以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
図1は、本発明の実施形態にかかるインクカートリッジ10の外観形状を示す斜視図であり、(A)には、挿入方向30の前方側から見た斜視図が示されており、(B)には、挿入方向30の後方側から見た斜視図が示されている。図2は、インクカートリッジ10の分解斜視図である。図3は、インクカートリッジ10の側面図である。なお、図3(B)には、容器本体20が破線で示されている。
インクカートリッジ10(本発明のインクカートリッジの一例)は、インクジェット方式のプリンタなどに代表される記録装置に装着されて使用される。詳細については省略するが、インクカートリッジ10は、記録装置が備えるカートリッジ収容部に着脱可能に構成されており、上記カートリッジ収容部に対して、図1に示される状態で矢印30の方向(以下「挿入方向30」と称する。)に挿入されて装着される。インクカートリッジ10が装着されると、インクカートリッジ10に収容されたインクが記録装置の記録ヘッドへ供給可能となる。
図1に示されるように、インクカートリッジ10は、扁平形状の略六面体として構成されている。詳細には、インクカートリッジ10は、幅方向(矢印31の方向)に細く、高さ方向(矢印32の方向)及び奥行き方向(矢印33の方向)が上記幅方向よりも長い略直方体形状に形成されている。
図1及び図2に示されるように、インクカートリッジ10は、大別して、容器本体20(本発明の本体の一例)と、ハウジング26と、スライダ27(本発明のスライド部材の一例)と、コイルバネ23,24(本発明の第2弾性部材の一例)とを備えている。インクカートリッジ10の外装はハウジング26及びスライダ27で構成されている。
ハウジング26は、容器本体20を保護するものである。このハウジング26によって、容器本体20の前面41(挿入方向30の前方側の面)を除く略全体が覆われている。ハウジング26は、容器本体20を2方向(図2の左右方向)から挟み込む第1カバー21及び第2カバー22から構成されている。図2に示されるように、第1カバー21は、容器本体20の右側面46(挿入方向30の前方側から見て右側の面)に取り付けられている。具体的には、第1カバー21の内面に設けられた複数の係合爪12が容器本体20に形成された係合溝13に嵌め入れられることによって、第1カバー21が容器本体20に取り付けられる。これにより、第1カバー21によって容器本体20の右側面46が覆われる。一方、第2カバー22は、容器本体20の左側面45(挿入方向30の前方側から見て左側の面)に、第1カバー21と同様の取付方法で取り付けられている。これにより、第2カバー22によって容器本体20の左側面45が覆われる。なお、これらのカバー21,22は、容器本体20を構成するフレーム50や大気連通バルブ80(本発明のシール部材の一例)、インク供給バルブ90などと干渉しない形状に形成されている。
スライダ27は、容器本体20との間にコイルバネ23,24を介在させた状態で容器本体20に着脱可能に取り付けられている。本実施形態では、容器本体20の前面41の上部に穿設されたバネ受け23Aにコイルバネ23が装着され、前面41の下部に穿設されたバネ受け24Aにコイルバネ24が装着されており、容器本体20に設けられた係合爪15,16が、スライダ27に形成された摺動溝17,18に挿入されることによって、ハウジング26の前方部(挿入方向30の前方側の部位)28を覆うようにしてスライダ27が取り付けられている。なお、スライダ27の取付機構については後段で詳細に説明する。
また、本実施形態では、スライダ27は、ハウジング26の前方部28に沿って奥行き方向(長手方向、矢印33の方向)へスライドするように設けられている。図3(A)には、スライダ27が容器本体20の前面41に最も近づいた第6位置(本発明の第6位置に相当)にある状態が示されており、図1及び図3(B)には、スライダ27が容器本体20の前面41から離れた第5位置(本発明の第5位置に相当)にある状態が示されている。スライダ27がスライドされて上記第6位置に配置されると、スライダ27に形成された開口111を通じて、インク供給バルブ90がスライダ27から外部へ露出される。一方、スライダ27がスライドされて上記第5位置に配置されると、インク供給バルブ90がスライダ27内に没入される。なお、ハウジング26に対してスライダ27をスライドさせる機構(スライド機構)については後段で詳細に説明する。
次に、図4から図7を参照して、容器本体20について詳細に説明する。ここに、図4は、図1(A)における切断面IV−IVの断面図である。図5は、容器本体20の拡大斜視図である。図6は、容器本体20の内部構造を示す側面図である。図7は、容器本体20の分解斜視図である。なお、図6では、フィルム65が省略されている。
