JP2009215138A - 金属フッ化物の精製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フッ化水素溶液を用いてフッ化リチウム等の金属フッ化物を高純度に精製することが可能な金属フッ化物の精製方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る金属フッ化物の精製方法は、粗金属を含むフッ化水素溶液から金属フッ化物を晶析させ、不純物を除去して金属フッ化物を得る金属フッ化物の精製方法であって、前記粗金属を含むフッ化水素溶液より、少なくともフッ化水素の一部を蒸発させて該溶液を濃縮し、MFy・nHF・mHO(1≦y≦3、0≦n≦6,0≦m≦6、Mは金属元素を表す。)を析出させる工程と、濃縮されたフッ化水素溶液を濾過することによりMFy・nHF・mHO(1≦y≦3、0≦n≦6,0≦m≦6、Mは金属元素を表す。)を分離する工程とを含むことを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、金属フッ化物の精製方法に関し、より詳細には、フッ化水素溶液を溶媒としてリチウム等の金属フッ化物を晶析することにより、カルシウム等の不純物の含有量を低減させた高純度の金属フッ化物を得る金属フッ化物の精製方法に関する。
金属フッ化物は光学材料として工業的に有用である。例えばフッ化リチウムは波長領域0.105〜6μmの光に対して透過性を有し、しかも波長領域2.5〜6.0μmの赤外光に対しては特に屈折率の分散が大きい。そのため、フッ化リチウム単結晶は、波長領域が1300〜2000Åの紫外分光測定用としても利用されている。
またフッ化リチウムは、フラットパネルディスプレィ用途として注目されている有機EL素子にも用いられている。即ち、フラットパネルディスプレィの部材の一部には、有機膜と接合性に優れた材料が必要となるが、真空蒸着により成膜されたフッ化リチウム膜の使用が検討されている(下記特許文献1)。
更に近年、高電圧、高エネルギー密度のリチウムイオン二次電池が開発されており、携帯電話やパソコン等の携帯品向けの小型リチウムイオン二次電池に加え中型リチウムイオン二次電池市場等で、その需要が急速に伸びている。更に将来的には高性能な次世代ハイブリッド車向けに、ニッケル水素電池より小型で出力が大きいリチウムイオン二次電池の搭載が期待されている。
このリチウムイオン二次電池の電解質には、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、ホウフッ化リチウム(LiBF)等のリチウム塩が使用されている。このうち六フッ化リン酸リチウムの製造方法としては、例えば、無水フッ化水素中で五塩化リンとフッ化リチウムを反応させる方法(下記特許文献2)や、リンと金属ハロゲン化物粉末との混合物をフッ素ガスと反応させて、得られる高純度五フッ化リンを、フッ化リチウムと無水フッ化水素中で反応させる方法(下記特許文献3)が広く知られており、何れの方法に於いてもフッ化リチウムが原料として使用されている。
以上のように各用途で使用されるフッ化リチウムは産業の高度化により、高純度化が要求されている。そして、その一般的な生成方法としては、例えば、炭酸リチウム、塩化リチウム、水酸化リチウム等のリチウム化合物とフッ化水素を反応させる方法が採用されている。このようにして生成されたフッ化リチウムの精製方法の1つとして、晶析法が知られているが、水に対するフッ化リチウムの溶解度は0.13重量%と非常に低く、水を溶媒として、フッ化リチウムを晶析させる精製プロセスは工業上困難な方法となっている。従って、従来は前記リチウム化合物の製造段階で予め精製を行って高純度のリチウム化合物を製造した後、この高純度のリチウム化合物と高純度のフッ化水素とを反応させることより、高純度フッ化リチウムの製造が行われている。
特開2005−029418号公報 特開昭60−251109号公報 特開2001−122605号公報
本発明は前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、フッ化水素溶液を用いてフッ化リチウム等の金属フッ化物を高純度に精製することが可能な金属フッ化物の精製方法を提供することにある。
