JP5564809B2 - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents
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Description
カラーフィルタを構成するフィルタセグメントは、ガラス基板などに感光性材料を塗布し、余剰の溶剤を乾燥除去した後、画素形成のためのフォトマスクを介してプロキシミティ露光(紫外光源露光)などにより活性エネルギー線を照射し、硬化(ネガ型)またはアルカリ溶解度を高め(ポジ型)、アルカリ溶液などで溶解する部分を除去することにより形成される。これを例えば赤、緑、青の各色について繰り返すことにより、カラーフィルタが作製される。
カラーフィルタの色再現特性向上のためには、着色組成物中の色素の含有量を多くするか、あるいは、膜厚を厚くする必要がある。しかし、色素の含有量を多くする方法では、フォトリソ方式によるフィルタセグメントの形成プロセスにおいて、感度の低下、現像性・解像性の悪化等の問題が発生する。膜厚を厚くする方法では、膜底部まで露光光が届かず、フィルタセグメントのパタ−ン形状が不良となる等の問題が発生する。
一般に使用されるプロキシミティ露光法(紫外光源露光法)では、大型基板を処理するには基板サイズに合せた大サイズの高額なフォトマスクを必要とするが、レーザ露光法ではフォトマスクの小型化もしくはマスクレスが可能であり、コストの低減が期待できる。
特許文献1には、露光光源に波長405nmの半導体レーザを用いる硬化性組成物が開示されている。
また、特許文献2には、露光光源に430nm未満の光源波長を有するレーザ装置を用いる硬化性組成物が開示されている。
特に、青色顔料を含有する青色着色組成物は、波長310〜380nmの領域の光を強く吸収し、吸光度が非常に高いため、上記問題が顕著に表れる。
このため、波長310〜380nmの領域の光で感度の高い青色着色組成物を得ることが重要となる。
また、本発明のカラーフィルタの製造方法によると、特定の波長のレーザを短時間照射することにより、青色着色組成物を極短時間で硬化させることができるため、小さなフォトマスクを使用して、もしくはマスクを用いないで、形状の優れたフィルタセグメントを低コストで形成することができる。
更に、本発明によると、高品質で、安価なカラーフィルタが提供される。
本発明の青色着色組成物は、基板上に青色着色組成物を用いて青色塗膜を形成する工程と、前記青色塗膜のフィルタセグメントの形成予定領域に、波長310〜380nmのレーザを照射して硬化させる工程と、前記青色塗膜の未硬化部分を除去してフィルタセグメントを形成する工程とを具備するカラーフィルタの製造方法に用いられる青色着色組成物であって、青色顔料、樹脂、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー、オキシムエステル系光重合開始剤および多官能チオールを含有する青色着色組成物である。
以下、本発明の青色着色組成物の各成分について説明する。
青色顔料としては、一般に市販されている顔料を用いることができ、形成するフィルタセグメントの色相に応じて紫色顔料を併用することができる。青色顔料および紫色顔料としては、有機または無機の顔料を、単独でまたは2種類以上混合して用いることができるが、発色性、耐熱性の高い有機顔料を用いることが特に好ましい。本発明の青色着色組成物には、顔料以外の青色色素や紫色色素を併用することもできる。色素としては、染料、天然色素等を挙げることができる。
また、有機顔料は、ソルトミリング、アシッドペースティング等により微細化したものであってもよい。
青色顔料としては、例えばC.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、80等を用いることができ、この中でも銅フタロシアニン系顔料のC.I.Pigment Blue 15:6が好ましい。
青色顔料の含有量は、通常、青色着色組成物の固形分を基準(100重量%)として、1〜80重量%が好ましく、より好ましくは2〜70重量%である。青色顔料の含有量が1重量%未満であると、カラーフィルタの膜厚が過剰に厚くなるため好ましくなく、80重量%を超えると、良好な分散状態が得られず好ましくない。
紫色顔料の含有量は、色純度、コントラスト比の点から顔料の全量(青色顔料と紫色顔料の合計重量)を基準として好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは1〜40重量%である。
青色着色組成物に含まれる樹脂としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂を用いることができる。樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および感光性樹脂が含まれ、これらを単独で用いることもできるが、2種以上混合して用いることが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。
エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーは、波長310〜380nmのレーザを照射して硬化する成分である。
エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーの例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。モノマーは、着色組成物の感度アップの観点から、エチレン性不飽和二重結合を4〜12個有することが好ましく、6〜12個有することがより好ましい。エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーは、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
また、樹脂の重量(P)に対するエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーの重量(M)の比(M/P)は、0.10〜3.00の範囲であることが好まく、0.10〜2.50がより好ましく、0.10〜1.00が特に好ましい。M/Pが0.10未満であると、青色塗膜の硬化が進行しがたく、十分な硬化塗膜が得られない。M/Pが3.00より大きいと、塗膜の表面付近が塗膜の深部に比べて著しく硬化するため、形成されたフィルタセグメントの形状がオーバーハング形状となったり直線性が悪化したりする場合がある。
