JP2009174483A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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智洋 中野
Shuji Yuda
修事 湯田
Masakatsu Nagai
正勝 永井
Takahiro Uchida
孝宏 内田
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Abstract

【課題】この発明は、出力軸の回転速度が変動する場合でも、目標の回転角が到来するタイミングを高い精度で予測することを目的とする。
【解決手段】内燃機関の燃焼を停止した状態において、機械構造に起因するクランク軸32の回転変動である機械性回転変動ΔNc(i)を予め計測しておく。ECU40は、内燃機関の運転中に計測した実回転変動ΔNr(i)から機械性回転変動ΔNc(i)を減算することにより、燃焼に起因する燃焼性回転変動ΔNb(i)を算出し、その算出値を用いて将来の燃焼性回転変動を予測する。そして、クランク軸32の回転速度Nと、機械性回転変動ΔNc(i)と、燃焼性回転変動ΔNb(i)の予測値とを用いて、現在のクランク角から所望の目標角度までの回転に必要な目標時間Tを予測する。これにより、各種の制御を所望のタイミングで正確に実行することができる。
【選択図】図7

Description

この発明は、例えばクランク角センサの検出信号に基づいて各種制御の実行タイミングを定めるのに好適に用いられる内燃機関の制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1(特開2000−8941号公報)に開示されているように、クランク角センサの検出信号に基づいて、各気筒での燃料噴射制御、点火時期制御等を行う構成とした内燃機関の制御装置が知られている。この種の従来技術による内燃機関の制御装置は、クランク角センサの検出信号に基づいてクランク軸の回転角(クランク角)や回転速度を検出する。そして、これらの検出結果や内燃機関の運転状態等に応じて設定される目標のクランク角が到来したときに、燃料噴射や点火などを実行するものである。
この場合、クランク角の検出・演算処理には一定の時間が必要となるので、目標のクランク角を検出した時点で制御を開始したのでは、特に高回転時などに制御の遅れが生じ易い。このため、従来技術では、所定の基準クランク角(例えば、圧縮上死点など)が到来したときに回転速度を検出し、このときの回転速度等に基づいて目標のクランク角が到来するタイミングを事前に予測する構成としている。
特開2000−8941号公報
ところで、上述した従来技術では、例えば基準クランク角で検出した回転速度に基づいて、目標のクランク角が到来するタイミングを予測する構成としている。しかし、クランク軸には、各気筒の爆発行程で発生するトルクが間欠的に付加されるだけでなく、クランク軸自体やこれと連動する部品に加わる慣性力、重力等が作用するので、クランク軸の回転速度は1回転の間に複雑に変動する。
このため、従来技術では、基準クランク角においてタイミングを予測したとしても、このタイミングが到来するまでの間に生じる回転変動によって実際に制御が行われるタイミングが目標のクランク角からずれてしまい、正確なタイミングで制御を実行することができないという問題がある。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、出力軸の回転速度が変動する場合でも、目標の回転角が到来するタイミングをより正確に予測することができ、各種の制御をより正確なタイミングで実行することが可能な内燃機関の制御装置を提供することを目的としている。
第1の発明は、内燃機関の出力軸が回転するときに、当該出力軸の回転に応じた検出信号を出力する回転検出手段と、
前記回転検出手段の検出信号を用いて前記出力軸の回転速度を算出する回転速度算出手段と、
内燃機関の運転中に前記出力軸の回転速度が単位時間当りに変化する変化量を、実回転変動として算出する実変動算出手段と、
内燃機関の燃焼を停止している状態で前記出力軸の回転速度が単位時間当りに変化する変化量を、内燃機関の機械構造に起因する機械性回転変動として取得する機械性変動取得手段と、
前記実回転変動から前記機械性回転変動を除いた残りの回転変動を、内燃機関の燃焼に起因する燃焼性回転変動として算出する燃焼性変動算出手段と、
前記燃焼性回転変動が算出される毎に当該算出値を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された過去の燃焼性回転変動に基づいて、将来の燃焼性回転変動を予測する燃焼性変動予測手段と、
前記回転速度と、前記機械性回転変動と、前記燃焼性回転変動の予測値とを用いて、前記出力軸の回転角が現在の角度から目標角度となるまでに必要な目標時間を予測する時間予測手段と、
を備えることを特徴とする。
第2の発明によると、前記記憶手段は、前記出力軸の回転角と前記回転速度とに応じて変化する前記機械性回転変動の特性が予め記憶された機械性変動データを備え、
