JP2009194126A - 光源装置、プロジェクタ、及びモニタ装置 - Google Patents

光源装置、プロジェクタ、及びモニタ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光源装置の高出力化を図るべく、例えば光素子を多数用い、光素子毎に波長変換素子を設ける場合には光源装置が大型化したり、波長変換素子を複数設けることで装置のコストが高くなるといった問題が発生する。
【解決手段】レーザ光を射出する複数の第1エミッタ2Aを含む第1光素子1Aと、複数の第2エミッタ2Bを含む第2光素子1Bのレーザ光をプリズム50により光軸を揃えて波長変換素子20に照射し、高調波を発生させる。第1エミッタ2Aから射出されるレーザ光と第2エミッタ2Bから射出されるレーザ光とを一つの波長変換素子20を用いて高調波を発生させるため、波長変換素子20の数を減らすことができ、コンパクト且つ高出力な高調波レーザ光を射出させる光源装置100を提供することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光源装置、プロジェクタ、及びモニタ装置に関するものである。
従来から、プロジェクタ等の小型・高出力化を目的として、光源に半導体レーザチップ等の光素子を用いた光源装置が知られている。このような光源装置に用いられる光素子としては、高出力化のために複数の光素子を集積したものが使用される。
また、光源装置として、発光素子の外部に波長変換素子等の光学素子を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。これは、例えば緑色等、光素子単体では出しにくい波長を得るために用いられる。
特開2007−5352号公報
ところで、近年、光源装置のさらなる高出力化が望まれる一方、光源装置の小型化が望まれている。しかしながら、光源装置の高出力化を図るべく、例えば光素子を多数用い、光素子毎に波長変換素子を設ける場合には光源装置が大型化したり、波長変換素子を複数設けることで装置のコストが高くなるといった問題が発生してしまう。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり以下の形態又は適用例として実現することが可能である。ここで、「光軸の中央部」とは、光軸内でもっとも輝度が高い部分を指すものと定義する。
[適用例1]本適用例にかかる光源装置は、ライン状に配列された複数のエミッタよりレーザ光を射出する2つの光素子と、前記エミッタから射出される前記レーザ光を反射する第1光学部材と、前記第1光学部材で反射された前記レーザ光の光路上に配置され、前記レーザ光が通過する際に前記レーザ光の波長を変換する波長変換素子と、前記波長変換素子から射出された前記レーザ光の光路上に配置され、前記光素子との間で共振器構造を構成する外部共振器と、を有する光源装置であって、前記2つの光素子が前記第1光学部材を挟んで配置されていることを特徴とする。
これによれば、複数のエミッタが発するレーザ光を扱うことができる。そのため、波長変換されたレーザ光を、より高い強度で取り出せる光源装置を提供することができる。また、光素子数よりも波長変換素子数を削減することができるため、光源装置を小型化することが可能となる。さらに、波長変換を受けていないレーザ光を元の光素子に戻し、新たなレーザ光として再び波長変換素子中に射出することができるため、レーザ光の波長変換をより高効率に行うことが可能となる。
[適用例2]上記適用例にかかる光源装置であって、前記外部共振器は、前記光素子から射出された前記レーザ光のうち、前記波長変換素子を通過することにより波長変換されない非波長変換レーザ光は反射させて再び前記波長変換素子に戻し、前記波長変換素子を通過することにより波長変換された波長変換レーザ光は通過させることを特徴とする。
上記した構成によれば、外部共振器より反射された、非波長変換レーザ光が、再び波長変換素子を通過する際に生じる波長変換レーザ光成分も外部に射出させるため、レーザ光の波長変換をより高い効率で行うことが可能となる。また、この光学系を用いた場合、非波長変換レーザ光は元の光素子へ戻り、再度光素子のエネルギー源となる。従って、レーザ光の波長変換をさらに高効率に行うことが可能となる。
[適用例3]上記適用例にかかる光源装置であって前記波長変換素子に対してS偏光成分となる前記レーザ光を分離させ、P偏光成分を通過させる偏光特性、又は、前記レーザ光を前記波長変換素子に対してP偏光に揃える偏光変換素子特性を有する選択透過ミラーを、前記外部共振器と前記波長変換素子との間に含むことを特徴とする。
上記した構成によれば、偏光特性を有する選択透過ミラーを用いることで、無効光となる、波長変換素子におけるS偏光成分の波長変換素子への入射を防止することができる。そのため、無効光となる、S偏光成分の光エネルギーに起因する波長変換素子の温度上昇を抑えることが可能となり、温度上昇に伴う波長変換素子の光学的特性の変動発生を抑制することができる。
また、偏光変換素子特性を有する選択透過ミラーを用いることで、偏光変換損失分を除いて波長変換素子に入射させることが可能となり、波長変換素子に入射されるP偏光成分が増強され、より高効率で波長変換を行うことが可能となる。
[適用例4]上記適用例にかかる光源装置であって、前記光素子と前記選択透過ミラーとの間に配置され、前記光素子が射出する前記レーザ光に対して、一部の波長帯域を有する前記レーザ光を透過させ、他の波長帯域を有する前記レーザ光を反射させて元の前記光素子に帰還させるバンドパスフィルタをさらに含むことを特徴とする。
上記した構成によれば、バンドパスフィルタの挿入により、レーザ光の発振波長を安定化させることが可能となる。また、バンドパスフィルタで反射されたレーザ光は元の光素子に戻り、再度光素子のエネルギー源となるため、レーザ光のエネルギーを無駄なく利用し、且つ単色性に優れたレーザ光を提供することが可能となる。
[適用例5]上記適用例にかかる光源装置であって、前記光素子と前記波長変換素子との間に配置され、前記光素子が射出する前記レーザ光に対して、一部の波長帯域を有する前記レーザ光と前記波長変換素子により変調された前記波長変換レーザ光と、を透過させ、他の波長を有する前記レーザ光を反射させて元の前記光素子に帰還させるバンドパスフィルタをさらに含むことを特徴とする。
