JP2009115388A - 液体燃料用バーナおよび舶用ボイラ - Google Patents

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Junji Imada
潤司 今田
Hiroshi Tanigawa
浩 谷川
Hidefumi Nagano
英文 永野
Takazumi Terahara
貴澄 寺原
Shuhei Sugiura
秀平 杉浦
Yoshiaki Tsuji
良明 辻
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Abstract

【課題】 本発明は、NOxの発生を低減させた、液体燃料を燃焼する液体燃料用バーナおよび舶用ボイラを提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の液体燃料用バーナは、燃焼用の空気を供給する空気通路27の略中央部に、下流側に向かって液体燃料を噴射する噴射口67,68を備えたアトマイザ37を有する液体燃料用バーナにおいて、噴射口67,68が、空気流通方向に沿う軸線回りに周方向に間隔をあけて複数設けられるとともに、周方向に隣り合う噴射口67,68が異なる噴射角度を有することを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、NOxの発生を低減させた液体燃料を燃焼する液体燃料用バーナおよび舶用ボイラに関するものである。
舶用ボイラでは、重油等の液体燃料を専焼する液体燃料バーナならびに重油および天然ガス等を同時にあるいは切り替えて燃焼させる油・ガス焚きバーナ等の液体燃料用バーナが利用されている。この液体燃料用バーナでは、通常C重油と呼ばれる低質の液体燃料を使用しているため、NOxの排出レベルが高い。そのため、液体燃料を使用している時の低NOx化が求められている。
従来の液体燃料用バーナでは、液体燃料を噴射するアトマイザの噴射口は、均等サイズの口径を有し、同一円周上に複数配置されていた。この燃焼方式では、隣接する火炎の熱により一挙に燃焼が進み、NOx排出値が高いレベルにあった。
これに対する低NOx化技術として、噴射口の数を減らし、その分一つ一つの噴射口の口径を大きくして、火炎を分割大火炎にする方法がある。
また、別の低NOx化技術として、特許文献1に示すように、噴射口の口径を大小2種類とし、それらを交互に均等間隔で同一円周上に配置したものがある。これは、液体燃料の供給量が噴射口の面積に比例することを利用して、空気過剰の火炎域と燃料過剰の火炎域を形成するものである。これにより、NOxのピーク生成領域を避けていわゆる濃淡燃焼により低NOx化をはかっている。
特開平8−61609号公報(段落[0004]〜[0009],及び図2)
ところで、噴射口の数を減らして、その口径を大きくする方法は、低NOx化できる反面、火炎サイズが大きくなってしまうため、コンパクトな舶用ボイラの火炉サイズには採用できなかった。
また、舶用ボイラでは、陸用ボイラと比較してバーナ本数が少ないため、負荷変化を本数変化で行うことには限界があり、バーナ自体の燃料消費率を調整して行う必要がある。そのため、負荷変化として燃料消費率をバーナ1本当たり15分の1まで落とすことがある。噴射口の口径を大きくすると、噴射圧力を落として燃料消費率を落とした場合、液体燃料の微粒化が十分に行われなくなるため、低負荷での燃焼安定性が悪くなるという問題があった。
特許文献1に示すものは、噴射口の噴射角度が同じであるので、液体燃料が同じ方向に噴射される。したがって、火炎の範囲が限定されているので、火炎温度はそれほど低下しない。また、噴射口の口径が大小2種類あっても、噴射方向が同じで、隣あっているので、相互に混合して火炎の濃淡が十分に出てこない。そのため、NOxの低減が十分に行われない。
本発明は、上記問題点に鑑み、NOxの発生を低減させた、液体燃料を燃焼する液体燃料用バーナおよび舶用ボイラを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の液体燃料用バーナは以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる液体燃料用バーナは、燃焼用の空気を供給する空気通路の略中央部に、下流側に向かって液体燃料を噴射する噴射口を備えたアトマイザを有する液体燃料用バーナにおいて、前記噴射口が、空気流通方向に沿う軸線回りに周方向に間隔をあけて複数設けられるとともに、周方向に隣り合う噴射口が異なる噴射角度を有することを特徴とする。
