JP2009141003A - 静電チャック - Google Patents

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Abstract

【課題】大気中の水分が静電チャックの吸着面表面に付着することによって起きる吸着力の低下を防止することができる静電チャックおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】金属基材10と、前記金属基材10の上に設けられた第1の樹脂層6と、前記第1の樹脂層6の上に設けられ、第1の電圧が印加される複数の第1の電極4と前記第1の電圧より低い第2の電圧が印加される複数の第2の電極4とを有する電極層と、前記電極層の上に設けられた第2の樹脂層3と、前記第2の樹脂層3の上に設けられた撥水層1と、を具備することを特徴とする静電チャック。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体装置や液晶表示装置等の製造工程において、半導体ウエハ等の搬送時または加工時等に、半導体ウエハ等を所定位置に固定保持する静電チャックに関する。
半導体装置の製造工程においては、例えばドライエッチング装置やプラズマCVD装置等において、半導体ウエハ等を所定の位置に保持することが必要であり、保持固定手段として、一般にメカニカルクランプ方式または静電チャック方式が用いられる。
静電チャック方式は、試料台の上に誘電層を設け、試料台と半導体ウエハ等の被吸着物との間に電圧を印加して、両者の間に発生した力によって被吸着物を吸着する機構であり、吸着方式の違いによって、誘電体として絶縁材料を使用するクーロン力型と、ジョンソン・ラーベック力型に分類される。ここで、ジョンソン・ラーベック力型の静電チャックの場合、絶縁体がある程度の導電性を有しているため半導体ウエハと電極との間に電流が流れるため、半導体ウエハを保持固定している間は常時電力を供給する必要があり、長距離を搬送する用途には不向きである。
また、近年、液晶表示装置等のガラス等の絶縁基板上に金属膜や絶縁膜を成膜する工程においても、静電チャックは絶縁基板の保持固定手段として注目されている。即ち、特許文献1に示されたように、被吸着物が絶縁基板の場合においても、陽極、陰極の電極を交互に所定の距離で配置することにより、電圧を印加すると電極間においていわゆる電場のグラジェント力が働き、被吸着物を吸着することができるからである。一方、ジョンソン・ラーベック力型は、上述した理由により、かかる用途には使用できない。従って、長距離を搬送する用途やガラス基板等の絶縁基板を保持固定する用途には、クーロン力型の静電チャックが用いられる。
かかるクーロン力型の静電チャックには、絶縁材料として、例えばポリイミドからなる高分子系絶縁シートを、有機系接着剤を用いて電極を挟み込みながら金属基材上に積層した静電チャックと、絶縁材料としてセラミックを使用し、金属基材上の電極表面にセラミックを溶射した静電チャックとがある。以下、前者をポリイミド静電チャックといい、後者をセラミック静電チャックという。
ポリイミド静電チャックは、耐プラズマ性、耐磨耗性に乏しいため、特にプラズマCVD装置等の用途に用いることは不向きであるが、セラミック静電チャックに比してコストが約四分の一と安価であるため、ガラス等の絶縁基板の長距離搬送用に多用されている。
ここで静電チャックにおいて、例えば被吸着物が半導体ウエハの場合は、空気中で使用すると、静電チャックのセラミック等の高抵抗体が空気中の水分を吸着してしまい、クーロン力が低下し、長距離を搬送できない場合が生じる。かかる問題を解決する手段として、特許文献2に示されたように、外気との接触面を撥水性材料で形成する方法が提案されている。
このような空気中の水分を吸着することによる問題は、セラミック静電チャックに限られず、ポリイミド静電チャックにおいても、ポリイミドが空気中の水分を吸着することによってポリイミド表面の水分によって電場が被吸着物表面まで達しにくくなり、グラジェント力が弱くなって吸着力が低下してしまう問題が生じる。
特開2004−319700号公報 特開平9−36212号公報
本発明は、かかる事情に鑑みて成されたものであり、大気中の水分が静電チャックの吸着面表面に付着することによって起きる吸着力の低下を防止することができる静電チャックおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態によれば、金属基材と、前記金属基材の上に設けられた第1の樹脂層と、前記第1の樹脂層の上に設けられ、第1の電圧が印加される複数の第1の電極と前記第1の電圧より低い第2の電圧が印加される複数の第2の電極とを有する電極層と、前記電極層の上に設けられた第2の樹脂層と、前記第2の樹脂層の上に設けられた撥水層と、を具備することを特徴とする静電チャックが提供される。
