JP2009104366A - ステレオ画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステレオカメラによって撮像された画像に含まれるノイズに起因するステレオマッチング処理の誤対応を減少させ、信頼性の高い視差画像および距離画像を取得することを可能にするステレオ画像処理方法を提供する。
【解決手段】ステップS1では、基準画像の画素の輝度値と所定のしきい値Nthとを比較する。ステップS2では、輝度値が所定のしきい値Nthよりも小さいと判断した基準画像の画素の輝度値を0値に置き換える。ステップS4では、基準画像の画素の輝度値が0値の場合は、その画素の視差ベクトルVpを0値とする。ステップS5では、輝度値が所定のしきい値Nth以上と判断した基準画像中の画素を注目画素として、比較画像中の対応点を特定する。次いで、対象物体2が存在する領域までの距離Zに応じて生じる注目画素の視差ベクトルVpを求めて処理を終了する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、対象物体を撮像したステレオ画像の対応する画素点間の視差ベクトルを求め、それをもとに対象物体までの距離を計算するステレオ画像処理方法に関する。
一般に、画像による3次元計測技術として、異なる位置に配設した2台のカメラからなるステレオカメラによって対象物体を撮像した一対の画像の相関を求め、この相関から対象物体に対する2台のカメラの視差を求め、この視差からステレオカメラの取り付け位置や焦点距離等のカメラパラメータを用いて三角測量の原理によって対象物体の位置を算出する、いわゆるステレオ法による画像処理が知られている。
近年、CCD、CMOS等の固体撮像素子を内蔵した一対の車載カメラ(ステレオカメラ)を用いたステレオ式車外監視装置が注目されている。3次元計測技術の一つであるステレオ法では、一方の画像中の画素ブロック(小領域)と相関を有する画素ブロックを他方の画像において特定し(ステレオマッチング処理)、両画素ブロックの相対的なずれ量である視差から、三角測量の原理を用いて距離情報を算出する。
ステレオカメラによって対象物体を撮像した一対の画像からなるステレオ画像を得て、対象物体上のある1点が一方の画像に投影されているとき、この点の他方の画像における投影先が分かれば、三角測量の原理に基づいて対象物体上の点までの距離を計算することができる。このことは例えば、非特許文献1に開示されている。
図11は、ステレオカメラによって距離を算出する原理を説明する図である。
図11に示すように、対象物体2上の点Q(x,y,z)は、光軸Oa、Ob間に一定の距離(=基線長)Bをおいて配置された一対の撮像カメラ3a、3bによって撮像される。次に、カメラ3a、3bによって撮像されたステレオ画像における点Q(x,y,z)のX−Y座標平面上の投影点の座標Qa(xa,ya)、Qb(xb,yb)が求められる。この座標Qa(xa,ya)とQb(xb,yb)とから、視差Qa−Qb=(xa−xb,ya−yb)が求められ、点Q(x,y,z)の投影点に対応する対象物体2上の点Q(x,y,z)までの距離Zが算出される。
ここで、ステレオ画像を撮影する2台のカメラ3a、3bを光軸Oa、Obが同一のX−Z平面上に含まれるように配置するとYa=Ybとなる。対象物体2上の点Q(x,y,z)がカメラ3aによって撮像された画像上の座標Qaに投影されているとき、点Q(x,y,z)のカメラ3bによって撮像された画像上への投影先である座標Qbの探索(対応点探索)は、カメラ3a、3bによって撮像された画像上に点Q、Qa、Qbを含むエピポーラ平面が投影されたエピポーラ線Epa、Epb上で行えばよい。すなわち、カメラ3a、3bの光軸Oa、Ob間の距離をB、焦点距離をfとすると、対象物体2上の点Q(x,y,z)が2台のカメラ3a、3bによって撮像された画像上の点Qa(xa,ya)、点Qb(xb,yb)にそれぞれ投影されると、対象物体2上の点Q(x,y,z)までの距離Zは[数1]によって表される。
[数1]
Z=B*f/(xa−xb)
ここで、xa−xbは視差を表し、カメラ3aによって撮像された画像を基準画像とした場合、カメラ3bによって撮像された比較画像の対応点Qb(xb,yb)における視差ベクトルは一般にVp(xa−xb,ya−yb)と表される。
図12は、従来のステレオ画像処理装置の構成を示すブロック図である。
図12に示すように、従来のステレオ画像処理装置30は、対象物体2が存在する領域のステレオ画像を撮像する2台1組のカメラ3a、3bから構成されるステレオカメラ3と、カメラ3aとカメラ3bとで撮像された各画像をステレオマッチング処理によって対象物体2が存在する領域の視差画像を求め、距離分布情報(距離画像)を取得するステレオカメラ処理部5とから構成される。
ステレオカメラ3を構成する2台のカメラ3a、3bは、CCD、CMOS等の固体撮像素子を内蔵したカメラである。一方のカメラ3aをステレオマッチング処理の際の基準画像を撮像するメインカメラとし、他方のカメラ3bをステレオマッチング処理の際の比較画像を撮像するサブカメラとして互いに同期が取られ、所定の基線長Bで互いの撮像面垂直軸が平行となるよう配置される。また、カメラ3a、3bは、アナログ撮像信号を処理するためのアンプやA/D変換部と、例えば高集積度FPGAによって構成した画像処理の各種機能回路とを備え、撮像画像を所定の輝度階調のディジタル画像データに変換して出力する。
ステレオカメラ処理部5は、対応点検出部6と、距離計算部7とから構成される。
対応点検出部6は、カメラ3aによって撮像された基準画像と、カメラ3bによって撮像された比較画像とを元画像メモリにストアし、ステレオマッチング処理によって基準画像の画素毎に比較画像の画素を対応付ける。このステレオマッチング処理では、例えば特許文献1に(3)式として開示されている相関関数などの評価関数に従って対応点探索が行われる。また、対応点検出部6は、探索された対応点を用いて基準画像の画素毎に対象物体2が存在する領域までの距離に応じて生じる画素のズレ(=視差)を視差ベクトルVpとして求める。この視差ベクトルVpは、基準画像を構成する画素毎に配置すると、視差画像を構成する。
距離計算部7は、対応点検出部6によって求められた視差ベクトルVpから得られる対象物体2が存在する領域までの遠近情報である距離情報を数値化した距離Zを算出する。この距離Zは、基準画像を構成する画素毎に配置すると、距離分布情報(距離画像)を構成する。
従来のステレオ画像処理装置30におけるステレオマッチング処理では、カメラ3a、3bで撮像されたステレオ画像である一対のアナログ画像がディジタル処理のためにディジタル化された後、このディジタル化された画像の値を用いて対応点探索が行われ、距離情報が演算される。したがって、ディジタル化された画像にノイズが含まれていると、ステレオマッチング処理においてノイズの影響によってミスマッチング(誤対応)が生じて正確な視差ベクトルVpや距離Zを得られない場合がある。
ディジタル画像に含まれるノイズには、カメラ3a、3bが出力する画像信号に含まれる固定パターンノイズ、A/D変換部のオフセット、ランダムノイズなどが考えられる。固体撮像素子を内蔵したカメラ(特にCMOSセンサ)では、2次元状に配置された各画素がそれぞれにアンプを持ち、それぞれのアンプの利得の違いによってノイズ(固定パターンノイズ)が生じる。また、カメラ3a、3bが撮像したアナログ画像をディジタル化するために、映像信号はA/D変換される。このA/D変換時に量子化誤差やオフセット誤差を生じる。さらに、固定パターンノイズやオフセット誤差の他に、熱雑音やスパイクノイズなどのランダムノイズが生じる。
また、固体撮像素子を内蔵したカメラでは、受光感度に限界があるため、明るい撮像環境や暗い撮像環境に対応するために、オートゲインコントロール(AGC)が使用される。このオートゲインコントロールは、均一光を照射した撮像環境で撮像した場合の増幅度と、暗い撮像環境や明るい撮像環境を撮像した場合の増幅度とがそれぞれ異なるため、固定パターンノイズの減算処理をしても画像にはノイズの影響が残ることとなる。
