JP2009102685A - 炉温制御装置及び炉温制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】炉温変更に対して高い応答性を得ることができる炉温制御装置及び炉温制御方法を提供すること。
【解決手段】炉の雰囲気ガスの循環経路として、昇温用熱交換器４ａを備えた昇温用循環経路３ａと降温用熱交換器４ｂを備えた降温用循環経路３ｂとをそれぞれ独立して設けると共に、昇温用循環経路３ａから炉内への雰囲気ガス導入口５ａと降温用循環経路３ｂから炉内への雰囲気ガス導入口５ｂとをそれぞれ独立して設け、各雰囲気ガス導入口５ａ，５ｂの近傍に開閉弁６ａ，６ｂを設け、さらに昇温用循環経路３ａ及び降温用循環経路３ｂに、雰囲気ガスを雰囲気ガス導入口５ａ，５ｂから炉内に導入することなく循環経路内で循環させるためのリターン経路７ａ，７ｂを設けた。
【選択図】図１
【解決手段】炉の雰囲気ガスの循環経路として、昇温用熱交換器４ａを備えた昇温用循環経路３ａと降温用熱交換器４ｂを備えた降温用循環経路３ｂとをそれぞれ独立して設けると共に、昇温用循環経路３ａから炉内への雰囲気ガス導入口５ａと降温用循環経路３ｂから炉内への雰囲気ガス導入口５ｂとをそれぞれ独立して設け、各雰囲気ガス導入口５ａ，５ｂの近傍に開閉弁６ａ，６ｂを設け、さらに昇温用循環経路３ａ及び降温用循環経路３ｂに、雰囲気ガスを雰囲気ガス導入口５ａ，５ｂから炉内に導入することなく循環経路内で循環させるためのリターン経路７ａ，７ｂを設けた。
【選択図】図１
Description
本発明は、連続焼鈍炉の各炉帯等の炉温を制御する装置及び方法に関する。
連続焼鈍炉の各炉帯では、その炉温を所定の温度に制御する必要があり、特許文献１には、熱交換器を利用した炉温制御装置が開示されている。
この炉温制御装置は図２に示すように、連続焼鈍炉の過時効帯１の雰囲気ガスを循環ブロワ２０によって循環させる循環経路２１に昇温用熱交換器２２と降温用熱交換器２３を並列に配置し、各熱交換器２２，２３の前後に設けた開閉弁２４の操作によって雰囲気ガスを昇温又は降温する。昇温又は降温された雰囲気ガスは、循環経路２１先端の雰囲気ガス導入口２１ａから過時効帯１内の雰囲気ガス導入ベッダ１ａに導入され、炉内ロール１ｂに吹き付けられる。これによって、過時効帯１が昇温又は降温され、所定の温度になるように制御される。
しかし、この炉温制御装置においては、単一の循環経路２１の途中に昇温用熱交換器２２と降温用熱交換器２３が並列に配置されているので、雰囲気ガスは同じ循環経路２１を通って過時効帯１に導入されることになる。したがって、昇温から降温に切り替える際は、降温用熱交換器２３で降温された雰囲気ガスが循環経路２１のダクトに蓄熱された熱によって昇温される。また、降温から昇温に切り替える際は、昇温用熱交換器２２で昇温された雰囲気ガスが循環経路２１のダクトによって降温される。このため、過時効帯１の炉温変更に対する応答性が低下する。
特開２００５−２２６１５７号公報
本発明が解決しようとする課題は、炉温変更に対して高い応答性を得ることができる炉温制御装置及び炉温制御方法を提供することにある。
本発明の炉温制御装置は、炉の雰囲気ガスの循環経路として、昇温用熱交換器を備えた昇温用循環経路と降温用熱交換器を備えた降温用循環経路とをそれぞれ独立して設けると共に、昇温用循環経路から炉内への雰囲気ガス導入口と降温用循環経路から炉内への雰囲気ガス導入口とをそれぞれ独立して設け、各雰囲気ガス導入口の近傍に開閉弁を設け、さらに昇温用循環経路及び降温用循環経路に、雰囲気ガスを雰囲気ガス導入口から炉内に導入することなく循環経路内で循環させるためのリターン経路を設けたことを特徴とするものである。