上記した構成によれば、バンドパスフィルタの挿入により、レーザ光の発振波長を安定化させることが可能となる。また、バンドパスフィルタで反射されたレーザ光は元の素子に戻り、再度光素子のエネルギー源となるため、レーザ光のエネルギーを無駄なく利用し、且つ単色性に優れたレーザ光を提供することが可能となる。
[適用例6]上記適用例にかかる光源装置であって、前記外部共振器に代えて、前記波長変換素子から射出される前記波長変換レーザ光を通過させ、前記非波長変換レーザ光を反射する、第2選択透過ミラーを備えることを特徴とする。
上記した構成によれば、外部共振器に比べ小型化が可能な第2選択透過ミラーを用いることで、光源装置を小型化することが可能である。また、第2選択透過ミラーは一般的に外部共振器と比べ低価格であり、光源装置を低価格で提供することが可能となる。
[適用例7]上記適用例にかかる光源装置であって、前記2つの光素子の前記エミッタは、各々列状に並んだエミッタ列を構成し前記エミッタ列に属する前記エミッタが射出する前記レーザ光の光軸が、前記波長変換素子の入射面において、互いに前記エミッタの延在方向にずらして入射されるよう前記エミッタ列を配置したことを特徴とする。
上記した構成によれば、波長変換素子、及び外部共振器が受ける複数のレーザ光は、光素子毎にずれた領域に供給される。そのため、波長変換素子、及び外部共振器に起因して発生する両チップ間での光学的干渉や、熱的干渉が防止され、安定した波長変換動作を行うことが可能となる。
[適用例8]上記適用例にかかる光源装置であって、前記2つの光素子の少なくとも一つは、前記エミッタがライン状に配列された前記エミッタ列を複数含むことを特徴とする。
上記した構成によれば、多数のエミッタからレーザ光が供給される。そのため、波長変換を受けたレーザ光強度はエミッタ数に相関性を持って強くなり、小さな寸法で強力な、波長変換を受けたレーザ光を射出することが可能となる。
[適用例9]上記適用例にかかる光源装置であって、前記エミッタは、近接して配置される他の前記エミッタとの距離を揃えて配置されることを特徴とする。
上記した構成によれば、光素子内における温度分布を抑えることが可能となり、均一性高く波長変換動作を行わせることが可能となる。
[適用例10]上記適用例にかかる光源装置であって、前記エミッタ列は、前記エミッタが千鳥状に配置されることを特徴とする。
上記した構成によれば、狭い領域に多数のエミッタを配置することができ、同一出力を得るための光源装置の寸法を小型化することができる。
[適用例11]上記適用例にかかる光源装置であって、前記第1光学部材は、頂角が90°のプリズムであることを特徴とする。
上記した構成によれば、技術的に熟成している直角プリズムを用いることで高い精度を有する光学系を形成することができる。また、光学系の構成を45°,90°という容易に光軸調整を行いうる角度で構成することができる。
[適用例12]上記適用例にかかる光源装置であって、前記第1光学部材は、頂角が鋭角のプリズムであることを特徴とする。
上記した構成によれば、鋭角プリズムの頂角を二等分した方向の法線方向に対して、光素子と鋭角プリズムとの距離を短縮することが可能となり、頂角を二等分する方向に対して小型化が可能となる。
[適用例13]上記適用例にかかる光源装置であって、前記第1光学部材は、頂角が鈍角のプリズムであることを特徴とする。
上記した構成によれば、鈍角プリズムの頂角を二等分した方向に対して、光素子と鈍角プリズムとの距離を短縮することが可能となり、頂角を二等分する方向に対して小型化が可能となる。
[適用例14]上記適用例にかかる光源装置であって、複数の前記光素子と前記波長変換素子との光路長が互いに等しいことを特徴とする。
上記した構成によれば、複数の光素子から発生する光の広がりを互いに揃えることができる。そのため、波長変換を受けた複数のレーザ光を均一性高く射出することができる。また、光素子、波長変換素子、又は外部共振器におけるアライメント調整を容易なものとすることができる。
[適用例15]本適用例にかかるプロジェクタは、上記記載の光源装置と、該光源装置から射出された前記レーザ光を画像情報に応じて変調する光変調素子と、該光変調素子によって形成された画像を投射する投射装置と、を備えることを特徴とする。
これによれば、上述したように小型且つ低コストであって高出力を得る光源装置を備えているので、小型で高精細な画像を投影することのできるプロジェクタを低コストで提供できる。
[適用例16]本適用例にかかるモニタ装置は、上記記載の光源装置と、該光源装置により照射された被写体を撮像する撮像手段と、を備えることを特徴とする。
これによれば、光源装置より射出されたレーザ光は被写体を照射し、撮像手段により被写体を撮像する。この場合は、上述したように小型且つ低コストで高出力の光源装置を備えているので、輝度むらのない明るい光により被写体が照射される。従って、撮像手段により被写体を鮮明に撮像することが可能な小型のモニタ装置を低コストで得ることができる。
[適用例17]本適用例にかかる光源装置は、第1のレーザ光を射出する第1の光素子と、第2のレーザ光を射出する第2の光素子と、前記第1のレーザ光及び前記第2のレーザ光を反射する第1光学部材と、前記第1光学部材で反射された前記第1のレーザ光の波長を変換して第3のレーザ光とし、前記第2のレーザ光の波長を変換して第4のレーザ光とする波長変換素子と、前記第3のレーザ光及び前記第4のレーザ光が入射される共振器と、を含むことを特徴とする。
これによれば、2つの光素子が発するレーザ光を同時に波長変換することができる。そのため、波長変換されたレーザ光を、より高い強度で取り出せる光源装置を提供することができる。
[適用例18]上記適用例にかかる光源装置であって、前記波長変換素子は、前記第1のレーザ光の波長である第5のレーザ光と、前記第2のレーザ光の波長である第6のレーザ光と、を射出し、前記共振器は、前記第5のレーザ光及び前記第6のレーザ光を反射させ、前記第3のレーザ光及び前記第4のレーザ光を通過させ、前記共振器で反射された前記第5のレーザ光及び前記第6のレーザ光は前記波長変換素子に入射されることを特徴とする。
