JP2009126895A - カルボン酸亜鉛塩含有フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、耐薬品性[特に、耐コパトーン(登録商標)性]、耐候性およびフィルム成形性に優れたフィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】 カルボン酸基を有し、酸価が0.05〜1.0mmol/gであるアクリル系フィルムを亜鉛塩溶液(特に酢酸亜鉛溶液)で表面処理することにより得られるカルボン酸亜鉛塩含有フィルムは、耐薬品性[特に、耐コパトーン(登録商標)性]、耐候性およびフィルム成形性に優れる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、(メタ)アクリル系樹脂フィルムに関する。
近年、耐薬品性、耐熱性、硬度および耐折り曲げ性、折り曲げ白化性に優れたフィルムが、市場において強い関心を持たれている。具体的な例としては、自動車内外装部品にフィルムをラミネートして使用する塗装代替としての用途や、床材としての用途などがあげられる。
しかし、従来のアクリルフィルムでは、これらの用途において必要特性である耐薬品性、および耐折り曲げ性、折り曲げ白化性が十分ではなかった。そこで、これらの特性を付与した樹脂として、特定組成のメタクリル酸エステル系重合体およびアクリル酸エステル系架橋弾性体粒子からなり、かつ、該架橋弾性体粒子(B)の平均粒子径と多官能性単量体の使用量が特定の関係式を満たすメタクリル系樹脂組成物を、イミド化剤で処理して得られる耐薬品性に優れ、耐折り曲げ性および折り曲げ白化性を改良したイミド化アクリル樹脂が開示されている(特許文献1参照)。
しかしながら、該樹脂は、溶融粘度が高いことに起因して、Tダイ式押出機などを用いたフィルム化や異物の溶融濾過において改善の余地があった。
また、該樹脂は、耐薬品性に優れるが、近年の自動車内装用途では、日焼け止め薬剤等[例えば、コパトーン(登録商標)]にも対応できる耐薬品性を要求されるようになってきており、このような特殊な薬剤に対する耐薬品性においても更なる改良が望まれていた。
特開2005−290136号
本発明は、耐薬品性、耐候性および成形性に優れたフィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、フィルム表層に存在する(メタ)アクリル酸の金属塩への置換による架橋効果に着目して、耐薬品性の改良検討を行った。その結果、フィルム表層に存在するカルボン酸基をカルボン酸ナトリウム塩などのカルボン酸亜鉛塩以外の金属塩に置換した場合、自動車用フィルムに要求される薬品への耐性が満足できるレベルまで向上せず、かつ、水に対する親和性が良くなるため、自動車外装用フィルムに要求される耐候性が悪化したりする場合があった。
これに対して、酸価が0.05〜1.0mmol/gであるアクリル系樹脂組成物を成形してなるアクリル系フィルムを亜鉛塩溶液で表面処理することにより、フィルム表層の(メタ)アクリル酸をカルボン酸亜鉛塩に置換することにより、自動車用フィルムで供給される日焼け止め薬剤や芳香剤、トルエン等の極性溶剤への耐性が飛躍的に向上したフィルムを得ることができ、かつ、カルボン酸ナトリウム塩に変換した際に生じた耐候性の低下が抑制されることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、
[1]酸価が0.05〜1.0mmol/gであるアクリル系フィルムを亜鉛塩溶液にて表面処理することにより得られる、カルボン酸亜鉛塩含有フィルム、
[2]亜鉛塩溶液が酢酸亜鉛溶液であることを特徴とする、[1]記載のカルボン酸亜鉛塩含有フィルム、
[3]亜鉛塩溶液を10〜90℃の条件下で表面処理することを特徴とする、[1]また[2]に記載のカルボン酸亜鉛塩含有フィルム、
[4]アクリル系フィルムが、アクリル系架橋弾性体含有グラフト共重合体(A)35〜70重量%およびメタクリル系重合体(B)30〜65重量%からなるアクリル系樹脂組成物を成形してなるアクリル系フィルムであることを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載のカルボン酸亜鉛塩含有フィルム、および
[5][1]〜[4]のいずれかに記載のフィルムを、金属またはプラスチックに積層してなる積層品
に関する。
本発明によれば、耐薬品性[耐コパトーン(登録商標)性など]、耐候性およびフィルム成形性に優れたフィルムを提供することが可能である。
本発明のカルボン酸亜鉛塩含有フィルムは、酸価が0.05〜1.0mmol/gであるアクリル系フィルムを亜鉛塩溶液で表面処理することにより得られる。
ところで、アクリル系フィルムを成形する際に、押出機中において基材樹脂に含有される(メタ)アクリル酸および亜鉛化合物を反応させることにより、耐薬品性を向上させることも可能である。しかし、該反応では、副生成物の生成により透明性が低下する場合や、溶融粘度が高くなるため、フィルムにダイラインなどの欠陥が生じる場合がある。
これに対して、アクリル系フィルムの表層のみを改質することにより、上述した問題が生じることなく要求される耐薬品性を向上させることができる。
