JP2009144188A - 平板状金属粒子及びその製造方法、並びに平板状金属粒子含有組成物、及び赤外線吸収材料 - Google Patents

平板状金属粒子及びその製造方法、並びに平板状金属粒子含有組成物、及び赤外線吸収材料 Download PDF

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Abstract

【課題】大量生産が可能であり、短時間で高濃度の平板状金属粒子を効率よく合成でき、安全かつ環境影響の少ない平板状金属粒子の製造方法及び平板状金属粒子、並びに平板状金属粒子含有組成物、及び赤外線吸収材料の提供。
【解決手段】ポリオール化合物を含む溶媒中に金属化合物及びピロリドン化合物を添加した反応液を、40℃以上該溶媒の沸点以下の温度で加熱することにより、平板状金属粒子を製造することを特徴とする平板状金属粒子の製造方法である。該溶媒中にポリオール化合物を30体積%以上含む態様、該ポリオール化合物が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、及びポリエチレングリコールから選択される少なくとも1種を含有する態様、などが好ましい。
【選択図】図5

Description

本発明は、平板状金属粒子及び平板状金属粒子の製造方法、並びに平板状金属粒子含有組成物、及び赤外線吸収材料に関する。
銀、金等の貴金属粒子は、化学的に安定であり、また、表面プラズモン共鳴により可視域に吸収を有するため、塗料等の着色剤としての応用が期待されている。例えば2001年にC.A.Mirkinらにより、三角形状平板Ag粒子の合成に関する報告がなされている(特許文献1及び非特許文献1参照)。この報告では、三角形状平板状Ag粒子のサイズ、及び(サイズ/厚み)比により極大吸収波長が変化し、可視域〜近赤外域に吸収波長を制御できることが開示されている。このように可視域〜近赤外域に吸収域が広がったことにより、着色剤としてだけでなく、赤外線吸収剤としての応用も期待されている。
そこで、平板状金属粒子の合成方法が種々検討されており、例えばC.A.Mirkinらによる光誘起法がある。この光誘起法は、銀ナノコロイド水溶液に700nm未満の波長を有する光を照射することにより、銀ナノプリズムを形成する方法である(特許文献1、非特許文献1、及び非特許文献2参照)。
しかし、前記光誘起法により合成された銀ナノプリズムは、単一性は高いが、硝酸銀濃度が0.1mMと低く、反応時間が20〜50時間と長いので、大量生産には不向きなものである。
また、還元剤による平板状金属粒子の形成が検討されており、クエン酸を保護剤、ジメチルアミンボランを還元剤とし、水溶液中で硝酸銀から銀ナノプリズムを合成する方法が提案されている(特許文献2、3、及び4参照)。しかし、これらの提案の方法も、硝酸銀濃度が低く、反応時間が長くかかり、大量生産には不向きなものである。
また、ポリビニルピロリドン(PVP)を保護剤として、硝酸銀をジメチルホルムアミド中で加熱還元する銀ナノプリズムの合成方法が報告されている(非特許文献3参照)。しかし、この合成方法は、ジメチルホルムアミドの沸点付近(156℃)までの加熱が必要であるため危険であり、また制御が難しいため単一性が低く、更にジメチルホルムアミドは環境負荷が大きいという問題がある。
したがって大量生産が可能であり、短時間で高濃度の平板状金属粒子を効率よく合成でき、安全かつ環境影響の少ない平板状金属粒子の製造方法及び平板状金属粒子の速やかな提供が望まれているのが現状である。
米国特許出願公開第2003/0136223号明細書 特開2007−138249号公報 特開2005−105376号公報 特開2007−178915号公報 Science 294,1901−1903(2001) Langmuir 22,8563−8570(2006) Nano Lett .2, 903−905(2002)
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、大量生産が可能であり、短時間で高濃度の平板状金属粒子を効率よく合成でき、安全かつ環境影響の少ない平板状金属粒子の製造方法及び該製造方法により製造された平板状金属粒子、並びに平板状金属粒子含有組成物、及び赤外線吸収材料を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> ポリオール化合物を含む溶媒中に金属化合物及びピロリドン化合物を添加した反応液を、40℃以上該溶媒の沸点以下の温度で加熱することにより、平板状金属粒子を製造することを特徴とする平板状金属粒子の製造方法である。
<2> 溶媒中にポリオール化合物を30体積%以上含む前記<1>に記載の平板状金属粒子の製造方法である。
<3> ポリオール化合物が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、及びポリエチレングリコールから選択される少なくとも1種を含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の平板状金属粒子の製造方法である。
