(1) 遊技用価値(メダル、クレジット)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数(3、ただしレギュラーボーナス中は1)を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、複数種類の識別情報を変動表示させる可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能であるスロットマシン(スロットマシン1)において、
前記可変表示装置の表示結果が導出される前に、前記遊技用価値を用いることなく次のゲームを行なうことが可能な再ゲーム入賞表示結果(リプレイ(1)、リプレイ(2))を含む複数種類の入賞表示結果各々の導出を許容するか否かを決定する事前決定手段(S402)と、
前記識別情報の変動表示を停止させるために遊技者に操作される停止操作手段(ストップスイッチ8L,8C,8R)と、
前記事前決定手段の決定結果および前記停止操作手段の操作手順に応じて、前記可変表示装置の表示結果を導出させる導出制御手段(S403)と、
所定条件が成立したときに、前記再ゲーム入賞表示結果を通常遊技状態よりも高い確率で導出させる制御を行なう再ゲーム高確率状態(RT1)に制御する再ゲーム高確率状態制御手段(S1009e)とを備え、
前記再ゲーム高確率状態制御手段は、前記再ゲーム高確率状態において、所定の終了表示結果(シングルボーナス)が導出されたときに当該再ゲーム高確率状態を終了し(S909、S1009h)、
前記導出制御手段は、前記事前決定手段により所定の決定がなされたこと(シングルボーナス+メロン当選)を条件として、前記終了表示結果を導出させることが可能な終了表示結果導出制御手段(図18、シングルボーナスがメロンと同時当選しているときのリール制御参照)を含み、
該終了表示結果導出制御手段は、前記所定の決定がなされたゲームにおいて、特定のタイミングで前記停止操作手段が操作(少なくとも中リール2Cが停止された状態で、左リール2Lについて領域番号9の「メロン」の図柄が下段に位置するタイミングでストップボタン8Lを操作)されたときに前記終了表示結果と異なる特殊表示結果(「メロン−メロン−メロン」)を導出させ、
前記導出制御手段はさらに、前記事前決定手段により前記再ゲーム入賞表示結果の導出を許容する旨の決定がなされたときに、前記再ゲーム入賞表示結果を導出させる再ゲーム入賞表示結果導出制御手段(図18、リプレイ(1)+リプレイ(2)に当選しているときのリール制御参照)を含み、
該再ゲーム入賞表示結果導出制御手段は、前記再ゲーム入賞表示結果の導出を許容する旨の決定がなされたゲーム(リプレイ(1)+リプレイ(2)当選)において、前記特定のタイミングで前記停止操作手段が操作されたときに前記再ゲーム入賞表示結果のうちの第1の特定の表示結果(リプレイ(2)、「オレンジ−バナナ−バナナ」)を導出させ、前記特定のタイミングの前後のタイミング(左リール2Lについて領域番号9の「メロン」の図柄が下段に位置するタイミングよりも前のタイミング、左リール2Lについて領域番号9の「メロン」の図柄が下段に位置するタイミングよりも後のタイミング)で前記停止操作手段が操作されたときに前記再ゲーム入賞表示結果のうちの前記第1の特定の表示結果と異なる第2の特定の表示結果(リプレイ(1)、「バナナ−バナナ−バナナ」)を導出させる。
このような構成によれば、再ゲーム入賞表示結果の導出が許容されているゲームにおいて、終了表示結果と異なる特殊表示結果を導出させるための特定のタイミングで停止操作手段が操作されると第1の特定の表示結果が導出され、特定のタイミングの前後のタイミングで停止操作手段が操作されると第2の特定の表示結果が導出される。これにより、第1の特定の表示結果が導出されるか否かにより、特定のタイミングで操作できたのかできなかったのか確認することができる。このため、スロットマシンの稼働率を低下させることなく、再ゲーム入賞表示結果の導出が許容されているゲームにおいて、特定のタイミングで前記停止操作手段を操作するための操作練習を行なうことができる。
また、所定条件が成立したときに、再ゲーム高確率状態制御手段によって、再ゲーム高確率状態に制御される。再ゲーム高確率状態では、再ゲーム入賞表示結果を通常遊技状態よりも高い確率で導出させる制御が行なわれる。一方、上記の操作練習は、再ゲーム入賞表示結果の導出が許容されているゲームにおいて実行可能となる。このため、再ゲーム高確率状態に制御されているときには、特定のタイミングで操作できたのかできなかったのかを確認可能なゲームをより多く遊技者に提供することができる。
また、特定のタイミングで操作できたのかできなかったのかを確認可能なゲームにおいては、特定のタイミングで操作できたときであっても操作できなかったときでも再ゲーム入賞表示結果が導出される。このため、遊技用価値を用いることなく次のゲームを行なうことができ、実質的に遊技用価値の損失を発生させないようにすることができる。
また、特定のタイミングで操作できたのかできなかったのかを確認可能なゲーム(練習ゲーム)である場合であって特定のタイミングで操作されたときには、第1の特定の表示結果が導出され、特定のタイミングで操作することにより終了表示結果が導出されてしまうことを回避するためのゲーム(本番ゲーム)である場合であって特定のタイミングで操作されたときには、第1の特定の表示結果と異なる特殊表示結果が導出される。すなわち、特定のタイミングで操作されたことを練習ゲームと本番ゲームとで異なる表示結果を導出することに遊技者に認識させることができる。このため、特定のタイミングで操作されたときの表示結果から練習ゲームであったのか本番ゲームであったのかを遊技者に容易に認識させることができる。
上記の再ゲーム入賞表示結果導出制御手段は、前記再ゲーム入賞表示結果の導出を許容する旨の決定がなされたゲームにおいて、前記特定のタイミングと異なるタイミングであってかつ前記特定のタイミングの前後のタイミングとも異なる所定のタイミングで前記停止操作手段が操作されたときにも第1の特定の表示結果を導出させるものであってもよい(変形例(28)参照)。このように構成した場合であっても、遊技者が特定のタイミングを狙って操作した場合に、第1の特定の表示結果が導出されるか否かにより、特定のタイミングで操作できたのかできなかったのか確認することができるため、上記の効果と同様の効果を奏する。
また、第1および第2の特定の表示結果は、再ゲーム入賞表示結果に限らず、複数種類の入賞表示結果のうちいずれであってもよく、また、入賞表示結果と異なる予め定められたはずれ表示結果であってもよい。第1の特定の表示結果としての予め定められたはずれ表示結果とは、たとえば、再ゲーム入賞表示結果が前記可変表示装置に複数設定されている入賞ライン(入賞ラインL1〜L5)のうち特定の入賞ライン(たとえば、入賞ラインL1〜L3等の横ライン)上に導出されたときに他の入賞ライン(たとえば、入賞ラインL4、L5等の斜めライン)上に導出される表示結果であってもよい。この場合、再ゲーム入賞表示結果導出制御手段は、前記再ゲーム入賞表示結果(リプレイ)の導出を許容する旨の決定がなされたゲームにおいて、前記特定のタイミングで前記停止操作手段が操作されたときに前記可変表示装置に複数設定されている入賞ライン(入賞ラインL1〜L5)のうち特定の入賞ライン(たとえば、入賞ラインL1〜L3等の横ライン)上に前記再ゲーム入賞表示結果を導出させるとともに前記特定の入賞ラインと異なる入賞ライン(たとえば、入賞ラインL4、L5等の斜めライン)上に特定の表示結果(予め定められたはずれ図柄の組合せ)を導出させ、前記特定のタイミングの前後のタイミング(左リール2Lについて領域番号9の「メロン」の図柄が下段に位置するタイミングよりも前のタイミング、左リール2Lについて領域番号9の「メロン」の図柄が下段に位置するタイミングよりも後のタイミング)で前記停止操作手段が操作されたときにいずれかの入賞ライン上に前記再ゲーム入賞表示結果を導出させるがいずれの入賞ラインにも前記特定の表示結果を導出させないものであってもよい(変形例(29)参照)。これにより、遊技者が特定のタイミングを狙って操作した場合に、実際に特定のタイミングで操作することができずその前後のタイミングで操作されたときには再ゲーム入賞表示結果が導出されるだけで、特定のタイミングで操作されたときには再ゲーム入賞表示結果が導出されるとともに別の入賞ライン上に特定の表示結果が停止表示されるため、特定の表示結果が停止表示されるか否かにより、特定のタイミングで操作できたのかできなかったのか確認することができ、前述した効果と同様の効果を奏する。
また、終了表示結果は、複数種類の入賞表示結果のうちいずれであってもよく、たとえば、再ゲーム入賞表示結果のうちの第1および第2の特定の表示結果と異なる第3の特定の表示結果であってもよい。この場合、所定の決定とは、第1〜第3の特定の表示結果すべての導出を許容する旨の決定であってもよい。これにより、第1および第2の特定の表示結果の導出が許容されているゲームにおいて特定のタイミングで操作する練習を行なうことができ、第1〜第3の特定の表示結果すべての導出が許容されているゲームにおいて特定のタイミングで操作することにより第3の特定の表示結果と異なる特殊表示結果を導出させることができる。なお、この場合の特殊表示結果は、第1の特定の表示結果(リプレイ(2))であってもよい。これにより、特定のタイミングで操作できたのかできなかったのかを確認可能なゲーム(練習ゲーム)であるか特定のタイミングで操作することにより終了表示結果が導出されてしまうことを回避するためのゲーム(本番ゲーム)であるかに関わらず、共通の第1の特定の表示結果が導出されることにより、特定のタイミングで操作されたことを遊技者に認識させることができる。
また、終了表示結果は、入賞表示結果と異なる予め定められたはずれ表示結果であってもよい。終了表示結果としての予め定められたはずれ表示結果とは、たとえば、事前決定手段により所定の決定がなされたときに導出が許容される所定入賞表示結果を特定の入賞ライン(たとえば、入賞ラインL1〜L3等の横ライン)上に導出させた場合に、特定の入賞ラインと異なる入賞ライン(たとえば、入賞ラインL4、L5等の斜めライン)上に導出されるはずれ表示結果であってもよい(変形例(30)参照)。なお、前述した第2の特定の表示結果は、終了表示結果と異なる表示結果である。
(2) 前記再ゲーム入賞表示結果の導出を許容する旨の決定がなされたゲームにおいて前記第1の特定の表示結果が導出されたときに、所定の演出(目押し成功演出)を行なう演出実行手段(サブ制御部91、Ss503)をさらに備える。
(3) 前記終了表示結果が導出されたときに、次の1ゲームを前記複数種類の入賞表示結果のうち有利入賞表示結果(15枚役)を前記通常遊技状態よりも高い確率で導出させる制御を行なう特別ゲーム(シングルボーナス)に制御する特別ゲーム制御手段(S909)を備え、
前記再ゲーム高確率状態制御手段は、
前記有利入賞表示結果が導出されたときに前記再ゲーム高確率状態に制御し(S1009d)、
前記再ゲーム高確率状態において前記終了表示結果が導出されたときに当該再ゲーム高確率状態を終了し、次の1ゲームは前記特別ゲームに制御される(S909)。
このような構成によれば、終了表示結果が導出されたときに、再ゲーム高確率状態を終了させて、特別ゲームに制御される。また、特別ゲームでは、再ゲーム高確率状態に制御する契機となる有利入賞表示結果が通常遊技状態よりも高い確率で導出する。さらに、この特別ゲームは、1ゲームで終了する。このため、再ゲーム高確率状態を終了させる終了表示結果導出を契機として、再遊技高確率状態への制御が開始または継続されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、再ゲーム高確率状態に制御されていないときには、終了表示結果が導出されることにより、再ゲーム高確率状態へ制御される確率が高まることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。これに対し、再ゲーム高確率状態に制御されているときには、終了表示結果が導出されることにより、当該再ゲーム高確率状態が終了することに対する喪失感と有利入賞表示結果が発生しやすい1ゲームの結果に応じて再ゲーム高確率状態に再び制御されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。このように、終了表示結果が導出されることにより遊技者に抱かせる感情を、制御されている遊技状態に応じて変化させることができる。
なお、前記有利入賞表示結果は、複数種類の入賞表示結果のうちいずれかであればよく、たとえば、遊技用価値の付与を伴う入賞表示結果であってもよい。また、前記有利入賞表示結果は、複数種類(たとえば、15枚役a、15枚役b、15枚役c等)設定されているものであってもよい(変形例(3)参照)。
このように構成した場合、前記再ゲーム高確率状態制御手段は、前記再ゲーム高確率状態であって前記再ゲーム入賞表示結果を発生させる確率(事前決定手段が前記再ゲーム入賞表示結果の導出を許容する旨を決定する確率)が異なる複数種類の再ゲーム高確率状態のうち、導出された有利入賞表示結果の種類に応じた再ゲーム高確率状態に制御するものであってもよい。また、事前決定手段が導出を許容する旨を決定する確率が、前記複数種類の有利入賞表示結果各々で異なるように設定されているものであってもよい(変形例(3)参照)。これにより、制御される再ゲーム高確率状態の種類によって、再ゲーム入賞表示結果が発生する確率を異ならせることができる。また、再ゲーム高確率状態の種類は、導出された有利入賞表示結果の種類に応じて決定される。その結果、導出された有利入賞表示結果の種類に応じて遊技者にとって有利な再ゲーム高確率状態に制御されることに対し遊技者が抱く期待感を異ならせてメリハリをつけることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、有利入賞表示結果を複数種類設定した場合には、さらに、特別ゲームとして、複数種類の有利入賞表示結果のうち少なくとも一の有利入賞表示結果を導出させる確率が異なる複数種類の特別ゲーム(シングルボーナス(1)〜(3))に制御可能に構成してもよい(変形例(3)参照)。その結果、制御された特別ゲームの種類に応じて遊技者にとって有利な再ゲーム高確率状態に制御されることに対し遊技者が抱く期待感を異ならせてさらにメリハリをつけることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 前記特別ゲーム制御手段は、前記特別ゲームとして、前記有利入賞表示結果および前記複数種類の入賞表示結果のうち前記有利入賞表示結果と異なる非有利入賞表示結果(メロン)を前記通常遊技状態よりも高い確率で導出させる制御を行なう状態に制御し(図17(d)参照)、
前記可変表示装置は、前記複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域(左リール、中リール、右リール)を有し、該複数の可変表示領域のそれぞれに識別情報を導出させることが可能であり、
前記導出制御手段は、前記事前決定手段により前記有利入賞表示結果の導出を許容する旨の決定がなされているとき(15枚役に当選しているとき)または前記非有利入賞表示結果の導出を許容する旨の決定がなされているとき(メロンに当選しているとき)に、前記複数の可変表示領域のうち一の可変表示領域(右リール)を除く可変表示領域に前記有利入賞表示結果の一部を構成しかつ前記非有利入賞表示結果の一部を構成する表示結果を導出(15枚役またはメロンの少なくともいずれかが当選している場合に左リールおよび中リールを停止させると、入賞表示結果ライン上に「メロンーメロン」が導出され、右リールの表示結果に応じて15枚役またはメロンに入賞表示結果し得るダブルテンパイ状態になる)。
このような構成によれば、一の可変表示領域を除き、有利入賞表示結果および非有利入賞表示結果の一部を構成する表示結果が導出される。このため、特に、有利入賞表示結果および非有利入賞表示結果を導出させる確率が高まる特別ゲームにおいて一の可変表示領域が変動表示している間、非有利入賞表示結果が導出するに留まるか有利入賞表示結果が導出して再ゲーム高確率状態に制御されるかを煽ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、仮に一の可変表示領域を最後に停止させた場合には、有利入賞表示結果および非有利入賞表示結果のうちいずれが導出するのか一の可変表示領域を停止(最終停止)させるまで有利入賞表示結果が導出されて再ゲーム高確率状態に制御されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
なお、前記有利入賞表示結果を構成する表示結果は、前記複数の可変表示領域のうち一の可変表示領域の表示結果を除き、前記非有利入賞表示結果を構成する表示結果と同じ表示結果で構成されるもの(図16の15枚役およびメロンの図柄の組合せ参照)であってもよい。
(5) 配線パターンが形成されているとともに該配線パターンに電気的に接続するコネクタ(基板側コネクタ620a)を有し、ゲームを進行させる制御を行なう手段(メイン制御部41)を搭載した遊技制御基板(遊技制御基板40)と、
該遊技制御基板へゲームの進行に関わる信号を出力する第1の電子部品と、前記遊技制御基板よりゲームの進行に関わる信号が入力される第2の電子部品とのうち少なくとも一方を含む遊技用電子部品(投入メダルセンサ31)と、
ケーブルを接続するための第1コネクタ(コネクタ621a)と第2コネクタ(コネクタ622g)とを有し、前記遊技用電子部品と前記遊技制御基板との間での信号の入出力を中継する中継基板(操作部中継基板110)と、
前記遊技制御基板側のコネクタと接続されるコネクタを一方端に、前記中継基板側の前記第1コネクタと接続されるコネクタを他方端に有し、前記遊技制御基板と前記中継基板とを電気的に接続する第1ケーブル(ケーブル600a)と、
前記中継基板側の第2コネクタと接続されるコネクタを一方端に有し、前記遊技用電気部品が他方端に接続される第2ケーブル(ケーブル601g)とを備え、
前記第1ケーブルと前記遊技制御基板とのコネクタ接続部分(コネクタ620a、コネクタ610a部分)、前記第1ケーブルと前記中継基板とのコネクタ接続部分(コネクタ611a、コネクタ621a部分)、および前記第2ケーブルと前記中継基板とのコネクタ接続部分(コネクタ622g、コネクタ612g部分)の各々は、該コネクタ接続に関わる解除規制部位を破壊しない限り解除不能である接続解除規制状態になっている(コネクタ規制部材)。
このような構成によれば、前記第1ケーブルと前記遊技制御基板とのコネクタ接続部分、前記第1ケーブルと前記中継基板とのコネクタ接続部分、および前記第2ケーブルと前記中継基板とのコネクタ接続部分の各々は、該コネクタ接続に関わる解除規制部位を破壊しない限り、解除不能である接続解除規制状態になっているため、遊技制御基板および中継基板における3箇所のコネクタ接続部分のいずれにおいても、痕跡を残さずに打ち込み器具などの不正器具を接続することができなくなる。その結果、打ち込み器具を用いた不正行為が行なわれることを極力防止できる。なお、打ち込み器具とは、たとえば各種電子部品から遊技制御基板に入出力される信号を擬似的に再現した信号を遊技制御基板に入出力させることで、スロットマシンに設けられた各種スイッチ等を操作することなく、ゲームを自動的に進行させることができるものである。
(6) 前記入賞表示結果のうち前記遊技用価値の付与を伴う入賞表示結果(ブドウ、メロン、15枚役等)を前記通常遊技状態よりも高い確率で導出させる制御を複数ゲームに亘って行なう特別遊技状態(ビッグボーナス、レギュラーボーナス)への移行を伴う特別移行入賞表示結果(ビッグボーナス(1)、(2)、レギュラーボーナス(1)、(2))の導出を許容する旨が前記事前決定手段により決定され、該特別移行入賞表示結果が発生しなかったときに、当該特別移行入賞表示結果の導出を許容する旨の決定を次ゲーム以降に持ち越す持越手段(S405、特別ワーク)を備え、
前記再ゲーム高確率状態制御手段は、前記事前決定手段により前記特別移行入賞表示結果の導出を許容する旨が決定されたときに、前記再ゲーム高確率状態(RT2)に制御し(S720)、
前記導出制御手段は、前記特別移行入賞表示結果および前記再ゲーム入賞表示結果の導出を許容する旨が決定されているときに、前記再ゲーム入賞表示結果を導出させることが可能なときには前記特別移行入賞表示結果よりも該再ゲーム入賞表示結果を優先して導出させ、
前記スロットマシンは、前記再ゲーム高確率状態に制御されているときに前記複数種類の入賞表示結果のうちいずれも発生しなかったことを条件として、1ゲームよりも長い連続演出期間の間で継続し、該連続演出期間の終了時に前記事前決定手段により前記特別移行入賞表示結果の導出を許容する旨が決定されているか否かの演出結果を示す連続演出(はずれ時連続演出)を実行する連続演出実行手段(Ss502、図36のタイミング9およびタイミング16)をさらに備える。
このような構成によれば、特別移行入賞表示結果の導出を許容する旨が決定されたときにも再ゲーム高確率状態に制御しかつ再ゲーム入賞表示結果が特別移行入賞表示結果よりも優先して導出させるため、再ゲーム入賞表示結果が発生し特別移行入賞表示結果が発生し難い状態を継続させることができる。このため、導出表示される結果から特別移行入賞表示結果の導出が許容されているか否かをわかり難くすることができ、特別移行入賞表示結果の導出が許容されていることに対し遊技者が抱く期待感を持続させることができる。
このような構成によれば、連続演出の画像要素データが一時記憶領域に書き込まれ、これに応じた連続演出が終了するまでの間はデモ演出が禁止され、その結果、連続演出が終了するまでの間はデモ演出の画像要素データが一時記憶領域に書き込まれることがないので、デモ演出の画像要素データの書き込みによって連続演出の画像要素データが一時記憶領域から消去されてしまうこともない。このため、遊技の進行状況とは無関係なデモ演出のために、一般的にデータ量の多い連続演出の画像要素データを画像要素データ記憶手段から読み出して画像データ記憶手段の一時記憶領域に書き込むというオーバーヘッドが重複して生じることをなくすことができる。
なお、前記デモ演出データ書込手段は、ゲームが終了した後に遊技が進行されていない状態が所定時間継続したときに、前記デモ演出の画像要素データを前記一時記憶領域に書き込むものとしてもよい。この場合は、前記デモ演出の画像要素データが書き込まれるのに続けて、該デモ演出の画像データが前記フレーム領域に描画されるものとなる。一方、前記デモ演出データ書込手段は、ゲームが終了した直後に、前記デモ演出の画像要素データを前記一時記憶領域に書き込むものとしてもよい。この場合は、ゲームが終了した後に遊技が進行されていない状態が所定時間継続すると、ゲームの終了直後に書き込んでおいたデモ演出の画像要素データに基づいて画像データを前記フレーム領域に描画するものとなる。
また、前記連続演出は、遊技者の指示に応じて実行途中において、その実行を強制終了させることができるものであってもよい。この場合、前記連続演出時デモ演出禁止手段は、該連続演出の実行が遊技者の指示により強制終了させられるまで、前記デモ演出の実行を禁止することができる。
また、前記連続演出時デモ演出禁止手段をプログラム制御により動作するもので構成した場合は、前記デモ演出の実行を積極的に禁止する制御を行なうプログラムで実現されるものに限らず、前記デモ演出の実行を実現するルーチンが呼び出されないようプログラムが作成されているものを含む。
(8) 前記入賞表示結果のうち特別移行入賞表示結果が導出されたときに、前記遊技用価値の付与を伴う入賞表示結果(メロン、ブドウ、15枚役)を前記通常遊技状態よりも高い確率で導出させる制御を複数ゲームに亘って行なう特別遊技状態(変形例(2)におけるCB)に制御する特別遊技状態制御手段(S907と同様)をさらに備え、
前記特別遊技状態制御手段は、前記特別移行入賞表示結果が導出されたときに、前記再ゲーム高確率状態に制御されているときであっても当該再ゲーム高確率状態を終了させずに、前記特別遊技状態への制御を開始し(変形例(2)参照)、
前記導出制御手段は、前記特別遊技状態に制御されているゲームにおいて、前記事前決定手段により前記再ゲーム入賞表示結果の導出を許容する旨の決定がなされているときに、当該再ゲーム入賞表示結果を導出させることが可能なときには該再ゲーム入賞表示結果を導出させる表示結果を導出させ、当該再ゲーム入賞表示結果を導出させることが不能なときであって該再ゲーム入賞表示結果と異なる入賞表示結果を導出させることが可能なときには当該入賞表示結果を導出させる表示結果を導出させる(変形例(2)参照)。
このような構成によれば、再ゲーム高確率状態に制御されているときに特別移行入賞表示結果が導出されたときには、再ゲーム入賞表示結果および遊技用価値の付与を伴う入賞表示結果が通常遊技状態よりも高い確率で発生し、再ゲーム入賞表示結果を導出させることが不能なときであって該再ゲーム入賞表示結果と異なる入賞表示結果を導出させることが可能なときには当該入賞表示結果を導出させる組合せとなる表示結果が導出される特別遊技状態に制御される。このため、再ゲーム高確率状態に制御されているときに特別移行入賞表示結果が導出されたときの特別遊技状態においては、再ゲーム入賞表示結果が発生しなかったときに他の入賞表示結果が発生可能となる点で、再ゲーム高確率状態だけに制御されているときよりも遊技者にとっての有利度合いが高い。よって、再ゲーム高確率状態に制御されているときに、さらに特別遊技状態に制御されることに対し遊技者に期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、前記再ゲーム高確率状態制御手段は、前記有利入賞表示結果が導出されたときに前記再ゲーム高確率状態への制御を開始し、当該再ゲーム高確率状態において行なわれたゲーム数が所定ゲーム数(規定ゲーム数)に到達したことを条件として当該再ゲーム高確率状態への制御を終了するように構成してもよい(変形例(2)参照)。
また、前記特別遊技状態制御手段は、前記特別移行入賞表示結果が導出されたときに、前記再ゲーム高確率状態に制御されているときであっても当該再ゲーム高確率状態を終了させずに、前記特別遊技状態への制御を開始し、当該特別遊技状態において遊技者に付与された遊技用価値の数が予め定められた所定数に到達したことを条件として当該複数ゲーム当別遊技状態への制御を終了するように構成してもよい(変形例(2)参照)。
このような構成によれば、再ゲーム高確率状態に制御されているときに特別移行入賞表示結果が導出されたときの特別遊技状態においては、再ゲーム入賞表示結果を導出させることを不能とし再ゲーム入賞表示結果と異なる入賞表示結果を発生させて、より少ないゲーム数で当該特別遊技状態において遊技者に付与された遊技用価値の数が予め定められた所定数に到達するように、遊技者はゲームを行なうはずである。このため、再ゲーム高確率状態に制御されているときに特別移行入賞表示結果が導出されたときの特別遊技状態において、技術介入性を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
このような構成によれば、演出制御情報格納手段は、遊技制御情報格納手段が有する格納領域よりも多くの格納領域を有している。これにより、開発中や出荷前に演出制御手段が正常に動作するか否かを検査するために、動作試験用の遊技制御手段を演出制御手段に接続して動作試験を行なう場合において、当該動作試験の効率を十分に高めることができないといった問題を解決することができる。すなわち、動作試験用の遊技制御手段から制御情報を連続して送信する場合にも、一度に送信できる制御情報の数や送信間隔が、遊技制御情報格納手段の格納領域、すなわち通常の遊技を想定してオーバーフローしない程度の数分割り当てられた格納領域の数に応じて制限されることがなく、演出制御情報格納手段の格納領域の限界まで大量の制御情報を連続して送信することが可能となるため、動作試験の効率を効果的に高めることができる。
このような構成によれば、スロットマシンに対して不正行為を行なうには第2の枠の開放を必要とすることが多いが、第2の枠が開放されると、その旨が報知されるため、スロットマシンに対する不正を効果的に防止できる。また、遊技制御手段は、開閉状態検出手段の検出状態を監視し、その検出状態に変化があったときに、変化後の検出状態を示す開閉状態検出情報を制御情報として演出制御手段に対して送信するのみで、演出制御手段が、遊技制御手段から送信された開閉状態検出情報が示す開閉状態検出手段の検出状態に基づいて第2の枠が開放しているか否かを判定し、その判定結果に基づいて第2の枠の開放を報知することができる。このため、遊技制御手段は、第2の枠の開放を報知するにあたって、開閉状態検出手段の検出状態から第2の枠が開放しているか否かの判定を行なう必要がなく、遊技制御手段の制御負荷を軽減することができる。
(C) 異常(たとえば、ドア開放エラー、設定変更エラー、投入エラー、払出エラー等)が発生したか否かを判定し、発生した異常の種類を特定するための信号をパラレル信号方式で送信する信号送信手段(メイン制御部41)と、
前記信号送信手段からの信号を前記発生した異常の種類を特定可能なシリアル信号方式に変換してスロットマシンの外部に出力するための出力部を有する変換出力手段(外部出力基板1000、パラレル・シリアル変換回路1002)とを備える。
このような構成によれば、発生した異常の種類を特定するための信号を1の出力部から出力することができ、従来のように異常の種類毎に出力部を設けて信号を複数の出力部から出力するものと比較して、必要以上に多くの出力部を設ける必要がなくなる。
(D) 前記再ゲーム高確率状態制御手段は、再ゲーム入賞表示結果の導出を許容する旨の決定がなされる確率が異なる複数種類の状態のうちいずれかに制御するものであってもよい(変形例(9)参照)。これにより、どの種類の状態に制御されるかに遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
この場合には、さらに、前記再ゲーム高確率状態制御手段は、前記特別移行入賞表示結果が導出されたことにより移行される特別遊技状態への制御が終了したことを条件として、第1再ゲーム高確率状態(RTa)に制御するように構成し、
さらに、前記事前決定手段は、第1再ゲーム高確率状態に制御されているときに、少なくとも複数種類の再ゲーム入賞表示結果のうち第1の再ゲーム入賞表示結果(リプレイb)および第2の再ゲーム入賞表示結果(リプレイc)の導出を許容する旨の決定がなされる確率が通常遊技状態よりも高くなるように入賞表示結果の導出を許容するか否かを決定し、
前記再ゲーム高確率状態制御手段は、
前記第1再ゲーム高確率状態であるときに前記第1の再ゲーム入賞表示結果が導出されたことを条件として、前記再ゲーム入賞表示結果の導出を許容する旨の決定が前記事前決定手段によりなされる確率が前記第1再ゲーム高確率状態よりも高い遊技者にとって有利な第2再ゲーム高確率状態(RTb)に制御し、
前記第1再ゲーム高確率状態であるときに前記第2の再ゲーム入賞表示結果が導出されたことを条件として、前記再ゲーム入賞表示結果の導出を許容する旨の決定が前記事前決定手段によりなされる確率が前記第1再ゲーム高確率状態よりも低く前記第1の再ゲーム入賞表示結果が導出されても前記第2再ゲーム高確率状態へ制御しない遊技者にとって不利な状態(RTc)に制御するように構成してもよい(変形例(9)参照)。
このような構成によれば、第1再ゲーム高確率状態へ制御されたときに第2再ゲーム高確率状態へ制御されることに対する期待感を抱かせるとともに、不利な状態に制御されることに対する不安感を抱かせることができ、第2再ゲーム高確率状態や不利な状態に制御されないスロットマシンと比較して、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、上記のように構成した場合であって、前記特別移行入賞表示結果は複数種類設けられており、導出された特別移行入賞表示結果の種類に応じた特別遊技状態に制御する場合には、前記再ゲーム高確率状態制御手段は、前記事前決定手段により前記第1の再ゲーム入賞表示結果の導出を許容する旨の決定がされる確率および前記事前決定手段により前記第2の再ゲーム入賞表示結果の導出を許容する旨の決定がされる確率のうち少なくとも一方の確率が異なる複数種類の第1再ゲーム高確率状態に制御可能であって、終了した特別遊技状態の種類に応じた第1再ゲーム高確率状態(RTa、RTa’、RTa”)に制御するように構成してもよい(変形例(9)参照)。
このような構成によれば、ビッグボーナスが終了することやRT図柄が導出されること、すなわち一定確率にしたがって再ゲーム高確率状態に制御される従来のスロットマシンと比較して以下の効果を奏する。どの種類の特別遊技状態に制御されるか、すなわち第1の再ゲーム入賞表示結果の導出を許容する旨の決定がされる確率が高い種類の第1再ゲーム高確率状態へ制御される種類の特別遊技状態に制御されるかに対し遊技者を注目させることができる。また、制御される特別遊技状態の種類に応じてより有利な第2再ゲーム高確率状態に制御されることに対し遊技者が抱く期待感を異ならせてメリハリをつけることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(E) 前記事前決定手段により前記特別移行入賞表示結果のうちいずれかの導出を許容する旨が決定され、該特別移行入賞表示結果が導出されなかったときに、当該特別移行入賞表示結果の導出を許容する旨の決定を次ゲーム以降に持ち越す持越手段(S405、特別ワーク)とを備え、
前記再ゲーム高確率状態が開始された後、消化したゲーム数が予め定められた規定ゲーム数(100ゲーム)に到達する前に前記事前決定手段が前記特別移行入賞表示結果の導出を許容する旨を決定した場合には当該再ゲーム高確率状態を終了させず、前記特別移行入賞表示結果が導出されたとき、または前記特別移行入賞表示結果が導出されずに消化したゲーム数が前記規定ゲーム数に到達したときに当該再ゲーム高確率状態を終了させるように構成してもよい(変形例(10)参照)。
このような構成によれば、再ゲーム高確率状態が開始された後、規定ゲーム数に到達する前に特別移行入賞表示結果の導出を許容する旨が決定されても、該決定により許容された特別移行入賞表示結果が導出されなければ、当該決定をもって当該再ゲーム高確率状態が終了することがなく、規定ゲーム数に到達するまで当該再ゲーム高確率状態に継続して制御することが可能となる。このため、再ゲーム高確率状態において特別移行入賞表示結果の導出を許容する旨が決定されても、該決定により許容された特別移行入賞表示結果が導出されなければ当該再ゲーム高確率状態を規定ゲーム数に到達するまで消化することが可能となり、再ゲーム高確率状態が特別移行入賞表示結果の導出が許容されたことにより再ゲーム高確率状態が終了する従来のスロットマシンと比較して、再ゲーム高確率状態に制御されているときに遊技者に対して損失感を与えてしまうことがない。また、持越手段により特別移行入賞表示結果の導出を許容する旨の決定が次ゲーム以降に持ち越されるため、再ゲーム高確率状態に制御されている間に特別移行入賞表示結果の導出を許容する旨が決定されていることに対して期待感を抱かせることができる。
このような構成によれば、表示結果から、特別移行入賞表示結果の種類が遊技者にとって識別しづらくなり、どの種類の特別遊技状態に制御されているか遊技者に気づかせにくくすることができる。このため、表示結果から特別遊技状態の種類が特定される従来のスロットマシンと比較して、再ゲーム高確率状態報知演出に遊技者を注目させることができるため、当該再ゲーム高確率状態報知演出を行なうことにより効果的に遊技の興趣を向上させることができる。
(G) 前記事前決定手段により前記特別移行入賞表示結果のうちいずれかの導出を許容する旨が決定され、該特別移行入賞表示結果が導出されなかったときに、当該特別移行入賞表示結果の導出を許容する旨の決定を次ゲーム以降に持ち越す持越手段(S405、特別ワーク)と、
前記入賞表示結果のうち遊技用価値の付与を伴う付与入賞表示結果(小役)が導出されたときに、所定量の遊技用価値を遊技者に付与する遊技用価値付与手段(S1002〜S1004)と、
前記事前決定手段により導出が許容されている入賞表示結果を導出させるための手順(操作タイミング、操作順序等を含む)を特定可能な情報を遊技者に報知する手順報知制御(ナビ演出)を行なう手順報知手段(Ss503)とを備え、
前記再ゲーム高確率状態制御手段は、前記事前決定手段により前記特別移行入賞表示結果の導出を許容する旨が決定されてから、該特別移行入賞表示結果が導出されるまで、前記再ゲーム高確率状態に制御する手段を含み(変形例(12)参照)、
前記手順報知手段は、前記再ゲーム高確率状態に制御された後の所定タイミングから所定の報知期間(AT中、AT継続ゲーム数)が経過するまでにおいて、前記手順報知制御を行ない、
前記再ゲーム高確率状態において1ゲームあたりに前記遊技用価値付与手段により付与される遊技用価値の量の期待値は、前記報知期間内であるときには前記手順報知手段により報知された情報から特定される手順で前記停止操作手段が操作されることにより前記賭数の設定に用いられる遊技用価値の量よりも多くなり、前記報知期間外であるときには前記賭数の設定に用いられる遊技用価値の量よりも少なくなる(変形例(12)参照)。
このような構成によれば、遊技者の意に反してボーナス当選により報知期間が終了してしまう従来のスロットマシンと比較して以下の効果を奏する。事前決定手段により特別移行入賞表示結果の導出を許容する旨が決定されてから特別移行入賞表示結果が導出されるまでの再ゲーム高確率状態であって報知期間内であるときに付与される遊技用価値の量の期待値は、報知された情報から特定される手順で操作することにより賭数の設定に用いられる遊技用価値の量よりも多くなる。また、再ゲーム高確率状態は、少なくとも特別移行入賞表示結果が導出されない限り継続される。このため、遊技者が特別移行入賞表示結果を導出させない手順で停止操作することにより、報知期間が経過するまでに再ゲーム高確率状態が終了してしまうといった不都合の発生を防止できる。その結果、遊技者は、特別移行入賞表示結果を導出させずかつ報知された情報から特定される手順で停止操作することにより、再ゲーム高確率状態であって報知期間内であるときに付与されるべき量の遊技用価値を獲得することができる。また、報知期間が経過した後に、特別移行入賞表示結果を導出させて特別遊技状態に制御させるといった面白みを付加することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
このような構成によれば、開発中や出荷前に演出制御手段が正常に動作するか否かを検査するために、動作試験用の遊技制御手段を演出制御手段に接続して動作試験を行なう場合において、演出制御手段が演出用操作手段の試験用制御情報を受信した場合には、その後、演出用操作手段の操作が検出されるまでは新たな制御情報の受信に基づく制御が禁止されるため、演出用操作手段の操作の検出状況の検査を行なわなければ、新たな制御情報の受信に基づく動作に移行しないので、例えば、演出制御手段が演出用操作手段の試験用制御情報を受信した後、演出操作手段の操作が検出される前に新たに次の試験用制御情報を誤って送信した場合にも、演出用操作手段の操作の検出状況の検査を正常に行なうことができる。
なお、制御情報とは、遊技制御手段の制御状態を示す情報であってもよいし、演出制御の指定や指示を示す情報であってもよい。また、検査中制御禁止手段が、新たな制御情報の受信に基づく制御を禁止するとは、新たな制御情報の受信自体しないものであってもよいし、受信はするが、受信した新たな制御情報に基づく制御を行なわないものであってもよい。
(I) (H)のスロットマシンにおいて、前記演出用操作手段は、複数のセンサ(受光装置56a、56b)の検出状態に基づき所定の領域内に対する操作を検出し、該操作された位置を特定するタッチパネルを含み、
前記演出制御手段(サブ制御部91)は、前記複数のセンサのうちいずれかのセンサ(受光装置56a、56b)の検出時間が所定時間を超えたときに、該検出時間が所定時間を超えたセンサ(受光装置56a、56b)の検出を無効化する異常センサ無効化手段を含む。
このような構成によれば、いずれかのセンサの検出時間が所定時間を超えた場合には、そのセンサの検出が無効化されるため、一部のセンサが故障した場合でも、故障したセンサのみ無効化されるため、正常なセンサによって遊技者の操作を検出することができるにも関わらず、タッチパネルが使用できなくなってしまうことを防止できる。
なお、異常センサ無効化手段は、検出時間が所定時間を超えたセンサの検出を無効化した後、無効化されたセンサをその後用いないようにしてもよいし、定期的に無効化されたセンサの状況を確認し、正常な状態(非検出状態)が確認されることに伴い無効化を解除するようにしてもよいし、再起動に伴って正常な状態が確認されることに伴い無効化を解除するようにしてもよい。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1a(図示略)と、この筺体の側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施の形態のスロットマシン1の筐体1a内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「メロン」、「ブドウ」、「バナナ」、「チェリー」、「オレンジ」、「星」、「赤7(図3においては黒塗りの7)」、「白7(図3においては白抜きの7)」、「BAR」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。また、リール2L、2C、2Rの図柄が描かれた部分以外は白色であり、高い透過率で光を透過するようになっており、図柄が描かれた部分についても、その図柄の色彩に応じて光を透過するようになっている。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から白色光で照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する9つのLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
また、前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図4参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で、透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51bおよび透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。また、液晶表示器には、液晶パネルの表面にノングレア加工を施したノングレアタイプの液晶表示器と、グレア加工(光沢加工)を施したグレアタイプの液晶表示器と、があるが、本実施の形態では、表示領域51aの表面にグレア加工が施されたグレアタイプの液晶表示器を用いている。また、表示領域51aの透過領域51bを除く領域の裏面には、背後から表示領域51aを照射するバックライト(図示略)が設けられているとともに、更にその裏面には、内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられている。
液晶表示器51の前面側(図1においては手前側)には、表示面に対する遊技者からの指示(たとえば、タッチ操作)を検出し、当該位置(たとえば、タッチ操作された位置)を特定するためのタッチパネルを構成する発光装置56a、56bと、受光装置57a、57bと、が設置されている。発光装置56a、56bは、赤外線の発光素子(たとえば、LED)を複数備えている。受光装置57a、57bは、赤外線の受光素子(たとえば、フォトトランジスター)を複数備えている。
発光装置56aと受光装置57aとは、液晶表示器51の表示面を挟んで、水平方向に対に設置されている。発光装置56aと受光装置57aとは、発光装置56aが備える複数の発光素子から放射される赤外線を、受光装置57aが備える複数の受光素子により受光可能に設置されている。同様に、発光装置56bと受光装置57bとは、液晶表示器51の表示領域を挟んで、垂直方向に対に設置されている。発光装置56bと受光装置57bとは、発光装置56bが備える複数の発光素子から放射される赤外線を、受光装置57bが備える複数の受光素子により受光可能に設置されている。
本実施例では、発光装置56a、56bから赤外線を放射することにより、液晶表示器51の表示面に沿って赤外線のグリッドが形成される。そして、表示面に対して遊技者によりタッチ操作が行なわれると、受光装置57a、57bは、赤外線の遮光を検出し、この検出された受光素子が配置されている位置を特定するための信号を、後述するタッチパネルコントローラ99に出力する。タッチパネルコントローラ99は、受光装置57a、57bからの信号に基づき、液晶表示器51の表示面に対してタッチ操作された位置を特定することができるようになっており、これらによってタッチパネルが形成されている。
タッチパネルを構成する発光装置56a、56bは、液晶表示器51の表示面の左辺および下辺に設置され、受光装置57a、57bは、液晶表示器51の表示面の右辺および上辺に設置されている。タッチパネルは、発光装置56a、56bおよび受光装置57a、57bにより囲まれた領域内のタッチ操作を検出し、タッチ操作された位置を特定することができるようになっている。
また、前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数(本実施の形態では後述の通常遊技状態(初期遊技状態ともいう)、RT(リプレイタイム)1〜2においては3、後述のレギュラーボーナスにおいては1)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、後述するビッグボーナス中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。
また、前面扉1bには、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
