JP2009108699A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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信也 広田
Takamitsu Asanuma
孝充 浅沼
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耕平 吉田
Hiromasa Nishioka
寛真 西岡
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寛 大月
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Abstract

【課題】NOx吸蔵還元触媒にSOxが流入することを防止すると共にSOxトラップ触媒を延命する。
【解決手段】捕集したSOxを放出するタイプの上流側SOxトラップ触媒21と、SOxを捕集して保持するタイプの下流側SOxトラップ触媒23と、NOx吸蔵還元触媒26とを有し、上流側SOxトラップ触媒から流出した排気ガスを下流側SOxトラップ触媒及びNOx吸蔵還元触媒を迂回して排気通路下流へ導くバイパス通路28と、バイパス通路入口に配置され、上流側SOxトラップ触媒から流出した排気ガスを下流側SOxトラップ触媒へ導くバイパス閉位置及びバイパス通路内に導くバイパス開位置間で切替可能な切替弁29とを更に有し、上流側SOxトラップ触媒がSOx放出温度以上となって捕集したSOxを放出するとき切替弁がバイパス開位置に切り替えられる。
【選択図】図1

Description

本発明は内燃機関の排気浄化装置に関する。
内燃機関に使用される燃料及び潤滑油内にはイオウが含まれており、従って排気ガス中にはSOxが含まれている。ところがこのSOxは機関排気通路内に配置された排気ガス浄化用触媒等の後処理装置の性能や耐久性を大幅に低下させる働きがあり、従って排気ガス中のSOxは除去することが好ましい。
そこで機関排気通路内に排気ガス中に含まれるSOxを捕集する一対のSOxトラップ触媒を直列に配置した内燃機関が公知である(特許文献1参照)。この内燃機関では、上流側SOxトラップ触媒がNOxを吸蔵する役割も果たしており、捕集されたSOx量が一定量を超えると、そのNOxの吸蔵能力を回復させるために排気ガスの空燃比を理論空燃比又はリッチにすると共に触媒温度を特定の温度以上にすることによって捕集されたSOxを放出させている。このとき、この内燃機関は、同様のSOx放出特性を有する下流側SOxトラップ触媒も同時にSOxを放出してしまわないようにすると共に、上流側SOxトラップ触媒から放出されたSOxを下流側SOxトラップ触媒で捕集するようにしている。
特開2003−322010号公報
このように一対のSOxトラップ触媒を直列に配置した場合、NOxの吸蔵能力はSOxの捕集量に依存するため、後述するようなNOx吸蔵還元触媒を更に用いることが望ましい。その場合において、NOx吸蔵還元触媒は、SOxを捕集すると急激にNOxの吸蔵能力が低下するため、NOx吸蔵還元触媒にSOxを全く流入させないことが望ましい。更に内燃機関をイオウの含有率の高い燃料を使用する地域で使用する場合、想定よりも早い時間でSOxトラップ触媒の捕集能力が飽和し劣化してしまう。
そこで本発明は、NOx吸蔵還元触媒にSOxが流入することを防止すると共にSOxトラップ触媒を延命する内燃機関の排気浄化装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために請求項1に記載の発明によれば、機関排気通路内に配置され、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときには排気ガス中に含まれるSOxを捕集する第一のSOxトラップ触媒であって、該第一のSOxトラップ触媒に流入する排気ガスの空燃比がリッチの下で当該第一のSOxトラップ触媒の温度がSOx放出温度以上であれば捕集したSOxを放出するタイプの第一のSOxトラップ触媒と、第一のSOxトラップ触媒下流排気通路内に配置され、流入したSOxを捕集して保持するタイプの第二のSOxトラップ触媒と、第二のSOxトラップ触媒下流排気通路内に配置され、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときには排気ガス中に含まれるNOxを吸蔵し流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比又はリッチになると吸蔵したNOxを還元浄化するNOx吸蔵還元触媒とを具備する内燃機関において、第一のSOxトラップ触媒から流出した排気ガスを第二のSOxトラップ触媒及びNOx吸蔵還元触媒を迂回して排気通路下流へ導くバイパス通路と、バイパス通路入口に配置され、第一のSOxトラップ触媒から流出した排気ガスを第二のSOxトラップ触媒へ導くバイパス閉位置及びバイパス通路内に導くバイパス開位置間で切替可能な切替弁とを更に具備し、第一のSOxトラップ触媒がSOx放出温度以上となって捕集したSOxを放出するとき切替弁がバイパス開位置に切り替えられる内燃機関の排気浄化装置が提供される。
即ち、請求項1に記載の発明では、異なるタイプの一対のSOxトラップ触媒をNOx吸蔵還元触媒上流の排気通路内に配置することによって、単一のSOxトラップ触媒を用いた場合に比べてより確実に排気ガス中のSOxを捕集し、更に第一のSOxトラップ触媒から放出されたSOxを含む排気ガスをバイパスさせることによって、第二のSOxトラップ触媒へのSOxの流入を抑え、触媒の延命を図ると共にNOx吸蔵還元触媒へのSOxの流入を防止することが可能になる。
また、請求項2に記載の発明によれば請求項1に記載の発明において、第二のSOxトラップ触媒が第一のSOxトラップ触媒に比べて捕集したSOxを放出し難い性質を有する内燃機関の排気浄化装置が提供される。即ち、請求項2に記載の発明では、第二のSOxトラップ触媒が確実にSOxを保持し、NOx吸蔵還元触媒へのSOxの流入を防止することが可能となる。
また、請求項3に記載の発明によれば請求項1又は2に記載の発明において、第一のSOxトラップ触媒上流排気通路に前記バイパス通路入口が開口し、還元剤を含む排気ガス又は空気を排気通路下流側から第一のSOxトラップ触媒に導入することによって排気通路上流側へSOxを放出させ、放出されたSOxが前記バイパス通路内に導かれる内燃機関の排気浄化装置が提供される。即ち、請求項3に記載の発明では、排気通路下流から上流へ逆流して第一のSOxトラップ触媒からSOxを放出させることで、第二のSOxトラップ触媒ひいてはNOx吸蔵還元触媒へのSOxの流入を防止し、第二のSOxトラップ触媒を延命させることが可能となる。
