JP2009188299A - 太陽電池バックシートとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材となるプラスチックフィルムの片面に貼り合せた金属箔の上からパターン状に防護ニスを印刷し、非印刷領域の金属箔を腐食によって除去した後に金属箔の上から全面にプラスチックフィルムを貼り合せてからパターンを打ち抜くことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池バックシートの製造方法
【選択図】図2
Description
これらの太陽電池モジュールは、屋外で使用されるため、その構成、材質構造などにおいて、十分な耐熱性、耐候性、耐水性、防湿性、耐風圧性、耐光性、耐降雹性、耐薬品性、防湿性、防汚性、光反射性、光拡散性、その他の諸特性が要求される。
太陽電池モジュ−ルは、例えば、結晶シリコン太陽電池素子あるいはアモルファスシリコン太陽電池素子等を使用し、前面ガラス層、充填剤層、太陽電池素子、充填剤層、および、裏面保護シ−ト(シートバック)層等の順に積層し、真空吸引して加熱圧着するラミネ−ション法等を利用して製造されている。
図1では、受光側(表面)から順に前面ガラス(表面保護シート)1、充填剤2、太陽電池素子3、バックシート4の順に積層されたモジュールとなっており、太陽電池素子の間をリード線5で連結して端子箱(ジャンクションボックス)7にある端子9から電力を取り出すようになっている。これらの構成要素を固定するために弾性のあるシール材6を介してアルミ枠8で囲む構造になっている。
また、太陽電池セルの発電効率を上げる目的で、基材フイルムと白色インキ層と無機蒸着フイルムからなることを特徴とした太陽電池用バックシートが提案されている(特許文献2)。ここでは、白色インキ層によって入射光線を反射して太陽電池セルの発電効率を上げると同時に、白色インキ層のもう一つの効果として、入射光線を吸収しないでバックシート面で反射することによってモジュール内部の温度上昇を防ぎ、素子等の劣化が抑えられることが挙げられている。
太陽電池のバックシートにプラスチックシートを用いることによるバリア性や伝熱性の不足から来る欠点を補うための対策は上記文献を含めて数多く提案されている。
特に、バックシートの構成要素の中に熱伝導性が高くバリア性に優れるアルミニウム箔等の金属箔を用いるという従来の構成が、これらの問題点を解決するために見直されてきている。
金属箔を太陽電池用バックシートに使う理由の一つは内容物保護性、特に水蒸気や酸素のバリア性が優れていることと同時に高い熱伝導率によってモジュール内部で発生した熱を外部に放散する効果も期待できることにある。
しかしながら、上記の方法には、導電性の金属箔を用いることでリード線やジャンクションボックス等の他の部品との電気的接触の危険が存在する。
この問題の解決のためにいくつかの提案がなされている。
このような方法で、モジュール成型時に起こりうる変形に起因する、金属箔とリード線等の他の部材との接触を防止出来たとしても、水蒸気等のバリア性の確保とモジュール内部の熱の放散を同時に達成するために金属箔を使用する従来の方法では、金属箔端部のが露出したままであると、リード線やジャンクションボックス等の他部品との接触という問題点は依然として残されている。この問題点は、従来の太陽電池のみならず今後の展開が期待される薄型太陽電池の場合にはより深刻である。
現在一般的な太陽電池は結晶系と呼ばれるもので、モジュールとしては、前記の図に示したように、100mm角ほどの薄い結晶シリコンの光起電力素子(太陽電池素子)を直列に並べたものである。結晶系太陽電池ではそれぞれの太陽電池素子が配線で接続されているため、その配線をジャンクションボックスに接続することで発電された電気を取り出すことが出来る。
バックシートの端面より金属箔が露出するのを防ぐための一つの方法として、これまでに、両面にプラスチックフィルムを貼り合せた金属箔を打ち抜いた後に絶縁性のテープ等を用いて抜きパターンの端部を封止する方法が行われている。。また、プラスチックフィルムとあらかじめ用意した打ち抜きパターンより少し小さめの枚葉の金属箔を貼り付けた後、金属箔の周縁部からプラスチックフィルムが延設された形でやや広く打ち抜き、端部の露出がないバックシートを作成する方法も考えられている。
以下、図を用いて金属箔の端部露出の典型例と従来の対策を説明する。
図3は金属箔の両面にプラスチックフィルムを貼り合せた比較的単純な構成の太陽電池バックシートの断面の説明図であり、上記の貼り合せた積層体を、ジャンクションボックス配置領域16の周辺14とバックシート外縁部15のパターンで打ち抜いた場合の平面図(図3−1)とそのa−b線での断面図(図3−2)を示している。
全面に金属箔とプラスチックフィルムが積層されたシートを打ち抜いただけでは、例えばジャンクションボックスやリード線がバックシートを貫通する部分16では金属箔18の切断端面14と容易に接触して短絡する危険がある。同様に金属箔18の外縁部の切断端面15も近辺の電極等と容易に接触して短絡する危険がある。
これを防止する従来の方法のひとつは、全面に金属箔とプラスチックフィルムが積層されたシートを打ち抜いた後に金属箔18の端面露出部分14と15に絶縁性のテープ等を用いて抜きパターンの端部を封止する方法である。
しかし、この方法による端部封止では加工速度が上がらず、また、加工賃も高く、設備が限定されるため結果として非常に高コストな加工方法となってしまう。封止する金属箔部がバックシート外縁を含むような長く複雑な形状の場合にはこれらの問題点は特に顕著になる。
ックフィルムが積層された、太陽電池モジュールの裏面保護に用いる積層体シートであって、中間層の金属箔の端面が延設された両面のプラスチックフィルムによって封止されていることを特徴とする太陽電池バックシートである。