また、MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5およびMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するRAM異常エラーを除くエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)、リールLED55からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、後述のビッグボーナス終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のビッグボーナス終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはRAM異常エラーを除くエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行なう場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5、またはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)のうち遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。遊技状態に対応する規定数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められており、通常遊技状態、RT1〜RT2においては規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1〜L5の全てが有効となり、レギュラーボーナスにおいては規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1のみが有効となる。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。なお、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施の形態では、15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ミリ秒である。リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190ミリ秒の間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、その結果として当該図柄から6コマ先までの図柄を上段に表示させることができる。すなわち、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を含めて7コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED10、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行なうメイン制御部41、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数発生回路42、乱数発生回路から乱数を取得するサンプリング回路43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行なうモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行なうソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行なうLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態及び遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態を監視する断線監視IC50、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行なうととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、メインCPU41aによりリフレッシュ動作が行なわれてRAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
乱数発生回路42は、後述するように所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路43は、乱数発生回路42がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路42は、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められており、本実施の形態では、その範囲として0〜65535が定められている。メインCPU41aは、その処理に応じてサンプリング回路43に指示を送ることで、乱数発生回路42が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工して使用する。また、メインCPU41aは、前述のタイマ割込処理(メイン)により、特定のレジスタの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。
電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧の低下を検出(たとえば、所定電圧以下になったか否か判定)したときに、電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する回路である。メイン制御部41は、特に図示はしないが、割込入力端子を備えており、この割込入力端子に電圧低下信号が入力されることで外部割込が発生し、メイン制御部41のメインCPU41aは外部割込に応じて電断割込処理を実行する。また、メインCPU41aは、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理を実行する。
電断割込処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAMに退避させる処理が行なわれる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。
次いで、全出力ポートを初期化した後、RAMに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行なわないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。
このように電断割込処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納されるようになっており、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAMに格納されているデータが正常か否かを確認できるようになっている。
次に、リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させるとともに、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行なわなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。
演出制御基板90には、前述したタッチパネルを構成する受光装置57a、57bが接続されており、これら接続された受光装置57a、57bの検出信号がタッチパネルコントローラ99に入力されるようになっている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出制御基板90には、前述したタッチパネルを構成する発光装置56a、56bが接続されており、発光装置56a、56bは、演出制御基板90に搭載された後述のタッチパネルコントローラ99による制御に基づいて駆動されるようになっている。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行なうサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行なう表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行なうLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行なう音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブ制御部91に対して出力する電断検出回路98、受光装置56b、57bからの信号に基づき、液晶表示器51の表示面に対してタッチ操作された位置を特定する処理などを行なうタッチパネルコントローラ99、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンド、タッチパネルコントローラ99からの出力情報を受けて、演出を行なうための各種の制御を行なうとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブCPU91aは、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号の入力に基づいてメイン制御部41からのコマンドを取得し、受信用バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、一定間隔毎に割込を発生させてタイマ割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理を実行する。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
次に、演出制御基板90に搭載された表示制御回路92の構成を説明する。図5は、演出制御基板90に搭載された表示制御回路92の構成を示すブロック図である。図示するように、表示制御回路92には、VDP(Video Display Processor)141と、CGROM(Character Generator ROM)142とが含まれている。VDP141は、液晶表示器51にて画像表示を行なうための高速描画機能や表示出力機能などを有しており、サブ制御部91からの指令に従った画像処理を実行する。CGROM142は、液晶表示器51に演出として表示される画像の要素データや動画像データ(演出データ)を記憶する。
VDP141は、ホストインタフェース151と、転送制御回路152と、CGROMインタフェース153と、描画回路154と、一時記憶メモリ155と、フレームバッファメモリ156と、表示回路157と、動画像用デコーダ158とを備えている。
ホストインタフェース151は、サブ制御部91との間で各種データをやりとりするためのアドレス入力端子やデータ入出力端子などを含んで構成されている。転送制御回路152は、サブ制御部91からの指令に基づき、CGROM142から読み出された演出データを一時記憶メモリ155の演出データ領域に転送する制御を行なう。CGROMインタフェース153は、CGROM142に記憶されている演出データを読み出すためのアドレス出力端子やデータ入力端子を含んで構成されている。
描画回路154は、一時記憶メモリ155の演出データ領域に記憶された演出データに基づいて液晶表示器51に表示させる画像の画像データを作成するための描画処理を実行する。一時記憶メモリ155は、たとえば、VRAM(Video RAM)などにより構成され、CGROM142から読み出された演出データを記憶する演出データ領域を備えている。また、一時記憶メモリ155には、サブ制御部91からの指令に基づいて、演出モードを示す情報、或いは透過領域51bにリール透過オブジェクトを設定する旨の情報や透過領域51bを半透過にする旨の情報なども記憶される。
フレームバッファメモリ156は、たとえば一時記憶メモリ155とは異なるVRAMなどを用いて構成され、描画回路154による描画処理により作成される画像の画像データを記憶する。フレームバッファメモリ156は、2フレーム分のものがあり、1フレーム期間毎に画像データの書き込み用と読み出し用とが切り替えられる。表示回路157は、フレームバッファメモリ156(読み出し用)から読み出した画像データを階調データとし、同期信号を付加した画像信号を液晶表示器51の液晶ドライバに出力する。動画像用デコーダ158は、CGROM142から演出データとして動画像データを読み出した場合に、これをデコードする回路である。
本実施の形態のスロットマシン1においては、可変表示装置2のいずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、およびシングルボーナスへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。なお、ビッグボーナスをBBと示し、レギュラーボーナスをRBと示し、シングルボーナスをSBと示す場合がある。また、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、シングルボーナスを単にボーナスという場合もある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
本実施の形態のスロットマシン1では、前述のように遊技の制御を行なうメイン制御部41が設けられた遊技制御基板40などの各種基板が搭載されており、これらの基板には、図6に示すように、遊技者による遊技の進行操作が可能なスイッチ類等からなる電子部品がケーブルを介して接続されている。
遊技制御基板40には、前述したように、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、投入メダルセンサ31、リールモータ32L、32C、32R、リールセンサ33L、33C、33R、ホッパーモータ34b、払出センサ34c、演出制御基板90が接続されている。
具体的には、図6に示すように、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、投入メダルセンサ31は、操作部中継基板110を経由して遊技制御基板40と配線接続され、リールモータ32L、32C、32Rおよびリールセンサ33L、33C、33Rは、リール中継基板120を経由して遊技制御基板40と配線接続され、ホッパーモータ34bおよび払出センサ34cは、電源基板101を経由して遊技制御基板40と配線接続され、演出制御基板90は、演出中継基板80を経由して遊技制御基板40と配線接続されている。
操作部中継基板110、リール中継基板120、電源基板101、演出制御基板90には、遊技制御基板40と各電子部品とを接続するための配線パターン(図示略)が設けられており、各電子部品から遊技制御基板40に対して出力される検出信号または遊技制御基板40から供給(入力)される電力や信号等を中継可能とされている。
このように各種電子部品と遊技制御基板40とを、スロットマシン1の本体(本実施の形態では、筐体1a)所定箇所に取り付けた各中継基板110、120、100、80を経由して配線接続することで、遊技制御基板40からスロットマシン1の本体所定箇所に個々に配設される複数の電子部品との配線の取りまとめが容易になるとともに、コネクタ接続部が常に中継基板または遊技制御基板40に設けられることになり、これにより各電子部品それぞれのコネクタ接続部が固定されるため、配線接続作業時においてコネクタ接続部を探したり、接続する配線の種類を間違うこと等が防止される。
1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、投入メダルセンサ31、リールモータ32L、32C、32R、リールセンサ33L、33C、33R、ホッパーモータ34b、払出センサ34cは、ゲームの進行に関わる信号を遊技制御基板40に入出力する電子部品である。ゲームの進行に関わる信号とは、たとえば、ゲームを開始可能な状態とするための賭数の設定操作、ゲームを開始させるための操作、リール2L、2C、2Rの表示結果を導出させるための操作等、ゲームの進行操作に応じて遊技制御基板40に出力される信号や、投入メダルの検出、リールの基準位置の検出、払出メダルの検出等、ゲームの進行に応じて遊技用電子部品から出力されて遊技制御基板40に入力される信号と、スタート操作の検出に応じてリール2L、2C、2Rを駆動させるための駆動信号や、入賞の発生に伴いメダルを払い出すホッパーを駆動するための駆動信号等、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40から出力されて遊技用電子部品に入力される信号と、を含む。
そして、これら遊技用電子部品は、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40に信号を出力する第1の電子部品と、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40からの信号が入力される第2の電子部品と、からなる。
遊技用電子部品と基板とはケーブルを介して接続されており、遊技用電子部品と基板とを接続するケーブルは、スロットマシンの製造時における組み付け作業や配線作業を容易にするため、コネクタ同士の接続を解除することで分離可能とされている。また、これら遊技用電子部品は、基本的には複数の機種に共通して継続使用される電子部品であり、故障等が発生しない限り本体から取り外して交換する機会は少ないので、スロットマシンの本体所定箇所に固設されている。これに対して遊技制御基板40や演出制御基板90等は、機種変更の際には交換が必要となるため、その際には本体から取り外される。つまり、遊技制御基板40を取り外す際には遊技用電子部品や演出制御基板90との接続を解除する必要があるため、これら基板同士および基板と遊技用電子部品とを接続するケーブルと基板とは、ケーブルの端部に設けられたケーブル側コネクタと基板の配線パターンと電気的に接続された基板側コネクタとの接続により電気的に接続されており、基板側コネクタからケーブル側コネクタを抜脱して接続を解除することで、遊技制御基板40を本体から容易に取り出して交換できるようになっている。
しかし、このように遊技制御基板40と遊技用電子部品との配線接続をコネクタの抜脱により容易に解除できる状態のままスロットマシンをメーカーから遊技店に出荷すると、たとえば遊技店において、基板側コネクタからケーブル側コネクタを抜脱し、これに替えていわゆる打ち込み器具等の不正な器具に接続されたケーブル側コネクタを基板側コネクタに容易に接続することが可能となってしまう。
打ち込み器具とは、たとえば遊技電子部品から遊技制御基板40に入出力される信号を擬似的に再現した信号を遊技制御基板40に入出力させることで、スロットマシンに設けられた各種スイッチ等を操作することなく、ゲームを自動的に進行させることができるものである。従って、たとえば遊技店等において、遊技制御基板40に設けられた基板側コネクタに接続されている正規なコネクタを抜脱し、これに替えて打ち込み器具に接続された不正なコネクタを接続して、各種信号を適宜タイミングで遊技制御基板40に入出力して遊技を自動的に進行させることで、たとえば特別役が当選した状態等を容易に設定することができる。よって、このような不正な打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシンを、たとえば遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業が実施された場合、遊技の公平性が損なわれる虞がある。
このため本実施の形態では、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間のコネクタ接続、すなわち遊技制御基板40の基板側コネクタ620aとケーブル600aのケーブル側コネクタ610aとの接続、ケーブル600aのケーブル側コネクタ611aと操作部中継基板110の基板側コネクタ621aとの接続、操作部中継基板110の基板側コネクタ622gとケーブル601gのケーブル側コネクタ612gとの接続についてこれらコネクタ同士の接続の解除を、コネクタ規制部材によって規制するようになっている。
また、コネクタ規制部材は、解除規制部位を破壊しない限り取り外し不能とされている。たとえば、基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとの接続について一例を示すと、遊技制御基板40を収容する基板ケースに対して取り付けられる取付側部材と、この取付側部材に対して装着される部材であって基板側コネクタ620aに接続されたケーブル側コネクタ610aの一部を被覆するコネクタカバーとから構成され、取付側部材を基板ケースに対して取り付け、コネクタカバーを装着することで、基板側コネクタ620aからのケーブル側コネクタ610aの抜脱が規制されるものであってもよい。この場合、取付側部材とコネクタカバーとは、取付側部材を基板ケースに対して取り付けコネクタカバーが装着されると、取付側部材またはコネクタカバーを破断しなければ、取付側部材からコネクタカバーを取り外すことができないように構成されているものであってもよい。これにより、取付側部材またはコネクタカバーを破断しなければ、基板側コネクタ620aからケーブル側コネクタ610aを抜脱することができないようにすることができる。なお、コネクタ規制部材として一例を示したが、コネクタ規制部材はこのようなものに限らず、解除規制部位を破壊しなければ遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間のコネクタ接続を解除することができないように構成されているものであればどのようなものであってもよい。これにより、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間のコネクタ接続が1つでも解除されると、その痕跡が残るとともに、その痕跡を消すことはきわめて困難であるため、上記不正営業をより効果的に抑制することができる。
なお、本実施の形態では、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間に中継基板が1つのみであるが、複数の中継基板を経由する場合には、その間に存在するコネクタ接続全てについて抜脱を規制することが好ましく、このようにすることで遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間のいずれかのコネクタの接続を解除することが困難となるため、上記不正営業をより効果的に防止できる。
また、本実施の形態では、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40に対して信号を入力する第1の電子部品5、6、7、8、31、33L、33C、33R、35およびゲームの進行に応じて遊技制御基板40から信号が出力される第2の電子部品32L、32C、32R、34のうち、投入メダルセンサ31と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制している。すなわちその信号がなければ遊技を進行させることができない投入メダルセンサ31(投入メダルセンサ31からの信号が入力されなければ賭数を設定できずゲームを開始することが不可能となる)と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制しており、他の電子部品と遊技制御基板40との間でコネクタ同士の接続を解除して打ち込み器具のコネクタに差し替えた場合でも、実質的に遊技を自動的にゲームを進行させることができなくなるため、最小限の規制で不正行為を防止することが可能となり、これらコネクタ同士の接続を解除するための部品点数を減らすことができる。
なお、本実施の形態では、投入メダルセンサ31と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制しているが、スタートスイッチ7と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制するようにしても同様の効果が得られる。また、本実施の形態のようにリールの回転開始後、リールの停止操作がなされるまでリールが停止する構成でないものであれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかと遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制するようにしても同様の効果が得られる。
また、本実施の形態では、ドア開放検出スイッチ25がケーブルを介して遊技制御基板40と接続されているが、ドア開放検出スイッチ25と遊技制御基板40との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタでの接続が解除されると、前面扉1bが開放された際に、その旨を遊技制御基板に搭載されたメイン制御部41が検出することができず、ドア開放報知やドア開放信号の出力が行なわれなくなるため、前面扉1bが開放されて不正行為がなされてもその発見が遅れてしまう虞がある。
このため本実施の形態では、遊技制御基板40とドア開放検出スイッチ25との間のコネクタ接続、すなわち遊技制御基板40の基板側コネクタ620aとケーブル600aのケーブル側コネクタ610aとの接続、ケーブル600aのケーブル側コネクタ611aと操作部中継基板110の基板側コネクタ621aとの接続、操作部中継基板110の基板側コネクタ622qとケーブル601qのケーブル側コネクタ612qとの接続についてもこれらコネクタ同士の接続の解除を、コネクタ規制部材によって規制するようになっている。
これにより、遊技制御基板40とドア開放検出スイッチ25との間のいずれかのコネクタ同士の接続を解除することが困難となるため、前面扉1bの開放された旨の報知がされない状態で、前面扉1bが開放されてしまうことを効果的に防止できる。
また、前述のようにコネクタ規制部材は、解除規制部位を破壊しない限り取り外し不能とされており、遊技制御基板40とドア開放検出スイッチ25との間のコネクタ接続を解除するためには、解除規制部位を破壊しなければならず、これにより、遊技制御基板40とドア開放検出スイッチ25との間のコネクタ接続が1つでも解除されると、その痕跡が残るとともに、その痕跡を消すことはきわめて困難であるため、前面扉1bの開放された旨の報知がされない状態で、前面扉1bが開放されてしまうことをより効果的に抑制することができる。
なお、本実施の形態では、遊技制御基板40とドア開放検出スイッチ25との間に中継基板が1つのみであるが、複数の中継基板を経由する場合には、その間に存在するコネクタ接続全てについて抜脱を規制することが好ましく、このようにすることで遊技制御基板40とドア開放検出スイッチ25との間のいずれかのコネクタの接続を解除することが困難となるため、前面扉1bの開放された旨の報知がされない状態で、前面扉1bが開放されてしまうことをより効果的に防止できる。
また、本実施の形態では、メイン制御部41とゲームの進行上必要な信号の入出力が行なわれる複数の電子部品およびドア開放検出スイッチ25とを接続する複数の信号線が、遊技制御基板40と操作部中継基板110との間では1本のケーブル600aで接続されているため、遊技制御基板40の基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとのコネクタ接続、すなわち1カ所のコネクタ接続のみ接続の解除を規制することで、複数の信号線同士の接続の解除を規制することが可能となり、これらコネクタ接続の解除を規制するための部品を複数用意する必要がなく、これらの部品点数を削減できる。
なお、メイン制御部41とゲームの進行上必要な信号の入出力が行なわれる複数の電子部品およびドア開放検出スイッチ25とを接続する複数の信号線が、複数のケーブルを介して接続される場合でも、基板側コネクタを近接する位置に配置するとともに、1つの部品でこれら複数の基板側コネクタと複数のケーブル側コネクタとの接続の解除を規制することで、これらコネクタ接続の解除を規制するための部品を複数用意する必要がなく、これらの部品点数を削減できる。
本実施の形態では、遊技制御基板40を基板ケースに収容した状態でスロットマシンの本体に取り付けるとともに、基板ケースを構成する上部ケースの封止片と下部ケースの封止片とを固着することにより、封止片を破壊しなければ、基板ケースを開放し、収容された遊技制御基板40へのアクセスを不能とすることで遊技制御基板40への不正を困難としている。しかしながら、このままでは、封止片が外部に露呈しているため、封止片を破壊して基板ケースを開放することが比較的容易であり、封止片を破壊して基板ケースに収容された遊技制御基板40に不正がなされる可能性があり、これら不正に対する対策が依然として不十分である。
このため本実施の形態では、基板ケースの封止片を覆う被覆部材が取り付けられる。これにより基板ケースの封止片が被覆部材に被覆され、封止片に直接アクセスすることが不可能となり、被覆部材を取り外さなければ、封止片を破壊することが不可能となり、封止片を破壊し、上部ケースと下部ケースとを開放して遊技制御基板40を取り出すのに非常に困難な作業を要することとなるため、遊技制御基板40を不正な基板に交換するといった不正行為を効果的に防止することができる。
本実施の形態のスロットマシン1は、遊技状態やエラーの発生状況などを示す外部出力信号を出力する。
これら外部出力信号は、図7に示すように、メインCPU41aの制御により遊技制御基板40より出力され、外部出力基板1000、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)の情報提供端子板1010を介してホールコンピュータなどのホール機器に出力されるようになっている。
遊技制御基板40から外部出力基板1000に対しては、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すメダルOUT信号、遊技状態が後述するRB中の旨を示すRB中信号、遊技状態が後述するBB中の旨を示すBB中信号、前面扉1bが開放中の旨を示すドア開放信号、後述する設定変更モードに移行している旨を示す設定変更信号、メダルセレクタの異常を示す投入エラー信号、ホッパーユニット34の異常を示す払出エラー信号がそれぞれ出力される。
なお、本実施の形態では、チャレンジタイム(リールの滑りコマ数が制限されるものの、全ての小役について入賞が許容される遊技状態)や、チャレンジタイムが高確率となるチャレンジボーナスを搭載していないが、これらの遊技状態を搭載したスロットマシンとの共通化を図るため、遊技制御基板40と外部出力基板1000との間には、上記の信号を出力する信号線に加えて、遊技状態がチャレンジタイム中の旨を示すCT中信号、遊技状態がチャレンジボーナス中の旨を示すCB中信号を出力する信号線が接続されており、さらに将来拡張する可能性のあるエラー出力用の信号線が接続されている。
外部出力基板1000には、リレー回路1001、パラレル・シリアル変換回路1002、出力信号毎の端子が設けられ、情報提供端子板1010の回路と電気的に接続するための接続されるコネクタ1003が設けられている。
遊技制御基板40から出力された信号のうち、メダルIN信号、メダルOUT信号、RB中信号、BB中信号、(CT中信号、CB中信号)は、リレー回路1001を介して、そのままパルス信号として情報提供端子板1010に出力される。
これに対してドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号、(予備信号)は、パラレル・シリアル変換回路1002にて、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換して情報提供端子板1010に出力される。
これら外部出力基板1000から出力されたメダルIN信号、メダルOUT信号、RB中信号、BB中信号、(CT中信号、CB中信号)は、情報提供端子板1010を介してホール機器へ出力される。一方、外部出力基板1000から出力されたセキュリティ信号は、情報提供端子板1010にて再度、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号、予備信号に再変換されてホール機器へ出力されることとなる。
外部出力信号は、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を含むが、これらドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号は、頻繁に出力される信号ではないため、これらの信号に対して個々に外部出力用の端子を設ける必要性は低い。
このため本実施の形態では、上述のように遊技制御基板40から出力された外部出力信号を、外部出力基板1000を介して、ホール機器に出力するとともに、これら外部出力信号のうちドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を、外部出力基板1000に搭載されたパラレル・シリアル変換回路1002によって、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換して外部に出力するようになっており、これらドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を1本の端子から出力することが可能となり、必要以上に多くの端子を設ける必要がなくなる。
また、現時点では使用されていないが、将来的に使用する可能性のある予備信号線を備えた場合でも、予備信号線から出力される信号を含めて1本の端子にて個々の信号を識別可能に出力可能になるとともに、使用されていない予備信号線の端子が、空き端子となってしまうことがない。
なお、本実施の形態では、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を、外部出力基板1000に搭載されたパラレル・シリアル変換回路1002によって、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換して外部に出力するようになっているが、たとえば、AND回路などによって、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号のいずれか1つの信号でも出力されている場合に、エラー信号を1本の端子にて外部に出力するようにしてもよく、このようにした場合でも、外部の機器でエラーの発生中、ドア開放中、設定変更中のいずれかが発生中であること特定することが可能であり、必要以上に多くの端子を設ける必要がなくなる。また、この場合には、複数の信号をシリアル信号に変換せずとも1本の端子にて外部に出力できるため、製造コストも軽減できる。
本実施の形態では、ホールコンピュータで売り上げの管理を行なうためなどに、メインCPU41aが、前述のように外部出力信号として賭数を設定するために用いられたメダル(クレジット)数を示すメダルIN信号や入賞の発生により遊技者に付与されたメダル(クレジット)の数を示すメダルOUT信号を外部出力信号として外部機器に対して出力するための制御を行なう。
メダルIN信号の出力方法として賭数が設定される毎に出力する方法が考えられるが、この方法においては、賭数が設定された後、賭数がキャンセルされた場合には、メダルIN信号を出力したことを取り消す制御を行なわなければならないという問題がある。また、メダルとクレジットの双方を用いて賭数を設定することが可能な場合には、メダルを投入して賭数を設定したときにメダルIN信号を出力するプログラムとクレジットを用いて賭数を設定したときにメダルIN信号を出力するプログラムとを各々別個に設ける必要がある。
このため本実施の形態のメインCPU41aは、図8(a)に示すように、スタートスイッチ7の操作が有効に検出された時点、すなわち当該ゲームに用いられる賭数が確定した時点で、メインCPU41aは設定された賭数分のメダルIN信号をまとめて出力する。
詳しくは、規定数の賭数が未だ設定されておらず、メダルの投入が許可された状態においてメダルの投入が検出されると、メダルの投入が投入メダルセンサ31により1枚検出される毎に賭数が1ずつ加算される。そして、規定数の賭数が設定されると、スタートスイッチ7の操作が有効化される。その後、スタートスイッチ7の操作が検出された時点、すなわち当該ゲームに用いられる賭数が確定した時点で、メインCPU41aは設定された賭数分のメダルIN信号をまとめて出力する。また、規定数の賭数の全部または一部をクレジットを用いて賭数が設定された場合にも、規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7の操作が検出された時点で、メインCPU41aが設定された賭数分のメダルIN信号をまとめて出力する。
このように本実施の形態では、ゲームが開始したとき、すなわち、賭数の設定に用いられたメダル数が確定した時点で賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号をまとめて外部に出力するようになっており、賭数のキャンセルに伴って、出力したメダルIN信号を取り消す制御を省くことが可能となり、メダルIN信号の出力に係る制御を簡素化することができる。
また、賭数の設定に用いられたメダル数が確定した時点で賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号をまとめて出力されるので、メダルの投入により賭数が設定されたときにメダルIN信号を出力するプログラムとクレジットを用いて賭数が設定されたときにメダルIN信号を出力するプログラムとを各々別個に設ける必要がなく、メダルIN信号を出力するプログラムを共通化することができるため、メダルIN信号を出力するためのプログラム容量を削減することができる。
一方、メダルOUT信号の出力方法としては、メダル払出開始時にメダルの払出枚数に応じてメダルOUT信号をまとめて出力する方法やメダル払出終了時にメダルOUT信号をまとめて出力する方法が考えられるが、前者の場合には、メダルが払い出されている最中にメダル切れエラーが発生してメダルの払出が中断されると、メダルOUT信号が示すメダル数と実際に払い出されたメダル数とに誤差が生じてしまい、外部機器でその時点における正確な払出枚数を特定することができないという問題がある。また、後者の場合には、メダルの払出が終了した後、メダルOUT信号の出力が終了するまで、次のゲームを開始することができないため、ゲームの進行が滞ってしまうという問題がある。
このため本実施の形態のメインCPU41aは、ホッパーユニット34からの物理的なメダルの払出によりメダルが払い出される場合に、メダルが1枚払い出される毎に1枚のメダルが付与された旨を示すメダルOUT信号を出力する。
詳しくは、メダルの払出を伴う入賞が発生し、クレジットに加算される場合には、クレジットに1加算される毎に、メインCPU41aはメダル1枚の払出を示す1パルスのメダルOUT信号を出力し、ホッパーユニット34からメダルが払い出される場合には、図8(b)に示すように、メダルが1枚払い出され、払出センサ34cにより検出される毎にメインCPU41aはメダル1枚の払出を示す1パルスのメダルOUT信号を出力する。このため、図8(b)に示すように、メダルの払出中に最後にメダルの払出が検出されてから予め定められた払出メダルなし時間が経過してメダル切れと判定されたり、メダルの連続検出時間が予め定められたメダル詰まり時間を超えてメダル詰まりと判定され、払出エラー状態となって払出動作が停止した場合には、払出動作の停止前に、実際に払い出された枚数分のメダルOUT信号のみが出力され、払出エラーが解除され、残りの払出が再開して残りのメダルが払い出されて払出センサ34cに検出される毎に残りのメダルの払出に伴うメダルOUT信号が出力されることとなる。そして、最後のメダルの払出が検出され、メダルOUT信号の出力が完了した時点で1ゲームの制御が終了し、この時点でメダルの投入が許可される。
このように本実施の形態では、ホッパーユニット34からの物理的なメダルの払出によりメダルが払い出される場合には、メダルが1枚払い出される毎に1枚のメダルが付与された旨を示すメダルOUT信号を出力するようになっており、メダルが払い出されている最中にメダル切れとなって払出エラーが発生し、メダルの払出が中断されても、メダルOUT信号が示すメダル数と実際に払い出されたメダル数とが一致するため、払い出されたメダル数を正確に外部に出力することができる。
また、メダル払出開始時にメダルの払出枚数に応じてメダルOUT信号をまとめて出力する方法やメダル払出終了時にメダルOUT信号をまとめて出力する方法では、本来払い出されるメダル数よりも多くのメダルを強制的に払い出させる不正行為がなされた場合に、ホールコンピュータなどの外部機器で発見することが困難であるが、メダルが1枚払い出される毎に1枚のメダルが付与された旨を示すメダルOUT信号が出力されることにより、外部機器で小役の入賞により払い出されたメダル数をリアルタイムにかつ正確に把握することが可能となるため、上記のような不正がなされた場合でも、早期に発見することが可能となり、このような不正行為を効果的に防止することができる。
また、メダルが1枚払い出される毎に1枚のメダルが付与された旨を示すメダルOUT信号が出力されることから、メダルの払出が終了した後、すぐに賭数の設定操作が許可されるため、次のゲームを開始することができるので、スムーズにゲームを進行させることができる。
図9は、リールモータ32L、32C、32Rの構成を示す図である。リールモータ32L、32C、32Rは、たとえば、ハイブリッド型ステッピングモータであり、ステータ32bと、これに対向するロータ32aとで構成されている。なお、ロータ32aは、図示しない多数の歯車状突極を有し、これに回転軸と同方向に磁化された永久磁石が組み込まれている。これらリールモータ32L、32C、32Rは、メインCPU41aの制御に基づきモータ駆動回路45から出力されるパルス信号を受け、ステータ32bの各励磁相φ1〜φ4が所定の手順に従って励磁されることにより、1パルスを受信する度に所定の角度(1ステップ)ずつロータ32aを回転させる。
図10(a)は、リールモータ32L、32C、32Rの始動時の制御方法を示すタイミングチャートである。図において、φ1〜φ4は、各励磁相を示し、「ON」は励磁状態を、「OFF」は消磁状態を、各々示す。メインCPU41aは、リールモータ32L、32C、32Rの始動時において、停止相のみが励磁された状態から停止相を始点として後述する1−2相励磁方式にて回転方向に励磁を開始する。詳しくは、たとえば停止相が(φ3)の場合には、(φ3)のみが励磁された状態から、(φ3、φ4)、(φ4)、(φ4、φ1)…の順で、φ1〜φ4を2相、1相、2相と交互に励磁する。
仮に停止相とは異なる相を始点として励磁を開始した場合には、急激にロータ32aの永久磁石が励磁相に吸引されることとなり、回転の開始時にリールが振動してしまうこととなるが、本実施の形態では、停止相を始点として励磁を開始するので、ロータ32aと一体的に結合されているリールが滑らかに始動するようになる。
図10(b)は、リールモータ32L、32C、32Rの回転中および停止時の制御方法を示すタイミングチャートである。
まず、回転中、すなわちリールを停止させる条件が成立するまでの間は、1−2相励磁方式でリールモータを駆動して各リール2L、2C、2Rを回転させる。たとえば、φ1〜φ4を励磁する旨を示すパルス信号を図10(b)に示すタイミングでON/OFFし、ロータ32aの回転方向に沿って、(φ4、φ1)、(φ1)、(φ1、φ2)、(φ2)、(φ2、φ3)、(φ3)、(φ3、φ4)、(φ4)、(φ4、φ1)…の順で、2相、1相、2相、1相、2相と1ステップごとに交互にφ1〜φ4を励磁して、ロータ32aを回転させることにより、リール2L、2C、2Rを回転させる。
次に、回転中のリールを停止させる条件が成立した場合、すなわち、ロータ32aが後述するオーバーシュート量だけ脱調することにより、停止操作により選択された図柄(目標図柄)を導出表示可能な角度位置(目標停止角度位置)に到達する角度位置となった場合には、2相が励磁された状態からリールの停止制御に移行する。たとえば、リールを停止させる条件が、停止条件成立ステップとして図10(b)に示す期間に成立した場合には、2相が励磁される状態に移行する時点Taまで待って、停止制御に移行する。
リールの停止制御は、図10(b)のT1、T2に示されるように、2段階で行なわれる。T1で行なわれる制御を2相励磁停止制御と呼び、T2で行なわれる制御を3相励磁停止制御と呼ぶ。
2相励磁停止制御は、1−2相励磁方式でリールモータが駆動されている場合において、1相を励磁した状態から2相を励磁する状態に移行する時点Taから開始され、その2相を励磁する状態を所定のホールド時間T1だけ保持する制御である。たとえば、図10(b)に示すように、(φ1)を励磁した状態から(φ1、φ2)を励磁する状態に移行する時点から、(φ1、φ2)を励磁した状態をホールド時間T1だけ保持する。これにより、高速回転していた各リールモータのロータ32aは急制動がかけられる。
なお、ホールド時間T1は脱調を引起すことになるオーバーシュート量に応じて定められ、リールモータのホールディングトルクの大きさやロータ32aのイナーシャ、バネ常数等によって異なる。本実施の形態では、オーバーシュート量がステッピングモータの4ステップ分であるものとし、ホールド時間T1は、リールモータが3ステップ分駆動するのに必要な時間として設定する。そして、ロータ32aの目標停止角度位置を、ホールド時間T1に合わせて、2相励磁停止制御が開始された段階から3ステップ先に設定する。
このため、ホールド時間T1が経過した時点Tbでは、ロータ32aが目標停止角度位置の直前の位置にあり、かつ、その回転速度が制動された状態にある。そこで、Tbの時点で励磁パターンを切り替えて3相励磁停止制御を開始する。すなわち、φ1を消磁し、目標停止角度位置に対応する停止相φ3と、当該停止相を挟んで相反する位置にある2つのブレーキ相φ2、φ4とを所定の時間T2だけ励磁する。これにより、ブレーキ相φ2、φ4によるブレーキを得ながら停止相φ3のホールディングトルク安定点、すなわち目標停止角度位置でロータ32aが停止する。その結果、ロータ32aと一体的に結合されているリールは、目標図柄を導出表示可能な目標停止位置に、正確かつ振動することなく停止する。
3相励磁停止制御がT2の間実行された後(Tc)、ブレーキ相φ2、φ4を消磁し、停止相φ3の励磁状態を維持したまま、モータ電圧をHからLにする。ロータ32aの停止後も、停止相φ3の励磁状態を維持するのは、ホールディングトルクとディテントトルクとの位相差や摩擦の影響によるずれによって、ロータ32aが停止相φ3のホールディングトルク安定点から外れることを防止するためである。これにより、リールが一旦停止した後に微動すること、および、次回リールモータを始動させる時のロータ32aの角度位置が、停止時の角度位置とずれてしまうことを防止できる。
ロータ32aの停止後も維持されている停止相φ3の励磁状態は、次ゲームの開始操作が行なわれることなく所定時間(本実施の形態では30秒であり、待機状態(デモ演出)へ移行するのと同じタイミング)が経過した場合(Td)に解除される。すなわち、ロータ32aの停止後、次ゲームの開始操作が行なわれることなく所定時間が経過した場合には、φ1〜φ4が全て消磁されることになる。このため、たとえば、励磁相が長時間継続して励磁されることによる発熱に伴って、ステッピングモータを構成する部品等に負担がかかることがないので、これら部品の劣化を防止することができる。また、本実施の形態では、次ゲームの開始操作が行なわれない状態が所定時間継続して待機状態(デモ演出)へ移行するタイミングで励磁状態が解除されるので、遊技客が遊技している間は、リールに配置された図柄がずれにくい状態を保つことができる一方、遊技客が遊技している可能性の低い状態では、ステッピングモータの構成部品にかかる負荷を軽減できるようになる。
前述したようにリールを滑らかに回転開始させるために、リールモータの回転開始時にはロータ32aの正確な停止位置を特定しておく必要があるが、本実施の形態では、2相励磁停止制御と3相励磁停止制御とを併用してリールモータの停止制御を行なうことで、2相励磁停止制御によってロータ32aの回転が急速に制動されつつ目標停止角度位置に誘導され、その後、3相励磁停止制御によって、目標停止角度位置の停止相を挟んで相反する位置にある2つのブレーキ相の励磁によりブレーキを得ながら、停止相の励磁により目標停止角度位置にロータ32aが停止することとなるため、回転中のロータ32aを振動させることなく目標停止角度位置に停止させることができる。更に、ロータ32aは目標停止角度位置に停止することから、ロータ32aの正確な停止位置が特定されるため、回転開始時にリールを滑らかに回転させることができる。
