JP3864491B2 - 視差算出装置、距離算出装置およびこれらの方法 - Google Patents
視差算出装置、距離算出装置およびこれらの方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3864491B2 JP3864491B2 JP09933497A JP9933497A JP3864491B2 JP 3864491 B2 JP3864491 B2 JP 3864491B2 JP 09933497 A JP09933497 A JP 09933497A JP 9933497 A JP9933497 A JP 9933497A JP 3864491 B2 JP3864491 B2 JP 3864491B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pixel
- parallax
- corresponding point
- image
- pixels
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Measurement Of Optical Distance (AREA)
- Processing Or Creating Images (AREA)
- Image Processing (AREA)
- Image Analysis (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2台以上のカメラで同一の対象物の基準画像と参照画像とを撮影し、これらの画像の画素それぞれを相互に対応付けて、2台のカメラの対象物に対する視差、および、対象物と2台のカメラとの間の距離を、画素ごとに求める視差測定装置、距離算出装置(いわゆるステレオ画像処理装置)およびこれらの方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、文献「解説,ビデオレート・ステレオマシン(A Video-rate Stereomachine;金出,木村 著、日本ロボット学会誌 vol.13 No.3, pp.322〜pp.326 1995 )」には、2箇所以上から同一の対象物を撮影することにより、あるいは、2台以上のカメラで撮影することにより得た複数の画像の間で、互いに対応する画素の間の視差情報を得て、対象物上の各点の距離、あるいは、対象物の形状を計測する、いわゆるステレオ画像処理装置が開示されている。
【0003】
しかしながら、従来のステレオ画像処理装置を用いると、背景と対象物との位置関係によっては、対象物の輪郭の近傍において複数の画像間で画素の対応付けが不正確になり、画素間の視差情報、対象物の距離および形状を正しく計測できないという問題が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、対象物の複数の画像から得られた画素間の視差情報を確からしい値に補正することができる視差測定装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、対象物の複数の画像から得られた画素間の視差情報を確からしい値に補正することにより、対象物の正確な距離および形状を計測することができる距離算出装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、対象物の複数の画像から得られた画素間の視差情報を確からしい値に補正することができ、対象物の正確な距離および形状を計測することができる視差・距離算出方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、対象物を第1方向からまたは第1の位置で撮影して第1の画像を生成する第1の画像生成手段と、前記対象物を第2方向からまたは第2の位置で撮影して第2の画像を生成する第2の画像生成手段と、前記生成した前記第1の画像の画素(第1の画素)それぞれと、前記生成した前記第2の画像の画素(第2の画素)それぞれとを対応付けて、前記第1の画素それぞれと対応する前記第2の画素(対応点)を検出する対応点検出手段と、前記第1の画素それぞれと、前記検出したこれら第1の画素それぞれの前記対応点との間の第1の視差を算出する第1の視差算出手段と、前記第1の画素それぞれを含む所定の範囲内の第1の画素の内、対応点との対応が最も確実な前記第1の画素と、この対応が最も確実な第1の画素の前記対応点との間の前記第1の視差に基づいて、算出した前記第1の画素それぞれと前記対応点との間の前記第1の視差それぞれを補正する視差補正手段とを有し、
前記視差補正手段は、前記第1の画素それぞれと前記対応点それぞれとのエリアベースマッチング法に基づく評価関数を参照して対応が確実か否かを評価する確実性評価手段と、前記算出した前記第1の視差の内、対応が確実でない前記第1の画素と前記対応点との間の前記第1の視差を、前記対応が最も確実な前記第1の画素と、この対応が最も確実な第1の画素の前記対応点との間の視差で置換して補正し、第2の視差を生成する補正手段とを有し、
前記対応点検出手段は、前記第1の画素それぞれの画素値と、前記第1の画素それぞれに対応する可能性を有する範囲の前記第2の画素それぞれの画素値とに対して、前記エリアベースマッチング法に基づく評価関数を用いて前記対応点を検出し、
前記確実性評価手段は、前記第1の画素と、この第1の画素の対応点とに対する前記エリアベースマッチング法に基づく評価関数の値に基づいて、前記第1の画素と、この第1の画素の対応点との対応が確実か否かを評価する、
視差算出装置が提供される。
【0006】
好ましくは、前記視差補正手段は、前記算出した前記第1の視差それぞれを、前記対応が最も確実な前記第1の画素と、この対応が最も確実な第1の画素の前記対応点との間の視差で置換して補正し、第2の視差を生成する。
【0007】
また好ましくは、前記対応点検出手段は、前記第1の画素それぞれを中心とする第1の画素ブロックに含まれる第1の画素それぞれの画素値と、前記第1の画素それぞれの対応点である可能性を有する範囲の前記第2の画素それぞれを中心とする前記第1の画素ブロックに含まれる第2の画素それぞれの画素値とに対して、前記エリアベースマッチング法に基づく評価関数を用いて前記対応点を検出し、
前記視差算出手段の前記補正手段は、前記第1の画素それぞれを中心とする前記第1の画素ブロックを含む第2の画素ブロックに含まれる前記第1の画素と、前記第2の画素ブロックに含まれる前記第1の画素の対応点とに対する前記エリアベースマッチング法による評価関数の値に基づいて、対応点との対応が最も確実な前記第1の画素を検出し、対応が確実でない前記第1の画素と前記対応点との間の前記第1の視差を、前記対応が最も確実な前記第1の画素と、この対応が最も確実な第1の画素の前記対応点との間の第1の視差で置換して補正し、前記第2の視差を生成する。
【0008】