図5に示されるように、容器本体20は、インクカートリッジ10と概ね同形状の外形を呈しており、扁平形状の略六面体として構成されている。インクカートリッジ10が記録装置のカートリッジ収容部(不図示)に装着されると、容器本体20は、スライダ27が上記第6位置(図3(A)参照)にある状態で上記カートリッジ収容部に収められる。なお、本実施形態では、図5から図7に示されるように、容器本体20において、挿入方向30の前方側の面を前面41、挿入方向30の後方側の面を後面42、鉛直上方側の面を上面43、鉛直下方側の面を下面44とする。また、前面41、後面42、上面43、下面44それぞれに隣接し、互いに対向する2つの面を左側面45及び右側面46とする。ここで、前面41から見て左側が左側面45であり、右側が右側面46である。本実施形態では、一対の左側面45及び右側面46が容器本体20において最大面積となっている。
容器本体20は、大別して、フレーム50と、アーム70と、支持ブロック170と、保護部材150と、大気連通バルブ80と、インク供給バルブ90と、フィルム65(図7参照)とにより構成されている。
フレーム50は、容器本体20の筐体を構成する部材であり、容器本体20の六面41〜46を形成する。したがって、容器本体20の六面41〜46は、フレーム50の六面に一致する。以下において、容器本体20の各面に付された符号を用いてフレーム50の各面を示す。
フレーム50は、透光性のある透明又は半透明の樹脂材料で構成されており、例えば、樹脂材料を射出成形することにより得られる。本実施形態では、フレーム50は、ポリプロピレンで形成されている。なお、樹脂材料として、ポリアセタールやナイロンなどを採用することも可能である。
図5に示されるように、フレーム50は、外周壁51と、複数の内壁52とを備える。内壁52は、外周壁51の内側に配設されている。外周壁51及び内壁52は、フレーム50として一体に形成されている。外周壁51及び内壁52は、容器本体20の左側面45から右側面46に渡って設けられている。外周壁51は、内部に空間を形成するように、前面41、上面43、後面42、下面44に概ね沿って環状に配設されている。これにより、フレーム50の左側面45及び右側面46それぞれに開口57が形成される。つまり、フレーム50の左側面45及び右側面46は、それぞれ、開放されている。
図7に示されるように、フレーム50の左側面45及び右側面46それぞれに、透明な樹脂で構成された薄肉状のフィルム65が周知の熱溶着法によって溶着されている。具体的には、外周壁51の幅方向31の両端部にフィルム65が溶着される。これにより、フィルム65によって開口57が閉塞されて、外周壁51とフィルム65とによって囲まれた空間がインク室100として区画される。このように区画されたインク室100にインクが収容される。なお、フレーム50に代えて、例えば、一方の側面だけが開放された器状のフレームを用いることも可能である。この場合、上記器状のフレームにおいて開放された側の面がフィルム65で溶着されることにより、インク室100が区画される。
内壁52は、外周壁51で囲まれた領域内に配設されている。フレーム50には、インク室100の上部空間を幅方向31の中央で仕切り分ける仕切り板53が外周壁51と一体に設けられている。内壁52は、外周壁51或いは仕切り板53に一体に設けられている。この内壁52の幅方向31の両端部にもフィルム65が溶着されている。これにより、フィルム65の撓みを抑制することができる。また、第1カバー21及び第2カバー22が容器本体20側に変形したとしても、内壁52によって第1カバー21及び第2カバー22の変形が規制される。これにより、容器本体20やフィルム65の破損が軽減される。なお、インク室100の下部、つまり、仕切り板53の下方の空間102(図7参照)は、アーム70及び支持ブロック170が配置されるため、幅方向31に渡って仕切り分けられておらず、左側面45から右側面46へ貫通している。
フィルム65は、合成樹脂製の複数のフィルムが積層されて構成されており、多層構造を有する。具体的には、フィルム65は、ポリプロピレンからなる第1シートと、ナイロンからなる第2シートと、ポリエチレンテレフタラートからなる第3シートとが、インク室100側から外方向へ順次積層された3層構造を有する。つまり、インク室100側の第1シートは、フレーム50と同じ材質(ポリプロピレン)で構成されている。なお、本実施形態では、合成樹脂製のフィルム65を用いることとしたが、例えば、金属箔を合成樹脂製のフィルムで挟みようにして構成された薄肉状のフィルムを用いることも可能である。もちろん、合成樹脂以外の素材(パルプ、金属、天然樹脂など)で構成されたフィルムを用いてもかまわない。
外周壁51の幅方向(矢印31の方向)の中心に軸受リブ74(図7参照)が立設されている。図7に示されるように、軸受リブ74は、前面41及び下面44で形成されるコーナー付近の外周壁51に設けられている。軸受リブ74は、外周壁51における右側面46側の端部に立設されている。軸受リブ74の左側面45側の面に、円孔状の軸受け67が形成されている。図7に示されるように、この軸受け67に、円柱状の軸77が嵌め入れられ、更に、軸77にアーム70の軸孔78が挿通される。
図5及び図6に示されるように、フレーム50の後面42にインク注入部105が形成されている。インク注入部105は、後面42からインク室100側に穿設された円孔である。インク注入部105は、後面42の下端付近においてフレーム50と一体に形成されている。インク注入部105は、インク室100に連通している。インク注入部105を通じてインクがインク室100へ注入される。インクの注入手法としては、インク室100における脱気度を高めてインク室100における気泡の発生を防止するべく、減圧注入法(真空注入法とも呼ばれている)が採用される。具体的には、インク室100にインクを注入する前に、インク室100内の空気を吸引排気してインク室100内の圧力を真空に近い圧力まで減圧する(第1工程)。その後、内外の圧力差を利用してインクをインク室100内に注入する(第2工程)。インクの注入後は、インク室100内の圧力は、大気圧よりも若干低い圧力に維持される。