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24に設定値の初期値として1が表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更モードに移行する。設定変更モードにおいて、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された設定値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると設定値が確定し、確定した設定値がメイン制御部41のRAM41cに格納される。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、遊技の進行が可能な状態に移行する。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、停止相ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oポート41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、BB終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数等、BB終了時に初期化可能なデータ、各ゲームの終了時において初期化される当選フラグ(シングルボーナス、小役、リプレイ)および入賞フラグが格納されるワークである。特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータ、各ゲームの終了時においてクリアされることはなく入賞時に初期化される当選フラグ(ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス(1)、レギュラーボーナス(2))、次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグが格納されるワークである。設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行なう際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定開始前(設定変更モードへの移行前)の初期化において0が格納された後、1に補正され、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。停止相ワークは、リールモータ32L、32C、32Rの停止相を示すデータが格納されるワークであり、リールモータ32L、32C、32Rが停止状態となった際にその停止相を示すデータが格納されることとなる。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メインCPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施の形態においてメインCPU41aは、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37のみがONの状態での起動時、BB終了時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態での起動時においてRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の6つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行なう。
初期化0は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行なう初期化、またはRAM異常エラー発生時に行なう初期化であり、初期化0では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化1は、起動時において設定キースイッチ37のみがONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行なう初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域および停止相ワークを除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化2は、BB終了時に行なう初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行なう初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行なう初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。
なお、本実施の形態では、初期化0、初期化1を設定変更モードの移行前に行なっているが、設定変更モードの終了時、すなわち設定が確定した後に行なうようにしてもよい。この場合、設定値ワークを初期化してしまうと確定した設定値が失われてしまうこととなるので、設定値ワークの初期化は行なわれない。
前述のようにリールを滑らかに回転開始させるためには、リールモータの回転開始時にロータ32aの正確な停止位置を特定しておく必要があるが、従来のように設定変更に伴ってリールモータの停止相を示すデータを含むRAM41cのデータを初期化してしまうと、設定変更後、ロータ32aの正確な停止位置を特定することが不可能であり、最初にリールモータを回転させる場合には、急激にロータ32aの永久磁石が励磁相に吸引されてしまい、回転の開始時にリールが振動してしまうため、リールの回転態様が見苦しくなってしまうとともに、遊技者から設定変更されたことが見抜かれてしまうという問題がある。
これに対して本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rの停止時における停止相を示すデータ(0、1、2、3がそれぞれφ1、φ2、φ3、φ4を示す)がRAM41cに割り当てられた停止相ワークに設定されることで、ロータ32aの正確な停止位置を特定可能とする。そして起動時において設定キースイッチ37のみがONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合においては、RAM41cが初期化されるが、停止相ワークは初期化されないようになっており、設定変更後の遊技状態においても停止相ワークに格納されたリールモータ32L、32C、32Rの停止相を示すデータが維持されるようになっている。このため、設定変更後、最初にリールモータ32L、32C、32Rを回転させる場合にも、これらのロータ32aの正確な停止位置を特定することが可能となり、このような状況であってもリールを滑らかに回転開始させることが可能となる。これにより設定変更後、最初にリールを回転させる際にリールが振動してしまうことがなく、遊技者から設定変更されたことが見抜かれてしまうことを防止できる。
また、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合においては、停止相ワークも含めてRAM41cを初期化することが可能となるため、起動時において設定変更モードへ移行させる際の操作方法によって、停止相ワークを初期化させるか否かを選択できるようになっている。これにより、停止相ワークも含めてRAM41cを初期化することが可能となるため、ステッピングモータの励磁相を記憶するために割り当てられた停止相ワークを利用して不正プログラムなどが常駐してしまうことを防止できる。
なお、本実施の形態では、設定キースイッチ37のみがONの状態で起動し、設定変更モードへ移行させる場合において、RAM41cが初期化されるが、この際、停止相ワークを初期化しないことにより、設定変更後の遊技状態においても停止相ワークに格納されたリールモータ32L、32C、32Rの停止相を示すデータを維持することで、設定変更後、最初にリールモータ32L、32C、32Rを回転させる場合にも、これらの停止相を特定することができるようになっているが、設定値の変更に伴ってRAM41cのデータがクリアされる場合にも、特定の初期励磁相を停止相ワークに設定し、停止相ワークに設定したデータが示す励磁相を、設定変更後、ゲームが開始可能となる前に励磁することで、設定変更後、最初にリールモータ32L、32C、32Rを回転させる場合に、これらの停止相を特定することができるようにしてもよい。
具体的には、設定値の変更に伴ってRAM41cのデータがクリアされることにより、停止相ワークには、初期励磁相であるφ1を示す0が設定されることとなる。そして、初期励磁相φ1を示すデータが停止相ワークに設定された後、ゲームが開始可能となる前に、停止相ワークに設定されているデータが示す励磁相、すなわち初期励磁相φ1を励磁する。なお、RAM41cの停止相ワークをクリアすることで停止相ワークに初期励磁相を示すデータが設定されるようになっているが、停止相ワークに設定されているデータを初期励磁相を示すデータに更新することで、停止相ワークに初期励磁相を示すデータを設定するようにしてもよい。
これにより、設定値の変更に伴ってRAM41cのデータがクリアされた場合にも、ゲームが開始可能となる前にロータ32aの永久磁石が初期励磁相であるφ1に吸引され、ロータ32aの角度位置と停止相ワークに設定したデータが示す励磁相とを一致させることが可能となり、その後、最初のゲームにおいてリールモータを始動させる時に、ロータ32aの角度位置が停止相ワークに設定されているデータが示す励磁相と一致した状態で励磁を開始させるので、ロータ32aと一体的に結合されているリールを滑らかに始動させることができる。よって、設定変更後、最初にリールを回転させる際にリールが振動してしまうことがなく、遊技者から設定変更されたことが見抜かれてしまうことを防止できる。
また、メインCPU41aの起動時に、電断前の状態に復帰する場合にも、特定の初期励磁相を停止相ワークに設定し、停止相ワークに設定したデータが示す励磁相を、設定変更後、ゲームが開始可能となる前に励磁することが好ましく、これにより、たとえば、リールを手動で動かしたことによりロータ32aの角度位置と停止相ワークに設定されているデータが示す停止相との対応がとれなくなった場合でも、電源投入時にロータ32aの永久磁石が初期励磁相であるφ1に吸引され、ロータ32aの角度位置と停止相ワークに設定したデータが示す励磁相とを一致させることが可能となり、その後、最初のゲームにおいてリールモータを始動させる時に、ロータ32aの角度位置が停止相ワークに設定されているデータが示す励磁相と一致した状態で励磁を開始させるので、ロータ32aと一体的に結合されているリールを滑らかに始動させることができる。
また、初期励磁相の励磁状態は、ロータ32aの停止後に維持されている停止相の励磁状態と同様に、ゲームの開始操作が行なわれることなく所定時間(本実施の形態では30秒であり、待機状態(デモ演出)へ移行するのと同じタイミング)が経過した場合に解除されることが好ましく、このようにすることでステッピングモータを構成する部品等に負担がかかることがないので、これら部品の劣化を防止することができる。
本実施の形態においてメインCPU41aは、満タンセンサ35aの検出状態に基づいてオーバーフロータンク35が満タン状態か否かを判定し、満タン状態と判定された場合に、リセット操作(リセットスイッチ23、またはリセット/設定スイッチ38の操作)がなされるまでゲームの進行を不能動化する満タンエラー状態に制御する。
なお、本実施の形態では、外部から投入されたメダルはまずホッパータンク34aに貯留され、ホッパータンク34aが満タンとなって溢れたメダルがオーバーフロータンク35に貯留されるようになっており、このオーバーフロータンク35の満タン状態が満タンセンサ35aによって検出され、満タン状態が判定されるようになっているが、オーバーフロータンク35を設けず、ホッパータンク34aの貯留量が一定量以上となったか否かを検出する満タンセンサを設け、ホッパータンク34aの満タン状態を満タンセンサによって検出し、満タン状態を判定するようにしてもよい。また、ホッパータンク34aの貯留量が一定量以上か否かを検出する第1の満タンセンサを設け、第1の満タンセンサがホッパータンク34aの満タンを検出した場合に、投入メダルの流路をオーバーフロータンク35側に切り替えるとともに、オーバーフロータンク35の満タン状態を検出する第2の満タンセンサを設け、第1の満タンセンサおよび第2の満タンセンサの一方または双方の検出に基づいて満タン状態を判定するようにしてもよい。たとえば、第2の満タンセンサが満タン状態を検出している場合でも、ホッパータンク34aに貯留されたメダルが払い出されて第1の満タンセンサが満タン状態を検出しない場合があり、この場合には再度投入メダルの流路をホッパータンク34a側に切り替えることで、双方のタンクが満タン状態となるまでメダルを貯留することができる。さらにこのような場合には、第2の満タンセンサのみが満タン状態を検出していても満タン状態とは判定せず、第1の満タンセンサおよび第2の満タンセンサの双方が満タン状態を検出したときに満タン状態と判定することで、満タン状態と判定される頻度を一層低減することが可能となる。
メインCPU41aは、満タンセンサ35aから出力される検出信号の出力状況をタイマ割込処理において2.24ms毎に行なうスイッチ入力判定処理において監視している。スイッチ入力判定処理においては、他のスイッチ類(スタートスイッチ7やストップスイッチ8L、8C、8Rなど)の入力判定を行なう場合には、offの状態からonの状態に切り替わり、連続して一定期間(スイッチの種類毎に割り当てられた回数)スイッチのonが判定されたことを条件に、該スイッチのon状態を判定し、当該スイッチの検出フラグをRAM41cに設定するようになっているが、満タンセンサ35aについては、offの状態からonの状態に切り替わるのみで、満タンセンサ35aのon状態を判定し、当該センサの検出フラグをRAM41cに設定するようになっている。これは、満タンセンサ35aが他のスイッチ類よりも高い電圧で駆動されており、ノイズなどが発生しても電圧のブレが少なく、誤検出が発生しにくいからである。このようにスイッチ入力判定処理において、満タンセンサ35aの検出信号がoffからonに変化するのみで満タンセンサ35aのon状態を判定するようになっており、offからonに変化してからの継続時間などを計時する必要がなく、満タンセンサ35aの検出状態の判定に係る制御を簡素化することができる。
メインCPU41aは、ゲーム制御の終了後、最初にメダルの投入が検出されたタイミングにおいて1ゲームにつき1回のみ、満タンセンサ35aの検出状態(検出フラグの有無)に基づいて満タン状態か否かを判定し、満タンセンサ35aがonの状態であれば満タン状態と判定し、満タン状態を示す満タンフラグをRAM41cに設定するが、再遊技役が入賞した次のゲームにおいては、そのゲームが終了するまでメダルの投入を許可しないようになっており、メダルの投入が有効に検出されることはなく、再遊技役が入賞した次のゲームにおいては、満タン状態か否かの判定は省略され、満タンセンサ35aが検出されていても満タン状態と判定されることはなく、満タンフラグが設定されないようになっている。また、メインCPU41aは、メダルの投入が許可されていない状態であっても投入メダルセンサ31の検出自体を行なうが、仮にリプレイゲーム中にメダルの投入が検出されたとしても、有効なメダルの投入とは判定せず、この場合にも満タン状態か否かの判定は省略される。また、メインCPU41aは、ゲーム制御終了後、メダルの投入が可能な状態であっても、クレジットを用いて賭数が設定され、メダルが投入されずにゲームが開始した場合にも、メダルの投入を検出しないので、このような場合にも、満タン状態か否かの判定は省略され、満タンセンサ35aが検出されていても満タン状態と判定されることはなく、満タンフラグが設定されることもない。
また、メインCPU41aは、ゲーム制御終了後、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンフラグが設定されているか否か、すなわち満タン状態と判定されたか否かを判定し、満タンフラグが設定されている場合には、ゲームの進行を不能動化し、リセット操作がなされるまで満タンエラー状態に制御する。なお、メインCPU41aは、ゲーム制御終了後、満タンフラグが設定されているか否かの判定を行なう前に、リプレイゲーム中フラグがRAM41cに設定されているか否か、すなわち当該ゲームがリプレイゲームであるか否かを判定し、リプレイゲームであれば満タンフラグが設定されているか否かの判定を省略するようになっており、このような場合には、満タンフラグが設定されていても満タンエラー状態には制御せず、そのリプレイゲームが終了し、リプレイゲームでなければ、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンフラグが判定され、満タンエラー状態に制御されることとなる。
たとえば、図11に示すように、ゲーム制御の終了後、最初にメダルの投入が検出された時点で、満タンセンサ35aの検出状態に基づいて満タン状態か否かを判定し、満タンセンサ35aがonであれば、満タン状態と判定し、満タンフラグをRAM41cに設定する。その後当該ゲームにおいて再遊技役が入賞していなければ、当該ゲームの制御終了後、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンエラー状態に制御する。一方、当該ゲームで再遊技役が入賞し、リプレイゲーム中フラグが設定された場合(図示略)には、当該ゲームの終了後に満タンエラー状態に制御することはなく、次のゲーム(リプレイゲーム)の終了後、さらにその次のゲーム(その次のゲームもリプレイゲームであれば、さらにその次のゲーム)のメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンエラー状態に制御する。すなわち再遊技役が入賞したゲームの次のゲームでは、満タンエラー状態に制御されることはない。
また、図12に示すように、再遊技役が入賞したゲームの次のゲームにおいては、メダルの投入が許可されることがなく、メダルの投入も有効に検出されることはなく、このような状態で満タンセンサ35aが検出されていても満タン状態と判定されることはなく、満タンフラグが設定されることもない。そして、当該ゲームの制御終了後、当該ゲームで再遊技役が入賞せず、メダルが投入可能な状態となって、最初にメダルの投入が検出された時点で、満タン状態と判定し、満タンフラグをRAM41cに設定し、そのゲームにおいて再遊技役が入賞していなければ、当該ゲームの制御終了後、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンエラー状態に制御する。
また、特に図示しないが、ゲーム制御終了後、メダルの投入が可能な状態であっても、クレジットを用いて賭数が設定され、メダルが投入されずにゲームが開始した場合には、メダルの投入が検出されることはなく、このような状態で満タンセンサ35aが検出されていても満タン状態と判定されることはなく、満タンフラグが設定されることもない。そして、当該ゲームの制御終了後、メダルが投入可能な状態となって、最初にメダルの投入が検出された時点で、満タン状態と判定し、満タンフラグをRAM41cに設定することとなる。すなわちクレジットを用いて賭数が設定されることによりゲームが行なわれ、その間メダルの投入がなければ、次回メダルが投入されるゲームまで、満タン状態の判定が行なわれることがなく、満タンエラー状態に制御されることもない。
本実施の形態では、前述のようにゲーム制御終了後、最初にメダルの投入が検出されたタイミングにおいて1ゲームにつき1回のみ、満タンセンサ35aの検出状態に基づいてオーバーフロータンク35に貯留されたメダルの貯留量が満タン状態か否かを判定し、満タン状態と判定された場合に、ゲームの進行を不能動化し、リセット操作がなされるまで満タンエラー状態に制御するようになっているが、たとえばリプレイゲームやクレジットを用いた場合等、メダルが外部から投入されることのないゲームにおいてもオーバーフロータンク35に貯留されたメダルの貯留量が満タン状態となったか否かの監視を行なうと、メダルの貯留量が増えることがないのにもかかわらず、オーバーフロータンク35に貯留された遊技媒体の貯留量が満タン状態となったか否かの監視が無駄に行なわれてしまうばかりか、必要以上の頻度で満タンエラーに制御されてしまい遊技者に対して煩わしさを与えてしまう一方、遊技場の店員の労力も増加してしまうという問題がある。
これに対して本実施の形態では、上述のように再遊技役が入賞した次のリプレイゲームにおいて、そのゲームが終了するまでメダルの投入が許可されることがないので、メダルの投入が有効に検出されることはなく、満タン状態か否かの判定が省略されるようになっており、満タンエラーか否かの判定が無駄に行なわれることがなく、満タン状態を効率よく監視でき、満タン状態の判定にかかる制御負荷を軽減できるとともに、満タンエラーの頻度を極力少なくすることができるので、遊技者に煩わしい思いをさせたり、店員が満タン状態を解消するための労力を軽減することが可能となる。
また、メダルの投入が検出されたことを契機に満タン状態の判定を行なっているので、メダルの投入が禁止されるリプレイゲームにおいては、必然的に満タン状態か否かの判定が省略されるようになっており、リプレイゲームにおいて満タン状態か否かの判定を省略する制御を行なうにあたり、特にリプレイゲームか否かの判定などを行なう必要がない。
また、ゲーム制御の終了後、次のゲームのメダルが投入可能な状態において最初にメダルの投入が検出されたタイミング、すなわちオーバーフロータンク35に貯留されたメダルが増加するタイミングで満タンエラーか否かの判定が行なわれるため、効率のよいタイミングで満タン状態を判定できる。
また、ゲーム制御の終了後、次のゲームのメダルが投入可能な状態において2枚目のメダルや3枚目のメダルの投入が検出されたタイミングとすると、クレジットを用いて賭数を設定した後、賭数の不足分をメダルの投入によって設定する場合もあるが、このような場合に、オーバーフロータンク35の貯留量が増加しているにもかかわらず、そのゲームにおいては、満タン状態の判定が行なわれないこととなってしまうが、本実施の形態では、ゲーム制御の終了後、次のゲームのメダルが投入可能な状態において最初にメダルの投入が検出されたタイミングで満タン状態の検出が行なわれるため、オーバーフロータンク35の貯留量が増加するゲームにおいては、確実に満タン状態の検出を行なうことが可能となる。
また、本実施の形態では、ゲーム制御終了後、メダルの投入が可能な状態であっても、クレジットを用いて賭数が設定され、メダルが投入されずにゲームが開始した場合には、満タン状態か否かの判定は省略されるようになっており、メダルが投入されることがなく、オーバーフロータンク35の貯留量が増えることがないゲームにおいては、満タンエラーか否かの判定が無駄に行なわれることがなく、満タン状態を効率よく監視でき、満タン状態の判定にかかる制御負荷を軽減できるとともに、満タンエラーの頻度を極力少なくすることができるので、遊技者に煩わしい思いをさせたり、店員が満タン状態を解消するための労力を軽減することが可能となる。
また、メダルの投入が検出されたことを契機に満タン状態の判定を行なっているので、クレジットを用いて賭数が設定され、メダルが投入されずにゲームが開始した場合においては、必然的に満タン状態か否かの判定が省略されるようになっており、クレジットを用いて賭数が設定され、メダルが投入されずにゲームが開始した場合において満タン状態か否かの判定を行なわない制御を行なうにあたり、特にクレジットを用いたか否かの判定などを行なう必要がない。
また、本実施の形態では、ゲーム制御終了後、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンフラグが設定されているか否かを判定し、満タンフラグが設定されている場合には、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンエラー状態に制御するようになっている。このため、ゲーム開始から当該ゲームの制御が終了するまでの間に、満タンエラー状態に制御されることによって、たとえばリール2L、2C、2Rが回転している状態で一度リール2L、2C、2Rの回転状態を停止させ、満タンエラー状態に制御し、その後満タンエラー状態が解除された際に、リール2L、2C、2Rの回転を再開させたり、ホッパーモータ34bの駆動によりメダルの払出動作がなされている状態でメダルの払出動作を一度停止させ、満タンエラー状態に制御し、その後満タンエラー状態が解除された際に、メダルの払出動作を再開させたりするといった複雑な制御を行なう必要がない。すなわち、ゲームの制御を一度中断してその後ゲームの制御を再開する等の制御を行なう必要がなく、ゲームの進行に係る制御が複雑化してしまうことを防止できる。
なお、本実施の形態では、ゲーム制御終了後、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンフラグが設定されているか否かを判定するようになっているが、ゲーム制御の最後に満タンフラグが設定されているか否かを判定し、満タンフラグが設定されている場合には、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンエラー状態に制御するようにしてもよく、この場合でも上記と同様の効果が得られる。
また、ゲーム制御終了後、満タン状態が判定されており、満タンフラグが設定されている場合でも、前のゲームにおいて再遊技役が入賞しており、次のゲームがリプレイゲームであれば、満タンエラー状態に制御されないようになっており、満タンエラーの頻度をさらに少なくすることができるので、遊技者に煩わしい思いをさせたり、店員が満タン状態を解消するための労力を軽減することが可能となる。
また、本実施の形態では、満タン状態か否かの判定を、ゲーム制御終了後、最初にメダルの投入が検出されたタイミングで行なっているが、少なくとも1ゲームに1回のみ満タン状態か否かの判定を行なう構成であればよく、たとえば、ゲーム制御終了後、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タン状態か否かの判定を行なうようにしたり、ゲームの開始操作が検出された時点やゲーム制御の終了時点で満タン状態か否かの判定を行なうようにしてもよい。
ここで、満タンエラー状態の制御の変形例について説明する。この変形例においてメインCPU41aは、ゲーム制御の終了後、次のゲームのメダルの投入が許可される前のタイミングにおいて1ゲームにつき1回のみ、満タンセンサ35aの検出状態に基づいて満タン状態か否かを判定するが、メインCPU41aは、満タン状態か否かの判定を行なう前に、リプレイゲーム中フラグに基づいて次のゲームがリプレイゲームか否かを判定し、リプレイゲームであると判定した場合には、さらにメダル投入フラグが設定されているか否か、すなわち前のゲームにおいてメダルが投入されたか否かを判定し、メダル投入フラグが設定されていると判定した場合においてのみ、満タン状態か否かの判定を行なうようになっている。このため、前のゲームにおいて再遊技役が入賞し、当該ゲームにおいてメダルの投入が必要ない場合(当該ゲームがリプレイゲームの場合)や、前のゲームにおいてクレジットを用いて賭数が設定され、メダルが投入されずにゲームが開始した場合には、満タンセンサ35aが検出されていても満タン状態か否かの判定は省略され、満タン状態と判定されることはない。
また、メインCPU41aは、満タン状態であると判定した場合に、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングでゲームの進行を不能動化し、リセット操作がなされるまで満タンエラー状態に制御する。なお、メインCPU41aは、ゲーム制御終了後、満タン状態か否かの判定を行なう前に、次のゲームがリプレイゲームであるか否かを判定し、リプレイゲームであれば満タン状態か否かの判定を省略するようになっており、このような場合には、満タンセンサ35aが検出されていても満タンエラー状態には制御しない。一方、リプレイゲームでなければ、前のゲームにおいてメダルが投入されたか否かを判定し、前のゲームにおいてメダルが投入されていなければ満タン状態か否かの判定を省略するようになっており、このような場合には、満タンセンサ35aが検出されていても満タンエラー状態には制御せず、前のゲームにおいてメダルが投入されていれば次のゲーム以降のゲーム制御終了後、さらにその次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タン状態か否かが判定され、満タンエラー状態に制御されることとなる。
たとえば、図13に示すように、ゲームの制御終了後、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで、次のゲームがリプレイゲームか否かを判定し、次のゲームがリプレイゲームでなければ、さらに前のゲームにおいてメダルが投入されたか否かを判定し、前のゲームにおいてメダルが投入されていれば、満タンセンサ35aの検出状態に基づいて満タン状態か否かを判定する。そして、満タン状態と判定した場合には、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タンエラー状態に制御する。
また、図14に示すように、ゲーム制御終了後、メダル投入フラグが設定されていない場合、すなわち前のゲームにおいてクレジットを用いて賭数が設定され、メダルが投入されずにゲームが開始した場合には、満タン状態か否かが判定されることはなく、このような状態で満タンセンサ35aにより満タン状態が検出されていても当該ゲームのゲーム制御終了後、満タンエラー状態に制御されることはない。そして、次のゲーム以降メダルが投入されたゲーム(リプレイゲームは除く)の制御終了後、満タン状態と判定され、メダルが投入可能となる前のタイミングで満タンエラー状態に制御される。
また、図15に示すように、ゲーム制御終了後、次のゲームがリプレイゲームである場合、すなわち前のゲームにおいて再遊技役が入賞し、当該ゲームにおいてメダルの投入が必要ない場合には、満タン状態か否かが判定されることはなく、このような状態で満タンセンサ35aにより満タン状態が検出されていても当該ゲームのゲーム制御終了後、満タンエラー状態に制御されることはない。そして、次のゲーム以降メダルが投入されたゲーム(リプレイゲームは除く)の制御終了後、満タン状態と判定され、メダルが投入可能となる前のタイミングで満タンエラー状態に制御される。
この変形例では、上述のようにゲーム制御の終了後、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングにおいて1ゲームにつき1回のみ、満タンセンサ35aの検出状態に基づいて満タン状態か否かを判定し、満タン状態と判定された場合に、ゲームの進行を不能動化し、リセット操作がなされるまで満タンエラー状態に制御するものであるが、満タン状態か否かの判定を行なう前に、次のゲームがリプレイゲームか否かを判定し、リプレイゲームであれば満タン状態か否かの判定は省略されるようになっており、満タンエラーか否かの判定が無駄に行なわれることがなく、満タン状態を効率よく監視でき、満タン状態の判定にかかる制御負荷を軽減できるとともに、満タンエラーの頻度を極力少なくすることができるので、遊技者に煩わしい思いをさせたり、店員が満タン状態を解消するための労力を軽減することが可能となる。
また、変形例では、クレジットを用いて賭数が設定され、メダルが投入されずにゲームが開始した場合には、そのゲーム制御終了後、満タン状態か否かの判定が省略されるようになっており、メダルが投入されることがなく、オーバーフロータンク35の貯留量が増えることがない場合には、満タンエラーか否かの判定が無駄に行なわれることがなく、満タン状態を効率よく監視でき、満タン状態の判定にかかる制御負荷を軽減できるとともに、満タンエラーの頻度を極力少なくすることができるので、遊技者に煩わしい思いをさせたり、店員が満タン状態を解消するための労力を軽減することが可能となる。
また、変形例では、ゲーム制御の終了後、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タン状態か否かが判定されるようになっており、ゲームの終了後、オーバーフロータンク35にメダルが増える前の段階で満タン状態を判定できる。また、満タン状態が判定されると、次のゲームのメダルが投入可能となる前に満タンエラー状態にされるため、オーバーフロータンク35にメダルが増える前の段階でゲームの進行を不能動化し、それ以上オーバーフロータンク35の貯留量が増加してしまうことがないうえに、ゲーム開始から当該ゲームの制御が終了するまでの間に、満タンエラー状態に制御されることによって、たとえばリール2L、2C、2Rが回転している状態で一度リール2L、2C、2Rの回転状態を停止させ、満タンエラー状態に制御し、その後満タンエラー状態が解除された際に、リール2L、2C、2Rの回転を再開させたり、ホッパーモータ34bの駆動によりメダルの払出動作がなされている状態でメダルの払出動作を一度停止させ、満タンエラー状態に制御し、その後満タンエラー状態が解除された際に、メダルの払出動作を再開させたりするといった複雑な制御を行なう必要がない。すなわち、ゲームの制御を一度中断してその後ゲームの制御を再開する等の制御を行なう必要がなく、ゲームの進行に係る制御が複雑化してしまうことを防止できる。また、満タン状態の判定と、それに伴う満タンエラー状態の制御がほぼ同時に行なわれるため、満タン状態が判定された旨を示す情報を保持しておく必要もない。
なお、変形例では、ゲーム制御終了後、次のゲームのメダルが投入可能となる前のタイミングで満タン状態か否かを判定するようになっているが、ゲーム制御の最後に満タン状態か否かを判定するようにしても、ゲームの終了後、オーバーフロータンク35にメダルが増える前の段階で満タン状態を判定できる。
また、この場合には、満タン状態が判定された場合に次のゲームに移行する前に満タンエラー状態に制御するようにしてもよく、この場合でも、ゲームの制御を一度中断してその後ゲームの制御を再開する等の制御を行なう必要がなく、ゲームの進行に係る制御が複雑化してしまうことを防止できる。また、満タン状態の判定と、それに伴う満タンエラー状態の制御がほぼ同時に行なわれるため、満タン状態が判定された旨を示す情報を保持しておく必要もない。
次に、メインCPU41aが演出制御基板90に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施の形態では、メインCPU41aが演出制御基板90に対して、BETコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、初期化コマンド、設定終了コマンド、電源投入コマンド、操作検出コマンド、ドアコマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、メダル投入時、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止制御が行なわれる毎に送信される。
入賞判定コマンドは、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行なわれた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態(通常遊技状態であるか、RT中であるか、ビッグボーナス中であるか、レギュラーボーナス中であるか、シングルボーナス中であるか等)およびRTの残りゲーム数、現在設定されている設定値を特定可能なコマンドであり、後述する設定終了コマンドの送信後およびゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
初期化コマンドは、遊技状態が初期化された旨および設定変更モードの開始を示すコマンドであり、RAM41cが初期化され、設定変更モードに移行した時点で送信される。
設定終了コマンドは、設定変更モードの終了を示すコマンドであり、設定終了時、すなわち設定変更モードの終了時に送信される。
電源投入コマンドは、電源投入時にいずれかの特別役に当選しているか否かを示すコマンドであり、起動時に電断前の状態に復帰することが可能な場合に、電断前の状態に復帰するときに送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちON(開放状態)/OFF(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(ONからOFF、OFFからON)した時に送信される。
操作検出コマンドは、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態、すなわちON/OFF、これらスイッチが遊技の進行上有効な状態であるか、無効な状態であるか(1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6の操作の受付は、賭数の設定が可能な状態で、かつ規定数の賭数が未だ設定されたおらず、さらにクレジットが残っている状態で有効となりそれ以外では無効となる。スタートスイッチ7の操作の受付は、規定数の賭数が設定された後、スタートスイッチ7が操作されるまで有効となり、それ以外では無効となる。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の受付は、リールが定速回転となり、リールの停止準備ができた後、それぞれの停止操作が検出されるまで有効となり、それ以外では無効となる。精算スイッチ10は、ゲーム終了後、次ゲームが開始されるまでの期間においてクレジットが残存するか、賭数が設定されている場合に有効となり、それ以外は無効となる。)、を示すコマンドであり、これらスイッチの検出状態が変化したときに、その操作の受付が遊技の進行上、有効な期間であるか、無効な期間であるか、に関わらず送信される。
これらコマンドのうちドアコマンドおよび操作検出コマンドを除くコマンドは、後述する起動処理およびゲーム処理において生成され、RAM41cの特別ワークに設けられた通常コマンド用送信バッファに一時格納され、前述したタイマ割込処理(メイン)において送信される。
通常コマンド送信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
ドアコマンドは、前述したタイマ割込処理(メイン)中のドア監視処理においてRAM41cの特別ワークに設けられたドアコマンド送信用バッファに格納され、前述したタイマ割込処理(メイン)において送信される。
ドアコマンド送信用バッファは、通常コマンド送信用バッファとは別個に設けられており、ドアコマンドを1個のみ格納可能な領域が割り当てられている。ドアコマンド送信用バッファには、電源投入時または1ゲーム終了時にその時点のドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドが格納され、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化した時にその変化後の検出状態を示すドアコマンドが格納される。また、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンドは、当該ドアコマンドが送信された後もクリアされることがなく、その後、新たに格納されるドアコマンドによって上書きされるようになっている。なお、電源投入時または1ゲーム終了時には、ドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドの送信を要求するドアコマンド送信要求1が設定され、ドアコマンド送信要求1が設定されているか、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化したときに、ドアコマンド送信要求2が設定されるようになっており、このドアコマンド送信要求2が設定されることによりドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドの送信が命令されるようになっている。
操作検出コマンドは、前述したタイマ割込処理(メイン)中のスイッチ監視処理においてRAM41cの特別ワークに設けられた操作検出コマンド送信用バッファに格納され、前述したタイマ割込処理(メイン)において送信される。
操作検出コマンド送信用バッファは、通常コマンド送信用バッファおよびドアコマンド送信用バッファとは別個に設けられており、操作検出コマンドを1個のみ格納可能な領域が割り当てられている。操作検出コマンド送信用バッファには、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態が変化した時にその変化後の検出状態、およびその時点の各スイッチの有効/無効を示す操作検出コマンドが格納される。また、操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドは、当該操作検出コマンドが送信された後もクリアされることがなく、その後、新たに格納される操作検出コマンドによって上書きされるようになっている。なお、これらスイッチのうちいずれかの検出状態が変化したときに、操作検出コマンド送信要求が設定されるようになっており、この操作検出コマンド送信要求が設定されることにより操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドの送信が命令されるようになっている。
本実施の形態においてメインCPU41aは、0.56msの間隔でタイマ割込処理を実行する。また、タイマ割込処理では、タイマ割込1〜4が繰り返し行なわれるようになっており、これらタイマ割込1〜4に固有な処理が2.24msの間隔で行なわれることとなる。そして、通常コマンド送信用バッファに格納されたコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、および操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドの送信を行なうコマンド送信処理は、タイマ割込2で実行されるので、コマンド送信処理も2.24msの間隔で実行されることとなる。
一方、サブCPU91aでは、後述する受信用バッファにバッファしたコマンドを1.12msの間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)において取得する。このため、メインCPU41aがタイマ割込処理を実行する毎、すなわち0.56msの間隔でコマンドの送信処理を行った場合には、サブ制御部91側でコマンドを正常に受信できない可能性がある。
しかしながら、本実施の形態では、前述のようにメインCPU41aがタイマ割込処理4回につき1回の割合、すなわち2.24msの間隔でコマンド送信処理を実行するとともに1回のコマンド送信処理では、通常コマンド送信用バッファに格納されたコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、および操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドのうちの1つのみ送信することで、複数のコマンドが連続して送信される場合でも、最低2.24msの間隔をあけて送信されることとなり、サブ制御部91側でこれら連続して送信されるコマンドを確実に取得することができる。
本実施の形態では、起動処理またはゲーム処理においてゲームの進行に応じてドアコマンドおよび操作検出コマンド以外のコマンドを生成し、通常コマンド送信用バッファに格納する。ドアコマンドは、起動処理またはゲーム処理においてドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドの送信を要求するドアコマンド送信要求1が設定された場合、またはドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化した場合に、ドアコマンド送信用バッファに格納される。操作検出コマンドは、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10のいずれかの検出状態が変化した場合に、操作検出コマンド送信用バッファに格納される。
タイマ割込2内のコマンド送信処理において通常コマンド送信用バッファに格納された未送信のコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納された未送信のドアコマンドの送信要求、または操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドの送信要求が検知されると、遅延時間が設定され、設定した遅延時間が経過した時点で、通常コマンド送信用バッファに格納された未送信のコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、または操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドが送信される。
具体的には、コマンド送信処理において通常コマンド送信用バッファに格納された未送信のコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、または操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドを検知すると、0〜17の範囲に設定された遅延用乱数値を取得し、RAM41cの特別ワークに設けられた遅延カウンタに設定する。
この際、当該遅延カウンタ値を設定したコマンド送信処理およびその後のタイマ割込2内において実行するコマンド送信処理において遅延カウンタ値を1ずつ減算していき、遅延カウンタ値が0となった時点で、通常コマンド送信用バッファに格納された未送信のコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、または操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドを送信する。
すなわち、コマンド送信処理において検知されたコマンドは、コマンド送信処理の実行間隔(2.24ms)の倍数に相当する時間、詳しくはその際取得した遅延カウンタの値から1を減算した値にコマンド送信処理の実行間隔(2.24ms)を乗じた時間{遅延カウンタの値は0〜17の値なので0〜35.84ms}が経過した後、送信されることとなる。
なお、通常コマンド送信用バッファに格納されたコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンドおよび操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドは、基本処理に割り込んで行なうタイマ割込処理(メイン)内で行なわれるため、コマンドの遅延により処理が滞ってしまうことがない。
また、本実施の形態では、通常コマンド送信用バッファに複数のコマンドを格納可能な領域が設けられており、通常コマンド送信用バッファに格納されたコマンド、ドアコマンド送信用バッファに格納されたドアコマンド、または操作検出コマンド送信用バッファに格納された操作検出コマンドの送信を待たずに、新たに生成したコマンドを通常コマンド送信用バッファの空き領域に格納することが可能とされている。すなわち通常コマンド送信用バッファには複数のコマンドを蓄積できるようになっている。このため、コマンドの送信が遅延されることに伴ってゲームの進行が停止してしまうことを回避できる。なお、通常コマンド送信用バッファが未送信のコマンドで満タンの場合はこの限りでない。
