JP2009120547A - 化合物、液晶組成物、光学異方性材料および光学素子 - Google Patents

化合物、液晶組成物、光学異方性材料および光学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】使用波長、用途に応じて適正なRd値が得られ、特に青色レーザー光に対する耐久性が高い光学素子等を作製するための新規な液晶化合物を提供する。
【解決手段】下記式(1)で表される化合物。
CH=CR−COO−R−OOC−Cy−COO−Cy−A−Cy−R (1)
好ましくは、Rは、水素原子、R、は炭素数が1〜8の炭化水素基、Rは、炭素数が1〜8のアルキル基、Aは、単結合である。なお、Cyは、トランス−1,4−シクロヘキシレン基を表す。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な化合物、該化合物を含む液晶組成物、該液晶組成物を重合させてなる光学異方性材料および光学素子に関する。
光学ディスクに記録された情報を読み出したり、光学ディスクに情報を書き込んだりする光ヘッド装置には、レーザー光を変調(偏光、回折、位相調整等)させる光学素子が必要である。
たとえば、図3に示すように、情報の読み出しの際、光源1から出射された直線偏光は、ビームスプリッター2、コリメーターレンズ3、位相板4、対物レンズ5を経由し光学ディスク6の情報記録面に到達する。往路の直線偏光の偏光方向は、ビームスプリッター2を直線透過し、位相板4で円偏光に変換される。この円偏光は光学ディスク6の情報記録面で反射されて逆回りの円偏光となり、往路とは逆に対物レンズ5、位相板4、コリメーターレンズと戻ることになる。この復路の光位相板4により入射前と直交する直線偏光に変換される。この復路の光は、直線偏光の方向が往路の光とは90°ずれているので、ビームスプリッター2を通過する際に進行方向が曲げられ、光検出器7に到達する。
なお、情報の読み出しや書き込みの際には、光学ディスクの面ぶれ等が発生すると、ビームスポットのフォーカス位置が記録面からずれるため、これを検出・補正しビームスポットを記録面上の凹凸ピットに追従させる図示されていないサーボ機構が必要となる。このような光学ディスクのサーボ系はレーザー光源から照射したビームスポットの焦点を記録面上にあわせてからトラックの位置を検出し、目的のトラックを追従するように構成されている。また、記録面上でピットに当らずに反射されたレーザー光がそのまま光源まで戻らないようにする必要もある。
なお、この図1の光ヘッド装置の構成は基本的な構造のみを示しており、トラッキング用に3ビームを発生させる回折格子や、複数の波長の光源に対するための開口制御素子、複層の情報記録面に対応するための焦点可変素子、収差補正素子等の公知の他の構成を組み込んでいる場合もある。
このため光ヘッド装置においては、光源からのレーザー光を変調(偏光、回折、位相調整等)させる光学素子が必要となる。例えば位相板(波長板)は、位相板の光軸と入射光の位相面とのなす角度により、入射光に異なる屈折率を与え、更に複屈折により生じる2成分の光の位相をずらす効果を有している。位相のずれた2つの光は位相板から出射したときに合成される。この位相のずれは位相板の厚みにより決定されるため、厚みを調節することにより、位相をπ/2だけずらす1/4波長板、πずらす1/2波長板等を作製することができる。例えば1/4波長板を通過した直線偏光は円偏光となり、1/2波長板を通過した直線偏光はその偏光面が90度傾いた直線偏光となる。これらの性質を利用して、光学素子を組み合わせることによりサーボ機構等に応用されている。このような光学素子は、光学ディスクの記録を読み取るために利用される光ヘッド装置のみならず、プロジェクター用途等におけるイメージング素子、波長可変フィルタ用途等における通信用デバイスにも利用されている。
また、これらの光学素子は液晶材料からも作製することが可能である。重合性官能基を有する液晶分子は、重合性モノマーとしての性質と液晶としての性質とを併有するため、重合性官能基を有する液晶分子を配向させた後に重合を行うと、液晶分子の配向が固定された光学異方性材料が得られる。光学異方性材料は、メソゲン骨格に由来する屈折率異方性等の光学異方性を有し、該性質を利用して回折素子、位相板等に応用されている。
このような光学異方性材料としては、たとえば、下記式(3)で表される化合物(ただし、式中のZはアルキル基である。)を含む液晶組成物を重合させてなる高分子液晶が報告されている(特許文献1参照。)。
CH=CH−COO−Ph−OCO−Cy−Z・・・(3)
光学素子には、一般的に次のような特性が求められる。
1)使用波長、用途に応じて適正なリタデーション値(Rd値)を持っていること。