また、本発明の他の一実施形態によれば、第2の樹脂層の上に第1の電圧が印加される複数の第1の電極と前記第1の電圧より低い第2の電圧が印加される複数の第2の電極を形成し、前記第2の樹脂層の前記複数の第1及び第2の電極が形成された面上に第1の樹脂層を形成し、前記第2の樹脂層の前記複数の第1及び第2の電極が形成された面と対向する面上に該第2の樹脂層より硬度の高い保護層を形成し、前記保護層の上に撥水層を形成し、前記第1の樹脂層の前記第2の樹脂層に面する面と対向する面上に、クッション層を形成し、前記クッション層の前記第1の樹脂層に面する面と対向する面上に金属基材を配置することを特徴とする静電チャックの製造方法が提供される。
本発明によって、大気中の水分が静電チャックの吸着面表面に付着することによって起きる吸着力の低下を防止した静電チャックおよびその製造方法が提供される。
(実施形態1)
[静電チャックの構造]
以下、本発明の一実施形態に係る静電チャックおよびその製造方法について図を基に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る静電チャックの断面図である。また、図7は、特許文献1に記載された一般的な静電チャックの一例の断面図であり、図8は、特許文献2に記載された一般的な静電チャックの他の例の断面図である。
本発明の一実施形態に係る静電チャック20は、図1に示すように、概略、撥水層1、保護層2、第2の樹脂層3、電極4、第2の接着層5、第1の樹脂層6、第1の接着層7、クッション層8、第3の接着層9、金属基材10から構成される。図7に示した一般的な静電チャックの一例と、撥水層1、保護層2、クッション層8を有する点で構造上大きく異なる。また、効果においても大きく異なるが、この点については後述する。
本発明の一実施形態に係る静電チャックの構造を、図1に基づいて、図1に向かって下側より順に説明する。ただし、説明上、下側から順に説明するものであり、本発明の一実施形態に係る静電チャックの製造方法とリンクするものではない。
より具体的には、本発明の一実施形態に係る静電チャック20は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属基材10上に、アクリルフォーム独立発泡体からなるクッション層8が、アクリル系粘着剤からなる第3の接着層9によって積層された構造を有する。但し、金属基材10の材質は、上記アルミニウムまたはアルミニウム合金に限定されるものではなく、適宜選択され得る。
上述したように、本発明の一実施形態に係る静電チャック20は、クッション層8を有する。半導体装置等の製造工程において、静電チャック20上に半導体ウエハやガラス基板等の被吸着物(図1においては、被吸着物はガラス基板等の絶縁体被吸着物40を示している。)を載置して搬送や加工をする場合に、静電チャック20表面と被吸着物40との間に、パーティクルやガラス基板の微細な破片等が捲き込まれる場合がある。このような場合、異物が介在することにより電極4と被吸着物40との距離が拡大し、吸着力が低下する。上述したクッション層8は、かかる場合に異物介在による局所的な圧力を当該クッション層8が弾性変形することで受け止め、電極4と被吸着物40との距離を一定に保持して吸着力の低下を防止する役割を果たす。クッション層8の効果については、詳細は後述する。
ここでクッション層8は、本実施形態においては、上述したようにアクリルフォーム独立発泡体で形成されている。即ち、高分子からなるアクリル系樹脂をクローズドセルのスポンジ状に形成したもので、従って、吸水性がほとんどなく、大気中の水分の影響を受けることがない。またかかる構造により、クッション層8は弾性に富み、優れたクッション性を有する。なお、上述したクッション層8の材質は一例であり、弾性を有すればこれに限定されるものではない。しかし、クッション層8をクローズドセル形状に形成すれば、特にクッション層8が真空気密性を保った構造となり、またアウトガスを低減した構造となるため、真空チャンバ内での使用に際しても効果を発揮する。
クッション層8の上には、アクリル系粘着剤からなる第1の接着層7によって、第1の樹脂層6が積層された構造を有する。
ここで、第1の樹脂層6は、絶縁性を有する樹脂材料、つまり、体積抵抗率が1013Ω・cm以上となる樹脂材料であれば良い。本発明の一実施形態に係る静電チャック20は、第1の樹脂層6として、絶縁材料であるポリイミドから形成される。そして本実施形態においては、第1の樹脂層6としてフィルム状に形成されたポリイミドフィルムを使用したが、これに限定されるわけではない。
なお、上述した第3の接着層9、クッション層8、第1の接着層7は、本実施形態においては、両面にアクリル系粘着剤を有するアクリルフォームテープを使用し、金属基材10と第1の樹脂層6をアクリルフォームテープによって接着して形成したが、これに限定されるわけではない。
第1の樹脂層6の上には、アクリル系接着剤からなる第2の接着層5によって、電極4を挟んで第2の樹脂層3が積層された構造を有する。電極4は、第1の電圧が印加される複数の第1の電極4a(陽極部)と、第1の電圧より低い第2の電圧が印加される複数の第2の電極4b(陰極部)からなる。それぞれの電極4はそれぞれ外部の電源等と電気的に接続される。そして、第1の電極及び第2の電極に電圧が印加されると第1の電極と第2の電極との間に電場が発生し、該電場は第2の樹脂層3等を伝播して被吸着物に伝わり、吸着力となる。
