JP2009210870A - カラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタの製造方法、及びカラーフィルタ - Google Patents

カラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタの製造方法、及びカラーフィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明は、マスクの小型化もしくはマスクレスが可能な波長405nmレーザー露光による生産性に優れたカラーフィルタの製造方法の提供を目的とし、さらに、波長405nmレーザー露光によるカラーフィルタ製造に適した高感度な着色組成物の提供を目的とする。
【解決手段】
前記課題は、顔料(A)と、樹脂(B)と、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー(C)と、及び一般式(1)で表される光重合開始剤(D)とを含有してなる着色組成物であり、波長405nmのレーザーの照射により硬化することを特徴とする着色組成物によって解決される。
【選択図】なし

Description

本発明は、カラー液晶表示装置、カラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用される着色組成物、及び該着色組成物を用いたカラーフィルタの製造方法に関する。
近年、カラー液晶表示装置は、液晶カラーテレビやカーナビゲーション用及び液晶表示装置一体型のノートパソコンとして大きな市場を形成するに至っており、省エネ、省スペースという特徴を活かしたデスクトップパソコン用のモニター及びテレビとしても普及している。
カラー液晶表示装置に用いられるカラーフィルタを構成するフィルタセグメントは、一般的にはガラス基板等に感光性材料を塗布し、余剰の溶剤を乾燥除去したあと、画素形成のためのフォトマスクを介して活性エネルギー線を照射し、硬化(ネガ型)又はアルカリ溶解度を高め(ポジ型)、アルカリ溶液等で溶解する部分を除去することにより形成されている。これを各色について繰り返すことにより、カラーフィルタが作成される。
近年のカラーフィルタを使った製品の大型化に伴い、フィルタセグメント形成のためのフォトマスクも大型化を余儀なくされている。とくに基板サイズが大型化すると、それに伴い大型のフォトマスクを精度良く作製する必要があり、フォトマスクのコストは非常に高くなり、製造コストの増大に繋がっている。そこでマスクの小型化やマスクを必要としないフィルタセグメント形成方式の研究・開発が盛んに行われている。マスクの小型化やマスクを必要としないフィルタセグメント形成方式としては、印刷法、インクジェット法、レーザーアブレーション法等が挙げられる。
印刷法は、フォトマスクが不要であるが、印刷の位置あわせやにじみの問題がある。インクジェット法はあまりに多くのドットを加工する必要があり、歩留まりの問題がある。
レーザーアブレーション法は、着色樹脂膜に高エネルギーのレーザー光を照射し、照射領域の着色樹脂膜を蒸散させてパターンを形成する方法である。レーザーアブレーション法では、フォトマスクは無くせるか小さくできるものの、レーザー光で樹脂膜を蒸散させた際に樹脂膜の変性物が周囲に残留したり蒸散させた縁にバリができることがあり、液晶表示装置に組み立てたときに不良の原因となる。特に樹脂膜の変性物は除去しにくく、不良となりやすい。
近年さまざまな波長のレーザー光源の開発により、それをアブレーションではなく着色樹脂膜の硬化に利用する研究も行われている。特に405nmレーザーを用いたものは直描方式が可能なことからマスクが不必要となるため、実用化が望まれている。特許文献1には、露光光源に波長405nmのレーザーを用いて硬化組成物を露光する検討がなされているが、405nmレーザーはエネルギーが弱く着色樹脂膜の硬化に長時間を要したり、酸素遮断膜を必要とする等課題も多い。
特許第3912405号公報
こうした背景から、本発明は、マスクの小型化もしくはマスクレスが可能な波長405nmレーザー露光による生産性に優れたカラーフィルタの製造方法の提供を目的とし、波長405nmレーザー露光によるカラーフィルタ製造に適した高感度な着色組成物の提供を目的とする。
前記課題は、顔料(A)と、樹脂(B)と、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー(C)と、及び下記一般式(1)で表される光重合開始剤(D)とを含有してなる着色組成物であり、波長405nmのレーザーの照射により硬化することを特徴とする着色組成物によって解決される。
一般式(1):
〔一般式(1)中、
1及びR2は、それぞれ独立に、アルキル基、置換されたアルキル基、アリール基、置換されたアリール基、アラルキル基、置換されたアラルキル基、アルキニル基、置換されたアルキニル基、脂環基、置換された脂環基、アルコキシ基、置換されたアルコキシ基、アルキルチオ基、置換されたアルキルチオ基、アミノ基、置換されたアミノ基、又はR1 とR2とが相互に結合した置換されていてもよい複素環であり、
3及びR4 は、それぞれ独立に、アルキル基、置換されたアルキル基、アリール基、置換されたアリール基、アラルキル基、置換されたアラルキル基、アルキニル基、置換されたアルキニル基、脂環基、置換された脂環基、アルコキシ基、置換されたアルコキシ基、アルキルチオ基、置換されたアルキルチオ基、アミノ基、置換されたアミノ基、又はR1 とR2 が相互に結合した置換されていてもよい複素環であり、
5 、R6 ,R7 及びR8 は、それぞれ独立に、アルキル基、置換されたアルキル基、アリール基、置換されたアリール基、アラルキル基、置換されたアラルキル基、アルケニル基、置換されたアルケニル基である。(但し、R5 、R6 ,R7 及びR8の全てが、アリール基又は置換されたアリール基となることはない。)〕
本発明による着色組成物の好ましい様態においては、さらに、増感剤(E)としてベンゾフェノン誘導体及び又はチオキサントン誘導体を含む。
本発明による着色組成物の好ましい様態においては、前記増感剤の含有量が、一般式(1)で表される光重合開始剤を基準として、5〜150重量%である
また、本発明は、基板上に前記着色組成物を用いて着色塗膜を形成する工程と、前記着色塗膜のフィルタセグメントとなる部分に、波長405nmレーザーを照射して硬化させる工程と、及び前記着色塗膜の未硬化部分を除去してフィルタセグメントを形成する工程とを複数回繰り返し、少なくとも2色のフィルタセグメントを形成するカラーフィルタの製造方法に関する。
