JP2009156159A - 排気ガス浄化システムの異常部位の判定装置 - Google Patents

排気ガス浄化システムの異常部位の判定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】排気ガス浄化システムを構成する要素各々の異常をも判定可能な排気ガス浄化システムの異常部位の判定装置を提供する。
【解決手段】内燃機関の排気通路に設けられた選択還元型NOx触媒34、その下流のNH3酸化触媒36及び尿素水供給手段40を有する排気ガス浄化システムにおける異常部位の判定装置であって、NH3酸化触媒の下流に配置されたNOxセンサ52と、異常判定モード時に、出ガスのNOx濃度を所定量増大させるNOx濃度増大手段と、NOx濃度が所定量増大されたとき、NOxセンサの出力値の変化を検出する第1の出力値変化検出手段と、尿素水供給量を所定量増量制御する尿素水供給量増量制御手段と、尿素水供給量が所定量増量制御されたとき、NOxセンサの出力値の変化を検出する第2の出力値変化検出手段と、NOxセンサの出力値の変化に基づき、少なくとも前記選択還元型NOx触媒及びNH3酸化触媒の正常又は異常を判定する第1の判定手段とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の排気ガス浄化システムの異常部位の判定装置、特に選択還元型NOx触媒及びアンモニア酸化触媒を備え、それらの上流の排気通路に尿素水を供給する尿素水供給手段を有する排気ガス浄化システムの異常部位の判定装置に関する。
一般に、ディーゼルエンジン等の内燃機関の排気系に配置される排気浄化装置として、酸素共存下でも選択的にNOxを還元剤と反応させる性質を備えた選択還元型NOx触媒が知られている。これは、選択還元型NOx触媒の上流側に必要量の還元剤を添加して、該還元剤を触媒上にて排出ガス中のNOx(窒素酸化物)と還元反応させ、これによりNOxの排出濃度を低減し得るようにしたものである。
そして、自動車の場合には、還元剤としてのアンモニアそのものを搭載して走行することに関して安全確保が困難であることから、毒性のない尿素水を還元剤として使用することが提案されている。即ち、尿素水を選択還元型NOx触媒の上流側で排出ガス中に添加すれば、該尿素水が排出ガス中でアンモニアと炭酸ガスに熱分解され、排出ガス中のNOxが選択還元型NOx触媒上でアンモニアにより良好に還元浄化されるからである。
ところで、このような尿素水を還元剤としてNOxを還元浄化するようにした排気浄化装置にあっては、熱や排ガス成分により選択還元型NOx触媒が経時的に劣化して、NOx低減性能が徐々に低下してくるため、選択還元型NOx触媒の初期性能を基準としたまま尿素水の添加量制御を継続していると、運転時間が長くなるにつれて、添加した尿素水に余剰分が生じてしまい、NOxの還元浄化反応に使用されないまま選択還元型NOx触媒の後方へ擦り抜けてしまうアンモニアが生じる虞れがあることから、この対策として、選択還元型NOx触媒の後流に使用されなかったアンモニアを酸化処理するアンモニア酸化触媒を設けている。
そして、このような選択還元型NOx触媒とアンモニア酸化触媒とを備えた排気ガス後処理システムに還元剤として尿素水を供給するようにした排気ガス後処理システムにおいて、尿素水の供給量を変更し、排気ガス系統に配置されたセンサの信号が所期のように変化しない場合に欠陥が存在すると判定するようにした排気ガス後処理システムの監視方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−176719号公報
ところで、特許文献1に記載の排気ガス後処理システムの監視方法においては、単に、尿素水の供給量を変更し、排気ガス系統に配置されたセンサの信号が所期のように変化するか否かにより判定するようにしていることから、排気ガス後処理システム全体として欠陥が存在するか否か、すなわち、システム全体としての異常判定は可能であるが、排気ガス後処理システムを構成する各要素のいずれが異常状態にあるのかの判定は不可能であり、その点改善の余地があるものであった。
そこで、本発明の目的は、排気ガス浄化システムを構成する要素各々の異常をも判定可能な排気ガス浄化システムの異常部位の判定装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る排気ガス浄化システムの異常部位の判定装置の一形態は、内燃機関の排気通路に設けられた選択還元型NOx触媒、その下流のNH3酸化触媒及び前記選択還元型NOx触媒の上流の排気通路に尿素水を供給する尿素水供給手段を有する排気ガス浄化システムにおける異常部位の判定装置であって、前記NH3酸化触媒の下流に配置されたNOxセンサと、前記内燃機関の所定の運転状態における異常判定モード時に、前記内燃機関から排出される出ガスのNOx濃度を所定量増大させるNOx濃度増大手段と、該NOx濃度増大手段によってNOx濃度が所定量増大されたとき、前記NOxセンサの出力値の変化を検出する第1の出力値変化検出手段と、該第1の出力値変化検出手段による出力値の変化の検出に対応して前記尿素水供給手段からの尿素水供給量を所定量増量制御する尿素水供給量増量制御手段と、該尿素水供給量増量制御手段によってそれぞれ尿素水供給量が所定量増量制御されたとき、前記NOxセンサの出力値の変化を検出する第2の出力値変化検出手段と、該第2の出力値変化検出手段により検出された前記NOxセンサの出力値の変化に基づき、少なくとも前記選択還元型NOx触媒及びNH3酸化触媒の正常又は異常を判定する第1の判定手段と、を備えることを特徴とする。