オキシムエステル系光重合開始剤として、下記式(1)または(2)で表される化合物が用いられる。
〔式(1)および式(2)において、X1〜X6は、水素原子、炭素数1〜12の環状、直鎖状、または分岐状のアルキル基、またはフェニル基を示し、各アルキル基およびフェニル基は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシル基、およびフェニル基からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよい。〕
式(1)および式(2)において、X1〜X6 の炭素数1〜12の直鎖状または分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基等が挙げられ、環状のアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
前記各アルキル基および各フェニル基は、2個以上の置換基で置換されていてもよい。
式(1)および式(2)において、X1 としては、メチル基、エチル基、フェニル基等が好ましく、X2 としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が好ましく、X3 としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基等が好ましい。
また、X4 、X5 およびX6 としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基等が好ましい。
本発明において、オキシムエステル系光重合開始剤は、1種または2種以上の他の光重合開始剤と混合して使用することができる。
また、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーの重量(M)に対する光重合開始剤の重量(I)の比(I/M)は、0.01〜1.00の範囲であることが好ましく、0.02〜0.90がより好ましく、0.05〜0.50が特に好ましい。I/Mが0.01より小さいと、塗膜が硬化しない恐れがある。一方、1.00より大きいと、青色塗膜の透過率が低下したり、耐熱性や耐溶剤性が劣ったりする場合がある。
本発明の青色着色組成物に含まれる多官能チオールは、チオール(SH)基を2個以上有する化合物であればよい。
多官能チオールを上述の光重合開始剤とともに使用することにより、光照射後のラジカル重合過程において、連鎖移動剤として働き、酸素による重合阻害を受けにくいチイルラジカルが発生するので、得られる青色着色組成物は高感度となる。特に、SH基がメチレン、エチレン基等の脂肪族基に結合した多官能脂肪族チオールが好ましい。多官能チオールとしては、例えば、ヘキサンジチオール 、デカンジチオール 、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンなどが挙げられ、好ましくは、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネートが挙げられる。
多官能チオールの含有量は、顔料100重量部に対して0.05〜100重量部が好ましく、より好ましくは1.0〜50.0重量部である。多官能チオールの含有量が0.05重量部未満では、連鎖移動剤の効果が小さく、100重量部より多くても、重合開始機能は向上しないうえ、現像性、密着性等が不十分になる。
本発明の青色着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤としては、例えばベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
溶剤としては、例えば1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,5,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、N−メチルピロリドン、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。
本発明の青色着色組成物は、青色顔料を、必要に応じて上記顔料分散剤と共に樹脂および溶剤中に三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散し、多官能チオール、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー、およびオキシムエステル系光重合開始剤を添加して製造することができる。また、2種以上の顔料を含む着色組成物は、各顔料を別々に樹脂および溶剤中に微細に分散したものを混合して製造することもできる。
次いで、本発明のカラーフィルタの製造方法について説明する。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、基板上に、前記青色着色組成物を用いて青色塗膜を形成する工程と、前記青色塗膜のフィルタセグメントの形成予定領域に、波長310〜380nmのレーザを照射して硬化させる工程と、前記青色塗膜の未硬化部分を除去してフィルタセグメントを形成する工程とを具備することを特徴とする。
(青色塗膜形成工程)
青色塗膜形成工程では、スピンコート法やダイコート法によって、本発明の青色着色組成物を塗布し、必要に応じて余分な溶剤を除去することにより、基板上に青色塗膜を形成する。
カラーフィルタの基板としては、可視光に対して透過率の高いソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。
露光・硬化工程では、前記青色塗膜のフィルタセグメント形成予定領域に、波長310〜380nmのレーザを照射して硬化させる。具体的には、大サイズの基板上に形成された青色塗膜に、基板と比較して小さいフォトマスクを介してレーザを照射し、前記青色塗膜のフィルタセグメントとなる部分を硬化させる。