図2に、本発明の一実施形態に係る静電チャック20の電極4の配置例を示す。図2は、本発明の一実施形態に係る静電チャック20の電極4の配置例を示す平面透視図である。図2において、本発明の一実施形態に係る静電チャック20を上から見た場合の電極4の配置を、撥水層1を透視して示し(保護層2は省略している。)、電極4について破線で示している。円形の静電チャック20の表面に均一に吸着力が発生するように、電極4を配置している。図には示していないが、第1の電極4a(陽極)と第2の電極4b(陰極)が配置され、陽極と陰極間で、撥水層1の表面を経由して被吸着物に伝搬する電場が形成される。但し、図2は電極の配置の一例であり、これに限定されるわけではない。
なお、本実施形態においては、電極4の材質には銅を使用し、上述した第2の樹脂層3の上に蒸着法により形成したが、電極4の材質はこれに限定されるわけではなく、適宜選択される。なお、蒸着法を用いるのは、第2の樹脂層3の上にめっき法によって直接電極4を形成すると、電極4が第2の樹脂層3から剥れ易いからである。より好適には、電極4を3段階に分けて形成すると良い。即ち、図示は省略するが、第2の樹脂層3の上に蒸着法により第2の樹脂層3と密着する電極密着部を形成し、さらに再度蒸着法により電極中間部を形成した後、めっき法により電極主要部を形成するのである。電極主要部をめっき法によって形成するのは、蒸着法より短時間で形成できるためである。これによって第2の樹脂層3と良好に密着し、かつ電極4すべてを蒸着法によって形成する場合に比して短時間で電極4を形成することができる。
第2の樹脂層3は、第1の樹脂層6と同様に、絶縁性を有する樹脂材料、つまり、体積抵抗率が1013Ω・cm以上となる樹脂材料から形成される。特に、比誘電率が低く、しかも、体積抵抗率の高い樹脂材料を好適に用いる。比誘電率が高い樹脂材料や、体積抵抗率が小さすぎる樹脂材料を用いると、第2の樹脂層3から、被吸着物40に微小なリーク電流が流れやすくなり、結果として第2の樹脂層3と被吸着物40との間に、設定した以上のクーロン力が働き、被吸着物40が外れなくなるおそれがあるからである。言い換えれば、電極層への印加電圧を高くした場合に残留吸着力を高くしてしまう一因となるからである。そこで、本実施形態においては、第2の樹脂層3の材料として、被誘電率が低く、且つ、体積抵抗率が高く、しかも耐熱性及び耐摩耗性に優れるポリイミドを使用した。本実施形態においては、第2の樹脂層3として、ポリイミドをフィルム状に形成したポリイミドフィルムを使用したが、これに限定されるわけではない。
本発明の一実施形態に係る静電チャック20は、図1に示すように、第2の樹脂層3の上に保護層2が設けられている。上述したように、本発明の一実施形態に係る静電チャック20は、半導体や液晶表示装置の製造工程で使用されるため、製造工程において、静電チャック20表面と被吸着物40との間にパーティクルやガラス基板の微細な破片等が捲き込まれる場合がある。この場合、本発明の一実施形態に係る静電チャック20においては第2の樹脂層3がポリイミドフィルムからなるため、異物介在による圧力により、ポリイミドフィルムからなる第2の樹脂層3が局所的に破壊され、絶縁性が損なわれる場合が生じる。特に、ガラス基板の微細な破片は、硬度がポリイミドフィルムより高いため、ポリイミドフィルムを破損する危険性が高い。保護層2は、かかる場合に第2の樹脂層3を保護する役割を果たす。
本発明の一実施形態に係る静電チャック20においては、保護層2は、ガラス繊維強化エポキシ樹脂から形成される。具体的には、微細なガラス繊維をクロス状に織り込んでエポキシ樹脂によってシート状に固めて形成したものを使用した。ガラス繊維強化エポキシ樹脂を用いるのは、静電チャック20と被吸着物40との間に捲き込まれる異物が、例えばガラス基板の微細な破片等であることから、硬度が捲き込まれる異物と同等または該異物より高い材質を使用することによって、保護の効果を高めるためである。
本発明の一実施形態に係る静電チャック20は、図1に示すように、保護層2の上に撥水層1が積層された構造を有する。ここで、撥水層1は、第2の樹脂層3が大気中の水分を吸収して、静電チャック20の吸着力が低下するのを防止する役割を果たす。本発明の一実施形態に係る静電チャック20は、真空炉内だけで使用されるものではなく、真空炉内と真空炉外(即ち、大気中)とにおいて被吸着物を搬送する用途に用いられるため、大気中の水分の影響を受ける。即ち、静電チャック20を大気中で使用すると、ポリイミド等の高抵抗体は水に対する濡れ性を有しているため、大気中の水分を吸着してしまい、被吸着物40と第2の樹脂層3表面の吸着面との間に水分が介在し、電極4から第2の樹脂層3を介して形成された電場のグラジェント力が弱くなるからである。撥水層1は、かかる影響を防止する役割を果たす。
また、本発明の一実施形態に係る静電チャック20の撥水層1は、併せて撥油性を有するようにしても良い。即ち、本発明の一実施形態に係る静電チャック20は、半導体ウエハ等の長距離の搬送に用いられるため、搬送中にポンプ等の油分が静電チャック20の吸着面の表面に付着して、吸着力が低下する場合がある。従って、かかる油分の付着を防止するため、撥水性と併せて撥油性をも持たせるのである。
