JP2009215012A - エレベータの非常時減速制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】制動距離を短くし、更に、ロープすべりの発生を防止すると共に、ロープすべりが発生した場合にもこれを容易に解消できるようにすること。
【解決手段】乗りかご1駆動用の巻上電動機3に電力を供給するインバータ回路11と、巻上電動機3の速度制御及びトルク制御についてのパターンを含む運転制御パターンに基づきインバータ回路11を制御するインバータ制御回路12と、巻上電動機3の速度を検出する電動機側速度検出器7と、乗りかご1の速度としてガバナ5の速度を検出するガバナ側速度検出器8と、乗りかご1が走行する昇降路内の所定位置に取り付けられ、乗りかごの通過を検出するかご検出スイッチ9A,9Bと、その通過検出時における速度検出器7又は8からの速度検出信号に基づき過速度の発生を判別し、巻上電動機3を増大した減速度で停止させるためのトルクバイアス値を演算し、この演算値を加えたトルク制御の実行をインバータ制御回路12に指令する非常ブレーキ制御回路17と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、エレベータの非常時減速制御システムに関するものである。
エレベータの運転にあたっては、予め設定された運転速度パターンに基づきエレベータ速度が制御されるようになっている。しかし、例えばプログラム異常などの何らかの異常が発生した場合、エレベータ速度が運転パターンから大きく外れ、過速度が発生する虞がある。このような場合、従来のエレベータシステムでは、機械ブレーキを用いた非常ブレーキ制御により急停止が行われるようになっていた(例えば、特許文献1参照)。
特公平7−29746号公報
しかし、機械ブレーキは、ブレーキシューなどの圧接ブレーキ部材を圧接し、部材間の摩擦を利用して急停止するものであり、過速度が大きな場合は制動距離が大きくなる。また、非常ブレーキ制御はエレベータを急停止させる制御であるため、巻上機と主ロープとの間で所謂「ロープすべり」が発生し易くなるが、機械ブレーキを用いた非常ブレーキ制御の場合には、このようなロープすべりが一旦発生すると、これを解消することが非常に困難になる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、制動距離を短くすることが可能なエレベータの非常時減速制御システムを提供することを目的としている。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、乗りかご駆動用の巻上電動機に電力を供給するインバータ回路と、巻上電動機の速度制御及びトルク制御についてのパターンを含む運転制御パターンに基づき、インバータ回路を制御するインバータ制御回路と、巻上電動機の速度を検出する電動機側速度検出器と、乗りかごの速度としてガバナの速度を検出するガバナ側速度検出器と、乗りかごが走行する昇降路内の所定位置に取り付けられ、乗りかごの通過を検出するかご検出スイッチと、かご検出スイッチの乗りかご通過検出時における電動機側速度検出器又はガバナ側速度検出器からの速度検出信号に基づき過速度が発生したか否かを判別し、発生したと判別した場合に巻上電動機を増大した減速度で停止させるためのトルクバイアス値を演算し、このトルクバイアス値を加えたトルク制御の実行をインバータ制御回路に指令する非常ブレーキ制御回路と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、制動距離を短くすることが可能なエレベータの非常時減速制御システムを提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るエレベータの非常時減速制御システムの構成図である。昇降路内に昇降動可能に配設された乗りかご1の上部に主ロープ2の一端側が取り付けられている。この主ロープ2の中間部は巻上電動機3に巻回されており、他端側がカウンタウェイト4に取り付けられている。
