JP2009165100A - 高周波増幅器及び高周波モジュール並びにそれらを用いた移動体無線機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高周波の増幅を行う増幅素子をバイアスするバイアス回路を備えた高周波増幅器において、バイアス回路がフィードバック回路を含み、そのフィードバック回路のフィードバックループ内に、一端が接地された容量を有する低域通過特性を持つ回路を挿入する。これにより安定したバイアス電圧を供給し、高周波増幅器の線形性を改善することができる。
【選択図】図1
Description
及び高周波モジュール及びそれらを用いた移動体無線機に関する。
と記載されている。
から大信号動作時までの広い範囲にわたる入力信号に対して高い線形性が求められる。
すなわち、OFDM方式などのデジタル変調方式を対象とした場合、特許文献1に開示された増幅器では、大信号動作時におけるバイアス点の電位の低下は避けられず、広範囲の高周波数入力信号に対して高い線形性を得ることは困難であると考えられる。
また、特許文献5に開示されたローパスフィルタのインダクタンスを抵抗に置き換えて半導体集積回路に集積した場合には、この抵抗がバイアス回路の出力インピーダンスを増加させることになり、大電力入力時のベースバイアス電流の増加により、バイアス電圧の降下が生じ、問題であると考えられる。
以下本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
ジスタ特性の変動に強い回路構成である。
また、前記フィードバックループとは、図1に記載の実施例では、トランジスタ103のエミッタ端子からトランジスタ102のベース端子への接続と、トランジスタ102のコレクタ端子からトランジスタ103のベース端子への接続とトランジスタ102及び103の内部の接続からなる接続経路であり、トランジスタ102及び103からなるバイアス回路のフィードバックループを構成している。
すなわち、本実施例の高周波増幅器は、高周波信号の入力端子及び出力端子と、ベース端子が前記入力端子に接続された高周波増幅用トランジスタと、前記高周波増幅用トランジスタの前記ベース端子をバイアスし、前記高周波増幅用トランジスタとでカレントミラー回路を構成するフィードバックループを有するバイアス回路を備えて成り、前記バイアス回路のフィードバックループ内に、容量を含むローパスフィルタが挿入されており、前記容量が、前記フィードバックループを接地するシャント回路の少なくとも一部を構成している。かかる点は他の実施例においても同様である。
図1の実施例ではシャント回路が容量104で構成されているが、容量104はフィードバックループを接地するシャント回路の少なくとも一部を構成していればよい。
なお、容量104に直列な抵抗成分がないとは、容量104に直列に接続される抵抗素子がないことをいう。
すなわち、fLは少なくとも高周波入力信号の変調周波数帯域の2倍以上(40MHz以上)、より好ましくは3倍以上(60MHz以上)にすればよい。
分な増幅動作が得られる。また、逆に負方向に振幅が振れた時には、トランジスタ103がエミッタフォロア回路に見え、一定の電圧に保たれるため、バイアス電位の電圧低下が発生せずに利得低下の現象を低減でき高い線形性を実現できる。
また、図3の容量104を変化させた範囲は2〜10pFであり、抵抗105は100Ωとした。なお、図3のローパスフィルタ有のバイアス回路に関する各グラフ線は、図の右側で見て、下から容量値が2pF、3pF、6pF、10pFの場合に対応する。この時、入力信号を−10dBmから+17dBmに変化させたときのバイアス点(バイアス回路の出力電圧)の電圧変化を35mV以下にすることが可能である。さらに、シャント回路の容量値が3〜10pFの範囲である場合は、前記電圧変化は15mV以下である。この時の高周波入力信号は5GHz帯(11aで利用される周波数帯)の信号で、ローパスフィルタの遮断周波数の変化範囲は約150MHz〜800MHzである。また、ローパスフィルタの遮断周波数の条件(例えばシャント回路の容量値が6pF以上)によっては電圧Vbiasを上昇させる効果があることが確認できる。
また、図4の容量104を変化させた範囲は2〜10pFであり、抵抗105は100Ωとした。なお、図3のローパスフィルタ有のバイアス回路に関する各グラフ線は、図の右側で見て、下から容量値が2pF、3pF、6pF、10pFの場合に対応する。この時、入力信号を−10dBmから+17dBmに変化させたときのバイアス点(バイアス回路の出力電圧)の電圧変化を35mV以下にすることで、入力信号が−10dBmから+17dBmに変化したときの利得の変化を1dB以下とすることができる。また、ローパスフィルタの遮断周波数の条件(例えばシャント回路の容量値が6pF以上)によっては利得を上昇させる効果があることが確認できる。