従って、本発明の一実施形態に係る静電チャック20の撥水層1は、フッ素系樹脂、フッ素系樹脂とエポキシ樹脂の複合材、またはフッ素系樹脂と低誘電率エポキシ樹脂の複合材から形成される。かかる材料は、優れた撥水性と撥油性を有するからである。本発明の一実施形態に係る静電チャック20においては、フッ素系樹脂として、4フッ化エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合または4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合または4フッ化エチレンのいずれかを好適に用いる。そして本発明の一実施形態においては、上述した材料を用いてシートを形成して撥水層1として用いる。撥水層1を、フッ素系樹脂、フッ素系樹脂とエポキシ樹脂の複合材またはフッ素系樹脂と低誘電率エポキシ樹脂の複合材からなるシートを用いて形成するのは、例えば、第2の樹脂層3の上にフッ素コーティングを施した場合コーティング温度によって第2の樹脂層3の劣化を招くため、かかる第2の樹脂層3の劣化を防止するためである。これによって、コーティングに比較して低温で撥水層1を形成することが可能となり、第2の樹脂層3の劣化を防止することができる。この点で、図8に示したフッ素コーティング処理によって形成する一般的な静電チャックの他の例と大きく異なる。
また、撥水層1は半導体ウエハ等の被吸着物と直接接するため、被吸着物よりも硬度が高いと、半導体ウエハ基板を傷つけてしまう場合がある。本発明の一実施形態に係る静電チャック20は、撥水層1が、上述したフッ素系樹脂、フッ素系樹脂とエポキシ樹脂の複合材、またはフッ素系樹脂と低誘電率エポキシ樹脂の複合材の何れかでシート状に形成されるため、半導体ウエハ基板よりも低硬度の吸着面表面を形成することができ、半導体ウエハの基板を傷つけることがない。
ここで、静電チャック20の吸着力は、陽極部(第1の電極4a)と陰極部(第2の電極4b)とが交互に配置されたそれぞれの電極4に、電源30から電圧が印加されることにより、隣接する陽極部と陰極部との間に電場が形成され、該電場が第2の樹脂層3、保護層2及び撥水層1を伝播して撥水層1の表面から被吸着物に伝播することによってクーロン力が生じることで発生する。従って、この吸着力は、電極4から被吸着物までの距離、即ち、第2の樹脂層3、保護層2及び撥水層1の合計の厚さに影響される。第2の樹脂層3、保護層2及び撥水層1の合計の厚さが厚くなるほど、即ち、電極4と被吸着物との距離が大きくなるほど、吸着力は弱くなる。
一般的なセラミック静電チャックにおいては、電極上に溶射等によって形成するセラミック層の厚さが0.3mm程度になる。一方、本発明の一実施形態に係る静電チャック20においては、第2の樹脂層3にポリイミドフィルムを使用し、保護層2をガラス繊維強化エポキシ樹脂のシート状に形成することで薄膜化し、さらに、撥水層1をフッ素系樹脂等からなるシート状に形成することで、第2の樹脂層3、保護層2及び撥水層1の合計の厚さを0.05mm以上0.1mm以下に形成している。これによって強力な吸着力を得ることができる。さらに、本発明の一実施形態に係る静電チャック20においては、撥水層1の材質をフッ素系樹脂と低誘電率エポキシ樹脂との複合材とし、所望の厚さを維持するために、低誘電物資の含有率を調整することで、第2の樹脂層3、保護層2及び撥水層1の合計の厚さを変えることなく強力な吸着力を得ることができる。
[静電チャックの製造方法]
以上のような構造を有する本発明の一実施形態に係る静電チャックの製造方法について、図1を基に以下に説明する。但し、以下の製造方法は一例であり、本発明の一実施形態に係る静電チャック20の製造方法は、これに限定されるものではない。
まず、ポリイミドを厚さ0.025mmのフィルム状に形成し、所望の大きさの第2の樹脂フィルム(これが、第2の樹脂層3となる。)を形成する。なお、フィルムの材質及び厚さは一例であり、これに限定されるものではない。
次に、前記第2の樹脂フィルムの上の所定の位置に、蒸着法及びめっき法を用いて、複数の電極4からなる電極層を形成する。複数の電極4は、第1の電圧が印加される複数の第1の電極4a(陽極部)と第1の電圧より低い第2の電圧が印加される複数の第2の電極4b(陰極部)とからなり、それぞれの電極が外部電源等と接続される。ここで、電極4は、上述したように、3段階に分けて形成すると良い。即ち、まず、蒸着法により第2の樹脂層3と密着する電極密着部(図示せず)を形成し、さらに再度蒸着法により電極中間部(図示せず)を形成した後、めっき法により電極主要部(図示せず)を形成する。これによって、第2の樹脂フィルムと密着性の高い電極4を形成することができる。なお、電極4は、上述したように銅で形成され(即ち、銅電極)、一例として、厚さが0.008mmに形成される。
次に、第2の樹脂フィルムの電極4が形成された面上に、アクリル系接着剤を、第2の樹脂フィルムからの厚さが0.05mmになるように塗布する。この部分が第2の接着層5となる。