このように、周方向に隣り合う噴射口が、異なる噴射角度を有するので、アトマイザから供給される液体燃料は、噴射口の噴射角度に沿って種々の方向に噴射される。種々の方向に噴射された液体燃料が、単一の空気通路から供給された空気とともに燃焼するので、火炎が広い空間に分散される。このように、火炎が広い範囲に分散されると、一定空間内での燃焼量が低下して、火炎温度が低下することになる。この火炎温度の低下により、火炎冷却効果が促進されNOx発生量が低減される。
また、本発明にかかる液体燃料用バーナは、燃焼用の空気を供給する空気通路の略中央部に、下流側に向かって液体燃料を噴射する噴射口を備えたアトマイザを有する液体燃料用バーナにおいて、前記噴射口が、空気流通方向に沿う軸線回りに周方向に間隔をあけて複数設けられるとともに、径の異なる複数の円周上に配列され、各円周上の噴射口が同一で、かつ、径方向に隣り合う噴射口が異なる噴射角度を有することを特徴とする。
このように、噴射角度の異なる噴射口を径の異なる円周上に配列したので、半径方向における火炎の分離がより明確になる。これにより、火炎冷却効果および/または濃淡燃焼がより促進されるので、NOx発生量がより低減される。
さらに、本発明にかかる液体燃料用バーナは、噴射角度の異なる前記噴射口が、相互に異なる口径を有することを特徴とする。
このように、噴射角度の異なる噴射口が、相互に異なる口径を有しているので、大きな径を持つ噴射口からは燃料が多く噴射され、小さな径を持つ噴射口からは、燃料が少なく噴射される。また、この燃料の噴射量の相違する範囲は、相互に噴射角度が相違しているので、特に半径方向で明確に分離される。これにより、アトマイザから噴射される燃料の分布に、粗密が形成されるので、濃淡燃焼が行われることになる。したがって、前記火炎冷却効果に加えて、濃淡燃焼により、さらにNOx発生量が低減される。
また、本発明にかかる液体燃料用バーナは、外側に配列した前記噴射口の噴射角度を、内側に配列した前記噴射口の噴射角度より大きくするとともに、内側に配列した前記噴射口の口径を外側に配列した前記噴射口の口径よりも大きくしたことを特徴とする。
このように、外側に配列された噴射口の噴射角度を、内側に配列された噴射口の噴射角度より大きくしているので、液体燃料は、外側、内側の噴射口から広い範囲に噴霧され、燃焼される。このように広い範囲で燃焼されると、全体の火炎温度が低下するので、それだけNOx発生量が低減する。また、内側に配列した噴射口の径を外側に配列した噴射口の径より大きくしているので、内側の噴射口から噴射される液体燃料は、燃料リッチで燃焼され、外側の噴射口から噴射される液体燃料は空気リッチの状態で燃焼される。したがって、濃淡燃焼となるので、全体的にNOx発生量がさらに低減される。
さらに、本発明にかかる液体燃料用バーナは、周方向に隣り合う噴射口が近接して配置された部分と離隔して配置された部分とを有することを特徴とする。
このように、周方向に隣り合う噴射口が近接して配置された部分と離隔して配置された部分を有しているので、近接して配置された部分では、液体燃料が多くなり、ゆっくり長く燃焼する。これにより、NOx発生量は低減する。また、離隔して配置された部分では液体燃料が少ないので、周方向における液体燃料の濃淡は明確になる。これにより、濃淡燃焼が行われるので、NOx発生量は低減する。
また、近接して配置された部分と離隔して配置された部分の位置を調整することにより、火炉の形状に合わせた火炎を形成することができる。
さらに、噴射口の口径を一部異ならせて、より濃淡を明確にしてもよい。こうすれば、所望の火炎を生成することが、より一層行える。
また、本発明にかかる舶用ボイラは、請求項1から5のいずれかに記載の液体燃料用バーナを備えたことを特徴とする。
このように、NOx発生量を低減した液体燃料用バーナを採用しているので、舶用ボイラとして低NOx化がはかれる。
請求項1の発明によれば、周方向に隣り合う噴射口が、異なる噴射角度を有するので、火炎が広い空間に分散される。これにより、火炎温度が低下するので、火炎冷却効果が促進されNOx発生量が低減される。
