JP2009186241A - 受信装置、測距システム、測位システム、コンピュータプログラム及び受信時点特定方法 - Google Patents

受信装置、測距システム、測位システム、コンピュータプログラム及び受信時点特定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】信号の受信時点をより高精度に特定することができる受信装置、該受信装置を利用する測距システム及び測位システム、コンピュータプログラム、並びに受信時点特定方法を提供する。
【解決手段】受信装置1では遅延信号推定部14が、受信した信号から遅延して到達して重畳されている遅延信号を解析して推定する。再現信号作成部15は、送信される信号に含まれる基準信号の複製であるレプリカ信号と、遅延信号推定部14で推定された遅延信号とに基づいて、遅延信号の影響が反映された基準信号を再現する再現信号を作成して出力する。第2マッチトフィルタ16により受信信号と再現信号との相関がとられ、受信信号特定部17により受信時点が特定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、電波の送受信に要する時間から移動体の位置を測定する測位技術に関し、特に、送信される信号の受信時点をより高精度に特定することができる受信装置、該受信装置を含む測距システム及び測位システム、並びにコンピュータプログラム及び受信時点特定方法に関する。
移動体の位置検出をより精度よく実現するために種々の方法が提案されている。特許文献1には、電波源からの電波の到達時間差から距離を算出して位置を検出するに際し、マルチパス、位相ずれの影響を除去して精度を上げる技術が開示されている。また、特許文献2には複数の電波を受信し、夫々の位相差から距離を算出し位置を検出する技術が開示されている。そして、特許文献3には、到達時間差又は位相差を正確に算出するために、電波源である送信装置のクロックと受信装置のクロックとを同期させる技術が開示されている。
これらの方法では、電波源から送信される電波に含まれる特定の信号を受信した時点、又は、受信した複数の電波に夫々含まれる特定の信号の位相差から距離を算出する。
特定の信号としては、例えば地上波デジタルテレビ、無線LAN(802.11a)などで利用されているOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式では、パイロット信号と呼ばれる基準信号が利用される。パイロット信号は、信号からの情報を読み出す時点の基準のために含まれている信号である。受信装置は、送信されるパイロット信号と同じ信号を記憶しておき、受信した信号との相関出力に基づき相関が極大となる時点からパイロット信号を受信した時点を特定し、特定した時点を基準に信号に含まれるシンボルの区切りを検出して信号を復調し、情報を取り出す。
特許第3739078号公報 特許第3383797号公報 特許第3961951号公報
放射される電波は種々の原因でノイズを含む。直接到達した電波と反射によって遅延して到達した電波とが重畳して受信される(マルチパスという)ので相関の極大に相当する時点が後方へずれるか、又は、相関曲線が鈍る。これにより、シンボルの区切りの検出がずれる場合がある。ただし、OFDM方式における本来の通信用途では、マルチパスの影響を受けて検出されたシンボルの区切りが少々ずれている程度であれば十分に信号の復調が可能なように対処がされている。
しかしながら、特定の信号を受信した受信時点を位置検出に利用する場合、受信時点をより精度よく求める必要がある。例えば、受信した信号と特定の信号との相関が極大となる時点がマルチパスの影響を受けてずれ、受信時点が50ナノ秒誤って特定された場合、現状の多くの通信用途では問題なく情報を取り出すことができるものの、位置検出用途では50ナノ秒の誤差は15メートルの誤差に相当し、精度が不十分なときがある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、信号の受信時点をより高精度に特定することができる受信装置、該受信装置を利用する測距システム及び測位システム、コンピュータを前記受信装置として機能させるコンピュータプログラム、並びに、受信時点特定方法を提供することを目的とする。
第1発明に係る受信装置は、送信される信号に含まれる基準信号の複製を記憶しておき、前記信号を受信した場合に受信時点を特定する受信装置であって、受信した信号に重畳されている遅延信号を解析する解析手段と、該解析手段が解析した遅延信号に基づいて、前記複製を補正した補正基準信号を作成する作成手段と、受信した信号と前記作成手段が作成した補正基準信号との相関に基づき信号の受信時点を特定する手段とを備えることを特徴とする。
第2発明に係る受信装置は、前記解析手段は、遅延信号の内の、受信する信号の帯域幅に関する基準時間よりも遅延時間が長い後方遅延信号を推定する手段と、受信した信号から、前記後方遅延信号を除去する除去手段と、該除去手段が前記後方遅延信号を除去した後の信号から、遅延時間が前記基準時間よりも短い遅延信号を解析する手段とを備えることを特徴とする。
第3発明に係る受信装置は、受信した信号の実部と虚部とを用いた所定の演算により第1演算信号を求める第1演算手段と、前記補正基準信号の実部と虚部とを用いた所定の演算により第2演算信号を求める第2演算手段と、前記第1演算信号及び前記第2演算信号の相関に基づいて信号の受信時点を特定する手段とを備えることを特徴とする。
第4発明に係る受信装置は、前記解析手段は、受信した信号から伝達関数を求めてインパルス応答を得る手段と、得られたインパルス応答を、時間を変数とする2以上の所定関数の線形和として扱い、最小二乗法を用いて前記所定関数を特定する手段とを備え、特定される所定関数に基づき、最も早く受信される信号に対する遅延信号の遅延時間及び強度比を推定するようにしてあることを特徴とする。
第5発明に係る受信装置は、前記所定関数はsinc関数であることを特徴とする。
第6発明に係る受信装置は、受信した信号から前記基準信号が含まれる範囲の信号を抽出する手段を備えることを特徴とする。
第7発明に係る受信装置は、前記抽出手段は、受信した信号から、時間範囲が異なる少なくとも2つの範囲の信号を抽出するようにしてあることを特徴とする。
第8発明に係る測距システムは、基準信号と送信時点の情報とを含む信号を送信する送信装置、及び第1発明乃至第7発明のいずれか1つの受信装置を備え、該受信装置が前記送信装置から受信した信号に含まれる送信時点と、受信装置が特定した受信時点との時間差から送信装置及び受信装置間の距離を測定するようにしてあることを特徴とする。
第9発明に係る測位システムは、基準信号と送信時点の情報とを含む信号を送信する送信装置、及び第1発明乃至第7発明のいずれか1つの受信装置を備えて前記送信装置又は受信装置の位置を測定する測位システムであって、前記送信装置又は受信装置の少なくとも一方は複数備えられ、前記送信装置又は受信装置のいずれか複数備えられる装置の位置情報を記憶しておく手段と、前記送信装置から送信された信号に含まれる送信時点、及び、前記受信装置が特定した受信時点の時間差から距離を測定する測距手段と、前記位置情報及び測距手段が測定した距離に基づき、前記送信装置又は受信装置の内の位置情報が未知である装置の位置を測定する手段とを備えることを特徴とする。
第10発明に係るコンピュータプログラムは、送信される信号を受け付けるコンピュータに、前記信号に含まれる基準信号の複製を記憶させておき、前記信号を受信した場合に受信時点を特定させるコンピュータプログラムであって、コンピュータを、受信した信号に重畳されている遅延信号を解析する解析手段、該解析手段が解析した遅延信号に基づいて、前記複製を補正した補正基準信号を作成する作成手段、及び、受信した信号と前記作成手段が作成した補正基準信号との相関に基づき信号の受信時点を特定する手段として機能させることを特徴とする。
第11発明に係る受信時点特定方法は、送信される信号に含まれる基準信号の複製を記憶しておき、前記信号を受信した場合に受信時点を特定する受信時点特定方法であって、受信した信号に重畳されている遅延信号を解析し、解析された遅延信号に基づいて、前記複製を補正した補正基準信号を作成し、受信した信号と作成した補正基準信号との相関に基づき信号の受信時点を特定することを特徴とする。
第1発明、第10発明及び第11発明では、遅れて到達する遅延信号が解析され、解析された遅延信号に基づいて予め記憶してある基準信号の複製を補正することにより、遅延信号に含まれる基準信号が重畳されている場合の基準信号を再現する補正基準信号が作成される。受信した信号と、遅延信号の重畳を再現した補正基準信号との相関をとるので、遅延信号が重畳されている信号と理想的に受信される場合の基準信号に等しい複製との相関をとる場合よりも、相関を精度良くとることが可能となる。