次に、第2の接着層5の第2の樹脂フィルムと対向する面上に、フィルム状に形成したポリイミドからなる第1の樹脂フィルム(これが、第1の樹脂層6となる。)を配置して接着する。本実施形態においては、第1の樹脂フィルムは、厚さ0.125mmのポリイミドフィルムを使用したが、これに限定されるものではない。第2の接着層5が固化すると、内部に電極4を挟み込んだ両面がポリイミドフィルムからなるシートが形成される。一般的にかかるシートをESC(Erectro Static Chuck 静電チャック)シートということがある。
次に、第2の樹脂フィルムの電極4が形成された面に対向する面上に、ガラス繊維とエポキシからなるシート状のガラス繊維強化エポキシ樹脂シート(これが、保護層2となる。)を配置する。本実施形態においては、ガラス繊維強化エポキシ樹脂シートの厚さを0.03mmとしたが、これに限定されるわけではない。
次に、ガラス繊維強化エポキシ樹脂シートの第2の樹脂フィルムに接する面と対向する面上に、フッ素系樹脂等からなるシート状の撥水シート(これが、撥水層1となる。)を配置する。本発明の一実施形態に係る静電チャック20においては、フッ素系樹脂として、4フッ化エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合または4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合または4フッ化エチレンのいずれかを好適に用いる。なお、上述したように撥水シートの材質は、フッ素系樹脂に限定されず、フッ素系樹脂とエポキシ樹脂の複合材またはフッ素系樹脂と低誘電率エポキシ樹脂の複合材であってもよく、適宜選択される。
本実施形態においては、フッ素系樹脂とエポキシ樹脂の複合材を厚さ0.03mmのシート状に形成して用いたが、これに限定されるわけではない。但し、撥水層1、保護層2及び第2の樹脂層3の合計の厚さが0.05mm以上0.1mm以下になるように設定することで、所望の吸着力を確保する。また、上述した3層の合計の厚さを変えることなく所望の吸着力を確保するために、本発明の一実施形態に係る静電チャックの製造方法においては、撥水層1に含まれる低誘電率エポキシ樹脂の含有率を適宜変更して対応することが可能である。
次に、保護層2及び撥水層1が積層されたESCシートを加熱して、第2の樹脂層3と保護層2、保護層2と撥水層1とをそれぞれ接着する。但し必ずしも加熱が必要なわけではなく、適宜加熱される。
次に、第1の樹脂層6に第1の接着層7を介してアクリルフォーム独立発泡体からなるクッション層8を接着し、続いて第3の接着層9を介してクッション層8と金属基材10とを接着する。本実施形態においては、上述したように、両面にアクリル系粘着材(これが第1の接着層7及び第3の接着層9となる。)を設けたクッションシート(これがクッション層8となる。)を用い、第1の樹脂層6上に該クッションシートを配置し、さらに当該クッションシートの上に金属基材10を配置して接着した。
以上の工程によって、本発明の一実施形態に係る静電チャックが製造されるが、本発明の一実施形態に係る静電チャックの製造方法はこれに限定されるわけではなく、製造工程は適宜変更され得る。例えば、上述した工程でESCシートを形成した後、第1の樹脂層6にクッション層8及び金属基材10を形成し、その後保護層2及び撥水層1を形成しても良い。
以上の工程によって製造され、上述した構造を有する本発明の一実施形態に係る静電チャック20は、第1に優れた撥水性を有するため、第2の樹脂層3に水分が吸着することに起因する吸着力の低下を防止することができる。
優れた撥水性を有するフッ素系樹脂またはフッ素系樹脂とエポキシ樹脂の複合材からなる撥水層1で第2の樹脂層3を覆うことにより、上記の効果が得られる。なお、本発明の一実施形態に係る静電チャックの撥水層1は、さらに撥油性を有しても良く、それによって液晶表示装置等の搬送中に第2の樹脂層3にオイル等が付着して吸着力が低下することをも防止することができる。即ち、優れた防汚性をも有する。
また、撥水層1をコーティング処理によって形成せず、上述したように、フッ素系樹脂またはフッ素系樹脂との複合材からなるシートを用いて形成するため、コーティング温度による第2の樹脂層3の劣化を招くことがなく、高品質の静電チャックを製造することが可能となる。
第2に、本発明の一実施形態に係る静電チャック20は、ガラス基板等の絶縁基板に対しても優れた吸着力を有する。本発明の一実施形態に係る静電チャック20は、上述した構造を有するため、第1の電極4a(陽極)及び第2の電極4b(陰極)に所定の電圧を印加した場合、第1の電極4aと第2の電極4bとの間に電場が生じ、かかる電場が第2の樹脂層3、保護層2及び撥水層1から被吸着物40に伝搬して、クーロン力を生じるためである。特に、第2の樹脂層3、保護層2及び撥水層1の合計の厚さを、0.05mm以上0.1mm以下に制御しているため、電極4と被吸着物40との距離を、いわゆるセラミック静電チャックに比して短くすることができるため、強力な吸着力を得ることができる。