また、前記着色組成物から形成される、少なくとも2色のフィルタセグメントを具備するカラーフィルタにも関する。
本発明の着色組成物は、エネルギーが弱い波長405nmのレーザーを用いても、短時間に、効率よく、塗膜内部まで十分に硬化することができるので、高価なフォトマスクの小型化、若しくはフォトマスクレス化が実現し、低コストでカラーフィルタを製造することが可能になる。
まず、本発明の着色組成物について説明する。
本発明の着色組成物は、カラーフィルタのフィルタセグメントを形成するために用いる着色組成物であり、顔料(A)と、樹脂(B)と、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー(C)と、及び一般式(1)で表される光重合開始剤(C)と、さらに必要に応じて、増感剤(D)とを含有する。
〔顔料(A)〕
本発明の着色組成物に含有される顔料としては、一般に市販されている有機顔料を用いることができ、形成するフィルタセグメントの色相に応じて、染料、天然色素、無機顔料を併用することができる。
有機顔料としては、発色性が高く、且つ耐熱性、特に耐熱分解性の高いものが好適に用いられる。有機顔料は、1種を単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
また、有機顔料は、ソルトミリング、アシッドペースティング等により微細化したものであってもよい。
以下に、本発明の着色組成物に使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス(C.I.)番号で示す。
本発明の着色組成物を用いて赤色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I.ピグメントレッド7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、122、123、146、149、168、177、178、179、184、185、187、192、200、202、208、210、216、220、223、224、226、240、254、255、264、及び272等の赤色顔料を用いることができる。赤色着色組成物には、黄色顔料、オレンジ色顔料を併用することができる。
本発明の着色組成物を用いて緑色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I.ピグメントグリーン7、10、36、37、及び58等の緑色顔料を用いることができる。緑色着色組成物には黄色顔料を併用することができる。
本発明の着色組成物を用いて青色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、64、及び80等の青色顔料を用いることができる。青色着色組成物には紫色顔料を併用することができる。
本発明の着色組成物を用いて黄色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、及び214等の黄色顔料を用いることができる。
本発明の着色組成物を用いて紫色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、及び50等の顔料を用いることができる。
本発明の着色組成物を用いてマゼンタ色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I.ピグメントレッド7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、146、177、178、184、185、187、200、202、208、210、246、254、255、264、270、及び272等の顔料を用いることができる。マゼンタ色着色組成物には黄色顔料を併用することができる。
本発明の着色組成物を用いてシアン色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I.ピグメントブルー15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、及び80等の顔料を用いることができる。
本発明の着色組成物を用いてオレンジ色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I.ピグメントオレンジ36、43、51、55、59、61、71、及び73等の顔料を用いることができる。
着色組成物には、彩度と明度のバランスをとりつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保するために、無機顔料を含有させることができる。無機顔料としては、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、及びカーボンブラック等が挙げられる。無機顔料は、1種を単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。無機顔料は、顔料の合計重量を基準(100重量%)として、0.1〜10重量%の量で用いることができる。
また、本発明の着色組成物には、調色のため、耐熱性を低下させない範囲内で染料を含有させることができる。染料は、顔料の合計重量を基準(100重量%)として、0.1〜10重量%の量で用いることができる。
〔樹脂(B)〕
本発明の着色組成物には、顔料の分散性向上や塗工基材との密着性を上げるため、透明樹脂を含有する。透明樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂である。透明樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及び感光性樹脂が含まれ、これらを単独で、又は2種以上混合して用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば, ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
感光性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
本発明の着色組成物における樹脂(B)の含有量の上限は、顔料を基準として、500重量%以下が好ましく、300重量%以下がより好ましい。500重量%より多いと、必要な色度の塗膜を得るのにあまりにも膜厚が厚くなりすぎる。一方下限としては、顔料を基準として、15重量%以上が好ましく、25重量%以上がより好ましい。15重量%以下では顔料の分散が困難となり、また保存安定性も損なう恐れがある。
〔エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー(C)〕
エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーは、波長405nmレーザーを照射することにより硬化する成分である。
エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーの例としては、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、及びトリシクロデカニル(メタ)アクリレート等の単官能 (メタ)アクリル酸エステルモノマー類;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する単官能(メタ)アクリル酸エステルモノマー類;
(メタ)アクリル酸、及びβ−カルボキシエチル(メタ)アクリレート等のカルボキシル基を有する単官能モノマー類;
スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、及びアクリロニトリル等のその他の単官能モノマー類;
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、又はネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル等の多官能(メタ)アクリル酸エステル類;
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、及びネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート等の他官能エポキシ(メタ)アクリル酸エステル類;
ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル等のビニルエーテル類等;並びに、
これら2種類以上の混合物を挙げることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
本発明の着色組成物におけるエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー(C)の含有量の上限は、樹脂(B)を基準として、300重量%以下が好ましく、200重量%以下がより好ましい。300重量%より多いと、形成されたフィルタセグメントの形状がオーバーハング形状となったり直線性が悪化したりする場合がある。一方下限としては、顔料樹脂(B)を基準として、10重量%以上が好ましく、20重量%以上がより好ましい。10重量%以下では塗膜が硬化しない恐れがある。
〔光重合開始剤(D)〕
本発明に用いる光重合開始剤(D)は下記一般式(1)で表される。
一般式(1):
〔一般式(1)中、R1及びR2は、
それぞれ独立に、アルキル基、置換されたアルキル基、アリール基、置換されたアリール基、アラルキル基、置換されたアラルキル基、アルキニル基、置換されたアルキニル基、脂環基、置換された脂環基、アルコキシ基、置換されたアルコキシ基、アルキルチオ基、置換されたアルキルチオ基、アミノ基、置換されたアミノ基、又はR1 とR2とが相互に結合した置換されていてもよい複素環であり、
3及びR4 は、それぞれ独立に、アルキル基、置換されたアルキル基、アリール基、置換されたアリール基、アラルキル基、置換されたアラルキル基、アルキニル基、置換されたアルキニル基、脂環基、置換された脂環基、アルコキシ基、置換されたアルコキシ基、アルキルチオ基、置換されたアルキルチオ基、アミノ基、置換されたアミノ基、又はR1 とR2 が相互に結合した置換されていてもよい複素環であり、
5 、R6 ,R7 及びR8 は、それぞれ独立に、アルキル基、置換されたアルキル基、アリール基、置換されたアリール基、アラルキル基、置換されたアラルキル基、アルケニル基、置換されたアルケニル基である。(但し、R5 、R6 ,R7 及びR8の全てが、アリール基又は置換されたアリール基となることはない。)〕
一般式(1)で表される開始剤は405nmに吸収を持つとともに、他の一般的な光重合開始剤と比較し酸素阻害の影響を受けにくいという特徴を持つため、405nmレーザ露光に対し酸素遮断膜を用いずに高い感度を得ることが可能となる。特に好ましくは下記式(1a)で表される化合物(1a)である。
一般式(1a):
本発明の着色組成物における光重合開始剤(D)の含有量の上限はエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー(C)を基準として、1,000重量%以下が好ましく、800重量%以下がより好ましい。1,000重量%より多いと、現像性が悪化したり、塗膜の耐熱性や耐溶剤性が劣る場合がある。一方下限としては、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー(C)を基準として、1重量%以上が好ましく、5重量%以上がより好ましい。1%重量以下では塗膜が硬化しない恐れがある。
〔増感剤(E)〕
本発明の着色組成物は、適当な増感剤を光重合開始剤と併用することでさらに高感度となる。増感剤としては、405nmに吸収を持つ化合物が好ましい。特にベンゾフェノン誘導体及びチオキサントン誘導体が好適に用いられる。先ず、ベンゾフェノン誘導体としては、ベンゾフェノン、ジベンゾスベロン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド、3,3'−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、2,4'−ジクロロベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンゾフェノン、4,4'−モルホリノベンゾフェノン、4,4'−ジメチルアミノベンゾフェノン、4、4'−ジエチルアミノベンゾフェノン(EAB)、ビス〔9,9−(2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジニル)〕メタノン、ビス(N−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−キノリル)ケトン、3,3,4,4'−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4',4''−ジエチルイソフタロン、等が挙げられる。次に、チオキサントン誘導体としては、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン(DETX)、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等が挙げられる。これらの増感剤は、1種を単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。増感剤の含有量は、光重合開始剤(D)を基準として、1〜200重量%が好ましく、5〜150重量%がより好ましい。1重量%未満では、増感剤としての効果はなく、150重量%より多いと、増感剤の光吸収が大きくなり光開始剤の光吸収を阻害するため感度はかえって悪くなる。