フレーム50の前面41には、検知窓140が形成されている。検知窓140は、インク室100に収容されているインクの量を視覚的或いは光学的に検知するためのものである。検知窓140は、フレーム50において前面41を構成する前壁(本発明の第1壁に相当)と一体に形成されている。したがって、検知窓140は、フレーム50と同じ材質、つまり、透光性のある透明又は半透明の樹脂材料で構成されている。そのため、検知窓140は、外部からの光を透過することができる。なお、検知窓140には、記録装置に取り付けられたフォトインタラプタなどの光センサによって光が照射される。光センサは発光素子と受光素子とを有する。本実施形態では、発光素子から出射された光が側壁140Bに照射され、側壁140Bを透過した検出光が上記受光素子によって受光される。
検知窓140は、容器本体20の前面41の中段付近から容器本体20の外側(図6の右側)へ向かって突設されてる。この検知窓140は、図示されるように、略矩形状の5つの壁面で区画され、内部が中空状の略箱状に形成されている。具体的には、検知窓140は、前面41に平行で、前面41から外向きに所定距離だけ離間した矩形状の前壁140Aと、この前壁140Aの幅方向の二辺を含む一対の側壁140Bと、前壁140Aの上辺を含む上壁140Cと、前壁140Aの下辺を含む下壁140Dとにより区画されている。なお、前壁140Aの幅(幅方向31の寸法)は、前面41の幅よりも小さく形成されている。
図4に示されるように、検知窓140の内部には、前壁140A、側壁140B、上壁140C及び下壁140Dによって囲まれた空間142が形成される。検知窓140のインク室100側には壁が設けられておらず、空間142がインク室100へ連続して通じている。この空間142に対して、後述するアーム70のインジケータ部72が進入或いは離間する。図6には、空間142内の所定位置にインジケータ部72が進入した姿勢が実線で示されている。
図5に示されるように、検知窓140の両側壁140Bそれぞれに、係合爪144が設けられている。係合爪144は、側壁140Bから垂直に外側へ立設されている。係合爪144は、図6に示されるように、側面視で下向き鉤状に形成されている。この係合爪144に、後述するオープナー250(図8参照)の係合爪272が係合する。
検知窓140の上部に大気連通バルブ80が設けられている。大気連通バルブ80は、フレーム50の前面41の上部に穿設された大気連通用の貫通孔81(図7参照、本発明の孔の一例)を開放又は閉塞する弁機構として構成されている。図7に示されるように、大気連通バルブ80は、主として、ロッド88を有するバルブ本体87(本発明の蓋部材の一例)、コイルバネ86(本発明の第1弾性部材の一例)、シール83、キャップ85などの部材で構成されている。
バルブ本体87は、貫通孔81から離間して該貫通孔81を開放する開放位置(本発明の第3位置に相当)と、貫通孔81に当接して該貫通孔81を閉塞する閉塞位置(本発明の第4位置に相当)との間を移動可能に設けられている。大気連通バルブ80においては、常時は、コイルバネ86がバルブ本体87を上記閉塞位置側へ弾性的に付勢している。これにより、貫通孔81は閉塞される。
本実施形態では、容器本体20に対して後述するオープナー250(図8参照)が着脱可能に構成されている。このオープナー250が容器本体20から取り外されると、大気連通バルブ80が作動して、貫通孔81が開放されるようになっている。これにより、インク室100が大気に連通する。つまり、インク室100内の圧力が大気圧と同圧になる。なお、貫通孔81を閉塞する機構として大気連通バルブ80を用いることとしたが、大気連通バルブ80に代えて、貫通孔81をビニール製の粘着テープやフィルムなどで閉塞する簡素な機構を用いることも可能である。この場合は、後述する操作部材260(本発明の第1部材の一例)のロッド294によって粘着テープやフィルムが穿孔されることによって、インク室内が大気圧となる。
検知窓140の下方にインク供給バルブ90が設けられている。インク供給バルブ90は、フレーム50の前面41の下部に穿設されたインク供給用の貫通孔91を開放又は閉塞する弁機構として構成されている。図7に示されるように、インク供給バルブ90は、主として、バルブ本体97、コイルバネ96、バネ受け94、シール93、キャップ95などの部材で構成されている。インク供給バルブ90は、常時は、貫通孔91を液密に閉塞しており、インクカートリッジ10が記録装置に装着されると、図示しないインクニードルによってインク供給バルブ90が作動して、貫通孔91が開放される。これにより、インク室100内のインクを上記インクニードルを通じて記録装置側へ供給することが可能となる。
