JP2009133847A - タービンロータの動的不釣合い測定のための方法および装置 - Google Patents

タービンロータの動的不釣合い測定のための方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】排ガスターボチャージャーのタービンロータの不釣合いを測定するための改善された方法を提供する。
【解決手段】支持装置1にばねにより支持されたハウジング部12が回動可能に支持されているタービンロータ17の動的不釣合い測定のための方法においては、タービンロータ17は第1圧力が導入されている駆動用流体に晒されることにより第1角速度に加速され、また不釣合いによって誘導される振動が測定される。また、第2の、より高い圧力がかかることにより、ハウジング部12を振動を減衰させる緩衝部材23によって支持装置1に連結させることにより、タービンロータ17が第2の、より高い角速度にて回転する間に、不釣合いによって誘導されるハウジング部12の減衰された振動が測定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハウジング部において回動可能に支持されているタービンロータの動的不釣合い測定のための方法および装置に関するものである。
支持装置に対して、ハウジング部が少なくとも二つの振動に対する自由度を持ち、タービンロータが第1圧力により導入される駆動用流体に晒されることによって、第1角速度に加速され、またタービンロータが第1角速度にて回転する間に、不釣合いによって誘導されるハウジング部の振動が測定されるように構成された装置が公知である。(たとえば、特許文献1)
この装置では、振動系は、少なくとも一つのバネ部材を介して固定される。
本発明は、少なくとも一つの緩衝部材を有し、ハウジング部の支持装置に対する相対的な振動に対して、少なくとも二つの自由度を持つように固定することが可能な支持装置を持ち、前記支持装置に固定され、駆動用流体を導入するため、およびタービンロータに駆動用流体を付加するために形成された導入流路を持ったタービンハウジングを有するハウジング部に回動可能に支持されたタービンロータの動的不釣合い測定の方法および装置に関するものである。
この種の従来の方法および装置は、排ガス稼動されるターボチャージャ用のタービンロータの不釣合いを測定するのに用いられるものであるが、できる限り高い精度を得るために、タービンロータおよびタービンロータの軸受を有するハウジング部からなる、いわゆるターボチャージャ・コアアセンブリだけが、不釣合い測定の測定対象となる。不釣合い測定装置に、必要不可欠なハウジング要素が欠けている場合には、それに近似した装置部品、例えばタービンハウジングに置き換えられる。これによってバネにて支持されている質量構造体の共振する質量を小さく抑えることができ、また質量による不釣合い測定への影響が低減され得る。ロータの不釣合いの測定は、タービンロータを通常の作動速度で回転させて行われる。そのため、タービンロータのタービンホイールは、測定装置のタービンハウジング内部に配備されており、駆動用流体としての圧縮エアに晒されることにより、測定に必要な角速度にまで加速される。タービンハウジングは不動の状態に配備されており、十分に大きな隙間によりターボチャージャ・コアアセンブリおよびその軸受の振動部分からは切り離されている。従ってこれらの必要不可欠な隙間を介して、タービンロータを稼動するために導入される圧縮エアの一部が逃げることが考えられ、それは結果として圧縮エネルギーの損失および騒音の発生を引き起こすため、好ましくない。
特開2007−132928号公報
本発明は、排ガスターボチャージャのタービンロータの不釣合いを測定するための改善された方法を提供することを課題としている。また、排ガスターボチャージャの不釣合いを測定するための改善された装置を創作することが本発明の課題である。
請求項1記載の発明は、ハウジング部に回転可能に搭載されたタービンロータの動的不釣合いの測定方法であって、ハウジング部が支持装置に対する相対的な振動に対して少なくとも2つの自由度を有するように、ハウジング部を少なくとも1つの弾性要素を介在させることによって支持装置に固定するステップと、第1の圧力で駆動用流体を供給することにより、タービンロータを第1の角速度まで加速させ、タービンロータが第1の角速度で回転する間に不釣合いによって生じるハウジング部の振動を測定するステップと、第1の圧力よりも高い第2の高圧力で駆動用流体を供給することにより、タービンロータを第2の高速角速度まで加速させ、ハウジング部および支持装置を振動緩衝部材によって結合し、タービンロータが第2の高速角速度で回転する間に不釣合いによって生じるハウジング部の緩衝された振動を測定するステップと、を含むことを特徴とするハウジング部に回転可能に搭載されたタービンロータの動的不釣合いの測定方法である。
