JP2010007031A - 重合性液晶性組成物、光学異方性材料、光学素子および光ヘッド装置 - Google Patents

重合性液晶性組成物、光学異方性材料、光学素子および光ヘッド装置 Download PDF

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Abstract

【課題】耐光性が良好な重合性液晶性組成物と光学異方性材料を提供する。また、耐光性の良好な光学素子と、これを用いた光ヘッド装置を提供する。
【解決手段】重合性液晶性組成物は、CH=CX−COO−L−B−A−B−Cy−Cy−B−A−B−L−OCO−CX=CHで表される化合物を15〜60質量%、CH=CX−COO−L−B−A−B−Cy−B−A−B−Rで表される化合物を15〜30質量%およびCH=CX−COO−L−B−Cy−B10−Cy−B11−Rで表される化合物を25〜55質量%含む。この組成物を用いて作製された回折格子2は、耐光性が良好であるので、光源1に青色レーザ光を用いて大容量化に適した光ヘッド装置とすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、重合性液晶性組成物、光学異方性材料、光学素子および光ヘッド装置に関する。
CD(Compact Disk)およびDVD(Digital Versatile Disk)などの光ディスクの表面には、ピットと呼ばれる凹凸が設けられている。光ヘッド装置は、光ディスクにレーザ光を照射し、その反射光を検出することによって、ピットに記録された情報を読み取ることのできる装置である。
例えば、光源から出射された直線偏光は、ビームスプリッタ、コリメータレンズ、位相差板および対物レンズを経由して、光ディスクの情報記録面に到達する。ここで、往路の直線偏光は、ビームスプリッタをそのまま透過した後、位相差板で円偏光に変換される。この円偏光は、光ディスクの情報記録面で反射されて逆回りの円偏光となった後、往路とは逆に対物レンズ、位相差板およびコリメータレンズの順で復路を辿る。そして、復路の位相差板によって、入射前と直交する直線偏光に変換される。これにより、復路の光は、直線偏光の方向が往路の光とは90度ずれ、ビームスプリッタを通過する際に、進行方向が90度曲げられて光検出器に到達する仕組みとなっている。
光ヘッド装置では、情報の読み出しや書き込みの際に光ディスクに面ぶれなどが発生すると、ビームスポットのフォーカス位置が記録面からずれるので、これを検出し補正してビームスポットを記録面上の凹凸ピットに追従させるサーボ機構が必要になる。こうした機構は、レーザ光源によって照射されたビームスポットの焦点を記録面上に合わせてトラック位置を検出し、目的とするトラックを追従するよう構成される。また、光ヘッド装置では、記録面上でピットに当らずに反射されたレーザ光が、そのまま光源まで戻らないようにする必要もある。
こうしたことから、光ヘッド装置には、光源からのレーザ光を変調(偏光、回折、位相調整など)させる光学素子が必要となる。例えば、上記の位相差板は、位相差板の光軸と入射光の位相面とのなす角度により、入射光に異なる屈折率を与え、さらに複屈折により生じる2成分の光の位相をずらす効果を有している。位相のずれた2つの光は、位相差板から出射されるときに合成される。位相のずれの大きさは、位相差板の厚みによって決まるので、厚みを調節することにより、位相をπ/2だけずらす1/4波長板、πずらす1/2波長板などが作製される。例えば、1/4波長板を通過した直線偏光は円偏光となるが、1/2波長板を通過した直線偏光は、偏光面が90度傾いた直線偏光となる。このような性質を利用し、複数の光学素子を組み合わせることで、上記のサーボ機構が構成される。また、記録面上でピットに当らずに反射されたレーザ光が、そのまま光源まで戻らないようにする際にも、上記光学素子が利用されている。
上記の光学素子は、液晶材料を用いて作製できる。例えば、重合性官能基を有する液晶分子は、重合性モノマーとしての性質と液晶としての性質とを併せ持つ。したがって、重合性官能基を有する液晶分子を配向させた後に重合を行うと、液晶分子の配向が固定された光学異方性材料が得られる。光学異方性材料は、メソゲン骨格に由来する屈折率異方性などの光学異方性を有するので、この性質を利用して回折素子や位相差板などが作製される。光学異方性材料としては、例えば、特許文献1に、CH=CH−COO−Ph−OCO−Cy−Z(Z:アルキル基)で表される化合物を含む液晶性組成物を重合してなる光学異方性材料が開示されている。また、特許文献2にも、CH=CHCOO−Ph−OCO−X−Y(X:1,4−フェニレン基または1,4−トランス−シクロヘキシレン基、Y:アルキル基)で表される化合物を含む液晶性組成物を重合してなる光学異方性材料が開示されている。
ところで、上述した光学素子には、一般に次のような特性が求められる。
1)使用波長や用途に応じて適正なリタデーション値(Rd値)を持っていること。
2)面内の光学特性(Rd値、透過率など)が均一であること。
3)使用波長において、散乱や吸収がほとんど無いこと。
4)素子を構成する他の材料と光学特性を合わせやすいこと。
5)使用波長において、屈折率や屈折率異方性の波長分散が小さいこと。