前記機械性変動取得手段は、前記機械性変動データを参照することにより、任意の回転角及び回転速度における前記機械性回転変動を取得する構成としている。
第3の発明によると、前記燃焼性変動予測手段は、現在または過去の時点で算出された燃焼性回転変動を基準として、この時点から1燃焼サイクルが経過した後の燃焼性回転変動を予測する構成としている。
第4の発明によると、前記燃焼性変動予測手段は、過去の2つの時点における燃焼性回転変動と、前記2つの時点のうち一方の時点から1燃焼サイクルが経過した後の燃焼性回転変動とを用いて、他方の時点から1燃焼サイクルが経過した後の燃焼性回転変動を予測する構成としている。
第5の発明によると、前記記憶手段は、前記実回転変動が零となる回転角である無変動角度と前記回転速度との関係が予め記憶された無変動角データを備え、
前記回転速度算出手段は、過去の回転速度に応じて前記無変動角データを参照することにより、当該回転速度における無変動角度を取得し、前記出力軸の回転角が前記無変動角度となったときに最新の回転速度を算出する構成としている。
第6の発明によると、前記燃焼性変動算出手段は、将来の燃焼性回転変動を一定の回転角毎に予測する構成とし、前記時間予測手段は、前記回転速度、前記機械性回転変動及び前記燃焼性回転変動の予測値を合計することにより将来の予測回転速度を前記一定の回転角毎に算出し、当該予測回転速度の逆数を現在の角度から前記目標角度まで積算することにより前記目標時間を算出する構成としている。
第1の発明によれば、内燃機関の運転中に生じる実際の回転変動を、機械性回転変動と燃焼性変動とに分けて扱うことができる。これにより、機械性回転変動については、内燃機関の燃焼を停止した状態で予め計測しておき、その計測データを制御装置等に記憶させることができる。この結果、内燃機関の運転中には、実際の計測を行わなくても、運転状態に応じた機械性回転変動を計測データから取得することができ、運転中の計測が難しい機械性回転変動を正確かつ容易に求めることができる。
このように取得した機械性回転変動を、内燃機関の運転中に計測した実回転変動から減算することにより、運転中の計測が難しい燃焼性回転変動をリアルタイムで正確かつ容易に算出することができる。そして、燃焼性回転変動の波形には、内燃機関の燃焼サイクルに同期した周期性が存在するので、この周期性を利用することにより、過去に算出された燃焼性回転変動を用いて将来の燃焼性回転変動を予測することができる。
これにより、時間予測手段は、出力軸が所望の角度まで回転するのに必要な目標時間を予測するときに、出力軸の回転速度と、将来の回転変動とを予測結果に反映させることができる。このため、例えば高回転での運転中や、回転速度が大きく変化するような運転状態でも、目標時間の予測を正確に行うことができる。従って、燃料噴射制御や点火時期制御等からなる各種の制御を所望のタイミングで正確に実行することができる。
第2の発明によれば、機械性変動取得手段は、出力軸の回転角と回転速度とに応じて機械性変動データを参照することにより、任意の回転角及び回転速度における機械性回転変動を容易に取得することができる。この機械性回転変動を実回転変動から減算することにより、任意の回転角及び回転速度における燃焼性変動を容易に算出することができる。
また、機械性変動データを用いることにより、まだ到来していない将来の回転角における機械性回転変動を自由に得ることができる。これにより、目標時間の予測処理には、将来の機械性回転変動と、将来の燃焼性回転変動とを予測結果にそれぞれ反映させることができ、高い予測精度を得ることができる。
第3の発明によれば、燃焼性回転変動の波形には、内燃機関の燃焼サイクルに同期した周期性が存在する。このため、現在または過去の時点で算出された燃焼性回転変動を基準として、この時点から1燃焼サイクルが経過した後の燃焼性回転変動を正確に予測することができる。
第4の発明によれば、燃焼性回転変動の波形には、燃焼サイクルに同期した周期性が存在するので、例えば過去の2つの時点における燃焼性回転変動の比率、差分等は、1燃焼サイクル後でもほぼ一定とみなすことができる。これにより、例えば現在または過去に算出された3つの燃焼性回転変動を用いて、将来の燃焼性回転変動を正確に予測することができる。
第5の発明によれば、無変動角度での計測を行うことにより、回転変動の影響を殆ど受けない平均的な回転速度を正確に計測することができる。これにより、回転変動が原因となって機械性回転変動の取得値に誤差が生じるのを防止でき、この取得値の精度を高めることができる。また、無変動角データは、回転速度に応じてマップデータ化されているので、例えば過去の回転速度に応じて無変動角データを参照することにより、出力軸の回転速度に関係なく、常に適切な無変動角度を得ることができる。
第6の発明によれば、時間予測手段は、出力軸の回転速度と、機械性回転変動と、燃焼性回転変動の予測値を合計することにより、将来の回転角における予測回転速度を算出することができ、この算出処理を一定の回転角毎に行うことができる。この場合、予測回転速度の逆数は、個々の回転角において出力軸が回転するときに必要な時間となる。このため、予測回転速度の逆数を現在の角度から目標角度まで積算することにより、目標時間を算出することができる。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
