JP2009116040A - 転写同時定着装置、及び画像形成装置 - Google Patents

転写同時定着装置、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】小型化に適応可能な転写同時定着装置及びこれを用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】中間転写ベルト1の電磁誘導加熱層1cを磁性体で構成したので、励磁コイル4からの磁界Hの吸収が効率的に行うことが可能となる。そのため、転写定着ローラ9の芯部2の内周に励磁コイルを配設し、芯部2の外周にニップ部Nを形成する弾性層3を配設した転写定着ローラ9とすることが可能となった。その結果、転写同時定着装置の小型化を容易に図ることが可能となるだけでなく、弾性層3の配設によって適切なニップ部Nを形成することが可能となった。
【選択図】図1

Description

本発明は、中間転写ベルトの外周面から前記記録材表面に転写すると同時に定着する転写同時定着装置及びこれを備えた画像形成装置に関する。
近年、電子写真方式のプリンタ、複写機等で代表される画像形成装置として、電磁誘導加熱方式を利用した転写同時定着装置を使用して装置の小型化及び高速対応を図ろうとする試みがなされている。例えば、特許文献1に記載のもののように、銅金属等の導電性材料からなる導電層を有する中間転写ベルトを二次転写ローラに周回移動可能に支持させて使用するとともに、中間転写ベルトの導電層を貫く変動磁界を発生する励磁コイルを二次転写ローラに対向配置し、その励磁コイルに交流電圧を印加することにより励磁コイルから発生する変動磁界が貫かれる導電層部分を渦電流により電磁誘導加熱させ、そのときの熱を中間転写ベルト表面に伝えて、中間転写ベルト上のトナー像を加熱し、二次転写ローラに圧接する加圧ローラにより加圧すると共に、記録材上にトナー像を転写すると同時に定着する転写同時定着装置が提案されている。
特開2000−275982公報
しかしながら、特許文献1に記載のものでは、銅金属等の導電性材料からなる導電層を有する中間転写ベルトを使用するために、導電層を効果的に発熱させるために、中間転写ベルトを支持する二次転写ローラに励磁コイルを対向配置する必要があり、その結果、転写同時定着装置を小型化することが困難となるという問題がある。
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであり、小型化に適応可能な転写同時定着装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、外周面にトナー像が転写され、電磁誘導加熱される電磁誘導加熱層を有する無端状ベルトからなる中間転写ベルトと、当該中間転写ベルトを張架し、当該中間転写ベルトに磁界を印加する励磁手段を有する転写定着ローラと、当該転写定着ローラに対して前記中間転写ベルト及び記録材を介して押圧する加圧手段とを備え、前記中間転写ベルトの外周面に転写されたトナー像を、前記転写定着ローラからの磁界によって発熱する前記中間転写ベルトの電磁誘導加熱層の加熱及び前記加圧手段による加圧によって、前記中間転写ベルトの外周面から前記記録材表面に転写すると同時に定着する転写同時定着装置において、前記中間転写ベルトの電磁誘導加熱層は、磁性体で構成され、前記転写定着ローラは、回転支持軸の内周に前記励磁手段を備え、当該回転支持軸の外周に弾性層を備えたことを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1記載の転写同時定着装置において、前記トナー像は、磁性を有するトナーによって形成され、前記転写定着ローラからの磁界によって発熱して軟化することを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2記載の転写同時定着装置において、前記中間転写ベルトの電磁揺動加熱層は、整磁合金で構成されていることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載の転写同時定着装置において、前記転写同時定着装置は、当該装置内の環境温度を検出する環境温度検出手段を備え、当該環境温度検出手段で検出された環境温度に応じて前記転写定着ローラ内の励磁手段の磁界強度を制御する制御装置を備えたことを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の転写同時定着装置において、前記転写同時定着装置は、前記トナー像の転写定着前の中間転写ベルトの温度を検出する中間転写ベルト温度検出手段を備え、当該中間転写ベルト温度検出手段で検出された温度に応じて前記転写定着ローラ内の励磁手段の磁界強度を制御する制御装置を備えたことを特徴とする。
