JP2009202567A - 樹脂製部材及び金属製部材からなる複合体の製造方法並びにled実装用基板及びled用リフレクター - Google Patents
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Abstract
【課題】金属製部材に対して、高い接着性を有する樹脂成形部を効率よく形成することができ、熱履歴を伴った場合に、樹脂成形部の変形及び破壊、樹脂成形部及び金属製部材の分離等が抑制され、耐熱性及び放熱性に優れた複合体を効率よく製造することができる複合体の製造方法、並びに、LED実装用基板及びLED用リフレクターを提供する。
【解決手段】本発明の複合体は、金型3内部に、トリアジン系化合物を用いて表面処理された金属製部材11を配置し、チオエーテル結合、アミド結合、エステル結合及びエーテル結合の中の少なくとも1種を含む熱可塑性樹脂15〜80質量%及び窒化ホウ素20〜85質量%を含む樹脂組成物からなる樹脂成形部を射出成形法により得る。
【選択図】図24
【解決手段】本発明の複合体は、金型3内部に、トリアジン系化合物を用いて表面処理された金属製部材11を配置し、チオエーテル結合、アミド結合、エステル結合及びエーテル結合の中の少なくとも1種を含む熱可塑性樹脂15〜80質量%及び窒化ホウ素20〜85質量%を含む樹脂組成物からなる樹脂成形部を射出成形法により得る。
【選択図】図24
Description
本発明は、樹脂製部材及び金属製部材からなる複合体の製造方法並びにLED素子が搭載されるLED実装用基板及びLED用リフレクターに関し、更に詳しくは、樹脂成形部が、高い接着性をもって金属製部材の表面に形成されてなり、且つ、耐熱性、放熱性、及び、光に対する反射特性に優れた複合体を効率よく製造することができる複合体の製造方法、並びに、この方法を用いて得られたLED実装用基板及びLED用リフレクターに関する。
近年、蛍光ランプ及び白熱電球に替わる光源として、輝度の高いLED素子が比較的安価に製造されるようになったことから、このLED素子を備える照明装置等が検討されている。照明装置等において、大きな照度を得るために、表面実装型LEDパッケージ、即ち、例えば、アルミニウム等の金属製のベース基板(LED実装用基板)上に、複数のLED素子が搭載され、該LED素子から、その周りに光を所定方向に反射させるリフレクターを配設する方式が多用されている。しかしながら、LED素子は発光時に発熱を伴うため、このような方式の照明装置では、LED素子の発光時の温度上昇が、輝度の低下、LED素子の短寿命化等を招くこととなる。そこで、放熱性の高い金属からなるベース基板上にLED素子のベアチップを実装して、発光時の発熱をベース基板に拡散するような構造の照明装置が提案されている。(例えば、特許文献1、2等参照)。
そして、特許文献3には、リードフレームと、ナイロン系樹脂、液晶ポリマー系樹脂、熱硬化性樹脂又はシリコーン系樹脂からなる樹脂製カップ部と、リードフレームから離れて樹脂製カップ部の内側面に配置されたステンレス製の錐体状金属部材とを有するLEDデバイスが開示されている。このLEDデバイスは、予め、錐体状金属部材に、ショットブラスト、エッチング等の表面加工を施した後、インサートモールド加工して、樹脂製カップ部と、リードフレーム及び錐体状金属部材とを一体化している。
また、特許文献4には、テレフタル酸単位を含有するジカルボン酸単位と、1,9−ノナンジアミン単位及び/又は2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位とを含有するジアミン単位とからなるポリアミド樹脂、酸化チタン、水酸化マグネシウム、並びに、繊維状充填剤及び/又は針状充填剤からなる強化剤を含有する、LED用リフレクターを形成するためのポリアミド樹脂組成物が開示されており、この組成物を、金属からなる成形体等と複合化させることができる旨の記載がある。
そして、特許文献3には、リードフレームと、ナイロン系樹脂、液晶ポリマー系樹脂、熱硬化性樹脂又はシリコーン系樹脂からなる樹脂製カップ部と、リードフレームから離れて樹脂製カップ部の内側面に配置されたステンレス製の錐体状金属部材とを有するLEDデバイスが開示されている。このLEDデバイスは、予め、錐体状金属部材に、ショットブラスト、エッチング等の表面加工を施した後、インサートモールド加工して、樹脂製カップ部と、リードフレーム及び錐体状金属部材とを一体化している。
また、特許文献4には、テレフタル酸単位を含有するジカルボン酸単位と、1,9−ノナンジアミン単位及び/又は2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位とを含有するジアミン単位とからなるポリアミド樹脂、酸化チタン、水酸化マグネシウム、並びに、繊維状充填剤及び/又は針状充填剤からなる強化剤を含有する、LED用リフレクターを形成するためのポリアミド樹脂組成物が開示されており、この組成物を、金属からなる成形体等と複合化させることができる旨の記載がある。
特許文献3に開示された技術によると、樹脂製カップ部と、リードフレーム及び錐体状金属部材との間の界面に、微小な空隙が形成される場合があった。上記空隙が形成されると、該空隙が断熱層となって、LED素子が発光した際に生じる熱が滞留しやすくなり、放熱が十分でなく、部材どうしの分離(剥離)、樹脂製カップ部の変形又は破壊を導くことがあった。
特許文献4に開示された技術においても同様であり、LEDデバイスの使用を重ねるにつれて、上記ポリアミド樹脂組成物からなるLED用リフレクターと、このリフレクターと接着している金属製部材とが分離(剥離)したり、LED用リフレクターが変形又は破壊されることがあった。
本発明は、金属製部材に対して、高い接着性を有する樹脂成形部を効率よく形成することができ、熱履歴を伴った場合に、樹脂成形部の変形及び破壊、樹脂成形部及び金属製部材の分離等が抑制され、耐熱性及び放熱性に優れた複合体を効率よく製造することができる複合体の製造方法、また、LED実装用基板、LED用リフレクター等の部材、該部材を備える物品等とした場合に、樹脂成形部の変形及び破壊、樹脂成形部及び金属製部材の分離等が抑制されることで耐熱性及び放熱性に優れ、LED素子等の発光体を備える物品とした場合に、樹脂成形部において、光に対する反射特性に優れる複合体を効率よく製造することができる複合体の製造方法、並びに、この方法を用いて得られたLED実装用基板及びLED用リフレクターを提供することを目的とする。
特許文献4に開示された技術においても同様であり、LEDデバイスの使用を重ねるにつれて、上記ポリアミド樹脂組成物からなるLED用リフレクターと、このリフレクターと接着している金属製部材とが分離(剥離)したり、LED用リフレクターが変形又は破壊されることがあった。
本発明は、金属製部材に対して、高い接着性を有する樹脂成形部を効率よく形成することができ、熱履歴を伴った場合に、樹脂成形部の変形及び破壊、樹脂成形部及び金属製部材の分離等が抑制され、耐熱性及び放熱性に優れた複合体を効率よく製造することができる複合体の製造方法、また、LED実装用基板、LED用リフレクター等の部材、該部材を備える物品等とした場合に、樹脂成形部の変形及び破壊、樹脂成形部及び金属製部材の分離等が抑制されることで耐熱性及び放熱性に優れ、LED素子等の発光体を備える物品とした場合に、樹脂成形部において、光に対する反射特性に優れる複合体を効率よく製造することができる複合体の製造方法、並びに、この方法を用いて得られたLED実装用基板及びLED用リフレクターを提供することを目的とする。
本発明者らは、金型の内部に、トリアジン系化合物を用いて表面処理された金属製部材を配置し、この金属製部材の表面に、特定の熱可塑性樹脂及び窒化ホウ素を含有する熱可塑性樹脂組成物を溶融状態で金型内部のキャビティ空間に射出することにより、金属製部材に対して、高い接着性を有する樹脂成形部(樹脂製部材)を効率よく形成することができ、熱履歴を伴った場合に、樹脂成形部の変形及び破壊、樹脂成形部及び金属製部材の分離等が抑制され、耐熱性及び放熱性に優れた複合体を製造できたこと、並びに、熱履歴を伴う、LED素子が搭載されるLED実装用基板、LED用リフレクター等の部材、該部材を備える物品等とした場合に、樹脂成形部の変形及び破壊、樹脂成形部及び金属製部材の分離等が抑制され、LED素子等の発光体を備える物品とした場合に、樹脂成形部において、光に対する反射特性に優れていたことを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は、以下の通りである。
1.金型の内部に、トリアジン系化合物を用いて処理された金属製部材を配置し、該金属製部材の表面の少なくとも一部に、〔A〕チオエーテル結合、アミド結合、エステル結合及びエーテル結合から選ばれる少なくとも1種の結合を含む熱可塑性樹脂15〜80質量%、及び、〔B〕窒化ホウ素20〜85質量%(但し、〔A〕+〔B〕=100質量%)を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる樹脂成形部を射出成形法により形成することを特徴とする複合体の製造方法。
2.上記熱可塑性樹脂〔A〕が、ポリフェニレンサルファイドである上記1に記載の複合体の製造方法。
3.上記熱可塑性樹脂〔A〕が、融点が250℃〜400℃の範囲にあるポリアミド樹脂である上記1に記載の複合体の製造方法。
4.上記熱可塑性樹脂〔A〕が、ポリフェニレンサルファイドと、融点が250℃〜400℃の範囲にあるポリアミド樹脂とからなり、これらの含有割合が、両者の合計を100質量%とした場合に、それぞれ、40〜90質量%及び60〜10質量%である上記1に記載の複合体の製造方法。
5.上記ポリアミド樹脂が芳香族ポリアミド樹脂を含む上記3又は4に記載の複合体の製造方法。
6.上記芳香族ポリアミド樹脂が、ヘキサメチレンテレフタルアミド単位を含む上記5に記載の複合体の製造方法。
7.上記窒化ホウ素〔B〕は、粒度分布の測定により得られた累計体積が10%及び90%であるときの粒子径D10及びD90が、それぞれ、4〜6μm及び35〜50μmであり、且つ、D10とD90との比D90/D10が7〜11である上記1乃至6のいずれかに記載の複合体の製造方法。
8.上記窒化ホウ素〔B〕の体積平均粒子径が12〜20μmである上記1乃至7のいずれかに記載の複合体の製造方法。
9.上記複合体は、上記金属製部材と、該金属製部材の少なくとも一方の面に形成された、上記樹脂成形部とを備える板状のLED実装用基板である上記1乃至8のいずれかに記載の複合体の製造方法。
10.上記複合体は、上記金属製部材として、1の金属製部材が放熱用金属板であり、他の金属製部材がLED素子に電気的に接続されるリードフレームであり、且つ、上記放熱用金属板と、該放熱用金属板の少なくとも一方の面に形成された、上記樹脂成形部とを備え、且つ、上記リードフレームが、上記樹脂成形部の表面及び/又は内部に配設されてなる板状のLED実装用基板である上記1乃至8のいずれかに記載の複合体の製造方法。
11.上記LED実装用基板において、上記樹脂成形部が、LED素子を配設するために断面形状が凹状であるリフレクター部を備える上記9又は10に記載の複合体の製造方法。
12.上記複合体は、上記金属製部材が、上記樹脂成形部の表面及び/又は内部に配設されてなるLED用リフレクターであって、
上記金属製部材が、LED素子に電気的に接続されるリードフレームであり、且つ、上記LED素子を配設するために上記樹脂成形部の断面形状が凹状である上記1乃至8のいずれかに記載の複合体の製造方法。
13.上記複合体は、上記金属製部材が、上記樹脂成形部の表面及び/又は内部に配設されてなるLED用リフレクターであって、
上記金属製部材が、放熱用部材であり、且つ、上記LED素子を配設するために上記樹脂成形部の断面形状が凹状である上記1乃至8のいずれかに記載の複合体の製造方法。
14.上記9乃至11のいずれかに記載の複合体の製造方法により得られたことを特徴とするLED実装用基板。
15.上記12又は13に記載の複合体の製造方法により得られたことを特徴とするLED用リフレクター。
1.金型の内部に、トリアジン系化合物を用いて処理された金属製部材を配置し、該金属製部材の表面の少なくとも一部に、〔A〕チオエーテル結合、アミド結合、エステル結合及びエーテル結合から選ばれる少なくとも1種の結合を含む熱可塑性樹脂15〜80質量%、及び、〔B〕窒化ホウ素20〜85質量%(但し、〔A〕+〔B〕=100質量%)を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる樹脂成形部を射出成形法により形成することを特徴とする複合体の製造方法。
2.上記熱可塑性樹脂〔A〕が、ポリフェニレンサルファイドである上記1に記載の複合体の製造方法。
3.上記熱可塑性樹脂〔A〕が、融点が250℃〜400℃の範囲にあるポリアミド樹脂である上記1に記載の複合体の製造方法。
4.上記熱可塑性樹脂〔A〕が、ポリフェニレンサルファイドと、融点が250℃〜400℃の範囲にあるポリアミド樹脂とからなり、これらの含有割合が、両者の合計を100質量%とした場合に、それぞれ、40〜90質量%及び60〜10質量%である上記1に記載の複合体の製造方法。
5.上記ポリアミド樹脂が芳香族ポリアミド樹脂を含む上記3又は4に記載の複合体の製造方法。
6.上記芳香族ポリアミド樹脂が、ヘキサメチレンテレフタルアミド単位を含む上記5に記載の複合体の製造方法。
7.上記窒化ホウ素〔B〕は、粒度分布の測定により得られた累計体積が10%及び90%であるときの粒子径D10及びD90が、それぞれ、4〜6μm及び35〜50μmであり、且つ、D10とD90との比D90/D10が7〜11である上記1乃至6のいずれかに記載の複合体の製造方法。
8.上記窒化ホウ素〔B〕の体積平均粒子径が12〜20μmである上記1乃至7のいずれかに記載の複合体の製造方法。
9.上記複合体は、上記金属製部材と、該金属製部材の少なくとも一方の面に形成された、上記樹脂成形部とを備える板状のLED実装用基板である上記1乃至8のいずれかに記載の複合体の製造方法。
10.上記複合体は、上記金属製部材として、1の金属製部材が放熱用金属板であり、他の金属製部材がLED素子に電気的に接続されるリードフレームであり、且つ、上記放熱用金属板と、該放熱用金属板の少なくとも一方の面に形成された、上記樹脂成形部とを備え、且つ、上記リードフレームが、上記樹脂成形部の表面及び/又は内部に配設されてなる板状のLED実装用基板である上記1乃至8のいずれかに記載の複合体の製造方法。
11.上記LED実装用基板において、上記樹脂成形部が、LED素子を配設するために断面形状が凹状であるリフレクター部を備える上記9又は10に記載の複合体の製造方法。
12.上記複合体は、上記金属製部材が、上記樹脂成形部の表面及び/又は内部に配設されてなるLED用リフレクターであって、
上記金属製部材が、LED素子に電気的に接続されるリードフレームであり、且つ、上記LED素子を配設するために上記樹脂成形部の断面形状が凹状である上記1乃至8のいずれかに記載の複合体の製造方法。
13.上記複合体は、上記金属製部材が、上記樹脂成形部の表面及び/又は内部に配設されてなるLED用リフレクターであって、
上記金属製部材が、放熱用部材であり、且つ、上記LED素子を配設するために上記樹脂成形部の断面形状が凹状である上記1乃至8のいずれかに記載の複合体の製造方法。
14.上記9乃至11のいずれかに記載の複合体の製造方法により得られたことを特徴とするLED実装用基板。
15.上記12又は13に記載の複合体の製造方法により得られたことを特徴とするLED用リフレクター。
本発明の複合体の製造方法によれば、トリアジン系化合物を介して、金属及び樹脂を化学結合させ、金属製部材に対して、高い接着性(密着性)を有する樹脂成形部を効率よく形成することができる。また、本発明において、熱履歴を伴った場合に、樹脂成形部の変形及び破壊、樹脂成形部及び金属製部材の分離等が抑制され、耐熱性及び放熱性(金属製部材からの熱放射、樹脂成形部からの熱放射、及び、熱伝導により金属製部材又は樹脂成形部の低温部側に熱を逃がすこと)に優れた複合体を効率よく製造することができる。複合体における樹脂成形部及び金属製部材のいずれの部位に熱の負荷を受けても、他方の部位への熱伝導が良好であり、複合体の変形を招くことなく、効率よく熱を外部に放射することができ、優れた放熱性を得ることができる。特に、熱が付与された金属製部材から、効率よく樹脂成形部に伝熱させ、樹脂成形部から外部に放射させることができる。また、複合体が、熱履歴を伴う、LED実装用基板、LED用リフレクター等の部材であって、該部材を備える物品等とした場合に、樹脂成形部の変形及び破壊、樹脂成形部及び金属製部材の分離等が抑制され、LED素子等の発光体を備える物品とした場合に、樹脂成形部において、光に対する反射特性に優れる複合体を効率よく製造することができる。
上記熱可塑性樹脂〔A〕が、ポリフェニレンサルファイドである場合には、得られる複合体における樹脂成形部及び金属製部材の接着性に優れ、樹脂成形部としての寸法安定性、並びに、複合体としての耐熱性、放熱性、及び、光に対する反射特性に優れる。また、樹脂成形部における吸水率を0.05%未満と、吸水を抑制することができるので、この複合体を用いて、表面実装部品等を、リフロー炉において製造する際に、ブリスター(膨れ)等の発生を抑制することができる。更に、複合体が、LED用リフレクター等、光反射用部材として用いられる場合には、光に対する反射特性にも優れる。
上記熱可塑性樹脂〔A〕が、融点が250℃〜400℃の範囲にあるポリアミド樹脂である場合には、得られる複合体における樹脂成形部及び金属製部材の接着性に優れ、樹脂成形部としての耐衝撃性、並びに、複合体としての耐熱性、放熱性、及び、光に対する反射特性に優れる。
上記熱可塑性樹脂〔A〕が、ポリフェニレンサルファイドと、融点が250℃〜400℃の範囲にあるポリアミド樹脂とからなり、これらの含有割合が、両者の合計を100質量%とした場合に、それぞれ、40〜90質量%及び60〜10質量%である場合には、得られる複合体における樹脂成形部及び金属製部材の接着性に優れ、複合体としての耐熱性、耐衝撃性、放熱性、耐ブリスター性、及び、光に対する反射特性のバランスに優れる。
上記ポリアミド樹脂が芳香族ポリアミド樹脂を含む場合には、得られる複合体における樹脂成形部及び金属製部材の接着性に優れ、複合体としての耐熱性、耐衝撃性、放熱性、耐ブリスター性、及び、光に対する反射特性のバランスに優れる。
上記芳香族ポリアミド樹脂が、ヘキサメチレンテレフタルアミド単位を含む場合には、得られる複合体における樹脂成形部及び金属製部材の接着性に優れ、複合体としての耐熱性、耐衝撃性、放熱性、耐ブリスター性、及び、光に対する反射特性のバランスに特に優れる。
上記熱可塑性樹脂〔A〕が、ポリフェニレンサルファイドである場合には、得られる複合体における樹脂成形部及び金属製部材の接着性に優れ、樹脂成形部としての寸法安定性、並びに、複合体としての耐熱性、放熱性、及び、光に対する反射特性に優れる。また、樹脂成形部における吸水率を0.05%未満と、吸水を抑制することができるので、この複合体を用いて、表面実装部品等を、リフロー炉において製造する際に、ブリスター(膨れ)等の発生を抑制することができる。更に、複合体が、LED用リフレクター等、光反射用部材として用いられる場合には、光に対する反射特性にも優れる。
上記熱可塑性樹脂〔A〕が、融点が250℃〜400℃の範囲にあるポリアミド樹脂である場合には、得られる複合体における樹脂成形部及び金属製部材の接着性に優れ、樹脂成形部としての耐衝撃性、並びに、複合体としての耐熱性、放熱性、及び、光に対する反射特性に優れる。
上記熱可塑性樹脂〔A〕が、ポリフェニレンサルファイドと、融点が250℃〜400℃の範囲にあるポリアミド樹脂とからなり、これらの含有割合が、両者の合計を100質量%とした場合に、それぞれ、40〜90質量%及び60〜10質量%である場合には、得られる複合体における樹脂成形部及び金属製部材の接着性に優れ、複合体としての耐熱性、耐衝撃性、放熱性、耐ブリスター性、及び、光に対する反射特性のバランスに優れる。