特許文献2には、各画素にアンプを持つCMOSなどの固体撮像素子を内蔵したカメラや、CCDカメラにおいて異なる転送経路問での特性のばらつきにより生じるノイズ(主に固定パターンノイズ)を除去する方法として、対象物体2が存在する撮影空間に均一光を照射して撮像した画像の各画素位置の画像出力をメモリに記録しておき、これを通常の撮像時の画像出力から減算することによってノイズの影響を排除する方法が開示されている。しかし、この方法では固定パターンノイズに対するノイズ除去の効果は期待できるが、ランダムノイズの影響は排除できない。
また、特許文献3には、確率モデルなどを用いた補正によってランダムノイズの影響を排除する方法が開示されている。しかしこの方法は、ノイズの補正が推定によって行われ、撮像する対象物体2の距離情報を正しく算出するためのデータに補正することができない。また、ステレオ法には、少なくとも2台のカメラ3a、3bによって撮像した画像を使用するが、複数のカメラが撮像した画像のノイズをそれぞれ推定によって補正すると、ステレオマッチング処理において新たな誤対応を生じる恐れがある。
さらに、特許文献4には、算出された視差ベクトルの絶対値の発生頻度を観測し、所定値以下の頻度の視差ベクトルの絶対値を処理から除外することでノイズの影響を排除する方法が開示されている。この方法では、視差画像中に含まれる突発的なノイズを軽減し、視差画像を全体的に平滑化する効果はあるが、平滑化するためにはある程度の正しい計測結果が必要となる。したがって、例えばノイズが優勢な暗い画像では、正しい視差ベクトルVpがほとんど得られないため、ノイズの影響を排除できない。
さらにまた、特許文献5には、通常のステレオマッチング処理とフィルタを適用した画像に対するステレオマッチング処理とを並列しておこない、双方の結果を比較し、差が所定の値未満の場合は、前者を、所定の値以上の場合は後者を選択する方法が開示されている。フィルタをローパスフィルタとすることでノイズによる急激な輝度変化の影響を除去することを目的としているが、例えばノイズが優勢な暗い画像では、輝度変化は微小であるため、ノイズを完全に除去することは困難である。
具体的には、絞りを全閉にしたカメラで撮像された画像は黒一色となり、対応点探索によって全ての画素が対応点として探索されてしまい、視差を求めることができなくなる。しかし、絞りを全閉にしたカメラで撮像された画像がノイズを含む場合には、フィルタを通過する周波数成分が存在する限り、ノイズを含んだ画素が誤って対応点として探索されて、間違った視差が求められる恐れがある。また、撮像時間の異なる画像を用いたフィルタ処理をおこなうことも提案されているが、ランダムノイズに対しては有効であるが、一対のカメラについて等しい結果を得られず、また、固定パターンノイズやオフセット誤差は除去できない。
特開平9−33249号公報 特開平5−30350号公報 特開2006−310999号公報 特開2000−35329号公報 特開2000−35330号公報 電子情報通信学会(編)中嶋正之、山本正信 共著、「グラフィックスとビジョン―ディジタル映像処理」オーム社、1996年4月25日出版、p28から31
図13は、撮像環境の明るさによる画像の輝度値の信号レベルの変化とノイズによるS/Nの変化を説明する図である。
図13に示すように、明るい撮像環境で撮像された画像は輝度値の信号レベル(線Sb)が高く、暗い撮像環境で撮像された画像は輝度値の信号レベル(線Sd)が低い。両撮像環境で撮像した画像の輝度値の信号レベルを比較すると、例えばほぼ同じレベルのノイズ(線N)が両信号に含まれる場合には、暗い撮像環境で撮像された画像のほうがS/Nが悪化する。
また、画像中のノイズが完全に除去できない場合、暗い画素を含む画像では、信号とノイズとの差が小さくなってS/Nが悪化する。このような画像では、本来の信号よりもノイズによって画素が特徴付けられる。
さらに、画像を構成する全ての画素から画像に含まれるノイズの最大値Nmaxを一律に減ずると、減算後の各画素の輝度値は、ノイズの影響を残したままとなる。
ステレオ法において、画像間の対応点を探索する方法の一例であるブロックマッチング処理では、画像間の類似性を評価するために比較する画像から画像ブロック(小領域)を切り出し、この小領域に対する輝度差の総和(SAD:Sum of AbsOaute Difference)、輝度差の2乗和(SSD:Sum of Squared Differece)、正規化相互相関(ZNCC:Zero-mean NObmalized Cross-CObrelation)などを求める。SADやSSDを使うときには最小値、ZNCCを使うときには最大値を与える小領域の切り出し位置を探索することで、画像間の変位、すなわちカメラ3aとカメラ3bとの視差を画素単位で求めることができる。
ここで、ステレオマッチング処理の一例であるSADの場合について対応点の探索に対するS/Nの悪化による影響を説明する。
図14は、ステレオマッチング処理の対応点の検索に対するS/Nの悪化による影響を説明する図であり、(A)は、明るい環境で撮像された基準画像の小領域の輝度値の一例を示す図であり、(B)は、明るい環境で撮像された比較画像の小領域の輝度値の一例を示す図であり、(C)は、明るい環境で撮像されたノイズを含む基準画像の小領域の輝度値の一例を示す図であり、(D)は、暗い環境で撮像された基準画像の小領域の輝度値の一例を示す図であり、(E)は、暗い環境で撮像された比較画像の小領域の輝度値の一例を示す図であり、(F)は、暗い環境で撮像されたノイズを含む基準画像の小領域の輝度値の一例を示す図である。
図14に示すように、ステレオマッチング処理によって基準画像と比較画像との対応点探索を行う画素ブロック(小領域)の一例として、画素ブロックのサイズを3×3画素分の小領域を考える。このとき、基準画像における注目点は、この小領域の中央に位置する画素である。
図14(A)に示す基準画像の小領域と、図14(B)に示す比較画像の小領域とのように、基準画像と比較画像との小領域の輝度値の配置が一致している場合は、SADによってステレオマッチング処理を行うと、[数2]のようにSADは0値となる。このSADの値が、基準画像と比較画像との小領域の相関値となる。なお、ステレオカメラ3は、カメラ3aとカメラ3bとで異なる視線方向から立体物である対象物体2を撮像するため、対象物体2の投影面に違いがあって、基準画像と比較画像との小領域が完全に一致することは稀であり、ステレオマッチング処理においては相関値が最小になる小領域間で対応付けが行われる。
[数2]
ABS{(100−100)+(120−120)+(140−140)+(90−90)+(100−100)+(80−80)+(200−200)+(230−230)+(120−120)}=0
ここで、図14(C)に示す基準画像の小領域のように、例えば±5程度のノイズが画像に含まれる場合は、SADによってステレオマッチング処理を行うと、[数3]のようにSADは15となる。
[数3]
ABS{(100−105)+(120−115)+(140−145)+(90−95)+(100−95)+(80−85)+(200−205)+(230−225)+(120−125)}=|−15|=15
また、図14(D)、(E)に示す暗い環境で撮像した基準画像と比較画像とを、SADによってステレオマッチング処理を行うと、[数4]のようにSADは0値となる。
[数4]
ABS{(5−5)+(20−20)+(15−15)+(15−15)+(10−10)+(5−5)+(20−20)+(10−10)+(0−0)}=0
さらに、図14(F)に示す暗い環境で撮像された基準画像の小領域のように、例えば±5程度のノイズが画像に含まれる場合は、SADによってステレオマッチング処理を行うと、[数5]のようにSADは15となる。
[数5]
ABS{(5−10)+(20−15)+(15−20)+(15−20)+(10−5)+(5−10)+(20−25)+(10−5)+(0−5)}=|−15|=15
