JP2016221944A - 熱線遮蔽フィルム、熱線遮蔽ガラス - Google Patents

熱線遮蔽フィルム、熱線遮蔽ガラス Download PDF

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Abstract

【課題】光の吸収波長の選択性が制御され、太陽光に含まれる熱線成分を幅広く遮蔽する日射遮蔽材料としての十分な特性を有する熱線遮蔽フィルム、熱線遮蔽ガラスを提供する。
【解決手段】透明フィルム基材または透明ガラス基材から選択される透明基材の少なくとも一方の面に、熱線遮蔽微粒子を含むバインダー樹脂がコーティング層として設けられた、熱線遮蔽フィルムまたは熱線遮蔽ガラスであって、前記熱線遮蔽微粒子は、ディスク形状およびまたはロッド形状を持つ金属微粒子の集合体であり、前記金属微粒子の形状を楕円体で近似し、その互いに直交する半軸長をそれぞれa、b、c(ただし、a≧b≧cとする。)としたとき、前記金属微粒子のアスペクト比a/cの値の平均値、標準偏差、分布、等が所定範囲にあり、前記金属が、銀または銀合金であることを特徴とする、熱線遮蔽フィルムまたは熱線遮蔽ガラスを提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、可視光透過性が良好で、且つ近赤外光を吸収する熱線遮蔽フィルム、熱線遮蔽ガラスに関する。
良好な可視光透過率を有し透明性を保ちながら、熱線(近赤外線)を吸収する熱線遮蔽技術として、さまざまな技術が提案されてきた。例えば、導電性微粒子の分散体を用いた熱線遮蔽技術は、その他の技術と比較して熱線遮蔽特性に優れ、低コストであり電波透過性があり、さらに耐候性が高い等のメリットがある。
例えば、特許文献1には、酸化錫微粉末を分散状態で含有させた透明樹脂をシートやフィルムに成形し、透明樹脂基材に積層してなる赤外線吸収性合成樹脂成形品が提案されている。
一方、特許文献2には、Sn、Ti、Si、Zn、等の金属、当該金属の酸化物、当該金属の窒化物、当該金属の硫化物、当該金属へのSbやFのドープ物、または、これらの混合物を分散させた中間層を、少なくとも2枚の対向する板ガラスの間に挟み込んだ、合わせガラスが提案されている。
また、特許文献3には、誘電率実部が負である微粒子を分散して含有する赤外線遮蔽フィルタが提案されている。そして、実施例として棒状、平板状の銀微粒子を分散して含有する赤外線遮蔽フィルタが開示されている。
さらに、特許文献4には、金属微粒子が分散されてなる、可視光領域の分光吸収スペクトルの最大値が、近赤外光領域の分光吸収スペクトルの最大値に対して十分に小さい金属微粒子分散物が提案されている。
特開平2−136230号公報 特開平8−259279号公報 特開2007−108536号公報 特開2007−178915号公報
しかし、本発明者らの検討によれば、特許文献1、2に提案されている赤外線吸収性合成樹脂成形品等の熱線遮蔽構造体は、いずれも高い可視光透過率が求められたときの熱線遮蔽性能が十分でないという問題点が存在した。
一方、特許文献3、4に提案されている赤外線遮蔽フィルタや金属微粒子分散物は、日射遮蔽材料として用いた場合には課題があることが判明した。
具体的には、特許文献3、4に記載の赤外線遮蔽フィルタや金属微粒子分散物によって吸収される光の波長は、赤外線の波長範囲のうちでも、おおよそ波長900nmよりも短波長側のみに留まり、おおよそ波長900nmよりも長波長側の光を吸収する能力をほとんど持たないことである。すなわち特許文献3、4で実施されている赤外線遮蔽フィルタや金属微粒子分散物を日射遮蔽材料として用いた場合、太陽光に含まれる波長780〜2500nmの赤外線のうちごく一部しかカットできない。この結果、日射遮蔽材料としては、性能が十分でないという課題が存在した。
特許文献3、4の明細書中の記載によれば、当該技術は日射遮蔽目的ではなく、プラズマディスプレイ用の近赤外線カットフィルタを用途としている。そして、プラズマディスプレイ用の近赤外線カットフィルタとは、プラズマディスプレイ装置において、リモコン装置の誤動作防止などを目的として、ディスプレイから放出される近赤外線を選択的にカットするフィルタであり、ディスプレイ装置の前面に設置されるものである。
一方、プラズマディスプレイ装置から放出される近赤外線は、プラズマディスプレイ装置の機構に伴うキセノン原子の励起に起因するものであり、そのピーク波長は700〜900nmにある。従って、特許文献3および4においては、波長700〜900nmの近赤外線に対して吸収を持つ銀微粒子であれば、当該特許文献の目的を満足するものであることによると考えられる。
本発明は上述の状況の下で為されたものであり、その解決しようとする課題は、光の吸収波長の選択性が制御され、太陽光に含まれる熱線成分を幅広く遮蔽する日射遮蔽材料としての十分な特性を有する熱線遮蔽フィルム、熱線遮蔽ガラスを提供することである。
上述の課題を解決する為、本発明者らは研究をおこなった。そして、
金属微粒子の集合体に含有される金属微粒子がディスク状あるいはロッド状であり、当該粒子形状を楕円体で近似し、その互いに直交する半軸長をそれぞれa、b、c(ただし、a≧b≧cとする。)としたとき、前記集合体に含有される金属微粒子のアスペクト比a/cの統計値が所定範囲内にあるとき、日射透過率を担保しながら、太陽光の持つ波長780〜2500nmの近赤外光のうち広い範囲を遮蔽できることを知見した。そして、透明フィルム基材または透明ガラス基材から選択される透明基材の少なくとも一方の面に、熱線遮蔽微粒子の集合体を含むバインダー樹脂がコーティング層として設けられた、熱線遮蔽フィルム、熱線遮蔽ガラスにおいて、当該金属微粒子を熱線遮蔽微粒子として含有させることに想到して、本発明を完成したものである。
即ち、上述の課題を解決する第1の発明は、
透明フィルム基材または透明ガラス基材から選択される透明基材の少なくとも一方の面に、熱線遮蔽微粒子を含むバインダー樹脂がコーティング層として設けられた、熱線遮蔽フィルムまたは熱線遮蔽ガラスであって、
前記熱線遮蔽微粒子は、ディスク状を有する金属微粒子の集合体であり、
前記金属微粒子の形状を楕円体で近似し、その互いに直交する半軸長をそれぞれa、b、c(ただし、a≧b≧cとする。)としたとき、
前記金属微粒子のアスペクト比a/cにおいて、a/cの平均値が9.0以上40.0以下であり、a/cの標準偏差が3.0以上であり、
a/cの値が、少なくとも10.0から30.0の範囲において連続する分布を持ち、
前記集合体において、a/cの値が1.0以上9.0未満である金属微粒子の個数割合が、10%以下であり、
前記金属が、銀または銀合金である、ことを特徴とする熱線遮蔽フィルムまたは熱線遮蔽ガラスである。
第2の発明は、
透明フィルム基材または透明ガラス基材から選択される透明基材の少なくとも一方の面に、熱線遮蔽微粒子を含むバインダー樹脂がコーティング層として設けられた、熱線遮蔽フィルムまたは熱線遮蔽ガラスであって、
前記熱線遮蔽微粒子は、ロッド状を有する金属微粒子の集合体であり、
前記金属微粒子の形状を楕円体で近似し、その互いに直交する半軸長をそれぞれa、b、c(ただし、a≧b≧cとする。)としたとき、
前記金属微粒子のアスペクト比a/cにおいて、a/cの平均値が4.0以上10.0以下であり、a/cの標準偏差が1.0以上であり、
a/cの値が、少なくとも5.0から8.0の範囲において連続する分布を持ち、
前記集合体において、a/cの値が1.0以上4.0未満である金属微粒子の個数割合が10%以下であり、
前記金属が、銀または銀合金である、ことを特徴とする、熱線遮蔽フィルムまたは熱線遮蔽ガラスである。
第3の発明は、
透明フィルム基材または透明ガラス基材から選択される透明基材の少なくとも一方の面に、熱線遮蔽微粒子を含むバインダー樹脂がコーティング層として設けられた、熱線遮蔽フィルムまたは熱線遮蔽ガラスであって、
前記熱線遮蔽微粒子は、第1の発明に記載のディスク状を有する金属微粒子の集合体と、第2の発明に記載のロッド状を有する金属微粒子の集合体とから構成されている、ことを特徴とする、熱線遮蔽フィルムまたは熱線遮蔽ガラスである。
第4の発明は、
前記銀合金が、白金、ルテニウム、金、パラジウム、イリジウム、銅、ニッケル、レニウム、オスニウム、ロジウムから選択される1種類以上の金属と、銀との合金である、ことを特徴とする熱線遮蔽フィルムまたは熱線遮蔽ガラスである。
第5の発明は、
前記金属微粒子の平均分散粒子径が1nm以上100nm以下である、ことを特徴とする熱線遮蔽フィルムまたは熱線遮蔽ガラスである。
第6の発明は、
前記バインダー樹脂がUV硬化性樹脂バインダーである、ことを特徴とする熱線遮蔽フィルムまたは熱線遮蔽ガラスである。
第7の発明は、
前記コーティング層の厚さが10μm以下である、ことを特徴とする熱線遮蔽フィルムまたは熱線遮蔽ガラスである。
第8の発明は、