上記本発明に係る排気ガス浄化システムの異常部位の判定装置の一形態によれば、内燃機関の所定の運転状態における異常判定モード時に、NOx濃度増大手段により内燃機関から排出される出ガスのNOx濃度が所定量増大され、第1の出力値変化検出手段によってNH3酸化触媒の下流に配置されたNOxセンサの出力値の変化が検出される。
このとき、第1の出力値変化検出手段によるNOxセンサの出力値が変化しない場合には、NOx濃度の増大にもかかわらず、NOx又はNH3が増大していないことを意味し、少なくとも選択還元型NOx触媒は正常であると推定される。そして、この出力値の変化の検出に対応して尿素水供給量増量制御手段により、尿素水供給手段からの尿素水供給量が所定量増量制御され、そのときにそれぞれ第2の出力値変化検出手段により前記NOxセンサの出力値の変化が検出される。そして、第1の判定手段によって、第2の出力値変化検出手段により検出されたNOxセンサの出力値の変化に基づいて、少なくとも前記選択還元型NOx触媒及びNH3酸化触媒の正常又は異常が判定される。すなわち、NOxセンサの出力値が変化しない場合には、尿素水供給量の増量にもかかわらずNOx及びNH3が増大していない、換言すると、選択還元型NOx触媒及びNH3酸化触媒が正常に機能していることを意味するので、選択還元型NOx触媒及びNH3酸化触媒が共に正常であると判定される。一方、NOxセンサの出力値が変化した場合には、尿素水供給量の増量に伴うNH3の増大があったが、これが処理されなかったことを意味するので、選択還元型NOx触媒は正常であるがNH3酸化触媒が異常(故障)と判定される。
また、上述の第1の出力値変化検出手段によるNOxセンサの出力値が変化した場合には、NOx濃度の増大に伴い、NOxが増大したことを意味し、少なくとも選択還元型NOx触媒は正常に機能しておらず異常であると推定される。そして、この出力値の変化の検出に対応して尿素水供給量増量制御手段により、尿素水供給手段からの尿素水供給量が所定量増量制御され、そのときにそれぞれ第2の出力値変化検出手段により前記NOxセンサの出力値の変化が検出される。この第2の出力値変化検出手段によるNOxセンサの出力値が変化した場合には、尿素水供給量の増量に伴うNH3の増大があったが、これが処理されなかったことを意味するので、第1の判定手段によって、選択還元型NOx触媒及びNH3酸化触媒が共に異常(故障)と判定される。
したがって、この一形態によれば、少なくとも選択還元型NOx触媒又はNH3酸化触媒の正常又は異常かを判定することができる。
ここで、上記一形態は、前記第1の出力値変化検出手段による出力値に変化があり、且つ前記第2の出力値変化検出手段による出力値に変化がないとき、前記尿素水供給手段からの尿素水供給量を減量制御する尿素水供給量減量制御手段と、該尿素水供給量減量制御手段によって尿素水供給量が減量制御されたとき、前記NOxセンサの出力値の変化を検出する第3の出力値変化検出手段と、該第3の出力値変化検出手段により検出された前記NOxセンサの出力値の変化に基づき、前記尿素水供給手段、前記選択還元型NOx触媒及びNH3酸化触媒の正常又は異常を判定する第2の判定手段と、をさらに備えることが好ましい。
この形態によれば、上記一形態における前記第1の出力値変化検出手段による出力値に変化があり、且つ前記第2の出力値変化検出手段による出力値に変化がないとき、尿素水供給量減量制御手段によって前記尿素水供給手段からの尿素水供給量が減量制御され、そのとき、第3の出力値変化検出手段によって前記NOxセンサの出力値の変化が検出される。前記第1の出力値変化検出手段による出力値に変化があり、且つ前記第2の出力値変化検出手段による出力値に変化がないときは、尿素水供給量の増量に伴うNH3の増大があったが、これがNH3酸化触媒で正常に処理されたことを意味するので、NH3酸化触媒は正常であると推定される。そして、この第3の出力値変化検出手段によるNOxセンサの出力値が変化しない場合には、尿素水供給量減量制御手段により尿素水供給量が減量制御されたが、尿素水供給手段からは尿素水が減量して供給されなかった結果、未処理NOxの増大がないことを意味するので、第2の判定手段によって前記尿素水供給手段が異常(故障)でありNH3酸化触媒は正常であると判定される。一方、第3の出力値変化検出手段によるNOxセンサの出力値が変化した場合には、NH3酸化触媒は正常であるが未処理NOxが増大したことを意味し、選択還元型NOx触媒は正常に機能しておらず異常であると判定される。
したがって、この形態によれば、尿素水供給手段を含み、選択還元型NOx触媒及びNH3酸化触媒のいずれかの正常又は異常かを判定することができる。
なお、前記第1の判定手段は、前記第1の出力値変化検出手段により検出された前記NOxセンサの出力値の変化がない場合において、前記第2の出力値変化検出手段により検出された前記NOxセンサの出力値の変化がないときに、前記選択還元型NOx触媒及びNH3酸化触媒が共に正常と判定し、前記第2の出力値変化検出手段により検出された前記NOxセンサの出力値の変化があるときに、前記選択還元型NOx触媒は正常であり、NH3酸化触媒が異常であると判定してもよい。
また、前記第1の判定手段は、前記第1の出力値変化検出手段により検出された前記NOxセンサの出力値の変化がある場合において、前記第2の出力値変化検出手段により検出された前記NOxセンサの出力値の変化があるときに、前記選択還元型NOx触媒及びNH3酸化触媒が共に異常と判定してもよい。