また、請求項6の発明は、感光体と、感光体表面に形成された静電潜像にトナーを供給してトナー像化する現像装置と、当該感光体表面に形成されたトナー像を無端状の中間転写ベルトに転写する転写手段と、当該中間転写ベルトの外周面上に転写されたトナー像を記録材に転写すると同時に定着する転写同時定着手段を備えた画像形成装置において、 前記転写同時定着手段は、請求項1乃至5のいずれか1項記載の転写同時定着手段であることを特徴とする。
本発明によれば、前記中間転写ベルトの電磁誘導加熱層は、磁性体で構成され、前記転写定着ローラは、回転支持軸の内周に前記励磁手段を備え、当該回転支持軸の外周に弾性層を備えることによって、小型化に適応可能な転写同時定着装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明による一実施形態の画像形成装置の概略構成を示す図である。本実施形態に係る画像形成装置は、周面が周回移動可能に支持された無端ベルト状の中間転写ベルト1を備えており、この中間転写ベルト1と対向する位置にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成する画像形成部7Y、7M、7C、7Kが配置されている。各画像形成部7Y、7M、7C、7Kは、矢印方向に回転するドラム状感光体8Y、8M、8C、8Kの周囲に感光体8Y、8M、8C、8Kの表面を一様に帯電する帯電装置12、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの着色トナーを収納し、感光体8Y、8M、8C、8Kにそれぞれの着色トナーを供給する現像装置13Y、13M、13C、13K、感光体8Y、8M、8C、8K上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト1の外周面1aに転写する一次転写装置14及び感光体8Y、8M、8C、8Kの表面にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報に対応する光を照射して各色に対応する静電潜像を形成する露光手段15Y、15M、15C、15Kを備えている。
そして、帯電装置12によって一様に帯電された感光体8Y、8M、8C、8Kの表面に露光手段15Y、15M、15C、15Kによって各色に対応する静電潜像を形成し、この静電潜像に対して現像装置13Y、13M、13C、13Kから各色のトナーを供給して各色のトナー像を感光体8Y、8M、8C、8K上に形成する。このようにして形成された感光体8Y、8M、8C、8K上のトナー像は、一次転写装置14で電界を印加されて中間転写ベルト1の外周面1a上に転写される。その後、後述するようにして中間転写ベルト1の外周面1a上のトナー画像Tは、転写同時定着装置17によって記録用紙等の記録材P上に転写、定着される。
中間転写ベルト1は、転写定着ローラ9、駆動ローラ10及びテンションローラ11に張架され、駆動ローラ10の回転によって矢印A方向に移送される。そして、中間転写ベルト1の外周面1a上に転写されたトナー像Tは、後述するように、転写定着ローラ9上で電磁誘導加熱されて溶融軟化される。続いて、このようにして溶融軟化されたトナー像Tは、入口ガイド17から案内された記録材Pと共に、加圧部材である加圧ローラ5によって押圧される転写定着ローラ9とのニップ部Nで加圧され、記録材P上に転写され、出口ガイド18によって、記録材Pは矢印B方向に搬送される。この場合、中間転写ベルト1の外周面1aは離型性を有するので、ニップ部Nで加圧されたトナー像Tは中間転写ベルト1の外周面1aから記録材Pの表面に付着転写されるが、ニップ部Nでのトナー像Tの転写が円滑に行われず、記録材Pが中間転写ベルト1と連れ添って搬送されることを防止するために、記録材Pを剥離する剥離爪19が設けられている。このようにして、加熱、加圧されたトナー像Tは、記録材Pに転写されると共に、加熱された中間転写ベルト1から離間されることによって冷却されて記録材上に固定定着される。なお、転写定着ローラ9を押圧する加圧手段として、上記実施形態においては、加圧ローラを例示したが、加圧ローラに限らず、無端状ベルトを使用した加圧ベルトであっても良い。また、符号6は、転写定着ローラ9で加熱された中間転写ベルト1を冷却するヒートシンク手段である。このヒートシンク手段6は、画像形成部7Y、7M、7C、7Kにおける感光体8Y、8M、8C、8Kのトナー像の形成時、或いは、当該トナー像の中間転写ベルト1への転写時に、中間転写ベルト1による熱的影響を抑制するために配設されているが、中間転写ベルト1による熱的影響が小さい場合には、省くことが可能である。
