電力消費部
66 スイッチング部
68 切り替え制御部
70 電力判定部

Claims (6)

  1. 主駆動輪を駆動する主駆動源と、当該主駆動源からの駆動力を動力源として発電する発電機と、当該発電機が発電した電力が供給され、且つ前記供給された電力を交流電力に変換するインバータと、当該インバータにより変換した交流電力が供給されて従駆動輪を駆動するモータと、を有する車両に備えられ、
    前記モータが発生した回生電力を、前記発電機よりも前記モータ側で消費する回生電力消費手段を備えた車両の回生電力制御装置であって、
    前記従駆動輪の駆動時に前記発電機が発電すべき必要電力を演算する電力演算手段と、前記発電機が発電する電力が前記必要電力となるように発電機への発電指令値を制御する発電指令値制御手段と、を備え、
    前記回生電力消費手段は、前記発電機と前記インバータとの間でインバータと並列かつ電気的に接続した電力消費回路と、前記回生電力発生時の前記インバータの直流側における直流電圧及び直流電流のうち少なくとも一方に応じて、前記電力消費回路へ前記回生電力を供給する回生電力供給部と、を備え、
    前記電力消費回路は、通電した前記回生電力を消費する電力消費部と、通電状態で前記インバータの直流側と前記電力消費部とを接続し、且つ非通電状態で前記インバータの直流側と前記電力消費部との接続を遮断するスイッチング部と、を備え、
    前記回生電力供給部は、前記直流電圧及び直流電流のうち少なくとも一方に応じて、前記スイッチング部を前記通電状態または前記非通電状態に切り替える切り替え制御部を備え、
    前記発電指令値制御手段は、前記回生電力が発生し、且つ前記切り替え制御部が前記スイッチング部を前記通電状態に切り替えると、前記発電機が発電する電力が前記電力演算手段の演算した電力となるように前記発電指令値を制御することを特徴とする車両の回生電力制御装置。
  2. 前記回生電力供給部は、前記回生電力が発生すると、当該回生電力が前記インバータ及び前記モータの損失から構成される内部損失以上であるか否かを判定する電力判定部を備え、
    前記切り替え制御部は、前記電力判定部が、前記回生電力が前記内部損失以上であると判定すると前記スイッチング部を前記通電状態に切り替え、且つ前記回生電力が前記内部損失未満であると判定すると前記スイッチング部を前記非前記通電状態に切り替えることを特徴とする請求項1に記載した車両の回生電力制御装置。
  3. 前記回生電力が発生するとともに前記スイッチング部を前記通電状態に切り替えると、前記直流電圧が前記モータの誘起電圧を超えるように前記発電機への電圧指令値を制御する電圧指令値制御手段を備え、
    前記電圧指令値制御手段は、前記切り替え制御部が前記スイッチング部を前記通電状態へ切り替えた状態でスイッチング部をDuty制御しない場合は、前記スイッチング部を前記通電状態とした後の前記直流電圧の減少量、及び前記通電状態とする前の前記直流電圧の増加量に応じて、前記直流電圧が前記モータの誘起電圧を超えるように前記電圧指令値を制御し、
    前記切り替え制御部が前記スイッチング部を前記通電状態へ切り替えた状態でスイッチング部をDuty制御する場合は、前記スイッチング部を前記通電状態とした後の前記直流電圧に応じて、前記直流電圧が前記モータの誘起電圧を超えるように前記電圧指令値を制御することを特徴とする請求項1または2に記載した車両の回生電力制御装置。
  4. 前記発電指令値制御手段は、前記回生電力が発生するとともに前記スイッチング部を前記通電状態に切り替えると、前記発電機が発電した発電機電流に応じて前記発電指令値を制御することを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載した車両の回生電力制御装置。
  5. 前記回生電力が発生するとともに前記スイッチング部を前記通電状態に切り替えると、前記発電機が発電する電力が、前記電力消費部、前記インバータ及び前記モータの損失から構成される内部損失によって消費可能な電力を超えないように、前記発電機の発電量を制御する発電量制御部を備えることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項に記載した車両の回生電力制御装置。
  6. 主駆動輪を駆動する主駆動源からの駆動力を動力源として発電する発電機が発電した電力が供給されたインバータが、前記供給された電力を交流電力に変換し、この変換した交流電力が供給されて従駆動輪を駆動するモータが発生した回生電力を、前記発電機よりも前記モータ側で消費する車両の回生電力制御方法であって、
    通電した前記回生電力を消費する電力消費部を備え、
    前記回生電力発生時の前記インバータの直流側における直流電圧及び直流電流のうち少なくとも一方に応じて、前記インバータの直流側と前記電力消費部とを接続またはインバータの直流側と電力消費部との接続を遮断し、
    前記回生電力が発生するとともに前記インバータの直流側と前記電力消費部とを接続すると、前記発電機が発電する電力が前記電力演算手段の演算した電力となるように発電機への発電指令値を制御することを特徴とする車両の回生電力制御方法。
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