上記した構成によれば、外部共振器より反射された、非変調レーザ光が、再び波長変換素子を通過する際に生じる変調レーザ光成分も波長変換光源として用いることが可能となり、レーザ光の波長変換をより高い効率で行うことが可能となる。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各図面では、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を適宜変更している。
(光源装置)
図1は本実施形態に係る光源装置100の断面構造を示すものである。図1に示すように、本実施形態に係る光源装置100は、第1エミッタ列3Aに含まれる第1エミッタ2Aよりレーザ光を射出する半導体レーザチップを用いた第1光素子1A(複数の光素子)と、第1光素子1Aと対向するように配置され、第2エミッタ列3Bに含まれる第2エミッタ2Bよりレーザ光を射出する半導体レーザチップを用いた第2光素子1B(複数の光素子)と、を備えている。また光源装置100は、第1エミッタ2A、第2エミッタ2Bから射出されたレーザ光の光路方向をそれぞれ揃える、第1反射面50Aと、第2反射面50Bと、を備えたプリズム50(第1光学部材)とを含む。プリズム50は、例えばBK7等の汎用的な光学材料を用い、その頂角は90°に設定されている。プリズム50は汎用的な光学部品であり、調達や製造が容易であるという利点を有している。
そして、揃えられた両光路を含むように波長変換素子20は配置される。外部共振器30(例えばONDAX社製ボリュームホログラフィック回折格子)は、波長変換素子20で波長変換を受けた波長変換レーザ光を射出し、非波長変換レーザ光を元の光素子に帰還する機能を有している。この実施形態では、第1光素子1Aと波長変換素子20との光路長は、第2光素子1Bと波長変換素子20との光路長と揃えられているため、レーザ光の広がり等を揃えることができ、光学系の設計を容易なものとしている。
ここで、第1光素子1Aと外部共振器30との間で第1の光共振器構造が得られ、同様に第2光素子1Bと外部共振器30との間で、第2の光共振器構造が得られる。そして、波長変換素子20とプリズム50との間に位置する選択透過ミラーM1と、選択透過ミラーM1で反射されたレーザ光の光軸を変更するミラーM2と、プリズム50と選択透過ミラーM1との間に配置されるバンドパスフィルタ70(Band Pass Filter:以下BPFと呼ぶ)とを備えている。
選択透過ミラーM1は、BPF70と、波長変換素子20との間に配置されている。選択透過ミラーM1は、例えば一方の面には偏光ビームスプリッタ(以下PBSと呼ぶ)が配置され、波長変換素子20に対してP偏光の光のみを通すよう構成されている。そして、他方の面には波長変換レーザ光を反射し、非波長変換レーザ光を透過する反射層が配置されている。
光源装置100は、第1光素子1Aと対向するように配置され、第2エミッタ2Bよりレーザ光を射出する半導体レーザチップを用いた第2光素子1Bと、を備えている。第1光素子1A、第2光素子1Bは、例えば、GaAsやInGaAsP等の材料から構成されている。
ここで、第1光素子1Aに代表される光素子に好適なものとして使われる面発光型半導体レーザについて図面を用いて説明する。図6は、一つの面発光型半導体レーザ1LDの断面図である。第1エミッタ2Aは平面視において円形であり、第1エミッタ2Aを囲うよう、第1電極110が配置されている。図6の説明に際しては、便宜的に図面の上方向を、「上」と定義する。面発光型半導体レーザ1LDの最下面には第2電極111が配置されている。第2電極111上には、多層構造を用いて面発光型半導体レーザ1LDの下部共振器となる第2ミラー層112が配置されている。活性層113は、絶縁領域114に囲われるよう配置されており、電流を狭窄することでレーザ発振に必要な閾値電流を低減させている。活性層113、絶縁領域114上には上部共振器となる第1ミラー層115が配置されている。第1ミラー層115と第2ミラー層112とが協働して、活性層113から発生する自然発生光をレーザ光に変換する。ここで、第2ミラー層112の反射率はほぼ100%であり、レーザ光の下側への漏れを抑制している。それに対して第1ミラー層115は若干の光放出を行うべく、第2ミラー層112と比べ反射率を低減させ、レーザ光の射出を可能としている。そして、熱レンズ効果によりレーザ光を集光させる集光部116が配置されている。
次に、面発光型半導体レーザ1LDの動作について説明する。第1電極110と第2電極111とを通じて面発光型半導体レーザ1LDに電流を印加すると、pin構造を有する面発光型半導体レーザ1LDに正孔と電子が注入される。面発光型半導体レーザ1LDでは、第1ミラー層115と第2ミラー層112のバンドギャップよりも活性層113のバンドギャップが狭くなるよう構成されており、正孔と電子の活性層113からの流出が抑制される。従って、pin構造のi部にあたる活性層113では、正孔と電子が蓄積された状態を形成する。また、絶縁領域114で活性層113を囲うことにより、活性層113中での正孔と電子は効率良く蓄えられ高濃度で存在することとなり、強い光増幅作用が得られる。この状態でわずかな自然放出光を種として誘導放出が行われるため、数mA程度の小さい電流値でレーザ光を得ることができる。そして、集光部116の活性層113近傍の領域は、高い温度で保たれることとなり、光レンズ効果により集光され、略平行なレーザ光として面発光型半導体レーザ1LD外に射出される。この場合、面発光型半導体レーザ1LDより射出される光は、面発光型半導体レーザ1LDと離れた位置で焦点を結ぶレーザ光となる。
以下、再び図1を用いて光源装置100の説明を続ける。以下の説明では、プリズム50の頂角を2等分する方向と平行な方向をZ軸方向とし、Z軸に垂直で第1エミッタ2Aの配列方向をX軸方向、Z軸とX軸の双方に垂直な方向をY軸方向とするXYZ直交座標系を用いて説明する。
本実施形態では、第1光素子1Aとしては、例えば寸法が10x1x0.1(単位はいずれもmm)(横x縦x厚み:横方向にエミッタが延在する)のものを用い、波長変換素子20としては、寸法が10x(0.5〜1)x5(単位はいずれもmm)(横x縦x厚み:横x縦で形成される面にレーザ光が入射する)のものを用い、外部共振器30としては、寸法が10x2x5(単位はいずれもmm)(横x縦x厚み:横x縦で形成される面にレーザ光が入射する)のものを用いている。
