JP2009108170A - フォトクロミック硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価に製造することを目的として、汎用樹脂と同じ屈折率を有するフォトクロミック硬化体を与えるフォトクロミック硬化性組成物を得る。
【解決手段】汎用材料として広く知られている、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基又はアリル基を有さないエポキシ化合物と(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体を使用したフォトクロミック硬化性組成物であり、[A]水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルの如きエポキシ化合物と、[B]トリメチロールプロパントリメタクリレートの如き(メタ)アクリル単量体と、[C]フォトクロミック化合物を含有してなるフォトクロミック硬化性組成物であり、該フォトクロミック硬化性組成物よりなる硬化体の20℃、589.3nmの波長における屈折率が1.49〜1.51の範囲となることを特徴とするフォトクロミック硬化性組成物である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、フォトクロミック作用の優れたフォトクロミック硬化体の製造に好適に使用できるフォトクロミック硬化性組成物に関する。
フォトクロミズムとは、ある化合物に太陽光あるいは水銀灯の光のような紫外線を含む光を照射すると速やかに色が変わり、光の照射をやめて暗所におくと元の色に戻る可逆作用のことであり、様々な用途に応用されている。このような性質を持つフォトクロミック化合物として、フルギミド化合物、スピロオキサジン化合物、クロメン化合物等が見い出されている。これら化合物は、プラスチックと複合化させることにより、フォトクロミック特性を有する光学物品とすることができるため、複合化の検討が数多くなされている。
例えば、眼鏡レンズの分野においてもフォトクロミズムが応用されている。フォトクロミック化合物を使用したフォトクロミック眼鏡レンズは、太陽光のような紫外線を含む光が照射される屋外ではレンズが速やかに着色してサングラスとして機能し、そのような光の照射がない屋内においては退色して透明な通常の眼鏡として機能するものであり、近年その需要は増大している。
フォトクロミック眼鏡レンズに関しては、軽量性や安全性の観点から特にプラスチック製のものが好まれており、このようなプラスチックレンズへのフォトクロミック性の付与は一般に上記フォトクロミック化合物と複合化することにより行なわれている。複合化方法としては、フォトクロミック性を有さないレンズの表面にフォトクロミック化合物を含浸させる方法(以下、含浸法という)、あるいはモノマーにフォトクロミック化合物を溶解させ、それを重合させることにより直接フォトクロミックレンズを得る方法(以下、練り込み法という)が知られている。これら含浸法の技術(特許文献1〜3参照)および練り込み法の技術(特許文献4〜6参照)は、種々の技術が提案されている。
米国特許第5739243号明細書 米国特許第5973093号明細書 国際公開第95/10790号パンフレット 特開平5−306392号公報 国際公開第96/037574号パンフレット 国際公開第01/005854号パンフレット
これらのフォトクロミック化合物及びそれらを含むフォトクロミック性を有するプラスチックは、一般に優れたフォトクロミック特性を示す。しかしながら、これらのフォトクロミック複合体を各種の用途に使用するためには、良好なフォトクロミック作用を示すだけではなく、簡便、安価に製造でき、且つフォトクロミック光学物品として、機械的または光学的物性に優れていることが要求される。
安価に製造する方法の一つとしては、眼鏡レンズの汎用材料として用いられている屈折率1.50の硬化体が得られるジエチレングリコールビスアリルカーボネート(以下、通称である「CR−39」と略す場合もある。)の製造ツールを用いて大量に生産する方法が挙げられる。このような製造ツールを使用して大量に生産できれば、低コスト化を図ることができるため、フォトクロミックプラスチックレンズにおいても、そのニーズは高い。該CR−39硬化体の製造法を用いることができる条件としては、CR−39硬化体の生産方法であるガラスモールドを用いるキャスト法で製造が行なえ、尚且つ同じモールドで同じ度数のレンズを生産するために、CR−39硬化体と同等の屈折率である屈折率1.50の硬化体を製造することができるフォトクロミック硬化性組成物が必要である。
前記含浸法で例示したフォトクロミックプラスチックでは、屈折率1.50のプラスチック基材をCR−39の製造ツールで作製することにより、製造ツールの共有化は可能であるが、得られたプラスチック基材にフォトクロミック化合物を含浸させるため、製造法が煩雑となる。
一方、前記練り込み法で例示した特許文献4、5および6には、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する重合性単量体(以下、(メタ)アクリレート単量体と略す場合がある。)を使用したフォトクロミック硬化性組成物が示されている。これらの方法においては、単量体の組み合わせによって屈折率1.50の硬化体ができるものも提案されているが、エポキシ基を有し、かつメタクリロイル基を有するような特殊なアクリレート系の材料を用いるため、フォトクロミック特性、材料の機械的強度という点で改善の余地があり、さらに、安価に製造することが出来ないといった点で改善の余地があった。