上記ポリアミド樹脂が芳香族ポリアミド樹脂を含む場合には、得られる複合体における樹脂成形部及び金属製部材の接着性に優れ、複合体としての耐熱性、耐衝撃性、放熱性、耐ブリスター性、及び、光に対する反射特性のバランスに優れる。
上記芳香族ポリアミド樹脂が、ヘキサメチレンテレフタルアミド単位を含む場合には、得られる複合体における樹脂成形部及び金属製部材の接着性に優れ、複合体としての耐熱性、耐衝撃性、放熱性、耐ブリスター性、及び、光に対する反射特性のバランスに特に優れる。
上記窒化ホウ素〔B〕において、粒度分布の測定により得られた累計体積が10%及び90%であるときの粒子径D10及びD90が、それぞれ、4〜6μm及び35〜50μmであり、且つ、D10とD90との比D90/D10が7〜11である場合には、樹脂成形部及び金属製部材の接着性に優れ、放熱性及び耐熱性により優れた複合体を得ることができる。
また、上記窒化ホウ素〔B〕の体積平均粒子径が12〜20μmである場合には、12μmより小さい粒径の窒化ホウ素に比べて、更に優れた放熱性及び耐熱性を有し、樹脂成形部及び金属製部材の接着性に優れた複合体を得ることができる。また、20μmより大きい粒径の窒化ホウ素に比べて、優れた耐衝撃性及び流動性を有し、樹脂成形部及び金属製部材の接着性に優れた複合体を得ることができる。
また、上記窒化ホウ素〔B〕の体積平均粒子径が12〜20μmである場合には、12μmより小さい粒径の窒化ホウ素に比べて、更に優れた放熱性及び耐熱性を有し、樹脂成形部及び金属製部材の接着性に優れた複合体を得ることができる。また、20μmより大きい粒径の窒化ホウ素に比べて、優れた耐衝撃性及び流動性を有し、樹脂成形部及び金属製部材の接着性に優れた複合体を得ることができる。
上記複合体が、上記金属製部材と、該金属製部材の少なくとも一方の面に形成された、板状の上記樹脂成形部とを備えるLED実装用基板である場合には、部材どうしの接着性、耐熱性、放熱性、及び、光に対する反射特性に優れる。また、得られるLED実装用基板に、LED素子等を配設する場合にも、ブリスターの発生や、変形等を伴うことなく、寸法安定性に優れた製品を与えることができる。
上記複合体が、上記金属製部材として、1の金属製部材が放熱用金属板であり、他の金属製部材がLED素子に電気的に接続されるリードフレームであり、且つ、上記放熱用金属板と、該放熱用金属板の少なくとも一方の面に形成された、板状の上記樹脂成形部とを備え、且つ、上記リードフレームが、上記樹脂成形部の表面及び/又は内部に配設されてなるLED実装用基板である場合には、放熱用金属板及びリードフレームと、樹脂成形部との接着性、複合体としての耐熱性、放熱性、及び、光に対する反射特性に優れる。また、得られるLED実装用基板に、LED素子等を配設する場合にも、ブリスターの発生や、変形等を伴うことなく、寸法安定性に優れた製品を与えることができる。
上記LED実装用基板において、上記樹脂成形部が、LED素子を配設するために断面形状が凹状であるリフレクター部を備える場合には、耐熱性、放熱性、及び、光に対する反射特性に優れる。また、このLED実装用基板に、LED素子等を配設する場合にも、ブリスターの発生や、変形等を伴うことなく、寸法安定性に優れた製品を与えることができる。
上記複合体が、上記金属製部材として、1の金属製部材が放熱用金属板であり、他の金属製部材がLED素子に電気的に接続されるリードフレームであり、且つ、上記放熱用金属板と、該放熱用金属板の少なくとも一方の面に形成された、板状の上記樹脂成形部とを備え、且つ、上記リードフレームが、上記樹脂成形部の表面及び/又は内部に配設されてなるLED実装用基板である場合には、放熱用金属板及びリードフレームと、樹脂成形部との接着性、複合体としての耐熱性、放熱性、及び、光に対する反射特性に優れる。また、得られるLED実装用基板に、LED素子等を配設する場合にも、ブリスターの発生や、変形等を伴うことなく、寸法安定性に優れた製品を与えることができる。
上記LED実装用基板において、上記樹脂成形部が、LED素子を配設するために断面形状が凹状であるリフレクター部を備える場合には、耐熱性、放熱性、及び、光に対する反射特性に優れる。また、このLED実装用基板に、LED素子等を配設する場合にも、ブリスターの発生や、変形等を伴うことなく、寸法安定性に優れた製品を与えることができる。
上記複合体が、LED用リフレクターであり、このLED用リフレクターにおいて、上記金属製部材が、上記樹脂成形部の表面及び/又は内部に配設されてなり、上記金属製部材が、LED素子に電気的に接続されるリードフレームであり、且つ、上記LED素子を配設するために上記樹脂成形部の断面形状が凹状である場合には、耐熱性、及び、光に対する反射特性に優れ、樹脂成形部(リフレクター部)が、LED素子の発光に伴う熱を吸収したときに、外部への放熱性にも優れる。
上記複合体が、LED用リフレクターであり、このLED用リフレクターにおいて、上記金属製部材が、上記樹脂成形部の表面及び/又は内部に配設されてなり、上記金属製部材が、放熱用部材であり、且つ、上記LED素子を配設するために上記樹脂成形部の断面形状が凹状である場合には、耐熱性、及び、光に対する反射特性に優れ、樹脂成形部(リフレクター部)が、LED素子の発光に伴う熱を吸収したときに、外部への放熱性にも優れる。
上記複合体が、LED用リフレクターであり、このLED用リフレクターにおいて、上記金属製部材が、上記樹脂成形部の表面及び/又は内部に配設されてなり、上記金属製部材が、放熱用部材であり、且つ、上記LED素子を配設するために上記樹脂成形部の断面形状が凹状である場合には、耐熱性、及び、光に対する反射特性に優れ、樹脂成形部(リフレクター部)が、LED素子の発光に伴う熱を吸収したときに、外部への放熱性にも優れる。
上記複合体が、上記のように、LED素子を備える発光装置に係る物品である場合には、放熱性に優れることから、LED素子における、発光効率の低下、及び、輝度の低下を抑制することができ、該物品を長期間使用することができる。
本発明の複合体の製造方法は、金型の内部に、トリアジン系化合物を用いて処理された金属製部材を配置し、該金属製部材の表面の少なくとも一部に、〔A〕チオエーテル結合、アミド結合、エステル結合及びエーテル結合から選ばれる少なくとも1種の結合を含む熱可塑性樹脂(以下、「成分〔A〕」という。)15〜80質量%、及び、〔B〕窒化ホウ素(以下、「成分〔B〕」という。)20〜85質量%(但し、〔A〕+〔B〕=100質量%)を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる樹脂成形部を射出成形法により形成することを特徴とする。
まず、上記樹脂成形部を構成する熱可塑性樹脂組成物について説明する。この熱可塑性樹脂組成物は、成分〔A〕及び〔B〕を含有する。
上記成分〔A〕は、チオエーテル結合、アミド結合、エステル結合及びエーテル結合から選ばれる少なくとも1種の結合を含み、好ましくは、上記結合が、主鎖に含まれる樹脂である。
上記成分〔A〕としては、チオエーテル結合を含む熱可塑性樹脂、アミド結合を含む熱可塑性樹脂、エステル結合を含む熱可塑性樹脂、エーテル結合を含む熱可塑性樹脂等とすることができる。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記成分〔A〕としては、チオエーテル結合を含む熱可塑性樹脂、アミド結合を含む熱可塑性樹脂、エステル結合を含む熱可塑性樹脂、エーテル結合を含む熱可塑性樹脂等とすることができる。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
チオエーテル結合を含む熱可塑性樹脂としては、ポリアリーレンサルファイド、ポリアルキレンサルファイド等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのうち、耐熱性、強度及び剛性に優れることから、ポリアリーレンサルファイドが好ましい。
上記ポリアリーレンサルファイドは、−Ar−S−(但し、−Ar−は、アリーレン基である。)で表される結合を含む重合体である。Ar及びSの結合形態は、特に限定されないが、例えば、下記の(1)及び(2)に示される。
尚、上記式(1)及び(2)において、芳香環を構成する炭素原子に結合する水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、フェニル基、カルボキシル基及びその金属塩、ニトロ基、並びに、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、から選ばれた基等と置換されていてもよい。複数の水素原子が置換されている場合は、互いに同一であってよいし、異なってもよい。
従って、上記ポリアリーレンサルファイドとしては、例えば、以下に示す単位を含む重合体を用いることができる。
(式中、R1及びR2は、互いに、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、フェニル基、カルボキシル基及びその金属塩、ニトロ基、並びに、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、から選ばれる。但し、R1及びR2が、ともに水素原子である場合を除く。)
上記ポリアリーレンサルファイドとしては、上記式(1)の単位を含む重合体が好ましい。より好ましい重合体は、各単位の合計を100モル%とした場合に、上記式(1)の単位を70モル%以上、好ましくは90モル%以上(上限は100モル%)含む、リニア型のポリアリーレンサルファイドであり、特に好ましい重合体は、上記式(1)の単位が100モル%である、ポリフェニレンサルファイドである。このポリフェニレンサルファイドを用いると、成形性及び耐熱性に優れる。
尚、上記ポリアリーレンサルファイドが、他の単位を30モル%未満の量で含有する場合、上記式(4)〜(9)から選ばれた少なくとも1種の単位が含まれた重合体とすることができる。
尚、上記ポリアリーレンサルファイドが、他の単位を30モル%未満の量で含有する場合、上記式(4)〜(9)から選ばれた少なくとも1種の単位が含まれた重合体とすることができる。
上記ポリアリーレンサルファイドの溶融粘度は、特に限定されないが、好ましくは、300〜800poise(温度:310℃、剪断速度:1,000/秒)である。
アミド結合を含む熱可塑性樹脂としては、ポリマー主鎖の繰り返し単位中にアミド結合〔−NH−C(=O)−〕を有する樹脂であれば、特に限定されないが、ポリアミド樹脂が好ましい。このポリアミド樹脂は、ジアミン及びジカルボン酸の重縮合、ラクタム化合物の開環重合、アミノカルボン酸の重縮合等によって得られた樹脂等を用いることができる。これらの樹脂は、ホモポリアミド及びコポリアミドのいずれでもよく、また、これらを組み合わせて用いてもよい。
ジアミン及びジカルボン酸を重縮合させる場合のジアミンとしては、脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン及び芳香族ジアミンが挙げられる。具体例としては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、トリデカメチレンジアミン、1,9−ノナンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン等が挙げられる。これらのジアミンは、単独で用いてよいし、2つ以上を組み合わせて用いてもよい。
また、ジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸が挙げられる。具体例としては、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,1,3−トリデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ダイマー酸等が挙げられる。これらのジカルボン酸は、単独で用いてよいし、2つ以上を組み合わせて用いてもよい。
また、ジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸が挙げられる。具体例としては、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,1,3−トリデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ダイマー酸等が挙げられる。これらのジカルボン酸は、単独で用いてよいし、2つ以上を組み合わせて用いてもよい。
開環重合において用いられるラクタム化合物としては、ε−カプロラクタム、エナントラクタム、ω−ラウロラクタム等が挙げられる。これらのラクタム化合物は、単独で用いてよいし、2つ以上を組み合わせて用いてもよい。
また、アミノカルボン酸を重縮合する場合のアミノカルボン酸としては、ε−アミノカプロン酸、アミノエナン酸、アミノカプリル酸、アミノベルゴン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、13−アミノトリデカン酸等が挙げられる。これらのアミノカルボン酸は、単独で用いてよいし、2つ以上を組み合わせて用いてもよい。
また、アミノカルボン酸を重縮合する場合のアミノカルボン酸としては、ε−アミノカプロン酸、アミノエナン酸、アミノカプリル酸、アミノベルゴン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、13−アミノトリデカン酸等が挙げられる。これらのアミノカルボン酸は、単独で用いてよいし、2つ以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ポリアミド樹脂の製造方法は、特に限定されず、溶融重合、界面重合、溶液重合、塊状重合、固相重合、及び、これらを組み合わせた方法のいずれでもよい。これらのうち、溶融重合が好ましい。
上記ポリアミド樹脂としては、脂肪族ポリアミド樹脂及び芳香族ポリアミド樹脂のいずれでもよく、これらを組み合わせて用いてもよい。上記ポリアミド樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド4,6、ポリアミド11,ポリアミド12,ポリアミド6,10、ポリアミド6,12、ポリアミド6/6,6、ポリアミド6/6,12、ポリアミドMXD(m−キシリレンジアミン),6、ポリアミド6,T、ポリアミド6,I、ポリアミド6/6,T、ポリアミド6/6,I、ポリアミド6,6/6,T、ポリアミド6,6/6,I、ポリアミド6/6,T/6,I、ポリアミド6,6/6,T/6,I、ポリアミド6/12/6,T、ポリアミド6,6/12/6,T、ポリアミド6/12/6,I、ポリアミド6,6/12/6,I,ポリアミド9,T等が挙げられる。
これらのうち、得られる複合体における樹脂成形部及び金属製部材の接着性に優れ、樹脂成形部としての耐衝撃性、並びに、複合体としての耐熱性、放熱性、及び、光に対する反射特性に優れることから、融点が250℃〜400℃であるポリアミド樹脂が好ましい。融点が低いポリアミド樹脂を用いると、得られる樹脂成形部及び複合体の耐熱性が十分でない場合があり、一方、融点が高すぎると、樹脂成形部の成形性が十分でない場合がある。
上記脂肪族ポリアミド樹脂としては、アジピン酸を20質量%以上含むジカルボン酸と、テトラメチレンジアミンを20質量%以上含むジアミン化合物とを縮重合して得られた、テトラメチレンアジパミド単位を含むポリアミド4,6(ナイロン4,6)及びその変性物が好ましい。
これらのうち、得られる複合体における樹脂成形部及び金属製部材の接着性に優れ、樹脂成形部としての耐衝撃性、並びに、複合体としての耐熱性、放熱性、及び、光に対する反射特性に優れることから、融点が250℃〜400℃であるポリアミド樹脂が好ましい。融点が低いポリアミド樹脂を用いると、得られる樹脂成形部及び複合体の耐熱性が十分でない場合があり、一方、融点が高すぎると、樹脂成形部の成形性が十分でない場合がある。
上記脂肪族ポリアミド樹脂としては、アジピン酸を20質量%以上含むジカルボン酸と、テトラメチレンジアミンを20質量%以上含むジアミン化合物とを縮重合して得られた、テトラメチレンアジパミド単位を含むポリアミド4,6(ナイロン4,6)及びその変性物が好ましい。
上記ポリアミド樹脂は、得られる樹脂成形部における、耐衝撃性、放熱性及び光に対する反射特性に特に優れることから、芳香族ポリアミド樹脂が好ましい。この芳香族ポリアミド樹脂は、好ましくはポリアミド6,T、ポリアミド9,T及びこれらの変性物であり、特に好ましくはポリアミド6,T及びその変性物である。好ましいポリアミド6,T及びその変性物の構成は、ヘキサメチレンテレフタルアミド単位の含有量が、このポリアミド6,Tの100モル%に対して、好ましくは20〜100モル%、より好ましくは30〜95モル%、更に好ましくは40〜80モル%、特に好ましくは50〜70モル%とするものである。上記変性物である場合の、他の構成単位としては、ヘキサメチレンイソフタルアミド単位、2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド単位、ヘキサメチレンアジパミド単位、カプロアミド単位等が挙げられる。
上記ポリアミド樹脂が芳香族ポリアミド樹脂を含む場合、この芳香族ポリアミド樹脂の含有割合は、上記ポリアミド樹脂に対して、好ましくは40〜100質量%、より好ましくは60〜100質量%、更に好ましくは70〜100質量%である。芳香族ポリアミド樹脂の含有量がこの範囲にあると、得られる樹脂成形部における、耐衝撃性、放熱性及び光に対する反射特性に特に優れる。
上記ポリアミド樹脂が芳香族ポリアミド樹脂を含む場合、この芳香族ポリアミド樹脂の含有割合は、上記ポリアミド樹脂に対して、好ましくは40〜100質量%、より好ましくは60〜100質量%、更に好ましくは70〜100質量%である。芳香族ポリアミド樹脂の含有量がこの範囲にあると、得られる樹脂成形部における、耐衝撃性、放熱性及び光に対する反射特性に特に優れる。
尚、上記ポリアミド樹脂の末端は、カルボン酸、アミン等で封止されていてもよい。カルボン酸としては、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等の脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。また、アミンとしては、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、ベヘニルアミン等の脂肪族第1級アミン等が挙げられる。
上記ポリアミド樹脂は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ポリアミド樹脂は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、エステル結合を含む熱可塑性樹脂としては、脂肪族ポリエステル、脂環族ポリエステル、芳香族ポリエステル等のポリエステル樹脂等が挙げられる。このポリエステル樹脂は、ジカルボン酸及び/又はジカルボン酸のエステル形成性誘導体を含む酸成分と、ジオール化合物及び/又はジオール化合物のエステル形成性誘導体を含むジオール成分との反応により得られた樹脂を用いることができる。この樹脂は、ホモポリエステルであってよいし、コポリエステルであってもよい。
上記酸成分のうち、ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルイソプロピリデンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。尚、これらの置換体(メチルイソフタル酸等のアルキル基置換体等)や、誘導体(テレフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル等のアルキルエステル化合物等)を用いることもできる。
更に、p−オキシ安息香酸及びp−ヒドロキシエトキシ安息香酸のような、オキシ酸及びこれらのエステル形成性誘導体を用いることもできる。