図14(A)から(C)に示すように、明るい環境で撮像された画像のようにノイズに対して信号レベルが大きい場合と、図14(D)から(F)に示すように、暗い環境で撮像された画像のようにノイズに対して信号レベルが小さく接近している場合とでは、ステレオマッチング処理によって得られる相関値に差が無い。
すなわち、ステレオマッチング処理により得られる相関値が信号によるものかノイズによるものかの判断は困難であることがわかる。そうすると、ノイズに対して十分に大きな信号が得られない(S/Nが小さい)画像の場合には、ノイズの影響によって基準画像と比較画像との画素間に間違った対応が探索されても、画素間の相関値の大小からは、その適否を判断することは困難であって、信頼性の低い視差ベクトルVpが求められ、誤った距離情報の算出を排除することができない。
図15は、絞りを全閉にしたカメラで撮像した画像に含まれるノイズの一例を示す図である。
画像の全域が黒一色、すなわち画像の全域で輝度のディジタル値が同一(0値)であれば、対応点探索において全ての点が対応点として探索されてしまう。そうすると、視差を算出できず、視差画像は得られない。しかし、図15に示すように、画像にノイズが含まれていると、すなわち画像中に0値以外の輝度値が含まれていると、対応点探索において基準画像の小領域と比較画像の小領域とがノイズを含んだ点によって対応付けられる恐れがある。そうすると、誤って探索された対応点に基づいて視差ベクトルが求められ、誤った視差画像が得られる。
ノイズによる誤対応を防ぐために、さらに固定パターンノイズの除去処理を繰り返し行うことも考えられるが、ステレオ画像の相関を保ったまま、固定パターンノイズの変化やランダムノイズの影響を排除することは難しく、ノイズの除去処理の繰り返しによってステレオマッチング処理における誤対応を防ぐことは困難である。
具体的には、従来のステレオ画像処理装置30をステレオ式車外監視装置として使用する場合を検討する。例えばカメラ3a、3bで撮像される各画像の明るさが十分に得られる日没前では、撮像される画像に対するノイズの影響は小さい。そうすると、カメラ3a、3bによって撮像されるステレオ画像に基づいてステレオマッチング処理によって視差画像が得られ、この視差画像を用いて路面や車両などの対象物体2の距離画像が取得できるので、対象物体2を障害物として抽出することが可能である。
しかし、例えばカメラ3a、3bで撮像される各画像の明るさが十分に得られない日没後では、撮像される画像に対するノイズの影響が大きくなる。そうすると、カメラ3a、3bによって撮像されるステレオ画像に基づいてステレオマッチング処理によって視差画像が得られると、この視差画像の全体には実際の対象物体2とは異なる間違った視差ベクトルVpが含まれることとなる。この間違った視差ベクトルVpは、不連続かつランダムな視差になっているため、視差画像を用いて、例えば路面や車両などの対象物体2が存在する領域の正確な距離画像を算出できず、対象物体2を障害物として抽出することはできない。
本発明はかかる課題を解決するためになされたもので、ステレオカメラによって撮像された画像に含まれるノイズに起因するステレオマッチング処理の誤対応を減少させ、信頼性の高い視差画像および距離画像を取得することを可能にするステレオ画像処理方法を提供することを目的とする。
前記の課題を解決するため本発明では、ステレオカメラを構成するカメラが撮像する基準画像を構成する画素の輝度値と所定のしきい値とを比較し、前記画素の輝度値が前記しきい値よりも小さい場合は、前記画素の輝度値を0値に置き換え、前記画素の輝度値が0値の場合は、前記画素の視差ベクトルを0値とし、その他の場合は、ステレオマッチング処理によって前記ステレオカメラを構成するカメラが撮像する比較画像中の対応点を探索し、前記ステレオカメラが撮像する領域までの距離に応じて生じる視差画像を求めることを特徴とするステレオ画像処理方法を提供する。
また、本発明では、ステレオカメラが撮像する基準画像と比較画像とから前記ステレオカメラが撮像する領域までの距離に応じて生じる視差画像を求め、ステレオカメラを構成するカメラが撮像する基準画像を構成する画素の輝度値と所定のしきい値とを比較し、前記基準画像の画素の輝度値が前記しきい値よりも小さい場合は、前記基準画像の画素の位置情報を記録し、記録した前記基準画像の画素の位置情報と前記視差画像の画素の位置情報とを比較し、前記位置情報が一致した場合は、前記視差画像について一致した画素位置の値を0値に置き換えることを特徴とするステレオ画像処理方法を提供する。
本発明によれば、ステレオカメラによって撮像された画像に含まれるノイズに起因するステレオマッチング処理の誤対応を減少させ、信頼性の高い視差画像および距離画像を取得することを可能にするステレオ画像処理方法を提供できる。
本発明に係るステレオ画像処理方法について添付図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
本発明に係るステレオ画像処理方法の第1実施形態について、図1から図4を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るステレオ画像処理装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、ステレオ画像処理装置1は、対象物体2が存在する領域のステレオ画像を撮像する2台1組のカメラ3a、3bから構成されるステレオカメラ3と、カメラ3aで撮像された画像のノイズの判定および除去が行われるノイズ判定/除去部9と、ノイズ判定/除去部9によってノイズの判定および除去が行われた画像とカメラ3bで撮像された画像とをステレオマッチング処理によって対象物体2が存在する領域の視差画像を求め、距離分布情報(距離画像)を取得するステレオカメラ処理部5とから構成される。
ステレオ画像処理装置1は、例えば自動車やヘリコプタ等の移動体に搭載され、対象風景をステレオ撮像した一対の画像を処理して三次元の距離情報を求め、求めた距離の情報に基づいて周囲環境や自己位置を認識する装置に使用される。
ステレオカメラ3を構成する2台のカメラ3a、3bは、CCD、CMOS等の固体撮像素子を内蔵したカメラである。一方のカメラ3aをステレオマッチング処理の際の基準画像を撮像するメインカメラとし、他方のカメラ3bをステレオマッチング処理の際の比較画像を撮像するサブカメラとして互いに同期が取られ、所定の基線長Bで互いの撮像面垂直軸が平行となるよう配置される。また、カメラ3a、3bは、アナログ撮像信号を処理するためのアンプやA/D変換部と、例えば高集積度FPGAによって構成した画像処理の各種機能回路とを備え、撮像画像を所定の輝度階調のディジタル画像データに変換して元画像メモリ(図示省略)に出力する。
ノイズ判定/除去部9は、カメラ3aによって撮像され、元画像メモリにストアされた基準画像の各画素の輝度値と、所定のしきい値Nthとを比較し、その画素の輝度値が所定のしきい値Nthよりも小さい場合は、その画素の輝度値を所定の値、例えば0値に置き換える。この所定のしきい値Nthは、絞りが全閉されるなどによって光の入射が遮られたカメラ3aによって撮像された画像、すなわち、カメラ3aによって撮像された真っ暗な画像についてヒストグラムを求め、ノイズやオフセットにより生じた全画素の輝度値に対してランダムノイズなどの揺らぎを考慮した包絡値として設定される。
ステレオカメラ処理部5Aは、対応点検出部6Aと、距離計算部7とから構成される。
対応点検出部6Aは、ノイズ判定/除去部9によってノイズの判定および除去が行われ、元画像メモリにストアされた基準画像と、カメラ3bによって撮像され、元画像メモリにストアされた比較画像とを、ステレオマッチング処理によって基準画像の画素毎に比較画像の画素を対応付ける。このステレオマッチング処理では、例えば特許文献1に(3)式として開示されている相関関数などの評価関数に従って対応点探索が行われる。また、対応点検出部6Aは、探索された対応点を用いて基準画像の画素毎に対象物体2が存在する領域までの距離に応じて生じる画素のズレ(=視差)を視差ベクトルVpとして求める。この視差ベクトルVpは、基準画像を構成する画素毎に配置すると、視差画像を構成する。
