JP2009212384A - リアクトル及びリアクトルの取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型でありながら、大電流で利用しても十分な放熱特性を有するリアクトルおよびその取付構造を提供する。
【解決手段】対向し合うコイル巻回部を有するコア2と、コイル巻回部に巻線を巻回してなるコイル3とを備えるリアクトル50である。このリアクトル50は、さらにコイル3が形成された状態のコア2が固定される搭載板4と、この搭載板4に連結され、かつ、前記コイル巻回部に巻回された対向し合うコイル3の間隙5から熱を吸収するように配置されるヒートパイプ1を備える。このリアクトル50にはケースが備わっていない。また、このリアクトル50を取付対象(冷却器100)に取り付けるときは、ヒートパイプ1の放熱部(搭載板4の側)を吸熱部よりも上になるように取り付ける。
【選択図】図9
【解決手段】対向し合うコイル巻回部を有するコア2と、コイル巻回部に巻線を巻回してなるコイル3とを備えるリアクトル50である。このリアクトル50は、さらにコイル3が形成された状態のコア2が固定される搭載板4と、この搭載板4に連結され、かつ、前記コイル巻回部に巻回された対向し合うコイル3の間隙5から熱を吸収するように配置されるヒートパイプ1を備える。このリアクトル50にはケースが備わっていない。また、このリアクトル50を取付対象(冷却器100)に取り付けるときは、ヒートパイプ1の放熱部(搭載板4の側)を吸熱部よりも上になるように取り付ける。
【選択図】図9
Description
本発明は、ハイブリッド自動車や電気自動車におけるコンバータなどの構成部品として利用されるリアクトルと、その取付構造に関する。
リアクトルは、磁性材料で形成されるコアとこのコアに巻線を巻回してなるコイルとを備える。このようなリアクトルを大電流で利用する場合、例えば、ハイブリッド自動車などで利用する場合には、コアとコイルの発熱が大きくなるので、この熱を速やかに放熱する構成とすることが好ましい。
従来、リアクトルの放熱特性を上げる構成として、代表的には、リアクトルをアルミケースに入れ、アルミケースとリアクトルとの間に熱伝導性の高い樹脂材をポッティングする構成が採用されている。この構成によれば、樹脂材とアルミケースを介してリアクトルで発生した熱を外部に放熱することができる。
一方で、リアクトルの小型化・省コスト化の観点から、リアクトルの放熱の一翼を担っていたアルミケースを省略した構成も提案されている。例えば、特許文献1には、リアクトルを冷却器に取り付ける際に、コアとコイルの両方を冷却器表面に接触するようにすることでアルミケースと樹脂材を省略している。また、特許文献2では、リアクトル全体を樹脂材で覆い、この樹脂材を冷却器に直接固定することでアルミケースを省略している。
しかし、近年では、リアクトルをより大電流で利用する傾向にあり、従来構造では放熱特性を確保する必要上、小型化に限界があった。
具体的には、特許文献1のリアクトルは、コイルの外周面のごく一部のみが冷却器に接触する構成であるため、大電流での使用では放熱特性が十分でなく、アルミケースを省略できない虞がある。
また、特許文献2でも、樹脂材の熱伝導性が金属に比べて低いので、要求される放熱特性を満たさずにアルミケースを省略できない虞がある。そもそも、特許文献2の構成では、アルミケースを省略しているものの、リアクトル全体を樹脂材で覆っているため、アルミケースを備える従来構成に比べてほとんど小型化されていない。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的の一つは、小型でありながら、大電流で利用しても十分な放熱特性を有するリアクトルおよびその取付構造を提供することにある。
まず、上記目的を達成するにあたり、本発明者らは、リアクトルの小型化の阻害要因となっていたケースをなくすことを再検討した。リアクトルからケースをなくすことによりリアクトルの放熱特性は低下するので、低下した放熱特性を改善する必要がある。そこで、本発明者らは、リアクトルにおいて特に温度が高くなり易い箇所があれば、その箇所から熱を効率良く放熱できるのではないかとの思想のもと、リアクトルのうち最も温度が高くなる箇所を調べた。その結果、対向するコイル間に形成される間隙において両コイルの放熱領域が重複するため高温となり、しかも、この間隙に熱がこもり易いとの知見を得た。この知見に基づき本発明を規定する。