上記酸成分は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
更に、p−オキシ安息香酸及びp−ヒドロキシエトキシ安息香酸のような、オキシ酸及びこれらのエステル形成性誘導体を用いることもできる。
上記酸成分は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール;1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式グリコール等が挙げられる。尚、これらの置換体や誘導体を用いることもできる。また、ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物を用いることもできる。
更に、必要に応じて、長鎖型のジオール化合物(ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等)、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加重合体等(ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加重合体等)等を用いることもできる。
上記ジオール成分は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
更に、必要に応じて、長鎖型のジオール化合物(ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等)、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加重合体等(ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加重合体等)等を用いることもできる。
上記ジオール成分は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ポリエステル樹脂が、ホモポリエステルである場合、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサン−1,4−ジメチルテレフタレート、ポリネオペンチルテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリヘキサメチレンナフタレート等を用いることができる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記ポリエステル樹脂が、コポリエステルである場合、その形成に用いられる一般的なジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。また、ジヒドロキシ成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等の直鎖状アルキレングリコール等の脂肪族アルキレングリコール;ジエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリ(オキシ−アルキレン)単位を含み、繰り返し数が2〜4程度のオキシアルキレン単位を有するポリオキシアルキレングリコール等が挙げられる。
更に、上記化合物以外に、必要に応じて、グリコール酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸やアルコキシカルボン酸、及び、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、安息香酸、tert−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸等の単官能成分又はそのエステル誘導体;トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール等の多価アルコール;没食子酸等の3官能以上の多官能成分又はそのエステル誘導体の1種あるいは2種以上を、重縮合用成分として用いてもよい。
更に、上記化合物以外に、必要に応じて、グリコール酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸やアルコキシカルボン酸、及び、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、安息香酸、tert−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸等の単官能成分又はそのエステル誘導体;トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール等の多価アルコール;没食子酸等の3官能以上の多官能成分又はそのエステル誘導体の1種あるいは2種以上を、重縮合用成分として用いてもよい。
本発明において、好ましいコポリエステルは、テレフタル酸及び/又はその誘導体(ジメチルエステル等の低級アルキルエステル、酸無水物、酸クロライド等の酸ハライド等)を主として含むジカルボン酸成分と、1,4−ブタンジオールを含むジヒドロキシ成分との重縮合等により得られた重合体であって、ガラス転移温度が、好ましくは0℃〜75℃の範囲にある共重合ポリブチレンテレフタレート;テレフタル酸及び/又はその誘導体(ジメチルエステル等の低級アルキルエステル、酸無水物、酸クロライド等の酸ハライド等)を主として含むジカルボン酸成分と、エチレングリコールを含むジヒドロキシ成分との重縮合等により得られた共重合ポリエチレンテレフタレート等である。これらのうち、共重合ポリブチレンテレフタレートが特に好ましい。尚、共重合ポリブチレンテレフタレートは、上記のポリブチレンテレフタレート(PBT)に比し、実質的に、柔軟性があることが知られており、「ソフトPBT」とも呼ばれている。また、ジメチルテレフタレート、1,4−ブタンジオール及びポリテトラメチレングリコールの共重合体は、可撓性を付与した変性PBTとして知られている。
上記共重合ポリエチレンテレフタレートの製造に用いられるジカルボン酸成分は、その全量に対して、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上のテレフタル酸及び/又はその誘導体を含む。テレフタル酸及びその誘導体以外の、他のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸等上記の通りである。この他のジカルボン酸成分は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記共重合ポリエチレンテレフタレートの製造に用いられるジヒドロキシ成分は、その全量に対して、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは50質量%以上の1,4−ブタンジオールを含む。1,4−ブタンジオール以外の、他のジヒドロキシ成分としては、エチレングリコール等の直鎖状又は分岐鎖状の炭素数2〜12程度のアルキレングリコール等の脂肪族アルキレングリコール;芳香族ジオール;ポリオキシアルキレングリコール等上記の通りである。この他のジヒドロキシ成分は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において、特に好ましい共重合ポリブチレンテレフタレートは、以下に例示されるが、テレフタル酸及び/又はその誘導体を50質量%以上含むジカルボン酸成分と、1,4−ブタンジオール及び他のジヒドロキシ成分を含み、且つ、1,4−ブタンジオールを好ましくは50〜90質量%、より好ましくは60〜90質量%含むジヒドロキシ成分とを重縮合することにより得られた重合体であり、上記他のジヒドロキシ成分としては、ジエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリ(オキシ−アルキレン)単位を含み、繰り返し数が2〜4程度のオキシアルキレン単位を有するポリオキシアルキレングリコール等が好ましい。
(1)テレフタル酸及び/又はその誘導体からなるジカルボン酸成分と、1,4−ブタンジオール及び他のジヒドロキシ成分を含み、且つ、1,4−ブタンジオールを好ましくは50〜90質量%、より好ましくは60〜90質量%含むジヒドロキシ成分とを重縮合することにより得られた重合体。
(2)好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上のテレフタル酸及び/又はその誘導体と、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下のイソフタル酸及び/又はその誘導体からなるジカルボン酸成分と、1,4−ブタンジオール及び他のジヒドロキシ成分を含み、且つ、1,4−ブタンジオールを好ましくは50〜90質量%、より好ましくは60〜90質量%含むジヒドロキシ成分とを重縮合することにより得られた重合体。
(1)テレフタル酸及び/又はその誘導体からなるジカルボン酸成分と、1,4−ブタンジオール及び他のジヒドロキシ成分を含み、且つ、1,4−ブタンジオールを好ましくは50〜90質量%、より好ましくは60〜90質量%含むジヒドロキシ成分とを重縮合することにより得られた重合体。
(2)好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上のテレフタル酸及び/又はその誘導体と、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下のイソフタル酸及び/又はその誘導体からなるジカルボン酸成分と、1,4−ブタンジオール及び他のジヒドロキシ成分を含み、且つ、1,4−ブタンジオールを好ましくは50〜90質量%、より好ましくは60〜90質量%含むジヒドロキシ成分とを重縮合することにより得られた重合体。
上記共重合ポリブチレンテレフタレートのガラス転移温度は、好ましくは0℃〜75℃である。下限温度は、より好ましくは0℃超えである。また、上限温度は、好ましくは70℃未満、より好ましくは65℃未満、更に好ましくは60℃未満、特に好ましくは50℃未満である。このガラス転移温度が上記範囲にあると、樹脂成形部の機械的強度及び耐熱性に優れる。尚、上記ガラス転移温度は、動的粘弾性測定法により得ることができる。
上記共重合ポリブチレンテレフタレートの製造方法としては、テレフタル酸及び/又はその誘導体を含むジカルボン酸成分、1,4−ブタンジオールを含むジヒドロキシ成分等の原料成分を、単数若しくは複数のエステル化反応槽内で、チタン化合物、錫化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物、ジルコニウム化合物等からなるエステル化反応触媒の存在下に、通常、150℃〜280℃、好ましくは180℃〜265℃の温度、及び、通常、50〜1,000Torr(6,666〜133,322Pa)、好ましくは70〜760Torr(9,333〜101,325Pa)の圧力、の条件で、攪拌しながら2〜5時間エステル化反応させ、得られたエステル化反応生成物(オリゴマー)を重縮合反応槽に移送し、単数若しくは複数の重縮合反応槽内で、重縮合反応触媒の存在下に、通常、210℃〜280℃、好ましくは220℃〜265℃の温度、及び、通常、200Torr(26,664Pa)以下、好ましくは150Torr(19,998Pa)以下の圧力、の条件で、攪拌しながら2〜5時間重縮合反応させることができる。反応形式は、連続式、半連続式あるいは回分式のいずれであってもよい。
また、重縮合反応により得られた樹脂は、通常、重縮合反応槽の底部からポリマー抜き出しダイに移送されてストランド状に抜き出され、水冷されながら、あるいは、水冷後、カッターで切断されてペレット状、チップ状等の粒状体とされる。
また、重縮合反応により得られた樹脂は、通常、重縮合反応槽の底部からポリマー抜き出しダイに移送されてストランド状に抜き出され、水冷されながら、あるいは、水冷後、カッターで切断されてペレット状、チップ状等の粒状体とされる。
エーテル結合を含む熱可塑性樹脂としては、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。
上記のように、成分〔A〕は、チオエーテル結合を含む熱可塑性樹脂、アミド結合を含む熱可塑性樹脂、エステル結合を含む熱可塑性樹脂、エーテル結合を含む熱可塑性樹脂等のうちの2種以上からなるものであってもよい。その場合、各樹脂のあいだの相溶性を改良する目的で、前処理されていてよいし、相溶化剤が用いられていてもよい。
上記成分〔A〕としては、下記の樹脂が好ましい。
(i)チオエーテル結合を含む熱可塑性樹脂
(ii)チオエーテル結合を含む熱可塑性樹脂、及び、アミド結合を含む熱可塑性樹脂を組み合わせてなる樹脂
(iii)エステル結合を含む熱可塑性樹脂
(i)チオエーテル結合を含む熱可塑性樹脂
(ii)チオエーテル結合を含む熱可塑性樹脂、及び、アミド結合を含む熱可塑性樹脂を組み合わせてなる樹脂
(iii)エステル結合を含む熱可塑性樹脂
上記成分〔A〕が態様(ii)である場合、チオエーテル結合を含む熱可塑性樹脂、及び、アミド結合を含む熱可塑性樹脂の含有割合は、両者の合計を100質量%とした場合に、それぞれ、好ましくは40〜90質量%及び60〜10質量%、より好ましくは60〜90質量%及び40〜10質量%、更に好ましくは70〜90質量%及び30〜10質量%である。各樹脂の含有割合が、上記範囲にあると、得られる樹脂成形部の耐熱性、耐衝撃性、放熱性、及び、耐ブリスター性、光に対する反射特性のあいだのバランスに優れる。
尚、チオエーテル結合を含む熱可塑性樹脂としては、ポリフェニレンサルファイドが好ましく、アミド結合を含む熱可塑性樹脂としては、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン4,6)が好ましい。
尚、チオエーテル結合を含む熱可塑性樹脂としては、ポリフェニレンサルファイドが好ましく、アミド結合を含む熱可塑性樹脂としては、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン4,6)が好ましい。
次に、上記熱可塑性樹脂組成物に含有される成分〔B〕、即ち、窒化ホウ素は、六方晶構造(h−BN)、閃亜鉛鉱構造(c−BN)、ウルツ鉱構造(w−BN)、菱面体晶構造(r−BN)等の複数の安定構造を有するものであれば、特に限定されない。本発明においては、いずれの窒化ホウ素も用いることができるが、六方晶構造の窒化ホウ素が好ましい。六方晶構造の窒化ホウ素を含む樹脂成形部は、放熱性、熱伝導性、耐熱性及び絶縁性に優れる。従って、例えば、この樹脂成形部を備える、LED実装用基板とした場合、及び、LED用リフレクターとした場合、のいずれにおいても、上記効果が顕著となる。また、上記樹脂成形部を得る際に用いる金型の摩耗を低減することができる。
上記成分〔B〕の純度は、好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上である。
上記成分〔B〕の純度は、好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上である。
上記成分〔B〕の体積平均粒子径は、放熱性、熱伝導性、耐熱性及び絶縁性の観点から、好ましくは2〜100μm、より好ましくは3〜50μm、更に好ましくは5〜30μm、特に好ましくは12〜20μmである。特に、体積平均粒子径が12〜20μmの範囲にある窒化ホウ素を用いると、12μmより小さい粒径の窒化ホウ素に比べて、更に優れた放熱性、熱伝導性及び耐熱性を得ることができる。また、20μmより大きい粒径の窒化ホウ素に比べて、優れた耐衝撃性及び流動性を有し、樹脂成形部及び金属製部材の接着性に優れた複合体を得ることができる。尚、上記体積平均粒子径は、レーザー回折法、液相沈降法(光透過法)等により測定することができる。
また、放熱性、耐熱性、熱伝導性及び絶縁性の観点から、上記成分〔B〕の粒度分布を測定して得られた累積体積が10%であるときの粒子径D10は、好ましくは3〜8μm、より好ましくは4〜8μm、更に好ましくは4〜7μm、特に好ましくは4〜6μmであり、同累積体積が90%であるときの粒子径D90は、好ましくは10μm以上、より好ましくは20〜60μm、更に好ましくは30〜55μm、特に好ましくは35〜50μmである。また、D10とD90の比D90/D10は、好ましくは3〜15、より好ましくは6〜12、更に好ましくは7〜11である。これにより、更に優れた放熱性、熱伝導性、耐熱性及び絶縁性を得ることができる。
上記成分〔B〕の比表面積は、放熱性、熱伝導性、耐熱性及び絶縁性の観点から、好ましくは8m2/g以下、より好ましくは1〜4m2/g、更に好ましくは1.5〜3m2/gである。
また、上記成分〔B〕のアスペクト比は、好ましくは3以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは5〜10である。
また、上記成分〔B〕のタップ密度は、好ましくは0.5g/cm3以上、より好ましくは0.7g/cm3以上である。
更に、上記成分〔B〕のL値は、好ましくは93以上、より好ましくは95以上である。
上記成分〔B〕の性質について、上記各範囲とすることにより、放熱性、熱伝導性、及び光に対する反射特性に優れた樹脂成形部を得ることができる。尚、上記各範囲を構成するものであれば、異なる種類の窒化ホウ素を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、上記成分〔B〕は、一次粒子が凝集している凝集タイプのものより、分散しているものの方が好ましい。
また、上記成分〔B〕のアスペクト比は、好ましくは3以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは5〜10である。
また、上記成分〔B〕のタップ密度は、好ましくは0.5g/cm3以上、より好ましくは0.7g/cm3以上である。
更に、上記成分〔B〕のL値は、好ましくは93以上、より好ましくは95以上である。
上記成分〔B〕の性質について、上記各範囲とすることにより、放熱性、熱伝導性、及び光に対する反射特性に優れた樹脂成形部を得ることができる。尚、上記各範囲を構成するものであれば、異なる種類の窒化ホウ素を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、上記成分〔B〕は、一次粒子が凝集している凝集タイプのものより、分散しているものの方が好ましい。
上記熱可塑性樹脂組成物に含有される成分〔A〕及び〔B〕の含有割合は、これらの合計を100質量%とした場合に、15〜80質量%及び20〜85質量%であり、好ましくは15〜70質量%及び30〜85質量%、より好ましくは30〜70質量%及び30〜70質量%である。成分〔A〕及び〔B〕の含有割合が、上記範囲にあると、得られる樹脂成形部は、放熱性、熱伝導性、絶縁性及び耐熱性に優れる。
上記熱可塑性樹脂組成物は、得られる複合体の用途等に応じて、添加剤を含有していてもよい。この添加剤としては、充填剤、着色剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、離型剤、抗菌剤、結晶核剤、流動改質剤、衝撃改質剤、エステル交換抑制剤等が挙げられ、いずれも公知の化合物を用いることができる。尚、上記熱可塑性樹脂組成物を、LED実装用基板、LED用リフレクター等、白色系の樹脂成形部の形成に用いる場合には、該組成物が白色系の色を維持できるように、添加剤を選択することが好ましい。
上記充填剤は、一般に、その種類、形状等によって、得られる効果は異なるため、目的、用途等に応じて、適宜、選択される。例えば、複合体に含まれる樹脂成形部の剛性を、高温下(例えば、250℃〜280℃)において数秒間(例えば、3〜6秒間)維持するために、繊維状充填剤を用いることができる。
繊維状充填剤としては、ガラス繊維、セラミックウィスカー等の無機繊維、並びに、炭素繊維、アラミド繊維等の有機繊維が挙げられる。
繊維状充填剤としては、ガラス繊維、セラミックウィスカー等の無機繊維、並びに、炭素繊維、アラミド繊維等の有機繊維が挙げられる。