さらに、前記第2の判定手段は、前記第3の出力値変化検出手段により検出された前記NOxセンサの出力値の変化がないときに、前記NH3酸化触媒は正常であり前記尿素水供給手段が異常であると判定してもよい。
また、前記第2の判定手段は、前記第3の出力値変化検出手段により検出された前記NOxセンサの出力値の変化があるときに、前記NH3酸化触媒は正常であり前記選択還元型NOx触媒が異常であると判定してもよい。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る内燃機関の概略的なシステム図である。図中、10は、自動車用の圧縮着火式内燃機関即ちディーゼルエンジンであり、11は吸気ポートに連通されている吸気マニフォルド、12は排気ポートに連通されている排気マニフォルド、13は燃焼室である。本実施形態では、不図示の燃料タンクから高圧ポンプ17に供給された燃料が、高圧ポンプ17によりコモンレール18に圧送されて高圧状態で蓄圧され、このコモンレール18内の高圧燃料がインジェクタ14から燃焼室13内に直接噴射供給される。エンジン10からの排気ガスは、排気マニフォルド12からターボチャージャ19を経た後にその下流の排気通路15に流され、後述のように浄化処理された後、大気に排出される。なお、ディーゼルエンジンの形態としてはこのようなコモンレール式燃料噴射装置を備えたものに限らない。またEGR装置などの他の排気浄化デバイスを含むことも任意である。
他方、エアクリーナ20から吸気通路21内に導入された吸入空気は、エアフローメータ22、ターボチャージャ19、インタークーラ23、スロットルバルブ24を順に通過して吸気マニフォルド11に至る。エアフローメータ22は吸入空気量を検出するためのセンサであり、具体的には吸入空気の流量に応じた信号を出力する。スロットルバルブ24には電子制御式のものが採用されている。
排気通路15には、上流側から順に排気ガス中に含まれる未燃成分を酸化処理する酸化触媒30、微粒子(PM)を捕捉して処理するDPF触媒32、その通路内の排気ガス中に含まれるNOxを還元して浄化するNOx触媒34、及びアンモニア酸化触媒36が設けられている。本実施形態のNOx触媒34は選択還元型NOx触媒であり、還元剤が添加されたときにNOxを連続的に還元して浄化し得る。
DPF触媒32の下流で選択還元型NOx触媒34の上流側の排気通路15には、選択還元型NOx触媒34に還元剤としての尿素を選択的に添加するための添加弁40が設けられている。尿素は尿素水溶液の形で使用され、添加弁40から下流側の選択還元型NOx触媒34に向かって排気通路15内に噴射供給される。そして、添加弁40の下流で選択還元型NOx触媒34の上流入口には、噴射供給された尿素水溶液を選択還元型NOx触媒34に均等に分散させるための尿素分散板41が設けられている。さらに、添加弁40には、これに尿素水溶液を供給するための供給装置42が接続され、供給装置42には尿素水溶液を貯留するタンク44が接続されている。
また、エンジン全体の制御を司る制御手段としての電子制御ユニット(以下ECUと称
す)100が設けられている。ECUl00は,デジタルコンピュータからなり、双方向バスによって相互に接続されたROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、CPU(セントラルプロセッサユニット)、入力ポート、出力ポートおよび記憶装置等を含むものである。ECU100は、各種センサ類の検出値等に基づいて、所望のエンジン制御が実行されるように、インジェクタ14、高圧ポンプ17、スロットルバルブ24等を制御する。またECU100は、尿素添加量を制御すべく、添加弁40及び供給装置42を制御する。また、ECUl00は、ROMに格納されたプログラムを実行することによって、後述する故障判定処理をも実行することが可能に構成されており、本発明に係る排気ガス浄化システムの異常部位の判定装置の一例としても機能するように構成されている。
ECU100に接続されるセンサ類としては、前述のエアフローメータ22の他、本実施の形態では選択還元型NOx触媒34及びアンモニア酸化触媒36の下流側に設けられたNOxセンサ52、及び、同じく添加弁40の下流側であって選択還元型NOx触媒34及びアンモニア酸化触媒36の上流側と下流側にそれぞれ設けられた触媒前排気温センサ54及び触媒後排気温センサ56が含まれる。NOxセンサ52、触媒前排気温センサ54及び触媒後排気温センサ56は、それぞれ、その設置位置における排気ガスのNOx濃度、及び温度に応じた信号をECU100に出力する。
ここで、上述の排気温センサとしてはサーミスタ、NOxセンサ52としては安定化ジルコニアを固体電解質とするものなどが用いられ得る。この安定化ジルコニアを固体電解質とするNOxセンサ52は、排気ガス中のNOxをO2とN2とに分解してそのO2分圧を検出し、これにより排気ガス中のNOx濃度を検出する。また、排気ガス中にNH3が存在すると、このNH3はNOxセンサ52の安定化ジルコニアからなる固体電解質において酸化されてNOに変わり、このNH3の酸化によるNOもNOxとして検出されることから、このNOxセンサ52の検出出力値は排気ガス中のNOx濃度とNH3濃度の双方の和となる。
また他のセンサ類として、クランク角センサ26及びアクセル開度センサ27がECU100に接続されている。クランク角センサ26はクランク角の回転時にクランクパルス信号をECU100に出力し、ECU100はそのクランクパルス信号に基づきエンジン10のクランク角を検出すると共に、エンジン10の回転速度を計算する。アクセル開度センサ27は、ユーザによって操作されるアクセルペダルの開度(アクセル開度)に応じた信号をECU100に出力する。