第2発明では、基準時間よりも長い時間遅れて受信された遅延信号を予め除去してから他の遅延信号の解析がされる。基準時間とは、信号の帯域幅に関する時間であって、遅延時間が基準時間よりも長い信号を元の受信した信号から除去した場合でも、元の信号を解析するに際して影響が少ないと判断できる時間である。遅延時間が長い信号の強度が大きい場合には特に除去されてから解析が行なわれることで、他の遅延信号の解析処理の精度を上げることが可能となる。遅延信号が多く含まれている場合、一度に全ての遅延信号を精度よく推定することは困難であるときがあるが、含まれる遅延信号を少なくして解析を行なうことによって精度が高くなる。
第3発明では、送信される信号の内の90°位相遅れに相当する虚部の成分が反映され、且つ疑似的に高周波信号となる演算を利用することにより特に、最も早く受信される信号の近傍で受信される遅延信号による影響が顕在化される。これにより、比較的遅延時間が短い遅延信号による影響の度合いを評価することが可能となる。即ち、分離することが困難な、遅延時間が短い遅延信号の解析の精度があがるので、評価された度合いに応じた補正を行なうことによって受信時点の特定精度が高められる。
第4発明では、最小二乗法を利用した解析によって、更に高精度に遅延信号を解析することが可能となり、高精度に相関をとることが可能となるので、受信時点の特定精度が高められる。
第5発明では更に、受信した信号から求めたインパルス応答をsinc関数の線形和として扱うことにより、されに高精度に遅延信号を解析することが可能となる。
第6発明では、受信する信号に含まれる基準信号を含む範囲に解析対象を限定することにより、演算量を削減することが可能となる。
第7発明では更に、精度よく解析が可能に基準信号が含まれる範囲を抽出する可能性が高められ、演算量が削減されると共に解析の精度を高めることが可能となる。
第8発明及び第9発明では、遅延信号の影響を正しく反映させて受信する信号との相関を精度良くとることが可能となるので、受信時点の特定精度が高まる。したがって、送信時点と受信時点との時間差を用いて距離を測定する場合、更に測定された距離を用いて位置を測定する場合にその測定精度が高まる。
本発明による場合、遅延して受信された信号に含まれる基準信号による相関への影響についても考慮し、基準信号の複製を補正して実際に受信される基準信号を再現する補正基準信号を作成してから受信した信号との相関をとるので、より高精度に信号の受信時点を特定することができる。受信時点を高精度に特定できるので、距離、更に位置をより高精度に測定することができる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における受信装置の構成を示すブロック図である。受信装置1は、OFDM方式の電波を受信するように構成されており、受信部10、記憶部11、FFT処理部12、第1マッチトフィルタ13、遅延信号推定部14、再現信号作成部15、第2マッチトフィルタ16、受信時点特定部17及び計時部18を含む。
受信部10は、所定の周波数帯域の電波を受信して信号を出力する。受信部10は、電波を受信したアンテナ部101から出力される信号に対し、増幅回路、フィルタ回路等を含む受信回路102によりアナログ/デジタル変換を行ない、後段のFFT処理部12、第1マッチトフィルタ13、及び第2マッチトフィルタ16へ出力する。
記憶部11にはマスクROM等のROMが用いられる。記憶部11には、受信する信号に含まれるパイロット信号P(t)が挿入されている時点を特定するパターンマッチ、即ち相関をとるために、パイロット信号の複製(以下、レプリカ信号R(t)と呼ぶ)が記憶されている。
第1マッチトフィルタ13及び第2マッチトフィルタ16は、入力される信号間の相関をとり出力する。第1マッチトフィルタ13は、受信部10から入力される受信信号Sr(t)と記憶部11に記憶されているレプリカ信号R(t)との時間軸上の相関をとり、FFT処理部12へ出力する。第2マッチトフィルタ16は、受信部10から入力される受信信号Sr(t)と再現信号作成部15から入力される調整後のレプリカ信号R´(t)との相関をとり、受信時点特定部17へ出力する。
FFT処理部12は入力される信号に対しFFT(Fast Fourier Transform)処理を行ない、入力される信号の周波数分布を後段の遅延信号推定部14へ出力する。なお、FFT処理部12がFFT処理を行なう範囲(以下、FFTウィンドウと呼ぶ)は、第1マッチトフィルタ13から出力される相関が極大となる時点Tc1の近傍であり、レプリカ信号の時間幅TR と同じ幅又は時間幅TR 以上の幅を有する範囲とする。これにより、パイロット信号P(t)が含まれているであろう範囲の信号を抽出し、FFT処理を行なうことができる。更に具体的には、FFTウィンドウは第1マッチトフィルタ13から出力される相関が極大となる時点Tc1から、前方及び後方に適宜時間ずらした時点を中心とする2つのFFTウィンドウを用いるように構成され、FFT処理は夫々の範囲で行なわれることが望ましい。これにより、FFT処理を行なう範囲にパイロット信号P(t)全体が含まれる可能性が高くなり、且つ相関が極大となる時点を精度よく特定することができて後の解析の精度を高めることができる。
遅延信号推定部14は、受信装置1で受信した受信信号Sr(t)の内のパイロット信号P(t)が含まれる範囲から伝送路の伝達関数を求め、受信信号Sr(t)に重畳されている遅延信号の特徴即ち遅延プロファイルを推定する。遅延信号推定部14は遅延プロファイルとして、最も短い経路で到達した最短信号に対する強度比rと遅延時間tdelayとを推定し、再現信号作成部15へ出力する。具体的には、遅延信号推定部14はまず、FFT処理部12から出力された周波数分布と、パイロット信号P(t)の複製であるレプリカ信号R(t)の周波数分布とから伝達関数を求める。伝達関数G(s)は、G(s)=Sr(s)/R(s)によって求められる。このとき、sはラプラス変数であり、Sr(s)は受信信号Sr(t)の周波数成分、R(s)はレプリカ信号R(t)の周波数成分である。遅延信号推定部14は、伝達関数G(s)を逆FFT処理してインパルス応答を求める。
そして、遅延信号推定部14は、インパルス応答は最短信号のみの場合のインパルス応答と遅延信号のみの場合のインパルス応答との線形結合からなるとして扱い、遅延信号に対し、最短信号の強度を1とする線形係数(強度比)r、及び、最短信号からの遅延時間tdelayを推定し、再現信号作成部15へ出力する。なお、最短信号又は遅延信号のみ夫々から矩形のFFTウィンドウでFFT処理されて求められるインパルス応答はsinc関数(sin(x)/x)となることが判っている。したがって、遅延信号推定部14は、求められるインパルス応答をsinc関数の線形結合として扱い、遅延信号の強度比及び遅延時間を解析する。また、遅延信号推定部14は、複数の遅延信号が推定される場合は夫々の線形係数ri 及びtdelay iを推定して出力する(i=1,2,3…)。
再現信号作成部15は、遅延信号推定部14から出力される強度比ri と遅延時間tdelay iとに基づき、重畳されている遅延信号に含まれるパイロット信号P(t−tdelay)の影響を再現するようにレプリカ信号Rを補正した再現信号(補正パイロット信号)R´(t)を作成し、第2マッチトフィルタ16へ出力する。具体的には、再現信号R´(t)は、R´(t)=R(t)+Σ{ri *R(t−tdelay i)}と作成される。
受信時点特定部17は、第2マッチトフィルタ16から出力される相関が極大となる時点Tc2を所定の周期で時間を計測する計時部18から得られる時刻(クロック計数)を参照して特定する。
なお、図1及びその説明ではFFT処理部12、遅延信号推定部14及び再現信号作成部15は夫々で処理を行なう構成として説明した。しかしながら、これらの構成部は、説明を明瞭にするために機能的に区別されるものとして説明するのであり、夫々の機能を一連の処理によって実現する構成部が備えられてもよい。他の構成部についても同様である。
次に、上述のように構成される各構成部の動作によって受信時点が特定される処理をフローチャートを参照して説明する。図2は、実施の形態1における受信装置1によって受信時点が特定される処理手順の一例を示すフローチャートである。