また、請求項4に記載の発明によれば請求項1から3のいずれか一つに記載の発明において、第二のSOxトラップ触媒が、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときには排気ガス中に含まれるSOxを捕集するSOxトラップ触媒であって、流入する排気ガスの空燃比がリーンの下で当該SOxトラップ触媒の温度が上昇すると捕集したSOxが次第に当該SOxトラップ触媒の内部に拡散していく性質を有すると共に当該SOxトラップ触媒に流入する排気ガスの空燃比がリッチの下で当該SOxトラップ触媒の温度がSOx放出温度以上であれば捕集したSOxを放出する性質を有するSOxトラップ触媒である内燃機関の排気浄化装置が提供される。即ち、請求項4に記載の発明では、第二のSOxトラップ触媒に捕集されたSOxを触媒内部に拡散させることによって、SOxを放出させずに捕集能力を回復させることが可能となり、NOx吸蔵還元触媒へのSOxの流入を防止することが可能となる。
また、請求項5に記載の発明によれば請求項1から4のいずれか一つに記載の発明において、第二のSOxトラップ触媒が第一のSOxトラップ触媒から離間して配置されることで第一のSOxトラップ触媒から流出した排気ガスが、第二のSOxトラップ触媒に流入するまでに冷却され、第二のSOxトラップ触媒をそのSOx捕集能力が低下する温度まで昇温させない内燃機関の排気浄化装置が提供される。即ち、請求項5に記載の発明では、第一のSOxトラップ触媒からSOxを放出させる際の高温の排気ガスによって、第二のSOxトラップ触媒が昇温してしまい、SOxが放出されやすく、即ちSOxを捕集しにくくなってしまうことを防止することが可能となる。
また、請求項6に記載の発明によれば請求項1から5のいずれか一つに記載の発明において、、第一のSOxトラップ触媒のSOx捕集能力が低下したとき、新品のSOxトラップ触媒と交換可能である内燃機関の排気浄化装置が提供される。即ち、請求項6に記載の発明では、第一のSOxトラップ触媒を交換可能にすることによって、特にバイパス通路や切替弁といった複雑な構成を用いなくてもNOx吸蔵還元触媒へのSOxの流入を防止することが可能となる。
各請求項に記載の発明によれば、NOx吸蔵還元触媒にSOxが流入することを防止すると共にSOxトラップ触媒を延命することができるという共通の効果を奏する。
図1に圧縮着火式内燃機関の全体図を示す。図1を参照すると、1は機関本体、2は各気筒の燃焼室、3は各燃焼室2内にそれぞれ燃料を噴射するための電子制御式燃料噴射弁、4は吸気マニホルド、5は排気マニホルドをそれぞれ示す。吸気マニホルド4は吸気ダクト6を介して排気ターボチャージャ7のコンプレッサ7aの出口に連結され、コンプレッサ7aの入口は吸入空気量を検出するためのエアフローメータ8を介してエアクリーナ9に連結される。吸気ダクト6内にはステップモータにより駆動されるスロットル弁10が配置され、更に吸気ダクト6周りには吸気ダクト6内を流れる吸入空気を冷却するための冷却装置11が配置される。図1に示される実施例では機関冷却水が冷却装置11内に導かれ、機関冷却水によって吸入空気が冷却される。
排気マニホルド5と吸気マニホルド4とは排気ガス再循環(以下、EGRと称す)通路12を介して互いに連結され、EGR通路12内には電気制御式EGR制御弁13が配置される。また、EGR通路12周りにはEGR通路12内を流れるEGRガスを冷却するための冷却装置14が配置される。図1に示される実施例では機関冷却水が冷却装置14内に導かれ、機関冷却水によってEGRガスが冷却される。一方、各燃料噴射弁3は燃料供給管15を介してコモンレール16に連結される。このコモンレール16内へは電子制御式の吐出量可変な燃料ポンプ17から燃料が供給され、コモンレール16内に供給された燃料は各燃料供給管15を介して燃料噴射弁3に供給される。
一方、排気マニホルド5は排気ターボチャージャ7の排気タービン7bの入口に連結され、排気タービン7bの出口に連結された排気通路19内には上流側に位置する上流側SOxトラップ触媒21と下流側に位置する下流側SOxトラップ触媒23からなる一対のSOxトラップ触媒が排気管22を介して直列に配置される。下流側SOxトラップ触媒23の出口は排気管24を介してNOx吸蔵還元触媒26に連結され、NOx吸蔵還元触媒26の出口は排気管27に連結される。排気管24内には排気ガス中に例えば炭化水素からなる還元剤を供給するための還元剤供給弁25が取付けられる。そして、排気管22からバイパス通路28が分岐しNOx吸蔵還元触媒26及び下流側SOxトラップ触媒23を迂回して排気管27に合流している。排気管22に設けられたバイパス通路28の入口の開口には、切替弁29が配置されている。切替弁29は、図1に破線で示されるように上流側SOxトラップ触媒21から流出した排気ガスを下流側SOxトラップ触媒23内に導くバイパス閉位置と、図1に実線で示されるように、排気管22を閉鎖して上流側SOxトラップ触媒21から流出した排気ガスをバイパス通路28内に導くバイパス開位置との間で図示しないアクチュエータによって切替可能となっている。切替弁29は通常、バイパス閉位置に保持されている。
電子制御ユニット50はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス51によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)52、RAM(ランダムアクセスメモリ)53、CPU(マイクロプロセッサ)54、入力ポート55及び出力ポート56を具備する。上流側SOxトラップ触媒21及び下流側SOxトラップ触媒23には上流側SOxトラップ触媒21及び下流側SOxトラップ触媒23の温度をそれぞれ検出するための温度センサ30,31が取付けられ、NOx吸蔵還元触媒26にもNOx吸蔵還元触媒26の温度を検出するための温度センサ32が取付けられる。これらの温度センサ30,31,32及びエアフローメータ8の出力信号はそれぞれ対応するAD変換器57を介して入力ポート55に入力される。