本発明リアクトルは、対向し合うコイル巻回部を有するコアと、コイル巻回部に巻線を巻回してなるコイルとを備える。このリアクトルは、さらにコイルが形成された状態のコアが固定される搭載板と、この搭載板に連結され、かつ、前記コイル巻回部に形成された対向し合うコイルの間隙から吸熱できるように配置されたヒートパイプを備える。そして、このリアクトルは、コイルが形成された状態のコアの外周を覆うケースが存在しないことを特徴とする。
このような構成によれば、リアクトルにおいて特に高温になるコイル間の間隙にヒートパイプが配置されているので、リアクトルで発生した熱を効率よく吸収し、搭載板を介してこの吸収した熱を放熱することができる。また、ヒートパイプと搭載板の組み合わせによる放熱機構により、リアクトルで生じた熱を効率良く放熱できるので、従来、コアを収納し、リアクトルの放熱の一翼を担っていたケースを省略し、リアクトルを小型化することができる。
また、本発明リアクトルの取付構造は、取付対象に本発明のリアクトルを取り付ける際のリアクトルの取付構造であって、ヒートパイプの放熱部が吸熱部よりも上になるように取付対象にリアクトルの搭載板を固定することを特徴とする。
ヒートパイプは、一端側がパイプ外部から熱を吸収する吸熱部、他端側が吸収した熱を放出する放熱部であり、吸熱部から放熱部に熱を輸送する部材である。ヒートパイプの内部には毛細管構造と作用液が封止されており、吸熱部で吸熱した熱により作用液が蒸発して放熱部に移動し、移動した蒸気が放熱部で液化することで、吸熱部から放熱部へ熱の受け渡しが行われる。液化した作用液は、毛細管現象により吸熱部に移動することで再び吸熱を担う。このようなヒートパイプの構成を考慮すれば、放熱部が吸熱部よりも上に配置されている方が、重力の助けにより液化した作用液が吸熱部に戻り易いと言える。従って、放熱部が吸熱部よりも上になるように配置されている本発明のリアクトルの取付構造によれば、リアクトルの放熱効率を向上させることができる。
以下、本発明リアクトルをより詳細に説明する。
本発明リアクトルは、既に述べたように、対向するコイル間に形成される間隙にヒートパイプを配置したことに特徴があるが、これらヒートパイプの形態は、特に限定されない。例えば、ヒートパイプは、円柱状、多角柱状などが代表的であるが、扁平状(例えば、平板状あるいは波付き板状)であっても良い。これらヒートパイプは、コイルと直接接触するようにしてコイルから直接熱を吸収する構成としても良いし、コイルとの間に高熱伝導性の部材を介在させ、コイルから間接的に熱を吸収する構成としても良い。
このようなヒートパイプを、コイル間の間隙に加えて、コイルを取り囲むように配置して、搭載板に連結しても良い。この構成によれば、さらにコイルの外周側からヒートパイプで熱を吸収し、搭載板を介して放熱することができる。
なお、ヒートパイプの搭載板への連結は、溶接やネジ止めなどの種々の方法を使用することができる。例えば、棒状のヒートパイプであれば、その先端部をネジ加工し、搭載板に形成したネジ穴にヒートパイプを螺合すれば良い。
ヒートパイプは、熱伝導性に優れる非磁性体で構成することが好ましい。ヒートパイプの熱伝導性は、10W/m・K以上、より好ましくは20W/m・K以上、さらに好ましくは30W/m・K以上である。ヒートパイプを構成する具体的な材料としては、導電性の材料と絶縁性の材料のいずれを使用しても良い。導電性の材料としては、アルミニウム(236W/m・K)、銅(390W/m・K)、これらの合金、オーステナイト系ステンレス(SUS304:16.7W/m・K)などが挙げられる。一方、絶縁性の材料としては、アルミナ(Al2O3:20〜30W/m・K程度)、窒化アルミニウム(AlN:100〜250W/m・K程度)、窒化ホウ素(BN:50〜65W/m・K程度)、窒化珪素(Si3N4:40〜150W/m・K程度)および炭化珪素(SiC:50〜130W/m・K程度)よりなる群から選択される少なくとも1種を好適に利用可能である。
また、既に述べたように、ヒートパイプとコイルとの間に、熱伝導性に優れた部材を介在させても良い。介在させる部材としては、高い熱伝導性に加えて、高い絶縁性を有することが好ましい。絶縁部材には、上段で述べたアルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素、炭化珪素などを利用できる。ヒートパイプとコイルとの間に絶縁部材を介在させれば、対向するコイルの間や、ヒートパイプを金属で構成するのであればコイルとヒートパイプとの間を確実に絶縁できる。絶縁部材は、ヒートパイプに被着しても良いし、コーティングしても良い。あるいは、コイルとヒートパイプとの間に絶縁部材を充填しても良い。この充填剤としては、樹脂材料に高熱伝導性のセラミック、あるいはシリカなどのフィラーを混合したものを好適に利用可能である。