上記複合体、例えば、LED実装用基板、LED用リフレクター等が、例えば、250℃〜280℃の範囲の温度において3〜6秒間保持されるリフロー炉において製造される場合、上記複合体に含まれる樹脂成形部の剛性を上記条件において維持するために、繊維状充填剤が無機繊維であることが好ましい。剛性が維持されると、樹脂成形部の変形が生じにくく好ましい。特に、上記用途において、白色性が要求される樹脂成形部に用いる場合には、繊維状充填剤としては、ガラス繊維が特に好ましい。
上記ガラス繊維を構成するガラスの組成は、特に限定されないが、例えば、珪酸塩ガラス、ホウ珪酸ガラス、燐酸塩ガラス等が挙げられる。また、ガラスの種類としては、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Mガラス、ARガラス、Lガラス等が挙げられるが、これらのうち、Eガラス及びCガラスが好ましい。上記ガラス繊維は、表面処理剤、フィルム形成剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤等のサイジング剤を用いてなるものであってもよい。
表面処理剤としては、アミン系、シラン系、エポキシ系等のカップリング剤が挙げられる。
表面処理剤としては、アミン系、シラン系、エポキシ系等のカップリング剤が挙げられる。
上記ガラス繊維は、ロービングを用いた長繊維タイプでもよく、チョップドストランドであってもよい。
上記ガラス繊維が、樹脂成形部を形成する熱可塑性樹脂組成物に配合される場合、該組成物の調製に用いるガラス繊維の平均長さは、好ましくは1〜10mm、より好ましくは2〜6mmである。また、平均径は、好ましくは5〜25μm、より好ましくは8〜20μmである。そして、この熱可塑性樹脂組成物を用いて得られた樹脂成形部に含まれるガラス繊維の残存平均繊維長は、好ましくは150〜1,000μm、より好ましくは200〜800μm、更に好ましくは250〜700μmである。残存平均繊維長が上記の範囲にあると、上記範囲の温度における剛性が一段と優れた複合体とすることができる。
尚、上記残存平均繊維長は、例えば、樹脂成形部の一部を切り出し、これを800℃に加熱して樹脂成分を分解した後、残ったガラス繊維の繊維長を画像分析することにより測定される。
上記ガラス繊維が、樹脂成形部を形成する熱可塑性樹脂組成物に配合される場合、該組成物の調製に用いるガラス繊維の平均長さは、好ましくは1〜10mm、より好ましくは2〜6mmである。また、平均径は、好ましくは5〜25μm、より好ましくは8〜20μmである。そして、この熱可塑性樹脂組成物を用いて得られた樹脂成形部に含まれるガラス繊維の残存平均繊維長は、好ましくは150〜1,000μm、より好ましくは200〜800μm、更に好ましくは250〜700μmである。残存平均繊維長が上記の範囲にあると、上記範囲の温度における剛性が一段と優れた複合体とすることができる。
尚、上記残存平均繊維長は、例えば、樹脂成形部の一部を切り出し、これを800℃に加熱して樹脂成分を分解した後、残ったガラス繊維の繊維長を画像分析することにより測定される。
また、上記充填剤として、ガラス繊維を用いる場合、上記熱可塑性樹脂組成物におけるガラス繊維の含有量は、上記成分〔A〕及び〔B〕の合計量を100質量部とした場合に、好ましくは5〜30質量部、より好ましくは5〜25質量部、更に好ましくは8〜20質量部である。ガラス繊維の含有量が上記範囲にあると、高温下(例えば、250℃〜280℃)における樹脂成形部の剛性の維持に優れるとともに、耐衝撃性にも優れる。
上記着色剤としては、酸化チタン等の無機顔料、有機顔料及び染料のいずれを用いてもよい。また、これらを組み合わせて用いてもよい。また、通常、充填剤等として用いられる白色系化合物である、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、チタン酸カルシウム等を用いてもよい。
上記熱可塑性樹脂組成物が、着色剤を含有する場合、その含有量は、上記成分〔A〕及び〔B〕の合計量を100質量部とした場合に、好ましくは5〜20質量部、より好ましくは5〜15質量部、更に好ましくは7〜15質量部である。
上記熱可塑性樹脂組成物が、着色剤を含有する場合、その含有量は、上記成分〔A〕及び〔B〕の合計量を100質量部とした場合に、好ましくは5〜20質量部、より好ましくは5〜15質量部、更に好ましくは7〜15質量部である。
上記光安定剤としては、ヒンダードアミン系化合物、セミカルバゾン系化合物等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ヒンダードアミン系化合物としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−〔2−{3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−4−{3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,2,3−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ{〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチル−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)マロネート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールと、トリデシルアルコールとの縮合物、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールと、トリデシルアルコールとの縮合物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールと、β,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールと、β,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−n−ブチル−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)マロネート、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−n−ブチル−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)マロネート、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチル−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)マロネート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,2‐ビス(3−オキソ−2,2,6,6‐テトラメチル−4−ピペリジル)エタン、1−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)ペンタン、ポリ〔1−オキシエチレン(2,2,6,6−テトラメチル−1,4−ピペリジル)オキシスクシニル〕、ポリ〔2−(1,1,4−トリメチルブチルイミノ)−4,6−トリアジンジイル−(2,2,6,6‐テトラメチル−4−ピペリジル)イミノヘキサメチレン−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス〔N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ〕−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物等が挙げられる。
また、セミカルバゾン系化合物としては、1,6−ヘキサメチレンビス−(N,N−ジメチルセミカルバジド)、1,1,1’,1’−テトラメチル−4,4’−(メチレンジ−p−フェニレン)ジセミカルバジド等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂組成物が、光安定剤を含有する場合、その含有量は、上記熱可塑性樹脂の量を100質量部とした場合に、好ましくは0.3〜5質量部、より好ましくは0.5〜4質量部、更に好ましくは0.5〜2質量部である。光安定剤をこの範囲で用いると、長期に渡って、高い光線反射率を維持することのできる樹脂成形部を得ることができる。
上記熱安定剤としては、ホスファイト系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、チオエーテル系化合物等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ホスファイト系化合物としては、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスフォナイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビスステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチル−1−フェニルオキシ)(2−エチルヘキシルオキシ)ホスホラス、テトラ(トリデシル)−4,4’−ブチリデン−ビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェニル)ジホスファイト、ヘキサトリデシル−1,1,3−トリス(3−tert−ブチル−6−メチル−4−オキシフェニル)−3−メチルプロパントリホスファイト、モノ(ジノニルフェニル)モノ−p−ノニルフェニルホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリスデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト等が挙げられる。
また、ヒンダードフェノール系化合物としては、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、グリセリントリス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォネート、カルシウムジエチルビス[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォネート、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2,6−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂組成物が、熱安定剤を含有する場合、その含有量は、上記熱可塑性樹脂の量を100質量部とした場合に、好ましくは0.3〜5質量部、より好ましくは0.5〜4質量部、更に好ましくは0.5〜2質量部である。熱安定剤をこの範囲で用いると、加工時及び長期使用時においても、変色、劣化等が発生しにくい樹脂成形部を得ることができる。
上記エステル交換抑制剤は、熱可塑性樹脂としてポリエステル樹脂が用いられる場合に含有させることができる。このエステル交換抑制剤としては、特に限定されないが、P−O結合を有するリン酸系化合物が好ましく用いられる。その具体例としては、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、次亜リン酸及びピロリン酸並びにこれらの誘導体、シリルホスフェート等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂組成物が、エステル交換抑制剤を含有する場合、その含有量は、上記熱可塑性樹脂の量を100質量部とした場合に、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.02〜3質量部、更に好ましくは0.03〜1質量部である。エステル交換抑制剤をこの範囲で用いると、成形加工時の熱による劣化が抑制され、耐衝撃性、白色度及び光沢性に優れた樹脂成形部を得ることができる。
上記熱可塑性樹脂組成物が、エステル交換抑制剤を含有する場合、その含有量は、上記熱可塑性樹脂の量を100質量部とした場合に、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.02〜3質量部、更に好ましくは0.03〜1質量部である。エステル交換抑制剤をこの範囲で用いると、成形加工時の熱による劣化が抑制され、耐衝撃性、白色度及び光沢性に優れた樹脂成形部を得ることができる。
上記熱可塑性樹脂組成物は、上記の成分〔A〕、〔B〕、添加剤等を各種押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、連続ニーダー、ロール等に投入し、加熱下で溶融混練することにより得られる。
本発明は、金型の内部に、トリアジン系化合物を用いて処理された金属製部材を配置し、溶融状態にある熱可塑性樹脂組成物を、キャビティ空間に注入して、金属製部材の表面の少なくとも一部に、樹脂成形部を形成するものである。
上記金属製部材は、金属又は合金(以下、併せて「金属」という。)からなる所定形状体の表面が、トリアジン系化合物によって処理されたものである。この金属としては、銅(無酸素銅等)及びそれを含む合金(黄銅、青銅、アルミ黄銅等)、アルミニウム及びそれを含む合金(アルミニウム合金)、ニッケル、クロム、チタン、鉄、コバルト、スズ、亜鉛、パラジウム、銀、ステンレス、マグネシウム、マンガン等が挙げられる。これらのうち、銅、銅合金及びアルミニウムが、溶着強度の観点から好ましい。これらを用いると、金属製部材と、樹脂成形部との接着強度が一段と優れる。
上記金属製部材の形状は、平板状、曲板状、棒状、筒状、塊状等とすることができ、これらの組み合わせからなる構造体であってもよい。また、貫通穴、折り曲げ部等を有してもよい。更に、樹脂成形部が形成されることとなる、金属製部材の表面形状は、特に限定されないが、平面、曲面、凹凸面、角部、尖状部等が挙げられる。尚、上記のように、樹脂成形部の形成は、金属製部材の表面の一部であってよいし、全面であってもよい。
上記金属製部材の形状は、平板状、曲板状、棒状、筒状、塊状等とすることができ、これらの組み合わせからなる構造体であってもよい。また、貫通穴、折り曲げ部等を有してもよい。更に、樹脂成形部が形成されることとなる、金属製部材の表面形状は、特に限定されないが、平面、曲面、凹凸面、角部、尖状部等が挙げられる。尚、上記のように、樹脂成形部の形成は、金属製部材の表面の一部であってよいし、全面であってもよい。
上記トリアジン系化合物としては、下記式(10)〜(20)で表される化合物等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのうち、上記式(10)〜(17)で表されるトリアジンチオール系化合物が好ましい。
上記金属製部材に対する前処理の具体的な方法は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、エチルセルソルブ、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン等の有機溶剤を溶媒とした上記トリアジン系化合物の溶液を電着溶液として用い、金属製部材を陽極に、白金、チタン又はカーボンからなる板等を陰極として通電する電気化学的表面処理であり、これにより、上記トリアジン系化合物の皮膜形成を行うことができる。電圧及び電流を調整することにより、皮膜の厚さが10〜1,000Åである金属製部材とすることが好ましい。
上記トリアジン系化合物を用いる前処理は、少なくとも樹脂成形部を形成することとなる金属製部材表面に対して行えばよい。
上記トリアジン系化合物を用いる前処理は、少なくとも樹脂成形部を形成することとなる金属製部材表面に対して行えばよい。
本発明において、上記の熱可塑性樹脂組成物及び金属製部材を用いて、例えば、図1〜図23に示される複合体を製造することができる。
図1は、板状の複合体1を示す概略断面図であり、平板状の金属製部材11と、この金属製部材11の一面側に形成された樹脂成形部12とを備える態様である。この図面における樹脂成形部12の上側には、凸部、凹部等が形成されていてもよい。
図2は、板状の複合体1を示す概略断面図であり、平板状の金属製部材11と、この金属製部材11の一面側、及び、全端面を被覆するように形成された樹脂成形部12とを備える態様である。この図面における樹脂成形部12の上側には、凸部、凹部等が形成されていてもよい。
図3は、板状の複合体1を示す概略断面図であり、2つの平板状の金属製部材11と、この金属製部材11の全端面を被覆するように形成された樹脂成形部12とを備える態様である。また、図3の複合体1は、金属製部材11が貫通孔を有する円板等であり、樹脂成形部12が、該貫通孔に埋設された部分と、金属製部材11の外周表面に形成された部分とからなる態様とすることもできる。
図1は、板状の複合体1を示す概略断面図であり、平板状の金属製部材11と、この金属製部材11の一面側に形成された樹脂成形部12とを備える態様である。この図面における樹脂成形部12の上側には、凸部、凹部等が形成されていてもよい。
図2は、板状の複合体1を示す概略断面図であり、平板状の金属製部材11と、この金属製部材11の一面側、及び、全端面を被覆するように形成された樹脂成形部12とを備える態様である。この図面における樹脂成形部12の上側には、凸部、凹部等が形成されていてもよい。
図3は、板状の複合体1を示す概略断面図であり、2つの平板状の金属製部材11と、この金属製部材11の全端面を被覆するように形成された樹脂成形部12とを備える態様である。また、図3の複合体1は、金属製部材11が貫通孔を有する円板等であり、樹脂成形部12が、該貫通孔に埋設された部分と、金属製部材11の外周表面に形成された部分とからなる態様とすることもできる。
図4は、平板状の金属製部材11aと、この金属製部材11aの一面側に形成された、凹部125を有する樹脂成形部12aと、この樹脂成形部12aにおける、図面で上側表面に配設された2つの金属製部材11bとを備える複合体1を示す概略断面図である。
図5は、平板状の金属製部材11aと、この金属製部材11aの一面側に形成された、凹部125を有する樹脂成形部12aと、この樹脂成形部12aの凹部125内の側壁を横方向に貫通して配設された2つの金属製部材11bとを備える複合体1を示す概略断面図である。
図6は、上下方向に貫通孔を有する金属製部材11cと、貫通孔に埋設した樹脂成形部12bと、この樹脂成形部12bを縦方向に貫通して配設された金属製部材11bとを備える複合体1を示す概略断面図である。
図7は、上下方向に貫通孔を有する金属製部材11cと、貫通孔に埋設するとともに且つ図面で上側表面に配設され連続相を形成する樹脂成形部12cと、この樹脂成形部12cの埋設部を縦方向に貫通して配設された金属製部材11cとを備える複合体1を示す概略断面図である。
図5は、平板状の金属製部材11aと、この金属製部材11aの一面側に形成された、凹部125を有する樹脂成形部12aと、この樹脂成形部12aの凹部125内の側壁を横方向に貫通して配設された2つの金属製部材11bとを備える複合体1を示す概略断面図である。
図6は、上下方向に貫通孔を有する金属製部材11cと、貫通孔に埋設した樹脂成形部12bと、この樹脂成形部12bを縦方向に貫通して配設された金属製部材11bとを備える複合体1を示す概略断面図である。
図7は、上下方向に貫通孔を有する金属製部材11cと、貫通孔に埋設するとともに且つ図面で上側表面に配設され連続相を形成する樹脂成形部12cと、この樹脂成形部12cの埋設部を縦方向に貫通して配設された金属製部材11cとを備える複合体1を示す概略断面図である。
図8は、平板状の金属製部材11と、この金属製部材11の一面側に形成された、凹部125を有する樹脂成形部12とを備える複合体1を示す概略断面図である。