また、コマンド格納処理では、通常コマンド送信用バッファに複数のコマンドを格納する際にこれらコマンドをその生成順に格納するとともに、コマンド送信処理では通常コマンド送信用バッファに格納された順番でコマンドを送信するようになっている。すなわち通常コマンド送信用バッファに格納されたコマンドは、生成された順番で送信されるようになっている。
なお、電源投入コマンドおよび初期化コマンドについては、最優先で送信されるようになっており、電源投入コマンドまたは初期化コマンドが通常コマンド送信用バッファに格納されるよりも前に他の通常コマンド(以下、ドアコマンド、操作検出コマンド、電源投入コマンドおよび初期化コマンド以外のコマンドを通常コマンドと呼ぶ)が既に格納されている場合(初期化コマンドの場合、その前に通常コマンド送信用バッファ内の格納データもクリアされるため、既に通常コマンドが格納されていることはない)であっても、電源投入コマンドまたは初期化コマンドが優先して送信される。
また、通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納されている状態で、ドアコマンドの送信が要求された場合(ドアコマンド送信要求2が設定されている場合)には、原則として通常コマンド送信用バッファに格納されているコマンドよりもドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドを優先して送信するようになっている。
なお、通常コマンド送信用バッファに格納されているコマンドが電源投入コマンド、初期化コマンドである場合、または通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドの送信待ち(遅延中)の状態でドアコマンドの送信が要求された場合にはこの限りではなく、電源投入コマンド、初期化コマンド、または送信待ちの通常コマンドを優先して送信し、電源投入コマンド、初期化コマンド、または送信待ちの通常コマンドが送信された後、ドアコマンドを送信する。送信待ちの通常コマンドを送信した後、通常コマンド送信用バッファに未送信の通常コマンドが残っている場合には、ドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドを優先して送信する。
また、通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納されている状態で、操作検出コマンドの送信が要求された場合(操作検出コマンド送信要求が設定されている場合)、またはドアコマンドの送信と操作検出コマンドの送信が同時に要求された場合には、原則として操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドよりも通常コマンド送信用バッファに格納されているコマンド、またはドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドを優先して送信するようになっている。
なお、操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドの送信待ち(遅延中)の状態で通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納された場合、またはドアコマンドの送信が要求された場合にはこの限りではなく、送信待ちの操作検出コマンドを優先して送信し、送信待ちの操作検出コマンドが送信された後、通常コマンドまたはドアコマンドを送信する。
メインCPU41aは、約100ms毎にドア開放検出スイッチ25の検出状態を監視する。詳しくは、タイマ割込処理(メイン)のタイマ割込1〜4のいずれでも行なう、すなわち0.56ms毎に行なうポート入力処理においてドア開放検出スイッチ25からの検出信号を正論理化した入力状態(ドア開放検出スイッチ25ON=1(ドア開放状態)、ドア開放検出スイッチ25OFF=0(ドア閉塞状態))を取得し、タイマ割込処理(メイン)のタイマ割込2で行なう、すなわち2.24ms毎に行なうドア監視処理において、前述のポート入力処理において取得したドア開放検出スイッチ25の検出信号の確定状態(2回連続同一となった入力状態)を、約100ms(ドア監視処理45回)論理和し続け、その結果を使用してドア開放検出スイッチ25の検出状態を判定する。そして、約100msが経過した時点で算出結果が1の場合、すなわちその間に1回でもドア開放検出スイッチ25のON(開放状態)が検出された場合には、ドア開放検出スイッチ25のONと判定し、算出結果が0の場合、すなわちその間に1回もドア開放検出スイッチ25のON(開放状態)が検出されていない場合には、ドア開放検出スイッチ25のOFFと判定する。この判定の結果と、ドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドが示すドア開放検出スイッチ25の検出状態と、が一致すればドア開放検出スイッチ25の検出状態に変化なしと判定し、一致しなければドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化したと判定し、ドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドを、変化後の検出状態を示すドアコマンドに更新し、ドアコマンド送信要求2を設定して当該ドアコマンドの送信を命令する。また、メインCPU41aは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化したと判定した場合に、ドアコマンドの送信命令に加えて、外部出力基板1000に対するドア開放信号の出力状態の更新を要求する。
また、メインCPU41aは、電源投入時または1ゲーム終了時に、起動処理またはゲーム処理においてドアコマンド送信要求1を設定し、ドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドの送信を要求する。一方ドア監視処理においては、ドアコマンド送信要求1が設定されているか否かを判定し、ドアコマンド送信要求1が設定されている場合には、ドアコマンドの送信要求ありと判定し、ドアコマンド送信要求2を設定してドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドの送信を命令する。また、メインCPU41aは、ドアコマンド送信要求1が設定されている場合に、ドアコマンドの送信命令に加えて、外部出力基板1000に対するドア開放信号の出力状態の更新を要求する。
このようにドアコマンドの送信を命令する場合には、併せて外部出力基板1000に対するドア開放信号の出力状態の更新も要求されるため、ドア開放信号の出力状態は、ドアコマンドの送信命令にリンクして更新されるようになっている。
本実施の形態では、前述のようにドアコマンドを通常コマンドよりも優先して行なうとともに、ドアコマンドについても他のコマンドと同様にランダムに決定された遅延時間が経過した後に送信される。一方、コマンドの遅延時間の最大が35.84msであるので、通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納されている状態でドアコマンドの送信が要求された場合には、ドアコマンドを送信した後、さらに通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドを送信するまでに約72ms必要とするが、ドア開放検出スイッチ25の監視間隔がドアコマンドを送信した後、さらに通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドを送信するまでに要する約72msよりも短いと、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が連続して変化した場合に、その変化し続けている間は、通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドが送信されないこととなるため、通常コマンド送信用バッファがオーバーフローしてしまう可能性がある。このため、本実施の形態では、ドア開放検出スイッチ25の監視間隔が、ドアコマンドを送信した後、さらに通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドを送信するまでに要する約72msよりも長い約100msに設定されており、これにより、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が連続して変化した場合でも、ドアコマンドが送信された後、次のドアコマンドが送信されるまでの間に、通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドを少なくとも1つ以上送信することが可能となり、通常コマンド送信用バッファがオーバーフローしないようになっている。
メインCPU41aは、約10ms毎に1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態を監視する。詳しくは、0.56ms毎に行なう前述のポート入力処理において1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10からの検出信号を正論理化した入力状態(ON=1、OFF=0)をそれぞれ取得し、タイマ割込処理(メイン)のタイマ割込2で行なう、すなわち2.24ms毎に行なうスイッチ監視処理において、前述のポート入力処理において取得した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出信号の確定状態(2回連続同一となった入力状態)を、約10ms(ドア監視処理5回)それぞれ別個に論理和し続け、その結果を使用して1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態を判定する。そして、約10msが経過した時点で算出結果が1の場合、すなわちその間に1回でもONが検出された場合には、該当するスイッチのONと判定し、算出結果が0の場合、すなわちその間に1回もONが検出されていない場合には、該当するスイッチのOFFと判定する。この判定の結果と、操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドが示す各スイッチの検出状態と、が一致すれば検出状態に変化なしと判定し、一致しなければいずれかのスイッチの検出状態が変化したと判定し、操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドを、変化後の検出状態を示すとともに、その時点の各スイッチの有効/無効を示す操作検出コマンドに更新し、操作検出コマンド送信要求を設定して当該操作検出コマンドの送信を命令する。
次に、メインCPU41aが演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブCPU91aは、メインCPU41aからのコマンドの送信を示すストローブ信号を入力した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
受信用バッファには、最大で128個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブCPU91aは、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の制御を行なう。
なお、本実施の形態では、サブCPU91aがタイマ割込処理(サブ)を行なう時間間隔(1.12ms)が、メインCPU41aがコマンドを送信する時間間隔(2.24ms)よりも短い間隔であるため、通常のゲームに伴う動作が行なわれていれば、メインCPU41aから連続してコマンドが送信される場合であっても受信用バッファに格納された未処理のコマンドは、次のコマンドを受信するまでにタイマ割込処理(サブ)によって読み出されることとなり、受信用バッファに未処理のコマンドが複数蓄積されることはなく、メインCPU41aから送信されたコマンドを受信すると、その後最初に行なわれるタイマ割込処理(サブ)によって受信したコマンドは読み出され、コマンドに対応する処理が行なわれる。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブCPU91aは、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の制御を行なう。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
なお、サブCPU91aは、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
特に、本実施の形態では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブCPU91aが、賭数が設定された旨を示すBETコマンドを受信したときに、実行中の演出を中止するようになっている。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出がキャンセルされ、次のゲームを開始できるので、このような遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。また、演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブCPU91aが、ゲームの終了を示す遊技状態コマンドを受信した後、ゲームの開始を示す内部当選コマンドを受信する前に、払出開始コマンドを受信した場合には、実行中の演出を中止するようになっている。クレジットや賭数の精算を行なうのは、遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブCPU91aは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっている。
制御パターンテーブルには、特定のコマンド(待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、初期化コマンド、設定終了コマンド、特別役の当選を示す電源投入コマンド等)を受信した際に参照される特定の制御パターンが格納されており、サブCPU91aは、これら特定のコマンドを受信した場合には、当該ゲームにおいて設定されている演出パターンに関わらず、当該コマンドに対応する特定の制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の制御を行なう。
待機コマンドを受信した場合には、デモ演出(デモンストレーション演出)を実行するためのデモパターンが制御パターンとして参照される。なお、特別役の当選を報知する確定演出が実行されている場合には、デモ演出の実行が禁止されるようになっており、このような状態で待機コマンドを受信してもデモパターンが制御パターンとして参照されることはなく、デモ演出が実行されることもない。
打止状態の発生を示す打止コマンドを受信した場合には、打止状態である旨を報知するための打止報知パターンが制御パターンとして参照される。また、打止状態の解除を示す打止コマンドを受信した場合には、前述したデモパターンが制御パターンとして参照される。すなわち打止状態が解除されるとデモ演出が実行されることとなる。
エラー状態の発生を示すエラーコマンドを受信した場合には、エラー状態である旨およびその種類を報知するためのエラー報知パターンが制御パターンとして参照される。また、エラー状態の解除を示すエラーコマンドを受信した場合には、エラー発生時に実行していた制御パターンが参照される。すなわちエラー発生時の演出が最初から実行されることとなる。
初期化コマンドを受信した場合には、設定変更中である旨を報知するための設定中報知パターンが参照される。また、設定終了コマンドを受信した場合には、前述したデモパターンが制御パターンとして参照される。すなわち初期化コマンドを受信すると設定変更中報知が実行され、その後、設定終了コマンドを受信するとデモ演出が実行されることとなる。
特別役の当選を示す電源投入コマンドを受信した場合には、特別役の当選を報知するための特別役告知パターンが参照される。すなわち、特別役の当選を示す電源投入コマンドを受信すると特別役の当選を報知する告知演出が実行されることとなる。なお、特別役の当選を報知する告知演出は、一度実行されると、当該特別役が入賞した旨を示す入賞判定コマンドを受信するまで継続するようになっている。
サブCPU91aは、その起動時にRAM91cに記憶されているデータに基づいて電断前の演出状態に復帰可能な否かに関わらず、実際に演出を開始する前に、初期化コマンドまたは電源投入コマンドのいずれかを受信するまで待機する。そしてこの状態で初期化コマンドを受信した場合には、RAM91cのデータをクリアする。また、この状態で特別役の当選を示す電源投入コマンドを受信した場合には、特別役の当選を示す告知演出を実行し、特別役の非当選を示す電源投入コマンドを受信した場合には、電断前の演出状態に復帰可能であれば復帰し、復帰不能であればデモ演出を実行する。また、初期化コマンドまたは電源投入コマンドの受信待ちの状態では、コマンドの受信に基づき演出を実行するタイマ割込処理の実行は許可されないようになっており、他のコマンドを受信した場合でも、受信したコマンドに基づく演出が行なわれることはなく、起動後、初期化コマンドまたは電源投入コマンドを受信して、タイマ割込処理の実行が許可されるまでは、何らの演出も行なわれることはない。
このため、電源投入時にメイン制御部41とサブ制御部91のコマンド送信ラインを非接続とし、その後メイン制御部41とサブ制御部91とを接続しても、サブ制御部91は、電源投入コマンドや初期化コマンドを受信していないため、演出の制御が行なわれることはなく、起動時にメイン制御部41とサブ制御部91のコマンド送信ラインを非接続としても、サブ制御部91側で電源投入コマンドの受信を回避し、特別役の当選を示す告知演出の実行を回避することは不可能であり、このようにメイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合には、必ず特別役の当選が報知されることとなる。
一方、打ち込み器具などの不正器具を接続するには、一度電源を切る必要がある(電源を切らずにコネクタを外すと故障の原因となる)が、上記の構成により、無理矢理コネクタの接続を解除して打ち込み器具を使用し、不正に特別役の当選を設定しても、メイン制御部41を再起動させた際に、特別役に当選していることが外部から容易に判別できてしまうので、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシンを、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業を効果的に抑止することができる。
また、告知演出は特別役の入賞を示す入賞判定コマンドを受信するまで、すなわち当選した特別役が入賞するまで継続して実行されるようになっている。このため、特別役が入賞すること、すなわち特別役の当選フラグがクリアされるまでは告知演出が停止することはなく、遊技店によって特別役の当選を維持したまま告知演出を解除することが不可能となるため、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシン1を、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業をより一層効果的に抑止することができる。
また、本実施の形態では、メイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合には、メインCPU41aが特別役の当選を示す電源投入コマンドを送信し、特別役の当選を示す電源投入コマンドをサブ制御部91が受信することで、特別役の当選を示す告知演出を、サブ制御部91が制御する液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置にて実行するようになっており、不正に特別役の当選を設定しても、メイン制御部41を再起動させた際に、特別役に当選していることが演出装置で報知され、一層判別しやすい状態となるので、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシンを、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業を一層確実に防止することができる。
なお、本実施の形態では、サブ制御部91が制御する演出装置にて特別役の当選が報知されるようになっているが、メイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合に、メイン制御部41が直接制御するクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13にて特別役の当選を報知するようにしてもよい。また、メイン制御部41が直接制御する電子部品として特別役の当選を報知する告知LEDを設け、メイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合に、告知LEDを用いて特別役の当選を報知するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40に対して信号を入力または出力する電子部品(投入メダルセンサ31)と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制することによっても不正器具の使用を防止しているが、メイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合に、その旨を報知することで、コネクタ同士の抜き差しを規制する構造とするか否かに関わらず、打ち込み器具の使用を防止できるため、コネクタ同士の抜き差しを規制する構造にしないことも可能であり、このようにすることで、コネクタ同士の抜き差しを規制するために部品の大幅な構造変更を必要としないうえに、故障時などのメンテナンス性を向上させることもできる。
サブCPU91aは、ドアコマンドの受信に基づき、前面扉1bが開放されている旨を示すドア開放報知を行なう。詳しくは、サブCPU91aがドアコマンドを受信したときに、その後、100ms経過しても新たにドアコマンドを受信しなかった場合に、受信したドアコマンドが示すドア開放検出スイッチ25の検出状態を確定検出状態とし、確定検出状態がON(ドア開放)であれば、ドア開放報知を行なう。ドア開放報知では、演出効果LED52を点滅させ、液晶表示器51にドア開放報知画面を表示させるとともに、エラー警告音を出力する。そして、その後ドアコマンドを受信し、100ms経過しても新たにドアコマンドを受信せずにドアコマンドが示す検出状態が確定検出状態となり、確定検出状態がOFF(ドア閉塞)であれば、ドア開放報知を停止し、もとの演出に復帰する。
また、最後にドアコマンドを受信してから、100ms経過しないうちに新たにドアコマンドを受信したときは、その前に受信したコマンドが示すドア開放検出スイッチ25の検出状態を確定検出状態とせず、新たなドアコマンドの受信後、100ms経過してもさらにドアコマンドを受信しなかった場合に、最後に受信したドアコマンドが示すドア開放検出スイッチ25の検出状態と確定検出状態とし、確定検出状態がON(ドア開放)であれば、ドア開放報知を行ない、確定検出状態がOFF(ドア閉塞)であれば、ドア開放報知を停止する。
このため、ドア開放報知を行なっていない状態で、ドア開放検出スイッチ25のON(ドア開放)を示すドアコマンドを受信しても、その後100ms以内にドア開放検出スイッチ25のOFF(ドア閉塞)を示すドアコマンドを受信した場合には、ドア開放報知は行なわれず、ドア開放報知を行なっている状態で、ドア開放検出スイッチ25のOFF(ドア閉塞)を示すドアコマンドを受信しても、その後100ms以内にドア開放検出スイッチ25のON(ドア開放)を示すドアコマンドを受信した場合には、ドア開放報知を停止しない。
また、ドアコマンドを受信した後、100ms以内に新たにドアコマンドを受信し、さらにその後100ms以内に新たにドアコマンドを受信した場合など、100ms以内の間隔で連続してドアコマンドを受信した場合には、その間、ドア開放報知の状態は維持し(ドア開放報知を行なっていない状態であれば、ドア開放報知を開始することがなく、ドア開放報知を行なっている状態であれば継続する)、最後に受信したドアコマンドの後、100ms経過した時点で確定した検出状態に基づきドア開放報知の状態を決定し、それまでドア開放報知が行なわれており、かつ確定した検出状態がON(ドア開放)であれば、ドア開放報知を継続し、確定した検出状態がOFF(ドア閉塞)であれば、ドア開放報知を停止する一方、それまでドア開放報知が行なわれておらず、かつ確定した検出状態がOFF(ドア閉塞)であれば、ドア開放報知は行なわず、確定した検出状態がON(ドア開放)であれば、ドア開放報知を開始する。
このように本実施の形態では、メインCPU41aは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドを送信するのみで、ドア開放検出スイッチ25の検出状態から前面扉1bが開放されているか否かの判定は行なわず、サブCPU91aが、メインCPU41aから受信したドアコマンドが示すドア開放検出スイッチ25の検出状態に基づいて前面扉1bが開放されているか否かの判定を行ない、その判定結果に基づいてドア開放報知を行なうようになっている。
遊技制御基板40などのスロットマシン1の内部の部品に対して何らかの不正行為を行なうには前面扉1bを開放する必要があるが、本実施の形態では、前面扉1bが開放されると、その旨が報知されるため、このような不正を効果的に防止できるとともに、不正がなされても早期に発見することができる。
従来、前面扉の開放を報知するものにおいては、遊技制御手段の制御負荷を軽減するために演出制御手段がエラー報知を行なうにも関わらず、遊技制御手段に入力された信号に基づいて遊技制御手段が前面扉が開放したか否かを判定する必要があり、遊技制御手段の制御負荷を十分に軽減することができない。
これに対して本実施の形態では、メインCPU41aがドア開放検出スイッチ25の検出状態を約100ms毎に監視し、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化した際に、変化後の検出状態を示すドアコマンドを送信するのみで、ドア開放検出スイッチ25の検出状態から前面扉1bが開放されているか否かの判定は行なわず、サブCPU91aが、メインCPU41aから受信したドアコマンドが示すドア開放検出スイッチ25の検出状態に基づいて前面扉1bが開放されているか否かの判定を行ない、その判定結果に基づいてドア開放報知を行なうようになっているため、メインCPU41aは、前面扉1bの開放を報知するにあたって、ドア開放検出スイッチ25の検出状態から前面扉1bが開放しているか否かの判定(ドア開放検出スイッチ25のチャタリング防止判定など)を行なう必要がなく、メインCPU41aの制御負荷を軽減することができる。
また、メインCPU41aは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化していない場合でも、メインCPU41aの起動時および1ゲーム終了時には、その時点のドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドを送信するので、サブCPU91aが変化時のドアコマンドを取りこぼした場合であっても、起動時および1ゲーム終了時には必ずドア開放検出スイッチ25の検出状態を取得できるため、このように変化時のドアコマンドを取りこぼした後、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化しない場合でも、ドア開放検出スイッチ25の検出状態の変化がドア開放報知に反映されない状態が継続してしまうことを防止できる。
また、メインCPU41aは、通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納されている状態で、ドアコマンドの送信が要求された場合(ドアコマンド送信要求2が設定されている場合)には、原則として通常コマンド送信用バッファに格納されているコマンドよりもドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドを優先して送信するようになっており、ドア開放検出スイッチ25の監視間隔と、ドアコマンドの送信間隔と、の誤差を極力抑えられるようになっている。
なお、通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドの送信待ち(遅延中)の状態では、ドアコマンドよりも遅延中の通常コマンドを優先して送信するようになっており、既に遅延時間の計時を開始しているにも関わらず、それに割り込むことによって遅延制御が複雑化してしまうことがない。また、電源投入コマンドおよび初期化コマンドについては、ドアコマンドを含む全てのコマンドよりも優先して送信するようになっており、他のコマンドを先に送信することによりサブCPU91aの復帰が遅れてしまうことがない。
また、本実施の形態では、ドアコマンドの送信を命令するドアコマンド送信要求2が一度設定されると、当該命令に基づくドアコマンドが送信されるまで、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化してもドアコマンドが更新されないようになっており、電源投入コマンドまたは初期化コマンドの送信待ちの状態においてドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化した場合にも、ドアコマンドが未送信のまま上書きされてしまうことを防止できる。
また、本実施の形態では、通常コマンド送信用バッファとは別個にドアコマンド送信用バッファが設けられており、ドアコマンドを通常コマンドよりも優先して送信する場合に、その送信管理が煩雑となってしまうことがない。
また、本実施の形態では、ドアコマンドを基本処理に定期的に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)内で送信用バッファに格納するのに対して、通常コマンドは、基本処理において送信用バッファに格納する構成であるため、ドアコマンドと通常コマンドとを同一の送信用バッファに格納する場合には、通常コマンドを送信用バッファに格納する際に割込を禁止する必要があり(通常コマンドを送信用バッファに格納している最中に割り込んでドアコマンドが格納されると、処理中の通常用コマンドが上書きされてしまううえに、復帰後にさらにドアコマンドが部分的に上書きされてしまうなどの不具合がある)、このような構成とした場合には、通常コマンドを格納する毎に割込が禁止され、リールの回転のブレやメダルの払出時のブレが発生するなど、他の制御に影響を及ぼす虞があるが、上記のように通常コマンド送信用バッファとは別個にドアコマンド送信用バッファが設けられることで、ドアコマンドを基本処理に定期的に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)内で送信用バッファに格納し、通常コマンドを基本処理において送信用バッファに格納する構成としても、通常コマンドを格納する際に割込を禁止する必要がなくなり、上記のような不具合を解消することができる。
また、本実施の形態では、ドア開放検出スイッチ25の監視間隔がドア開放検出スイッチ25の監視間隔が、ドアコマンドを送信した後、さらに通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドを送信するまでに要する約72msよりも長い約100msに設定されており、これにより、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が連続して変化した場合でも、ドアコマンドが送信された後、次のドアコマンドが送信されるまでの間に、通常コマンド送信用バッファに格納されている通常コマンドを少なくとも1つ以上送信することが可能となり、通常コマンド送信用バッファがオーバーフローしないようになっている。
サブCPU91aは、操作検出コマンドの受信に基づいて1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の操作がなされたか否かを判定する。詳しくは、サブCPU91aが操作検出コマンドを受信したときに、その後、100ms経過しても新たに操作検出コマンドを受信しなかった場合に、受信した操作検出コマンドが示す各スイッチの検出状態を確定検出状態とし、前回の確定検出状態と比較していずれかのスイッチがOFFの状態からONの状態に変化していれば、該当するスイッチが操作された旨を判定し、いずれかのスイッチがOFFの状態からONの状態に変化していれば、該当するスイッチの操作が解除された旨を判定する。
このため、操作検出コマンドを受信し、いずれかのスイッチの検出状態が変化している場合でも、その後100ms以内に、変化前と同じ検出状態を示す操作検出コマンドを受信した場合には、スイッチの操作またはその操作の解除は判定されない。
このように本実施の形態では、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態、すなわちON/OFF、これらスイッチが遊技の進行上、有効な状態であるか、無効な状態であるか、を示す操作検出コマンドが、これらスイッチの検出状態が変化したときに、これらスイッチの操作の受付が遊技の進行上、有効な期間であるか、無効な期間であるか、に関わらず送信されるようになっており、サブCPU91aもメインCPU41aが検出した操作を、その操作が有効に操作されたか否かに関わらず特定できるので、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の操作が有効になされて遊技の制御が進行するタイミングと一致するタイミングに加えて、これらのスイッチの操作が無効な状態で操作された場合、すなわち遊技の進行の制御に直接関わらないタイミングで演出を実行することが可能となる。
すなわち演出用の操作を行なうために、新たな検出手段を搭載せずとも、本来であればゲームを進行させるために搭載され、メインCPU41aが検出する操作手段を用いて、これら操作手段がゲームの進行上は無効化されている状態であっても演出用の操作を行なうことが可能となり、サブCPU91aは、これら操作手段の操作を利用して演出を実行できるので、演出のタイミングに多様性を持たせることができる。
また、操作検出コマンドから各スイッチの操作が有効な状態であるか、無効な状態であるか、を特定できるようになっており、サブCPU91aは、操作検出コマンドを受信した際に、スイッチの操作の受付が有効な期間にされているか否かに応じて適切な演出を実行することができる。
また、メインCPU41aは、操作検出コマンドを送信するにあたり、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態を示す操作検出コマンドを送信するのみで、その検出状態からスイッチが操作されているか否かの判定は行なわず、サブCPU91aが、メインCPU41aから受信した操作検出コマンドが示す検出状態に基づいて1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10が操作されているか否かの判定を行ない、その判定結果に基づいてこれらスイッチの操作状況を把握できるようになっているため、メインCPU41aは、操作検出コマンドを送信するにあたって、無効な期間にあるスイッチ、すなわち遊技の進行制御上は関係のないスイッチについてまで操作されているか否かの判定(チャタリング防止判定など)を行なう必要がなく、メインCPU41aの制御負荷を軽減することができる。
また、メインCPU41aは、通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納されている状態で、操作検出コマンドの送信が要求された場合(操作検出コマンド送信要求が設定されている場合)、またはドアコマンドの送信と操作検出コマンドの送信が同時に要求された場合には、原則として操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドよりも通常コマンド送信用バッファに格納されているコマンド、またはドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドを優先して送信するようになっており、操作検出コマンドの送信によって通常コマンドやドアコマンドの送信が遅れてしまうことがない。
なお、操作検出コマンド送信用バッファに格納されている操作検出コマンドの送信待ち(遅延中)の状態で通常コマンド送信用バッファに通常コマンドが格納された場合、またはドアコマンドの送信が要求された場合には、遅延中の操作検出コマンドを優先して送信するようになっており、既に遅延時間の計時を開始しているにも関わらず、それに割り込むことによって遅延制御が複雑化してしまうことがない。
また、本実施の形態では、操作検出コマンドの送信を命令する操作検出コマンド送信要求が一度設定されると、当該命令に基づく操作検出コマンドが送信されるまで、いずれかのスイッチの検出状態が変化しても操作検出コマンドが更新されないようになっており、操作検出コマンドが未送信のまま上書きされてしまうことを防止できる。
また、本実施の形態では、通常コマンド送信用バッファおよびドアコマンド送信用バッファとは別個に操作検出コマンド送信用バッファが設けられており、通常コマンドやドアコマンドを操作検出コマンドよりも優先して送信する場合に、その送信管理が煩雑となってしまうことがない。
また、本実施の形態では、操作検出コマンドを基本処理に定期的に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)内で送信用バッファに格納するのに対して、通常コマンドは、基本処理において送信用バッファに格納する構成であるため、操作検出コマンドと通常コマンドとを同一の送信用バッファに格納する場合には、通常コマンドを送信用バッファに格納する際に割込を禁止する必要があり(通常コマンドを送信用バッファに格納している最中に割り込んで操作検出コマンドが格納されると、処理中の通常用コマンドが上書きされてしまううえに、復帰後にさらに操作検出コマンドが部分的に上書きされてしまうなどの不具合がある)、このような構成とした場合には、通常コマンドを格納する毎に割込が禁止され、リールの回転のブレやメダルの払出時のブレが発生するなど、他の制御に影響を及ぼす虞があるが、上記のように通常コマンド送信用バッファとは別個に操作検出コマンド送信用バッファが設けられることで、操作検出コマンドを基本処理に定期的に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)内で送信用バッファに格納し、通常コマンドを基本処理において送信用バッファに格納する構成としても、通常コマンドを格納する際に割込を禁止する必要がなくなり、上記のような不具合を解消することができる。
サブCPU91aとタッチパネルコントローラ99とは、シリアル通信にてデータの送受が可能に接続されている。
サブCPU91aは、起動時にタッチパネルコントローラ99に対してハードウェアリセットを命令して、タッチパネルコントローラ99を初期化させるとともに、初期化の終了に伴いタッチパネルコントローラ99から送信されたステータスレポートを解析し、異常がなければシステムオンコマンドを送信し、タッチパネルコントローラ99のシステムを起動させる。これに伴い、タッチパネルコントローラ99は、タッチ操作を検出可能な状態に移行する。
また、サブCPU91aは、起動時以外でも、タッチパネルコントローラ99に対して送信したコマンドに対する応答が一定時間経過しても返信されない場合に、起動時と同様にハードウェアリセットを命令してタッチパネルコントローラ99のシステムを再起動させるようになっている。
タッチパネルコントローラ99は、受光装置57a、57bからの信号に基づき、60秒間連続して発光装置56a、56bからのいずれかのビームが遮蔽されたときに、該当するビーム座標を不良ビームと判定し、それ以後、不良ビームとして判定したビーム座標でのタッチ操作の検出を無効化し、有効化されているビームのみでタッチ操作の検出を行なうようになっている。その後、発光装置56a、56bからの遮蔽状態が解除された場合には、無効化されたビーム座標でのタッチ操作の検出を再び有効化するようになっている。
このようにタッチパネルコントローラ99では、60秒間連続して発光装置56a、56bからのいずれかのビームが遮蔽された場合に不良ビームと判定し、該当するビーム座標を無効化するようになっており、受光装置57a、57bや発光装置56a、56bが破損している場合、固形物が付着している場合、物が置かれている場合などによって不良ビームが生じても、不良ビームのみ無効化され、有効なビームによってタッチ操作を検出できるため、不良ビームが生じてもタッチパネルを正常に機能させることが可能であり、正常なビームによってタッチ操作を検出することができるにも関わらず、タッチパネルが使用できなくなってしまうことを防止できる。
なお、本実施の形態では、不良ビームと判定され、無効化されたビーム座標は、発光装置56a、56bからの遮蔽状態が解除された場合に有効化され、自動的に復旧するようになっているが、たとえば、タッチパネルコントローラ99のハードウェアリセットなどを契機に復旧させるようにしてもよい。
また、サブCPU91aは、1秒毎に不良ビーム解析要求コマンドを送信する。タッチパネルコントローラ99は、不良ビーム解析要求コマンドを受信すると、発光装置56a、56bからのビームのうち遮蔽されているビームおよびその遮蔽時間を示すレポートを返信する。そして、サブCPU91aは、タッチパネルコントローラ99から返信されたレポートが、10秒以上遮蔽されている連続する2本以上のビームが存在する旨を示す場合に、液晶表示器51に、「ものをどけてください」と表示し、タッチパネル上の物の除去を促す報知を行なう。
このように発光装置56a、56bからのビームのうち一定時間以上遮蔽されている連続する2本以上のビームが存在する場合、すなわち何らかの物体がタッチパネル上に位置する可能性がある場合に、物の除去を促す報知が行なわれるため、これら物が置かれていることなどによる不良ビームを早期に発見し解消することができる。
また、不良ビームに伴うビーム座標が無効化されるまでの時間よりも早い段階で物の除去を促す報知が行なわれるので、ビーム座標が無効化される前に、不良ビームの原因を取り除くことが可能となる。
なお、サブCPU91aは、物の除去を促す報知を行った後、10秒以上遮蔽されている連続する2本以上のビームが存在しない旨を示すレポートをタッチパネルコントローラ99から返信されたとき、すなわち物が除去されて不良ビームが解消された場合、または一定時間(30秒)経過したとき、すなわち物が置かれっぱなしの場合や受光装置57a、57bや発光装置56a、56bが破損している場合には、報知を停止する。
本実施の形態の演出制御基板90は、出荷前にコマンドシミュレータ(試験用の遊技制御基板)を接続することにより、演出制御基板90に搭載された各部の動作試験を行なえるようになっている。
動作試験では、コマンドシミュレータにて動作させる部品およびその動作態様を指定した検査コマンドを送信する。
本実施の形態のスロットマシン1には、サブ制御部91が制御するLED、ランプ、冷陰極管などの電飾部品、スピーカ、液晶表示器51、タッチパネルが搭載されており、出力ポートとその出力ポートに対応する部品およびその動作態様を検査コマンドにて指定することで、指定された部品の動作を検査することが可能である。検査コマンドは2バイトから構成されており、1バイト目で出力ポートを指定し、2バイト目で動作させる部品およびその動作態様を指定する。
電飾部品の動作を検査する検査コマンドでは、動作態様として点灯、消灯を指定するとともに、さらに電飾部品が複数色の点灯が可能な部品であれば、さらにその点灯色も指定することが可能である。
スピーカの動作を検査する検査コマンドでは、動作態様として左のみ、右のみ左右両方からの出力、出力される音の種類、音声ROM(スピーカから出力される音声データが格納されるROM)のROMチェックを指定することが可能である。
液晶表示器51の動作を検査する検査コマンドでは、動作態様としてカラーバーの表示、赤表示、緑表示、青表示、白表示、黒表示、静電試験用画面の表示、CGROM(液晶表示器51に表示される画像データ(CGデータ)が格納されるROM)のROMチェック、液晶表示器51の表示領域チェック、CGROMに格納された画像データA〜Dの表示、VRAMのチェックを指定することが可能である。
タッチパネルの動作を検査する検査コマンドでは、動作態様としてタッチパネルの不良ビームのチェック、タッチパネルの動作チェックを指定することが可能である。なお、タッチパネルの不良チェックを指定した場合には、同時に音声ROMおよびCGROMのROMチェックも同時に指定される。
その他の検査コマンドとしてボーナス中演出のバックアップを確認するための検査コマンドがあり、この検査コマンドでは、ボーナス中画面の表示、ボーナス中の電飾部品の動作、ボーナス中のBGM出力が指定される。
1つの検査コマンドでは、1つの出力ポートとその出力ポートに対応する部品および動作態様のみを指定することが可能であり、出力ポートの異なる部品を同時に動作させて検査する場合には、それぞれの出力ポートを指定した検査コマンドを連続して送信する。このため、全ての電飾部品を動作させる試験を行なうだけでも、本実施の形態では、40の検査コマンドを連続して送信する必要があり、さらに電飾部品以外の部品の動作も同時に試験を行なう場合には、その組合せに応じて最大128の検査コマンドを連続して送信する必要がある。
なお、コマンドシミュレータでは、複数の電飾部品の動作を指定する検査コマンド、電飾部品の動作を指定する検査コマンドとスピーカの動作を指定する検査コマンド、液晶表示器51の動作を指定する検査コマンド、スピーカの動作を指定する検査コマンドと液晶表示器51の動作を指定する検査コマンドをそれぞれ同時に送信することはできるが、液晶表示器51の動作を指定する検査コマンドとそれとは異なる液晶表示器51の動作を指定する検査コマンド、液晶表示器51の動作を指定する検査コマンドとタッチパネルの動作を指定する検査コマンドなど、同時に実施することができない動作を指定する動作コマンドを同時に送信することはできないようになっている。
前述のように通常のゲームに伴う動作が行なわれていれば、メインCPU41aから連続してコマンドが送信される場合であっても受信用バッファに格納された未処理のコマンドは、次のコマンドを受信するまでにタイマ割込処理(サブ)によって読み出されるので、受信用バッファに未処理のコマンドが複数蓄積されることはないが、コマンドシミュレータによる動作試験では、最大128の検査コマンドが連続して送信される可能性があるため、RAM91cの受信バッファには、128個のコマンドを格納可能な領域が設けられている。
サブCPU91aは、タイマ割込処理(サブ)において受信バッファに未処理のコマンドが格納されているか否か判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、受信バッファから最も早い段階で受信したコマンドを読み出し、読み出したコマンドが検査コマンドであるか否かを判定する。この結果、読み出したコマンドが検査コマンドである場合には、検査コマンドが指定する部品およびその動作態様を特定し、特定した部品を特定した動作態様にて動作させる。これによりコマンドシミュレータから送信した検査コマンドに基づく動作状況を外部から確認できるようになっている。
