JP2009162645A - 慣性速度センサ信号処理回路およびそれを備える慣性速度センサ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】慣性速度センサ素子11は、駆動電気信号Sdの周波数および振幅に応じて振動しその振動に対応する振動電気信号Soを出力するとともに、自己に加えられた慣性力に対応する慣性電気信号Siを出力する。駆動回路12は、振動電気信号Soに応じて駆動電気信号Sdの周波数および振幅を調整する。慣性力検出回路13は、アナログ検波用信号(クロック信号CLK1)用いて、慣性電気信号Siから慣性力成分を抽出する。異常検知回路14は、駆動回路12の動作状態が正常であるのか異常であるのかを判定する。また、異常検知回路14は、CR発振器15からのクロック信号CLK2に同期して駆動回路12の動作状態が異常である期間(異常状態期間)を計測し、その異常状態期間が異常検知期間(予め定められた期間)に到達すると異常検知信号Saを出力する。
【選択図】図1
Description
図1は、この発明の実施形態1による慣性速度センサ装置の構成を示す。慣性速度センサ装置は、慣性速度センサ素子11と、駆動回路12と、慣性力検出回路13と、異常検知回路14と、CR発振器15とを備える。
慣性速度センサ素子11は、駆動回路12からの駆動電気信号Sdの周波数および振幅に応じて振動しその振動に対応する振動電気信号Soを出力するとともに、自己に加えられた慣性力(例えば、コリオリの力)に対応する慣性電気信号Siを出力する。例えば、図2のように、慣性速度センサ素子11は、音叉本体11Fと、駆動用圧電素子11Aと、振動検出用圧電素子11Bと、角速度検出用圧電素子PDa,PDbとを有する。音叉本体11Fは、それぞれが中央部で直角にねじられた一対の音叉片(駆動用・検出用)と、音叉片の各々の一端を連結する連結部と、回転軸となるように連結部に設けられた支持ピンとを有する。駆動用圧電素子11Aは、駆動回路12からの駆動電気信号Sdの周波数および振幅に応じて駆動用の音叉片を振動させる。これにより、駆動用の音叉片と検出用の音叉片とが互いに共振する。この音叉振動によって、振動検出用圧電素子11Bには、電荷が発生する(すなわち、振動電気信号Soが発生する)。また、回転角速度が発生すると、角速度検出用圧電素子PDa,PDbには、コリオリの力に応じた電荷が発生する(すなわち、慣性電気信号Siが発生する)。
図3は、図1に示した駆動回路12の内部構成例を示す。駆動回路12は、慣性速度センサ素子11からの振動電気信号Soに応じて駆動電気信号Sdの周波数および振幅を調整する。駆動回路12では、モニタアンプ101は、慣性速度センサ素子11からの振動電気信号Soを電圧に変換し、自動利得制御増幅器(AGC)102は、駆動アンプ103に供給される電圧が一定値になるように、自己の増幅利得を変化させる。駆動アンプ103は、自動利得制御増幅器102の出力に応じて駆動電気信号Sdの振幅を制御する。このように、振動電気信号Soに応じて駆動電気信号Sdが調整されることにより、慣性速度センサ素子11の最大振動振幅および振動周波数が一定に保たれる。また、コンパレータ104は、振動電気信号Soを方形波信号に変換し、クロック信号CLK1として出力する。
図4は、図1に示した慣性力検出回路13の内部構成を示す。慣性力検出回路13は、駆動回路12からのクロック信号CLK1をアナログ検波用信号として用いて、慣性速度センサ素子11からの慣性電気信号Siから慣性力成分を抽出する。慣性力検出回路13では、入力アンプ105は、慣性速度センサ素子11からの慣性電気信号Siを電圧に変換し、同期検波回路106は、アナログ検波用信号(駆動回路12からのクロック信号CLK1)を用いて、入力アンプ105の出力から慣性力成分を抽出する。ローパスフィルタ107は、ノイズ除去等のために同期検波回路106によって抽出された慣性力成分のうち低周波数成分のみを通過させ、出力アンプ108は、ローパスフィルタ107の出力を増幅し、慣性力検出信号S13(アナログ値)として出力する。
