JP2009178860A - 光走査装置,画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レーザ光源から照射されて走査手段で走査されるレーザ光の走査経路上の予め定められた位置に設けられたレーザ光検出手段に入射するときの前記レーザ光源の発光強度が,感光体への静電潜像の形成時における発光強度の変更にかかわらず,常に同じ発光強度となるように設定される。これにより,前記レーザ光検出手段によるレーザ光の検出タイミングを一定に維持することができる。
【選択図】図4
Description
ここに,図3は後述する本発明の実施の形態に係る光走査装置33の概略構成図である。
図3に示す光走査装置33では,レーザ光源11から照射されてポリゴンミラー12で走査されるレーザ光が,該レーザ光の走査経路上に配置されたレーザセンサ14によって検出されることにより,感光体ドラム31への静電潜像の書き出しが開始される。即ち,前記光走査装置33では,前記レーザセンサ14によるレーザ光の検出タイミングによって前記感光体ドラム31上における静電潜像の主走査方向の位置が定まることになる。なお,このような構成は,例えば特許文献1にも開示されている。
図5に示すように,前記レーザセンサ14は,フォトダイオード141,内部電源142,抵抗143,コンパレータ(比較器)144などを有している。
前記内部電源142は,不図示の電源から供給される電圧を基準電圧Vrに変換して前記コンパレータ144に入力する。ここに,前記基準電圧Vrは,前記レーザセンサ14にレーザ光が入射されていることを検出するために予め定められた値である。
一方,前記レーザセンサ14では,前記レーザ光源11からのレーザ光が前記フォトダイオード141に入射されると,該フォトダイオード141及び前記抵抗143によって生成される入力電圧Viが前記コンパレータ144に入力される。このとき,前記入力電圧Viは,前記フォトダイオード141に入射されているレーザ光の発光強度によって変化する。
そして,前記コンパレータ144は,前記フォトダイオード141からの入力電圧Viと前記内部電源142からの基準電圧Vrとを比較し,前記入力電圧Viが前記基準電圧Vr以上に達した場合に,レーザ光を検出した旨を示すレーザ光検出信号(以下「BD信号」という)を出力する。
図6に示すように,前記レーザ光源11の発光強度が高いほど,前記レーザセンサ14における前記入力電圧Viのピーク値は高くなり,該入力電圧Viが前記基準電圧Vrに達する時点が早くなるため,前記レーザセンサ14からのBD信号の出力タイミング(t31,t32,t33)が早くなる。また,前記レーザ光源11の発光強度が高いほど,前記入力電圧Viが前記基準電圧Vrに達している時間が長くなるため,前記レーザセンサ14からのBD信号の停止タイミング(t41,t42,t43)は遅くなる。
このように,前記光走査装置33では,前記レーザ光源11からのレーザ光の発光強度が変化すると,前記レーザセンサ14からのBD信号の出力タイミングや停止タイミングが変化するため,該BD信号に基づいて制御される静電潜像の書き出しタイミングが変化することになる。
しかしながら,前記レーザ光源11の発光強度が変更されると,前述したように前記レーザセンサ14からのBD信号の出力タイミングや停止タイミングが変化するため,前記光走査装置33による静電潜像の書き出しタイミングも変化することになる。そのため,前記感光体ドラム31上に形成される静電潜像の主走査方向の位置が定まらないという問題が生じる。特に,複数の前記光走査装置33を備えたカラー対応の画像形成装置において,各色に対応する前記光走査装置33ごとに前記レーザ光源11の発光強度を変更する場合には,前記光走査装置33各々による前記感光体ドラム31への静電潜像の主走査方向の形成位置がずれるため,その感光体ドラム31各々で現像された画像を重ね合わせたときに形成されるカラー画像に色ずれが生じるという問題が生じる。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,感光体上に形成される静電潜像の主走査方向の位置を一定に維持しつつ,レーザ光の発光強度を変更することのできる光走査装置,画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明によれば,前記レーザ光検出手段によって前記基準発光強度以上のレーザ光が入射したことが検出されるタイミング,即ち前記露光開始タイミング制御手段によって制御される静電潜像形成の開始タイミングを一定に維持することができ,前記感光体上における静電潜像の主走査方向の位置を一定に維持することができる。