<4> 金属化合物における金属が、銀、金、白金、パラジウム、銅、ニッケル、及びコバルトから選択される少なくとも1種を含有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の平板状金属粒子の製造方法である。
<5> ピロリドン化合物がポリビニルピロリドンであり、該ポリビニルピロリドンが、ピロリドンユニットの繰り返し単位が85以上である前記<1>から<4>のいずれかに記載の平板状金属粒子の製造方法である。
<6> ピロリドン化合物と、金属化合物とのモル比(ピロリドン化合物/金属化合物)が4以上である前記<1>から<5>のいずれかに記載の平板状金属粒子の製造方法である。
<7> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の平板状金属粒子の製造方法により製造されたことを特徴とする平板状金属粒子である。
<8> 粒子径が10nm〜1,000nmであり、かつ平均アスペクト比(粒子径/粒子厚み)が1.1以上である前記<7>に記載の平板状金属粒子である。
<9> 前記<7>から<8>のいずれかに記載の平均アスペクト比が1.1〜20.0の平板状金属粒子を個数平均で30%以上含有することを特徴とする平板状金属粒子含有組成物である。
<10> 前記<9>に記載の平板状金属粒子含有組成物からなる赤外線吸収層を少なくとも有することを特徴とする赤外線吸収材料である。
本発明の平板状金属粒子の製造方法においては、エチレングリコール等のポリオール化合物中で、ポリビニルピロリドン(PVP)と共に、硝酸銀、塩化金酸等の金属化合物を加熱還元することにより、三角形、六角形状等の平板状金属粒子を得ることができる。得られた平板状金属粒子は、可視域から近赤外域に表面プラズモン共鳴由来の吸収を有しており、鮮やかな発色を示すため、インクジェット、カラーフィルタ等の色材や着色剤、赤外線吸収材料、電磁波遮蔽材料等として利用することが可能である。更に平板状金属粒子であるため、塗布することにより、基材水平面に対し、粒子を水平に並べることが可能である。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、大量生産が可能であり、短時間で高濃度の平板状金属粒子を効率よく合成でき、安全かつ環境影響の少ない平板状金属粒子の製造方法及び該製造方法により製造された平板状金属粒子、並びに平板状金属粒子含有組成物、及び赤外線吸収材料を提供することができる。
(平板状金属粒子の製造方法及び平板状金属粒子)
本発明の平板状金属粒子の製造方法は、ポリオール化合物を含む溶媒中に金属化合物及びピロリドン化合物を添加した反応液を、40℃以上該溶媒の沸点以下の温度で加熱することにより、平板状金属粒子を製造する。
本発明の平板状金属粒子は、本発明の前記平板状金属粒子の製造方法により製造される。
以下、本発明の平板状金属粒子の製造方法の説明を通じて本発明の平板状金属粒子の詳細についても明らかにする。
−溶媒−
前記溶媒としては、ポリオール化合物を30体積%以上含むことが好ましく、40体積%以上含むことがより好ましく、ポリオール化合物のみ(100体積%)からなることが特に好ましい。前記ポリオール化合物の含有量が30体積%未満であると、平板状金属粒子の収率が低くなってしまうことがある。
前記ポリオール化合物としては、水酸基を2つ以上有する化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、エチレングリコールが特に好ましい。
前記ポリオール化合物以外の溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば水、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
前記溶媒の沸点とは、溶媒に単位時間あたりに与える熱量を一定として温度上昇させる過程において、溶媒内部から気化が起り、溶媒全体から気泡が発生する状態で示す温度を最も長い時間保持する温度を意味する。
−金属化合物−
前記金属化合物としては、例えば、金属塩、金属錯体、有機金属化合物などが挙げられる。
前記金属化合物における金属としては、例えば銀、金、白金、パラジウム、銅、ニッケル、コバルト、などが挙げられ、これらの中でも、銀、金が特に好ましい。
前記金属塩を形成する酸としては、無機酸及び有機酸のいずれであってもよい。
前記無機酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば硝酸;塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸等のハロゲン化水素酸などが挙げられる。
前記有機酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばカルボン酸、スルホン酸などが挙げられる。
前記カルボン酸としては、例えば酢酸、酪酸、シュウ酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ラウリン酸、安息香酸などが挙げられる。
前記スルホン酸としては、例えばメチルスルホン酸などが挙げられる。