請求項2に記載の発明によれば、噴射角度の異なる噴射口を径の異なる円周上に配列したので、火炎冷却効果および/または濃淡燃焼がより促進され、NOx発生量がより低減される。
請求項3に記載の発明によれば、噴射角度の異なる噴射口が、相互に異なる口径を有しているので、アトマイザから噴射される燃料の分布に、粗密が形成される。これにより、濃淡燃焼が行われることになるので、前記火炎冷却効果に加えて、さらにNOx発生量が低減される。
請求項4に記載の発明によれば、外側に配列された噴射口の噴射角度を、内側に配列された噴射口の噴射角度より大きくしているので、液体燃料は広い範囲で燃焼され、全体の火炎温度が低下する。また、内側に配列した噴射口の径を外側に配列した噴射口の径より大きくしているので、濃淡燃焼となり、全体的にNOx発生量がさらに低減される。
請求項5に記載の発明によれば、周方向に隣り合う噴射口が近接して配置された部分と離隔して配置された部分を有しているので、近接して配置された部分では、液体燃料が多くなり、ゆっくり長く燃焼する。これにより、NOx発生量は低減する。また、離隔して配置された部分では液体燃料が少ないので、周方向における液体燃料の濃淡は明確になる。これにより、濃淡燃焼が行われるので、NOx発生量は低減する。
また、近接して配置された部分と離隔して配置された部分の位置を調整することにより、火炉の形状に合わせた火炎を形成することができる。
請求項6に記載された発明によれば、NOx発生量を低減した液体燃料用バーナを採用しているので、舶用ボイラとして低NOx化がはかれる。
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図6を用いて説明する。
図4は、本実施形態にかかる舶用ボイラ1の内部構造を示す説明図である。舶用ボイラ1は、2本の油・ガス焚きバーナ(液体燃料用バーナ)3と、略箱形形状をした火炉5と、火炉5を形成する炉壁7と、フロントバンクチューブ9と、過熱器11と、蒸発管群(リアバンクチューブ)13と、出口側ガスダクト15と、ガス出口17とを備えている。
蒸発管群13の上方には、蒸気ドラム19が、下方には水ドラム21がそれぞれ設けられている。また、出口側ガスダクト15の内部空間には、過熱器11や蒸発管群13が設けられている。
次に、図1に示す油・ガス焚きバーナ3について説明する。油・ガス焚きバーナ3は、油を噴出する油供給部23と、ガスを供給するガス供給部25と、燃焼用空気を供給する空気通路27と、を備えている。
基部支持板29と先端支持板31は、油・ガス焚きバーナ3を構成する各部材を支持するものである。基部支持板29と先端支持板31を舶用ボイラ1へ固定することで、油・ガス焚きバーナ3は舶用ボイラ1に取り付けられる。
油供給部23は、油・ガス焚きバーナ3の中心部に、長手方向に延設されている。油供給部23には、基部支持板29と先端支持板31とを貫通して設けられた円筒形状のハウジングチューブ33と、ハウジングチューブ33に貫通して設けられた油ノズル管35と、油ノズル管35の先端に取り付けられたアトマイザ37と、油ノズル管35の他端部に連結された油供給口39と、蒸気供給口41とが設けられている。
油ノズル管35には、先端部に略円管状の蒸気通路43(図3参照)が設けられている。また油ノズル管35には、蒸気通路43の外側に略全長に亘り、蒸気通路43と同軸線を持つドーナツ状の空間である油通路45(図3参照)が設けられている。
ガス供給部25には、基部支持板29の内側に、ハウジングチューブ33の周囲を覆うように取り付けられた円筒形状のガス供給室47と、基部支持板29を貫通してガス供給室47と連通するガス供給管49と、ハウジングチューブ33の周囲に間隔をおいて、同軸線の円周上に等間隔に配置された5本のガスノズル管51と、が備えられている。
ガスノズル管51の基部支持板29側端部は、ガス供給室47に連通して取り付けられている。ガスノズル管51の先端支持板31側端部には、ガスを噴出するガスノズル53が取り付けられている。
空気通路27は、ガスノズル管51の周囲を覆うように設けられており、基部支持板29に取り付けられた大きな径を有する円環状の風箱55と、風箱55と先端支持板31とに取り付けられた小さな径を有する円環状の空気通路部57と、風箱55に設けられた空気遮断空気遮断ダンパ59とを備えている。空気遮断ダンパ59から流入した空気は、風箱55を経由して空気通路部57を通って火炉5内へ供給される。