(任意成分)
本発明の着色組成物には、さらに、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有させることができる。
多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール 、デカンジチオール 、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、及び2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。
これらの多官能チオールは、1種を単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。多官能チオールの含有量は、着色組成物中のモノマー(C)を基準として、1〜300重量%が好ましく、より好ましくは5〜200重量%である。1重量%未満では、連鎖移動剤の効果はなく、300重量%より多いと、硬化が不十分になる。
本発明の着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド;ジエチルヒドロキシアミン塩酸塩等の4級アンモニウムクロライド;乳酸、及びシュウ酸等の有機酸;前記有機酸のメチルエステル;t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、及びテトラフェニルフォスフィン等の有機ホスフィン;並びに、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色組成物を基準として、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
本発明の着色組成物には、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
シランカップリング剤としては、例えば、
ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類;
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類;
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類;
N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類;並びに、
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等が挙げられる。
シランカップリング剤は、着色組成物中0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%の量で用いることができる。0.01重量%未満では、シランカップリング剤の効果はなく、10重量%より多いと、経時安定性が悪くなったり、塗工面にハジキを生ずることがある。
本発明の着色組成物には、顔料を充分に組成物中に分散させ、ガラス基板等の透明基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために、溶剤を含有させることができる。
溶剤としては、例えば1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,5,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、N−メチルピロリドン、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、及び二塩基酸エステル等が挙げられるが、これらに限定されることなく、単独で、又は2種以上混合して用いられる。
有機溶剤は、感光性着色組成物中の色素100重量部に対して、800〜4,000重量部、好ましくは1,000〜2,500重量部の量で用いることができる。
エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーに顔料を分散する際には、適宜、界面活性剤、樹脂型顔料分散剤、色素誘導体等の分散剤が使用できる。分散剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散剤を用いて顔料を透明樹脂及び有機溶剤中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、透明性に優れたカラーフィルタが得られる。顔料分散剤は、着色組成物中の顔料を基準として、0.1〜40重量部、好ましくは0.1〜30重量部の量で用いることができる。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;
ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;
アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;
アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤;
フッ素系界面活性剤;並びに、
シリコーン系の界面活性剤等が挙げられる。
樹脂型顔料分散剤は、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーと相溶性のある部位とを有する樹脂であり、顔料に吸着して顔料のエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーへの分散を安定化する働きをするものである。
樹脂型顔料分散剤として具体的には、
ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステル、これらの変性物、並びにポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミド及びその塩等の油性分散剤;さらに、