以下、図1乃至図6を参照しつつ、本発明の実施の形態1について説明する。まず、図1は、実施の形態1のシステム構成を説明するための全体構成図を示している。本実施の形態のシステムは、例えば多気筒型の内燃機関10を備えている(1気筒のみ図示)。内燃機関10は、吸入空気が各気筒内に向けて流入する吸気通路12と、各気筒内で生じた排気ガスが流出する排気通路14とを備えている。
吸気通路12には、内燃機関の吸入空気量を検出するエアフローメータ16と、エアフローメータ16の下流側に配置された電子制御式のスロットル弁18とが設けられている。スロットル弁18は、アクセル開度等に応じてスロットルモータ20により開,閉駆動され、その開度に応じて吸入空気量を増減させる。一方、排気通路14には、排気ガスを浄化する触媒22が設けられている。また、内燃機関10の各気筒は、燃料を噴射する燃料噴射弁24と、気筒内の混合気に着火する点火プラグ26と、吸気弁28、排気弁30等を備えている。
また、内燃機関10には、クランク軸(出力軸)32の回転に応じた検出信号を出力する回転検出手段としてのクランク角センサ34が設けられている。クランク角センサ34は、例えば一般的に公知な非接触式のセンサ等からなり、クランク軸32と共に回転するギヤ部品の歯を検出するように構成されている。
そして、クランク角センサ34は、クランク軸32が所定角度だけ回転する毎に、後述のECU40に検出信号を出力する。本実施の形態では、この所定角度が1°である場合を例に挙げて説明する。ECU40は、クランク角センサ34の検出信号をカウントすることにより、クランク軸32の回転角(クランク角)を検出することができる。
さらに、本実施形態のシステムは、ECU(Electronic Control Unit)40を備えている。ECU40は、ROM、RAM等の記憶回路と、タイマ機能とを備えたマイクロコンピュータ等からなり、本実施の形態の記憶手段を構成している。ECU40の入力側には、エアフローメータ16、クランク角センサ34等を含むセンサ系統が接続されている。
また、ECU40の出力側には、スロットルモータ20、燃料噴射弁24、点火プラグ26等を含めて各種のアクチュエータが接続されている。そして、ECU40は、センサ系統の出力に応じて必要なアクチュエータを作動させることにより、燃料噴射制御、点火時期制御等を含む各種の制御を実行することができる。
この場合、燃料噴射制御では、例えば内燃機関の吸入空気量、運転者のアクセル操作等に応じて燃料の目標噴射量を算出する。また、内燃機関の機関回転数等に応じて燃料を噴射すべき適切なクランク角(目標角度)を算出し、この目標角度が到来するタイミングを、後述の時間予測制御によって予測する。そして、目標のタイミングが到来したときに、燃料噴射弁24から燃料を噴射させる。
また、点火時期制御では、例えば内燃機関の負荷状態、機関回転数等に応じて点火を行うべき適切なクランク角(目標角度)を算出する。そして、燃料噴射制御の場合とほぼ同様に、目標角度に対応するタイミングが到来したときに、点火プラグ26によって気筒内の混合気に着火する。
[時間予測制御]
時間予測制御は、クランク軸32が基準の角度(例えば、現在のクランク角)から所望の目標角度まで回転するのに必要な時間を、目標時間Tとして予測するものである。この予測制御では、クランク軸32の回転速度だけでなく、回転速度が単位時間当りに変化する変化量(以下、回転変動と称す)も考慮する。そこで、まず最初に、図2を参照しつつ、クランク軸32の回転変動について説明する。
図2は、クランク軸の回転変動とクランク角との関係を示す特性線図である。図2中の実線,点線及び一点鎖線は、実回転変動ΔNr,機械性回転変動ΔNc及び燃焼性回転変動ΔNbをそれぞれ示している。ここで、実回転変動ΔNrとは、内燃機関の運転中に実際に計測される回転変動である。
クランク軸32の回転変動は、内燃機関の燃焼行程(爆発行程)で発生するトルクや、構造的に偏心した部分に作用する慣性力、重力等が原因となって生じる。本実施の形態では、実回転変動ΔNrを、発生原因が異なる機械性回転変動ΔNcと燃焼性回転変動ΔNbに分けて扱うことにより、目標時間Tを正確に予測することを特徴としている。
機械性回転変動ΔNcとは、内燃機関の機械構造に起因する回転変動であり、内燃機関の燃焼を停止した状態でも発生する回転変動として定義される。クランク軸32には、回転中心から偏心した部位が存在する上に、バランサ(カウンタウェイト)等の偏心した部品が取付けられている。これらの偏心構造に作用する慣性力、重力等がクランク軸32の回転運動に影響を与えることにより、機械性回転変動ΔNcが発生する。
一方、燃焼性回転変動ΔNbとは、内燃機関の燃焼に起因する回転変動であり、燃焼行程で発生したトルクがクランク軸32に付加されることにより発生するものである。この場合、燃焼性回転変動ΔNbは、実回転変動ΔNrから機械性回転変動ΔNcを除いた残りの回転変動として定義することができる。