前記金属塩としては、例えば硝酸銀、塩化金酸、塩化白金酸などが挙げられる。
前記金属錯体を形成するキレート剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばアセチルアセトナート、EDTAなどが挙げられる。また、上記の金属塩と配位子とで錯体を形成してもよく、該配位子としては、例えばイミダゾール、ピリジン、フェニルメチルスルフィドなどが挙げられる。
なお、前記金属化合物には、金属イオンのハロゲン化錯体の酸(例えば塩化金酸、塩化白金酸など)、アルカリ金属塩(例えば塩化金酸ナトリウム、テトラクロロパラジウム酸ナトリウムなど)も含まれる。
−ピロリドン化合物−
前記ピロリドン化合物としては、ポリビニルピロリドン(PVP)、1−ビニル−2−ピロリドンなどが挙げられ、ポリビニルピロリドン(PVP)が特に好ましい。
前記ポリビニルピロリドン(PVP)は、ピロリドンユニットの繰り返し単位数が85以上であることが好ましく、300〜12,000がより好ましい。前記繰り返し単位数が85未満であると、PVPが金属粒子の特定の結晶面に吸着できずに、球状粒子となってしまうとなることがある。
本発明の平板状金属粒子の製造方法は、ポリオール化合物を含む溶媒中に金属化合物及びピロリドン化合物を添加した反応液を、40℃以上(好ましくは50℃以上)該溶媒の沸点以下の温度で0.1〜3時間加熱し、還元反応させて、平板状金属粒子を作製する。
前記加熱温度が40℃未満であると、反応時間が長くかかりすぎてしまうことがある。
前記ピロリドン化合物のモル数(ユニット換算)と、前記金属化合物とのモル数の比(ピロリドン化合物/金属化合物)は、4以上が好ましく、5以上がより好ましい。前記モル比(ピロリドン化合物/金属化合物)が、4未満であると、球状粒子の比率が高くなってしまい、平板状金属粒子の収率が低くなってしまうことがある。
本発明の平板状金属粒子の製造方法により製造された平板状金属粒子は、可視域から近赤外域に表面プラズモン共鳴由来の吸収を有しており、鮮やかな発色を示すため、インクジェットやカラーフィルタ等の色材や着色剤、赤外線吸収材料、電磁波遮蔽材料等として利用することができる。
前記「平板状」とは、三角形、六角形、五角形等の形状をした板状の粒子であり、粒子径を粒子厚みで割った平均アスペクト比(粒子径/粒子厚み)が1.1以上(好ましくは2.0以上)である粒子を意味する。
前記粒子径は、10nm〜1,000nmが好ましく、20nm〜500nmがより好ましい。
前記平均アスペクト比(粒子径/粒子厚み)は、1.1以上が好ましく、1.1〜20がより好ましく、2.0〜20が更に好ましく、2.5〜10が特に好ましく、3.0〜8.0が最も好ましい。
ここで、前記平板状金属粒子の形状、粒子径、及び厚みの測定方法としては、以下の方法が挙げられる。
(1)粒子径の測定法
平板状金属粒子分散液をTEM観察用メッシュに滴下し、乾燥させた後、TEMで観察した結果、三角形や六角形状の粒子が観察された。図1に示すように観察された平板状金属粒子のTEM写真を画像処理することにより各粒子の円相当直径(同一面積の円で表したときの直径)を求め、求めた円相当直径を粒子径aとした。
(2)厚みの測定法
平板状金属粒子厚みの測定法としては、TEM観察による方法と、AFMによる方法がある。
・透過型電子顕微鏡(TEM)観察
平板状金属粒子をエポキシ樹脂中に包埋した後、ミクロトームで粒子断面を含む切片を作製した。作製した切片をTEM観察用メッシュに載せ、TEM観察を実施し、得られた写真から、粒子厚みbを測定した。
・原子間力顕微鏡(AFM)観察
平板状金属粒子分散液をシリコンウェハ上に滴下し、乾燥させた後、AFMで観察した三角形や六角形状の粒子について、図1に示すように横から見たAFM観察の段差測定による段差bを粒子厚みとして測定した。
上述のようにして求めた粒子径aを粒子厚みbで割った値を、アスペクト比=a/bとして算出した。
本発明の平板状金属粒子の製造方法においては、少なくとも平板状金属粒子が作製できていればよく、製造される平板状金属粒子の生成率、即ち平板率は、2%以上が好ましく、5%以上がより好ましく、30%以上が更に好ましく、50%以上が特に好ましい。
前記平板率は、TEMで観察した結果、観察された平板状金属粒子200個のうちの平板状金属粒子の割合を意味する。
(平板状金属粒子含有組成物)
本発明の平板状金属粒子含有組成物は、本発明の前記平板状金属粒子を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
平均アスペクト比が1.1〜20.0の前記平板状金属粒子を個数平均で30%以上含有することが好ましい。