そして、巻上電動機3に隣接してガバナ(調速機)5が設置されており、このガバナ5にガバナロープ6が巻回されている。巻上電動機3及びガバナ5には、それぞれ電動機側速度検出器7及びガバナ側速度検出器8が取り付けられており、巻上電動機3の速度と、乗りかご1の速度としてガバナ5の速度とが検出されるようになっている。また、最上階の乗場の下方に位置する昇降路側壁の所定位置には、かご検出スイッチ9A,9Bが設置されており(最下階の乗場の上方に位置する昇降路側壁の所定位置にも同様の2つのかご検出スイッチが設置されている)、乗りかご1が所定位置を通過したことを検出できるようになっている。これらの電動機側速度検出器7、ガバナ側速度検出器8、及びかご検出スイッチ9A,9Bの各検出信号はエレベータ制御装置10に出力され、エレベータ制御装置10はこれら各検出信号の入力に基づき巻上電動機3を制御するようになっている。
エレベータ制御装置10は、巻上電動機3に交流電力を出力するインバータ回路11と、このインバータ回路11を制御するインバータ制御回路12と、過速度発生時に非常ブレーキ制御を行う非常ブレーキ制御回路17とを有している。
インバータ制御回路12は、電動機側速度検出器7又はガバナ側速度検出器8からの速度検出信号と予め設定された運転速度パターンとの偏差に基づきトルク指令を出力する速度制御回路13、このトルク指令の入力に基づき電流指令を出力するトルク制御回路14、この電流指令の入力に基づきPWM制御指令を出力する電流制御回路15、このPWM制御指令の入力に基づきPWM信号をインバータ回路11に出力するPWM回路16を有している。インバータ回路11を構成するスイッチング素子は、このPWM信号に基づきスイッチング動作を行い、可変電圧可変周波数制御された交流電力を巻上電動機3に供給するようになっている。
非常ブレーキ制御回路17は、速度検出器7,8及びかご検出スイッチ9A,9Bからの検出信号の入力に基づき過速度発生の有無を判別する過速度判別回路18、及び過速度発生の場合に巻上電動機3を増大した減速度で停止させるためのトルクバイアス値を演算するトルクバイアス値演算回路19を有している。
過速度判別回路18は、かご検出スイッチ9A,9Bからの各検出信号入力時点において、速度検出器7,8のいずれかの検出速度が所定閾値を超えたか否かを監視し、超えた場合に過速度発生と判別するものである。そして、トルクバイアス値演算回路19は、この過速度発生の判別信号を入力すると、予め与えられているエレベータ慣性定数を用い、乗りかご1の走行方向に応じてトルクバイアス値を演算し、これをトルク制御回路14に出力するようになっている。
なお、図1の構成では、速度制御回路13及び過速度判別回路18は2つの速度検出器7,8から速度検出信号を入力しているが、これは一方の速度検出器が故障しても他方の速度検出器を用いることにより運転継続を可能にして信頼性を高めるためである。したがって、速度制御回路13及び過速度判別回路18の入力については、何れか一方のみの速度検出信号を用いる構成とすることもできる。
また、図1の構成では、2個のかご検出スイッチ9A,9Bを設置しているが、この設置個数は3個以上とすることもでき、更に、終端階(最上階及び最下階)以外の中間階にも設置する場合は1個としてもよい。
次に、図1の動作を、図2のタイムチャート及び図3のフローチャートを参照しつつ説明する。図2(a)は正常時の制御パターンを示すものであり、上段は速度パターン、下段はトルクパターンを示している。
時刻t1〜t2は通常加速制御領域であって、この領域における速度パターンは右上がりの直線になっている。そして、このときのトルクパターンは下段に示されているように、上向き台形状の正側トルクパターンとなっている。
時刻t2〜t3は定速制御領域であって、この領域における速度パターンは水平状の直線になっている。そして、この領域ではトルクは発生していない。