請求項2記載の発明は、前記緩衝部材は、供給される前記駆動用流体の圧力に基づく空気力によってハウジング部に連結されることを特徴とする請求項1記載のタービンロータの動的不釣合いの測定方法である。
本発明に基づく方法は、排ガスターボチャージャのタービンロータの不釣合いを、同じ装置で、かつクランプした状態で、低い角速度においても、また高速の、作動速度に一致した角速度においても、いずれでも測定が可能であるというメリットを有する。また、その結果として、測定精度が改善される。不釣合い測定装置の振動系の、高速の角速度にて回転するタービンロータにより発生し、問題を引き起こし得る自励振動は、ハウジング部を緩衝部材により支持装置に連結させることによって、有効に回避される。
さらに前記緩衝部材は、導入される駆動用流体の圧力に応じたエアにてハウジング部と連結されている場合は効果がある。またさらに本発明に基づいて、前記緩衝部材が、連結されている状態において、支持装置、およびハウジング部の間の隙間をシールし、高圧力の場合に隙間を介して駆動用流体を逃がすために使用されるように配備されてもよい。
請求項3記載の発明は、ハウジング部に回転可能に搭載されたタービンロータの動的不釣合いを測定する装置であって、ハウジング部が支持装置に対する相対的な振動に対して少なくとも2つの自由度を有するように、ハウジング部を少なくとも1つの弾性要素を介して固定する支持装置と、前記支持装置に固定され、駆動用流体を供給し、タービンロータへ与えるための導入経路を有し、ハウジング部との間に所定の隙間を有するタービンハウジングと、前記支持装置に設けられ、前記ハウジング部および支持装置を互いに連結させることが可能で、振動を緩衝する緩衝部材と、前記支持装置に設けられ、前記ハウジング部の振動を検出するための少なくとも1つの測定センサと、を含むことを特徴とする不釣合い測定装置である。
請求項4記載の発明は、前記緩衝部材は、前記駆動用流体の圧力に基づく空気力によって前記ハウジング部に連結されることを特徴とする、請求項3記載の不釣合い測定装置である。
請求項5記載の発明は、少なくとも1つの弾性要素の弾性によりたわむ末端部と連結され、前記タービンハウジングおよびハウジング部の間に設けられ、タービンハウジングに臨むリング状表面が所定の隙間を形成しているリング体と、前記リング状表面と対向するタービンハウジングの壁面に形成されたリング溝と、前記リング溝に設けられ、前記駆動用流体の圧力によって前記リング状表面に押し付けられ得るリング状の緩衝部材と、を含む、請求項3または4記載の不釣合い測定装置である。
緩衝部材は、シーリングとして構成してもよく、それによりタービンハウジング、およびハウジング部の間の隙間をシールすることができる。この構成によって、緩衝部材の連結と同時にリング室も閉鎖されるので、導入される駆動用流体はリング室を通して逃げられなくなる。よって、駆動用流体の損失、および好ましからざる流動騒音が阻止される。緩衝部材を受け止めているリング溝は、緩衝部材がリング溝内にて、対向するハウジング部の壁面との間隔を隔てられるような状態にあり、かつ隙間を通して逃げる駆動用流体が高圧力の場合には、これがリング溝から出て、気密にハウジング部の壁面に押さえつけられるように構成することで効果がある。このやり方により、隙間は密閉され、ハウジング部は緩衝部材によりタービンハウジングと連結されるので、発生する共振は減衰される。
図1に部分構成図を示す不釣合い測定装置は、支持装置1により支持され、らせん状の導入流路3および排出流路4を有するタービンハウジング2を備えている。タービンハウジング2は、排出流路4と対向する前端面上にリング状の前面プレート5を有しており、それにはらせん状導入流路3を前端面にて境界を隔て、タービンホイールを支持するための中央開口部が形成されている。支持装置1には、2つの棒状のばね部材6が固定されており、それらはタービンハウジング2の中心軸に対してほぼ平行に、かつタービンハウジング2の中心軸を中心に反対側に配置されている。各ばね部材6は、一方側の末端部7が固定装置8によって支持装置1に固定されている。他方側の末端部9は、タービンハウジング2の前端面側と僅かな隙間を隔てて位置し、タービンハウジング2に同軸に取り付けられたリング状のディスク10にボルト止めされている。ディスク10は、リング状のクランプ装置11を有する。クランプ装置11は、ディスク10の外周縁部であって、ばね部材6とは反対側に配置され、ハウジング部12を固定クランプする機能を有する。図示の実施例においては、ターボチャージャ・コアアセンブリ13のハウジング部12は、フランジ14を有し、その周縁部がクランプ装置11により固定クランプされる。図示のクランプポジションでは、ディスク10の側方に取り付けられている。ターボチャージャ・コアアセンブリ13はハウジング部12の他に、ハウジング部12の一方側に設けられ、かつハウジング部12に回動可能に支持された軸の末端部に固定されたタービンホイール15、および他方側に設けられたコンプレッサホイール16を有するタービンロータ17を含んでいる。クランプされた状態においては、タービンホイール15は、らせん状導入流路3の中心部における前面プレート5の内側にあり、排出流路4の嵌入開口部の内部に末端領域が入り込んでいる。前面プレート5の開口部、および排出流路4の嵌入開口部の内側輪郭は、ターボチャージャ・コアアセンブリ13がアンバランス測定中に振動した場合でも、タービンホイール15がタービンハウジング2に衝突することがないように、タービンホイール15に対して十分に大きな距離を隔てて拡がるような寸法になっている。ハウジング部12の他方側に設けられているコンプレッサホイール16は、測定工程で用いる駆動用流体としてのエアを導入するために、また保護の理由から、密閉ハウジング、あるいは保護フードによって被覆されている。
図2に明記されているように、タービンハウジング2の前面プレート5、およびリング状ディスク10の間には、リング状の間隙18が形成されており、それによりターボチャージャ・コアアセンブリ13は自由に振動することができる。間隙18はその半径方向の内側周縁部にて、前面プレート5の開口部を介してらせん状導入流路3と連通されている。半径方向の外側に向かって、間隙18は開いている。らせん状導入流路3を介して、駆動用流体として導入される圧縮エアにタービンホイールを晒すとき、エアは間隙18にも達し、外に向かって逃げる。
そこで、これを防ぐため、前面プレート5には、ディスク10に向き合っている側に、間隙18に向かって開いているリング溝19が形成されている。リング溝19は、半径方向外側が円すい台状の外側壁20とされ、その直径は間隙18の方向に向かって増大している。リング溝19の半径方向内側は、円筒状断面211およびそれに続く円すい台状の断面212を有する内側壁21とされている。円すい台状断面212の直径は間隙18の方向に向かって増大し、また円すい台状断面212の傾斜は外側壁20の傾斜とほぼ等しいか、あるいはそれより大きくされている。内側壁21には、周辺のいくつかの箇所において、半径方向の内側に伸び、かつ間隙18に向かって開いているポケットまたはスリット22が形成されている。
リング溝19には、リング状の緩衝部材23が配備されている。図示の実施例の場合には、緩衝部材23はOリングであり、ゴム製弾性材料からなっている。しかしOリングの代わりに他の形状の緩衝部材が装備されてもよい。緩衝部材23は略円形の断面を持ち、その直径はリング溝19の深さより若干大きくてもよいが、リング溝19の底部とディスク10の間の間隔より小さい。緩衝部材23の内径は、内側壁21の円筒状断面211の外径とほぼ等しい。これにより、緩衝部材23は、内側壁21の断面211および212により、リング溝19の底部に設置され、ディスク10との最大間隔を有する静止状態に維持されることになる。
不釣合い測定のためターボチャージャ・コアアセンブリ13のタービンロータ17は、タービンホイール15を介して稼動され、その際、第1の、低めの圧力を有する圧縮エアがらせん状導入流路3を介して最初に導入される。第1の、低めの圧力は、タービンロータ17がかなり低い回転数で回転されるように設定されている。この場合、間隙18は、ターボチャージャ・コアアセンブリ13が不釣合い測定の目的のため、外部荷重、およびモーメントなしで振動するように空いていることが重要である。また、低い、第1の圧力の場合、間隙18を通って流れる空気は、リング溝19と緩衝部材23との間を通過するので、そこでは取り立てて言うほどの圧力降下を引き起こすことはないことも保証されている。緩衝部材23は、従って、この低速の測定工程の間は、図2に実線で記載されているような静止ポジションに止まり、リング溝19内に引き戻された状態にある。
高速回転数での不釣合い測定のために、導入される圧縮エアの圧力が、タービンホイール15を高速回転まで加速するために第2の、より高い圧力に高められると、それに応じて間隙18における空気の流れ速度も、またそれと同時に緩衝部材23での圧力降下も高まる。このことは、結果として、緩衝部材23がその静止状態から動き出し、伸び、外側壁20に沿ってディスク10の方向にディスク10に当たるまでスライドする。そして、図2に点線にて示された位置において、緩衝部材23は間隙18を閉鎖する。つまり、高い圧力は導入流路3内にて緩衝部材23のところまで伝わり、緩衝部材23を図2の点線で示す位置に保持する。よって、緩衝部材23は間隙18を塞ぎ、またそれにより高速にて回転する際に発生する振動を緩衝する作用をする。自励振動の発生はそれにより回避され、その振動の振幅は好ましい程度にまで低減される。間隙18の閉鎖は、さらに、導入されたエアが間隙18を通して逃げることを防ぎ、それにより高いエア損失、および障害となる流動騒音を回避するという効果を奏する。
導入流路3内の圧力が再び低い数値まで低減されると、伸びによって引き起こされた緩衝部材23の移動は、低くなった圧力に打ち勝ち、内側壁21の円すい断面212によって導かれながら、当初のポジションに戻る。
記述されている装置は、とりわけ簡単な構造、および信頼性の高い作用方法を特徴とするものである。それはしかし本発明の範囲内において、別の緩衝部材の形態とすることも可能であり、また緩衝部材を装置の振動を生じやすい部分と連結することは、エア式ピストン、あるいは隔膜によっても機能させることができる。
本発明に基づくターボチャージャ・コアアセンブリが配備された不釣合い測定装置の部分断面図である。 図1のX部分の拡大図である。
符号の説明
1 支持装置
2 タービンハウジング
3 導入流路
4 排出流路
5 前面プレート
6 ばね部材
8 固定装置
10 リング状のディスク
11 クランプ装置
12 ハウジング部
13 ターボチャージャ・コアアセンブリ
14 フランジ
15 タービンホイール
16 コンプレッサホイール
17 タービンロータ
18 リング状の隙間
19 リング溝
23 緩衝部材

Claims (5)

  1. ハウジング部に回転可能に搭載されたタービンロータの動的不釣合いの測定方法であって、
    ハウジング部が支持装置に対する相対的な振動に対して少なくとも2つの自由度を有するように、ハウジング部を少なくとも1つの弾性要素を介在させることによって支持装置に固定するステップと、
    第1の圧力で駆動用流体を供給することにより、タービンロータを第1の角速度まで加速させ、タービンロータが第1の角速度で回転する間に不釣合いによって生じるハウジング部の振動を測定するステップと、
    第1の圧力よりも高い第2の高圧力で駆動用流体を供給することにより、タービンロータを第2の高速角速度まで加速させ、ハウジング部および支持装置を振動緩衝部材によって結合し、タービンロータが第2の高速角速度で回転する間に不釣合いによって生じるハウジング部の緩衝された振動を測定するステップと、
    を含むことを特徴とするハウジング部に回転可能に搭載されたタービンロータの動的不釣合いの測定方法。
  2. 前記緩衝部材は、供給される前記駆動用流体の圧力に基づく空気力によってハウジング部に連結されることを特徴とする請求項1記載のタービンロータの動的不釣合いの測定方法。
  3. ハウジング部に回転可能に搭載されたタービンロータの動的不釣合いを測定する装置であって、
    ハウジング部が支持装置に対する相対的な振動に対して少なくとも2つの自由度を有するように、ハウジング部を少なくとも1つの弾性要素を介して固定する支持装置と、
    前記支持装置に固定され、駆動用流体を供給し、タービンロータへ与えるための導入経路を有し、ハウジング部との間に所定の隙間を有するタービンハウジングと、
    前記支持装置に設けられ、前記ハウジング部および支持装置を互いに連結させることが可能で、振動を緩衝する緩衝部材と、
    前記支持装置に設けられ、前記ハウジング部の振動を検出するための少なくとも1つの測定センサと、
    を含むことを特徴とする不釣合い測定装置。
  4. 前記緩衝部材は、前記駆動用流体の圧力に基づく空気力によって前記ハウジング部に連結されることを特徴とする、請求項3記載の不釣合い測定装置。
  5. 少なくとも1つの弾性要素の弾性によりたわむ末端部と連結され、前記タービンハウジングおよびハウジング部の間に設けられ、タービンハウジングに臨むリング状表面が所定の隙間を形成しているリング体と、
    前記リング状表面と対向するタービンハウジングの壁面に形成されたリング溝と、
    前記リング溝に設けられ、前記駆動用流体の圧力によって前記リング状表面に押し付けられ得るリング状の緩衝部材と、
    を含む、請求項3または4記載の不釣合い測定装置。
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