JP5564809B2 - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、カラー液晶表示装置、カラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用される青色着色組成物、この青色着色組成物を用いたカラーフィルタの製造方法、およびこの方法により製造されたカラーフィルタに関する。
液晶ディスプレイ(LCD)を構成するカラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメントを平行または交差して配置したもの、あるいは微細なフィルタセグメントを縦横一定の配列で配置したものにより構成される。フィルタセグメントは、サイズが数ミクロン〜数100ミクロンと微細であり、しかも色相毎に所定の配列で整然と配置されている。
カラーフィルタを構成するフィルタセグメントは、ガラス基板などに感光性材料を塗布し、余剰の溶剤を乾燥除去した後、画素形成のためのフォトマスクを介してプロキシミティ露光(紫外光源露光)などにより活性エネルギー線を照射し、硬化(ネガ型)またはアルカリ溶解度を高め(ポジ型)、アルカリ溶液などで溶解する部分を除去することにより形成される。これを例えば赤、緑、青の各色について繰り返すことにより、カラーフィルタが作製される。
近年、カラー液晶表示装置は、液晶カラーテレビやカーナビゲーション用および液晶表示装置一体型のノートパソコンとして大きな市場を形成するに至っており、省エネ、省スペースという特徴を活かしたデスクトップパソコン用のモニターやテレビとしても普及し始めている。そのため、従来のCRT(陰極線管テレビジョン)に代わる表示装置として注目されているが、現状では液晶表示装置の色再現特性はCRTのそれよりも劣っている。そこで、各色のフィルタセグメントが配置されたカラーフィルタにおいては、高色再現性の要求が高まっている。
カラーフィルタの色再現特性向上のためには、着色組成物中の色素の含有量を多くするか、あるいは、膜厚を厚くする必要がある。しかし、色素の含有量を多くする方法では、フォトリソ方式によるフィルタセグメントの形成プロセスにおいて、感度の低下、現像性・解像性の悪化等の問題が発生する。膜厚を厚くする方法では、膜底部まで露光光が届かず、フィルタセグメントのパタ−ン形状が不良となる等の問題が発生する。
一方、近年のカラーフィルタを使った製品の大型化に伴い、フィルタセグメント形成のためのフォトマスクも大型化を余儀なくされ、製造コストの増大に繋がっている。
一般に使用されるプロキシミティ露光法(紫外光源露光法)では、大型基板を処理するには基板サイズに合せた大サイズの高額なフォトマスクを必要とするが、レーザ露光法ではフォトマスクの小型化もしくはマスクレスが可能であり、コストの低減が期待できる。
特許文献1には、露光光源に波長405nmの半導体レーザを用いる硬化性組成物が開示されている。
また、特許文献2には、露光光源に430nm未満の光源波長を有するレーザ装置を用いる硬化性組成物が開示されている。
しかしながら、一般にレーザ露光法においては、レーザにて着色組成物を用いて形成された着色塗膜を露光した場合、着色塗膜の表面が塗膜内部に比べて硬化し易いため、塗膜内で硬化度合いの差が生じ、その差によっては、塗膜表面剥がれ(着色塗膜を現像した際、硬化の進んだ塗膜表面のみが塗膜から剥離する現象)、塗膜表面シワ(着色塗膜現像後の焼成時、熱により塗膜が収縮するが、前記の硬化度合いの差により、塗膜表面に波状のシワが発生する現象)および基板との密着性低下等の問題があった。
特に、青色顔料を含有する青色着色組成物は、波長310〜380nmの領域の光を強く吸収し、吸光度が非常に高いため、上記問題が顕著に表れる。
このため、波長310〜380nmの領域の光で感度の高い青色着色組成物を得ることが重要となる。
特許第3912405号公報 特開2007-114602号公報
本発明は、波長310〜380nmのレーザを露光光源とする露光方式に適用される青色着色組成物であって、塗膜表面剥がれおよび塗膜表面シワの発生がない、青色着色組成物、そのような青色着色組成物を用いたカラーフィルタの製造方法、およびそのような方法により製造されたカラーフィルタを提供することを目的とする。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、基板上に青色顔料、樹脂、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー、オキシムエステル系光重合開始剤および多官能チオールを含有する青色着色組成物を用いて青色塗膜を形成する工程と、前記青色塗膜のフィルタセグメントの形成予定領域に、波長310〜380nmのレーザを照射して硬化させる工程と、前記青色塗膜の未硬化部分を除去してフィルタセグメントを形成する工程とを具備するカラーフィルタの製造方法であって前記レーザを照射して硬化させる工程においては、1パルス当たりのエネルギー密度が0.01〜150mJ/cm 2 の膜を分解しないレーザを、複数回に分けて照射することを特徴とする。
本発明のカラーフィルタの製造方法によると、レーザ露光方式において、色素含有量が高い、あるいは膜厚が厚くとも、塗膜表面剥がれおよび塗膜表面シワの発生がない、パターン形状に優れたフィルタセグメントを形成することができる。
また、本発明のカラーフィルタの製造方法によると、特定の波長のレーザを短時間照射することにより、青色着色組成物を極短時間で硬化させることができるため、小さなフォトマスクを使用して、もしくはマスクを用いないで、形状の優れたフィルタセグメントを低コストで形成することができる。
更に、本発明によると、高品質で、安価なカラーフィルタが提供される。
まず、本発明の青色着色組成物について説明する。