さらに、本発明の一実施形態に係る静電チャック20は、撥水層1の材質としてフッ素系樹脂と低誘電率エポキシ樹脂を用いた場合、低誘電率エポキシ樹脂の含有量を調整することで、第2の樹脂層3、保護層2及び撥水層1の合計の厚さを変えることなく、より強い吸着力を実現できる。従って、かかる調整が困難なセラミック静電チャックに比して有利である。
第3に、本発明の一実施形態に係る静電チャック20は、被吸着物40との優れた密着性を有する。上述したように、本発明の一実施形態に係る静電チャック20は、金属基材10と第1の樹脂層6との間にアクリルフォーム独立発泡体からなるクッション層8を有する。静電チャック20は、被吸着物40を吸着した場合、被吸着物40自体の重量等による圧力を受ける。かかる圧力は、静電チャック20全体で受けることになるが、本発明の一実施形態に係る静電チャック20は、かかる圧力を特にクッション層8が弾性変形することで吸収し、且つクッション層8によって反発力を生じる。従って、被吸着物40との密着性が増すことになる。
図4は、本発明の一実施形態に係るクッション層8を有する静電チャック20のガラス基板との密着性を示す図である。また、図5は、一般的なクッション層を有しない静電チャックのガラス基板との密着性を示す図である。図4及び図5において、被吸着物であるガラス基板との密着が良好な部分は、色濃く(図面上で、濃い灰色。)で示される。図4(A)に破線で囲んで示すように、クッション層8を有する本発明の一実施形態に係る静電チャック20は、ガラス基板(被吸着物40)と広範な部分で面接着している。一方、図5(A)に、同じく破線で囲んで示すように、一般的なクッション層を有しない静電チャックにおいては、点接触であり密着性が劣る。以上から、本発明の一実施形態に係る静電チャック20が密着性に優れることが理解できる。
なお、クッション層8は、本実施形態においては、上述のようにアクリルフォーム独立発泡体で形成されるが、これに限定されるわけではなく、弾性を有すれば他の材質であっても良い。但し、特にクローズドセルのクッション層8を用いた場合には、真空気密性に影響を与えることがなく、また、アウトガス低減効果を有するため、本発明に一実施形態に係る静電チャック20は、真空炉内で問題なく使用することができる。
第4に、本発明の一実施形態にかかる静電チャック20は、優れた吸着力を有する。そして、この優れた吸着力は、印加電圧にかかわらず発揮され、また、真空中においても発揮される。これは、上述したクッション層8を有することによる密着性の効果に起因し、また、本発明の一実施形態に係る静電チャック20が、上述したように電極4から被吸着物40までの距離が短いことに起因する。図6は、本発明の一実施形態に係る静電チャック20の、クッション層8の有無による吸着力の比較図である。測定条件として、0.3Paの真空中において、同一の被吸着物(ガラス基板)40を吸着した場合の吸着力を、印加電圧を変化させて測定したものである。印加電圧を0.8kV(DC)〜2kV(DC)まで、0.2kV(DC)刻みで印加して、クッション層8を有する静電チャック20の吸着力とクッション層を有しない静電チャックの吸着力とを比較した場合、単位cm当たりの吸着力は、何れの場合においてもクッション層8を有する静電チャック20が優れていることが把握される。以上のように、クッション層8を有する本発明の一実施形態に係る静電チャック20は、優れた吸着力を実現できる。また、電極4から被吸着物40までの距離が、一般的なセラミック静電チャックが0.3mm程度であるのに比して、本発明の一実施形態に係る静電チャック20は、第2の樹脂層3、保護層2及び撥水層1の合計の厚さ(即ち、上述の距離。)が0.05mm以上0.1mm以下に制御されるため、距離に影響される吸着力が優れていることが理解される。
さらに、本発明の一実施形態に係る静電チャック20は、液晶表示装置等の製造工程において、撥水層1と被吸着物40との間に、パーティクルや微細なガラス破片を捲き込んだ場合でも、優れた吸着力を発揮することができる。図4(B)は、ガラス破片を捲き込んだ場合の本発明の一実施形態に係る静電チャック20の撥水層1表面(即ち、静電チャック20の吸着面。)の状態を示す図であり、図4(C)は、その拡大図である。図5(B)は、同様にガラス破片を捲き込んだ場合のクッション層を有しない静電チャックの吸着面の状態を示す図であり、図5(C)は、その拡大図である。図4(C)において、ガラス破片によって吸着面の表面が凹状に窪んでいるのが判る。一方、図5(C)においては、ガラス破片を捲き込んだ部分の吸着面が窪んでいない。本発明の一実施形態に係る静電チャック20は、硬度の低いクッション層8があることによって、クッション層8の上部に位置しクッション層8より硬度の高い、第1の樹脂層6、第2の接着層5、電極4、第2の樹脂層3、保護層2及び撥水層1の各層が、ガラス破片の圧力により局所的に凹状に窪むため、上述した吸着面が凹状に窪む。一方、クッション層を有しない静電チャックは、最下部に最も硬度の高い金属基材10が位置するため、上記各層が全体的に窪み、吸着面の局所的な窪みが形成されないのである。従って、本発明の一実施形態に係る静電チャック20は、全体的な密着が確保され、一方、クッション層を有しない静電チャックは、全体的に窪むことによって広範囲で密着性が損なわれる。