図5に示されるように、大気連通バルブ80の上側にバネ受け23Aが形成されている。また、インク供給バルブ90の下側にバネ受け24Aが形成されている。バネ受け23A及びバネ受け24Aは、フレーム50の前面41からインク室100側へ穿設された略円筒状の孔である。バネ受け23A及びバネ受け24Aには、スライダ27を前面41から離れる方向(挿入方向30と同方向)へ弾性的に付勢するためのコイルバネ23及びコイルバネ24が収容される。なお、バネ受け23A及びバネ受け24Aの位置や孔の外径寸法又は深さ寸法などは、収容されるコイルバネ23及びコイルバネ24の仕様に応じて適宜決定される要素である。
フレーム50の上面43の挿入方向30の前端部に、支持部115が設けられている。支持部115は、フレーム50に一体に形成されている。支持部115は、スライダ27を容器本体20に対してスライド可能に支持するとともに、スライダ27のスライド範囲を規制する。支持部115と後述する支持部116とによって、スライダ27が2点でスライド可能に支持される。この支持部115は、図4に示されるように、上面43から垂直上方へ突出された台部118と、台部118の挿入方向30の先端に設けられた上向き鉤状の係合爪15とにより構成されている。
フレーム50の下面44の挿入方向30の前端部に、支持部115と略同形状の支持部116が設けられている。この支持部116は、フレーム50に一体に形成されており、下面44から垂直下方へ延出された台部124と、台部124の挿入方向30の先端に設けられた下向き鉤状の係合爪16とにより構成されている。これら支持部115,116によって、スライダ27のスライド機構が具現化される。
アーム70は、インク室100に収容されたインクの液量を検知するための部材である。アーム70の一方端(第1端)には、空間142に対して進入し或いは空間142から離間するインジケータ部72が設けられている。インジケータ部72は、インク室100内のインクの残量を指し示すためのものである。また、アーム70の他方端(第2端)には、フロート部73が設けられている。フロート部73は、インクなどの液体に対して浮力を生じさせる浮力体の役割を果たす。
アーム70は、その略中心部に軸孔78が形成されている。この軸孔78に軸77が挿通される。軸77の一端は、軸受リブ74に形成された軸受け67(図7参照)に支持されている。軸77が軸受け67に支持された状態でアーム70の軸孔78が軸77に挿通される。更に、軸受リブ74との間でアーム70を挟むように支持ブロック170が取り付けられる。支持ブロック170には、図示しない軸受けが設けられており、この軸受けによって軸77の他端が支持される。
これにより、インク室100内において、アーム70が矢印35(図6参照)の方向へ揺動可能に支持される。
インク室100にインクが入っていない状態では、アーム70は、軸77を中心にして、図6において反時計方向へ回動する。これにより、インジケータ部72が検知窓140の空間142から離間する。つまり、インジケータ部72が空間142から離間していることは、インク室100にインクが入っていないことを意味する。
一方、インク室100に所定量以上のインクが貯留されている状態、言い換えれば、フロート部73がインク液中にある状態では、フロート部73に浮力が発生する。この浮力によって、アーム70は、軸77を中心にして、図6において時計方向へ回動する。このとき、インジケータ部72は検知窓140の空間142に進入して、インジケータ部72の下端が下壁140Dの内面に当接した姿勢で保持される。つまり、インジケータ部72が空間142に進入していることは、インク室100に所定量以上のインクが貯留されていることを意味する。
上述のようにアーム70が動作するため、空間142におけるインジケータ部72の位置を検知窓140の外部から目視で確認し、或いは、フォトインタラプタなどの光センサで監視することで、インク室100内のインクの液量が一定量以上あるかどうかを検知することができる。
図6に示されるように、アーム70の周囲に保護部材150が取り付けられている。保護部材150は、例えばワイヤーや針金などの線状鋼材を屈曲成形することにより製作される。この保護部材150は、U字状に屈曲されたU字部150Aを有する。保護部材150は、図7に示されるように、フレーム50に形成された掛け部131にU字部150Aが引っ掛けられ、軸受リブ74に形成された孔(不図示)及び支持ブロック170に形成された孔183に保護部材150の端部150Bが挿入されることによって、フレーム50に対して固定される。
以下、図1から図4の各図を参照しながら、スライダ27の構成とともに、スライダ27のスライド機構について詳述する。
図1から図4に示されるように、スライダ27は、容器本体20の前方部28を収容可能な容器形状に形成されている。このスライダ27は、前方部28の外形に対応して扁平形状に形成されている。具体的には、図1に示されるように、スライダ27は、容器本体20の前面41に対応する前壁161と、上面43に対応する上壁163と、下面44に対応する下壁164と、左側面45に対応する左側壁165と、右側面46に対応する右側壁166とを有する。これら各壁によって囲まれた空間が前方部28を収容する収容空間である。
スライダ27は、図4に示されるように、支持バー168,169と、摺動溝17,18と、開口110,111とを有する。