増幅動作トランジスタ101及びトランジスタ102、103はカレントミラー回路を構成しているため、プロセスのバラツキによるトランジスタ特性の変動に強い回路構成である。また、増幅動作トランジスタ101のバイアス電流は抵抗106および105により決定される。また、ローパスフィルタを抵抗105とトランジスタ102のベース入力容量130で構成することで、容量素子を不要とすることが可能で更なる回路の小型化を実現できる。また、抵抗107と容量108の並列接続回路はトランジスタ101の熱暴走を防ぐバラスト回路の一例であり、実施例1に使用しても同様の効果を示す。
前記バラスト回路は前記第3のトランジスタのエミッタ端子と前記第1のトランジスタのベース端子との間であって、前記入力端子と前記第1のトランジスタのベース端子との間に接続されている。この点は後述の実施例においても同様である。
さらに、前記ベース入力容量130とトランジスタの寄生容量の関係を具体的に述べると、前記ベース入力容量130として主要な寄生容量はベース・エミッタ間のベース・エミッタ寄生容量であり、前記トランジスタの寄生容量は前記ベース・エミッタ寄生容量のことである。また、トランジスタ102として実用的に利用するトランジスタの入力容量は数十fF〜数百fF程度であり、抵抗105を数kΩ〜数百kΩの値とすることで、図3で変化させた遮断周波数を実現できる。
図6に示す、抵抗107及び113と容量108からなるバラスト回路は図1の抵抗107と容量108からなるバラスト回路と比べ、バイアス回路側からみて、トランジスタ101のバイアスであるDC電圧の信号経路と高周波信号の信号経路と分離することで、高周波信号に対してより高いインピーダンスを実現することができ、バラスト回路での高周波信号の減衰を少なくできる特徴がある。
また、前記第2のローパスフィルタを構成している抵抗106及び容量109はトランジスタ102のコレクタ端子に接続されており、ここでは高周波信号は前記トランジスタ102のコレクタ端子から電流信号として伝達されているため、前記第2のローパスフィルタは前記フィードバックループを有するバイアス回路110のフィードバックループに含まれるローパスフィルタとして動作している。
01のベース端子が接続されている。すなわち、実施例1のバイアス回路のローパスフィルタ111を構成する容量104と抵抗105に、容量140及び抵抗141を加えて2段のローパスフィルタとした。実施例3と同様に、高周波信号をより減衰させてトランジスタ103のエミッタフォロア動作を安定にした別の実施例である。また、抵抗107、113及び114と容量108からなる回路は実施例2及び3と同様の効果を持つバラスト回路の一例である。
なお、図7に示す2段のローパスフィルタのうち1段のローパスフィルタ回路を構成している容量140および抵抗141の代りに、抵抗141を接続することもできる。容量104および抵抗105を用いて構成された1段のローパスフィルタとトランジスタ102のベース端子との間に接続された該抵抗141の抵抗値を調整することで、抵抗106及びローパスフィルタの遮断周波数を決める抵抗105の値を変更せずに、高周波増幅用トランジスタ101に流れるバイアス電流を調整することができ、バイアス回路の設計自由度を上げることができる。
また、図8に示す実施例では、トランジスタ102のエミッタと容量104とを共通インダクタ118を介して接地して構成を簡略化している。容量104とトランジスタ102のエミッタとで別々のインダクタを介して接地することもできる。また、容量104だけをインダクタを介して接地することもできる。
トランジスタ特性の変動に強い高周波増幅器を提供することができる。
以下、具体的に説明する。前記高周波モジュール1201は、周波数多重変調方式の電波を用いて無線通信を行うためのモジュールである。また前記高周波電力増幅器1202及び高周波低雑音増幅器1203は、それぞれ送信経路の信号、受信経路の信号を増幅する高周波増幅器である。前記高周波スイッチ1204は送受信経路を介して外部アンテナ1204と接続されており、送信経路及び受信経路の切り替えを行うことで信号経路の変更を実現している。
図16には、かかる高周波モジュールの斜視図を示す。多層誘電体基板1209表面に高周波電力増幅器1202、高周波低雑音増幅器1203及び高周波スイッチ1204のICチップが実装され、フィルタ1205は多層誘電体基板の内部に構成されている。フィルタ1205は送信信号の不要スペクトルや妨害波を除去する。多層誘電体基板の裏面には高周波スイッチの送受信経路を外部アンテナに接続するためのアンテナ端子、送信経路の信号を入力するための送信端子、受信経路の信号を出力するための受信端子等が設けられている。多層誘電体基板には、例えばセラミック基板や樹脂基板等を用いる。また、送信経路の信号または受信経路の信号を増幅する高周波増幅器の一部は、高周波モジュールを構成する多層誘電体基板以外の部分に配置してもよい。