(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、及びポリビニルピロリドン等の水溶性高分子化合系、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物系、並びに燐酸エステル系等の水性分散剤等が用いられ、これらは単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
色素誘導体は、有機色素に置換基を導入した化合物である。このような有機色素には、一般に色素とは呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。色素誘導体としては、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独で、又は2種類以上を混合して用いることができる。
(着色組成物の製法)
本発明の着色組成物は、顔料を、必要に応じて上記顔料分散剤と共にエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー、必要に応じて透明樹脂及び有機溶剤中に三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散し、光重合開始剤を添加して製造することができる。また、2種以上の色素を含むカラーフィルタ用着色組成物は、各色素を別々に、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー等に微細に分散したものを混合して製造することもできる。
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子及び混入した塵の除去を行うことが好ましい。
次いで、本発明のカラーフィルタの製造方法について説明する。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、基板上に、前記着色組成物を用いて着色塗膜を形成する工程と、前記着色塗膜のフィルタセグメントとなる部分に、波長405nmレーザを照射して硬化させる工程と、前記着色塗膜の未硬化部分を除去してフィルタセグメントを形成する工程とを複数回繰り返し、少なくとも2色のフィルタセグメントを形成することを特徴とする。
本発明の方法で製造されるカラーフィルタは、基板上にフィルタセグメントを具備するものであり、例えば、ブラックマトリックスと、赤、緑、青、黄、オレンジ及びシアンからなる群から選ばれる少なくとも2色のフィルタセグメントとを備えることができる。
(着色塗膜形成工程)
着色塗膜形成工程では、スピンコート法やダイコート法によって、本発明の着色組成物を塗布し、必要に応じて余分な溶剤を除去することにより、基板上に着色塗膜を形成する。
カラーフィルタの基板としては、可視光に対して透過率の高いソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラス等のガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂板が用いられる。
また、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫等からなる透明電極が形成されていてもよい。
(露光・硬化工程)
露光・硬化工程では、前記着色塗膜のフィルタセグメントとなる部分に、波長405nmレーザーを照射して硬化させる。このときフィルタセグメントとなる部分にレーザー光を走査しながら照射することで、マスクを必要としない直接描画が可能である。
(未硬化部分の除去工程)
未硬化部分の除去工程では、前記着色塗膜の未硬化部分を除去してフィルタセグメントを形成する。未硬化部分の除去に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。
以下に、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例中、「部」及び「%」とは「重量部」及び「重量%」をそれぞれ意味する。
まず、実施例及び比較例で用いたアクリル樹脂溶液及び顔料分散体の調製について説明する。樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
(アクリル樹脂溶液の調製)
反応容器にシクロヘキサノン800部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら100℃に加熱して、同温度で、2‐ヒドロキシエチルメタクリレート60.0部、メタクリル酸60.0部、メチルメタクリレート65.0部、ブチルメタクリレート65.0部、及びアゾビスイソブチロニトリル10.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
滴下後さらに100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル2.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、さらに100℃で1時間反応を続けてアクリル樹脂溶液を得た。アクリル樹脂の重量平均分子量は、約40000であった。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして、180℃で20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製した。
(顔料分散体の調製)
表1に示す組成の混合物を均一に撹拌混合し、直径1mmのガラスビーズを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、赤色顔料分散体R−1、及び緑色顔料分散体G−1を調製した。
・PR254:ジケトピロロピロール系顔料(C.I. Pigment Red 254)
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガフォーレッドB−CF」)
・PR177:アントラキノン系顔料(C.I. Pigment Red 177)
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタールレッドA2B」)
・PG36:ハロゲン化銅フタロシアニン系顔料(C.I. Pigment Green 36)
(東洋インキ製造社製「リオノールグリーン6YK」)
・PY150:ニッケルアゾ錯体系顔料(C.I. Pigment Yellow 150)
(ランクセス社製「E4GN」)
・顔料分散剤:日本ルーブリゾール社製「ソルスパース20000」)
・アクリル樹脂溶液:先に調製したアクリル樹脂溶液
・溶剤:シクロヘキサノン
[実施例1〜9、比較例1〜10]