このように本発明では、雰囲気ガスの循環経路として昇温用循環経路と降温用循環経路とをそれぞれ独立して設けたことで、昇温から降温に切り替える際は、降温用循環経路は昇温用循環経路の蓄熱の影響を受けない。また、降温から昇温に切り替える際は、昇温用循環経路は降温用循環経路による冷却の影響を受けない。したがって、炉温変更に対して高い応答性を得ることができる。
しかも本発明では、昇温用循環経路及び降温用循環経路にそれぞれリターン経路を設けたので、その循環経路を炉温制御に使用しないときにリターン経路を使用して少量の雰囲気ガスを循環させることができ、切り替えに備えることができる。したがって、切り替え時に雰囲気ガスを迅速に昇温又は降温することができ、応答性がより向上する。
具体的には、本発明の炉温制御装置による炉温制御方法は、昇温時には昇温用循環経路の雰囲気ガス導入口近傍の開閉弁を開にして昇温用循環経路の雰囲気ガスを炉内に導入すると共に、降温用循環経路の雰囲気ガス導入口近傍の開閉弁を閉にして降温用循環経路の雰囲気ガスは炉内に導入することなくリターン経路を使用して降温用循環経路内を循環させ、降温時には降温用循環経路の雰囲気ガス導入口近傍の開閉弁を開にして降温用循環経路の雰囲気ガスを炉内に導入すると共に、昇温用循環経路の雰囲気ガス導入口近傍の開閉弁を閉にして昇温用循環経路の雰囲気ガスは炉内に導入することなくリターン経路を使用して昇温用循環経路内を循環させることを特徴とするものである。
本発明の炉温制御装置及び炉温制御方法によれば、炉温変更に対して高い応答性を得ることができる。
以下、図面に示す実施例に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図１は、本発明の炉温制御装置の全体構成を示す概念図である。ここでは、連続焼鈍炉の過時効帯の炉温を制御する例によって説明する。
同図に示す炉温制御装置には、連続焼鈍炉の過時効帯１の雰囲気ガスの循環経路として、雰囲気ガスを循環ブロワ２ａによって循環させる昇温用循環経路３ａと、雰囲気ガスを循環ブロワ２ｂによって循環させる降温用循環経路３ｂとが独立して設けられている。昇温用循環経路３ａは雰囲気ガスの昇温用に昇温用熱交換器４ａを備え、降温用循環経路３ｂは雰囲気ガスの降温用に降温用熱交換器４ｂを備えている。
また、昇温用循環経路３ａの先端には雰囲気ガスを過時効帯１内の雰囲気ガス導入ベッダ１ａに導入する雰囲気ガス導入口５ａが設けられ、その上流側近傍に開閉弁６ａが設けられている。同様に、降温用循環経路３ｂの先端には雰囲気ガスを過時効帯１内の雰囲気ガス導入ベッダ１ａに導入する雰囲気ガス導入口５ｂが設けられ、その上流側近傍に開閉弁６ｂが設けられている。これらの雰囲気ガス導入口５ａ，５ｂ及び開閉弁６ａ，６ｂは過時効帯１内の炉内ロール１ｂに対応させて複数設けられる。
さらに、昇温用循環経路３ａには、雰囲気ガスを雰囲気ガス導入口５ａから過時効帯１内に導入することなく昇温用循環経路３ａ内で循環させるためのリターン経路７ａが設けられ、その途中に開閉弁８ａが設けられている。同様に、降温用循環経路３ｂには、雰囲気ガスを雰囲気ガス導入口５ｂから過時効帯１内に導入することなく降温用循環経路３ｂ内で循環させるためのリターン経路７ｂが設けられ、その途中に開閉弁８ｂが設けられている。
また、昇温用循環経路３ａの基端には過時効帯１内の雰囲気ガスを昇温用循環経路３ａに吸引する雰囲気ガス吸引口９ａが設けられ、リターン経路７ａと昇温用循環経路３ａとの合流点１０ａと、雰囲気ガス吸引口９ａとの区間内の雰囲気ガス吸引口９ａ近傍に開閉弁１１ａが設けられている。同様に、降温用循環経路３ｂの基端には過時効帯１内の雰囲気ガスを降温用循環経路３ｂに吸引する雰囲気ガス吸引口９ｂが設けられ、リターン経路７ｂと降温用循環経路３ｂとの合流点１０ｂと、雰囲気ガス吸引口９ｂとの区間内の雰囲気ガス吸引口９ｂ近傍に開閉弁１１ｂが設けられている。
以上の構成において、過時効帯１の炉温を昇温する際は、昇温用循環経路３ａの雰囲気ガス導入口５ａ近傍の開閉弁６ａ及び昇温用循環経路３ａの雰囲気ガス吸引口９ａ近傍の開閉弁１１ａを開にして昇温用循環経路３ａの雰囲気ガスを過時効帯１内の雰囲気ガス導入ベッダ１ａに導入し、炉内ロール１ｂに吹き付ける。このとき、昇温用循環経路３ａのリターン経路７ａの開閉弁８ａは閉にし、循環ブロワ２ａの回転数は炉温制御に必要な雰囲気ガスの導入量に応じて制御する。
一方、降温用循環経路３ｂにおいては、その雰囲気ガス導入口５ｂ近傍の開閉弁６ｂ及び降温用循環経路３ｂの雰囲気ガス吸引口９ｂ近傍の開閉弁１１ｂを閉にすると共にリターン経路７ｂの開閉弁８ｂを開にし、リターン経路７ｂを使用して降温用の雰囲気ガスを循環させる。このとき、降温用循環経路３ｂの循環ブロワ２ｂの回転数は定格の５％程度まで低下させ、降温用循環経路３ｂを炉温制御に使用しないときは、少量の雰囲気ガスを循環させるウォーミングアップ状態とし、切り替えに備える。
次に、過時効帯１の炉温を降温する際は、ウォーミングアップ状態にあった降温用循環経路３ｂの雰囲気ガス導入口５ｂ近傍の開閉弁６ｂ及び降温用循環経路３ｂの雰囲気ガス吸引口９ｂ近傍の開閉弁１１ｂを開にして降温用循環経路３ｂの雰囲気ガスを過時効帯１内の雰囲気ガス導入ベッダ１ａに導入し、炉内ロール１ｂに吹き付ける。このとき、降温用循環経路３ｂのリターン経路７ｂの開閉弁８ｂは閉にし、循環ブロワ２ｂの回転数は炉温制御に必要な雰囲気ガスの導入量に応じて制御する。
一方、昇温用循環経路３ａにおいては、その雰囲気ガス導入口５ａ近傍の開閉弁６ａ及び昇温用循環経路３ａの雰囲気ガス吸引口９ａ近傍の開閉弁１１ａを閉にすると共にリターン経路７ａの開閉弁８ａを開にし、リターン経路７ａを使用して昇温用の雰囲気ガスを循環させる。このとき、昇温用循環経路３ａの循環ブロワ２ａの回転数は定格の５％程度まで低下させ、昇温用循環経路３ａを炉温制御に使用しないときは、少量の雰囲気ガスを循環させるウォーミングアップ状態とし、切り替えに備える。
以上のように、それぞれ独立した昇温用循環経路３ａ及び降温用循環経路３ｂを使用して雰囲気ガスを昇温及び降温し過時効帯１の炉温を制御することで、切り替え前の昇温及び降温操作の影響を受けることなく、雰囲気ガスを昇温及び降温して過時効帯１に導入できるので、炉温変更に対して高い応答性を得ることができる。さらに、昇温用循環経路３ａ及び降温用循環経路３ｂを炉温制御に使用しないときは、リターン経路７ａ，７ｂを使用して少量の雰囲気ガスを循環させ、ウォーミングアップ状態とするので、切り替え時の応答性も向上する。
本発明は、連続焼鈍炉の炉温制御だけでなく、あらゆる種類の炉の炉温制御に利用できる。
１ 過時効帯（炉）
１ａ 雰囲気ガス導入ヘッダ
１ｂ 炉内ロール
２ａ，２ｂ 循環ブロワ
３ａ 昇温用循環経路
３ｂ 降温用循環経路
４ａ 昇温用熱交換器
４ｂ 降温用熱交換器
５ａ，５ｂ 雰囲気ガス導入口
６ａ，６ｂ 開閉弁
７ａ，７ｂ リターン経路
８ａ，８ｂ 開閉弁
９ａ，９ｂ 雰囲気ガス吸引口
１０ａ，１０ｂ 合流点
１１ａ，１１ｂ 開閉弁
２０ 循環ブロワ
２１ 循環経路
２１ａ 雰囲気ガス導入口
２２ 昇温用熱交換器
２３ 降温用熱交換器
２４ 開閉弁
１ａ 雰囲気ガス導入ヘッダ
１ｂ 炉内ロール
２ａ，２ｂ 循環ブロワ
３ａ 昇温用循環経路
３ｂ 降温用循環経路
４ａ 昇温用熱交換器
４ｂ 降温用熱交換器
５ａ，５ｂ 雰囲気ガス導入口
６ａ，６ｂ 開閉弁
７ａ，７ｂ リターン経路
８ａ，８ｂ 開閉弁
９ａ，９ｂ 雰囲気ガス吸引口
１０ａ，１０ｂ 合流点
１１ａ，１１ｂ 開閉弁
２０ 循環ブロワ
２１ 循環経路
２１ａ 雰囲気ガス導入口
２２ 昇温用熱交換器
２３ 降温用熱交換器
２４ 開閉弁
Claims (2)
- 炉の雰囲気ガスの循環経路として、昇温用熱交換器を備えた昇温用循環経路と降温用熱交換器を備えた降温用循環経路とをそれぞれ独立して設けると共に、昇温用循環経路から炉内への雰囲気ガス導入口と降温用循環経路から炉内への雰囲気ガス導入口とをそれぞれ独立して設け、各雰囲気ガス導入口の近傍に開閉弁を設け、さらに昇温用循環経路及び降温用循環経路に、雰囲気ガスを雰囲気ガス導入口から炉内に導入することなく循環経路内で循環させるためのリターン経路を設けた炉温制御装置。
- 請求項１に記載の炉温制御装置による炉温制御方法であって、
昇温時には昇温用循環経路の雰囲気ガス導入口近傍の開閉弁を開にして昇温用循環経路の雰囲気ガスを炉内に導入すると共に、降温用循環経路の雰囲気ガス導入口近傍の開閉弁を閉にして降温用循環経路の雰囲気ガスは炉内に導入することなくリターン経路を使用して降温用循環経路内を循環させ、
降温時には降温用循環経路の雰囲気ガス導入口近傍の開閉弁を開にして降温用循環経路の雰囲気ガスを炉内に導入すると共に、昇温用循環経路の雰囲気ガス導入口近傍の開閉弁を閉にして昇温用循環経路の雰囲気ガスは炉内に導入することなくリターン経路を使用して昇温用循環経路内を循環させる炉温制御方法。
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6141725A (ja) * | 1984-08-04 | 1986-02-28 | Kawasaki Steel Corp | 連続焼鈍炉のハ−スロ−ル温度制御方法 |
| JPH06336623A (ja) * | 1993-05-28 | 1994-12-06 | Toshiba Corp | 循環媒体の温度制御装置 |
| JP2005226157A (ja) * | 2004-01-14 | 2005-08-25 | Nippon Steel Corp | 連続焼鈍炉の炉温制御方法および炉温制御装置 |
| JP2007092140A (ja) * | 2005-09-29 | 2007-04-12 | Nippon Steel Corp | 鋼帯連続処理設備における均熱炉操業方法およびその均熱炉 |
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2007
- 2007-10-22 JP JP2007273913A patent/JP5001784B2/ja not_active Expired - Fee Related
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