一方、搭載板は、熱伝導性に優れる非磁性の材料、例えば、ヒートパイプの説明で例示した導電性の材料や絶縁性の材料で構成することが挙げられる。導電性の材料、即ち、金属(合金を含む)であれば、熱伝導性に優れる。絶縁性の材料であれば、コアやコイルとの絶縁性に優れる。もちろん、搭載板を金属で構成し、この搭載板とコイルとの間に絶縁部材を介在させる構成としても良い。
また、上述の搭載板は、その内部を毛細管構造として作用液を封止したヒートパイプと同様の構成としても良い。この場合、コイルを形成した状態のコアの搭載面を吸熱部、リアクトルの取付対象側の面(前記搭載面と反対側の面)を放熱部として利用すれば良い。
さらに、リアクトルの放熱特性を向上させるために、コアを搭載板に接触するように構成することが好ましい。この構成の一例として、コイルが形成された状態のコアのうち、搭載板に対向する側でコアとコイルとが面一となるように形成することが挙げられる。例えば、コアのうち、コイル巻回部以外の部分に、搭載板に向かって突出する突出部を形成し、コアにコイルを形成したときに、コイルと突出部とが面一になるようにする。このような構成により、コイルとコアの両方が搭載板に接触するので、リアクトルの放熱特性が向上する。
コアを搭載板に接触させる他の構成として、搭載板に凸部を形成し、この凸部がコアに接触するようにすることが挙げられる。この場合、コイルも搭載板に接触するように構成することが好ましい。
本発明の構成によれば、リアクトルにおいて特に高温になるコイル間の間隙に、ヒートパイプが配置されているので、リアクトルで発生した熱を効率よく吸収し、搭載板を介してこの吸収した熱を放熱することができる。本発明のリアクトルは、ヒートパイプと搭載板の組み合わせによる放熱機構により、大電流で利用した場合でも良好な放熱特性を発揮する。従って、従来構造においてコアとコイルを収納し、リアクトルの放熱の一翼を担っていたケースを省略することができるので、リアクトルを小型化することができる。
<実施形態1>
本実施形態のリアクトルは、コアとコイルと放熱部材であるヒートパイプとを備え、従来構造のリアクトにおいてこれらの部材を収納していたケースを備えていない。以下、本発明の実施の形態に係るリアクトルについて図を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態のリアクトルは、コアとコイルと放熱部材であるヒートパイプとを備え、従来構造のリアクトにおいてこれらの部材を収納していたケースを備えていない。以下、本発明の実施の形態に係るリアクトルについて図を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、リアクトルの斜視図、図2(A)は、図1のA−A矢視断面図、図2(B)は、図1のB−B矢視断面図である。また、図3は、リアクトルの分解図である。これらの図に示すように、本実施形態のリアクトル10は、環状に形成されるコア2と、コア2の対向しあうコイル巻回部(図示せず)に巻回されるコイル3と、コイル3が載置される搭載板4と、対向するコイル3の間に形成される間隙5から吸熱できるように当該間隙5に配置され、かつ、搭載板4に立設される複数のヒートパイプ1とを備える。
コア2は、対向する2つの直方体状の部分と、各直方体状の端部同士を繋ぐU字状の部分とを有し、各直方体状の部分の一部あるいは全部が後述するコイル3が巻回されるコイル巻回部となる。その他、図示するコアとは異なる形状のコアとして、例えば、円環状のコアを利用することもでき、この場合もやはり対向する部分がコイル巻回部となる。
また、このコア2は、U字状の部分が搭載板4側に突出する突出部7を有しており、上述したコイル巻回部にコイル3を配置したときに、この突出部7が搭載板4に接触するコイル3と面一になっている(特に、図2(B)を参照)。この構成により、突出部7を介してコア2も搭載板4に接触するので、コア2に生じる熱も効果的に放熱することができる。コア2と搭載板4とは接着剤やネジ止めなどの手段により連結すると良い。