また、中間転写ベルト1は、図2に示すように、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド等の耐熱性の良好なフィルムからなる基材1b上に、磁性体で形成された電磁誘導加熱層1cを形成し、さらにこの電磁誘導加熱層1c上に、フッ素樹脂、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性及び離型性の良好な表面層1dが形成されている。そして、この表面層1dの表面が中間転写ベルト1の外周面1aとなって前述のように、表面層1d上にトナー像Tが各画像形成部7Y、7M、7C、7Kによって転写され、ニップ部Nで記録材P上にトナー像Tを転写するようになっている。
電磁誘導加熱層1cは、比較的高透磁率を有する磁性ステンレスや、所要のキュリー温度、例えば、トナーの溶融温度以下のキュリー温度を有する鉄−ニッケル合金、鉄−ニッケル−クロム合金、鉄−ニッケル−銅合金、鉄−ニッケル−モリブデン合金等の整磁合金等の磁性金属を蒸着、スパッタリング等によって1〜50μm厚みの単層又は多層の薄膜状に形成されている。従って、この電磁誘導加熱層1cは、後述するように、転写定着ローラ9内に内蔵された励磁手段である励磁コイル4から交番磁界を印加されたときに、電磁誘導加熱層1c内に渦電流を発生させ、この渦電流によって電磁誘導過熱層1cを発熱させる。この場合に、この電磁誘導加熱層1cは、前述のような磁性体で構成されているので、前記励磁コイル4から印加される交番磁界を効率的に吸収する。その結果、励磁コイル4と電磁誘導加熱層1cとの間が比較的大きく離間していても有効に電磁誘導加熱層に渦電流を発生させることが可能となる。この場合、電磁誘導加熱層1cとして整磁合金を使用した場合には、所要のキュリー温度の磁性体を選定することによって、必要以上の温度の加熱することが可能であるので好適である。
この渦電流は、電磁誘導加熱層1cに印加される交番磁界の強度、周波数によって変動し、交番磁界の強度が大きい程、また、周波数が高いほど大きい渦電流を発生させ、電磁誘導加熱層1cを高温に発熱させることが可能である。このような交番磁界の強度、周波数は、後述する励磁コイル4に供給される電力及び周波数によって変動し、励磁コイル4に供給される電力が大きいほど大きな磁界が発生し、供給周波数が高いほど高周波の磁界が発生する。従って、高温にする場合には、励磁コイルに高周波の大電力を供給すればよく、本実施例においては、100〜2000Wの電力、10〜100KHzの周波数の電力を供給することによってトナー像Tを溶融して転写同時定着することが可能となる。
転写定着ローラ9は、中間転写ベルト1の移送と共に回転する回転支持軸を構成するアルミニウム、プラスチック材等の非磁性材料からなる芯部2の外周にシリコーンゴム等の弾性体からなる弾性層3が形成されている。そして、弾性層3を加圧ローラ5による押圧によって変形させて中間転写ベルト1と記録材Pを挟圧するニップ部Nを形成可能となっている。また、芯部2の内周には、鉄芯等からなるE字状コア4aの中央部にコイル線材4bを巻きつけてH方向に磁界を放射する励磁コイル4が取り付けられている。そして、この励磁コイル4は、芯部2の内周内で矢印C方向に回動可能に取り付けられている。この場合に、励磁コイル4の回動角、即ち磁界Hの放射方向は、励磁コイル4を回動させる図示しないモータ等の回動駆動手段を制御することによって適宜設定可能となっている。このように、励磁コイル4を回動させることによって中間転写ベルト1の電磁誘導加熱層1cに印加する磁界Hの方向をニップ部Nから近付けたり遠ざけたりすることが可能となっている。その結果、中間転写ベルト1の移送速度に応じて、即ち、中間転写ベルト1の移送速度を低速とする場合には、ニップ部Nに近付くように、反対に高速の場合には、ニップ部Nから遠ざけるように励磁コイル4を回動可能としている。
