JP2009149471A - ガラス板の製造方法およびその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス板の穿孔工程において、孔精度および表面性状が良好な貫通孔の形成を可能にする。
【解決手段】ガラス板3の上面から切削を伴い先行ドリル1を厚み方向中間まで侵入させた後に先行ドリル1を後退させ、然る後、ガラス板3の下面から切削を伴い後行ドリル2を侵入させてガラス板3に貫通孔4を形成する。この際、後行ドリル2の先端部は、ドリル胴部側からドリル先端側に向けて縮径する形状をなしている。また、先行ドリル1のガラス板3の上面からの侵入深さは、後行ドリル2の最先端から最大外径部までの軸方向距離Lと、先行ドリル1の最大侵入時における最先端位置からガラス板3の下面までの距離Hとが、L>Hの関係を満たすように設定されると共に、後行ドリル2の最大外径部における外径D2が、先行ドリル1の最大外径部における外径D1よりも大きく設定されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガラス板の製造方法およびその装置に関し、詳しくは、ガラス板の上面側および下面側からそれぞれ上部ドリルおよび下部ドリルを侵入させて、ガラス板に貫通孔を形成する技術に関する。
周知のように、プラズマディスプレイ(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)などのフラットパネルディスプレイに使用されるガラス基板の中には、パネル内の排気やガス封入に使用することを目的として、当該ガラス基板に貫通孔を形成するものがある。
詳述すると、PDPは、可視光を透過させる電極が形成された前面板としてのガラス基板と、前記透過電極に対応する電極やリブ、さらには蛍光体などが形成された背面板としてのガラス基板とを、所定の空間を介して対向配置することにより構成される。そして、この両板間の所定空間に電圧を印加することによりプラズマ放電を生じさせ、この放電に伴って発生する紫外線により背面板の蛍光体を発光させて前面板上に画像を表示するように構成されている。この場合、実効性あるプラズマ放電を生じさせるには、前面板と背面板との間の空間にXeやAr等のガスを封入する必要があることから、通常、背面板の周縁部もしくは角部に、空気を排出して当該ガスを充填するための直径数mm程度の貫通孔が1又は複数箇所に形成される。
また、PDPと同じくフラットパネルディスプレイに含まれるFEDは、電極や蛍光体が形成された前面板としてのガラス基板と、電極および電子源が形成された背面板としてのガラス基板とを対向配置することにより構成される。そして、この両板間に電圧を印加することにより、電子源から放出された電子を蛍光体に衝突させ、この衝突により蛍光体を発光させて前面板上に画像を表示するように構成されている。この場合にも、前面板と背面板との間の空間を高真空にする必要があることから、PDP用のガラス基板と同様、背面板の周縁部もしくは角部に1又は複数の貫通孔が形成される。
この種の貫通孔は、ガラス基板の下面から下側ドリルをガラス板の厚み方向中間位置まで侵入させた後にその下側ドリルを後退させ、然る後、ガラス基板の上面から上側ドリルを侵入させることにより形成されるのが通常である。
ところで、PDPや一部のFEDの製造工程では、透明電極や蛍光体、リブその他の要素を各ガラス基板上に形成するために焼成等の熱処理工程が設けられている。この熱処理工程において、ガラス基板に微小クラック等の欠陥が存在していると、加熱時もしくは冷却時に微小クラック先端等の応力集中部位が起点となりガラス基板が破損するという事態を招き得る。この種の破損は背面板の排気孔(貫通孔)を起点として発生する傾向にあるため、正確には、貫通孔の内周面もしくはその近傍に存在する凹凸や欠け、微小クラックなどが上記破損の起点となり易いため、これらの欠陥部分をできる限り除去して貫通孔の表面性状を良好なものにすることが肝要となる。