選択還元型NOx触媒(SCR: Selective Catalytic Reduction)34は、ゼオライト又はアルミナなどの基材表面にPtなどの貴金属を担持したものや、その基材表面にCu等の遷移金属をイオン交換して担持させたもの、その基材表面にチタニヤ/バナジウム触媒(V25/WO3/TiO2)を担持させたもの等が例示できる。選択還元型NOx触媒34は、その触媒温度(触媒床温)が活性温度域にあり、且つ、還元剤としての尿素が添加されているときにNOxを還元浄化する。尿素水が触媒に添加されると、下記の化学反応式などに代表的に示されるように、選択還元型NOx触媒上でアンモニア(NH3)が生成され、このアンモニアがNOxと反応してNOxが還元され、窒素(N2)と水(H2O)が生成される。
・CO(NH22+H2O → 2NH3+CO2
・4NO+4NH3+O2 → 4N2+6H2
・6NO2+8NH3 → 7N2+12H2
選択還元型NOx触媒34に対する尿素添加量は、本実施形態では、エンジン運転状態(例えばエンジン回転速度とアクセル開度)の情報に基づいて、処理すべきNOx発生量に対応した基本的な尿素水添加量が予め実験により求められて設定されている制御マップから読み出されて決定される。また、選択還元型NOx触媒34及びアンモニア酸化触媒36の下流に設けられたNOxセンサ52に検出されるNOx濃度に基づき、ECU100により制御されてもよい。具体的には、NOx濃度の検出値が常にゼロになるように添加弁40からの尿素噴射量が制御される。この場合、触媒後NOx濃度の検出値のみに基づいて尿素噴射量を設定してもよく、或いは、上述のエンジン運転状態(例えばエンジン回転速度とアクセル開度)の情報に基づく基本的な尿素水添加量が制御マップから読み出されて決定され、これがNOxセンサ52の検出値に基づきフィードバック補正制御されてもよい。選択還元型NOx触媒34は尿素添加時のみNOxを還元可能なので、通常、尿素水は常時添加される。また、エンジンから排出されるNOxを還元するのに必要な最小限の量しか尿素が添加されないよう、制御が行われる。過剰に尿素を添加することによりアンモニアが触媒下流に排出されてしまう所謂NH3スリップを防止するために、上述のアンモニア酸化触媒36が設けられている。
ここで、本実施の形態における排気ガス浄化システムの異常部位の判定装置による正常又は異常の判定が行われる各モードにつき、表1を参照して説明する。
Figure 2009156159
表1において、○は正常、×は異常を意味する。モード「1」においては、選択還元型NOx触媒34及びアンモニア酸化触媒36が共に正常に機能していることを意味し、逆に、モード「4」においては、選択還元型NOx触媒34及びアンモニア酸化触媒36が共に正常に機能せず、異常状態にあることを意味している。また、モード「2」及び「3」では、選択還元型NOx触媒34又はアンモニア酸化触媒36のいずれか一方が異常状態にあることを意味し、モード「5」は、尿素水供給系から正常に尿素が供給されない異常状態にあることを意味している。なお、以下の説明において、NOxセンサ52の第1ないし第5の出力値x「1」ないしx「5」は、上述のモード「1」ないし「5」にそれぞれ対応しする出力値である。
そこで、かかるモード「1」ないし「5」とNOxセンサ52の第1ないし第5の出力値x「1」ないしx「5」との関係を、添加弁40からの距離を横軸に、NOx濃度及びNH3濃度をそれぞれ縦軸に取った図2を参照して説明する。
まず、所定のNOx濃度の出ガスが添加弁40の下流の選択還元型NOx触媒34に流入した場合を想定する。尿素水供給系から正常に尿素が供給されない異常状態であるモード「5」においては、NOxの還元処理が行われず、図2(A)に実線aで示すように、NOxセンサ52で当該NOx濃度に対応した出力値x「5」として検出される。一方、選択還元型NOx触媒34が異常状態にあるモード「2」及び「4」では、その残存処理能力に応じたNOxの還元処理が僅かに行なわれてNOx濃度が低下する結果、図2(A)に破線bで示すように、出力値x「5」よりも僅かに小さい出力値x「2」及び出力値x「4」として検出される。さらに、選択還元型NOx触媒34が正常状態にあるモード「1」及びモード「3」では、NOxの還元処理が行われNOx濃度が大幅に低下する結果、図2(A)に一点鎖線cで示すように、ほぼゼロに近い出力値x「1」及び出力値x「3」として検出される。
そして、尿素水供給系から尿素が供給された結果、選択還元型NOx触媒34の下流にその処理能力に対応したNH3濃度のガスが現れ、これがアンモニア酸化触媒36に流入した場合を想定する。選択還元型NOx触媒34が異常状態にあるモード「2」では、尿素水がさほど消費されない結果としてやや高めのNH3濃度のガスとなるのに対し、選択還元型NOx触媒34が正常状態にあるモード「1」では、尿素水がほぼ消費されて低めのNH3濃度のガスとなる。アンモニア酸化触媒36が異常状態にあるモード「3」及びモード「4」では、NH3の酸化処理が行われず、図2(B)にそれぞれ破線d及び実線eで示すように、NOxセンサ52で当該NH3濃度に対応した出力値x「3」及び出力値x「4」として検出される。一方、アンモニア酸化触媒36が正常状態にあるモード「1」及びモード「2」では、NH3の酸化処理が行われ、図2(B)に一点鎖線fで示すように、NOxセンサ52でほぼゼロに近い出力値x「1」又は出力値x「2」として検出される。