また、対応点検出部6Aは、ノイズ判定/除去部9によってノイズの判定および除去が行われ、元画像メモリにストアされた基準画像の画素について、その画素の輝度値が0値の場合には、ステレオマッチング処理を行わず、視差ベクトルVpを0値(視差なし)とする。
距離計算部7は、対応点検出部6Aによって求められた視差ベクトルVpから得られる対象物体2が存在する領域までの遠近情報である距離情報を数値化した距離Zを算出する。この距離Zは、基準画像を構成する画素毎に配置すると、距離分布情報(距離画像)を構成する。
図2は、本発明の第1実施形態に係るステレオ画像処理方法を説明するフローチャートである。
図2に示すように、先ずステップS1では、ノイズ判定/除去部9は、カメラ3aが撮像し、元画像メモリがストアする基準画像を構成する画素の入力を受け、その画素の輝度値と所定のしきい値Nthとを比較する。画素の輝度値が所定のしきい値Nthよりも小さい場合はステップS2へ進む。その他の場合はステップS3へ進む。
ステップS2では、ノイズ判定/除去部9は、ステップS1で輝度値が所定のしきい値Nthよりも小さいと判断した基準画像の画素について、その輝度値を例えば0値に置き換えて、ステップS3へ進む。
ステップS3では、対応点検出部6Aは、ノイズ判定/除去部9がステップS1で輝度値が所定のしきい値Nthよりも小さいと判断した基準画像の画素、またはステップS3で輝度値を置き換えた画素について、その画素の輝度値が0値の場合はステップS4へ進む。その他の場合はステップS5へ進む。
ステップS4では、対応点検出部6Aは、ステップS3で輝度値が0値と判断した画素について、その画素の視差ベクトルVpを0値(視差なし)として処理を終了する。
ステップS5では、対応点検出部6Aは、元画像メモリにストアした基準画像と比較画像とを用いて、ステップS3で輝度値が所定のしきい値Nth以上と判断した基準画像中の画素を注目画素として、ステレオマッチング処理によって比較画像中の対応点を探索する。この対応点検索によって基準画像中の注目画素に対応する比較画像中の対応点を特定する。次いで、この探索された比較画像中の対応点と、基準画像の注目画素とを用いて対象物体2が存在する領域までの距離Zに応じて生じる画素のズレ(=視差)を注目画素の視差ベクトルVpとして求めて処理を終了する。
このステレオマッチング処理は、例えば特許文献1に(3)式として開示されている相関関数などの評価関数に従って基準画像中の画素毎に対応付けられた比較画像中の対応点を探索する処理であり、少なくとも元画像メモリにストアされた基準画像の注目画素を含む小領域と、比較画像の対応点を含む小領域とを対応点探索に用いて、それらの領域を比較することで行われる。
図2で示されたステレオ画像処理によってカメラ3aで撮像された基準画像上の画素について視差ベクトルVpが求められると、距離計算部7は、出力された各画素の視差ベクトルVpに基づいて、各画素毎の距離Zを計算する。ステレオカメラ処理部5は、基準画像の全画素について求められた視差ベクトルVpを視差画像として、また計算された距離Zを距離分布情報(距離画像)として出力する。
次に、ステレオマッチング処理を行わない画素を特定するしきい値Nthの設定について説明する。
図3は、本発明の第1実施形態に係るステレオ画像処理装置を構成するカメラに光の入射が遮られた状態で撮像された画像のヒストグラムの一例を示す図である。
図3に示すように、絞りが全閉されるなどによって光の入射が遮られたカメラ3aによって撮像された画像、すなわち、カメラ3aによって撮像された真っ暗な画像のヒストグラムを求めると、輝度値が10〜20程度の範囲にオフセットを含むノイズの発生が確認できる。
絞りが全閉されたカメラ3aによって撮像された画像では、理想的には、ヒストグラムは0値に集中する。しかしながら、カメラ3aによって撮像された真っ暗な画像には、ノイズやオフセットによって輝度値が0値ではない画素が含まれる。
ステレオマッチング処理によってノイズを含んだ画像の視差画像を得ると、視差画像の全域に信頼性の低い視差ベクトルVpが求められ、距離情報として信頼性の低い距離分布情報(距離画像)が算出される。
そこで、真っ暗な画像のヒストグラムに現れた輝度値の最大値を包絡するしきい値Nthを設定する。
図4は、本発明の第1実施形態に係るステレオ画像処理装置を構成するカメラで撮像された画像の小領域の輝度値の一例を示す図であり、(A)は、カメラで撮像されたノイズを含む基準画像の小領域の輝度値の一例を示す図であり、(B)は、(A)に示された小領域から輝度値がしきい値よりも小さい画素の輝度値を0値に置き換えた例を示す図である。
ここで、カメラ3aによって撮像された真っ暗な画像のヒストグラムに現れた輝度値の最大値を包絡するしきい値の一例として、しきい値を15に設定する。
図4(A)に示すように、ノイズを含む基準画像の小領域について、しきい値を15と設定すると、図4(B)に示すように、しきい値15よりも小さい輝度値を有する画素が0値に置き換えられる。
ステレオ画像処理装置1では、基準画像の注目画素(図4の例では3×3ブロックの中心画素)の輝度値が0値の場合は、その注目画素を含む小領域はステレオマッチング処理から除外される。
輝度値がしきい値Nthより小さい基準画像の画素位置では、視差ベクトルVpを0値とし、距離Zを算出しないので、ノイズの影響によって求められる視差ベクトルVpや距離Zを排除できる。したがって、ノイズの影響が小さく信頼性の高い視差ベクトルVpや距離Zから構成される視差画像と距離画像とが取得できる。
さらに、絞りが全閉されたカメラによって撮像された画像のヒストグラムの最大値を包絡する値をしきい値Nthとすることで、オートゲインコントロールによるノイズの影響を排除できる。通常CCDカメラやCMOSカメラでは、感度のダイナミックレンジが低いため、明るい撮像環境から暗い撮像環境まで対応するためにオートゲインコントロールが組み込まれている。明るい撮像環境では十分に高い信号レベルが得られるため、オートゲインコントロールによる増幅度は低く、相対的にノイズレベルも低い。しかし、暗い撮像環境では信号レベルが低く、オートゲインコントロールによる増幅度が高くなり、相対的にノイズレベルが高くなる。
このように、相対的なノイズレベルが高くなる暗い撮像環境で撮像された画像を用いてしきい値Nthを設定することで、S/Nが高い画像であっても低い画像であっても所定のしきい値Nthによってノイズの影響を排除することができる。
なお、ヒストグラムから求められるノイズの最大値を包絡するしきい値Nthより小さい輝度値を有する画素をステレオマッチング処理から除外するため、このしきい値Nthを高くしすぎると、ステレオマッチング処理に使用できる画素数が少なくなり視差ベクトルVpや距離情報を算出できる画素数が減少する。したがって、このしきい値Nthはノイズの最大値に対して高くしすぎないことが望ましい。なお、しきい値Nthには、視差ベクトルVpや距離情報の算出に問題ない範囲でヒストグラムの最大値に余裕(+α)の値を加えても良い。例えば、この余裕(+α)の値を複数のカメラがそれぞれに生じるノイズのバラツキよりも大きくすることで、複数カメラのしきい値Nthを1台のカメラで代表して設定することが可能である。
なお、本実施形態に係るステレオ画像処理装置1およびステレオ画像処理方法において、しきい値Nthより小さい輝度値の画素の値を0値に置き換える代わりに、撮像時の信号には通常含まれない特定の値に置き換えても良い。また、しきい値Nthより小さい輝度値の画素の値を0値にした場合に、0値としてステレオマッチング処理を実施しても良い。
このように構成された本実施形態に係るステレオ画像処理装置1およびステレオ画像処理方法では、先ず、基準画像を撮像するカメラを構成する固体撮像素子に光を受光させない条件で画像が撮像される。次いで、この画像に含まれるノイズレベルの最大値がヒストグラムより求められる。その後、2台1組のカメラを用いた撮像をおこない、基準画像から輝度値がノイズの最大値を包絡する値より小さい画素をステレオマッチング処理から除外する。そうすると、輝度値がノイズの最大値以上の画素の値を変更することなく、ステレオカメラ処理を行って視差画像と距離情報とを得ることができる。すなわち、S/Nが大きき(ノイズの影響が小さい)画素は信頼性を維持したままステレオマッチング処理が行われ、S/Nが小さい(ノイズの影響が大きい)画素の影響は排除できる。