また、前記練り込み法で例示した特許文献4、5および6には、(メタ)アクリレート単量体と、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基又はアリル基を有さない、汎用のエポキシ化合物を併用したフォトクロミック硬化性組成物も提案されているが、それら実施例には、該エポキシ化合物の添加量はいずれも低いものしか開示されておらず、前記課題を解決するために積極的にエポキシ化合物を用いた例は見られない。
したがって、本発明の目的は、フォトクロミック硬化体を安価に製造することができるフォトクロミック硬化性組成物であって、かつ、フォトクロミック特性が良好で、しかも、機械的強度の優れたフォトクロミック硬化体とすることができるフォトクロミック硬化性組成物を提供することにある。
本発明者は、フォトクロミックレンズ等に代表されるフォトクロミック硬化体を安価/簡便に製造するため、フォトクロミック化合物と重合性単量体とを混合して重合する練り込み法において、硬化性組成物について鋭意研究を続けた。その結果、汎用材料として広く知られている、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基又はアリル基を有さないエポキシ化合物と、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する重合性単量体を用いたフォトクロミック硬化性組成物が、得られるフォトクロミック硬化体のフォトクロミック特性が優れているばかりでなく、機械的および光学的物性にも優れていることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
[A]分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有し、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基又はアリル基を有さないエポキシ化合物20〜90質量%、及び
[B]分子中に少なくとも1個のアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する重合性単量体80〜10質量%
よりなる硬化性組成物100質量部に対して、
[C]フォトクロミック化合物0.001〜10質量部
を含有してなるフォトクロミック硬化性組成物であり、該フォトクロミック硬化性組成物よりなる硬化体の20℃、589.3nmの波長における屈折率が1.49〜1.51の範囲となることを特徴とするフォトクロミック硬化性組成物である。
本発明のフォトクロミック硬化性組成物を重合して得られる硬化体は、フォトクロミック特性に優れるばかりでなく、且つ機械的、光学的物性が優れている。したがって、本発明のフォトクロミック硬化性組成物を重合して得られる硬化体は、フォトクロミック性を有する有機ガラスとして有用であり、例えば、フォトクロミックレンズ等の用途に好適に使用することができる。また、特に下記(i)および(ii)で示す利点を有する。
(i)汎用樹脂である、CR−39のモールドを用いて成型でき、同じ度数を与えるフォトクロミックレンズを製造することで、生産コストを抑制することが出来る。
(ii)汎用材料である(メタ)アクリロイル基等を有さないエポキシ化合物を多く使用することで、従来のアクリル系(高反応性)の練り込みフォトクロミック硬化性組成物よりも、広い範囲の材料設計が可能となり、フォトクロミック特性を向上させ、且つ機械的強度を上げるのに有利である。
本発明は、[A]分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有し、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基又はアリル基を有さないエポキシ化合物、[B]分子中に少なくとも1個のアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する重合性単量体を含む硬化性組成物、及び、[C]フォトクロミック化合物を含有してなるフォトクロミック硬化性組成物である。以下、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基又はアリル基をまとめて不飽和二重結合基とし、アクリロイル基又はメタクリロイル基をまとめて(メタ)アクリロイル基とする場合もある。
本発明において、前記硬化性組成物は、[A]分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有し、不飽和二重結合基を有さないエポキシ化合物、及び、[B]分子中に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体を含んでなる。先ず、これらエポキシ化合物、重合性単量体を含む硬化性組成物について説明する。
([A]分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有し、不飽和二重結合基を有さないエポキシ化合物)