このコア2は、通常、複数の磁性材部がギャップ部を介して接合されて構成される。磁性材部は、例えば、軟磁性粉末の圧粉成形体や電磁鋼板の積層体を利用できる。ギャップ部は、磁性部材の間に介在されて、コア2のインダクタンスを調節するために用いられ、アルミナなどの非磁性材料で構成される。その他、コア2として、透磁率を調整した圧粉成形体で形成したギャップ部を有さないものを利用しても良い。
コイル3は、環状に形成されるコア2のコイル巻回部に巻回される巻線からなる。巻線は、導体と導体の周囲を覆う絶縁性の被覆とからなり、導体には導電性に優れる金属材料を、絶縁性の被覆にはエナメルなどを利用することができる。また、巻線として、その断面形状が円形、楕円形、多角形などの種々の形態を有するものを利用できる。特に、断面矩形の平角線は、断面円形のものに比べてコイルの占積率を高くすることが容易である。なお、両コイル巻回部に形成された各コイルは、図では簡略化しているが、実際には1本の巻線で連続して構成されている。
対向するコイル3の間に形成される間隙5に配置されるヒートパイプ1は、その長手方向の一端側を高温領域に、他端側を低温領域に配置することで、高温領域から低温領域に熱を伝達し、高温領域の温度を下げる部材である。ヒートパイプ1は、両端が封止されたパイプの内部に毛細管構造のウィックと純水などの作用液を備え、パイプの長手方向の一端側が高温領域に配置される吸熱部、他端側が低温領域に配置される放熱部になる。高温領域に配置される吸熱部では、高温領域から吸収された熱によりパイプ内部の作用液が蒸発する。蒸発した作用液は、放熱部側に移動し、低温領域に熱を放出して液体に戻る。そして、液体に戻った作用液はウィックを介した毛細管現象により吸熱部に移動する。この一連の作用液の蒸発と液化との繰り返しにより、高温領域から低温領域に熱を輸送することができる。
本実施形態では、対向するコイル3の間に形成される間隙5が高温領域であり、この間隙5に配置されるヒートパイプ1の部分が吸熱部になる。そして、ヒートパイプ1のうち、吸熱部とは反対側の部分は、搭載板4に接続され、放熱部を構成する。搭載板4は、リアクトル10の外部にあり、しかも板状であるので放熱効率が高く、ヒートパイプ1で間隙5から吸収した熱を効率よく外部に放熱することができる。ヒートパイプ1が配置される間隙5は、通常2mm程度であり、この間隙5に配置できるサイズのヒートパイプ1として市販品を利用することができる。また、ヒートパイプ1の径や本数は、主としてコイルとの接触面積を考慮して適宜選択することができる。なお、本実施形態では、ヒートパイプ1を溶接により搭載板4に連結したが、後述する実施形態5に示すようにネジ止めにより搭載板4に連結しても良い。
このヒートパイプ1とコイル3との間には絶縁部材を介在させることが好ましい。ヒートパイプ1は、通常、成形の容易性と高い熱伝導性とを考慮して金属(例えば、アルミニウムや銅、あるいはこれらの合金など)で構成されることが多い。つまり、ヒートパイプ1とコイル3との絶縁は巻線の表面に形成されるエナメルなどで補償されることなる。従って、ヒートパイプ1とコイル3との間に絶縁部材を介在させることで、より確実にコイル3とヒートパイプ1との絶縁を確保することができる。もちろん、ヒートパイプ1自体を絶縁性の材料、例えば、アルミナなどのセラミックで構成しても良い。
また、ヒートパイプ1の放熱部に連結される搭載板4は、リアクトル10の放熱性を考慮して金属で構成しても良いが、コア2とコイル3に接触することを考慮して熱伝導率の高いセラミックなどの絶縁材料で構成しても良い。その他、搭載板4を金属で構成し、コイル3との間に絶縁部材を介在させる構成としても良い。
以上説明した本実施形態の構成によれば、コア2およびコイル3で生じ、間隙5に籠もった熱をヒートパイプ1から搭載板4を介してリアクトル10外に効率良く放熱することができる。その結果、コイル3を形成した状態のコア2の外周を覆うケースを省略する構成としても、放熱特性が高く、大電流での使用が可能なリアクトル10とすることができる。
<実施形態2>
実施形態2では、平板状に形成されたヒートパイプを利用した本発明のリアクトルを図に基づいて説明する。
実施形態2では、平板状に形成されたヒートパイプを利用した本発明のリアクトルを図に基づいて説明する。
図4は、実施形態2に係るリアクトルの斜視図を示し、図5は分解図を示す。これらの図に示すように、このリアクトル20のヒートパイプ11は、平坦な部分を有する平板状に形成され、この平坦な部分がコイル3に対向するように配置されている。