支持バー168,169は、コイルバネ23,24を支持するとともにその伸縮方向を規制するものである。支持バー168,169は、前壁161の裏面、つまり、容器本体20の前面41に対向する対向面に設けられている。具体的には、支持バー168は、前壁161の上部の裏面であって、バネ受け23Aに対応する位置に設けられている。また、支持バー169は、前壁161の下部の裏面であって、バネ受け24Aに対応する位置に設けられている。
図4に示されるように、支持バー168,169は、前壁161の裏面から容器本体20の奥行き方向(矢印33の方向)へ突出された棒状の部材で構成されている。バネ受け23A,24Aにコイルバネ23,24が収容された状態で、スライダ27が容器本体20の前方部28を覆うように装着されると、支持バー168,169がコイルバネ23,24の内孔に挿通される。これにより、各コイルバネ23,24が支持バー168,169で支持される。また、コイルバネ23,24の伸縮方向が支持バー168,169の延出方向、つまり、容器本体20の奥行き方向に規制される。
本実施形態では、コイルバネ23,24は、所謂圧縮コイルバネとして用いられる。つまり、スライダ27が前方部28に装着された状態で、コイルバネ23,24が圧縮されてバネ受け23A,24Aに収容される。したがって、スライダ27のスライド位置に関係なく、コイルバネ23,24は、常に、スライダ27を容器本体20の前面41から離れる方向へ付勢している。
摺動溝17は、図1に示されるように、上壁163が断面視で逆U字形状に形成される。図4に示されるように、摺動溝17に支持部115が挿入される。上壁163の裏面、つまり、容器本体20の上面43に対向する対向面に、突起片120が形成されている。突起片120によって摺動溝17の一部が狭められている。一方、摺動溝18は、下壁164が断面視でU字形状に形成される。図4に示されるように、摺動溝18に支持部116が挿入される。下壁164の裏面、つまり、容器本体20の下面44に対向する対向面に、突起片126が形成されている。突起片120によって摺動溝18の一部が狭められている。
スライダ27を容器本体20の前方部28に装着する過程において、支持部115が摺動溝17に挿入され、支持部116が摺動溝18に挿入される。支持部115が摺動溝17に挿入されると、突起片120と係合爪15とが当接する。そして、更に支持部115が挿入されると、係合爪15が突起片120を乗り越える。一旦、係合爪15が突起片120を乗り越えると、スライダ27を引き抜こうとしても、係合爪15の鉤部が突起片120に引っ掛かり、容易に抜き出せない構造となっている。なお、支持部116も、上述と同様にして摺動溝18に挿入される。
本実施形態では、スライダ27が前方部28に装着されると、コイルバネ23,24によってスライダ27が前面41から離れる方向へ付勢される。したがって、スライダ27に外力が加えられていない状態では、スライダ27は、図3(B)に示される第5位置にスライドしてその状態を維持する。なお、スライダ27は、突起片120と係合爪15,16とが引っ掛かることによって上記第5位置で止まる。一方、スライダ27に対して前壁161に直交方向の外力が加えられると、スライダ27はハウジング26に対して相対的に挿入方向30と反対方向へスライドして、図3(A)に示される第6位置に配置される。
図1及び図4に示されるように、前壁161の上端近傍に開口110が設けられる。この開口110は、大気連通バルブ80に対応する位置に形成される。この開口110は、後述するオープナー250(図8参照)に設けられたガイド254やロッド294を挿通可能とするために設けられ、略円形に形成されている。
前壁161の下端近傍に、開口111が設けられる。この開口111は、インク供給バルブ90に対応する位置に形成されている。開口111は、インク供給バルブ90のキャップ95が挿通可能なサイズに形成され、スライダ27が上記第5位置(図3(B)参照)から上記第6位置(図3(A)参照)にスライドされると、そのスライド過程において、キャップ95が開口111から露出される。
上述の如く構成されたインクカートリッジ10には、後述するオープナー250(図8参照)を着脱可能に装着することができる。インクカートリッジ10は、インク室100内が低圧に維持された状態で記録装置に装着されると、記録装置側からインクが逆流して、記録ヘッドのノズルのメニスカスが破壊するおそれがある。したがって、インクカートリッジ10を記録装置に装着する前に、予め前面41に形成された貫通孔81を開放させておく必要がある。つまり、インク室100を大気に開放してインク室100の内部を大気圧と同じ圧力にしておく必要がある。本実施形態では、オープナー250の取り外し動作に伴って貫通孔81が開放されて、インク室100と外部とが連通する機構(連通機構)が採用されている。
以下、図8から図13の各図を参照しながら、オープナー250の構成とともに、オープナー250の取付機構、インク室100と外部とを連通させる連通機構について詳述する。ここに、図8は、オープナー250が容器本体20に取り付けられたインクカートリッジ10を示す側面図である。図9は、図8において、ハウジング26及びスライダ27が取り外された状態を示す側面図である。図10は、オープナー250の分解斜視図である。図11から図13は、オープナー250が取り付けられた状態のインクカートリッジ10の要部を示す図である。図11から図13の各図において、(A)には挿入方向30の前方側の面が示されており、(B)にはオープナー250周辺の側面が示されており、(C)にはオープナー250周辺の断面構造が示されている。