前記その他の成分としては、例えば溶媒、分散剤などが挙げられる。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、t−ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル系溶媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、塩化メチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;フェノール、p−クロロフェノール、o−クロロフェノール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾール等のフェノール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン等の芳香族炭化水素類;二硫化炭素、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の平板状金属粒子含有組成物は、本発明の前記平板状金属粒子を含有してなり、例えば赤外線吸収材料、光学フィルタ、配線材料、電極材料、触媒、着色剤、インクジェット用インク、カラーフィルタ用色材、フィルタ、化粧料、偽造防止用インク、電磁波遮蔽膜、表面増強蛍光センサ、表面増強ラマン散乱センサ、生体用マーカー、記録材料、ドラッグデリバリー用薬物担体、バイオセンサ、DNAチップ、検査薬などの種々の用途に用いることができるが、以下の赤外線吸収材料として特に好適に用いられる。
(赤外線吸収材料)
本発明の赤外線吸収材料は、本発明の前記平板状金属粒子含有組成物からなる赤外線吸収層を有してなり、基材、下塗り層、オーバーコート層、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
−近赤外線吸収フィルター−
近赤外線とは、約700nm〜2,200nmの電磁波であり、近赤外線吸収フィルターとは、約700nm〜2,200nmの電磁波を吸収する材料を含むフィルターのことをいう。例えばプラズマディスプレイパネルでは、キセノンの紫外線発光により蛍光体を励起しているが、キセノンは、紫外光だけでなく、823nm、882nm、916nm、980nm付近の近赤外線領域にも強い発光を示す。キセノン発光に伴う800nm〜1000nmの近赤外線は、テレビ、エアコン等の家庭用電化製品のリモコン動作不良やワイヤレスマイクの動作不良の原因になるため、遮蔽する近赤外線フィルターが必要である。また近赤外線は熱線であるため、熱線遮蔽の効果もある。
本発明の平板状金属粒子はいずれも近赤外線の吸収を示すものの、光吸収効率や吸収波長は粒子形状によって変化することが分かっており、近赤外線の吸収用途として好ましい平板状銀粒子の平均アスペクト比は、2.5〜10.0が好ましく、近赤外線の吸収に好ましい平板状銀粒子の粒子径は、20nm〜1,000nmである。
−赤外線吸収層−
前記赤外線吸収層は、本発明の前記平板状金属粒子含有組成物からなる。
前記赤外線吸収層は、本発明の前記平板状金属粒子含有組成物を基材上に塗布して、形成することができる。
前記塗布方法としては、例えば、スピンコート法、キャスト法、ロールコート法、フローコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法などが挙げられる。
前記赤外線吸収層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.01μm〜100μmが好ましい。
−基材−
前記基材としては、その形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば平板状、シート状、フィルム状などが挙げられ、前記構造としては、例えば単層構造であってもいし、積層構造であってもよく適宜選択することができる。
前記基材の材料としては、特に制限はなく、無機材料及び有機材料のいずれであっても好適に用いることができる。
前記無機材料としては、例えば、ガラス、石英、シリコンなどが挙げられる。
前記有機材料としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等のアセテート系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂;ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリノルボルネン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の赤外線吸収材料は、赤外線遮蔽性に優れているので、赤外線遮蔽フィルタとして、例えばプラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置、液晶表示装置等の表示装置などに好適に用いられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
−銀粒子の作製−
表1−1及び表1−2に示すように、50mMの硝酸銀(関東化学株式会社製)のエチレングリコール溶液15mLに、250mMのポリビニルピロリドン(PVP)(K30、質量平均分子量40,000)のエチレングリコール溶液15mLを添加した。この反応液をホットスターラーで、130℃にて1時間加熱して攪拌したところ、反応液の色が無色から青色に変化した。この反応液を冷却した後、水で5倍希釈し、遠心分離(10,500rpm×30分)により精製することにより、平板状銀粒子分散液を作製した。