特に、1)の適正なRd値を有することは重要である。ここで、Rd値は、屈折率異方性(Δn)と光の伝播方向の厚さ(d)を用いて、Rd=Δn×dの関係によって定まる値である。所望のRd値を得ようとした場合、光学素子を形成する液晶材料のΔnが小さいと、厚さdを大きくする必要が生じる。しかし、厚さdが大きくなると液晶が配向し難くなるため、所望の光学特性を得ることが困難となる。一方、Δnが大きいと、厚さdを小さくする必要が生じるが、その場合には精密な厚さ制御が困難となる。したがって、液晶材料では、適正なΔn値を有することが非常に重要となる。
近年、光学ディスクの大容量化を図るため、情報の書き込みや読み取りに使用するレーザ光を短波長化して、光学ディスク上の凹凸ピットサイズをより小さくすることが進められている。例えば、CDでは波長780nm、DVDでは波長650nm、BD(Blue−ray Disk)やHDDVD(High−Definition Digital Versatile Disk)では波長405μmのレーザ光が使用されている。次世代光記録メディアではさらに短波長化されることも考えられ、波長300〜450nmのレーザ光(以下、青色レーザ光とも記す。)の使用は、今後益々増加する傾向にある。しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載された光学異方性材料では、青色レーザ光に対する耐性が十分でなかった。
例えば、青色レーザ光を光源とする光ヘッド装置に、液晶を用いて作製された位相差板を配置すると、時間の経過に伴って収差が発生したり、透過率が低下したり、Rd値が変動したりすることがある。これは、青色レーザ光に曝露されたことにより、位相差板の構成材料にダメージが発生したためと考えられる。収差が発生すると、光源から出射してコリメータレンズや位相差板を通過した光(光束)が、対物レンズを通過して記録媒体の表面に到達したときに、1点に決像できなくなる。すると、光の利用効率が低下してしまい、情報の読み出しや書き込みの効率が低下する。また、透過率が低下すると、記録媒体の表面や光検出器に到達する光の強度が弱くなり、上記と同様に、情報の読み出しや書き込みの効率が低下する。さらに、Rd値が変動すると、例えば、波長板においては、所望の楕円率または直線偏光の消光比が維持できなくなる。その結果、光ヘッド装置として機能しなくなるおそれが生じる。
特開2004−263037号公報 特開平10−195138号公報
本発明は、上記点に鑑みてなされたものである。すなわち、波長300nm〜450nmのレーザ光を変調する光学素子には、この波長帯の光に曝されても劣化が少なく耐久性に優れ、且つ、液晶性にも優れた光学異方性材料が求められている。そして、こうした異方性材料には、液晶性化合物の構造が極めて重要となる。そこで、本発明は、青色レーザ光に対する耐光性が良好であって、重合後に所望の液晶性が得られる重合性液晶性組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、青色レーザ光に対する耐光性が良好な光学異方性材料を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、青色レーザ光に対する耐光性の良好な光学素子と、これを用いた光ヘッド装置とを提供することを目的とする。
本発明の他の目的および利点は、以下の記載から明らかとなるであろう。
本発明の第1の態様は、下記式(1)で表される化合物を15〜60質量%、下記式(2)で表される化合物を15〜30質量%および下記式(3)で表される化合物を25〜55質量%含む。
CH=CX−COO−L−B−A−B−Cy−Cy−B−A−B−L−OCO−CX=CH (1)

CH=CX−COO−L−B−A−B−Cy−B−A−B−R (2)

CH=CX−COO−L−B−Cy−B10−Cy−B11−R (3)
上記式において、X〜Xは、各々独立に、水素原子またはメチル基であり、B〜B11は、各々独立に、単結合、−COO−または−OCO−である。
、LおよびLは、各々独立に、B、BおよびBが単結合のときには、−(CH−O−、−(CH−または単結合であり、B、BおよびBが−COO−または−OCO−のときには−(CH−である、但し、いずれの場合も、nは1〜12の整数である。また、アルキレン基の炭素−炭素結合間にエーテル結合性の酸素原子を有していてもよく、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよい。
は、Bが単結合のときには、−O−(CH−、−(CH−または単結合であり、Bが−COO−または−OCO−のときには、−(CH−である。但し、いずれの場合も、mは1〜12の整数である。また、アルキレン基の炭素−炭素結合間にエーテル結合性の酸素原子を有していてもよく、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよい。
〜Aは、各々独立に、1,4−フェニレン基またはトランス−1,4−シクロへキシレン基であり、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよい。
、Rは、各々独立に、炭素数が1〜12のアルキル基であり、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよい。
Cyは、トランス−1,4−シクロへキシレン基であり、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよい。