2)面内の光学特性(Rd値、透過率など)が均一であること。
3)使用波長において、散乱や吸収がほとんど無いこと。
4)素子を構成する他の材料と光学特性を合わせやすいこと。
5)使用波長において、屈折率や屈折率異方性の波長分散が小さいこと。
特に、1)に記載のように適正なRd値を有することは重要である。Rd値はRd=Δn(屈折率異方性の値)×d(dは光の伝播方向の厚さ)により定まるため、光学素子を形成する材料は適正なΔn値を有することが特に重要となる。例えば、Δnが小さい場合には厚さdを大きくする必要が生じる。しかし、厚さdを大きくすると液晶の配向が困難となり、所望の光学特性を得ることが難しくなる。また逆にΔn値が大きい場合には厚さdを小さくする必要が生じるが、この場合には厚さを精密に制御することが困難となる。
さらに、近年、光学ディスクの大容量化を図るため、情報の書き込み、読み取りに使用されるレーザー光を短波長化し、光学ディスク上の凹凸ピットサイズをより小さくすることが進められている。現在、CDでは波長780nm、DVDでは波長650nm、BDやHDDVDでは405μmのレーザー光が使用されている。さらに次世代光記録メディアでは短波長化がなされる可能性もあり、今後もますます300〜450nmのレーザー光(以下、青色レーザー光とも記す。)の使用が増加する。しかし、特許文献1に記載された高分子液晶等の、従来から知られた材料には、青色レーザー光に対する耐久性が不充分であるという問題があった。
例えば、液晶等の有機物からなる光学素子(位相板など)を光学系に配置して光ヘッド装置として使用すると、時間の経過に伴って収差が発生することがある。このことは、青色レーザー光の曝露によって有機物にダメージが発生することによるものと考えられる。収差が発生すると、光源から出射し、コリメータレンズや光学素子等を通過した光(光束)が、さらに対物レンズを通過して記録媒体表面に到達したときに光束が1点に決像しなくなり、情報の読み出しや書き込みの効率(光の利用効率)が低下するおそれが生ずる。
また通常、素子を小型化、高効率化するためには高い屈折率異方性を有する材料が必要とされる。一般的に、高い屈折率異方性を有する材料は、高い屈折率を有する傾向がある。また、高屈折率材料は、屈折率の波長分散が大きいという性質を有するために、短波長の光に対する光の吸収が大きくなる(すなわち、材料のモル吸光係数が大きくなる。)という傾向がある。
このため、従来から知られた高屈折率材料には、青色レーザー光のような短波長の光を吸収しやすく、耐光性が低いという問題があった。この問題を解決するためには、モル吸光係数が小さい材料が望ましく、芳香環を含まない環構造として全脂環構造の化合物が例に挙げられる。しかしながら、全脂環型液晶モノマーは一般的に複屈折異方性(Δn)が小さく、またポリマーにすることでΔnがさらに小さく、もしくは等方性となり、所望の液晶性を得がたいという問題があった。具体的には下記化合図物(4−1)、(4−2)が例示されるが、モノマー時には光学的異方性(複屈折性)を発現するものの、重合することで等方性のポリマーになる。
CH=CH−COO−Cy−Cy−C (4−1)
CH=CH−COO−Cy−Cy−C11 (4−2)
波長300〜450nmのレーザー光を変調する回折素子、位相板等の光学素子には、この波長帯のレーザー光に曝されても劣化が少なく耐久性に優れ、かつ液晶性に優れた光学異方性材料が求められており、液晶モノマーの構造が極めて重要となる。
特開2004−263037号公報
本発明は、前記の問題点を解決するためになされたものであり、光学異方性材料および光学素子に要求される特性を満たし、かつ使用波長、用途に応じて適正なRd値が得られ、特に青色レーザー光に対する耐久性が高い光学異方性材料および光学素子、およびこれらを作製するための新規な液晶組成物および化合物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は新規な化合物を提供する。具体的には以下の構成を採用する。
[1]下記式(1)で表される化合物。
CH=CR−COO−R−OCO−Cy−COO−Cy−A−Cy−R (1)
ただし、Rは、水素原子またはメチル基を表す。
、は炭素数が1〜8の炭化水素基を表し、炭素数が2以上の場合には炭素炭素結合鎖の間にエーテル結合の酸素原子を有していてもよく、該基中の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されていてもよい。
は、炭素数が1〜8のアルキル基、アルコキシ基またはフッ素原子を表し、アルキル基またはアルコキシ基の場合には該基中の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されていてもよい。