また、転写定着ローラ9の周囲には、画像形成装置の環境温度を検出する環境温度検出手段20及びトナー像の転写定着前の中間転写ベルト1の温度を検出する中間転写ベルト検出手段となる温度センサ21が配設されている。そして、環境温度検出手段20及び温度センサ21によって検出された温度は、制御手段22に入力され、制御手段22によって、電源装置23を制御して励磁コイル4に供給される電力及び周波数を制御するようになっている。従って、環境温度検出手段20及び温度センサ21による検出温度を考慮して電源装置から供給される電力等を制御手段22によって制御して無駄な電力等の供給を抑制して適切な加熱温度とすることが可能となっている。
本実施形態における転写同時定着装置においては、転写同時定着に関する温度は中間転写ベルト1の電磁誘導加熱層1cのキュリー点により主に制御される。逆にキュリー点に達する以上のエネルギーを印加することは無駄となる。中間転写ベルト1の加熱に必要なエネルギー量は中間転写ベルト1の熱容量と加熱前の温度に依存する。中間転写ベルト1の熱容量は一定なので問題ないが、中間転写ベルト1の加熱前の温度は状況により変化するため、転写同時定着装置がどのような状況にあるのかを把握する必要が生ずる。即ち、転写同時定着装置の環境温度や中間転写ベルト1の温度に応じて、中間転写ベルト1の電磁誘導加熱層1cによる発熱温度を制御する必要がある。そのため、前述のように、環境温度検出手段20及び温度センサ21によって転写同時定着装置の外部の環境温度及びトナー像の転写定着前の中間転写ベルトの温度を検出し、これらの検出温度に基づいて励磁コイル4を作動させる電源装置23の電力等を制御手段22で制御するようにしている。
図3は、環境温度及び中間転写ベルト1の温度に基づいて中間転写ベルトに必要なエネルギー量を予測し、環境温度及び中間転写ベルト1の温度に応じて電源装置23内のインバータ出力を変化させた場合の関係を示す表である。この図3では、転写同時定着装置の使用開始時等、環境温度が17℃未満で中間転写ベルト1の温度が30℃未満の場合は、インバータ出力を1200Wと最大にしている。しかしながら、転写同時定着装置の使用と共に環境温度及び中間転写ベルト1の温度が上昇し、中間転写ベルト1の温度が30〜50℃、50℃以上となるに連れ、インバータ出力を1000W、800Wと低減させることが可能となることが明らかである。また、環境温度も17℃以上となる場合には、当初のインバータ出力1200Wより低減され、中間転写ベルト1の温度が50℃以上の場合には、750Wとなり、当初のインバータ出力より大幅に低減されることが明らかである。このように、励磁コイル4に入力するインバータの出力を図5に示すように変更し、必要以上のエネルギーを消費しない転写同時定着装置とすることができた。
以上のように、中間転写ベルト1の電磁誘導加熱層1cを磁性体で構成したので、励磁コイル4からの磁界Hの吸収を効率的に行うことが可能となる。そのため、転写定着ローラ9の芯部2の内周に励磁コイルを配設し、芯部2の外周にニップ部Nを形成する弾性層3を配設した転写定着ローラ9とすることが可能となった。その結果、転写同時定着装置の小型化を容易に図ることが可能となるだけでなく、弾性層3の配設によって適切なニップ部Nを形成することが可能となった。
なお、中間転写ベルト1の電磁誘導加熱層1cは、磁性金属の薄層で構成する他、これらの磁性金属等からなる磁性粒子を樹脂中に分散させた塗膜等からなる磁性体とすることもできる。
次に、本発明による他の実施形態として、上述の転写同時定着装置を使用して磁性を有するトナーによってトナー像を形成する例について説明する。
中間転写ベルト1上のトナー像Tは、転写定着ローラ9と加圧ローラ5によって形成されるニップ部Nの通過時に、加熱により軟化され、圧力と熱により転写定着される。このときに、最も時間がかかるのがトナーを軟化させる工程である。このために中間転写ベルト1の移送速度が速くなる場合、トナーを軟化させる時間を確保するためにニップ部Nの幅を広くする必要があり、その結果、装置が大型化したり、中間転写ベルト1が広いニップ部Nで蛇行するという弊害があった。
この欠点を補うために、トナーに磁性を付与し、トナー像Tがニップ部Nに進入する前に励磁コイル4よりエネルギーを供給してトナー自体を発熱させ、トナーの軟化点付近まで加熱することにより、ニップ部Nにおけるニップ時間を短縮させることが可能となり、狭いニップ部での転写同時定着が可能となった。
図4は、磁性トナーを使用した場合(曲線1)と非磁性トナーを使用した場合(曲線2)におけるトナー像の定着強度とニップ部Nのニップ時間との関係を示した図である。この図4から、所要の定着強度Xに達するまでのニップ時間は、非磁性トナーを使用した場合(t2)に比べ磁性トナーを使用した場合(t1)に、大幅に短縮されていることが明らかである。
