JP2009091655A - フェライト系快削ステンレス鋼 - Google Patents

フェライト系快削ステンレス鋼 Download PDF

Info

Publication number
JP2009091655A
JP2009091655A JP2008235819A JP2008235819A JP2009091655A JP 2009091655 A JP2009091655 A JP 2009091655A JP 2008235819 A JP2008235819 A JP 2008235819A JP 2008235819 A JP2008235819 A JP 2008235819A JP 2009091655 A JP2009091655 A JP 2009091655A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel
sulfide
stainless steel
corrosion resistance
machinability
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008235819A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiro Eto
寿郎 江渡
Tetsuya Shimizu
哲也 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daido Steel Co Ltd filed Critical Daido Steel Co Ltd
Priority to JP2008235819A priority Critical patent/JP2009091655A/ja
Priority to DE200810048050 priority patent/DE102008048050A1/de
Publication of JP2009091655A publication Critical patent/JP2009091655A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Abstract

【課題】被削性と耐食性との相反する両特性を共に良好となし得るフェライト系快削ステンレス鋼を提供する。
【解決手段】フェライト系快削ステンレス鋼を、質量%でC :≦0.200%,Si:0.01〜5.00%,Mn:0.01〜2.50%,S :0.05〜0.50%,Ni:≦5.0%,Cr:7.5〜30.0%,Mo:≦5.0%,N :≦0.050%,O :≦0.0150%,Ti:≦0.30%,Zr:0.01〜1.00%,残部Fe及び不可避的不純物の組成を有し、硫化物形成するMnの一部をZrで置換した形態のZr系硫化物を鋼中に生成させたものとする。
【選択図】 図1