本発明における亜鉛塩溶液とは、フィルムを浸漬、塗布などにより接触させることにより、フィルム表面のカルボン酸基をカルボン酸亜鉛塩に変換できる亜鉛化合物含有溶液を示す。
本発明において、亜鉛塩溶液に含まれる亜鉛化合物は、カルボン酸基をカルボン酸亜鉛塩に変換できるものであれば特に制限はないが、反応性、コスト面の観点から、酢酸亜鉛が好適である。
本発明において、亜鉛化合物を溶解させる溶媒としては、本発明を実施できるものであれば特に制限はないが、亜鉛化合物への相溶性およびフィルム表面への親和性の観点から、アルコールと水の混合用溶液が好ましく、メタノールと水の混合溶液が特に好ましい。
本発明において、亜鉛塩溶液中の亜鉛化合物の濃度は、特に制限はないが、5重量%以上が好ましく、8重量%以上がより好ましい。亜鉛化合物の濃度が5重量%未満の場合、処理時間が長くなり、生産性が低下する傾向がある。
本発明において、表面処理の方法は、アクリル系フィルムと亜鉛塩溶液が接触できれば特に制限はないが、亜鉛塩溶液中にフィルムを連続的に浸漬する方法が好ましい。
本発明において、表面処理の際には、90℃以下で加温した亜鉛塩溶液中にフィルムを浸漬することが好ましく、70℃以下に加温することがより好ましい。亜鉛塩溶液を90℃超に加温すると、得られるフィルムがカールしたり、透明性が悪化する傾向がある。亜鉛塩溶液の温度を10℃未満にすると、表面処理時間が長くなり、生産性が低下する傾向がある。
本発明において、フィルムの表面処理時間は、本発明の目的が達成できれば特に制限はないが、10分以下が好ましく、5分以下がより好ましい。処理時間が10分を超えると、フィルムの透明性が悪化したり、生産性が低下する傾向がある。
本発明におけるアクリル系フィルムとしては、酸価が0.05〜1.0mmol/gが好ましく、酸価が0.1〜0.7mmol/gがより好ましい。フィルムの酸価が0.05〜1.0mmol/gであれば、耐コパトーン(登録商標)性、耐キシレン性の向上とダイラインなどフィルムの外観改善との両立が可能であり、さらに耐アルカリ性の低下を抑制できる点から、好ましい。
ところで、表面処理を行わない場合、0.3mmol/g未満の酸価を有するアクリル系フィルムでは、耐コパトーン性、耐キシレン性の向上が不十分になる傾向があり、また、0.7mmol/gを超える酸価を有するアクリル系フィルムでは、耐アルカリ性が低下する傾向がある。これに対して、本発明の表面処理を施すことにより、これらの品質の低下を回避することができる。
なお、本発明において、酸価とは、溶剤に溶解したフィルムに所定量の水酸化ナトリウム水溶液を加え、その溶液を塩酸水溶液で中和滴定することにより、測定した値である。
本発明のアクリル系フィルムとしては、上記範囲の酸価を有していれば、特に制限はない。
例えば、(メタ)アクリル酸エステル単量体を重合して得られるアクリル系樹脂組成物をメチルアミンなどのイミド化剤により処理したイミド化アクリル樹脂組成物は、イミド化反応の際に(メタ)アクリル酸やグルタル酸無水物が副成されるため、このような樹脂より得られるフィルムを用いてもよい。
本発明におけるアクリル系フィルムを得るためのアクリル系樹脂組成物としては、耐折り曲げ性、折り曲げ白化性を兼備できる観点から、アクリル系架橋弾性体含有グラフト共重合体(A)およびメタクリル系重合体(B)からなるアクリル系樹脂組成物を成形してなるフィルムを用いることが好ましい。
本発明におけるアクリル系架橋弾性体含有グラフト共重合体(A)は、(メタ)アクリル酸エステル系架橋弾性体粒子の存在下に、(メタ)アクリル酸エステル単量体をグラフト重合することにより得られる。
本発明におけるアクリル系架橋弾性体含有グラフト共重合体(A)のアクリル系架橋弾性体は、アクリル酸アルキルエステル単量体50〜100重量%、メタクリル酸アルキルエステル単量体0〜50重量%を含む単量体混合物100重量部に対し、1分子あたり2個以上の非共役二重結合を有する多官能性単量体0.5〜5重量部を混合したものを、1段以上で共重合させてなるものである(多段階に組成、反応条件を調整することも可能である。)。より好ましい単量体混合物組成は、アクリル酸アルキルエステル単量体60〜100重量%、メタクリル酸アルキルエステル単量体0〜40重量%を含むものである。メタクリル酸アルキルエステル単量体が50重量%以下であれば、得られるフィルムの耐折曲げ性の視点から好ましい。
本発明におけるアクリル系架橋弾性体含有グラフト共重合体(A)のアクリル系架橋弾性体における、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル等の反応性単量体としては、重合反応性やコストの点から、アルキル基の炭素数が1〜12であるものが好ましい。その具体例としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等があげられ、これらの単量体は、単独で使用してもよく、2種以上を組合せて使用してもよい。