ここで、上下のドリルを用いて板ガラスに貫通孔を形成する方法が下記特許文献1に開示されている。すなわち、当該文献には、上下のドリルを共にカップ型のコアドリル(円筒形ドリル)とし、かつ、下側のコアドリルとしてその外径が上側のコアドリルの外径より小さく、その内径より大きいものを用いて板ガラスに貫通孔を形成する方法が提案されている。この方法によれば、まず、下側コアドリル(先行ドリル)によって板ガラスの下面側から環状凹部が形成され、次に、板ガラスの上面側からの上側コアドリル(後行ドリル)の侵入に伴い、上記環状凹部の外周部が、両ドリルの外径差分だけ、上側ドリル(後行ドリル)により削り取られることで貫通孔が形成される。
特開昭54−126215号公報
上記特許文献1に記載の方法は、ドリル回転軸の芯ブレに起因する孔径精度の低下を防止すると共に、上下とも円筒形ドリルを用いることに起因して生じる特有の問題、すなわち、上下ドリルによる上下穿孔間の領域に小さな凹凸面が生じるという問題点の解決を目的としたものである。しかしながら、上記環状凹部の外周部における上記外径差分の領域は、上側コアドリル(後行ドリル)の先端部に設けられた環状の平らな端面によって削り取られてゆくので、切削抵抗が比較的大きくなる。そのため、加工後の孔内周面の面粗度が大きくなり、また、微小クラックが生じる場合がある。
以上の事情に鑑み、本発明では、ガラス板の穿孔工程において、孔精度および表面性状が良好な貫通孔の形成を可能にすることを技術的な課題とする。
前記課題の解決は、本発明に係るガラス板の製造方法により達成される。すなわち、このガラス板の製造方法は、ガラス板の一端面から切削を伴い先行ドリルを厚み方向中間まで侵入させた後に先行ドリルを後退させ、然る後、ガラス板の他端面から切削を伴い後行ドリルを侵入させてガラス板に貫通孔を形成する穿孔工程を含むガラス板の製造方法において、後行ドリルは、ドリル胴部からドリル先端に向けて漸次縮径する形状をなし、先行ドリルのガラス板の一端面からの侵入深さは、後行ドリルの先端から最大外径部となるドリル胴部の先端側端部までの軸方向距離Lと、先行ドリルの最大侵入時における先端位置からガラス板の他端面までの距離Hとが、L>Hの関係を満たすように設定され、後行ドリルの最大外径部における外径D2が、先行ドリルの最大外径部における外径D1よりも大きく設定される点をもって特徴づけられる。
このように、上述の製造方法においては、後行ドリルをドリル胴部からドリル先端に向けて漸次縮径する形状とし、かつ、後行ドリルの最大外径D2を先行ドリルの最大外径D1より大きく設定したので、先行ドリルで形成された有底孔の内周面を、双方のドリルの最大外径差(D2−D1)の分だけ後行ドリルで削り取る際、後行ドリルの先端に設けた縮径領域がまず上記外径差分の領域に接触し、該ドリルの侵入移動に従って、内径側から外径側にかけて漸次に削り取ってゆくことになる。そのため、フラットな端面を有するドリルに比べて上記外径差分の領域を小さい抵抗で削り取ることができ、加工後の貫通孔の内周面もしくはその近傍に微小クラック等が発生するのを抑えて、良好な表面性状を有する貫通孔を得ることができる。
加えて、上記製造方法においては、後行ドリルの先端から最大外径部となるドリル胴部の先端側端部までの軸方向距離Lと、先行ドリルの最大侵入時における先端位置からガラス板の他端面までの距離Hとが、L>Hの関係を満たすよう先行ドリルの侵入深さを設定したので、後行ドリルの最大外径部がガラス板に侵入を開始する前に、その最先端が既に先行ドリルにより形成された孔の先端位置に到達する。そして、これ以降、後行ドリルの先端部は既に先行ドリルにより形成された有底孔に挿通され、この孔に案内される形でさらに侵入してゆくことになる。よって、後行ドリルの芯ブレが抑制された状態で有底孔の外周部が削り取られることにより、その削り代をなるべく均等にすることができ、当該加工後の孔内周面の表面性状をより良好なものとすることができる。また、貫通孔の内周面のうちガラス板の他端面側の部分についても、芯ブレが抑制された状態の後行ドリルで切削形成される。これにより、後行ドリルの加工後に得られる孔内周面の表面性状を孔の全長にわたって良好なものとすることができる。