サブCPU91aは、電飾部品の動作を検査する検査コマンドを受信した場合に、検査コマンドが指定する電飾部品およびその点灯、消灯、点灯色など動作態様を特定し、該当する電飾部品を指定された動作態様にて動作させる。
また、サブCPU91aは、スピーカの動作を検査する検査コマンドを受信した場合に、左のみ、右のみ左右両方からの出力、出力される音の種類、音声ROMのROMチェックなど検査コマンドが指定する動作態様を特定し、スピーカを指定された動作態様にて動作させる。特に、音声ROMのROMチェックが指定された場合には、音声ROMに格納されている確認用データとROM91bに格納されている格納されているデータとを照合し、一致するか否かの結果を液晶表示器51に表示させる。
また、サブCPU91aは、液晶表示器51の動作を検査する検査コマンドを受信した場合に、カラーバーの表示、赤表示、緑表示、青表示、白表示、黒表示、静電試験用画面の表示、CGROMのROMチェック、液晶表示器51の表示領域チェック、CGROMに格納された画像データA〜Dの表示、VRAMのチェックなど検査コマンドが指定する動作態様を特定し、液晶表示器51を指定された動作態様にて動作させる。特に、CGROMのROMチェックが指定された場合には、音声ROMのROMチェックと同様に、CGROMに格納されている確認用データとROM91bに格納されている格納されているデータとを照合し、一致するか否かの結果を液晶表示器51に表示させる。また、液晶表示器51の表示領域チェックが指定された場合には、表示可能領域を示す画像を液晶表示器51に表示させる。また、VRAMチェックが指定された場合には、メモリ領域にVRAMを展開し、VRAMチェック用の画像を液晶表示器51に表示させる。
また、サブCPU91aは、タッチパネルの動作を検査する検査コマンドを受信した場合に、タッチパネルの不良ビームのチェック、タッチパネルの動作チェックなど検査コマンドが指定する動作態様を特定し、タッチパネルおよび液晶表示器51を指定された動作態様にて動作させる。特に、タッチパネルの不良ビームのチェックが指定された場合には、タッチパネルコントローラ99に対して不良ビーム解析要求コマンドを送信し、返信されたレポートに基づいて60秒以上遮蔽されているビームが存在するか否かを判定し、60秒以上遮蔽されているビームが存在する場合には、遮蔽されているビームに対応させて液晶表示器51に赤いラインを表示させる。また、タッチパネルの不良ビームのチェックが指定された場合には、併せて音声ROMおよびCGROMのROMチェックも行なう。また、タッチパネルの動作チェックには2種類あり、動作チェック1が指定された場合には、タッチパネルを全面有効にし、液晶表示器51に「触れてください」というテロップを表示させるとともに、タッチ操作が検出されるまで新たなコマンドの受信を禁止する。動作チェック2が指定された場合には、タッチパネルを全面有効にし、液晶表示器51には64分割した画面を表示し、タッチ操作が検出されたコマの色を変化させる。この場合も、タッチ操作が検出されるまで新たなコマンドの受信を禁止する。
また、サブCPU91aは、ボーナス中演出のバックアップを検査する検査コマンドを受信した場合に、検査コマンドが指定する部品および動作態様を特定し、液晶表示器51、スピーカ、電飾部品を指定された動作態様にて動作させる。
このように、サブCPU91aは、検査コマンドの受信に基づき、検査コマンドが指定する部品およびその動作態様を特定し、特定した部品を特定した動作態様にて動作させるようになっており、これによりコマンドシミュレータから送信した検査コマンドに基づく動作状況を外部から確認できるようになっている。
一般的に演出制御手段は、遊技制御手段の送信バッファと同数の受信バッファを有しており、かつ送信バッファの数と受信バッファの数は、通常の遊技を想定してオーバーフローしない程度の数とされているため、通常に遊技を行なっている分には、受信バッファ以上の数のコマンドが連続して送信されるようなことはなく、遊技制御手段から送信されたコマンドがオーバーフローしてしまうことはない。しかしながら、前述のような開発中や出荷前に演出制御手段が正常に動作するか否かを検査するための動作試験においては、試験用の遊技制御手段を演出制御手段に接続して大量のコマンドを連続して送信することで、動作試験の効率を高めることが可能となるが、上記のように受信バッファの数が送信バッファの数と同数であると、動作試験時に大量のコマンドを送信すると、受信バッファがオーバーフローしてしまい、正確に動作試験を行えなくなってしまう虞がある。このため、動作試験時に連続して送信されるコマンドの数または送信間隔を多く取る必要があり、その結果、動作試験の効率を十分に高めることができないという問題が生じる。
これに対して本実施の形態では、サブ制御部91がメイン制御部41より受信したコマンドを格納する受信用バッファに、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドが格納される通常コマンド送信用バッファが有するコマンドの格納領域よりも多くの数のコマンドを格納可能な格納領域が設けられている。これにより、コマンドシミュレータなどの動作試験用基板を演出制御基板90に接続して動作試験を行なう場合において、連続して検査コマンドを送信する場合にも、一度に送信できる検査コマンドの数や送信間隔が、メイン制御部41に設けられた通常コマンド送信用バッファの格納領域、すなわち通常のゲームを想定してオーバーフローしない程度の数分割り当てられた格納領域の数(本実施の形態では16個のコマンド)に応じて制限されることがなく、受信用バッファの格納領域の限界(本実施の形態では128個のコマンド)まで大量の検査コマンドを連続して送信することが可能となるため、動作試験の効率を効果的に高めることができる。
また、本実施の形態では、検査コマンド毎に、複数ある電飾部品、液晶表示器51、タッチパネルなどの演出用部品を個別に指定して動作試験を行なうことができるようになっており、これら複数ある電飾部品、液晶表示器51、タッチパネルなどの演出用部品をそれぞれ指定する検査コマンドを送信することで、それぞれの演出用部品が正常に動作するか否かを正確に検査することができる。
また、本実施の形態では、スロットマシン1で動作試験を行なう場合に、1つの検査コマンドで、1つの出力ポートとその出力ポートに対応する演出用部品およびその動作態様のみを指定することが可能であるため、出力ポートの数を基準にしてそれよりも多い数のコマンドを格納可能な格納領域が受信用バッファの格納領域に設けられており、全ての演出用部品の動作試験を一括して行なう場合に、それぞれの出力ポートに対応する検査コマンドを連続して送信した場合でも、受信用バッファがオーバーフローすることがないため、一層効率的に動作試験を行なうことができる。
なお、本実施の形態では、1つの検査コマンドで、1つの出力ポートとその出力ポートに対応する演出用部品およびその動作態様のみを指定することが可能となっているが、1つの検査コマンドで、1つの演出用部品およびその動作対応のみを指定可能としてもよく、この場合には、演出用部品の数よりも多い数のコマンドを格納可能な格納領域を受信用バッファに設けることで、全ての演出用部品の動作試験を一括して行なう場合に、それぞれの演出用部品に対応する検査コマンドを連続して送信した場合でも、受信用バッファがオーバーフローすることがないため、一層効率的に動作試験を行なうことができる。
また、本実施の形態のようにタッチパネルなど演出用の操作手段の操作に応じて演出制御手段が演出の制御を行なう遊技機において、演出用の操作手段の操作の検出状況を検査する必要がある場合には、操作が検出される前に誤って次の検査コマンドを送信してしまうと、演出用の操作手段の操作の検出を待たずに、次の検査コマンドを受信して、次の動作試験に移行してしまい、演出用の操作手段の操作の検出状況の検査を正常に行なえなくなってしまうという問題が生じる。
これに対して本実施の形態のサブCPU91aは、タッチパネルの動作チェックを指定する検査コマンドを受信して、タッチパネルの動作チェックを行なう場合には、コマンド受信割込処理を、タッチ操作が検出されるまでの間禁止し、この間は、新たなコマンドを受信しないようになっており、この間に新たなコマンドが送信された場合でも、タッチ操作が検出され、動作チェックが完了するまでは、新たなコマンドは受信されず、当該コマンドに基づく処理が行なわれないようになっている。このため、タッチパネルの動作チェックの完了を待たずに誤って検査コマンドを送信した場合にも、タッチパネルの動作チェックを検査を正常に行なうことができる。
また、サブCPU91aは、タッチパネルの動作チェックを指定する検査コマンドを受信した後、タッチ操作が検出されるまでの間は、コマンド受信割り込み処理が禁止されるのみならず、受信用バッファに格納されているコマンドの読み出しも行なわないようになっており、既にコマンドを受信し、受信したコマンドが受信用バッファに格納されている場合であっても、タッチ操作が検出され、動作チェックが完了するまでは、受信用バッファに格納されているコマンドに基づく処理も行なわれないようになっている。このため、タッチパネルの動作チェックを指定する検査コマンドと連続して他の検査コマンドが送信された場合にも、タッチパネルの動作チェックを検査を正常に行なうことができる。
なお、本実施の形態では、演出操作手段としてタッチパネルを適用しているが、タッチパネル以外の演出操作手段、たとえば、ボタンやダイアルなどを適用してもよく、タッチパネル以外の演出操作手段以外の動作チェックを行なう場合にも、上記と同様に演出操作手段の操作が検出されるまでコマンドの受信を禁止することで、動作チェックの完了を待たずに誤って検査コマンドを送信した場合にも、動作チェックを検査を正常に行なうことができるし、演出操作手段の操作が検出されるまで受信用バッファに格納されているコマンドの読み出しを行なわないことで、動作チェックを指定する検査コマンドと連続して他の検査コマンドが送信された場合にも、動作チェックを検査を正常に行なうことができる。
図16(a)は、このスロットマシン1において入賞となる役の種類、可変表示装置2における図柄の組合せ、ボーナスの終了条件、および移行されるRTの種類を説明する図である。本実施の形態におけるRTの種類としては、再遊技役に当選する確率が各々異なるRT1〜RT2が設けられている。なお、RT1〜RT2に制御されている遊技状態を単にRTという場合もある。
ビッグボーナス(1)は、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「赤7−赤7−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(2)は、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「白7−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)が入賞すると、遊技状態がそれぞれビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に移行する。
ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)においては、当該ビッグボーナス(1)または当該ビッグボーナス(2)が終了するまで、レギュラーボーナスに繰り返し制御される。遊技状態がビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)にある間は、それぞれビッグボーナス(1)中フラグまたはビッグボーナス(2)中フラグがRAM41cに設定される。また、レギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。すなわち、ビッグボーナス(1)中フラグまたはビッグボーナス(2)中フラグがON状態に設定されている間は、ゲームが開始されるときにレギュラーボーナス中フラグがON状態に設定されていないときに、繰り返しレギュラーボーナス中フラグをON状態に設定される。
ビッグボーナス(1)は、遊技者に払い出したメダルの枚数が270枚以上になったことを条件として終了する。ビッグボーナス(2)は、遊技者に払い出したメダルの枚数が270枚以上になったことを条件として終了する。
ビッグボーナス(1)およびビッグボーナス(2)に内部当選してから、該当選したビッグボーナスが入賞するまでの間、RT2に遊技状態が制御される。
また、ビッグボーナス(1)が入賞したとき、ビッグボーナス(2)が入賞したとき、ビッグボーナス(1)が終了した後、およびビッグボーナス(2)が終了した後には、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となるフリーズ状態に一定期間制御される。また、打止機能が有効に設定されている場合にビッグボーナス(1)が終了したとき、およびビッグボーナス(2)が終了したときには、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となる打止状態にリセット/設定スイッチ38が操作されるまで制御される。
レギュラーボーナス(1)は、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「白7−白7−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。レギュラーボーナス(2)は、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「赤7−赤7−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。レギュラーボーナス(1)またはレギュラーボーナス(2)が入賞すると、遊技状態がそれぞれレギュラーボーナスに移行する。
レギュラーボーナス(1)またはレギュラーボーナス(2)に入賞したときには、遊技者に払い出したメダルの枚数が70枚以上になるまで、レギュラーボーナスに繰り返し制御される。遊技状態がレギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。
レギュラーボーナスに内部当選してから、該当選したレギュラーボーナスが入賞するまでの間、RT2に遊技状態が制御される。
また、レギュラーボーナス(1)が入賞したとき、レギュラーボーナス(2)が入賞したとき、レギュラーボーナス(1)が終了した後、およびレギュラーボーナス(2)が終了した後には、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となるフリーズ状態に一定期間制御される。また、打止機能が有効に設定されている場合にレギュラーボーナス(1)が終了したとき、およびレギュラーボーナス(2)が終了したときには、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となる打止状態にリセット/設定スイッチ38が操作されるまで制御される。
後述する内部抽選においてビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス(1)、レギュラーボーナス(2)のうちいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス(1)、レギュラーボーナス(2)各々を構成する図柄が、リール2L、2C、2R各々において5コマ以内に配置されていないためである。もっとも、これらの役に当選しているが適正なタイミングで操作されなかったために入賞しなかった場合には、所定のチャンス目(入賞の観点で言うと、はずれ)が導出されることがある。
一方、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス(1)、レギュラーボーナス(2)、後述するリプレイ(2)、ブドウ、チェリー以外の、リプレイ(1)、メロン、15枚役が後述する内部抽選において当選したときには、これらの役を構成する図柄が、リール2L、2C、2R各々において5コマ以内に配置されているため、原則として、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作したタイミングに関わらず入賞可能なものとなっている。
シングルボーナスは、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−星」の組合せが揃ったときに入賞となる。ここで、図3を参照すると、シングルボーナスを構成する図柄は、リール2Lにおいて7コマ以内に、リール2C、2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、シングルボーナスに当選しているときであって、リール2Lを中リール2Cよりも先に停止させたときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作したタイミングに関わらず入賞可能なものとなっている。しかし、シングルボーナスに当選しているときであっても、後述するように、リール2Lを中リール2Cよりも先に停止させずかつストップスイッチ8Lが所定のタイミングで操作されたときには、リール2Lの「バナナ」の図柄を、既に停止しているシングルボーナス入賞を構成する図柄が停止されている入賞ライン上に引き込むことができず、入賞不能になる場合が生じ得る。このように、シングルボーナスが入賞するか否かに遊技者の遊技技量を介入させることにより、シングルボーナスに当選しているときであっても遊技者の操作に応じて入賞する場合と入賞しない場合とが生じ得るように構成されている。
シングルボーナスが入賞すると、次の1ゲームだけ遊技状態がシングルボーナスに移行する。RT1であるときにシングルボーナス入賞すると、当該RT1を終了させて、シングルボーナスに移行する。シングルボーナスでは、特に、内部抽選においてメロンおよび15枚に当選する確率が初期遊技状態よりも高くなる。遊技状態がシングルボーナスにある間は、シングルボーナス中フラグがRAM41cに設定される。
なお、後述するように、シングルボーナスは、小役のメロンが内部抽選において同時に抽選対象役として読み出される場合がある。よって、抽選対象役として同時に複数の入賞役が読み出されて当選した場合には、読み出されたシングルボーナスと、メロンとに重複して当選することになる。
なお、以下、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す場合がある。たとえば、シングルボーナス+メロンと表記されている場合は、内部抽選においてシングルボーナスとメロンとが同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
ブドウは、いずれかの入賞ラインに「ブドウ−ブドウ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、初期遊技状態およびRT中において5枚のメダルが払い出される。
メロンは、いずれかの入賞ラインに「メロン−メロン−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となり、初期遊技状態およびRT中において8枚のメダルが払い出される。
15枚役は、いずれかの入賞ラインに「メロン−メロン−星」の組合せが揃ったときに入賞となり、初期遊技状態およびRT中において15枚のメダルが払い出される。初期遊技状態であるときに15枚役に入賞した後は、所定の終了条件が成立するまでRT1に遊技状態が制御される。RT1の終了条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選すること、シングルボーナスに入賞すること、または後述するRT終了図柄が導出されることにより成立する。
なお、15枚役またはメロンが当選している場合、左リール2Lおよび中リール2Cの停止制御テーブルとして、全ての領域番号に対して「メロン」が表示結果として特定される引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成される。このため、15枚役またはメロンが当選している場合に左リールおよび中リールを停止させると、入賞ライン上に「メロンーメロン」が導出され、右リールの表示結果に応じて15枚役またはメロンに入賞し得るダブルテンパイ状態になる。
なお、ブドウ、メロン、および15枚役は、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、およびシングルボーナス中において入賞することにより、15枚のメダルが払い出される。
チェリーは、いずれの遊技状態においても左のリール2Lについていずれかの入賞ラインに「チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となり、初期遊技状態およびRT中において1入賞ラインにつき2枚のメダルが払い出される。左のリール2Lの上段または下段に「チェリー」が停止したときには、2つの入賞ラインでの導出となるので合計4枚のメダルが払い出される。後述する内部抽選においてチェリーに当選していても、ストップスイッチ8Lをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。チェリーを構成するリール2Lの図柄が、リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
リプレイ(1)は、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(2)は、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「オレンジ−バナナ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。
前述したように、リプレイ(1)は、原則として、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作したタイミングに関わらず、入賞可能なものとなっている。リプレイ(2)は、ストップスイッチ8Lを操作したタイミングに応じて、入賞不可能な場合も生じ得る。なお、リプレイ(1)とリプレイ(2)とは、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出される。よって、リプレイ(1)とリプレイ(2)とは、互いに重複して当選することになる。このため、リプレイ(2)を入賞させることが不能な場合であっても、リプレイ(1)に入賞させることができ、実質的に、リプレイを取りこぼすことがない。
リプレイに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数3に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
図16(b)は、導出されることによりRT1を終了させるRT終了図柄の図柄の組合せを示す図である。RT終了図柄は、後述するように、シングルボーナスがメロンと同時当選することなく単独で当選しており、かつシングルボーナスを取りこぼしたときにのみ、導出される図柄である。RT終了図柄は、「オレンジ−メロン−メロン」の組合せから構成されている。
次に、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞(入賞表示結果の導出)を許容するかどうかを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7操作時に)、決定するものである。内部抽選では、乱数発生回路42から内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態と、リセット/設定スイッチ38により設定された設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行なわれる。
前述したROM41bには、内部抽選において当選と判定される役を判断するために用いられる当選役テーブルが予め格納されている。当選役テーブルの登録内容は、予め定められた役を示すものとなる。各ゲームにおいて抽選対象となる役が参照される。本実施の形態における当選役テーブルは、ROM41bに格納されており、所定の役が抽選対象として読み出される。
具体的に、当選役テーブルは、遊技状態が初期遊技状態またはRT1であるときに、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス(1)、レギュラーボーナス(2)、シングルボーナス+メロン、シングルボーナス、リプレイ(1)+リプレイ(2)、ブドウ、メロン、チェリー、15枚役が順番に抽選対象として読み出されるように構成されている。
また、当選役テーブルは、遊技状態がRT2またはシングルボーナスであるときに、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス(1)、レギュラーボーナス(2)、リプレイ(1)+リプレイ(2)、ブドウ、メロン、チェリー、15枚役が順番に抽選対象として読み出されるように構成されている。
また、図示を省略したが、当選役テーブルは、遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供されるレギュラーボーナスを含む)であるときに、ブドウ、メロン、15枚役を順番に抽選対象役として読み出されるように構成されている。
なお、当選役テーブルは、遊技状態に関わらず、抽選対象役として同じ入賞役が読み出されるように構成されたものであってもよい。この場合、遊技状態がRT2またはシングルボーナスであるときに、シングルボーナス+メロンおよびシングルボーナスが抽選対象役として読み出された場合であっても、抽選しない、または抽選を行なって当選した場合であっても当選フラグを設定しないように構成してもよい。また、遊技状態がレギュラーボーナスであるときに、ブドウ、メロン、15枚役以外の入賞役が抽選対象役として読み出された場合であっても、抽選しない、または抽選を行なって当選した場合であっても当選フラグを設定しないように構成してもよい。
内部抽選では、内部抽選の対象役について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、その対象となっている役に当選したものと判定される。当選と判定されると、当該役の当選フラグがRAM41cに設定される。抽選対象役として複数の入賞役が読み出されている場合に当選と判定された場合には、当該読み出されている複数の入賞役各々に対応する当選フラグがRAM41cに設定される。たとえば、シングルボーナス+メロンが抽選対象役として読み出されて当選と判定されたときには、シングルボーナスの当選フラグ、およびメロンの当選フラグがRAM41cに設定される。判定値数は、ROM41bに予め格納された役別テーブルに登録されている判定値数の格納アドレスに従って読み出されるものとなる。各役の判定値数は、設定値に関わらずに共通になっているものと、設定値に応じて異なっているものとがある。判定値数が設定値に関わらずに共通である場合には、共通フラグが設定される(値が「1」とされる)。
図17は、遊技状態および設定値に基づいて取得される各抽選対象役の判定値数を示す図である。この判定値数は、開発用の機種ではRAM41cに、量産機種ではROM41bに割り当てられたアドレス領域に設けられている記憶領域に格納されている。
図17(a)は、遊技状態が初期遊技状態であるときの内部抽選において取得される各抽選対象役の判定値数を示す図である。たとえば、設定値が1のときに、内部抽選の対象役がビッグボーナス(1)であるときに「100」が、ビッグボーナス(2)であるときに「100」が、レギュラーボーナス(1)であるときに「50」が、レギュラーボーナス(2)であるときに「50」が、シングルボーナス+メロンであるときに「327」が、シングルボーナスであるときに「327」が、リプレイ(1)+リプレイ(2)であるときに「9000」が、ブドウであるときに「2500」が、メロンであるときに「9000」が、チェリーであるときに「700」が、15枚役であるときに「1」が、判定値数として取得される。図17(a)には、設定値が2〜4のときについても同様に、内部抽選において取得される各抽選対象役の判定値数が示されている。
図17(a)に示すように、設定値として設定されている値が大きいほど、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス(1)、レギュラーボーナス(2)の内部抽選において取得される判定値数が大きくなっている。これにより、設定値が大きいほど、内部抽選において特別役に当選する確率を高くすることができる。
図17(b)は、遊技状態がRT1であるときの内部抽選において取得される各抽選対象役の判定値数を示す図である。遊技状態がRT1であるときには、初期遊技状態であるときと同じ入賞役が内部抽選で読み出される。リプレイ(1)+リプレイ(2)以外の入賞役が読み出されたときの判定値数は、初期遊技状態のときに取得される判定値数と同じである(図17(b)中の網掛け部分参照)。内部抽選の対象役がリプレイ(1)+リプレイ(2)であるときには、「38000」が判定値数として取得される。
図17(c)は、遊技状態がRT2であるときの内部抽選において取得される各抽選対象役の判定値数を示す図である。遊技状態がRT2であるときには、前述したように、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス(1)、レギュラーボーナス(2)、リプレイ(1)+リプレイ(2)、ブドウ、メロン、チェリー、15枚役が順番に抽選対象として読み出される。リプレイ(1)+リプレイ(2)以外の入賞役が読み出されたときの判定値数は、初期遊技状態のときに取得される判定値数と同じである(図17(c)中の網掛け部分参照)。内部抽選の対象役がリプレイ(1)+リプレイ(2)であるときには、「21000」が判定値数として取得される。
図17(d)は、遊技状態がシングルボーナスであるときの内部抽選において取得される各抽選対象役の判定値数を示す図である。遊技状態がシングルボーナスであるときには、前述したように、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス(1)、レギュラーボーナス(2)、リプレイ(1)+リプレイ(2)、ブドウ、メロン、チェリー、15枚役が順番に抽選対象として読み出される。メロンおよび15枚役以外の入賞役が読み出されたときの判定値数は、初期遊技状態のときに取得される判定値数と同じである(図17(d)中の網掛け部分参照)。内部抽選の対象役が、メロンであるときには設定値に応じて「20208」〜「20268」が、15枚役であるときには「32768」が、判定値数として取得される。
図17(a)〜図17(c)で示したように、リプレイ(1)+リプレイ(2)に当選する確率が、初期遊技状態およびシングルボーナスであるときに9000/65536≒13.73%となり、RT1であるときに38000/65536≒57.98%となり、RT2であるときに21000/65536≒32.04%となるように判定値数が設定されている。このように、リプレイ(1)+リプレイ(2)に当選する確率は、初期遊技状態およびシングルボーナスであるときよりもRT1およびRT2のときの方が高くなるように設定されている。このため、RT1およびRT2は、初期遊技状態およびシングルボーナスであるときよりも、リプレイ(1)+リプレイ(2)に当選する確率が高い点において、遊技者にとって有利な遊技状態といえる。
また、RT1は、他の遊技状態であるときと比較して、極端にリプレイ(1)+リプレイ(2)に当選しやすい状態となる。このようなリプレイ(1)+リプレイ(2)に当選しやすいRT1へ遊技状態を移行する契機となるのは、前述したように15枚役の入賞である。15枚役が当選する確率は、図17(a)〜(c)で示す遊技状態であるときと比較し、図17(d)で示すようにシングルボーナスに制御されているときに極端に高くなる。シングルボーナスにおいて15枚役に当選する確率は、32768/65536=50%となるように設定されている。すなわち、シングルボーナスは、15枚役に50%の確率で内部当選するために、RT1に移行されやすい遊技状態であるといえる。このため、シングルボーナスは、他の遊技状態と比較して、RT1へ制御される確率が高い点において、遊技者にとって有利な遊技状態といえる。
一方、シングルボーナスへ遊技状態を移行する契機となるのは、前述したようにシングルボーナスの入賞である。シングルボーナスは、RT1を終了させる入賞役でもある。このため、RT1でないときには、シングルボーナスに入賞して、15枚役入賞を発生させてRT1に移行されることに対する期待を遊技者に抱かせることができる。また、これとは逆に、RT1であるときには、RT1が終了することがないように、シングルボーナスに入賞しないことに対する期待を遊技者に抱かせることができる。
シングルボーナスは、当選しているときであっても、遊技者の遊技技量によって、入賞不能にすることが可能な入賞役である。具体的には、後述するように当該シングルボーナスがメロンと同時当選している場合には、遊技者の遊技技量によって、シングルボーナスの入賞を回避させてRT1を継続させつつ、メロンを入賞させてメダルを獲得することができる。
一方、シングルボーナスの入賞を回避できたとしても、後述するように当該シングルボーナスがメロンと同時当選していない場合(単独でシングルボーナスが当選している場合)には、導出によりRT1を終了させるRT終了図柄が導出され得るようにリールの停止制御が行なわれる。
以上のように、シングルボーナスに入賞するか否かに遊技技量を介入させたことにより、遊技者の遊技技量によってシングルボーナス入賞を回避させてRT1を継続させることが可能になり、遊技の興趣を向上させることができる。また、遊技者の遊技技量によってシングルボーナス入賞を回避させたときには、シングルボーナス入賞したとき(シングルボーナス中を含む)に獲得するはずであったメダルを獲得することができず損失が発生するが、メロンが入賞してメダルが払い出されるためその損失を補充することができる。
一方、RT1の終了条件としてRT終了図柄を設定し、単独でシングルボーナスが当選しているときであって当該シングルボーナス入賞が回避されたときに当該RT終了図柄が導出されるため、シングルボーナス入賞を回避し続けていつまでもRT1を継続させることが不可能となり、RT1に継続して制御される期間(ゲーム数)を制限することができ、射倖性が高まり過ぎることを防止することができる。
本実施の形態においては、シングルボーナスが当選した場合にメロンが同時当選している確率と同時当選していない確率とが同じである場合について説明した。しかし、シングルボーナスが当選した場合にメロンが同時当選している確率と同時当選していない確率とは、同じであるものに限らず、異なる確率となるように設定してもよい。
たとえば、シングルボーナスが当選した場合にメロンが同時当選する確率よりも、メロンが同時当選しない確率の方を高く設定した場合には、シングルボーナスを入賞させないようにゲームを進行したとしても、RT1が継続される確率よりもRT終了図柄が導出される確率が高くなる。この場合には、RT1の継続率を低下させることができ、射倖性が高まり過ぎることを防止することができる。
また、シングルボーナスが当選した場合にメロンが同時当選する確率よりも、メロンが同時当選しない確率の方を低く設定した場合には、シングルボーナスを入賞させないようにゲームを進行することにより、RT終了図柄が導出される確率よりもRT1が継続される確率の方が高くなる。この場合には、RT1の継続率を向上させることができ、RT1が継続することに対し抱く遊技者の期待感を向上させることができる。
なお、遊技状態がレギュラーボーナスであるときの内部抽選において取得される各抽選対象役の判定値数は、たとえば、設定値が1〜4のときに、内部抽選の対象役が15枚役であるときに「6200」が、メロンであるときに「54100」が、ブドウであるときに「1000」が、判定値として取得される。このように、小役が当選する確率は、初期遊技状態であるときよりもレギュラーボーナスのときの方が高くなるように判定値数が設定されている。このため、レギュラーボーナスは、初期遊技状態であるときよりも遊技者にとって有利な遊技状態といえる。
なお、前述したように当選役テーブルを遊技状態に関わらず抽選対象役として同じ入賞役が読み出されるように構成した場合には、遊技状態がレギュラーボーナスであるときの内部抽選において、内部抽選の対象役が15枚役であるときに「6200」が、メロンであるときに「54100」が、ブドウであるときに「1000」が判定値として取得され、該内部抽選の対象役がこれらの小役以外の入賞役のときに判定値数が取得されないように構成してもよい。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メインCPU41aは、リールの回転が開始したとき、および、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。
図18は、ROM41bに格納されたテーブルインデックスを示す図である。図示するように、テーブルインデックスには、内部当選状況別に、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスが格納されている。
内部当選状況が異なったりする場合でも、同一の制御が適用される場合においては、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。ここで、テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた引込コマ数を示す引込コマ数データと、リールの停止状況に応じて参照すべき引込コマ数データのアドレスとからなる。
リールの停止状況に応じて参照される引込コマ数データは、全てのリール2L、2C、2Rが回転しているか、左リール2Lのみ停止しているか、中リール2Cのみ停止しているか、右リール2Rのみ停止しているか、左、中リール2L、2Cが停止しているか、左、右リール2L、2Rが停止しているか、中、右リール2C、2Rが停止しているか、によって異なる場合があり、さらに、リール2L、2C、2Rの内のいずれかが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合がある。
テーブル作成用データには、それぞれの状況について、参照すべき引込コマ数データのアドレスが回転中のリール別に登録されている。それぞれの状況に応じて参照すべき引込コマ数データのアドレスは、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて特定でき、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な引込コマ数データを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の引込コマ数データが適用される場合においては、引込コマ数データのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の引込コマ数データが参照されることとなる。
また、引込コマ数データは、停止操作が行なわれたタイミング別の引込コマ数を特定可能なデータである。リールモータ32L、32C、32Rには、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して8ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20(図3参照)の領域番号が割り当てられている。
一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、引込コマ数データには、領域番号別の引込コマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、引込コマ数データを展開することによって領域番号別の引込コマ数を取得できるようになっている。
停止制御テーブルは、前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される。停止制御テーブルには、0〜20の領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(この実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の引込コマ数がそれぞれ設定されている。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームにおける内部当選状況に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。そして取得した先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリール2L、2C、2Rが回転中の状態に対応する各リールの引込コマ数データのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの引込コマ数データを展開して全てのリール2L、2C、2Rについて停止制御テーブルを作成する。
また、リール2L、2C、2Rのうちのいずれか1つが停止したとき、またはいずれか2つが停止したときには、リール回転開始時に取得した先頭アドレス、すなわちそのゲームにおける内部当選状況に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの引込コマ数データのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの引込コマ数データを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メインCPU41aがストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。
ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する引込コマ数を取得する。そして、取得した引込コマ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した引込コマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から引込コマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(この実施の形態では、下段図柄の領域)に停止することとなる。
また、テーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状況に対応するテーブル作成用データの格納領域の先頭アドレスとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する引込コマ数データの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の内部当選状況に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する引込コマ数データが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の内部当選状況、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、内部当選状況、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなる。
また、引込コマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
また、テーブルインデックスには、いずれかの役に当選している場合に対応して、当選役を4コマの範囲で最大限に引き込み、当選していない役が揃わないように引き込む引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納されている。このため、いずれかの役に当選している場合には、当選役を4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が揃わないように引き込む引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、リールの停止制御が行なわれる。
また、テーブルインデックスには、はずれの場合に対応して、いずれの役も揃わないように引き込む引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納されている。このため、はずれの場合には、いずれの役も揃わない引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、リールの停止制御が行なわれる。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役の図柄は、最大4コマの引込範囲ではずして停止させる制御が行なわれることとなる。
また、テーブルインデックスには、特別役と小役が同時に当選した場合や、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合(ビッグボーナス(1)+メロン、レギュラーボーナス(2)+ブドウなど)に対応して、当選した特別役を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められているとともに、当選した特別役を最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した小役を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納され、リールの停止制御が行なわれる。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役の図柄を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役の図柄は、4コマの引込範囲ではずして停止させる制御が行なわれることとなる。すなわちこのような場合には、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞させることが可能となる。
また、テーブルインデックスには、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合(ビッグボーナス(1)+リプレイ(1)+リプレイ(2))に対応して、再遊技役を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納され、リールの停止制御が行なわれる。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行なわれる。特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。
なお、リプレイ(1)+リプレイ(2)に当選している場合においては、後述するように、すべてのリールの停止制御テーブルとして、全ての領域番号に対して当選しているリプレイ(1)またはリプレイ(2)を構成する図柄を表示結果として特定する引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、すべてのリールの停止制御が行なわれる。