本発明の青色着色組成物は、基板上に青色着色組成物を用いて青色塗膜を形成する工程と、前記青色塗膜のフィルタセグメントの形成予定領域に、波長310〜380nmのレーザを照射して硬化させる工程と、前記青色塗膜の未硬化部分を除去してフィルタセグメントを形成する工程とを具備するカラーフィルタの製造方法に用いられる青色着色組成物であって、青色顔料、樹脂、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー、オキシムエステル系光重合開始剤および多官能チオールを含有する青色着色組成物である。
以下、本発明の青色着色組成物の各成分について説明する。
(青色顔料)
青色顔料としては、一般に市販されている顔料を用いることができ、形成するフィルタセグメントの色相に応じて紫色顔料を併用することができる。青色顔料および紫色顔料としては、有機または無機の顔料を、単独でまたは2種類以上混合して用いることができるが、発色性、耐熱性の高い有機顔料を用いることが特に好ましい。本発明の青色着色組成物には、顔料以外の青色色素や紫色色素を併用することもできる。色素としては、染料、天然色素等を挙げることができる。
また、有機顔料は、ソルトミリング、アシッドペースティング等により微細化したものであってもよい。
以下に、本発明の青色着色組成物に使用可能な青色顔料および紫色顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
青色顔料としては、例えばC.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、80等を用いることができ、この中でも銅フタロシアニン系顔料のC.I.Pigment Blue 15:6が好ましい。
青色顔料の含有量は、通常、青色着色組成物の固形分を基準(100重量%)として、1〜80重量%が好ましく、より好ましくは2〜70重量%である。青色顔料の含有量が1重量%未満であると、カラーフィルタの膜厚が過剰に厚くなるため好ましくなく、80重量%を超えると、良好な分散状態が得られず好ましくない。
紫色顔料としては、例えばC.I.Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等を用いることができ、この中でもジオキサジン系顔料のC.I.Pigment Violet 23が好ましい。
紫色顔料の含有量は、色純度、コントラスト比の点から顔料の全量(青色顔料と紫色顔料の合計重量)を基準として好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは1〜40重量%である。
(樹脂)
青色着色組成物に含まれる樹脂としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂を用いることができる。樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および感光性樹脂が含まれ、これらを単独で用いることもできるが、2種以上混合して用いることが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。
感光性樹脂としては、エチレン性不飽和二重結合を有する樹脂が用いられ、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する高分子に、イソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基、カルボキシル基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等のエチレン性不飽和二重結合を有する官能基を前記高分子に導入した樹脂が挙げられる。具体的には、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体およびエチレン性不飽和単量体を共重合した共重合体に、水酸基と反応可能な官能基及びエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を反応させることにより得られるものがある。水酸基と反応可能な官能基としては、イソシアネート基、カルボキシル基等が挙げられるが、特に反応性の点でイソシアネート基が好ましく、イソシアネート基及びエチレン性不飽和二重結合を有する化合物として具体的には、2−アクリロイルエチルイソシアネート、2−メタクリロイルエチルイソシアネート等が挙げられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合体やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体等の酸無水物を含む高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
(エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー)
エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーは、波長310〜380nmのレーザを照射して硬化する成分である。
エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーの例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。モノマーは、着色組成物の感度アップの観点から、エチレン性不飽和二重結合を4〜12個有することが好ましく、6〜12個有することがより好ましい。エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーは、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーの含有量は、顔料100重量部に対して、好ましくは10〜300重量部、より好ましくは10〜200重量部である。モノマーの含有量が10重量部より少ないと、低感度となる。一方、300重量部より多いと、パターン形状の直線性不良あるいはタック等が生じる。