前記コーティング層に含まれる前記熱線遮蔽微粒子の単位投影面積あたりの含有量が0.01g/m以上0.5g/m以下である、ことを特徴とする熱線遮蔽フィルムまたは熱線遮蔽ガラスである。
第9の発明は、
前記透明フィルム基材がポリエステルフィルムである、ことを特徴とする熱線遮蔽フィルムである。
本発明に係る熱線遮蔽フィルム、熱線遮蔽ガラスは、熱線遮蔽微粒子として銀微粒子または銀合金微粒子を用いながら、太陽光に含まれる熱線成分を幅広く遮蔽する熱線遮蔽フィルム、熱線遮蔽ガラスとしての十分な特性を有し、優れた日射遮蔽材料である。
以下、本発明の実施の形態について、[1]金属微粒子による光の吸収、[2]銀微粒子の形状と近赤外光の吸収、[3]金属微粒子の形状制御、[4]金属微粒子の構成、[5]金属微粒子の集合体におけるアスペクト比、[6]金属微粒子の集合体の製造方法、[7]金属微粒子分散液とその製造方法、[8]金属微粒子分散体とその製造方法、[9]シート状またはフィルム状の金属微粒子分散体とその製造方法、[10]金属微粒子分散体合わせ透明基材とその製造方法、[11]赤外線吸収フィルムおよび赤外線吸収ガラスとその製造方法、の順で説明する。
[1]金属微粒子による光の吸収
金属微粒子はその誘電特性に起因する光吸収を持つ。可視〜近赤外波長での吸収に限定して述べれば、具体的には、その電子構造に起因するバンド間遷移によるものと、プラズモン共鳴と呼ばれる、自由電子が光の電場と共鳴する機構によるものがある。
バンド間遷移は金属組成が決まるとその吸収波長がほぼ決まるのに対して、プラズモン共鳴吸収は金属微粒子の大きさや形状に依存して変化するため波長調整を行ないやすく、従って工業的利用対象となり得る。金属微粒子に電磁波が照射される時、この粒子径がおおむね100nm以下であるときには、局在表面プラズモン共鳴と呼ばれる強力な光吸収が発現することが知られている。金属微粒子が銀微粒子もしくは銀合金微粒子である場合、金属微粒子の粒子径がおおむね40nm以下になると、光の散乱が小さくなる一方で、局在表面プラズモン共鳴による光の吸収は強力になり、その吸収ピークは可視光の短波長側、おおよそ波長400〜450nmに位置する。
そして、金属微粒子のサイズが変化するとプラズモン共鳴波長は変化し、また共鳴の大きさも変化する。
[2]金属微粒子の形状と近赤外光の吸収
金属微粒子が球状からはずれて細長いロッド状や扁平なディスク状となるとき、プラズモン共鳴による吸収波長位置は移動したり、2つに分離したりする。例えば扁平なディスク状粒子においてアスペクト比[長軸長]/[短軸長]の値が大きくなるにつれて、局在表面プラズモン共鳴波長は2つに分離しながら主要部は長波長側へ移動する。
より具体的には、おおよそ波長400〜450nmにあった局在表面プラズモン共鳴による光の吸収が、短波長側と長波長側との2つのピークに分離する。
短波長側へ分離した吸収は、ディスク状微粒子の短軸方向への共鳴に対応し、おおよそ波長350〜400nm前後の紫外光〜可視光短波長の領域へと移動する。
他方、長波長側へ分離した吸収は、ディスク状微粒子の長軸方向への共鳴に対応し、アスペクト比が大きくなるにつれて波長400〜780nmの可視光領域へと吸収が移動する。そして、アスペクト比がより大きくなると吸収ピークは、波長780nmより長い波長を持つ近赤外光領域へと移動する。この結果、金属微粒子のアスペクト比がおおむね9.0以上のとき、長軸方向への共鳴に対応する吸収ピークは、波長780nm以降の近赤外光領域へ移動する。
一方、細長いロッド状粒子においても、アスペクト比[長軸長]/[短軸長]の値が大きくなるにつれて、局在表面プラズモン共鳴波長は2つに分離しながら主要部は長波長側へ移動する。
具体的には、ロッド状粒子の場合、金属微粒子のアスペクト比がおおむね4.0以上のとき、長軸方向への共鳴に対応する吸収ピークは、波長780nm以降の近赤外光領域へ移動する。
[3]金属微粒子の形状制御
上述した、単一形状の金属微粒子が持つ吸収は、光の波長に対して選択性が非常に高く、鋭く狭い吸収ピークを有する。従って、太陽光の持つ波長780〜2500nmのスペクトルを広い範囲にわたって効率よくカットし、可視光透過率を保ちつつ日射透過率を下げようとする日射遮蔽用途には不適であった。
上述の認識の下、本発明者らは、共鳴波長や共鳴吸収を大きく変化させることのできる粒子形状の変化に着目し、鋭意研究検討を行った。その結果、金属微粒子の集合体において、各々の金属微粒子が有するアスペクト比の値をばらつかせて、当該金属微粒子の集合体中へ、金属微粒子の一定以上の連続するアスペクト比の広がりを導入することにより、太陽光の持つ波長780〜2500nmの近赤外光において、広い範囲を滑らかに遮蔽でき、日射透過率を下げるという、画期的な構成に想到した。
なお、本発明において「集合体」とは、各々の形態を持つ1つ1つの微粒子が同一空間内に多数存在するもの、および、その状態を指す概念として用いている。一方、本発明において、複数の微粒子同士が凝集体を形成しているもの、および、その状態を指す概念としては用いていない。
[4]金属微粒子の構成
本発明に係る金属微粒子は、近赤外領域においてプラズモン吸収による光の吸収を発現するものである。ここで、金属は銀または銀合金であることが好ましい。
また、本発明に係る金属微粒子は、結晶としての完全性が高いほど大きい熱線遮蔽効果が得られる。尤も、結晶性が低くX線回折でブロードな回折ピークを生じるようなものであっても、微粒子内部において十分な自由電子が存在し、電子の挙動が金属的であるならば、局在表面プラズモン共鳴による熱線遮蔽効果を発現するため、本発明において適用することが可能である。
また上述したように、銀微粒子は、本発明に係る金属微粒子として好ましい。しかし銀微粒子の集合体や分散体が、酸素、窒素酸化物、硫黄酸化物などの存在下であって、高温環境下や、長期間晒される場合、銀微粒子の表面に酸化物、窒化物、硫化物などの皮膜が形成され、光学特性を損なうことがある。かかる劣化を防止、あるいは軽減するため、本発明にかかる金属微粒子を、銀と他金属元素との銀合金微粒子とし、金属微粒子の耐候性を向上させることも好ましい構成である。
上述した銀合金中における他金属元素としては、白金、ルテニウム、金、パラジウム、イリジウム、銅、ニッケル、レニウム、オスニウム、ロジウムから選択される1種類以上の元素であることが、銀の耐候性を向上する効果の面から好ましい。
尚、本発明において「銀合金」とは、銀と、銀以外の一種類以上の金属元素との合金を意味する。尤も、「銀合金」とは、質量割合、モル割合および/または体積割合において、銀の含有比率が、銀以外の金属の含有比率を上回っていることを必ずしも意味しない。すなわち、全組成中において、質量割合、モル割合および/または体積割合における銀以外の金属の割合が、銀の割合を上回っているとしても、その組成中に銀が含有されている限り、本明細書においては「銀合金」とする。従って、選択される1種類以上の元素の割合は、銀合金微粒子の用途、作業条件等に応じて適宜決定すれば良いが、概ね、1モル%以上70モル%以下含めれば良い。
[5]金属微粒子の集合体におけるアスペクト比
本発明に係る金属微粒子の集合体は、所定の範囲の粒子形状を有する金属微粒子の集合体で構成されている。
尚、後述する金属微粒子の製造方法、および、金属微粒子分散体の製造方法で説明するように、金属微粒子の集合体に含有される金属微粒子の特徴は、金属微粒子分散体中の金属微粒子の特徴や、金属微粒子分散液中の金属微粒子の特徴と一致するものである。
具体的には、まず、微粒子の形状がディスク状である場合は、金属微粒子の集合体であって、前記集合体に含有される金属微粒子の粒子形状を楕円体で近似し、その互いに直交する半軸長をそれぞれa、b、c(ただし、a≧b≧cとする。)としたとき、前記集合体に含有される金属微粒子のアスペクト比a/cの統計値において、a/cの平均値が9.0以上40.0以下であり、a/cの標準偏差が3.0以上であり、アスペクト比a/cの値が、少なくとも10.0から30.0の範囲において連続的な分布を持ち、当該アスペクト比a/cの値が1.0以上9.0未満である金属微粒子の個数割合が、前記集合体において10%を超えず、前記金属が銀もしくは銀合金から選ばれる1種類以上である金属微粒子の集合体を用いることで、可視光の透明性に優れ、太陽光の持つ波長780〜2500nmの近赤外光のうち広い範囲を遮蔽する、良好な日射遮蔽特性を発揮する。
一方、微粒子の形状がロッド状である場合は、金属微粒子の集合体であって、前記集合体に含有される金属微粒子の粒子形状を楕円体で近似し、その互いに直交する半軸長をそれぞれa、b、c(ただし、a≧b≧cとする。)としたとき、前記集合体に含有される金属微粒子のアスペクト比a/cの統計値において、a/cの平均値が4.0以上10.0以下であり、a/cの標準偏差が1.0以上であり、アスペクト比a/cの値が、少なくとも5.0から8.0の範囲において連続的な分布を持ち、当該アスペクト比a/cの値が1.0以上4.0未満である金属微粒子の個数割合が、前記集合体において10%を超えず、前記金属が銀もしくは銀合金から選ばれる1種類以上である金属微粒子の集合体を用いることで、可視光の透明性に優れ、太陽光の持つ波長780〜2500nmの近赤外光のうち広い範囲を遮蔽する、良好な日射遮蔽特性を発揮する。