高周波モジュールの構成は図11に示したものに限らない。すなわち、送信経路と受信経路の切り替えを行う高周波スイッチと、前記送信経路の高周波信号または前記受信経路の高周波信号を増幅する少なくとも一つの高周波増幅器とを備え、周波数多重変調方式の電波を用いて無線通信を行うための高周波モジュールを用いることができる。かかる高周波増幅器に上述の実施例に係る構成を用いる。高周波スイッチの後段(外部アンテナ側とは反対側)の送信経路および受信経路に分波回路を設けて、マルチバンド通信用の高周波モジュールを構成することもできる。かかる場合、通信帯域毎に本発明に係る高周波増幅器を用いることができる。
図11に示す移動体無線機は、高周波モジュールとアンテナを有し、前記高周波モジュールは、高周波電力増幅器及び変調部を含む送信ユニットと、高周波低雑音増幅器及び復調部を含む受信ユニットと、高周波スイッチとを備えて成り、前記高周波電力増幅器及び前記高周波低雑音増幅器は、各々少なくとも1つの高周波アナログ増幅器を備えている。送信ユニットの高周波電力増幅器1202と、受信ユニットの高周波低雑音増幅器1203は高周波モジュール1201に設けられている。一方、変調部および復調部はRF−IC1206内に構成され、該RF−IC1206はベースバンドIC1207に接続されている。
特に、送信信号を増幅する高周波電力増幅器として本発明に係る高周波増幅器を用いることが好ましい。
本発明に係る移動体無線機は図11に示す構成にかぎるものではない。すなわち、本発明に係る、周波数多重変調方式の電波を用いて無線通信を行うための移動体無線機は、送信経路と受信経路の切り替えを行う高周波スイッチと、前記送信経路の高周波信号または前記受信経路の高周波信号を増幅する少なくとも一つの高周波増幅器とを備えた高周波モジュールと、高周波信号の変調部と、高周波信号の復調部と、アンテナを有していればよい。かかる高周波増幅器に上述の本発明に係る構成を適用する。本発明に係る移動体無線機の一例としては、携帯電話やパーソナルコンピュータ等であるが、これに限るものではない。
容量、110…バイアス回路、111-112…ローパスフィルタ、113-114…抵抗、118…インダクタ、120…バイアス点、130…トランジスタの入力容量、701-703…トランジスタ、704…オンチップインダクタ、705…抵抗、801-803…トランジスタ、804…容量、805-808…抵抗、830-831…整合回路、901-903…トランジスタ、904…抵抗、1101-1103…トランジスタの大信号モデル、2801-2803…トランジスタの大信号モデル、1201…高周波モジュール、1202-1203…本発明を使った高周波増幅器IC、1204…高周波スイッチ。
Claims (20)
- 高周波信号の入力端子及び出力端子と、
ベース端子が前記入力端子に接続された高周波増幅用トランジスタと、
前記高周波増幅用トランジスタの前記ベース端子をバイアスするカレントミラー型バイアス回路を備えて成り、
前記バイアス回路のフィードバックループ内に、容量を含むローパスフィルタが挿入されており、
前記容量は、前記フィードバックループを接地するシャント回路の一部を構成していることを特徴とする高周波増幅器。 - 請求項1において、
前記容量は、一端が直接接地されていることを特徴とする高周波増幅器。 - 請求項1において、
前記容量は、一端がインダクタを介して接地されていることを特徴とする高周波増幅器。 - 請求項1において、
前記容量は、前記フィードバックループの一部を構成するトランジスタのベース入力容量であることを特徴とする高周波増幅器。 - 請求項1において、
前記フィードバックループは、複数の前記ローパスフィルタを備えていることを特徴とする高周波増幅器。 - 請求項1において、
前記高周波増幅用トランジスタとして機能する第1のトランジスタと、第2のトランジスタ及び第3のトランジスタにより前記カレントミラー型バイアス回路が構成され、
制御電圧または電源と前記フィードバックループとの間に接続され前記バイアス回路のバイアス電流を決定する機能を有する第1の抵抗を備えて成り、
前記第2のトランジスタは、コレクタ端子が前記第1の抵抗の一端に接続されており、エミッタ端子が接地されており、
前記第3のトランジスタのベース端子が前記第1の抵抗の一端に接続されており、
前記フィードバックループは、前記第3のトランジスタのエミッタ端子から前記第2のトランジスタのベース端子及びコレクタ端子を通り、前記第3のトランジスタのベース端子を結んで構成されていることを特徴とする高周波増幅器。 - 請求項6において、