一般に、燃焼性回転変動ΔNbは、内燃機関の運転状態(出力トルク)に応じて変化するので、機関運転中に実際の燃焼性回転変動ΔNbを計測するのは難しい。これに対し、機械性回転変動ΔNcは、内燃機関の燃焼を停止した状態で、モータ等を用いてクランク軸32を回転させることにより、予め計測しておくことが可能である。
このため、時間予測制御では、内燃機関の運転中に計測した実回転変動ΔNrから、予めデータ化しておいた機械性回転変動ΔNcを減算することにより、燃焼性回転変動ΔNbをリアルタイムに算出する。そして、過去の燃焼性回転変動ΔNbに基づいて将来の燃焼性回転変動ΔNbを予測することにより、目標時間Tの予測を正確に行うものである。以下、これらの処理について説明する。
(基準回転速度の算出)
この処理では、まず、目標時間Tを予測するときにベースの回転速度として用いられる基準回転速度Nを算出する。より詳しく述べると、内燃機関の運転中に特定のクランク角(以下、無変動角度と称す)が到来したときに、クランク軸32の回転速度を計測し、その計測値を基準回転速度Nとして記憶する。
ここで、無変動角度とは、内燃機関の1燃焼サイクルに対応するクランク角の範囲(4サイクルの内燃機関では、1〜720°)のうち、実回転変動ΔNrが零となる特定のクランク角である。無変動角度においては、例えば回転変動の要因が互いに打消し合う現象等が生じることにより、実回転変動ΔNrが殆ど零となる。
図3は、ある回転速度における実回転変動とクランク角との関係を示す特性線図である。この図に示すように、実回転変動ΔNrは、クランク角に応じて正値と負値との間で変動しつつ、複数の無変動角度において零となる。また、無変動角度は、クランク軸32が一定の速度で回転しているときにほぼ一定の角度となるが、回転速度が変化することにより異なる角度となる。
このため、ECU40には、無変動角度と回転速度(基準回転速度)との関係をマップデータ化した無変動角データが予め記憶されている。図4は、無変動角データの一例を示すものである。なお、図4では、1つの基準回転速度について1つの無変動角度が得られるデータを例示したが、実回転変動ΔNrが零となるクランク角は複数存在するので、1つの基準回転速度について複数の無変動角度が得られるようにしてもよい。
ECU40は、例えば前回の算出処理で得られた基準回転速度Nを用いて、図4の無変動角データを参照することにより、当該回転速度において回転変動が殆ど生じない無変動角度を取得することができる。そして、内燃機関の運転中にクランク角が無変動角度となったときには、クランク軸32の回転速度を基準回転速度Nとして算出する。この場合、回転速度の算出は、クランク角センサ34の検出信号を用いて、例えばクランク軸32が1°回転する間の時間を計測することにより可能となる。
上記構成によれば、無変動角度での計測を行うことにより、回転変動の影響を殆ど受けない平均的な回転速度を、基準回転速度Nとして正確に得ることができる。この場合、無変動角データは、回転速度に応じてマップデータ化されているので、例えば前回の基準回転速度Nに応じて無変動角データを参照することにより、クランク軸32の回転速度に関係なく、常に適切な無変動角度を得ることができる。
そして、基準回転速度Nを算出することにより、時間予測を行うときにベースとなる基準回転速度Nと、ベースの回転速度に対する回転変動ΔNc(i),ΔNb(i)とを分けて扱うことができる。従って、これらのパラメータをそれぞれ適切な方法で目標時間Tに反映させることができ、目標時間Tを正確に予測することができる。
(実回転変動の算出)
この処理では、内燃機関の運転中にクランク軸32に生じる実際の回転変動が、実回転変動ΔNrとして算出される。具体的に述べると、ECU40は、クランク角センサ34の検出信号を用いて、例えばクランク軸32が1°回転する毎に回転速度を検出する。そして、時間的に隣接した2つの回転速度の差分を演算することにより、実回転変動ΔNrを算出することができる。
また、上述の算出処理は、クランク軸32が1°回転する毎に繰返される。そして、1°毎に得られる実回転変動ΔNrの算出値は、例えば最新の1燃焼サイクル分の時系列データΔNr(i)(i=1,2,3,…,720)としてECU40に記憶される。ここで、iはクランク角を示すものである。
(機械性回転変動の取得)
機械性回転変動ΔNcは、内燃機関の燃焼を停止した状態で予め計測しておくことが可能である。また、本願発明者の実験等により、機械性回転変動ΔNcは、クランク角と回転速度に応じて変化することが判明した。このため、本実施の形態では、クランク角と回転速度とに応じて変化する機械性回転変動ΔNcの特性をマップデータ化し、このマップデータを機械性変動データとしてECU40に予め記憶させる構成としている。
図5は、ある回転速度における機械性回転変動とクランク角との関係を示すマップデータである。このマップデータは、機械性変動データのうち当該回転速度に対応する一部のデータを構成している。即ち、機械性変動データは、図5のマップデータを回転速度に応じて複数種類用意したものである。この機械性変動データによれば、ある基準回転速度Nにおける機械性回転変動ΔNcは、例えばクランク角1°毎に設定されたマップデータΔNc(i)(i=1,2,3,…,720)として与えられる。