本発明におけるアクリル系架橋弾性体には、必要に応じて、アクリル酸アルキルエステル単量体、メタアクリル酸エステル単量体と共重合可能なエチレン系不飽和単量体等を共重合してもかまわない。共重合可能なエチレン系不飽和単量体としては、例えば、塩化ビニル、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、塩化ビニリデン、弗化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン、アクリル酸、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸カルシウム等のアクリル酸およびその塩、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸グリシジル、アクリルアミド、N−メチロ−ルアクリルアミド等のアクリル酸アルキルエステル誘導体、メタクリル酸、メアクリル酸ナトリウム、メタアクリル酸カルシウム等のメタクリル酸およびその塩、メタクリルアミド、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸グリシジル等のメタクリル酸アルキルエステル誘導体等があげられる。これらの単量体は単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
さらに、本発明におけるアクリル系架橋弾性体は、1分子あたり2個以上の非共役な反応性二重結合を有する多官能性単量体が共重合されているため、通常、得られる重合体が架橋弾性を示す。また、アクリル系コアシェル重合体(A)のコアの重合時に反応せずに残った多官能性単量体の一方の反応性官能基(二重結合)がグラフト交叉点となって、(メタ)アクリル酸エステル単量体が、グラフトされるものと考えられる。
本発明において用いられる多官能性単量体としては、例えば、アリルメタクリレート、アリルアクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジビニルアジペート、ジビニルベンゼンエチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼンエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコ−ルジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコ−ルジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレートおよびジプロピレングリコールジアクリレート等があげられる。これらの多官能性単量体は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明におけるアクリル系架橋弾性体含有グラフト共重合体(A)のアクリル系架橋弾性体の平均粒子径は、500〜1500Åが好ましく、500〜1300Åがより好ましく、600〜1100Åがさらに好ましい。平均粒子径が500〜1500Åであれば、耐衝撃性、引張破断時の伸び、フィルム切断時の耐クラック性、耐折り曲げ白化性および透明性の観点から好ましい。
本発明におけるアクリル系架橋弾性体に用いられる多官能性単量体量は、耐応力白化性、耐衝撃性、透明性、引張破断時の伸び、フィルム切断時の耐クラック性、フィルムの成形性、耐折り曲げ白化を損なわない範囲であれば、特に制限はない。
本発明におけるアクリル系架橋弾性体含有グラフト共重合体(A)のグラフト成分は、(メタ)アクリル酸エステル系架橋弾性体粒子の存在下に、(メタ)アクリル酸直鎖アルキルエステル単量体90〜99.5重量%および(メタ)アクリル酸単量体0.5〜10重量%を共重合することにより得られる。また、(メタ)アクリル酸単量体の代わりに、(メタ)アクリル酸t−ブチルエステル単量体を用いて共重合した後に、加熱処理することにより、(メタ)アクリル酸t−ブチルエステル単位を(メタ)アクリル酸単位に置換してもよい。
本発明におけるより好ましいグラフト成分の単量体組成は、(メタ)アクリル酸直鎖アルキルエステル単位91〜98重量%、(メタ)アクリル酸単位2〜9重量%を含むものである。(メタ)アクリル酸単位が0.5〜10重量%であれば、得られるフィルムの耐薬品性[耐コパトーン(登録商標)性]および低溶融粘度が両立されるために好ましい。
本発明におけるアクリル系コアシェル重合体(A)のグラフト成分に用いられる(メタ)アクリル酸直鎖アルキルエステル、およびこれらと共重合可能なエチレン系不飽和単量体の具体例としては、前記アクリル系架橋弾性体で用いたものが使用可能である。
この際、グラフト成分を構成する単量体混合物においては、アクリル酸エステル系架橋弾性体にグラフト反応せずに、未グラフトの重合体となる成分(フリーポリマー)が生じるが、これは、後述するメタクリル系重合体(B)の一部となる。
本発明におけるメタクリル系重合体(B)は、メタクリル酸アルキルエステル単量体50〜90重量%、アクリル酸アルキルエステル単量体0〜50重量%、(メタ)アクリル酸単量体0〜10重量%を含む単量体混合物を共重合させてなるものである。より好ましい組成は、メタクリル酸アルキルエステル単量体70〜90重量%、アクリル酸アルキルエステル単量体1〜20重量%、(メタ)アクリル酸単量体0〜8重量%である。(メタ)アクリル酸単量体が10重量%超の場合、溶融粘度が高くなり成形加工性が悪化する傾向がある。