Cyは、トランス−1,4−シクロヘキシレン基を表し、該基中の炭素原子に結合した水素原子が各々独立にフッ素原子、塩素原子またはメチル基に置換されていてもよい。
Aは、単結合、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基を表し、該基中の炭素原子に結合した水素原子が各々独立にフッ素原子、塩素原子またはメチル基に置換されていてもよい。
[2]Aが単結合である上記[1]に記載の化合物。
すなわち、下記式(2)で表される化合物。
CH=CR−COO−R−OCO−Cy−COO−Cy−Cy−R (2)
[3]Rが基中の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されていてもよいアルキレン基であり、Rが基中の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されていてもよいアルキル基である上記[2]に記載の化合物。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかに記載の式(1)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を含むか、または、式(1)で表される化合物の1種以上と式(1)で表される化合物以外の重合性液晶化合物の1種以上とを含むことを特徴とする液晶組成物。
[5]上記[4]に記載の液晶組成物を、液晶相を示す状態で、かつ液晶が配向した状態で重合して得られる重合体からなる光学異方性材料。
[6]上記[5]に記載の光学異方性材料を用いた光学素子。
本発明によれば、新規な化合物、この化合物を含む液晶組成物、この液晶組成物を重合させてなる光学異方性材料およびこの光学異方性材料を用いた光学素子が得られる。本発明に係る新規な化合物および液晶組成物を用いれば、使用波長、用途に応じて適正なRd値を得ることができる。本発明に係る光学異方性材料および光学素子は、ピックアップ素子、イメージング素子、通信用デバイス等に有効に利用でき、青色レーザー光に対する耐久性に優れる。
本明細書においては、式(1)で表される化合物を化合物(1)とも記す。他の化合物についても同様に記す。本明細書におけるトランス−1,4−シクロヘキシレン基は、非置換の基であってもよく、基中の炭素原子に結合した水素原子がフッ素原子、塩素原子またはメチル基で置換されていてもよい。なお、トランス−1,4−シクロヘキシレン基は非置換の基であることが好ましい。
また、液晶性と重合性とを併有する化合物を、以下、重合性液晶という。以下における波長の記載は、中心波長±2nmの範囲にあることを意味する。また、屈折率異方性をΔnと略記する。
本発明の化合物は、下記式(1)で表される化合物である。この化合物(1)は、重合性と液晶性を併有する重合性液晶の一種である。
CH=CR−COO−R−OCO−Cy−COO−Cy−A−Cy−R (1)
ただし、Rは、水素原子またはメチル基を表すが、水素原子であることが好ましい。Rが水素原子である場合、後述するように化合物(1)を含む液晶組成物を光重合させて光学異方性材料および光学素子を得る際に、重合が速やかに進行するので好ましい。また、光重合によって得られる光学異方性材料および光学素子の特性が外部環境(温度等)の影響を受けにくく、リタデーションの面内分布が小さい利点もある。
、は炭素数が1〜8の炭化水素基を表し、炭素数が2以上の場合には炭素炭素結合鎖の間にエーテル結合の酸素原子を有していてもよく、該基中の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されていてもよい。中でも、散乱による透過率低下の要因となるスメクチック性を抑制できるアルキレン基であることが好ましい。さらに、重合性液晶を重合させると、重合の前後でΔnの値が低下する傾向があるが、Rとしてポリメチレン基を有する場合は、重合の前後におけるΔn値の低下を抑えることができる。さらに炭素数が少ない場合は融点が高くなり他材料と相溶化しにくく、また炭素数が多い場合は前述のスメクチック性が発現し易くなるため、特に、Rが炭素数2〜8のアルキレン基であることが好ましく、特に、ポリメチレン基であることが好ましい。
は、炭素数が1〜8のアルキル基、アルコキシ基またはフッ素原子を表し、アルキル基またはアルコキシ基の場合には該基中の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されていてもよい。中でも、アルキル基であることが好ましく、これにより化合物(1)を含む液晶組成物の融点(Tm)(すなわち、結晶相−ネマチック相相転移点)を低くできる。特に、炭素数2〜6のアルキル基がより好ましい。また、化合物(1)が液晶性を示す温度範囲を広くできることから、アルキル基である場合は、直鎖構造であることが好ましい。