異常検知回路14は、駆動回路12の動作状態を監視するためのモニタ信号M12に基づいて、駆動回路12の動作状態が正常であるのか異常であるのかを判定する。また、異常検知回路14は、CR発振器15からのクロック信号CLK2に同期して駆動回路12の動作状態が異常である期間(異常状態期間)を計測し、その異常状態期間が異常検知期間(予め定められた期間)に到達すると異常検知信号Saを出力する。駆動回路12,慣性力検出回路13は、それぞれ、異常検知回路14からの異常検知信号Saを受けると、エラー処理を実行する。
ここで、駆動回路12,慣性力検出回路13によるエラー処理について説明する。
図6は、この発明の実施形態2による慣性速度センサ装置の構成を示す。この慣性速度センサ装置は、図1に示した慣性力検出回路13に代えて、慣性力検出回路23を備えるとともに、駆動回路12からのクロック信号CLK1を逓倍して動作クロックCLK3を生成するPLL回路21をさらに備える。その他の構成は、図1と同様である。
図7は、図6に示した慣性力検出回路23の内部構成を示す。慣性力検出回路23は、慣性速度センサ素子11からの慣性電気信号Siをデジタル信号に変換した後、デジタル検波用信号(PLL回路21からの動作クロックCLK3に基づいて生成される検波用信号)を用いてデジタル信号から慣性力成分を抽出する。慣性力検出回路23では、アナログ/デジタル変換回路(A/D)203,同期検波回路204,デジタルフィルタ205,出力調整回路206は、PLL回路21からの動作クロックCLK3に同期して動作する。
なお、図6に示された慣性速度センサ装置が、慣性力検出回路23に代えて、図8のような慣性力検出回路23aを備えていても構わない。図8に示した慣性力検出回路23aは、アナログ検波用信号(駆動回路12からのクロック信号CLK1)を用いて慣性速度センサ素子11からの慣性電気信号Siから慣性力成分を抽出した後、その慣性力成分をデジタル信号に変換する。慣性力検出回路23aでは、アナログ/デジタル変換回路(A/D)203,デジタルフィルタ205,出力調整回路206は、PLL回路21からの動作クロックCLK3に同期して動作する。同期検波回路204は、駆動回路12からのクロック信号CLK1を用いてローパスフィルタ202の出力から慣性力成分を抽出し、アナログ/デジタル変換回路203に出力する。
図9は、この発明の実施形態3による慣性速度センサ装置の構成を示す。この慣性速度センサ装置は、図6に示された構成に代えて、温度モニタ回路31,EEPROM32,制御回路33をさらに備える。また、異常検知回路14は、駆動回路12の異常状態だけでなく、PLL回路21,慣性力検出回路23,温度モニタ回路31,EEPROM32の異常状態も検知する。なお、ここでは、駆動回路12,異常検知回路14,PLL回路21,慣性力検出回路23,温度モニタ回路31,制御回路33は、同一の半導体集積回路(または、同一のパッケージ)に内蔵されているものとする。
異常検知回路14は、駆動回路12の動作状態を監視するためのモニタ信号M12に加えて、PLL回路21,慣性力検出回路23,温度モニタ回路31,EEPROM32の動作状態を監視するためのモニタ信号M21,M23,M31,M32を受ける。異常検知回路14は、モニタ信号M12,M21,M23,M31,M32に基づいて、駆動回路12,PLL回路21,慣性力検出回路23,温度モニタ回路31,EEPROM32の動作状態が正常であるのか異常であるのかを判断する。また、異常検知回路14は、駆動回路12,PLL回路21,慣性力検出回路23,温度モニタ回路31,EEPROM32のそれぞれについて、その回路の動作状態が異常である期間(異常状態期間)をCR発振器15からのクロック信号CLK2に同期して計測する。そして、異常検知回路14は、駆動回路12,PLL回路21,慣性力検出回路23,温度モニタ回路31,EEPROM32のうち少なくとも1つの異常状態期間が異常検知期間(予め定められた期間)に到達すると、異常検知信号Saを出力する。なお、異常検知回路14が動作状態が異常である期間をカウントせずに動作状態の判断結果に基づいて異常検知信号Saを出力するように構成しても良い。