第1光素子1A、第2光素子1Bは、第1マウント部8A、第2マウント部8B上に接合材等によりマウントされている。第1マウント部8A、第2マウント部8Bは、例えば、AlN,SiC,AlSiC等のセラミック材料、Cu−W,Cu−Mo,BeO等のコンポジット材料、又は、カーボン(C),グラファイト,ダイヤモンド等の炭素系材料等の高熱伝導率材料により形成されている。また、接合材としては、例えば、In,Pb,Sn等の導電性低融点材料を単独で用いることができる。また、例えば、AuSn,AgSn,InAg,InSn,PbSn,SnBi等の合金状の導電性低融点材料を用いることもできる。なお、第1光素子1A、第2光素子1Bをサブマウント上に固定し、このサブマウントを第1マウント部8A、第2マウント部8Bに固定するようにしても良い。そして、第1マウント部8A、第2マウント部8Bは、ベース部材7に固定されている。ベース部材7は、例えば第1マウント部8A、第2マウント部8Bと同様の材料で形成される。そして、光透過部9により封止されている。また、BPF70、選択透過ミラーM1、波長変換素子20、外部共振器30は所定の位置に配置されている。
BPF70は、第1光素子1A、第2光素子1Bが発するレーザ光の帯域幅よりも狭い通過帯域を有しており、光源装置100から射出されるレーザ光のスペクトル幅を狭くし、且つ帯域から外れた光や偏光方向の異なる光等も含めて元の光素子に戻す。そのため、色純度を向上させ且つエネルギー損失を抑え明るい光源装置100を得ることを可能としている。
選択透過ミラーM1は、一方の面に波長変換を受けていない非波長変換レーザ光を通過し、波長変換を受けた波長変換レーザ光を反射する機能を有している。そして他方の面にはPBSが配置され、波長変換素子20に対してP偏光の偏光成分を持つ光のみを通すよう構成されている。
波長変換素子20は、周期的な分極反転構造を備え、波長変換素子20に入射されたレーザ光の波長を、特定の波長のレーザ光に変換するように構成されている。例えば、第1エミッタ2A、第2エミッタ2Bから射出されるレーザ光の波長が1064nmである場合、波長変換素子20は、これを半分の波長の532nmに変換して、緑色のレーザ光を生成する。なお、波長変換素子20の波長変換効率は、一般的に30〜40%程度である。つまり、第1エミッタ2A、第2エミッタ2Bから射出されたレーザ光のすべてが波長変換されるわけではない。周期的な分極反転構造は、例えば、ニオブ酸リチウム(LN:LiNbO3)やタンタル酸リチウム(LT:LiTaO3)等の無機非線形光学材料の結晶基板内部に形成されている。
外部共振器30は、内部にブラッグ格子を備え、特定の波長を有するレーザ光(第1エミッタ2A、第2エミッタ2Bから射出され、波長変換を受けたレーザ光成分)を通過させ、それ以外の波長のレーザ光(第1エミッタ2A、第2エミッタ2Bから射出され、波長変換を受けていないレーザ光成分)を反射するように構成されている。ブラッグ格子は、例えば、SiO2を主体としたアルカリボロアルミノシリケートガラス等のガラス層に所定波長の紫外線を照射し、ガラス層中に屈折率の異なる干渉パターンを層状に形成することで形成されている。なお、上記外部共振器30は、反射板とバンドパスフィルタ又はダイクロイックミラーを組み合わせて構成することもできる。
(光源装置内での光路)
続いて、本実施形態に係る光源装置100を駆動することで出力光が得られるまでの光路について図1を参照しながら説明する。ここで、本実施形態では、第1光素子1A、第2光素子1Bに対して光学系は対称に配置されているため、第1光素子1Aの光路について説明する。第2光素子1Bの光路は第1光素子1Aの光路に対して対称の光路を取るため、ここでは省略する。
図1において、O1は第1光素子1Aの第1エミッタ2Aから射出され、波長変換素子20によって半分の波長に変換され、外部共振器30を経て外部に射出されるレーザ光を示している。また、図1において、L1は第1光素子1Aの第1エミッタ2Aから射出され、波長変換素子20によって半分の波長に変換されずに外部共振器30で反射され、波長変換素子20を再度通過する際に半分の波長に変換された後に外部に射出されるレーザ光を示している。
第1光素子1Aの第1エミッタ2Aから射出されたレーザ光は、プリズム50に向かう。ここで、プリズム50の第1反射面50Aで反射されてきたレーザ光は、BPF70に入射する。BPF70は、例えば、レーザ光の波長分布よりも狭い通過特性を有しており、単色性の高いレーザ光のみを透過する。BPF70で反射された光は、プリズム50を介して元の第1光素子1Aの第1エミッタ2Aに帰還し、新たなレーザ光の生成源となる。この場合、波長変換素子20に対してS偏光している光も帰還されるため、レーザ光の生成源となる光量をさらに大きくすることができる。なお、BPF70として、レーザ光の波長分布よりも広いものを用いても良い。この場合、通過特性として、レーザ光の波長分布の一部と重なるようすることで単色性の高いレーザ光を提供できる。
BPF70を通過したレーザ光は、選択透過ミラーM1に入射する。選択透過ミラーM1は、例えば一方の面には偏光ビームスプリッタ(以下PBSと呼ぶ)が配置され、波長変換素子20に対してP偏光の光のみを通し、S偏光の光の光路を変えるよう構成されている。そして、他方の面には波長変換レーザ光を反射し、非波長変換レーザ光を透過する反射層が配置されている。そのため、波長変換素子20に対してP偏光を有する光のみが通過し、波長変換素子20への無効光の侵入が抑えられるため、波長変換素子20の温度上昇量を抑えることが可能となり、発熱による光変換作用の変動を抑えることができる。選択透過ミラーM1により、P偏光の光のみを選択的に通過させることができる。
選択透過ミラーM1を通過したレーザ光は、波長変換素子20に入射する。波長変換素子20には、波長変換が可能なP偏光の光のみが入射されるため、前述したように波長変換素子20にかかる負荷を低減することが可能となる。波長変換素子20にとって波長変換可能な偏光方向を有するレーザ光は波長変換素子20に入射することで、入射されたレーザ光を30〜40%程度の効率で、波長変換レーザ光に波長変換される。
波長変換素子20を通過したレーザ光は、外部共振器30に入射される。外部共振器30では、波長変換レーザ光は通過する。従って、波長変換されたレーザ光は、光源装置100からレーザ光O1として射出される。