本実施形態に係るステレオ画像処理装置1およびステレオ画像処理方法では、ノイズが優勢な暗い撮像環境で撮像したステレオカメラ画像から、ノイズの影響によるステレオマッチング処理の誤対応を排除して、信頼性の高い視差ベクトルVpが求められた視差画素に基づき、距離Zの誤検出を排除した距離画像を得ることができる。
本実施形態に係るステレオ画像処理装置1およびステレオ画像処理方法によれば、ステレオカメラによって撮像された画像に含まれるノイズに起因するステレオマッチング処理の誤対応を減少させ、信頼性の高い視差画像および距離画像を取得することを可能にするステレオ画像処理方法を提供することができる。
[第2の実施形態]
本発明に係るステレオ画像処理方法の第2実施形態について、図5から図6を参照して説明する。
図5は、本発明の第2実施形態に係るステレオ画像処理装置の構成を示すブロック図である。
このステレオ画像処理装置1Aにおいて第1実施形態のステレオ画像処理装置1と同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図5に示すように、ステレオ画像処理装置1Aは、対象物体2が存在する領域のステレオ画像を撮像する2台1組のカメラ3a、3bから構成されるステレオカメラ3と、カメラ3aで撮像された画像のノイズの判定および除去が行われる第1のノイズ判定/除去部10と、カメラ3bで撮像された画像のノイズの判定および除去が行われる第2のノイズ判定/除去部11と、第1のノイズ判定/除去部10と第2のノイズ判定/除去部11とによってノイズの判定および除去が行われた画像をステレオマッチング処理よって対象物体2が存在する領域の視差画像を求め、距離分布情報(距離画像)を取得するステレオカメラ処理部5とから構成される。
第1のノイズ判定/除去部10は、カメラ3aによって撮像され、元画像メモリにストアされた基準画像の各画素の輝度値と、所定のしきい値Nthaとを比較し、その画素の輝度値が所定のしきい値Nthaよりも小さい場合は、その画素の輝度値を所定の値、例えば0値に置き換える。この所定のしきい値Nthaは、絞りが全閉されるなどによって光の入射が遮られたカメラ3aによって撮像された画像、すなわち、カメラ3aによって撮像された真っ暗な画像についてヒストグラムを求め、ノイズやオフセットにより生じた全画素の輝度値に対してランダムノイズなどの揺らぎを考慮した包絡値として設定される。
第2のノイズ判定/除去部11は、カメラ3bによって撮像され、元画像メモリにストアされた比較画像の各画素の輝度値と、所定のしきい値Nthbとを比較し、その画素の輝度値が所定のしきい値Nthbよりも小さい場合は、その画素の輝度値を所定の値、例えば0値に置き換える。この所定のしきい値Nthは、絞りが全閉されるなどによって光の入射が遮られたカメラ3bによって撮像された画像、すなわち、カメラ3bによって撮像された真っ暗な画像についてヒストグラムを求め、ノイズやオフセットにより生じた全画素の輝度値に対してランダムノイズなどの揺らぎを考慮した包絡値として設定される。
ステレオカメラ処理部5は、対応点検出部6Bと、距離計算部7とから構成される。
対応点検出部6Bは、第1のノイズ判定/除去部10によってノイズの判定および除去が行われ、元画像メモリにストアされた基準画像と、第2のノイズ判定/除去部11によってノイズの判定および除去が行われ、元画像メモリにストアされた比較画像とを、ステレオマッチング処理によって基準画像の画素毎に比較画像の画素を対応付ける。このステレオマッチング処理では、例えば特許文献1に(3)式として開示されている相関関数などの評価関数に従って対応点探索が行われる。また、対応点検出部6Bは、探索された対応点を用いて基準画像の画素毎に対象物体2が存在する領域までの距離に応じて生じる画素のズレ(=視差)を視差ベクトルVpとして求める。
また、対応点検出部6Bは、第1のノイズ判定/除去部10によってノイズの判定および除去が行われ、元画像メモリにストアされた基準画像の画素について、その画素の輝度値が0値の場合には、ステレオマッチング処理を行わず、視差ベクトルVpを0値(視差なし)とする。さらに、対応点検出部6Bは、第2のノイズ判定/除去部11によってノイズの判定および除去が行われ、元画像メモリにストアされ、基準画像の画素に対応付けられた比較画像の画素について、その画素の輝度値が0値の場合には、ステレオマッチング処理を行わず、視差ベクトルVpを0値(視差なし)とする。
図6は、本発明の第2実施形態に係るステレオ画像処理方法を説明するフローチャートである。
図6に示すように、先ずステップS11では、第1のノイズ判定/除去部10は、カメラ3aが撮像し、元画像メモリがストアする基準画像を構成する画素の入力を受け、その画素の輝度値と所定のしきい値Nthaとを比較する。画素の輝度値が所定のしきい値Nthaよりも小さい場合はステップS12へ進む。その他の場合はステップS13へ進む。
ステップS12では、第1のノイズ判定/除去部10は、ステップS11で輝度値が所定のしきい値Nthaよりも小さいと判断した基準画像の画素について、その輝度値を例えば0値に置き換えて、ステップS15へ進む。
ステップS13では、第2のノイズ判定/除去部11は、カメラ3bが撮像し、元画像メモリがストアする比較画像を構成する画素の入力を受け、その画素の輝度値と所定のしきい値Nthbとを比較する。画素の輝度値が所定のしきい値Nthbよりも小さい場合はステップS14へ進む。その他の場合はステップS15へ進む。
ステップS14では、第2のノイズ判定/除去部11は、ステップS13で輝度値が所定のしきい値Nthbよりも小さいと判断した比較画像の画素について、その画素の輝度値を例えば0値に置き換えて、ステップS15へ進む。
ステップS15では、対応点検出部6Bは、第1のノイズ判定/除去部10がステップS11で輝度値が所定のしきい値Nthaよりも小さいと判断した基準画像の画素、またはステップS12で輝度値を置き換えた基準画像の画素について、その画素の輝度値が0値の場合はステップS16へ進む。その他の場合はステップS17へ進む。
ステップS16では、対応点検出部6Bは、ステップS15で輝度値が0値と判断した基準画像の画素について、その画素の視差ベクトルVpを0値(視差なし)として処理を終了する。
ステップS17では、対応点検出部6Bは、元画像メモリにストアした基準画像と比較画像とを用いて、ステップS15で輝度値が所定のしきい値Ntha以上と判断した基準画像中の画素を注目画素として、ステレオマッチング処理によって比較画像中の対応点を探索する。この対応点検索によって基準画像中の注目画素に対応する比較画像中の対応点を特定し、ステップS18へ進む。
ステップS18では、対応点検出部6Aは、ステップS17で特定した基準画像中の注目画素に対応する比較画像中の対応点について、その対応点の輝度値が0値の場合はステップS19へ進む。その他の場合はステップS20へ進む。
ステップS19では、対応点検出部6Bは、ステップS18で輝度値が0値と判断した比較画像中の対応点に対応する基準画像中の注目画素について、その画素の視差ベクトルVpを0値(視差なし)として処理を終了する。
ステップS20では、対応点検出部6Aは、ステップS17で特定した基準画像中の注目画素に対応する比較画像中の対応点と、基準画像の注目画素とを用いて対象物体2が存在する領域までの距離Zに応じて生じる画素のズレ(=視差)を注目画素の視差ベクトルVpとして求めて処理を終了する。
このステレオマッチング処理は、例えば特許文献1に(3)式として開示されている相関関数などの評価関数に従って基準画像中の画素毎に対応付けられた比較画像中の対応点を探索する処理であり、少なくとも元画像メモリにストアされた基準画像の注目画素を含む小領域と、比較画像の対応点を含む小領域とを対応点探索に用いて、それらの領域を比較することで行われる。