図9は、平板状の金属製部材11と、この金属製部材11の一面側、即ち、該金属製部材11の上面側、及び、全端面を被覆するように形成された、上側に凹部125を有する樹脂成形部12とを備え、金属製部材11が、樹脂成形部12における凹部125の底面及び内壁面の全ての下側に配設された複合体1を示す概略断面図である。
図10は、2つの平板状の金属製部材11と、これらの金属製部材11の一面側、即ち、該金属製部材11の上面側、及び、全端面を被覆するように形成された、上側に凹部125を有する樹脂成形部12とを備え、金属製部材11が、樹脂成形部12における凹部125の内壁面の下側に配設された複合体1を示す概略断面図である。また、図10の複合体1は、金属製部材11が貫通孔を有する輪状体等であり、この金属製部材11が、樹脂成形部12における凹部125の内壁面の下方側に配設された態様とすることもできる。
図11は、平板状の金属製部材11と、この金属製部材11の一面側、即ち、該金属製部材11の上面側、及び、全端面を被覆するように形成された、上側に凹部125を有する樹脂成形部12とを備え、金属製部材11が、樹脂成形部12における凹部125の底面の下側に配設された複合体1を示す概略断面図である。
図12は、平板状の金属製部材11と、この金属製部材11を包埋するように形成された、上側に凹部125を有する樹脂成形部12とを備え、金属製部材11が、樹脂成形部12における凹部125の底面及び内壁面の下方側に配設された複合体1を示す概略断面図である。尚、金属製部材11の表面の少なくとも一部は、図面の手前側及び/又は裏面側において露出している。
図13は、2つの平板状の金属製部材11と、これらの金属製部材11を包埋するように形成された、上側に凹部125を有する樹脂成形部12とを備え、金属製部材11が、樹脂成形部12における凹部125の内壁面の下方側に配設された複合体1を示す概略断面図である。また、図13の複合体1は、金属製部材11が貫通孔を有する輪状体等であり、この金属製部材11が、樹脂成形部12における凹部125の内壁面の下側に埋設された態様とすることもできる。尚、金属製部材11の表面の少なくとも一部は、図面の手前側及び/又は裏面側において露出している。
図14は、平板状の金属製部材11と、この金属製部材11を包埋するように形成された、上側に凹部125を有する樹脂成形部12とを備え、金属製部材11が、樹脂成形部12における凹部125の底面の下側に埋設された複合体1を示す概略断面図である。尚、金属製部材11の表面の少なくとも一部は、図面の手前側及び/又は裏面側において露出している。
尚、図8〜図14において、凹部125の形状は、階段状に示されているが、これに限定されず、直線であってよいし、曲線であってもよい。以下、他の図面においても同様である。
図9は、平板状の金属製部材11と、この金属製部材11の一面側、即ち、該金属製部材11の上面側、及び、全端面を被覆するように形成された、上側に凹部125を有する樹脂成形部12とを備え、金属製部材11が、樹脂成形部12における凹部125の底面及び内壁面の全ての下側に配設された複合体1を示す概略断面図である。
図10は、2つの平板状の金属製部材11と、これらの金属製部材11の一面側、即ち、該金属製部材11の上面側、及び、全端面を被覆するように形成された、上側に凹部125を有する樹脂成形部12とを備え、金属製部材11が、樹脂成形部12における凹部125の内壁面の下側に配設された複合体1を示す概略断面図である。また、図10の複合体1は、金属製部材11が貫通孔を有する輪状体等であり、この金属製部材11が、樹脂成形部12における凹部125の内壁面の下方側に配設された態様とすることもできる。
図11は、平板状の金属製部材11と、この金属製部材11の一面側、即ち、該金属製部材11の上面側、及び、全端面を被覆するように形成された、上側に凹部125を有する樹脂成形部12とを備え、金属製部材11が、樹脂成形部12における凹部125の底面の下側に配設された複合体1を示す概略断面図である。
図12は、平板状の金属製部材11と、この金属製部材11を包埋するように形成された、上側に凹部125を有する樹脂成形部12とを備え、金属製部材11が、樹脂成形部12における凹部125の底面及び内壁面の下方側に配設された複合体1を示す概略断面図である。尚、金属製部材11の表面の少なくとも一部は、図面の手前側及び/又は裏面側において露出している。
図13は、2つの平板状の金属製部材11と、これらの金属製部材11を包埋するように形成された、上側に凹部125を有する樹脂成形部12とを備え、金属製部材11が、樹脂成形部12における凹部125の内壁面の下方側に配設された複合体1を示す概略断面図である。また、図13の複合体1は、金属製部材11が貫通孔を有する輪状体等であり、この金属製部材11が、樹脂成形部12における凹部125の内壁面の下側に埋設された態様とすることもできる。尚、金属製部材11の表面の少なくとも一部は、図面の手前側及び/又は裏面側において露出している。
図14は、平板状の金属製部材11と、この金属製部材11を包埋するように形成された、上側に凹部125を有する樹脂成形部12とを備え、金属製部材11が、樹脂成形部12における凹部125の底面の下側に埋設された複合体1を示す概略断面図である。尚、金属製部材11の表面の少なくとも一部は、図面の手前側及び/又は裏面側において露出している。
尚、図8〜図14において、凹部125の形状は、階段状に示されているが、これに限定されず、直線であってよいし、曲線であってもよい。以下、他の図面においても同様である。
図15の複合体1は、図8の態様に対して、更に、この樹脂成形部12の凹部125内の側壁を横方向に貫通して配設された2つの金属製部材11bを備える態様を示す概略断面図である。
図16の複合体1は、図9の態様に対して、更に、この樹脂成形部12aの凹部125内の側壁を横方向に貫通して配設された2つの金属製部材11bを備える態様を示す概略断面図である。
図17の複合体1は、図10の態様に対して、更に、この樹脂成形部12aの凹部125内の側壁を横方向に貫通して配設された2つの金属製部材11bを備える態様を示す概略断面図である。
図18の複合体1は、図11の態様に対して、更に、この樹脂成形部12aの凹部125内の側壁を横方向に貫通して配設された2つの金属製部材11bを備える態様を示す概略断面図である。
図16の複合体1は、図9の態様に対して、更に、この樹脂成形部12aの凹部125内の側壁を横方向に貫通して配設された2つの金属製部材11bを備える態様を示す概略断面図である。
図17の複合体1は、図10の態様に対して、更に、この樹脂成形部12aの凹部125内の側壁を横方向に貫通して配設された2つの金属製部材11bを備える態様を示す概略断面図である。
図18の複合体1は、図11の態様に対して、更に、この樹脂成形部12aの凹部125内の側壁を横方向に貫通して配設された2つの金属製部材11bを備える態様を示す概略断面図である。
図19は、凹部126を有し、円形又は角形の平板状樹脂成形部12dと、この樹脂成形部12dの凹部126内の側壁を横方向に貫通して配設された2つの金属製部材11bを備える態様を示す概略断面図である。
図20は、凹部126を有し、円形又は角形の皿状樹脂成形部12dと、この樹脂成形部12dの凹部126内の側壁を横方向に貫通して配設された2つの金属製部材11bを備える態様を示す概略断面図である。
図21は、樹脂成形部12dが円形である、図19及び図20の複合体1の上面図の一例である。上記のように、樹脂成形部12dは角形であってもよい。
図22は、凹部126を有する円形又は角形の樹脂成形部12dと、この樹脂成形部12dの凹部126内の側壁を縦方向に貫通して配設された2つの金属製部材11bを備える態様を示す概略断面図である。
図23は、凹部126を有し、円形又は角形の平板状樹脂成形部12dと、この樹脂成形部12dの外周側が露出するように配設された、平面状又は曲面状の金属製部材11eを備える態様を示す概略断面図である。また、図23の複合体1は、金属製部材11が円筒等であり、この金属製部材11が、樹脂成形部12dにおける凹部126の中心と同軸として、樹脂成形部12dに埋設された態様とすることもできる。
図20は、凹部126を有し、円形又は角形の皿状樹脂成形部12dと、この樹脂成形部12dの凹部126内の側壁を横方向に貫通して配設された2つの金属製部材11bを備える態様を示す概略断面図である。
図21は、樹脂成形部12dが円形である、図19及び図20の複合体1の上面図の一例である。上記のように、樹脂成形部12dは角形であってもよい。
図22は、凹部126を有する円形又は角形の樹脂成形部12dと、この樹脂成形部12dの凹部126内の側壁を縦方向に貫通して配設された2つの金属製部材11bを備える態様を示す概略断面図である。
図23は、凹部126を有し、円形又は角形の平板状樹脂成形部12dと、この樹脂成形部12dの外周側が露出するように配設された、平面状又は曲面状の金属製部材11eを備える態様を示す概略断面図である。また、図23の複合体1は、金属製部材11が円筒等であり、この金属製部材11が、樹脂成形部12dにおける凹部126の中心と同軸として、樹脂成形部12dに埋設された態様とすることもできる。
複合体の製造に用いる金型としては、通常の射出成形に用いられる金型を適用することができる。従って、金型の構造及びその構成材料は、特に限定されない。
上記金型は、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物を注入する導入口及びそのための部品が配設された固定型と、成形品(複合体)を取り出す等の目的で、開閉の往復運動をする可動型とを備える(図24及び図25参照)。上記固定型は、所定の目的を達するものであれば、複数の型を組み合わせてなるものであってもよい。また、上記可動型は、その内部において、表面処理された金属製部材が固定され、熱可塑性樹脂組成物を注入する際に、射出圧に耐えうる圧力で閉め(型閉じし)、成形後は、成形品(複合体)を取り出すために開く(型開きする)。更に、上記の固定型及び可動型は、加熱装置、冷却装置等を備えてもよい。
上記金型としては、ツープレート金型、スリープレート金型等のいずれでもよい。また、上記金型の構成材料は、通常、ステンレス、ニッケル、ニッケル合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等である。
上記金型は、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物を注入する導入口及びそのための部品が配設された固定型と、成形品(複合体)を取り出す等の目的で、開閉の往復運動をする可動型とを備える(図24及び図25参照)。上記固定型は、所定の目的を達するものであれば、複数の型を組み合わせてなるものであってもよい。また、上記可動型は、その内部において、表面処理された金属製部材が固定され、熱可塑性樹脂組成物を注入する際に、射出圧に耐えうる圧力で閉め(型閉じし)、成形後は、成形品(複合体)を取り出すために開く(型開きする)。更に、上記の固定型及び可動型は、加熱装置、冷却装置等を備えてもよい。
上記金型としては、ツープレート金型、スリープレート金型等のいずれでもよい。また、上記金型の構成材料は、通常、ステンレス、ニッケル、ニッケル合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等である。
複合体の製造に用いる金型の一例を以下に示す。
図19に示す複合体は、図24に示す金型を用いて製造することができる。図24の金型3は、互いに対称形状を有する2箇所の凹部(キャビティ)を有する、通常、可動型であるコア型31と、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物を導入するための導入口を備える樹脂導入口付き固定型32a、及び、コア型31の上記凹部と共通の空間を形成するキャビティを有するキャビティ付き固定型32bが一体化してなる、通常、固定型であるキャビティ型32と、を備える概略断面図である。複合体の製造に際しては、この金型3において、2つの金属製部材11の端部を、コア型31において縦方向に設けられた凹部に嵌合させた状態で、型閉じし、上記金型3のキャビティ空間に、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物を注入(射出)する。
図19に示す複合体は、図24に示す金型を用いて製造することができる。図24の金型3は、互いに対称形状を有する2箇所の凹部(キャビティ)を有する、通常、可動型であるコア型31と、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物を導入するための導入口を備える樹脂導入口付き固定型32a、及び、コア型31の上記凹部と共通の空間を形成するキャビティを有するキャビティ付き固定型32bが一体化してなる、通常、固定型であるキャビティ型32と、を備える概略断面図である。複合体の製造に際しては、この金型3において、2つの金属製部材11の端部を、コア型31において縦方向に設けられた凹部に嵌合させた状態で、型閉じし、上記金型3のキャビティ空間に、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物を注入(射出)する。
金型に導入する熱可塑性樹脂組成物の樹脂温度は、溶融状態にあれば、特に限定されない。熱可塑性樹脂の種類により選択され、通常、230℃〜330℃である。また、金型の温度も、特に限定されず、好ましくは40℃〜150℃である。更に、金属製部材は、予め、加熱しておいてもよいが、本発明においては、予熱なしで、熱可塑性樹脂組成物を注入することができる。
上記熱可塑性樹脂組成物が、キャビティ空間に満たされた直後から、注入された樹脂組成物が固化するまでの間、所定圧力を一定時間加えることができる。その圧力(保圧、樹脂圧)は、好ましくは50〜150MPa、より好ましくは70〜100MPaである。
キャビティ空間の形状に応じた樹脂成形部が形成された後、金型の冷却及び型開きを順次行い、金属製部材と、この金属製部材の表面の少なくとも一部に形成された樹脂成形部とを備える複合体を得ることができる。
この複合体は、金属製部材及び樹脂成形部の接合部(接合面)において、トリアジン系化合物を介して、両者が化学結合した構成となっているので、両者間の高い接着性(密着性)が得られている。また、上記複合体においては、熱履歴を付与された場合に、樹脂成形部の変形及び破壊、樹脂成形部及び金属製部材の分離等が抑制され、耐熱性及び放熱性(金属製部材からの熱放射、樹脂成形部からの熱放射、及び、熱伝導により金属製部材又は樹脂成形部の低温部側に熱を逃がすこと)に優れる。樹脂成形部及び金属製部材のいずれの部位に熱の負荷を受けても、他方の部位への熱伝導が良好であり、複合体の変形等の不良現象を招くことなく、効率よく熱を外部に逃がすことができる。
キャビティ空間の形状に応じた樹脂成形部が形成された後、金型の冷却及び型開きを順次行い、金属製部材と、この金属製部材の表面の少なくとも一部に形成された樹脂成形部とを備える複合体を得ることができる。
この複合体は、金属製部材及び樹脂成形部の接合部(接合面)において、トリアジン系化合物を介して、両者が化学結合した構成となっているので、両者間の高い接着性(密着性)が得られている。また、上記複合体においては、熱履歴を付与された場合に、樹脂成形部の変形及び破壊、樹脂成形部及び金属製部材の分離等が抑制され、耐熱性及び放熱性(金属製部材からの熱放射、樹脂成形部からの熱放射、及び、熱伝導により金属製部材又は樹脂成形部の低温部側に熱を逃がすこと)に優れる。樹脂成形部及び金属製部材のいずれの部位に熱の負荷を受けても、他方の部位への熱伝導が良好であり、複合体の変形等の不良現象を招くことなく、効率よく熱を外部に逃がすことができる。
本発明は、下記態様の複合体の製造方法であることが好ましい。
(a)金属製部材と、該金属製部材の少なくとも一方の面に形成された樹脂成形部とを備える板状のLED実装用基板。
この態様としては、図1〜図3の複合体1に例示される。図1〜図3において、LED素子が金属製部材11の側に配設された場合、LED素子の発光時、金属製部材11だけでなく、樹脂成形部12から放熱させることができる。また、LED素子が樹脂成形部12の側に配設された場合、LED素子の発光時、樹脂成形部12だけでなく、金属製部材11から放熱させることができる。
尚、この態様(a)のLED実装用基板において、上記樹脂成形部12は、その内部底面にLED素子を配設するために断面形状が凹状であるリフレクター部を備えてもよい(リフレクター部付きLED実装用基板。図8〜図14参照)。このリフレクター部の内壁面により、発光したLED素子の光を反射させ、高輝度を得ることができる。図8〜図11のLED実装用基板において、LED素子が樹脂成形部12における凹部125の底面に配設された場合、LED素子の発光時、樹脂成形部12の他の部位だけでなく、金属製部材11から放熱させることができる。また、図12〜図14において、LED素子が樹脂成形部12における凹部125の底面に配設された場合、LED素子の発光時、主として樹脂成形部12から放熱させることができる。
(a)金属製部材と、該金属製部材の少なくとも一方の面に形成された樹脂成形部とを備える板状のLED実装用基板。
この態様としては、図1〜図3の複合体1に例示される。図1〜図3において、LED素子が金属製部材11の側に配設された場合、LED素子の発光時、金属製部材11だけでなく、樹脂成形部12から放熱させることができる。また、LED素子が樹脂成形部12の側に配設された場合、LED素子の発光時、樹脂成形部12だけでなく、金属製部材11から放熱させることができる。
尚、この態様(a)のLED実装用基板において、上記樹脂成形部12は、その内部底面にLED素子を配設するために断面形状が凹状であるリフレクター部を備えてもよい(リフレクター部付きLED実装用基板。図8〜図14参照)。このリフレクター部の内壁面により、発光したLED素子の光を反射させ、高輝度を得ることができる。図8〜図11のLED実装用基板において、LED素子が樹脂成形部12における凹部125の底面に配設された場合、LED素子の発光時、樹脂成形部12の他の部位だけでなく、金属製部材11から放熱させることができる。また、図12〜図14において、LED素子が樹脂成形部12における凹部125の底面に配設された場合、LED素子の発光時、主として樹脂成形部12から放熱させることができる。
(b)金属製部材として、1の金属製部材が放熱用金属板であり、他の金属製部材がLED素子に電気的に接続されるリードフレームであり、且つ、上記放熱用金属板と、該放熱用金属板の少なくとも一方の面に形成された、上記樹脂成形部とを備え、且つ、上記リードフレームが、上記樹脂成形部の表面及び/又は内部に配設されてなる板状のLED実装用基板。
この態様としては、図4〜図7の複合体1に例示される。リードフレームは、図面における金属製部材11bで示される。尚、図4〜図7においてLED素子は表示していないが、図4及び図5において、LED素子は、凹部125の底面に配設される。また、図6及び図7においては、LED素子は、通常、2つの金属製部材11bの間に配設される。図7において、LED素子は、図面における上面側(樹脂製部材12cの表面)に配設されてよいし、下面側(金属製部材11cの表面)に配設されてもよい。
図4及び図5において、LED素子が凹部125の底面に配設された場合、LED素子の発光時、熱伝導性に優れた樹脂成形部12から、熱抵抗なく金属製部材11aに熱伝導させ、この金属製部材11aにより十分に放熱させることができる。リードフレームである金属製部材11bにより放熱させることもできる。
図6において、LED素子が配設された場合、LED素子の発光時、金属製部材11cにより放熱させることができる。リードフレームである金属製部材11bにより放熱させることもできる。
図7において、LED素子が樹脂成形部12cの表面に配設された場合、LED素子の発光時、熱伝導性に優れた樹脂成形部12cから、熱抵抗なく金属製部材11cに熱伝導させ、この金属製部材11cの表面(図7における金属製部材11cの下面側)から放熱させることができる。リードフレームである金属製部材11bにより放熱させることもできる。