本発明において、前記[A]分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有し、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基又はアリル基を有さないエポキシ化合物(以下、単に、エポキシ化合物と略す場合がある。)は、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基又はアリル基を有さないものであれば、公知のものを用いることができる。具体的には、一価、二価、三価アルコール等のアルコール性水酸基含有化合物、またはフェノール、ハイドロキノン等のフェノール性水酸基含有化合物とエピクロルヒドリンとの反応生成物、或は安息香酸、テレフタル酸等のカルボン酸とエピクロロヒドリンとの反応生成物などを挙げることができる。中でも、得られるフォトクロミック硬化体の屈折率、機械的強度等の観点より下記式(I)で表されるものが、好適である。
Figure 2009108170
(但し、Aは、n価のアルコール性水酸基含有化合物の残基、n価のフェノール性水酸基含有化合物の残基、または、n価のカルボン酸残基であり、R1は水素原子またはメチル基であり、nは1〜4の整数であり、A中に、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基又はアリル基を有さない。)。
本発明において特に好適に使用できるエポキシ化合物を例示すれば、前記式(I)において、nは1または2であり、Aは、nが1のときは水酸基で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキル基、−R−(OR)p−OH(但し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基であり、pは1〜20の整数である。)で示される基、水酸基で置換されていてもよい炭素数6〜7のシクロアルキル基、水酸基で置換されていてもよいフェニル基、またはカルボキシル基で置換されていてもよいベンゾイル基であることが好ましい。また、Aは、nが2のときは水酸基で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキレン基、−R−(OR)p−(但し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基であり、pは1〜20の整数である。)で示される基、水酸基で置換されていてもよい炭素数6〜7のシクロアルキレン基、水酸基で置換されていてもよいフェニレン基、フタロイル基、イソフタロイル基、テレフタロイル基であるか、下記式(II)、又は下記式(III)で示される基であることが好ましい。
Figure 2009108170
Figure 2009108170
また、これらの中でも、得られるフォトクロミック硬化体の20℃、589.3nmの波長における屈折率(以下、この温度、この波長の屈折率を単に、屈折率とする場合もある。)を1.49〜1.51の範囲とするためには、芳香環、硫黄原子、塩素、臭素、ヨウ素のハロゲン原子を有しないものが好適に用いられる。さらに、後述する[B]分子中に少なくとも1個のアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する重合性単量体との相溶性の観点から、水溶性でないものが好ましく、且つ2官能以上のエポキシ化合物が好ましく、より好ましくは3官能以上のエポキシ化合物が好適に用いられる。また、分子内に二重結合を含む構造のものであってもよい。
これら重合性基を有さないエポキシ化合物を具体的に例示すれば、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エチレングリコールグリシジルエーテル、ジエチレングリコールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールグリシジルエーテル、プロピエーテルレングリコールグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールグリシジルエーテル、ポリブタジエンエポキシ化合物、ポリブチレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、スピログリコールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、岡村製油(株)製、SB−20G,IPU−22G等を挙げることができる。中でも、本発明に使用するエポキシ化合物としては、得られるフォトクロミック硬化体の屈折率を1.49〜1.51にするために、芳香環を含まず、炭素、水素含量が多いエポキシ化合物、具体的には、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル等が特に好ましい。
なお、前記エポキシ化合物は、後述する(メタ)アクリレート重合体と混合し、得られるフォトクロミック硬化体の屈折率が1.49〜1.51の範囲を満足するようにすれば、単独で使用することもできるし、2種類以上のものを混合して使用することもできる。
([B]分子中に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体)