得られた平板状銀粒子分散液を透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、1200EX)観察用のグリッドに載せ、乾燥させた後にTEM観察を行ったところ、図5に示す、主に平板状の三角形及び六角形の銀粒子が確認された。また、TEM観察の結果、観察された銀粒子200個のうち、50%以上が平板状銀粒子であった。
(実施例2)
−銀粒子の作製−
実施例1において、PVP濃度を250mMから600mMに変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の平板状銀粒子分散液を作製した。
得られた平板状銀粒子分散液を実施例1と同様にしてTEM観察を行ったところ、図6に示す、主に平板状の三角形及び六角形の銀粒子が確認された。また、TEM観察の結果、観察された銀粒子200個のうち、50%以上が平板状銀粒子であった。
(実施例3)
−銀粒子の作製−
実施例1において、PVP濃度を250mMから800mMに変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の平板状銀粒子分散液を作製した。
得られた平板状銀粒子分散液を実施例1と同様にしてTEM観察を行ったところ、図7に示す、主に平板状の三角形及び六角形の銀粒子が確認された。また、TEM観察の結果、観察された銀粒子200個のうち、50%以上が平板状銀粒子であった。
(実施例4)
−銀粒子の作製−
実施例1において、PVP濃度を250mMから25mMに変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例4の銀粒子分散液を作製した。
得られた銀粒子分散液を実施例1と同様にしてTEM観察を行ったところ、図3に示す、主に球状の銀粒子が確認された。また、TEM観察の結果、観察された銀粒子200個のうち、5%が平板状銀粒子であった。
(実施例5)
−銀粒子の作製−
実施例1において、PVP濃度を250mMから50mMに変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例5の銀粒子分散液を作製した。
得られた銀粒子分散液を実施例1と同様にしてTEM観察を行ったところ、図4に示す、主に球状の銀粒子が確認された。また、TEM観察の結果、観察された銀粒子200個のうち、10%が平板状銀粒子であった。
(実施例6)
−銀粒子の作製−
実施例1において、PVP濃度を250mMから100mMに変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例6の銀粒子分散液を作製した。
得られた銀粒子分散液を実施例1と同様にしてTEM観察を行ったところ、主に球状の銀粒子が確認された。また、TEM観察の結果、観察された銀粒子200個のうち、18%が平板状銀粒子であった。
(実施例7)
−銀粒子の作製−
実施例1において、PVP濃度を250mMから200mMに変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例7の平板状銀粒子分散液を作製した。
得られた平板状銀粒子分散液を実施例1と同様にしてTEM観察を行ったところ、主に平板状の三角形及び六角形の銀粒子が確認された。また、TEM観察の結果、観察された銀粒子200個のうち、32%が平板状銀粒子であった。
(実施例8)
−銀粒子の作製−
実施例1において、PVP濃度を250mMから1000mMに変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例8の平板状銀粒子分散液を作製した。
得られた平板状銀粒子分散液を実施例1と同様にしてTEM観察を行ったところ、主に平板状の三角形及び六角形の銀粒子が確認された。また、TEM観察の結果、観察された銀粒子200個のうち、50%以上が平板状銀粒子であった。
(実施例9)
−銀粒子の作製−
実施例1において、ポリビニルピロリドン(PVP)(K30、質量平均分子量40,000)250mMを、1−ビニル−2−ピロリドン600mMに変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例9の銀粒子を作製した。
得られた銀粒子分散液を実施例1と同様にしてTEM観察を行ったところ、主に球状の銀粒子が確認された。また、TEM観察の結果、観察された銀粒子200個のうち、4%が平板状銀粒子であった。
(実施例10)
−銀粒子の作製−
実施例1において、ポリビニルピロリドン(PVP)(K30、質量平均分子量40,000)を、PVP(質量平均分子量=10,000、K15)に変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例10の平板状銀粒子分散液を作製した。
得られた平板状銀粒子分散液を実施例1と同様にしてTEM観察を行ったところ、主に平板状の三角形及び六角形の銀粒子が確認された。また、TEM観察の結果、観察された銀粒子200個のうち、50%以上が平板状銀粒子であった。
(実施例11)
−銀粒子の作製−