(燃焼性回転変動の算出)
この処理では、下記(1)式に示すように、最新の1燃焼サイクルにおいて計測された実回転変動ΔNr(i)から、個々のクランク角における機械性回転変動ΔNc(i)を減算することにより、最新の1燃焼サイクルにおける燃焼性回転変動ΔNb(i)(i=1,2,3,…,720)を算出する。この算出処理を行うことにより、ECU40には、最新の1燃焼サイクル分の燃焼性回転変動ΔNb(i)が常に記憶されるようになる。
ΔNb(i)=ΔNr(i)−ΔNc(i) ・・・(1)
(将来の燃焼性回転変動の予測)
図6は、前記(1)式により得られた燃焼性回転変動ΔNb(i)とクランク角との関係を示している。図6中に示すAn,Bn(n=1,2,3,4)は、#n気筒での爆発に起因する燃焼性回転変動の振幅のピーク値である。なお、図6では、4気筒型の内燃機関における燃焼性回転変動の波形を例示したが、本発明は4気筒に限定されるものではない。
この図に示すように、燃焼性回転変動ΔNb(i)は、各気筒の爆発行程で発生したトルクがクランク軸32に付加されることにより増大し、トルクが小さくなった時点で減少に転じる。このため、燃焼性回転変動ΔNb(i)の波形は、各気筒の点火タイミングを起点としてプラス側とマイナス側に振動する。また、個々のピーク値An,Bnは、各気筒での発生トルクに対応した大きさとなる。
個々の気筒で発生するトルクは、例えば1燃焼サイクル程度の短時間であれば、急変することがないと考えられる。従って、燃焼性回転変動も、短時間であれば、トルクに応じて比較的緩やかに変化するとみなすことができる。このように、燃焼状態の変化が緩やかな状況において、燃焼性回転変動の波形には、内燃機関の燃焼サイクルに同期した周期性が存在する。このため、本実施の形態では、現在または過去の時点で算出した燃焼性回転変動を基準として、この時点から1燃焼サイクルが経過した後の燃焼性回転変動を予測する構成としている。
具体的に述べると、爆発間隔が十分に短い2つの気筒(例えば、爆発行程が隣接した#1,#2気筒)に着目した場合に、ある時点での当該気筒における燃焼性回転変動のピーク値の比率(B1/B2)と、この時点から1燃焼サイクルが経過した後のピーク値の比率(B1′/B2′)とは、燃焼状態の急変がない状態であれば、ほぼ等しいとみなすことができる。即ち、ピーク値B1,B2,B1′,B2′の間には、下記(2)式が成立する。
B1/B2=B1′/B2′ ・・・(2)
従って、上述した4つのピーク値B1,B2,B1′,B2′のうち、例えば3つのピーク値B1,B2,B1′を現在または過去のクランク角で算出された燃焼性回転変動とし、ピーク値B2′を将来のクランク角における燃焼性回転変動とすれば、将来の燃焼性回転変動を予測することができる。即ち、前記(2)式を下記(3)式のように変形することにより、現在または過去のピーク値B1,B2,B1′を用いて将来のピーク値B2′を算出することができる。
B2′=B1′×B2/B1 ・・・(3)
このように、本実施の形態では、過去の2つの時点における燃焼性回転変動(ピーク値B1,B2)と、前記2つの時点のうち一方の時点から1燃焼サイクルが経過した後の燃焼性回転変動(ピーク値B1′)とを用いて、他方の時点から1燃焼サイクルが経過した後の燃焼性回転変動(ピーク値B2′)を予測するものである。
換言すれば、ECU40は、爆発間隔が近い2つの気筒の燃焼により生じた燃焼性回転変動の比率(B1/B2)が、1燃焼サイクル後にも一定であるとみなすことにより、前記2つの気筒の燃焼性回転変動の比率(B1/B2)と、前記2つの気筒のうち一方の気筒における1燃焼サイクル後の燃焼性回転変動(ピーク値B1′)とを用いて、他方の気筒における1燃焼サイクル後の燃焼性回転変動(ピーク値B2′)を予測する。
そして、ECU40は、上記の予測方法を用いることにより、例えば過去の燃焼性回転変動のデータΔNb(i-719)〜ΔNb(i-540)を用いて、これらのデータから1燃焼サイクル(720°)が経過した将来の燃焼性回転変動ΔNb(i+1)〜ΔNb(i+180)を予測し、その予測値を記憶しておく。
(目標時間の予測)
これまでの処理により、最新の基準回転速度Nと、任意のクランク角における機械性回転変動ΔNc(i)と、将来のクランク角における燃焼性回転変動ΔNb(i+1)〜ΔNb(i+180)とが得られた。そこで、これらの値を下記(4)式で合計することにより、将来のクランク角における予測回転速度N(i+1)〜N(i+180)を算出することができる。
N(i+j)=N+ΔNc(i+j)+ΔNb(i+j) ・・・(4)
ここで、(i+j)とは、現在のクランク角iに対して角度jだけ進んだ将来のクランク角を示すものとする(本実施の形態では、j=1,2,3...,180として例示)。即ち、予測回転速度N(i+j)とは、クランク軸32が現在の位置から角度jだけ回転したときに生じているはずの回転速度を予測したものである。これにより、将来の任意のクランク角におけるクランク軸32の回転速度を予測することができる。