第1マッチトフィルタ13は受信信号Sr(t)と記憶部11から読み出したレプリカ信号R(t)との相関を時間軸でとる(ステップS11)。第1マッチトフィルタ13から出力される相関がFFT処理部12へ入力されるので、FFT処理部12は、第1マッチトフィルタ13から出力される相関が極大となる時点及びその近傍を含む矩形窓(FFTウィンドウ)により、受信信号Sr(t)から処理対象の信号Srex(t)を抽出する(ステップS12)。FFT処理部12は抽出した受信信号Srex(t)をFFT処理し、周波数成分に変換する(ステップS13)。
遅延信号推定部14は、周波数成分に変換された受信信号Srex(t)をレプリカ信号R(t)の周波数成分で除算することにより伝達関数G(s)を求め、得られた伝達関数G(s)を逆FFT処理することによりインパルス応答を求める(ステップS14)。遅延信号推定部14は、得られたインパルス応答に基づいて、インパルス応答をsinc関数の線形結合として扱い、解析により遅延信号を推定する(ステップS15)。
再現信号作成部15は、遅延信号推定部14により推定された遅延信号の強度比及び遅延時間並びにレプリカ信号R(t)に基づいて再現信号R´(t)を作成する(ステップS16)。第2マッチトフィルタ16には受信信号Sr(t)と再現信号作成部15により作成される再現信号R´(t)とが入力される。第2マッチトフィルタ16はこれらの相関をとり出力する(ステップS17)。
受信時点特定部17は、第2マッチトフィルタ16から出力される相関が極大となる時点Tc2を計時部18から取得される時刻を参照して特定する(ステップS18)。これにより、受信装置1における受信時点の特定処理が終了する。
次に、図2のフローチャートで説明した各処理手順について具体例を挙げて詳細に説明する。図3は、実施の形態1における受信装置1の記憶部11に記憶されているレプリカ信号R(t)と、受信信号Sr(t)の内容例を示す説明図である。図3の説明図では、左から右に向かって時間の経過を示し、上段からレプリカ信号R(t)、受信信号Sr(t)、相関信号Cor(t)を示し、受信信号Sr(t)に対するFFTウィンドウを破線で示している。
受信信号Sr(t)には、所定の周期でパイロット信号P(t)が含まれている。したがって、パイロット信号P(t)の複製であるレプリカ信号R(t)との相関をとることにより、パイロット信号P(t)が含まれている時点で相関が極大となるはずである。しかしながら、受信信号Sr(t)は、マルチパスの影響を受けて遅れて受信された遅延信号も重畳されている。図3の説明図の例でも見かけ上、受信信号Sr(t)とレプリカ信号R(t)とで近似した波形を見つけることが困難である。受信された信号Sr(t)とレプリカ信号R(t)との相関をとる場合、本来パイロット信号P(t)が含まれる時点の近傍で極大となるものの、極大となる時点は後方へズレるか、又は相関曲線が鈍りを有し、相関が極大となる時点を受信時点としたときは誤りが大きくなる可能性がある。
受信信号Sr(t)中のパイロット信号P(t)が含まれる範囲には、最短で受信されたパイロット信号P(t)に、遅れて受信されるパイロット信号P(t−tdelay)が重畳していることが推測される。したがって、受信信号Sr(t)とレプリカ信号R(t)とを元にして伝達関数を求め、求めた伝達関数から更に求められるインパルス応答を解析することにより、最短で受信された信号に対する遅延信号の強度比及び遅延時間を求める。
インパルス応答を求めるためにはまず、受信信号Sr(t)に対しFFT処理を行ない伝達関数を求めるが、より精度よく伝達関数を求めるにはパイロット信号P(t)全体を含む範囲に対してFFT処理を行なうことが望ましい。しかしながら、遅延信号の重畳によってパイロット信号P(t)に該当する範囲を正しく特定することは難しいので、FFT処理を行なう対象範囲は、受信信号Sr(t)とレプリカ信号R(t)との相関によって概略的に特定することができる受信時点Tc1を略中心とする時間幅T(≧TR )に含まれる範囲を対象範囲、即ちFFTウィンドウとする。なお、実際に受信した受信信号Sr(t)とレプリカ信号R(t)との相関の極大点から特定した受信時点Tc1はすでに大きい誤差を含んでいる可能性がある。そして、最短で受信されたパイロット信号P(t)と遅れて受信されるパイロット信号P(t−tdelay)との受信時点の差分を求めるので、いずれの信号に対してもインパルス応答の強度が極大となる時点を十分に特定できることが必要になる。したがってFFTウィンドウは、図3の下段に示すように、Tc1に対し前後に任意の時間ずらした2つの矩形FFTウィンドウを使用する。そして、2つのFFTウィンドウ夫々を用いて抽出された受信信号Srex(t)から夫々求められる伝達関数から、更に求められる2つのインパルス応答のスペクトルの内、いずれか良好に強度が極大となる時点を特定できるものを採用し、より精度よく遅延信号の強度比及び遅延時間を求めることが可能となる。
図4は、実施の形態1における受信装置1で受信信号Sr(t)から求められたインパルス応答の例を示すグラフ図である。図4(a)の実線は、受信信号Sr(t)から図3に示したFFTウィンドウで抽出された受信信号Srex(t)に対するFFT処理、伝達関数の算出を経て求められたインパルス応答である。図4(a)のグラフ図の横軸は時間を示し、縦軸は強度を示している。時間軸はFFTウィンドウの起点をゼロとした時間を示している。図4(b)は比較のため、遅延信号を含まない一波のみの信号から求められたインパルス応答に相当するsinc関数の曲線を示している。
図4(b)に示すsinc関数の波形と比較した場合、図4(a)に示すインパルス応答は、絶対値が最大である極大点近傍の曲線の後半が緩やかであり、更にその緩やかなカーブの途中に極大点が出現する。遅延信号推定部14は、図4(a)に示すインパルス応答はsinc関数の線形結合であるとしてこれを解析し、遅延信号の強度比及び遅延時間を推定する。図4(a)に示すインパルス応答は例えば、破線で示す4つのsinc関数の線形結合であると解析される。このときの4つのsinc関数の内の強度が極大となる時点が最も早いsinc関数が、最短信号のインパルス応答であるはずである。したがって他の3つのsinc関数を遅延信号のインパルス応答と推定することが可能である。最短信号のインパルス応答と推定されるsinc関数の強度が極大となる時点から、他の3つのsinc関数の強度が極大となる時点までの時間差が夫々、38ナノ秒、76ナノ秒及び120ナノ秒であると解析でき、更に、信号強度が最短で受信された信号を1とした場合に夫々、1.33、0.84及び0.64と解析できたとき、遅延信号推定部14から再現信号作成部15へ、r1 =1.33,tdelay 1 =38、r2 =0.84,tdelay 2 =76、r3 =0.64,tdelay 3 =120が出力される。
図5は、実施の形態1における受信装置1でレプリカ信号R(t)に基づいて作成された再現信号R´(t)と、受信信号Sr(t)との相関の例を示す説明図である。図5の説明図では、左から右に向かって時間の経過を示し、上段から再現信号R´(t)、受信信号Sr(t)、相関信号Cor´(t)を示している。また、相関信号Cor´(t)の曲線に対する比較のため、単純にレプリカ信号R(t)と受信信号Sr(t)との相関をとった場合の相関信号Cor(t)(図3参照)を破線により示している。
図5に示す例では例えば、再現信号R´(t)は、遅延信号推定部14から入力される各遅延信号の強度比ri 及び遅延時間tdelay iに基づき、再現信号作成部15によって以下式1のように作成される。
再現信号R´(t)=R(t)+1.33*R(t−38)+0.84*R(t−76)+0.64*R(t−120)…(1)
作成された再現信号R´(t)は第2マッチトフィルタ16に入力され、第2マッチトフィルタ16により、受信信号Sr(t)との時間軸上の相関がとられる。これにより、得られる相関が極大となる時点Tc2が受信時点として特定される。この場合、再現信号R´(t)は、3つの遅延信号に含まれるパイロット信号P(t−tdelay)との重畳を再現するように作成されるので、実際に受信した受信信号Sr(t)に含まれる信号に近い波形となる。したがって、再現信号R´(t)との相関をとることによって特定される受信時点Tc2は、単純にレプリカ信号R(t)との相関の極大点から特定した受信時点Tc1よりも正確である。受信信号Sr(t)がマルチパスの影響を受けて遅延信号を含む場合、単純にレプリカ信号R(t)との相関が極大となる時点から特定される受信時点Tc1は、遅延の影響を受けて正確な受信時点よりも遅れる。この場合、再現信号R´(t)との相関が極大となる時点から特定される受信時点Tc2は受信時点Tc1に対して早い時点である。