本発明の第1の態様において、式(1)で表される化合物は液晶性を示すことが好ましい。この場合、式(1)のAおよびAは、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよい1,4−フェニレン基であることが好ましい。
本発明の第1の態様において、式(2)のAおよびAは、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよいトランス−1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様の重合性液晶性組成物の重合体からなることを特徴とする光学異方性材料に関する。
本発明の第3の態様は、本発明の第2の態様の光学異方性材料を有することを特徴とする光学素子に関する。
本発明の第4の態様は、本発明の第3の態様の光学素子を有することを特徴とする光ヘッド装置に関する。
本発明の第1の態様によれば、青色レーザ光に対する耐光性が良好であって、重合後に所望の液晶性が得られる重合性液晶性組成物とすることができる。
本発明の第2の態様によれば、青色レーザ光に対する耐光性が良好な光学異方性材料とすることができる。
本発明の第3の態様によれば、青色レーザ光に対する耐光性の良好な光学素子とすることができる。
本発明の第4の態様によれば、大容量化に適した光ヘッド装置とすることができる。
青色レーザ光に曝露されることによるRd値変動のメカニズムは、必ずしも明らかではない。しかし、Rd値が下記式の関係
Rd=Δn(屈折率異方性の値)×d(光の伝播方向の厚さ)
によって定まることを考えると、青色レーザ光が照射されることによってΔn値が変動するため、より詳しくは、Δn値を決めている側鎖のメソゲン基の配向が乱れるためと推察される。
本発明者は、特定の重合性液晶性組成物に特定の架橋材を含有させることで、Rd値の変動が抑制されることを見出した。この架橋材は、液晶性および非液晶性のいずれであってもよいが、本発明においては液晶性であることが好ましい。架橋材が非液晶性の化合物であると、他の化合物との相溶性が著しく低下したり、相溶はしても組成物の液晶性が低下したりしやすい。このため、架橋材を混合できる濃度が比較的低いレベルに抑えられてしまい、架橋による効果、すなわち、Rd値変動の抑制効果が十分に発揮されなくなる。一方、液晶性を発現する架橋材であれば、他の化合物との相溶性の低下や、混合後の組成物の液晶性の低下を引き起こさずに高濃度での混合が可能となる。この組成物を重合して得られる異方性材料は、青色レーザ光に曝露されてもRd値の変動が抑制される。
上記の架橋材としては、下記式(1)で表される化合物が使用できる。
CH=CX−COO−L−B−A−B−Cy−Cy−B−A−B−L−OCO−CX=CH (1)
さらに、本発明者は、鋭意研究した結果、式(1)で表される化合物を下記式(2)および(3)で表される化合物と混合することにより、青色レーザ光に対する耐光性の良好な重合性液晶性組成物が得られることを見出した。本発明の重合性液晶性組成物によれば、例えば、Rd値の変動を狭い範囲に収めることのできる光学異方性材料が得られる。
CH=CX−COO−L−B−A−B−Cy−B−A−B−R (2)

CH=CX−COO−L−B−Cy−B10−Cy−B11−R (3)
本発明の重合性液晶性組成物において、式(1)で表される化合物の濃度は、Rd値変動の抑制効果の点から15質量%以上とすることが好ましく、特に、20質量%以上であるとその効果が大きくなり好ましい。一方、青色レーザ光の波長帯における吸収を小さくして耐光性を高くできる点から、式(1)で表される化合物の濃度は、60質量%以下とすることが好ましい。また、式(2)で表される化合物の濃度は、Rd値変動の抑制効果の点から15質量%以上とすることが好ましい。一方、相溶性の点から、式(2)で表される化合物の濃度は、30質量%以下とされることが好ましく、特に、25質量%以下とすることが好ましい。さらに、式(3)で表される化合物は、重合性液晶性組成物の液晶としての相溶性を向上させるために加える化合物であるが、多すぎるとRd変動抑制の効果が低下しやすいので、その濃度は、25質量%〜55質量%とすることが好ましく、25質量%〜45質量%とすることがより好ましい。
式(1)〜式(3)の化合物は、それぞれ上記の量で1種類以上含まれていればよい。例えば、重合性液晶性組成物は、式(1)で表される1種類の化合物と、式(2)で表される2種類の化合物と、式(3)で表される2種類の化合物とを含むことができる。この場合、式(2)で表される化合物の含有量は、全体で15質量%〜30質量%の範囲内であればよい。また、式(3)で表される化合物の含有量は、全体で25質量%〜55質量%の範囲内であればよい。
重合性液晶性組成物において、式(1)で表される化合物の割合は、他の化合物との相溶性の低下や、液晶性の低下を引き起こさない範囲で、できるだけ多くすることが好ましい。また、式(2)で表される化合物と式(3)で表される化合物との比は、おおよそ25:75(モル比)とすることが好ましい。式(2)の化合物の割合が多くなり過ぎると、液晶性が低下するようになる。一方、式(2)の化合物の割合が少なくなり過ぎると、青色レーザ光に曝露した際のRd値の変動が大きくなる。
式(1)〜式(3)において、X〜Xは、各々独立に、水素原子またはメチル基であり、B〜B11は、各々独立に、単結合、−COO−または−OCO−である。