先に調製した顔料分散体R−1、G−1、を含む、表2〜4に示す配合比の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、各色着色組成物を得た。
表2〜4に、着色組成物の配合を示す。
・開始剤1:化合物(a)ジメチル(2−オキソ−2−フェニルエチル)スルホニウムブチルトリフェニルボレート
・開始剤2:α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア379」)
・開始剤3:α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア907」)
・開始剤4:カルバゾール系光重合開始剤3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−オクチルカルバゾール(旭電化工業社製「アデカアークルズN−1414」)
・開始剤5:アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製「ルシリンTPO」)
・開始剤6:オキシムエステル系光重合開始剤1,2−オクタジオン−1−[4−(フェニルチオ)−、2−(O−ベンゾイルオキシム)](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュアOXE−01」)
・増感剤1:4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」)
・増感剤2:2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬社製「カヤキュアDETX−S」)
・モノマー1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(東亞合成社製「アロニックスM−402」)
[405nmにおける感度の評価]
10cm×10cmのガラス基板上にスピンコータで実施例1〜9、比較例1〜10の組成物を約3μmの厚さに塗工し、70℃のオーブン内に15分間静置し、余剰の溶剤を除去乾燥させた。このときの膜厚を塗工後膜厚とした。次いで、直描形405nmレーザー露光装置を用いてストライプパターン露光を行った。このとき露光量を50mJ/cm2から500mJ/cm2まで50mJ/cm2きざみで変化させた。尚、直描形405nmレーザー露光装置は、オーク製作所製DXP−3101を使用した。光源は日亜化学製405nm半導体レーザー、3Wモジュールスロットで照度は898mW/cm2とした。露光後、0.2%の炭酸ナトリウム水溶液からなる現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除き、イオン交換水で洗浄した。その後、硬化した塗膜の厚さを測定した。このときの膜厚を現像後膜厚とした。塗工後膜厚に対して現像後膜厚が90%以上となった露光量を必要最低露光量とした。必要最低露光量が小さいほど高感度である。
表5に結果を示す。
開始剤1を用いた実施例1〜9は、比較例1〜10と比較し、必要最低露光量が小さく高感度であった。また、実施例の中でも増感剤を適当量含有させたものはさらに高感度であった。
[カラーフィルタの作製]
10cm×10cmのガラス基板上にスピンコータで実施例3の赤色着色組成物を約3μmの厚さに塗工し、70℃のオーブン内に15分間静置し、余剰の溶剤を除去乾燥させた。次いで、上記直描形405nmレーザー露光装置を用いてストライプパターン露光を行った。露光量は150mJ/cm2とした。さらに、0.2%の炭酸ナトリウム水溶液からなる現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で30分加熱して線幅約50μmの赤色フィルタセグメントを形成した。次いで、同様の所作により、赤色フィルタセグメントの隣に実施例8の緑色着色組成物をもちいてフィルタセグメントを形成し、2色のフィルタセグメントを具備するカラーフィルタを作製した。

Claims (5)

  1. 顔料(A)と、樹脂(B)と、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー(C)と、及び下記一般式(1)で表される光重合開始剤(D)とを含有してなる着色組成物であり、波長405nmのレーザーの照射により硬化することを特徴とする着色組成物。
    一般式(1):
    〔一般式(1)中、
    1及びR2は、それぞれ独立に、アルキル基、置換されたアルキル基、アリール基、置換されたアリール基、アラルキル基、置換されたアラルキル基、アルキニル基、置換されたアルキニル基、脂環基、置換された脂環基、アルコキシ基、置換されたアルコキシ基、アルキルチオ基、置換されたアルキルチオ基、アミノ基、置換されたアミノ基、又はR1 とR2とが相互に結合した置換されていてもよい複素環であり、
    3及びR4 は、それぞれ独立に、アルキル基、置換されたアルキル基、アリール基、置換されたアリール基、アラルキル基、置換されたアラルキル基、アルキニル基、置換されたアルキニル基、脂環基、置換された脂環基、アルコキシ基、置換されたアルコキシ基、アルキルチオ基、置換されたアルキルチオ基、アミノ基、置換されたアミノ基、又はR1 とR2 が相互に結合した置換されていてもよい複素環であり、
    5 、R6 ,R7 及びR8 は、それぞれ独立に、アルキル基、置換されたアルキル基、アリール基、置換されたアリール基、アラルキル基、置換されたアラルキル基、アルケニル基、置換されたアルケニル基である。(但し、R5 、R6 ,R7 及びR8の全てが、アリール基又は置換されたアリール基となることはない。)〕
  2. さらに、増感剤(E)としてベンゾフェノン誘導体及び又はチオキサントン誘導体を含有してなる請求項1記載の着色組成物。
  3. 増感剤の含有量が、一般式(1)で表される光重合開始剤を基準として、5〜150重量%である請求項2記載の着色組成物。
  4. 基板上に請求項1〜3いずれか記載の着色組成物を用いて着色塗膜を形成する工程と、前記着色塗膜のフィルタセグメントとなる部分に、波長405nmレーザーを照射して硬化させる工程と、及び前記着色塗膜の未硬化部分を除去してフィルタセグメントを形成する工程とを複数回繰り返し、少なくとも2色のフィルタセグメントを形成するカラーフィルタの製造方法。
  5. 請求項1〜3いずれか記載の着色組成物から形成される、少なくとも2色のフィルタセグメントを具備するカラーフィルタ。
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