次に、本発明の使用する[B]分子中に少なくとも1個のアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する重合性単量体(以下単に(メタ)アクリル単量体と略す場合がある。)について説明する。
本発明において、(メタ)アクリル単量体としては、公知のものを用いることができるが、具体的には、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリエチレングリコールトリメタクリレート、トリメチロールプロパントリエチレングリコールトリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ウレタンオリゴマーテトラアクリレート、ウレタンオリゴマーヘキサメタクリレート、ウレタンオリゴマーヘキサアクリレート、ポリエステルオリゴマーヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、分子量2,500〜3,500の4官能ポリエステルオリゴマー(ダイセルユーシービー社、EB80等)、分子量6,000〜8,000の4官能ポリエステルオリゴマー(ダイセルユーシービー社、EB450等)、分子量45,000〜55,000の6官能ポリエステルオリゴマー(ダイセルユーシービー社、EB1830等)、分子量10,000の4官能ポリエステルオリゴマー(第一工業製薬社、GX8488B等)、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシポリエトキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロイルオキシポリエトキシシクロヘキシル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,9−ノニレングリコールジメタクリレート、ネオペンチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、テトラプロピレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールビスグリシジルメタクリレート、トリアルキレングリコールジアクリレート、テトラアルキレングリコールジアクリレート、ノニルアルキレングリコールジアクリレート、ノニルアルキレングリコールジメタクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、2,2−ビス(4−アクリロイルオキシポリエチレングリコールフェニル)プロパン、平均分子量526のポリエチレングリコールメタアクリレート、平均分子量360のポリエチレングリコールメタアクリレート、平均分子量475のメチルエーテルポリエチレングリコールメタアクリレート、平均分子量1,000のメチルエーテルポリエチレングリコールメタアクリレート、平均分子量375のポリプロピレングリコールメタアクリレート、平均分子量430のポリプロピレンメタアクリレート、平均分子量622のポリプロピレンメタアクリレート、平均分子量620のメチルエーテルポリプロピレングリコールメタアクリレート、平均分子量566のポリテトラメチレングリコールメタアクリレート、平均分子量2,034のオクチルフェニルエーテルポリエチレングリコールメタクリレート、ノニルエーテルポリエチレングリコールメタクリレート、平均分子量640のメチルエーテルポリエチレンチオグリコールメタクリレート、平均分子量498のパーフルオロヘプチルエチレングリコールメタクリレート等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート等、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタアクリレート、エチルヘキシルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ラウリルアクリレート、平均分子量1,400のポリテトラメチレングリコールジメタアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸の如き不飽和カルボン酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、メタクリル酸ビフェニルの如きアクリル酸およびメタクリル酸エステル化合物;フマル酸ジエチル、フマル酸ジフェニルの如きフマル酸エステル化合物を例示することができる。
この中でも特に、下記式(IV)で表される(メタ)アクリル単量体が好適であり、
Figure 2009108170
(R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、m+l=2〜7の整数でm、lは0をとりうる。)。
前記式(IV)の中でも、硬化体の強度、硬度の観点より、トリまたはテトラエチレングリコールジメタクリレート、トリまたはテトラプロピレングリコールジメタクリレート等のポリアルキレングリコール誘導体が、前記[A]エポキシ化合物との相溶性の点、得られるフォトクロミック硬化体の屈折率、及びフォトクロミック性の点で好ましい。その中でも、特にトリまたはテトラエチレングリコールジメタクリレートが、炭素含量が多く、得られるフォトクロミック硬化体の屈折率を1.49〜1.51に調整するのに好適に使用できる。