本発明におけるメタクリル系重合体(B)としては、(メタ)アクリル酸単量体の代わりに(メタ)アクリル酸第三ブチルエステル単量体を用いて共重合した後に、加熱処理することにより、(メタ)アクリル酸第三ブチルエステル単位を(メタ)アクリル酸単位に置換したものでもよい。
本発明におけるメタクリル系重合体(B)には、必要に応じて、アクリル酸アルキルエステル単量体、メタアクリル酸エステル単量体と共重合可能なエチレン系不飽和単量体等を共重合してもかまわない。共重合可能なエチレン系不飽和単量体としては、例えば、塩化ビニル、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、塩化ビニリデン、弗化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン、アクリル酸、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸カルシウム等のアクリル酸およびその塩、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸グリシジル、アクリルアミド、N−メチロ−ルアクリルアミド等のアクリル酸アルキルエステル誘導体、メタクリル酸、メアクリル酸ナトリウム、メタアクリル酸カルシウム等のメタクリル酸およびその塩、メタクリルアミド、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸グリシジル等のメタクリル酸アルキルエステル誘導体等があげられる。これらの単量体は単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明におけるフィルム用樹脂の製造方法は特に限定されず、公知の乳化重合法、乳化−懸濁重合法、懸濁重合法、塊状重合法、溶液重合法などが適用可能であるが、乳化重合法が特に好ましい。
アクリル系架橋弾性体含有グラフト共重合体(A)の重合、およびメタクリル系重合体(B)の重合における開始剤としては、公知の有機系過酸化物、無機系過酸化物、アゾ化合物などの開始剤を使用することができる。具体的には、例えば、第三ブチルハイドロパ−オキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパ−オキサイド、スクシン酸パ−オキサイド、パ−オキシマレイン酸第三ブチルエステル、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物や、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機過酸化物、さらにアゾビスイソブチロニトリル等の油溶性開始剤も使用される。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。これらの開始剤は亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルフォキシレート、アスコルビン酸、ヒドロキシアセトン酸、硫酸第一鉄、硫酸第一鉄とエチレンジアミン四酢酸2ナトリウムの錯体なとの還元剤と組み合わせた通常のレドックス型開始剤として使用してもよい。
前記有機系過酸化物は、重合系にそのまま添加する方法、単量体に混合して添加する方法、乳化剤水溶液に分散させて添加する方法など、公知の添加法で添加することができるが、透明性の点から、単量体に混合して添加する方法あるいは乳化剤水溶液に分散させて添加する方法が好ましい。
また、前記有機系過酸化物は、重合安定性、粒子径制御の点から、2価の鉄塩等の無機系還元剤および/またはホルムアルデヒドスルホキシル酸ソ−ダ、還元糖、アスコルビン酸等の有機系還元剤と組み合わせたレドックス系開始剤として使用するのが好ましい。
前記乳化重合に使用される界面活性剤にも特に限定はなく、通常の乳化重合用の界面活性剤であれば使用することができる。具体的には、例えば、アルキルスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルフォコハク酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等の陰イオン性界面活性剤や、アルキルフェノール類、脂肪族アルコ−ル類とプロピレンオキサイド、エチレンオキサイドとの反応生成物等の非イオン性界面活性剤等が示される。これらの界面活性剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。更に要すれば、アルキルアミン塩等の陽イオン性界面活性剤を使用してもよい。
アクリル系コアシェル重合体(A)の重合、およびメタクリル系重合体(B)の重合における開始剤の添加量は単量体混合物100重量部に対し、0.03〜3.5重量%の範囲が好ましく、0.1〜2.5重量%がより好ましく、0.3〜1.5重量%がさらに好ましい。開始剤の添加量が上記範囲であれば、得られるフィルムの機械強度、フィルム作製時の溶融粘度(成形加工性)の視点から好ましい。