実施例1において、ポリビニルピロリドン(PVP)(K30、質量平均分子量40,000)を、ポリビニルピロリドン(PVP)(質量平均分子量=360,000、K90)に変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例11の平板状銀粒子分散液を作製した。
得られた平板状銀粒子分散液を実施例1と同様にしてTEM観察を行ったところ、主に平板状の三角形及び六角形の銀粒子が確認された。また、TEM観察の結果、観察された銀粒子200個のうち、50%以上が平板状銀粒子であった。
(実施例12)
−銀粒子の作製−
実施例1において、反応温度を130℃から40℃に変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例12の銀粒子分散液を作製した。
得られた銀粒子分散液を実施例1と同様にしてTEM観察を行ったところ、主に球状の銀粒子が確認された。また、TEM観察の結果、観察された銀粒子200個のうち、2%が平板状銀粒子であった。
(実施例13)
−銀粒子の作製−
実施例1において、反応温度を130℃から185℃に変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例13の平板状銀粒子分散液を作製した。
得られた平板状銀粒子分散液を実施例1と同様にしてTEM観察を行ったところ、主に平板状の三角形及び六角形の銀粒子が確認された。また、TEM観察の結果、観察された銀粒子200個のうち、50%以上が平板状銀粒子であった。
(実施例14)
−銀粒子の作製−
実施例1において、ポリオール化合物としてのエチレングリコールを、ジエチレングリコールに変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例14の平板状銀粒子分散液を作製した。
得られた平板状銀粒子分散液を実施例1と同様にしてTEM観察を行ったところ、主に平板状の三角形及び六角形の銀粒子が確認された。また、TEM観察の結果、観察された銀粒子200個のうち、50%以上が平板状銀粒子であった。
(実施例15)
−銀粒子の作製−
実施例1において、ポリオール化合物としてのエチレングリコールを、トリエチレングリコールに変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例15の平板状銀粒子分散液を作製した。
得られた平板状銀粒子分散液を実施例1と同様にしてTEM観察を行ったところ、主に平板状の三角形及び六角形の銀粒子が確認された。また、TEM観察の結果、観察された銀粒子200個のうち、50%以上が平板状銀粒子であった。
(実施例16)
−金粒子の作製−
実施例1において、金属化合物としての硝酸銀を、塩化金酸に変え、PVP濃度を250mMから200mMに変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例16の平板状金粒子分散液を作製した。
得られた平板状金粒子分散液を実施例1と同様にしてTEM観察を行ったところ、主に平板状の三角形及び六角形の金粒子が確認された。また、TEM観察の結果、観察された銀粒子200個のうち、38%が平板状金粒子であった。
(実施例17)
−金粒子の作製−
実施例1において、金属化合物を硝酸銀から塩化金酸に変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例17の平板状金粒子分散液を作製した。
得られた平板状金粒子分散液を実施例1と同様にしてTEM観察を行ったところ、主に平板状の三角形及び六角形の金粒子が確認された。また、TEM観察の結果、観察された銀粒子200個のうち、50%以上が平板状金粒子であった。
(実施例18)
−金粒子の作製−
実施例1において、金属化合物を硝酸銀から塩化金酸に変え、PVP濃度を250mMから600mMに変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例18の平板状金粒子分散液を作製した。
得られた平板状金粒子分散液を実施例1と同様にしてTEM観察を行ったところ、主に平板状の三角形及び六角形の金粒子が確認された。また、TEM観察の結果、観察された金粒子200個のうち、50%以上が平板状金粒子であった。
(実施例19)
−白金粒子の作製−
実施例1において、金属化合物としての硝酸銀を、塩化白金酸に変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例19の平板状白金粒子分散液を作製した。
得られた平板状金粒子分散液を実施例1と同様にしてTEM観察を行ったところ、主に平板状の三角形及び六角形の金粒子が確認された。また、TEM観察の結果、観察された金粒子200個のうち、50%以上が平板状金粒子であった。
(実施例20)
−パラジウム粒子の作製−
実施例1において、金属化合物としての硝酸銀を、塩化パラジウムに変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例20の平板状パラジウム粒子分散液を作製した。