オープナー250は、容器本体20に対して着脱可能に構成されている。オープナー250は、容器本体20に取り付けられた状態で大気連通バルブ80及び検知窓140を覆う。このオープナー250に対して取り外し操作が行われると、その取り外し過程において、大気連通用の貫通孔81がオープナー250によって開放される。以下、オープナー250の構成について詳述する。
オープナー250は、図10に示されるように、台座256(本発明の第2部材の一例)と、操作部材260とにより構成されている。
台座256は、図9に示されるように、容器本体20に直接に取り付けられるものである。容器本体20に対して台座256が取り付けられる方向(以下「取付方向」と称する)274は、バルブ本体87のロッド88の長手方向、及び操作部材260が台座256に取り付けられる方向と同方向である。取付方向274は、容器本体20の前面40に垂直な方向に一致している。この台座256は、フレーム50と同じ樹脂材料で構成されており、例えば、樹脂材料を射出成形することにより得られる。
図10に示されるように、台座256は、側面視で概ねL字形状を呈している。この台座256は、L字形状の屈曲部を境に、スライダ27の開口110に装着される取付部264と、検知窓140を覆うカバー部265とに大別される。
図8及び図9に示されるように、カバー部265は、アーム269(図8及び図9の破線参照)を有する。アーム269は、カバー部265の内部から取付方向274へ延出されている。アーム269は、取付部264側の基端269Aから取付方向274に直交する方向へ延出され、更に、取付方向274へ延出されている。このアーム269は、基端269Aから先端269Bへ向けて、二股に分かれている。つまり、先端269B側において、アーム269は2本に分かれている。アーム269は、検知窓140の係合爪144に対応する位置に配置される。詳細には、2本に分けられた2つの先端269Bそれぞれが、検知窓140の2つの係合爪144それぞれに係合可能に配置されている。
アーム269の先端269Bには、検知窓140の係合爪144と係合可能な上向き鉤状の係合爪272が設けられる。係合爪272は、断面視で略フック状に形成されている。図8及び図9に示されるように、係合爪272と係合爪144とが係合することにより、台座256が容器本体20に取り付けられる。
アーム269の基端269Aと先端269Bとの間に、支持部276が設けられている。支持部276は、取付方向274(図8及び図9の紙面右方向)と同方向へ延びる薄板状の部材からなる。支持部276の取付方向274の先端276Aは、カバー部265の内壁に接合されている。詳細には、先端276Aの側方(図8及び図9の紙面に垂直な方向)の端部がカバー部265の内壁に接合されている。これにより、カバー部265とアーム269とが連結される。つまり、カバー部265の内部において、アーム269が支持部276によって支持される。
上述の如くアーム269が支持された状態で、アーム269は、容器本体20に対して係合可能な係合姿勢(図11及び図12の(C)参照)となる。一方、アーム269の基端269Aに取付方向274の力が加えられると、アーム269が支持部276の先端276Aを中心に撓まされる。これにより、アーム269の先端269Bが外方向(図13の(C)の下方向)へ退避して、容器本体20に対する係合状態を解除する解除姿勢(図13の(C)参照)となる。
取付部264には、ガイド254が設けられる。ガイド254は、図10に示されるように、略円筒状に形成されている。ガイド254の内孔に、後述する操作部材260のロッド294が挿通される。ガイド254は、スライダ27の開口110(図2参照)に対応する位置に設けられている。台座256が容器本体20に取り付けられる際に、ガイド254が開口110に挿入される。
図10に示されるように、取付部264の内部には、収容部284が設けられている。収容部284に操作部材260が収容される。この収容部284は、取付部264の側壁264Aが操作部材260の外形状に対応する形状に形成されることによって区画される。
取付部264の側壁264Aに2つのスリット279が形成されている。このスリット279に後述する操作部材260の係合ピン298(本発明の突起片の一例)が挿通される。スリット279は、傾斜部279C(本発明の第1スリットの一例)と、上端スリット279A(本発明の第2スリットの一例)と、下端スリット279B(本発明の第2スリットの一例)とを有する。傾斜部279Cは、取付方向274に対して傾斜する方向へ延出されている。上端スリット279Aは、傾斜部279Cの上端280から取付方向274に直交する方向(以下「直交方向」と称する)271に延出されている。下端スリット279Bは、傾斜部279Cの下端281から直交方向271に延出されている。なお、本発明の案内手段は、係合ピン298及び傾斜部279Cによって具現化され、本発明の保持手段は、上端スリット179A及び下端スリット279Bによって具現化される。