時刻t3〜t4は通常減速制御領域であって、この領域における速度パターンは右下がりの直線になっている。そして、このときのトルクパターンは下段に示されているように、下向き台形状の負側トルクパターンとなっている。
時刻t3a,t3bは、乗りかご1がそれぞれかご検出スイッチ9A,9Bを通過した時点を示している。この図2(a)の例では過速度が検出されていないので、下段に示されている下向き台形状の負側トルクパターンに変化は生じていない。
一方、図2(b)は過速度発生時の制御パターンを示すものである。この例では、時刻t3を過ぎたあたりで正規の速度パターン(点線部分)からの逸脱が始まっているが、時刻t3aでは未だ過速度発生と判別されておらず、時刻t3bになった時点で過速度発生と判別されている。そして、時刻t3b以降のトルクパターンは下段に示されているように、通常減速制御の場合のトルクパターン(点線部分)にトルクバイアス分が加重されたものとなっている。このトルクバイアス分が加重されたことにより、時刻t3b以降の速度パターンは上段に示されているように、大きく減速されたものとなり(傾きが急になっている)、短い制動距離で停止することが可能になる。
図3のフローチャートは、上述した図2のタイムチャートにおける時刻t3以降の動作を示すものである。まず、時刻t3を経過すると、エレベータ制御装置10は巻上電動機3に対して通常減速制御を行うので、昇降路内を上昇中の乗りかご1は減速走行に入る(ステップ1)。
そして、乗りかご1が時刻t3aにかご検出スイッチ9Aを通過すると、このかご検出スイッチ9Aはオン信号を過速度判別回路18に出力する(ステップ2の「YES」)。過速度判別回路18は、電動機側速度検出器7及びガバナ側速度検出器8からの各速度検出信号を入力しているが、かご検出スイッチ9Aからのオン信号を入力すると、その時点での各速度検出信号を所定閾値と比較することにより過速度発生の有無を判別する(ステップ3)。過速度判別回路18は、前述した通り、この時点では未だ過速度発生と判別しないので(ステップ3の「NO」)、エレベータ制御装置10はそのまま通常減速制御を続行する(ステップ4)。
次いで、乗りかご1が時刻t3bにかご検出スイッチ9Bを通過すると、このかご検出スイッチ9Bはオン信号を過速度判別回路18に出力する(ステップ5の「YES」)。過速度判別回路18は、かご検出スイッチ9Bからのオン信号を入力すると、前と同様に、その時点での各速度検出信号を所定閾値と比較することにより過速度発生の有無を判別する(ステップ6)。過速度判別回路18は、今度は過速度発生と判別するので(ステップ6の「YES」)、エレベータ制御装置10は巻上電動機3に対して非常ブレーキ制御を実行し、乗りかご1を急停止させるようにする(ステップ9)。
すなわち、トルクバイアス値演算回路19は、過速度判別回路18から過速度が発生した旨の判別信号を入力すると、予め与えられているエレベータ慣性定数を用い、乗りかご1の走行方向(上昇方向)に応じてトルクバイアス値を演算し、これをトルク制御回路14に出力する。
トルク制御回路14は、既に速度制御回路13から負側トルクパターンを入力しているが、この負側トルクパターンにトルクバイアス値演算回路19からのトルクバイアス値を加算し、この加算値に対応する電流指令をインバータ制御回路12に出力する。そして、電流制御回路15は、この電流指令の入力に基づきPWM制御指令をPWM回路16に出力し、PWM回路16は、このPWM制御指令の入力に基づきPWM信号をインバータ回路11に出力する。インバータ回路11を構成するスイッチング素子は、このPWM信号に基づき、巻上電動機3が急停止するようにスイッチング動作を行い、巻上電動機3への交流電力の供給を停止する。
なお、もしステップ6での判別結果が「NO」の場合、エレベータ制御装置10は通常減速制御をそのまま続行し(ステップ7)、その後着床制御を実行して乗りかご1を最上階乗場に着床させる(ステップ8)。