先端支持板31には、油ノズル管35の先端部分を覆うようにスワラ61が取り付けられている。スワラ61は、通過する空気に旋回流を発生させて、そのときに生じる負圧によってできる循環流で火炎を安定させる。
円筒状のスロート63は、先端支持板31に取り付けられている。スロート63の内側には、火炉側に進むにつれて径が拡大する円錐台形状の中空部64が設けられている。ガスノズル53およびアトマイザ37は、スロート63の中空部64の内側で、長手方向の中間部に位置している。スロート63は、耐火材で構成され、燃焼用空気のフローパターンを決定するうえで重要な役目を有している。また、スロート63は、火炎の輻射熱からアトマイザ37およびガスノズル53を保護している。
次に、図2および図3により、アトマイザ37について説明する。図2は、火炉5側から見た正面図で、図3は図2のX−X断面図である。
アトマイザ37には、直径と噴射角度の異なる2種類の噴射ノズル65,66が円周方向に交互にそれぞれ5個ずつ設けられている。噴射ノズル65,66は、蒸気通路43からその軸心を基点として放射線状に斜め前方に延設され、アトマイザ37の表面にそれぞれ噴射口67,68を形成している。隣り合う噴射口67,68の間隔は等しく配置されている。
噴射ノズル65,66と蒸気通路43を蒸気注入口69,70が連結している。また、噴射ノズル65,66と油通路45を燃料油注入口71,72が連結している。
蒸気注入口69,70と燃料油注入口71,72とが途中でY字型に出会っているので、Yジェットとも呼ばれる。
噴射ノズル65の噴射角度、すなわち噴射ノズル65の中心軸線が形成する円錐の頂角は、110°とされている。また、噴射ノズル66の噴射角度は、70°とされている。
噴射口67,68はそれぞれアトマイザ37の軸心を中心とした仮想円S1,S2の上に配列されている。
噴射口67と噴射口68の面積比、すなわち噴射ノズル65と噴射ノズル66との軸線に垂直な断面積比は、2:3とされている。この面積比は、蒸気注入口69と蒸気注入口70の間も、燃料油注入口71と燃料油注入口72の間も同じである。
以下、本実施形態にかかる油・ガス焚きバーナ3および舶用ボイラ1の動作について説明する。
舶用ボイラ1においては、油・ガス焚きバーナ3の燃焼で発生した燃焼ガスは、火炉5からフロントバンクチューブ9、過熱器11、蒸発管群13と熱交換を行いながら流れ、出口側ガスダクト15を経てガス出口17へと流出する。このとき、蒸気ドラム19に集められた蒸気が駆動源として所要な機器に供給される。
次に、油・ガス焚きバーナ3について説明する。ガス焚きの場合には、ガス供給管49からガス供給室47およびガスノズル管51を経由して、ガスノズル53からガスを火炉5内に噴射する。同時に、空気遮断ダンパ59を開いて流入する空気は、風箱55を経由して単一の空気通路部57を通って火炉5内に供給される。このとき、スワラ61を通過する空気は、旋回流となり、供給され、かつ、スロート63により流れが調整される。
火炉5内でガスと空気が混合したら点火して、火炎を生成する。
油焚きの場合には、空気は上記ガス焚きの時と同様にして供給する。一方、油は、油供給口39から油ノズル管35の油通路45へ供給されて、アトマイザ37へ送られる。同時に、蒸気が、蒸気供給口41から油ノズル管35の蒸気通路43へ供給されて、アトマイザ37へ送られる。
油通路45から噴射ノズル65,66へ送られる油は、蒸気注入口69,70から噴射ノズル65,66へ送られる高圧蒸気によるせん断または混合気流の膨張により微粒化されて、噴射口67,68から火炉5内へ霧状に噴出される。
この状態で点火すると火炎が生成される。
噴射ノズル65の噴射角度は110°とされているので、噴射口67から噴射される霧状の油は、外側に向けて火炎を形成する。一方、噴射ノズル66の噴射角度は70°とされているので、噴射口68から噴射される霧状の油は、内側に向けて火炎を形成する。したがって、火炎は広い範囲に形成されることになる。このように火炎が広い範囲で形成されると、一定空間の火炎密度が減少することになる。したがって、火炎の温度が低下することになり、火炎冷却効果によりNOxの発生が低下することとなる。