波長変換素子20の波長変換効率は、上述したように30〜40%程度となっている。そのため、波長変換素子20で波長変換されなかった非波長変換レーザ光は、外部共振器30で反射され、再び波長変換素子20に入射する。非波長変換レーザ光は波長変換素子20を通過することで一部が波長変換される。
波長変換されたレーザ光は、選択透過ミラーM1により反射され、光軸が変更される。このレーザ光は、ミラーM2によって光軸の向きが再度変更され、レーザ光O1と略平行な光軸に揃えられる。そして、光源装置100からレーザ光L1として射出される。
そして、波長変換素子20を通過する際に波長変換されなかった非波長変換レーザ光は選択透過ミラーM1、BPF70を通過し、プリズム50の第1反射面Aで反射され、第1光素子1Aに戻り、新たなレーザ光の生成源となり、再び第1光素子1Aの第1エミッタ2Aから射出される。なお、第2光素子1Bより射出されたレーザ光は、同様の機構でO2,L2として光源装置100から射出される。
(光素子のエミッタ配置)
以下、第1光素子1Aの第1エミッタ列3A、第2光素子1Bの第2エミッタ列3Bの配列について図面を用いて説明する。図2は、第1エミッタ列3A、第2エミッタ列3Bの配列を示す平面図であり、波長変換素子20(図1参照)の入射面に写る第1エミッタ列3A、第2エミッタ列3Bの光像を示している。図2に示すように、第1エミッタ列3Aと第2エミッタ列3Bは共に、ライン状に等間隔で配置されている。第1エミッタ列3A、第2エミッタ列3Bを半ピッチ分ずらせて配置させることで、波長変換素子20に加えられる光密度を均一化することが可能となる。そのため、波長変換素子20に入射されるエネルギーにより発生する温度分布を小さくし、均一な温度に保たれることから光源装置100から射出するレーザ光の特性を均一に保つことが可能となる。このように第1光素子1Aの第1エミッタ列3Aと第2光素子1Bの第2エミッタ列3Bとの周期を半ピッチ変えて構成することで、光素子を対称に配置すれば良いため、チップの位置合わせが容易になり、光源装置100(図1参照)の組み立てが容易になる。また、第2光素子1Bを第1光素子1Aと同じ構造を有するものを用いて、第2光素子1Bの位置をY方向にシフトさせて構成することも好適である。この構成を用いることで、少ない種類の光素子(例えば第1光素子1Aと第2光素子1Bで同じものを使う)で光源装置100(図1参照)を構成することができる。そのため、光素子の量産が容易になる。
また、光素子内でのエミッタ列の配列を変えることでもより大きな発光強度を得る構造を実現することができる。図5は、第1光素子1Aを代表として、第1エミッタ列3Aを望む側から見た平面視における第1エミッタ列3Aのレイアウト図である。第1エミッタ2Aは、各々の第1エミッタ2Aが同じ距離を保って千鳥状に配置されている。第1エミッタ2Aの直径は図示したように例えば240μmであり、第1エミッタ2Aの中心間の距離は例えば300μm、千鳥状に配置された第1エミッタ2A間の中心間距離は例えば250μmである。第1エミッタ2Aをこのように千鳥状に配置することで、ライン状に並べる場合と比べ、より高密度に第1エミッタ2Aを集積することが可能となり、光源装置100(図1参照)をより高出力化することが可能となる。また、上記したように、等間隔で第1エミッタ2Aを配置することで、第1光素子1A内部の温度分布の発生が抑制され、より均一性の高いレーザ光を射出することができる。また、波長変換素子20内部での温度分布も小さく抑えることで、光源装置100から射出するレーザ光の特性を均一に保つことが可能となる。
(光源装置の変形例)
以下、図1を用いて説明した光源装置100の変形例について説明する。上記した光源装置100では、BPF70を選択透過ミラーM1とプリズム50との間に配置したが、これは選択透過ミラーM1と波長変換素子20との間に配置しても良く、この場合においても色純度の高い波長変換レーザ光を得ることができる。
また、BPF70を第1光素子1Aとプリズム50の間、第2光素子1Bとプリズム50との間に配置しても良い。この場合には、第1光素子1AとBPF70との距離、第2光素子1BとBPF70との距離を近付けることが可能となるため、光軸と若干傾いて設置しても反射光が元の光素子に戻る。そのため、工作精度を落としても機能する光源装置100を得ることが可能となる。また、この場合には、第1光素子1Aと第2光素子1Bとに異なるレーザ光源を用いても、各々の発光素子に合わせた特性を有するBPF70を用いることで対応することが可能となる。また、BPF70は必須の存在ではなく、省略することも可能であり、この場合には光学系を簡略化できるため、光源装置100の小型化が可能となる。また、コスト的にも有利となる。
また、選択透過ミラーM1として、一方の面にはPBSを配置し、波長変換素子20に対してP偏光の光のみを通すよう構成し、他方の面には波長変換レーザ光を反射し、非波長変換レーザ光を透過する反射層が配置されている例について説明したが、これはPBSに代えて、偏光変換素子を用いることでS偏光成分をP偏光成分に変換して、非波長変換レーザ光に含まれているP偏光成分と合わせて射出させる構成を用いても良い。この場合、波長変換素子20に入射されるP偏光成分の光強度が変換損失を除いて倍になるため、光源装置100からの射出光強度を向上させることが可能となる。また、選択透過ミラーM1の一方の面にPBSを配置しているが、これは省略可能である。特に、レーザ光強度が小さい場合には、波長変換素子20の発熱量も小さくなるため、光学系を簡略化することができ、信頼性の高い光源装置100を提供することが可能となる。
また、上記した光源装置100では、複数の光素子として、第1光素子1Aと、第2光素子1Bの2つを用いた例について説明したが、これは、3つ以上の光素子を用いても良い。この場合には、プリズム50に代えて三角錐や四角錘等の形状を有し、光を反射する光学部材(第1光学部材)を用いることで対応することができる。また、第1光素子1Aに代表される光素子は一つのチップで構成される必要はなく、複数のチップを用いて第1光素子1Aを構成しても良い。
また、選択透過ミラーM1とミラーM2についても省略可能である。この構成を用いた場合においても複数の光素子から得られるレーザ光を波長変換素子20に入射させることが可能であり、外部共振器30から、波長変換素子20により波長変換されたレーザ光を取り出すことが可能である。