なお、図3乃至図5に示す内容例に示したように、インパルス応答を構成するsinc関数を高精度に推定できる場合には、単純にレプリカ信号R(t)との相関をとることによって特定される受信時点Tc1の本来の受信時点に対する誤りが約30ナノ秒であるのに対し、誤りを1ナノ秒にまで抑えることができる。なお、1ナノ秒は距離にして0.3メートルに相当する。このように、遅延信号が重畳されている受信信号Sr(t)と、遅延信号の重畳を再現するようにレプリカ信号R(t)に基づいて作成した再現信号R´(t)との相関をとることにより、高精度に受信時点Tc2を特定することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1で示した例では誤りを1ナノ秒にまで抑えて正確に受信時点を特定することができたが、これはインパルス応答の解析が正確にできた場合に可能となる。しかしながら通常、電波の反射が多い環境では遅延信号は更に多数で互いに近接して複雑であり、強度も遅延時間も多様である。長い時間にわたって遅延信号が多数受信される場合、受信信号から求められるインパルス応答は多数のsinc関数の和で構成されると考える必要が生じる。しかしながら、この場合、インパルス応答を構成する複数のsinc関数夫々を正確に推定することは難しいこともある。例えば、3つのsinc関数の線形和として扱って解析する場合よりも、4つのsinc関数の線形和として扱って解析する場合では難易度が上がり、線形和としての解が求まる可能性が低くなる。
そこで実施の形態2では、マルチパスの影響が大きい環境下で受信された信号でも高精度に受信時点を特定するために、帯域幅に関する基準時間に比して遅延時間が長い後方遅延信号のインパルス応答を除去してから解析する構成とする。そして更に、除去後のインパルス応答を最小二乗法により解析する構成とする。これにより、更に精度よく遅延信号を推定し、受信時点を特定することが可能となる。
実施の形態2における受信装置1の構成は、遅延信号推定部14における詳細な処理内容以外は、実施の形態1における構成と同様である。したがって、実施の形態1と同一の符号を付して各構成部の詳細な説明を省略する。以下に、遅延信号推定部14が、得られたインパルス応答から、遅延時間が基準時間よりも長い後方遅延信号のインパルス応答を除去して他の遅延信号を推定する処理について説明する。
図6は、実施の形態2における受信装置1によって受信時点が特定される処理手順の一例を示すフローチャートである。図6のフローチャートに示す処理手順の内、実施の形態1における図2のフローチャートに示した処理手順と共通する手順については同一のステップ番号を付して詳細な説明を省略する。
受信装置1の遅延信号推定部14は、ステップS14により得られるインパルス応答に基づいて、遅延時間が基準時間よりも長い後方遅延信号を推定する(ステップS21)。そして遅延信号推定部14は、推定された後方遅延信号のインパルス応答をステップS14により得られるインパルス応答から差し引くことにより除去し(ステップS22)、除去後のインパルス応答を最小二乗法で解析して他の遅延信号を推定する(ステップS23)。
このように、インパルス応答に含まれる遅延信号の内、最終的に受信時点を特定する際に大きな影響が及ばない後方遅延信号を除去しておき、解析対象の遅延信号の数を減らすことができる。これにより、多数の遅延信号を含んでいる場合にも、高精度に解析を行なうことができる。その効果を次に示す具体例に当てはめて説明する。
図7は、実際の都市部の電波環境をモデル化した伝送路を介してOFDM信号が受信される場合の受信信号をシュミレーションした例を示す説明図である。図7(a)は、モデル化した伝送路を示す説明図である。図7(b)は横軸に時間を示し、縦軸に信号強度を示して、シミュレーションにより得られる受信信号の到達時間及び強度の時間分布を表わす遅延プロファイルを示している。
図7(a)の説明図に示すように、車両が通行する道路の交差点で送信されるOFDM信号の受信を想定してシミュレーションがされている。電波源RSは交差点にあり、電波源RSから車道に沿って直線上に受信装置1が位置する受信点RPがあるとする。ただし、受信点RPは金属製の大型トラックによって電波源RSから遮蔽されており、更に複数台の金属製大型トラックに囲まれているとする。
この場合、図7(b)の遅延プロファイルに示すように、実際の伝送路では遅れて受信される遅延信号は多数であり、遅延時間も多様である。また、図7(b)に示す遅延プロファイルの例では、図中のS1で示される最短に受信装置1に到達する最短信号よりも、遅延信号の強度の方が強い傾向を示している。
図7(b)に示したような遅延プロファイルを持つ伝送路を介して帯域幅7.8125MHzのOFDM信号が電波源RSから送信された場合に、受信装置1で受信時点が特定される例を説明する。
図8は、実施の形態2における例において受信装置1で得られる受信信号Sr(t)と、レプリカ信号R(t)との相関を示すグラフ図である。図8のグラフ図の実線は、遅延信号を含む受信信号Sr(t)とレプリカ信号R(t)との相関を示し、破線は、最短信号のみ受信した場合の受信信号とレプリカ信号R(t)とで得られる相関を示す。
図7(b)の説明図に示した遅延プロファイルのように、受信信号Sr(t)には多数の遅延信号が重畳されている。この場合に得られる相関は図8に示すように、複数の遅延信号が重畳されている範囲でも複数の極大点ではなく、ほぼ一の極大点を持つ曲線となる。なお、図8のグラフ図に示す相関の極大点近傍の曲線は、最短信号のみ受信した場合に得られる相関の極大点近傍の曲線と比して鈍り、後方にずれている。この相関曲線の相関が極大となる時間Tc1を受信時点とする場合、全体として相関曲線は最短信号よりも強度が強い遅延信号の影響を強く受けているので、本来の受信時点即ち電波源RSから受信地点RPまでの距離から算出される、最短信号の受信時点に対し誤りが約50ナノ秒となる。なお、50ナノ秒は距離にして15メートルに相当する。
図9は、実施の形態2における例において受信装置1で得られるインパルス応答の例を示すグラフ図である。図9(a)にインパルス応答の例を示し、図9(b)は比較のために理想的なインパルス応答、即ち最短信号のみのインパルス応答を示している。また、図9(a)及び図9(b)の横軸は時間を示し、縦軸は強度を示す。図9に示すインパルス応答の例では、最短信号のみのインパルス応答と比して、後方が鈍っており遅延信号の影響を受けていることが判る。
そして、遅延信号推定部14は、図9(a)に示すインパルス応答から、後方遅延信号のインパルス応答を除去する処理を行なう。ここで後方遅延信号とは、OFDM信号の帯域幅を基準とした基準時間よりも長い遅延時間の遅延信号をいう。また、基準時間は帯域幅fbandの逆数Tを2で除した時間とする。帯域幅fbandの逆数は、図9(b)に示す最短信号のみのインパルス応答の強度の絶対値が最大となる極大点近傍の曲線と、強度=0の水平線との交点の時間差に相当する。強度=0の水平線との交点の時間差の半分に相当する時間よりも後に遅れてくる後方遅延信号のインパルス応答の、強度が極大となる時点は、最短信号のインパルス応答の、強度が極大となる時点と十分に離れている。したがって、インパルス応答をsinc関数の線形和として解析するに際し、後方遅延信号に対し解析によって推定される強度及び遅延時間の精度は、最終的に受信時点特定部17にて受信時点を特定する際に大きな影響を及ぼさないとの知見を得ている。なお、基準時間は帯域幅fbandの逆数Tを2で除した時間には限定されない。受信時点の特定の精度に影響しない程度に十分に遅れて受信される信号と判断できる時間を基準時間とする。なお、実施の形態2における例では、帯域幅7.8125MHzのOFDM信号が送信されるので、具体的に基準時間は64ナノ秒(=1/7.8125MHz/2)とする。
図10は、実施の形態2における例において、インパルス応答から後方遅延信号のインパルス応答が除去される例を示す説明図である。図10(a)から図10(d)に示すグラフ図は夫々インパルス応答を元とするスペクトルであり、横軸は時間を示し、縦軸は強度を示している。
図10(a)の曲線Aは、抽出された受信信号Srex(t)から得られるインパルス応答を示す。そして破線で表わされる曲線Bは、受信信号Sr(t)から抽出された信号Srex(t)から得られるインパルス応答の強度が極大となる時点tB を中心とする理想的なインパルス応答である。図10(b)の曲線Cは、図10(a)中の受信信号Srex(t)から得られるインパルス応答(曲線A)から、強度が極大となる時点tB を中心とする理想的なインパルス応答(曲線B)を差し引いたものである。図10(b)に示される2つの極大点の内の後方の極大点に相当する時点は、図10(a)に示した理想的なインパルス応答の強度が極大となる時点tB から基準時間分よりも後方であり、当該極大点は後方遅延信号のインパルス応答の極大点に対応することが推定可能である。したがって、図10(b)の曲線Dに示す後方の極大点に相当する時点を中心とするsinc関数曲線を後方遅延信号のインパルス応答と推定し、当該インパルス応答を除去する。