また本発明によれば、対象物を第1方向からまたは第1の位置で撮影して第1の画像を生成する第1の画像生成手段と、前記対象物を第2方向からまたは第2の位置で撮影して第2の画像を生成する第2の画像生成手段と、前記生成した前記第1の画像の画素(第1の画素)それぞれと、前記生成した前記第2の画像の画素(第2の画素)それぞれとを対応付けて、前記第1の画素それぞれと対応する前記第2の画素(対応点)を検出する対応点検出手段と、前記第1の画素それぞれと、前記検出したこれら第1の画素それぞれの前記対応点との間の第1の視差を算出する第1の視差算出手段と、前記第1の画素それぞれを含む所定の範囲内の第1の画素の内、対応点との対応が最も確実な前記第1の画素と、この対応が最も確実な第1の画素の前記対応点との間の前記第1の視差に基づいて、前記算出した前記第1の画素それぞれと前記対応点との間の前記第1の視差それぞれを補正する視差補正手段と、前記補正した前記第1の視差と、前記第1の画像生成手段および前記第2の画像生成手段の撮影位置または撮影方向の関係とに基づいて、前記第1の画像生成手段および前記第2の画像生成手段と、前記対象物との間の距離を算出する距離算出手段とを有し、
前記視差補正手段は、前記第1の画素それぞれと前記対応点それぞれとの対応が確実か否かをエリアベースマッチング法に基づく評価関数を用いて評価する確実性評価手段と、前記算出した前記第1の視差の内、対応が確実でない前記第1の画素と前記対応点との間の前記第1の視差を、前記対応が最も確実な前記第1の画素と、この対応が最も確実な第1の画素の前記対応点との間の視差で置換して補正し、第2の視差を生成する補正手段とを有し、
前記対応点検出手段は、前記第1の画素それぞれの画素値と、前記第1の画素それぞれに対応する可能性を有する範囲の前記第2の画素それぞれの画素値とに対して、前記エリアベースマッチング法に基づく評価関数を用いて前記対応点を検出し、
前記確実性評価手段は、前記第1の画素と、この第1の画素の対応点とに対する前記エリアベースマッチング法に基づく評価関数の値に基づいて、前記第1の画素と、この第1の画素の対応点との対応が確実か否かを評価する、
距離算出装置が提供される。
【0009】
本発明によれば、対象物を第1方向からまたは第1の位置で撮影して第1の画像を生成し、
前記対象物を第2方向からまたは第2の位置で撮影して第2の画像を生成し、
前記生成した前記第1の画像の画素(第1の画素)それぞれと、前記生成した前記第2の画像の画素(第2の画素)それぞれとを対応付けて、前記第1の画素それぞれと対応する前記第2の画素(対応点)を検出し、
前記第1の画素それぞれと、前記検出したこれら第1の画素それぞれの前記対応点との間の第1の視差を算出し、
前記第1の画素それぞれを含む所定の範囲内の第1の画素の内、対応点との対応が最も確実な前記第1の画素と、この対応が最も確実な第1の画素の前記対応点との間の前記第1の視差に基づいて、算出した前記第1の画素それぞれと前記対応点との間の前記第1の視差それぞれを補正し、
前記補正した前記第1の視差と、前記第1の画像および前記第2の画像の撮影位置とに基づいて、前記第1の画像および前記第2の画像の撮影位置と、前記対象物との間の距離を算出し、
前記算出した前記第1の視差の内、対応が確実でない前記第1の画素と前記対応点との間の前記第1の視差を、前記対応が最も確実な前記第1の画素と、この対応が最も確実な第1の画素の前記対応点との間の視差で置換して補正し、第2の視差を生成し、前記第1の画素それぞれの画素値と、前記第1の画素それぞれに対応する可能性を有する範囲の前記第2の画素それぞれの画素値とに対して、エリアベースマッチング法に基づく評価関数を用いて前記対応点を検出し、
前記第1の画素と、この第1の画素の対応点とに対する前記エリアベースマッチング法に基づく評価関数の値に基づいて、前記第1の画素と、この第1の画素の対応点との対応が確実か否かを評価する、
視差・距離算出方法が提供される。
【0010】
本発明に係る視差測定装置において、第1の画像生成手段および第2の画像生成手段は、異なる位置に配置され、同一の対象物を撮影する2台以上のカメラ、あるいは、移動して異なる位置から同一の対象物を撮影する1台のカメラであって、異なる位置それぞれから対象物を撮影して、同一対象物の第1の画像(基準画像)および第2の画像(参照画像)を生成する。
【0011】
対応点検出手段は、基準画像の画素(基準画素)それぞれと、参照画像の画素(参照画素)それぞれとを対応付けて、基準画素それぞれに対応する参照画素(対応点)を検出する。
【0012】
具体的には、対応点検出手段は、例えば、第k番目の基準画素の位置と、第1の画像生成手段および第2の画像生成手段の位置関係とから与えられ、第k番目の基準画素と対応する参照画素が存在する範囲を示す仮想的な直線(エピポーラライン;epipolar line )上の参照画素を中心画素とするn×n構成の画素ブロック(第1の画素ブロック)と、第k番目の基準画素を中心画素とするn×n構成の画素ブロックとの間で、対応する画素間の差分の2乗値の総和〔SSD(sum of squared differences)〕を順次、算出し、第k番目の基準画素に対する対応点として、SSDが最も小さい値を示す参照画素を検出する。
【0013】
つまり、対応点検出手段は、例えば、SSDを評価関数として用い、第k番目の基準画素を中心画素とする画素ブロックに含まれる画素それぞれの画素値と、エピポーラライン上の参照画素を中心画素とする同一構成の画素ブロックに含まれる画素値とを評価関数に代入し、第k番目の基準画素の対応点として、画素ブロック間の差分(差分の自乗和)が最小となり、相関性が最も高いと考えられる参照画素を検出する。なお、この評価関数としてのSSDの値は、対応点の検出の確からしさ(確実性)をも示している。
【0014】
第1の視差算出手段は、第k番目の基準画素とその対応点との視差(第1の視差)を、例えば画素単位で算出する。
【0015】
確実性評価手段は、例えば、SSDの値が所定の閾値以下となる対応点の検出を確実であり、第k番目の基準画素と対応点とは確実に対応すると評価し、SSDの値が所定の閾値以下とならない対応点の検出は確実でなく、第k番目の基準画素と対応点との対応は不確実であると評価する。
【0016】
視差補正手段は、対応点の検出が確実でない場合には、例えば、第k番目の基準画素を中心画素とするm×m構成(m≧n)の画素ブロック(第2の画素ブロック)に含まれる画素それぞれと、これらの画素の対応点のSSDの内、最小のSSDを示す基準画素と対応点との間の視差で、第k番目の基準画素とその対応点との間の視差を置換することにより補正を行い、第2の視差を算出する。
【0017】
つまり、換言すると、第2の視差算出手段は、対応点の検出が確実でない場合には、例えば、第k番目の基準画素の近傍の基準画素を中心画素とするn×n構成の基準画像内の画素ブロックそれぞれと、第k番目の基準画素の近傍の画素を中心画素とするn×n構成の画素ブロックに含まれる基準画素それぞれの対応点を中心とするn×n構成の参照画像内の画素ブロックそれぞれとの相関性を判定し、第k番目の基準画素とその対応点との間の視差を、最も高い相関性を示す画素ブロックの中心画素の基準画素と、最も高い相関性を示す画素ブロックの中心画素の対応点と間の視差で置き換えて、第k番目の基準画素とその対応点との間の視差(第1の視差)を補正し、第2の視差を生成する。
【0018】
このように、第2の視差算出手段が、対応が確実でない基準画素および対応点についてのみ視差の補正を行うようにすることにより、無条件に視差を補正する場合に比べて、本発明に係る視差算出装置全体として、視差の算出に要する演算量の増加を抑制することができる。