また、プリズム50に対して第1光素子1Aと第2光素子1Bとが対称に配置されている必要はなく、光路長が異なっていても良い。また、プリズム50を傾いた状態で配置されてもその機能を果たすことができる。また、第1光素子1Aと第2光素子1Bとに、同じ構造を有するレーザ発光素子を用いる必要はなく、異なる特性を有する光素子を用いても良い。また、第1光素子1Aに代表される光素子は、複数のチップを近接させて配置したものを、まとめて第1光素子1Aとして用いても良い。
また、上記実施形態では、第1光素子1Aに代表される光素子の第1エミッタ2Aの配置例として2列の千鳥配置について説明したが、これは2列に限定するものではなく、波長変換素子20に入射される範囲で例えば3列、4列と増やしても良い。
また、第1光素子1Aに代表される光素子の第1エミッタ列3Aは、必ずしも等間隔で並べられる必要はなく、例えば、第1エミッタ列3Aの端側で第1エミッタ2Aの実装密度を上げる構成を用いても良い。この場合、放熱特性上有利になる端側で消費電力が増え発熱量が大きくなるため、第1光素子1A内の温度分布をより小さくすることができる。基本的に、第1エミッタ2Aの配置については、波長変換素子20に入射可能な領域にあればそのレイアウトに制約はなく、高出力の光源装置100を提供することが可能となる。
また、第1光素子1Aに代表される光素子において、エミッタを複数配置した例について説明したが、これは単数でも良い。また、端面発光型のデバイスのエミッタをアレー状に繋げ、発光面積を大きく取り、実効的に一つのエミッタを形成した半導体レーザを用いても良い。また、第1光素子1Aに代表される光素子において、複数のチップを用いて第1光素子1Aとして構成しても良い。
(第2実施形態)
次に、光源装置における第2実施形態について図面を参照にして説明する。図3は本実施形態に係る光源装置200の断面構造を示すものである。本実施形態に係る光源装置200は、図3に示されるように、プリズム50Gの頂角を鋭角(90°未満)に設定している点が、第1実施形態との相違点である。なお、上記実施形態と同一部材及び構成については同じ符号を付し、その詳細な説明については省略若しくは簡略化する。また、図3中におけるO1,O2,L1,L2は、第1実施形態で説明したレーザ光に対応するものである。
第1光素子1A及び第2光素子1Bのレイアウトは、第1エミッタ2Aから射出されるレーザ光と、第2エミッタ2Bから射出されるレーザ光が、プリズム50Gの第1反射面50GAと第2反射面50GBで反射される場合、図3中Z軸方向に沿って平行になるように取付角度が調整されている。
また、第1光素子1Aの第1エミッタ2A、第2光素子1Bの第2エミッタ2Bから射出されたレーザ光のうち、外部共振器30で反射されて再度波長変換素子20を通過する際(波長変換素子20の復路)に波長変換されたレーザ光が、選択透過ミラーM1とミラーM2によりZ軸方向に射出されるよう取付角度が調整されている。
続いて、本実施形態に係る光源装置200を駆動し、出力光が得られるまでの工程について説明する。ここで、本実施形態では、第1光素子1A、第2光素子1Bに対して光学系は対称に配置されているため、第1光素子1Aの光路について説明する。第2光素子1Bの光路は第1光素子1Aの光路に対して線対称の光路を取るのみであるため、ここでは省略する。
第1光素子1Aの第1エミッタ2Aから射出されたレーザ光は、プリズム50Gに向かう。ここで、プリズム50の第1反射面50GAで反射されてきたレーザ光は、BPF70に入射する。以下の光路は、第1実施形態と同様の光路をたどるため省略する。本実施形態では、上述したようにプリズム50Gの頂角が鋭角に設定されると共に、第1光素子1Aの第1エミッタ2Aから射出されたレーザ光と、第2光素子1Bの第2エミッタ2Bから射出されたレーザ光が、波長変換素子20の復路で波長変換されたレーザ光をプリズム50Gの頂角の近傍に入射させている。そのため、第1光素子1Aの第1エミッタ2A、第2光素子1Bの第2エミッタ2Bから射出されるレーザ光同士の間隔を、上述の第1実施形態の構成に比較してより近付けることができ、狭い幅を有する光源装置200を提供することが可能となる。また、第2実施形態においても、第1実施形態で説明した光素子のエミッタ配置や変形例を適用することが可能である。
(第3実施形態)
次に、光源装置における第3実施形態について図面を参照にして説明する。図4は本実施形態に係る光源装置300の断面構造を示すものである。本実施形態に係る光源装置300は、図4に示されるように、プリズム50Hの頂角を鈍角(90°超)に設定している。なお、上記実施形態と同一部材及び構成については同じ符号を付し、その詳細な説明については省略若しくは簡略化する。また、図4中におけるO1,O2,L1,L2は、第1実施形態で説明したレーザ光に対応するものである。
第1光素子1A及び第2光素子1Bのレイアウトは、第1エミッタ2Aから射出されるレーザ光と、第2エミッタ2Bから射出されるレーザ光が、プリズム50Hの第1反射面50HAと第2反射面50HBで反射される場合、反射されるレーザ光が図4中Z軸方向に沿って平行になるように取付角度が調整されている。
また、第1光素子1Aの第1エミッタ2A、第2光素子1Bの第2エミッタ2Bから射出されたレーザ光のうち、外部共振器30で反射されて再度波長変換素子20を通過する際(波長変換素子20の復路)に波長変換されたレーザ光が、選択透過ミラーM1とミラーM2によりZ軸方向に射出されるよう取付角度が調整されている。
本実施形態では、上述したようにプリズム50Hの頂角が鈍角に設定されると共に、第1光素子1Aの第1エミッタ2Aから射出されたレーザ光と、第2光素子1Bの第2エミッタ2Bから射出されたレーザ光が、波長変換素子20の復路で波長変換されたレーザ光がプリズム50Hの頂角の近傍に入射する。この場合、プリズム50Hの高さを抑えることができるため、光源装置300のZ方向の寸法が小型化された光源装置300を提供することが可能となる。また、第3実施形態においても、第1実施形態で説明した光素子のエミッタ配置や変形例を適用することが可能である。
(プロジェクタ)
次に、光源装置を応用した画像表示装置の一例として、プロジェクタ500の構成について説明する。図7は、プロジェクタ500の光学系の概略を示す模式図である。