上述した図1の構成は、従来システムのように、機械ブレーキを用いた非常ブレーキ制御により乗りかご1を急停止させるものではなく、巻上電動機3に対するトルク制御によって乗りかご1を急停止させるものである。したがって、従来システムに比べて制動距離を短くすることができる。
図4は、本発明の第2の実施形態に係るエレベータの非常時減速制御システムの構成図である。この第2の実施形態の構成は、非常ブレーキ制御実行中にロープすべりが発生したとしても、このロープすべりを容易に解消できる機能、あるいはこのロープすべりの発生を防止できる機能を備えたものである。
図4が図1と異なる点は、非常ブレーキ制御回路17Aがロープすべり検出回路20及びトルクバイアス値調整回路21を有している点である。
ロープすべり検出回路20は、速度検出器7,8からの各検出信号を入力し、これらの検出速度差(αとする)をトルクバイアス値調整回路21に出力するようになっている。
トルクバイアス値調整回路21は、この入力した検出速度差αに基づきロープすべり発生の有無を検出し、ロープすべりが発生している場合には、その検出速度差αが低減するように、つまりロープすべりが解消されるように、トルクバイアス値調整指令をトルクバイアス値演算回路19に出力するようになっている。
そして、この第2の実施形態では、トルクバイアス値調整回路21は、検出速度差αが上限設定値(α1とする)まで増加した場合にトルクバイアス値を漸減させる調整指令をトルクバイアス値演算回路19に出力するようになっている。更に、トルクバイアス値調整回路21は、この漸減調整指令によってトルクバイアス値が漸減した後、検出速度差αが下限設定値(α2とする)まで減小した場合には、今度はトルクバイアス値を漸増させる調整指令をトルクバイアス値演算回路19に出力するようになっている。
次に、図4の動作を、図5乃至図8を参照しつつ説明する。図5及び図6は、第2の実施形態における第1の非常ブレーキ制御例を説明するための図面であり、図7及び図8は、第2の実施形態における第2の非常ブレーキ制御例を説明するための図面である。
最初に、第1の非常ブレーキ制御例を図5のタイムチャート及び図6のフローチャートを用いて説明する。図5(a)は、非常ブレーキ制御実行中にロープすべり検出回路20が速度検出器7,8から入力する電動機側速度及びガバナ側速度と、トルクバイアス値調整回路21に出力する検出速度差αとを示す特性図である。
図5(b)は、図5(a)における検出速度差αが上下限設定値α1,α2の間で変化する状態を示した特性図である。なお、この実施形態では下限設定値α2をゼロに設定しているが勿論ゼロ以外に設定しても構わない。
図5(c)は、図5(b)における検出速度差αの変化状態に対応するようにトルクバイアス値調整回路21が出力する調整指令の変化状態を示す特性図である。
いま、図3のフローチャートのステップ9で非常ブレーキ制御を開始したとする。すると、この例では図5(a)に示すように、電動機側速度がガバナ側速度から乖離し始め、検出速度差αが時刻t1に近づくにしたがって増加する。そして、図5(b)に示すように、時刻t1で検出速度差αが上限設定値α1まで増加すると、トルクバイアス値調整回路21はロープすべりが発生したと判別し、図5(c)に示すように、トルクバイアス値を漸減させる調整指令をトルクバイアス値演算回路19に出力する。
この調整指令が出力されると非常ブレーキ制御における巻上電動機3の減速度が小さくなるので、図5(b)の時刻t1〜t2に示すように、検出速度差αは次第に減小する。つまり、時刻t1経過後に検出速度差αは上限設定値α1より僅かに上昇した後(この僅かな上昇分はオーバーシュートによる)、直ちに下降し始めてロープすべりが解消される。
そして、時刻t2で検出速度差αが下限設定値α2まで減小すると、トルクバイアス値調整回路21はロープすべり発生の虞が全くなくなるレベルまで検出速度差αが充分に減小したと判別し、図5(c)に示すように、今度はトルクバイアス値を漸増させる調整指令をトルクバイアス値演算回路19に出力する。