また、(メタ)アクリル単量体として、フォトクロミック特性をより向上させる目的で下記式(V)で示される重合性単量体を、好適に用いることができる。
Figure 2009108170
(式中、R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基であり、R7は3〜6価の有機残基であり、aは0〜20の整数であり、oは3〜6の整数である。)。
前記式(V)で示される(メタ)アクリレート単量体を具体的に例示すれば、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリエチレングリコールトリメタクリレート、トリメチロールプロパントリエチレングリコールトリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等を挙げることができ、その中でも特にトリメチロールプロパントリメタクリレートがフォトクロ性を向上する観点で好ましい。
また、前記(メタ)アクリル単量体は、前記のエポキシ化合物と混合し、得られるフォトクロミック硬化体の屈折率が1.49〜1.51の範囲を満足するようにすれば、単独で使用することもできるし、2種類以上のものを混合して使用することもできる。
(硬化性組成物)
本発明に使用する硬化性組成物は、前記[A]エポキシ化合物、及び前記[B](メタ)アクリル単量体の合計の質量を100質量%として、[A]エポキシ化合物を20〜90質量%、[B](メタ)アクリル単量体を80〜10質量%含むものである。[A]エポキシ化合物が20質量%未満であって、[B](メタ)アクリル単量体が80質量%を超える場合には、耐衝撃性が低下し、フォトクロミック特性が低下する場合があるため好ましくない。一方、[A]エポキシ化合物が90質量%を超え、[B](メタ)アクリル単量体が10質量%未満の場合には、重合率が低下する傾向にあるため好ましくない。耐衝撃性、フォトクロミック特性等の物性、及び重合率を考慮すると、[A]エポキシ化合物が20〜50質量%であり、[B](メタ)アクリル単量体が80〜50質量%であることが好ましい。
また、前記硬化性組成物において、[B](メタ)アクリル単量体は、機械的強度やフォトクロミック特性を考慮すると、前記式(IV)及び前記式(V)の混合物からなることが好ましい。この場合、前記式(V)で示される(メタ)アクリル単量体の配合割合が多くなると、得られるフォトクロミック硬化体の機械的強度が低下するおそれがあるため、前記式(IV)で示される(メタ)アクリル単量体、及び前記式(V)で示される(メタ)アクリル単量体の混合比が、前記式(4):前記式(5)=1:1〜4:1(質量比)となることが特に好ましい。
また、本発明においては、前記硬化性組成物を含む後述するフォトクロミック硬化体の屈折率が1.49〜1.51の範囲を満足するように、前記の配合割合を満足する範囲で、前記硬化性組成物を構成する[A]エポキシ化合物、及び[B](メタ)アクリル単量体の種類を適宜決定してやればよい。
([C]フォトクロミック化合物)
次に、本発明における[C]のフォトクロミック化合物について説明する。このフォトクロミック化合物は、フォトクロミック作用を示す化合物を何ら制限なく採用することができる。例えば、フルギド化合物、クロメン化合物及びスピロオキサジン化合物等のフォトクロミック化合物がよく知られており、本発明においては、これらのフォトクロミック化合物を使用することができる。前記のフルギド化合物及びクロメン化合物は、USP4,882,438、USP4,960,678、USP5,130,058、USP5,106,998等で公知の化合物を好適に使用できる。
また、優れたフォトクロミック性を有する化合物として本発明者等が新たに見出した化合物、例えば特開2001−114775号、特開2001−031670号、特開2001−011067号、特開2001−011066号、特開2000−347346号、特開2000−344762号、特開2000−344761号、特開2000−327676号、特開2000−327675号、特開2000−256347号、特開2000−229976号、特開2000−229975号、特開2000−229974号、特開2000−229973号、特開2000−229972号、特開2000−219687号、特開2000−219686号、特開2000−219685号、特開平11−322739号、特開平11−286484号、特開平11−279171号、特開平10−298176号、特開平09−218301号、特開平09−124645号、特開平08−295690号、特開平08−176139号、特開平08−157467号等に開示された化合物も好適に使用することができる。これらの中でも、国際公開第01/60811号パンフレット、米国特許4913544号公報、及び米国特許5623005号公報に開示されているフォトクロミック化合物が好適に使用できる。これらフォトクロミック化合物の中でも、クロメン系フォトクロミック化合物は、フォトクロミック特性の耐久性が他のフォトクロミック化合物に比べ高く、さらに本発明によるフォトクロミック特性の発色濃度および退色速度の向上が他のフォトクロミック化合物に比べて特に大きいため特に好適に使用することができる。さらにこれらクロメン系フォトクロミック化合物中でもその分子量が540以上の化合物は、本発明によるフォトクロミック特性の発色濃度および退色速度の向上が他のクロメン系フォトクロミック化合物に比べて特に大きいため、好適に使用することができる。これらクロメン化合物の中でも、下記構造式で示されるクロメン化合物が特に好ましい。