また、第k番目の基準画素とその対応点との間の視差を、第k番目の基準画素の近傍の基準画素と、この第k番目の基準画素の近傍の基準画素の対応点との視差で置き換えることは、例えば、背景と対象物の境界(エッジ)部分を避けて視差を検出することを意味し、エッジ等の部分で生じやすい視差の誤差を少なくする。
【0019】
また、本発明に係る距離算出装置は、対象物を撮影して第1の画像を生成する第1の画像生成手段と、前記対象物を撮影して第2の画像を生成する第2の画像生成手段と、生成した前記第1の画像の画素(第1の画素)それぞれと、生成した前記第2の画像の画素(第2の画素)それぞれとを対応付けて、前記第1の画素それぞれと対応する前記第2の画素(対応点)を検出する対応点検出手段と、前記第1の画素それぞれと、検出したこれら第1の画素それぞれの前記対応点との間の第1の視差を算出する第1の視差算出手段と、前記第1の画素それぞれを含む所定の範囲内の第1の画素の内、対応点との対応が最も確実な前記第1の画素と、この対応が最も確実な第1の画素の前記対応点との間の前記第1の視差に基づいて、算出した前記第1の画素それぞれと前記対応点との間の前記第1の視差それぞれを補正する視差補正手段と、補正した前記第1の視差と、前記第1の画像生成手段および前記第2の画像生成手段の位置関係とに基づいて、前記第1の画像生成手段および前記第2の画像生成手段と、前記対象物との間の距離を算出する距離算出手段とを有する。
【0020】
好適には、前記視差補正手段は、算出した前記第1の視差それぞれを、前記対応が最も確実な前記第1の画素と、この対応が最も確実な第1の画素の前記対応点との間の第1の視差で置換して補正し、第2の視差を生成する。
【0021】
好適には、前記視差補正手段は、前記第1の画素それぞれと前記対応点それぞれとの対応が確実か否かを評価する確実性評価手段と、算出した前記第1の視差の内、対応が確実でない前記第1の画素と前記対応点との間の前記第1の視差を、前記対応が最も確実な前記第1の画素と、この対応が最も確実な第1の画素の前記対応点との間の第1の視差で置換して補正し、第2の視差を生成する補正手段とを有する。
【0022】
好適には、前記対応点検出手段は、前記第1の画素それぞれの画素値と、前記第1の画素それぞれに対応する可能性を有する範囲の前記第2の画素それぞれの画素値とに対して、所定の評価関数を用いて前記対応点を検出し、前記視差補正手段の前記確実性評価手段は、前記第1の画素と、この第1の画素の対応点とに対する前記所定の評価関数の値に基づいて、前記第1の画素と、この第1の画素の対応点との対応が確実か否かを評価する。
【0023】
好適には、前記対応点検出手段は、前記第1の画素それぞれを中心とする第1の画素ブロックに含まれる第1の画素それぞれの画素値と、前記第1の画素それぞれの対応点である可能性を有する範囲の前記第2の画素それぞれを中心とする前記第1の画素ブロックに含まれる第2の画素それぞれの画素値とに対して、前記所定の評価関数を用いて前記対応点を検出し、前記視差算出手段の前記補正手段は、前記第1の画素それぞれを中心とする前記第1の画素ブロックを含む第2の画素ブロックに含まれる前記第1の画素と、前記第2の画素ブロックに含まれる前記第1の画素の対応点とに対する前記評価関数の値に基づいて、対応点との対応が最も確実な前記第1の画素を検出し、対応が確実でない前記第1の画素と前記対応点との間の前記第1の視差を、前記対応が最も確実な前記第1の画素と、この対応が最も確実な第1の画素の前記対応点との間の第1の視差で置換して補正し、前記第2の視差を生成する。
【0024】
また、本発明に係る視差・距離算出方法は、対象物を撮影して第1の画像を生成し、前記対象物を撮影して第2の画像を生成し、生成した前記第1の画像の画素(第1の画素)それぞれと、生成した前記第2の画像の画素(第2の画素)それぞれとを対応付けて、前記第1の画素それぞれと対応する前記第2の画素(対応点)を検出し、前記第1の画素それぞれと、検出したこれら第1の画素それぞれの前記対応点との間の第1の視差を算出し、前記第1の画素それぞれを含む所定の範囲内の第1の画素の内、対応点との対応が最も確実な前記第1の画素と、この対応が最も確実な第1の画素の前記対応点との間の前記第1の視差に基づいて、算出した前記第1の画素それぞれと前記対応点との間の前記第1の視差それぞれを補正し、補正した前記第1の視差と、前記第1の画像および前記第2の画像の撮影位置とに基づいて、前記第1の画像および前記第2の画像の撮影位置と、前記対象物との間の距離を算出する。
【0025】
好適には、算出した前記第1の視差それぞれを、前記対応が最も確実な前記第1の画素と、この対応が最も確実な第1の画素の前記対応点との間の第1の視差で置換して補正し、第2の視差を生成する。
【0026】
好適には、前記第1の画素それぞれと前記対応点それぞれとの対応が確実か否かを評価し、算出した前記第1の視差の内、対応が確実でない前記第1の画素と前記対応点との間の前記第1の視差を、前記対応が最も確実な前記第1の画素と、この対応が最も確実な第1の画素の前記対応点との間の第1の視差で置換して補正し、第2の視差を生成する。
【0027】
好適には、前記第1の画素それぞれの画素値と、前記第1の画素それぞれに対応する可能性を有する範囲の前記第2の画素それぞれの画素値とに対して、所定の評価関数を用いて前記対応点を検出し、前記第1の画素と、この第1の画素の対応点とに対する前記所定の評価関数の値に基づいて、前記第1の画素と、この第1の画素の対応点との対応が確実か否かを評価する。
【0028】
好適には、前記第1の画素それぞれを中心とする第1の画素ブロックに含まれる第1の画素それぞれの画素値と、前記第1の画素それぞれの対応点である可能性を有する範囲の前記第2の画素それぞれを中心とする前記第1の画素ブロックに含まれる第2の画素それぞれの画素値とに対して、前記所定の評価関数を用いて前記対応点を検出し、前記第1の画素それぞれを中心とする前記第1の画素ブロックを含む第2の画素ブロックに含まれる前記第1の画素と、前記第2の画素ブロックに含まれる前記第1の画素の対応点とに対する前記評価関数の値に基づいて、対応点との対応が最も確実な前記第1の画素を検出し、対応が確実でない前記第1の画素と前記対応点との間の前記第1の視差を、前記対応が最も確実な前記第1の画素と、この対応が最も確実な第1の画素の前記対応点との間の第1の視差で置換して補正し、前記第2の視差を生成する。
【0029】
【発明の実施の形態】
ステレオ画像処理
本発明の実施例の理解を容易にするために、まず、図1(A)〜(C)を参照して、ステレオ画像処理を説明する。
図1(A)〜(C)は、ステレオ画像処理を示す図である。
【0030】
上述のように、ステレオ画像処理は、2つ以上の方向からカメラで同一対象物を撮影して得られる複数の画像間の画素同士を対応付け、対応する画素間の視差情報を、カメラから対象物までの距離情報に変換し、対象物の距離および形状またはこれらのいずれかを測定する。
【0031】
つまり、例えば、図1(A)に示すように、2台のカメラA101 およびカメラB102 で対象物22を撮影すると、図1(B)に示すように、カメラA101 からは対象物の画像220aを含む画像24a(基準画像)が得られ、カメラB102 からは対象物の画像220bを含む画像(参照画像)24bが得られ、対象物の画像220a,220bには、対象物22上の同一の部分を撮影した画素(対応点k,k’)が含まれる。