本発明においては、単量体混合物を重合して得られるポリマーの分子量を制御するために、連鎖移動剤を使用することが可能である。連鎖移動剤としては例えば、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、イソプロピルメルカプタン、n-ブチルメルカプタン、第三ブチルメルカプタン、n-ヘキシルメルカプタン、n-オクチルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、エチルチオグリコレート、メルカプトエタノール、チオ-β-ナフトール、チオフェノール、ジメチルジスルフィド等が用いられる。連鎖移動剤の使用量としては、単量体混合物100重量部に対し、0.02〜2.2重量部の範囲が好ましく、0.1〜1.5重量部がより好ましく、0.2〜1.0重量部がさらに好ましい。連鎖移動剤の使用量がこの範囲にあれば、得られるフィルムの機械強度、成形加工性の視点から好ましい。
本発明のアクリル系樹脂組成物に含まれるアクリル系架橋弾性体粒子含有グラフト共重合体(A)の含有量は、全体を100重量%とした場合、35〜70重量%が好ましく、40〜65重量%がより好ましい。この範囲であれば、得られるフィルムの溶融粘度、耐折り曲げ性の観点から好ましい。
また、本発明のアクリル系樹脂組成物に含まれるメタクリル系重合体(B)の含有量は、30〜65重量%が好ましく、35〜60重量%がより好ましい。この範囲であれば、得られるフィルムの溶融粘度、耐折り曲げ性の観点から好ましい。
本発明におけるアクリル系架橋弾性体粒子含有グラフト共重合体(A)およびメタクリル系重合体(B)は、乳化重合等により、ラテックスとして得られた場合は、凝固、洗浄および乾燥の操作により、または、スプレー乾燥、凍結乾燥などによる処理により、重合体を分離、回収することができる。
本発明のフィルムは、溶融押出法により得ることができる。本発明における溶融押出法としては、通常の溶融押出法であるインフレーション法、Tダイ押出法、カレンダー法、等を挙げることができる。また、フィルムを成形する際、フィルム両面を金属ロールまたは金属ベルトに同時に接触させることにより、特に、ガラス転移温度以上の温度に加熱した金属ロールまたは金属ベルトに同時に接触させることにより、表面性のより優れたフィルムを得ることも可能である。また、目的に応じて、フィルムの積層成形や二軸延伸によるフィルムの改質も可能である。
溶融押出法によりフィルム化する際には、樹脂組成物に対して、一般に用いられる酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤などの耐候性安定剤や、触媒、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤、収縮防止剤、抗菌・脱臭剤等を、単独または2種以上組み合わせて、本発明の目的が損なわれない範囲で添加してもよい。
また、本発明のフィルムを得るためのアクリル系樹脂組成物には、必要に応じて、ポリグルタルイミド、無水グルタル酸樹脂、ラクトン環化メタクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等を配合することも可能である。ブレンドの方法は特に限定されず、公知の方法を用いることが可能である。
本発明のカルボン酸亜鉛含有フィルムは、金属、プラスチックなどに積層して用いることができる。積層の方法としては、鋼板などの金属板に接着剤を塗布した後、金属板にフィルムを載せて乾燥させ貼り合わせるウエットラミネートや、ドライラミネート、エキストル−ジョンラミネート、ホットメルトラミネートなどが挙げられる。
プラスチック部品にフィルムを積層する方法としては、フィルムを金型内に配置しておき、射出成形にて樹脂を充填するフィルムインサート成形、ラミネートインジェクションプレス成形や、フィルムを予備成形した後金型内に配置し、射出成形にて樹脂を充填するフィルムインモールド成形などがあげられる。
本発明のカルボン酸亜鉛含有フィルムは、自動車内外装材、日用雑貨品、壁紙、塗装代替用途、家具や電気機器のハウジング、ファクシミリなどのOA機器のハウジング、床材、電気または電子装置の部品、浴室設備などに使用することができる。また、光ディスク用の光記録分野、液晶用導光板、偏光子保護フィルムや位相差フィルムなどの液晶ディスプレイ用フィルム、表面保護フィルムなどの情報機器分野、光通信分野、滅菌処理の必要な医療機器分野、建築・建材分野、などにも使用可能である。
本発明は上述した用途に限定されるものではなく、請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
以下の製造例、実施例および比較例中の「部」は重量部、「%」は重量%を表す。略号は、それぞれ下記の物質を表す。
BA:アクリル酸ブチル
MMA:メタクリル酸メチル
EHA:2−エチルへキシルアクリレート
tBuA:t−ブチルアクリレート
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
AlMA:アリルメタクリレート
CHP:クメンハイドロパーオキサイド
tDM:t−ドデシルメルカプタン