ここで、予測回転速度の逆数1/N(i+j)は、個々の回転角において出力軸が1°回転するときに必要な時間となる。このため、クランク軸32が現在の位置から目標角度αまで回転するのに必要な時間(目標時間T)を求める場合には、下記(5)式に示すように、予測回転速度の逆数1/N(i+j)を、現在のクランク角から目標角度αまでの範囲(j=1〜α)で積算する。具体的な例を挙げると、例えば目標角度が60°である場合には、1/N(i+j)を、j=1〜60の範囲で積算することにより、目標時間Tを算出することができる。
T=1/N(i+1)+1/N(i+2)+1/N(i+3)+ ... +1/N(i+α) ・・・(5)
以上、詳述したように、本実施の形態では、実回転変動ΔNr(i)を、機械性回転変動ΔNc(i)と燃焼性回転変動ΔNb(i)とに分けて扱うことができる。これにより、機械性回転変動ΔNc(i)については、内燃機関の燃焼を停止した状態で予め計測しておくことができ、その計測値を機械性変動データとしてECU40に記憶させることができる。
この結果、内燃機関の運転中には、実際の計測を行わなくても、基準回転速度Nに応じて機械性変動データから機械性回転変動ΔNc(i)を取得することができ、運転中の計測が難しい機械性回転変動ΔNc(i)を正確かつ容易に求めることができる。この場合、基準回転速度Nは、回転変動の影響を受けない無変動角度において計測しているので、回転変動が原因となって機械性回転変動ΔNc(i)の取得値に誤差が生じるのを防止でき、この取得値の精度を高めることができる。
また、機械性変動データには、基準回転速度Nとクランク角とに応じて変化する機械性回転変動ΔNcの特性を記憶させる構成としている。このため、ECU40は、機械性変動データを用いて任意のクランク角及び基準回転速度における機械性回転変動ΔNc(i)を容易に取得することができる。
また、機械性変動データを用いることにより、まだ到来していない将来のクランク角における機械性回転変動ΔNc(i+j)を自由に得ることができる。これにより、予測回転速度N(i+j)には、将来の機械性回転変動と、将来の燃焼性回転変動Nb(i)とをそれぞれ反映させることができ、高い予測精度を得ることができる。
また、運転中に計測した実回転変動ΔNr(i)から機械性回転変動ΔNc(i)を減算することにより、任意のクランク角における燃焼性回転変動ΔNb(i)をリアルタイムに算出することができる。これにより、運転中の計測が難しい燃焼性回転変動ΔNb(i)を、例えばクランク角で1°毎の緻密なデータとして正確かつ容易に得ることができる。
そして、燃焼性回転変動ΔNb(i)の波形には、内燃機関の燃焼サイクルに同期した周期性が存在するので、現在または過去の時点で算出された燃焼性回転変動(例えば、ΔNb(i-719)〜ΔNb(i-540))を基準として、この時点から1燃焼サイクルが経過した後の燃焼性回転変動ΔNb(i+1)〜ΔNb(i+180)を予測することができる。即ち、爆発間隔が短い2つの気筒における燃焼性回転変動の比率(B1/B2)が、1燃焼サイクル後でもほぼ一定とみなせることを利用して、将来のクランク角における燃焼性回転変動を正確に予測することができる。
この結果、本実施の形態では、基準回転速度Nと、任意のクランク角における機械性回転変動ΔNc(i)と、将来の燃焼性回転変動ΔNb(i+1)〜ΔNb(i+180)とを用いて、将来のクランク角における予測回転速度N(i+1)〜N(i+180)を算出することができる。この予測回転速度には、クランク軸32の回転速度及び将来の回転変動をそれぞれ反映させることができるので、将来の回転速度を高い精度で予測することができる。
従って、本実施の形態によれば、回転速度及び将来の回転変動が反映された予測回転速度N(i+1)〜N(i+180)を用いて時間予測を行うことができるので、現在のクランク角から目標角度αまでに必要な目標時間Tを正確に予測することができる。これにより、例えば高回転での運転中や、回転速度が大きく変化するような運転状態でも、燃料噴射制御や点火時期制御等からなる各種の制御を所望のタイミングで正確に実行することができる。
[実施の形態1を実現するための具体的な処理]
図7は、本実施の形態のシステム動作を実現するために、ECU40が実行するルーチンのフローチャートである。なお、図7に示すルーチンは、内燃機関の運転中に繰返し実行されるものである。
まず、ステップ100では、クランク角センサ34から出力される検出信号(クランク角信号)をカウントすることにより、現在のクランク角を検出する。また、ステップ102では、前述したように、クランク角信号を用いて回転速度を検出し、時間的に隣接した2つの回転速度の差分を演算することにより、実回転変動ΔNr(i)を算出する。
次に、ステップ104では、前回の基準回転速度Nを用いて図4の無変動角データを参照することにより、当該回転速度における無変動角度を取得する。そして、ステップ106では、現在のクランク角が無変動角度と等しいか否かを判定する。ここで「YES」と判定したときには、クランク軸32の回転速度に変動が生じていないタイミングなので、ステップ108では、このタイミングにおいて最新の基準回転速度Nを計測する。一方、ステップ106で「NO」と判定したときには、現在のクランク角が無変動角度ではないので、基準回転速度Nの更新を行わず、ステップ110に移る。