Cyは、トランス−1,4−シクロヘキシレン基を表し、該基中の炭素原子に結合した水素原子が各々独立にフッ素原子、塩素原子またはメチル基に置換されていてもよい。特に、トランス−1,4−シクロヘキシレン基は非置換の基であることが好ましい。
Aは、単結合、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基を表し、該基中の炭素原子に結合した水素原子が各々独立にフッ素原子、塩素原子またはメチル基に置換されていてもよい。特に、Aが単結合である下記式(2)の化合物が液晶温度域、環構造がトランス−1,4−シクロヘキシレン基のみとなることで耐光性にも優れ好ましい。
CH=CR−COO−R−OOC−Cy−COO−Cy−Cy−R (2)
なお、Aがトランス−1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基の場合には、非置換の基であることが好ましい。
上記したように、式(2)の化合物の中でも、Rが基中の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されていてもよいアルキレン基であり、Rが基中の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されていてもよいアルキル基である化合物が好ましい。
本発明の化合物(1)の合成方法について、具体例を挙げて説明する(但し、式中の記号は前記と同じ意味を示す。)。
(合成方法1)
本発明の化合物の合成方法としては、たとえば以下に示す方法が挙げられる。ここでは、重合部位としてアクリロイル基の例を説明するが、メタクリロイル基の場合も、化合物(12)を対応するメタクリロイル化合物に代えることにより、同様に合成できる。
まず、下記化合物(11)を塩化チオニルにて酸塩化物にしたのち、下記化合物(12)をピリジン存在下で反応させて下記化合物(13)を得る。次に該化合物(13)に下記化合物(14)をEDC、DMAP存在下反応させて下記化合物(15)を得る。
Figure 2009120547
本発明の化合物(1)は、環式飽和炭化水素基であるトランス−1,4−シクロヘキシレン基を少なくとも3個有することによりレーザー光に対する耐久性が良好である。すなわち、400nm以下の短波長領域においても光吸収の少ない環式飽和炭化水素基を有することにより、青色レーザー光の吸収が小さい。特に、Aが単結合またはトランス−1,4−シクロヘキシレン基である場合には、全ての環が環式飽和炭化水素基であるので、青色レーザー光に対する耐光性が高い。
また、一般に重合性液晶を重合させると、重合の前後でΔnの値が低下する傾向があるが、アクリロイル基またはメタクリロイル基に炭化水素基、中でも炭素数が2以上のアルキレン基、特にポリメチレン基を有する構造が結合している場合、Δn値の低下を抑制できる。よって、化合物(1)を使用して得られる光学素子は、光ヘッド装置に利用した場合に良好な光の利用効率を得ることができる。
また、液晶等の有機物からなる光学素子を光学系に配置して光ヘッド装置として使用すると、時間の経過に伴って収差が発生することがある。有機物からなる光学素子を用いる場合は、レーザー光によるダメージを完全になくすことは困難であるが、できる限り抑制できることが好ましい。本発明の液晶化合物を利用して作製された光学素子を用いれば、青色レーザー光曝露加速試験の前後における収差の発生を抑制できる。すなわち、レーザー光(特に青色レーザー光)の照射を長期に渡って受けた場合でも収差の発生を抑制できることから、光の利用効率を長期に渡って維持することができる。したがって、化合物(1)を用いることにより、青色レーザー光に対して充分な耐久性を有し、位相差等の特性にも優れる光学異方性材料および光学素子を提供できる。
本発明の化合物(1)は、高分子液晶を得るための重合性の液晶組成物の一成分として使用されることが好ましい。この場合、本発明の化合物(1)は、高分子液晶を得るための液晶組成物が低温側においても液晶性を示すように、この液晶組成物は化合物(1)から選ばれる2種以上の化合物を含む液晶組成物、または化合物(1)の1種以上と化合物(1)以外の重合性液晶の1種以上とを含む液晶組成物であることが好ましい。このような液晶組成物とすることによって、液晶相を示す温度範囲をより広くできる。また、融点(Tm)降下が生じるため、その取り扱いが容易になる。以下、化合物(1)以外の重合性液晶を化合物(5)という。