本願発明者等は、前記従来の問題点を解決すべく、金属フッ化物の精製方法について検討した。その結果、下記方法を採用することにより、前記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明に係る金属フッ化物の精製方法は、前記の課題を解決する為に、粗金属を含むフッ化水素溶液から金属フッ化物を晶析させ、不純物を除去して金属フッ化物を得る金属フッ化物の精製方法であって、前記粗金属を含むフッ化水素溶液より、少なくともフッ化水素の一部を蒸発させて該溶液を濃縮し、MFy・nHF・mHO(1≦y≦3、0≦n≦6,0≦m≦6、Mは金属元素を表す。)を析出させる工程と、濃縮されたフッ化水素溶液を濾過することによりMFy・nHF・mHO(1≦y≦3、0≦n≦6,0≦m≦6、Mは金属元素を表す。)を分離する工程とを含むことを特徴とする。
前記の方法では、不純物を除去した金属フッ化物の精製を行うにあたり、その溶媒としてフッ化水素溶液を使用する。これにより、水に対する溶解度が極めて小さいフッ化リチウム等も十分に溶解させることができ、晶析を用いた精製が工業的に可能になる。より詳細には、前記方法であると粗金属を含むフッ化水素溶液より、少なくとも一部のフッ化水素を蒸発させて当該溶液を濃縮する。この濃縮により、フッ化水素溶液中に含まれるMFyの濃度は過飽和以上となり、MFy・nHF・mHO(1≦y≦3、0≦n≦6、0≦m≦6)結晶を析出させることができる。更に、析出したMFy・nHF(0≦n≦6)等を濾過することにより分離させる。これにより、MFyに含まれるカルシウム、ナトリウム、酸化硫黄、酸素等の不純物が除去ないし低減され、金属フッ化物の精製が可能になる。
前記の方法に於いては、分離されたMFy・nHF・mHOを加熱及び/又は減圧下に置くことによりHF及び/又はHOを脱離させることにより、多孔質状の金属フッ化物を得ることができる。
前記の方法によると、金属フッ化物は、取り扱いに優れた粒径の大きな結晶が得られる。
また、分離されたMFy・nHF・mHOを水洗してHFを脱離させた後、濾別して乾燥させることが好ましい。これにより、脱離したHFに起因した腐食を防止するので、乾燥させる設備に対し腐食対策を施す必要がなくなる。その結果、製造コストの低減が図れる。
前記粗金属を含むフッ化水素溶液を濃縮する際に発生するフッ化水素ガスを回収し、再利用することが好ましい。回収されたフッ化水素は蒸留精製されているため不純物の含有量が低減されている。このため、例えばフッ化水素ガスを凝縮することによりフッ化水素溶液とすれば再利用が可能になる。その結果、経済性に優れ、精製効率の向上が図れる。
前記粗金属を含むフッ化水素溶液は、フッ化水素を含む溶液へ、金属、金属炭酸化物、金属フッ化物、金属塩化物、金属臭化物、金属ヨウ化物、金属水酸化物、金属酸化物、金属硝酸化物、金属硫化物、金属硫酸化物及び金属過塩素酸化物からなる群より選択される少なくとも何れか1種を溶解させることにより得られるものであることが好ましい。
前記フッ化水素溶液のフッ化水素濃度は70重量%以上であることが好ましい。フッ化水素濃度が70重量%以上であると、粗金属の溶解度を増大させることが可能になる。その結果、高純度の金属フッ化物を大量に精製することが可能になり、工業的プロセスを一層可能にする。
前記フッ化水素溶液が無水フッ化水素溶液であることが好ましい。
前記Mがリチウム、ナトリウム、カリウム、ストロンチウム、バリウム及び鉛からなる群より選択される少なくとも何れか1種であることが好ましい。
前記フッ化水素溶液中に含まれる前記粗金属は完全溶解していることが好ましい。粗金属が完全に溶解せずに金属及び/又は金属化合物としてフッ化水素溶液中に析出していると、析出している金属中及び/又は金属化合物中に不純物が内包される。これにより、不純物がフッ化水素溶液中に溶解せず、その結果、精製効率が低下する。しかし前記方法の様に、粗金属をフッ化水素溶液中に完全溶解させることにより、その結晶中に不純物が残存するのを防止することができ、不純物の全てをフッ化水素溶液中に溶解させることが可能になる。その結果、晶析させた金属フッ化物の精製効率を一層向上させることができる。
本発明は、前記に説明した手段により、以下に述べるような効果を奏する。
即ち、本発明によれば、粗金属を含むフッ化水素溶液から、MFy・nHF・mHO(1≦y≦3、0≦n≦6、0≦m≦6、Mは金属元素を表す。)を晶析させた後、これらを濾別するので、金属フッ化物の高純度な精製を工業的に行うことが可能になる。
本発明の金属フッ化物の精製方法は、粗金属を含むフッ化水素溶液を濃縮する工程と、濃縮されたフッ化水素溶液を濾過する工程とを少なくとも含む。
前記フッ化水素溶液を濃縮する工程は、少なくともフッ化水素の一部を蒸発させて該溶液を濃縮し、MFy・nHF・mHO(1≦y≦3、0≦n≦6、0≦m≦6)を析出させる工程である。