この調整指令が出力されると非常ブレーキ制御における巻上電動機3の減速度が再び大きくなるので、図5(b)の時刻t2〜t3に示すように、検出速度差αは次第に増加する。つまり、時刻t2経過後に検出速度差αは下限設定値α2より僅かに下降した後(この僅かな下降分はアンダーシュートによる)、直ちに上昇し始める。以降、このような制御が巻上電動機3が停止するまで繰り返される。
このような非常ブレーキ制御によれば、ロープすべりが発生したとしても直ちにこれを解消することができるので、巻上電動機3を急停止させる際の減速度を最大限にすることができ、従来に比べて制動距離を大きく短縮することができるようになる。
なお、上記の例では、説明を分かり易くするために、上限設定値α1をロープすべりが発生するレベルに設定したが、実際には、更に低めに設定する方が好ましい。これによれば、ロープすべりの発生を防止した状態で減速度を最大限にした非常ブレーキ制御を実行することができる。
図6のフローチャートは、上述した図5のタイムチャートにおける動作を示すもので、図3のフローチャートのステップ9における非常ブレーキ制御の一例を示すものである。
まず、トルクバイアス値演算回路19は、過速度判別回路18から過速度が発生した旨の判別信号を入力し、トルクバイアス値をトルク制御回路14に出力する。これにより非常ブレーキ制御が開始される(ステップ9−1)。
そして、ロープすべり検出回路20は、速度検出器7,8からの各検出信号を入力し、検出速度差αをトルクバイアス値調整回路21に出力する。トルクバイアス値調整回路21は、この検出速度差αと上限設定値α1との大小関係を判別する(ステップ9−2)。
ここで、検出速度差αが上限設定値α1よりも小さければ(ステップ9−2の「NO」)、トルクバイアス値調整回路21は調整指令を出力しないので、そのまま非常ブレーキ制御が続行され(ステップ9−3)、巻上電動機3が停止することによって(ステップ9−4の「YES」)、非常ブレーキ制御は終了する。
一方、検出速度差αが上限設定値α1以上であれば(ステップ9−2の「YES」)、トルクバイアス値調整回路21は、図5(c)に示したように、トルクバイアス値を漸減する(ステップ9−5)。このトルクバイアス値漸減中に巻上電動機3が停止すれば(ステップ9−6の「YES」)、そこで非常ブレーキ制御は終了するが、停止していなければ(ステップ9−6の「NO」)、トルクバイアス値調整回路21は、今度は検出速度差αと下限設定値α2との大小関係を判別する(ステップ9−7)。
検出速度差αが未だ下限設定値α2よりも大きければ(ステップ9−7の「NO」)、トルクバイアス値調整回路21は、ステップ9−5に戻ってトルクバイアス値の漸減を継続するが、検出速度差αが下限設定値α2以下になった場合には(ステップ9−7の「YES」)、今度はトルクバイアス値を漸増する(ステップ9−8)。このトルクバイアス値漸増中に巻上電動機3が停止すれば(ステップ9−9の「YES」)、そこで非常ブレーキ制御は終了するが、停止していなければ(ステップ9−9の「NO」)、トルクバイアス値調整回路21は、再度、検出速度差αと上限設定値α1との大小関係を判別する(ステップ9−10)。
そして、検出速度差αが未だ上限設定値α1よりも小さければ(ステップ9−10の「NO」)、トルクバイアス値調整回路21は、ステップ9−8に戻ってトルクバイアス値の漸増を継続するが、検出速度差αが上限設定値α1以上になった場合には(ステップ9−10の「YES」)、ステップ9−5に戻って再びトルクバイアス値を漸減する。
次に、第2の非常ブレーキ制御例を図7のタイムチャート及び図8のフローチャートを用いて説明する。図7(a)は、非常ブレーキ制御実行中にロープすべり検出回路20が速度検出器7,8から入力する電動機側速度及びガバナ側速度と、トルクバイアス値調整回路21に出力する検出速度差αとを示す特性図である。この特性図は図5(a)の特性図と比較してみれば明らかなように、速度勾配を大きくした場合(減速度が大きい)のものである。