尚、本発明に係る金属微粒子のアスペクト比は、TEMトモグラフィー法によって得られる3次元画像によって個々の金属微粒子を識別し、3次元画像の長さスケールと粒子の具体的な形状を比較することで、個々の金属微粒子についてアスペクト比を算出することで求められる。
具体的には、当該3次元画像から100個以上、好ましくは200個以上の金属微粒子を識別する。識別された個々の金属微粒子について、粒子形状を楕円体で近似し、その互いに直交する半軸長をそれぞれa、b、cとする(ただし、a≧b≧cとする)。そして最長軸の半軸長aと最短軸の半軸長cを用いて、アスペクト比a/cを算出することで求められる。
また、前記ディスク状の形状を持つ金属微粒子の集合体と、前記ロッド状の形状を持つ金属微粒子の集合体とが混在してなる金属微粒子の集合体も可視光の透明性に優れ、太陽光の持つ波長780〜2500nmの近赤外光のうち広い範囲を遮蔽する、良好な日射遮蔽特性を発揮する。
ディスク状の金属微粒子の集合体とロッド状の金属微粒子の集合体とが混在してなる場合、本発明に係る金属微粒子のアスペクト比の統計値は、TEMトモグラフィー法によって得られる3次元画像によって個々の金属微粒子の形状をディスク状とロッド状に判別し、ディスク状と判別された微粒子群と、ロッド状と判別された微粒子群について、各々で統計を取ることで、アスペクト比の統計値を正確に評価することができる。
具体的には、識別された個々の金属微粒子について、粒子形状を楕円体で近似し、その互いに直交する半軸長をそれぞれa、b、cとする(ただし、a≧b≧cとする)。そして、長軸長aと短軸長cの平均値が中軸長bよりも小さい数値である場合、すなわち(a+c)/2<bが成立する場合、当該微粒子はディスク状と判別する。一方、長軸長aと短軸長cの平均値が中軸長bよりも大きい数値である場合、すなわち(a+c)/2>bが成立する場合、当該微粒子はロッド状と判別する。
そして、ディスク状と判別された粒子群におけるアスペクト比a/cの統計値において、a/cの平均値が9.0以上40.0以下であり、a/cの標準偏差が3.0以上であり、アスペクト比a/cの値が、少なくとも10.0から30.0の範囲において連続的な分布を持ち、当該アスペクト比a/cの値が1.0以上9.0未満である金属微粒子の個数割合が、前記集合体において10%を超えなければ、可視光の透明性に優れ、太陽光の持つ波長780〜2500nmの近赤外光のうち広い範囲を遮蔽する、良好な日射遮蔽特性を発揮する。
一方、ロッド状と判別された粒子群におけるアスペクト比a/cの統計値において、a/cの平均値が4.0以上10.0以下であり、a/cの標準偏差が1.0以上であり、アスペクト比a/cの値が、少なくとも5.0から8.0の範囲において連続的な分布を持ち、当該アスペクト比a/cの値が1.0以上4.0未満である金属微粒子の個数割合が、前記集合体において10%を超えず、前記金属が銀もしくは銀合金から選ばれる1種類以上である金属微粒子の集合体を用いることで、可視光の透明性に優れ、太陽光の持つ波長780〜2500nmの近赤外光のうち広い範囲を遮蔽する、良好な日射遮蔽特性を発揮する。
[6]金属微粒子の集合体の製造方法
本発明に係る金属微粒子の集合体の製造方法例について説明する。
尚、本発明に係る金属微粒子の集合体の製造方法は、当該製造方法例に限定される訳ではなく、本発明に係る金属微粒子の集合体を構成する微粒子の形状的特徴や存在割合を実施出来る方法であれば、適用できる。
まず、おおむね8〜40nmの範囲に平均粒子径を持つ、公知の球状金属微粒子を準備する。このとき、初期の(即ち、形状が球状である時点での、)粒径が小さい微粒子を用いる程、後述する処理を経た後に、アスペクト比の小さい金属粒子となる。
一方、初期の粒径が大きい微粒子を用いる程、後述する処理を経た後に、アスペクト比の大きい粒子となる。
従って、本発明にかかる微粒子の集合体を製造するための、初期の金属微粒子の集合体において、当該集合体に含まれる金属微粒子の粒径を適切に選択することにより、上述した本発明に係るアスペクト比の構成を有する金属微粒子の集合体を製造することができる。
上述した初期の金属微粒子の集合体における、当該集合体に含まれる金属微粒子の粒径の選択は、公知の方法によって適切な粒径分布を持つ球状の金属微粒子集合体を合成し、これを使用してもよい。また、公知の方法によってある粒径分布を持つ球状の金属微粒子集合体を合成し、別の粒径分布を持つ球状の金属微粒子と混合することで、適切な粒径分布を持つ微粒子の集合体を準備してもよい。
[ディスク状である金属微粒子集合体の製造方法]
以下、適切な粒径分布を持つディスク状の金属微粒子集合体の製造方法の、好ましい1例について説明する。
上述した球状金属微粒子、分散メディア(本発明において、単に「ビーズ」と記載することがある。)、分散媒体(例えば、イソプロピルアルコール、エタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸n−ブチルなどの有機溶媒、または水を挙げることができる。)、および所望により適宜な分散剤(例えば、高分子系分散剤を挙げることができる。)とを、ミル(例えば、溶媒拡散ミルを挙げることができる。)へ装填し、ビーズミル分散を行う。
このとき、ミルの周速を通常の分散時よりも下げて運転(例えば、通常運転時の0.3〜0.5倍程度で運転する。)し、低いせん断力による湿式分散を行う。
当該低いせん断力による湿式粉砕により、集合体に含有される金属微粒子の粒子形状を楕円体で近似し、その互いに直交する半軸長をそれぞれa、b、c(ただし、a≧b≧cとする。)としたとき、前記集合体に含有される金属微粒子のアスペクト比a/cの統計値において、a/cの平均値が9.0以上40.0以下であり、a/cの標準偏差が3.0以上であり、アスペクト比a/cの値が、少なくとも10.0から30.0の範囲において連続する分布を持ち、当該アスペクト比a/cの値が1.0以上9.0未満である金属微粒子の個数割合が、前記集合体において10%を超えない金属微粒子の集合体を製造することができる。
上述の製造条件にて、本発明に係る金属微粒子の集合体が製造出来る理由は定かではない。尤も、分散状態及びビーズミルの周速を上述の通り選択することで、球状の金属微粒子へのビーズの衝突や、ベッセル内壁とビーズの間、あるいはビーズとビーズの間に金属微粒子が挟まれることで、球状の金属微粒子に対して適切な応力が掛かり、塑性変形によって金属微粒子の形状が、球状からディスク状へ変形するためではないかと、本発明者らは考えている。
また、上述したように、初期の(即ち、形状が球状である時点での、)、粒径が小さい金属微粒子ほど、湿式粉砕処理を経たあとにアスペクト比の小さい金属微粒子となる一方、初期の粒径が大きい金属微粒子ほど、湿式粉砕処理を経たあとにアスペクト比の大きい金属微粒子となる理由についても定かではない。尤も、本発明者らは上述の機構によって球状金属微粒子がディスク状へ変形するとき、塑性変形が生じた後の金属微粒子の厚みがほぼ一定になるためである、と推察している。即ち、同一の体積を持つ球状金属微粒子が、塑性変形のような体積がほぼ不変なままの変形処理により、ディスク状金属微粒子へ変形した場合を考えると、ディスク状金属微粒子の厚みが同一であれば、出発原料である球状金属微粒子の体積が大きい程、塑性変形後のディスク状金属微粒子の直径が大きくなることは必然である。
上述した粉砕メディアの材質は任意に選択可能であるが、十分な硬度と比重を持つ材質を選択することが好ましい。これは十分な硬度および/または比重を持たない材質を用いた場合、上述した分散処理の際に、ビーズの衝突等により金属微粒子に塑性変形を起こすことができないためである。
具体的には粉砕メディアとして、ジルコニアビーズ、イットリア添加ジルコニアビーズ、アルミナビーズ、窒化ケイ素ビーズなどが適している。
粉砕メディアの直径は任意に選択可能であるが、微細な粒径を持つビーズを用いることが好ましい。これは微細な粒径を持つビーズを用いることで、分散処理の際にビーズと金属微粒子との衝突頻度が上がり、球状金属微粒子をディスク状金属微粒子へ変形させ易いためである。
また、本発明にかかる球状金属微粒子は非常に微細なため、金属微粒子同士が凝集を起こしてしまうことがある。ここで、微細な粒径を持つビーズを用いることで、金属微粒子同士の凝集を効率よく解膠することができるためである。具体的には、0.3mm以下の粒径を持つビーズが好ましく、0.1mm以下の粒径を持つビーズがより好ましい。
