JP2009109013A - セルフタッピングねじ - Google Patents

Abstract

【課題】セルフタッピングねじにおいて、硬い土台へのねじの挿入を改善し、かつ簡単に作製できるものを提案する。
【解決手段】シャフト１２を有するセルフタッピングねじ１１において、シャフト１２の遊端を起点として、シャフト長さの少なくとも一部にわたってねじ山２１が延び、ねじ山２１が、少なくとも部分的に半径方向の外側に開いた切欠き２４内に、ねじ山２１の硬度に対してより高い硬度を有する材料からなる切断体２６，３６，４６，５６，６６を有している。切断体の半径方向外側輪郭２７；３７；４７；５７，６７は、ねじ山２１から少なくとも部分的に突出している。シャフト１２の前記遊端に向かってねじ山２１の高さが次第に減少し、かつ切断体の半径方向外側輪郭の高さＡ；Ｂ；Ｃ；Ｄ，Ｅが段階的に減少する。
【選択図】図２

Description

本発明は、シャフトを備えるセルフタッピングねじであって、シャフトの遊端を起点として、シャフトの長さの少なくとも一部にわたってねじ山が延びており、このねじ山が、少なくとも部分的に半径方向外側に開いた切欠き内に切断体を有し、この切断体が、ねじ山の硬度よりも高い硬度を有する材料からなっており、切断体の半径方向外側輪郭が少なくとも部分的にねじ山から突出している形式のねじに関する。

このようなねじは、あらかじめ土台に作製された穿孔部に直接にねじ込まれ、この場合に、ねじに設けられたねじ山は、土台内に対向ねじ山またはアンダカットを付けるか、または切り込む。

屋外で使用する場合には、ねじ、例えばコンクリート用ねじは、有利には耐腐食性の材料、例えば耐腐食性の鋼材料から作製される。しかしながら、このような材料は、鉱物の土台に溝を付けるためには十分な硬度を有していないことが多く、したがって、例えばねじのねじ山はねじ込み時に摩耗してしまう。ねじ、またはシャフトと一体的に形成されたねじ山を硬化することは、耐腐食性材料の場合には限定的にしか可能ではない。

ドイツ連邦共和国特許第１９８５２３３８号明細書につき、ステンレス鋼からなるねじが公知である。このねじのシャフトおよびねじ山には、硬化された鋼からなる、円柱状の切り込み挿入ピンの形で形成された切断体を収容するために、外側方向に開かれた収容孔が設けられている。この切り込み挿入ピンは、鉱物の硬い土台、例えばコンクリートまたは壁内への切り込みを容易にする。これらの切り込み挿入ピンは、ねじ込み方向には形状接続的に、かつ半径方向には摩擦接続的にシャフトの収容孔内に保持されている。

公知の解決策では、全ての切り込み挿入ピンはねじ山の横断面投影面からそれぞれ同程度に突出していることが欠点である。ねじ山始端部に隣接する第１の切り込み挿入ピンが、ねじのねじ山のためにアンダカット容積全体を既に形成するので、大きい力がこの切り込みピンに作用し、それ故、この切り込みピンはねじ山から外れてしまう傾向にある。さらに、特により小さい直径を有するこのようなねじを挿入するためには高いねじりモーメントが必要である。
ドイツ連邦共和国特許第１９８５２３３８号明細書