図10(c)は、図10(a)の曲線Aで示される抽出された受信信号Srex(t)のインパルス応答から、推定によって求めた図10(b)の曲線Dで示される後方遅延信号のインパルス応答を除去した後のスペクトルを示す。図10(c)の曲線Eは、図10(a)の曲線Bに示す理想的なインパルス応答の曲線に近似している。ここで、受信した信号のインパルス応答(曲線A)は、図10(a)の曲線Bで示した理想的なインパルス応答と図10(b)の後方の極大点から推定した後方遅延信号のインパルス応答(曲線D)との線形結合であると解析した場合、理想的なインパルス応答を最短信号のインパルス応答とする。この場合、図10(a)の曲線Bの極大値を1としたときの図10(b)の曲線Dの極大値は0.4であることから、後方遅延信号の強度比rは、r=0.4であることを読み取ることができる。また、図10(a)の曲線Bの極大値に対応する時点tB に対し、図10(b)の曲線Dの極大値に対応する時点はtB から75ナノ秒遅れていることから、後方遅延信号の遅延時間tdelay=75ナノ秒であると読み取ることができる。この強度比r及び遅延時間tdelayが再現信号作成部15へ入力された場合、作成される再現信号R´(t)は、R´(t)=R(t)+0.4*R(t−75)となる。このように作成される再現信号R´(t)が第2マッチトフィルタ16へ入力され、受信信号Sr(t)との相関がとられた場合、受信時点特定部17によって時点Tc2が受信時点として特定される。この場合の時点Tc2は、本来の受信時点に対して誤りが39ナノ秒となり、後方遅延信号の影響を考慮することなしに相関をとった場合の誤りの50ナノ秒よりも精度が上がることが示される。なお、39ナノ秒は距離にして11.7メートルに相当する。
なお、図10(c)の曲線Eに示されるスペクトルは、最短信号のインパルス応答のみではなく、最短信号の直後に受信される遅延時間が比較的短い遅延信号のインパルス応答との線形結合である可能性がある。したがって更に、図10(c)の曲線Eに示されるスペクトルを最短信号及び遅延信号夫々のインパルス応答の線形結合であるとして最小二乗法を用いて解析する。
図10(c)の曲線Eに示されるスペクトルが、最短信号のインパルス応答と、遅延信号のインパルス応答との線形結合であるとした場合、以下に示す式2により表わされる。
Figure 2009186241
遅延信号推定部14の処理により、式3中の線形係数a及びb、並びに遅延時間ta 及びtb を最小二乗法を用いて推定する。後方遅延信号のインパルス応答を除去した後に行なうことで、3つのsinc関数の線形和として扱って夫々のsinc関数を一度に最小二乗法を用いて解析する場合よりも、より精度の高い推定値を求めることが可能となる。
実施の形態2における例において図10(c)の曲線Eに示されるスペクトルを最小二乗法に解析した場合について以下に説明する。なお、図10(c)の曲線Eに示されるスペクトルは、上述の後方遅延信号の解析から作成された再現信号R´(t)=R(t)+0.4*R(t−75)の内の第1項であるR(t)の部分に相当する。ここで、図10(c)の曲線Eに示されるスペクトルをRe(t)とし、曲線Eが更に2つのsinc関数の線形和からなるとして最小二乗法によって解析する場合、以下の式3のように求まる。
Figure 2009186241
つまり、図10(c)の曲線Eに示すスペクトルは、図10(d)の曲線F及び曲線Gの線形結合であると求められる。図10(a)の曲線Bの極大値を1とした場合、曲線Fの極大値は0.60であり、曲線Gの極大値は0.73である。したがって、他の遅延信号の強度比は夫々r=0.60、r=0.73と読み取ることができる。また、図10(a)の曲線Bの極大値に対応する時点tB に対し、図10(d)の曲線Fの極大値に対応する時点はtB よりも29ナノ秒早く、曲線Gの極大値に対応する時点はtB よりも20ナノ秒遅れている。したがって、他の遅延信号の遅延時間は夫々、tdelay=−29ナノ秒、tdelay=20ナノ秒と読み取ることができる。
後方遅延信号のみから求められるインパルス応答(sinc関数)と合わせると、受信信号Sr(t)のインパルス応答(図10(a)の曲線A)のスペクトルRa(t)は、以下の式4のように求まる。
Figure 2009186241
これにより、再現信号R´(t)は、再現信号R´(t)=0.60*R(t−29)+0.73*R(t−20)+0.40*R(t−75)と作成される。このようにして、より実際に近い受信信号Sr(t)の遅延プロファイルを再現した再現信号R´(t)との相関をとり受信時点を特定する。この場合、特定される受信時点は本来の受信時点に対して誤りは9ナノ秒となり、精度を高めることができる。
なお、後方遅延信号のみの影響を反映した再現信号R´(t)=R(t)+0.4*R(t−75)との相関をとって特定した時点Tc2を基準とし、時点Tc2よりも29ナノ秒早い時点で受信される信号が存在するであろうことが解析により推測できたことから、時点Tc2を29ナノ秒早める補正によって受信時点を特定してもよい。時点Tc2は、遅延信号の影響を受けて本来の受信時点に対して誤りが39ナノ秒遅れる時点であったが、29ナノ秒早める補正により、特定される受信時点の誤りは10ナノ秒となる。
このように、図7(a)に示したOFDM信号の受信環境として厳しい伝送路の条件下でも、9ナノ秒即ち距離にして2.7メートル程度の高精度な受信時点の特定が可能である点、優れた効果を奏する。
(実施の形態3)
実施の形態2では、遅延時間が基準時間よりも長い後方遅延信号を除去したインパルス応答を再解析して遅延時間が比較的短い遅延信号の強度比、遅延時間を推定することにより、受信時点の特定精度を更に上げることができた。これに対し、実施の形態3では、遅延時間が比較的長い遅延信号の最短信号に対する強度比及び遅延時間を考慮して再現した再現信号R´(t)と、受信信号Sr(t)と夫々に対し、遅延時間が短い遅延信号によるインパルス応答への影響を顕在化させる所定の演算を行なう構成によって、精度よく受信時点を特定する例を示す。
図11は、実施の形態3における受信装置1の構成を示すブロック図である。実施の形態3における受信装置1の構成は、第2マッチトフィルタ16の前段に第1演算部191及び第2演算部192を備える構成、及び受信時点特定部17による受信時点の特定処理の詳細以外は実施の形態1における構成と同様である。実施の形態1と共通する構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。以下に、作成された再現信号R´(t)及び受信信号Sr(t)に対し、第1演算部191及び第2演算部192によって行なわれる演算処理について説明する。
第1演算部191及び第2演算部192は、入力される信号に所定の演算処理を行なって演算信号として出力する。第1演算部191は、受信部10の後段に備えられており、第2演算部192は再現信号作成部15の後段に備えられている。実施の形態3における第1演算部191は、受信部10から出力される受信信号Sr(t)と、時間を1ナノ秒ずらした受信信号Sr(t−1)との乗算をとり、第2マッチトフィルタ16へ出力する。また、第2演算部192は再現信号作成部15によって作成された再現信号R´(t)と、時間を1ナノ秒ずらした再現信号R´(t−1)との乗算をとり、第2マッチトフィルタ16へ出力する。
なお、第1演算部191及び第2演算部192が出力する演算信号は、上述のようにSr(t−1)×Sr(t)、及びR´(t−1)×R´(t)のみならず、他の演算処理によって得られる信号でもよい。例えば、第1演算部191及び第2演算部192に入力される信号を一般化してf(t)とした場合に演算信号をg(t)とすると、g(t)は、以下に示すような演算処理によって得られる信号でもよい。なお、f(t)はf(t)=f1 (t)+jf2 (t)(j:虚数単位)で表わされるとする。
g(t)=f(t)×f(t)={f1 (t)}2 −{f2 (t)}2 +j2f1 (t)×f2 (t)、
g(t)=f(t−2)×f(t−1)×f(t)、
g(t)=f(t−3)×f(t−2)×f(t−1)×f(t)、