なお、NOxセンサ52の検出出力値は、前述のようにNOx濃度とNH3濃度に対応する双方の出力値の和となることから、上述のNOx濃度とNH3濃度にそれぞれ対応する出力値x「1」ないしx「5」をそれぞれ加算すると、図2(C)に示すような、NOxセンサ52の第1ないし第5の出力値x「1」ないしx「5」となる。
次に、本実施の形態における排気ガス浄化システムの異常部位の判定装置による正常又は異常の判定を実行するための処理手順の一例を、図3のフローチャートと共に図4のタイムチャートを参照しつつ説明する。図示される判定ルーチンはECU100により所定条件が成立したときに所定の周期で実行される。
したがって、この正常又は異常の判定ルーチンを実行する前に、所定条件が成立したか否かがECU100による通常の制御ルーチンで判断される。具体的に例示すると、選択還元型NOx触媒34及びアンモニア酸化触媒36の床温が後述するように所定温度範囲内にあるか否か、NOxセンサ52が活性済みであるか否か、尿素水添加制御中であるか否か、及び後述の如く正常又は異常の判定が未完了か否かが判定される。これらの所定条件のいずれか一つでも成立していないときは、本ルーチンは実行されない。所定条件が成立していないときに判定を実行しても正しい判定はできないからである。
ここで、選択還元型NOx触媒34及びアンモニア酸化触媒36の床温Tcを求める方法につき説明する。選択還元型NOx触媒34及びアンモニア酸化触媒36の温度は、触媒に埋設した温度センサにより直接検出することもできるが、本実施形態ではそれを推定することとしている。具体的には、ECU100が、触媒前排気温センサ54及び触媒後排気温センサ56によりそれぞれ検出された触媒前排気温及び触媒後排気温に基づき、床温を推定する。
今、選択還元型NOx触媒34及びアンモニア酸化触媒36に流入する触媒上流側の排気ガスの温度をTf(℃)、その排気ガスのガス量をGa(g/s)とする。ここで排気ガスのガス量はエンジンに吸入される空気量と等しいとみなせることから、その吸入空気量Gaを排気ガス量としている。この排気ガス量は単位時間(ここでは1秒)当たりに触媒に流入する排気ガス量である。他方、選択還元型NOx触媒34及びアンモニア酸化触媒36の床温をTc(℃)、選択還元型NOx触媒34及びアンモニア酸化触媒36の重量をMc(g)、選択還元型NOx触媒34及びアンモニア酸化触媒36から排出される触媒下流側の排気ガスの温度をTr(℃)とする。
さらに、触媒上流側の排気ガスの持つ熱エネルギをEf、選択還元型NOx触媒34及びアンモニア酸化触媒36の持つ熱エネルギをEcとする。これら熱エネルギEf,Ecは次式(1)、(2)により表すことができる。但し、Cgは排気ガスの比熱比、Ccは選択還元型NOx触媒34及びアンモニア酸化触媒36の比熱比で、両者は一定値である。
Ef=Ga×Tf×Cg(J/s) ・・・(1)
Ec=Mc×Tc×Cc(J) ・・・(2)
ところで、熱エネルギEcを持った選択還元型NOx触媒34及びアンモニア酸化触媒36に、熱エネルギEfを持った排気ガスが供給された場合の熱平衡を考えると、排気ガスの供給開始時点から単位時間経過後に選択還元型NOx触媒34及びアンモニア酸化触媒36と排気ガスとが熱平衡状態になったと考え、熱平衡後の両者の温度をTmとすると、熱平衡の式は次式(3)で表される。
Ef+Ec=Ga×Tm×Cg+Mc×Tm×Cc ・・・(3)
この温度Tmが選択還元型NOx触媒34及びアンモニア酸化触媒36の推定温度の基本的な値である。しかしながら、実際には、排気ガスと選択還元型NOx触媒34及びアンモニア酸化触媒36との間で完全な熱平衡状態に至る訳ではなく、選択還元型NOx触媒34及びアンモニア酸化触媒36の下流側に温度Trの排気ガスが排出され、熱エネルギが逃げている。よってその温度Trに基づいて下流側に逃げた熱エネルギErが計算され、これにより選択還元型NOx触媒34及びアンモニア酸化触媒36の基本推定温度Tmがフィードバック補正され、最終的な推定床温Tcが算出される。
上記の説明から理解されるように、本実施形態では、選択還元型NOx触媒34上流側の排気ガス温度である触媒前排気温Tfが触媒前排気温センサ54で検出され、選択還元型NOx触媒34及びアンモニア酸化触媒36下流側の排気ガス温度である触媒後排気温Trが触媒後排気温センサ56で検出される。そして、排気ガス量と等価とみなせる吸入空気量Gaがエアフローメータ22で検出される。これら検出値に基づき、ECU100が、選択還元型NOx触媒34及びアンモニア酸化触媒36の床温Tcを推定する。
そして、判定ルーチンの実行前にこの推定された床温Tcが所定の温度範囲(例えば、200〜400℃)内にあるか否かが判断される。また、同時にNOxセンサ52が活性済みであるか否かが、例えば、検知されたインピーダンスがNOxセンサ52の活性温度に対応する所定値に到達したか否かにより、さらに、尿素水の添加制御中であるか否かが、例えば、添加弁40へのECU100からの開弁作動制御信号の有無などにより判定される。これらの判定の結果、所定条件が成立しているときに判定ルーチンが実行されることになる。