以上、本発明に係るディスク形状を有する金属微粒子の集合体の製造方法について説明した。尤も、上述した製造方法は好ましい一例である。従って、光還元法、アミン還元法、二段階還元法といった、形状を制御可能な湿式法により製造された金属微粒子を用いたり、形状を制御できるプラズマトーチ法で製造された金属微粒子を用いることも出来る。いずれにせよ、最終的に、金属微粒子がディスク状あるいはロッド状であり、当該粒子形状を楕円体で近似し、その互いに直交する半軸長をそれぞれa、b、c(ただし、a≧b≧cとする。)としたとき、前記集合体に含有される金属微粒子のアスペクト比a/cの統計値が所定範囲内にある金属微粒子の集合体を製造することができる製造方法であれば、好適に用いることができる。
[ロッド形状である金属微粒子集合体の製造方法]
ロッド形状を有する金属微粒子の製造方法としては、いくつか公知の方法があるが、本発明に係るロッド形状を有する金属微粒子の集合体の製造に適した製造方法例について説明する。
例えば、金属微粒子を所定の基板表面上に担持させた後、誘電体媒質中に浸漬する。そして、当該金属微粒子のプラズマ振動を誘起する偏光を照射し、基板表面で金属微粒子をプラズマ振動励起に対応させて線状に結合させ、一方、基板にバイアス電圧を印加し、誘電体媒質中の金属イオンを析出伸張させることによって、所定の金属からなる微細ロッドを固体表面に形成する方法(例えば、特開2001−064794号公報参照。)を用いることができる。
また、適宜な添加剤を含む金属塩溶液を準備し、ナノ粒子の成長核の生成割合が低い還元剤を当該金属塩溶液に添加して金属塩を化学的に還元した後に、当該金属塩溶液へ紫外線を光照射し、当該光照射後は金属塩溶液を静置し、金属ナノロッドを成長させて棒状の金属ナノロッドを製造する方法を用いることもできる。
さらにディスク状である金属微粒子集合体の製造方法欄にて説明した、光還元法、アミン還元法、二段階還元法といった、形状を制御可能な湿式法によりロッド形状を有する金属微粒子を製造したり、形状を制御できるプラズマトーチ法により、ロッド形状を有する金属微粒子を製造することも出来る。
上述したいずれかの方法、または、それ以外の方法を採るにせよ、最終的に、金属微粒子がロッド状であり、当該粒子形状を楕円体で近似し、その互いに直交する半軸長をそれぞれa、b、c(ただし、a≧b≧cとする。)としたとき、前記集合体に含有される金属微粒子のアスペクト比a/cの統計値が所定範囲内にある金属微粒子の集合体を製造することができる製造方法であれば好適に用いることができる。
そして、前記の製造方法にて製造された、各種の所定のロッド形状を有する金属微粒子を適宜に配合して、本発明に係る金属微粒子の形状を楕円体で近似し、その互いに直交する半軸長をそれぞれa、b、c(ただし、a≧b≧cとする。)としたとき、前記金属微粒子のアスペクト比a/cにおいて、a/cの平均値が4.0以上10.0以下であり、a/cの標準偏差が1.0以上であり、a/cの値が、少なくとも5.0から8.0の範囲において連続する分布を持ち、前記集合体において、a/cの値が、1.0以上4.0未満である金属微粒子の個数割合が10%以下であり、前記金属が銀または銀合金である、本発明に係る金属微粒子集合体を得ることができる。
[ディスク形状および/またはロッド形状である金属微粒子集合体について]
本発明に係る金属微粒子の集合体に含有される微粒子の平均粒子径は、1nm以上100nm以下であることが好ましい。
当該平均粒子径が100nm以下であれば、後述する金属微粒子分散体を製造したとき、散乱により光を完全に遮蔽することが無く、可視光領域の視認性を担保し、同時に効率よく透明性を保持することができるからである。
また、当該平均粒子径が1nm以上あれば、当該金属微粒子の工業的生産は容易であるからである。
本発明に係る金属微粒子の集合体、および、金属微粒子分散液において、特に、可視光領域の透明性を重視する場合には、更に金属微粒子による散乱の低減を考慮することが好ましい。
当該金属微粒子による散乱の低減を考慮するのであれば、金属微粒子の平均粒子径は100nm以下がよい。この理由は、金属微粒子の分散粒子径が小さければ、幾何学散乱、または、ミー散乱による波長400nm〜780nmの可視光線領域における光の散乱が低減されるからである。当該光の散乱が低減される結果、後述する金属微粒子分散体が曇りガラスのようになって、鮮明な透明性が得られなくなるのを回避することが出来る。
これは、金属微粒子の平均粒子径が100nm以下になると、上記幾何学散乱若しくはミー散乱が低減し、レイリー散乱領域になるからである。当該レイリー散乱領域では、散乱光は粒子径の6乗に反比例して低減するため、金属微粒子の平均粒子径の減少に伴い散乱が低減し、透明性が向上する。更に、金属微粒子の平均粒子径が50nm以下になると、散乱光は非常に少なくなり好ましい。光の散乱を回避する観点からは、金属微粒子の平均粒子径が小さい方が好ましい。
また、金属微粒子の表面を、Si、Ti、Zr、Alのいずれか1種類以上の元素を含有する酸化物で被覆すれば、耐候性をより向上させることが出来、好ましい。
[7]金属微粒子分散液とその製造方法
本発明に係る銀微粒子や銀合金微粒子といった金属微粒子の集合体を、液状の媒体中に分散させることで、本発明に係る金属微粒子分散液を得ることが出来る。
当該金属微粒子分散液は、日射遮蔽用のインクとして用いることができ、後述する金属微粒子分散体、日射遮蔽用構造体へも好適に適用できるものである。
本発明に係る金属微粒子分散液は、液状の媒体へ、上述した金属微粒子の集合体および所望により適量の分散剤、カップリング剤、界面活性剤等を添加し、分散処理を行うことで得ることができる。
以下、本発明に係る金属微粒子分散液とその製造方法を、(1)媒体、(2)分散剤、カップリング剤、界面活性剤、(3)金属微粒子とその含有量、の順で説明する。なお、本発明において、金属微粒子分散液を、単に「分散液」と記載する場合がある。
(1)媒体
当該金属微粒子分散液の媒体には、金属微粒子分散液の分散性を保つための機能と、金属微粒子分散液を用いる際に欠陥を生じさせないための機能が要求される。
当該媒体としては水、有機溶媒、油脂、液状樹脂、液状のプラスチック用可塑剤、または、これらから選択される2種以上の混合物を選択し金属微粒子分散液を製造することができる。上記の要求を満たす有機溶媒としては、アルコール系、ケトン系、炭化水素系、グリコール系、水系など、種々のものを選択することが可能である。具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコールなどのアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン系溶剤;3−メチル−メトキシ−プロピオネートなどのエステル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテートなどのグリコール誘導体;フォルムアミド、N−メチルフォルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;エチレンクロライド、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類などを挙げることができる。これらの中でも極性の低い有機溶剤が好ましく、特に、イソプロピルアルコール、エタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸n−ブチルなどがより好ましい。これらの溶媒は1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
液状の樹脂としては、メタクリル酸メチル等が好ましい。液状のプラスチック用可塑剤としては、一価アルコールと有機酸エステルとの化合物である可塑剤や、多価アルコール有機酸エステル化合物等のエステル系である可塑剤、有機リン酸系可塑剤等のリン酸系である可塑剤などが好ましい例として挙げられる。なかでもトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサオネート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサオネートは、加水分解性が低い為、さらに好ましい。
(2)分散剤、カップリング剤、界面活性剤
分散剤、カップリング剤、界面活性剤は用途に合わせて選定可能であるが、アミンを含有する基、水酸基、カルボキシル基、または、エポキシ基を官能基として有することが好ましい。これらの官能基は、金属微粒子の表面に吸着し、金属微粒子集合体の凝集を防ぎ、後述する金属微粒子分散体中でも金属微粒子を均一に分散させる効果を持つ。