上述したように、ガラス破片等の異物が捲き込まれた場合、本発明の一実施形態に係る静電チャック20の各層がクッション層8まで局所的に窪む状態を図3に示す。図3に示すように、異物11が捲き込まれることにより、撥水層1、保護層2、第2の樹脂層3、電極4、第2の接着層5、第1の樹脂層6、第1の接着層7及びクッション層8が局所的に凹状に窪む。従って、絶縁体被吸着物40と吸着面である撥水層1との密着も、局所的に損なわれるのみで、全体的な密着は損なわれないのである。また、上述したように静電チャック20の吸着力は、電極4から被吸着物40までの距離の影響を受ける。異物11捲き込み時に局所的に上記各層が窪むと、電極4から被吸着物40までの距離は、ほとんど変化しない。一方、異物11捲き込み時に全体的に上記各層が窪んだ場合には、電極4と被吸着物40との距離が、広範囲で長くなる(即ち、電極4と被吸着物40とが広範囲で離れる。)ため、全体的な吸着力が低下する。クッション層8を有する本発明の一実施形態に係る静電チャック20は、異物11捲き込み時においても優れた吸着力を発揮する。
第5に、本発明の一実施形態に係る静電チャック20は、被吸着物40を傷つけることがない。即ち、被吸着物40の損傷防止効果を有する。上述したように、本発明の一実施形態に係る静電チャック20は、半導体の製造工程や液晶表示装置の製造工程で使用される。特に、半導体の製造工程で使用する場合、例えばセラミック静電チャックは吸着面が半導体の基板材料であるポリイミドよりも硬度の高いセラミックであるため、半導体基板を傷つけることがある。しかし、本発明の一実施形態に係る静電チャック20は、吸着面がフッ素系樹脂等の半導体基板材料よりも硬度の低い材質で形成されるため、半導体基板を傷つけることがない。また、液晶表示装置のガラス基板は半導体基板よりもさらに硬度が高いので、本発明の一実施形態に係る静電チャック20が、ガラス基板を傷つけることはない。即ち、本発明の一実施形態に係る静電チャック20は、被吸着物40の損傷防止効果を有する。
第6に、本発明の一実施形態に係る静電チャック20は、第2の樹脂層3の局所的破壊による絶縁性喪失防止効果を有する。上述したように、本発明の一実施形態に係る静電チャック20は、撥水層1と第2の樹脂層3との間に、ガラス繊維強化エポキシ樹脂からなる保護層2を有する。製造工程において静電チャック20と被吸着物40との間に捲き込まれる異物11は、例えばガラス基板の微細な破片等であるため、硬度が捲き込まれる異物11と同等または該異物11より高いガラス繊維強化エポキシ樹脂の層を設けることで、異物11が第2の樹脂層3に突き刺さったりして第2の樹脂層3が局所的に破壊されることを防止できるため、破壊箇所からの電流のリークによる絶縁性の喪失を防止できるのである。
次に、本発明の一実施形態に係る静電チャックの製造方法によれば、撥水性を確保するためのコーティング温度による第2の樹脂層3の劣化を防止しすることができる。上述したように、本発明の一実施形態に係る静電チャック20の製造方法においては、静電チャック20の撥水性を確保するために、保護層2の上部にフッ素系樹脂等からなる撥水層1を設ける。そして、この撥水層1は、フッ素系樹脂等をシート状に形成し、保護層2の上に積層することで形成する。従って、コーティングのように高温を用いず、低温で撥水層1を形成できるため、第2の樹脂層3の高温による劣化を招くことがない。
本発明の一実施形態に係る静電チャック20の断面図である。 本発明の一実施形態に係る静電チャック20の平面透視図である。 本発明の一実施形態に係る静電チャック20の異物捲き込み時を表す断面模式図である。 本発明の一実施形態に係るクッション層を有する静電チャックのガラス基板との密着性を示す図である。 一般的なクッション層を有しない静電チャックのガラス基板との密着性を示す図である。 本発明の一実施形態に係る静電チャック20の、クッション層8の有無による吸着力の比較図である。 一般的な静電チャックの一例の断面図である。 一般的な静電チャックの他の例の断面図である。
符号の説明
1:撥水層
2:保護層
3:第2の樹脂層
4:電極
5:第2の接着層
6:第1の樹脂層
7:第1の接着層
8:クッション層
9:第3の接着層
10:金属基材
11:異物
20:静電チャック
30:電源
40:絶縁体被吸着体
50:導体または半導体被吸着物

Claims (21)

  1. 金属基材と、
    前記金属基材の上に設けられた第1の樹脂層と、
    前記第1の樹脂層の上に設けられ、第1の電圧が印加される複数の第1の電極と前記第1の電圧より低い第2の電圧が印加される複数の第2の電極とを有する電極層と、
    前記電極層の上に設けられた第2の樹脂層と、
    前記第2の樹脂層の上に設けられた撥水層と、
    を具備することを特徴とする静電チャック。
  2. 前記撥水層はさらに撥油性を有することを特徴とする請求項1に記載の静電チャック。