操作部材260は、取付部264の収容部284に収容されるものである。操作部材260は、概ね円筒形状に形成されている。この操作部材260は、大別して、摘み部296とロッド294とを備える。操作部材260は、収容部284の内部において、ガイド254の中心軸を中心に回転する方向(以下「回転方向」と称する。)275へ移動可能であり、且つ取付方向274へ移動可能に支持される。
ロッド294は、丸棒状の部材であり、その外径は、ガイド254の内孔よりも小径である。したがって、ロッド294は、ガイド254の内孔に挿通可能である。ロッド294の一端に、摘み部296が設けられている。ロッド294がガイド254の内孔に挿通された状態で、摘み部296がガイド254の中心軸を中心にして回転可能となる。
操作部材260の側壁には、2つの係合ピン298が設けられている。係合ピン298は、側壁に対して垂直な方向へ突出している。収容部284に操作部材260が収容された際に、2つの係合ピン298それぞれが、対応するスリット279に挿通される。摘み部296が操作されると、操作部材260は、係合ピン298とスリット279とによって案内されて、回転方向275及び取付方向274へ移動する。
オープナー250は、操作部材260を収容部284に収容することにより、組み立てられる。操作部材260を収容部284に収容する際に、先にロッド294がガイド254の内孔に挿通される。そして、操作部材260が取付方向274へ押し込まれると、取付部264の側壁が撓んで、2つの係合ピン298それぞれが対応するスリット279に挿通される。これにより、台座256に対して操作部材260が取り付けられて、オープナー250の組み立てが完了する。
このようにして組み立てられたオープナー250においては、係合ピン298がスリット279の上端スリット279A又は下端スリット279Bに配置されている場合は、上端スリット279A又は下端スリット279Bの各位置(本発明の所定位置に相当)で操作部材260が保持される。換言すれば、取付方向274及びその反対方向への操作部材260の移動が規制される。したがって、操作部材260を取付方向274へ押し込んでも、或いはその反対方向へ引っ張っても、係合ピン298が上端スリット279A又は下端スリット279Bに引っ掛かる。そのため、操作部材260は、台座256に対していずれの方向へも移動しない。
また、操作部材260の摘み部296が回転されると、係合ピン298が上端スリット279A又は下端スリット279Bから傾斜部279Cへ移動する。係合ピン298が傾斜部279Cに配置されている状態で、操作部材260に対して取付方向274或いはその反対方向への力、或いは回転方向275への力が加えられると、係合ピン298が傾斜部279Cに沿って取付部264の上端側或いは下端側へ案内される。これにより、操作部材260は、回転方向275へ回転しながら取付方向274或いはその反対方向へ移動する。本実施形態では、摘み部296が図10において時計方向へ回転されると、操作部材260は時計方向へ回転しながら取付方向274へ押し込まれる。一方、摘み部296が反時計方向へ回転されると、操作部材260は反時計方向へ回転しながら取付方向274とは反対の方向へ引き出される。
本実施形態では、オープナー250が容器本体20に取り付けられた状態において、係合ピン298がスリット279の上端スリット279Aに配置されている場合は、操作部材260は、容器本体20の前面40から最も離間した第1位置、詳細には、ロッド294がバルブ本体87のロッド88の先端から最も離間した第1位置(図11参照、本発明の第1位置に相当)に配置される。また、係合ピン298がスリット279の下端スリット279Bに配置されている場合は、操作部材260は、容器本体20の前面40に近い第2位置、詳細には、ロッド294がバルブ本体87のロッド88を押し込んで貫通孔81を開放する第2位置(図13参照、本発明の第2位置に相当)に配置される。
以下、図11を参照しながら、容器本体20にオープナー250を取り付ける方法について説明する。
まず、上述した第1工程及び第2工程を経てインク室100にインクが注入されたインクカートリッジ10において、インク室100を大気圧よりも低い圧力に保持した状態で、スライダ27を容器本体20の前面41側へ押し付けて上記第6位置( 図3(A)参照)に変化させる(第3工程)。
次に、スライダ27が上記第6位置( 図3(A)参照)にある状態で、オープナー250を容器本体20に取り付ける(第4工程)。具体的には、オープナー250において操作部材260を上記第1位置に移動させる。そして、オープナー250の取付部264をスライダ27の前壁161に合わせる。このとき、ガイド254を開口110に対向配置させる。その状態で、前壁161に対して垂直な方向へオープナー250を押し込むと、まず、ガイド254が開口110に挿通される。これにより、スライダ27に対してオープナー250が位置決めされる。その後、更にオープナー250を取付方向274へ押し込むと、カバー部265が検知窓140を覆う。この際に、アーム269の係合爪272が係合爪144に当接してアーム269が弾性変形する。そして、係合爪272が係合爪144を乗り越えて、係合爪272が係合爪144に係合する。これにより、容器本体20に対してオープナー250が取り付けられる。