、LおよびLは、各々独立に、B、BおよびBが単結合のときには、−(CH−O−、−(CH−または単結合であり、B、BおよびBが−COO−または−OCO−のときには、−(CH−である。但し、いずれの場合も、nは1〜12の整数である。また、アルキレン基の炭素−炭素結合間にエーテル結合性の酸素原子を有していてもよく、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよい。
は、Bが単結合のときには、−O−(CH−、−(CH−または単結合であり、Bが−COO−または−OCO−のときには、−(CH−である。但し、いずれの場合も、mは1〜12の整数である。また、アルキレン基の炭素−炭素結合間にエーテル結合性の酸素原子を有していてもよく、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよい。
〜Aは、各々独立に、1,4−フェニレン基またはトランス−1,4−シクロへキシレン基であり、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよい。ここで、液晶性を発現させる点から見ると、3環以上の多環化合物においては、フェニレン基を導入することが好ましい。しかしながら、フェニレン基の過剰な導入は、共役系を広げて吸収端を長波長化し、青色レーザの発振波長帯域における吸収を増大させるおそれがある。特に、隣り合ったフェニレン基が直接結合した場合や、−COO−基などのような共役性を有する連結基を介して結合した場合には、共役長がさらに増大し、青色レーザの波長帯域においてより強い吸収を示すことになる。このため、フェニレン基の導入は、必要最低限に留める必要がある。具体的には、1分子中に導入できる個数を、2環化合物であれば1個、3環以上の化合物では2個までとすることが好ましい。さらに、2個導入する場合は、フェニル基同士が直接結合しない構造や、共役性を示す連結基を介して結合しない構造とすることが好ましい。
、Rは、各々独立に、炭素数が1〜12のアルキル基であり、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよい。
Cyは、トランス−1,4−シクロへキシレン基であり、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよい。
式(2)および式(3)で表される化合物は、それぞれ単独で液晶性を示してもよいし、示さなくてもよいが、式(2)のAおよびAは、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよいトランス−1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。一方、式(1)で表される化合物は、上述の通り、単独で液晶性を示すことが好ましい。この場合、式(1)のAおよびAは、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよい1,4−フェニレン基であることが好ましい。
式(1)で表される化合物の具体例としては、非特許文献1(R.Cassano, R.Dabrowski, J.Dziaduszek, N.Picci, G.Chidichimo, G.de Filpo,F.Puoci, Tetrahedron Letters,48(8),1447−1450,2007)に開示のものを挙げることができる。
本発明の重合性液晶性組成物は、本発明の効果を損しない範囲内で、式(1)〜式(3)で表される化合物以外の化合物、例えば、これらの化合物以外の重合性液晶性化合物、重合性非液晶性化合物、非重合性液晶性化合物または非重合性非液晶性化合物などを含むことができる。例えば、重合開始剤、重合禁止剤、カイラル剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤または色素などの添加剤の量は重合性液晶性組成物に対して5質量%以下とすることが好ましく、2質量%以下とすることがより好ましい。また、その他の化合物を加える場合には、本発明の効果を損しない範囲内で用いるが、通常は式(1)〜式(3)で表される化合物の総量が、重合性液晶性組成物に対して90質量%以上とすることが好ましく、95質量%以上とすることがより好ましい。
次に、本発明の光学異方性材料について述べる。
本発明の光学異方性材料は、上述した重合性液晶性組成物を、この組成物が液晶相を示す状態でかつ液晶が配向した状態で、重合して得られる重合体からなる。
重合性液晶性組成物が液晶相を示す状態に保つには、雰囲気温度をネマティック相−等方相相転移温度(T)以下にすればよい。但し、Tに近い温度では液晶組成物のΔnが極めて小さくなるので、雰囲気温度の上限は(T−10)以下とすることが好ましい。
重合には、光重合や熱重合などがあるが、液晶性を保持したまま硬化させやすい点から、光重合が好適である。光重合に用いる光としては,紫外線または可視光線が好ましい。光重合を行う場合は、光重合開始剤を用いることが好ましく、中でも、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ベンゾイン類、ベンジル類、ミヒラーケトン類、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンジルジメチルケタール類およびチオキサントン類などから適宜選択される光重合開始剤が好ましく用いられる。光重合開始剤は、1種または2種以上を組み合わせて使用できる。光重合開始剤の量は、液晶組成物の全体量に対して0.005質量%〜5質量%とすることが好ましく、0.01質量%〜1質量%とすることがより好ましい。