得られた平板状パラジウム粒子分散液を実施例1と同様にしてTEM観察を行ったところ、主に平板状の三角形及び六角形のパラジウム粒子が確認された。また、TEM観察の結果、観察された金粒子200個のうち、50%以上が平板状パラジウム粒子であった。
(実施例21)
−銀粒子の作製−
実施例1において、溶媒中のポリオール化合物としてのエチレングリコールの比率を30体積%(水70体積%)に変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例21の平板状銀粒子分散液を作製した。
得られた平板状銀粒子分散液を実施例1と同様にしてTEM観察を行ったところ、主に平板状の三角形及び六角形の銀粒子が確認された。また、TEM観察の結果、観察された金粒子200個のうち、32%が平板状銀粒子であった。
(実施例22)
−銀粒子の作製−
実施例1において、溶媒中のポリオール化合物としてのエチレングリコールの比率を15体積%(水85体積%)に変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例22の銀粒子分散液を作製した。
得られた銀粒子分散液を実施例1と同様にしてTEM観察を行ったところ、主に球状の銀粒子が確認された。また、TEM観察の結果、観察された銀粒子200個のうち、15%が平板状銀粒子であった。
(実施例23)
−銀粒子の作製−
実施例1において、溶媒中のポリオール化合物としてのエチレングリコールの比率を5体積%(水95体積%)に変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例23の銀粒子分散液を作製した。
得られた銀粒子分散液を実施例1と同様にしてTEM観察を行ったところ、主に球状の銀粒子が確認された。また、TEM観察の結果、観察された銀粒子200個のうち、11%が平板状銀粒子であった。
(比較例1)
−銀粒子の作製−
表1−1及び表1−2に示すように、Nano Lett .2, 903−905(2002)(非特許文献3)に記載の方法にしたがって、比較例1の平板状銀粒子分散液を作製した。
得られた平板状銀粒子分散液を実施例1と同様にしてTEM観察を行ったところ、主に平板状の三角形及び六角形の銀粒子が確認された。また、TEM観察の結果、観察された金粒子200個のうち、45%が平板状銀粒子であった。
(比較例2)
−銀粒子の作製−
表1−1及び表1−2に示すように、特開2007−138249号公報の実施例1に記載の方法にしたがって、比較例2の平板状銀粒子分散液を作製した。
得られた平板状銀粒子分散液を実施例1と同様にしてTEM観察を行ったところ、主に平板状の三角形及び六角形の銀粒子が確認された。また、TEM観察の結果、観察された金粒子200個のうち、42%が平板状銀粒子であった。
次に、実施例1〜5の各銀粒子分散液を水で10倍に希釈し、日本分光株式会社製の紫外・可視分光器V−560により分光スペクトルを測定した。結果を図2に示す。
図2の結果から、平均アスペクト比が1.5より大きく、また平板状銀粒子を50%以上含有する実施例1〜3は、主な生成物が平均アスペクト比の小さな球状銀粒子である実施例4〜5には見られない長波側の吸収が認められた。
また、得られた実施例1〜23及び比較例1〜2の各粒子について、以下のようにして、平均粒子径、平均アスペクト比、粒子形状、及び平板率を測定した。結果を表1−2に示す。
<平均粒子径、平均アスペクト比、及び粒子形状の測定>
得られた平板状金属粒子の分散液を、透過型電子顕微鏡観察用のグリッドに載せ、乾燥させた後に、TEM(日本電子株式会社製、1200EX)観察を行い、粒子形状の判別を行い、撮影したTEM写真を画像処理することにより各粒子の円相当直径(同一面積の円で表したときの直径)を求め、求めた円相当直径を粒子径aとした。
また、平板状金属粒子の分散液を、シリコンウェハ上に載せ、乾燥させた後に、原子間力顕微鏡(AFM;SII社製、Nanopics2000)で平板状金属粒子の厚みを計測し、TEM観察より得た粒子径をAFMで得た厚みで割った値の平均値を、平均アスペクト比とした。
<平板率>
TEM写真で観察された金属粒子を任意に200個選び出し、平板状金属粒子の数を算出することにより、平板率を求め、下記の基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:平板率が50%以上
○:平板率が30%以上50%未満
△:平板率が30%未満
*EG:エチレングリコール
*実施例9中、PVPの質量平均分子量は、1−ビニル−2−ピロリドンの分子量、モル比は1−ビニル−2−ピロリドン/AgNOを表す。
(実施例24)
<近赤外線吸収フィルタの作製>
−平板状銀粒子分散液の調製−
実施例2で得られた平板状銀粒子(平均アスペクト比(粒子径/厚み)=4.6)の1質量%分散液10.0gと、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、クラレ235)5質量%水溶液90.0gを攪拌することにより、平板状銀粒子が分散したポリビニルアルコール水溶液を調製した。
−フィルタ及び表示装置の作製−
次に、得られた平板状銀粒子分散溶液をガラス基板上に、塗布バーを用いて1mあたりの銀量が200mg±10mgとになるように塗布し、50℃にて30分間乾燥させ、赤外線遮蔽フィルタを作製した。