【0032】
基準画像24aおよび参照画像24bの間の対応点を検出すると、図1(C)に示すように、これらの対応点k,k’間の視差を画素単位に求めることができる。
このように求めた対応点k,k’間の視差と、2台のカメラA,B101 ,102 の角度(カメラアングル)および距離等とに基づいて、3角測量の原理を応用して、対象物22上の各点とカメラA101 およびカメラB102 との間の距離を測定することができ、さらに、対象物22上の各点までの距離から、対象物22の形状を解析することができる。
【0033】
エリアベースマッチング
ステレオ画像処理において、基準画像24aの対象物の画像220a上の点(画素)kと、参照画像24bの対象物の画像220b上の対応する画素(対応点)k’とを対応付ける方法として、例えば、エリアベースマッチング法が採られる。
【0034】
エリアベースマッチング法は、カメラA101 およびカメラA101 の距離および角度(位置関係)と、基準画像24aの対象物の画像220a上の画素の位置とに基づいて、例えば、図1(B)に破線で示すように、参照画像24b内に仮想的に引かれる直線であって、画素kの参照画像24bにおける対応点k’が存在する範囲を示すエピポーラライン上の画素それぞれを中心画素として、n×n個(例えば、n=5)の画素を含む参照画像24bの正方形の画素ブロックと、画素kを中心画素として、n×n個の画素を含む基準画像24aの正方形の画素ブロックとの相関性を、所定の評価関数を用いて判定し、最も高い相関性を示す参照画像24bの画素ブロックの中心画素を、画素kの対応点k’として検出する。
【0035】
なお、対称点の検出に、n×n構成の画素ブロックを用いる理由は、ノイズの影響を軽減し、画素kの周囲の画素のパターンの特徴と、参照画像24bの対象点k’の周囲の画素のパターンの特徴との相関性を明確化して判断することにより、対応点の検出の確実を期すためであり、特に、変化が少ない基準画像24aおよび参照画像24bに対しては、大きい画素ブロックを用いれば用いるほど対応点の検出の確実性が増す。
【0036】
エリアベースマッチング法において、画素ブロック間の相関性を評価する評価関数としては、例えば、2つの画素ブロックの対応する画素同士の画素データの差分値の2乗値の総和(SSD;式1)、2つの画素ブロックの対応する画素同士の画素データの差分値の絶対値の総和、あるいは、正規化された相互相関(normalized cross correlation)が用いられる。以下、エリアベースマッチング法の評価関数として、SSDが用いられる場合を例に説明する。
【0037】
【数1】
【0038】
ただし、式1において、I(x,y)は、基準画像24a内の座標(x,y)の画素の画素データを示し、J(x,y)は参照画像24b内の座標(x,y)の画素の画素データを示し、ηはx方向の視差を示し、ξはy方向の視差を示し、wは各画素ブロックを示す。
【0039】
つまり、ステレオ画像処理は、エリアベースマッチング法により、参照画像24a内の画素kに対応する参照画像24b内のエピポーララインに沿って、視差(η,ξ)を変化させながら、基準画像24aおよび参照画像24bの画素ブロック間のSSDを順次、求め、SSDが最小値SSDmin となる参照画像24bの画素を、画素kの対応点k’として検出し、さらに、検出した対応点k’の視差(ηmin ,ξmin )を、式2に代入して視差ζを算出する。
カメラA101 およびカメラB102 から対象物22上の各点までの距離は、上述のように、求めた視差ζとカメラA101 およびカメラB102 の位置関係から算出することができる。
【0040】
【数2】
【0041】
評価関数(SSD)の値
なお、SSDの値は、基準画像24aおよび参照画像24bの画素ブロックに含まれ、互いに対応する画素の画素データの値(画素値)の差が少なければ少ないほど小さくなる。
【0042】
従って、SSDの最小値SSDmin の値は、基準画像24aの画素kの参照画像24bにおける対応点k’の検出の確実性に対応し、最小値SSDmin の値が小さければ小さいほど、画素kと対応点k’の対応が正しい可能性が増し、検出が確実であることを示し、逆に、最小値SSDmin の値が大きければ大きいほど、画素kと対応点k’の対応が正しくない可能性が増し、検出が不確実であることを示す。
【0043】
エリアベースマッチング法の問題点
次に、図2および図3を参照して、エリアベースマッチング法の問題点を説明する。
図2(A),(B)は、背景20の前方に置かれた対象物22をカメラA101 およびカメラB102 で撮影して得られる基準画像24aおよび参照画像24bを示す図である。
図3は、エリアベースマッチング法による対応点の誤検出を例示する図である。
【0044】
例えば、図2(A)に示したように、背景20に前置された対象物22をカメラA101 およびカメラB102 で撮影して得られた、図2(B)に示す基準画像24aおよび参照画像24bに対して、エリアベースマッチング法を用いて対応点の検出処理を行った場合、図3に示す基準画像24aの対象物22と背景の境界(エッジ)部分の画素kの参照画像24bにおける対応点k’を検出する場合、誤検出が生じやすくなることがある。
【0045】
例えば、画素kと対応点k’の間の視差(η,ξ)が非常に大きい場合、図3(a)に示すように、カメラA101 が撮影した基準画像24aにおいて、対象物の画像220aに接した背景の画像200aの画素kの参照画像24bにおける背景の画像200bの本来の対応点k’が、カメラB102 が撮影した参照画像24bにおいては、図3(c)に示すように、対象物の画像220aから離れた位置にある場合がある。
【0046】
このような場合、図3(b)に示すように、基準画像24aの画素kを中心画素とし、一方は対象物の画像220aに含まれ、他方は背景の画像200aに含まれるn×n構成(以下、n=5の場合を例に説明を行う)の画素ブロックの2つの領域の画素それぞれの本来の対応点は、参照画像24bにおいては、図3(d)に示すように、離れた位置にあり、視差(η,ξ)が大きく異なる2つの領域に分かれてしまうことがある。
【0047】
さらに、例えば、背景の画像200a,200bの絵柄と、対象物の画像220a,220bの絵柄が大きく異なっている場合には、対象物の画像220a,220bと背景の画像200a,200bとを含む画素ブロックを用いたSSDの値が、背景の画像200a,200bのみを含む画素ブロックの値よりも小さくなる。従って、図3(e)に示すように、基準画像24aの画素kの参照画像24bにおける本来の対応点k’ではなく、対象物の画像220bに接した画素k”が、画素kの参照画像24bにおける対応点として誤検出される可能性が高くなる。なお、このような不具合は、背景の画像200a,200bの絵柄と、対象物の画像220a,220bの絵柄が大きく異なっている場合のみではなく、背景の画像200a,200bの絵柄と、対象物の画像220a,220bの絵柄が異なっている場合に一般的に生じる。
【0048】
このような対応点の誤検出は、画素ブロックを小さくすることにより軽減することができるが、画素ブロックを小さくすると、エリアベースマッチング法による対応点の検出の確実性が低くなってしまう。