また、図7において、LED素子が、金属製部材11cの表面(図7における金属製部材11cの下面側)に配設された場合、LED素子の発光時、金属製部材11cから、熱抵抗なく樹脂成形部12cに熱伝導させ、この樹脂成形部12cにより放熱させることができる。リードフレームである金属製部材11bにより放熱させることもできる。
尚、この態様(b)のLED実装用基板において、樹脂成形部は、その内部底面にLED素子を配設するために断面形状が凹状であるリフレクター部を備えてもよい(リフレクター部付きLED実装用基板。図15〜図18参照)。樹脂成形部12cは、光に対する反射特性にも優れるので、このリフレクター部の内壁面により、発光したLED素子の光を反射させ、高輝度を得ることができる。図15〜図18のLED実装用基板において、LED素子が樹脂成形部12における凹部125の底面に配設された場合、LED素子の発光時、樹脂成形部12の他の部位だけでなく、金属製部材11から放熱させることができる。また、リードフレームである金属製部材11bにより放熱させることができる。
この態様としては、図4〜図7の複合体1に例示される。リードフレームは、図面における金属製部材11bで示される。尚、図4〜図7においてLED素子は表示していないが、図4及び図5において、LED素子は、凹部125の底面に配設される。また、図6及び図7においては、LED素子は、通常、2つの金属製部材11bの間に配設される。図7において、LED素子は、図面における上面側(樹脂製部材12cの表面)に配設されてよいし、下面側(金属製部材11cの表面)に配設されてもよい。
図4及び図5において、LED素子が凹部125の底面に配設された場合、LED素子の発光時、熱伝導性に優れた樹脂成形部12から、熱抵抗なく金属製部材11aに熱伝導させ、この金属製部材11aにより十分に放熱させることができる。リードフレームである金属製部材11bにより放熱させることもできる。
図6において、LED素子が配設された場合、LED素子の発光時、金属製部材11cにより放熱させることができる。リードフレームである金属製部材11bにより放熱させることもできる。
図7において、LED素子が樹脂成形部12cの表面に配設された場合、LED素子の発光時、熱伝導性に優れた樹脂成形部12cから、熱抵抗なく金属製部材11cに熱伝導させ、この金属製部材11cの表面(図7における金属製部材11cの下面側)から放熱させることができる。リードフレームである金属製部材11bにより放熱させることもできる。
また、図7において、LED素子が、金属製部材11cの表面(図7における金属製部材11cの下面側)に配設された場合、LED素子の発光時、金属製部材11cから、熱抵抗なく樹脂成形部12cに熱伝導させ、この樹脂成形部12cにより放熱させることができる。リードフレームである金属製部材11bにより放熱させることもできる。
尚、この態様(b)のLED実装用基板において、樹脂成形部は、その内部底面にLED素子を配設するために断面形状が凹状であるリフレクター部を備えてもよい(リフレクター部付きLED実装用基板。図15〜図18参照)。樹脂成形部12cは、光に対する反射特性にも優れるので、このリフレクター部の内壁面により、発光したLED素子の光を反射させ、高輝度を得ることができる。図15〜図18のLED実装用基板において、LED素子が樹脂成形部12における凹部125の底面に配設された場合、LED素子の発光時、樹脂成形部12の他の部位だけでなく、金属製部材11から放熱させることができる。また、リードフレームである金属製部材11bにより放熱させることができる。
上記態様(a)及び(b)において、LED実装用基板は、目的、用途等に応じて凹部、凸部、貫通孔等を備えてもよい。
(c)金属製部材が、樹脂成形部の表面及び/又は内部に配設されており、該金属製部材が、LED素子に電気的に接続されるリードフレームであり、且つ、上記LED素子を配設するために上記樹脂成形部の断面形状が凹状であるLED用リフレクター。
この態様としては、図19〜図22の複合体1に例示される。リードフレームは、図面における金属製部材11bで示される。尚、図19〜図22においてLED素子は表示していないが、LED素子は、凹部126の底面に配設される。
図19〜図22において、LED素子が配設された場合、LED素子の発光により生じた熱は、リードフレームである金属製部材11bにより放熱させることができる。また、樹脂成形部12dは、光に対する反射特性にも優れるので、このリフレクターの内壁面により、発光したLED素子の光を反射させ、高輝度を得ることができる。
この態様としては、図19〜図22の複合体1に例示される。リードフレームは、図面における金属製部材11bで示される。尚、図19〜図22においてLED素子は表示していないが、LED素子は、凹部126の底面に配設される。
図19〜図22において、LED素子が配設された場合、LED素子の発光により生じた熱は、リードフレームである金属製部材11bにより放熱させることができる。また、樹脂成形部12dは、光に対する反射特性にも優れるので、このリフレクターの内壁面により、発光したLED素子の光を反射させ、高輝度を得ることができる。
(d)金属製部材が、樹脂成形部の表面及び/又は内部に配設されており、上記金属製部材が、放熱用部材であり、且つ、上記LED素子を配設するために上記樹脂成形部の断面形状が凹状であるLED用リフレクター。
この態様としては、図23の複合体1に例示される。図23において、リードフレームは、金属製部材として用いられておらず、図面の上方から形成されるものである。また、LED素子は表示していないが、LED素子は、凹部126の底面に配設される。
図23において、LED素子が配設された場合、LED素子の発光により生じた熱は、金属製部材11eにより放熱させることができる。また、樹脂成形部12dは、光に対する反射特性にも優れるので、このリフレクターの内壁面により、発光したLED素子の光を反射させ、高輝度を得ることができる。
この態様としては、図23の複合体1に例示される。図23において、リードフレームは、金属製部材として用いられておらず、図面の上方から形成されるものである。また、LED素子は表示していないが、LED素子は、凹部126の底面に配設される。
図23において、LED素子が配設された場合、LED素子の発光により生じた熱は、金属製部材11eにより放熱させることができる。また、樹脂成形部12dは、光に対する反射特性にも優れるので、このリフレクターの内壁面により、発光したLED素子の光を反射させ、高輝度を得ることができる。
また、他の構造を有するLED用リフレクターとしては、図28で示される発光装置6を構成する、金属製部材(リードフレーム)11bと、略筒状の樹脂成形部12eとを備える態様、図29で示される発光装置6を構成する、金属製部材(リードフレーム)11bと、略筒状の樹脂成形部12fとを備える態様等が挙げられる。
図28におけるLED用リフレクターにおいては、樹脂成形部12eと、金属製基板11fとが複合化されて得られたものであってもよい。
また、図29におけるLED用リフレクターにおいては、樹脂成形部12fの内面は、LED素子51からの光の指向性を高めるために、テーパー状に上方に広げられている。
図28におけるLED用リフレクターにおいては、樹脂成形部12eと、金属製基板11fとが複合化されて得られたものであってもよい。
また、図29におけるLED用リフレクターにおいては、樹脂成形部12fの内面は、LED素子51からの光の指向性を高めるために、テーパー状に上方に広げられている。
上記態様(c)及び(d)、並びに、上記他の態様において、LED用リフレクターは、目的、用途等に応じて凹部、凸部、貫通孔等を備えてもよい。
また、上記態様(c)及び(d)のLED用リフレクター、並びに、上記他の構造を有するLED用リフレクターにおいて、本体に相当する樹脂成形部12dにおける、特に、凹部126の内表面が高い白色度を有する場合には、発光したLED素子の光に対する高い反射特性を得ることができるが、更に高い反射特性を得るために、内壁面に、光反射層を形成したものであってもよい。上記光反射層の厚さは、熱抵抗を低くする等の観点から、好ましくは25μm以下、より好ましくは20μm以下、更に好ましくは15μm以下である。
また、上記態様(c)及び(d)のLED用リフレクター、並びに、上記他の構造を有するLED用リフレクターにおいて、本体に相当する樹脂成形部12dにおける、特に、凹部126の内表面が高い白色度を有する場合には、発光したLED素子の光に対する高い反射特性を得ることができるが、更に高い反射特性を得るために、内壁面に、光反射層を形成したものであってもよい。上記光反射層の厚さは、熱抵抗を低くする等の観点から、好ましくは25μm以下、より好ましくは20μm以下、更に好ましくは15μm以下である。
図1〜図18で表される複合体をLED実装用基板として用い、又は、図19〜図23で表される複合体をLED用リフレクターとして用い、更に、LED素子等を用いて、種々の構造を有する、発光装置を形成することができる。発光装置の概略図としては、図26〜図29に例示される。
図26の発光装置6は、図15に示す複合体(リフレクター部付きLED実装用基板)1を用いて得られたものであり、更に、LED素子51、LED素子51及びリードフレーム11bを接続するボンディングワイヤ53並びにレンズ55を備える。尚、LED素子51の搭載方法は、特に限定されず、また、符号57で表される部分は、後述のように、透明封止部であってよいし、必要により空隙部であってもよい。以下も同様である。
図27の発光装置6は、図18に示す複合体(リフレクター部付きLED実装用基板)1を用いて得られたものである。
図28の発光装置6は、金属製部材(リードフレーム)11b、他の金属製基板11f、及び、略筒状の樹脂成形部12eからなる複合体(LED用リフレクター)と、金属製基板11fの表面に配設された絶縁性台座54と、絶縁性台座54の表面に配設されたLED素子51と、ボンディングワイヤ53と、レンズ55とを備える。
また、図29の発光装置6は、凹部を有する樹脂製基板4と、この樹脂製基板4の表面に配設された金属製部材(リードフレーム)11b、及び、略筒状の樹脂成形部12fからなる複合体(LED用リフレクター)と、樹脂製基板4の凹部表面に配設されたLED素子51と、ボンディングワイヤ53と、レンズ55とを備える。
図26の発光装置6は、図15に示す複合体(リフレクター部付きLED実装用基板)1を用いて得られたものであり、更に、LED素子51、LED素子51及びリードフレーム11bを接続するボンディングワイヤ53並びにレンズ55を備える。尚、LED素子51の搭載方法は、特に限定されず、また、符号57で表される部分は、後述のように、透明封止部であってよいし、必要により空隙部であってもよい。以下も同様である。
図27の発光装置6は、図18に示す複合体(リフレクター部付きLED実装用基板)1を用いて得られたものである。
図28の発光装置6は、金属製部材(リードフレーム)11b、他の金属製基板11f、及び、略筒状の樹脂成形部12eからなる複合体(LED用リフレクター)と、金属製基板11fの表面に配設された絶縁性台座54と、絶縁性台座54の表面に配設されたLED素子51と、ボンディングワイヤ53と、レンズ55とを備える。
また、図29の発光装置6は、凹部を有する樹脂製基板4と、この樹脂製基板4の表面に配設された金属製部材(リードフレーム)11b、及び、略筒状の樹脂成形部12fからなる複合体(LED用リフレクター)と、樹脂製基板4の凹部表面に配設されたLED素子51と、ボンディングワイヤ53と、レンズ55とを備える。
LED素子51は、放射光(一般に、白色光LEDにおいてはUV又は青色光)を放出する、例えば、AlGaAs、AlGaInP、GaP又はGaNからなる活性層を、n型及びp型のクラッド層により挟んだダブルヘテロ構造を有する半導体チップ(発光体)であり、例えば、一辺の長さが0.5mm程度の六面体の形状をしている。
図26〜図29に示す発光装置は、いずれも、ワイヤボンディング実装による例であるが、これらに限定されない発光装置とすることもできる。例えば、ボンディングワイヤ53を用いず、バンプを介して、LED素子51の近くに配設された配線パターンにフリップチップ実装される形態とすることができる。
図26〜図29に示す発光装置は、いずれも、ワイヤボンディング実装による例であるが、これらに限定されない発光装置とすることもできる。例えば、ボンディングワイヤ53を用いず、バンプを介して、LED素子51の近くに配設された配線パターンにフリップチップ実装される形態とすることができる。
図26〜図29において、符号57で表される部分は、透明封止部又は空隙部である。この部分は、通常、透光性及び絶縁性を与える材料等が充填された透明封止部であり、ワイヤボンディング実装において、ボンディングワイヤ53に直接接触することにより加わる力、及び、間接的に加わる振動、衝撃等により、LED素子51との接続部、及び/又は、リードフレーム11bとの接続部からボンディングワイヤ53が外れたり、切断したり、短絡したりすることによって生じる電気的な不具合を防止することができる。また、同時に、湿気、塵埃等からLED素子51を保護し、長期間に渡って信頼性を維持することができる。
尚、上記透明封止部57は、必要に応じて、LED素子51から発せられた光の波長を所定の波長に変換する、無機系及び/又は有機系の蛍光物質を含んでもよい。
尚、上記透明封止部57は、必要に応じて、LED素子51から発せられた光の波長を所定の波長に変換する、無機系及び/又は有機系の蛍光物質を含んでもよい。
この透光性及び絶縁性を与える材料(透明封止剤組成物)は、通常、シリコーン、エポキシシリコーン、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂等を含む。これらのうち、耐熱性、耐候性、低収縮性及び耐変色性の観点から、シリコーンが特に好ましい。また、これらの成分は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。この透明封止剤組成物は、上記成分のうちの硬化可能な成分と、該成分を硬化させる硬化剤と、必要に応じて、硬化触媒等を配合した組成物であることが好ましい。
また、上記透明封止剤組成物は、蛍光物質、反応抑制剤、酸化防止剤、光安定剤、変色防止剤等を含有してもよい。
また、上記透明封止剤組成物は、蛍光物質、反応抑制剤、酸化防止剤、光安定剤、変色防止剤等を含有してもよい。
シリコーンを含有する透明封止剤組成物について説明する。シリコーンは、ゴム及び樹脂のいずれでもよい。また、組成物は、付加反応硬化型、縮合反応硬化型、UV硬化型等のいずれでもよいが、速やかに硬化させることができる点で、付加反応硬化型組成物が好ましい。なかでも、室温硬化型又は加熱硬化型の組成物が好ましい。
付加反応硬化型組成物は、シリコーンと、該シリコーンを硬化させる硬化剤と、必要に応じて、硬化触媒等を配合した組成物であることが好ましい。この組成物は、通常、ビニル基等の官能基を有するシリコーンと、分子中にSi−H結合を有する重合体と、硬化触媒(白金系触媒、パラジウム系触媒等)とからなる組成物である。
付加反応硬化型組成物は、シリコーンと、該シリコーンを硬化させる硬化剤と、必要に応じて、硬化触媒等を配合した組成物であることが好ましい。この組成物は、通常、ビニル基等の官能基を有するシリコーンと、分子中にSi−H結合を有する重合体と、硬化触媒(白金系触媒、パラジウム系触媒等)とからなる組成物である。
また、本発明は、ビス、ピン、ツメ、リブ、ボス等である複合体の製造方法とすることもできる。このような複合体である場合、産業用制御機器、家庭用電化製品、携帯電話、携帯型電子情報端末等の通信機器、医療機器、車両用電子機器等の、構造用部品、外装用部品(筐体等)等として好適である。
以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の主旨を超えない限り、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。尚、実施例中において部及び%は、特に断らない限り質量基準である。
1.熱可塑性樹脂組成物の原料成分
組成物の調製に用いる原料成分を以下に示す。
1−1.熱可塑性樹脂
ポリフェニレンサルファイド(A1)
ポリプラスチックス社製「フォートロン0220A9」(商品名)を用いた。リニア型構造である。
(2)ポリアミド4,6(A2)
ディー・エス・エムジャパン社製「スタニールTS300」(商品名)を用いた。融点は295℃である。
(3)共重合ポリブチレンテレフタレート(A3)
三菱エンジニアリングプラスチックス社製「NOVADURAN 5505S」(商品名)を用いた。この樹脂は、ジメチルテレフタレート、1,4−ブタンジオール及びポリテトラメチレングリコールの共重合体である変性PBT樹脂であり、可撓性を付与した変性PBTとして知られている。ガラス転移温度は27℃である。
(4)ポリブチレンテレフタレート(A4)
三菱エンジニアリングプラスチックス社製「NOVADURAN 5020」(商品名)を用いた。ガラス転移温度は27℃である。
(5)ABS樹脂(A5)
テクノポリマー社製「TECHNO ABS 330」(商品名)を用いた。
(6)変性ポリアミド6,T(A6)
三井化学社製「アーレンAE4200」(商品名)を用いた。融点は320℃である。
組成物の調製に用いる原料成分を以下に示す。
1−1.熱可塑性樹脂
ポリフェニレンサルファイド(A1)
ポリプラスチックス社製「フォートロン0220A9」(商品名)を用いた。リニア型構造である。
(2)ポリアミド4,6(A2)
ディー・エス・エムジャパン社製「スタニールTS300」(商品名)を用いた。融点は295℃である。
(3)共重合ポリブチレンテレフタレート(A3)
三菱エンジニアリングプラスチックス社製「NOVADURAN 5505S」(商品名)を用いた。この樹脂は、ジメチルテレフタレート、1,4−ブタンジオール及びポリテトラメチレングリコールの共重合体である変性PBT樹脂であり、可撓性を付与した変性PBTとして知られている。ガラス転移温度は27℃である。
(4)ポリブチレンテレフタレート(A4)
三菱エンジニアリングプラスチックス社製「NOVADURAN 5020」(商品名)を用いた。ガラス転移温度は27℃である。
(5)ABS樹脂(A5)
テクノポリマー社製「TECHNO ABS 330」(商品名)を用いた。
(6)変性ポリアミド6,T(A6)
三井化学社製「アーレンAE4200」(商品名)を用いた。融点は320℃である。
1−2.窒化ホウ素
(1)B1
電気化学工業社製「デンカボロンナイトライド粉末SGP」(商品名)を用いた。六方晶構造であり、比表面積は2m2/g、タップ密度は0.8g/cm3、液相沈降法による体積平均粒子径は16.6μmである。また、粒度分布の測定により得られた累計体積が10%及び90%であるときの粒子径D10及びD90は、それぞれ、5.4μm及び41.6μmである(D90/D10=7.7)である。
(2)B2
電気化学工業社製「デンカボロンナイトライド粉末GP」(商品名)を用いた。六方晶構造であり、比表面積は8m2/g、タップ密度は0.5g/cm3、液相沈降法による体積平均粒子径は6.2μmである。また、粒子径D10及びD90は、それぞれ、3.2μm及び17.1μmである(D90/D10=5.3)である。
(3)B3
GE Advanced Material社製「PT120」(商品名)を用いた。六方晶構造であり、比表面積は3.47m2/g、タップ密度は0.370g/cm3、液相沈降法による体積平均粒子径は8μmである。また、粒子径D10及びD90は、それぞれ、6.7μm及び24.4μmである(D90/D10=3.6)である。
(1)B1