また、フッ化水素溶液中に含まれる粗金属は完全溶解していることが好ましい。粗金属が完全に溶解せずに金属及び/又は金属化合物としてフッ化水素溶液中に析出していると、析出している金属中及び/又は金属化合物中に不純物が内包される。これにより、不純物がフッ化水素溶液中に溶解せず、その結果、精製効率が低下するからである。従って、前記粗金属の種類としては、フッ化水素溶液に対する溶解度の観点から決定するのが好ましい。フッ化水素溶液に対して室温での溶解度が大きいと、粗金属をフッ化水素溶液中に大量に溶解させることができ、大量の精製処理が可能になる。前記の観点から、粗金属元素としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ストロンチウム、バリウム及び鉛からなる群より選択される少なくとも何れか1種であることが好ましい。
前記の金属元素のうちリチウムは、そのフッ化物であるフッ化リチウムが水に対し溶解度が0.13重量%と極めて小さい。この為、水ではなくフッ化水素溶液を溶媒として使用する本発明に於いては、フッ化リチウムの精製が特に有効である。
前記フッ化水素溶液は、少なくともフッ化水素を含む水溶液又はフッ化水素を含む有機溶媒の何れであってもよい。しかし、金属フッ化物の溶解性が高い無水フッ化水素溶液を使用すると、金属フッ化物を大量に精製することが可能となり、合理的な工業的プロセスを構築する観点から好ましい。前記有機溶媒としては特に限定されず、例えば、メタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、酢酸エチル、酢酸プロピル、γ−ブチルラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン等が挙げられる。これらの有機溶媒のうち、後の乾燥工程の負荷を低減できる点からは、メタノール、アセトニトリル、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、酢酸エチル、n−ヘキサン、シクロヘキサンが好ましい。また、フッ化水素溶液のフッ化水素濃度は70重量%以上であることが好ましく、85〜100重量%であることがより好ましい。フッ化水素濃度が大きいほどMFyの溶解度を大きくすることができ、これにより金属フッ化物の精製を大量に行うことができる。
前記フッ化水素溶液は、高純度品を用いることが好ましい。例えば、半導体分野で使用される様な不純物濃度がppbレベルのものを使用すると、金属フッ化物の精製効果を更に高めることが可能になる。
粗金属を含むフッ化水素溶液は、フッ化水素溶液へ金属・金属化合物を溶解させることにより得ることができる。前記金属化合物としては、金属炭酸化物、金属フッ化物、金属塩化物、金属臭化物、金属ヨウ化物、金属水酸化物、金属酸化物、金属硝酸化物、金属硫化物、金属硫酸化物及び金属過塩素酸化物からなる群より選択される少なくとも何れか1種であることが好ましい。尚、Mがリチウムである場合、前記金属化合物は、具体的には炭酸リチウム、酢酸リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウム等である。
本工程では、例えば一般的な濃縮缶を使用することができる。飽和溶解度でフッ化リチウムが溶解した無水フッ化水素溶液の大気圧での沸点は、約34℃である。従って、熱媒としては、例えばスチーム、温水、又は工場等の他の設備で使用された廃蒸気等が使用可能である。加熱温度としては、前記粗金属を含むフッ化水素溶液の沸点以上であればよい。また、本工程は大気圧付近の圧力で行うことが簡便であるが、減圧してもかまわない。具体的には、0.05〜0.5MPaの範囲内であることが好ましく、0.09〜0.12MPaの範囲内であることがより好ましい。蒸発圧力が0.05MPa未満の場合、及び0.5MPaを超える場合は、高価で長大な減圧装置または高圧装置が必要になり好ましくない。
蒸発したフッ化水素ガスは冷媒を通した熱交換器にて凝縮させ、フッ化水素として回収することができる。回収されたフッ化水素には不純物が含まれておらず、又は低減されているため、前記金属及び/又は金属化合物との反応で用いるフッ化水素溶液として再利用できる。
濃縮されたフッ化水素溶液の濾過工程は、前記析出したMFy・nHF・mHO(1≦y≦3、0≦n≦6、0≦m≦6)の結晶をフッ化水素溶液から分離する為に行う。濾過の方法としては特に限定されず、遠心濾過、加圧濾過等の一般的な方法を採用できる。
分離されたMFy・nHF・mHO(1≦y≦3、0≦n≦6、0≦m≦6)の結晶は、加熱及び/又は減圧下に置くことによりHF及び/又はHOを脱離させるのが好ましい。加熱温度としては、100〜500℃の範囲内であることが好ましく、120〜190℃の範囲内であることがより好ましい。操作圧力としては、0.05〜0.5MPaの範囲内であることが好ましく、0.09〜0.12MPaの範囲内であることがより好ましい。