また、樹脂の重量(P)に対するエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーの重量(M)の比(M/P)は、0.10〜3.00の範囲であることが好まく、0.10〜2.50がより好ましく、0.10〜1.00が特に好ましい。M/Pが0.10未満であると、青色塗膜の硬化が進行しがたく、十分な硬化塗膜が得られない。M/Pが3.00より大きいと、塗膜の表面付近が塗膜の深部に比べて著しく硬化するため、形成されたフィルタセグメントの形状がオーバーハング形状となったり直線性が悪化したりする場合がある。
(オキシムエステル系光重合開始剤)
オキシムエステル系光重合開始剤として、下記式(1)または(2)で表される化合物が用いられる。


〔式(1)および式(2)において、X1〜Xは、水素原子、炭素数1〜12の環状、直鎖状、または分岐状のアルキル基、またはフェニル基を示し、各アルキル基およびフェニル基は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシル基、およびフェニル基からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよい。〕
オキシムエステル系光重合開始剤は紫外線を吸収することによってオキシムのN−O結合の解裂がおこり、イミニルラジカルとベンゾイロキシラジカルやアルキロキシラジカルを生成する。これらのラジカルは更に分解することにより活性の高いラジカルを生成するため、少ない露光量でパターンを形成させることができる。
式(1)および式(2)において、X1〜X6 の炭素数1〜12の直鎖状または分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基等が挙げられ、環状のアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
また、X1〜X6 の各アルキル基および各フェニル基に対する置換基としては、アルコキシル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられ、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等が挙げられる。
前記各アルキル基および各フェニル基は、2個以上の置換基で置換されていてもよい。
式(1)および式(2)において、X1 としては、メチル基、エチル基、フェニル基等が好ましく、X2 としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が好ましく、X3 としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基等が好ましい。
また、X4 、X5 およびX6 としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基等が好ましい。
本発明の式(1)における好ましい化合物の具体例としては、1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−オクタン−1−オン−2−オンオキシム−O−アセテート、1−〔4−(2−メチルフェニルチオ)フェニル〕−オクタン−1−オン−2−オンオキシム−O−アセテート、1−〔4−(2,4,6−トリメチルフェニルチオ)フェニル〕−オクタン−1−オン−2−オンオキシム−O−アセテート、1−〔4−(2−エチルフェニルチオ)フェニル〕−オクタン−1−オン−2−オンオキシム−O−アセテート、1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−オクタン−1−オン−2−オンオキシム−O−ベンゾエート、1−〔4−(2−メチルフェニルチオ)フェニル〕−オクタン−1−オン−2−オンオキシム−O−ベンゾエート、1−〔4−(2,4,6−トリメチルフェニルチオ)フェニル〕−オクタン−1−オン−2−オンオキシム−O−ベンゾエート、1−〔4−(2−エチルフェニルチオ)フェニル〕−オクタン−1−オン−2−オンオキシム−O−ベンゾエート1,2−オクタジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル−、2−(O−ベンゾイルオキシム)] 等を挙げることができる。
また、本発明の式(2)における好ましい化合物の具体例としては、1−〔9−エチル−6−ベンゾイル−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−オクタン−1−オンオキシム−O−アセテート、1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、1−〔9−エチル−6−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、1−〔9−n−ブチル−6−(2−エチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等を挙げることができる。
これらのオキシムエステル系光重合開始剤のうち、1,2−オクタジオン−1−[4−(フェニルチオ) フェニル−、2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)が特に好ましい。
本発明において、オキシムエステル系光重合開始剤は、1種または2種以上の他の光重合開始剤と混合して使用することができる。
他の光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4'−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤等が用いられる。