g(t)=f(t−64)×f(t)、
g(t)={f1 (t)}4 −{f2 (t)}4
第2マッチトフィルタ16には、第1演算部191により演算処理が行なわれた受信信号Sr(t)の演算信号、及び第2演算部192により演算処理が行なわれた再現信号R´(t)の演算信号が入力される。第2マッチトフィルタは、入力された演算信号夫々の実部を抽出し、演算信号の実部間の相関をとり、受信時点特定部17へ出力する。
受信時点特定部17は基本的に、第2マッチトフィルタ16から出力される相関が極大となる時点Tc2を計時部18から取得される時刻を参照して特定するが、実施の形態3における受信時点特定部17は特に、相関が極大となる時点の内の相関の絶対値が最大となる時点を受信時点Tc2として特定する。なお、演算処理の方法、即ち、いずれのg(t)を採用するかによっては、相関が極小となる時点の内の、相関の絶対値が最大である時点Tc2を受信時点として特定する場合もある。そして、実施の形態3における受信時点特定部17は、第2マッチトフィルタ16から出力される相関の相関曲線に含まれる特徴点を特定し、特徴点間に相当する時間差を特定する。特徴点間の時間差には予めシミュレーションによって求められる補正値Tが記憶部11に対応付けられて記憶されており、受信時点特定部17は、上述のように特定した受信時点Tc2から補正値Tを差し引いた時点Tc3を、より精度の高い受信時点として新たに特定する。
相関曲線の特徴点について例を示す図面を参照して説明する。図12は、実施の形態3における受信装置1を構成する第1演算部191及び第2演算部192により出力される演算信号間の相関曲線に含まれる特徴点を模式的に示す説明図である。図12(a)、(b)、(c)及び(d)に示すグラフ図は夫々相関曲線であり、横軸は時間を示し、縦軸は強度を示している。また、図12(a)、(b)、(c)及び(d)に示すグラフ図では、特に注目されるべき特徴点(極大点及び極小点)を破線で囲み示し、絶対値が最大となる極大点を示している。
図12(a)は、演算処理を行なうことなしに受信信号Sr(t)とレプリカ信号R(t)との相関をとった場合の相関曲線を表わしている。図12(b)は、受信信号Sr(t)及びレプリカ信号R(t)を夫々2回乗算、g(t)=f(t−1)×f(t)により演算処理を行なった場合の演算信号間の相関をとった相関曲線を表わしている。図12(c)は、受信信号Sr(t)及びレプリカ信号R(t)を夫々4回乗算、g(t)=f(t−3)×f(t−2)×f(t−1)×f(t)により演算処理を行なった場合の演算信号間の相関をとった相関曲線を表わしている。図12(d)は、受信信号Sr(t)及びレプリカ信号R(t)を夫々8回乗算、g(t)=f(t−7)×f(t−6)×f(t−5)×f(t−4)×f(t−3)×f(t−2)×f(t−1)×f(t)により演算処理を行なった場合の演算信号間の相関をとった相関曲線を表わしている。なお、図12(a)から(d)までのグラフ図における強度のスケールは同一でない。
図12(a)から図12(d)までのグラフ図に示すように乗算の回数が多いほど、相関曲線の極大点、極小点等の特徴点近傍が鋭い曲線を示す。OFDM信号はsin関数成分を含むので、上述のような複数回の乗算演算によりかけ合わされて疑似的に高周波信号となるからである。なお、乗算演算により、受信信号に含まれる虚部、即ち90°の位相遅れの成分が演算により実部へ含まれ、相関をとる場合に実部に虚部の成分を反映させることができる。
このように、演算処理によって極大点、極小点等の特徴点近傍の曲線が鋭くなり、解析による特定が容易になる。なお、演算処理を行なわない場合及び行なう場合では、相関の絶対値が最大である極大点に相当する時点は一点鎖線に示すように図12(a)から図12(d)まで演算処理の内容によらず変化しない。実施の形態3における受信装置では、演算処理によって容易に特定が可能となる特徴点を利用し、特徴点間の距離に相当する時間差を特定する。以下、絶対値が最大である極大点を特徴点L、特徴点Lの直前の極小点を特徴点M、特徴点Lの直後の極小点を特徴点Nとして説明する。なお、演算処理によっては、演算信号間の相関をとった相関曲線が、図12に示す相関曲線と極性を逆とする場合がある。その場合、絶対値が最大である極小点を特徴点Lとし、特徴点Lの直前の極大点を特徴点M、特徴点Lの直後の極大点を特徴点Nとする。
前述のように、受信信号Sr(t)に遅延信号が重畳されている場合、レプリカ信号R(t)との相関曲線の絶対値が最大となる極大点近傍は、最短信号のみの場合と比して鈍る。このとき、遅延信号の遅延時間に応じて相関曲線の相関の絶対値が最大となる極大点近傍の曲線の鈍り具合が変化する。そして、受信信号Sr(t)及びレプリカ信号R(t)夫々に上述に示した演算処理を行なうことにより、遅延信号の遅延時間に応じた相関曲線の特徴の変化が顕在化し、変化の特定が容易になる。
図13は、受信信号Sr(t)とレプリカ信号R(t)との相関曲線が遅延信号の影響を受けて変化する例を模式的に示す説明図である。図13(a)、(b)、(c)及び(d)に示すグラフ図は夫々相関曲線であり、横軸は時間を示し、縦軸は強度を示している。
図13(a)は最短信号のみが受信された場合の相関を示しており、左側のグラフ図は演算処理を行なうことなしに相関をとった場合の例であり、右側のグラフ図は4回の乗算演算を行ない相関をとった場合の例である。以下、左右のグラフ図は同様に演算処理を行なわない場合及び行なった場合の例である。図13(b)は、最短信号に20ナノ秒遅れの遅延信号が重畳されている場合の相関を示し、図13(c)は、最短信号に30ナノ秒遅れの遅延信号が重畳されている場合の相関を示している。また、図13(d)は、最短信号に40ナノ秒遅れの遅延信号が重畳されている場合の相関を示している。
図13(a)から図13(d)までのグラフ図には、遅延信号の遅延時間に応じて相関曲線の絶対値が最大の極大点近傍のカーブが緩やかになり、極大点が後方にずれること示されている。また、演算処理を行なう場合は遅延時間が長くなるほど特徴点LM間、LN間が夫々広がることが示されている。したがって、複数の異なる遅延時間毎に特徴点間の広がりを予め求めておくことにより、特徴点間の距離即ち時間差から逆に遅延信号による極大点のずれの大きさを推定することが可能である。
図14は、相関曲線に含まれる特徴点間に相当する時間差に対応する補正値の内容例を示す説明図である。ただし、図14の説明図に示す例は、帯域幅15.625MHzのOFDM信号が送信される場合、シミュレーションによって得られる値である。
図14の説明図に示すように、帯域幅15.625MHzのOFDM信号が送信される場合、最短信号のみ受信されるときには、相関曲線の特徴点LM間は15ナノ秒、LN間は15ナノ秒に相当することがシミュレーションによって得られている。最短信号のみ受信される場合の相関が極大となる時点は、遅延信号の影響を受けていないので勿論補正値はゼロナノ秒である。20ナノ秒遅れの遅延信号が重畳されている場合、相関曲線の特徴点LM間は17ナノ秒、LN間は17ナノ秒に相当する。最短信号のみの場合と比較した場合の特徴点間の広がりは遅延信号によって引き伸ばされた時間差であり、これによって相関が極大となる時点も後方にずれると考えることができる。したがって、相関が極大となる時点から、引き伸ばされた時間差の分だけ早い時点に最短信号が受信されていると推定し、補正値を4ナノ秒(=(17+17)−(15+15))とする。同様に、30ナノ秒遅れの遅延信号が重畳されている場合、特徴点LM間及びLN間は夫々20ナノ秒であり、補正値を10ナノ秒(=(20+20)−(15+15))とする。
なお、実施の形態3における第1演算部191及び第2演算部192夫々に入力される信号は、受信信号Sr(t)及び後方遅延信号の影響を反映した再現信号R´(t)である。したがって、夫々を演算処理した後に相関をとった場合に現れる特徴点間の時間差は、後方遅延信号の除去後に残る遅延時間が比較的短い遅延信号の影響により現れるものである。遅延時間が比較的短い遅延信号の推定は、その遅延信号のインパルス応答を分離することが難しいので困難であるが、特徴点間の時間差の変化をこのような推定が困難な遅延信号の影響として捉えることができ、その影響を除去した受信時点を精度よく特定することができる点、優れた効果を奏する。
図14の説明図に示したように、相関曲線の特徴点間に相当する時間差と補正値との対応を記憶しておくことにより、その時間差を特定する簡易な構成で、遅延時間が比較的短い遅延信号を詳細に解析することなしにより精度よく受信時点を特定することが可能である。