前記フィードバックループ内に、一端を接地または前記第2のトランジスタのエミッタ端子に接続された少なくとも一つ以上の容量を含む前記ローパスフィルタを有することを特徴とする高周波増幅器。 - 請求項6において、
一端が接地され他端が前記容量に接続されたインダクタを有する
ことを特徴とする高周波増幅器。 - 請求項6において、
前記第1のトランジスタは、コレクタが前記出力端子に接続されており、 前記第3のトランジスタのエミッタ端子と前記第1のトランジスタのベース端子が接続されていることを特徴とする高周波増幅器。 - 請求項7において、
前記第1のトランジスタは、コレクタが前記出力端子に接続されており、 前記第3のトランジスタのエミッタ端子と前記入力端子を接続した接続点と前記第1のトランジスタのベース端子とが、少なくとも一つ以上の抵抗と一つ以上の容量を並列接続したバラスト回路で接続されていることを特徴とする高周波増幅器。 - 請求項9において、
前記第3のトランジスタのエミッタ端子と前記第1のトランジスタのベース端子とを接続する第2の抵抗と、前記入力端子と前記第3のトランジスタのエミッタ端子とを接続する第3の抵抗、および前記入力端子と前記第1のトランジスタのベース端子とを接続する容量からなるバラスト回路により、前記第3のトランジスタのエミッタ端子と前記第1のトランジスタのベース端子が接続されていることを特徴とする高周波増幅器。 - 請求項9において、
前記第3のトランジスタのエミッタ端子と前記第1のトランジスタのベース端子とを接続する第2の抵抗と、
前記入力端子と前記第3のトランジスタのエミッタ端子とを接続する第3の抵抗とを備えて成り、
前記入力端子と前記第1のトランジスタのベース端子と接続する第4の抵抗と該第4の抵抗に並列に接続した容量で構成するバラスト回路により、前記第3のトランジスタのエミッタ端子と前記第1のトランジスタのベース端子が接続されている
ことを特徴とする高周波増幅器。 - 請求項1において、
前記高周波増幅用トランジスタを構成する第1のトランジスタと、前記フィードバックループを構成する第2のトランジスタ及び第3のトランジスタが、各々MOSトランジスタにより構成されていることを特徴とする高周波増幅器。 - 高周波増幅器と高周波スイッチとを備え、
周波数多重変調方式の電波を用いて無線通信を行う機能を備えて成り、
前記高周波増幅器は、高周波信号の入力端子及び出力端子と、
ベース端子が前記入力端子に接続された高周波増幅用トランジスタと、
前記高周波増幅用トランジスタの前記ベース端子をバイアスするカレントミラー型バイアス回路バイアス回路を備えて成り、
前記バイアス回路のフィードバックループ内に挿入され、前記無線通信に使用される通信周波数で低インピーダンスとなるシャント回路を有するローパスフィルタを備えて成る ことを特徴とする高周波モジュール。 - 請求項14において、
前記シャント回路は一端が接地された容量を有することを特徴とする高周波モジュール。 - 請求項14において、
前記シャント回路は一端がインダクタを介して接地された容量を有することを特徴とする高周波モジュール。 - 請求項14において、
前記周波数多重変調方式がOFDM変調方式であり、
前記高周波増幅器が多層誘電体基板へ実装されモジュール化されて成ることを特徴とする高周波モジュール。 - 高周波モジュールとアンテナを有し、周波数多重変調方式の電波を用いて無線通信を行う機能を備えて成り、
前記高周波モジュールは、高周波電力増幅器及び変調部を含む送信機ユニットと、高周波低雑音増幅器及び復調部を含む受信ユニットと、高周波スイッチとを備えて成り、
前記高周波電力増幅器及び前記高周波低雑音増幅器は、各々少なくとも1つの高周波アナログ増幅器を備えており、
前記高周波アナログ増幅器は、高周波信号の入力端子及び出力端子と、
ベース端子が前記入力端子に接続された高周波増幅用トランジスタと、
前記高周波増幅用トランジスタの前記ベース端子をバイアスするカレントミラー型バイアス回路を備えて成り、
前記バイアス回路のフィードバックループ内に挿入され、前記無線通信に用いられる通信周波数で低インピーダンスとなるシャント回路を有するローパスフィルタを備えて成ることを特徴とする移動体無線機。 - 請求項18において、
前記周波数多重変調方式がOFDM変調方式であり、
前記高周波モジュールが多層誘電体基板へ実装されモジュール化されて成る
ことを特徴とする移動体無線機。 - 請求項18において、
前記ローパスフィルタは容量を含み、
該容量は、前記フィードバックループを接地する前記シャント回路の一部を構成していることを特徴とする移動体無線機。
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