図7において、プロジェクタ500は、例えば上記した光源装置100、光変調装置としての液晶パネル520、偏光板531及び偏光板532、クロスダイクロイックプリズム540、投射レンズ550等を備えている。なお、液晶パネル520と、その光入射側に設けられた偏光板531及び光射出側に設けられた偏光板532によって液晶ライトバルブ530が構成される。
光源装置100は、赤色レーザ光を射出する赤色光用光源装置100Rと、青色レーザ光を射出する青色光用光源装置100Bと、緑色レーザ光を射出する緑色光用光源装置100Gを備えている。これらの光源装置100(100R,100G,100B)は、それぞれクロスダイクロイックプリズム540の側面三方にそれぞれ対向するように配置されている。図7では、クロスダイクロイックプリズム540を挟んで、赤色光用光源装置100Rと青色光用光源装置100Bとが互いに対向し、投射レンズ(投写装置)550と緑色光用光源装置100Gが互いに対向しているが、これらの位置は、適宜入れ替えることが可能である。
液晶パネル520は、例えば、ポリシリコンTFT(Thin Film Transistor)をスイッチング素子として用いたものである。各光源装置100から射出された色光は、光入射側に設けられた偏光板531を介して液晶パネル520に入射する。液晶パネル520に入射した光は、画像情報に応じて変調されて、液晶パネル520から射出される。液晶パネル520によって変調された光のうち、特定の直線偏光だけが、光射出側に設けられた偏光板532を透過して、クロスダイクロイックプリズム540に向かう。
クロスダイクロイックプリズム540は、各液晶パネル520によって変調された各色光を合成して、カラー画像を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム540は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなしている。そして、これら4つの直角プリズムの界面には、2種類の誘電体多層膜がX字状に設けられている。これら誘電体多層膜は、互いに対向する各液晶パネル520から射出された各色光を反射し、投射レンズ550に対向する液晶パネル520から射出された色光を透過する。このようにして、各液晶パネル520にて変調された各色光が合成されて、カラー画像が形成される。
投射レンズ550は、複数のレンズが組み合わされた組レンズとして構成される。この投射レンズ550は、カラー画像CIを拡大投射する。
以上説明したように、プロジェクタ500は、第1実施形態において説明した小型且つ低コストであって高出力を得る光源装置100を用いているため、小型で高精細な画像を投影することのできるプロジェクタを低コストで提供できる。
なお、この応用例では、第1実施形態に係る光源装置100(100R,100G,100B)を用いているが、これらのうち一部もしくは全部を、第2、第3実施形態に係る光源装置200,300に置き換えても良い。
また、上述の応用例では、透過型のプロジェクタについて説明したが、本発明の光源装置は、反射型プロジェクタにも適用することが可能である。ここで、「透過型」とは、光変調素子が光を透過するタイプであることを意味しており、「反射型」とは、光変調素子が光を反射するタイプであることを意味している。また、光源装置から射出されたレーザ光をスクリーンに向かってMEMSミラー等により走査する走査型のプロジェクタにも、この発明の光源装置を適用することができる。
(モニタ装置)
次に、第1実施形態に係る光源装置100を応用したモニタ装置600の構成例について説明する。図8は、モニタ装置の概略を示す模式図である。モニタ装置600は、装置本体610と、光伝送部620とを備える。装置本体610は、前述した第1実施形態の光源装置100を光源604として備える。
光伝送部620は、光を送る側と受ける側の2本のライトガイド621,622を備える。各ライトガイド621,622は、多数本の光ファイバを束ねたもので、レーザ光を遠方に送ることができる。光を送る側のライトガイド621の入射側には光源604が配設され、その射出側には拡散板623が配設されている。光源604から射出されたレーザ光は、ライトガイド621を伝って光伝送部620の先端に設けられた拡散板623に送られ、拡散板623により拡散されて被写体を照射する。
光伝送部620の先端には、結像レンズ624も設けられており、被写体からの反射光を結像レンズ624で受けることができる。その受けた反射光は、受け側のライトガイド622を伝って、装置本体610内に設けられた撮像手段としてのカメラ611に送られる。この結果、光源604により射出されたレーザ光により被写体を照射したことで得られる反射光に基づく画像をカメラ611で撮像することができる。
以上のように構成されたモニタ装置600によれば、小型且つ低コストで高出力の光源604により輝度むらのない明るい光により被写体を照射することができることから、カメラ611により被写体を鮮明に撮像し、且つ小型なものを低コストで得ることができる。
なお、上記に示したモニタ装置に関する応用例では、第1実施形態に係る光源装置100を用いているが、これを、第2、第3実施形態に係る光源装置200,300に置き換えても良い。
光源装置の断面構造を示す概略図。 第1エミッタ列、第2エミッタ列の配列を示す平面図。 別の実施形態での光源装置の断面構造を示す概略図。 別の実施形態での光源装置の断面構造を示す概略図。 第1光素子の平面視における第1エミッタ列のレイアウト図。 面発光型半導体レーザの断面図。 プロジェクタの光学系の概略を示す模式図。 モニタ装置の概略を示す模式図。
符号の説明
1A…第1光素子、1B…第2光素子、1LD…面発光型半導体レーザ、M1…選択透過ミラー、M2…ミラー、2A…第1エミッタ、2B…第2エミッタ、3A…第1エミッタ列、3B…第2エミッタ列、7…ベース部材、8A…第1マウント部、8B…第2マウント部、9…光透過部、20…波長変換素子、30…外部共振器、50…プリズム、50A…第1反射面、50B…第2反射面、50G…プリズム、50GA…第1反射面、50GB…第2反射面、50H…プリズム、50HA…第1反射面、50HB…第2反射面、70…バンドパスフィルタ、100…光源装置、100B…青色光用光源装置、100G…緑色光用光源装置、100R…赤色光用光源装置、110…第1電極、111…第2電極、112…第2ミラー層、113…活性層、114…絶縁領域、115…第1ミラー層、116…集光部、200…光源装置、300…光源装置、500…プロジェクタ、520…液晶パネル、530…液晶ライトバルブ、531…偏光板、532…偏光板、540…クロスダイクロイックプリズム、550…投射レンズ、600…モニタ装置、604…光源、610…装置本体、611…カメラ、620…光伝送部、621…ライトガイド、622…ライトガイド、623…拡散板、624…結像レンズ。