図15は、実施の形態3における受信装置1によって受信時点が特定される処理手順の一例を示すフローチャートである。図15のフローチャートに示す処理手順の内、実施の形態1における図2、及び実施の形態2における図6のフローチャートに示した処理手順と共通する手順については同一のステップ番号を付して詳細な説明を省略する。
再現信号作成部15が、遅延信号推定部14により推定された遅延信号の強度比及び遅延時間とレプリカ信号R(t)に基づいて再現信号R´(t)を作成した後は(S16)、第1演算部191及び第2演算部192が、再現信号作成部15が作成した再現信号R´(t)及び受信信号Sr(t)の演算信号を求める(ステップS31)。第2マッチトフィルタ16には、第1演算部191及び第2演算部192から出力される演算信号が入力されるので、第2マッチトフィルタ16は、夫々の実部を抽出して時間軸で演算信号間の相関をとり出力する(ステップS32)。
受信時点特定部17は、第2マッチトフィルタ16から出力される相関が極大となる時点Tc2を計時部18から取得される時刻を参照して特定し、更に相関曲線の特徴点間に相当する時間差を特定する(ステップS33)。受信時点特定部17は、ステップS33で特定した時点から、特定した時間差に対応する補正値Tを差し引くように補正し(ステップS34)、受信時点を特定する処理を終了する。
図16は、実施の形態3における演算処理後の受信信号Sr(t)と再現信号R´(t)との相関曲線の例を示すグラフ図である。なお、図16のグラフ図に示す例は、図7(a)に示した伝送路の条件下で、帯域幅7.8125MHzのOFDM信号が送信された場合の例であり、実施の形態2に示した方法によって推定された後方遅延信号の強度比r及び遅延時間tdelayに基づいて作成された再現信号R´(t)と、受信信号Sr(t)とを夫々第1演算部191及び第2演算部192によって演算処理した後の演算信号間の相関曲線である。なお、図16に示す相関曲線の相関が極大となる時点から特定される受信時点Tc2は、本来の受信時点即ち電波源RSから受信地点RPまでの距離から算出される、最短信号の受信時点よりも39ナノ秒遅れているとする。
つまり、後方遅延信号の影響は再現信号R´(t)によって既に再現されて相関をとることによってキャンセルされるので、図16のグラフ図に示される相関曲線は遅延時間が短い遅延信号の影響が顕在化された曲線であり、特徴点間に相当する時間差は、遅延時間が短い遅延信号によって引き伸ばされていると考えることができる。
なお、帯域幅7.8125MHzのOFDM信号が送信された場合の、図16のグラフ図に示した特徴点間LM+LN間の時間差に対応する補正値は、シミュレーションにより予め24ナノ秒であることが予め求められて記憶されてある。したがって、受信時点特定部17は、24ナノ秒を補正値として用い、相関曲線の相関が極大となる時点Tc2から補正値を差し引いた時点を受信時点Tc3として特定する。相関が極大となる時点Tc2が本来の受信時点から39ナノ秒遅れて誤っているので、24ナノ秒早く補正されて結果として誤りは15ナノ秒となり精度が上がる。なお、15ナノ秒は距離にして4.5メートルに相当する。
このように、演算処理後の受信信号Sr(t)の演算信号及び遅延信号の重畳を再現した再現信号R´(t)の演算信号間の相関をとり、相関曲線から特定される特徴点間の距離即ち時間差に対応して予め記憶してある補正値を用い、相関曲線の相関が極大となる時点から特定される受信時点を補正する簡易な構成により、分離が難しい遅延時間の短い遅延信号の影響を反映した受信時点を精度よく特定することができる。
(実施の形態4)
実施の形態4では、受信装置1の位置を特定する測位システムに実施の形態1乃至3に示した受信装置1を適用する例を示す。
図17は、実施の形態4における測位システムの構成を示すブロック図である。測位システムは、予め位置情報が既知である少なくとも2つの送信装置2,2と、一の受信装置1とを含んで構成される。送信装置2,2は移動体でなく位置情報が表わす位置に固定されている。これに対して受信装置1は移動体であり、受信装置1は、送信装置2,2から夫々送信される信号を受信し、信号が送信されてから受信されるまでの到達時間から距離を測定し、自身の位置を測定するように構成されている。なお、以下の説明では受信装置1の内部構成の内、実施の形態1における構成と共通する構成部については実施の形態1と同一の符号を付して各構成部の詳細な説明を省略する。
送信装置2は、各構成部を制御する制御部20と、自身の位置情報が記憶されている記憶部21と、所定の周波数で計数することにより時間を計測する計時部22と、信号を送信する送信部23とを含んで構成される。なお、送信装置2の計時部22と受信装置1の計時部18とは高精度に同期されていることが必要であるが、同期の方法は限定されるものではない。
記憶部21に記憶されている位置情報は例えば、経緯度又は位置を特定することができるID情報である。送信装置2の制御部20は、所定のタイミングで記憶部21に記憶されている位置情報を読み出し、読み出した位置情報を含む信号を、送信部23によって直交周波数分割多重変調方式で変調して送信する。送信部23によって信号を変調して送信するに際してパイロット信号を定期的に送信する。そして制御部20は、パイロット信号を送信する時点で計時部22から取得される時間を送信時点として信号に含めて送信するようにしてある。
図18は、実施の形態4における受信装置1の内部構成を示すブロック図である。実施の形態4における受信装置1は、受信時点を特定するための各構成部のみならず、信号を復調して信号に含まれる送信時点の情報及び送信地点の情報を取得し、特定する受信時点を用いて自身の位置を測定するための構成部を備えている。
受信装置1は、受信部10により受信した信号を復調するためのFFT処理を行なうFFT処理部193と、受信した信号から情報を復調する復調部194と、復調部194から出力される情報に基づいて制御を行なう制御部195と、情報を出力する出力部196とを備える。
FFT処理部193には、受信部10により受信した信号が入力されると共に、シンボル同期のために第1マッチトフィルタ13からの相関が入力されている。FFT処理部193は相関に基づいてシンボルの開始を識別し、各シンボルに対しFFT処理を行ない復調部194へ入力する。復調部194はFFT処理部193から入力される信号をサブキャリア毎に復調し、並直列変換処理を行なって送信装置2から受信した信号に含まれる送信装置2の位置情報及び送信時点の情報を取り出して出力する。
復調部194から出力される送信装置2の位置情報及び送信時点の情報は制御部195へ入力される。また、受信時点特定部17により特定された受信時点の情報も制御部195へ入力される。制御部195は、復調部194から入力される送信装置2の位置情報及び送信時点の情報、並びに受信時点の情報に基づいて自身の位置を測定する。具体的には、制御部195は複数の送信装置2から送信される送信時点と、自身の受信時点特定部17から入力される受信時点との時間差を算出し、算出した時間差に基づいて夫々の送信装置2からの距離を算出する。そして、制御部195は送信装置2,2夫々の位置情報によって特定される位置と、算出された距離とに基づいて自身の位置を測定する。
制御部195は、測定した自身の位置を用いて所定の処理を行なう。例えば、測定した自身の位置を示す情報を出力部196により出力する。出力部196は表示装置を利用し、図示しない記憶部に記憶されている地図情報に重ねて表示する構成でもよいし、音声出力装置でもよい。
このように、高精度に受信時点を特定することができる受信装置1を用い、送信時点と受信時点との時間差、即ち送信装置2から送信された信号が到達するまでに要した時間を高精度に測定し、測定された時間から距離を測定することができる。距離を高精度に測定することができるので、受信装置1は自身の位置を高精度に測定することができる。
なお、実施の形態4における測位システムでは、受信装置1を移動体とし、固定された2つの送信装置2,2からの距離を測定し、測定された距離に基づいて受信装置1自身の位置を測定する構成とした。しかしながら、測位システムはこれに限らず、一の送信装置2を移動体とし、固定された2つの受信装置1,1で送信装置2からの信号を夫々受信し、送信時点と受信時点との差分から距離を測定し、測定された距離から送信装置2の位置を測定する構成としてもよい。