本発明の実施例は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、エリアベースマッチング法による対応点の検出の確実性を高く保ちつつ、画像のエッジ部分等で生じうる対応点の誤検出の影響を減じることができるように構成されている。
【0049】
距離測定装置1の構成
以下、本発明の実施例として示す距離測定装置1の構成を説明する。
図4は、本発明に係る距離測定装置1の構成を示す図である。
【0050】
図4に示すように、距離測定装置1は、2台のカメラA101 ,B102 および距離測定部12から構成され、距離測定部12は、カメラインターフェース(カメラIF)回路120、画像メモリ回路122、演算処理回路(CPU)124、記録装置(HDD)126および出力装置128から構成される。
【0051】
距離測定装置1は、これらの構成部分により、カメラA101 ,B102 により対象物22を撮影して得られた基準画像24aの画素および参照画像24bの画素の間の対応をとり、対応をとった画素間の視差ζを測定し、測定した視差ζに基づいて対象物22とカメラA101 ,B102 との間の距離および対象物22の形状を測定する。
【0052】
距離測定装置1の構成部分
以下、距離測定装置1の各構成部分を説明する。
【0053】
カメラA10 1 ,カメラB10 2
カメラA101 およびカメラB102 は、例えば、異なる位置に固定された2台以上のCCDビデオカメラ、あるいは、移動可能な1台以上のCCDビデオカメラであって、異なる位置から同一の背景20および対象物22(図2)を撮影し、それぞれ基準画像24aおよび参照画像24bを生成して距離測定部12に対して出力する。
【0054】
カメラインターフェース回路120
カメラインターフェース回路120は、カメラA101 およびカメラB102 から入力された基準画像24aおよび参照画像24bを受け入れて、画像メモリ回路122に対して出力する。
【0055】
画像メモリ回路122
画像メモリ回路122は、カメラインターフェース回路120を介して入力された基準画像24aおよび参照画像24bを、フレーム単位で記憶し、演算処理回路124に対して供給する。
【0056】
演算処理回路124
演算処理回路124は、例えば、画像処理用のDSP、制御用のCPU、ROM、RAMおよびその他の周辺回路(図示せず)から構成され、距離測定装置1の各構成部分を制御するとともに、基準画像24aおよび参照画像24bに対してステレオ画像処理を行い、カメラA101 およびカメラB102 に対する対象物22上の各点の視差ζの測定、カメラA101 およびカメラB102 と対象物22上の各点との距離の測定、および、対象物22の形状の解析を行い、これらの結果を記録装置126に記録し、あるいは、出力装置128を介して外部に出力する。
【0057】
演算処理回路124のステレオ画像処理
以下、図5をさらに参照して、演算処理回路124によるステレオ画像処理の内容を説明する。
図5(A),(B)は、本発明に係る距離測定装置1(図4)の演算処理回路124による視差ζの補正処理を示す図である。
【0058】
視差の算出
まず、演算処理回路124は、基準画像24aの各画素と、参照画像24bの各画素とを、例えば上述したように、式1に示したSSDを評価関数として用いてエリアベースマッチング法により対応付け、式2に示した視差ζ1 (第1の視差)を算出し、基準画像24aまたは参照画像24bの対応する画素と対応付けて視差画像を生成し、演算処理回路124内のRAMに記憶する。
【0059】
対応点の検出の確実性の評価
次に、演算処理回路124は、基準画像24aの画素kと参照画像24bの対応点k’を検出した際のSSDの最小値SSDmin が、所定の閾値以下である場合に、基準画像24aの画素kと対応点k’との対応が確実であると評価し、所定の閾値以下でない場合に、基準画像24aの画素kと対応点k’との対応が不確実であると評価する。なお、対応点の検出に用いられる閾値は、例えば、実験等により最適な値に設定する。
【0060】
基準画像24aの画素kの参照画像24bにおける対応点k’の検出が確実であると判定した場合には、演算処理回路124は、算出した第1の視差ζ1 をそのまま正しい視差ζとし、基準画像24aの画素kの参照画像24bにおける対応点k’の検出が確実でないと判定した場合には、演算処理回路124は、以下のような視差ζの補正を行う。
【0061】
視差の補正
演算処理回路124は、図5(A)に示すように、対応が確実でないと判定した基準画素kを中心画素とし、対応点の検出に用いたn×n構成の画素ブロックを含み、この画素ブロックよりも大きいm×m構成(m≧n;但し、m=nの場合を例示)の画素ブロックに含まれる基準画素それぞれと、このm×m構成の画素ブロックに含まれる基準画素それぞれとの間のSSDの内、最も小さいSSDの値(SSDmin )を示す基準画素と、その対応点とを検出する。
【0062】
つまり、演算処理回路124は、基準画像24aの基準画素kを中心画素とするm×m構成の画素ブロックに含まれるm×m個の基準画素それぞれを中心画素とするn×n構成の基準画像24a内の画素ブロックそれぞれと、基準画像24aの基準画素kを中心画素するm×m構成の画素ブロックに含まれるm×m個の基準画素それぞれの対応点を中心画素とするn×n構成の参照画像24b内の画素ブロックそれぞれとの間のm×m個のSSDの値の内、最も小さいSSDの値(SSDmin )を示す基準画像24aの基準画素が、その対応点と最も確からしく対応すると判定する。
【0063】
さらに、演算処理回路124は、対応点と最も確からしく対応すると判定した基準画像24aの画素とその対応点との視差で、視差画像中の画素kとその対応点k”との第1の視差ζ1 を置換して、視差ζを補正する。
【0064】
演算処理回路124は、以上のようにして得られた視差ζの値それぞれを、基準画像24aまたは参照画像24bの画素それぞれに対応付けた視差画像を生成し、さらに、視差画像に基づいてカメラA101 およびカメラB102 と対象物22上の各点との距離の測定、および/または、対象物22の形状の解析を行って、これらの結果を記録装置126に記憶し、あるいは、出力装置128に対して出力する。
【0065】
視差の補正の意味
このように、基準画像24aの画素kと、その対応点として最初に検出された参照画像24bの対応点k”との間の第1の視差ζ1 を、基準画像24aの画素kの近傍において、SSDの最も小さい値を与える基準画像24aの画素とその対応点k’との間の視差に置き換えるということは、例えば、図3(b),(d)に示したように、対象物22と背景20の境界(エッジ)部分で誤検出された対応点k”を捨て、図5(B)に例示するように、対応点の誤検出が生じやすいエッジ部分を避けて、背景の画像200aの画素と対象物の画像220aの画素とが混在しない画素ブロックを用いて、最も確からしい対応点との間の視差を求めることを意味する。
【0066】
従って、基準画像24aの画素kと対応点k”との間の第1の視差ζ1 の値よりも、基準画像24aの画素kと対応点k’との間の第2の視差ζ2 の値の方が、より正確であると考えることができる。
【0067】
距離測定装置1の動作
以下、図6をさらに参照して、距離測定装置1の動作を説明する。
図6は、本発明に係る距離測定装置1の動作を示すフローチャートである。