アクセルペダル59にはアクセルペダル59の踏込み量Lに比例した出力電圧を発生する負荷センサ60が接続され、負荷センサ60の出力電圧は対応するAD変換器57を介して入力ポート55に入力される。更に入力ポート55にはクランクシャフトが例えば15°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ61が接続される。一方、出力ポート56は対応する駆動回路58を介して燃料噴射弁3、スロットル弁10及び切替弁29駆動用ステップモータ、還元剤供給弁25、EGR制御弁13及び燃料ポンプ17に接続される。
図2(A)及び(B)はNOx吸蔵還元触媒26の構造を示している。図2(A)はNOx吸蔵還元触媒26の正面図を示しており、図2(B)はNOx吸蔵還元触媒26の側面断面図を示している。図2(A)及び(B)に示されるようにNOx吸蔵還元触媒26はハニカム構造をなしており、隔壁63によって形成され互いに平行をなして延びる複数個の排気流通路64を有する。
NOx吸蔵還元触媒26の基体上に例えばアルミナからなる触媒担体が担持されている。図3はこの触媒担体70の表面部分の断面を図解的に示している。図3に示されるように触媒担体70の表面上には貴金属触媒71が分散して担持されており、更に触媒担体70の表面上にはNOx吸収剤72の層が形成されている。
本発明による実施例では貴金属触媒71として白金Ptが用いられており、NOx吸収剤72を構成する成分としては例えばカリウムK、ナトリウムNa、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つが用いられている。
機関吸気通路、燃焼室2、及び、上流側SOxトラップ触媒21上流又はNOx吸蔵還元触媒26上流の排気通路内に供給された空気及び燃料(炭化水素)の比を排気ガスの空燃比と称すると、NOx吸収剤72は排気ガスの空燃比がリーンのときにはNOxを吸収し、排気ガス中の酸素濃度が低下すると吸収したNOxを還元放出するNOxの吸放出作用を行う。
しかしながらリーン空燃比のもとでの燃焼が継続して行われるとその間にNOx吸収剤72のNOx吸収能力が飽和してしまい、NOx吸収剤72によりNOxを吸収できなくなってしまう。そこで本発明による実施例ではNOx吸収剤72の吸収能力が飽和する前に還元剤供給弁25から還元剤を供給することによって排気ガスの空燃比を一時的にリッチにし、それによってNOx吸収剤72からNOxを放出させるようにしている。
ところで排気ガス中にはSOx、例えばSO2が含まれており、このSO2がNOx吸蔵還元触媒26に流入するとこのSO2は白金Pt71において酸化されてSO3となる。次いでこのSO3はNOx吸収剤72内に吸収されて炭酸化バリウムBaCO3と結合しながら、硫酸イオンSO4 2-の形でNOx吸収剤72内に拡散し、安定した硫酸塩BaSO4を生成する。しかしながらNOx吸収剤72が強い塩基性を有するためにこの硫酸塩BaSO4は安定していて分解しづらく、排気ガスの空燃比を単にリッチにしただけでは硫酸塩BaSO4は分解されずにそのまま残る。従ってNOx吸収剤72内には時間が経過するにつれて硫酸塩BaSO4が増大することになり、時間が経過するにつれてNOx吸収剤72が吸収しうるNOx量が低下することになる。
ところでこの場合、NOx吸蔵還元触媒26の温度を600℃以上のSOx放出温度まで上昇させた状態でNOx吸蔵還元触媒26に流入する排気ガスの空燃比をリッチにするとNOx吸収剤72からSOxが放出される。ただし、この場合NOx吸収剤72からは少しずつしかSOxが放出されない。従ってNOx吸収剤72から全ての吸収SOxを放出させるには長時間に亘って空燃比をリッチにしなければならず、多量の燃料或いは還元剤が必要になるという問題がある。
そこで本発明ではNOx吸蔵還元触媒26の上流に上流側SOxトラップ触媒21を配置してこの上流側SOxトラップ触媒21により排気ガス中に含まれるSOxを捕集し、それによってNOx吸蔵還元触媒26にSOxが流入しないようにしている。上流側SOxトラップ触媒21は例えばハニカム構造のモノリス触媒からなり、上流側SOxトラップ触媒21の軸線方向にまっすぐに延びる多数の排気ガス流通孔を有する。
図4は上流側SOxトラップ触媒21の基体70の表面部分の断面を図解的に示している。図4に示されるように基体75の表面上にはコート層76が形成されており、このコート層76の表面上には貴金属触媒77が分散して担持されている。
本発明による実施例では貴金属触媒77として白金が用いられており、コート層76を構成する成分としては例えば、弱塩基性のアルミナAl23、塩基性のジルコニアZrO2、酸性のチタニアTiO2、酸性のシリカSiO2、酸性の酸化タングステンWO3から選ばれた少なくとも一つにより構成されている。或いは、強塩基性のカリウムK、ナトリウムNa、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つにより構成されていてもよい。
排気ガス中に含まれるSOxの大部分はSO2であり、残りはSO3である。図4に示されるように排気ガス中に含まれるSO2は貴金属触媒77においてSO3に酸化され、次いでコート層76内に捕集される。コート層76内に捕集されたSO3は硫酸イオンSO4 2-の形でコート層76内に拡散し、硫酸塩を形成する。また、排気ガス中に含まれる一部のSOx、即ちSO2及びSO3は図4に示されるように直接コート層76内に捕集される。
上流側SOxトラップ触媒21は、上流側SOxトラップ触媒21の温度を例えば600℃以上であるSOx放出温度に昇温させた状態で、上流側SOxトラップ触媒21に流入する排気ガスの空燃比をリッチにすると捕集したSOxをSO2の形で放出する性質を有する。
さて、上述したように通常運転時には、切替弁29はバイパス閉位置に保持されていると共に上流側SOxトラップ触媒21に流入する排気ガスの空燃比がリーンに維持されている。従って、排気ガスに含まれるSOxは全て上流側SOxトラップ触媒21に捕集されるため、NOx吸蔵還元触媒26にSOxは流入しない。
ところが、排気ガス中に含まれるSOxのうちで上流側SOxトラップ触媒21に捕集されるSOxの割合をSOxトラップ率と称すると、初めは100パーセントに近いSOxトラップ率は、時間の経過と共に急速に低下してしまう。
そこで、本実施形態では、上流側SOxトラップ触媒21に捕集されたSOx量ΣSOXを推定し、上流側SOxトラップ触媒21に捕集されたSOx量ΣSOXが予め定められた量を超えたときにSOxトラップ率が予め定められた率よりも低下したと判断し、切替弁29をバイパス開位置に切り替えて上流側SOxトラップ触媒21から流出した排気ガスがNOx吸蔵還元触媒26を迂回するようにしている。