光学異方性材料は、上述したように、重合性液晶性組成物を、この組成物が液晶相を示す状態でかつ液晶が配向した状態で、重合することにより得られる。例えば、重合性液晶性組成物を、表面に配向処理を施した一対の基板間に挟持した状態で、重合することにより得られる。以下に、具体例を述べる。
まず、透明基板を準備する。
透明基板としては、例えば、可視光に対する透過率が高い材料からなる基板を用いることができる。具体的には、アルカリガラス、無アルカリガラスおよび石英ガラスなどの無機ガラスの他に、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアルコール、および、ポリフッ化ビニルなどのフッ素含有ポリマーなどの透明樹脂からなる基板が挙げられる。剛性が高い点で、無機ガラスからなる基板を用いることが好ましい。透明基板の厚みは、特に限定は無いが、通常は0.2mm〜1.5mmとすることができ、好ましくは0.3mm〜1.1mmである。この透明基板には、必要に応じて、アルカリ溶出防止、接着性向上、反射防止またはハードコートなどを目的とした、無機物または有機物などからなる表面処理層が設けられていてもよい。
次に、透明基板の表面に配向処理を施す。
例えば、透明基板の上に配向膜を形成し、配向膜に対して配向処理を行う。配向膜は、液晶を配向させる機能を有するものであればよく、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルシンナメートおよびポリスチレンなどの有機材料、または、SiOおよびAlなどの無機材料を用いることができる。配向処理は、具体的には、ラビング法などを用いて行うことができる。例えば、綿、羊毛、ナイロン、レーヨンおよびポリエステルなどのラビング布で、配向膜の表面を一方向に擦ることによって、その方向に液晶分子が配向するようにする。尚、配向膜を設けずに、透明基板の表面をラビング布で直接擦ることによって、透明基板に配向処理を施してもよい。また、ラビング法以外にも、SiOの斜め蒸着、イオンビーム法または光配向膜などによって、液晶分子の配向を揃えることもできる。
次に、配向膜の上に光学異方性材料を形成する。
上記の透明基板(以下、第1の基板と称す。)とは別に、表面に配向膜が形成された第2の基板を新たに準備する。この配向膜については、第1の基板と同様にして形成すればよい。次いで、配向膜が形成された側の第2の基板の表面に離型処理を行う。離型剤としては、例えば、フルオロシラン系または含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体などを使用することができる。次に、この第2の基板に第1の基板を間隔を置いて重ね合わせて仮接着する。このとき、第2の基板の離型処理された面と、第1の基板の配向膜が形成された面とが互いに内側を向くようにする。また、外部から重合性液晶性組成物を充填可能な開口部を設けておく。次いで、この開口部を通じて、基板間に本発明の重合性液晶性組成物を注入する。注入には、真空注入法を用いてもよいし、大気中で毛細管現象を利用した方法を用いてもよい。重合性液晶性組成物を注入した後は、所定の波長の光を照射して重合性液晶性組成物を重合させる。必要に応じて、光照射の後でさらに加熱処理を行ってもよい。その後、仮接着していた第2の基板を取り除くことによって、第1の基板の上に、配向膜と光学異方性材料とが形成された構造を得ることができる。本実施の形態では、重合性液晶性組成物は、第1の基板の表面と略平行な方向に配向し、光学異方性材料は、この配向が固定された状態で得られる。
また、光学異方性材料の形成は、例えば、次のようにして行うこともできる。
まず、配向膜が形成された第1の基板と、配向膜が形成された上に離型剤が施された第2の基板とを準備する。次いで、第1の基板に形成された配向膜の上に、本発明の重合性液晶性組成物を滴下する。その後、第2の基板を、離型剤の塗布面が重合性液晶性組成物の側になるようにして、第1の基板と重ね合わせる。次いで、所定の波長の光を照射して重合性液晶性組成物を重合させる。その後、第2の基板を除去すると、上記と同様に、第1の基板の上に、配向膜と光学異方性材料とが形成された構造を得ることができる。
尚、上記2つの例では、第2の基板を除去したが、光学異方性材料を第1の基板と第2の基板に挟持した状態で光学素子に用いることもできる。この場合、第1の基板と第2の基板を重ね合わせて接着する際に、スペーサを混入したシール材を用いて基板間隔を制御する。また、シール材を設けない面内部分にも、基板間隙制御用のスペーサを散布してもよい。重合性液晶性組成物の重合は、シール材の一部に設けられた開口部を通じて、基板間にこの組成物を注入した後、開口部を接着剤で封止してから行う。注入には、真空注入法を用いてもよいし、大気中で毛細管現象を利用した方法を用いてもよい。また、シール材に開口部を設けずに、いずれか一方の基板に貫通孔を開けておき、貫通孔から重合性液晶性組成物を注入した後、貫通孔を接着剤で封止することもできる。さらに、第1の基板の周辺部にシール材を塗布した後、その内側に液晶性組成物を滴下し、上方から第2の基板を重ね合わせてもよい。この方法によれば、液晶の注入とシールとが同時に行える。
本発明の光学異方性材料は、光学素子用の材料として用いることができる。この光学異方性材料は、青色レーザ光に対する耐光性が良好である。したがって、これを用いた光学素子は、青色レーザ光に曝露されても、時間の経過に伴って、収差が発生したり、透過率が低下したり、Rd値が変動したりするのが抑制される。