図6で示されたステレオ画像処理によってカメラ3aで撮像された基準画像上の画素について視差ベクトルVpが求められると、距離計算部7は、出力された各画素の視差ベクトルVpに基づいて、各画素毎の距離Zを計算する。ステレオカメラ処理部5は、基準画像の全画素について求められた視差ベクトルVpを視差画像として、計算された距離Zを距離分布情報(距離画像)として出力する。
しきい値Ntha、Nthbには、視差ベクトルVpや距離情報の算出に問題ない範囲でヒストグラムの最大値に余裕(+α)の値を加えても良い。例えば、この余裕(+α)の値をカメラ3aとカメラ3bとがそれぞれに生じるノイズのバラツキよりも大きくすることで、カメラ3aとカメラ3bとのしきい値Ntha、Nthbをいずれか一方のカメラのしきい値Nthで代表して設定することが可能である。
なお、本実施形態に係る本実施形態に係るステレオ画像処理装置1Aおよびステレオ画像処理方法において、しきい値Ntha、Nthbより小さい輝度値の画素の値を0値に置き換える代わりに、撮像時の信号には通常含まれない特定の値に置き換えても良い。また、しきい値Ntha、Nthbより小さい輝度値の画素の値を0値にした場合に、0値としてステレオマッチング処理を実施しても良い。
第1実施形態に係るステレオ画像処理装置1およびステレオ画像処理方法では、基準画像の注目画素の輝度値がしきい値Ntha以上であって、注目画素に対応する比較画像の対応点の輝度値がしきい値Nthbよりも小さい場合であっても、ステレオマッチング処理を行う基準画像の小領域と比較画像の小領域との対応付けが行われる。
本実施形態に係るステレオ画像処理装置1Aおよびステレオ画像処理方法では、比較画像中の対応点の輝度値がしきい値Nthbよりも小さい場合には、その対応点に対応する基準画像の注目画素の視差ベクトルVpを求めない。したがって、輝度値がしきい値Nthbより小さい比較画像の画素に対応する基準画像の画素位置では、視差ベクトルVpを0値とし、距離Zを算出しないので、ノイズの影響によって求められる視差ベクトルVpや距離Zを排除できる。したがって、ノイズの影響が小さく信頼性の高い視差ベクトルVpや距離Zから構成される視差画像と距離画像とが取得できる。
本実施形態に係るステレオ画像処理装置1Aおよびステレオ画像処理方法では、ノイズが優勢な暗い撮像環境で撮像したステレオカメラ画像から、ノイズの影響によるステレオマッチング処理の誤対応を排除して、信頼性の高い視差ベクトルVpが求められた視差画素に基づき、距離Zの誤検出を排除した距離画像を得ることができる。
本実施形態に係るステレオ画像処理装置1Aおよびステレオ画像処理方法によれば、ステレオカメラによって撮像された画像に含まれるノイズに起因するステレオマッチング処理の誤対応を減少させ、信頼性の高い視差画像および距離画像を取得することを可能にするステレオ画像処理方法を提供することができる。
[第3の実施形態]
本発明に係るステレオ画像処理方法の第3実施形態について、図7から図8を参照して説明する。
図7は、本発明の第3実施形態に係るステレオ画像処理装置の構成を示すブロック図である。
このステレオ画像処理装置1Bにおいて第1実施形態のステレオ画像処理装置1と同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図7に示すように、ステレオ画像処理装置1Bは、対象物体2が存在する領域のステレオ画像を撮像する2台1組のカメラ3a、3bから構成されるステレオカメラ3と、カメラ3aで撮像された画像のノイズの判定が行われるノイズ判定部13と、ノイズ判定部13で判定されたノイズの画素位置情報が記録されるノイズ位置記録部14と、カメラ3aとカメラ3bとで撮像された各画像をステレオマッチング処理によって対象物体2が存在する領域の視差画像を求め、距離分布情報(距離画像)を取得するステレオカメラ処理部5と、ノイズ位置記録部14に記録された画素位置情報に基づいてステレオカメラ処理部5で取得された距離分布情報を変更するノイズ位置データ変更部15とから構成される。
ノイズ判定部13は、カメラ3aによって撮像され、元画像メモリにストアされた基準画像の各画素の輝度値と、所定のしきい値Nthとを比較し、その画素の輝度値が所定のしきい値Nthよりも小さい場合は、その画素の画素位置をノイズ位置記録部14に出力する。
ノイズ位置記録部14は、ノイズ判定部13から出力された基準画像の画素位置を記録する。すなわち、ノイズ位置記録部14には、カメラ3aによって撮像された基準画像中の画素であって、輝度値が所定のしきい値Nthよりも小さい画素の画素位置が記録される。
ステレオカメラ処理部5は、対応点検出部6Cと、距離計算部7とから構成される。
対応点検出部6Cは、カメラ3aによって撮像され、元画像メモリにストアされた基準画像と、カメラ3bによって撮像され、元画像メモリにストアされた比較画像とを、ステレオマッチング処理によって基準画像の画素毎に比較画像の画素を対応付ける。また、対応点検出部6は、探索された対応点を用いて基準画像の画素毎に対象物体2が存在する領域までの距離に応じて生じる画素のズレ(=視差)を視差ベクトルVpとして求める。
ノイズ位置データ変更部15は、距離計算機10によって取得された距離分布情報(距離画像)について、ノイズ位置記録部14に記録された画素位置の値を例えば0値に変更する。また、ノイズ位置データ変更部15は、対応点検出部6によって算出された視差画像について、ノイズ位置記録部14に記録された画素位置の値を例えば0値に変更するよう構成することもできる。
図8は、本発明の第3実施形態に係るステレオ画像処理方法を説明するフローチャートである。
図8に示すように、先ずステップS21では、対応点検出部6Cは、元画像メモリにストアした基準画像と比較画像とを用いて、基準画像中の画素を注目画素として、ステレオマッチング処理によって比較画像中の対応点を探索する。この対応点検索によって基準画像中の注目画素に対応する比較画像中の対応点を特定する。次いで、この探索された比較画像中の対応点と、基準画像の注目画素とを用いて対象物体2が存在する領域までの距離Zに応じて生じる画素のズレ(=視差)を注目画素の視差ベクトルVpとして求める。
また、距離計算部7は、基準画像の注目画素の視差ベクトルVpに基づいて、注目画素の距離Zを計算する。ステレオカメラ処理部5は、基準画像の全画素について求められた視差ベクトルVpを視差画像として、また計算された距離Zを距離分布情報(距離画像)として出力して、ステップS22へ進む。
ステップS22では、ノイズ判定部13は、カメラ3aが撮像し、元画像メモリがストアする基準画像を構成する画素の入力を受け、その画素の輝度値と所定のしきい値Nthとを比較する。画素の輝度値が所定のしきい値Nthよりも小さい場合は、その画素の基準画像における位置情報をノイズ位置記録部14に出力してステップS23へ進む。その他の場合はステップS24へ進む。
ステップS23では、ノイズ位置記録部14は、ステップS22で輝度値が所定のしきい値Nthよりも小さいと判断した基準画像の画素について、その画素の基準画像における位置情報を記録して、ステップS24へ進む。
ステップS24では、ノイズ位置データ変更部15は、ノイズ位置記録部14がステップS23で記録した輝度値が所定のしきい値Nthaよりも小さい画素の位置情報と、ステレオカメラ処理部5がステップS21で出力した視差画像および距離画像の画素の位置情報とを比較する。ノイズ位置記録部14が記録した画素の位置情報と、ステレオカメラ処理部5が出力した視差画像および距離画像の画素の位置情報とが一致した場合は、ステップS25へ進む。その他の場合は処理を終了する。
ステップS25では、ノイズ位置データ変更部15は、ステップS24でノイズ位置記録部14が記録した画素の位置情報と、ステレオカメラ処理部5が出力した視差画像および距離画像の画素の位置情報とが一致した画素位置の視差画像および距離画像の値を0値に置き換えて処理を終了する。