好適に用いることのできる分散剤としては、リン酸エステル化合物、高分子系分散剤、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、等があるが、これらに限定されるものではない。高分子系分散剤としては、アクリル系高分子分散剤、ウレタン系高分子分散剤、アクリル・ブロックコポリマー系高分子分散剤、ポリエーテル類分散剤、ポリエステル系高分子分散剤などが挙げられる。
当該分散剤の添加量は、金属微粒子集合体100重量部に対し10重量部〜1000重量部の範囲であることが望ましく、より好ましくは20重量部〜200重量部の範囲である。分散剤添加量が上記範囲にあれば、金属微粒子集合体が液中で凝集を起こすことがなく、分散安定性が保たれる。
分散処理の方法は金属微粒子集合体が均一に液状媒体中へ分散する方法であれば公知の方法から任意に選択でき、たとえばビーズミル、ボールミル、サンドミル、超音波分散などの方法を用いることができる。
均一な金属微粒子分散液を得るために、各種添加剤や分散剤を添加したり、pH調整したりしても良い。
(3)金属微粒子とその含有量
当該金属微粒子分散液中における金属微粒子の平均分散粒子径は、1nm以上100nm以下であることが好ましい。
平均分散粒子径が100nm以下であれば、当該金属微粒子分散液中を透過する光を散乱することがなく、透明性を担保できるからである。また、金属微粒子の平均分散粒子径が1nm以上あれば、当該金属微粒子分散液の工業的生産は容易であるからである。
また、上述した金属微粒子分散液中における金属微粒子の含有量は0.01質量%以上50質量%以下であることが好ましい。0.01質量%以上であれば後述するコーティング膜、フィルム、シート、および、プラスチック成型体などの製造に好適に用いることができ、50質量%以下であれば工業的な生産が容易である。さらに好ましくは0.5質量%以上20質量%以下である。
このような金属微粒子を液体媒体中に分散させた本発明に係る金属微粒子分散液は、適当な透明容器に入れ、分光光度計を用いて、光の透過率を波長の関数として測定することができる。
本発明に係る金属微粒子分散液は、吸収ピーク位置の光の吸光度に対する波長550nmの光の吸光度に対する比[(吸収ピーク位置の光の吸光度)/(波長550nmの吸光度)]の値が5.0以上12.0以下であるという、後述する金属微粒子分散体合わせ透明基材や赤外線吸収ガラス、赤外線吸収フィルム等に最適な、優れた光学的特性を有していた。
尚、当該測定において、金属微粒子分散液の透過率の調整は、その分散溶媒または分散溶媒と相溶性を有する適宜な溶媒で希釈することにより、容易になされる。
[8]赤外線吸収フィルムおよび赤外線吸収ガラスとその製造方法
上述した金属微粒子分散液を用いて、基板フィルムまたは基板ガラスから選択される透明基板の少なくとも一方の面上へ、金属微粒子集合体を含有するコーティング層を形成することで、赤外線吸収フィルムまたは赤外線吸収ガラスを製造することが出来る。
前述した金属微粒子分散液を、プラスチックまたはモノマーと混合して塗布液を作製し、公知の方法で透明基材上にコーティング膜を形成することで、赤外線吸収フィルムまたは赤外線吸収ガラスを作製することができる。
例えば、赤外線吸収フィルムは以下のように作製することができる。
上述した金属微粒子分散液にバインダー樹脂を添加し、塗布液を得る。この塗布液をフィルム基材表面にコーティングした後、溶媒を蒸発させ所定の方法で樹脂を硬化させれば、当該金属微粒子集合体が媒体中に分散したコーティング膜の形成が可能となる。
上記コーティング膜のバインダー樹脂として、例えば、UV硬化樹脂、熱硬化樹脂、電子線硬化樹脂、常温硬化樹脂、熱可塑樹脂等が目的に応じて選定可能である。具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ふっ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂が挙げられる。
これらの樹脂は、単独使用であっても混合使用であっても良い。尤も、当該コーティング層用の媒体のなかでも、生産性や装置コストなどの観点からUV硬化性樹脂バインダーを用いることが特に好ましい。
また、金属アルコキシドを用いたバインダーの利用も可能である。当該金属アルコキシドとしては、Si、Ti、Al、Zr等のアルコキシドが代表的である。これら金属アルコキシドを用いたバインダーは、加熱等により加水分解・縮重合させることで、酸化物膜からなるコーティング層を形成することが可能である。
上記方法以外に、金属微粒子分散液を基板フィルムまたは基板ガラスの上に塗布した後、さらにバインダー樹脂や、金属アルコキシドを用いたバインダーを塗布してコーティング層を形成してもよい。
尚、上述したフィルム基材は、フィルム形状に限定されることはなく、例えば、ボード状でもシート状でも良い。当該フィルム基材材料としては、PET、アクリル、ウレタン、ポリカーボネート、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル、ふっ素樹脂等が、各種目的に応じて使用可能である。尤も、透明フィルム基材としては、ポリエステルフィルムであることが好ましく、PETフィルムであることがより好ましい。
また、フィルム基板の表面は、コーティング層接着の容易さを実現するため、表面処理がなされていることが好ましい。また、ガラス基板もしくはフィルム基板とコーティング層との接着性を向上させるために、ガラス基板上もしくはフィルム基板上に中間層を形成し、中間層上にコーティング層を形成することも好ましい構成である。中間層の構成は特に限定されるものではなく、例えばポリマフィルム、金属層、無機層(例えば、シリカ、チタニア、ジルコニア等の無機酸化物層)、有機/無機複合層等により構成することができる。
基板フィルム上または基板ガラス上へコーティング層を設ける方法は、当該基材表面へ金属微粒子分散液が均一に塗布できる方法であれればよく、特に限定されない。例えば、バーコート法、グラビヤコート法、スプレーコート法、ディップコート法等を挙げることが出来る。
例えばUV硬化樹脂を用いたバーコート法によれば、適度なレベリング性を持つよう液濃度及び添加剤を適宜調整した塗布液を、コーティング膜の厚み及び前記金属微粒子の含有量を合目的に満たすことのできるバー番号のワイヤーバーを用いて基板フィルムまたは基板ガラス上に塗膜を形成することができる。そして塗布液中に含まれる溶媒を乾燥により除去したのち紫外線を照射し硬化させることで、基板フィルムまたは基板ガラス上にコーティング層を形成することができる。このとき、塗膜の乾燥条件としては、各成分、溶媒の種類や使用割合によっても異なるが、通常では60℃〜140℃の温度で20秒〜10分間程度である。紫外線の照射には特に制限はなく、例えば超高圧水銀灯などのUV露光機を好適に用いることができる。
その他、コーティング層の形成の前後工程により、基板とコーティング層の密着性、コーティング時の塗膜の平滑性、有機溶媒の乾燥性などを操作することもできる。前記前後工程としては、例えば基板の表面処理工程、プリベーク(基板の前加熱)工程、ポストベーク(基板の後加熱)工程などが上げられ、適宜選択することができる。プリベーク工程および/あるいはポストベーク工程における加熱温度は80℃〜200℃、加熱時間は30秒〜240秒であることが好ましい。
基板フィルム上または基板ガラス上におけるコーティング層の厚みは、特に限定されないが、実用上は10μm以下であることが好ましく、6μm以下であることがより好ましい。これはコーティング層の厚みが10μm以下であれば、十分な鉛筆硬度を発揮して耐擦過性を有することに加えて、コーティング層における溶媒の揮散およびバインダーの硬化の際に、基板フィルムの反り発生等の工程異常発生を回避出来るからである。
製造された赤外線吸収フィルムや赤外線吸収ガラスの光学特性は、可視光透過率が70%のときに、波長850〜1300nmの光波長領域の透過率における最小値(最小透過率)が35%以下である。尚、可視光透過率を70%に調整することは、コーティング液中の金属微粒子濃度の調整、または、コーティング層の膜厚の調整により、容易になされる。
例えば、コーティング層に含まれる単位投影面積あたりの前記金属微粒子集合体の含有量は0.01g/m以上0.5g/m以下であることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるわけではない。
本実施例に係る膜の光学特性は、分光光度計(日立製作所(株)製U−4100)を用いて測定した。可視光透過率ならびに日射透過率は、JIS R 3106に準拠して測定を行った。
また、本実施例にかかる金属微粒子の粒子形状を楕円体で近似し、その互いに直交する半軸長をそれぞれa、b、c(ただし、a≧b≧cとする。)としたとき、前記集合体に含有される金属微粒子のアスペクト比a/cの統計値は、微粒子の集合体を分散した分散体に対してTEMトモグラフィーを用いた三次元画像解析を行い、100個の粒子についてアスペクト比を計測した結果をもとに決定した。
(実施例1)