このようにオープナー250が取り付けられることによって、大気連通バルブ80がオープナー250で覆われて保護される。また、スライダ27を上記第6位置(図3(A)参照)に保持することができる。なお、操作部材260は、上記第1位置(図11参照)にあるため、操作部材260のロッド294とバルブ本体87のロッド88とは非接触状態にある。
以下、図11から図13を参照しながら、容器本体20に取り付けられたオープナー250を取り外す手法について説明する。
図11に示される取付状態においては、係合ピン298は上端スリット279Aに配置されている。したがって、摘み部296が取付方向274へ押圧されても操作部材260は移動しない。この状態から摘み部296が矢印273の方向へ回転されると、係合ピン298が上端スリット279Aから傾斜部279Cへ移動する。そして、係合ピン298は、傾斜部279Cに沿って案内される。これにより、操作部材260が矢印273の方向へ回転されつつ、取付方向274へ押し込まれる。
操作部材260が取付方向274へ押し込まれる過程において、図12に示されるように、操作部材260のロッド294の先端がバルブ本体87のロッド88の先端に当接される。そして、操作部材260が更に押し込まれることにより、ロッド294の先端がバルブ本体87のロッド88をインク室100側へ押し付ける。このとき、図13に示されるように、コイルバネ86の弾性力に抗して、バルブ本体87が閉塞位置(貫通孔81を閉塞する位置)から開放位置(貫通孔81を開放する位置)に移動する。これにより、容器本体20のインク室100と大気とが連通して、インク室100の圧力が大気圧となる。
更に、摘み部296が回転されて操作部材260が押し込まれると、摘み部296における取付方向274側の端部296Aがアーム269の基端269Aに当接して、この基端269Aを取付方向274へ押圧する。アーム269は、基端269Aに加えられた押圧力によって撓まされる(図13参照)。これに伴って、アーム269の先端269Bが外方向(図13の下方向)へ退避する。これにより、係合爪144から係合爪272が外されて、アーム269は、容器本体20に対する係合状態を解除する解除姿勢となる。
アーム269が上記解除姿勢となったときに、係合ピン298がスリット279の下端スリット279Bに配置される。この状態で、摘み部296が取付方向274とは反対の方向へ引っ張られると、係合ピン298が下端スリット279Bに引っ掛かり、オープナー250が容器本体20から取り外される。
このように、本実施形態に係るインクカートリッジ10においては、操作部材260の摘み部296を捻るようにして回転させるだけで、容器本体20に対するオープナー250の係合状態を解除し、且つ、貫通孔81を開放することができる。つまり、摘み部296を回転させるという一動作で、オープナー250の係合状態の解除動作及び貫通孔81の開放動作の二動作を行うことができる。これにより、インクカートリッジ10を記録装置に装着する前に貫通孔81を簡単な操作でしかも確実に開放することができる。その結果、インクカートリッジ10の装着時にインクの逆流が生じないため、記録ヘッドのノズルのメニスカスが安定する。
また、オープナー250が容器本体20に取り付けられた状態で、係合ピン298がスリット279の上端スリット279Aに配置されていれば、仮に摘み部296が押圧されたとしても操作部材260は移動しない。そのため、摘み部296を覆うための保護カバーを設けなくても、操作部材260の誤作動が防止される。
また、操作部材260が押圧されて係合ピン298がスリット279の下端スリット279Bに配置された場合は、その状態で操作部材260を取付方向274とは反対方向へ引っ張られることにより、インクカートリッジ10の容器本体20からオープナー250を容易に取り外すことができる。
なお、本実施形態では、スリット279は、上端スリット279A及び下端スリット279Bの双方を有することとしたが、スリット279は、いずれか一方のみを有するものであってもよい。例えば、スリット279が傾斜部279C及び上端スリット279Aを有するものである場合は、操作部材260の誤作動を防止できるという効果が奏される。また、スリット279が傾斜部279C及び下端スリット279Bを有するものである場合は、操作部材260を引っ張るだけでオープナー250を容器本体20から容易に取り外すことができるという効果が奏される。
また、インクカートリッジ10において、スリット279は、取付方向274に対して傾斜された傾斜部279Cを有する構成としたが、傾斜部279Cを上端スリット279Aから下端スリット279Bまで取付方向274に沿って真っ直ぐに延びるストレート状のものであってもよい。このような構成であっても、操作部材260の誤作動を防止でき、オープナー250を容器本体20から容易に取り外すことができる。
また、上述の実施形態では、操作部材260の側壁に係合ピン298を設け、取付部264の側壁264Aにスリット279を設けることとしたが、係合ピン298を取付部264の側壁264Aに設け、スリット279を操作部材260の側壁に設けてもよい。このような構成でも、操作部材260を取付方向274と回転方向275へ円滑に案内することができる。