ステップ110では、基準回転速度Nを用いて図5の機械性変動データを参照することにより、当該回転速度における機械性回転変動ΔNc(i)を取得する。そして、ステップ112では、最新の1燃焼サイクル分のクランク角について、実回転変動ΔNr(i)と機械性回転変動ΔNc(i)との差分を求めることにより、燃焼性回転変動ΔNb(i)を算出し、その算出値を記憶する。
次に、ステップ114では、前述したように、過去の燃焼性回転変動ΔNb(i-719)〜ΔNb(i-540)を用いて、1燃焼サイクルが経過した将来の燃焼性回転変動ΔNb(i+1)〜ΔNb(i+180)を予測し、その予測値を記憶する。
ステップ118では、例えば燃料噴射制御、点火時期制御等を行うための時間予測を実施すべきタイミングであるか否かを判定する。ここで「YES」と判定したときには、まず、ステップ120において、燃料噴射や点火を行うべき目標クランク角(目標角度)αを読込む。また、ステップ122では、前記(4)式を用いることにより、各クランク角における予測回転速度N(i+j)を算出する。
次に、ステップ124では、前記(5)式に示すように、1/N(i+j)を、現在のクランク角から目標クランク角αまで積算することにより、目標時間Tを算出する。一方、ステップ118で「NO」と判定したときには、時間予測が必要ないタイミングなので、今回のルーチン処理を終了する。これにより、適切なタイミングで次回のルーチン処理が起動される。
また、ECU40は、目標時間Tを予測した時点で、時間計測用のタイマをスタートさせ、このタイマが目標時間Tに一致したときに、燃料噴射や点火等の動作を実施する。これにより、実際のクランク角が目標クランク角αと一致する適切なタイミングにおいて、所定の制御を正確に実施することができる。
なお、前記実施の形態では、図7中のステップ108が回転速度算出手段の具体例を示している。また、ステップ102は実変動算出手段の具体例を示し、ステップ110は機械性変動取得手段の具体例を示している。さらに、ステップ112は燃焼性変動算出手段の具体例を示し、ステップ114は燃焼性変動予測手段の具体例を示し、ステップ122,124は時間予測手段の具体例を示している。
実施の形態では、回転変動が生じない無変動角度において、基準回転速度Nを計測する構成とした。しかし、本発明では、ベースとなる回転速度を必ずしも無変動角度で計測する必要はない。即ち、本発明では、例えば所定のクランク角で計測した回転速度を、基準回転速度Nとして用いる構成としてもよく、または、この回転速度を複数の燃焼サイクル間で平均したものを、基準回転速度Nとして用いる構成としてもよい。さらには、実回転変動ΔNr(i)を算出しつつ、これをモニタすることにより、実回転変動ΔNr(i)が零となったときの回転速度を、基準回転速度Nとして採用する構成としてもよい。
また、実施の形態では、爆発間隔が近い2つの気筒における燃焼性回転変動の比率(B1/B2)が、1燃焼サイクル後でもほぼ一定とみなせることを利用して、将来の燃焼性回転変動を容易に予測する構成とした。しかし、本発明はこれ限らず、例えば爆発間隔が近い2つの気筒における燃焼性回転変動の「差分」が、1燃焼サイクル後でもほぼ一定とみなせることを利用してもよい。即ち、図6において、#1気筒の1燃焼サイクル間における燃焼性回転変動の差分(B1−B1′)は、#2気筒の1燃焼サイクル間における差分(B2−B2′)とほぼ等しいとみなすことができる。これにより、将来の燃焼性回転変動B2′は、B2′=B2−B1+B1′として求めることができる。
また、実施の形態では、燃焼性回転変動ΔNb(i)の予測演算を行うときに、波形のピーク値An,Bnのうちマイナス側のピーク値Bnを用いる場合を例示した。しかし、本発明はこれに限らず、プラス側のピーク値Anを用いて燃焼性回転変動ΔNb(i)の予測演算を行う構成としてもよい。
一方、実施の形態では、クランク角センサ34によりクランク角の1°毎に検出信号を出力する構成とし、回転変動ΔNr(i),ΔNc(i),ΔNb(i)と予測回転速度N(i+j)とを1°毎に算出する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、必要であれば、1°よりも大きなクランク角(例えば30°等)毎に検出信号を出力するクランク角センサを用いてもよい。同様に、回転変動ΔNr(i),ΔNc(i),ΔNb(i)と予測回転速度N(i+1)についても、1°よりも大きなクランク角毎に算出する構成としてもよい。
実施の形態では、クランク角で180°分の範囲において、将来の燃焼性回転変動ΔNb(i+1)〜ΔNb(i+180)を予測する構成とした。しかし、本発明は180°分の範囲に限らず、必要であればこれよりも広い範囲または狭い範囲において燃焼性回転変動の予測を行う構成としてもよい。