この磁性トナーを使用してニップ時間の短縮を図るためには、励磁コイル4の磁界Hが中間転写ベルト1上のトナー像Tに有効に達する必要があるが、中間転写ベルト1の磁性体からなる電磁誘導加熱層1cが磁界Hを吸収してしまうため、トナー像Tまで磁界Hが届かず、磁性トナーによる電磁誘導加熱が生ぜずトナー像Tを加熱することができない。そこで、中間転写ベルト1の電磁誘導加熱層1cに整磁合金を使用した。整磁合金はキュリー点に達すると磁性を失う特徴があるため、中間転写ベルト1が十分加熱され、キュリー点に達すると磁界Hは中間転写ベルト1を通過し、中間転写ベルト1より外周にある磁性トナーからなるトナー像を加熱することが可能となり、この問題を解決することができた。
このような整磁合金としては、本実施形態においては、鉄−ニッケル合金を用いた。鉄−ニッケル合金からなる整磁合金のキュリー点は、ニッケルの含有比率により可変し、図4に示すように、ニッケル含有率が20〜60%程度までは、キュリー点は単純増加する傾向がある。従って、このニッケ含有率をどの程度にするのかはニップ部Nにおける温度に大きく影響する。高速な転写同時定着を行う場合には、短い転写定着時間で必要熱量を供給する目的から、ニップ部Nの温度を高く設定する。このためニッケル含有量は50%以下の領域でも比較的高めの含有率の鉄−ニッケル整磁合金を使用することが好ましい。この場合、中間転写ベルト1が多層である場合、電磁誘導加熱層1c以外の層の耐熱温度や、整磁合金とそれ以外の層との接着に用いる接着剤の耐熱温度を考慮し含有比率を調整する必要があり、これらの点を考慮すると、300〜500℃のキュリー点となるように、40〜50%のニッケル含有率が好適である。
このような40〜50%のニッケル含有率の鉄−ニッケル整磁合金を電磁誘導加熱層1cとして使用すると、300〜500℃に電磁誘導加熱層1cが発熱すると電磁誘導加熱層1cでは磁性を失い、励磁コイル4から放射された磁界Hが中間転写ベルト1を透過し、中間転写ベルト1の外周面1aに形成された磁性トナー像を電磁誘導加熱する。その結果、磁性トナー像自体が発熱し、トナー像は、加熱された中間転写ベルト1による加熱に加えて磁性トナー像自体の発熱によって、短時間でトナーを溶融軟化させることが可能となる。なお、本発明で使用される整磁合金としては、鉄−ニッケル合金の他、鉄−ニッケル−クロム、鉄−ニッケル−銅、鉄−ニッケル−モリブデン等でも同様な特性が得られるため、機械強度等を考慮して適宜選択することができる。
また、前述のように、励磁コイル4から放射された磁界Hにより発熱する磁性トナーとしては、トナーに対し1〜100μm程度の磁性紛を混練したものを使用することができる。その磁性粉としてはマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の磁性酸化鉄やコバルト、ニッケル等の磁性金属からなるものが使用可能である。
以上のように、本実施形態においては、トナー像を磁性トナーによって形成するようにしたので、トナー像自体を励磁コイル4によって発熱させることが可能となるので、所定の定着強度を得るためのニップ時間を短縮することが可能となる。
また、中間転写ベルト1の電磁誘導加熱層1cとして整磁合金を使用することによって、磁性トナーに対する励磁コイル4からの磁界Hを十分に付与することが可能となり、安定したトナー像の発熱を得ることが可能となる。
さらに、中間転写ベルト1の電磁誘導加熱層1cとして整磁合金を使用することによって、電磁誘導加熱層1cの発熱と磁性トナーによる発熱を併用させることによってトナー像の加熱時間を短縮することが可能となり、転写定着ローラ9の大型化を抑制して転写同時定着装置の小型化を図ることが可能となる。
本発明による一実施形態の画像形成装置の概略構成を示す断面図である。 本発明による一実施形態の画像形成装置で使用される中間転写ベルトの概略構成を示す断面図である。 本発明による一実施形態の画像形成装置で使用される環境温度と中間転写ベルトの温度に応じて制御されたインバータ出力の関係を示す図である。 本発明による他の実施形態の画像形成装置で使用される磁性トナー及び非磁性トナーを使用した場合における定着強度とニップ時間の関係を示す図である。 本発明による他の実施形態の画像形成装置で使用される中間転写ベルトの電磁誘導加熱層で使用される鉄−ニッケル整磁合金のキュリー点とニッケル含有率との関係を示す図である。
符号の説明