ここで、燃料中には或る割合でイオウが含まれており、従って排気ガス中に含まれるSOx量、即ち上流側SOxトラップ触媒21に捕集されるSOx量は燃料噴射量に比例する。燃料噴射量は要求トルク及び機関回転数の関数であり、従って上流側SOxトラップ触媒21に捕集されるSOx量も要求トルク及び機関回転数の関数となる。本発明による実施例では上流側SOxトラップ触媒21に単位時間当り捕集されるSOx量SOXAが要求トルクTQ及び機関回転数Nの関数として図5(A)に示されるようなマップの形で予めROM52内に記憶されている。
また、潤滑油内にも或る割合でイオウが含まれており、燃焼室2内で燃焼する潤滑油量、即ち排気ガス中に含まれていて上流側SOxトラップ触媒21に捕集されるSOx量も要求トルク及び機関回転数の関数となる。本発明による実施例では潤滑油に含まれていて上流側SOxトラップ触媒21に単位時間当り捕集されるSOx量SOXBが要求トルクTQ及び機関回転数Nの関数として図5(B)に示されるようなマップの形で予めROM52内に記憶されており、SOx量SOXA及びSOx量SOXBの和を積算することによって上流側SOxトラップ触媒21に捕集されているSOx量ΣSOXが算出される。
切替弁29をバイパス開位置に切り替えたとき、低下したSOxトラップ率を回復させるべくSOx放出処理を行う。即ち、上流側SOxトラップ触媒21の温度をSOx放出温度まで昇温させた状態で、排気行程中に燃焼室2内に燃料を噴射することによって、上流側SOxトラップ触媒21に流入する排気ガスの空燃比をリーンからリッチにして捕集されたSOxを放出させる。或いは図6に示される実施例では還元剤供給弁20から還元剤を供給することによって、上流側SOxトラップ触媒21に流入する排気ガスの空燃比をリーンからリッチにすることも可能である。ただし、上流側SOxトラップ触媒21から流出される排気ガスがリッチになると、後述するように切替弁29から排気ガスが漏れる場合があるためリッチにならないようにする必要がある。
図7は上流側SOxトラップ触媒21から流出される排気ガスの空燃比がリッチにならないようにする方法を説明するため、上流側SOxトラップ触媒21のSOx捕集量ΣSOXと、上流側SOxトラップ触媒21に流入する排気ガスの空燃比(A/F)INと、上流側SOxトラップ触媒21から流出する排気ガスの空燃比(A/F)OUTとの関係を示している。図7に示されるようにこの実施例ではSOx捕集量ΣSOXが予め定められた許容量MAXになると上流側SOxトラップ触媒21から流出する排気ガスの空燃比(A/F)OUTをリッチにさせることなく上流側SOxトラップ触媒21に流入する排気ガスの空燃比(A/F)INがリーンからリッチに一時的に切り換えられる。
上流側SOxトラップ触媒21に流入する排気ガスの空燃比(A/F)INがリッチになると、即ち排気ガス中の酸素濃度が低下すると上流側SOxトラップ触媒21からSOxが放出され、このとき排気ガス中の還元成分によってSOxが還元される。排気ガスの空燃比(A/F)INがリッチにされると供給された還元剤の一部は上述したようにSOxの還元のために使用され、また供給された還元剤は上流側SOxトラップ触媒21内を通過する際に通過時間にばらつきを生ずる。その結果、上流側SOxトラップ触媒21から流出する排気ガスの空燃比(A/F)OUTのピーク値は図7に示されるように低くなり、また空燃比(A/F)OUTは長い時間に亘ってゆっくりと変化するようになる。
従って排気ガスの空燃比(A/F)INがリッチにされたときのリッチの度合を適切に設定すると上流側SOxトラップ触媒21から流出する排気ガスの空燃比(A/F)OUTをリーンに維持することができる。なお、上流側SOxトラップ触媒21に流入する排気ガスの空燃比(A/F)INをリッチにするに当っては図8に示されるように複数のパルス状に空燃比(A/F)INをリッチにすることができる。
ところで、切替弁29はその弁のタイプにも依るが、バイパス開位置にある状態でも排気ガスすべてをバイパス通路28に誘導することはできず、1〜10パーセント程度の割合で排気通路下流に排気ガスが漏れてしまうという問題がある。そこで、上流側SOxトラップ触媒21から放出され、切替弁29から漏れたSOxを含む排気ガスによってNOx吸蔵還元触媒26がイオウ被毒してしまわないように、NOx吸蔵還元触媒26上流に下流側SOxトラップ触媒23を配置している。即ち、上流側SOxトラップ触媒21は、一時的に捕集したSOxを定期的に放出する役割を果たし、下流側SOxトラップ触媒23は、流入したSOxを捕集して放出しないように保持する役割を果たしている。
別の視点から見ると、下流側SOxトラップ触媒23は、上流側SOxトラップ触媒21からSOxを放出させる際に切替弁29から漏れた僅かなSOxを捕集するためにあるので、非常に長期間使用することが可能となり、即ち下流側SOxトラップ触媒23の延命が図れることとなる。
下流側SOxトラップ触媒23は、先に説明した上流側SOxトラップ触媒21と同じタイプのものであってもよいが、上流側SOxトラップ触媒21に比べて下流側SOxトラップ触媒23は、捕集したSOxを放出し難い性質を有することが好ましい。このような性質を有するSOxトラップ触媒の例として二つの実施例について説明する。
図9は、一番目の実施例による下流側SOxトラップ触媒23の基体80の表面部分の断面を図解的に示している。図9に示されるように下流側SOxトラップ触媒23の基体80の表面上にはコート層81が形成されており、このコート層81の表面上には貴金属触媒82が分散して担持されている。
下流側SOxトラップ触媒23のコート層81を構成する成分としては例えばカリウムK、ナトリウムNa、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCa、マグネシウムMgのようなアルカリ土類金属から選ばれた少なくとも一つが用いられている。即ち、下流側SOxトラップ触媒23のコート層81は強塩基性を呈している。
ところで、コート層81が強塩基性を呈していると排気ガス中に含まれるSOx、即ちSO2やSO3は直接コート層81内に捕集されやすくなる。従って白金Ptほど酸化能力のない鉄Fe又は銀Agからなる卑金属触媒が使用されてもよく、或いは貴金属触媒82として上流側SOxトラップ触媒21よりも少量の白金Ptが使用される。