粒径にばらつきを有する公知の銀の球状粒子(粒子径が5〜23nmの範囲でばらつき、平均粒子径は18nmである。本発明において「微粒子A」と記載する場合がある)を準備した。
微粒子Aを3重量部、トルエン87重量部、分散剤(カルボキシル基を有する酸価10.5mgKOH/gのアクリル系分散剤である。本発明において「分散剤a」と記載する場合がある。)10重量部とを混合し、3kgのスラリーを調製した。このスラリーをビーズと共にビーズミルへ投入し、スラリーを循環させて、5時間分散処理を行った。
使用したビーズミルは横型円筒形のアニュラータイプ(アシザワ株式会社製)であり、ベッセル内壁とローター(回転攪拌部)の材質はZrOとした。また、当該ビーズには、直径0.1mmのYSZ(Yttria-Stabilized Zirconia:イットリア安定化ジルコニア)製のビーズを使用した。スラリー流量は1kg/分とした。
得られた銀微粒子の分散液(本発明において「分散液A」と記載する場合がある。)に含まれる銀微粒子形状を、前述のTEMトモグラフィーを用いた方法で測定した。銀微粒子の形状を近似的に回転楕円体とみなしたときのアスペクト比の値は平均値20.4、標準偏差7.0であり、アスペクト比が9未満である銀微粒子の個数割合は6%であった。
分散液A100重量部に対し、ハードコート用紫外線硬化樹脂である東亜合成製アロニックスUV−3701(本発明において「UV−3701」と記載する。)を100重量部混合して熱線遮蔽微粒子塗布液とし、この塗布液をPETフィルム(帝人製HPE−50)上へバーコーター(No.3のバーを使用)を用いて塗布し、塗布膜を形成した。
尚、以降に記載の実施例・比較例においても、同様のPETフィルムを用いた。
塗布膜を設けたPETフィルムを、80℃で60秒間乾燥し溶剤を蒸発させた後、高圧水銀ランプで硬化させることで、銀微粒子を含有したコーティング膜が設けられた熱線遮蔽フィルム(本発明において「熱線遮蔽フィルムA」と記載する場合がある。)を作製した。
次に、熱線遮蔽フィルムAの光学的特性を分光光度計により測定した。得られた透過率曲線から、JIS R 3106に基づいて可視光透過率と日射透過率を求めた。求められた可視光透過率は81.9%、日射透過率は51.6%であった。
以上の結果を表1に示す。
(実施例2)
微粒子Aの代替として、粒径にばらつきを持つ公知の銀の球状粒子(粒子径が15〜21nmの範囲でばらつき、平均粒子径は17nmである。本発明において「微粒子B」と記載する場合がある。)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例2にかかる銀微粒子の分散液(本発明において「分散液B」と記載する場合がある。)を得た。
分散液Bに含まれる銀微粒子形状を実施例1と同様に測定した。銀微粒子の形状を近似的に回転楕円体とみなしたときのアスペクト比の値は、平均値18.8、標準偏差4.7であり、アスペクト比が9未満である銀微粒子の個数割合は5%であった。
分散液Aの代替として分散液Bを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2にかかる熱線遮蔽フィルム(本発明において「熱線遮蔽フィルムB」と記載する場合がある。)を作製した。
熱線遮蔽フィルムBの光学的特性を実施例1と同様に測定した。透過率曲線から求められた可視光透過率は85.1%、日射透過率は55.7%であった。
以上の結果を表1に示した。
(実施例3)
微粒子Aの代替として、粒径にばらつきを持つ公知の銀の球状粒子(粒子径が19〜35nmの範囲でばらつき、平均粒子径は27nmである。本発明において「微粒子C」と記載する場合がある。)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例3にかかる銀微粒子の分散液(本発明において「分散液C」と記載する場合がある。)を得た。
分散液Cに含まれる銀微粒子形状を実施例1と同様に測定した。銀微粒子の形状を近似的に回転楕円体とみなしたときのアスペクト比の値は、平均値36.2、標準偏差15.9であり、アスペクト比が9未満である銀微粒子の個数割合は8%であった。
分散液Aの代替として分散液Cを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3にかかる熱線遮蔽フィルム(本発明において「熱線遮蔽フィルムC」と記載する場合がある。)を作製した。
熱線遮蔽フィルムCの光学的特性を実施例1と同様に測定した。透過率曲線から求められた可視光透過率は82.6%、日射透過率は55.2%であった。
以上の結果を表1に示した。
(実施例4)
微粒子Aの代替として、粒径にばらつきを持つ公知の銀の球状粒子(粒子径が20〜28nmの範囲でばらつき、平均粒子径は24nmである。本発明において「微粒子D」と記載する場合がある)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例4にかかる銀微粒子の分散液(本発明において「分散液D」と記載する場合がある。)を得た。
分散液Dに含まれる銀微粒子形状を実施例1と同様に測定した。銀微粒子の形状を近似的に回転楕円体とみなしたときのアスペクト比の値は、平均値30.3、標準偏差7.3であり、アスペクト比が9未満である粒子の個数割合は0%であった。
分散液Aの代替として分散液Dを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例4にかかる熱線遮蔽フィルム(本発明において「熱線遮蔽フィルムD」と記載する場合がある。)を作製した。
熱線遮蔽フィルムDの光学的特性を実施例1と同様に測定した。透過率曲線から求められた可視光透過率は86.8%、日射透過率は63.9%であった。
以上の結果を表1に示した。
(実施例5)
微粒子Aの代替として、粒径にばらつきを持つ公知の銀−金合金(合金中に存在する金原子のモル比率[合金微粒子に含まれる金原子の物質量]/[合金微粒子に含まれる原子の全物質量]は10原子%)の球状粒子(粒子径が16〜27nmの範囲でばらつき、平均粒子径は22nmである。本発明において「微粒子E」と記載する場合がある。)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例5にかかる銀−金合金微粒子の分散液(本発明において「分散液E」と記載する場合がある。)を得た。
分散液Eに含まれる銀−金合金微粒子形状を実施例1と同様に測定した。微粒子の形状を近似的に回転楕円体とみなしたときのアスペクト比の値は、平均値25.4、標準偏差9.2であり、アスペクト比が9未満である微粒子の個数割合は3%であった。
分散液Aの代替として分散液Eを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例5にかかる熱線遮蔽フィルム(本発明において「熱線遮蔽フィルムE」と記載する場合がある。)を作製した。
熱線遮蔽フィルムEの光学的特性を実施例1と同様に測定した。透過率曲線から求められた可視光透過率は82.8%、日射透過率は53.7%であった。
以上の結果を表1に示した。
(実施例6)
微粒子Aの代替として、粒径にばらつきを持つ公知の銀−金合金(合金中に存在する金原子のモル比率[合金微粒子に含まれる金原子の物質量]/[合金微粒子に含まれる原子の全物質量]は50原子%)の球状粒子(粒子径が16〜24nmの範囲でばらつき、平均粒子径は20nmである。本発明において「微粒子F」と記載する場合がある。)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例6にかかる銀−金合金微粒子の分散液(本発明において「分散液F」と記載する場合がある。)を得た。
分散液Fに含まれる銀−金合金微粒子形状を実施例1と同様に測定した。微粒子の形状を近似的に回転楕円体とみなしたときのアスペクト比の値は、平均値23.9、標準偏差7.0であり、アスペクト比が9未満である粒子の個数割合は2%であった。
分散液Aの代替として分散液Fを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例6にかかる熱線遮蔽フィルム(本発明において「熱線遮蔽フィルムF」と記載する場合がある。)を作製した。
熱線遮蔽フィルムFの光学的特性を実施例1と同様に測定した。透過率曲線から求められた可視光透過率は81.4%、日射透過率は55.9%であった。
以上の結果を表1に示した。
(実施例7)
微粒子Aの代替として、粒径にばらつきを持つ公知の銀−パラジウム合金(合金中に存在するパラジウム原子の質量比率[合金微粒子に含まれるパラジウム原子の質量]/[合金微粒子に含まれる原子の全質量]は10原子%)の球状粒子(粒子径が17〜24nmの範囲でばらつき、平均粒子径は20nmである。本発明において「微粒子G」と記載する場合がある。)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例7にかかる銀−パラジウム合金微粒子の分散液(本発明において「分散液G」と記載する場合がある。)を得た。