Figure 2009108170
なお、前記フォトクロミック化合物は、単独で使用することもできるし、2種類以上を混合して使用することもできる。
本発明において、[C]のフォトクロミック化合物の配合比は、あまりに多いときにはフォトクロミック化合物の凝集が起き、耐久性が急激に低下する。このため、前記[A]エポキシ化合物及び[B](メタ)アクリル単量体よりなる硬化性組成物100質量部に対して、フォトクロミック化合物は、通常、0.001〜10質量部の範囲で用いられ、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.01〜1質量部の範囲で用いられ、この範囲において最も良好なフォトクロミック性能が得られる。
(フォトクロミック硬化性組成物、その他の配合剤)
本発明のフォトクロミック硬化性組成物は、前記の通り、前記硬化性組成物100質量部に対して、前記フォトクロミック化合物0.001〜10質量部含有してなるものである。
本発明のフォトクロミック硬化性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で前記[A]エポキシ化合物及び[B](メタ)アクリル単量体の他に、公知のラジカル重合性単量体を加えることもできる。これらラジカル重合性単量体を具体的に例示すれば、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、及び/またはそのオリゴマー、ジアリルテレフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルオルソフタレート、安息香酸アリル、シクロヘキサンカルボン酸アリル、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、酒石酸ジアリル、エポキシこはく酸ジアリル、クロレンド酸ジアリル、ヘキサフタル酸ジアリル、アリルジグリコールカーボネートの如き多価アリル化合物、ジベンジルマレート、スチレン、クロルスチレン、メチルスチレン、ビニルナフタレン、イソプロペニルナフタレン、ビスフェノールAジメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、N−シクロヘキシルマレイミド、無水マレイン酸、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジアリル、α−メチルスチレンダイマー、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、スチレン、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、β−メチルグリシジルアクリレート、β−メチルグリシジルメタクリレート、ビスフェノールA−モノグリシジルエーテル−メタクリレート、4−グリシジルオキシブチルメタクリレート、3−(グリシジル−2−オキシエトキシ)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−(グリシジルオキシ−1−イソプロピルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−(グリシジルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシメタクリレート、2−ヒドロキシアクリレート等が挙げられる。
さらに、本発明のフォトクロミック硬化性組成物は、離型剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、着色防止剤、帯電防止剤、蛍光染料、染料、顔料、香料等の各種安定剤、添加剤を必要に応じて混合して使用することができる。
中でも、紫外線安定剤を混合して使用するとフォトクロミック化合物の耐久性をさらに向上させることができるために好適である。紫外線安定剤としては、ヒンダードアミン光安定剤、ヒンダードフェノール酸化防止、イオウ系酸化防止剤を好適に使用することができる。好適な例としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、旭電化工業(株)製アデカスタブLA−52、LA−57、LA−62、LA−63、LA−67、LA−77、LA−82、LA−87、2,6-ジ-t-ブチル−4−メチル−フェノール、2,6−エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製のIRGANOX 1010、1035、1075、1098、1135、1141、1222、1330、1425、1520、259、3114、3790、5057、565を用いることができる。等を挙げることができる。この紫外線安定剤の使用量は特に制限されるものではないが、通常は、前記硬化性組成物100質量部に対して各紫外線安定剤の配合量が0.001〜10質量部、さらに0.01〜1質量部の範囲であることが好適である。
(フォトクミック硬化体、その製法、重合開始剤)