電気化学工業社製「デンカボロンナイトライド粉末SGP」(商品名)を用いた。六方晶構造であり、比表面積は2m2/g、タップ密度は0.8g/cm3、液相沈降法による体積平均粒子径は16.6μmである。また、粒度分布の測定により得られた累計体積が10%及び90%であるときの粒子径D10及びD90は、それぞれ、5.4μm及び41.6μmである(D90/D10=7.7)である。
(2)B2
電気化学工業社製「デンカボロンナイトライド粉末GP」(商品名)を用いた。六方晶構造であり、比表面積は8m2/g、タップ密度は0.5g/cm3、液相沈降法による体積平均粒子径は6.2μmである。また、粒子径D10及びD90は、それぞれ、3.2μm及び17.1μmである(D90/D10=5.3)である。
(3)B3
GE Advanced Material社製「PT120」(商品名)を用いた。六方晶構造であり、比表面積は3.47m2/g、タップ密度は0.370g/cm3、液相沈降法による体積平均粒子径は8μmである。また、粒子径D10及びD90は、それぞれ、6.7μm及び24.4μmである(D90/D10=3.6)である。
1−3.酸化マグネシウム
神島化学工業社製「A−10」(商品名)を用いた。
1−4.着色剤
石原産業社製酸化チタン「タイペークPF691」(商品名)を用いた。
1−5.充填剤
日本板硝子株式会社製チョップドストランドガラス繊維「マイクログラス RES03−TP89Z」(商品名)を用いた。
神島化学工業社製「A−10」(商品名)を用いた。
1−4.着色剤
石原産業社製酸化チタン「タイペークPF691」(商品名)を用いた。
1−5.充填剤
日本板硝子株式会社製チョップドストランドガラス繊維「マイクログラス RES03−TP89Z」(商品名)を用いた。
1−6.光安定剤
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールと、β,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物(商品名「アデカスタブ LA−63P」、ADEKA社製)を用いた。
1−7.熱安定剤
3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(商品名「アデカスタブ AO−80」、ADEKA社製)を用いた。
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールと、β,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物(商品名「アデカスタブ LA−63P」、ADEKA社製)を用いた。
1−7.熱安定剤
3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(商品名「アデカスタブ AO−80」、ADEKA社製)を用いた。
2.熱可塑性樹脂組成物の調製及び評価
複合体の製造に用いる熱可塑性樹脂組成物は、上記の原料成分を、表1〜表4に示された配合割合に基づいてヘンシェルミキサーにより混合した後、二軸押出機を用いて溶融混練し、ペレットとした。尚、二軸押出機におけるシリンダー温度は、実施例1−1〜1−11において280℃〜330℃、実施例1−12及び1−13において240℃〜265℃、実施例1−14〜1−18において300℃〜340℃、比較例1−1において200℃〜230℃、比較例1−2〜1−5において280℃〜330℃、比較例1−6において240℃〜265℃、比較例1−7において240℃〜265℃である。
複合体の製造に用いる熱可塑性樹脂組成物は、上記の原料成分を、表1〜表4に示された配合割合に基づいてヘンシェルミキサーにより混合した後、二軸押出機を用いて溶融混練し、ペレットとした。尚、二軸押出機におけるシリンダー温度は、実施例1−1〜1−11において280℃〜330℃、実施例1−12及び1−13において240℃〜265℃、実施例1−14〜1−18において300℃〜340℃、比較例1−1において200℃〜230℃、比較例1−2〜1−5において280℃〜330℃、比較例1−6において240℃〜265℃、比較例1−7において240℃〜265℃である。
各組成物について、以下の評価を行った。その結果を表1〜表4に併記した。
2−1.熱放射率
熱可塑性樹脂組成物からなるペレットを用い、射出成形にて大きさ150×150×3mmの試験片を作製し、ジャパンセンサー社製サーモスポットセンサー「TSS−5X」(型式名)を用い、赤外線検出による反射エネルギー測定方式により、雰囲気温度25℃で測定した。尚、射出成形に用いた金型の温度は、実施例1−1〜1−11において90℃〜150℃、実施例1−12及び1−13において40℃〜80℃、実施例1−14〜1−18において120℃〜170℃、比較例1−1において40℃〜60℃、比較例1−2〜1−5において90℃〜150℃、比較例1−6において40℃〜80℃、比較例1−7において90℃〜150℃である。
2−2.熱伝導率
熱可塑性樹脂組成物からなるペレットを用い、その溶融物を、直径10mm及び長さ50mmのキャビティ空間を有する金型の下方から射出して、直径10mm及び長さ50mmの円柱体を作製した。尚、上記金型の温度は、実施例1−1〜1−11において90℃〜150℃、実施例1−12及び1−13において40℃〜80℃、実施例1−14〜1−18において120℃〜170℃、比較例1−1において40℃〜60℃、比較例1−2〜1−5において90℃〜150℃、比較例1−6において40℃〜80℃、比較例1−7において90℃〜150℃である。
その後、ほぼ中央部において、厚さが1.5mmの円板となるように切り出し、これを試験片(直径10mm及び厚さ1.5mm)とした。熱伝導率を熱可塑性樹脂組成物の流動方向に対して測定するために、この試験片における、上面及び下面の各表面にプローブを当て、アルバック理工社製レーザーフラッシュ法熱定数測定装置「TR−7000R」(型式名)を用い、25℃で測定した。
2−3.熱変形温度
ISO75に準じて、荷重1.80MPaの条件にて測定した。
2−4.耐ブリスター性
射出成形にて大きさ127×12.7×0.8mmの試験片を作製し、温度23℃の水に24時間浸漬し、浸漬後の試験片を、厚さ1.6mmのガラスエポキシ基板に固定した。尚、射出成形に用いた金型の温度は、実施例1−1〜1−11において90℃〜150℃、実施例1−12及び1−13において40℃〜80℃、実施例1−14〜1−18において120℃〜170℃、比較例1−1において40℃〜60℃、比較例1−2〜1−5において90℃〜150℃、比較例1−6において40℃〜80℃、比較例1−7において90℃〜150℃である。
その後、この一体化物を、予熱部の温度が150℃±3℃であり、通過時間が120秒、リフロー部の最高温度が230℃±3℃であり、通過時間が60秒となるような条件に設定した卓上型遠赤外式リフロー炉内を通過させた。そして、試験片の表面を目視観察し、耐ブリスター性を、下記基準で判定した。
○ : 試験片の表面に変化は見られなかった。
× : 試験片の表面に膨れ、変色が見られた。
また、上記リフロー炉内における通過条件として、最高温度を260℃±3℃、通過時間を10秒とした場合における耐ブリスター性についても、上記と同様に評価した。
2−5.シャルピー衝撃強さ
ISO179に準じて、室温におけるシャルピー衝撃強さ(Edgewise Impact、ノッチ付き)を測定した。測定条件は、以下の通りである。
試験片タイプ : Type 1
ノッチタイプ : Type A
荷重 : 2J
2−6.表面固有抵抗
熱可塑性樹脂組成物からなるペレットを用い、射出成形にて直径200mm及び厚さ2mmの円形の試験片を作製し、Agilent Technologies社製ハイ・レジスタンス・メータ「4339B」(型式名)を用いて測定した。尚、射出成形に用いた金型の温度は、実施例1−1〜1−11において90℃〜150℃、実施例1−12及び1−13において40℃〜80℃、実施例1−14〜1−18において120℃〜170℃、比較例1−1において40℃〜60℃、比較例1−2〜1−5において90℃〜150℃、比較例1−6において40℃〜80℃、比較例1−7において90℃〜150℃である。
2−7.光線反射率
上記熱伝導率の測定に用いた試験片について、紫外線(波長460nm)に対する反射率を、日本分光社製紫外可視近赤外分光光度計「V−670」(型式名)により、入射角60度で測定した。
また、スガ試験機社製紫外線ロングライフ・フェードメーター「FAL−5H・B」(型式名)を用いて、上記熱伝導率の測定に用いた試験片を、135V、16A、温度83℃、雨無しの条件で400時間曝露(光照射)した。この曝露試験片の光線反射率についても上記と同様にして測定した。
2−8.吸水率
熱可塑性樹脂組成物からなるペレットを用い、射出成形にて直径50mm及び厚さ3.2mmの円形の試験片を作製し、絶乾状態として、温度23℃の水中に24時間浸漬し、浸漬前後の重量変化量を算出し、増加量を吸水率とした。尚、射出成形に用いた金型の温度は、実施例1−1〜1−11において90℃〜150℃、実施例1−12及び1−13において40℃〜80℃、実施例1−14〜1−18において120℃〜170℃、比較例1−1において40℃〜60℃、比較例1−2〜1−5において90℃〜150℃、比較例1−6において40℃〜80℃、比較例1−7において90℃〜150℃である。
2−9.絶縁破壊特性
射出成形にて作製された、大きさ100×100×1mmの試験片を、温度23℃及び相対湿度62%に調節された恒温恒湿槽に48時間放置した後、ASTM D149に準じて、絶縁破壊特性を測定した。尚、射出成形に用いた金型の温度は、実施例1−1〜1−11において90℃〜150℃、実施例1−12及び1−13において40℃〜80℃、実施例1−14〜1−18において120℃〜170℃、比較例1−1において40℃〜60℃、比較例1−2〜1−5において90℃〜150℃、比較例1−6において40℃〜80℃、比較例1−7において90℃〜150℃である。
2−1.熱放射率
熱可塑性樹脂組成物からなるペレットを用い、射出成形にて大きさ150×150×3mmの試験片を作製し、ジャパンセンサー社製サーモスポットセンサー「TSS−5X」(型式名)を用い、赤外線検出による反射エネルギー測定方式により、雰囲気温度25℃で測定した。尚、射出成形に用いた金型の温度は、実施例1−1〜1−11において90℃〜150℃、実施例1−12及び1−13において40℃〜80℃、実施例1−14〜1−18において120℃〜170℃、比較例1−1において40℃〜60℃、比較例1−2〜1−5において90℃〜150℃、比較例1−6において40℃〜80℃、比較例1−7において90℃〜150℃である。
2−2.熱伝導率
熱可塑性樹脂組成物からなるペレットを用い、その溶融物を、直径10mm及び長さ50mmのキャビティ空間を有する金型の下方から射出して、直径10mm及び長さ50mmの円柱体を作製した。尚、上記金型の温度は、実施例1−1〜1−11において90℃〜150℃、実施例1−12及び1−13において40℃〜80℃、実施例1−14〜1−18において120℃〜170℃、比較例1−1において40℃〜60℃、比較例1−2〜1−5において90℃〜150℃、比較例1−6において40℃〜80℃、比較例1−7において90℃〜150℃である。
その後、ほぼ中央部において、厚さが1.5mmの円板となるように切り出し、これを試験片(直径10mm及び厚さ1.5mm)とした。熱伝導率を熱可塑性樹脂組成物の流動方向に対して測定するために、この試験片における、上面及び下面の各表面にプローブを当て、アルバック理工社製レーザーフラッシュ法熱定数測定装置「TR−7000R」(型式名)を用い、25℃で測定した。
2−3.熱変形温度
ISO75に準じて、荷重1.80MPaの条件にて測定した。
2−4.耐ブリスター性
射出成形にて大きさ127×12.7×0.8mmの試験片を作製し、温度23℃の水に24時間浸漬し、浸漬後の試験片を、厚さ1.6mmのガラスエポキシ基板に固定した。尚、射出成形に用いた金型の温度は、実施例1−1〜1−11において90℃〜150℃、実施例1−12及び1−13において40℃〜80℃、実施例1−14〜1−18において120℃〜170℃、比較例1−1において40℃〜60℃、比較例1−2〜1−5において90℃〜150℃、比較例1−6において40℃〜80℃、比較例1−7において90℃〜150℃である。
その後、この一体化物を、予熱部の温度が150℃±3℃であり、通過時間が120秒、リフロー部の最高温度が230℃±3℃であり、通過時間が60秒となるような条件に設定した卓上型遠赤外式リフロー炉内を通過させた。そして、試験片の表面を目視観察し、耐ブリスター性を、下記基準で判定した。
○ : 試験片の表面に変化は見られなかった。
× : 試験片の表面に膨れ、変色が見られた。
また、上記リフロー炉内における通過条件として、最高温度を260℃±3℃、通過時間を10秒とした場合における耐ブリスター性についても、上記と同様に評価した。
2−5.シャルピー衝撃強さ
ISO179に準じて、室温におけるシャルピー衝撃強さ(Edgewise Impact、ノッチ付き)を測定した。測定条件は、以下の通りである。
試験片タイプ : Type 1
ノッチタイプ : Type A
荷重 : 2J
2−6.表面固有抵抗
熱可塑性樹脂組成物からなるペレットを用い、射出成形にて直径200mm及び厚さ2mmの円形の試験片を作製し、Agilent Technologies社製ハイ・レジスタンス・メータ「4339B」(型式名)を用いて測定した。尚、射出成形に用いた金型の温度は、実施例1−1〜1−11において90℃〜150℃、実施例1−12及び1−13において40℃〜80℃、実施例1−14〜1−18において120℃〜170℃、比較例1−1において40℃〜60℃、比較例1−2〜1−5において90℃〜150℃、比較例1−6において40℃〜80℃、比較例1−7において90℃〜150℃である。
2−7.光線反射率
上記熱伝導率の測定に用いた試験片について、紫外線(波長460nm)に対する反射率を、日本分光社製紫外可視近赤外分光光度計「V−670」(型式名)により、入射角60度で測定した。
また、スガ試験機社製紫外線ロングライフ・フェードメーター「FAL−5H・B」(型式名)を用いて、上記熱伝導率の測定に用いた試験片を、135V、16A、温度83℃、雨無しの条件で400時間曝露(光照射)した。この曝露試験片の光線反射率についても上記と同様にして測定した。
2−8.吸水率
熱可塑性樹脂組成物からなるペレットを用い、射出成形にて直径50mm及び厚さ3.2mmの円形の試験片を作製し、絶乾状態として、温度23℃の水中に24時間浸漬し、浸漬前後の重量変化量を算出し、増加量を吸水率とした。尚、射出成形に用いた金型の温度は、実施例1−1〜1−11において90℃〜150℃、実施例1−12及び1−13において40℃〜80℃、実施例1−14〜1−18において120℃〜170℃、比較例1−1において40℃〜60℃、比較例1−2〜1−5において90℃〜150℃、比較例1−6において40℃〜80℃、比較例1−7において90℃〜150℃である。
2−9.絶縁破壊特性
射出成形にて作製された、大きさ100×100×1mmの試験片を、温度23℃及び相対湿度62%に調節された恒温恒湿槽に48時間放置した後、ASTM D149に準じて、絶縁破壊特性を測定した。尚、射出成形に用いた金型の温度は、実施例1−1〜1−11において90℃〜150℃、実施例1−12及び1−13において40℃〜80℃、実施例1−14〜1−18において120℃〜170℃、比較例1−1において40℃〜60℃、比較例1−2〜1−5において90℃〜150℃、比較例1−6において40℃〜80℃、比較例1−7において90℃〜150℃である。
3.複合体の製造及び評価
複合体の製造に用いる金属性部材として、幅1.2cm、長さ5.0cm及び厚さ0.1cmの銅板に対し、予め、特開平2−298284号に記載された方法により表面処理(トリアジン処理)を施したものを用いた。
複合体の製造に用いる金属性部材として、幅1.2cm、長さ5.0cm及び厚さ0.1cmの銅板に対し、予め、特開平2−298284号に記載された方法により表面処理(トリアジン処理)を施したものを用いた。
実施例1−1〜1−18及び比較例1−1〜1−7
図25に示すように、東芝機械社製射出成形機「EC40N」(型式名)に配設された金型の内部に上記銅板を配置し、表1〜表4に示された配合割合に基づいて得られた各ペレット(熱可塑性樹脂組成物)の溶融物を、保圧(樹脂圧)70MPaとして、金型のキャビティ空間に射出し、図30に示す評価用試験片(複合体)を製造した。樹脂成形部の大きさは、幅1.2cm、長さ5.0cm及び厚さ0.3cmであり、接着面積は、幅1.2cm及び長さ1.2cmである。尚、射出成形に用いた金型の温度は、実施例1−1〜1−11において90℃〜150℃、実施例1−12及び1−13において40℃〜80℃、実施例1−14〜1−18において120℃〜170℃、比較例1−1において40℃〜60℃、比較例1−2〜1−5において90℃〜150℃、比較例1−6において40℃〜80℃、比較例1−7において90℃〜150℃である。
図25に示すように、東芝機械社製射出成形機「EC40N」(型式名)に配設された金型の内部に上記銅板を配置し、表1〜表4に示された配合割合に基づいて得られた各ペレット(熱可塑性樹脂組成物)の溶融物を、保圧(樹脂圧)70MPaとして、金型のキャビティ空間に射出し、図30に示す評価用試験片(複合体)を製造した。樹脂成形部の大きさは、幅1.2cm、長さ5.0cm及び厚さ0.3cmであり、接着面積は、幅1.2cm及び長さ1.2cmである。尚、射出成形に用いた金型の温度は、実施例1−1〜1−11において90℃〜150℃、実施例1−12及び1−13において40℃〜80℃、実施例1−14〜1−18において120℃〜170℃、比較例1−1において40℃〜60℃、比較例1−2〜1−5において90℃〜150℃、比較例1−6において40℃〜80℃、比較例1−7において90℃〜150℃である。
得られた評価用試験片(複合体)について、以下の評価を行った。その結果を表1〜表4に併記した。
(1)金属製部材と、樹脂成形部との接着安定性試験
島津製作所社製精密万能試験機「オートグラフAG5000E」(商品名)を用いて、試験片5つについて、引張速度50cm/分で接着強度を測定した。その際、破壊形態を目視観察し、接着安定性を、下記基準で評価した。尚、「材料破壊」とは、金属製部材及び樹脂成形部が接着した状態で、樹脂成形部が破壊されることであり、「界面破壊」とは、金属製部材及び樹脂成形部の接着界面で剥離することである。
○ : 5つとも破壊モードが材料破壊であり、接着強度にばらつきがない。
× : 5つのうち、2つ以上、破壊モードが接着面における界面破壊である。
(1)金属製部材と、樹脂成形部との接着安定性試験
島津製作所社製精密万能試験機「オートグラフAG5000E」(商品名)を用いて、試験片5つについて、引張速度50cm/分で接着強度を測定した。その際、破壊形態を目視観察し、接着安定性を、下記基準で評価した。尚、「材料破壊」とは、金属製部材及び樹脂成形部が接着した状態で、樹脂成形部が破壊されることであり、「界面破壊」とは、金属製部材及び樹脂成形部の接着界面で剥離することである。
○ : 5つとも破壊モードが材料破壊であり、接着強度にばらつきがない。
× : 5つのうち、2つ以上、破壊モードが接着面における界面破壊である。
(2)熱伝導性試験
アクリル樹脂製の透明板で作製された、縦、横及び高さが1mの室内(25℃)の中心部に、支持用スタンド及び樹脂製クランプを用いて上記評価用試験片(複合体)を設置し(図31及び図32)、シリコーンラバーヒーター7を用いて電圧を印加することにより、温度分布の測定を行った。具体的には、試験片における銅板111の端部を、シリコーンラバーヒーター7(13×50×1.7mm)で被覆し、15V(12W)の電圧を印加した。その後、15分放置し、温度が平衡に達した状態で、銅板111に接触しているシリコーンラバーヒーター7表面の中心部、及び、該中心部から70mm離れた樹脂板(樹脂成形部)121、の各温度を、図31の手前側から、サーモグラフィーにより測定した(測定点は、図32において、それぞれ、T1及びT2と表示した)。