この場合、後行ドリルの最大外径D2に対する、先行ドリルの最大外径D1の比D1/D2が0.7以上0.95以下に設定されることが好ましい。
このように、双方のドリルの最大外径比D1/D2を上記範囲に設定したのは以下の理由による。すなわち、後述する実験結果を踏まえて設定したものでもあるが、最大外径比D1/D2を0.95以下とすることで、先行ドリルにより形成された有底孔の外周部を効果的に削り取ることができ、結果として当該ガラス板の強度向上を図ることができる。もちろん、この上限値は、上記L>Hの関係を満たすように先行ドリルの侵入深さを設定することではじめて実効性ある数値として機能する。芯ブレが抑制された状態で後行ドリルを侵入させることで、削り代が僅かであっても先の穿孔時に生じた微小クラックを確実に除去できるためである。また、最大外径比D1/D2を0.7以上としたのは、後行ドリルによる有底孔の削り代をあまりに大きく取り過ぎると、本来、微小クラックの除去のために削り取る必要のない領域までも削り取ることになり却って新たなクラックを誘起するおそれが生じるためである。
また、上述した後行ドリルのドリル胴部からドリル先端に向けて漸次縮径する部分は、ドリル胴部と滑らかにつながっていることが好ましい。
このように、後行ドリルのドリル縮径領域とドリル胴部とを滑らかにつなげた形状とすることで、後行ドリルのガラス板への侵入時、最大外径部における切削抵抗が低減される。そのため、侵入切削時、ガラス板における微小クラックの発生確率を低減することができる。
以上の方法により製造されるガラス板は、フラットパネルディスプレイ用のガラス基板であることが好ましい。
このようにすれば、フラットパネルディスプレイを製造する際の熱処理工程において、貫通孔(排気孔)を起点としてガラス基板に破損が生じるという事態を効果的に回避することができる。
また、前記課題の解決は、本発明に係るガラス板の製造装置によっても達成される。すなわち、このガラス板の製造装置は、ガラス板の一端面から切削を伴い先行ドリルを厚み方向中間まで侵入させた後に先行ドリルを後退させ、然る後、ガラス板の他端面から切削を伴い後行ドリルを侵入させてガラス板に貫通孔を形成するように構成されるガラス板の製造装置において、後行ドリルは、ドリル胴部からドリル先端に向けて漸次縮径する形状をなし、先行ドリルのガラス板の一端面からの侵入深さは、後行ドリルの先端から最大外径部となるドリル胴部の先端側端部までの軸方向距離Lと、先行ドリルの最大侵入時における先端位置からガラス板の他端面までの距離Hとが、L>Hの関係を満たすように設定され、後行ドリルの最大外径部における外径D2が、先行ドリルの最大外径部における外径D1よりも大きく設定されている点をもって特徴づけられる。
このような装置によれば、本欄の冒頭で述べた方法についての事項と、同一の事項が当てはまり、故に当該方法による作用効果と同一の作用効果を得ることができる。
以上のように本発明に係るガラス板の製造方法およびその装置によれば、孔精度および表面性状が良好な貫通孔をガラス板に形成することができ、特に、孔の全長にわたって孔精度および表面性状が良好な貫通孔を形成することができる。
以下、本発明の一実施形態を図1および図2に基づき説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るガラス板の製造装置の構成要素である2種のドリルの要部を示す概略正面図である。同図に示すように、ガラス板の製造装置は、主たる構成要素として、互いに軸心位置を一致させて上下動可能に配置された先行ドリル1と後行ドリル2とを備えている。ここでは、説明の便宜上、先行ドリル1がガラス板の上側に配置されると共に、後行ドリル2がガラス板の下側に配置されるものとする。
