JP2009162084A - 内燃機関の点火プラグ配置構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリンダヘッド4に、吸気カム64、64と排気カム63とを設けた単一のカムシャフト61と、吸気カム64、64又は排気カム63のいずれか一方により駆動されるロッカーアーム62とを配置し、このシリンダヘッド4のロッカーアーム62内方に、シリンダヘッド4下方に形成される燃焼室7に臨む第1点火プラグ82を配置すると共に、ロッカーアーム62外方に、第1点火プラグ82が臨む燃焼室7に臨む第2点火プラグ86を配置した。
【選択図】図1
Description
しかし、例えば、1気筒当たりの点火プラグ数を増やすと、その分、シリンダヘッドが大型化して内燃機関が大型化してしまう可能性がある。
また、第2点火プラグをカムチェーンの反対側に設けたので、シリンダヘッドの大型化をより回避することができる。
また、第1点火プラグがロッカーアームのアーム部間の隙間を通ってロッカーアーム下方に取り付けられ、第2点火プラグがシリンダヘッドの動弁機構を収容する傾斜壁に沿って斜めに取り付けられるため、アーム部間の隙間を有効利用できると共に、第2点火プラグをシリンダヘッドに近接配置でき、シリンダヘッドの大型化をより回避することができる。
また、第1点火プラグを燃焼室の天井中央部に臨ませ、第2点火プラグを燃焼室の天井サイド部に臨ませたので、第1点火プラグと第2点火プラグとを離間して配置できる。
図1は本実施形態に係るエンジン(内燃機関)の断面図である。
このエンジン1は自動二輪車用の単気筒4サイクルエンジンであり、クランクシャフト10が車幅方向に指向するように自動二輪車の車体フレームに搭載される。このエンジン1は、クランクシャフト10を軸支するクランクケース2の上方に、シリンダブロック3、シリンダヘッド4およびシリンダヘッドカバー5を順次重ね、これらを不図示のボルトで相互に一体に結合して構成されている。
この駆動歯車17は、変速機構14のメインシャフト18に設けられた被動歯車19に噛み合い、この被動歯車19は、エンジン右方にてメインシャフト18と同軸心に配置された変速クラッチ16に連結され、この変速クラッチ16を介してクランクシャフト10の回転力がメインシャフト18に伝達される。このクランクシャフト10からメインシャフト18に伝達された回転力は、メインシャフト18及び不図示のカウンタシャフトに構成された複数の変速歯車からなる変速機構14を介してカウンタシャフトに伝達され、このカウンタシャフトに連結された不図示の最終出力軸に伝達される。なお、上記メインシャフト18は、クランクシャフト10の車体後方に位置するが、図1では、説明の便宜上、クランクシャフト10の下方に示している。
シリンダヘッド4の後側には、燃焼室7に連通してシリンダヘッド4の後面に開口する左右一対対の吸気ポート41、41(片側のみ図示)が形成され、シリンダヘッド4の前側には、燃焼室7に連通してシリンダヘッド4の前面に開口する左右一対の排気ポート42、42が形成される。これら吸気ポート41、41および排気ポート42、42には、各ポート41および42をそれぞれ開閉する吸気ポペット弁43、43および排気ポペット弁44、44が、バルブ狭角の小さな角度で、左右一対のガイド筒45、45および左右一対のガイド筒46、46に摺動可能に支持される。
吸気ポペット弁43、43および排気ポペット弁44、44には、各々その頂端にリテーナ47、47、48、48が設けられ、各リテーナ47、47、48、48とシリンダヘッド4との間に各々介挿されたバルブスプリング49、49、50、50の弾性力によって吸気ポート41、41および排気ポート42、42が常閉される。なお、吸気ポペット弁43、43の頂端には、後述する吸気カム64に当接する有底円筒形状のバルブリフタ51、51がリフタガイド52に摺動自在に設けられる。
図2および図3に示すように、この動弁機構60は、吸気ポペット弁43、43の上方にてクランクシャフト10と平行に軸支される1本のカムシャフト61と、このカムシャフト61の車体側に揺動自在に支持されるロッカーアーム62とを備える。
カムシャフト61は、図1に示すように、シリンダヘッド4上部に設けられたカムシャフトホルダ70に軸受71、72を介して回転支持され、このカムシャフト61の軸方向略中央位置に単一の排気カム63(図3参照)が設けられ、この排気カム63の両側に左右一対の吸気カム64、64(参照)が設けられ、吸気カム64、64は、吸気ポペット弁43、43の頂端に設けられたバルブリフタ51、51(図2参照)に各々当接する。
このチェーン伝動機構75は、エンジン1の左側に構成され、つまり、シリンダ孔(気筒)31に対してエンジン左側に形成されたカムチェーン室75Aに配置されており、カムシャフト61の左端に設けられたカムスプロケット76と、クランクシャフト10に固定されたドライブスプロケット77と、これらスプロケット76、77間に巻回されたカムチェーン78とを備えている。これらスプロケット76、77の歯数比は1:2に設定されており、クランクシャフト10が回転すると、カムシャフト61が1/2の回転速度で回転駆動されるようになっている。
なお、図1に示す例では、エンジン1の始動時の始動性を向上させるべく、デコンプ部80がカムシャフト61の右端部に設けられた構成となっている。そのため、動弁室60Aの必要な容積を確保する必要があるため、シリンダヘッドカバー5の外形は右方向に向かって、つまり、第2点火プラグ86の方向に膨らんだ形状となっている。