図7(b)は、図7(a)における検出速度差αが上限設定値α1から下限設定値α2に減小した後、一定値に維持された状態を示した特性図である。
図7(c)は、図7(b)における検出速度差αが上限設定値α1に上昇した時点で、トルクバイアス値を直ちに所定レベルまで減小させた状態を示す特性図である。
いま、図3のフローチャートのステップ9で非常ブレーキ制御を開始したとする。すると、この例では図7(a)に示すように、電動機側速度がガバナ側速度から乖離し始め、検出速度差αが時刻t1に近づくにしたがって増加する。そして、図7(b)に示すように、時刻t1で検出速度差αが上限設定値α1まで増加すると、トルクバイアス値調整回路21はロープすべりが発生したと判別し、図7(c)に示すように、トルクバイアス値を一気に所定レベルまで減小させ、その後もこの所定レベルに維持する調整指令をトルクバイアス値演算回路19に出力する。
このような調整指令が出力されると非常ブレーキ制御における巻上電動機3の減速度が直ちに小さくなるので、図7(b)の時刻t1〜t2に示すように、検出速度差αは短時間で上限設定値α1のレベルから下限設定値α2のレベルまで下降する。そして、時刻t2以降も検出速度差αは下限設定値α2のレベルに維持され、この状態のまま巻上電動機3が停止することになる。
このような非常ブレーキ制御によれば、ロープすべりが発生した場合には直ちに減速度を大幅に緩めて(小さくして)ロープすべりを解消し、以降はそのままの減速度を維持するようにしているので、一旦ロープすべりを解消した後は再度ロープすべりが発生することはなく、安定した非常ブレーキ制御を行うことができる。
図8のフローチャートは、上述した図5のタイムチャートにおける動作を示すもので、図3のフローチャートのステップ9における非常ブレーキ制御の一例を示すものである。
まず、トルクバイアス値演算回路19は、過速度判別回路18から過速度が発生した旨の判別信号を入力し、トルクバイアス値をトルク制御回路14に出力する。これにより非常ブレーキ制御が開始される(ステップ9−11)。
そして、ロープすべり検出回路20は、速度検出器7,8からの各検出信号を入力し、検出速度差αをトルクバイアス値調整回路21に出力する。トルクバイアス値調整回路21は、この検出速度差αと上限設定値α1との大小関係を判別する(ステップ9−12)。
ここで、検出速度差αが上限設定値α1よりも小さければ(ステップ9−12の「NO」)、トルクバイアス値調整回路21は調整指令を出力しないので、そのまま非常ブレーキ制御が続行され(ステップ9−13)、巻上電動機3が停止することによって(ステップ9−14の「YES」)、非常ブレーキ制御は終了する。
一方、検出速度差αが上限設定値α1以上であれば(ステップ9−12の「YES」)、トルクバイアス値調整回路21は、図7(c)に示したように、トルクバイアス値を一気に所定レベルまで減小させ(ステップ9−15)、その後もこの所定レベルを維持して非常ブレーキ制御を続行する(ステップ9−16)。そして、このような制御を続行するうちに巻上電動機3が停止するので(ステップ9−17の「YES」)、そこで非常ブレーキ制御が終了する。
本発明の第1の実施形態に係るエレベータの非常時減速制御システムの構成図。 図1の動作を説明するためのタイムチャート。 図1の動作を説明するためのフローチャート。 本発明の第2の実施形態に係るエレベータの非常時減速制御システムの構成図。 第2の実施形態における第1の非常ブレーキ制御例を説明するためのタイムチャート。 第2の実施形態における第1の非常ブレーキ制御例を説明するためのフローチャート。 第2の実施形態における第2の非常ブレーキ制御例を説明するためのタイムチャート。 第2の実施形態における第1の非常ブレーキ制御例を説明するためのフローチャート。