ここで、後行ドリル2に関し、最大外径部となる円柱状のドリル胴部2xの上端に、その先端側に向けて漸次縮径する縮径領域としてのドリル先細り部2aが滑らかにつながっている。また、この実施形態では、先行ドリル1に関し、最大外径部となる円柱状のドリル胴部1xの下端に、その先端側に向けて漸次縮径する縮径領域としてのドリル先細り部1aが滑らかにつながっている。
後行ドリル2の先端部となるドリル先細り部2aは、この実施形態では半球状をなし、ドリル胴部2xとドリル先細り部2aとの境界部分からドリル先細り部2aの最先端までの軸方向距離Lがドリル胴部2xの半径に一致している。換言すると、後行ドリル2の最先端から最大外径部(ドリル胴部2xの上端)までの軸方向距離Lが後述する最大外径D2の半分の値となっている。先行ドリル1のドリル先細り部1aも、同様の半球状であることが好ましい。
また、先行ドリル1の最大外径部における外径(最大外径)D1は、後行ドリル2の最大外径部における外径(最大外径)D2よりも小さく設定されている。換言すると、後行ドリル2の最大外径D2に対する、先行ドリル1の最大外径D1の比D1/D2が1未満となるように設定されている。ここで、最大外径比D1/D2は、好ましくは、0.7以上0.95以下の範囲内に設定される。
上記構成の先行ドリル1および後行ドリル2は、例えばドリル胴部1x,2xとドリル先細り部1a,2aとを一体化してなる金属製本体の表面にダイヤモンド砥粒を付着することにより形成される。
次に、図2に基づいて、先行ドリル1と後行ドリル2とを使用して、ガラス板(この実施形態ではPDP用のガラス基板)の角部に排気孔としての貫通孔を形成する手順を説明する。
まず、図2(a)に示すように、水平姿勢にあるガラス板3の上方に、ドリル先細り部1aが下方を指向するように先行ドリル1を配置し、この先行ドリル1を回転を伴って下降させることにより、切削を伴って先行ドリル1のドリル先細り部1aをガラス板3の上側から侵入させていく。この際、先行ドリル1の侵入箇所に切削液を供給しながら、先行ドリル1をガラス板3に侵入させるようにしてもよい。そして、図2(b)に示すように、先行ドリル1のドリル胴部1xがガラス板3に所定の軸方向寸法分だけ侵入した時点で、先行ドリル1の下降を停止する。
この時点で、先行ドリル1がガラス板3に侵入した軸心上の下端位置からガラス板3の下面までの距離Hは、上述の後行ドリル2における軸方向距離Lよりも短くなっている。また、上述のように、切削液を供給しながら先行ドリル1がガラス板3に侵入していく過程では、切削液が重力によってその侵入部に十分に行き渡ることになる。そのため、切削液の冷却作用によって摩擦熱の発生が抑制され、クラックが生じ難くなる。
この後、図2(c)に示すように、先行ドリル1を上昇させることにより、ガラス板3から先行ドリル1を抜き出して退避位置まで移動させる。これにより、ガラス板3には、上方のみが開口する非貫通状態の上部孔(有底孔)4aが形成された状態となる。
次に、図2(d)に示すように、ガラス板3の下方に、ドリル先細り部2aが上方を指向するように後行ドリル2を配置する。この場合、後行ドリル2を先に穿孔を行った先行ドリル1とその軸心を合わせた状態で配置することで、ガラス板3に既に形成されている有底孔4aの軸心と後行ドリル2の軸心とが一致した状態で後述の穿孔が実施されるようになっている。そして、図2(e)に示すように、例えば切削液を侵入箇所に供給しながら後行ドリル2を上昇させることにより、後行ドリル2のドリル先細り部2aをガラス板3に下側から侵入させていく。この時点では、後行ドリル2の芯ブレと切削液の重力による落下を原因とする冷却不足とが相まって、ドリル先細り部2aの周囲や侵入方向前方部位5に微小クラックが生じる。
そして、後行ドリル2を上昇させ続けてさらにガラス板3に侵入させていくことにより、図2(f)に示すように、ドリル先細り部2aの先端が、ガラス板3の有底孔4aの下端に到達する。この時点では、上述のL>Hの関係が満たされていることから、後行ドリル2のドリル胴部2x(最大外径部)は未だガラス板3には侵入していない。