液晶組成物が、化合物(1)と化合物(5)とを含む場合、化合物(5)としては、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する化合物が好ましく、アクリロイル基を有する化合物が特に好ましい。また、この化合物(5)である重合性液晶としては、青色レーザー光に対する耐久性が高いことが好ましいことより、そのメソゲン構造中に、−Ph−CO−構造を含まないことが好ましい。
化合物(5)としては、下記式(6)で表される化合物(化合物(6)とも記す)が好ましい。
CH=CR−COO−R−E−E−R (6)
ただし、式中の記号は以下の意味を表す。
:水素原子またはメチル基。
:単結合または炭素数が1〜8の炭化水素基またはE1側にエーテル結合性の酸素原子が結合された炭素数が1〜8の炭化水素基。ただし、炭化水素基の炭素数が2以上の場合には炭素炭素結合鎖の間にエーテル結合の酸素原子を有していてもよく、該基中の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されていてもよい。
:炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシ基またはフッ素原子。ただし、アルキル基またはアルコキシ基の場合には該基中の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されていてもよい。
、E:それぞれ独立に1,4−フェニレン基またはトランス−1,4−シクロヘキシレン基。ただし、該基中の炭素原子に結合した水素原子が各々独立にフッ素原子、塩素原子またはメチル基に置換されていてもよい。また、E、Eの少なくとも1つはトランス−1,4−シクロヘキシレン基である。
化合物(6)の内、特にRが単結合であり、EおよびEがともにトランス−1,4−シクロヘキシレン基である下記の化合物(7)が好ましい。
CH=CR−COO−Cy−Cy−R (7)
本発明の高分子液晶を製造するための液晶組成物には、基本成分としての重合性の液晶化合物以外の成分(以下、他の成分と記す)を含んでいてもよい。他の成分としては、液晶組成物としての相溶性、屈折率、液晶温度域等を調整するための重合性の非液晶化合物および非重合性の液晶化合物という調整成分と、重合開始剤、重合禁止剤、カイラル剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、色素、二色性色素等の添加成分とが挙げられる。
本発明の液晶組成物としては、基本成分として重合性の液晶化合物を75質量%以上含む液晶組成物であり、重合性の液晶化合物を90質量%以上、特には95質量%以上含む液晶組成物とすることが好ましい。この液晶組成物の残余の部分は、調整成分である重合性の非液晶化合物や非重合性の液晶化合物および添加成分とする。なお、添加成分は通常合わせて5質量%以下にすることが好ましい。
本発明において、高分子液晶を製造するための重合性の液晶組成物としては、液晶組成物中の重合性の全液晶化合物に対して化合物(1)を少なくとも5質量%含む。特に、化合物(1)を30質量%以上含む液晶組成物が好ましい。液晶組成物としての特性を調整するために他の材料を混合する場合には、化合物(1)の材料は95質量%以下にすればよい。
つぎに、本発明の光学異方性材料について説明する。本発明の光学異方性材料は、前記液晶組成物を、該液晶組成物が液晶相を示す状態でかつ液晶が配向した状態で重合して得られる重合体からなる。
液晶組成物が液晶相を示す状態に保つためには、雰囲気温度を透明点(ネマチック相−等方相相転移温度)Tc以下にすればよいが、Tcに近い温度では液晶組成物のΔnがきわめて小さいので、雰囲気温度の上限は(Tc−10)℃以下とすることが好ましい。
重合としては、光重合および熱重合等が挙げられ、光重合が好ましい。光重合に用いる光としては、紫外線または可視光線が好ましい。光重合を行う場合は光重合開始剤を用いることが好ましく、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ベンゾイン類、ベンジル類、ミヒラーケトン類、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンジルジメチルケタール類、およびチオキサントン類等から適宜選択される光重合開始剤が好ましい。光重合開始剤は1種または2種以上を使用できる。光重合開始剤の量は、液晶組成物の全体量に対して0.1〜5質量%が好ましく、0.3〜2質量%が特に好ましい。
つぎに本発明の光学素子について説明する。本発明の光学素子は、配向処理が施された1対の支持体間に前記液晶組成物を挟持し、該液晶組成物が液晶相を示す状態でかつ液晶が配向した状態で重合して得られる。この支持体は必要に応じて剥離してもよく、その後に露出した表面を凹凸加工したり、表面処理等をしたりしてもよい。