特に,本発明に係る光走査装置を複数備えるカラー対応の画像形成装置では,該光走査装置ごとに前記レーザ光源の発光強度を変更しても,該光走査装置各々による感光体への静電潜像の主走査方向の形成位置が一定であるため,該感光体各々に形成された画像を重ね合わせて形成されるカラー画像の色ズレを防止することができる。
このとき,前記検出時発光強度設定手段は,前記自動発光強度調整手段による調整終了後,前記レーザ光源の発光強度を前記検出時発光強度に変更し,前記レーザ光検出手段により前記レーザ光が検出されて前記露光制御手段による静電潜像の形成が開始されるときに前記レーザ光源の発光強度を前記自動発光強度調整手段によって調整された前記自動調整発光強度に変更すればよい。
なお,本発明は,前記光走査装置を一又は複数備えてなる画像形成装置の発明として捉えてもよい。前記光走査装置を備える画像形成装置では,用紙に形成される画像の主走査方向の位置を一定に維持することやカラー画像における色ズレの発生を防止することができる。
特に,本発明に係る光走査装置を複数備えるカラー対応の画像形成装置では,該光走査装置ごとに前記レーザ光源の発光強度を変更しても,該光走査装置各々による感光体への静電潜像の主走査方向の形成位置が一定であるため,該感光体各々に形成された画像を重ね合わせて形成されるカラー画像の色ズレを防止することができる。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係るカラープリンタXの概略構成を示すブロック図,図2は前記カラープリンタXの画像形成部3の概略構成図,図3は前記画像形成部3に設けられた光走査装置33の概略構成を示す模式図,図4は前記光走査装置33によるライン毎の露光処理を説明するためのタイミングチャート,図5はレーザセンサ14の回路図,図6はレーザセンサ14の動作特性の一例を示す図である。
なお,本実施の形態に係るカラープリンタXは,本発明に係る画像形成装置の一例に過ぎず,他に,複写機やファクシミリ装置,複合機なども本発明に係る画像形成装置に該当する。また,ここでは,本発明の実施の形態に係る後述の光走査装置33を複数有するカラー対応の画像形成装置について説明するが,該光走査装置33を一つだけ有するモノクロ対応の画像形成装置であってもよい。
図1に示すように,前記カラープリンタXは,当該カラープリンタXにおいて各種の情報の表示や入力操作を行う液晶ディスプレイ,タッチパネルなどの表示/操作部1と,LAN等の通信網を介して接続された図外の情報処理装置から入力された原稿の画像データに対して各種の画像処理を施す画像処理部2と,前記画像処理部2から入力された原稿の画像データに基づいて用紙にトナー像(現像剤像)を形成する画像形成部3と,前記画像形成部3に用紙を搬送する用紙搬送ユニット4と,前記画像形成部3によって用紙に形成されたトナー像をその用紙に溶融定着させる定着装置5と,当該カラープリンタXを統括的に制御する制御部6とを有している。前記制御部6は,演算手段であるCPUや,ROM,RAMなどを備えてなり,前記CPUが前記ROMに格納された所定の制御プログラムに従って各種の処理を実行する。
図2に示すように,前記画像形成部3は,マゼンタ(M),シアン(C),イエロー(Y)及びブラック(K)の各色に対応する複数の画像形成ユニット3M,3C,3Y,3Kを有している。一方,前記用紙搬送ユニット4は,複数の搬送ローラ41,搬送ベルト42,駆動ローラ43及び張架ローラ44を備えており,前記駆動ローラ43を駆動して前記搬送ベルト42を走行させることにより,前記画像形成ユニット3M,3C,3Y,3Kの順に用紙を搬送させるものである。