【0068】
図6に示すように、ステップ100(S100)において、距離測定装置1の距離測定部12は、カメラA101 およびカメラB102 から複数(2つ)の画像(基準画像24aおよび参照画像24b)を取り込む。
【0069】
ステップ102(S102)において、距離測定部12の演算処理回路124は、基準画像24aの画素それぞれを中心画素とするn×n構成の画素ブロックと、そのエピポーラライン上の参照画像24bの画素それぞれを中心画素とするn×n構成の画素ブロックとの間のSSDを算出し、基準画像24aの画素と最小値SSDmin を与える参照画像24bの画素ブロックの中心画素とを対応付けて対応点の検出を行う。つまり、演算処理回路124は、基準画像24aの画素と参照画像24bの画素との間で、エリアベースマッチング法による対応点の検出を行う。
【0070】
ステップ104(S104)において、演算処理回路124は、基準画像24aの画素それぞれと、S102の処理において検出された参照画像24bの対応点との間の第1の視差ζ1 を算出し、基準画像24aまたは参照画像24bの画素それぞれと対応付けて視差画像を生成する。
【0071】
ステップ106(S106)において、演算処理回路124は、算出した視差ζ1 に対応するSSDの最小値SSDmin の値と、上記閾値とを比較し、最小値SSDmin の値が閾値よりも大きい場合には、対応点と最も確からしく対応すると判定した基準画像24aの画素とその対応点との視差ζ2 で、視差画像中の視差ζ1 を置換することにより、補正を行う。
【0072】
ステップ108(S108)において、演算処理回路124は、補正した視差画像、および、補正した視差画像から得られた対象物22とカメラA101 およびカメラB102 との距離、および、解析の結果として得られた対象物22の形状を示すデータを、記録装置126および/または出力装置128に対して出力する。
【0073】
以上説明したように、本発明に係る距離測定装置1によれば、エリアベースマッチング法を用いたステレオマッチング画像処理により求められる視差の精度を大きく改善することができ、形状解析により鮮明な対象物の画像を得ることができる。
【0074】
なお、実施例に示した他、例えば、距離測定装置1の動作を、最小値SSDmin が閾値以上の値を示す視差ζ1 のみでなく、全ての視差ζ1 に対して無条件に補正を行うように変更することができる。
また、視差ζ1 の算出処理と補正処理とを順番(シーケンシャル)に行うと、多くの処理時間が必要になるので、例えば、SSDの最小値SSDmin の算出が終了した時点で、視差ζ1 の算出処理と補正処理とを並行して行うように距離測定装置1の動作を変更することができる。
【0075】
また、補正処理において、最初に検出された対応点を中心画素とする画素ブロックに含まれる画素それぞれを中心とする画素ブロックの全てについて、SSDを算出すると多くの処理時間が必要となるので、例えば、最初に検出された対応点を中心画素とする画素ブロックの外周の画素を中心画素とする画素ブロックについてのみSSDを算出する、あるいは、最初に検出された対応点を中心画素とする画素ブロックに含まれる画素を、1つおきに中心画素とする画素ブロックについてSSDを算出するように、距離測定装置1の補正処理を変更することができる。
【0076】
また、実施例における距離測定装置1の各構成部分は例示であって、例えば、同一の機能および性能が実現可能である限り、ソフトウェア的な手段によるかハードウェア的な手段によるかを問わない。
また、対応点の検出処理および視差の補正処理に用いる画素ブロックの構成は例示であり、他の構成の画素ブロック、例えば長方形の画素ブロックを用いて対応点の検出処理および視差の補正処理を行ってもよい。
また、距離測定装置1は、2台のカメラを用いて基準画像24aおよび参照画像24bを得るように構成されているが、さらに多くのカメラを用いて、これらのカメラの任意の2台から基準画像24aおよび参照画像24bを得たり、あるいは、1台のカメラを移動させて基準画像24aおよび参照画像24bを得たりするように距離測定装置1の構成を変更することが可能である。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、対象物の複数の画像から得られた画素間の視差情報を確からしい値に補正することができる。
また、本発明によれば、対象物の複数の画像から得られた画素間の視差情報を確からしい値に補正することにより、対象物の正確な距離および形状を計測することができる。
また、本発明によれば、対象物の複数の画像から得られた画素間の視差情報を確からしい値に補正することができ、対象物の正確な距離および形状を計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(C)は、ステレオ画像処理を示す図である。
【図2】(A),(B)は、背景の前方に置かれた対象物をカメラAおよびカメラB1で撮影して得られる基準画像および参照画像を示す図である。
【図3】エリアベースマッチング法による対応点の誤検出を例示する図である。
【図4】本発明に係る距離測定装置の構成を示す図である。
【図5】(A),(B)は、本発明に係る距離測定装置(図4)の演算処理回路による視差ζの補正処理を示す図である。
【図6】本発明に係る距離測定装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…距離測定装置、101 …カメラA、102 …カメラB、12…距離測定部、120…カメラインターフェース回路、122…画像メモリ回路、124…演算処理回路、126…記録装置、128…出力装置、20…背景、200a,200b…背景の画像、22…対象物、220a,220b…対象物の画像、24a…基準画像、24b…参照画像。
Claims (5)
- 対象物を第1方向からまたは第1の位置で撮影して第1の画像を生成する第1の画像生成手段と、
前記対象物を第2方向からまたは第2の位置で撮影して第2の画像を生成する第2の画像生成手段と、
前記生成した前記第1の画像の画素(第1の画素)それぞれと、前記生成した前記第2の画像の画素(第2の画素)それぞれとを対応付けて、前記第1の画素それぞれと対応する前記第2の画素(対応点)を検出する対応点検出手段と、
前記第1の画素それぞれと、前記検出したこれら第1の画素それぞれの前記対応点との間の第1の視差を算出する第1の視差算出手段と、
前記第1の画素それぞれを含む所定の範囲内の第1の画素の内、対応点との対応が最も確実な前記第1の画素と、この対応が最も確実な第1の画素の前記対応点との間の前記第1の視差に基づいて、算出した前記第1の画素それぞれと前記対応点との間の前記第1の視差それぞれを補正する視差補正手段と
を有し、
前記視差補正手段は、
前記第1の画素それぞれと前記対応点それぞれとのエリアベースマッチング法に基づく評価関数を参照して対応が確実か否かを評価する確実性評価手段と、
前記算出した前記第1の視差の内、対応が確実でない前記第1の画素と前記対応点との間の前記第1の視差を、前記対応が最も確実な前記第1の画素と、この対応が最も確実な第1の画素の前記対応点との間の視差で置換して補正し、第2の視差を生成する補正手段と
を有し、