また、噴射される霧状の油の量は、噴射口の面積に比例する関係にある。噴射口67の面積は、噴射口68の三分の二であるので、霧状の油は、その分空気に対する油の量が不足した状態、すなわち空気リッチの状態で燃焼されることになる。一方、噴射口68の面積は、噴射口67の1.5倍であるので、霧状の油は、その分空気に対する油の量が過剰な状態、すなわち燃料リッチの状態で燃焼されることになる。したがって、濃淡燃焼の状態になり、NOxの発生量が低減することになる。しかも、前述のように、火炎の形成範囲が明確に分離されているので、より効果的に濃淡燃焼が行われる。
これらの状態を、図5により説明する。空気過剰率(空気量を量論空気量で割った割合)を横軸に、NOx排出量を縦軸にして、NOx排出量をプロットすると、図5に示すように空気過剰率が1のあたりを最大排出量とした、上に凸な曲線となる。特許文献1に記載のバーナのように、噴射角度が一定で、火炎の範囲があまり広くない場合には、曲線Tの関係にあるとする。特許文献1のバーナは一応濃淡燃焼であり、空気リッチな部分の火炎によるNOx排出量Cと燃料リッチな部分の火炎によるNOx排出量Dとすると全体のNOx排出量はCとDの加重平均であるEになる。特許文献1のバーナは、濃淡が不明確となっているので、濃淡燃焼の効果があまりみられない。
一方、本実施形態の油・ガス焚きバーナ3では、まず、火炎の温度が低下することにより、曲線Tから曲線Uに全体的に平行してNOx排出量が低下する。
ついで、濃淡部分が明確に分離されているので、濃淡燃焼の効果もはっきりと現れる。すなわち、噴射口68から噴射される燃料により形成される空気リッチな火炎のNOx排出量はFである。噴射口67から噴射される燃料により形成される燃料リッチな火炎のNOx排出量はJである。このFとJを加重平均したHがNOx排出量となる。したがって、特許文献1のものと比べても相当にNOx発生が低減されることになる。
図6は、次の3ケースのアトマイザ37で、実機テストを行った結果を示している。
供試体K1は、特許文献1に記載のバーナと同じで、異なる口径の噴射口を、噴射角度を一定(90°)にして同じ円周上に交互に配置したものである。
供試体K2は、本実施形態と同じ構成で、噴射口の面積比は同じ3:2であり、噴射口の噴射角度を60°と100°にしたものである。(請求項2の発明に相当する。)
供試体K3は、噴射口の面積はすべて同一とし、噴射口の噴射角度を60°と100°の2種類として内側、外側と交互に配置したものである。(請求項1の発明に相当する。)
いずれの供試体も噴射口は10個としている。
これらの供試体を実機で運転してNOxの発生量を計測した結果を比率で表したのが図6である
これを見てわかるように、従来のものに相当する供試体K1に比べて、供試体K2および供試体K3は、NOx発生量が20〜30%減少している。
本実施形態では、噴射角度と噴射口の面積をいずれも変えているが、供試体K3に示すように、噴射角度を変更するだけでも十分な効果を奏する。
また、上記実機試験の結果、噴射口の数は、6〜12個の範囲、噴射口の面積比(大面積÷小面積)は1〜4の範囲、内側の噴射角度は60〜90°の範囲、外側の噴射角度は90〜120°の範囲が望ましいことが判明した。
なお、噴射口が、空気の流通方向に沿う軸線回りに周方向に複数設けられるとともに、周方向に隣り合う噴射口が近接して配置された部分と離隔して配置された部分を有するようにして周方向での濃淡をより明確にすることもNOx低減に効果がある。すなわち、近接して配置された部分では、液体燃料が多くなり、ゆっくり長く燃焼する。これにより、NOx発生量は低減する。また、離隔して配置された部分では液体燃料が少ないので、周方向における液体燃料の濃淡は明確になる。これにより、濃淡燃焼が行われるので、NOx発生量は低減する。
また、近接して配置された部分と離隔して配置された部分の位置を調整することにより、火炉の形状に合わせた火炎を形成することができる。
さらに、噴射口の口径を一部異ならせて、より濃淡を明確にしてもよい。こうすれば、所望の火炎を生成することが、より一層行える。
以下、本実施形態の作用・効果を説明する。