光重合開始剤の含有量は、顔料100重量部に対して、1〜100重量部、好ましくは3〜50重量部の量で用いることができる。光重合開始剤の含有量が1重量部より少ないと、低感度となる。一方、100重量部より多いと、耐熱性や光透過性の悪化がみられる。
また、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーの重量(M)に対する光重合開始剤の重量(I)の比(I/M)は、0.01〜1.00の範囲であることが好ましく、0.02〜0.90がより好ましく、0.05〜0.50が特に好ましい。I/Mが0.01より小さいと、塗膜が硬化しない恐れがある。一方、1.00より大きいと、青色塗膜の透過率が低下したり、耐熱性や耐溶剤性が劣ったりする場合がある。
上記光重合開始剤には、増感剤を併用することが可能であり、増感剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノンなどのアミン系化合物が挙げられる。これらの増感剤は、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。増感剤の含有量は、光重合開始剤100重量部に対して0.1〜60重量部が好ましい。
(多官能チオール)
本発明の青色着色組成物に含まれる多官能チオールは、チオール(SH)基を2個以上有する化合物であればよい。
多官能チオールを上述の光重合開始剤とともに使用することにより、光照射後のラジカル重合過程において、連鎖移動剤として働き、酸素による重合阻害を受けにくいチイルラジカルが発生するので、得られる青色着色組成物は高感度となる。特に、SH基がメチレン、エチレン基等の脂肪族基に結合した多官能脂肪族チオールが好ましい。多官能チオールとしては、例えば、ヘキサンジチオール 、デカンジチオール 、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンなどが挙げられ、好ましくは、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネートが挙げられる。
これらの多官能チオールは、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
多官能チオールの含有量は、顔料100重量部に対して0.05〜100重量部が好ましく、より好ましくは1.0〜50.0重量部である。多官能チオールの含有量が0.05重量部未満では、連鎖移動剤の効果が小さく、100重量部より多くても、重合開始機能は向上しないうえ、現像性、密着性等が不十分になる。
(任意成分)
本発明の青色着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤としては、例えばベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
シランカップリング剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等が挙げられる。シランカップリング剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用いることができる。
青色着色組成物には、顔料を充分に組成物中に分散させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために、溶剤を含有させることができる。
溶剤としては、例えば1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,5,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、N−メチルピロリドン、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。
樹脂に顔料を分散する際には、適宜、界面活性剤、樹脂型顔料分散剤、色素誘導体等の分散剤が使用できる。分散剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散剤を用いて顔料を樹脂および有機溶剤中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、透明性に優れたカラーフィルタが得られる。顔料分散剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、0.1〜40重量部、好ましくは0.1〜30重量部の量で用いることができる。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
樹脂型顔料分散剤は、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、透明樹脂と相溶性のある部位とを有する樹脂であり、顔料に吸着して顔料の透明樹脂への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型顔料分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などの油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
市販の樹脂型顔料分散剤としては、ビックケミー社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13240、13650、13940、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32600、34750、36600、38500、41000、41090、53095等、エフカケミカルズ社製のEFKA−46、47、48、452、LP4008、4009、LP4010、LP4050、LP4055、400、401、402、403、450、451、453、4540、4550、LP4560、120、150、1501、1502、1503等が挙げられる。
色素誘導体は、有機色素に置換基を導入した化合物である。このような有機色素には、一般に色素とは呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。色素誘導体としては、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
(青色着色組成物の製法)
本発明の青色着色組成物は、青色顔料を、必要に応じて上記顔料分散剤と共に樹脂および溶剤中に三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散し、多官能チオール、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー、およびオキシムエステル系光重合開始剤を添加して製造することができる。また、2種以上の顔料を含む着色組成物は、各顔料を別々に樹脂および溶剤中に微細に分散したものを混合して製造することもできる。
本発明の青色着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
次いで、本発明のカラーフィルタの製造方法について説明する。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、基板上に、前記青色着色組成物を用いて青色塗膜を形成する工程と、前記青色塗膜のフィルタセグメントの形成予定領域に、波長310〜380nmのレーザを照射して硬化させる工程と、前記青色塗膜の未硬化部分を除去してフィルタセグメントを形成する工程とを具備することを特徴とする。
以下、各工程について説明する。
(青色塗膜形成工程)
青色塗膜形成工程では、スピンコート法やダイコート法によって、本発明の青色着色組成物を塗布し、必要に応じて余分な溶剤を除去することにより、基板上に青色塗膜を形成する。
カラーフィルタの基板としては、可視光に対して透過率の高いソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。
(露光・硬化工程)
露光・硬化工程では、前記青色塗膜のフィルタセグメント形成予定領域に、波長310〜380nmのレーザを照射して硬化させる。具体的には、大サイズの基板上に形成された青色塗膜に、基板と比較して小さいフォトマスクを介してレーザを照射し、前記青色塗膜のフィルタセグメントとなる部分を硬化させる。
レーザの波長は、固体(YAG)レーザでは343nm、355nmが特に用いられ、エキシマレーザでは、351nm(XeF)が特に用いられ、さらに半導体レーザでは375nmが特に用いられる。この中でも安定性、コスト等の点から355nmがより好ましい。本発明で用いられるレーザの1パルス当たりのエネルギー密度は0.01〜150mJ/cmが好ましく、レーザは1回あるいは複数回に分けて、青色塗膜に照射することができる。青色塗膜は、膜を分解しない程度の弱いエネルギーを与えて硬化させることが必須である。
(未硬化部分の除去工程)
未硬化部分の除去工程では、前記青色塗膜の未硬化部分を除去してフィルタセグメントを形成する。未硬化部分の除去に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。
本発明に係るカラーフィルタは、以上の方法により製造された青色フィルタセグメントを具備するが、さらに、赤色、緑色、黄色、およびマゼンタ色から選ばれる少なくとも1色のフィルタセグメントを具備することができる。青色以外の各色フィルタセグメントは、顔料、樹脂、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー、光重合開始剤等を含有する各色着色組成物を用いてそれぞれ形成することができる。
赤色の着色組成物は、例えばC.I. Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、179、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、246、254、255、264、272、C.I. Pigment Orange 36、43、51、55、59、61、71、73等の赤色顔料、および必要に応じ調色用として、C.I. Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214等を用いて得られる組成物である。
緑色の着色組成物は、例えばC.I. Pigment Green 7、10、36、37、58等の緑色顔料、および必要に応じ調色用として上記黄色顔料を用いて得られる組成物である。
黄色の着色組成物は、上記黄色顔料を用いて得られる組成物である。
マゼンタ色の着色組成物は、例えばC.I. Pigment Violet 1、19、C.I. Pigment Red 81、144、146、177、169等の紫色顔料および赤色顔料、および必要に応じ調色用として上記黄色顔料を用いて得られる組成物である。
以下に、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例中、「部」および「%」とは「重量部」および「重量%」をそれぞれ意味する。
まず、実施例および比較例で用いたアクリル樹脂溶液および顔料分散体の調製について説明する。樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
(アクリル樹脂溶液の調製)
反応容器にシクロヘキサノン370部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度でメタクリル酸20.0部、メチルメタクリレート10.0部、n−ブチルメタクリレート55.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル4.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、アクリル樹脂溶液を得た。
室温まで冷却した後、アクリル樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、測定結果に基づき、先に合成したアクリル樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにシクロヘキサノンを添加して、アクリル樹脂溶液を調製した。得られたアクリル樹脂の重量平均分子量Mwは40000であった。
(顔料分散体の調製)
下記表1に示す組成の混合物を均一に撹拌混合し、直径1mmのガラスビーズを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、青色顔料分散体B−1及びB−2を調製した。
PB15:6:ε型銅フタロシアニン顔料(C.I. Pigment Blue 15:6)
(BASF製「ヘリオゲンブルーL−6700F」)
PV23:ジオキサジン系紫色顔料(C.I. Pigment Violet 23)
(Clariant社製「Fast Violet RL」)
顔料分散剤:日本ルーブリゾール社製「ソルスパース20000」)
樹脂溶液:先に調製したアクリル樹脂溶液
有機溶剤:シクロヘキサノン
[実施例1〜15、比較例1〜6]
先に調製した顔料分散体B−1又はB−2を含む、下記表2に示す処方の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、青色着色組成物BR−1〜BR−17を得た。
顔料分散体:先に調製した顔料分散体
樹脂溶液:先に調製したアクリル樹脂溶液
モノマー:東亞合成社製「アロニックスM−402」
光重合開始剤:下記表3に示す光重合開始剤
多官能チオールSA:トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート
多官能チオールSB:エチレングリコールビスチオプロピオネート
有機溶剤:シクロヘキサノン
[フィルタセグメントのパタ−ン形成]
得られた各青色着色組成物を10cm×10cmのガラス基板上にスピンコータで約2μmの厚さに塗工し、70℃のオーブン内に15分間静置し、余剰の溶剤を除去乾燥させた。次いで、着色組成物塗膜から150μmの間隔を介して100μmのストライプ状のフォトマスクをセットし、下記表4に示すレーザ光源種のレーザを露光量30mJ/cm2となるよう照射した。なお、露光量はOPHIR社製の「PE10B-V2」を用いて測定した。
さらに、0.2%の炭酸ナトリウム水溶液からなる現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で30分加熱してフィルタセグメントを形成した。
多官能チオール
SA:トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート
SB:エチレングリコールビスチオプロピオネート
レーザ光源種
LA:固体(YAG)レーザ、波長343nm
LB:(XeF)エキシマレーザ、波長351nm
LC:固体(YAG)レーザ、波長355nm
LD:半導体レーザ、波長375nm
実施例及び比較例で得られた青色着色組成物を用いて形成したフィルタセグメントを、光学顕微鏡を用いて観察し、下記の基準で塗膜表面剥がれおよび塗膜表面シワを評価した。結果を表4に示す。
(1)表面剥がれ
○:剥がれなし
○△:微少な剥がれあり(実用上問題ないレベル)
△:部分的に剥がれあり
×:塗膜全面に剥がれあり
(2)表面シワ
○:シワなし(塗膜表面が平滑な状態)
△:微少なシワあり(実用上問題ないレベル)
×:全面シワあり(塗膜表面全面にシワが発生している状態)
上記表4に示すように、実施例1〜15において、青色着色組成物の処方により多少の差異はあるが、全て塗膜表面剥がれおよび塗膜表面シワは実用上遜色のないフィルタセグメントが得られた。一方、比較例1、2、6の青色着色組成物においては、塗膜が剥がれ、塗膜表面シワの評価はできないほどであった。また、比較例3、4、5の青色着色組成物においては、塗膜表面シワが発生し、良好なフィルタセグメントは得られなかった。

Claims (2)

  1. 基板上に青色顔料、樹脂、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー、オキシムエステル系光重合開始剤および多官能チオールを含有する青色着色組成物を用いて青色塗膜を形成する工程と、前記青色塗膜のフィルタセグメントの形成予定領域に、波長310〜380nmのレーザを照射して硬化させる工程と、前記青色塗膜の未硬化部分を除去してフィルタセグメントを形成する工程とを具備するカラーフィルタの製造方法であって
    前記レーザを照射して硬化させる工程においては、1パルス当たりのエネルギー密度が0.01〜150mJ/cm 2 の膜を分解しないレーザを、複数回に分けて照射することを特徴とするカラーフィルタの製造方法
  2. オキシムエステル系光重合開始剤が、下記式(1)または(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法
    〔式(1)および式(2)において、X1〜X6は、水素原子、炭素数1〜12の環状、直鎖状、または分岐状のアルキル基、またはフェニル基を示し、各アルキル基およびフェニル基は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシル基、およびフェニル基からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよい。〕
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