前記対応点検出手段は、前記第1の画素それぞれの画素値と、前記第1の画素それぞれに対応する可能性を有する範囲の前記第2の画素それぞれの画素値とに対して、前記エリアベースマッチング法に基づく評価関数を用いて前記対応点を検出し、
前記確実性評価手段は、前記第1の画素と、この第1の画素の対応点とに対する前記エリアベースマッチング法に基づく評価関数の値に基づいて、前記第1の画素と、この第1の画素の対応点との対応が確実か否かを評価する、
視差算出装置。 - 前記視差補正手段は、
前記算出した前記第1の視差それぞれを、前記対応が最も確実な前記第1の画素と、この対応が最も確実な第1の画素の前記対応点との間の視差で置換して補正し、第2の視差を生成する、
請求項1に記載の視差算出装置。 - 前記対応点検出手段は、前記第1の画素それぞれを中心とする第1の画素ブロックに含まれる第1の画素それぞれの画素値と、前記第1の画素それぞれの対応点である可能性を有する範囲の前記第2の画素それぞれを中心とする前記第1の画素ブロックに含まれる第2の画素それぞれの画素値とに対して、前記エリアベースマッチング法に基づく評価関数を用いて前記対応点を検出し、
前記視差算出手段の前記補正手段は、
前記第1の画素それぞれを中心とする前記第1の画素ブロックを含む第2の画素ブロックに含まれる前記第1の画素と、前記第2の画素ブロックに含まれる前記第1の画素の対応点とに対する前記エリアベースマッチング法による評価関数の値に基づいて、対応点との対応が最も確実な前記第1の画素を検出し、
対応が確実でない前記第1の画素と前記対応点との間の前記第1の視差を、前記対応が最も確実な前記第1の画素と、この対応が最も確実な第1の画素の前記対応点との間の第1の視差で置換して補正し、前記第2の視差を生成する、
請求項1に記載の視差算出装置。 - 対象物を第1方向からまたは第1の位置で撮影して第1の画像を生成する第1の画像生成手段と、
前記対象物を第2方向からまたは第2の位置で撮影して第2の画像を生成する第2の画像生成手段と、
前記生成した前記第1の画像の画素(第1の画素)それぞれと、前記生成した前記第2の画像の画素(第2の画素)それぞれとを対応付けて、前記第1の画素それぞれと対応する前記第2の画素(対応点)を検出する対応点検出手段と、
前記第1の画素それぞれと、前記検出したこれら第1の画素それぞれの前記対応点との間の第1の視差を算出する第1の視差算出手段と、
前記第1の画素それぞれを含む所定の範囲内の第1の画素の内、対応点との対応が最も確実な前記第1の画素と、この対応が最も確実な第1の画素の前記対応点との間の前記第1の視差に基づいて、前記算出した前記第1の画素それぞれと前記対応点との間の前記第1の視差それぞれを補正する視差補正手段と、
前記補正した前記第1の視差と、前記第1の画像生成手段および前記第2の画像生成手段の撮影位置または撮影方向の関係とに基づいて、前記第1の画像生成手段および前記第2の画像生成手段と、前記対象物との間の距離を算出する距離算出手段と
を有し、
前記視差補正手段は、
前記第1の画素それぞれと前記対応点それぞれとの対応が確実か否かをエリアベースマッチング法に基づく評価関数を用いて評価する確実性評価手段と、
前記算出した前記第1の視差の内、対応が確実でない前記第1の画素と前記対応点との間の前記第1の視差を、前記対応が最も確実な前記第1の画素と、この対応が最も確実な第1の画素の前記対応点との間の視差で置換して補正し、第2の視差を生成する補正手段と
を有し、
前記対応点検出手段は、前記第1の画素それぞれの画素値と、前記第1の画素それぞれに対応する可能性を有する範囲の前記第2の画素それぞれの画素値とに対して、前記エリアベースマッチング法に基づく評価関数を用いて前記対応点を検出し、
前記確実性評価手段は、前記第1の画素と、この第1の画素の対応点とに対する前記エリアベースマッチング法に基づく評価関数の値に基づいて、前記第1の画素と、この第1の画素の対応点との対応が確実か否かを評価する、
距離算出装置。 - 対象物を第1方向からまたは第1の位置で撮影して第1の画像を生成し、
前記対象物を第2方向からまたは第2の位置で撮影して第2の画像を生成し、
前記生成した前記第1の画像の画素(第1の画素)それぞれと、前記生成した前記第2の画像の画素(第2の画素)それぞれとを対応付けて、前記第1の画素それぞれと対応する前記第2の画素(対応点)を検出し、
前記第1の画素それぞれと、前記検出したこれら第1の画素それぞれの前記対応点との間の第1の視差を算出し、
前記第1の画素それぞれを含む所定の範囲内の第1の画素の内、対応点との対応が最も確実な前記第1の画素と、この対応が最も確実な第1の画素の前記対応点との間の前記第1の視差に基づいて、算出した前記第1の画素それぞれと前記対応点との間の前記第1の視差それぞれを補正し、
前記補正した前記第1の視差と、前記第1の画像および前記第2の画像の撮影位置とに基づいて、前記第1の画像および前記第2の画像の撮影位置と、前記対象物との間の距離を算出し、
前記算出した前記第1の視差の内、対応が確実でない前記第1の画素と前記対応点との間の前記第1の視差を、前記対応が最も確実な前記第1の画素と、この対応が最も確実な第1の画素の前記対応点との間の視差で置換して補正し、第2の視差を生成し、
前記第1の画素それぞれの画素値と、前記第1の画素それぞれに対応する可能性を有する範囲の前記第2の画素それぞれの画素値とに対して、エリアベースマッチング法に基づく評価関数を用いて前記対応点を検出し、
前記第1の画素と、この第1の画素の対応点とに対する前記エリアベースマッチング法に基づく評価関数の値に基づいて、前記第1の画素と、この第1の画素の対応点との対応が確実か否かを評価する、
視差・距離算出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09933497A JP3864491B2 (ja) | 1997-04-16 | 1997-04-16 | 視差算出装置、距離算出装置およびこれらの方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09933497A JP3864491B2 (ja) | 1997-04-16 | 1997-04-16 | 視差算出装置、距離算出装置およびこれらの方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10289316A JPH10289316A (ja) | 1998-10-27 |
JP3864491B2 true JP3864491B2 (ja) | 2006-12-27 |
Family
ID=14244738
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09933497A Expired - Fee Related JP3864491B2 (ja) | 1997-04-16 | 1997-04-16 | 視差算出装置、距離算出装置およびこれらの方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3864491B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7262799B2 (en) | 2000-10-25 | 2007-08-28 | Canon Kabushiki Kaisha | Image sensing apparatus and its control method, control program, and storage medium |