本発明の光学素子としては、例えば、青色レーザ光の位相状態および/または波面状態を変調する用途に使用される光学素子が挙げられる。具体的には、光ヘッド装置に搭載される偏光ホログラムなどの回折素子や位相板などが挙げられる。偏光ホログラムとしては、レーザ光源からの出射光が光ディスクの情報記録面で反射され、これによって発生する信号光を分離し、受光素子へと導光する例が挙げられる。位相板としては、1/2波長板として使用し、レーザ光源からの出射光の位相差制御を行う例や、1/4波長板として光路中に設置し、レーザ光源の出力を安定化する例などが挙げられる。さらに、他の例として、プロジェクタ用の位相板や偏光子なども挙げられる。
光学素子の作製方法には、上述した光学異方性材料の形成方法が含まれる。但し、上記例では、説明を簡単にするため配向膜にしか触れなかったが、光学特性制御の目的で電極を設けたり、反射型素子として使用する目的で反射膜を設けたりすることにより、光学素子とすることができる。さらに、目的に応じて、基板の表面に、フレネルレンズ構成、回折格子用の格子、色調調整用の着色層または迷光抑制用の低反射層などを設けることが可能である。
本発明の光学素子は、2個の光学素子が組み合わされていてもよい。また、光学素子に他の光学素子、例えば、レンズ、波面補正面、位相差板、絞りまたは回折格子などを組み合わせて用いてもよい。光学素子を2個組み合わせる場合には、それぞれ2枚の基板を用いた光学素子を形成してから重ねてもよいし、3枚の基板の中に2層の液晶層を形成するようにしてもよい。
以下に、本発明の光学素子の一例である回折格子について述べる。
回折格子は、本発明の光学異方性材料を含む第1の材料からなる第1の部材と、等方性の屈折率を有する第2の材料からなる第2の部材とが、交互に配置されて格子状となった構造を有する。第1の部材と第2の部材とを交互に配置することにより、これらを透過する光は、互いに干渉し合って回折を起こす。また、第1の部材を構成する第1の材料と、第2の部材を構成する第2の材料とは異なっているので、これらを透過する光の間には位相差が生じる。ここで、第1の部材と第2の部材とは、実質的に一定のピッチで交互に配置されることが好ましい。これにより、第1の部材を通じて回折される光と、第2の部材を通じて回折される光との干渉が良好となって、回折効率を向上させることができる。また、第1の部材と第2の部材は、互いに接していることが好ましい。これにより、これら以外の部分に入射する光を低減あるいはなくすことができるので、回折格子に入射する光を有効に利用することができる。尚、回折格子は、第1の部材および第2の部材以外の他の部材を含んでいてもよい。
上記の例において、第1の材料を格子状に加工して第1の部材とする際には、一般に、プラズマエッチングによる加工方法が採られる。ここで、本発明の重合性液晶性組成物は、液晶性を保持しつつ架橋密度を高くすることができるので、得られる光学異方性材料は耐光性に優れた材料となる。したがって、第1の材料をプラズマエッチングする際に光学異方性材料が受けるダメージは、本発明の重合性液晶性組成物を用いない材料に比べて小さなものとなる。
本発明の光学素子は、光記録媒体に情報を記録する、および/または、光記録媒体に記録された情報を再生する光情報処理再生装置に用いるのに適している。例えば、本発明による光学素子は、光ヘッド装置のレーザ光の光路中に好ましく配置される。特に、BD(Blue−ray Disk)やHDDVD(High−Definition Digital Versatile Disk)のような青色レーザ光を用いた光ヘッド装置用の光ヘッドに好適である。
例えば、上記の回折格子を備えた光ヘッド装置では、光記録媒体から反射された光は、回折格子によって回折される。尚、この光ヘッド装置は、回折格子の他に、回折格子に入射する光を発生させる光源、光源から出射された光を光記録媒体に集光する対物レンズ、光記録媒体で反射された光を検出する検出器などを有することができる。
図1に、本発明による光ヘッド装置の一例を示す。
図1において、光源1から出射された光は、回折格子2を透過し、対物レンズ3によって光ディスク4に集光される。次いで、光ディスク4で反射した光は、再び対物レンズ3を透過した後に、回折格子2によって回折されて、光検出器5に到達する。光源1には、通常の光ヘッド装置に使用される通常のレーザ光源が使用される。具体的には、半導体レーザが好適であるが、他のレーザであってもよい。本発明の回折格子は、青色レーザ光に対する耐光性が良好であるので、青色レーザ光を光源として使用することにより、光ヘッド装置の大容量化を図ることができる。図1において、回折格子2は、ホログラムビームスプリッタとして機能する。そして、回折格子2と光ディスク4との間に、1/4波長板6を挿入することにより、光源1から出射された直線偏光の偏光方向を、往路と復路とで90度回転させることができる。これにより、往路の偏光方向の光に対しては透過率を高めることができ、復路の偏光方向の光に対しては回折効率を高めることができるので、光ヘッド装置全体の光の利用効率をさらに向上させることができる。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々変形して実施することができる。
以下に、本発明の実施例と比較例を述べる。
実施例1.