このような状態から、後行ドリル2を上昇させ続けることにより、図2(g)に示すように、ドリル先細り部2aがガラス板3の有底孔4aに侵入していくことになるので、後行ドリル2は芯ブレを生じることなくガラス板3に侵入できる。しかも、有底孔4aと軸心を一致させ、かつ、最大外径比D1/D2を上述の如く設定した後行ドリル2の最大外径部(ドリル胴部2x)がガラス板3および有底孔4aに侵入していくことで、外径差D2−D1の分だけ有底孔4aの周囲6が、その内側から外側に向けて徐々にかつ均等に削り取られる。これにより、既に上述の侵入方向前方部位5等に生じていた微小クラックはもちろん、有底孔4aの内周面もしくはその近傍に生じていた微小クラックを除去することができる。なお、上述の如く切削液を供給しながら先行ドリル1を侵入させた場合、後行ドリル2により穿設された孔と先行ドリル1により穿設された有底孔4aとが貫通(連通)することで上部の切削液が下側からの孔に流れ込む。これにより、後行ドリル2の摩擦熱を抑えることができる。
そして、後行ドリル2を上記位置からさらに上昇させることにより、後行ドリル2のドリル胴部2xがガラス板3の上面側に突き抜けた時点で、貫通孔(排気孔)4の穿設加工を終える。この後、後行ドリル2を下降させて図2(h)に示す退避位置まで移動した時点で穿孔工程が完了する。これにより、後行ドリル2の最大外径D2(ドリル胴部2xの外径)に相当する直径の貫通孔4がガラス板3に形成される。
なお、上記実施形態では、各ドリル1,2の先端形状を半球状とした場合を例示したが、もちろん、当該先端形状はそれぞれ本発明の範囲内において任意に変更が可能である。例えば、ドリル先細り部1a,2aの一方あるいは双方を、その長軸をドリル軸心と一致させた半楕円球状とすることもできる。あるいは、ドリル先細り部1a,2aの一方あるいは双方をテーパ状に縮径する形状とし、かつ、この先細り部1a,2aをドリル胴部1x,2xと適当な断面R状円環面等で滑らかにつないだ形状とすることもできる。
また、以上の説明に係る貫通孔の穿孔工程であれば、例えば貫通孔として直径1mmから5mm程度までを対象する場合に好適であり、また、その貫通孔長さとして、言い換えると、貫通孔周辺における板ガラスの厚みとして0.5mmから4mm程度までを対象とする場合に好適である。
また、以上の説明では、PDP用のガラス基板に貫通孔(排気孔)を形成する場合に本発明を適用したが、これ以外に、FED用或いはELD用のガラス基板に貫通孔を形成する場合にも同様にして本発明を適用できるのはもちろん、クラックの発生が問題となる貫通孔をガラス板に形成する必要がある場合には、それら全般にわたっても本発明を適用することが可能である。
本発明の効果を確認すべく、以下に示す試験ならびにその検討を行った。本発明の実施例(実施例1〜4)、および、比較例(比較例1)について、先に共通する項目を説明する。まず、貫通孔を形成するガラス板には、横寸法が500mmで縦寸法が600mmであり且つ厚みが1.8mmのPDP用のガラス基板を、それぞれ10枚ずつ用意した。また、先行ドリルおよび後行ドリルはいずれも、ドリル胴部と半球状をなすドリル先細り部とからなるものとし、ドリル回転数を5000rpm、ドリル送り速度を0.2mm/秒として上記ガラス基板に排気孔となる貫通孔を形成した。また、後行ドリルにおける、図1に示す軸方向距離Lを何れも1.0mmとし、かつ、先行ドリルの図2(b)に示すガラス板への侵入距離Hを何れも0.7mmとした。また、何れも先行ドリルをガラス基板の上側から侵入させると共に、後行ドリルをガラス基板の下側から侵入させて穿孔を行った。
そして、後行ドリルの最大外径部における外径D2を何れも2.0mmとした上で、先行ドリルの最大外径部における外径D1を異ならせて穿孔工程を実施した。すなわち、上記最大外径比D1/D2が0.7以上0.95の範囲に含まれるものを実施例(実施例1〜4)、外径比D1/D2が1のものを比較例(比較例1)として穿孔工程を実施した。