本発明のフォトクロミック硬化体組成物から硬化体を得る重合方法は、特に制限されるものではなく、公知のラジカル重合方法を採用できる。重合開始手段は、種々の過酸化物やアゾ化合物などのラジカル重合開始剤の使用、又は、紫外線、α線、β線、γ線等の照射あるいは両者の併用によって行うことができる。代表的な重合方法を例示すると、エラストマーガスケット又はスペーサーで保持されているモールド間に、ラジカル重合開始剤を混合した本発明のフォトクロミック硬化体組成物を注入し、空気炉中で酸化させた後、取り外す注型重合が採用される。
本発明のフォトクロミック硬化性組成物を硬化させる際に好適に用いられるラジカル重合性開始剤を例示すれば、熱重合ラジカル開始剤として、パーオキシ系ラジカル開始剤を挙げることができる。また、その中でも、特に、前記[B](メタ)アクリル単量体を有効に重合させる、[D]10時間半減期温度が50℃未満のパーオキシ系ラジカル開始剤と、前記[A]エポキシ化合物を有効に(メタ)アクリル単量体と共重合させることができる、[E]10時間半減期温度が50℃以上のパーオキシ系ラジカル開始剤を組み合わせたものを使用することが好ましい。
([D]10時間半減期温度が50℃未満のパーオキシ系ラジカル重合開始剤)
10時間半減期温度が50℃未満のパーオキシ系ラジカル開始剤として{()内は、10時間半減期温度を示す。}を具体的に例示すると、パーオキシエステル系ラジカル開始剤が例示でき、クミルパーオキシネオデカネート(37℃)、1,1,3,3−テトラメチルブチル パーオキシ ネオデカネート(40℃)、t−ブチル パーオキシ ネオデカネート(46.5℃)を挙げることができる。
([E]10時間半減期温度が50℃以上のパーオキシ系ラジカル重合開始剤)
また、10時間半減期温度が50℃以上のパーオキシ系ラジカル開始剤としてt−ヘキシル パーオキシピヴァレート(53℃)、t−ブチル パーオキシピヴァレート(55℃)、1,1,3,3−テトラメチルブチル パーオキシ 2−エチルヘキサノネート(65℃)、t−ブチル パーオキシ −2−エチルヘキサノネート(72℃)、t−ブチルパーオキシイソブチレート(77℃)等のパーオキシエステル系ラジカル開始剤、1,1−ビス(t−ブチル パーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(83℃)、1,1−ビス(t−ヘキシル パーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(90℃)、んーブチル 4,4―ビス(t−ブチル パーオキシ)ビヴァレート(105℃)等のパーオキシケタール系ラジカル開始剤、2,2’−アゾビスイーソブチロニトリル(95℃)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(98℃)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルヴァレロニトリル)(82℃)等のアゾ系ラジカル重合開始剤を挙げることができる。
また、光ラジカル重合開始剤と、前記の熱重合ラジカル開始剤を併用して使用することもできる。光ラジカル重合開始剤としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニル−プロパン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等の公知の光ラジカル重合開始剤を挙げることができる。また、光重合開始剤と前記の10時間半減期温度が50℃以上のパーオキシ系ラジカル開始剤を組み合わせたものを使用することにより、本発明のフォトクロミック硬化性組成物の重合率を挙げることができるため好適に用いられる。
本発明において、該ラジカル重合開始剤の使用量は、重合条件や開始剤の種類、前記の単量体の組成によって異なり、一概に限定できないが、前記[A]エポキシ化合物及び[B](メタ)アクリル単量体よりなる硬化性組成物100質量部に対して、0.01〜10質量部用いるのが好適である。また、(D)10時間半減期温度が50℃未満のパーオキシ系ラジカル重合開始剤、(E)10時間半減期温度が50℃以上のパーオキシ系ラジカル重合開始剤を組み合わせて用いる場合、(D)が100質量部に対し、(E)が10〜500質量部の割合であるあることが、得られるフォトクロミック硬化体の表面硬度を効率的に上げることができるため好ましい。また、光ラジカル重合開始剤を(E)と組み合わせて用いる場合、光ラジカル重合開始剤が100質量部に対し、(E)が100〜1000質量部の割合であることが好ましい。
また、本発明のフォトクロミック硬化性組成物を重合させる際、重合条件のうち、特に温度は得られるフォトクロミック硬化体の性状に影響を与える。この温度条件は、ラジカル重合開始剤の種類と量や単量体の種類によって影響を受けるので一概に限定はできないが、一般的に比較的低温で重合を開始し、ゆっくりと温度を上げていき、重合終了時に高温下に硬化させる、所謂、テーパ型重合を行うのが好適である。重合時間も温度と同様に各種の要因によって異なるので、予めこれらの条件に応じた最適の時間を決定するのが好適であるが、一般に2〜24時間で重合が完結するように条件を選ぶのが好ましい。
(フォトクロミック硬化体の特性、及び後処理)