温度モニタ回路31は、半導体集積回路(または、パッケージ)の温度を測定し、測定結果を温度モニタ信号S31として出力する。
EEPROM32は、駆動回路12の動作を制御するための制御情報(例えば、自動利得制御増幅器102における増幅率やオフセットなど)、および慣性力検出回路23の動作を制御するための制御情報(例えば、出力調整回路206における増幅率やオフセットなど)を格納する。
制御回路33は、CR発振器15からのクロック信号CLK2に同期して動作し、温度モニタ回路31からの温度モニタ信号S31,EEPROM32に格納された制御情報,および異常検知回路14からの異常検知信号Saに基づいて、駆動回路12,慣性力検出回路23を制御するための制御信号C12,C23を出力する。
以上の各実施形態において、慣性速度センサ装置にCR発振器15が搭載されている例について説明したが、CR発振器15が慣性速度センサ装置の外部に設けられていても良い。すなわち、慣性速度センサ装置にクロック入力端子を設け、そのクロック入力端子を介してクロック信号CLK2を異常検知回路14や制御回路33に供給しても良い。
12 駆動回路
13 慣性力検出回路
14 異常検知回路
15 CR発振器
101 モニタアンプ
102 自動利得制御増幅器(AGC)
103 駆動アンプ
104 コンパレータ
105 入力アンプ
106 同期検波回路
107 ローパスフィルタ
108 出力アンプ
141,142 コンパレータ
143 否定積回路
144 カウンタ
21 PLL回路
22 慣性力検出回路
201 入力アンプ
202 ローパスフィルタ
203 アナログ/デジタル変換回路
204 同期検波回路
205 デジタルフィルタ
206 出力調整回路
31 温度モニタ回路
32 EEPROM
33 制御回路
Claims (22)
- 慣性速度センサ素子とともに用いる慣性速度センサ信号処理回路であって、
第1のクロックで動作する第1の信号処理回路と、
前記第1のクロックと同期しない第2のクロックで動作する第2の信号処理回路を備える
ことを特徴とする慣性速度センサ信号処理回路。 - 請求項1において、
前記第1のクロックは、前記慣性速度センサ素子を周波数基準とする第1の発振回路から供給される
ことを特徴とする慣性速度センサ信号処理回路。 - 請求項2において、
前記第2のクロックが供給されるクロック入力端子をさらに備え、
前記第2の信号処理回路は、前記クロック入力端子に供給された第2のクロックを受ける
ことを特徴とする慣性速度センサ信号処理回路。 - 請求項2において、
前記第2のクロックを供給する第2の発振回路をさらに備え、
前記第2の信号処理回路は、前記第2の発振回路からの第2のクロックを受ける
ことを特徴とする慣性速度センサ信号処理回路。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の慣性速度センサ信号処理回路と、
前記慣性速度センサ素子とを備える
ことを特徴とする慣性速度センサ装置。 - 請求項5において、
前記第2の信号処理回路は、当該慣性速度センサ装置の異常を検知すると、異常検知信号を出力する
ことを特徴とする慣性速度センサ装置。 - 請求項6において、
前記異常検知信号により制御される異常処理回路をさらに備え、
前記異常処理回路は、前記第2のクロックで動作する
ことを特徴とする慣性速度センサ装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項において、
前記第1および第2の信号処理回路は、同一の半導体装置に内蔵される