<重合性液晶性組成物の調整>
上述した式(1)で表される化合物として、下記の化合物(1−1)および化合物(1−2)を用いた。また、式(2)で表される化合物として、下記の化合物(2−1)および化合物(2−2)を用いた。さらに、式(3)で表される化合物として、下記の化合物(3−1)および化合物(3−2)を用いた。

これらをそれぞれ表1に示す割合で混合して、重合性液晶性組成物S1〜S3を調整した。尚、各組成物には、光重合開始剤として、チバスペシャリティーケミカルズ社製の「イルガキュア754」(商品名)を0.5質量%添加した。

表1に示すように、組成物S1、S2およびS3のいずれにおいても良好な液晶性が確認された。
実施例2.
<光学素子K1〜K3の作製>
まず、縦5cm、横5cm、厚さ0.5mmのガラス基板を2枚準備し、それぞれのガラス基板にポリイミド溶液をスピンコータで塗布して乾燥した。そして、得られたポリイミド膜の各々に対して、ナイロンクロスで一定方向にラビング処理を行い、配向膜とした。次に、一方のガラス基板の配向膜の上に離型剤を塗布してから、この基板をエポキシ系のシール材を介して他方のガラス基板に貼り合わせてセルとした。このとき、配向膜を形成した面が互いに内側を向くようにするとともに、それぞれのガラス基板に対して行った配向処理の方向が同じとなるようにした。また、シール材には、直径3μmのガラスビーズを添加して、ガラス基板の間隔が3μmとなるようにした。
得られたセルに、実施例1の重合性液晶性組成物S1を注入した。次いで、この組成物が液晶相を示す温度で、強度50mW/cmの紫外線を積算光量が9,000mJ/cmとなるように照射して、重合性液晶性組成物S1の光重合を行った。これにより、光学素子K1を得た。また、上記と同様にして作製した別のセルに、実施例1の重合性液晶性組成物S2を注入した後、重合性液晶性組成物S1と同様にして光重合を行い、光学素子K2を得た。さらに、重合性液晶性組成物S3についても、同様の方法で作製したセルに注入した後、上記と同様の光重合を行い、光学素子K3を得た。
光学素子K1、K2およびK3を観察したところ、いずれにおいても液晶が基板のラビング方向に水平配向していることが分かった。また、各光学素子は、可視光領域で透明であり、散乱も認められなかった。表2に、各組成物の重合条件と、波長405nmのレーザ光に対する各光学素子のΔn値を測定した結果とを示す。

実施例3.
<光学素子K1〜K3の評価>
実施例2で得られた光学素子K1、K2およびK3に対し、Krレーザ(波長407nmおよび413nmのマルチモード)を照射して、各光学素子の青色レーザ光に対する耐光性を評価した。照射条件は、いずれも、温度80℃、積算曝露エネルギー40W・時間/mmとした。
試験後の青色レーザ光照射部位における透過率の変化(波長:405nm)は、光学素子K1、K2およびK3のいずれにおいても−0.5%未満であった。また、収差の変動は、光学素子K1、K2およびK3のいずれにおいても5mλ未満であった(λ=405nm)。さらに、光学素子K1、K2およびK3のいずれにおいても、Rd値の変動は1%未満であり、劣化は認められなかった。
比較例1.