  3. 前記撥水層と前記第2の樹脂層との間に、該第2の樹脂層より高硬度の保護層をさらに有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の静電チャック。
  4. 前記金属基材と前記第1の樹脂層との間にさらにクッション層を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか一に記載の静電チャック。
  5. 前記撥水層は、フッ素系樹脂からなることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか一に記載の静電チャック。
  6. 前記撥水層は、フッ素系樹脂とエポキシ樹脂の複合材からなることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか一に記載の静電チャック。
  7. 前記撥水層は、フッ素系樹脂と低誘電率エポキシ樹脂の複合材からなることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか一に記載の静電チャック。
  8. 前記フッ素系樹脂は、4フッ化エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合または4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合または4フッ化エチレンのいずれかであることを特徴とする請求項5ないし請求項7の何れか一に記載の静電チャック。
  9. 前記保護層は、ガラス繊維強化エポキシ樹脂からなることを特徴とする請求項3ないし請求項8の何れか一に記載の静電チャック。
  10. 前記クッション層は、アクリルフォーム独立発泡体から成ることを特徴とする請求項4ないし請求項9の何れか一に記載の静電チャック。
  11. 前記撥水層、前記保護層及び前記第2の樹脂層の合計の厚さが0.05mm以上0.1mm以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項10の何れか一に記載の静電チャック。
  12. 前記第1及び第2の樹脂層は、ポリイミドからなることを特徴とする請求項1ないし請求項11の何れか一に記載の静電チャック。
  13. 前記金属基材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなることを特徴とする請求項1ないし請求項12の何れか一に記載の静電チャック。
  14. 前記電極は銅からなることを特徴とする請求項1ないし請求項13の何れか一に記載の静電チャック。
  15. 第2の樹脂層の上に第1の電圧が印加される複数の第1の電極と前記第1の電圧より低い第2の電圧が印加される複数の第2の電極を形成し、
    前記第2の樹脂層の前記複数の第1及び第2の電極が形成された面上に第1の樹脂層を形成し、
    前記第2の樹脂層の前記複数の第1及び第2の電極が形成された面と対向する面上に該第2の樹脂層より硬度の高い保護層を形成し、
    前記保護層の上に撥水層を形成し、
    前記第1の樹脂層の前記第2の樹脂層に面する面と対向する面上に、クッション層を形成し、
    前記クッション層の前記第1の樹脂層に面する面と対向する面上に金属基材を配置することを特徴とする静電チャックの製造方法。
  16. 前記撥水層は、フッ素系樹脂、フッ素系樹脂とエポキシ樹脂との複合材またはフッ素系樹脂と低誘電率エポキシ樹脂との複合材のいずれかからなることを特徴とする請求項15に記載の静電チャックの製造方法。
  17. 前記保護層は、ガラス繊維強化エポキシ樹脂からなることを特徴とする請求項15に記載の静電チャックの製造方法。
  18. 前記第2の樹脂層、前記保護層及び前記撥水層の合計の厚さが0.05mm以上0.1mm以下であることを特徴とする請求項15ないし請求項17の何れか一に記載の静電チャックの製造方法。
  19. 前記第2の樹脂層、前記保護層及び前記撥水層の合計の厚さを変えることなく、前記電極に電圧が印加された場合に所望の吸着力を有する電場を発生させるために前記撥水層に含有する低誘電率エポキシ樹脂の含有量を調整することを特徴とする請求項15ないし請求項18の何れか一に記載の静電チャックの製造方法。
  20. 前記第1の樹脂層または前記第2の樹脂層は、ポリイミドからなることを特徴とする請求項15ないし請求項19の何れか一に記載の静電チャックの製造方法。
  21. 前記フッ素系樹脂は、4フッ化エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合または4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合または4フッ化エチレンのいずれかであることを特徴とする請求項15ないし請求項20の何れか一に記載の静電チャックの製造方法。


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