前記画像形成ユニット3M,3C,3Y,3K各々は略同様に構成されており,感光ドラム31,帯電器32,光走査装置33,現像器34,クリーナ35及び除電器36などを備えている。
このように構成された前記画像形成ユニット3M,3C,3Y,3K各々では,前記帯電器32によって一様に帯電された前記感光ドラム31の表面に,前記光走査装置33によって画像データに基づくレーザ光が照射されることにより静電潜像が形成され,その静電潜像は前記現像器34によってトナー像として現像される。
そして,前記画像形成ユニット3M,3C,3Y,3K各々の前記感光体ドラム31に形成されたトナー像が,前記用紙搬送ユニット4で搬送される用紙に順次重ね合わせて転写されることにより,その用紙にカラー画像が形成される。なお,このとき用紙に転写されずに前記感光体ドラム31に残ったトナーは前記クリーナ35によって除去され,その後,前記感光体ドラム31は前記除電器36によって除電される。
図3に示すように,前記光走査装置33には,レーザ光を照射するレーザ光源11と,前記レーザ光源11からのレーザ光を主走査方向(図3における上下方向)に走査させるポリゴンミラー(回転多面鏡,走査手段の一例)12と,前記ポリゴンミラー12で走査されるレーザ光を前記感光体ドラム31の表面上に結像するfθレンズ13と,前記ポリゴンミラー12によるレーザ光の走査経路上の予め定められた位置に設けられたレーザセンサ14(レーザ光検出手段の一例)とが設けられている。
また,前記光走査装置33は,入力された画像データに基づいて前記レーザ光源によるレーザ光の発光の有無を制御することにより該画像データに対応する静電潜像を前記感光体ドラム31に形成する露光制御回路15(露光制御手段の一例)と,前記レーザ光源11の駆動を制御するレーザドライブ回路16とを有している。なお,前記露光制御回路15及び前記レーザドライブ回路16は一つの電気回路として捉えてもよい。また,これらの回路に換えて,所定の制御プログラムに従って処理を実行することにより同様の処理機能を具現するMPUなどの演算装置を有する構成であってもよい。
前記ポリゴンミラー12は,不図示のモータによって矢印R方向に回転されることにより,前記レーザ光源11から照射されるレーザ光を所定の走査経路上に走査させる。一般に,前記ポリゴンミラー12によるレーザ光の走査方向は主走査方向と称される。なお,図3に示す前記ポリゴンミラー12は正六角形であるが,その他の正多角形状であってもよい。
前記露光制御回路15は,前記レーザセンサ14から入力される前記BD信号に応じて前記感光体ドラム31への静電潜像の主走査方向の書き出しタイミングを制御する。ここに,係る制御を行うときの前記露光制御回路15が露光開始タイミング制御手段に相当する。
即ち,前記光走査装置33では,前記レーザセンサ14から出力されるBD信号のタイミングによって,前記感光体ドラム31に形成される静電潜像の主走査方向の位置が定まることになる。
具体的に,前記レーザドライブ回路16は,前記露光制御回路15からAPC制御信号が入力されることにより,前記レーザ光源11から照射されるレーザ光の発光強度を予め設定された自動調整発光強度(以下「APC強度」という)に自動調整する所謂APC(Automatic Power Control)制御を行うAPC機能を有している。ここに,係るAPC機能を具現するときの前記レーザドライブ回路16が自動発光強度調整手段に相当する。
前記APC制御では,前記レーザダイオード111に一定電圧を印加して発光させながら,前記フォトダイオード112によって検出される発光強度が前記APC強度になるように前記レーザダイオード111に供給する電流の大きさを調整する。より具体的には,前記フォトダイオード112からの出力電圧が,前記APC強度に対応する電圧となるように調整が行なわれる。
ここで,前記レーザドライブ回路16は,前記露光制御回路15から前記発光制御信号のみが入力された場合には,前記APC強度で前記レーザ光源11を発光させるが,前記発光制御信号と共にタイミング制御信号が入力された場合には,前記APC強度の設定値にかかわらず,予め定められた一定の発光強度(以下「検出時発光強度」という)で前記レーザ光源11を発光させる。即ち,前記光走査装置33では,前記APC強度と前記検出時発光強度とが個別に定められる。