このように本実施例では、下流側SOxトラップ触媒23の貴金属触媒82は上流側SOxトラップ触媒21の貴金属触媒77に比べて酸化能力の低い貴金属触媒又は卑金属触媒が使用されている。従って下流側SOxトラップ触媒23は上流側SOxトラップ触媒21に比べて塩基性が強く、酸化能力が低いことになる。
図9においてコート層81内における濃淡は捕集されたSOxの濃度を示している。図9からわかるようにコート層81内におけるSOx濃度はコート層81の表面近傍が最も高く、奥部に行くに従って次第に低くなっていく。コート層81の表面近傍におけるSOx濃度が高くなるとコート層81の表面の塩基性が弱まり、SOxの捕集能力が弱まる。
ところが下流側SOxトラップ触媒23の温度が機関運転中に上昇するとコート層81内の表面近傍に集中的に存在するSOxはコート層81内におけるSOx濃度が均一となるようにコート層81の奥部に向けて拡散していく。即ち、コート層81内に生成されている硫酸塩はコート層81の表面近傍に集中している不安定な状態からコート層81内の全体に亘って均一に分散した安定した状態に変化する。コート層81内の表面近傍に存在するSOxがコート層81の奥部に向けて拡散するとコート層81の表面近傍のSOx濃度が低下し、SOxの捕集能力が機関運転中に回復することになる。
図10(A)は、二番目の実施例による下流側SOxトラップ触媒23の基体85の表面部分の断面を図解的に示している。図10(A)に示されるように下流側SOxトラップ触媒23の基体85の表面上にはコート層86が形成されており、このコート層86の表面上には貴金属触媒87が分散して担持されている。
本実施例では貴金属触媒87として白金が用いられており、コート層86内には触媒担体上に担持されている触媒が黒い点で示されるように一様に分散されている。コート層86内において一様に分散されている触媒は主にアルカリ金属からなり、本発明による実施例ではアルカリ金属のうちでも特にリチウムLi、ナトリウムNa、カリウムKから選ばれた少なくとも一つが用いられている。
次にSOxのトラップメカニズムについて説明する。なお、以下アルカリ金属としてカリウムKを用いた場合を例にとってSOxのトラップメカニズムについて説明するが他のアルカリ金属を用いた場合でも同様のトラップメカニズムとなる。
図10(A)は新品のときの下流側SOxトラップ触媒23を示しており、このときにはコート層86内にカリウムKが均一に分散されている。また、このときにはコート層86内のカリウムKは大気中のCO2と結びついて炭酸塩K2CO3の形をとっている。機関が運転されると排気ガス中に多量に含まれるNOが白金Pt87において酸化され、次いで塩基性を呈しているコート層86内に取込まれて硝酸イオンNO3 -の形でコート層86内に拡散する。この硝酸イオンNO3 -は炭酸イオンCO3 -よりも酸性が強く、従ってカリウムKに結合している炭酸イオンCO3 -が硝酸イオンNO3 -に置き換わるためにコート層86内には硝酸塩KNO3が生成される。
一方、機関が運転されると排気ガス中に含まれるSOx、即ちSO2は図10(A)に示されるように白金Pt87上において酸化され、次いで塩基性を呈しているコート層86内に硫酸イオンSO4 2-の形で取込まれる。ところで排気ガス中に含まれるSOxの濃度はNOxの濃度に比べてかなり低く、従ってSOxが硫酸イオンSO4 2-の形でコート層86内に取込まれる頃にはコート層86内の多くのカリウムKは硝酸塩KNO3となっている。従ってSO2は硝酸塩KNO3が生成されているコート層86内に硫酸イオンSO4 2-の形で取込まれることになる。
この場合、硫酸イオンSO4 2-は硝酸イオンNO3 -よりも酸性が強く、従ってこのときカリウムKと結合している硝酸イオンNO3 -が硫酸イオンSO4 2-に置き換わるためにコート層86の表面付近には硫酸塩K2SO4が生成される。このようにしてSOxが下流側SOxトラップ触媒23内に捕集される。
コート層86の表面付近に生成される硫酸塩K2SO4が増大するとコート層86の表面付近においてSOxを取り込みうる硝酸塩KNO3が減少し、その結果SOxの捕集能力が弱まる。コート層86の表面付近に生成される硫酸塩K2SO4が増大するとそれに伴ってSOxトラップ率が低下することになる。
このような状況下で、機関運転中に下流側SOxトラップ触媒23の温度をアルカリ金属の硝酸塩、例えばKNO3が溶融状態になる温度に保持すると、下流側SOxトラップ触媒23内の硝酸塩KNO3が短時間のうちに図10(B)に示されるように下流側SOxトラップ触媒23の表面、即ちコート層86の表面に移動して凝集し、それによってSOxトラップ率が回復する。
即ち、SOxがコート層86の表面付近に硫酸イオンSO4 2-の形で取り込まれるとコート層86の表面付近の酸性が強くなる。従ってアルカリ金属の硝酸塩KNO3が溶融状態に保持されていると硝酸塩KNO3がコート層86の表面に向け移動してコート層86の表面付近に凝集する。このように硝酸塩KNO3がコート層86の表面付近に凝集すると到来したSOxはただちに硫酸イオンSO4 2-の形で取り込まれ、次いで硫酸塩K2SO4の形でコート層86内に捕集される。こうしてアルカリ金属の硝酸塩を溶融状態に保持するとSOxトラップ率がほぼ100パーセントまで回復することになる。
なお、アルカリ金属の硝酸塩KNO3は溶融状態にないときでも多少はコート層86の表面に向けて移動するものと考えられる。従って正確に言うと、本実施例では機関運転中に下流側SOxトラップ触媒23の温度をアルカリ金属の硝酸塩KNO3が溶融状態となる温度に保持することにより、下流側SOxトラップ触媒23内の硝酸塩KNO3がコート層86の表面に移動して凝集する硝酸塩移動凝集作用が促進され、この硝酸塩移動凝集作用によりSOxトラップ率が回復されることになる。
なお、図9及び図10を用いて説明した上記二つのタイプのSOxトラップ触媒は、上流側SOxトラップ触媒21として用いてもよい。ただし、上流側SOxトラップ触媒21は、一時的に捕集したSOxを定期的に放出する役割を果たし、下流側SOxトラップ触媒23は、流入したSOxを捕集して放出しないように保持する役割を果たすため、下流側SOxトラップ触媒23は上流側SOxトラップ触媒21に比べて塩基性が強く、酸化能力が低いことが望ましい。
図11は、上流側SOxトラップ触媒21に捕集されたSOxを放出させ、放出されたSOxをNOx吸蔵還元触媒26下流排気通路内にバイパスするSOxバイパス操作のフローチャートについて説明する。この操作は、電子制御ユニット(ECU)50によって予め定められた設定時間毎の割り込みによって実行されるルーチンとして行われる。