1 中間転写ベルト、1a 外周面、1b 基材、1c 電磁誘導加熱層、1d 表面層、2 芯部、3 弾性層、4 励磁コイル、4a コア、4b コイル電線、5 加圧ローラ、7Y、7M、7C、7K 画像形成部、8Y、8M、8C、8K 感光体、9 転写定着ローラ、10 駆動ローラ、11 テンションローラ、12 帯電装置、13Y、13M、13C、13K 現像装置、14 一次転写装置、15Y、15M、15C、15K 露光手段、20 環境温度検出手段、21 温度センサ、22 制御手段、23 電源装置

Claims (6)

  1. 外周面にトナー像が転写され、電磁誘導加熱される電磁誘導加熱層を有する無端状ベルトからなる中間転写ベルトと、当該中間転写ベルトを張架し、当該中間転写ベルトに磁界を印加する励磁手段を有する転写定着ローラと、当該転写定着ローラに対して前記中間転写ベルト及び記録材を介して押圧する加圧手段とを備え、前記中間転写ベルトの外周面に転写されたトナー像を、前記転写定着ローラからの磁界によって発熱する前記中間転写ベルトの電磁誘導加熱層の加熱及び前記加圧手段による加圧によって、前記中間転写ベルトの外周面から前記記録材表面に転写すると同時に定着する転写同時定着装置において、
    前記中間転写ベルトの電磁誘導加熱層は、磁性体で構成され、前記転写定着ローラは、回転支持軸の内周に前記励磁手段を備え、当該回転支持軸の外周に弾性層を備えたことを特徴とする転写同時定着装置。
  2. 請求項1記載の転写同時定着装置において、
    前記トナー像は、磁性を有するトナーによって形成され、前記転写定着ローラからの磁界によって発熱して軟化することを特徴とする転写同時定着装置。
  3. 請求項1又は2記載の転写同時定着装置において、
    前記中間転写ベルトの電磁誘導加熱層は、整磁合金で構成されていることを特徴とする転写同時定着装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項記載の転写同時定着装置において、
    前記転写同時定着装置は、当該転写同時定着装置内の環境温度を検出する環境温度検出手段を備え、当該環境温度検出手段で検出された環境温度に応じて前記転写定着ローラ内の励磁手段の磁界強度を制御する制御装置を備えたことを特徴とする転写同時定着装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項記載の転写同時定着装置において、
    前記転写同時定着装置は、前記トナー像の転写定着前の中間転写ベルトの温度を検出する中間転写ベルト温度検出手段を備え、当該中間転写ベルト温度検出手段で検出された温度に応じて前記転写定着ローラ内の励磁手段の磁界強度を制御する制御装置を備えたことを特徴とする転写同時定着装置。
  6. 感光体と、感光体表面に形成された静電潜像にトナーを供給してトナー像化する現像装置と、当該感光体表面に形成されたトナー像を無端状の中間転写ベルトに転写する転写手段と、当該中間転写ベルトの外周面上に転写されたトナー像を記録材に転写すると同時に定着する転写同時定着手段を備えた画像形成装置において、
    前記転写同時定着手段は、請求項1乃至5のいずれか1項記載の転写同時定着手段であることを特徴とする画像形成装置。
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JP2007288992A Pending JP2009116040A (ja) 2007-11-06 2007-11-06 転写同時定着装置、及び画像形成装置

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JP (1) JP2009116040A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8811842B2 (en) 2009-12-22 2014-08-19 Ricoh Company, Ltd. Fixing device and image forming apparatus
JP2015132731A (ja) * 2014-01-14 2015-07-23 富士ゼロックス株式会社 画像除去装置及びプログラム

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JP2015132731A (ja) * 2014-01-14 2015-07-23 富士ゼロックス株式会社 画像除去装置及びプログラム

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