なお,本実施の形態では,前記検出時発光強度が発光強度P2(図4,図6参照)に定められているものとし,前記レーザダイオード111を前記発光強度P2で発光させるための電流の大きさが既知であるものとする。
図6に示したように,前記レーザ光源11の発光強度が高いほど,前記レーザセンサ14における前記入力電圧Viのピーク値は高くなり,該入力電圧Viが前記基準電圧Vrに達する時点が早くなるため,前記レーザセンサ14からのBD信号の出力タイミング(t31,t32,t33)が早くなる。また,前記レーザ光源11の発光強度が高いほど,前記入力電圧Viが前記基準電圧Vrに達している時間が長くなるため,前記レーザセンサ14からのBD信号の停止タイミング(t41,t42,t43)は遅くなる。
そこで,本発明の実施の形態に係る前記カラープリンタXに設けられた前記光走査装置33で実行される後述の露光処理では,前記レーザセンサ14によるレーザ光の検出タイミング,即ちBD信号の出力タイミングが一定になるように制御することで,前記感光体ドラム31への静電潜像の主走査方向の書き出しタイミングを一定に維持している。
ここに,図4の(a)はBD信号,(b)はAPC制御信号,(c)は発光制御信号,(d)はタイミング制御信号,(e)はAPC強度が発光強度P2であるときのレーザ光源11の発光状態,(f)はAPC強度が発光強度P1であるときのレーザ光源11の発光状態,(g)はAPC強度が発光強度P3であるときのレーザ光源11の発光状態を示している。
図4に示すように,当該露光処理は,前記APC制御が実行されるAPC制御工程(t1〜t2)と,前記レーザセンサ14によるレーザ光の検出が行なわれるタイミング調整工程(t2〜t4)と,画像データに基づく静電潜像を前記感光体ドラム31に形成するための静電潜像形成工程(t5〜t6)とに大別される。なお,本発明は,当該露光処理における各工程を実行する画像形成方法として捉えることも可能である。
ここで,前記画像データには,前記APC強度の設定値についての情報が含まれており,前記露光制御回路15はその情報に基づいて前記レーザドライブ回路16における前記APC強度を変更する。このように,前記光走査装置33では,前記APC強度が変更されることにより,前記感光体ドラム31への静電潜像の形成時における前記レーザ光源11の発光強度が変更される。ここに,係る前記APC強度の変更処理を行うときの前記露光制御回路15が露光強度変更手段に相当する。
以下では,前記APC強度が前記発光強度P2に設定された場合の露光処理について説明した後,前記APC強度が前記発光強度P1,P3(図4,図6参照)に設定された場合の露光処理について説明する。なお,前述したように,前記検出時発光強度は前記発光強度P2に定められているものとする。
まず,前記露光制御回路15は,前記レーザドライブ回路16に前記APC制御信号を入力する(図4(b)のt1)。これにより,前記レーザドライブ回路16では,前記レーザ光源11から照射されるレーザ光の発光強度が前記発光強度P2となるように,前記レーザダイオード111に流れる電流の大きさを調整するAPC制御が実行される(図4のt1〜t2)。
その後,前記APC制御の開始から所定時間が経過すると,前記露光制御回路15から前記レーザドライブ回路16へのAPC制御信号の入力が停止される(図4(b)のt2)。これにより,前記レーザドライブ回路16は,前記APC制御を終了する。
このとき,前記レーザドライブ回路16は,前記APC制御の終了時の状態,具体的には前記レーザダイオード111を前記発光強度P2で発光させるために必要な電流値を,所定の記憶メモリ(不図示)に記憶する。なお,前記所定の記憶メモリは,前記露光制御回路15や前記レーザドライブ回路16に設けられる。