図11を参照すると、まず初めにステップ100において図5(A),(B)からそれぞれ単位時間当り捕集されるSOx捕集量SOXA及びSOMBが読み込まれる。次いでステップ101ではこれらSOXA及びSOMBの和がSOx捕集量ΣSOXに加算される。次いでステップ102ではSOx捕集量ΣSOXが許容量MAXを超えたか否かが判定され、ΣSOX>MAXとなったときにはステップ103に進む。一方、SOx捕集量ΣSOXが許容量MAX以下の場合には、SOx放出処理は行わずにルーチンを終了する。
ステップ103ではSOx放出処理の準備のため、またSOxトラップ率が低下した上流側SOxトラップ触媒21から捕集しきれなくなったSOxが排気通路下流に流入しないように、切替弁29をバイパス開位置に切り替えるバイパス開位置切替制御が行われる。次いでステップ104において、上流側SOxトラップ触媒21の温度をSOx放出温度まで昇温させると共に排気ガスの空燃比をリーンからリッチにしてSOxを放出させるSOx放出処理を行う。次いでステップ105では切替弁29をバイパス閉位置に切り替えるバイパス閉位置切替制御が行われる。最後にステップ106においてSOx捕集量ΣSOXが0にクリアされてルーチンを終了する。
なお、以下に説明する他の実施例においてもSOxバイパス操作によって制御可能であり、その中で示されるバイパス開位置切替制御とは、当該実施例におけるすべての切替弁及び切替弁をバイパス開位置に切り替える制御のことであり、バイパス閉位置切替制御とは、当該実施例におけるすべての切替弁及び切替弁をバイパス閉位置にすることである。
次に図12を参照しながら本発明による別の実施例について説明する。本実施例では、排気管22がより長くなっている点以外、図1に示される内燃機関と同様の構成である。図1に示されるように上流側SOxトラップ触媒21と下流側SOxトラップ触媒23が近接して配置されると、上流側SOxトラップ触媒21のSOx放出処理時に切替弁29から漏れた高温の排気ガスによって下流側SOxトラップ触媒23が昇温し、捕集能力の低下を招く。
そこで本実施例では、上流側SOxトラップ触媒21から流出した排気ガスが、下流側SOxトラップ触媒23の捕集能力を低下させない温度まで冷却されるように、排気管22をより長くしている。例えば、排気管22を長くするために、上流側SOxトラップ触媒21を排気ターボチャージャ7の排気タービン7b付近に配置し、下流側SOxトラップ触媒23を車両床下のように機関本体から離して配置すること等が考えられる。
本実施例においては、図6に示されるように排気通路19に還元剤供給弁20を備えてもよい。
次に図13を参照しながら本発明による更に別の実施例について説明する。本実施例では、図1に示される内燃機関の構成に加えて排気通路19からバイパス通路33が分岐し、バイパス開位置の切替弁29より下流で排気管22に合流している。また、排気通路19に設けられたバイパス通路33の入口の開口に切替弁34を備え、切替弁34の下流排気通路内に還元剤供給弁20が配置されている。
切替弁34は、図13に実線で示されるように排気ガスの一部をバイパス通路33内に誘導すると共に排気ガスの残りを上流側SOxトラップ触媒21に誘導するバイパス開位置と、図13に破線で示されるように排気ガスを上流側SOxトラップ触媒21内に導くバイパス閉位置との間で図示しないアクチュエータによって切替可能となっている。切替弁34は通常、バイパス閉位置に保持されている。
上流側SOxトラップ触媒21からのSOx放出時は、切替弁29及び切替弁34をバイパス開位置に切り替えるバイパス開位置切替制御を行う。放出されたSOxの大部分はバイパス通路28内を経由して排気管27内に誘導されるが、前述のように放出されたSOxの一部は切替弁29から排気通路下流へ漏れてしまう。このように漏れたSOxを含む排気ガスは、切替弁34によってバイパス通路33に誘導された一部の排気ガスと混合する。バイパス通路33を経由した排気ガスは、上流側SOxトラップ触媒21から流出した排気ガスよりも空燃比がリーンとなっており酸素をより多く含んでいる。従ってこれらが下流側SOxトラップ触媒23に流入することによって、SOxの酸化が促進され、下流側SOxトラップ触媒23の捕集能力を向上させるという効果を奏する。
なお、本実施例では、排気行程中に燃焼室2内に燃料を噴射することによって上流側SOxトラップ触媒21に流入する排気ガスの空燃比をリッチにすることはできない。バイパス通路33を経由して空燃比リーンの排気ガスを下流側SOxトラップ触媒23に流入させることができないからである。従って、切替弁34の下流排気通路内に配置された還元剤供給弁20から還元剤を供給することによって、上流側SOxトラップ触媒21に流入する排気ガスの空燃比をリッチにする。
次に図14を参照しながら本発明による更に別の実施例について説明する。本実施例では、上流側SOxトラップ触媒21下流であってバイパス通路28の流入端の開口上流にNOx吸蔵還元触媒を担持したパティキュレートフィルタ35を配置している。さらに上流側SOxトラップ触媒21に捕集されたSOxを放出させる際に用いられた還元剤等の未燃燃料が大気中への放出されるのを防止するため、酸化触媒36をバイパス通路28の流出端より下流、従って排気管27の下流に配置している。それ以外の構成は図1に示す内燃機関と同様である。図6のように排気通路19に還元剤供給弁20が設けられていてもよい。
図15(A)及び(B)は図14に示されるNOx吸蔵還元触媒を担持したパティキュレートフィルタ35の構造を示している。図15(A)はパティキュレートフィルタ35の正面図を示しており、図15(B)はパティキュレートフィルタ35の側面断面図を示している。
図15(A)及び(B)に示されるようにパティキュレートフィルタ35はハニカム構造をなしており、互いに平行をなして延びる複数個の排気流通路90,91を具備する。これら排気流通路は下流端が栓62により閉塞された排気ガス流入通路90と、上流端が栓93により閉塞された排気ガス流出通路91とにより構成される。なお、図15(A)においてハッチングを付した部分は栓93を示している。従って排気ガス流入通路90及び排気ガス流出通路91は薄肉の隔壁94を介して交互に配置される。即ち、排気ガス流入通路90及び排気ガス流出通路91は各排気ガス流入通路90が4つの排気ガス流出通路91によって包囲され、各排気ガス流出通路91が4つの排気ガス流入通路90によって包囲されるように配置される。