本実施形態の構成とすることで、パイプ11の内部に封止できる作用液の量が、実施形態1に示す棒状に形成されたヒートパイプの作用液よりも多くなるので、より効率的な放熱を行うことができる。また、ヒートパイプ11がコイル3に直接接触する構成とする場合は、実施形態1の構成に比べて、コイル3とヒートパイプ11との接触面積が増加するので、より効率的な放熱が可能になる。
さらに、実施形態2の変形例として、図6に示すように、波付き板状のヒートパイプ12を使用してリアクトル21を形成しても良い。この場合、ヒートパイプ12の表面積を大きくすることができるので、間隙5からヒートパイプ12への熱の吸収率が高くなる。
<実施形態3>
実施形態3では、対向するコイル間の間隙だけでなく、コイルの外周側にもヒートパイプを配置した本発明のリアクトルを図に基づいて説明する。
実施形態3では、対向するコイル間の間隙だけでなく、コイルの外周側にもヒートパイプを配置した本発明のリアクトルを図に基づいて説明する。
図7は、本実施形態に係るリアクトルの斜視図である。図7のリアクトル30では、コイル3の外周側を取り囲むようにヒートパイプ1を搭載板4に立設している。このように構成することで、熱が籠もり易いコイル3間の間隙5からだけでなく、コイル3の外周側からもコイル3の熱を効率よくリアクトル30外部に放出することできる。そのため、このリアクトル30は、より大電流で利用することができる。
<実施形態4>
実施形態4では、搭載板とコアとが接触するように、搭載板に凸部を設けた本発明リアクトルを説明する。
実施形態4では、搭載板とコアとが接触するように、搭載板に凸部を設けた本発明リアクトルを説明する。
実施形態1〜3では、図1〜7に示すようにコア2と搭載板4とが接触するようにコア2に突出部7を形成したが、搭載板4に凸部を設けて、この凸部がコア2に接触するようにしても良い。
図8(A)は、本実施形態に係るリアクトルの斜視図、図8(B)は、図8(A)のC−C矢視断面図である。図に示すように、このリアクトル40の搭載板4は、コア2側に突出する凸部8を有し、この凸部8がコア2に接触している。従って、本実施形態の構成によれば、コア2から搭載板4に熱を伝達できるので、放熱特性に優れたリアクトル40とすることができる。
<実施形態5>
本実施形態では、本発明のリアクトルの取付構造について説明する。
本実施形態では、本発明のリアクトルの取付構造について説明する。
本発明のリアクトルを、例えば、ハイブリッド自動車のコンバータの構成部材として利用する場合、当該コンバータを冷却する冷却器にリアクトルを取り付けるようにすれば良い。ここで、ヒートパイプは、一般に、放熱部が吸熱部よりも上にある方が、吸熱部から放熱部への熱輸送量が大きい、即ち、放熱特性が高くなる。従って、本発明のリアクトルを、例えば、冷却器に取り付ける際は、搭載板4の下面を冷却器の上面に取り付けたり、側面に取り付けるよりは、下面に取り付ける取付構造とすることが好ましい。
図9(A)は、搭載板が上となるようにリアクトルを冷却器に取り付けた取付構造を示す概略説明図、(B)は(A)の点線で囲った部分の拡大断面図である。本実施形態のリアクトル50は、冷却水路110を備える冷却器100の下面に搭載板4がネジ止めされ、この搭載板4に下垂するようにコイル3を形成したコア2が固定されている。また、このリアクトル50のヒートパイプ1は、コイル3を形成した状態のコア2を下支えする押え板9を貫通して、搭載板4に立設されている。
本実施形態のリアクトル50に備わるヒートパイプ1は、一端側にネジ部1Sが形成されており、このネジ部1Sと搭載板4のネジ穴との螺合により搭載板4に固定される。また、このヒートパイプ1は、他端側にネジ頭部1Hが形成されており、このネジ頭部1Hの外径は、押え板9に形成されるヒートパイプ1を貫通させる貫通孔の内径よりも大きい。そのため、図9(A)に示すように、押え板9は、ネジ頭部1Hに当て止めされてヒートパイプ1から抜け落ちることがなく、押え板9がヒートパイプ1を介して搭載板4に連結される。
このような取付構造を形成するには、まず、搭載板4にコイル3を形成した状態のコア2を位置決めする。位置決めに際しては、必要に応じて接着剤を利用しても良い。次いで、押え板9の貫通孔にヒートパイプ1を貫通させ、ヒートパイプ1のネジ部1Sを搭載板4のネジ穴に螺合してリアクトル50を完成させる。このとき、ネジ部1Sの螺合具合を調節することで、押え板9によるコア2(コイル3)の締め付け具合を調節することができる。そして、搭載板4を冷却器100の下面にネジ止めすることで冷却器100にリアクトル50を取り付ける。なお、ヒートパイプ1を直接冷却器100にネジ止めする構成、つまり、冷却器100の下面が搭載板4の役割を兼ねる構成としても良い。