また、テーブルインデックスには、シングルボーナスがメロンと同時当選することなく単独で当選した場合およびシングルボーナスとメロンとが同時に重複して当選した場合各々に対応して、左リール2Lについて「バナナ」の図柄を4コマの範囲で最大限に引き込み上段に停止させ、中リール2Cについて「バナナ」の図柄を4コマの範囲で最大限に引き込み上段に停止させ、右リール2Rについて「星」を上段に停止させるように、引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納され、リールの停止制御が行なわれる。
なお、左リール2Lについて、領域番号9の「メロン」の図柄が下段に位置するタイミングでストップボタン8Lを操作したときには、そのタイミングで上段に位置する領域番号11の「ブドウ」から引き込み可能な4コマ先までに「バナナ」が配置されていないため、左リール2Lの上段に「バナナ」を停止させることが不能になる。この場合には、次のリールの停止制御が行なわれる。
まず、少なくとも中リール2Cが未だ停止されていない場合には、領域番号10の「バナナ」の図柄を下段に停止させる。そして、中リール2Cの「バナナ」の図柄を中段に停止させることにより、右リール2Rの「星」が上段に停止される(されている)。これにより、入賞ラインL4において「バナナ−バナナ−星」が導出されて、シングルボーナス入賞し、RT1に制御されている場合には当該RT1を終了させる制御が行なわれる。
次に、少なくとも中リール2Cがすでに停止されている場合には、シングルボーナスがメロンと同時当選することなく単独で当選しているときにRT終了図柄を導出させ、シングルボーナスがメロンと同時当選しているときにRT終了図柄を導出させることなくメロンを入賞させるリールの停止制御が行なわれる。
具体的には、シングルボーナスがメロンと同時当選することなく単独で当選していた場合には、左リール2Lの領域番号13の図柄「オレンジ」を下段に停止させるように、リールの停止制御が行なわれる。そして、中リール2Cの下段には「メロン」の図柄が停止されており、かつ右リール2Rの下段には「メロン」の図柄が停止される(されている)ため、入賞ラインL2において「オレンジ−メロン−メロン」のRT終了図柄が導出されて、RT1に制御されている場合には当該RT1を終了させる制御が行なわれる。
一方、シングルボーナスとメロンとが同時当選していた場合には、左リール2Lの領域番号12の図柄「メロン」を下段に停止させるように、リールの停止制御が行なわれる。そして、中リール2Cの下段には「メロン」の図柄が停止されており、かつ右リール2Rの下段には「メロン」の図柄が停止される(されている)ため、入賞ラインL2において「メロン−メロン−メロン」が導出されてメロン入賞し、RT1に制御されている場合には以後もRT1に継続して制御が行なわれる。
前述したように、シングルボーナスがメロンと同時当選している場合であって、少なくとも中リール2Cが停止された状態で、左リール2Lについて領域番号9の「メロン」の図柄が下段に位置するタイミングでストップボタン8Lが操作されたときに、領域番号12の「メロン」を下段に引き込んで停止させることにより、メロンが入賞されるようにリールの停止制御が行なわれる。これにより、遊技者の遊技技量によってシングルボーナス入賞を回避させてRT1を継続させることを可能になり、遊技の興趣を向上させることができる。また、遊技者の遊技技量によってシングルボーナス入賞を回避させたときには、シングルボーナス入賞したとき(シングルボーナス中を含む)に獲得するはずであったメダルを獲得することができず損失が発生するが、メロンが入賞してメダルが払い出されるためその損失を補充することができる。
一方、シングルボーナスがメロンと同時当選することなく単独で当選している場合であって、少なくとも中リール2Cが停止された状態で、左リール2Lについて領域番号9の「メロン」の図柄が下段に位置するタイミングでストップボタン8Lが操作されたときに、領域番号13の「オレンジ」を下段に引き込んで停止させることにより、RT終了図柄が導出されるようにリールの停止制御が行なわれる。これにより、シングルボーナス入賞を回避し続けていつまでもRT1を継続させることが不可能となり、RT1に継続して制御される期間(ゲーム数)を制限することができ、射倖性が高まり過ぎることを防止することができる。
なお、本実施の形態においては、シングルボーナス入賞を回避可能にするための操作として、少なくとも中リール2Cが停止された状態で、左リール2Lについて領域番号9の「メロン」の図柄が下段に位置するタイミングでストップボタン8Lを操作することを例として説明した。この操作を行なうための遊技技量としては、前述したように各リールが1分間に80回転するように駆動されることを考慮すると、遊技者にとって極めて困難性が高いものといえる。
そこで、本実施の形態においては、RT1中であってかつリプレイ(1)+リプレイ(2)に当選しているゲームにおいて、シングルボーナス入賞を回避可能にするための操作に成功したのか失敗したのかを確認することができるために、そのような操作練習を行なうことができるように構成されている。
具体的には、RT1中であって、リプレイ(1)+リプレイ(2)に当選しているゲームにおいては、少なくとも中リール2Cが停止された状態で、左リール2Lについて領域番号9の「メロン」の図柄が下段に位置するタイミングでストップボタン8Lが操作された場合にのみ、左リール2Lにおいて領域番号13の「オレンジ」を上段に引き込んで停止させ、「オレンジ−バナナ−バナナ」のリプレイ(2)が入賞するようにリールの停止制御が行なわれる。なお、左リール2Lについて領域番号9の「メロン」の図柄が下段に位置するタイミングでストップボタン8Lが操作されなかった場合には、リプレイ(1)が入賞するようにリールの停止制御が行なわれる。このため、スロットマシンの稼働率を低下させることなく、リプレイ(2)に入賞したか否かにより、シングルボーナス入賞を回避可能にするための操作に成功したか失敗したかを遊技者に認識させ練習させることができる。
また、シングルボーナス入賞を回避可能にするための操作の練習は、RT1中であるときに高確率となるリプレイ(1)+(2)に当選しているゲームにおいて実行可能となる。このため、スロットマシンの稼働率を低下させることなく、RT1中においてシングルボーナス入賞を回避可能にするための操作に成功したか失敗したかを確認可能なゲームをより多く遊技者に提供することができる。
なお、RT1中であってもリプレイ(1)+リプレイ(2)に当選していないゲームであれば、シングルボーナス入賞を回避可能にするための操作を行なったとしても、その操作が成功したか失敗したのか遊技者が確認することができず、上記の操作を行なう労力が無駄になる。このように無駄に労力が消費されることを防止するために、RT1中であるときには、リプレイ(1)+リプレイ(2)に当選したゲームであることを遊技者に認識させるように、所定の演出(所定のランプ点灯、所定のキャラクタ、アイテム表示、所定の音発生等)を行なうように構成してもよい。
なお、シングルボーナス入賞を回避可能にするための操作は、例示したものに限らず、どのようなものであってもよい。シングルボーナス入賞を回避可能にするための操作は、たとえば、複数の連なる領域番号の図柄(たとえば、領域番号0〜4)のうちいずれかが所定位置(たとえば、下段等)にあるときにストップボタンを操作することであってもよい。また、シングルボーナス入賞を回避可能にするための操作は、たとえば、複数のリール(たとえば、リール2L、2C、2R等)各々について所定タイミングで各ストップボタンを操作することであってもよい。
遊技制御基板40の側においては、前述したように内部抽選が行なわれ、その結果とストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングとに従ってリール2L、2C、2Rの回転が停止し、入賞が発生するものとなる。入賞の発生により、配当としてメダルの払い出しや遊技状態の移行が与えられるが、このように遊技制御基板40の側における遊技の進行状況に応じて、演出制御基板90の側で独自の演出が行なわれる。このような演出を行なうためには、演出制御基板90のサブCPU91aは、遊技制御基板40の側における遊技の進行状況を認識できなければならないが、遊技制御基板40のメインCPU41aから送られてくる前述した遊技の進行状況に関するコマンドに基づいて、後述するように、各種の演出を行なうものとしている。
なお、演出制御基板90においては、リール停止コマンドに基づいて可変表示装置2の表示結果を判断するための停止図柄テーブルがRAM91cに設けられている。もっとも、リール停止コマンドは、停止したリールの種類と中段に停止した図柄の番号しか情報として含んでいないので、これだけではどのような図柄が停止しているかどうかが判断できないので、ROM91bにはリール2L、2C、2Rに配置された全ての図柄を示すテーブルが予め記憶されており、このテーブルを参照して停止図柄テーブルにリール2L、2C、2Rに停止されている図柄が登録される。
演出を行なうために、サブ制御部91のRAM91cには、各種カウンタと、各種フラグを設定する領域と、遊技状態コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、および内部当選コマンドに基づいて、各役の当選状況、リール2L、2C、2Rに導出された表示結果の組合せ、入賞の発生の有無を示す情報、遊技制御基板40の側で進行しているゲームにおいて適用される遊技状態を保存する領域(当選状況および遊技状態については、2回分)もRAM91cに設けられている。
サブ制御部91の制御により実行される演出のうちで、表示制御回路92に出力する指令に基づいて液晶表示器51に画像を表示することによる演出として、遊技状態に応じた遊技演出、RT1中であるときであって所定の報知条件が成立しているときにシングルボーナスの当選に関わる遊技者にとって有利な情報を報知するナビ演出がある。
遊技演出は、遊技状態がビッグボーナスにあるときに実行されるビッグボーナス中演出(ビッグボーナスに入賞したときに実行されるビッグボーナス入賞演出、ビッグボーナスが終了したときに実行されるビッグボーナス終了演出を含む)、遊技状態がレギュラーボーナスにあるときに実行されるレギュラーボーナス中演出(レギュラーボーナスに入賞したときに実行されるレギュラーボーナス入賞演出、レギュラーボーナスが終了したときに実行されるレギュラーボーナス終了演出を含む)、遊技状態がRT1であるときに複数ゲームに亘って実行される高確率連続演出、遊技状態がRT1であるときであってリプレイ(2)に入賞したときに実行される目押し成功演出、遊技状態がRT(RT1およびRT2を含む)であるときであってはずれが発生したときに3ゲームに亘って実行されるはずれ時連続演出、遊技状態がシングルボーナスにあるときに実行されるシングルボーナス演出、初期遊技状態において行なわれる通常演出を含む。なお、はずれ時連続演出終了時には、レギュラーボーナスまたはビッグボーナスの当選の有無に基づいて実行される大当たり演出またはハズレ演出が行なわれる。遊技演出を行なうための画像の要素データや動画像データは、CGROM142に記憶されている。
連続演出は、複数ゲームの期間を跨いで継続して実行されるため、実際に実行される期間は全てのリールが停止してから次にスタートスイッチ7が操作された次のゲームが開始されるまでの期間も含めて継続的に実行されるものとなっている。
ボーナス入賞演出(ビッグボーナス入賞演出およびレギュラーボーナス入賞演出を含む)は、対応するボーナスが入賞したときに実行され、これら入賞が発生した次のゲームのために賭数を設定したときに前述したボーナス中演出が開始される。
なお、前述したボーナス中演出、高確率連続演出、およびはずれ時連続演出等の連続演出が行なわれているときには、複数ゲームに亘って一連の遊技音が継続して出音される。このように、複数ゲームに亘って継続して出音される遊技音を、連続遊技効果音という。遊技演出を行なうための遊技音(連続遊技効果音を含む)を発生させるための遊技音データは、音声出力回路94に搭載されているROMに記憶されている。なお、遊技音の発生は、サブ制御部91が音声出力回路94に、現在の遊技状態に応じた遊技音データの読出指令や発生開始指令、終了指令などを出力することにより、音声出力回路94により制御されて実行される。
また、ナビ演出は、RT1に制御されてから、シングルボーナス+メロン、シングルボーナスのうちいずれかが当選したときに、当選した役に応じたキャラクタを表示することにより、当選した入賞役を報知する演出をいう。ナビ演出として、たとえば、シングルボーナス+メロンが当選しているときには、赤色のキャラクタを出現させる演出が行なわれる。また、シングルボーナスのみが当選しているときには、白色のキャラクタを出現させる演出が行なわれる。出現するキャラクタからシングルボーナスが当選しており、かつメロンが同時当選しているか否かを遊技者に報知することができる。このため、たとえば、赤色のキャラクタが出現する演出が行なわれたときには、メロンが同時当選しているため、メロンを入賞させることによりシングルボーナスに入賞させることを回避させて、RT1を維持することが可能であることを遊技者に認識させることができる。
目押し成功演出は、RT1中であるときにリプレイ(2)に入賞したときに、当該操作が前述したシングルボーナス入賞を回避可能にするための操作であったことを報知するための所定の演出(所定のランプ点灯、所定のキャラクタ・アイテム表示、所定の音発生等)が行なわれる。これにより、シングルボーナス入賞を回避可能にするための操作に成功したことを遊技者が容易に認識することができる。
また、演出制御基板90のサブCPU91aは、遊技者のタッチパネルへの操作に基づいてRAM91cに記憶された所定の遊技履歴を液晶表示器51に表示させる履歴表示演出を行なうものとしている。履歴表示演出は、単に遊技履歴を情報として表示するだけではなく、サブCPU91aは、さらに所定期間以上に亘って継続して遊技の進行のための操作が行なわれていないときに(ただし、リール2L、2C、2Rの回転開始から停止までのゲーム中である場合を除く)、液晶表示器51において所定のデモ演出を行なうものとしている。履歴表示演出もデモ演出も、リール2L、2C、2Rの回転が停止しているゲーム中でない期間において行なわれる。
これらの演出は、表示制御回路92に演出データの書込指令や演出の開始指令、終了指令などを出力することにより、表示制御回路92のVDP141により制御されて実行される。VDP141は、演出データの書込指令を受け取ると、該指令に対応した演出データをCGROM142から読み出し、一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込む。演出の開始指令を受け取ると、一時記憶メモリ155の演出データ領域に演出データが書き込まれていれば、演出の終了指令を受け取るまでの各フレーム期間において、1フレーム毎に描画回路154により書き込まれている演出データに対応した画像データをフレームバッファメモリ156に展開して、表示回路157により液晶表示器51に出力させるものとしている。
このようなVDP141の制御により液晶表示器51に演出用の画像を表示させるためのデータは、演出データとして予めCGROM142に格納されている。これらの演出データは、演出モード毎に用意されており、サブ制御部91からの書込指令に基づいて一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込まれる演出データは、そのときの演出モードに対応したものとなる。また、履歴表示演出の演出データもデモ演出の演出データも予めCGROM142に格納されている。
もっとも、液晶表示器51は、リール2L、2C、2Rの前面側の透過領域51bに亘っても設けられているので、この透過領域51bに表示される画像の状態によってはリール2L、2C、2Rに描かれている図柄の視認性が損なわれ、ゲームの進行に影響が生じてしまう場合もある。そこで、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L、2C、2Rの全てが回転停止するまでは透過領域51bのうち少なくとも入賞判定の対象となる入賞判定領域を非表示(すなわち、透過領域51b(入賞判定領域)の各画素のRGB値を(31,31,31)として完全透過状態とする)にする。
リール2L、2C、2Rの全てが回転を停止すると、液晶表示器51において演出が開始されるものの、透過領域51b(入賞判定領域)の各画素は、本来表示される画像よりも透過度が高い(すなわち、RGB値が(31,31,31)に近い)半透過状態に制御され、透過領域51b(入賞判定領域)を含む領域で画像が表示されていても、透過領域51b(入賞判定領域)の背面にあるリール2L、2C、2Rに描かれた図柄を視認できるようにしている。ただし、リール2L、2C、2Rの表示結果に応じて小役が入賞し、これに応じてメダルが払い出される場合には、メダルの払い出し中は入賞した役を確実に確認できるようにするために透過領域51b(入賞判定領域)は非表示にされたままで、メダルの払い出しを完了してから透過領域51b(入賞判定領域)の画像が半透過状態に制御されるものとなる。
液晶表示器51に表示される画像の画像データは、各フレーム期間においてフレームバッファメモリ156(書き込み用)に展開されるが、フレームバッファメモリ156に画像データを書き込む際に、前面側のオブジェクトの画像データが残るようにZバッファ法を用いている。スタートスイッチ7の操作からリール2L、2C、2Rの全ての停止まで(ただし、メダルの払い出しを伴う場合には払い出し完了まで)の期間において、透過領域51b(入賞判定領域)に対応する位置の最前面に透過領域51bオブジェクトが設定されるものとなっている。
透過領域51bオブジェクトは、RGB値を(31,31,31)とする完全に透明のオブジェクトであり、各フレーム期間で最優先でフレームバッファメモリ156への画像データの書き込みの処理が行なわれるものとなっている。透過領域51bオブジェクトの画像データの書き込みにより、透過領域51b(入賞判定領域)に対応する部分のZバッファに書き込まれているZ値は最前面の値を示す最小値となるので、演出データに応じた動画像や静止画像の画像データが透過領域51b(入賞判定領域)に対応する部分には書き込まれることがない。
また、透過領域51b(入賞判定領域)を半透過状態とするための手法としては、白加算処理と半透明処理の2通りの方法があり、そのいずれかを適用することができる。演出データの種類の違いや、本来透過領域51b(入賞判定領域)以外の領域とともに一体的に表示される画像の状態に応じて、白加算処理と半透明処理の何れを実行するかを使い分けるものとしてもよい。ここで、本来の画像データにおけるRGB値を(Rs,Gs,Bs)とし、半透過状態にする処理を経た後の画像データにおけるRGB値を(Rd,Gd,Bd)で表わすものとする。
白加算処理を行なう場合、透過領域51b(入賞判定領域)の画像データにおけるRGB値は、次のようにして算出される。
Rd=Rs+16(if Rd>31 then Rd=31)
Gd=Gs+16(if Gd>31 then Gd=31)
Bd=Bs+16(if Bd>31 then Bd=31)
半透明処理を行なう場合、透過領域51b(入賞判定領域)の画像データにおけるRGB値は、次のようにして算出される(ただし、αは、半透明度を表すα値のことである)。
Rd=16*α+Rs*(1−α)
Gd=16*α+Gs*(1−α)
Bd=16*α+Bs*(1−α)
サブ制御部91の制御により実行される演出のうちで、LED駆動回路93に出力する指令に基づいてリールLED55の点灯状態を変化させることによる演出として、入賞演出がある。
入賞演出は、原則としていずれかの役が有効ラインに揃ったときに、有効ラインに揃った役の構成図柄に対応するリールLED55を点滅させることで入賞した役を報知する演出である。
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1における処理について説明する。スロットマシン1においては、ゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることで遊技が進行されるものであるが、そのためには、遊技の進行が可能な状態となっていなければならない。遊技の進行が可能な状態であるためには、メインCPU41aを含むメイン制御部41が起動された状態で正常範囲の設定値が設定値ワークに格納されており、RAM41cに格納されたデータに異常がないことが条件となる。
図19は、遊技制御基板40のメインCPU41aが実行する起動処理を示すフローチャートである。この起動処理は、遊技制御基板40のリセット回路49からリセット信号が入力されてメイン制御部41が起動されたときに行なわれる処理である。なお、リセット信号は、電源投入時およびメイン制御部41の動作が停滞した場合に出力される信号であるので、起動処理は、電源投入に伴うメイン制御部41の起動時およびメイン制御部41の不具合に伴う再起動時に行なわれる処理となる。
起動処理では、まず、内蔵デバイスや周辺IC、スタックポインタ等を初期化し(ステップS101)、RAM41cへのアクセスを許可する(ステップS102)。そして、設定キースイッチ37がONの状態か否かを判定する(ステップS103)。設定キースイッチ37がONでなければ、RAM41cに記憶されているデータのうちパリティ格納領域を除く全てのデータに基づいてRAMパリティを計算する(ステップS104)。
次に、ここで計算したRAMパリティがパリティ格納領域に格納されているRAMパリティ、すなわち前回の電源断時に計算して格納されたRAMパリティと比較し(ステップS105)、双方のRAMパリティが一致したか否か、すなわちRAMに格納されているデータが正常か否かを判定する(ステップS106)。なお、本実施の形態では、RAMパリティによるRAM41cが正常か否かの判定は、起動処理においてのみ行なわれるようになっている。
ステップS106においてRAMパリティが一致していなければ、RAM41cに格納されているデータが正常ではないので、図21に示すRAM異常エラー処理に移行する。RAMパリティが一致していれば、RAM41cに格納されているデータが正常であるので、スタック領域41c−6に格納されているレジスタを復帰する(ステップS107)。次に、電断前の状態でビッグボーナスやレギュラーボーナスが当選しているか否かを判定し(ステップS107a)、電断前の状態でビッグボーナスまたはレギュラーボーナスが当選している場合には、対応するボーナスの当選を示す電源投入コマンドを生成して、演出制御基板90に送信して(ステップS107b)、ステップS108の処理に進む。一方、電断前の状態でビッグボーナスおよびレギュラーボーナスも当選していない場合には、ビッグボーナスおよびレギュラーボーナスの非当選を示す電源投入コマンドを生成して、演出制御基板90に送信して(ステップS107c)、ステップS108の処理に進む。ステップS108では、割込禁止を解除して、電源断前の処理に戻る。
また、ステップS103において設定キースイッチ37がONの状態であれば、割込禁止を解除して(ステップS110)、図20に示す設定変更処理に移行する(ステップS111)。そして、設定変更処理の終了後、遊技の進行が可能な状態となってゲーム制御処理に移行する。
図20は、メインCPU41aがステップS111で実行する設定変更処理を詳細に示すフローチャートである。設定変更処理では、まず、設定変更モード中である旨を示す設定変更フラグをRAM41cの所定の領域に設定し(ステップS201)、設定値ワークに格納されている設定値(設定変更処理に移行する前に設定値ワークの値は1に書き換えられているので、ここでは1である)を読み出す(ステップS202)。
その後、リセット/設定スイッチ38およびスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態となる(ステップS203、S204)。ステップS203においてリセット/設定スイッチ38の操作が検出されると、ステップS202において読み出した設定値に1を加算し(ステップS205)、加算後の設定値が5であるか否か、すなわち正常範囲を越えたか否かを判定する(ステップS206)。加算後の設定値が5でなければ、再びステップS203、S204のリセット/設定スイッチ38およびスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態に戻る。加算後の設定値が5であれば、設定値を1に補正して(ステップS207)、再びステップS203、S204のリセット/設定スイッチ38およびスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態に戻る。
ステップS204においてスタートスイッチ7の操作が検出されると、その時点で選択されている変更後の設定値を設定値ワークに格納して設定値を確定する(ステップS208)。その後、設定キースイッチ37がOFFの状態となるまで待機する(ステップS209)。そして、ステップS209において設定キースイッチ37がOFFの状態になったと判定されると、ステップS201でセットした設定変更フラグを消去する(ステップS210)。次に、電断前の遊技状態がビッグボーナス、レギュラーボーナス、およびシングルボーナスのうちいずれかであったか否かを判定する(ステップS211a)。ビッグボーナス、レギュラーボーナス、およびシングルボーナスのうちいずれでもなかったときには、ステップS211cの処理に進む。一方、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、およびシングルボーナスのうちいずれかであったときには、特別ワークに格納されている遊技状態フラグの値を初期遊技状態を示す値に更新し(ステップS211b)、ステップS211cの処理に進む。ステップS211cでは、RAM41cに格納されているデータ(スタック領域のうち使用中スタック領域のデータ、設定値ワークに格納された設定値、および特別ワークに格納されている遊技状態を示す値を除く)を初期化し(ステップS211c)、図19のフローチャートに復帰しゲーム制御処理に移行する。ステップS211a〜S211cの処理により、設定変更処理が行なわれるときに、その設定が行なわれる前の遊技状態がビッグボーナス、レギュラーボーナス、およびシングルボーナスのうちいずれかであったときには初期遊技状態に遊技状態を移行させる一方、その設定が行なわれる前の遊技状態が初期遊技状態またはRTであったときにはその遊技状態のまま復帰させる。
図21は、遊技制御基板40のメインCPU41aが実行するRAM異常エラー処理を詳細に示すフローチャートである。RAM異常エラー処理では、ペイアウト表示器13を制御してRAM異常エラーコードをペイアウト表示器13に表示した後(ステップS301)、いずれの処理を行なわないループ処理に移行する。
上記のように起動処理においては、設定キースイッチ37がONの状態でない場合に、電源断時に計算したRAMパリティと起動時に計算したRAMパリティとを比較することで、RAM41cに記憶されているデータが正常か否かを判定し、RAM異常エラー処理に移行する。RAM異常エラー処理では、RAM異常エラーコードをペイアウト表示器13に表示させた後、いずれの処理も行なわないループ処理に移行するので、ゲームの進行が不能化される。
RAMパリティが一致しなければ、割込が許可されることがないので、一度RAM異常エラー処理に移行すると、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、割込禁止が解除されるまでは、電源が遮断しても電断割込処理は行なわれない。すなわち、電断割込処理において新たにRAMパリティが計算されて格納されることはないので、メイン制御部41が起動しても設定キースイッチ37がONの状態で起動した場合を除き、常にRAMパリティは一致することがないので、メイン制御部41を起動させてゲームを開始(再開)させることができないようになっている。
そして、RAM異常エラー状態に一度移行すると、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、設定変更処理が行なわれてリセット/設定スイッチ38の操作により新たな設定値が選択・設定されるまで、ゲームの進行が不能な状態となる。すなわち、RAM異常エラー状態に移行した状態では、リセット/設定スイッチ38の操作により新たに設定値が選択・設定されたことを条件に、ゲームの進行が不能な状態が解除され、ゲームを開始(再開)させることが可能となる。なお、RAM異常エラー以外のエラー状態では、RAMパリティの不一致の問題がないため、リセットスイッチ23またはリセット/設定スイッチ38の操作でのみゲームの進行が不能な状態を解除し、ゲームを再開させることができる。
以上のように遊技の進行が可能な状態となると、スロットマシン1においてゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることとなる。以下、スロットマシン1における各ゲームについて説明する。なお、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでをいうものであるが、ゲームを行なう際には、スタートスイッチ7の操作前の賭数の設定や、リール2L、2C、2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行なわれるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。なお、遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンドの送信は、本発明の説明に必要なものだけを説明し、そうでないコマンドの送信については、説明を省略する。
図22は、遊技制御基板40のメインCPU41aが1ゲーム毎に行なうゲーム制御処理を示すフローチャートである。この処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行なった後、またはリセット/設定スイッチ38の操作により設定変更を行なった直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作することにより、あるいはメダル投入口4からメダルを投入することにより賭数を設定し、スタートスイッチ7を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行なう(ステップS401)。前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭数(この実施の形態では3)が自動設定される(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)。なお、BET処理の詳細については後述する。
BET処理により賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行なう(ステップS402)。抽選処理では、RAM41cにおける当選フラグの設定状況を示す内部当選コマンドが演出制御基板90に送信される。なお、抽選処理の詳細については後述する。
抽選処理が終了すると、次にリール回転処理が行なわれる(ステップS403)。リール回転処理では、前回のゲームでのリール2L、2C、2Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(たとえば、4.1秒)が経過していることを条件に、リールモータ32L、32C、32Rを駆動させ、左、中、右の全てのリール2L、2C、2Rを回転開始させる。リール2L、2C、2Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ333SL、33SC、33SRにより基準位置を検出すること)が成立すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作有効とする。その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者によって操作されることにより、リールモータ32L、32C、32Rを駆動停止させ、リール2L、2C、2Rの回転を停止させる。リール2L、2C、2Rの回転開始時、および回転停止時に、それぞれリール回転コマンド、リール停止コマンドが演出制御基板90に送信される。なお、リール回転処理の詳細については後述する。
リール2L、2C、2Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示結果において、入賞ライン上に上記したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行なわれる(ステップS404)。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板40において発生した入賞に応じた各種の処理が行なわれる。ここで、入賞の判定結果を示す入賞判定コマンドが演出制御基板90に送られる。なお、入賞判定処理の詳細については後述する。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行なわれる(ステップS405)。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけメダルの払出しまたはクレジット加算させる。ただし、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ34bを駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払出口9から払い出させる。また、入賞に関わらない各種の処理(たとえば、ビッグボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグ(シングルボーナス、小役等の当選フラグ)の消去など)も行なわれる。なお、払出処理では、特別ワークに格納されるビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス(1)、レギュラーボーナス(2)の当選フラグが消去されない。これにより、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス(1)、レギュラーボーナス(2)の当選フラグは、次のゲームに持ち越される。払出処理の最後、すなわち1ゲームの最後で次のゲームの遊技状態を示す遊技状態コマンドが演出制御基板90に送られる。なお、払出処理の詳細については後述する。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
次に、上記したステップS401のBET処理について詳しく説明する。図23は、メインCPU41aがステップS401で実行するBET処理を詳細に示すフローチャートである。BET処理では、RAM41cにおいて賭数の値が格納されるBETカウンタの値をクリアする(ステップS501)。次に、前回のゲームのリプレイ入賞に基づくリプレイゲーム中フラグがRAM41cに設定されているかどうかにより、当該ゲームがリプレイゲームであるか否かを判定する(ステップS502)。
当該ゲームがリプレイゲームであると判定された場合には、BETカウンタの値を1だけ加算し(ステップS503)、現在のBETカウンタの値を示すBETコマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS504)。また、これによってBETカウンタの値が規定数(レギュラーボーナス中にリプレイは抽選されないため、S502でYESの場合は3)であるかどうかを判定する(ステップS505)。BETカウンタの値が規定数に達するまで、ステップS503、S504の処理を繰り返して行ない、BETカウンタの値が規定数に達すると、スタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態で待機する(ステップS506)。スタートスイッチ7の操作が検出されると、図22のフローチャートに復帰する。
当該ゲームがリプレイゲームでなければ、BETカウンタの値が規定数(すなわち、1または3)であるか否かを判定する(ステップS507)。BETカウンタの値が規定数であれば、RAM41cにおいてクレジットの値が格納されるクレジットカウンタの値が50であるか否かを判定する(ステップS508)。クレジットカウンタの値が50であれば、流路切替ソレノイド30をOFFの状態とし、メダルの流路を払出側として新たなメダルの投入を禁止する(ステップS509)。そして、ステップS511の処理に進む。BETカウンタの値が規定数でない場合、またはクレジットカウンタの値が50でない場合には、流路切替ソレノイド30をONの状態とし、メダルの流路をホッパータンク34a側としてメダルの投入が可能な状態とする(ステップS510)。そして、ステップS511の処理に進む。
クレジットカウンタの値とBETカウンタの値の双方が0の場合、または精算スイッチ10の操作が検出されていなければ、投入メダルセンサ31により投入メダルの通過が検出されたかどうかを判定する(ステップS514)。投入メダルの通過が検出されていれば、BETカウンタの値が規定数(すなわち、1または3)であるか否かを判定する(ステップS515)。BETカウンタの値が規定数でなければ、BETカウンタの値を1だけ加算して(ステップS516)、現在のBETカウンタの値を示すBETコマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS517)。そして、ステップS507の処理に戻る。
BETカウンタの値が規定数であれば、クレジットカウンタの値が50であるか否かを判定する(ステップS518)。クレジットカウンタの値が50であれば、そのままステップS507の処理に戻る。クレジットカウンタの値が50でなければ、クレジットカウンタの値を1だけ加算する(ステップS519)。
投入メダルの通過が検出されてない場合には、BETカウンタの値が規定数(すなわち、1または3)であるか否かを判定する(ステップS520)。BETカウンタの値が規定数であれば、スタートスイッチ7の操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS521)。スタートスイッチ7の操作が検出されていなければ、ステップS507の処理に戻る。スタートスイッチ7の操作が検出されていれば、流路切替ソレノイド30をOFFの状態とし、メダルの流路を払出側として新たなメダルの投入を禁止する。また、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、精算スイッチ10の操作を無効とする(ステップS522)。そして、BET処理を終了して、図22のフローチャートに復帰する。
BETカウンタの値が規定数でなければ、クレジットカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS523)。クレジットカウンタの値が0であれば、ステップS507の処理に戻る。クレジットカウンタの値が0でなければ、1枚BETスイッチ5により1枚BETスイッチ5の操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS524)。1枚BETスイッチ5の操作が検出されていなければ、MAXBETスイッチ6によりMAXBETスイッチ6の操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS525)。MAXBETスイッチ6の操作も検出されていなければ、ステップS507の処理に戻る。
1枚BETスイッチ5の操作が検出されていれば、クレジットカウンタの値を1だけ減算し(ステップS526)、BETカウンタの値を1だけ加算して(ステップS527)、現在のBETカウンタの値を示すBETコマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS528)。そして、ステップS507の処理に戻る。
MAXBETスイッチ6の操作が検出されていれば、クレジットカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS529)。クレジットカウンタの値が0でなければ、クレジットカウンタの値を1だけ減算し(ステップS530)、BETカウンタの値を1だけ加算して(ステップS531)、現在のBETカウンタの値を示すBETコマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS532)。ここで、BETカウンタの値が規定数(すなわち、1または3)になったかどうかを判定する(ステップS533)。BETカウンタの値が規定数であれば、ステップS507の処理に戻る。BETカウンタの値が規定数でなければ、ステップS529の処理に戻る。ステップS529でクレジットカウンタの値が0であると判定されると、ステップS507の処理に戻る。
次に、ステップS513の精算処理について詳しく説明する。図25は、メインCPU41aがステップS513で実行する精算処理を詳細に示すフローチャートである。精算処理では、流路切替ソレノイド30をOFFの状態とし、メダルの流路を払出側として新たなメダルの投入を禁止する(ステップS601)。また、ホッパーモータ34bをONの状態として駆動させる(ステップS602)。
次に、BET数を精算するのか否かを判定する(ステップS603)。すなわち、BETカウンタの値が0であるか否かが判定され、0でないときにBET数を精算すると判定し、0であるときにBET数を精算しないと判定される。
BET数を精算すると判定したときには、BETカウンタの値を1だけ減算し(ステップS609)、BETカウンタの値が0であるか否かを判定する(ステップS610)。ステップS610においてBETカウンタの値が0でないと判定されたときには、ステップS609へ移行され、BETカウンタの値が0であると判定されたときには、ステップS611へ移行される。なお、BETカウンタの値が0であると判定されたときに、BET解除コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する。
一方、BET数を精算しないと判定したときには、クレジットカウンタの値が0であるか否かを判定する(ステップS604)。クレジットカウンタの値が0であると判定されたときには、メダルを払い出すことなくそのまま精算処理を終了する。一方、クレジットカウンタの値が0でないと判定されたときには、クレジットカウンタの値を1だけ減算し(ステップS606)、クレジットカウンタの値が0になったか否かを判定する(ステップS607)。ステップS607においてクレジットカウンタの値が0になっていないと判定されたときには、ステップS606へ移行され、クレジットカウンタの値が0であると判定されたときには、ステップS611へ移行される。なお、クレジットカウンタの値が0であると判定されたときに、クレジット返却コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する。
ステップS611においては、ホッパーモータ34bをOFFの状態として駆動を停止させる。そして、精算処理を終了して、元の処理に復帰する。
次に、上記したステップS402の抽選処理について詳しく説明する。図26は、メインCPU41aがステップS402で実行する抽選処理を詳細に示すフローチャートである。抽選処理では、今回のゲームで設定されたBET数(賭数)を読み出す(ステップS701)。次に、読み出した賭数が規定枚数(たとえば、1または3)であるかどうかを判定する(ステップS702)。読み出した賭数が規定枚数でないときには、RAM異常エラーとなり、図21に示したRAM異常エラー処理を行なうものとする。読み出した賭数が規定枚数であるときには、ステップS703の処理に進む。
ステップS703では、RAM41cの設定値ワークに記憶されている設定値を読み出す。ここで、読み出した設定値が本来とり得るべき値である1以上4以下の範囲にあるかどうかを判定する(ステップS704)。読み出した設定値が1以上4以下の範囲になければ、RAM異常エラーとなり、図21に示したRAM異常エラー処理を行なうものとする。
読み出した設定値が1以上4以下の範囲にあれば、前述した当選役テーブルに登録されている抽選対象役のうち遊技状態に応じた抽選対象役を順番に読み出す(ステップS705)。次に、読み出した抽選対象の役について役別テーブルに登録されている共通フラグの設定状況を参照し(ステップS706)、共通フラグがON状態であるか否かを判定する(ステップS707)。
共通フラグがON状態であれば、読み出した抽選対象役について遊技状態に対応して役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(ステップS708)。そして、ステップS710の処理に進む。共通フラグがON状態でなければ、RAM41cに設定されている設定値を読み出し、抽選対象の役について遊技状態および設定値に対応して役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(ステップS709)。そして、ステップS710の処理に進む。
ステップS710では、ステップS708またはS709で取得した判定値数をRAM41cの判定領域に記憶された内部抽選用の乱数(乱数発生回路42から抽出された乱数、乱数発生回路42から抽出された乱数をソフトウェアにより所定の手順で加工された乱数、ステップS710において加算された乱数等を含む)の値に加算し、加算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とする。そして、判定値数を内部抽選用の乱数の値に加算したときにオーバーフローが生じたかどうかを判定する(ステップS711)。
オーバーフローが生じていない場合には、抽選対象となる役のうちで未だ処理対象としていない役があるかどうかを判定する(ステップS712)。未だ処理対象としていない役があれば、ステップS705の処理に戻り、当選役テーブルに登録されている次の抽選対象役を処理対象として処理を継続する。処理対象としていない役がなければ、ステップS721の処理に進む。
オーバーフローが生じた場合には、ステップS720に移行する。ステップS720においては、ステップS705で読出した抽選対象役の当選フラグをON状態に設定する。読み出した抽選対象役が複数の入賞役であった場合には、当該複数の入賞役各々の当選フラグがON状態に設定される。抽選対象役にビッグボーナスまたはレギュラーボーナスが含まれる場合であって、RT2に制御されていることを示すRT2カウンタの値を1にセットしてRT2に遊技状態が制御される。なお、RT1に制御されていることを示すRT1カウンタの値が設定されている場合には0に初期化してRT2カウンタの値を1にセットする。各種フラグおよび各種カウンタの値は、RAM41cの所定領域において記憶・更新される。
ステップS721では、RAM41cにおける当選フラグの設定状況に応じて内部当選コマンドを生成し、これを演出制御基板90に送信する。そして、抽選処理を終了して、図22のフローチャートに復帰する。
次に、ステップS403のリール回転処理について詳しく説明する。図27は、メインCPU41aがステップS403で実行するリール回転処理を詳細に示すフローチャートである。リール回転処理では、まず、前のゲームのリール回転開始時点からウェイトタイム(たとえば、約4.1秒)が経過したか否かを判定し(ステップS801)、ウェイトタイムが経過していなければ、ウェイトタイムが経過するまで待機する。ウェイトタイムが経過していれば、ウェイトタイムを新たに設定してその計時を新たに開始する(ステップS802a)。なお、ウェイトタイムは、RAM41cの所定領域において記憶された値を所定間隔で減算更新することにより計時される。