分離された濾液は再利用するのが好ましい。例えば、濾液を更に加熱及び/又は減圧して蒸発したフッ化水素ガスは冷媒を通した熱交換器にて凝縮させフッ化水素として回収する。回収したフッ化水素は不純物を含まないため、前記金属及び/又は金属化合物の溶解に用いるフッ化水素溶液として再利用することができる。また、濾液を濃縮してMFy・nHF・mHO(1≦y≦3、0≦n≦6、0≦m≦6)の一部を結晶として回収することもできる。回収された結晶は先に濾別した結晶よりも不純物を多く含むが、原料である前記粗金属を含むフッ化水素溶液と混合することにより、精製の再処理を行うことができる。これにより、精製金属フッ化物の回収率を一層向上させることができる。
以上、本発明の金属フッ化物の精製方法によれば、特段の高価な装置や複雑な工程を採用せずに不純物を除去することができる。また、フッ化リチウム等の金属フッ化物が溶解性を示すフッ化水素溶液を溶媒として使用するので、大量に精製処理を行うことができる。即ち、本発明の金属フッ化物の精製方法であると、金属フッ化物の高純度な精製を工業的に行うことが可能になる。
(実施例1)
不純物としてCa、SO、Na、Si、Clをそれぞれ20ppm、50ppm、90ppm、50ppm、80ppm含み、粗金属リチウム30gが完全に溶解した無水フッ化水素溶液2030gをフッ素樹脂製容器に充填した。
次に、フッ素樹脂容器を70℃で温浴させ、フッ化水素を蒸発させることにより白色固体を析出させた。1500gのフッ化水素を蒸発させた後、ろ過をして160gの白色固体を得た。得られた白色固体と超純水500gを混合・攪拌した後、ろ過を行った。更に同様の操作を2回繰り返すことで、白色固体に付着した不純物を含むフッ化水素溶液を除去した。このようにして得られた白色固体を190℃の恒温下で乾燥させた。これにより、67gの白色固体が得られた。この白色固体をXRDで分析した結果、フッ化リチウム(LiF)であることが確認された。また、熱重量測定(TG測定)を行い、500℃までの重量減少がないことを確認した。更に、NaOHを用いた中和滴定においてもフッ化水素が検出されなかった。このフッ化リチウム中のCa、SO、Na、Si、Clはそれぞれ5ppm、7ppm、10ppm、6ppm、9ppmであった。
(実施例2)
不純物としてのCa、SO、Na、Si、Clをそれぞれ200ppm、150ppm、280ppm、200ppm、300ppm含んだ粗フッ化リチウム353gを、フッ素樹脂製容器中の高純度無水フッ化水素溶液3490gに添加し、粗フッ化リチウムを完全に溶解させた。
次に、フッ素樹脂容器を70℃で温浴させ、フッ化水素を蒸発させることにより白色固体を析出させた。2450gのフッ化水素を蒸発させた後、ろ過をして570gの白色固体を得た。このようにして得られた白色固体を190℃の恒温下で乾燥させた。これにより、254gの白色固体が得られた。この白色固体をXRD分析した結果、フッ化リチウム(LiF)であることが確認された。また、TG測定を行い、500℃までの重量減少がないことを確認した。更に、NaOHを用いた中和滴定においてもフッ化水素が検出されなかった。このフッ化リチウム中のCa、SO、Na、Si、Clはそれぞれ80ppm、94ppm、92ppm、27ppm、18ppmであった。
また、得られたフッ化リチウムをSEM観察したところ、図1に示す通り多孔質状であることが確認された。更に、フッ化リチウムの無水フッ化水素溶液から留去したフッ化水素は凝縮器で凝縮・回収し、粗フッ化リチウムを溶解させるフッ化水素溶液として再利用した。その結果、フッ化リチウムの連続的な精製を問題なく実施できることが確認された。
(実施例3)
不純物としてのCa、SO、Na、Si、Clをそれぞれ200ppm、150ppm、280ppm、200ppm、300ppm含んだ粗フッ化リチウム353gを、フッ素樹脂製容器中の高純度無水フッ化水素溶液3490gに添加し、粗フッ化リチウムを完全に溶解させた。
次に、フッ素樹脂容器を70℃で温浴させ、フッ化水素を蒸発させることにより白色固体を析出させた。2450gのフッ化水素を蒸発させた後、ろ過をして569gの白色固体を得た。得られた白色固体と超純水500gを混合・攪拌した後、ろ過をした。更に同様の操作を2回繰り返すことで、白色固体に付着した不純物を含むフッ化水素溶液を除去した。このようにして得られた白色固体を190℃の恒温下で乾燥させた。これにより、243gの白色固体が得られた。この白色固体をXRDで分析した結果、フッ化リチウム(LiF)であることが確認された。このフッ化リチウム中のCa、SO、Na、Si、Clはそれぞれ6ppm、5ppm、8ppm、3ppm、5ppmであった。