本実施形態のリアクトル50の取付構造では、冷却器100の下面に搭載板4を上にして取り付けられているので、ヒートパイプ1が放熱部を上に、吸熱部を下にしてほぼ垂直に配置される。この場合の熱の輸送を図9(B)を参照して説明すると、まず、間隙5からヒートパイプ1の内部に伝達した熱は、ウィック1W内の作用液を蒸発させる。蒸発した作用液は、放熱部(紙面上側)に向かって移動する。放熱部は、冷却器100に固定される搭載板4に繋がっているので(図9(A)参照)、放熱部に移動した蒸気は、冷却されて液化する。液化した作用液は、ウィック1Wを通って再び吸熱部である図9(B)に示す位置に戻る。このとき、作用液は、毛細管構造を有するウィック1Wの作用に加えて、重力の作用により、放熱部から吸熱部に迅速に移動する。つまり、この取付構造によれば、ヒートパイプ1の熱輸送量を最大にできるので、アルミケースを省略しつつ、リアクトル50の放熱特性を最大限発揮させることができる。
尚、本発明の実施の形態は、上述したものに限定されるわけではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜、変更することができる。例えば、実施形態3において、棒状のヒートパイプと平板状のヒートパイプとを適当に組み合わせて使用しても良い。
本発明のリアクトルおよびその取付構造は、従来構造に比べて小型でありながら放熱性に優れるので、例えばハイブリッド自動車のコンバータの構成部品などに好適に利用可能である。
10,20,21,30,40,50 リアクトル
1,11,12 ヒートパイプ
1W ウィック 1S ネジ部 1H ネジ頭部
2 コア 3 コイル 4 搭載板 5 間隙 7 突出部 8 凸部
9 押え板
100 冷却器 110 冷却水路
1,11,12 ヒートパイプ
1W ウィック 1S ネジ部 1H ネジ頭部
2 コア 3 コイル 4 搭載板 5 間隙 7 突出部 8 凸部
9 押え板
100 冷却器 110 冷却水路
Claims (8)
- 対向し合うコイル巻回部を有するコアと、前記コイル巻回部に巻線を巻回してなるコイルとを備えるリアクトルであって、
前記コイルが形成された状態のコアが固定される搭載板と、
この搭載板に連結され、かつ、前記コイル巻回部に形成された対向し合うコイルの間隙から吸熱できるように配置されるヒートパイプとを備え、
前記コイルが形成された状態のコアの外周を覆うケースが存在しないことを特徴とするリアクトル。 - さらに、前記ヒートパイプが前記コイルを取り囲むように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
- 前記ヒートパイプが、扁平状であることを特徴とする請求項1または2に記載のリアクトル。
- 前記ヒートパイプと、コイルとの間に絶縁部材が介在されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のリアクトル。
- 前記搭載板と、コイルとの間に絶縁部材が介在されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のリアクトル。
- 前記コアは、搭載板側に突出する突出部を有し、
前記突出部が前記搭載板に接触するように構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のリアクトル。 - 前記搭載板は、コイル載置面側に突出する凸部を有し、
前記凸部が前記コアに接触するように構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のリアクトル。 - 取付対象にリアクトルを取り付ける際のリアクトルの取付構造であって、
前記リアクトルは、
対向し合うコイル巻回部を有するコアと、
前記コイル巻回部に巻線を巻回してなるコイルと、
前記コイルが形成された状態のコアが固定される搭載板と、
前記コイル巻回部に巻回された対向し合うコイルの間隙から吸熱できるように配置されるヒートパイプとを備え、
前記コイルが形成された状態のコアの外周を覆うケースが存在せず、
前記ヒートパイプの放熱部が吸熱部よりも上になるように前記取付対象に前記搭載板を固定することを特徴とするリアクトルの取付構造。
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