次に、リールモータの回転開始時のワーク初期化コードをレジスタに設定し、リールの回転を開始させる(ステップS803)。ここで、リール2L、2C、2Rが回転開始したことを示すリール回転コマンドを生成し、演出制御基板90に送信する(ステップS804)。そして、テーブルインデックスを参照して、テーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データに基づいて、当該ゲームの遊技状態、内部当選状況、他のリールの停止状況に対応する停止制御テーブルを、回転中のリール別に作成し(ステップS805)、停止準備完了時のワーク初期化コードをレジスタに設定する(ステップS806a)。これにより、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となる。
次に、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかの有効な操作が検出されたか否かを判定する(ステップS807)。いずれのストップスイッチの操作も検出されていなければ、リール回転エラー(一定期間以上、リールセンサ33によりリール基準位置が検出されない場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定する(ステップS808)。リール回転エラーが発生していなければ、ステップS807に戻る。
また、ステップS808においてリール回転エラーの発生が判定された場合には、リール回転エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(ステップS809)、所定のエラー処理に移行する(ステップS810b)。これに伴い、リール2L、2C、2Rの回転も一時的に停止する。そして、エラーが解除された場合には、再びステップS803に戻り、リール2L、2C、2Rの回転が再開する。
ステップS807においてストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合には、操作されたストップスイッチに対応するリールモータ(32L、32C、32Rのいずれか)における、その時点のリール基準位置からのステップ数(停止操作位置)を取得し、該当するリールの停止制御テーブルを参照して引込コマ数を特定して、停止位置を停止リールに対応するワークに設定する(ステップS811)。ここで、停止されるリールの種類および該リールについて停止される図柄を示すリール停止コマンドを生成し、演出制御基板90に送信する(ステップS812)。その後、操作されたストップスイッチに対応するリール(2L、2C、2Rのいずれか)の回転が停止するまで待機する(ステップS813)。
そして、操作されたストップスイッチに対応するリール(2L、2C、2Rのいずれか)の回転が停止すると、リール2L、2C、2Rの全てが停止したか否かを判定し(ステップS814)、全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止していなければ、ステップS805に戻る。全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止していれば、リール回転処理を終了して、図22のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS404の入賞判定処理について詳しく説明する。図28は、メインCPU41aがステップS404で実行する入賞判定処理を詳細に示すフローチャートである。入賞判定処理では、遊技状態に応じた入賞対象役を最初から順に読み出す(ステップS901)。次に、当該読み出した役の図柄組合せが5本の入賞ラインL1〜L5のうちのいずれかに揃っているかどうかを判定する(ステップS902)。
当該役の図柄組合せが揃っていれば、当該役の入賞フラグをRAM41cに設定して(ステップS903)、ステップS904の処理に進む。当該役の図柄組合せが揃っていなければ、そのままステップS904の処理に進む。ステップS904では、当該遊技状態に応じた役のうちで未だ入賞判定の対象としていない役があるかどうかを判定する。未だ入賞判定の対象としていない役があれば、ステップS901の処理に戻り、当該遊技状態に応じた次の役を読み出すものとする。
当該遊技状態に応じた役の全てを入賞判定の対象としていれば、次に、RAM41cにリプレイ(1)またはリプレイ(2)の入賞フラグが設定されているかどうかにより、リプレイ入賞したかどうかを判定する(ステップS905)。
リプレイ入賞していなければ、RAM41cにビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの入賞フラグが設定されているかどうかにより、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナス入賞したかどうかを判定する(ステップS906)。入賞していれば、RAM41cにおいて、入賞したボーナスに対応するボーナス中フラグ(たとえば、ビッグボーナス(1)入賞時にはビッグボーナス(1)中フラグ、レギュラーボーナス(2)入賞時にはレギュラーボーナス(2)中フラグ)をON状態に設定すると共に、入賞したボーナスに対応する当選フラグをOFF状態に設定する。また、ボーナス当選時にRAM41cに設定されているRT2カウンタの値を初期化してRTを終了させて、残り払出枚数を示すボーナスカウンタ(Bカウンタ)の値を入賞したボーナスに対応する値(たとえば、ビッグボーナスであれば270、レギュラーボーナスであれば70)に設定する(ステップS907)。なお、ステップS907においては、さらに、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナス入賞後にフリーズ状態に制御するための、ボーナス入賞時演出待ち時間を設定する。そして、ステップS913の処理に進む。また、ボーナス中フラグがON状態に設定されている期間は、ゲーム毎にレギュラーボーナスに制御される。
ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに入賞していなければ、RAM41cにシングルボーナスの入賞フラグが設定されているかどうかにより、シングルボーナス入賞したかどうかを判定する(ステップS908)。シングルボーナス入賞していれば、RAM41cにおいて、シングルボーナス中フラグをON状態に設定すると共に、RT1カウンタの値が1に設定されている場合には初期化してRT1を終了させる制御が行なわれ(ステップS909)、ステップS913の処理に進む。シングルボーナス入賞していなければ、そのままステップS913の処理に進む。
ステップS913では、RAM41cにおいてON状態に設定されている入賞フラグ(但しはずれの場合は入賞フラグの設定はない)に基づいて入賞した役の種類、および当該入賞に伴って払出されるメダルの枚数を示す入賞判定コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する。そして、入賞判定処理を終了して、図22のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS405の払出処理について詳しく説明する。図29は、メインCPU41aがステップS405で実行する払出処理を詳細に示すフローチャートである。払出処理では、まず、RAM41cにおいてON状態に設定されている入賞フラグを読み出し(ステップS1001)、ステップS1002に移行される。ステップS1002においては、ステップS1001において読み出された入賞フラグが、ブドウ、メロン、チェリー、および15枚役のうちの小役の入賞フラグであるか否かを判定することにより、メダルの払い出しを伴う小役入賞があったかどうかを判定する(ステップS1002)。小役入賞していなければ、そのままステップS1009の処理に進む。
小役入賞していれば、ホッパー80を制御することにより、当該枚数のメダルの払い出し、またはクレジット加算され(ステップS1003)、払出数がカウントされる(ステップS1004)。ステップS1004においてカウントされた払出数は、RAM41cにおいて記憶される。そして、ステップS1009の処理に進む。
ここで、ステップS1002で小役入賞していないと判定されるか、ステップS1004で払出数がカウントされることで、1ゲームが終了したものと判定されることとなる。すなわち、小役入賞していた場合には、メダルの払い出しが終了し払出数がカウントされた時点でゲームの終了と判定されるが、小役入賞していないときには、メダルの払い出しをせずに全リールの回転が停止された時点でゲームの終了と判定されるのと同じことになる。
ステップS1009では、RAM41cにボーナス中フラグがON状態に設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がビッグボーナス中、レギュラーボーナス中、またはシングルボーナス中(いずれの場合もボーナス入賞したゲームを除く)であるか否かを判定する。現在の遊技状態がボーナス中でなければ、ステップS1009cへ移行する。
現在の遊技状態がボーナス中であると判断されたときには、シングルボーナス中であるか否かを判定する(ステップS1009a)。シングルボーナス中でないと判断されたときには、ビッグボーナス中かレギュラーボーナス中であるため、後述するステップS1010の処理に進む。これに対し、シングルボーナス中であると判断されたときには、シングルボーナス中フラグをOFF状態に設定し(ステップS1009b)、ステップS1009cの処理へ進む。
ステップS1009cにおいては、RT1またはRT2に制御されていることを示すRT1カウンタおよびRT2カウンタの値が0であるか否か、すなわち、RT1およびRT2のいずれにも制御されていないかが判定される。RT1カウンタおよびRT2カウンタの値が0である、すなわちRT中でないと判定されたときには、15枚役が入賞したか否かが判定される(ステップS1009d)。15枚役が入賞していないと判定されたときには後述するステップS1023の処理に進む。一方、15枚役が入賞していると判定されたときには、RT1に制御されていることを示すRT1カウンタの値を1にセットしてRT1に遊技状態が制御され(ステップS1009e)、ステップS1023の処理に進む。
ステップS1009cにおいて、RT1カウンタおよびRT2カウンタの値のうちいずれかが0でない、すなわちRT中であると判定されたときには、RT1カウンタの値が1であるか、すなわちRT1中であるか否かが判定される(ステップS1009f)。RT1中であると判定されたときには、RT終了図柄が導出(停止)されているか否かが判定される(ステップS1009g)。RT終了図柄が停止されていると判定されたときには、RAM41cに設定されているRT1カウンタの値を初期化してRT1を終了させ(ステップS1009h)、ステップS1023の処理に進む。一方、ステップS1009fまたはステップS1009gにおいてNOと判定されたときには、ステップS1009hの処理を行なうことなく、ステップS1023の処理に進む。
一方、ステップS1009aにおいて現在の遊技状態がシングルボーナス中でないと判定されたときには、RAM41cのボーナスカウンタの値からステップS1004においてカウントされた払出数を差引いた値を、ボーナスカウンタの値として更新し、払出数のカウンタの値をクリアして初期化する(ステップS1010)。ステップS1013へ移行する。なお、ステップS1010では、RAM41cのカウンタを用いて、当該ボーナスにおけるゲーム数および入賞数をカウントする。
ステップS1013においては、ボーナスカウンタの値が0であるか否かが判定される。すなわち、ボーナスに対応して予め定められた払出枚数分のメダルが払い出されたか否かが判定される。ボーナスカウンタの値が0でないと判定されたときには、ステップS1023へ移行される。一方、ボーナスカウンタの値が0であると判定されたときには、ビッグボーナス中であるか否かが判定される(ステップS1014)。ビッグボーナス中であると判定されたときには、ON状態に設定されているビッグボーナス中フラグをOFF状態に設定し、ビッグボーナスにおけるゲーム数および入賞数をカウントするためのカウンタの値をクリアして初期化し(ステップS1015)、ステップS1023へ移行される。なお、ステップS1015においては、さらに、ビッグボーナスの終了後にフリーズ状態に制御するための、エンディング演出待ち時間を設定する。ステップS1014においてビッグボーナス中でないと判定されたときには、ステップS1017へ移行される。
ステップS1017では、レギュラーボーナス中であるか否かが判定される。レギュラーボーナス中であると判定されたときには、ON状態に設定されているレギュラーボーナス中フラグをOFF状態に設定し、レギュラーボーナスにおけるゲーム数および入賞数をカウントするためのカウンタの値をクリアして初期化し(ステップS1018)、ステップS1023へ移行される。なお、ステップS1018においては、さらに、レギュラーボーナスの終了後にフリーズ状態に制御するための、エンディング演出待ち時間を設定する。ステップS1017においてレギュラーボーナス中でないと判定されたときには、ステップS1023へ移行される。
ステップS1023においては、RAM41cにおけるビッグボーナス中フラグ、レギュラーボーナス中フラグ、シングルボーナス中フラグ、およびRTカウンタに基づいて、次のゲームで適用される遊技状態を示す遊技状態コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS1023)。そして、払出処理を終了して、図22のフローチャートに復帰し、1ゲームの処理が終了する。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板40のメインCPU41aは、初期遊技状態、RT1、RT2、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、シングルボーナスの間で遊技状態の移行を行なっており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信している。これに対して、演出制御基板90のサブCPU91aは、遊技制御基板40から受信したコマンドに基づいて、独自の演出を行なっている。
次に、本実施の形態におけるサブ制御部91のサブCPU91aが実行する各種制御内容を、図30〜図35に基づいて以下に説明する。
演出制御基板90では、電源基板101から電源電圧の供給を受けると、サブ制御部91が起動する。図30は、サブ制御部91のサブCPU91aが実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御メイン処理を開始すると、まず、所定の演出初期設定処理を実行する(Ss1)。演出初期設定処理の詳細については後述する。
演出初期設定処理を終了すると、たとえばサブ制御部91の内部状態などといった演出制御基板90における制御状態を電力供給停止時の状態に復旧させるための演出制御復旧処理を実行する(Ss2)。演出制御復旧処理の詳細についても後述する。
演出制御復旧処理を実行した後には、割込禁止としてから(Ss3)、演出側乱数値更新処理を実行して(Ss4)、割り込みを許可する(Ss5)という、一連の処理を繰り返して実行する。Ss4にて実行される演出側乱数値更新処理は、演出制御基板90の側で用いられる乱数値の全部または一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
図31は、図30のSs1においてサブ制御部91のサブCPU91aが実行する演出初期設定処理を詳細に示すフローチャートである。演出初期設定処理では、まず、割込禁止に設定し(Ss101)、割り込みモードの設定を行なう(Ss102)。
次に、スタックポインタの指定アドレスの設定など、スタックポインタに関わる設定を行なう(Ss103)。また、サブ制御部91における内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行なう(Ss104)。そして、サブ制御部91における内蔵周辺回路であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)を行なう(Ss105)。その後、RAM91cをアクセス可能に設定する(Ss106)。
この後、たとえば、VDP141に所定の初期化信号を送信してから、VDP141の内蔵レジスタにセットするための初期設定データを送信するなどといったVDP141の初期設定を行なう(Ss107)。これにより、VDP141では、サブ制御部91から受信した初期化信号や初期化データなどに基づき、たとえば、一時記憶メモリ155やフレームバッファメモリ156の記憶内容を初期化したり、転送制御回路152や描画回路154或いは動画像用デコーダ158などにより実行中の処理や初期化を中断したり、液晶表示器51の表示画面に対応したフレームバッファメモリ156における記憶領域の割り当てを行なって表示領域を設定したり、液晶表示器51における表示画像の更新周期を設定すると行なった各種設定動作のうちの少なくとも1つを実行する。
次に、たとえばROM91bに記憶されている乱数初期設定データに基づき乱数回路134の動作設定を行なうなど演出制御基板90の側で用いられる乱数値を生成するための設定を行なう(Ss108)。さらに、たとえばROM91bに記憶されている割り込み初期設定データに基づきリセット/割込コントローラの設定やCTCのレジスタ設定を行なうことなどにより割り込みの設定を行なう(Ss109)。これにより、サブ制御部91では、所定時間(たとえば、2ミリ秒)毎に演出動作を制御するためのタイマ割込が発生することになる。そして、演出初期設定処理を終了する。
図32は、図30のSs2においてサブ制御部91のサブCPU91aが実行する演出制御復旧処理を詳細に示すフローチャートである。まず、RAM91cのデータチェックを行ない、チェック結果が正常であるか否かを判定する(Ss201)。ここでの処理では、たとえば、RAM91cの所定領域における記憶データを用いてチェックサムを算出し、算出されたチェックサムとRAM91cの演出制御バッファ設定部に設けられた演出チェックサムバッファに記憶されているチェックサムとを比較する。演出チェックサムバッファには、前回の電力供給停止時に同様の処理によって算出されたチェックサムが記憶されている。この演出チェックサムバッファは、バックアップ電源によってバックアップされるRAM91cのバックアップ領域に含まれており、電力供給が停止した場合でも、所定期間は演出チェックサムバッファの内容が保存されることとなる。算出されたチェックサムと演出チェックサムバッファに記憶されているチェックサムとの比較結果が不一致であれば、チェック結果が正常でないと判断される。
RAM91cのデータのチェック結果が正常である場合には、RAM91cの演出制御フラグ設定部に設けられた演出バックアップフラグがONとなっているか否かを判定する(Ss202)。演出バックアップフラグの状態は、電力供給が停止するときに、演出制御フラグ設定部に設定される。そして、この演出バックアップフラグの設定箇所がバックアップ電源によってバックアップされることで、電力供給が停止した場合でもバックアップフラグの状態は保存されることとなる。
演出バックアップフラグがONであるときには、演出バックアップフラグをクリアしてOFF状態とし(Ss203)、その後にサブ制御部91の内部状態などを電力供給が停止されたときの状態に戻すための復旧時における設定を行なう(Ss204)。たとえば、ROM91bに格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、バックアップ時テーブルの内容を順次RAM91c内の作業領域に設定する。ここで、RAM91cの作業領域がバックアップ電源によってバックアップされている場合には、バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうちで初期化してもよい領域についての初期化データが設定されていればよい。続いて、バックアップ電源によりバックアップされるRAM91cのバックアップ領域から、制御状態を復旧させるための演出バックアップ用データを読み出し、その読み出しデータに応じてサブCPU91aの内蔵レジスタやRAM91cの作業領域の設定を、サブ制御部91が再起動される以前の状態に復旧させる。
この後、ステップSs204での設定に基づき、たとえばVDP141に復旧後の状態に応じた表示制御指令を送信することなどにより、VDP141における各種制御の再開設定を行なう(Ss205)。なお、Ss205の処理を実行した後には、たとえば、Ss204における制御状態の復帰によりプログラムカウンタに設定された対比値に対応する処理に復帰するようにすればよい。
また、Ss201でRAM91cのデータのチェック結果が異常である場合や、Ss202で演出バックアップフラグがOFFである場合には、RAM91cの初期化を行なう(Ss206)。RAM91cの初期化に続いて、サブ制御部91の内部状態などを初期状態とするための初期化時における設定を行なう(Ss207)。
なお、演出制御復旧処理では、メイン制御部41から電源投入コマンドを受信したときに、特別役(演出制御復旧処理では、ビッグボーナスおよびレギュラーボーナス)の当選を示す電源投入コマンドであれば液晶表示器51などによって特別役の当選を示す告知演出を実行し、その後その特別役が入賞するまで継続する制御を行なうのに対して、特別役の非当選を示す電源投入コマンドであれば、演出制御復旧処理を終了する。
また、演出制御復旧処理では、電源投入コマンドか、初期化コマンドを受信するまでは、演出バックアップが正常であってもその演出状態に復帰することもなく、他のコマンドを受信してもそれに応じて演出の制御は行なわないようになっている。このため、起動時にメイン制御部41とサブ制御部91のコマンド送信ラインを非接続とし、その後メイン制御部41とサブ制御部91とを接続しても、サブ制御部91は、電源投入コマンドや初期化コマンドを受信していないため、演出の制御が行なわれることはなく、起動時にメイン制御部41とサブ制御部91のコマンド送信ラインを非接続としても、サブ制御部91側で電源投入コマンドの受信を回避し、特別役の当選を示す告知演出の実行を回避することは不可能である。
すなわち、メイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合には、特別役の当選を示す電源投入コマンドを送信し、特別役の当選を示す電源投入コマンドをサブ制御部91が受信すると、特別役の当選を示す告知演出を実行するとともに、サブ制御部91側で電源投入コマンドの受信を回避し、特別役の当選を示す告知演出の実行を回避することは不可能であるため、このようにメイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合には、必ず特別役の当選が報知されることとなる。
また、サブ制御部91では、Ss109での割り込みの設定によって所定の時間間隔(たとえば、2ミリ秒)で演出の進行を制御するための割り込みが発生し、リセット/割込コントローラによりRAM91cのタイマ割込フラグがON状態にセットされる。図33は、タイマ割込フラグがON状態にセットされたことに応答して、サブ制御部91のサブCPU91aが実行する演出制御割り込み処理を示すフローチャートである。
演出制御割り込み処理では、まず、タイマ割込フラグをクリアしてOFF状態とし(Ss301)、内部レジスタの内容を退避する(Ss302)。次に、詳細を後述する演出バックアップ処理を実行して、サブ制御部91が再起動された場合に再起動の以前における制御状態を復旧させるために必要なデータのバックアップを行なう(Ss303)。そして、I/Oポート91dに含まれる所定の出力ポートに初期化信号をON状態とするための制御データをセットすることなどにより、リセット回路95をクリアする(Ss304)。
次に、遊技制御基板40から送信された各種コマンドを解析するためのコマンド解析処理を実行し(Ss305)、さらに詳細を後述する演出制御処理を実行する(Ss306)。この演出制御処理により、スロットマシン1における遊技の進行状況に応じて、液晶表示器51に画像を表示させるとともに、スピーカ53、54から遊技音を発生させるなどによる各種演出が行なわれる。次に、後述する音量調節処理を実行する(Ss306a)。この音量調節処理により、スロットマシン1における遊技の進行状況に応じて、スピーカ53、54から発生させる遊技音の音量が調節される。次に、演出側乱数値更新処理が行なわれて、演出制御基板90の側にて乱数回路(図示略)等によりカウントされる各種の乱数値が更新される(Ss307)。その後、Ss302で退避したレジスタの内容を復帰させてから(Ss308)、演出制御割り込み処理を終了する。
図34は、図33のSs303においてサブ制御部91のサブCPU91aが実行する演出バックアップ処理を詳細に示すフローチャートである。演出バックアップ処理においては、RAM91cの所定領域における記憶データなどを用いて、演出バックアップ用のデータの設定を行なう(Ss401)。ここで、たとえばRAM91cの演出フラグ設定部に設けられた各種フラグの値やRAM91cの演出制御タイマ設定部に設けられた各種タイマの値によりサブ制御部91での制御状態や表示制御回路92での各種処理の進行状況が特定できるのであれば、これらのフラグやタイマの値を示すデータにより、演出バックアップ用データを構成すればよい。また、たとえばサブCPU91aの内蔵レジスタ(たとえば、プログラムカウンタ)の格納値などからサブ制御部91の制御状態や表示制御回路92での各種処理の進行状況が特定できるのであれば、こうした内蔵レジスタの格納値を示すデータにより、演出バックアップ用データを構成すればよい。或いは、フラグやタイマの値を示すデータと内蔵レジスタの格納値を示すデータとを組合せることにより、演出バックアップデータを構成してもよい。その他にも、サブ制御部91での制御状態や表示制御回路92での各種処理の進行状況を特定して再起動後に復旧可能とする任意のデータが、演出バックアップ用データに含まれていてもよい。
次に、たとえばRAM91cの所定領域における記憶データを用いてチェックサムを算出することなどにより、チェックデータを作成する(Ss402)。そして、RAM91cの演出制御フラグ設定部に設けられた演出バックアップフラグをON状態にセットして(Ss403)、演出バックアップ処理を終了する。なお、RAM91cの一部がバックアップ電源によってバックアップされる場合には、Ss401にて作成した演出バックアップ用データや、Ss402で作成したチェックデータ、Ss403でON状態に設定した演出バックアップフラグを示すデータなどを、演出バックアップ処理の終了時にRAM91cのバックアップ領域に記憶させるようにすればよい。
図35は、サブ制御部91のサブCPU91aが図33のSs306およびSs306aにおいて実行する演出制御処理および音量調節処理の一例を示すフローチャートである。
図35(a)は、演出制御処理を示すフローチャートである。演出制御処理では、サブCPU91aは、後述するデモ期間である場合に、デモ演出を実行するデモ演出実行処理を行ない(ステップSs501)、その他の処理を行なう(ステップSs504)。デモ期間とは、たとえば、連続演出中およびボーナス中演出実行中を除く期間であって、ゲーム終了後所定時間(たとえば30秒)経過してからBETコマンドを新たに受信するまでの期間をいう。これにより、たとえば、デモ期間になるとBETコマンドを新たに受信するまで、所定のデモ演出が実行される。
デモ演出を開始する場合、サブCPU91aは、デモ演出開始を指令するデモ演出開始信号を表示制御回路92に出力する。表示制御回路92は、デモ演出開始信号を受信すると、デモ演出を行なうための演出データをCGROM142から読み出し、一時記憶メモリ155に記憶し、描画回路154によりフレームバッファメモリ156に描画された画像データが表示回路157により液晶表示器51に所定のデモ演出を開始する。
一方、演出制御処理では、デモ期間以外である場合に、遊技状態に応じた遊技演出(連続演出を含む)を実行する遊技演出実行処理が行なわれる(ステップSs502)。また、所定の報知条件成立時に、当選役を報知するナビ演出を実行するナビ実行処理を行ない(ステップSs503)、その他の処理を行なう(ステップSs504)。所定の報知条件とは、たとえば、RT1に制御されている場合にシングルボーナス+メロンまたはシングルボーナスに当選することにより成立する条件をいう。なお、本実施の形態では、所定の報知条件として、RT1に制御されている場合にシングルボーナス+メロンまたはシングルボーナスに当選することにより成立する条件を例に説明したが、これに限らず、たとえば所定の入賞役(メロン等)に当選することにより成立する条件であってもよい。そして、所定の報知条件に応じた態様で、ナビ演出(メロンに当選していることを報知)を実行するものであってもよい。また、RT1中であるときであって、リプレイ(1)+リプレイ(2)に当選しているゲームにおいては、リプレイ(1)+リプレイ(2)に当選していることを報知するナビ演出を実行するものであってもよい。これにより、リプレイ(1)+リプレイ(2)に当選していることを報知するナビ演出が行なわれたときに、前述したシングルボーナス入賞を回避可能にするための操作の練習を行なって、リプレイ(2)に入賞したか否かにより該操作に成功したか失敗したかを遊技者が確認することができる。
遊技演出を開始する場合、サブCPU91aは、対応する遊技演出開始を指令する遊技演出開始信号を表示制御回路92に出力する。表示制御回路92は、遊技演出開始信号を受信すると、対応する遊技演出を行なうための演出データをCGROM142から読み出し、一時記憶メモリ155に記憶し、描画回路154によりフレームバッファメモリ156に描画された画像データが表示回路157により液晶表示器51に対応する遊技演出を開始する。一時記憶メモリ155に連続演出を行なうための演出データが記憶されている場合には、当該連続演出が終了するまでの間、たとえばBETされることなくゲームが所定時間行なわれていない場合であっても、表示制御回路92は、一時記憶メモリ155にデモ演出を行なうための演出データが記憶されることがないように、一時記憶メモリ155への書き込みを禁止してデモ演出等その他の演出を行なわない。
また、その他の処理においては、たとえば、遊技演出に応じた遊技音をスピーカ53、54から発生させるための処理が行なわれる。スピーカ53、54から遊技音を発生する演出を行なう場合、サブCPU91aは、音声出力回路94に遊技演出に応じた遊技音を発生させるための指令信号を出力する。
また、その他の処理においては、たとえば、連続演出中およびボーナス中演出実行中を除く期間であってゲームが行なわれていない期間に、遊技者のタッチパネルの操作に基づいて、所定の遊技履歴を液晶表示器51に表示させる履歴表示演出を実行する履歴表示演出実行処理が行なわれる。なお、連続演出を実行している間は、タッチパネルの操作を無効化して、履歴表示演出が実行されないように制御している。
ここで、サブ制御部91のサブCPU91aが実行する遊技演出実行処理およびナビ実行処理の内容について、図36に示すタイミングチャートに基づいて説明する。
図36においては、横軸によって時間の経過が示され、縦軸の上から、(a)欄では遊技状態が示され、(b)欄では遊技演出が示され、(c)欄ではRT1中のシングルボーナス+メロンおよびシングルボーナスの当選状況が示され、(d)欄ではナビ演出の実行が示されている。なお、図36中の下欄に示す丸付き数字は、(a)〜(d)のそれぞれにおけるタイミングを示しており、以下、単に数字で、タイミング1〜タイミング18と表示する。
タイミング1は、初期遊技状態に制御されているときであって、かつ通常演出が行なわれているときのタイミングを示している。タイミング1では、(a)欄で示されるように初期遊技状態に制御され、(b)欄で示されるように初期遊技状態中に行なわれる通常演出が行なわれている。
タイミング2は、初期遊技状態中にシングルボーナスに入賞してシングルボーナス中演出が開始されたときのタイミングを示している。タイミング2では、(a)欄で示されるようにボーナスに制御され、(b)欄で示されるようにシングルボーナス中演出が開始されている。
タイミング3は、シングルボーナスにおいて15枚役に入賞したときのタイミングを示している。タイミング3では、(a)欄で示されるようにRT1に制御され、(b)欄で示されるようにRT1中の高確率連続演出が開始されている。
タイミング4は、RT1中においてシングルボーナスに当選したときのタイミングを示している。タイミング4では、(c)欄で示されるようにシングルボーナスに当選し、(d)欄で示されるようにシングルボーナスのみが単独で当選した旨を報知する単独当選演出(たとえば、白色のキャラクタを出現させる演出)がナビ演出として実行されている。これにより、遊技者は、RT1終了を回避不可能であることを認識することができる。
タイミング5は、シングルボーナスに入賞したときのタイミングを示している。タイミング5では、シングルボーナス入賞により、(a)欄で示されるようにシングルボーナスに制御され、(b)欄で示されるようにシングルボーナス中演出が開始されている。
タイミング6は、シングルボーナスにおいて15枚役に入賞したときのタイミングを示している。タイミング6では、(a)欄で示されるように再びRT1に制御され、(b)欄で示されるようにRT1中の高確率連続演出が再開されている。
なお、RT1に制御されている間は、高確率連続演出が実行されるが、RT1に継続して制御された継続回数に応じて高確率連続演出の態様(演出内容)を変化させてもよい。たとえば、図36のタイミング3で開始されたRT1は、タイミング5におけるシングルボーナス入賞を挟んで、タイミング6〜タイミング11の期間にわたり継続して制御されている。このため、高確率連続演出の態様は、タイミング3〜タイミング5の期間、タイミング6〜タイミング11の期間各々で異ならせてもよい。
また、継続してRT1に制御されている間に獲得したメダル枚数を液晶表示器51や遊技補助表示器12に表示するように構成してもよい。たとえば、図36のタイミング3〜タイミング5に至るまでの間、メダルを獲得する毎に、メダル枚数を計数して、計数した合計メダル枚数を液晶表示器51に表示するようにしてもよい。また、タイミング6においてRT1に再度制御されているため、当該タイミング6〜タイミング11に至るまでの間においても、メダル枚数を再度表示し、タイミング5に至るまで計数された合計メダル枚数に獲得したメダル枚数を加算した合計メダル枚数を液晶表示器51に表示するようにしてもよい。なお、合計メダル枚数の表示は、RT1に継続して制御されている間表示し、一旦初期遊技状態に制御された場合に合計メダル枚数の計数がリセットされる。
タイミング7は、RT1中においてシングルボーナス+メロンに当選したときのタイミングを示している。タイミング7では、(c)欄で示されるようにシングルボーナスとメロンとに同時当選し、(d)欄で示されるようにシングルボーナスとメロンとが同時に重複して当選した旨を報知する重複当選演出(たとえば、赤色のキャラクタを出現させる演出)がナビ演出として実行されている。これにより、遊技者は、シングルボーナスを入賞させないようにゲームを進行し、メロンに入賞させることにより、RT1に継続制御可能であることを認識することができる。よって、遊技者は、少なくとも中リール2Cを停止させた後に、左リール2Lの領域番号9の「メロン」の図柄が下段に位置するタイミングでストップボタン8Lを操作し、メロンを入賞させてRT1に継続制御させることが可能であることを認識することができる。
なお、タイミング8については、タイミング7と同様であるため、説明を省略する。本実施の形態においては、RT1中にシングルボーナスに当選することにより、ナビ演出を行なう例について説明する。しかし,これに限らず、たとえば、RT1に制御されてから(たとえばタイミング3以降、タイミング6以降)ナビ演出が行なわれる回数が所定回数(たとえば、3回まで)に設定されているものであってもよい。具体的には、タイミング8ではナビ演出を行なうが、それ以降のタイミングでシングルボーナスに当選してもナビ演出を行なわないか、またはシングルボーナスに当選していることを報知するが重複当選しているか単独当選しているかを報知しない演出を行なうように構成してもよい。また、ナビ演出を行なうか否かを、所定確率にしたがってランダムに決定するように構成してもよい。
タイミング9は、RT中に何らの入賞役も入賞しなかった、すなわちはずれになったときのタイミングを示している。タイミング9では、(b)欄で示されるようにはずれ時連続演出が開始されている。なお、はずれ時連続演出としては、以降3ゲームに亘って所定の連続演出が行なわれ、終了時にレギュラーボーナスまたはビッグボーナスの当選の有無に基づいて実行される大当り演出またははずれ演出が行なわれる。タイミング10で後述するようにシングルボーナスに当選していることから、タイミング9ではレギュラーボーナスやビッグボーナス当選していないため、タイミング9で開始されたはずれ時連続演出終了時にはずれ演出が行なわれる。
タイミング10は、RT1中においてシングルボーナスに当選したときのタイミングを示している。タイミング10では、(c)欄で示されるようにシングルボーナスに当選し、(d)欄で示されるようにシングルボーナスのみが単独で当選した旨を報知する単独当選演出(たとえば、白色のキャラクタを出現させる演出)がナビ演出として実行されている。これにより、遊技者は、RT1終了を回避不可能であることを認識することができる。
タイミング11は、シングルボーナスに入賞したときのタイミングを示している。タイミング11では、シングルボーナス入賞により、(a)欄で示されるようにシングルボーナスに制御され、(b)欄で示されるようにシングルボーナス中演出が開始されている。
タイミング12は、シングルボーナスにおいて15枚役に入賞しなかったときのタイミングを示している。タイミング12では、(a)欄で示されるように初期遊技状態に制御され、(b)欄で示されるように通常演出が開始されている。なお、タイミング13、14、および15は、それぞれ、前述したタイミング2、3、および7と同様であるため、説明を省略する。
タイミング16は、RT中にはずれになったときのタイミングを示している。タイミング16では、(b)欄で示されるようにはずれ時連続演出が開始されている。なお、タイミング16でビッグボーナス当選しているときには、はずれ時連続演出終了時に大当り演出が行なわれる。
タイミング17は、ビッグボーナスに入賞したときのタイミングを示している。タイミング17では、ビッグボーナス入賞により、(a)欄で示されるようにビッグボーナスに制御され、(b)欄で示されるようにビッグボーナス中演出が開始されている。タイミング18は、ビッグボーナスが終了したときのタイミングを示しており、初期遊技状態に制御され、通常演出が開始されている。
なお、RT1に制御されているときであって、リプレイ(2)に入賞したときには、前述した目押し成功演出が行なわれる。このため、シングルボーナス入賞を回避可能にするための操作に成功したことをわかり易く遊技者に報知することができる。
図35に戻り、図35(b)は、音量調節処理を示すフローチャートである。音量調節処理では、サブCPU91aは、遊技音を通常音量(ここでは最大)にして出音しているときに、所定の消音条件成立で現在出音中の遊技音の音量を最小(消音)する消音処理(ステップSs601)を行なう。所定の消音条件とは、たとえば、遊技状態コマンドを受信してから(前回ゲーム終了時から)所定時間経過したこと、クレジット返却コマンドを受信(クレジット精算)したこと、BETコマンドを受信してから(BET操作されてから)所定時間経過したこと、BET解除コマンドを受信(BETキャンセル)したこと、内部当選コマンドを受信してから(ゲーム開始から)リール停止コマンドを受信することなく所定時間経過したこと、およびリール停止コマンドを受信してから(停止操作してから)新たなリール停止コマンドを受信することなく所定時間経過したこと等をいう。
一方、遊技音を消音しているときに、所定の解除条件成立で消音を解除して遊技音を通常音量にして出音させる解除処理(ステップSs602)を行なう。所定の解除条件とは、たとえば、BETコマンドを受信したこと、内部当選コマンドを受信したこと、およびリール停止コマンドを受信したこと等をいう。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) RT1中にシングルボーナス入賞すると、RT1が終了する。シングルボーナスは、メロンと同時当選している場合、少なくとも中リール2Cを停止させた状態で、左リール2Lについて領域番号9の「メロン」の図柄が下段に位置するタイミングでストップボタン8Lを操作することにより、入賞を回避することができる。前述した実施の形態においては、RT1中であってリプレイ(1)+リプレイ(2)に当選しているゲームにおいて、上記のシングルボーナス入賞を回避可能にするための操作が行なわれた場合にのみリプレイ(2)に入賞するようにリール制御が行なわれる。このため、リプレイ(2)に入賞するか否かにより、上記のシングルボーナス入賞を回避可能にするための操作に成功したのか失敗したのかを遊技者に認識させることができるように構成されている。これにより、スロットマシンの稼働率を低下させることなく、シングルボーナス入賞を回避可能にするための操作練習を行なうことができる。
また、RT1中であるときには、リプレイ(1)+リプレイ(2)に高確率で当選する。このため、スロットマシンの稼働率を低下させることなく、シングルボーナス入賞を回避可能にするための操作に成功したのか失敗したのかを確認可能なゲームをより多く遊技者に提供することができる。また、シングルボーナス入賞を回避可能にするための操作に成功した場合には、リプレイ(2)に入賞するため、実質的に次のゲームの賭数分の利益を遊技者に付与することができる。
(2) 前述した実施の形態においては、RT1中であるときにリプレイ(2)に入賞したときには、目押し成功演出が行なわれる。このため、シングルボーナス入賞を回避可能にするための操作に成功したのか失敗したのかをわかりやすく遊技者に認識させることができる。
(3) 前述した実施の形態においては、シングルボーナス入賞が発生したときに、RT1に制御されている場合には当該RT1を終了させて、シングルボーナスに制御される。また、シングルボーナス中は、RT1に制御する契機となる15枚役が初期遊技状態中であるときよりも高い確率で内部抽選において当選する。このように15枚役が当選する確率が高くなるシングルボーナスは、1ゲームで終了する。このため、RT1を終了させるシングルボーナス入賞の発生を契機として、RT1への制御が開始または継続されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、RT1に制御されていないときには、シングルボーナス入賞が発生することにより、RT1へ制御される確率が高まることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。これに対し、RT1に制御されているときには、シングルボーナス入賞が発生することにより、RT1が終了することに対する喪失感と、次の1ゲームが15枚役入賞が発生しやすいためにRT1に再び制御されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。このように、シングルボーナス入賞が発生することにより遊技者に抱かせる感情を、現在制御されている遊技状態がRT1中であるか否かに応じて変化させることができる。
(4) 前述した実施の形態におけるシングルボーナスでは、図17(d)で示したように、15枚役およびメロンの当選確率が高められる。15枚役およびメロンは、当選している場合に左リールおよび中リールを停止させると、入賞ライン上に「メロンーメロン」が導出され、右リールの表示結果に応じて15枚役またはメロンのいずれかに入賞し得るダブルテンパイ状態になる。このため、特に、シングルボーナス中であって右リールが回転している間、メロン入賞が発生するに留まるか15枚役入賞が発生してRT1に制御されるかを煽ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、15枚役またはメロンが当選している場合であって右リールを最後に停止させる場合には、当該最終停止まで15枚役およびメロンのいずれもが発生し得る状態にすることができる。これにより、右リールを最後に停止させる場合には、当該最終停止まで15枚役に入賞してRT1に制御されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
(5) 前述した実施の形態においては、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの発生を許容する旨が決定されたときにも、リプレイ(1)+(2)の確率が初期遊技状態よりも高いRT2に制御しかつリプレイ(1)およびリプレイ(2)が当選しているビッグボーナスまたはレギュラーボーナスよりも優先して引き込み制御が行なわれる。このため、再ゲーム入賞が発生し特別移行入賞が発生し難い状態を継続させることができる。このため、導出表示される図柄の組合せからビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの発生が許容されているか否かをわかり難くすることができ、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの発生が許容されていることに対し遊技者が抱く期待感を持続させることができる。
(6) 前述した実施の形態においては、連続演出の実行途上においては、デモ演出や履歴表示演出が実行されない。つまり、デモ演出の演出データや履歴表示演出の演出データのCGROM142からの読み出しと演出データ領域への書き込みが禁止されているので、実行中の連続演出の演出データがデモ演出や履歴表示演出の演出データによって上書きされて演出データ領域から消去されてしまうことがない。消去されることがないから、改めて連続演出の演出データをCGROM142から読み出して、実行演出データ領域に書き込まなければならないということも生じない。
このため、現在の遊技の進行状況とは直接的には関係しないデモ演出や履歴表示演出を実行するために、データ量の大きい連続演出の演出データをCGROM142から読み出し、一時記憶メモリ155の実行演出データ領域に書き込む処理のオーバーヘッドが重複して生じることがなくなる。連続演出の実行途上においてはタッチパネルの操作も無効化したままにしているので、演出モードが切り替えられることがなく、演出モードが異なるだけで同じ状況に対応した演出データをCGROM142から読み出し、一時記憶メモリ155の実行演出データ領域に書き込まなければならないというオーバーヘッドが生じるのも防ぐことができる。
また、連続演出を行なうための処理を演出制御基板90側において行なっているため、遊技制御基板40側において当該処理を行なう制御負担を演出制御基板90側に分担でき、遊技制御基板40側の制御負担を軽減することができる。