ここで,前記露光制御回路15から前記レーザドライブ回路16への前記APC制御信号の入力開始や入力停止のタイミングは,前回の前記レーザセンサ14からのBD信号の出力後や,一つ前のラインの画像データの出力終了後などから予め設定された所定時間が経過したときであることが考えられる。特に,前記APC制御信号の入力停止のタイミングは,少なくとも前記レーザ光源11からのレーザ光が前記レーザセンサ14に入射されると考えられる時間よりも前であって,ある程度の余裕をもって設定される。これにより,当該APC制御工程は,少なくとも前記レーザセンサ14にレーザ光が入射するまでに終了されることになる。
前記露光制御回路15は,前記レーザドライブ回路16へのAPC制御信号の入力を停止すると(図4(b)のt2),続けて前記レーザドライブ回路16に対して前記発光制御信号及び前記タイミング制御信号を共に出力する(図4(c),(d)のt2〜t4)。これにより,前記レーザドライブ回路16は,前記発光制御信号及び前記タイミング制御信号が入力されている間,前記レーザダイオード111を発光させる(図4(e)のt2〜t4)。
このとき,前記レーザドライブ回路16には,前記発光制御信号及び前記タイミング制御信号が共に入力されているため,該レーザドライブ回路16によって前記レーザダイオード111に供給される電流の大きさは,該レーザダイオード111を前記検出時発光強度である発光強度P2で発光させるために必要な値である。即ち,当該タイミング調整工程における前記レーザ光源11からのレーザ光の発光強度は常に前記発光強度P2となる。
そして,前記レーザ光源11から照射されて前記ポリゴンミラー12で走査される発光強度P2のレーザ光は,あるタイミングで前記レーザセンサ14に入射し始める。
ここで,前記レーザセンサ14において前記入力電圧Viが前記基準電圧Vr以上に達すると,該レーザセンサ14から前記露光制御回路15にBD信号が出力される(図4(a)のt3)。
その後,前記レーザセンサ14において前記入力電圧Viが前記基準電圧Vr未満になると,該レーザセンサ14から前記露光制御回路15に入力されていた前記BD信号が停止される(図4(a)のt4)。これにより,前記露光制御回路15は,前記レーザドライブ回路16への前記発光制御信号及び前記タイミング制御信号の入力を停止する(図4(c),(d)のt4)。
そして, 前記露光制御回路15は,前記レーザセンサ14からの前記BD信号の停止(或いは入力)から所定時間が経過すると,画像データに基づいて前記発光制御信号を前記レーザドライブ回路16に出力する(図4(c)のt5〜t6)。これにより,前記レーザドライブ回路16では,前記発光制御信号のON/OFFに応じて前記レーザダイオード111の発光の有無が制御され,前記感光体ドラム31上に前記画像データに基づく静電潜像が形成される。
このとき,前記レーザドライブ回路16には,前記露光制御回路15から前記発光制御信号のみが入力されており,前記タイミング制御信号が入力されていないため,前記レーザドライブ回路16において前記レーザダイオード111に供給される電流の大きさは,該レーザダイオード111を前記APC強度で発光させるために必要な値である。ここでは,前記APC強度は前記発光強度P2である。
なお,ここで前記レーザダイオード111に供給される電流の大きさは,前記APC制御工程の終了時の状態が記憶された前記所定の記憶メモリ(不図示)から読み出される。これにより,当該静電潜像形成工程における前記レーザ光源11からのレーザ光の発光強度は,前記APC制御工程で調整された前記APC強度と同じ発光強度となる。また,ここでは前記APC制御終了時に前記所定の記憶メモリに前記電流値を記憶しておく手法について説明するが,例えば,前記レーザダイオード111への電力供給経路として,前記APC強度用の電力供給経路と前記検出時発光強度用の電力供給経路との二つの経路を設けておき,これらを切り換えることも他の実施例として考えられる。
このとき,前記APC制御工程では,前記レーザ光源11からのレーザ光の発光強度が前記APC強度である前記発光強度P1になるように前記レーザダイオード111に流れる電流の大きさが調整され,その値が前記所定の記憶メモリに記憶される(図4(f)のt1〜t2)。