本実施形態に係る本実施形態に係るステレオ画像処理装置1Bおよびステレオ画像処理方法では、ステレオカメラ処理部5によって求められた視差画像および距離画像から、基準画像において輝度値がしきい値Nthよりも小さい画素位置における視差ベクトルVpと距離Zとを0値に変更するため、ステレオマッチング処理を行う前の基準画像にノイズ除去等のデータ変更をおこなうことが無い。すなわち、基準画像のデータ変更に伴って、ステレオマッチング処理を行う際に対応付けを行う小領域間の相関値が偶然に最小値となって、誤った対応付けが行われることを回避できる。
本実施形態に係るステレオ画像処理装置1Bおよびステレオ画像処理方法によれば、ステレオカメラ3とステレオカメラ処理部5とが一体化されて備えられた従来のステレオ画像処理装置30を用いて、ステレオ画像処理装置30から出力されるカメラ3a、3bで撮像された画像の輝度値と、ステレオカメラ処理で取得された視差画像および距離分布情報(距離画像)とから、ノイズ判定部13によって基準画像で輝度値がしきい値Nthよりも小さくなる画素位置を特定し、この画素位置と一致する距離画像および視差画像の画素位置の値を0値とするので、ノイズの影響によって求められる視差ベクトルVpや距離Zを排除できる。したがって、ノイズの影響が小さく信頼性の高い視差ベクトルVpや距離Zから構成される視差画像と距離画像とが取得できる。
また、本実施形態に係るステレオ画像処理装置1Bおよびステレオ画像処理方法によれば、ステレオカメラ処理部5から基準画像と視差画像とを取得して、基準画像で輝度値がしきい値Nthよりも小さくなる画素位置を特定し、この画素位置と一致する視差画像の画素位置の値を0値とすることで、ノイズの影響によって求められる視差ベクトルVpや距離Zを排除できる。したがって、ノイズの影響が小さく信頼性の高い視差ベクトルVpや距離Zから構成される視差画像と距離画像とが取得できる。
[第4の実施形態]
本発明に係るステレオ画像処理方法の第4実施形態について、図9から図10を参照して説明する。
図9は、本発明の第4実施形態に係るステレオ画像処理装置の構成を示すブロック図である。
このステレオ画像処理装置1Cにおいて第1実施形態のステレオ画像処理装置1と同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図9に示すように、ステレオ画像処理装置1Cは、対象物体2が存在する領域のステレオ画像を撮像する2台1組のカメラ3a、3bから構成されるステレオカメラ3と、カメラ3aで撮像された画像のノイズの判定が行われる第1のノイズ判定部17と、第1のノイズ判定部17で判定されたノイズの画素位置情報が記録される第1のノイズ位置記録部18と、カメラ3bで撮像された画像のノイズの判定が行われる第2のノイズ判定部19と、第2のノイズ判定部19で判定されたノイズの画素位置情報が記録される第2のノイズ位置記録部20と、カメラ3aとカメラ3bとで撮像された各画像をステレオマッチング処理よって対象物体2が存在する領域の視差画像を求め、距離分布情報(距離画像)を取得するステレオカメラ処理部5と、第1のノイズ位置記録部18と第2のノイズ位置記録部20とに記録された画素位置情報に基づいてステレオカメラ処理部5で取得された距離分布情報を変更するノイズ位置データ変更部15Aとから構成される。
第1のノイズ判定部17は、カメラ3aによって撮像され、元画像メモリにストアされた基準画像の各画素の輝度値と、所定のしきい値Nthaとを比較し、その画素の輝度値が所定のしきい値Nthaよりも小さい場合は、その画素の画素位置を第1のノイズ位置記録部18に出力する。
第1のノイズ位置記録部18は、第1のノイズ判定部17から出力された基準画像の画素位置を記録する。すなわち、第1のノイズ位置記録部18には、カメラ3aによって撮像された基準画像中の画素であって、輝度値が所定のしきい値Nthaよりも小さい画素の画素位置が記録される。
第2のノイズ判定部19は、カメラ3bによって撮像され、元画像メモリにストアされた比較画像の各画素の輝度値と、所定のしきい値Nthbとを比較し、その画素の輝度値が所定のしきい値Nthbよりも小さい場合は、その画素の画素位置を第2のノイズ位置記録部20に出力する。
第2のノイズ位置記録部20は、第2のノイズ判定部19から出力された比較画像の画素位置を記録する。すなわち、第2のノイズ位置記録部20には、カメラ3bによって撮像された比較画像中の画素であって、輝度値が所定のしきい値Nthbよりも小さい画素の画素位置が記録される。
ステレオカメラ処理部5は、対応点検出部6Cと、距離計算部7とから構成される。
対応点検出部6Cは、カメラ3aによって撮像され、元画像メモリにストアされた基準画像と、カメラ3bによって撮像され、元画像メモリにストアされた比較画像とを、ステレオマッチング処理によって基準画像の画素毎に比較画像の画素を対応付ける。また、対応点検出部6Cは、探索された対応点を用いて基準画像の画素毎に対象物体2が存在する領域までの距離に応じて生じる画素のズレ(=視差)を視差ベクトルVpとして求める。
ノイズ位置データ変更部15Aは、距離計算機10によって取得された距離分布情報(距離画像)について、第1のノイズ位置記録部18に記録された画素位置の値を例えば0値に変更する。また、ノイズ位置データ変更部15Aは、距離計算機10によって取得された距離分布情報(距離画像)について、第2のノイズ位置記録部20に記録された画素位置に対応付けされた基準画像の画素位置の値を例えば0値に変更する。
なお、ノイズ位置データ変更部15Aは、対応点検出部6によって算出された視差画像について、第1のノイズ位置記録部18に記録された画素位置の値を例えば0値に変更するよう構成することもできる。また、ノイズ位置データ変更部15Aは、距離計算機10によって算出された視差画像について、第2のノイズ位置記録部20に記録された画素位置に対応付けされた基準画像の画素位置の値を例えば0値に変更するよう構成することもできる。
図10は、本発明の第4実施形態に係るステレオ画像処理方法を説明するフローチャートである。
図10に示すように、先ずステップS31では、対応点検出部6Cは、元画像メモリにストアした基準画像と比較画像とを用いて、基準画像中の画素を注目画素として、ステレオマッチング処理によって比較画像中の対応点を探索する。この対応点検索によって基準画像中の注目画素に対応する比較画像中の対応点を特定する。次いで、この探索された比較画像中の対応点と、基準画像の注目画素とを用いて対象物体2が存在する領域までの距離Zに応じて生じる画素のズレ(=視差)を注目画素の視差ベクトルVpとして求める。
また、距離計算部7は、基準画像の注目画素の視差ベクトルVpに基づいて、注目画素の距離Zを計算する。ステレオカメラ処理部5は、基準画像の全画素について求められた視差ベクトルVpを視差画像として、また計算された距離Zを距離分布情報(距離画像)として出力して、ステップS32へ進む。
ステップS32では、第1のノイズ判定部17は、カメラ3aが撮像し、元画像メモリがストアする基準画像を構成する画素の入力を受け、その画素の輝度値と所定のしきい値Nthaとを比較する。画素の輝度値が所定のしきい値Nthaよりも小さい場合は、その画素の基準画像における位置情報を第1のノイズ位置記録部18に出力してステップS33へ進む。その他の場合はステップS34へ進む。
ステップS33では、第1のノイズ位置記録部18は、ステップS32で輝度値が所定のしきい値Nthaよりも小さいと判断した基準画像の画素について、その画素の基準画像における位置情報を記録して、ステップS34へ進む。
ステップS34では、第2のノイズ判定部19は、カメラ3bが撮像し、元画像メモリがストアする比較画像を構成する画素の入力を受け、その画素の輝度値と所定のしきい値Nthbとを比較する。画素の輝度値が所定のしきい値Nthbよりも小さい場合は、その画素の比較画像における位置情報を第2のノイズ位置記録部20に出力してステップS35へ進む。その他の場合はステップS36へ進む。
ステップS35では、第2のノイズ位置記録部20は、ステップS34で輝度値が所定のしきい値Nthbよりも小さいと判断した比較画像の画素について、その画素の比較画像における位置情報を記録して、ステップS36へ進む。