なお、以下の実施例および比較例で測定した物性の各測定方法は、次のとおりである。
(1)重合転化率の評価
得られたメタクリル系樹脂組成物ラテックスを、熱風乾燥機内にて120℃で1時間乾燥して固形成分量を求め、重合転化率(%)=100×固形成分量/仕込み単量体の式により、重合転化率を算出した。
(2)ラテックスの平均粒子径の評価
得られたメタクリル系樹脂組成物ラテックスを、LEED&NORTHRUP INSTRUMENTS社のMICROTRAC UPA150を用い、光散乱法により体積平均粒子径(μm)を測定した。
(3)酸価の測定
以下の手順に沿って酸価測定を行い、酸含有率を算出した。
1)重合体の滴定:塩化メチレン(37.5ml)にフィルム(0.3g)を溶解後、メタノール(37.5ml)を添加した。この溶液にフェノールフタレイン/エタノール溶液(1wt%)を2滴添加した。0.1N水酸化ナトリウム水溶液(5ml)を添加し、1時間攪拌した。この溶液に0.1N塩酸を滴下して溶液の赤紫色が消失するまでの0.1N塩酸の滴下量A(ml)を測定した。
2)ブランクの滴定:塩化メチレン(37.5ml)およびメタノール(37.5ml)の混合物に、フェノールフタレイン/エタノール溶液(1重量%)を2滴添加した。これに0.1N−水酸化ナトリウム水溶液(5ml)を添加した。この溶液に0.1N塩酸を滴下して溶液の赤紫色が消失するまでの0.1N塩酸の滴下量B(ml)を測定した。
3)重合体中の酸価(酸および酸無水物量の総量)をC(mmol/g)として、次式を用いて算出した。
C=0.1×(5−A−B)/0.3
(4)耐薬品性
[耐トルエン性、耐キシレン性]
得られたフィルムにトルエンあるいはキシレンを1滴(0.02g)滴下し、常温で乾燥するまで放置し、目視で滴下部の変化を観測した。
○:変化が認められない
△:微小な滴下跡が認められる
×:樹脂の劣化、変色が認められる
[耐日焼け止め性剤性(耐コパトーン(登録商標)性)(試験法1)]
得られたフィルムに日焼け止め剤(コパトーン ウォーターバイビーズ・ローションSPF50)を少量塗布し、その上にガーゼを押し当て、500gの加重をかける。そのまま室温で1時間放置した後、オーブンで74℃、64℃または54℃で1時間加熱した後、付着した日焼け止め剤をガーゼでふき取り、塗布部の変化を目視で観測した。
○:変化が認められない
△:微小な塗布跡が認められる
×:樹脂の劣化、変色が認められる
[耐日焼け止め剤性(耐コパトーン(登録商標)性)(試験法2)]
得られたフィルムに、日焼け止め剤(コパトーン ウォーターバイビーズ・ローションSPF50)を一滴(約0.005g)滴下し、約2cm×3cmの範囲に刷毛で均一に延ばし、その後、90℃で24時間放置した後、付着した日焼け止め剤をガーゼでふき取り、塗布部の変化を目視で観測した。
○:変化が認められない
△:微小な塗布跡が認められる
×:樹脂の劣化、変色が認められる
[耐ポピー(登録商標)性]
得られたフィルムに、芳香剤(ダイヤケミカル製、グレイスメイトポピー 柑橘系(車用芳香剤))を1滴滴下し、そのまま室温で1時間放置した後、オーブン内にて80℃で1時間加熱した後、塗布部の変化を目視で観測した。
○:変化が認められない
△:微小な塗布跡が認められる
×:樹脂の劣化、変色が認められる
[耐アルカリ性]
得られたフィルムを、0.1Mの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、55℃で4時間放置し、目視で試験片の変化を観測した。
○:変化が認められない
△:微小な劣化が認められる
×:樹脂の劣化、変色が認められる。
(5)耐候性
得られたフィルムを、照射照度255w/m(全波長)、70w/m(280〜400nm)、温度63℃、降雨12分→雨なし48分サイクル、雨なし時の湿度50%の条件にて、サンシャインウェザオメーターにより耐候性促進試験を2000時間実施し、試験後のフィルムを目視で観察した。
(実施例1)
[樹脂の製造]
攪拌機付き8L重合装置に、以下の物質を仕込んだ。
脱イオン水 200部
ジオクチルスルフォコハク酸ナトリウム 0.25部
ソディウムホルムアルデヒドスルフォキシレート 0.15部
エチレンジアミン四酢酸−2−ナトリウム 0.005部
硫酸第一鉄 0.0015部
重合機内を窒素ガスで充分に置換し実質的に酸素のない状態とした後、内温を60℃にし、単量体混合物(A)[すなわち、BA60%、EHA30%およびMMA10%からなる単量体混合物100重量部に対し、ALMA3部およびCHP0.2部からなる単量体混合物]30部を10部/時間の割合で連続的に添加し、添加終了後、さらに0.5時間重合を継続し、アクリル系架橋弾性重合体を得た。重合転化率は99.5%であり、平均粒子径は850Åであった。
その後、ジオクチルスルフォコハク酸ナトリウム0.3部を仕込んだ後、内温を60℃にし、単量体混合物(B)[すなわち、MMA83%、tBuA11%およびBA5%からなる単量体混合物100重量部に対し、tDM0.3部およびCHP0.34部からなる単量体混合物]70部を10部/時間の割合で連続的に添加し、さらに1時間重合を継続し、アクリル系架橋弾性重合体含有グラフト共重合体ラテックスを得た。重合転化率は99.0%であった。