ことを特徴とする慣性速度センサ信号処理回路。 - 請求項5〜7のいずれか1項において、
前記第1および第2の信号処理回路は、同一の半導体装置に内蔵される
ことを特徴とする慣性速度センサ装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項において、
前記第1および第2の信号処理回路は、同一のパッケージに内蔵される
ことを特徴とする慣性速度センサ信号処理回路。 - 請求項5〜7のいずれか1項において、
前記第1および第2の信号処理回路,および前記慣性速度センサ素子は、同一のパッケージに内蔵される
ことを特徴とする慣性速度センサ装置。 - 請求項1において、
前記慣性速度センサ素子は、駆動電気信号に応じて振動しその振動に対応する振動電気信号を出力するとともに自己に加えられた慣性力に対応する慣性電気信号を出力し、
前記第1の信号処理回路は、前記慣性速度センサ素子からの振動電気信号に基づいて動作するセンサ信号処理回路であり、
前記第2の信号処理回路は、前記振動電気信号とは発振源が異なるクロック信号に基づいて動作し、前記センサ信号処理回路の動作状態が正常であるのか異常であるのかを判定して異常検知信号を出力する異常検知回路である
ことを特徴とする慣性速度センサ信号処理回路。 - 請求項12において、
前記異常検知回路は、前記クロック信号に基づいて前記センサ信号処理回路の動作状態が異常である期間を計数し、その計数期間が予め定められた異常検知期間に到達すると、前記異常検知信号を出力する
ことを特徴とする慣性速度センサ信号処理回路。 - 請求項12または請求項13において、
前記クロック信号に基づいて動作し、前記異常検知回路からの異常検知信号に応答して前記センサ信号処理回路を制御する制御回路をさらに備える
ことを特徴とする慣性速度センサ信号処理回路。 - 請求項12,13,14のいずれか1項において、
前記センサ信号処理回路は、前記慣性速度センサ素子からの振動電気信号に基づいて前記駆動電気信号を制御する駆動回路を含む
ことを特徴とする慣性速度センサ信号処理回路。 - 請求項12,13,14,15のいずれか1項において、
前記センサ信号処理回路は、前記慣性速度センサ素子からの振動電気信号を基準とする検波用信号を用いて前記慣性電気信号から慣性力成分を検出する慣性力検出回路を含む
ことを特徴とする慣性速度センサ信号処理回路。 - 請求項16において、
前記慣性力検出回路は、前記振動電気信号を基準とする動作クロックに同期して前記慣性電気信号をデジタル信号に変換した後、前記振動電気信号を基準とするデジタル検波用信号を用いて前記デジタル信号から前記慣性力成分を抽出する
ことを特徴とする慣性速度センサ信号処理回路。 - 請求項16において、
前記慣性力検出回路は、前記振動電気信号を基準とするアナログ検波用信号を用いて前記慣性電気信号から慣性力成分を抽出した後、前記振動電気信号を基準とする動作クロックに同期して前記慣性力成分をデジタル信号に変換する
ことを特徴とする慣性速度センサ信号処理回路。 - 請求項12〜18のいずれか1項において、
前記振動電気信号とは発振源が異なる前記クロック信号を供給する発振回路をさらに備える
ことを特徴とする慣性速度センサ信号処理回路。 - 請求項12〜19のいずれか1項において、
前記センサ信号処理回路および前記異常検知回路は、同一の半導体集積回路または同一のパッケージに内蔵される
ことを特徴とする慣性速度センサ信号処理回路。 - 請求項12〜20のいずれか1項に記載の慣性速度センサ信号処理回路と、
前記慣性速度センサ素子とを備える
ことを特徴とする慣性速度センサ装置。 - 請求項21において、
前記慣性速度センサ素子,前記センサ信号処理回路,前記異常検知回路は、同一の半導体集積回路または同一のパッケージに内蔵される
ことを特徴とする慣性速度センサ装置。
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