実施の形態4における測位システムを例えば、道路を走行する車両の位置を高精度に測定する車両位置測定システムに適用することができる。車両位置測定システムは例えば、交差点及びその付近での車両同士、又は車両と歩行者との交通事故を防止するため、交差点に設置された信号機からの距離を正確に測定し、停止線よりも手前で確実に車両を停止させるシステムに利用される。この場合、有効に交通事故を防止するためには少なくとも数メートルの誤差で正しく車両の位置を測定し、停止させる制御が必要である。このような車両位置測定システムに、実施の形態1乃至4に示した受信装置1を備えた車両を用い、実施の形態4に示した送信装置2を信号機に設置することにより、図7(a)に示したような条件下でも信号機からの距離を3メートル弱の誤差により測定することができる。これにより、緊急の場合には有効に車両を停止させることができる点、優れた効果を奏する。
もちろん、実施の形態1乃至4に示した受信装置1及び例示した受信時点の特定方法は、上述の車両位置の高精度な測定のみならず、携帯電話機等の移動型通信装置の位置を高精度に測定、検出するシステムに適用することも可能である。
開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
実施の形態1における受信装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1における受信装置によって受信時点が特定される処理手順の一例を示すフローチャートである。 実施の形態1における受信装置の記憶部に記憶されているレプリカ信号R(t)と、受信された信号Sr(t)の内容例を示す説明図である。 実施の形態1における受信装置で受信された信号Sr(t)から求められたインパルス応答の例を示すグラフ図である。 実施の形態1における受信装置でレプリカ信号R(t)に基づいて作成された再現信号R´(t)と、受信された信号Sr(t)との相関の例を示す説明図である。 実施の形態2における受信装置によって受信時点が特定される処理手順の一例を示すフローチャートである。 実際の都市部の電波環境をモデル化した伝送路を介してOFDM信号が受信される場合の受信信号をシュミレーションした例を示す説明図である。 実施の形態2における例において受信装置で得られる受信信号Sr(t)と、レプリカ信号R(t)との相関を示すグラフ図である。 実施の形態2における例において受信装置で得られるインパルス応答の例を示すグラフ図である。 実施の形態2における例において、インパルス応答から後方遅延信号のインパルス応答が除去される例を示す説明図である。 実施の形態3における受信装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態3における受信装置を構成する第1演算部及び第2演算部により出力される演算信号間の相関曲線に含まれる特徴点を模式的に示す説明図である。 受信信号Sr(t)とレプリカ信号R(t)との相関曲線が遅延信号の影響を受けて変化する例を模式的に示す説明図である。 相関曲線に含まれる特徴点間に相当する時間差に対応する補正値の内容例を示す説明図である。 実施の形態3における受信装置によって受信時点が特定される処理手順の一例を示すフローチャートである。 実施の形態3における演算処理後の受信信号Sr(t)と再現信号R´(t)との相関曲線の例を示すグラフ図である。 実施の形態4における測位システムの構成を示すブロック図である。 実施の形態4における受信装置の内部構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 受信装置
10 受信部
11 記憶部
R レプリカ信号(複製)
12 FFT処理部
14 遅延信号推定部
15 再現信号作成部
16 第2マッチトフィルタ
17 受信時点特定部
191 第1演算部
192 第2演算部
195 制御部
196 出力部
2 送信装置
22 計時部
23 送信部

Claims (11)

  1. 送信される信号に含まれる基準信号の複製を記憶しておき、前記信号を受信した場合に受信時点を特定する受信装置であって、
    受信した信号に重畳されている遅延信号を解析する解析手段と、
    該解析手段が解析した遅延信号に基づいて、前記複製を補正した補正基準信号を作成する作成手段と、
    受信した信号と前記作成手段が作成した補正基準信号との相関に基づき信号の受信時点を特定する手段と
    を備えることを特徴とする受信装置。
  2. 前記解析手段は、
    遅延信号の内の、受信する信号の帯域幅に関する基準時間よりも遅延時間が長い後方遅延信号を推定する手段と、
    受信した信号から、前記後方遅延信号を除去する除去手段と、
    該除去手段が前記後方遅延信号を除去した後の信号から、遅延時間が前記基準時間よりも短い遅延信号を解析する手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  3. 受信した信号の実部と虚部とを用いた所定の演算により第1演算信号を求める第1演算手段と、
    前記補正基準信号の実部と虚部とを用いた所定の演算により第2演算信号を求める第2演算手段と、
    前記第1演算信号及び前記第2演算信号の相関に基づいて信号の受信時点を特定する手段と
    を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の受信装置。
  4. 前記解析手段は、
    受信した信号から伝達関数を求めてインパルス応答を得る手段と、
    得られたインパルス応答を、時間を変数とする2以上の所定関数の線形和として扱い、最小二乗法を用いて前記所定関数を特定する手段と
    を備え、
    特定される所定関数に基づき、最も早く受信される信号に対する遅延信号の遅延時間及び強度比を推定するようにしてあること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の受信装置。
  5. 前記所定関数はsinc関数であること
    を特徴とする請求項4に記載の受信装置。
  6. 受信した信号から前記基準信号が含まれる範囲の信号を抽出する手段を備えること
    を特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の受信装置。
  7. 前記抽出手段は、受信した信号から、時間範囲が異なる少なくとも2つの範囲の信号を抽出するようにしてあること
    を特徴とする請求項6に記載の受信装置。
  8. 基準信号と送信時点の情報とを含む信号を送信する送信装置、及び請求項1乃至7のいずれか1つに記載の受信装置を備え、
    該受信装置が前記送信装置から受信した信号に含まれる送信時点と、受信装置が特定した受信時点との時間差から送信装置及び受信装置間の距離を測定するようにしてあること
    を特徴とする測距システム。
  9. 基準信号と送信時点の情報とを含む信号を送信する送信装置、及び請求項1乃至7のいずれか1つに記載の受信装置を備えて前記送信装置又は受信装置の位置を測定する測位システムであって、
    前記送信装置又は受信装置の少なくとも一方は複数備えられ、
    前記送信装置又は受信装置のいずれか複数備えられる装置の位置情報を記憶しておく手段と、
    前記送信装置から送信された信号に含まれる送信時点、及び、前記受信装置が特定した受信時点の時間差から距離を測定する測距手段と、
    前記位置情報及び測距手段が測定した距離に基づき、前記送信装置又は受信装置の内の位置情報が未知である装置の位置を測定する手段と
    を備えることを特徴とする測位システム。
  10. 送信される信号を受け付けるコンピュータに、前記信号に含まれる基準信号の複製を記憶させておき、前記信号を受信した場合に受信時点を特定させるコンピュータプログラムであって、
    コンピュータを、
    受信した信号に重畳されている遅延信号を解析する解析手段、
    該解析手段が解析した遅延信号に基づいて、前記複製を補正した補正基準信号を作成する作成手段、及び、
    受信した信号と前記作成手段が作成した補正基準信号との相関に基づき信号の受信時点を特定する手段
    として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  11. 送信される信号に含まれる基準信号の複製を記憶しておき、前記信号を受信した場合に受信時点を特定する受信時点特定方法であって、
    受信した信号に重畳されている遅延信号を解析し、
    解析された遅延信号に基づいて、前記複製を補正した補正基準信号を作成し、
    受信した信号と作成した補正基準信号との相関に基づき信号の受信時点を特定する
    ことを特徴とする受信時点特定方法。
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