たとえば、少なくとも一方の支持体を取り外して、光学異方性フィルムとし、さらに必要に応じて補強フィルムを貼り付けたり、複数枚の光学異方性フィルムを積層接着したりして位相板として使用できる。また、支持体または支持体の代わりに設けた他の支持体に光学異方性材料を配置した状態で、フォトリソ工程とエッチング工程等により直線状の繰り返しの凹凸を形成し回折素子としたり、環状にフレネルレンズ構造を形成してレンズ素子や収差補正素子とすることもできる。このほか、反射層を形成したり、絞りを併用したり、種々の応用ができる。
さらに、前記の光学異方性材料の凹凸に液晶組成物を組み合わせて、かつ電極付の支持体間にそれを挟持した光学素子にすることにより、電圧の印加状態により回折機能、レンズ機能、収差補正機能等を変化させることができる光学素子とすることもできる。
支持体としては、表面に配向処理を施した基板を用い、光重合させる場合には少なくとも一方が透明な基板を使用する。通常は、透明なガラスまたはプラスチックの基板が好ましい。配向処理は、綿、羊毛、ナイロン、ポリエステル等の繊維で透明基板表面を直接ラビングする方法、透明基板表面にポリイミド配向膜を積層した後に該配向膜表面を上記繊維等でラビングする方法、透明基板表面に無機材料を斜方蒸着する方法等によって行うことが好ましい。
つぎに、配向処理が施された面にガラスビーズなどのスペーサを配置し、複数枚の支持体を所望の間隔に制御して対向させ、支持体間に液晶組成物を挟持した後に重合を行う。
重合によって得られた重合体は、支持体に挟持したまま用いてもよく、支持体から剥離して用いてもよい。本発明の光学素子はこの重合体である光学異方性材料を含む素子であり、支持体に挟持されたままの重合体とすることが好ましい。
本発明の光学異方性材料および光学素子は、青色レーザー光に対して良好な耐久性を示すので、青色レーザー光を透過させて使用する光学異方性材料および光学素子として有用である。特に、青色レーザー光の位相状態および/または波面状態を変調する用途に使用される光学異方性材料や光学異方性材料を用いた光学素子として有用である。
たとえば、偏光ホログラム等の回折素子、位相板等として光ヘッド装置に搭載して使用される。偏光ホログラムとしては、光源からの出射光が光学ディスクの情報記録面によって反射されて発生する信号光を分離し、光検出器へ導光する例が挙げられる。位相板としては、1/2波長板として使用し、レーザー光源からの出射光の位相差制御を行う例、1/4波長板として光路中に設置し、レーザー光源の出力を安定化する例が挙げられる。他の用途としては、プロジェクター用の位相板、偏光子等が挙げられる。
以下、本発明化合物の合成の実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明に係る化合物の合成はこれらの例によって限定されない。
[合成例1]化合物(1A)の合成
[例1−1]化合物(13A)の合成
Figure 2009120547
還流装置、撹拌機、滴下装置を装備した1000mLの4つ口フラスコに化合物(11)(82g、0.476モル)、SOCl(113.31g、0.952モル)、DMF1〜2滴、トルエン500mLを加え、窒素気流下のもと100℃で4時間還流を行った。析出して得られた酸塩化物を溶媒留去し、白色固体として得た。得られた酸塩化物を2000mLの4つ口フラスコに移し、ジクロロメタン1000mLに溶解した。この溶液に化合物(12A)(55.3g、0.476モル)、ピリジン(37.67g、0.476モル)の混合溶液を3時間かけて滴下し加えた。滴下終了後、1晩室温で撹拌を行った。反応終了後純水500mLにて反応を停止し、分液ロートを使用し分液を行い、有機層を回収した。
回収した有機層を純水(500mL)で洗浄し、つぎに飽和食塩水で洗浄し、再度有機層を回収した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濾過によって無水硫酸マグネシウムを除去し、濾液を濃縮した。この濾液を酢酸エチル/ヘキサン(5:5、容量比)を展開液としたカラムクロマトグラフィーにより精製を行った後、目的物を含む画分を濃縮することにより褐色油状物として、化合物(13A)(65g)を得た。収率は43%であった。
[例1−2]化合物(1A)の合成
Figure 2009120547
撹拌機を装備した500mLの4つ口フラスコに、化合物(14A)(5g、0.022モル)、例1−1で得た化合物(13A)(6.65g、0.022モル)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(1.2g、0.010モル)、EDC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)(6.84g、0.036モル)、ジクロロメタン(200mL)を加え、窒素気流下にて室温で1晩撹拌した。撹拌後、塩化アンモニウム水溶液200mLを加え反応を停止した。