上述のようにして排気孔を形成したガラス基板を、適当な熱履歴あるいは熱履歴および機械的負荷を与えることで破損させ、破損した破断面の破面解析により求めた破壊強度データに対してワイブルプロット処理を施し、各実施例および比較例ごとに破損確率10%における破壊強度を算出した。その結果を、下記の表1に示す。
Figure 2009149471
上記の表1によれば、最大外径比D1/D2が1に近づくにつれて、言い換えると、先行ドリルと後行ドリルとの最大外径の差D2−D1が縮まるにつれて、ドリル径が同径の場合に比べて破壊強度の向上が認められる。具体的には、実施例1に示すように、最大外径比D1/D2を0.95とした場合、同径の場合に比べて約30%の強度向上が認められた。この強度向上効果は、最大外径比D1/D2が1からある程度離れた場合であっても認められ、少なくともD1/D2が0.7以上あれば、同径の場合と比べて強度向上効果が認められることを確認するに到った。
本発明の一実施形態に係るガラス板の製造装置の主たる構成要素である先行ドリルおよび後行ドリルの要部を示す正面図。 図2(a)〜(h)は、本発明の一実施形態に係るガラス板の製造方法における穿孔工程の実施状況を順を追って示す概略縦断正面図。
符号の説明
1 先行ドリル
1a 先行ドリルのドリル先細り部
1x 先行ドリルのドリル胴部
2 後行ドリル
2a 後行ドリルのドリル先細り部
2x 後行ドリルのドリル胴部
3 ガラス板
4 貫通孔(排気孔)
4a 有底孔
6 有底孔の周囲部分(後行ドリル除去部)

Claims (5)

  1. ガラス板の一端面から切削を伴い先行ドリルを厚み方向中間まで侵入させた後に該先行ドリルを後退させ、然る後、前記ガラス板の他端面から切削を伴い後行ドリルを侵入させて前記ガラス板に貫通孔を形成する穿孔工程を含むガラス板の製造方法において、
    前記後行ドリルは、ドリル胴部からドリル先端に向けて漸次縮径する形状をなし、
    前記先行ドリルの前記ガラス板の一端面からの侵入深さは、前記後行ドリルの先端から最大外径部となる前記ドリル胴部の先端側端部までの軸方向距離Lと、前記先行ドリルの最大侵入時における先端位置から前記ガラス板の他端面までの距離Hとが、L>Hの関係を満たすように設定され、
    前記後行ドリルの前記最大外径部における外径D2が、前記先行ドリルの最大外径部における外径D1よりも大きく設定されることを特徴とするガラス板の製造方法。
  2. 前記後行ドリルの最大外径D2に対する、前記先行ドリルの最大外径D1の比D1/D2が0.7以上0.95以下に設定される請求項1に記載のガラス板の製造方法。
  3. 前記後行ドリルの前記ドリル胴部から前記ドリル先端に向けて漸次縮径する部分は、前記ドリル胴部と滑らかにつながっている請求項1又は2に記載のガラス板の製造方法。
  4. 前記ガラス板は、フラットパネルディスプレイ用のガラス基板であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のガラス板の製造方法。
  5. ガラス板の一端面から切削を伴い先行ドリルを厚み方向中間まで侵入させた後に該先行ドリルを後退させ、然る後、前記ガラス板の他端面から切削を伴い後行ドリルを侵入させて前記ガラス板に貫通孔を形成するように構成されるガラス板の製造装置において、
    前記後行ドリルは、ドリル胴部からドリル先端に向けて漸次縮径する形状をなし、
    前記先行ドリルの前記ガラス板の一端面からの侵入深さは、前記後行ドリルの先端から最大外径部となる前記ドリル胴部の先端側端部までの軸方向距離Lと、前記先行ドリルの最大侵入時における先端位置から前記ガラス板の他端面までの距離Hとが、L>Hの関係を満たすように設定され、
    前記後行ドリルの前記最大外径部における外径D2が、前記先行ドリルの最大外径部における外径D1よりも大きく設定されていることを特徴とするガラス板の製造装置。
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