そして,前記APC制御工程が終了した後,前記タイミング調整工程では,前述したように,前記露光制御回路15から前記レーザドライブ回路16に発光制御信号及びタイミング制御信号が入力されることにより,該レーザドライブ回路16では,前記レーザダイオード111を発光強度P2で発光させるために必要な大きさの電流が該レーザダイオード111に供給される(図4(f)のt2〜t4)。即ち,前記レーザダイオード111の発光強度が前記発光強度P1から前記発光強度P2に変更される。
その後,前記レーザセンサ14によってレーザ光が検出され,該レーザセンサ14からBD信号が出力されると(図4(a)のt3),前記露光制御回路15は,該BD信号の停止(或いは入力)から所定時間経過後,画像データに基づいて前記発光制御信号を前記レーザドライブ回路16に出力する(図4(c)のt5)。このとき,前記レーザドライブ回路16には,前記発光制御信号のみが入力されているため,前記レーザダイオード111は前記APC強度である前記発光強度P1で発光される(図4(f)のt5〜t6)。即ち,前記レーザダイオード111の発光強度は,前記感光体ドラム31に静電潜像が形成されるときに前記発光強度P2から前記APC強度である前記発光強度P1に変更される。
そして,前記APC制御工程が終了した後,前記タイミング調整工程では,前述したように,前記露光制御回路15から前記レーザドライブ回路16に発光制御信号及びタイミング制御信号が入力されることにより,該レーザドライブ回路16では,前記レーザダイオード111を発光強度P2で発光させるために必要な大きさの電流が該レーザダイオード111に供給される(図4(g)のt2〜t4)。即ち,前記レーザダイオード111の発光強度が前記発光強度P3から前記発光強度P2に変更される。
その後,前記レーザセンサ14によってレーザ光が検出され,該レーザセンサ14からBD信号が出力されると(図4(a)のt3),前記露光制御回路15は,該BD信号の停止(或いは入力)から所定時間経過後,画像データに基づいて前記発光制御信号を前記レーザドライブ回路16に出力する。このとき,前記レーザドライブ回路16には,前記発光制御信号のみが入力されているため,前記レーザダイオード111は前記APC強度である前記発光強度P3で発光される(図4(f)のt5〜t6)。即ち,前記レーザダイオード111の発光強度が前記発光強度P2から前記発光強度P3に変更される。
これにより,前記光走査装置33では,前記感光体ドラム31への静電潜像の主走査方向の形成位置を一定に維持することができる。そのため,前記カラープリンタXでは,前記画像形成ユニット3M,3C,3Y,3Kごとに前記光走査装置33における前記APC強度を個別に変更したとしても,該画像形成ユニット3M,3C,3Y,3K各々における前記感光体ドラム31への静電潜像の主走査方向の位置がずれないため,これらを重ね合わせて形成されるカラー画像における色ズレを防止することができる。
そこで,前記タイミング調整工程において前記レーザダイオード111に供給する電流の大きさを前記APC制御工程で調整された電流値に基づいて演算することによって決定することが考えられる。
具体的に,前記APC制御工程において前記レーザダイオード111に所定のコントロール電圧を印加してAPC制御を行う場合を考える。
ここで,前記検出時発光強度が9mW,前記APC強度が12mWである場合,前記APC制御工程で印加するコントロール電圧が1.2Vで調整された電流値が12mAであるとすると,前記検出時発光強度である9mWを得るためには,前記APC制御工程で印加したコントロール電圧を9/12倍である0.9Vにすればよく,前記APC制御工程で調整された電流値である12mAの9/12倍である9mAの電流が前記レーザダイオード111に供給されることになる。
また,前記検出時発光強度が9mW,前記APC強度が6mWである場合,前記APC制御工程で印加するコントロール電圧が0.6Vで調整された電流値が6mAであるとすると,前記検出時発光強度である9mWを得るためには,前記APC制御工程で印加したコントロール電圧を9/6倍である0.9Vにすればよく,前記APC制御工程で調整された電流値である6mAの9/6倍である9mAの電流が前記レーザダイオード111に供給されることになる。