得られたラテックスを塩化カルシウムで塩析、凝固し、水洗、乾燥して樹脂粉末(1)を得た。
[ペレット化]
次いで、樹脂粉末(1)70重量部および市販アクリル樹脂アクリペットVH[三菱レイヨン製、酸価=0mmol/g]30重量部の混合物を、2段ベント付き40mmφ単軸押出機(田辺プラスチックス製)を用いて、シリンダ温度を265℃、2つのベント口の圧力を −0.095MPaに設定して溶融混練を行い、ペレット状の樹脂を得た。なお、この樹脂のNMR測定では、1.3〜1.5ppm付近のt−ブチル基に由来するピークは消失しており、脱離反応の進行が確認される。
[フィルムの製造]
さらに、得られたペレット状樹脂を、ベント付Tダイ付き40mmφ押出機を用いて、シリンダ温度260℃、ダイス温度260℃にて成形し、厚み125μmのアクリル系フィルムを得た。
得られたフィルムの酸価は0.40mmol/gであった。
[フィルムの表面処理]
得られたアクリル系フィルムを、酢酸亜鉛をメタノール50%/水50%混合溶液に溶解させた溶液(酢酸亜鉛含有量13重量%)に、70℃にて1分間の条件で浸漬した。その後、浸漬後のフィルムを純水で洗浄した後に100℃で乾燥した。
得られたフィルムの特性を、表1に示す。
(実施例2)
前記酢酸亜鉛溶液(酢酸亜鉛含有量13重量%)への浸漬条件を、60℃、5分間に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。
得られたフィルムの特性を表1に示す。
(実施例3)
前記酢酸亜鉛溶液(酢酸亜鉛含有量13重量%)への浸漬条件を、26℃、60分間に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。
得られたフィルムの特性を、表1に示す。
(実施例4)
前記酢酸亜鉛溶液(酢酸亜鉛含有量13重量%)への浸漬条件を、80℃、15秒間に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。
得られたフィルムの特性を表1に示す。
(実施例5)
前記酢酸亜鉛溶液(酢酸亜鉛含有量13重量%)への浸漬条件を、93℃、10秒間に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。
得られたフィルムの特性を表1に示す。
得られたフィルムは、目視で確認できるレベルまで透明性が低下しており、さらにカールしておりフラット性が良好でなかった。
(実施例6)
[樹脂の製造]
メタクリル酸メチル−スチレン共重合体[新日鐵化学(株)製、MS−800、MMA/ST=80/20(モル比)]100重量部を、イミド化剤であるメチルアミン(三菱ガス化学(株)製)20部を用いて、以下のように、イミド化アクリル樹脂を製造した。
使用した押出機は、L/D比=90、口径40mmφの噛合い型同方向回転式二軸押出機である。ホッパーより不活性ガスである窒素を200ml/minの流量で押出機内にフローした。押出機の反応ゾーン(一級アミン添加口からベント口の間)の設定温度を270℃、スクリュー回転数は200rpmとした。ホッパーから110℃で8時間乾燥させた上記原料樹脂を20kg/hrで供給し、ニーディングブロックによって樹脂を溶融、充満させた後、ノズルから原料樹脂に対して20重量部のモノメチルアミンを注入した。反応ゾーンの末端(ベント口の手前)にはリバースフライトを入れて樹脂を充満させた。反応後の副生成物および過剰のメチルアミンをベント口の圧力を−0.092MPaに減圧して除去した。押出機出口に設けられたダイスからストランドとして出てきた樹脂は、水槽で冷却した後、ペレタイザでペレット化した。
[フィルムの製造]
さらに得られたペレット状樹脂を、ベント付Tダイ付き40mmφ押出機を用いて、シリンダ温度260℃、ダイス温度260℃にて成形し、厚み50μmのアクリル系フィルムを得た。
得られたフィルムの酸価は、0.22mmol/gであった。
[フィルムの表面処理]
得られたアクリル系フィルムを、前記酢酸亜鉛溶液(酢酸亜鉛含有量13重量%)に70℃、1分間の条件にて浸漬させた後、純水で洗浄後に100℃で乾燥した。
得られたフィルムの特性を、表1に示す。
(実施例7)
[フィルムの製造]
酸価が0.45mmol/gであるアクリル系樹脂[アルケマ社製、ALTUGLAS(登録商標)、HT121]を、ベント付Tダイ付き40mmφ押出機を用いて、シリンダ温度260℃、ダイス温度260℃にて成形し、厚み50μmのアクリル系フィルムを得た。
得られたフィルムの酸価は、0.45mmol/gであった。
[フィルムの表面処理]
得られたアクリル系フィルムを、前記酢酸亜鉛溶液(酢酸亜鉛含有量13重量%)に70℃、1分間の条件で浸漬し、純水で洗浄後に100℃で乾燥した。
得られたフィルムの特性を、表1に示す。
(実施例8)
[樹脂の製造]
単量体混合物(B)の組成を、MMA74%、tBuA20%およびBA5%からなる単量体混合物100重量部に対し,tDM0.3部およびCHP0.34部からなる単量体混合物に変更した以外は、実施例1と同方法にて樹脂粉末(2)を得た。
[ペレット化]
次いで、樹脂粉末(1)の代わりに、樹脂粉末(2)を用いた以外は、実施例1と同方法でペレット状の樹脂を得た。