本発明のフォトクロミック硬化性組成物を前記方法により重合して得られるフォトクロミック硬化体は、屈折率が1.49〜1.51の範囲となり、優れた機械的強度及びフォトクロミック特性を示すだけでなく、汎用なCR−39の材料とほぼ同じ屈折率を有するため、安価なフォトクロミックプラスチックレンズとすることができる。
さらに、前記の方法で得られるフォトクロミック硬化体は、その用途に応じて以下のような処理を施すこともできる。即ち、分散染料などの染料を用いる染色、シランカップリング剤やケイ素、ジルコニウム、アンチモン、アルミニウム、スズ、タングステン等のゾルを主成分とするハードコート剤や、SiO、TiO、ZrO等の金属酸化物の薄膜の蒸着や有機高分子の薄膜の塗布による反射防止処理、帯電防止処理等の加工および2次処理を施すことも可能である。
以下、実施例および比較例を掲げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜3、比較例1〜3
表1の実施例1〜3、表2の比較例1〜3に示した、[A]エポキシ化合物、[B](メタ)アクリル単量体、及びその他の添加剤成分を十分に混合した。この混合液中に、下記式で示される[C]フォトクロミック化合物(PC1)を加え、溶解するまで室温で混合し、溶解させた後、熱重合開始剤として、表1、表2に示すラジカル重合性開始剤を加えた。これら配合割合は表1、表2に示した。
Figure 2009108170
このフォトクロミック化合物を含んだ混合液(フォトクロミック硬化性組成物)を、ガラス板とポリオレフィン樹脂からなるガスケットで構成された鋳型の中へ注入し、注型重合を行った。重合は空気炉を用い、30℃から90℃で15時間かけ、徐々に温度を上げていき、90℃に2時間保持した。重合終了後、鋳型を空気炉から取り外し、放冷後、硬化体を鋳型のガラス型から取り外した。さらに硬化体を110℃で2時間加熱し、アニールを行なった。
得られたフォトクロミック硬化体のフォトクロミック特性、硬化体の物性を以下の方法で試験した。結果を表3に示した。
実施例4
表1の実施例4に示した、フォトクロミック硬化性組成物にラジカル重合開始剤として、光重合性のラジカル重合開始剤および熱重合性のラジカル重合開始剤を併用し、フォトクロミック硬化性組成物を調整した。該フォトクロミック硬化性組成物を、ガラス板とポリオレフィン樹脂からなるガスケットで構成された鋳型の中へ注入し、光重合により硬化させた。光重合条件は、出力150mW/cmのメタルハライドランプを用いて、両面より2分間照射し、フォトクロミック硬化性組成物をゲル化させた後、さらに110℃の恒温器にて2時間加熱処理を行った。放冷後、硬化体を鋳型のガラス型から取り外した。さらに硬化体を110℃で2時間加熱し、アニールを行なった。
得られたフォトクロミック硬化体のフォトクロミック特性、硬化体の物性を以下の方法で試験した。結果を表3に示した。
(1)初期着色
目視により判定した。
(2)発色濃度
得られたフォトクロミック硬化体(厚み2mm)に浜松ホトニクス製のキセノンランプL−2480(300W)SHL−100を、エアロマスフィルター(コーニング社製)を介して23℃±1℃、フォトクロミック硬化体表面でのビーム強度365nm=2.4mW/cm2、245nm=24μW/cm2で120秒間照射して発色させた。また、ε(120秒)−ε(0秒)の値を求め、発色濃度とした。但し、ε(120秒)は、最大吸収波長におけるフォトクロミック硬化体の前記条件下での光照射120秒間の後の吸光度であり、ε(0秒)は、光照射時の最大吸収波長における未照射硬化体の吸光度である。
(3)退色速度
前記測定した最大吸収波長の発色濃度の吸光度が、キセノンランプ照射後に23℃で、1/2の値になる時間を測定した。
(4)落下試験
中心厚2mmのレンズを1mの高さからコンクリート床に落下させた際に、レンズが破損またはヒビが入ったものを×、変化しなかったものを○とした。
(5)硬度
ロックウエル硬度計を用い、厚さ2mmの硬化体についてL−スケールでの値を測定した。
(6)アタゴ製アッベ屈折率計にて、589.3nmの波長の20℃における硬化体の屈折率を測定した。なお、実施例1〜4、比較例1〜3のすべの硬化体が、屈折率1.50±0.01であった。
Figure 2009108170
Figure 2009108170
Figure 2009108170

Claims (1)

  1. [A]分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有し、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基又はアリル基を有さないエポキシ化合物20〜90質量%、及び
    [B]分子中に少なくとも1個のアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する重合性単量体80〜10質量%
    よりなる硬化性組成物100質量部に対して、
    [C]フォトクロミック化合物0.001〜10質量部
    を含有してなるフォトクロミック硬化性組成物であり、該フォトクロミック硬化性組成物よりなる硬化体の20℃、589.3nmの波長における屈折率が1.49〜1.51の範囲となることを特徴とするフォトクロミック硬化性組成物。
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