次いで、ジクロロメタン100mLを加え分液し、水相をジクロロメタン200mLで2回抽出した。回収した有機相を合わせて、5%塩酸200mLで2回洗浄し、つぎに飽和食塩水200mLで洗浄し、再度有機層を回収した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。無水硫酸マグネシウムを除去した後、乾燥させた溶液を溶媒留去し、得られた結晶にヘキサン300mLを加え、50℃で撹拌し、不溶成分を濾過にて除去した。濾液の溶媒留去を行い白色結晶11.44gを得た。得られた結晶をヘキサンのみで再結晶を行い精製を行い、化合物(1A)(10.17g)を得た。収率は90%であった。また、化合物(14A)の代わりに化合物(14B)を使用することで、化合物(1B)を合成した。
Figure 2009120547
化合物(1A)、(1B)のIRを各々図1、図2に、化合物(1A)の1HNMRスペクトルを以下に示す。
1HNMR(400MHz、溶媒:CDCl、内部標準:TMS)δ(ppm):0.98(t、3H)、1.2〜1.9(m、39H)、2.27(m、2H)、3.91(m、1H)、4.08(t、2H)、4.15(t、2H)、5.8〜6.4(m、3H)
以下に上記合成例1で合成された化合物(1A)を使用した本発明に係る液晶組成物の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されない。なお、以下の例における光重合開始剤は、チバスペシャリティーケミカルズ社製のイルガキュアー907を用いた。
[液晶組成物A〜Cの調製]
表1に示す割合で重合性の液晶化合物を混合し、重合性の液晶組成物A〜Cを得た。なお、表1に記載した割合は、液晶組成物を構成する重合性の全液晶化合物に対する各重合性の液晶化合物の割合(モル%)である。また、他の重合性の液晶化合物として、下記化合物(4−1)、(4−2)を使用した。
CH=CH−COO−Cy−Cy−C (4−1)
CH=CH−COO−Cy−Cy−C11 (4−2)
つぎに、液晶組成物A〜Cに重合開始剤(液晶組成物に対して0.5質量%)、重合禁止剤(液晶組成物に対して0.2質量%)を添加し、液晶組成物A1〜C1を得た。
表1および表2には、液晶組成物A〜Cの昇温時に測定した融点Tm(℃)と透明点Tc(℃)および液晶組成物A1〜C1の406nmの青色レーザー光に対するモノマー(60℃)とポリマー(室温)のΔnの値も併せて示す。液晶組成物C1は、ポリマー化して後は複屈折性が得られなく、Δnが測定できなかった。
Figure 2009120547
Figure 2009120547
[光学素子Aの作成]
縦5cm、横5cm、厚さ0.5mmのガラス基板にポリイミド溶液をスピンコータで塗布して乾燥した後、ナイロンクロスで一定方向にラビング処理して支持体を作製した。
配向処理を施した面が向かい合うように、2枚の支持体を接着剤を用いて貼り合わせてセルを作製した。接着剤には、直径4μmのガラスビーズを添加し、支持体の間隔が4μmになるように調整した。
つぎに、前記セル内に、例1で調製した液晶組成物A1を90℃で注入した。30℃において、強度50mW/cmの紫外線を積算光量が9000mJ/cmとなるよう照射して光重合を行って光学素子Aを得た。光学素子Aは基板のラビング方向に水平配向していた。光学素子Aは可視域で透明であり、散乱も認められなかった。また、波長405nmのレーザー光に対するΔnは0.0057であった。
[光学素子Aの評価]
前記の光学素子Aの作製例で作成して得た光学素子AについてKrレーザー(波長407nm、413nmのマルチモード)を照射し、青色レーザー光曝露加速試験を行った。照射条件は、温度60℃、積算曝露エネルギーは20W・hour/mmとした。加速試験前のΔnに対する試験後のΔnの低下率は1%未満であった。また、加速試験後に曝露部位の収差を測定したところ、当該部位の収差の最大値と最小値の差は10mλ未満であった(λは測定光の波長405nmに相当する)。以上より、光学素子Aは青色レーザー光に対する耐久性に優れることを確認した。
[液晶組成物Dの調製]
2種類の下記化合物(8−1)、(8−2)を1:1(モル比)で混合し、液晶組成物Dを調製した。つぎに、液晶組成物Dに光重合開始剤を液晶組成物Dに対して0.2質量%添加し、液晶組成物D1を得た。
CH=CH−COO−Ph−OCO−Cy−C (8−1)
CH=CH−COO−Ph−OCO−Cy−C11 (8−2)
[光学素子Dの作成]
液晶組成物A1同様、液晶組成物D1を前述のセル内に70℃で注入した。30℃において、強度80mW/cmの紫外線を積算光量が5300mJ/cmとなるよう照射して光重合を行って光学素子Dを得た。波長568nmのレーザー光に対するΔnは0.0352であった。また、光学素子Dは可視光領域で透明であり、散乱も認められなかった。