パティキュレートフィルタ35は例えばコージライトのような多孔質材料から形成されており、従って排気ガス流入通路90内に流入した排気ガスは図15(B)において矢印で示されるように周囲の隔壁94内を通って隣接する排気ガス流出通路91内に流出する。
次に図16を参照しながら本発明による更に別の実施例について説明する。本実施例では、基本的構成は図14に示す実施例と同様であるが、排気通路の構成が異なる。即ち、排気管22が排気流切替管40に接続され、排気流切替管40は排気管22に接続されている以外三つの開口を有する。各開口は、下流側SOxトラップ触媒23の上流側に接続された排気管37、NOx吸蔵還元触媒26の下流側に接続された排気管38、酸化触媒36の上流側に接続された排気管39に接続されている。
排気流切替管40は切替弁40aを備え、切替弁40aが図16に実線で示されるように、上流側SOxトラップ触媒21から流出した排気ガスを下流側SOxトラップ触媒23内に導くバイパス閉位置と、図16に破線で示されるように上流側SOxトラップ触媒21から流出した排気ガスを酸化触媒36内に導くバイパス開位置との間で図示しないアクチュエータによって切替可能となっている。
排気ガスの流れについて説明すると、切替弁40aがバイパス閉位置にある場合、上流側SOxトラップ触媒21から流出した排気ガスは、排気管37に誘導され、下流側SOxトラップ触媒23に流入する。その後、NOx吸蔵還元触媒26を経て、排気管38から再び排気流切替管40に流入する。そして、排気ガスは排気管39に誘導され、酸化触媒36を通って大気中へ排出される。
一方、切替弁40aがバイパス開位置にある場合、上流側SOxトラップ触媒21から流出した排気ガスは、排気管39に誘導され、酸化触媒36を通ってそのまま大気中へ排出される。排気流切替管40は、図1等で使用するタイプの切替弁に生じていたような排気ガスが下流に漏れる割合が非常に少なくて済むというメリットがある。
本実施例においては、図6に示されるように排気通路19に還元剤供給弁20を備えてもよい。なお、この排気流切替弁40はその他の実施例においても適用可能である。
次に図17を参照しながら本発明による更に別の実施例について説明する。本実施例では、基本的な構成は図1に示される内燃機関と同様である。それに加え、排気通路19及び排気管22を連通するバイパス通路41と、図1に示されるバイパス通路28の代わりに排気通路19及び排気管27を連通するバイパス通路45とが設けられている。
バイパス通路41は図17に示されるように途中で分岐しており、分岐したバイパス通路41の出口は排気管22の上流側及び下流側にそれぞれ接続される。排気通路19に設けられたバイパス通路41の入口の開口には切替弁42を備え、バイパス通路41の分岐部分には切替弁43を備え、排気管22の上流側に分岐したバイパス通路41の出口の開口には切替弁44を備え、バイパス通路45の入口の開口には切替弁46を備える。
各切替弁は、上流側SOxトラップ触媒21からSOxを放出時に、バイパス開位置切替制御によって図17に実線で示されるバイパス開位置に切り替えられ、それ以外のときは、バイパス閉位置切替制御によって図17に破線で示されるバイパス閉位置に、それぞれ図示しないアクチュエータによって切り替えられる。排気通路19における、バイパス通路41とバイパス通路45のそれぞれの開口は、バイパス開位置切替制御後は切替弁42,46によって隔絶されている。
次に各切換弁がバイパス開位置切替制御によって切り替えられ、上流側SOxトラップ触媒21からSOxが放出されるときの排気ガスの流れについて説明する。
まず、ターボチャージャ7から流出した排気ガスは切替弁42によってバイパス通路41内に誘導される。そしてバイパス通路41内において、図17に実線で示されるような位置に切替弁43が配置されることによって、排気ガスの一部が切替弁44によって隔絶された排気管22の上流側へ、排気ガスの残りは排気管22の下流側へ誘導される。排気管22の上流側へ誘導された排気ガスは、還元剤供給弁20によって供給された還元剤と共に、各切換弁がバイパス閉位置にある場合における排気ガスの流れとは逆方向、即ち排気通路19方向へ流動する。そして上流側SOxトラップ触媒21を通ってSOxを放出させる。その後SOxを含んだ排気ガスはバイパス通路45を通って排気管27へ誘導され、大気中へ排出される。
本実施例では排気ガスを通常とは逆方向に流動させて上流側SOxトラップ触媒21のSOxを放出させているので、例えば図1に示される実施例のように、切替弁29からのSOxの漏れが防止される。
次に図18を参照しながら本発明による更に別の実施例について説明する。本実施例では、図17に示す内燃機関と類似した構成をしているが、バイパス通路41の分岐がない代わりに排気管22が分岐して空気圧ポンプ48に接続されている。
各切換弁がバイパス開位置切替制御によって切り替えられると、空気圧ポンプ48によって圧縮空気が排気管22内に導入され、圧縮空気は還元剤供給弁20から供給された還元剤と共に上流側SOxトラップ触媒21に流入する。それによって図17に示す実施例と同様に上流側SOxトラップ触媒21からSOxが放出され、バイパス通路45を通って、最終的に大気中に排出される。本実施例においても、図17の実施例と同様に、切替弁29からのSOxの漏れが防止される。
なお、図17及び図18に示す実施例では、上記図13に示す実施例と同様に排気行程中に燃焼室2内に燃料を噴射することによって上流側SOxトラップ触媒21に流入する排気ガスの空燃比をリッチにすることはできない。従って、還元剤供給弁20から還元剤を供給することによって、上流側SOxトラップ触媒21に流入する排気ガスの空燃比をリッチにする。
次に図19を参照しながら本発明による更に別の実施例について説明する。本実施例は、バイパス通路28及び切替弁29がない以外、図1に示される内燃機関の構成と同様である。上流側SOxトラップ触媒21がSOxを捕集することで捕集能力が低下したとき、新品の触媒と交換することによって、下流側SOxトラップ触媒23へのSOxの流入を防止している。捕集能力が低下したときとは、例えば、図7(B)に示すマップから求められたSOx捕集量ΣSOXが許容量MAX以上になったときである。なお、その他の実施形態においても、捕集能力が低下したとき、新品の触媒と交換してもよい。
次に図20を参照しながら本発明による更に別の実施例について説明する。本実施例では、これまでの実施例で用いてきた下流側SOxトラップ触媒23及びNOx吸蔵還元触媒26の代わりに、例えば軸線方向にまっすぐに延びる多数の排気ガス流通孔を有するハニカム構造のモノリス触媒であって、排気通路上流側にSOxトラップ機能を備え、下流側にNOx吸蔵還元機能を備えた触媒49を用いている。