なお、図1に示す例では、デコンプ部80をカムシャフト61の右端部に配置した構成を例示したが、図4に示すように、カムシャフト61自体にデコンプ部80を設け、ローラ67Aをそのデコンプ部80により押し上げる構成を採用してもよい(詳細を図4を参照)。
また、ロッカーアーム62の一端にローラ67Aが回転自在に支持され、このローラ67Aが排気カム63に当接するため、カムシャフト61の回転摩擦力が低減すると共に、排気カム63との摩擦も少なくすることができる。
この場合、第2点火プラグ86の先端は、エンジン右側から見れば、吸気ポペット弁43および排気ポペット弁44の中間位置から燃焼室7に露出し、言い換えれば、エンジン右側から見れば燃焼室7の略センターに露出するようになっている。
また、シリンダヘッド4には、上記第1プラグ通し孔部81および第2プラグ通し孔部85を貫通する水抜き孔87が設けられ、この共通の水抜き孔を通って該プラグ通し孔部81、85に入った水がシリンダヘッド4外に排出されるようになっている。この水抜き孔87は、カムチェーン78とは反対側の方向、即ち、第2点火プラグ86の方向に延出して設けられるようになっている。そのため、シリンダヘッド4の製作性を向上させることができる。
さらに、第2点火プラグ86が、図4に示すように、シリンダヘッド4のロッカーアーム62外方に配置されるため、ロッカーアーム62の配置スペースを十分に確保しつつ第2点火プラグ86を配置できる。このため、ロッカーアーム62を含む動弁機構60を第2点火プラグ86の配置スペースを確保するために大型化する必要がなく、これによってもシリンダヘッド4の大型化が回避される。
しかも、この第2点火プラグ86を、カムチェーン78の反対側のシリンダヘッド側壁4Bに固定したので、カムチェーン78等のチェーン伝動機構75を構成する各部品が内部に存在しないシリンダヘッド側壁4Bを有効利用することができ、これによってもシリンダヘッド4の大型化が回避される。また、このレイアウトでは第2点火プラグ86の着脱も容易である。
従って、本構成では、上記点火プラグ82、86のレイアウトを採用することによって、エンジン1の大型化を回避しつつ1気筒当たりの点火プラグ数を増やすことが可能になる。
また、本構成では、第1点火プラグ82を燃焼室7の天井中央部に臨ませ、第2点火プラグ86を燃焼室7の天井サイド部に臨ませたので、これら点火プラグ82、86が離間して配置され、燃焼室7内の火炎伝播時間の短縮化に有利となる。この場合、2点の点火タイミングを最適に組み合わせる2点位相差点火制御を採用することによってより一層急速燃焼させることが可能になる。
また、上述の実施形態では、自動二輪車用の単気筒エンジンに本発明を適用する場合について説明したが、これに限らず、様々な多気筒エンジンに本発明を適用することができる。また、ガソリンエンジンに限らず、水素エンジン等の点火プラグを備える様々な内燃機関に本発明を適用することができる。
2 クランクケース
3 シリンダブロック
4 シリンダヘッド
5 シリンダヘッドカバー
7 燃焼室
10 クランクシャフト
23 ピストン
31 シリンダ孔(気筒)
43、43 吸気ポペット弁
44、44 排気ポペット弁
60 動弁機構
61 カムシャフト
62 ロッカーアーム
63 排気カム
64、64 吸気カム
68、68 アーム部
81 第1プラグ通し孔部
82 点火プラグ(第1点火プラグ)
85 第2プラグ通し孔部
86 点火プラグ(第2点火プラグ)
Claims (4)
- シリンダヘッドに、吸気カムと排気カムとを設けた単一のカムシャフトと、吸気カム又は排気カムのいずれか一方により駆動されるロッカーアームとを配置し、
このシリンダヘッドのロッカーアーム内方に、前記シリンダヘッド下方に形成される燃焼室に臨む第1点火プラグを配置すると共に、ロッカーアーム外方に、前記第1点火プラグが臨む燃焼室に臨む第2点火プラグを配置したことを特徴とする内燃機関の点火プラグ配置構造。 - 前記カムシャフトの一端側に巻回されるカムチェーンを備え、前記第2点火プラグは、前記カムチェーンの反対側に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の点火プラグ配置構造。
- 前記ロッカーアームは、前記シリンダヘッドに設けられた複数のポペット弁を押動する複数のアーム部を有し、前記第1点火プラグは、前記アーム部間の隙間を通って前記ロッカーアームの下方に取り付けられ、前記第2点火プラグは、前記シリンダヘッドの動弁機構を収容する傾斜壁に沿って斜めに取り付けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の点火プラグ配置構造。
- 前記第1点火プラグを前記燃焼室の天井中央部に臨ませ、前記第2点火プラグを前記燃焼室の天井サイド部に臨ませたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の内燃機関の点火プラグ配置構造。
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JP2007340825A JP2009162084A (ja) | 2007-12-28 | 2007-12-28 | 内燃機関の点火プラグ配置構造 |
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