[光学素子Dの評価]
光学素子Dに対して、光学素子Aと同様の方法で青色レーザー光曝露加速試験を行った。ただし、積算曝露エネルギーは15W・hour/mmした。加速試験後に曝露部位の収差測定を行ったところ、当該部位の収差の最大値と最小値の差は300mλ以上であった(λは測定光の波長405nmに相当する)。
[液晶組成物Eの調製]
4種類の前記化合物(8−1)、(8−2)、(4−1)、(4−2)を1:1:1:1(モル比)で混合し、液晶組成物Eを調製した。つぎに、液晶組成物Eに光重合開始剤を液晶組成物Eに対して0.2質量%添加し、液晶組成物E1を得た。
[光学素子Eの作成]
液晶組成物D1を液晶組成物E1に変更する以外は、前記の光学素子Aの作成と同様の方法で光学素子Eを得た。波長405nmのレーザー光に対するΔnは0.0403であった。また、光学素子Eは可視光領域で透明であり、散乱も認められなかった。
[光学素子Eの評価]
光学素子Eに対して、光学素子Aと同様の方法で青色レーザー光曝露加速試験を行った。ただし、積算曝露エネルギーは15W・hour/mmした。加速試験後に曝露部位の収差測定を行ったところ、当該部位の収差の最大値と最小値の差は100mλ以上であった(λは測定光の波長405nmに相当する)。
本発明に係る新規化合物およびその化合物を含む液晶組成物を重合してなる光学異方性材料は、一般的な光学異方性材料に要求される特性を良好に満たすものであり、更に青色レーザー光に対する耐光性にも優れている。したがって、本発明に係る新規化合物を利用して作成される光学素子は、従来からある光ヘッド装置、イメージング素子および通信用デバイス等に利用される光学素子のみならず、青色レーザー光を変調する回折素子および位相板等の材料としても有効に用いうる。
本発明の化合物(1A)のIRスペクトルを示す図。 本発明の化合物(1B)のIRスペクトルを示す図。 本発明の光学素子を用いることのできる光ヘッド装置の基本的な構成を示す模式図。
符号の説明
1:光源
2:ビームスプリッター2
3:コリメーターレンズ
4:位相板
5:対物レンズ
6:光学ディスク
7:光検出器

Claims (6)

  1. 下記式(1)で表される化合物。
    CH=CR−COO−R−OCO−Cy−COO−Cy−A−Cy−R (1)
    ただし、Rは、水素原子またはメチル基を表す。
    、は炭素数が1〜8の炭化水素基を表し、炭素数が2以上の場合には炭素炭素結合鎖の間にエーテル結合の酸素原子を有していてもよく、該基中の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されていてもよい。
    は、炭素数が1〜8のアルキル基、アルコキシ基またはフッ素原子を表し、アルキル基またはアルコキシ基の場合には該基中の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されていてもよい。
    Cyは、トランス−1,4−シクロヘキシレン基を表し、該基中の炭素原子に結合した水素原子が各々独立にフッ素原子、塩素原子またはメチル基に置換されていてもよい。
    Aは、単結合、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基を表し、該基中の炭素原子に結合した水素原子が各々独立にフッ素原子、塩素原子またはメチル基に置換されていてもよい。
  2. Aが単結合である請求項1に記載の化合物。
  3. が基中の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されていてもよいアルキレン基であり、Rが基中の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されていてもよいアルキル基である請求項2に記載の化合物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の式(1)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を含むか、または、式(1)で表される化合物の1種以上と式(1)で表される化合物以外の重合性液晶化合物の1種以上とを含むことを特徴とする液晶組成物。
  5. 請求項4に記載の液晶組成物を、液晶相を示す状態で、かつ液晶が配向した状態で重合して得られる重合体からなる光学異方性材料。
  6. 請求項5に記載の光学異方性材料を用いた光学素子。
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