<重合性組成物S4、S5の調整>
上述した式(1)で表される化合物を含まない重合性組成物S4と、式(1)で表される化合物と式(2)で表される化合物のいずれをも含まない重合性組成物S5とを調整した。
実施例1の化合物(2−1)、化合物(2−2)、化合物(3−1)および化合物(3−2)と、下記式で表される化合物(4−1)および化合物(4−2)とを、それぞれ表3に示す割合で混合して、重合性液晶性組成物S4およびS5を調整した。尚、各組成物には、光重合開始剤として、チバスペシャリティーケミカルズ社製の「イルガキュア754」(商品名)を0.5質量%添加した。


表3に示すように、式(1)の化合物を含まないが、式(2)および式(3)の化合物を含む重合性組成物S4では、良好な液晶性が確認された。一方、式(3)の化合物を含むが、式(1)および式(2)の化合物を含まない重合性組成物S5は、液晶性を示さなかった。
比較例2.
<光学素子K4の作製>
実施例2と同様にして作製したセルに、比較例1の重合性組成物S4を90℃の温度で注入した。次いで、温度70℃で、強度50mW/cmの紫外線を積算光量が9,000mJ/cmとなるように照射して、重合性組成物S4の光重合を行った。これにより、光学素子K4を得た。
光学素子K4を観察したところ、液晶が基板のラビング方向に水平配向していることが分かった。また、光学素子K4は、可視光領域で透明であり、散乱も認められなかった。さらに、波長405nmのレーザ光に対する各光学素子のΔn値を測定したところ0.03であった。
比較例3.
<光学素子K4の評価>
比較例2で得られた光学素子K4に対し、Krレーザ(波長407nmおよび413nmのマルチモード)を照射して、青色レーザ光に対する耐光性を評価した。照射条件は、温度80℃、積算曝露エネルギー40W・時間/mmとした。
試験後の青色レーザ光照射部位における透過率の変化(波長:405nm)は−0.5%未満であり、収差の変動は、5mλ未満(λ=405nm)であったが、Rd値は10%低下しており、照射部位における劣化が確認された。
本発明の重合性液晶性組成物は青色光に対して高い耐光性を有し、所望の液晶特性が得られ易いので、各種光学素子、特に、強い青色光を用いる光ディスク、光学素子等の高屈折率材料が必要とされる用途に好適に用いることができる。さらに、この光学素子は、回折格子、ホログラム素子、レンズ素子、収差補正素子、位相差板等に使用可能であり、特に、青色レーザ光を用いる光ヘッド装置に好適である。
本発明の光ヘッド装置の構成図の一例である。
符号の説明
1 光源
2 回折格子
3 対物レンズ
4 光ディスク
5 光検出器
6 1/4波長板

Claims (7)

  1. 下記式(1)で表される化合物を15〜60質量%、下記式(2)で表される化合物を15〜30質量%および下記式(3)で表される化合物を25〜55質量%含み、
    CH=CX−COO−L−B−A−B−Cy−Cy−B−A−B−L−OCO−CX=CH (1)
    CH=CX−COO−L−B−A−B−Cy−B−A−B−R (2)
    CH=CX−COO−L−B−Cy−B10−Cy−B11−R (3)
    〜Xは、各々独立に、水素原子またはメチル基であり、
    〜B11は、各々独立に、単結合、−COO−または−OCO−であり、
    、LおよびLは、各々独立に、B、BおよびBが単結合のときには−(CH−O−、−(CH−または単結合であり、B、BおよびBが−COO−または−OCO−のときには−(CH−であり(但し、いずれの場合も、nは1〜12の整数)、アルキレン基の炭素−炭素結合間にエーテル結合性の酸素原子を有していてもよく、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよく、
    は、Bが単結合のときには−O−(CH−、−(CH−または単結合であり、Bが−COO−または−OCO−のときには−(CH−であり、(但し、いずれの場合も、mは1〜12の整数)、アルキレン基の炭素−炭素結合間にエーテル結合性の酸素原子を有していてもよく、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよく、
    〜Aは、各々独立に、1,4−フェニレン基またはトランス−1,4−シクロへキシレン基であり、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよく、
    、Rは、各々独立に、炭素数が1〜12のアルキル基であり、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよく、
    Cyは、トランス−1,4−シクロへキシレン基であり、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよいことを特徴とする重合性液晶性組成物。
  2. 式(1)で表される化合物が液晶性を示すことを特徴とする請求項1に記載の重合性液晶性組成物。
  3. 式(1)のAおよびAが、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよい1,4−フェニレン基であることを特徴とする請求項2に記載の重合性液晶性組成物。
  4. 式(2)のAおよびAが、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよいトランス−1,4−シクロへキシレン基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の重合性液晶性組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の重合性液晶性組成物の重合体からなることを特徴とする光学異方性材料。
  6. 請求項5に記載の光学異方性材料を有することを特徴とする光学素子。
  7. 請求項6に記載の光学素子を有することを特徴とする光ヘッド装置。

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