(7) また、本実施の形態では、メイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役(ビッグボーナスまたはレギュラーボーナス)が当選している場合には、メインCPU41aが特別役の当選を示す電源投入コマンドを送信し、特別役の当選を示す電源投入コマンドをサブ制御部91が受信すると、特別役の当選を示す告知演出を実行するとともに、この告知演出は特別役の入賞を示す入賞判定コマンドを受信するまで、すなわち当選した特別役が入賞するまで継続して実行されるようになっている。
(8) また、サブ制御部91は、電源投入コマンドか、メイン制御部41の制御状態が初期化された旨を示す初期化コマンドを受信するまでは、バックアップが正常であってもその演出状態に復帰することもなく、他のコマンドを受信してもそれに応じて演出の制御は行なわないようになっている。このため、起動時にメイン制御部41とサブ制御部91のコマンド送信ラインを非接続とし、その後メイン制御部41とサブ制御部91とを接続しても、サブ制御部91は、電源投入コマンドや初期化コマンドを受信していないため、演出の制御が行なわれることはなく、起動時にメイン制御部41とサブ制御部91のコマンド送信ラインを非接続としても、サブ制御部91側で電源投入コマンドの受信を回避し、特別役の当選を示す告知演出の実行を回避することは不可能であり、このようにメイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合には、必ず特別役の当選が報知されることとなる。
一方、打ち込み器具などの不正器具を接続するには、一度電源を切る必要がある(電源を切らずにコネクタを外すと故障の原因となる)が、上記の構成により、無理矢理コネクタの接続を解除して打ち込み器具を使用し、不正に特別役の当選を設定しても、メイン制御部41を再起動させた際に、特別役に当選していることが外部から容易に判別できてしまうので、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシン1を、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業を効果的に抑止することができる。
また、告知演出は特別役の入賞を示す入賞判定コマンドを受信するまで、すなわち当選した特別役が入賞するまで継続して実行されるので、特別役が入賞すること、すなわち特別役の当選フラグがクリアされるまでは告知演出が停止することはなく、遊技店によって特別役の当選を維持したまま告知演出を解除することが不可能となるため、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシン1を、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業をより一層効果的に抑止することができる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
(1) 前述した実施の形態においては、RT1中であってリプレイ(1)+リプレイ(2)に当選しているときに、シングルボーナス入賞を回避可能にするための操作練習を実行可能にする例について説明した。しかし、シングルボーナス入賞を回避可能にするための操作練習は、この場合に限らず、たとえば初期遊技状態中であってリプレイ(1)+リプレイ(2)に当選しているときに実行可能となるようにリール制御を行なってもよい。このように構成した場合には、RT1に制御されていないときであっても、シングルボーナス入賞を回避可能にするための操作練習を行なうことができ、スロットマシンの稼働率を低下させることなく、当該操作に成功したのか失敗したのかを確認可能なゲームをより多く遊技者に提供することができる。
このように構成する場合、初期遊技状態において、リプレイ(1)+リプレイ(2)に当選したときに、リプレイ(1)+リプレイ(2)に当選したゲームであることを遊技者に認識させるように、所定の演出(所定のランプ点灯、所定のキャラクタ、アイテム表示、所定の音発生等)を行なうように構成してもよい。これにより、シングルボーナス入賞を回避可能にするための操作練習を行なうことができるゲームであることを遊技者に認識させることができる。このため、操作練習を行なったとしても成功したのか失敗したのかを確認することができないときにまで目押しを行なわせこと、すなわち目押しの労力が無駄になることを防止できる。
(2) 前述した実施の形態においては、特別移行入賞表示結果としてビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス(1)、レギュラーボーナス(2)を、特別遊技状態としてビッグボーナスおよびレギュラーボーナスを、各々一例として説明した。しかしながら、特別遊技状態は、これに限らず、たとえば、少なくとも1のリール(たとえば、中リール2C)についてストップスイッチの操作タイミングから停止までの最大遅延時間を短縮するとともに、メダルの払い出しを伴う小役(たとえば、メロン、ブドウ等)に入賞可能(当選フラグを強制的にセット)とするチャレンジタイム(CT)という遊技状態に複数ゲームに亘って制御するチャレンジボーナス(CB)を含むものであってもよい。CB中は、入賞してから遊技者に払い出したメダルの枚数が所定枚(たとえば、120枚)以上になるまで、CTに繰返し制御される。
また、前述した実施の形態においては、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選したときに、RT1に制御されている場合には当該RT1を終了させてRT2に制御し、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに入賞したときにRT2を終了する例について説明した。しかし、上記のようにCBに制御可能なスロットマシンにおいては、CBに当選したことおよびCBに入賞したことによって、リプレイの当選確率を変化させない、すなわちRTに制御されている場合には当該RTを終了させずに継続させつつ、CBへの制御を開始するように構成してもよい。具体的に、CBに当選したときの遊技状態がRT1であるときには、RT1中におけるリプレイ(1)+リプレイ(2)の当選確率を継続しつつ、CB入賞によりCBに制御するように構成してもよい。このように構成した場合、CB中においては、メロン、ブドウ等の当選フラグが強制的にセットされるとともに、リプレイ(1)およびリプレイ(2)の当選フラグが高確率でセットされる。メロン、ブドウ、リプレイ(1)およびリプレイ(2)の当選フラグがセットされている場合には、各リールにおいて、メロンおよびブドウを構成する図柄よりも優先してリプレイ(1)およびリプレイ(2)を構成する図柄を上中下段に引き込むリールの停止制御が行なわれる。また、メロン、ブドウ、リプレイ(1)およびリプレイ(2)の当選フラグがセットされている場合であって、リプレイ(1)およびリプレイ(2)を構成する図柄を上中下段に引き込むことができずリプレイ(1)およびリプレイ(2)を入賞させることができない場合には、たとえばメロンを構成する図柄を上中下段に引き込むリールの停止制御が行なわれる。このため、CB中においては、リプレイに当選しているときにはリプレイを優先的に入賞するが、リプレイ入賞が不能なときにはたとえばメロンが入賞する。これにより、RT1に制御されているときに制御が開始されたCB中は、リプレイ(1)またはリプレイ(2)を優先的に入賞させつつ、リプレイ(1)またはリプレイ(2)に当選せずに入賞させることが不能なときにメロンを入賞させてメダルの払い出しが行なわれる。このため、RT1に制御されているときに制御が開始されたCB中は、リプレイ入賞が発生しなかったときにメロン入賞が発生可能となる点で、RT1のみに制御されているときよりも遊技者にとっての有利度合いが高い。よって、RT1に制御されているときにさらにCB入賞してCBに制御されることに対し遊技者に期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、前述した実施の形態におけるRT1は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選するか、シングルボーナスに入賞するか、RT終了図柄が導出されることにより終了する例について説明したが、さらに、RT1に制御されてから消化したゲーム数が所定ゲーム数(たとえば、100ゲーム)に到達したことを条件として当該RT1への制御を終了するように構成してもよい。
このように構成した場合、RT1に制御されているときにさらにCB入賞して制御されたCBにおいては、リプレイ入賞を発生不能としてメロン入賞を発生させて、より少ないゲーム数で当該CBにおいて遊技者に払い出されたメダルの枚数が予め定められた所定数に到達するように、遊技者はゲームを行なうはずである。このため、RT1に制御されているときにさらにCB入賞して制御されたCBにおいて、技術介入性を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
たとえば、CT中において、たとえば、中リール2Cについてストップスイッチ8Cの操作タイミングから停止までの最大遅延時間が短縮(たとえば、75ミリ秒、引き込み可能コマ数が0〜1)される場合、図3を参照して領域番号12の「ブドウ」の図柄が下段に位置するタイミングでストップスイッチ8Cを操作したときには、リプレイを構成する中リールの図柄「バナナ」を引き込むことができないため、リプレイに当選していてもリプレイ入賞を発生させることを不能にすることができる。よって、RT1に制御されているときにさらにCB入賞して制御されたCBにおいて、図3を参照して領域番号12の「ブドウ」の図柄が下段に位置するタイミングでストップスイッチ8Cを操作したときには、リプレイ入賞させずに、メロンを入賞させることができる。これにより、より少ないゲーム数で当該CBにおいて遊技者に払い出されたメダルの枚数を予め定められた所定数に到達させることができるため、CB終了後のRT1の残りゲーム回数を多くすることができる。
(3) 前述した実施の形態においては、有利入賞表示結果として15枚役を一例として説明した。しかし、有利入賞表示結果は、遊技者にとって有利な遊技状態(RT、AT等)に制御する契機となる入賞役であればよい。また、有利入賞表示結果は、複数種類設定(たとえば、15枚役a、15枚役b、15枚役c等)されているものであってもよい。これら複数種類の有利入賞表示結果は、初期遊技状態のとき(たとえば、判定値数が1)よりも特別ゲームのときの方が高確率で導出が許容され、かつ各々確率が異なるように判定値数(たとえば、判定値数として、15枚役a:5000、15枚役b:10000、15枚役c:17768)が設定されているものであってもよい。
また、有利入賞表示結果が導出されたことにより制御される遊技状態として、RT1を一例として説明したが、これに限らず、たとえば、リプレイの当選確率が異なる複数種類のRT(たとえば、リプレイ(1)+(2)の当選確率が、RTa:1/3、RTb:1/4、RTc:1/5)を含むものであってもよい。
このように構成した場合、メイン制御部41は、導出された有利入賞表示結果の種類に応じて予め定められた遊技状態に制御するように構成してもよい。具体的には、たとえば、15枚役a入賞が発生したときにはRTaに制御し、15枚役b入賞が発生したときにはRTbに制御し、15枚役c入賞が発生したときにはRTcに制御するように構成してもよい。これにより、制御されるRTの種類によって、リプレイが発生する確率を異ならせることができる。また、RTの種類は、導出された有利入賞表示結果の種類に応じて決定される。その結果、導出された有利入賞表示結果の種類に応じて遊技者にとって有利なRTに制御されることに対し遊技者が抱く期待感を異ならせてメリハリをつけることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、このように有利入賞表示結果が複数種類設定されている場合には、特別ゲームとして、複数種類の有利入賞表示結果のうち少なくとも一の有利入賞表示結果を発生させる確率が異なる複数種類の特別ゲームに制御可能であってもよい。具体的には、特別ゲームとして、シングルボーナス(1)〜(3)に制御可能であって、15枚役a、15枚役b、15枚役cのうち少なくとも一の15枚役の判定値数が他のシングルボーナスの当該一の15枚役の判定値数と異なるように構成してもよい(たとえば、15枚役aの判定値数が、シングルボーナス(1)〜(3)のいずれであるかによって異なるように設定されている)。これにより、制御されたシングルボーナスの種類によっても、遊技者にとって有利なRTに制御されることに対し遊技者が抱く期待感を異ならせてさらにメリハリをつけることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、前述したように、有利入賞表示結果として複数種類(たとえば、15枚役a、15枚役b、15枚役c等)設定した場合には、前記再ゲーム高確率状態制御手段は、前記再ゲーム高確率状態であって規定ゲーム数が異なる複数種類の再ゲーム高確率状態(RTa:200ゲーム、RTb:150ゲーム、RTc:100ゲーム)のうち、導出された有利入賞表示結果の種類に応じた再ゲーム高確率状態に制御するものであってもよい。具体的には、たとえば、15枚役a入賞が発生したときにはRTaに制御し、15枚役b入賞が発生したときにはRTbに制御し、15枚役c入賞が発生したときにはRTcに制御するように構成してもよい。
(4) 前述した実施の形態における役別テーブルは、共通フラグが設定されている抽選対象役である場合に現在制御されている遊技状態および抽選対象役に基づき、また共通フラグが設定されていない抽選対象役である場合に設定値と現在制御されている遊技状態と抽選対象役とに基づき、各々一のアドレスが特定されるように構成されている。そして、内部抽選においては、特定された一のアドレス先に格納されている判定値数を用いて、抽選対象役についての抽選が行なわれる。しかしながら、これに限らず、役別テーブルは、現在制御されている遊技状態および抽選対象役に応じて、初期遊技状態中であるときの判定値数を特定する一のアドレスと、現在制御されている遊技状態が初期遊技状態と異なる場合に当該初期遊技状態中であるときの判定値数に加算する判定値数を特定する他のアドレスとが特定されるように構成されているものであってもよい。
たとえば、初期遊技状態よりもシングルボーナスの方が当選確率が向上する、すなわち判定値数が多くなる役が抽選対象役である場合について、初期遊技状態中であるときには、抽選対象役に基づき、一のアドレスが特定されるように構成し、シングルボーナス中であるときには、抽選対象役に基づき、初期遊技状態中であるときに特定される一のアドレスと、このアドレスとは別の他のアドレスとが特定されるように構成されているものであってもよい。他のアドレスには、たとえば、初期遊技状態中に特定される判定値数からシングルボーナス中に当選確率を向上させる分に相当する判定値数が格納されている。
具体的に、前述した図17では、15枚役の判定値数が、初期遊技状態であるときには1であるのに対し、シングルボーナスであるときには32768である。よって、15枚役は、初期遊技状態よりもシングルボーナスの方が当選確率が向上する役といえる。このような15枚役が抽選対象役である場合について、初期遊技状態中であるときには、判定値数として「1」が格納された一のアドレスが特定されるように構成し、シングルボーナス中であるときには、抽選対象役に基づき、初期遊技状態中であるときに特定される一のアドレスと、このアドレスとは別の判定値数として32768−1=「32767」が格納されたアドレスとが特定されるように構成されているものであってもよい。そして、シングルボーナス中の15枚役の判定値数として、一のアドレスから特定される「1」と、他のアドレスから特定される「32767」との合計である「32768」が特定されるように構成されるものであってもよい。
(5) 前述した実施の形態においては、終了表示結果として、シングルボーナスを一例として説明した。しかし、終了表示結果は、これに限らず、有利入賞表示結果を通常遊技状態よりも高い確率で導出させる制御を行なう遊技状態に制御する契機となる入賞役であればよく、たとえば、次の1ゲームだけ前述したCTに制御する契機となる入賞役(1ゲームCT入賞役)であってもよい。
(6) 前述した実施の形態においては、有利入賞表示結果が導出されたときに、再ゲーム入賞表示結果を通常遊技状態よりも高い確率で発生させる制御を行なう再ゲーム高確率状態に制御する例について説明した。しかし、有利入賞表示結果が導出されたときに制御する遊技状態は、これに限らず、遊技者にとって初期遊技状態よりも有利な遊技状態であればよく、たとえば、事前決定手段により導出を許容する旨が決定された入賞表示結果の種類または該入賞表示結果を導出させるための操作手順(操作タイミング、操作順序等)を報知する手順報知遊技状態(AT)であってもよい。
(7) 前述した実施の形態では、スロットマシン1に設けられた操作部(スタートレバー7、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、精算スイッチ10、ストップスイッチ8L、8C、8R、タッチパネル、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38等)の特定の操作を検出したときに、RT状態を初期化できるようにしてもよい(遊技状態フラグの値を初期遊技状態を示す値に更新)。その特定の操作は、たとえば、2以上の操作部の所定の操作を組合せたものとすることが考えられるが、設定変更に関わる操作とはまったく異なる手順であってもよく、設定変更のための操作の一部の操作を含む、他の操作との組合せによる操作手順であってもよい。
(8) 前述した実施の形態では、メイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合には、メインCPU41aが特別役の当選を示す電源投入コマンドを送信し、特別役の当選を示す電源投入コマンドをサブ制御部91が受信すると、特別役の当選を示す告知演出を実行する例について説明した。しかし、特別役の当選を示す告知演出を行なうだけでなく、復帰させる遊技状態を報知する告知演出を実行するように構成してもよい。たとえば、復帰させる遊技状態が、初期遊技状態であるときには、メインCPU41aが初期遊技状態を示す電源投入コマンドを送信してサブ制御部91に初期遊技状態を示す告知演出を実行するように構成してもよい。また、復帰させる遊技状態が、RTであるときには、メインCPU41aがそのRTの種類を示す電源投入コマンドを送信してサブ制御部91にRTの種類を示す告知演出を実行するように構成してもよい。なお、復帰させる遊技状態とは、制御される遊技状態すべて(たとえば、初期遊技状態、RT1〜RT2、ビッグボーナス、レギュラーボーナス等)であってもよく、また、制御される遊技状態のうち所定の遊技状態(たとえば、初期遊技状態、RT1〜RT2、ビッグボーナス、レギュラーボーナス等のうち、初期遊技状態、ビッグボーナス、およびレギュラーボーナスだけ)であってもよい。
なお、報知器としては、専用の報知器を設けてもよく、あるいは、メイン制御部41が直接制御するクレジット表示器11や遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、サブ制御部91が制御する液晶表示器51などのゲームの進行において使用する表示器を利用してもよい。
(9) 前述した実施の形態においては、所定のビッグボーナス終了後や所定のレギュラーボーナス終了後にRTに制御されるように構成してもよい。また、所定のビッグボーナス終了後や所定のレギュラーボーナス終了後に制御されるRTの種類は、1種類に限らず、リプレイに当選する確率または規定ゲーム数が異なる複数種類のRT(たとえば、RTa〜RTc等)のうちいずれかに制御されるものであってもよい。これにより、どの種類のRTに制御されるかに遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
この場合には、さらに、所定のビッグボーナス終了後や所定のレギュラーボーナス終了後に制御されるRT(ここではRTaとする)では複数種類のリプレイ(たとえば、リプレイa〜リプレイc等)のうち少なくともリプレイbおよびリプレイcに当選する確率が初期遊技状態であるときよりも高くなるように判定値数が設定されるように構成してもよい。これにより、RTaに制御されているときには、リプレイbおよびリプレイcに当選する確率が向上する。なお、リプレイbおよびリプレイcは、RTaのときにだけ当選可能で、当該RTa以外の遊技状態では当選しないもの(抽選対象役として読み出されないもの、判定値数が0のものを含む)であってもよい。
さらに、RTaであるときにリプレイbに入賞したときには、リプレイaに当選する確率が、RTaであるときよりも高い遊技者にとって有利なRT(ここではRTbとする)に制御し、RTaであるときにリプレイcに入賞したときには、リプレイaに当選する確率がRTbであるときよりも低くリプレイb入賞したときであってもRTbに制御されない遊技者にとって不利なRT(ここではRTcとする)に制御するように構成してもよい。これにより、RTaへ制御されたときにリプレイbに入賞してRTbへ制御されることに対する期待感を抱かせるとともに、リプレイcに入賞してRTcへ制御されることに対する不安感を抱かせることができ、RTbやRTcに制御されないスロットマシンと比較して、遊技の興趣を向上させることができる。
また、RTaは、リプレイbに当選する確率およびリプレイcに当選する確率のうち少なくとも一方の確率が異なる複数種類のRTを含み、終了したボーナスの種類に応じて予め定められているRT(ビッグボーナス(1)終了時にはRTa、ビッグボーナス(2)終了時にはRTa’、レギュラーボーナス(1)終了時にはRTa”等)に制御するように構成してもよい。これにより、どの種類のボーナスに制御されるか、すなわちリプレイbに当選する確率が高い種類のRTaへ制御されるボーナスに制御されるかに対し遊技者を注目させることができる。また、制御されるボーナスの種類に応じてより有利なRTa(リプレイbに当選する確率が高いRT)に制御されることに対し遊技者が抱く期待感を異ならせてメリハリをつけることができ、ボーナスの種類に関わらず同一のRTに制御されるものと比較して、遊技の興趣を向上させることができる。
(10) 前述した実施の形態において、RT終了図柄が導出されたこと、または、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選したことを条件として、RT1が終了する例について説明した。しかし、このような場合に限らず、RT1は、たとえば、RT終了図柄が導出されたこと、または、予め定められたゲーム数(100回)消化したことを条件として、終了するように構成してもよい。そして、RT1に制御されているときにビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選したときには、RT2に制御せずに、当選したビッグボーナスやレギュラーボーナスに入賞するまで当該RT1に継続して制御するように構成してもよい。これにより、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに入賞しなければビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選しても、当選したビッグボーナスやレギュラーボーナスに入賞するまでRTに継続して制御することが可能となる。このため、予め定められたゲーム数消化するまでにビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選してしまったためRTが終了してしまうことにより遊技者に対して損失感を与えてしまうことを回避することができる。また、特にRT中では、ボーナスを狙って停止操作を行なっても、リプレイが非常に高確率で当選しているうえに、リプレイが揃う制御がボーナスが揃う制御よりも優先されるため、ボーナスに当選しているか否かを判別することが困難となる。また、ボーナスの当選フラグは、入賞するまで次ゲーム以降に持ち越されるため、RTが予め定められたゲーム数に到達することによって終了した後に、その間に当選したボーナスを入賞させることが可能となるので、RTの終了時にボーナスの当選に対する遊技者の期待感を高めることができる。
(11) 前述した実施の形態において、ビッグボーナス(1)およびビッグボーナス(2)の構成図柄が、同一図柄の3つ揃いである例について説明した。しかし、ビッグボーナス(1)およびビッグボーナス(2)の構成図柄は、リール2L〜2R各々において、異なる図柄の組合せとなるものであってもよい。たとえば、ビッグボーナス(1)の構成図柄を「赤7−ブドウ−メロン」の組合せとし、ビッグボーナス(2)の構成図柄を「ブドウ−白7−黒BAR」の組合せとなるものであってもよい。なお、レギュラーボーナス(1)およびレギュラーボーナス(2)の構成図柄の組合せについても、同様に、リール2L〜2R各々において、異なる図柄の組合せとなるものであってもよい。
また、このように構成した場合、ボーナス中演出は、ボーナスの種類に関わらず同一内容の演出を行なうことにより、制御されているボーナスの種類を遊技者が特定できないようにしてもよい。
さらに、所定のビッグボーナス終了後や所定のレギュラーボーナス終了後にRTに制御されるように構成してもよい。そして、所定の報知条件が成立したときに、ボーナス終了後RTに制御されるか否かを報知するようにしてもよい。所定の報知条件とは、たとえば、ボーナスにおいて所定回数ゲームを消化したとき、ボーナスにおいて所定枚数メダルが払い出されたとき、ボーナスが終了したとき等に成立するものであればよい。これにより、ゲーム終了時の図柄の組合せから、ボーナスの種類が遊技者にとって識別しづらくなり、どの種類のボーナスに制御されているか遊技者に気づかせにくくすることができる。このため、ボーナス終了後にRTに制御されるか否かが特定不能となる。その結果、ビッグボーナスであるか、ボーナス終了後RTに制御されるか否かを報知するための演出に遊技者を注目させることができるため、当該演出を行なうことにより効果的に遊技の興趣を向上させることができる。
なお、上記のように構成した場合、さらに複数種類の演出用図柄を変動表示させる仮想リールを有する液晶表示器を、可変表示装置2とは別個にかつ該可変表示装置2よりも視認容易に設けて、サブ制御部91が、可変表示装置2においてリール回転が開始されると仮想リールを変動表示開始し、可変表示装置2において表示結果が導出されると該表示結果に対応した演出用表示結果を導出するように構成してもよい。そして、サブ制御部91は、可変表示装置2においてビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のうちいずれかが導出されたときに演出用表示結果として第1のボーナス表示結果(たとえば、赤7−赤7−赤7)を導出し、可変表示装置2においてレギュラーボーナス(1)またはレギュラーボーナス(2)が導出されたときに演出用表示結果として第2のボーナス表示結果(たとえば、白7−白7−白7)を導出するように構成してもよい。これにより、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに制御されたことを遊技者に分かりやすく報知できるが、規定枚数払い出されて終了することによりRTに制御されるボーナスであるか否かを特定することを困難なものにすることができる。
(12) 前述した実施の形態において、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選したことを契機として、該当選したビッグボーナスやレギュラーボーナスに入賞するまでRT2に制御するように構成してもよいことを説明した。このRT2においては、たとえば、ボーナスに当選したことを条件として、リプレイの当選確率が初期遊技状態よりも向上するものの初期遊技状態中であるときと同様に獲得するメダルが少なくなる可能性が高いRT、すなわち1ゲームあたりに獲得するメダル数の期待値が賭数の設定に用いたメダル数よりも小さくなるRTに制御するように構成してもよい。1ゲームあたりに獲得するメダル数の期待値とは、たとえば、ある遊技状態において所定回数(たとえば、1万回、10万回)ゲームを行なったときに獲得するメダル枚数を、前記所定回数からリプレイ入賞する回数を差引いた回数で除した値(理論値)をいう。
このように構成して、ボーナスに当選したことを条件としてRT2に制御された場合には、たとえば事前決定手段により導出を許容する旨が決定された入賞表示結果の種類または該入賞表示結果を導出させるための操作手順(操作タイミング、操作順序等)を報知する手順報知遊技状態(以下、ナビ演出を行なう状態、ATという)に制御するか否かの決定およびATに制御する場合にはATに制御するAT継続ゲーム数の決定を行ない、ATに制御すると決定されたときに、AT継続ゲーム数消化するかボーナス入賞してRTが終了するまで、RT+ATに制御するように構成してもよい。そして、RT+AT中には、ナビ演出にしたがって当選した小役を取りこぼさずに入賞させることにより、1ゲームあたりに獲得するメダル数の期待値を賭数設定に用いるメダル数よりも大きくして、遊技者所有のメダル数が増加するように構成してもよい。
(13) 前述した実施の形態においては、特別移行入賞表示結果としてビッグボーナス(1)、(2)、レギュラーボーナス(1)、(2)等を例にして説明した。しかし、特別移行入賞表示結果としてはこれらに限るものでなく、たとえば、所定のリールの滑りコマ数が制限され、かつ全ての小役について入賞が許容される遊技状態に制御するチャレンジボーナスであってもよい。
(14) 上記の実施の形態では、設定値の変更を行なう際には、使用中のスタック領域を除いてRAM41cの全てのデータが初期化されるものとなっていた。もっとも、RAM41cのデータを初期化するためには、設定値の変更を行なう際にさらに別個の初期化操作(たとえば、設定キースイッチ37をON状態として電源を投入する際に、さらにデータクリアリセット/設定スイッチ38も操作する)を行なうことが必要になるものとしてもよい。RAM異常エラー状態からは、単なる設定値の変更操作だけではなく初期化操作も行なってRAM41cのデータを初期化することで復帰できるようにしてもよい。具体的には、図19のステップS103においてYESと判断された後、さらに、リセット/設定スイッチ38が操作されているか否かを判断するステップを設けて、当該ステップによりリセット/設定スイッチ38が操作されていると判断されたときに、ステップS109の処理に進めるように構成してもよい。
(15) 上記の実施の形態では、設定値の変更に伴って、設定値ワークの他、使用中のスタック領域を除いてRAM41cの全てのデータが初期化されるものとなっていた。しかし、このように設定値の変更に伴って、使用中のスタック領域を除いてRAM41cの全てのデータが初期化されるものに限らず、設定値の変更を行なう操作とは別個の初期化操作(たとえば、リセット/設定スイッチ38の操作)を行なうことに伴って、設定値ワークと使用中のスタック領域とを除いてRAM41cの全てのデータが初期化され、設定値の変更に伴って、設定値ワークに新たな設定値が記憶されるものであってもよい。
具体的には、図19のステップS102が行なわれた後、リセット/設定スイッチ38が操作されているか否かを判断するステップを設けて、当該ステップによりリセット/設定スイッチ38が操作されていると判断されたときに、設定値ワークと使用中のスタック領域とを除いてRAM41cの全てのデータを初期化する処理を行ない、さらに設定キースイッチ37がON状態となっているか否かを判断する処理を行ない、当該処理により設定キースイッチ37がON状態となっているときにステップS110の処理に進め、設定キースイッチ37がON状態となっていないときに割込禁止を解除する処理を行ない、ゲーム制御処理に進めるように構成してもよい。なお、リセット/設定スイッチ38が操作されていないときにはステップS104の処理に進めるように構成してもよい。これにより、RAM異常エラー状態からは、単なる設定値の変更操作だけではなく初期化操作も行なってRAM41cのデータを初期化することで復帰できる。また、設定値異常を除くRAM異常エラー状態からは、初期化操作のみを行なうことによりRAM41cのデータを初期化することができ復帰できる。
(16) 上記の実施の形態では、リール1周に対して8ステップ毎(1図柄毎)に分割した21の領域(コマ)が定められており、停止制御テーブルとして、それぞれの領域(領域番号)に対応して、引込コマ数(停止位置)が一意的に定められた停止制御テーブル、すなわち1図柄が変動する範囲の領域に対応して停止位置が一意的に定められた停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行なっているが、たとえば、1図柄未満の領域毎、たとえば1ステップ、すなわちリールモータを駆動する際の最小単位毎に、引込ステップ数や引込コマ数(停止位置)を一意的に定めた停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行なってもよく、このようにすることで、リールモータのステップ数単位で停止位置を変化させることが可能となり、停止操作位置に対する停止位置をさらに多様化することができる。この場合も、上記の実施の形態における停止制御テーブルの選択と同様に、リールを停止させる際の制御が複雑化することがないという効果を得ることができる。
(17) 上記の実施の形態では、役別テーブルに登録されたアドレスに記憶された判定値数を内部抽選用の乱数に加算していき、その加算の結果オーバーフローが生じたときに、当該役に当選するものとしていた。これに対して、取得した判定値数を取得した内部抽選用の乱数の値から順次減算して、減算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とするものとしてもよい。判定値数を内部抽選用の乱数の値から減算するときには、減算の結果にオーバーフロー(ここでは、減算結果がマイナスとなること)が生じたかどうかを判定するものとすることができる。
(18) 上記の実施の形態では、内部抽選は、取得した内部抽選用の乱数の値に遊技状況に応じた各役の判定値数を順次加算していき、加算結果がオーバーフローしたときに当該役を当選と判定するものとしていた。これに対して、遊技状況に応じた各役の判定値数に応じて、各役を当選と判定する判定値を定めた当選判定用テーブルをゲーム毎に作成し、取得した内部抽選用の乱数の値を各役の判定値と比較することで、内部抽選を行なうものとしてもよい。
(19) 上記の実施の形態では、判定値数記憶領域は、2バイトの領域を用いて、それぞれの場合における判定値数を記憶するものとしていた。もっとも、一般的なスロットマシンでは、特別役の判定値数は、いずれの遊技状況においても255を超えるものが設定されることはあり得ない。このように255を超える判定値数を設定する必要がないものについては、1バイトの領域だけを用いて、判定値数を記憶するものとしてもよい。
(20) 上記の実施の形態では、判定値数は、設定値1〜4の全体に共通して記憶されているか、設定値1〜4のそれぞれに対して個別に記憶されているかであった。もっとも、設定値1〜4の全体に共通して判定値数が記憶されない(設定値についての共通フラグが設定されない)ものとして、たとえば、設定値1〜2については判定値数が共通、設定値3〜4については判定値数が共通のものとすることもできる。
(21) 上記の実施の形態では、可変表示装置2は、外周部に複数の図柄を所定順に配した3つのリール2L、2C、2Rを備えるものとし、これらのリール2L、2C、2Rの回転駆動によって図柄を可変表示させるものとしていた。しかしながら、液晶表示装置などの表示装置上で仮想的に図柄を可変表示させるものを、上記のような可変表示装置2の代わりに用いてもよい。
(22) 上記の実施の形態では、賭数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
(23) 上記の実施の形態では、サブ制御部91からの演出データの書き込み指令に応じて表示制御回路92のVDP141が該指令に対応した演出データをCGROM142から読み出し、一時記憶メモリ155の演出データ領域に転送させるものとしていた。そして、液晶表示器51に表示する画像の画像データをフレームバッファメモリ156に展開する際には、演出データ領域に転送された演出データを読み出すものとしていた。もっとも、フレームバッファメモリ156への画像データの展開は、演出データのCGROM142から一時記憶メモリ155の演出データ領域への転送のための指令とは別の演出開始指令によりなされていた。これに対して、遊技の進行状況に応じて実行される演出として連続演出のように複数ゲームの期間に跨って継続的に実施される演出がないのであれば、各演出を開始させる際にCGROM142から一時記憶メモリ155の演出データ領域へ演出データを転送させ、そのままフレームバッファメモリ156への画像データの展開を開始させることができ、両者で1回だけサブCPU91aからVDP141へ指令を出力すればよい。特に演出モードに応じた画像のように表示される頻度が高いものであれば、一時記憶メモリ155に常駐させておけば便利である。
(24) 上記の実施の形態では、リールの回転が開始したときおよび、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成しているが、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置または停止済みのリールの停止操作位置)別の停止制御テーブルを予めROM41bに登録しておき、テーブルインデックスに基づいて、遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、およびリールの停止状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定可能とし、リールの回転が開始したときおよび、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、テーブルインデックスを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを設定するようにしてもよい。
(25) 上記の実施の形態では、停止操作位置に対する引込コマ数を一意的に定めた複数の停止制御テーブルのうち、各遊技状態のそれぞれの内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置または停止済みのリールの停止操作位置)に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御を行なっているが、停止操作位置に対する停止位置を一意的に定めた複数の停止位置特定テーブルを停止制御テーブルの替わりに用いて、停止操作が検出された際に、停止位置特定テーブルを参照し、停止操作位置に対応して一意的に特定される停止位置でリールを停止させる制御を行なうようにしてもよい。
また、停止位置に対する停止優先度を定めることにより、停止操作位置(リール基準位置からのステップ数)に対して停止位置を一意的に定めた複数の停止優先テーブルを停止制御テーブルの替わりに用いて、停止操作が検出された際に、停止優先テーブルを参照し、停止操作位置から引込可能範囲(最大5コマ)内にある全ての停止位置の停止優先度を比較し、最も停止優先度の高い停止位置でリールを停止させる制御を行なうようにしてもよい。
また、各遊技状態のそれぞれの内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置または停止済みのリールの停止操作位置)に対して一意的に定められた引込コマ数を選択し、停止操作が行なわれた際に、選択された引込コマ数の範囲内に対象となる停止位置が位置する場合には、当該停止位置を引き込んで停止させる引込制御を行ない、停止が禁止された停止位置を停止させないように他の停止位置を引き込んで停止させる蹴飛ばし制御(いわゆるコントロール方式の制御)を行なうようにしてもよい。このように引込制御および蹴飛ばし制御を行なうことで、停止操作位置(リール基準位置からのステップ数)に対して停止位置が一意的に決まるので、引込制御および蹴飛ばし制御により表示結果を導出させる制御は、停止操作位置に対して停止位置を一意的に特定する制御パターンといえる。
また、各遊技状態のそれぞれの内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置または停止済みのリールの停止操作位置)に対して一意的に定められた制御パターンを選択し、その制御パターンに従ってリールの停止制御を行なうものであれば、停止制御テーブルによるリールの停止制御、停止優先テーブルによるリールの停止制御、引込制御および蹴飛ばし制御によるリールの停止制御を併用して行なうものであってもよく、たとえば、最初に停止したリールのみ停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行ない、他のリールについては、引込制御および蹴飛ばし制御によりリールの停止制御を行なうようにしてもよい。
(26) 上記の実施の形態では、各遊技状態のそれぞれの内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置または停止済みのリールの停止操作位置)に対して一意的に定められた制御パターンを選択し、その制御パターンに従ってリールの停止制御を行なっているが、少なくとも各遊技状態のそれぞれの内部当選状態に対して定められた制御パターンを選択し、その選択した制御パターンに従ってリールの停止制御を行なうものであればよい。
(27) 上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。
さらに、流路切替ソレノイド30や投入メダルセンサ31など、メダルの投入機構に加えて、遊技球の取込を行なう球取込装置、球取込装置により取り込まれた遊技球を検出する取込球検出スイッチを設けるとともに、ホッパーモータ34bや払出センサ34cなど、メダルの払出機構に加えて、遊技球の払出を行なう球払出装置、球払出装置により払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチを設け、メダルおよび遊技球の双方を用いて賭数を設定してゲームを行なうことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球が払い出されるスロットマシンに適用してもよい。
(28) 前述した実施の形態においては、リプレイ(1)+リプレイ(2)に当選しているゲームにおいて、少なくとも中リール2Cを停止させた状態で、左リール2Lについて領域番号9の「メロン」の図柄が下段に位置するタイミングでストップボタン8Lを操作された場合にのみリプレイ(2)に入賞するようにリール制御が行なわれ、仮に左リール2Lについて領域番号9の「メロン」の図柄が下段に位置するタイミングと異なるタイミングで操作さらた場合にはリプレイ(1)に入賞するようにリール制御が行なわれる例について説明した。しかし、左リール2Lについて領域番号9の「メロン」の図柄が下段に位置するタイミングなどの特定のタイミングで操作された場合に特定の表示結果としての「オレンジ−バナナ−バナナ」を停止表示させリプレイ(2)に入賞させるようにし、当該特定のタイミングの前(直前)のタイミングや当該特定のタイミングの後(直後)のタイミングで操作された場合に特定の表示結果と異なる表示結果としての「バナナ−バナナ−バナナ」を停止表示させリプレイ(1)に入賞させるものであれば、前述した実施の形態で説明したものに限らず、たとえば、特定のタイミングでなくかつ当該特定のタイミングの前(直前)のタイミングや当該特定のタイミングの後(直後)のタイミングでもない所定のタイミングで操作された場合にも特定の表示結果としての「オレンジ−バナナ−バナナ」を停止表示させリプレイ(2)に入賞させるようにリール制御が行なわれるものであってもよい。このように構成した場合であっても、遊技者が特定のタイミングを狙って操作した場合に、実際に特定のタイミングで操作することができずその前後のタイミングで操作されたときには特定の表示結果と異なる表示結果が導出され、当該特定のタイミングで操作されたときには特定の表示結果が導出されるため、特定の表示結果が導出されるか否かにより、特定のタイミングで操作できたのかできなかったのか確認することができ、前述した効果と同様の効果を奏する。
(29) 前述した実施の形態においては、特定の表示結果として、入賞役のうちのリプレイ(2)の組合せ、すなわち「オレンジ−バナナ−バナナ」を一例として説明した。しかし、特定の表示結果は、リプレイ(2)と異なる入賞役の組合せであってもよく、また入賞役の組合せに限らず、予め定められたはずれ図柄の組合せであってもよい。
特定の表示結果とする予め定められたはずれ図柄の組合せは、たとえば、リプレイの入賞図柄の組合せを特定の入賞ライン(たとえば、入賞ラインL1〜L3等の横ライン)上に停止させた場合に、特定の入賞ラインと異なる入賞ライン(たとえば、入賞ラインL4、L5等の斜めライン)上に停止されるはずれ図柄の組合せであってもよい。このように構成する場合には、リプレイに当選しているゲームにおいて、次のようにリール制御を行なってもよい。特定のタイミングで操作されたときに、たとえば、入賞ラインL1〜L3等の横ライン上にリプレイの入賞図柄の組合せを停止させるとともに、入賞ラインL4、L5等の斜めライン上に予め定められたはずれ図柄の組合せを停止させるようにリール制御を行ない、また、特定のタイミングの前後のタイミングで操作されたときに、いずれかの入賞ライン上にリプレイの入賞図柄の組合せを導出させるがいずれの入賞ライン上にも予め定められたはずれ図柄の組合せが停止されないようにリール制御を行なうものであってもよい。このように構成した場合であっても、遊技者が特定のタイミングを狙って操作した場合に、実際に特定のタイミングで操作することができずその前後のタイミングで操作されたときにはリプレイ入賞が発生するだけで、特定のタイミングで操作されたときにはリプレイ入賞が発生するとともに別の入賞ライン上に予め定められたはずれ図柄の組合せが停止表示されるため、はずれ図柄の組合せが停止表示されるか否かにより、特定のタイミングで操作できたのかできなかったのか確認することができ、前述した効果と同様の効果を奏する。
(30) 前述した実施の形態においては、終了表示結果として、入賞役のうちのシングルボーナスの組合せ、すなわち「バナナ−バナナ−星」を一例として説明した。しかし、終了表示結果は、シングルボーナスと異なる入賞役の組合せであってもよく、また入賞役の組合せに限らず、予め定められたはずれ図柄の組合せであってもよい。終了表示結果とする予め定められたはずれ図柄の組合せは、たとえば、所定の入賞役に当選しているときに、当該所定の入賞役の図柄の組合せを特定の入賞ライン(たとえば、入賞ラインL1〜L3等の横ライン)上に停止させた場合に、特定の入賞ラインと異なる入賞ライン(たとえば、入賞ラインL4、L5等の斜めライン)上に停止されるはずれ図柄の組合せであってもよい。
(31) なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 スロットマシン、2L,2C,2R リール、8L,8C,8R ストップスイッチ、40 遊技制御基板、41 メイン制御部、41a メインCPU、41b ROM、41c RAM、42 乱数発生回路、43 サンプリング回路、51 液晶表示器、90 演出制御基板、91 サブ制御部、91a サブCPU、91b ROM、91c RAM、92 表示制御回路、141 VDP、142 CGROM、155 一時記憶メモリ、156 フレームバッファメモリ。