作製した赤外線遮蔽フィルタを液晶ディスプレイの液晶表示部の上に配置することにより、観察者と表示部との間の光路中に赤外線遮蔽フィルムを挿入し、以下のようにして赤外線遮蔽効果を評価した。
−評価−
上記のように赤外線遮蔽フィルタを配置する前の液晶ディスプレイからの発光スペクトルを、分光放射輝度計(SR−3、トプコン株式会社製)により測定した。続いて、赤外線遮蔽フィルタを液晶ディスプレイ(三星電子株式会社製、SyncMaster172X)の液晶表示部の前に配置した時の液晶ディスプレイからの発光スペクトルを、赤外線遮蔽フィルタを介して、前記と同様に測定した。
その結果、750nm付近のスペクトル吸収が認められ、赤外線遮蔽効果が得られると共に、赤外線遮蔽効果も得られた。また、実施例24の赤外線遮蔽フィルタは、可視光領域での透明性に優れると共に、耐熱性にも優れていた。
(実施例25)
実施例24において、実施例2で得られた平板状銀粒子(平均アスペクト比(粒子径/粒子厚み)=4.6)の1質量%分散液の代わりに、実施例4の銀粒子(平板率5%)を用いた以外は、実施例24と同様にして、赤外線遮蔽フィルタを作製した。
作製した赤外線遮蔽フィルタを用いて、実施例24と同様にして、赤外線遮蔽効果を評価したところ、420nm付近に主吸収があるため、赤外線遮蔽効果はやや低かった。
本発明の平板状金属粒子を含有する平板状金属粒子含有組成物は、例えば赤外線吸収材料、光学フィルタ、配線材料、電極材料、触媒、着色剤、インクジェット用インク、カラーフィルタ用色材、フィルタ、化粧料、偽造防止用インク、電磁波遮蔽膜、表面増強蛍光センサ、表面増強ラマン散乱センサ、生体用マーカー、記録材料、ドラッグデリバリー用薬物担体、バイオセンサ、DNAチップ、検査薬などの種々の用途に用いることができる。
本発明の赤外線吸収材料は、赤外線遮蔽性に優れているので、例えば赤外線遮蔽フィルタとして、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置、液晶表示装置等の表示装置などに好適に用いられる。
図1は、平板状金属粒子の定義を説明するための説明図である。 図2は、実施例1〜5の各銀粒子分散液の分光スペクトルを示すグラフである。 図3は、実施例4の金属粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。 図4は、実施例5の金属粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。 図5は、実施例1の金属粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。 図6は、実施例2の金属粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。 図7は、実施例3の金属粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。

Claims (10)

  1. ポリオール化合物を含む溶媒中に金属化合物及びピロリドン化合物を添加した反応液を、40℃以上該溶媒の沸点以下の温度で加熱することにより、平板状金属粒子を製造することを特徴とする平板状金属粒子の製造方法。
  2. 溶媒中にポリオール化合物を30体積%以上含む請求項1に記載の平板状金属粒子の製造方法。
  3. ポリオール化合物が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、及びポリエチレングリコールから選択される少なくとも1種を含有する請求項1から2のいずれかに記載の平板状金属粒子の製造方法。
  4. 金属化合物における金属が、銀、金、白金、パラジウム、銅、ニッケル、及びコバルトから選択される少なくとも1種を含有する請求項1から3のいずれかに記載の平板状金属粒子の製造方法。
  5. ピロリドン化合物がポリビニルピロリドンであり、該ポリビニルピロリドンが、ピロリドンユニットの繰り返し単位が85以上である請求項1から4のいずれかに記載の平板状金属粒子の製造方法。
  6. ピロリドン化合物と、金属化合物とのモル比(ピロリドン化合物/金属化合物)が4以上である請求項1から5のいずれかに記載の平板状金属粒子の製造方法。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の平板状金属粒子の製造方法により製造されたことを特徴とする平板状金属粒子。
  8. 粒子径が10nm〜1,000nmであり、かつ平均アスペクト比(粒子径/粒子厚み)が1.1以上である請求項7に記載の平板状金属粒子。
  9. 請求項7から8のいずれかに記載の平均アスペクト比が1.1〜20.0の平板状金属粒子を個数平均で30%以上含有することを特徴とする平板状金属粒子含有組成物。
  10. 請求項9に記載の平板状金属粒子含有組成物からなる赤外線吸収層を少なくとも有することを特徴とする赤外線吸収材料。
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