実施の形態では、時間予測制御の適用対象として、燃料噴射制御と点火時期制御を例に挙げて説明した。しかし、本発明の時間予測制御は、これらの制御に限らず、実行タイミングを可変とする任意の制御に広く適用することができる。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための全体図である。 クランク軸の実回転変動,機械性回転変動及び燃焼性回転変動と、クランク角との関係を示す特性線図である。 クランク軸の実回転変動とクランク角との関係を示す特性線図である。 無変動角度と回転速度との関係をマップデータ化した無変動角データを示す説明図である。 ある回転速度における機械性回転変動とクランク角との関係を示す機械性変動データである。 燃焼性回転変動とクランク角との関係を示す特性線図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
10 内燃機関
12 吸気通路
14 排気通路
16 エアフローメータ
18 スロットル弁
20 スロットルモータ
22 触媒
24 燃料噴射弁
26 点火プラグ
28 吸気弁
30 排気弁
32 クランク軸(出力軸)
34 クランク角センサ(回転検出手段)
40 ECU(記憶手段)
T 目標時間
N 基準回転速度
ΔNr(i) 実回転変動
ΔNc(i) 機械性回転変動
ΔNb(i) 燃焼性回転変動
An,Bn ピーク値

Claims (6)

  1. 内燃機関の出力軸が回転するときに、当該出力軸の回転に応じた検出信号を出力する回転検出手段と、
    前記回転検出手段の検出信号を用いて前記出力軸の回転速度を算出する回転速度算出手段と、
    内燃機関の運転中に前記出力軸の回転速度が単位時間当りに変化する変化量を、実回転変動として算出する実変動算出手段と、
    内燃機関の燃焼を停止している状態で前記出力軸の回転速度が単位時間当りに変化する変化量を、内燃機関の機械構造に起因する機械性回転変動として取得する機械性変動取得手段と、
    前記実回転変動から前記機械性回転変動を除いた残りの回転変動を、内燃機関の燃焼に起因する燃焼性回転変動として算出する燃焼性変動算出手段と、
    前記燃焼性回転変動が算出される毎に当該算出値を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された過去の燃焼性回転変動に基づいて、将来の燃焼性回転変動を予測する燃焼性変動予測手段と、
    前記回転速度と、前記機械性回転変動と、前記燃焼性回転変動の予測値とを用いて、前記出力軸の回転角が現在の角度から目標角度となるまでに必要な目標時間を予測する時間予測手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記記憶手段は、前記出力軸の回転角と前記回転速度とに応じて変化する前記機械性回転変動の特性が予め記憶された機械性変動データを備え、
    前記機械性変動取得手段は、前記機械性変動データを参照することにより、任意の回転角及び回転速度における前記機械性回転変動を取得する構成としてなる請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記燃焼性変動予測手段は、現在または過去の時点で算出された燃焼性回転変動を基準として、この時点から1燃焼サイクルが経過した後の燃焼性回転変動を予測する構成としてなる請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記燃焼性変動予測手段は、過去の2つの時点における燃焼性回転変動と、前記2つの時点のうち一方の時点から1燃焼サイクルが経過した後の燃焼性回転変動とを用いて、他方の時点から1燃焼サイクルが経過した後の燃焼性回転変動を予測する構成としてなる請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記記憶手段は、前記実回転変動が零となる回転角である無変動角度と前記回転速度との関係が予め記憶された無変動角データを備え、
    前記回転速度算出手段は、過去の回転速度に応じて前記無変動角データを参照することにより、当該回転速度における無変動角度を取得し、前記出力軸の回転角が前記無変動角度となったときに最新の回転速度を算出する構成としてなる請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記燃焼性変動算出手段は、将来の燃焼性回転変動を一定の回転角毎に予測する構成とし、前記時間予測手段は、前記回転速度、前記機械性回転変動及び前記燃焼性回転変動の予測値を合計することにより将来の予測回転速度を前記一定の回転角毎に算出し、当該予測回転速度の逆数を現在の角度から前記目標角度まで積算することにより前記目標時間を算出する構成としてなる請求項1乃至5のうち何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011058434A (ja) * 2009-09-10 2011-03-24 Toyota Motor Corp 内燃機関制御装置
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