本明細書に記載のその他の実施例において、下流側SOxトラップ触媒23及びNOx吸蔵還元触媒26をこのような触媒49と置き換えて用いてもよい。また、図19及び図20に示した実施例においては、図6に示されるように排気通路19に還元剤供給弁20を備えてもよい。
ところで、図7(B)に示すようなマップを予め作成し、そこからSOx捕集量ΣSOXを求めることができるのは、燃料中のイオウの割合が常に一定であると仮定できる場合である。そのように仮定することができない場合、例えばイオウの割合が様々である場合、予めマップしたイオウの割合よりも高い割合の地域で使用する場合等においては、SOx捕集量ΣSOXを正確に推定することができず、適切なタイミングで上流側SOxトラップ触媒21からSOxを放出させることができない。
従ってその場合、図7(B)のようなマップから求める代わりに、上流側SOxトラップ触媒21のすぐ下流にSOxの流出を検出するセンサを配置してもよい。即ち、上流側SOxトラップ触媒21からSOxを強制的に放出させる処理を行っていないにもかかわらずSOxの放出を検出した場合は、捕集能力が飽和していると判断する。そしてSOxバイパス操作を実行して捕集能力を回復させるか又は上流側SOxトラップ触媒21自体の交換を行う。
圧縮着火式内燃機関の全体図である。 NOx吸蔵還元触媒の構造を示す図である。 NOx吸蔵還元触媒の触媒担体の表面部分の断面図である。 SOxトラップ触媒の基体の表面部分の断面図である。 SOx捕集量SOXA、SOXBのマップを示す図である。 圧縮着火式内燃機関の別の実施例を示す図である。 リッチ制御を示すタイムチャートである。 リッチ制御を示すタイムチャートである。 SOxトラップ触媒の基材の表面部分の断面図である。 SOxトラップ触媒の基材の表面部分の断面図である。 SOxバイパス制御を行うためのフローチャートである。 圧縮着火式内燃機関の更に別の実施例を示す図である。 圧縮着火式内燃機関の更に別の実施例を示す図である。 圧縮着火式内燃機関の更に別の実施例を示す図である。 パティキュレートフィルタの構造を示す図である。 圧縮着火式内燃機関の更に別の実施例を示す図である。 圧縮着火式内燃機関の更に別の実施例を示す図である。 圧縮着火式内燃機関の更に別の実施例を示す図である。 圧縮着火式内燃機関の更に別の実施例を示す図である。 圧縮着火式内燃機関の更に別の実施例を示す図である。
符号の説明
4 吸気マニホルド
5 排気マニホルド
7 排気ターボチャージャ
21 上流側SOxトラップ触媒
23 下流側SOxトラップ触媒
26 NOx吸蔵還元触媒
28 バイパス通路
29 切替弁

Claims (6)

  1. 機関排気通路内に配置され、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときには排気ガス中に含まれるSOxを捕集する第一のSOxトラップ触媒であって、該第一のSOxトラップ触媒に流入する排気ガスの空燃比がリッチの下で当該第一のSOxトラップ触媒の温度がSOx放出温度以上であれば捕集したSOxを放出するタイプの第一のSOxトラップ触媒と、第一のSOxトラップ触媒下流排気通路内に配置され、流入したSOxを捕集して保持するタイプの第二のSOxトラップ触媒と、第二のSOxトラップ触媒下流排気通路内に配置され、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときには排気ガス中に含まれるNOxを吸蔵し流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比又はリッチになると吸蔵したNOxを還元浄化するNOx吸蔵還元触媒とを具備する内燃機関において、第一のSOxトラップ触媒から流出した排気ガスを第二のSOxトラップ触媒及びNOx吸蔵還元触媒を迂回して排気通路下流へ導くバイパス通路と、バイパス通路入口に配置され、第一のSOxトラップ触媒から流出した排気ガスを第二のSOxトラップ触媒へ導くバイパス閉位置及びバイパス通路内に導くバイパス開位置間で切替可能な切替弁とを更に具備し、第一のSOxトラップ触媒がSOx放出温度以上となって捕集したSOxを放出するとき切替弁がバイパス開位置に切り替えられる内燃機関の排気浄化装置。
  2. 第二のSOxトラップ触媒が第一のSOxトラップ触媒に比べて捕集したSOxを放出し難い性質を有する請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 第一のSOxトラップ触媒上流排気通路に前記バイパス通路入口が開口し、還元剤を含む排気ガス又は空気を排気通路下流側から第一のSOxトラップ触媒に導入することによって排気通路上流側へSOxを放出させ、放出されたSOxが前記バイパス通路内に導かれる請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 第二のSOxトラップ触媒が、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときには排気ガス中に含まれるSOxを捕集するSOxトラップ触媒であって、流入する排気ガスの空燃比がリーンの下で当該SOxトラップ触媒の温度が上昇すると捕集したSOxが次第に当該SOxトラップ触媒の内部に拡散していく性質を有すると共に当該SOxトラップ触媒に流入する排気ガスの空燃比がリッチの下で当該SOxトラップ触媒の温度がSOx放出温度以上であれば捕集したSOxを放出する性質を有するSOxトラップ触媒である請求項1から3のいずれかに記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 第二のSOxトラップ触媒が第一のSOxトラップ触媒から離間して配置されることで第一のSOxトラップ触媒から流出した排気ガスが、第二のSOxトラップ触媒に流入するまでに冷却され、第二のSOxトラップ触媒をそのSOx捕集能力が低下する温度まで昇温させない請求項1から4のいずれか一つに記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. 第一のSOxトラップ触媒のSOx捕集能力が低下したとき、新品のSOxトラップ触媒と交換可能である請求項1から5のいずれか一つに記載の内燃機関の排気浄化装置。
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