そこで本発明の課題は、セルフタッピングねじにおいて、硬い土台、例えばコンクリート内へのねじの挿入を改善し、かつ簡単に作製できるものを提案することである。

本発明によれば、シャフトの遊端に向かってねじ山の高さが次第に減少し、切断体の半径方向外側輪郭の高さが、それぞれシャフト外面に関して段階的に減少する。

ねじ山始端部に向いた第１の切断体の半径方向外側輪郭は、ねじ山に設けられた全ての切断体のうちシャフト外面に対して最も低い高さを有している。切断体の半径方向外側輪郭の段階は、１つの切断体を起点として、シャフト外面に対する高さがシャフトの遊端に向かって次第に減少するねじ山区分では、ねじ山始端部に向かって低くなっている。セルフタッピングねじのねじ山のために必要なアンダカット容積全体は、ねじ山始端部に関して第１の切断体によって既に形成されしまうわけではない。むしろ第１の切断体によって形成された対向ねじ山、またはねじ山延びに後続する切断体によって形成されたアンダカットは、ねじの少なくとも１つのねじ山のために必要なアンダカット容積まで徐々に深められる。この場合には、それぞれわずかな力が個々の切断体に作用する。ねじ山に切断体を備えた従来のねじの場合よりもねじ山始端部の近傍に第１の切断体を位置決めすることが可能である。なぜならば、特に第１の切断体に作用する力が極めて小さいことに基づき、ねじ山始端部に接続してねじ山始端部を起点として次第に高さが増大する区分またはねじ山終端部に設けられているねじ山の対向支持面があれば、この区分においても切断体を十分に支持し、固定するためには十分だからである。ねじ込み工程の開始時に切断体が壊れ、外れることは稀であるか、または皆無であり、したがって、本質的に、ねじ山に取り付けられる全てのねじ込み体が、セルフタッピング工程全体のために利用できる。

さらに、シャフトの遊端に向かって次第に高さが減少するねじ山区分に切断体が段階的に配置されていることにより、ねじ込み工程の開始時に一様なタッピングが保証される。切断作業は、互いに前後に配置された複数の切断体に分配されているので、横断面投影面から少なくとも部分的に突出する切断体では、より小さい圧力ピークが生じる。このことは、土台においてアンダカットまたは対向ねじ山の有利な形成を保証する。局所的に鉱物の土台の耐加圧性を超える、切断体のこのような圧力ピークは、土台の局所的に制限された破壊をもたらし、このことは、除去される土台材料の増大につながり、これにより、形成されたアンダカットに係合するねじ山はこの領域では負荷を伝達することができないか、または制限された負荷しか伝達することができない。本発明によるねじは、これまでに公知のねじに対してより低いねじりモーメントに基づきより小さい穿孔部対角距離の場合にもより短い挿入時間およびより高い挿入可能性を有している。

例えばコンクリートなどの鉱物の土台は、場合によっては穿孔部の領域内に位置する保護鉄を有している。硬い切断体が段階的に配置されていることにより、ねじの送りが保護鉄に当たった場合にも保証されている。

切断体は、有利には硬質金属により作製されており、さらに有利には、例えば抵抗溶接法によってねじ山内に溶接されている。

有利には、シャフト外面に対する半径方向外側輪郭の高さは、切断体から切断体へと一様に減少しており、これにより、それぞれの切断体は、本質的に等しいアンダカット容積で土台に切り込むはずである。これにより、切断体に作用する力の一様性が保証される。なぜならば、切り込み作業は、本質的に全ての切断体に一様に分配されるからである。

有利には、切断体は横断面で見て多角形の形状を有しており、切断体の少なくとも１つの多角状エッジは、切断体の半径方向外側輪郭である。このように形成された切断体は、鉱物の土台において特に有利な切り込み特性を有している。有利には、切断体は、ねじ山に近い形状を有している。この場合に、「ねじ山に近い」切断体とは、ねじ山の横断面投影面を少なくとも部分的に突出している切断体のことである。有利には、全ての切断体は、等しい横断面形状を有しており、これにより、本発明によるねじの簡単な作製が可能になる。択一的な実施形態では、ねじにそれぞれ異なった横断面を有する切断体が設けられ、これらの切断体は、望ましい切り込み特性に応じてねじ山に配置される。切断体は、横断面図で見て例えば円形または多角形状である。

有利には、切断体は、シャフトの軸線方向面内で見てそれぞれ６０°〜１２０°だけ互いにずらされて配置されている。このことは、有利な切り取りまたは切り込み特性を保証する。ねじの直径に応じて、切断体の間の角度は変化する。