周方向に隣り合う噴射口67,68が、異なる噴射角度を有するので、アトマイザ37から供給される霧状の油は、噴射口67,68の噴射角度に沿って外側と内側に向かって噴射される。外側と内側に向かって噴射された霧状の油が、単一の空気通路27から供給された空気とともに燃焼されるので、火炎が広い空間に分散される。このように、火炎が広い範囲に分散されると、一定空間内での燃焼量が低下して、火炎温度が低下することになる。この火炎温度の低下により、火炎冷却効果が促進されNOx発生量が低減される。
また、噴射角度の異なる噴射口67,68が、相互に異なる口径を有しているので、大きな径を持つ噴射口68からは燃料が多く噴射され、小さな径を持つ噴射口67からは、燃料が少なく噴射される。また、この燃料の噴射量の相違する範囲は、相互に噴射角度が相違しているので、特に半径方向で明確に分離される。これにより、アトマイザ37から噴射される霧状の油の分布に、粗密が形成されるので、濃淡燃焼が行われることになる。したがって、前記火炎冷却効果に加えて、濃淡燃焼により、さらにNOx発生量が低減される。
さらに、噴射角度の異なる噴射口67,68を径の異なる円周上に配列したので、半径方向における火炎の分離がより明確になる。これにより、火炎冷却効果および/または濃淡燃焼がより促進されるので、NOx発生量がより低減される。
また、外側に配列された噴射口67の噴射角度を、内側に配列された噴射口68の噴射角度より大きくしているので、噴射される霧状の油は、外側、内側の噴射口67,68から広い範囲に噴霧され、燃焼される。このように広い範囲で燃焼されると、全体の火炎温度が低下するので、それだけNOx発生量が低減する。また、内側に配列した噴射口68の径を外側に配列した噴射口67の径より大きくしているので、内側の噴射口から噴射される液体燃料は、燃料リッチで燃焼され、外側の噴射口から噴射される液体燃料は空気リッチの状態で燃焼される。したがって、濃淡燃焼となるので、全体的にNOx発生量がさらに低減される。
NOx発生量を低減した油・ガス焚きバーナ3を採用しているので、舶用ボイラ1として低NOx化がはかれる。
本発明の一実施形態の油・ガス焚きバーナを縦断して示す説明図である。 図1のアトマイザ部を火炉側から見た正面図である。 図2のX−X断面図である。 本発明の一実施形態にかかる舶用ボイラ1の内部構造を示す説明図である。 本発明の作用を説明する説明図である。 本発明の効果を示す実機試験の結果を示す説明図である。
符号の説明
1 舶用ボイラ
3 油・ガス焚きバーナ
27 空気通路
37 アトマイザ
67 噴射口
68 噴射口

Claims (6)

  1. 燃焼用の空気を供給する空気通路の略中央部に、下流側に向かって液体燃料を噴射する噴射口を備えたアトマイザを有する液体燃料用バーナにおいて、
    前記噴射口が、空気流通方向に沿う軸線回りに周方向に間隔をあけて複数設けられるとともに、周方向に隣り合う噴射口が異なる噴射角度を有することを特徴とする液体燃料用バーナ。
  2. 燃焼用の空気を供給する空気通路の略中央部に、下流側に向かって液体燃料を噴射する噴射口を備えたアトマイザを有する液体燃料用バーナにおいて、
    前記噴射口が、空気流通方向に沿う軸線回りに周方向に間隔をあけて複数設けられるとともに、径の異なる複数の円周上に配列され、各円周上の噴射口が同一で、かつ、径方向に隣り合う噴射口が異なる噴射角度を有することを特徴とする液体燃料用バーナ。
  3. 噴射角度の異なる前記噴射口が、相互に異なる口径を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の液体燃料用バーナ。
  4. 外側に配列した前記噴射口の噴射角度を、内側に配列した前記噴射口の噴射角度より大きくするとともに、内側に配列した前記噴射口の口径を外側に配列した前記噴射口の口径よりも大きくしたことを特徴とする請求項2に記載の液体燃料用バーナ。
  5. 周方向に隣り合う噴射口が近接して配置された部分と離隔して配置された部分とを有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の液体燃料用バーナ。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の液体燃料用バーナを備えたことを特徴とする舶用ボイラ。
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