そこで、上述の所定条件が満たされたとき、換言すると、異常判定モード時に、排気ガス浄化システムの正常又は異常の判定ルーチンが実行される。そして、この判定ルーチンが実行されると、まず、ステップS301において内燃機関から排出される排気ガス(以下、出ガスと称する)の量が一定ないしは所定範囲内となるように制御される。これは、エアフローメータ22で検出される吸入空気量Gaに基づき、この吸入空気量Gaが一定ないしは所定範囲内にあるように、例えばスロットルバルブ24の開度を制御することによってもよい。なお、上述の所定条件の一つとして、このエアフローメータ22で検出される吸入空気量Gaに基づき、内燃機関から排出される排気ガス(出ガス)の量が一定ないしは所定範囲内にある運転状態であることという条件を設定するようにしてもよい。このようにすると、より正確にNOx濃度の変化を把握できるので、より正確に正常又は異常の判定が行なわれることになる。
そして、次のステップS302においてエンジン10の出ガス中のNOx濃度を増大する制御が実行される。すなわち、図4のタイムチャートの時点t0において、出ガス中のNOx濃度が増大される。このNOx濃度を増大する制御としては、例えば、排気還流装置を備えるエンジン10の場合、所定の運転状態においてNOxの発生量を最少とする基準排気還流量(EGR量)よりもEGR量を減少させることにより、その結果として、単位出ガス量当たりの発生NOx量を増大させてNOx濃度を増大するようにしてもよい。
そこで、このNOx濃度増大制御を行った後の次のステップS303において、NOxセンサ52により今回計測された第1の検出値としてのNOxセンサ検出値X1(これは、上述の第1ないし第5の出力値x「1」ないしx「5」のいずれかを含んでいる)と、上述のNOx濃度増大制御前のNOxセンサ出力値X0とが比較される。すなわち、NOx濃度増大制御前後でのNOxセンサ出力値の変化量が両計測値の差dNOx1として、次式(4)により算出される。
dNOx1 = X1 − X0 ・・・(4)
そして、ステップS303における比較の結果、NOx濃度増大制御前後でのNOx濃度の計測値の差dNOx1がゼロすなわち変化がないとき、換言すると、NOxセンサ52の出力値が一定(図4のモード「1」又は「3」)のときはステップS304に進み、変化があるとき(図3のモード「2」、「4」又は「5」の場合)には、ステップS308に進む。これらのステップS304及びステップS308においてはいずれも、後述するように、添加弁40からの尿素水の噴射供給量が所定量増量される尿素水供給量増量制御が実行される(図3のタイムチャートの時点t1参照)。なお、この尿素水供給量増量制御は、ステップS302でのNOx濃度増大制御より前における通常の運転状態でのNOx濃度に対応して、そのNOx量を浄化処理するに適した基準の尿素水供給量(当量比:1)に対し、尿素水供給量を所定割合で増量することにより行われる。
そこで、NOxセンサ52の出力値が一定のときに進むステップS304の次のステップS305においては、NOxセンサ52によりさらに新たに計測された第2の検出値としてのNOxセンサ検出値X2(図4のモード「1」又は「3」に対応)が上述のステップS304における尿素水供給量増量制御前のNOxセンサ検出値X1と比較される。すなわち、尿素水供給量増量制御前後でのNOx濃度の変化量が両計測値の差dNOx2として、次式(5)により算出される。
dNOx2 = X2 − X1 ・・・(5)
ここで、この場合はX1はX0と等しいので、X0と置き換えてもよい。
そして、ステップS305おける比較の結果、尿素水供給量増量制御前後でのNOx濃度の計測値の差dNOx2がゼロすなわち上昇変化がないとき、換言すると、NOxセンサ52の出力値が一定のときはステップS306に進み、変化があるときに、ステップS307に進む。
このステップS306においては、NOx濃度増大制御の前後、及び、尿素水供給量増量制御の前後のいずれにおいても、NOxセンサ52の出力値が一定で変化がない(図4のモード「1」に対応)ことから、選択還元型NOx触媒34及びアンモニア酸化触媒36のいずれもが正常に機能していることを意味するので、その旨の判定を行い、本ルーチンは終了される。
また、ステップS307においては、NOx濃度増大制御の前後においてNOxセンサ52の出力値が一定で変化がなかったけれども、尿素水供給量増量制御の前後においてはNOxセンサ52の出力値が上昇変化した(図4の「3」)ことから、選択還元型NOx触媒34は正常に機能しているが、アンモニア酸化触媒36が正常に機能していない、すなわち、異常であることを意味するので、その旨の判定(上述の、モード「3」に対応する)を行い、本ルーチンは終了される。
一方、上述のステップS303における比較の結果、NOx濃度増大制御前後でのNOx濃度の計測値の差dNOx1がゼロでない、すなわち、変化があるときに進むステップS308においても、前述のように、添加弁40からの尿素水の噴射供給量が所定量増量される尿素水供給量増量制御が実行される(図4の時点t1参照)。
そこで、次のステップS309においては、NOxセンサ52により新たに計測された第3の検出値としてのNOxセンサ検出値X3が上述のステップS308における尿素水供給量増量制御前のNOxセンサ検出値X1と比較される。すなわち、尿素水供給量増量制御前後でのNOx濃度の変化量が両計測値の差dNOx3として、次式(6)により算出される。
dNOx3 = X3 − X1 ・・・(6)
そして、ステップS309おける比較の結果、尿素水供給量増量制御前後でのNOx濃度の計測値の差dNOx3がゼロすなわち変化がない(図4のモード「2」又は「5」)とき、換言すると、NOxセンサ52の出力値が一定のときはステップS311に進み、上昇変化があるときに、ステップS310に進む。