次に本発明の実施の形態を図面につき詳細に説明する。

図１および図２に示したセルフタッピングねじ１１は、シャフト１２を有しており、このシャフトの遊端１５を起点として、シャフトの長さの少なくとも一部にわたってシャフト１２と一体的に形成されたねじ山２１が延びている。シャフト１２は、ねじ１１の縦軸線１３に沿って延びており、半径方向のシャフト外面１４を有している。遊端１５に向かい合った端部１６には、六角ねじ頭が回転作動手段１７として設けられている。矢印Ｓは、図面においてそれぞれねじ１１のねじ込み方向を示している。

ねじ山２１は、半径方向外側に開いた切欠き２４内に切断体２６，３６，４６，５６，６６を有している。これらの切断体は、ねじ山２１の硬度に対してより高い硬度を有する材料からなる。切断体２６，３６，４６，５６，６６の半径方向外側輪郭２７；３７；４７；５７，６７は、ねじ山２１から少なくとも部分的に突出している。シャフト外面１４に対するねじ山２１の高さは、シャフト１２の遊端１５に向かって次第に減少する。切断体２６，３６，４６，５６，６６の半径方向外側輪郭２７；３７；４７；５７，６７の高さＡ；Ｂ；Ｃ；Ｄ，Ｅは、段階的かつ一様に減少する。

切断体５６は、横断面で見て五角形、多角形の形状を有しており、切断体５６の多角形のエッジ５８は、切断体５６の半径方向外側輪郭５７を形成している。ねじ山始端部２３を起点として、ねじ山２１に後続する切断体６６はそれぞれ横断面で見て円形である。

ねじの側面図である。 図１のＩＩ−ＩＩ線に沿った、ねじ山終端部の拡大縦断面図である。 図２のＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿った、切断体の断面図である。

符号の説明

１１ ねじ
１２ シャフト
１３ 縦軸線
１４ シャフト外面
１５ 遊端
１７ 回転作動手段
２１ ねじ山
２３ ねじ山始端部
２４ 切欠き
２６，３６，４６，５６，６６ 切断体
２７，３７，４７，５７，６７ 外側輪郭
Ｓ 矢印

Claims (4)

1. シャフト（１２）を備えるセルフタッピングねじ（１１）であって、前記シャフト（１２）の遊端（１５）を起点として、前記シャフトの長さの少なくとも一部にわたってねじ山（２１）が延びており、該ねじ山（２１）が、少なくとも部分的に半径方向外側に開いた切欠き（２４）内に、前記ねじ山（２１）の硬度に対してより高い硬度を有する材料からなる切断体（２６，３６，４６，５６，６６）を有しており、前記切断体（２６，３６，４６，５６，６６）の半径方向外側輪郭（２７；３７；４７；５７，６７）が、前記ねじ山（２１）から少なくとも部分的に突出している形式のものにおいて、
   前記シャフト（１２）の前記遊端（１５）に向かって前記ねじ山（２１）の高さが次第に減少し、かつ前記切断体（２６，３６，４６，５６，６６）の前記半径方向外側輪郭（２７；３７；４７；５７，６７）の高さ（Ａ；Ｂ；Ｃ；Ｄ，Ｅ）が段階的に減少することを特徴とするセルフタッピングねじ。
2. シャフト外面（１４）に対する前記半径方向外側輪郭（２７；３７；４７；５７，６７）の前記高さ（Ａ；Ｂ；Ｃ；Ｄ，Ｅ）が、前記切断体（２６，３６，４６，５６，６６）から切断体（２６，３６，４６，５６）へ一様に減少している、請求項１記載のセルフタッピングねじ。
3. 前記シャフト（１２）の前記遊端（１５）に向かって次第に高さが減少する、前記ねじ山（２１）の区分内に、２〜１０個の前記切断体（２６；３６；４６；５６，６６）が設けられている、請求項１または２記載のセルフタッピングねじ。
4. 前記切断体（２６；３６；４６；５６，６６）が、前記シャフト（１２）の軸線方向投影内面で見て、それぞれ６０°〜１２０°だけ互いにずらされて配置されている、請求項１から３までのいずれか１項記載のセルフタッピングねじ。

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