ステップS36では、ノイズ位置データ変更部15Aは、第1のノイズ位置記録部18がステップS33で記録した輝度値が所定のしきい値Nthaよりも小さい画素の位置情報と、ステレオカメラ処理部5がステップS31で出力した視差画像および距離画像の画素の位置情報とを比較する。第1のノイズ位置記録部18が記録した画素の位置情報と、ステレオカメラ処理部5が出力した視差画像および距離画像の画素の位置情報とが一致した場合は、ステップS37へ進む。その他の場合はステップS38へ進む。
ステップS37では、ノイズ位置データ変更部15Aは、ステップS36で第1のノイズ位置記録部18が記録した画素の位置情報と、ステレオカメラ処理部5が出力した距離画像の画素の位置情報とが一致した画素位置の視差画像および距離画像の値を0値に置き換えて処理を終了する。
ステップS38では、ノイズ位置データ変更部15Aは、第1のノイズ判定部17がステップS32で輝度値が所定のしきい値Ntha以上と判断した基準画像の画素について、ステレオカメラ処理部5がステップS31で出力した視差画像を用いて、この基準画像の画素に対応付けられた比較画像中の画素の位置情報を取得する。次いで、比較画像の画素の位置情報と、第2のノイズ位置記録部20がステップS35で記録した比較画像の位置情報とを比較する。比較画像の画素の位置情報と、第2のノイズ位置記録部20がステップS35で記録した比較画像の位置情報とが一致した場合は、ステップS39へ進む。その他の場合は処理を終了する。
ステップS39では、ノイズ位置データ変更部15Aは、ステップS38で基準画像の画素の位置情報と、ステレオカメラ処理部5が出力した距離画像の画素の位置情報とが一致した画素位置の視差画像および距離画像の値を0値に置き換えて処理を終了する。
本実施形態に係るステレオ画像処理装置1Bおよびステレオ画像処理方法では、ステレオカメラ処理部5によって求められた視差画像および距離画像から、基準画像において輝度値がしきい値Nthよりも小さい画素位置における視差ベクトルVpもしくは距離Zを0値に変更するため、ステレオマッチング処理を行う前の基準画像にノイズ除去等のデータ変更をおこなうことが無い。すなわち、基準画像のデータ変更に伴って、ステレオマッチング処理を行う際に対応付けを行う小領域間の相関値が偶然に最小値となって、誤った対応付けが行われることを回避できる。
本実施形態に係るステレオ画像処理装置1Cおよびステレオ画像処理方法によれば、ステレオカメラ3とステレオカメラ処理部5とが一体化されて備えられた従来のステレオ画像処理装置30を用いて、ステレオ画像処理装置30から出力されるカメラ3a、3bで撮像された画像の輝度値と、ステレオカメラ処理で取得された視差画像および距離分布情報(距離画像)とから、ノイズ判定部13によって基準画像で輝度値がしきい値Nthよりも小さくなる画素位置を特定し、この画素位置と一致する距離画像および視差画像の画素位置の値を0値とすることで、ノイズの影響によって求められる視差ベクトルVpや距離Zを排除できる。したがって、ノイズの影響が小さく信頼性の高い視差ベクトルVpや距離Zから構成される視差画像と距離画像とが取得できる。
また、本実施形態に係るステレオ画像処理装置1Cおよびステレオ画像処理方法では、ステレオカメラ処理部5から基準画像と視差画像とを取得して、基準画像で輝度値がしきい値Nthよりも小さくなる画素位置を特定し、この画素位置と一致する視差画像の画素位置の値を0値とすることで、ノイズの影響によって求められる視差ベクトルVpや距離Zを排除できる。したがって、ノイズの影響が小さく信頼性の高い視差ベクトルVpや距離Zから構成される視差画像と距離画像とが取得できる。
本実施形態に係るステレオ画像処理装置1Cおよびステレオ画像処理方法によれば、比較画像中の対応点の輝度値がしきい値Nthbよりも小さい場合には、その対応点に対応する基準画像の注目画素の視差ベクトルVpを求めない。したがって、輝度値がしきい値Nthbより小さい比較画像の画素に対応する基準画像の画素では、ノイズの影響によって求められる視差ベクトルVpや距離Zを排除できる。したがって、ノイズの影響が小さく信頼性の高い視差ベクトルVpや距離Zから構成される視差画像と距離画像とが取得できる。
本発明の第1実施形態に係るステレオ画像処理装置の構成を示すブロック図。 本発明の第1実施形態に係るステレオ画像処理方法を説明するフローチャート。 本発明の第1実施形態に係るステレオ画像処理装置を構成するカメラに光の入射が遮られた状態で撮像された画像のヒストグラムの一例を示す図。 本発明の第1実施形態に係るステレオ画像処理装置を構成するカメラで撮像された画像の小領域の輝度値の一例を示す図であり、(A)は、カメラで撮像されたノイズを含む基準画像の小領域の輝度値の一例を示す図、(B)は、(A)に示された小領域から輝度値がしきい値よりも小さい画素の輝度値を0値に置き換えた例を示す図。 本発明の第2実施形態に係るステレオ画像処理装置の構成を示すブロック図。 本発明の第2実施形態に係るステレオ画像処理方法を説明するフローチャート 本発明の第3実施形態に係るステレオ画像処理装置の構成を示すブロック図。 本発明の第3実施形態に係るステレオ画像処理方法を説明するフローチャート。 本発明の第4実施形態に係るステレオ画像処理装置の構成を示すブロック図。 本発明の第4実施形態に係るステレオ画像処理方法を説明するフローチャート。 ステレオカメラによって距離を算出する原理を説明する図。 従来のステレオ画像処理装置の構成を示すブロック図。 撮像環境の明るさによる画像の輝度値の信号レベルの変化とノイズによるS/Nの変化を説明する図。 ステレオマッチング処理の対応点の検索に対するS/Nの悪化による影響を説明する図であり、(A)は、明るい環境で撮像された基準画像の小領域の輝度値の一例を示す図、(B)は、明るい環境で撮像された比較画像の小領域の輝度値の一例を示す図、(C)は、明るい環境で撮像されたノイズを含む基準画像の小領域の輝度値の一例を示す図、(D)は、暗い環境で撮像された基準画像の小領域の輝度値の一例を示す図、(E)は、暗い環境で撮像された比較画像の小領域の輝度値の一例を示す図、(F)は、暗い環境で撮像されたノイズを含む基準画像の小領域の輝度値の一例を示す図。 絞りを全閉にしたカメラで撮像した画像に含まれるノイズの一例を示す図。
符号の説明
1、1A、1、B、1C ステレオ画像処理装置
2 対象物体
3 ステレオカメラ
3a、3b カメラ
5 ステレオカメラ処理部
6、6A、6B、6C 対応点検出部
7 距離計算部
9 ノイズ除去/除去部
10 第1のノイズ判定/除去部
11 第2のノイズ判定/除去部
13 ノイズ判定部
14 ノイズ位置記録部
15、15A ノイズ位置データ変更部
17 第1のノイズ判定部
18 第1のノイズ位置記録部
19 第2のノイズ判定部
20 第2のノイズ位置記録部
30 従来のステレオ画像処理装置

Claims (2)

  1. ステレオカメラを構成するカメラが撮像する基準画像を構成する画素の輝度値と所定のしきい値とを比較し、
    前記画素の輝度値が前記しきい値よりも小さい場合は、前記画素の輝度値を0値に置き換え、
    前記画素の輝度値が0値の場合は、前記画素の視差ベクトルを0値とし、その他の場合は、ステレオマッチング処理によって前記ステレオカメラを構成するカメラが撮像する比較画像中の対応点を探索し、前記ステレオカメラが撮像する領域までの距離に応じて生じる視差画像を求めることを特徴とするステレオ画像処理方法。
  2. ステレオカメラが撮像する基準画像と比較画像とから前記ステレオカメラが撮像する領域までの距離に応じて生じる視差画像を求め、
    ステレオカメラを構成するカメラが撮像する基準画像を構成する画素の輝度値と所定のしきい値とを比較し、
    前記基準画像の画素の輝度値が前記しきい値よりも小さい場合は、前記基準画像の画素の位置情報を記録し、
    記録した前記基準画像の画素の位置情報と前記視差画像の画素の位置情報とを比較し、前記位置情報が一致した場合は、前記視差画像について一致した画素位置の値を0値に置き換えることを特徴とするステレオ画像処理方法。
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