(実施例4)
不純物としてのCa、SO、Na、Si、Clをそれぞれ200ppm、150ppm、280ppm、200ppm、300ppm含んだ粗フッ化リチウム353gを、フッ素樹脂製容器中のフッ化水素水溶液(フッ化水素濃度90重量%)5540gに添加し、粗フッ化リチウムを完全に溶解させた。
次に、フッ素樹脂容器を70℃で温浴させ、フッ化水素を蒸発させることにより白色固体を析出させた。3693gのフッ化水素を蒸発させた後、ろ過をして446gの白色固体を得た。このようにして得られた白色固体を190℃の恒温下で乾燥させた。これにより、165gの白色固体が得られた。この白色固体をXRDで分析した結果、フッ化リチウム(LiF)であることが確認された。このフッ化リチウム中のCa、SO、Na、Si、Clはそれぞれ76ppm、85ppm、69ppm、35ppm、27ppm含であった。
(比較例1)
不純物としてのCa、SO、Na、Siをそれぞれ200ppm、150ppm、280ppm、200ppm含んだ粗フッ化リチウム353gを、フッ素樹脂容器中の超純水3490gに添加し、粗フッ化リチウムが懸濁した水溶液を得た。
次に、フッ素樹脂容器を120℃の恒温にして、2450gの水を留去した。水を留去させた後、ろ過を行って424gの白色固体を得た。得られた白色固体をフッ素樹脂容器に入れた後、窒素5L/minフローの下、190℃の恒温下に置き、水を留去させた。これにより、350gの白色固体が得られた。この白色固体をXRDで分析したところ、フッ化リチウムであることが確認された。また、フッ化リチウム中のCa、SO、Naはそれぞれ195ppm、100ppm、200ppm、180ppmであった。
本発明に係る実施例2で得られたフッ化リチウムのSEM写真である。

Claims (9)

  1. 粗金属を含むフッ化水素溶液から金属フッ化物を晶析させ、不純物を除去して金属フッ化物を得る金属フッ化物の精製方法であって、
    前記粗金属を含むフッ化水素溶液より、少なくともフッ化水素の一部を蒸発させて該溶液を濃縮し、MFy・nHF・mHO(1≦y≦3、0≦n≦6,0≦m≦6、Mは金属元素を表す。)を析出させる工程と、
    濃縮されたフッ化水素溶液を濾過することによりMFy・nHF・mHO(1≦y≦3、0≦n≦6,0≦m≦6、Mは金属元素を表す。)を分離する工程とを含むことを特徴とする金属フッ化物の精製方法。
  2. 分離されたMFy・nHF・mHOを加熱及び/又は減圧下に置くことによりHF及び/又はHOを脱離させ、多孔質状の金属フッ化物を得ることを特徴とする請求項1に記載の金属フッ化物の精製方法。
  3. 分離されたMFy・nHF・mHOを水洗してHFを脱離させた後、濾別して乾燥させることを特徴とする請求項1に記載の金属フッ化物の精製方法。
  4. 前記粗金属を含むフッ化水素溶液を濃縮する際に発生するフッ化水素ガスを回収し、再利用することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の金属フッ化物の精製方法。
  5. 前記粗金属を含むフッ化水素溶液は、フッ化水素を含む溶液へ、金属、金属炭酸化物、金属フッ化物、金属塩化物、金属臭化物、金属ヨウ化物、金属水酸化物、金属酸化物、金属硝酸化物、金属硫化物、金属硫酸化物及び金属過塩素酸化物からなる群より選択される少なくとも何れか1種を溶解させることにより得られるものであることを特徴とする請求項1〜4に記載の金属フッ化物の精製方法。
  6. 前記フッ化水素溶液のフッ化水素濃度は70重量%以上であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の金属フッ化物の精製方法。
  7. 前記フッ化水素溶液が無水フッ化水素溶液であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の金属フッ化物の精製方法。
  8. 前記Mがリチウム、ナトリウム、カリウム、ストロンチウム、バリウム及び鉛からなる群より選択される少なくとも何れか1種であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の金属フッ化物の精製方法。
  9. 前記フッ化水素溶液中に含まれる前記粗金属は完全溶解していることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の金属フッ化物の精製方法。
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