アクリル樹脂製の透明板で作製された、縦、横及び高さが1mの室内(25℃)の中心部に、支持用スタンド及び樹脂製クランプを用いて上記評価用試験片(複合体)を設置し(図31及び図32)、シリコーンラバーヒーター7を用いて電圧を印加することにより、温度分布の測定を行った。具体的には、試験片における銅板111の端部を、シリコーンラバーヒーター7(13×50×1.7mm)で被覆し、15V(12W)の電圧を印加した。その後、15分放置し、温度が平衡に達した状態で、銅板111に接触しているシリコーンラバーヒーター7表面の中心部、及び、該中心部から70mm離れた樹脂板(樹脂成形部)121、の各温度を、図31の手前側から、サーモグラフィーにより測定した(測定点は、図32において、それぞれ、T1及びT2と表示した)。
表1〜表4より、以下のことが明らかである。
比較例1−1は、熱可塑性樹脂として、本発明の範囲外であるABS樹脂を用いた例であり、耐衝撃性に優れるものの、耐熱性及び絶縁破壊特性が十分ではなく、樹脂成形部と、銅板との密着性に劣る。比較例1−2は、窒化ホウ素を含有しない例であり、耐衝撃性に優れるものの、放熱性、熱伝導性及び絶縁破壊特性が十分ではない。また、複合体の熱伝導性試験においてT1における温度が79℃であり、T2における温度が27℃であり、その差が52℃と大きく、銅板から樹脂成形部に熱が伝わりにくいため、樹脂成形部からの放熱性に劣る。比較例1−3は、熱可塑性樹脂としてポリフェニレンサルファイドを用い、トリアジン系化合物による表面処理を行っていない銅板を用いて複合体を作製した例であり、樹脂成形部と、銅板と接着しなかった。そのため、複合体の熱伝導性試験において、銅板と樹脂板とを輪ゴムで固定して評価し、樹脂成形部において十分に放熱されず、T1における温度が80℃であり、T2における温度が27℃であり、その差が53℃と大きく、銅板から樹脂成形部に熱が伝わりにくいため、樹脂成形部からの放熱性に劣る。比較例1−4は、熱可塑性樹脂に対する窒化ホウ素の含有割合が少ない、本発明の範囲外である例であり、熱伝導性が十分ではなく、複合体の熱伝導性試験においてT1における温度が75℃であり、T2における温度が27℃であり、その差が47℃と大きく、銅板から樹脂成形部に熱が伝わりにくいため、樹脂成形部からの放熱性に劣る。比較例1−5は、熱可塑性樹脂に対する窒化ホウ素の含有割合が多い、本発明の範囲外である例であり、耐衝撃性が劣る。比較例1−6は、熱可塑性樹脂としてポリテトラメチレンアジパミドを用い、トリアジン系化合物による表面処理を行っていない銅板を用いて複合体を作製した例であり、樹脂成形部と、銅板と接着しなかった。そのため、複合体の熱伝導性試験において、銅板と樹脂板とを輪ゴムで固定して評価し、樹脂成形部において十分に放熱されず、T1における温度が81℃であり、T2における温度が26℃であり、その差が55℃と大きく、銅板から樹脂成形部に熱が伝わりにくいため、樹脂成形部からの放熱性に劣る。また、比較例1−7は、窒化ホウ素に代えて、酸化マグネシウムを用いた例であり、熱放射率、熱伝導率及び耐衝撃性が十分ではなかった。そして、複合体の熱伝導性試験において、樹脂成形部において十分に放熱されず、T1における温度が75℃であり、T2における温度が27℃であり、その差が48℃と大きく、銅板から樹脂成形部に熱が伝わりにくいため、樹脂成形部からの放熱性に劣る。
一方、実施例1−1〜1−13は、放熱性、熱伝導性、耐熱性、耐ブリスター性、耐衝撃性、及び、光に対する反射特性に優れている。また、複合体として、破壊形態が材料破壊であり、樹脂成形部と、銅板との接着安定性に優れることから、熱伝導性試験においても、銅板から樹脂成形部への熱伝導が十分であり、T1における温度が65℃〜73℃であり、T2における温度が28℃〜45℃であり、T1及びT2の温度差が小さくなっており、銅板から樹脂成形部への熱伝導性に優れ、複合体としての放熱性に優れる。特に、熱可塑性樹脂として、ポリフェニレンサルファイド及びポリテトラメチレンアジパミドを用いた、実施例1−4〜1−7は、耐熱性、耐衝撃性、放熱性、及び、光に対する反射特性のバランスに優れ、なかでも、実施例1−5〜1−7は、耐ブリスター性が特に優れる。
また、実施例1−14〜1−18は、芳香族ポリアミド樹脂であるポリアミド6,Tを含む樹脂組成物を用いた例であり、熱伝導率及びシャルピー衝撃強度のバランスに更に優れるだけでなく、耐光試験後の光線反射率にも優れていた。
比較例1−1は、熱可塑性樹脂として、本発明の範囲外であるABS樹脂を用いた例であり、耐衝撃性に優れるものの、耐熱性及び絶縁破壊特性が十分ではなく、樹脂成形部と、銅板との密着性に劣る。比較例1−2は、窒化ホウ素を含有しない例であり、耐衝撃性に優れるものの、放熱性、熱伝導性及び絶縁破壊特性が十分ではない。また、複合体の熱伝導性試験においてT1における温度が79℃であり、T2における温度が27℃であり、その差が52℃と大きく、銅板から樹脂成形部に熱が伝わりにくいため、樹脂成形部からの放熱性に劣る。比較例1−3は、熱可塑性樹脂としてポリフェニレンサルファイドを用い、トリアジン系化合物による表面処理を行っていない銅板を用いて複合体を作製した例であり、樹脂成形部と、銅板と接着しなかった。そのため、複合体の熱伝導性試験において、銅板と樹脂板とを輪ゴムで固定して評価し、樹脂成形部において十分に放熱されず、T1における温度が80℃であり、T2における温度が27℃であり、その差が53℃と大きく、銅板から樹脂成形部に熱が伝わりにくいため、樹脂成形部からの放熱性に劣る。比較例1−4は、熱可塑性樹脂に対する窒化ホウ素の含有割合が少ない、本発明の範囲外である例であり、熱伝導性が十分ではなく、複合体の熱伝導性試験においてT1における温度が75℃であり、T2における温度が27℃であり、その差が47℃と大きく、銅板から樹脂成形部に熱が伝わりにくいため、樹脂成形部からの放熱性に劣る。比較例1−5は、熱可塑性樹脂に対する窒化ホウ素の含有割合が多い、本発明の範囲外である例であり、耐衝撃性が劣る。比較例1−6は、熱可塑性樹脂としてポリテトラメチレンアジパミドを用い、トリアジン系化合物による表面処理を行っていない銅板を用いて複合体を作製した例であり、樹脂成形部と、銅板と接着しなかった。そのため、複合体の熱伝導性試験において、銅板と樹脂板とを輪ゴムで固定して評価し、樹脂成形部において十分に放熱されず、T1における温度が81℃であり、T2における温度が26℃であり、その差が55℃と大きく、銅板から樹脂成形部に熱が伝わりにくいため、樹脂成形部からの放熱性に劣る。また、比較例1−7は、窒化ホウ素に代えて、酸化マグネシウムを用いた例であり、熱放射率、熱伝導率及び耐衝撃性が十分ではなかった。そして、複合体の熱伝導性試験において、樹脂成形部において十分に放熱されず、T1における温度が75℃であり、T2における温度が27℃であり、その差が48℃と大きく、銅板から樹脂成形部に熱が伝わりにくいため、樹脂成形部からの放熱性に劣る。
一方、実施例1−1〜1−13は、放熱性、熱伝導性、耐熱性、耐ブリスター性、耐衝撃性、及び、光に対する反射特性に優れている。また、複合体として、破壊形態が材料破壊であり、樹脂成形部と、銅板との接着安定性に優れることから、熱伝導性試験においても、銅板から樹脂成形部への熱伝導が十分であり、T1における温度が65℃〜73℃であり、T2における温度が28℃〜45℃であり、T1及びT2の温度差が小さくなっており、銅板から樹脂成形部への熱伝導性に優れ、複合体としての放熱性に優れる。特に、熱可塑性樹脂として、ポリフェニレンサルファイド及びポリテトラメチレンアジパミドを用いた、実施例1−4〜1−7は、耐熱性、耐衝撃性、放熱性、及び、光に対する反射特性のバランスに優れ、なかでも、実施例1−5〜1−7は、耐ブリスター性が特に優れる。
また、実施例1−14〜1−18は、芳香族ポリアミド樹脂であるポリアミド6,Tを含む樹脂組成物を用いた例であり、熱伝導率及びシャルピー衝撃強度のバランスに更に優れるだけでなく、耐光試験後の光線反射率にも優れていた。
4.LED用リフレクターの製造
実施例2−1
2本の長尺状銅板(リードフレームに相当)を準備し、上記と同様にして、予め、特開平2−298284号に記載された方法による表面処理(トリアジン処理)を行った。
実施例1−1の熱可塑性樹脂組成物からなるペレットを310℃で溶融させ、この溶融物を、上記長尺状銅板を内部に配置した金型(図24参照)のキャビティ空間を有する金型に射出(金型温度;90℃〜150℃)し、図19に示すようなLED用リフレクターを得た。
実施例2−1
2本の長尺状銅板(リードフレームに相当)を準備し、上記と同様にして、予め、特開平2−298284号に記載された方法による表面処理(トリアジン処理)を行った。
実施例1−1の熱可塑性樹脂組成物からなるペレットを310℃で溶融させ、この溶融物を、上記長尺状銅板を内部に配置した金型(図24参照)のキャビティ空間を有する金型に射出(金型温度;90℃〜150℃)し、図19に示すようなLED用リフレクターを得た。
実施例2−2〜2−18
実施例1−2〜1−18の熱可塑性樹脂組成物からなる各ペレットを、表1〜表3に記載の「複合体作製時の樹脂組成物の溶融温度」に基づく温度で溶融させ、金型温度を下記とした以外は、実施例2−1と同様にして、図19に示すようなLED用リフレクターを得た。尚、射出成形に用いた金型の温度は、実施例2−2〜2−11において90℃〜150℃、実施例2−12及び2−13において40℃〜80℃、実施例2−14〜2−18において120℃〜170℃である。
実施例1−2〜1−18の熱可塑性樹脂組成物からなる各ペレットを、表1〜表3に記載の「複合体作製時の樹脂組成物の溶融温度」に基づく温度で溶融させ、金型温度を下記とした以外は、実施例2−1と同様にして、図19に示すようなLED用リフレクターを得た。尚、射出成形に用いた金型の温度は、実施例2−2〜2−11において90℃〜150℃、実施例2−12及び2−13において40℃〜80℃、実施例2−14〜2−18において120℃〜170℃である。
比較例2−1〜2−7
比較例1−1〜1−7の熱可塑性樹脂組成物からなる各ペレットを、表4に記載の「複合体作製時の樹脂組成物の溶融温度」に基づく温度で溶融させ、金型温度を下記とした以外は、実施例2−1と同様にして、図19に示すようなLED用リフレクターを得た。尚、射出成形に用いた金型の温度は、比較例2−1において40℃〜60℃、比較例2−2〜2−5において90℃〜150℃、比較例2−6において40℃〜80℃、比較例2−7において90℃〜150℃である。
比較例1−1〜1−7の熱可塑性樹脂組成物からなる各ペレットを、表4に記載の「複合体作製時の樹脂組成物の溶融温度」に基づく温度で溶融させ、金型温度を下記とした以外は、実施例2−1と同様にして、図19に示すようなLED用リフレクターを得た。尚、射出成形に用いた金型の温度は、比較例2−1において40℃〜60℃、比較例2−2〜2−5において90℃〜150℃、比較例2−6において40℃〜80℃、比較例2−7において90℃〜150℃である。
5.LED実装用基板の製造
実施例3−1
平板状銅板(7×7×1mm)を準備し、上記と同様にして、予め、特開平2−298284号に記載された方法による表面処理(トリアジン処理)を行った。
実施例1−1の熱可塑性樹脂組成物からなるペレットを310℃で溶融させ、この溶融物を、上記長尺状銅板を内部に配置した金型(図示せず)のキャビティ空間を有する金型に射出(金型温度;90℃〜150℃)し、図18に示すようなLED素子を搭載可能なLED実装用基板を得た。
実施例3−1
平板状銅板(7×7×1mm)を準備し、上記と同様にして、予め、特開平2−298284号に記載された方法による表面処理(トリアジン処理)を行った。
実施例1−1の熱可塑性樹脂組成物からなるペレットを310℃で溶融させ、この溶融物を、上記長尺状銅板を内部に配置した金型(図示せず)のキャビティ空間を有する金型に射出(金型温度;90℃〜150℃)し、図18に示すようなLED素子を搭載可能なLED実装用基板を得た。
実施例3−2〜3−18
実施例1−2〜1−18の熱可塑性樹脂組成物からなる各ペレットを、表1〜表3に記載の「複合体作製時の樹脂組成物の溶融温度」に基づく温度で溶融させ、金型温度を下記とした以外は、実施例3−1と同様にして、図18に示すようなLED実装用基板を得た。尚、射出成形に用いた金型の温度は、実施例3−2〜3−11において90℃〜150℃、実施例3−12及び3−13において40℃〜80℃、実施例3−14〜3−18において120℃〜170℃である。
実施例1−2〜1−18の熱可塑性樹脂組成物からなる各ペレットを、表1〜表3に記載の「複合体作製時の樹脂組成物の溶融温度」に基づく温度で溶融させ、金型温度を下記とした以外は、実施例3−1と同様にして、図18に示すようなLED実装用基板を得た。尚、射出成形に用いた金型の温度は、実施例3−2〜3−11において90℃〜150℃、実施例3−12及び3−13において40℃〜80℃、実施例3−14〜3−18において120℃〜170℃である。
比較例3−1〜3−7
比較例1−1〜1−7の熱可塑性樹脂組成物からなる各ペレットを、表4に記載の「複合体作製時の樹脂組成物の溶融温度」に基づく温度で溶融させ、金型温度を下記とした以外は、実施例3−1と同様にして、図18に示すようなLED実装用基板を得た。尚、射出成形に用いた金型の温度は、比較例3−1において40℃〜60℃、比較例3−2〜3−5において90℃〜150℃、比較例3−6において40℃〜80℃、比較例3−7において90℃〜150℃である。
比較例1−1〜1−7の熱可塑性樹脂組成物からなる各ペレットを、表4に記載の「複合体作製時の樹脂組成物の溶融温度」に基づく温度で溶融させ、金型温度を下記とした以外は、実施例3−1と同様にして、図18に示すようなLED実装用基板を得た。尚、射出成形に用いた金型の温度は、比較例3−1において40℃〜60℃、比較例3−2〜3−5において90℃〜150℃、比較例3−6において40℃〜80℃、比較例3−7において90℃〜150℃である。
本発明の複合体の製造方法は、金属製部材と、樹脂製部材とが優れた接着性により一体化した複合体を得る方法として好適であり、LED素子を備える発光装置等の形成、更には、産業用制御機器、家庭用電化製品、携帯電話、携帯型電子情報端末等の通信機器、医療機器、車両用電子機器等の、構造用部品、外装用部品等、各種形状の金属製部材の表面又は内面に、ビス、ピン、ツメ、リブ、ボス等の樹脂成形部を備える製品、部品等の製造に好適である。
1:複合体
11:金属製部材(基板又はヒートシンク)
11a:金属製部材(基板又はヒートシンク)
11b:金属製部材(リードフレーム)
11c:金属製部材(基板又はヒートシンク)
11e:金属製部材(補強材又はヒートシンク)
11f:金属製部材(基板又はヒートシンク)
111:銅板
12:樹脂成形部(絶縁性部位)
12a:樹脂成形部(絶縁性部位)
12b:樹脂成形部(絶縁性部位)
12c:樹脂成形部(絶縁性部位)
12d:樹脂成形部(リフレクター部)
12e:樹脂成形部(リフレクター部)
12f:樹脂成形部(リフレクター部)
121:樹脂板
125:凹部
126:凹部
3:金型
31:コア型
32:キャビティ型
32a:樹脂導入口付き固定型
32b:キャビティ付き固定型
4:樹脂製基板
51:LED素子
53:ワイヤボンディング
54:絶縁性台座
55:レンズ
57:透明封止部(又は空隙部)
6:発光装置
7:シリコーンラバーヒーター
11:金属製部材(基板又はヒートシンク)
11a:金属製部材(基板又はヒートシンク)
11b:金属製部材(リードフレーム)
11c:金属製部材(基板又はヒートシンク)
11e:金属製部材(補強材又はヒートシンク)
11f:金属製部材(基板又はヒートシンク)
111:銅板
12:樹脂成形部(絶縁性部位)
12a:樹脂成形部(絶縁性部位)
12b:樹脂成形部(絶縁性部位)
12c:樹脂成形部(絶縁性部位)
12d:樹脂成形部(リフレクター部)
12e:樹脂成形部(リフレクター部)
12f:樹脂成形部(リフレクター部)
121:樹脂板
125:凹部
126:凹部
3:金型
31:コア型
32:キャビティ型
32a:樹脂導入口付き固定型
32b:キャビティ付き固定型
4:樹脂製基板
51:LED素子
53:ワイヤボンディング
54:絶縁性台座
55:レンズ
57:透明封止部(又は空隙部)
6:発光装置
7:シリコーンラバーヒーター
Claims (15)
- 金型の内部に、トリアジン系化合物を用いて表面処理された金属製部材を配置し、該金属製部材の表面の少なくとも一部に、〔A〕チオエーテル結合、アミド結合、エステル結合及びエーテル結合から選ばれる少なくとも1種の結合を含む熱可塑性樹脂15〜80質量%、及び、〔B〕窒化ホウ素20〜85質量%(但し、〔A〕+〔B〕=100質量%)を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる樹脂成形部を射出成形法により形成することを特徴とする複合体の製造方法。
- 上記熱可塑性樹脂〔A〕が、ポリフェニレンサルファイドである請求項1に記載の複合体の製造方法。
- 上記熱可塑性樹脂〔A〕が、融点が250℃〜400℃の範囲にあるポリアミド樹脂である請求項1に記載の複合体の製造方法。
- 上記熱可塑性樹脂〔A〕が、ポリフェニレンサルファイドと、融点が250℃〜400℃の範囲にあるポリアミド樹脂とからなり、これらの含有割合が、両者の合計を100質量%とした場合に、それぞれ、40〜90質量%及び60〜10質量%である請求項1に記載の複合体の製造方法。
- 上記ポリアミド樹脂が芳香族ポリアミド樹脂を含む請求項3又は4に記載の複合体の製造方法。
- 上記芳香族ポリアミド樹脂が、ヘキサメチレンテレフタルアミド単位を含む請求項5に記載の複合体の製造方法。
- 上記窒化ホウ素〔B〕は、粒度分布の測定により得られた累計体積が10%及び90%であるときの粒子径D10及びD90が、それぞれ、4〜6μm及び35〜50μmであり、且つ、D10とD90との比D90/D10が7〜11である請求項1乃至6のいずれかに記載の複合体の製造方法。
- 上記窒化ホウ素〔B〕の体積平均粒子径が12〜20μmである請求項1乃至7のいずれかに記載の複合体の製造方法。
- 上記複合体は、上記金属製部材と、該金属製部材の少なくとも一方の面に形成された、上記樹脂成形部とを備える板状のLED実装用基板である請求項1乃至8のいずれかに記載の複合体の製造方法。
- 上記複合体は、上記金属製部材として、1の金属製部材が放熱用金属板であり、他の金属製部材がLED素子に電気的に接続されるリードフレームであり、且つ、上記放熱用金属板と、該放熱用金属板の少なくとも一方の面に形成された、上記樹脂成形部とを備え、且つ、上記リードフレームが、上記樹脂成形部の表面及び/又は内部に配設されてなる板状のLED実装用基板である請求項1乃至8のいずれかに記載の複合体の製造方法。
- 上記LED実装用基板において、上記樹脂成形部が、LED素子を配設するために断面形状が凹状であるリフレクター部を備える請求項9又は10に記載の複合体の製造方法。
- 上記複合体は、上記金属製部材が、上記樹脂成形部の表面及び/又は内部に配設されてなるLED用リフレクターであって、
上記金属製部材が、LED素子に電気的に接続されるリードフレームであり、且つ、上記LED素子を配設するために上記樹脂成形部の断面形状が凹状である請求項1乃至8のいずれかに記載の複合体の製造方法。 - 上記複合体は、上記金属製部材が、上記樹脂成形部の表面及び/又は内部に配設されてなるLED用リフレクターであって、
上記金属製部材が、放熱用部材であり、且つ、上記LED素子を配設するために上記樹脂成形部の断面形状が凹状である請求項1乃至8のいずれかに記載の複合体の製造方法。 - 請求項9乃至11のいずれかに記載の複合体の製造方法により得られたことを特徴とするLED実装用基板。
- 請求項12又は13に記載の複合体の製造方法により得られたことを特徴とするLED用リフレクター。
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