符号の説明
1:乗りかご
2:主ロープ
3:巻上電動機
4:カウンタウェイト
5:ガバナ
6:ガバナロープ
7:電動機側速度検出器
8:ガバナ側速度検出器
9A,9B:かご検出スイッチ
10:エレベータ制御装置
11:インバータ回路
12:インバータ制御回路
13:速度制御回路
14:トルク制御回路
15:電流制御回路
16:PWM回路
17,17A:非常ブレーキ制御回路
18:過速度判別回路
19:トルクバイアス値演算回路
20:ロープすべり検出回路
21:トルクバイアス値調整回路
α:検出速度差
α1:上限設定値
α2:下限設定値

Claims (6)

  1. 乗りかご駆動用の巻上電動機に電力を供給するインバータ回路と、
    前記巻上電動機の速度制御及びトルク制御についてのパターンを含む運転制御パターンに基づき、前記インバータ回路を制御するインバータ制御回路と、
    前記巻上電動機の速度を検出する電動機側速度検出器と、
    前記乗りかごの速度としてガバナの速度を検出するガバナ側速度検出器と、
    前記乗りかごが走行する昇降路内の所定位置に取り付けられ、乗りかごの通過を検出するかご検出スイッチと、
    前記かご検出スイッチの乗りかご通過検出時における前記電動機側速度検出器又は前記ガバナ側速度検出器からの速度検出信号に基づき過速度が発生したか否かを判別し、発生したと判別した場合に前記巻上電動機を増大した減速度で停止させるためのトルクバイアス値を演算し、このトルクバイアス値を加えたトルク制御の実行を前記インバータ制御回路に指令する非常ブレーキ制御回路と、
    を備えたことを特徴とするエレベータの非常時減速制御システム。
  2. 前記非常ブレーキ制御回路は、
    前記かご検出スイッチの乗りかご通過検出時における前記電動機側速度検出器又は前記ガバナ側速度検出器からの速度検出信号を入力し、その検出速度が所定閾値を超えた場合に過速度発生と判別する過速度判別回路と、
    前記過速度判別回路が過速度発生と判別した場合に、前記巻上電動機を増大した減速度で停止させるためのトルクバイアス値を演算するトルクバイアス値演算回路と、
    を有するものであることを特徴とする請求項1記載のエレベータの非常時減速制御システム。
  3. 前記非常ブレーキ制御回路は、予め与えられているエレベータ慣性定数を用い、乗りかご走行方向に応じて前記トルクバイアス値を演算するものである、
    ことを特徴とする請求項1記載のエレベータの非常時減速制御システム。
  4. 前記非常ブレーキ制御回路は、
    前記ガバナ側速度検出器と前記電動機側速度検出器との間の検出速度差に基づきロープすべりの発生の有無を検出し、ロープすべりが発生した場合には、その検出速度差が低減するように前記トルクバイアス値を調整するものである、
    ことを特徴とする請求項1記載のエレベータの非常時減速制御システム。
  5. 前記非常ブレーキ制御回路は、
    前記検出速度差が上限設定値まで増加した場合に前記トルクバイアス値を次第に漸減させ、この漸減後に前記検出速度差が下限設定値まで減小した場合に前記トルクバイアス値を漸増させるものである、
    ことを特徴とする請求項4記載のエレベータの非常時減速制御システム。
  6. 前記非常ブレーキ制御回路は、
    前記検出速度差が上限設定値を超えた場合に前記トルクバイアス値を直ちに所定レベルまで減小させ、その後は前記巻上電動機が停止するまで前記トルクバイアス値を前記所定レベルに維持するものである、
    ことを特徴とする請求項4記載のエレベータの非常時減速制御システム。
JP2008061606A 2008-03-11 2008-03-11 エレベータの非常時減速制御システム Pending JP2009215012A (ja)

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