Claims (18)

  1. ライン状に配列された複数のエミッタよりレーザ光を射出する2つの光素子と、前記エミッタから射出される前記レーザ光を反射する第1光学部材と、前記第1光学部材で反射された前記レーザ光の光路上に配置され、前記レーザ光が通過する際に前記レーザ光の波長を変換する波長変換素子と、前記波長変換素子から射出された前記レーザ光の光路上に配置され、前記光素子との間で共振器構造を構成する外部共振器と、を有する光源装置であって、前記2つの光素子が前記第1光学部材を挟んで配置されていることを特徴とする光源装置。
  2. 請求項1に記載の光源装置であって、前記外部共振器は、前記光素子から射出された前記レーザ光のうち、前記波長変換素子を通過することにより波長変換されない非波長変換レーザ光は反射させて再び前記波長変換素子に戻し、前記波長変換素子を通過することにより波長変換された波長変換レーザ光は通過させることを特徴とする光源装置。
  3. 請求項1に記載の光源装置であって、前記波長変換素子に対してS偏光成分となる前記レーザ光を分離させ、P偏光成分を通過させる偏光特性、又は、前記レーザ光を前記波長変換素子に対してP偏光に揃える偏光変換素子特性を有する選択透過ミラーを、前記外部共振器と前記波長変換素子との間に含むことを特徴とする光源装置。
  4. 請求項3に記載の光源装置であって、前記光素子と前記選択透過ミラーとの間に配置され、前記光素子が射出する前記レーザ光に対して、一部の波長帯域を有する前記レーザ光を透過させ、他の波長帯域を有する前記レーザ光を反射させて元の前記光素子に帰還させるバンドパスフィルタをさらに含むことを特徴とする光源装置。
  5. 請求項3に記載の光源装置であって、前記光素子と前記波長変換素子との間に配置され、前記光素子が射出する前記レーザ光に対して、一部の波長帯域を有する前記レーザ光と前記波長変換素子により変調された前記波長変換レーザ光と、を透過させ、他の波長を有する前記レーザ光を反射させて元の前記光素子に帰還させるバンドパスフィルタをさらに含むことを特徴とする光源装置。
  6. 請求項1から3のいずれか一項に記載の光源装置であって、前記外部共振器に代えて、前記波長変換素子から射出される前記波長変換レーザ光を通過させ、前記非波長変換レーザ光を反射する、第2選択透過ミラーを備えることを特徴とする光源装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の光源装置であって、前記2つの光素子の前記エミッタは、各々列状に並んだエミッタ列を構成し前記エミッタ列に属する前記エミッタが射出する前記レーザ光の光軸が、前記波長変換素子の入射面において、互いに前記エミッタの延在方向にずらして入射されるよう前記エミッタ列を配置したことを特徴とする光源装置。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の光源装置であって、前記2つの光素子の少なくとも一つは、前記エミッタがライン状に配列された前記エミッタ列を複数含むことを特徴とする光源装置。
  9. 請求項8に記載の光源装置であって、前記エミッタは、近接して配置される他の前記エミッタとの距離を揃えて配置されることを特徴とする光源装置。
  10. 請求項8又は9に記載の光源装置であって、前記エミッタ列は、前記エミッタが千鳥状に配置されることを特徴とする光源装置。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の光源装置であって、前記第1光学部材は、頂角が90°のプリズムであることを特徴とする光源装置。
  12. 請求項1から10のいずれか一項に記載の光源装置であって、前記第1光学部材は、頂角が鋭角のプリズムであることを特徴とする光源装置。
  13. 請求項1から10のいずれか一項に記載の光源装置であって、前記第1光学部材は、頂角が鈍角のプリズムであることを特徴とする光源装置。
  14. 請求項1から13のいずれか一項に記載の光源装置であって、複数の前記光素子と前記波長変換素子との光路長が互いに等しいことを特徴とする光源装置。
  15. 請求項1から14のいずれか一項に記載の光源装置と、該光源装置から射出された前記レーザ光を画像情報に応じて変調する光変調素子と、該光変調素子によって形成された画像を投射する投射装置と、を備えることを特徴とするプロジェクタ。
  16. 請求項1から14のいずれか一項に記載の光源装置と、該光源装置により照射された被写体を撮像する撮像手段と、を備えることを特徴とするモニタ装置。
  17. 第1のレーザ光を射出する第1の光素子と、
    第2のレーザ光を射出する第2の光素子と、
    前記第1のレーザ光及び前記第2のレーザ光を反射する第1光学部材と、
    前記第1光学部材で反射された前記第1のレーザ光の波長を変換して第3のレーザ光とし、前記第2のレーザ光の波長を変換して第4のレーザ光とする波長変換素子と、
    前記第3のレーザ光及び前記第4のレーザ光が入射される共振器と、を含むことを特徴とする光源装置。
  18. 請求項17に記載の光源装置であって、前記波長変換素子は、前記第1のレーザ光の波長である第5のレーザ光と、前記第2のレーザ光の波長である第6のレーザ光と、を射出し、
    前記共振器は、前記第5のレーザ光及び前記第6のレーザ光を反射させ、前記第3のレーザ光及び前記第4のレーザ光を通過させ、
    前記共振器で反射された前記第5のレーザ光及び前記第6のレーザ光は前記波長変換素子に入射されることを特徴とする光源装置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020115416A (ja) * 2019-01-17 2020-07-30 ウシオ電機株式会社 光源装置

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