分散液Gに含まれる銀−パラジウム合金微粒子形状を実施例1と同様に測定した。微粒子の形状を近似的に回転楕円体とみなしたときのアスペクト比の値は、平均値23.1、標準偏差5.7であり、アスペクト比が9未満である微粒子の個数割合は1%であった。
分散液Aの代替として分散液Gを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例7にかかる熱線遮蔽フィルム(本発明において「熱線遮蔽フィルムG」と記載する場合がある。)を作製した。
熱線遮蔽フィルムGの光学的特性を実施例1と同様に測定した。透過率曲線から求められた可視光透過率は82.8%、日射透過率は60.0%であった。
以上の結果を表1に示した。
(実施例8)
実施例1で作成した分散液A100重量部に対し、ハードコート用紫外線硬化樹脂である東亜合成製アロニックスUV−3701(本発明において「UV−3701」と記載する。)を100重量部混合して熱線遮蔽微粒子塗布液とし、この塗布液を青板フロートガラス(3mm厚)上へバーコーター(No.3のバーを使用)を用いて塗布し、塗布膜を形成した。
塗布膜を設けたガラスを、80℃で60秒間乾燥し溶剤を蒸発させた後、高圧水銀ランプで硬化させることで、銀微粒子を含有したコーティング膜が設けられた熱線遮蔽ガラス(本発明において「熱線遮蔽ガラスH」と記載する場合がある。)を作製した。
次に、熱線遮蔽ガラスHの光学的特性を分光光度計により測定した。透過率曲線から求められた可視光透過率は82.3%、日射透過率は86.4%であった。
(比較例1)
粒径において実質的にばらつきを持たない公知の銀の球状粒子(平均粒子径は7nmである。本発明において「微粒子α」と記載する場合がある。)を準備した。微粒子Aを3重量部、トルエン87重量部、分散剤a10重量部を混合し、3kgのスラリーを調製した。このスラリーをビーズと共にビーズミルへ投入し、スラリーを循環させて、5時間分散処理を行った。
使用したビーズミルは横型円筒形のアニュラータイプ(アシザワ株式会社製)であり、ベッセル内壁とローター(回転攪拌部)の材質はZrOとした。また、当該ビーズには、直径0.1mmのガラス製のビーズを使用した。スラリー流量は1kg/分とした。
得られた銀微粒子の分散液(本発明において「分散液α」と記載する場合がある。)に含まれる銀微粒子形状を、実施例1と同様に測定した。銀微粒子の形状を近似的に回転楕円体とみなしたときのアスペクト比の値は、平均値1.1、標準偏差0.2であり、アスペクト比が9未満である銀微粒子の個数割合は100%であった。
分散液Aの代替として分散液αを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1にかかる熱線遮蔽フィルム(本発明において「熱線遮蔽フィルムα」と記載する場合がある。)を作製した。
熱線遮蔽フィルムαの光学的特性を実施例1と同様に測定した。透過率曲線から求められた可視光透過率は87.0%、日射透過率は82.4%であった。
以上の結果を表1に示す。
(比較例2)
微粒子Aの代替として、実質的に粒径にばらつきを持たない公知の銀の球状粒子(平均粒子径は19nmである。本発明において「微粒子β」と記載する場合がある。)を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例2にかかる銀微粒子の分散液(本発明において「分散液β」と記載する場合がある。)を得た。
分散液βに含まれる銀微粒子形状を実施例1と同様に測定した。銀微粒子の形状を近似的に回転楕円体とみなしたときのアスペクト比の値は、平均値19.8、標準偏差0.3であり、アスペクト比が9未満である銀微粒子の個数割合は0%であった。
分散液Aの代替として分散液βを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2にかかる熱線遮蔽フィルム(本発明において「熱線遮蔽フィルムβ」と記載する場合がある。)を作製した。
熱線遮蔽フィルムβの光学的特性を実施例1と同様に測定した。透過率曲線から求められた可視光透過率は87.8%、日射透過率は78.2%であった。
以上の結果を表1に示す。
(比較例3)
微粒子Aの代替として、粒径にばらつきを持つ公知の銀の球状粒子(粒子径が2〜26nmの範囲でばらつき、平均粒子径は15nmである。本発明において「微粒子γ」と記載する場合がある。)を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例3にかかる銀微粒子の分散液(本発明において「分散液γ」と記載する場合がある。)を得た。
分散液γに含まれる粒子形状を実施例1と同様に測定した。粒子の形状を近似的に回転楕円体とみなしたときのアスペクト比の値は、平均値15.1、標準偏差17.5であり、アスペクト比が9未満である粒子の個数割合は20%であった。
分散液Aの代替として分散液γを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例3にかかる熱線遮蔽フィルム(本発明において「熱線遮蔽フィルムγ」と記載する場合がある。)を作製した。
熱線遮蔽フィルムγの光学的特性を実施例1と同様に測定した。透過率曲線から求められた可視光透過率は65.6%、日射透過率は40.8%であった。
以上の結果を表1に示す。
(比較例4)
微粒子Aの代替として、粒径にばらつきを持つ公知の金の球状粒子(粒子径が10〜24nmの範囲でばらつき、平均粒子径は18nmである。本発明において「微粒子δ」と記載する場合がある。)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例4にかかる金微粒子の分散液(本発明において「分散液δ」と記載する場合がある。)を得た。
分散液δに含まれる粒子形状を実施例1と同様に測定した。粒子の形状を近似的に回転楕円体とみなしたときのアスペクト比の値は、平均値18.9、標準偏差10.5であり、アスペクト比が9未満である粒子の個数割合は2%であった。
分散液Aの代替として分散液δを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例4にかかる熱線遮蔽フィルム(本発明において「熱線遮蔽フィルムδ」と記載する場合がある。)を作製した。
熱線遮蔽フィルムδの光学的特性を実施例1と同様に測定した。透過率曲線から求められた可視光透過率は74.3%、日射透過率は47.4%であった。
以上の結果を表1に示す。
(比較例5)
微粒子Aの代替として、粒径にばらつきを持つ公知のパラジウムの球状粒子(粒子径が13〜23nmの範囲でばらつき、平均粒子径は19nmである。本明細書において「微粒子δ」と記載する場合がある。)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例5にかかるパラジウム微粒子の分散液(本発明において「分散液ε」と記載する場合がある。)を得た。
分散液εに含まれる粒子形状を実施例1と同様に測定した。粒子の形状を近似的に回転楕円体とみなしたときのアスペクト比の値は、平均値20.0、標準偏差7.2であり、アスペクト比が9未満である粒子の個数割合は6%であった。
分散液Aの代替として分散液εを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例5にかかる熱線遮蔽フィルム(本発明において「熱線遮蔽フィルムε」と記載する場合がある。)を作製した。
熱線遮蔽フィルムεの光学的特性を実施例1と同様に測定した。透過率曲線から求められた可視光透過率は24.7%、日射透過率は29.1%であった。
以上の結果を表1に示す。
(実施例9)
ガラス基板上に銀を蒸着し、直径5nmの銀微粒子を担持させた。当該銀微粒子を担持したガラス基板を濃度0.1mMの硫酸水中に浸漬し、銀微粒子のプラズモン吸収を励起する偏光を照射した。
当該偏光を照射しながらガラス基板へバイアス電圧を印加し、銀微粒子を異方的に伸長させてロッド状の銀微粒子を形成させた。このとき、バイアス電圧と印加時間とを制御することで、粒子の形状を近似的に楕円体とみなしたときのアスペクト比(a/c)の値が、後述する(1)〜(5)に係る統計値を有するロッド状の銀微粒子を生成させた。
生成したロッド状の銀微粒子をガラス基板から解離させ、洗浄後に乾燥することでロッド状の銀微粒子を得た。
(1)平均値4.6、標準偏差0.7である微粒子の集合体(本発明において「微粒子I」と記載する場合がある)、
(2)平均値5.7、標準偏差0.7である微粒子の集合体(本発明において「微粒子J」と記載する場合がある)、
(3)平均値7.1、標準偏差0.8である微粒子の集合体(本発明において「微粒子K」と記載する場合がある)、