このステップS310においては、NOx濃度増大制御の前後においてNOxセンサ52の出力値に変化があり、尿素水供給量増量制御の前後においてもNOxセンサ52の出力値が変化した(図4のモード「4」参照)ことから、選択還元型NOx触媒34及びアンモニア酸化触媒36がNOxの処理もアンモニアの処理も行なっておらず正常に機能していない、すなわち、異常であることを意味するので、その旨の判定(上述の、モード「4」に対応する)を行い、本ルーチンは終了される。
さらに、NOx濃度増大制御の前後においてNOxセンサ52の出力値に変化があり、尿素水供給量増量制御前後でのNOx濃度の計測値の差dNOx3がゼロすなわち変化がないときに進むステップS311においては、添加弁40からの尿素水の噴射供給量が所定量減量される尿素水供給量減量制御が実行される(図4の時点t2参照)。なお、この尿素水供給量減量制御は、ステップS302でのNOx濃度増大制御より前における通常の運転状態でのNOx濃度に対応して、そのNOx量を浄化処理するに適した基準の尿素水供給量(当量比:1)に対し、尿素水供給量を所定割合で減量することにより行われる。
そこで、次のステップS312においては、NOxセンサ52により新たに計測された第4の検出値としてのNOxセンサ検出値X4(図4の「2」又は「5」)が上述のステップS311における尿素水供給量減量制御前のNOxセンサ検出値X1又はX3と比較される。すなわち、尿素水供給量減量制御前後でのNOx濃度の変化量が両計測値の差dNOx4として、次式(7)により算出される。
dNOx4 = X4 − X1 ・・・(7)
ここで、この場合X1はX3と等しいので、X3と置き換えてもよい。
そして、ステップS312おける比較の結果、尿素水供給量減量制御前後でのNOx濃度の計測値の差dNOx4がゼロすなわち変化がない(図4の「5」)とき、換言すると、NOxセンサ52の出力値が一定のときはステップS313に進み、変化がある(図3の「2」)ときに、ステップS314に進む。
このステップS313においては、NOx濃度増大制御の前後においてNOxセンサ52の出力値に変化があったが、尿素水供給量増量制御の前後においてはNOxセンサ52の出力値が変化しなかったことから、少なくともアンモニア酸化触媒36は正常に機能しているが、尿素水供給量減量制御の前後においてNOxセンサ52の出力値が変化しなかったことから、添加弁40を含む供給装置42が異常であることを意味するので、その旨の判定(上述の、モード「5」に対応する)を行い、本ルーチンは終了される。
一方、ステップS314においては、ステップS313と同様に、NOx濃度増大制御の前後においてNOxセンサ52の出力値に変化があったが、尿素水供給量増量制御の前後においてはNOxセンサ52の出力値が変化しなかったことから、少なくともアンモニア酸化触媒36は正常に機能していると判定される。しかし、尿素水供給量減量制御の前後においてNOxセンサ52の出力値が変化したことから、選択還元型NOx触媒34が正常に機能していない、すなわち、異常であることを意味するので、その旨の判定(上述の、モード「2」に対応する)を行い、本ルーチンは終了される。
なお、本発明の実施形態においては、図3のフローチャートにおけるステップS303を実行すべく機能する部位が第1の出力値変化検出手段を、ステップS304及びステップS308を実行すべく機能する部位が尿素水供給量増量制御手段を、ステップS305及びステップS309を実行すべく機能する部位が第2の出力値変化検出手段を、及び、ステップS306、ステップS307及びステップS310を実行すべく機能する部位が第1の判定手段を構成している。また、ステップS311を実行すべく機能する部位が尿素水供給量減量制御手段を、ステップS312を実行すべく機能する部位が第3の出力値変化検出手段を、及び、ステップS313及びステップS314を実行すべく機能する部位が第2の判定手段を構成している。
以上の説明から明らかなように、本実施の形態によれば、選択還元型NOx触媒34、アンモニア酸化触媒36及び添加弁40を含む供給装置42のいずれが異常であるかの判定が可能である。ここで、いずれかが異常と判定されたときには、公知の手法により運転者に適宜警報などが与えられるのが好ましい。
なお、図3のフローチャートには図示しないが、本ルーチンにおいて選択還元型NOx触媒34、アンモニア酸化触媒36及び添加弁40を含む供給装置42の正常又は異常の判定が行われた際には、正常又は異常の判定が完了した旨のフラグがセットされる。このフラグがセットされた場合には、上述の所定条件成立か否かの判定において、判定は既に完了し所定条件不成立として、ステップS301以降の正常又は異常の判定ルーチンは実行されない。これは、正常又は異常の判定は一走行(トリップ)当り少なくとも一度実行されれば十分であるからである。したがって、エンジン10が停止されたときには、このフラグがリセットされるのが好ましい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は他の実施形態を採ることも可能である。例えば、選択還元型NOx触媒34の上流側にも触媒前NOxセンサを設けるようにしてもよい。この場合には、触媒前NOxセンサにより出ガス中のNOx濃度を基準出力値として計測し、これと上述のNOxセンサ52の出力値とを比較することにより、出力値の変化の有無を判断するようにしてもよい。