[フィルムの製造]
さらに、得られたペレット状樹脂を、ベント付Tダイ付き40mmφ押出機を用いて、シリンダ温度270℃、ダイス温度270℃にて成形し、厚み125μmのアクリル系フィルムを得た。
得られたフィルムの酸価は0.86mmol/gであった。
[フィルムの表面処理]
得られたアクリル系フィルムを、前記酢酸亜鉛溶液(酢酸亜鉛含有量13重量%)に、70℃にて1分間の条件で浸漬し、純水で洗浄後に100℃で乾燥した。
得られたフィルムの特性を、表1に示す。
(比較例1)
[フィルムの表面処理]
実施例1で得られたアクリル系フィルムを、13wt%の水酸化ナトリウムのメタノール50%/水50%混合溶液に70℃、1分間の条件で浸漬し、純水で洗浄後に100℃で乾燥した。
得られたフィルムの特性を、表1に示す。
(比較例2)
[フィルムの製造]
酸価が0mmol/gである市販アクリル樹脂であるアクリペットVH(三菱レイヨン製)を、ベント付Tダイ付き40mmφ押出機を用いて、シリンダ温度260℃、ダイス温度260℃にて成形し、厚み50μmのアクリル系フィルムを得た。
得られたフィルムの酸価は、0mmol/gであった。
[フィルムの表面処理]
得られたアクリル系フィルムを、13wt%の酢酸亜鉛メタノール50%/水50%混合溶液に70℃、1分間の条件で浸漬し、純水で洗浄後に100℃で乾燥した。
得られたフィルムの特性を、表1に示す。
(比較例3)
[樹脂の製造]
単量体混合物(B)の組成を、MMA65%、tBuA29%およびBA5%からなる単量体混合物100重量部に対し、tDM0.3部およびCHP0.34部からなる単量体混合物に変更した以外は、実施例1と同方法で樹脂粉末(3)を得た。
[ペレット化]
次いで、樹脂粉末(1)の代わりに、樹脂粉末(3)を用いた以外は、実施例1と同方法でペレット状の樹脂を得た。
[フィルムの製造]
さらに、得られたペレット状樹脂を、ベント付Tダイ付き40mmφ押出機を用いて、シリンダ温度280℃、ダイス温度280℃にて成形し、厚み125μmのアクリル系フィルムを得た。
得られたフィルムの酸価は1.20mmol/gであった。
[フィルムの表面処理]
得られたアクリル系フィルムを、酢酸亜鉛をメタノール50%/水50%混合溶液に溶解させた溶液(酢酸亜鉛含有量13重量%)に、70℃にて1分間の条件で浸漬した。その後、浸漬後のフィルムを純水で洗浄した後に100℃で乾燥した。
得られたフィルムの特性を、表1に示す。
(比較例4)
[フィルムの製造]
実施例8にて得られたペレット状樹脂を、ベント付Tダイ付き40mmφ押出機を用いて、シリンダ温度270℃、ダイス温度270℃にて成形し、厚み125μmのアクリル系フィルムを得た。
得られたフィルムの酸価は0.86mmol/gであった。
得られたフィルムの特性を、表1に示す。
(比較例5)
[樹脂の製造]
樹脂粉末(1)70重量部、酸価が0mmol/gである市販アクリル樹脂(アクリペットVH、三菱レイヨン製)30重量部、および酢酸亜鉛を2重量部の混合物を、2段ベント付き40mmφ単軸押出機(田辺プラスチックス製)を用いて、シリンダ温度を265℃、2つのベント口の圧力を−0.095MPaに設定して溶融混練を行い、樹脂ペレットを得た。
[フィルムの製造]
得られた樹脂ペレットを、ベント付Tダイ付き40mmφ押出機を用いて、シリンダ温度260℃、ダイス温度260℃にて成形し、厚み125μmのアクリル系フィルムを得た。
得られたフィルムの酸価は、0.29mmol/gであった。また、得られたフィルム表面には多くのゲル状異物が観られ、ダイラインも目立ちフィルムの外観は悪かった。
得られたフィルムの特性を、表1に示す。
Figure 2009126895

Claims (5)

  1. 酸価が0.05〜1.0mmol/gであるアクリル系フィルムを、亜鉛塩溶液にて表面処理することにより得られる、カルボン酸亜鉛塩含有フィルム。
  2. 亜鉛塩溶液が酢酸亜鉛溶液であることを特徴とする、請求項1記載のカルボン酸亜鉛塩含有フィルム。
  3. 亜鉛塩溶液を10〜90℃の条件下で表面処理することを特徴とする、請求項1または2に記載のカルボン酸亜鉛塩含有フィルム。
  4. アクリル系フィルムが、アクリル系架橋弾性体含有グラフト共重合体(A)35〜70重量%およびメタクリル系重合体(B)30〜65重量%からなるアクリル系樹脂組成物を成形してなるアクリル系フィルムであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のカルボン酸亜鉛塩含有フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のカルボン酸亜鉛塩含有フィルムを、金属またはプラスチックに積層してなる積層品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017082240A (ja) * 2017-01-12 2017-05-18 富士フイルム株式会社 アクリルフィルムおよびその製造方法

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