(4)平均値8.3、標準偏差0.9である微粒子の集合体(本発明において「微粒子L」と記載する場合がある)、
(5)平均値9.8、標準偏差0.8である微粒子の集合体(本発明において「微粒子M」と記載する場合がある)、を得た。
上述した微粒子I、微粒子J、微粒子K、微粒子L、微粒子Mを等量ずつ秤量し、混合することで、本発明にかかる銀微粒子の集合体(本発明において「微粒子N」と記載する場合がある。)を得た。
微粒子Nを3重量部、トルエン87重量部、分散剤a10重量部とを混合し、300gのスラリーを調製した。このスラリーに対してホモジナイザーを用いて1時間分散処理を行い、実施例8にかかる銀微粒子の分散液(本発明において「分散液I」と記載する場合がある。)を得た。
分散液Iに含まれる銀微粒子形状を実施例1と同様に測定した。銀微粒子の形状はロッド状であり、形状を近似的に回転楕円体とみなしたときのアスペクト比の値は、平均値7.1、標準偏差2.0であり、アスペクト比が4.0未満である銀微粒子の個数割合は5%であった。
分散液Aの代替として分散液Iを用い、No.3のバーの代替としてNo.6のバーを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例9にかかる熱線遮蔽フィルム(本発明において「熱線遮蔽フィルムI」と記載する場合がある。)を作製した。
熱線遮蔽フィルムIの光学的特性を実施例1と同様に測定した。透過率曲線から求められた可視光透過率は85.5%、日射透過率は61.1%であった。
以上の結果を表1に示した。
Figure 2016221944
(実施例1〜9および比較例1〜5の評価)
表1に示すように、実施例1〜8においては、銀微粒子または銀合金微粒子の集合体であって、前記微粒子の形状がディスク状であり、前記集合体に含有される金属微粒子の粒子形状を楕円体で近似し、その互いに直交する半軸長をそれぞれa、b、c(ただし、a≧b≧cとする。)としたとき、前記集合体に含有される金属微粒子のアスペクト比a/cの統計値において、a/cの平均値が9.0以上40.0以下であり、a/cの標準偏差が3.0以上であり、アスペクト比a/cの値が、少なくとも10.0から30.0の範囲において連続的な分布を持ち、当該アスペクト比a/cの値が1.0以上9.0未満である金属微粒子の個数割合が、前記集合体において10%を超えない金属微粒子の集合体をコーティング層に含有する熱線遮蔽フィルムおよび熱線遮蔽ガラスは、可視光透過率が高く日射透過率が低いことから、優れた日射遮蔽特性を発揮することが明らかとなった。
同様に表1に示すように、実施例9においては、銀微粒子または銀合金微粒子の集合体であって、前記微粒子の形状がロッド状であり、前記集合体に含有される金属微粒子の粒子形状を楕円体で近似し、その互いに直交する半軸長をそれぞれa、b、c(ただし、a≧b≧cとする。)としたとき、前記集合体に含有される金属微粒子のアスペクト比a/cの統計値において、a/cの平均値が4.0以上10.0以下であり、a/cの標準偏差が1.0以上であり、アスペクト比a/cの値が、少なくとも5.0から8.0の範囲において連続的な分布を持ち、当該アスペクト比a/cの値が1.0以上4.0未満である金属微粒子の個数割合が、前記集合体において10%を超えない金属微粒子の集合体をコーティング層に含有する熱線遮蔽フィルムは、可視光透過率が高く日射透過率が低いことから、優れた日射遮蔽特性を発揮することが明らかとなった。
比較例1では、銀微粒子のアスペクト比の平均値が9.0以上40.0以下の範囲になく、アスペクト比9.0以上の粒子を実質的に含まないことから、近赤外領域の光の吸収能力をほとんど持たずに日射透過率が高く、日射遮蔽材料として課題のある光学特性を有していた。
比較例2では、銀微粒子のアスペクト比の平均値は9.0以上40.0以下の範囲にあるものの、アスペクト比の標準偏差が小さいために、非常に狭い波長範囲の近赤外線しか吸収せず、日射透過率は高いままで、日射遮蔽材料として課題のある光学特性を有していた。
比較例3では、銀微粒のアスペクト比の平均値は9.0以上40.0の範囲にあり、アスペクト比の標準偏差も4以上であった。一方、可視光領域の光を吸収してしまうアスペクト比が1.0以上9.0未満である銀微粒子を多く含むことから、可視光透過率が低く、日射遮蔽材料として課題のある光学特性を有していた。
比較例4および比較例5では、金属微粒子として銀微粒子または銀合金微粒子ではなく、アスペクト比の大きいディスク形状であっても可視光に吸収を持つ金あるいはパラジウムの微粒子を用いたために、可視光透過率が低く、日射遮蔽材料として課題のある光学特性を有していた。

Claims (9)

  1. 透明フィルム基材または透明ガラス基材から選択される透明基材の少なくとも一方の面に、熱線遮蔽微粒子を含むバインダー樹脂がコーティング層として設けられた、熱線遮蔽フィルムまたは熱線遮蔽ガラスであって、
    前記熱線遮蔽微粒子は、ディスク状を有する金属微粒子の集合体であり、
    前記金属微粒子の形状を楕円体で近似し、その互いに直交する半軸長をそれぞれa、b、c(ただし、a≧b≧cとする。)としたとき、
    前記金属微粒子のアスペクト比a/cにおいて、a/cの平均値が9.0以上40.0以下であり、a/cの標準偏差が3.0以上であり、
    a/cの値が、少なくとも10.0から30.0の範囲において連続する分布を持ち、
    前記集合体において、a/cの値が1.0以上9.0未満である金属微粒子の個数割合が、10%以下であり、
    前記金属が、銀または銀合金である、ことを特徴とする熱線遮蔽フィルムまたは熱線遮蔽ガラス。
  2. 透明フィルム基材または透明ガラス基材から選択される透明基材の少なくとも一方の面に、熱線遮蔽微粒子を含むバインダー樹脂がコーティング層として設けられた、熱線遮蔽フィルムまたは熱線遮蔽ガラスであって、
    前記熱線遮蔽微粒子は、ロッド状を有する金属微粒子の集合体であり、
    前記金属微粒子の形状を楕円体で近似し、その互いに直交する半軸長をそれぞれa、b、c(ただし、a≧b≧cとする。)としたとき、
    前記金属微粒子のアスペクト比a/cにおいて、a/cの平均値が4.0以上10.0以下であり、a/cの標準偏差が1.0以上であり、
    a/cの値が、少なくとも5.0から8.0の範囲において連続する分布を持ち、
    前記集合体において、a/cの値が1.0以上4.0未満である金属微粒子の個数割合が10%以下であり、
    前記金属が、銀または銀合金である、ことを特徴とする、熱線遮蔽フィルムまたは熱線遮蔽ガラス。
  3. 透明フィルム基材または透明ガラス基材から選択される透明基材の少なくとも一方の面に、熱線遮蔽微粒子を含むバインダー樹脂がコーティング層として設けられた、熱線遮蔽フィルムまたは熱線遮蔽ガラスであって、
    前記熱線遮蔽微粒子は、請求項1に記載のディスク状を有する金属微粒子の集合体と、請求項2に記載のロッド状を有する金属微粒子の集合体とから構成されている、ことを特徴とする、熱線遮蔽フィルムまたは熱線遮蔽ガラス。
  4. 前記銀合金が、白金、ルテニウム、金、パラジウム、イリジウム、銅、ニッケル、レニウム、オスニウム、ロジウムから選択される1種類以上の金属と、銀との合金である、ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の熱線遮蔽フィルムまたは熱線遮蔽ガラス。
  5. 前記金属微粒子の平均分散粒子径が1nm以上100nm以下である、ことを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の熱線遮蔽フィルムまたは熱線遮蔽ガラス。
  6. 前記バインダー樹脂がUV硬化性樹脂バインダーである、ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の熱線遮蔽フィルムまたは熱線遮蔽ガラス。
  7. 前記コーティング層の厚さが10μm以下である、ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の熱線遮蔽フィルムまたは熱線遮蔽ガラス。
  8. 前記コーティング層に含まれる前記熱線遮蔽微粒子の単位投影面積あたりの含有量が0.01g/m以上0.5g/m以下である、ことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の熱線遮蔽フィルムまたは熱線遮蔽ガラス。
  9. 前記透明フィルム基材がポリエステルフィルムである、ことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の熱線遮蔽フィルム。
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