なお、本発明の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。したがって本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
本発明の一実施形態に係る排気ガス浄化システムの異常部位の判定装置を示す概略図である。 本発明の実施形態において、モード「1」ないし「5」とNOxセンサ52の第1ないし第5の出力値x「1」ないしx「5」との関係を説明するためのグラフであり、(A)はNOx濃度、(B)はNH3濃度をそれぞれ縦軸に、添加弁40からの距離を横軸に取って示す。なお、(C)はNOx濃度とNH3濃度にそれぞれ対応する出力値x「1」ないしx「5」をそれぞれ加算して示す、NOxセンサ52の第1ないし第5の出力値x「1」ないしx「5」である。 本発明の実施形態において正常又は異常の判定処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態において異常部位の判定処理に係る動作を説明するためのタイムチャートである。
符号の説明
10 エンジン
15 排気通路
34 選択還元型NOx触媒
36 アンモニア酸化触媒
40 添加弁
42 供給装置
52 NOxセンサ
54 触媒前排気温センサ
56 触媒後排気温センサ
100 電子制御ユニット(ECU)

Claims (6)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられた選択還元型NOx触媒、その下流のNH3酸化触媒及び前記選択還元型NOx触媒の上流の排気通路に尿素水を供給する尿素水供給手段を有する排気ガス浄化システムにおける異常部位の判定装置であって、
    前記NH3酸化触媒の下流に配置されたNOxセンサと、
    前記内燃機関の所定の運転状態における異常判定モード時に、前記内燃機関から排出される出ガスのNOx濃度を所定量増大させるNOx濃度増大手段と、
    該NOx濃度増大手段によってNOx濃度が所定量増大されたとき、前記NOxセンサの出力値の変化を検出する第1の出力値変化検出手段と、
    該第1の出力値変化検出手段による出力値の変化の検出に対応して前記尿素水供給手段からの尿素水供給量を所定量増量制御する尿素水供給量増量制御手段と、
    該尿素水供給量増量制御手段によってそれぞれ尿素水供給量が所定量増量制御されたとき、前記NOxセンサの出力値の変化を検出する第2の出力値変化検出手段と、
    該第2の出力値変化検出手段により検出された前記NOxセンサの出力値の変化に基づき、少なくとも前記選択還元型NOx触媒及びNH3酸化触媒の正常又は異常を判定する第1の判定手段と、
    を備えることを特徴とする排気ガス浄化システムの異常部位の判定装置。
  2. 前記第1の出力値変化検出手段による出力値に変化があり、且つ前記第2の出力値変化検出手段による出力値に変化がないとき、前記尿素水供給手段からの尿素水供給量を減量制御する尿素水供給量減量制御手段と、
    該尿素水供給量減量制御手段によって尿素水供給量が減量制御されたとき、前記NOxセンサの出力値の変化を検出する第3の出力値変化検出手段と、
    該第3の出力値変化検出手段により検出された前記NOxセンサの出力値の変化に基づき、前記尿素水供給手段、前記選択還元型NOx触媒及びNH3酸化触媒の正常又は異常を判定する第2の判定手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化システムの異常部位の判定装置。
  3. 前記第1の判定手段は、前記第1の出力値変化検出手段により検出された前記NOxセンサの出力値の変化がない場合において、前記第2の出力値変化検出手段により検出された前記NOxセンサの出力値の変化がないときに、前記選択還元型NOx触媒及びNH3酸化触媒が共に正常と判定し、前記第2の出力値変化検出手段により検出された前記NOxセンサの出力値の変化があるときに、前記選択還元型NOx触媒は正常であり、NH3酸化触媒が異常であると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の排気ガス浄化システムの異常部位の判定装置。
  4. 前記第1の判定手段は、前記第1の出力値変化検出手段により検出された前記NOxセンサの出力値の変化がある場合において、前記第2の出力値変化検出手段により検出された前記NOxセンサの出力値の変化があるときに、前記選択還元型NOx触媒及びNH3酸化触媒が共に異常と判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の排気ガス浄化システムの異常部位の判定装置。
  5. 前記第2の判定手段は、前記第3の出力値変化検出手段により検出された前記NOxセンサの出力値の変化がないときに、前記NH3酸化触媒は正常であり前記尿素水供給手段が異常であると判定することを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の排気ガス浄化システムの異常部位の判定装置。
  6. 前記第2の判定手段は、前記第3の出力値変化検出手段により検出された前記NOxセンサの出力値の変化があるときに、前記NH3酸化触媒は正常であり前記選択還元型NOx触媒が異常であると判定することを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の排気ガス浄化システムの異常部位の判定装置。
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