このように,予め定められた前記検出時発光強度を得るために前記レーザダイオード111に供給する電流値を,前記APC制御工程で調整された電流値に基づいてその都度演算して決定すれば,前記タイミング調整工程において一定の前記検出時発光強度で前記レーザセンサ14に対してレーザ光を照射することができ,該レーザセンサ14によるレーザ光の検出タイミングのズレを防止することができる。
1…表示/操作部
11…レーザ光源
111…レーザダイオード
112…フォトダイオード
113…コリメータレンズ
114…絞り
12…ポリゴンミラー
13…fθレンズ
14…レーザセンサ
15…露光制御回路
16…レーザドライブ回路
141…フォトダイオード
142…内部電源
143…抵抗
144…コンパレータ
2…画像処理部
3…画像形成部
3M,3C,3Y,3K…画像形成ユニット
31…感光体ドラム
32…帯電器
33…光走査装置
34…現像器
35…クリーナ
36…除電器
4…用紙搬送ユニット
5…定着装置
6…制御部
Claims (5)
- レーザ光を照射するレーザ光源と,前記レーザ光源から照射されたレーザ光を走査させる走査手段と,画像データに基づいて前記レーザ光源によるレーザ光の発光の有無を制御することにより該画像データに対応する静電潜像を感光体に形成する露光制御手段と,前記走査手段によるレーザ光の走査経路上の予め定められた位置に設けられ,予め定められた基準発光強度以上のレーザ光が入射したことを検出するレーザ光検出手段と,前記レーザ光検出手段により前記レーザ光が検出されたタイミングに基づいて前記露光制御手段による静電潜像の形成の開始タイミングを制御する露光開始タイミング制御手段と,前記露光制御手段による静電潜像の形成時における前記レーザ光源の発光強度を変更する露光強度変更手段とを備えてなる光走査装置であって,
前記レーザ光検出手段にレーザ光が入射されるときの前記レーザ光源の発光強度を常に予め定められた検出時発光強度に設定する検出時発光強度設定手段を備えてなることを特徴とする光走査装置。 - 前記レーザ光源の発光強度を予め設定された自動調整発光強度に自動調整する自動発光強度調整手段を更に備えてなり,
前記露光強度変更手段が,前記自動発光強度調整手段における前記自動調整発光強度の設定値を変更することにより,前記露光制御手段による静電潜像の形成時における前記レーザ光源の発光強度を変更するものである請求項1に記載の光走査装置。 - 前記検出時発光強度設定手段が,前記自動発光強度調整手段による調整終了後,前記レーザ光源の発光強度を前記検出時発光強度に変更し,前記レーザ光検出手段により前記レーザ光が検出されて前記露光制御手段による静電潜像の形成が開始されるときに前記レーザ光源の発光強度を前記自動発光強度調整手段によって調整された前記自動調整発光強度に変更するものである請求項2に記載の光走査装置。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の光走査装置を一又は複数備えてなる画像形成装置。
- レーザ光を照射するレーザ光源と,前記レーザ光源から照射されたレーザ光を走査させる走査手段と,画像データに基づいて前記レーザ光源によるレーザ光の発光の有無を制御することにより該画像データに対応する静電潜像を感光体に形成する露光制御手段と,前記走査手段によるレーザ光の走査経路上の予め定められた位置に設けられ,予め定められた基準発光強度以上のレーザ光が入射したことを検出するレーザ光検出手段と,前記レーザ光検出手段により前記レーザ光が検出されたタイミングに基づいて前記露光制御手段による静電潜像の形成の開始タイミングを制御する露光開始タイミング制御手段と,前記露光制御手段による静電潜像の形成時における前記レーザ光源の発光強度を変更する露光強度変更手段とを備えてなる光走査装置を用いた画像形成方法であって,
前記レーザ光検出手段にレーザ光が入射されるときの前記レーザ光源の発光強度を常に予め定められた検出時発光強度に設定することを特徴とする画像形成方法。
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