JP4554316B2 (ja) * | 2004-09-24 | 2010-09-29 | 富士重工業株式会社 | ステレオ画像処理装置 |
US8023016B2 (en) | 2004-12-22 | 2011-09-20 | Panasonic Corporation | Imaging device and manufacturing method thereof |
WO2017108413A1 (en) * | 2015-12-21 | 2017-06-29 | Koninklijke Philips N.V. | Processing a depth map for an image |
WO2018023333A1 (en) | 2016-08-01 | 2018-02-08 | SZ DJI Technology Co., Ltd. | System and method for obstacle avoidance |
-
1997
- 1997-04-16 JP JP09933497A patent/JP3864491B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10289316A (ja) | 1998-10-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6865289B1 (en) | Detection and removal of image occlusion errors | |
JP4887374B2 (ja) | ステレオビジョンにおいて散乱視差場を求める方法 | |
TWI393980B (zh) | The method of calculating the depth of field and its method and the method of calculating the blurred state of the image | |
US8538198B2 (en) | Method and apparatus for determining misalignment | |
JP2004340840A (ja) | 距離測定装置、距離測定方法、及び距離測定プログラム | |
KR20140000195A (ko) | 입체 카메라를 위한 자동초점 | |
US6519358B1 (en) | Parallax calculating apparatus, distance calculating apparatus, methods of the same, and information providing media | |
JP2007278845A (ja) | 画像処理装置及びその処理方法 | |
CN110084133B (zh) | 障碍物检测方法、装置、车辆、计算机设备和存储介质 | |
JPWO2011155161A1 (ja) | 画像処理装置および画像処理方法 | |
JP4055998B2 (ja) | 距離検出装置、距離検出方法、及び距離検出プログラム | |
WO2012137621A1 (ja) | 画像処理方法及び装置 | |
US11928805B2 (en) | Information processing apparatus, information processing method, and storage medium for defect inspection and detection | |
JP2006090896A (ja) | ステレオ画像処理装置 | |
US20080226159A1 (en) | Method and System For Calculating Depth Information of Object in Image | |
JP3842988B2 (ja) | 両眼立体視によって物体の3次元情報を計測する画像処理装置およびその方法又は計測のプログラムを記録した記録媒体 | |
JP3864491B2 (ja) | 視差算出装置、距離算出装置およびこれらの方法 | |
JP2000121319A5 (ja) | 画像処理装置および画像処理方法、並びに記録媒体 | |
JP6867487B2 (ja) | 撮像装置 | |
JPH10289315A (ja) | 視差算出装置、距離算出装置およびこれらの方法 | |
JP2009104366A (ja) | ステレオ画像処理方法 | |
CN112233164B (zh) | 一种视差图错误点识别与校正方法 | |
JP2807137B2 (ja) | 立体形状検出方法 | |
CN112262411B (zh) | 图像关联方法、***和装置 | |
TW202141351A (zh) | 影像檢查裝置以及影像檢查方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060210 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060322 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060522 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060613 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060811 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20060823 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060912 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060925 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091013 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101013 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101013 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111013 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111013 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121013 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121013 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131013 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |