JP2009095258A - 茶飲料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】非重合体カテキン類を高濃度に含有し、風味が良好な茶飲料をより一層効率よく製造する方法を提供すること。
【解決手段】カラム型抽出機内に、不発酵茶、半発酵茶及び発酵茶から選ばれる少なくとも1種の茶を仕込み、−5〜15℃の水で抽出して抽出液Aを調製し(第1工程)、次いで該第1工程の抽出残渣を1〜10分で50〜100℃に昇温し(第2工程)、次いで昇温した抽出残渣に50〜100℃の熱水を供給して1パス法により抽出液Bを排出し(第3工程)、そして抽出液Aと抽出液Bとを混合し殺菌処理する(第4工程)ことを含む茶飲料の製造法。
【選択図】なし

Description

本発明は非重合体カテキン類を高濃度に含有した茶飲料の製造法に関する。
お茶に含まれるカテキン類は、コレステロール上昇抑制作用やαアミラーゼ活性阻害作用等を有することが報告されている。お茶を飲むことにより、このようなカテキン類の生理効果を得るためには、より簡便にカテキン類を大量に摂取ことが必要であるため、カテキン類を高濃度に含有した飲料の開発が望まれていた。
その方法の一つとして、例えば、濃厚な茶抽出液や、市販の茶抽出液の濃縮物及びその精製物(以下、「カテキン製剤」という)などを利用して、カテキン類を飲料に溶解状態で添加する方法が知られている。濃厚な茶抽出液や、精製を行っていないカテキン製剤を用いる場合、飲料の加熱殺菌の際に異臭が発生し、また溶解したカテキン類が苦味、雑味を呈することから、カテキン製剤を多量に添加した飲料は、異臭、苦味、雑味が強すぎるものとなってしまう。カテキン類の生理効果を得るためには、長期的あるいは日常的に飲用する必要があるにもかかわらず、上記方法により得られた飲料は満足できるものではなかった。
このような問題を解決すべく、高濃度にカテキン類を含有し、加熱殺菌時の異臭の発生や雑味を低減させた茶飲料の効率的な製造法として、緑茶葉を10℃未満の水で抽出し、次いでその抽出残渣を50℃以上の温水で抽出し、そしてこれらの抽出液を混合して殺菌処理する方法が提案されている(特許文献1)。
特開2003−219799号公報
上記製造法によれば、加熱殺菌時の異臭の発生や雑味を低減させた風味のよい茶飲料を得ることができるが、抽出残渣が低温状態にあるためこの抽出残渣を用いて高温抽出するには抽出液を加熱しながら循環抽出する必要がある。その場合、循環時間が短過ぎると抽出残渣が充分に昇温していないためカテキン類の抽出率が低下し、他方循環時間が長過ぎると風味、特に香味が低下しやすくなるため、抽出条件を厳密に管理する必要があり、必ずしも効率的な製造法とは言い難く、改善の余地がある。
そこで、本発明は、非重合体カテキン類を高濃度に含有し、風味が良好な茶飲料をより一層効率よく製造する方法、及びこの製造法により得られた茶飲料を容器に充填してなる容器詰飲料を提供することを目的とする。
本発明者は、抽出手法について種々検討した結果、茶を低温の水で抽出し、次いでその抽出残渣を温水で抽出し、そしてそれらの抽出液を混合し殺菌処理する茶飲料の製造法において、上記抽出残渣を温水で抽出する前に抽出残渣を急速に昇温し、次いでいわゆる1パス法により抽出することで、非重合体カテキン濃度が高く、しかも風味の良好な茶飲料が短時間で効率よく得られることを見出した。
すなわち、本発明は、カラム型抽出機内に、不発酵茶、半発酵茶及び発酵茶から選ばれる少なくとも1種の茶を仕込み、−5〜15℃の水で抽出して抽出液Aを調製し(第1工程)、次いで該第1工程の抽出残渣を1〜10分で50〜100℃に昇温し(第2工程)、次いで昇温した抽出残渣に50〜100℃の熱水を供給して1パス法により抽出液Bを排出し(第3工程)、そして抽出液Aと抽出液Bとを混合し殺菌処理する(第4工程)ことを含む茶飲料の製造法、及び当該方法により得られる茶飲料を容器に充填してなる容器詰飲料を提供するものである。
本発明によれば、高濃度の非重合体カテキン類を含有し、香味が豊富で雑味が少なく、加熱殺菌後の異臭の発生が抑制された風味のよい茶飲料が効率よく製造することができる。これにより、非重合体カテキン類を大量に摂取可能な飲みやすい高濃度カテキン含有容器詰飲料を提供することができる。
(第1工程)
本発明に係る第1工程は、カラム型抽出機を用いて、茶を−5〜15℃の水で抽出して抽出液Aを調製する工程である。
カラム型抽出機としては、内部に茶を保持するための茶保持板と、抽出用水の供給口と、茶抽出液の抜き出し口とを備えるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、カラム型抽出機の上方から抽出用水を供給するタイプ、下方から抽出用水を供給するタイプ、あるいは双方から抽出用水を供給可能なタイプ等が利用できる。
カラム型抽出機としては、例えば、図1に示すような閉鎖型抽出カラム(以下、単に「カラム」ともいう)を用いることができる。図1に示すカラムは、抽出用の水を送給するためのポンプ1と、抽出用の熱水を送給するためのポンプ2と、茶を抽出するための閉鎖型抽出カラム3と、茶抽出液を冷却するための抽出液冷却用熱交換器7と、抽出液を回収するためのタンク8を備えており、抽出カラム3内には茶4を保持するため2つの茶保持板5、6が装着されている。
茶保持板としては茶と茶抽出液とを分離できるものであれば特に限定されないが、金網(メッシュ)が好ましく、フラット、円錐状、角錐状等の形状のものを用いることができる。また、金網のメッシュサイズは、実質的に仕込んだ茶と茶抽出液との分離の点から、18〜100メッシュであるのが好ましい。
カラムの高さ(h)と内径(d)との比率(h/d)は1〜20が好ましく、より好ましくは2〜12である。かかる比率が小さすぎると径方向における温度差が大きくなり非重合体カテキン類の抽出効率が向上し難くなり、他方大きすぎると茶が閉塞して通液し難くなるとともに苦味が多くなる。ここで、本発明において、カラムの高さ(h)とは、カラム内に充填された茶が抽出用の水と接触可能なカラム内における有効高さをいい、図1に示す抽出カラムの場合には茶保持板間の距離に相当する。
本工程においては、このような閉鎖型のカラムを用いることで、香味成分を十分に回収することができる。
茶としては、不発酵茶、半発酵茶及び発酵茶から選ばれる少なくとも1種の茶を使用する。不発酵茶としては、Camellia属、例えば、C.sinensis、C.assamica、やぶきた種、又はそれらの雑種から得られる茶から製茶された、煎茶、番茶、玉露、てん茶、釜入り茶等の緑茶類が挙げられる。半発酵茶又は発酵茶としては、Camellia属、例えばC.sinensis、C.assamica、やぶきた種、若しくはそれらの雑種から得られる茶から半発酵又は発酵工程を経て製茶された、紅茶、烏龍茶、黒茶等が挙げられる。中でも、緑茶は非重合体カテキン類の含有量が多く好ましい。また、本発明においては、茶葉だけなく、茎茶や芽茶も用いることができ、これらを混合して用いてもよい。
抽出に使用する水は水道水、蒸留水、イオン交換水等を適宜選択することができるが、味の面からイオン交換水が好ましい。また、抽出に使用する水に、アスコルビン酸又はその塩、重曹等を添加してもよい。
水の供給速度をカラム断面積で割った値、すなわちカラム内の水の線速度は、好ましくは1〜20cm/min、より好ましくは2〜15cm/min、更に好ましくは3〜10cm/minである。これにより、茶が圧密となって閉塞するのを防止して効率的に抽出することができる。
水の温度は−5〜15℃であるが、このような水温で抽出することでアミノ酸等の風味成分の比率が高い抽出液を得ることができる。−5℃よりも低いと、抽出する水は塩類を添加しても凍結してしまい、供給することができない。一方、水温が高過ぎると加熱殺菌後の風味、特に香味が悪化する傾向にあるため、2〜14℃、特に3〜14℃とすることが望ましい。
抽出方法としては、所定量の水をタンクに入れてカラムに循環供給する、いわゆる循環法や、抽出用の水をカラムの一方側から供給して他方側から抽出液を排出する、いわゆる1パス法などを採用することができる。ここで、本明細書において、「循環法」とは、茶から得られた抽出液をカラム抽出機内に再度戻し、この操作を繰り返し行う抽出法をいい、また「1パス法」とは抜き出した抽出液をカラム抽出機内に再度戻すことなく、一度の通水により抽出する抽出法をいう。また、通水方向としては、抽出用の水をカラム下方から上方に通水(上昇流)しても、カラム上方から下方に通水(下降流)してもよいが、茶が圧密化によりカラムが閉塞することを防止可能な上昇流が好ましい。
抽出倍率、すなわち(抽出液質量)/(茶仕込み質量)は、好ましくは5〜40、より好ましくは10〜25である。これにより、抽出液中の非重合体カテキン濃度を高めることができる。また、抽出時間は抽出方法や抽出スケールにより一様ではないが、好ましくは2〜60分、より好ましくは5〜30分である。
(第2工程)
本発明に係る第2工程においては、第1工程の抽出残渣を1〜10分で50〜100℃、好ましくは65〜100℃になるように昇温する。100℃を越えると抽出残渣中の抽出液が蒸発してしまうため好ましくない。10分を超えて上記温度に昇温すると、第3工程で得られる抽出液Bの苦味及び雑味が増加する。かかる観点から、昇温時間は、好ましくは3〜10分、より好ましくは3〜8分である。なお、本発明において、抽出残渣の温度とは、カラム上部とカラム下部における抽出残渣の温度を測定したときの平均値である。
抽出残渣を昇温する方法としては、例えば、図1に示すように、飽和水蒸気、過熱水蒸気等の水蒸気をカラムの外周面に設けられたジャケットの一方側から供給し他方側から排出する方法が利用できる。この場合、排出された水蒸気を凝縮回収する必要はなく、また水蒸気の供給方向はカラム上部からでも、下部からでもよい。供給する水蒸気の温度は、好ましくは60〜180℃、より好ましくは80〜120℃である。温度が低過ぎると非重合体カテキン類の抽出効率が向上し難い傾向にあり、他方高過ぎると第3工程で得られる抽出液Bの苦味が増加しやすくなる。
また、他の昇温方法として、カラム内に設置した複数の電極間に電圧をかけて抽出残渣を直接発熱させる方法を利用することができる。この場合、茶成分の分解を防ぐために、直流電圧よりも交流電圧を用いるのが好ましい。
(第3工程)
本発明に係る第3工程は、昇温後の抽出残渣に50〜100℃の熱水を供給して1パス法により抽出液Bを排出する工程である。第2工程で抽出残渣が昇温されているため、非重合体カテキン類の濃度が高く、風味のよい抽出液を得ることができる。かかる観点から、供給する熱水の温度は、65〜100℃が好ましい。50℃よりも低いと抽出液の香味が少なくなり、また非重合体カテキン類濃度が高い抽出液が得られない。100℃を越えると抽出液が沸騰しないように加圧して操作する必要があるため好ましくない。なお、本工程を循環法により行うと、非重合体カテキン類濃度は本工程の1パス法と同程度であるが、抽出液が高温にさらされる時間が長くなるため苦味及び雑味が多く香味が少なくなってしまう。
水の供給速度をカラム断面積で割った値、すなわちカラム内の水の線速度は、好ましくは1〜20cm/min、より好ましくは2〜15cm/min、更に好ましくは3〜10cm/minである。これにより、茶が圧密となって閉塞するのを防止して効率的に抽出することができる。
通液方向は、上昇流でも下降流でもよいが、膨潤した茶の抵抗による閉塞を防止するために、上昇流が好ましい。抽出倍率は、苦味抑制の観点から、好ましくは5〜40、より好ましくは10〜25である。また、抽出時間は抽出スケールなどにより一様ではないが、好ましくは2〜45分、より好ましくは5〜30分である。
(第4工程)
本発明に係る第4工程は、第1工程で得られた抽出液Aと、第3工程で得られた抽出液Bとを混合する工程である。抽出液Aと抽出液Bとの混合割合は、目的とする茶飲料の期待する生理効果や呈味に応じて適宜決定することができるが、抽出液Aと抽出液Bとの混合質量比(A/B)は、茶飲料中の非重合体カテキン類濃度の確保、及び風味の維持の点から、4/1〜1/6が好ましく、より好ましくは2/1〜1/3である。
次に、上記混合液を殺菌処理する。殺菌方法としては、飲料を製造する一般的な方法であるUHT殺菌やレトルト殺菌等の加熱殺菌が挙げられ、容器等に充填した後に行ってもよいし、充填前に行ってもよい。より具体的には、例えば、金属缶、瓶などのように容器に充填後加熱殺菌できる場合にあっては、食品衛生法に定められた殺菌条件で行なわれる。ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)や、金属箔又はプラスチックフィルムにより複合化された紙容器のようにUHT殺菌やレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器等で高温短時間殺菌後、一定温度まで冷却して容器に充填する等の方法が採用される。更に、酸性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを中性に戻すことや、中性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを酸性に戻すなどの操作も可能である。
このようにして、高濃度の非重合体カテキン類を含有しながらも、香味が豊かで雑味が少なく、加熱殺菌後の異臭発生が抑制された風味のよい容器詰茶飲料を製造することができる。ここで、非重合体カテキン類とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート等の非エピ体カテキン類及びエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類をあわせての総称であり、非重合体カテキン類の濃度は、上記の8種の合計量に基づいて定義される。
本発明の容器詰茶飲料は非重合体カテキン類を、好ましくは0.05〜0.6質量%、より好ましくは0.092〜0.4質量%、更に好ましくは0.12〜0.3質量%含有する。この範囲にあると多量の非重合体カテキン類を摂取しやすくなる。
本発明の容器詰茶飲料には、更に酸化防止剤、香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、苦味調整剤、酸味料、pH調整剤、品質安定剤等の添加剤を単独で又は2種以上を組み合わせて配合してもよい。
甘味料としては、例えば、砂糖、ぶどう糖、果糖、異性化液糖、グリチルリチン、ステビア、アスパルテーム、スクラロース、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖が挙げられる。苦味調整剤としては、シクロデキストリンに代表される環状デキストリンが挙げられる。環状デキストリンとしては、α−、β−、γ−シクロデキストリン及び、分岐のシクロデキストリンが使用できる。酸味料としては、例えば、天然成分から抽出した果汁類のほか、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、リン酸が挙げられる。無機酸類、無機酸塩類としては、例えば、リン酸、リン酸二ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム等が挙げられ、有機酸類、有機酸塩類としては、例えば、クエン酸、コハク酸、イタコン酸、リンゴ酸、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
また、本発明の容器詰茶飲料には、抗酸化剤としてのアスコルビン酸又はその塩を抽出後に添加することができる。容器詰茶飲料中におけるアスコルビン酸又はその塩の濃度は、抗酸化効果及び味の点から、好ましくは0.01〜0.2質量%が好ましく、より好ましくは0.02〜0.15質量%、更に好ましくは0.03〜0.1質量%である。
(非重合体カテキン類の測定)
抽出液又は飲料をイオン交換水で100gに希釈した後、メンブランフィルター(0.8μm)でろ過し、次いで蒸留水で希釈した試料を、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム L−カラムTM ODS(4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着した、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP)を用いて、カラム温度35℃でグラジエント法により測定した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有の蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有のアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
濃度勾配条件(体積%)
時間 移動相A 移動相B
0分 97% 3%
5分 97% 3%
37分 80% 20%
43分 80% 20%
43.5分 0% 100%
48.5分 0% 100%
49分 97% 3%
62分 97% 3%
(抽出装置)
茶飲料の製造に用いた抽出装置の一例として、ジャケットを備えた円筒状ステンレス製カラム抽出装置を図1に示す。抽出装置は、抽出用の水を送給するためのポンプ1と、抽出用の熱水を送給するためのポンプ2と、茶を抽出するための閉鎖型抽出カラム3と、茶抽出液を冷却するための抽出液冷却用熱交換器7と、抽出液を回収するためのタンク8を備えており、抽出カラム3内には茶4を保持するため2つの茶保持板5、6が装着されている。また、抽出カラム3の外周面には、水蒸気を供給するためのジャケット9が設けられている。
(実施例1)
内径97mm高さ200mmの円筒状ステンレス製カラム型抽出機内に緑茶葉267gを仕込み、カラム下方から上方に6℃の水を0.42L/minで供給しながら連続的に抽出液を抜き出し、8分後に抽出液A3336gを得た。次いで、カラムに設けられたジャケット下方から上方に100℃の飽和水蒸気を0.57kg/hで8分間供給した。水蒸気供給後の抽出残渣(茶葉)の温度は、カラム上部が93℃、カラム下部が97℃、平均して95℃であった。次いでカラム下方から上方に70℃の熱水を0.42L/minで供給し、カラム上部から1パスで抽出液を抜き出した。 9.5分間抽出し、抽出液B4000gを得た。抽出液A800gと抽出液B960gとを混合し、重曹でpH(25℃)を6.3に調整し、イオン交換水を加えて総量を4000gにした。これを130℃30秒間UHT殺菌しPETボトルに充填して容器詰茶飲料を得た。茶飲料の製造条件、非重合体カテキン濃度を表1に示す。
(実施例2)
飽和水蒸気の供給時間を5分としたこと以外は、実施例1と同条件で容器詰飲料を得た。なお、水蒸気供給後の抽出残渣(茶葉)の温度は、カラム上部が55℃、カラム下部が95℃、平均して75℃であった。茶飲料の製造条件、非重合体カテキン濃度を表1に示す。
(実施例3)
内径48mm高さ540mmの円筒状樹脂(ポリエーテルイミド)製カラム型抽出機内に緑茶葉150gを仕込み、カラム下方から上方に14℃の水を0.15L/minで供給しながら連続的に抽出液を抜き出し、18分後に抽出液A2250gを得た。次いで、カラム上部・中間部・下部に設置した内径48mmのリング状電極に交流電圧500Vを印加した。7分後に抽出残渣(茶葉)温度は、カラム上部が92℃、カラム下部が52℃、平均して72℃に達した。次いでカラム下方から上方に75℃の熱水を0.15L/minで供給し、カラム上部から1パスで抽出液を抜き出した。18分間抽出し、抽出液B2250gを得た。抽出液A960gと抽出液B960gとを混合し、重曹でpH(25℃)を6.3に調整し、イオン交換水を加えて総量を4000gにした。これを130℃30秒間UHT殺菌しPETボトルに充填して容器詰茶飲料を得た。茶飲料の製造条件、非重合体カテキン濃度を表1に示す。
(比較例1)
実施例1と同様にして6℃で抽出し、抽出液A3340gを得た。次いで、抽出残渣(茶葉)を昇温することなく、カラム下方から上方に70℃の熱水を0.42L/minで供給し、カラム上部から1パスで抽出液を抜き出した。9.5分間抽出し、抽出液C4009gを得た(本発明に係る昇温工程を経ずに熱水抽出した抽出液を抽出液Cと称する。以下同じ)。抽出液A800gと抽出液C960gとを混合し、重曹でpH(25℃)を6.3に調整し、イオン交換水を加えて総量を4000gにした。これを130℃30秒間UHT殺菌しPETボトルに充填して容器詰茶飲料を得た。茶飲料の製造条件、非重合体カテキン濃度を表1に示す。
(比較例2)
内径70mm高さ400mmの円筒状ステンレス製カラム型抽出機に緑茶葉100gを仕込み、2℃の水1500gを0.5L/minで10分間上昇流で循環抽出し、抽出液A1313gを得た。次いで、70℃の熱水1500gを0.5L/minで20分間上昇流で循環抽出し、抽出液C1368gを得た。抽出液A850gと抽出液C850gを混合し、重曹でpHを6.3に調整し、イオン交換水を加えて総量を4000gにした。これを130℃30秒間UHT殺菌してPETボトルに充填して容器詰茶飲料を得た。茶飲料の製造条件、非重合性カテキン濃度を表1に示す。
(比較例3)
飽和水蒸気の供給量を0.3kg/h、供給時間を15分としたこと以外は、実施例1と同条件で容器詰飲料を得た。なお、水蒸気供給後の抽出残渣(茶葉)の温度は、カラム上部が88℃、カラム下部が96℃、平均して92℃であった。茶飲料の製造条件、非重合体カテキン濃度を表1に示す。
(比較例4)
第3工程の熱水温度を45℃としたこと以外は、実施例1と同条件で容器詰飲料を得た。なお、水蒸気供給後の抽出残渣(茶葉)の温度は、カラム上部が90℃、カラム下部が98℃、平均して94℃であった。茶飲料の製造条件、非重合体カテキン濃度を表1に示す。
(比較例5)
第3工程を循環抽出で行った以外は、実施例1と同条件で容器詰飲料を得た。なお、水蒸気供給後の抽出残渣(茶葉)の温度は、カラム上部が90℃、カラム下部が94℃、平均して92℃であった。茶飲料の製造条件、非重合体カテキン濃度を表1に示す。
各実施例及び比較例で得られた容器詰茶飲料について、4名の専門パネラーによる官能試験を行った。官能試験は、比較例2で得られた容器詰飲料を比較対象とし、風味(香味、雑味、加熱殺菌臭)について下記の基準で評価した。評価結果を表1に示す。
(評価基準)
◎:非常に良好。〇:良好。△:基準(比較例2)と同等。×:不良。
Figure 2009095258
実施例1〜3においては、第2工程で抽出残渣を昇温し、かつ第3工程で1パス法により抽出することで非重合体カテキン濃度の高い容器詰飲料が得られた。また、得られた容器詰飲料は、香味が豊富で雑味が少なく、風味良好であった。これに対し、比較例1の容器詰飲料は非重合体カテキン濃度が低く、加熱殺菌臭の生成がみられた。比較例3の容器詰飲料は雑味と苦味が多かった。比較例4の容器詰飲料は香味が少なく非重合体カテキン類濃度が低かった。比較例5の容器詰飲料は香味が少なく雑味も多かった。
本発明の製造方法に使用可能な抽出装置の一例を示す模式図である。
符号の説明
1 抽出水供給用ポンプ
2 抽出熱水供給用ポンプ
3 閉鎖型抽出カラム
4 茶
5 茶保持板
6 茶保持板
7 抽出液冷却用熱交換器
8 抽出液回収タンク
9 水蒸気を供給するためのジャケット

Claims (6)

  1. カラム型抽出機内に、不発酵茶、半発酵茶及び発酵茶から選ばれる少なくとも1種の茶を仕込み、−5〜15℃の水で抽出して抽出液Aを調製し(第1工程)、次いで該第1工程の抽出残渣を1〜10分で50〜100℃に昇温し(第2工程)、次いで昇温した抽出残渣に50〜100℃の熱水を供給して1パス法により抽出液Bを排出し(第3工程)、そして抽出液Aと抽出液Bとを混合し殺菌処理する(第4工程)ことを含む茶飲料の製造法。
  2. 第2工程において、水蒸気をカラム型抽出機に設けられたジャケットの一方側から供給し他方側から排出して抽出残渣を昇温する請求項1記載の茶飲料の製造法。
  3. 第3工程において、カラム型抽出機の下方から上方に熱水を供給する請求項1又は2記載の茶飲料の製造法。
  4. 茶が緑茶の葉、茎及び芽から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか一項に記載の茶飲料の製造法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造法により得られた茶飲料を容器に充填してなる、容器詰茶飲料。
  6. 非重合体カテキン類濃度が0.05〜0.6質量%である、請求項5記載の容器詰飲料。
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JP2017531436A (ja) * 2014-10-22 2017-10-26 ザ コカ・コーラ カンパニーThe Coca‐Cola Company 異なる味を有する茶葉抽出物を調製するための方法

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