レーザの波長は、固体(YAG)レーザでは343nm、355nmが特に用いられ、エキシマレーザでは、351nm(XeF)が特に用いられ、さらに半導体レーザでは375nmが特に用いられる。この中でも安定性、コスト等の点から355nmがより好ましい。本発明で用いられるレーザの1パルス当たりのエネルギー密度は0.01〜150mJ/cm2が好ましく、レーザは1回あるいは複数回に分けて、青色塗膜に照射することができる。青色塗膜は、膜を分解しない程度の弱いエネルギーを与えて硬化させることが必須である。
未硬化部分の除去工程では、前記青色塗膜の未硬化部分を除去してフィルタセグメントを形成する。未硬化部分の除去に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。
黄色の着色組成物は、上記黄色顔料を用いて得られる組成物である。
マゼンタ色の着色組成物は、例えばC.I. Pigment Violet 1、19、C.I. Pigment Red 81、144、146、177、169等の紫色顔料および赤色顔料、および必要に応じ調色用として上記黄色顔料を用いて得られる組成物である。
なお、実施例および比較例中、「部」および「%」とは「重量部」および「重量%」をそれぞれ意味する。
まず、実施例および比較例で用いたアクリル樹脂溶液および顔料分散体の調製について説明する。樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
反応容器にシクロヘキサノン370部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度でメタクリル酸20.0部、メチルメタクリレート10.0部、n−ブチルメタクリレート55.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル4.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、アクリル樹脂溶液を得た。
室温まで冷却した後、アクリル樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、測定結果に基づき、先に合成したアクリル樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにシクロヘキサノンを添加して、アクリル樹脂溶液を調製した。得られたアクリル樹脂の重量平均分子量Mwは40000であった。
下記表1に示す組成の混合物を均一に撹拌混合し、直径1mmのガラスビーズを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、青色顔料分散体B−1及びB−2を調製した。
(BASF製「ヘリオゲンブルーL−6700F」)
PV23:ジオキサジン系紫色顔料(C.I. Pigment Violet 23)
(Clariant社製「Fast Violet RL」)
顔料分散剤:日本ルーブリゾール社製「ソルスパース20000」)
樹脂溶液:先に調製したアクリル樹脂溶液
有機溶剤:シクロヘキサノン
先に調製した顔料分散体B−1又はB−2を含む、下記表2に示す処方の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、青色着色組成物BR−1〜BR−17を得た。
樹脂溶液:先に調製したアクリル樹脂溶液
モノマー:東亞合成社製「アロニックスM−402」
光重合開始剤:下記表3に示す光重合開始剤
多官能チオールSA:トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート
多官能チオールSB:エチレングリコールビスチオプロピオネート
有機溶剤:シクロヘキサノン
得られた各青色着色組成物を10cm×10cmのガラス基板上にスピンコータで約2μmの厚さに塗工し、70℃のオーブン内に15分間静置し、余剰の溶剤を除去乾燥させた。次いで、着色組成物塗膜から150μmの間隔を介して100μmのストライプ状のフォトマスクをセットし、下記表4に示すレーザ光源種のレーザを露光量30mJ/cm2となるよう照射した。なお、露光量はOPHIR社製の「PE10B-V2」を用いて測定した。
さらに、0.2%の炭酸ナトリウム水溶液からなる現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で30分加熱してフィルタセグメントを形成した。
SA:トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート
SB:エチレングリコールビスチオプロピオネート
レーザ光源種
LA:固体(YAG)レーザ、波長343nm
LB:(XeF)エキシマレーザ、波長351nm
LC:固体(YAG)レーザ、波長355nm
LD:半導体レーザ、波長375nm
(1)表面剥がれ
○:剥がれなし
○△:微少な剥がれあり(実用上問題ないレベル)
△:部分的に剥がれあり
×:塗膜全面に剥がれあり
(2)表面シワ
○:シワなし(塗膜表面が平滑な状態)
△:微少なシワあり(実用上問題ないレベル)
×:全面シワあり(塗膜表面全面にシワが発生している状態)
Claims (2)
- 基板上に青色顔料、樹脂、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー、オキシムエステル系光重合開始剤および多官能チオールを含有する青色着色組成物を用いて青色塗膜を形成する工程と、前記青色塗膜のフィルタセグメントの形成予定領域に、波長310〜380nmのレーザを照射して硬化させる工程と、前記青色塗膜の未硬化部分を除去してフィルタセグメントを形成する工程とを具備するカラーフィルタの製造方法であって、
前記レーザを照射して硬化させる工程においては、1パルス当たりのエネルギー密度が0.01〜150mJ/cm 2 の膜を分解しないレーザを、複数回に分けて照射することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - オキシムエステル系光重合開始剤が、下記式(1)または(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
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