図2は本発明の太陽電池バックシートの簡略説明図である。図2−1は本発明の太陽電池バックシートの平面図であり、図2−2はそのA−B線での切断面の断面図である。
また、前記接着剤層を形成する樹脂には、シランカップリング剤を適宜混合することができる。これに用いるシランカップリング剤としては、たとえば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシ系オルガノシラン化合物、〔3−(2−アミノエチル)アミノプロピル〕トリメトキシシラン等のアミン系オルガノシラン化合物、あるいは、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシア系オルガノシラン化合物を挙げることができる。
ス印刷後、図8は腐食により金属箔の不要部分を除去した後、図9は腐食後金属箔面側にプラスチックフィルムを貼り合せた後のそれぞれの状態を示す平面図及び簡略断面図である。図9の打ち抜き後の状態は図2で代用する。また、これらの図では説明の簡略化のために接着剤層は図示しない。
(1)本発明の方法では、まず、基材となるプラスチックフィルムと金属箔を貼り合せる。
(2)本発明の方法の第2工程は、プラスチックフィルムと貼り合せた金属箔の上から防護ニスを印刷することである。
たとえば、図7−1の平面図に示した印刷範囲14が図2−1で示した後工程で打ち抜くパターン13よりも印刷面積として狭い範囲にあるようなパターンであり、このようにして打ち抜き後の金属箔端部が確実にプラスチックフィルム端部によって封止されるようになる。このようにして、図7に示した防護ニス印刷後の積層シートが出来る。
(3)本発明の方法の第3工程は、防護ニス非印刷領域の金属箔を腐食によって除去することである。
図7に示した防護ニス印刷後の本発明の方法による積層体のアルミニウム箔の腐食除去後の状態を図8に示した。
(4)本発明の方法の第4工程は、腐食されずに残った金属箔の上から積層体の全面にプラスチックフィルムを貼り合せることである。
(5)本発明の方法の第5工程は、全面にプラスチックフィルムを貼り合せた積層体からパターンを打ち抜いて不要部分を除去して太陽電池バックシートを作成することである。
基材とするプラスチックフイルムとして、押出法により製造された厚さ50μmのポリエ
チレンテレフタレート(PET)樹脂フイルム19の片面にドライラミネート機により、固形分30重量%の武田薬品工業(株)製ポリウレタン系接着剤(主剤タケラックA515/硬化剤タケネートA50=10/1溶液)を乾燥状態での塗布量が4.0g/m2となるように塗布した。その上に金属箔として厚さ25μmのアルミニウム箔18を貼り合わせた。、しかる後そのアルミニウム箔面に、中心部に非塗工部分を有するパターン21の繰り返しからなる絵柄のグラビア版を用いて防護ニスのパターン塗工を行った。防護ニスとしては、アクリル−塩酢ビ系のLPVMS OPワニスC(東洋インキ製造(株)製)を用いた。
基材とするプラスチックフイルムとして、押出法により製造された、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フイルム19の片面にドライラミネート機により、固形分30重量%の武田薬品工業(株)製ポリウレタン系接着剤(主剤タケラックA515/硬化剤タケネートA50=10/1溶液)を乾燥状態での塗布量が4.0g/m2となるように塗布した。その上に金属箔として厚さ25μmのアルミニウム箔18を貼り合わせた。、しかる後そのアルミニウム箔面に、中心部に非塗工部分を有するパターン21の繰り返しからなる絵柄のグラビア版を用いて防護ニスのパターン塗工を行った。防護ニスとしては、硝化面−ポリアミド系のGNC−STメジウム(東洋インキ製造(株)製)を用いた。
2…充填材
3…太陽電池素子
4…バックシート
5…リード線
6…シール剤
7…ジャンクションボックス
8…アルミ枠
9…端子
10…バックシート
12…プラスチックフィルム外縁部
13…プラスチックフィルム内縁部
14…金属箔内縁部
15…金属箔外縁部
16…ジャンクションボックス位置
17…PETフィルム
18…アルミニウム箔
19…PETフィルム
20…接着剤層
21…防護ニス
22…接着剤層
23…PVFフィルム
24…接着剤層
25…PVFフィルム
Claims (5)
- 金属箔の両面に、少なくともプラスチックフィルムが積層された、太陽電池モジュールの裏面保護に用いる太陽電池バックシートにおいて、中間層の金属箔の端面が延設された両面のプラスチックフィルムによって封止されていることを特徴とする太陽電池バックシート
- 基材となるプラスチックフィルムの片面に貼り合せた金属箔の上からパターン状に防護ニスを印刷し、非印刷領域の金属箔を腐食によって除去した後に、金属箔の上から全面にプラスチックフィルムを貼り合せてパターンを打ち抜くことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池バックシートの製造方法
- 防護ニスが印刷される範囲が打ち抜くパターンよりも狭い範囲であることを特徴とする請求項2に記載の太陽電池バックシートの製造方法
- 金属箔がアルミニウム箔であり、腐食が水酸化ナトリウム及び硫酸によって行われることを特徴とする請求項2又は3に記載の太陽電池バックシートの製造方法
- 基材となるプラスチックフィルムの金属箔との貼り合せからパターンの打ち抜きまでの各工程が、連続した巻取りから巻取りの状態で行われることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の太陽電池バックシートの製造方法
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