Description

この発明はフェライト系快削ステンレス鋼に関する。
フェライト系ステンレス鋼は、優れた耐食性を有する一方で、高合金鋼であるために削り難いといった難点がある。
近年、フェライト系ステンレス鋼が弱電製品の部品素材として広く用いられるようになって来ているが、この場合、寸法精度確保のために精密な仕上加工が要求される部品や、複雑形状の部品では機械加工性が大きな問題となり、フェライト系ステンレス鋼に優れた被削性が求められる。
そこで鋼に快削成分としてのSを添加することが行われる。鋼にSを添加することで鋼中でMnSを介在物として生成させ、切削時に介在物への応力集中効果によって被削性を高めることができる。
しかしながらMnS介在物を生成した鋼はステンレス鋼の最大の特徴である優れた耐食性を低下させる問題を有している。
ところでステンレス鋼の場合、鋼中に含まれるCrの一部がMnの一部を置換する形で硫化物中に入り込んで来る。
CrはMnに比べて硫化物形成傾向が小さいが、ステンレス鋼の場合にはCrが鋼中に多く含まれているため、その一部がMnに置換した形で硫化物に入り込んでくるのである(但しその置換量は鋼中のMn量,Cr量の大小によって異なってくる)。
そこで耐食性をより重視する場合にはMn添加量を制限し、硫化物中のMn濃度を低くしてCr濃度を高くし(Crリッチにする)、(Mn,Cr)S形態の硫化物を積極的に生成させることも従来行われている。
このように硫化物中のMn濃度を低くし、Cr濃度を高くした場合、(Mn,Cr)Sが化学的により安定であることから耐食性は向上する。しかしながら一方で被削性は大きく低下してしまう。
鋼の被削性は硫化物の形態が丸く且つ大きい方が良いとされており、この点MnSは図1の模式図(イ)に示しているように、その形態が比較的丸い紡錘形で且つ大きい形態をなしており、被削性が良好である。
ところが(Mn,Cr)Sは、図1の模式図の(ロ)に示しているように細く且つ長い紐状形態をなしており、被削性を高める働きが弱いものとなる((Mn,Cr)Sは熱間圧延時に圧延方向に非常に延び易い性質を持っている)。
こうしたことから、硫化物の形態を制御することが重要であるとの観点の下に、Mnよりも硫化物形成傾向の強いTiを鋼に添加し、快削性を付与する試みがなされている(例えば下記特許文献1)。
しかしながら鋼にTiを添加した場合、鋼の組成によっては鋼中にTiSとMnS(厳密には(Mn,Cr)S)の2種の介在物を生成させてしまう。
これは次の理由に基づく。
MnSは、鋼中で図2(A)に示すNaCl型の結晶構造(立方晶)をとり、一方TiSは鋼中で図2(B)に示すNiAs型の結晶構造(六方晶)をとる。
従ってMnSとTiSは同一種の硫化物を鋼中で生成できず、鋼中にTiSとMnSの2種類の硫化物が生成してしまう。
つまり鋼にTiを添加して硫化物を形成しても、鋼中に依然としてMnSが生成し残ってしまう(Mn無添加の鋼の場合は、TiSのみの生成も可能だが、工業的コストの面から、Mnを無添加にすることはあり得ない)。
この場合、TiSは化学的に安定な物質であって鋼の耐食性を特に悪化させるものではなく、またその形態も、図1の模式図(ハ)に示しているように比較的丸い形態のものであるが、その大きさは小さく、そのためTiSによっては鋼の被削性を十分に高くすることができない。
一方鋼中に残るMnSは、上記したように耐食性を悪化させてしまう。
尚、本発明に対する先行技術文献として他に下記特許文献2,特許文献3,特許文献4があり、そこに本発明に似た組成のステンレス鋼が開示されている。
特許文献2の発明はフェライト系快削ステンレス鋼に関するもので、その請求項5にはOを0.005〜0.015%含有する点が、また請求項7にはZrを0.005〜0.3%含有する点が開示されている。
しかしながらこの特許文献2に開示のものは、凝固時の脱酸生成物を粗大なMnO−CrO系にすることで被削性を向上させるためにOを有用な元素として積極的に添加しているもので、基本的な技術的思想において本発明とは異なるものである。
またこの特許文献2の発明ではZrを炭窒化物の生成に加え、硫化物を均一に微細分散させて被削性及び冷間鍛造性を向上させるために添加するものとしているが、そこには硫化物形成するMnの一部をZrで置換した形態のZr系硫化物を生成させるといった本発明の技術的思想は開示されておらず、この点においても特許文献2に開示のものは本発明とは別異のものである。
特許文献3の発明もまたフェライト系快削ステンレス鋼に関するもので、その請求項1にPを0.05超〜0.15質量%,Oを0.03質量%以下含有する点が、更に請求項3にはZrを0.8質量%以下含有する点が開示されている。
本発明はPの含有を否定するものではないが、本発明ではPを含有するとしてもその含有範囲が特許文献3のものとは全く異なったものであり、更にこの特許文献3の発明もまたOを硫化物生成時に核となる酸化物を形成し、そのことによって被削性を向上させるために含有させており、Oの有する意義が本発明とは全く異なっている。
またこの特許文献3の請求項3に記載のものは、Zrを含有させるものではあるものの、Zrの果たす役割が本発明とは基本的に異なっており、従ってこの特許文献3に開示のものも本発明とは別異のものである。
特許文献4の発明は、表面仕上性に優れた高耐食快削ステンレス鋼に関するもので、その請求項1にはOを0.005〜0.04%含有する点が、また請求項3にはZrを1.00%以下含有する点が開示されている。
しかしながらこの特許文献4に開示の発明もまた、Oを被削性改善に有用な元素として積極的に含有させているものであり、またZrの添加は、窒化物形成することによって耐食性改善するとともに熱間加工性を向上させることを目的として添加しているもので、基本的な考え方において本発明と異なったものである。
特開2005−139531号公報 特開2001−355048号公報 特開2005−60812号公報 特開2001−98352号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、被削性と耐食性との相反する両特性を共に良好となし得るフェライト系快削ステンレス鋼を提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1のものは、質量%でC :≦0.200%,Si:0.01〜5.00%,Mn:0.01〜2.50%,S :0.05〜0.50%,Ni:≦5.0%,Cr:7.5〜30.0%,Mo:≦5.0%,N :≦0.050%,O :≦0.0150%,Ti:≦0.30%,Zr:0.01〜1.00%,残部Fe及び不可避的不純物の組成を有し、硫化物形成するMnの一部をZrで置換した形態のZr系硫化物を鋼中に生成させていることを特徴とする。
尚、本発明において望ましい組成は質量%で
C :≦0.050%
Si:0.01〜3.00%
Mn:0.01〜2.00%
S :0.10〜0.45%
Ni:≦3.0%
Cr:12.0〜28.0%
Mo:≦3.0%
N :≦0.040%
O :≦0.0100%
Ti:≦0.20%
Zr:0.05〜0.80%
であり、より望ましい組成は
C :<0.030%
Si:0.01〜2.00%
Mn:0.01〜1.80%
S :0.20〜0.43%
Ni:≦2.0%
Cr:12.5〜25.0%
Mo:≦2.5%
N :≦0.030%
O :<0.0080%
Ti:<0.05%
Zr:0.05超〜0.60%
である。
請求項2のものは、質量%でC :≦0.200,Si:0.01〜5.00%,Mn:0.01〜2.50%,S:0.01〜0.50%,Ni:≦5.0%,Cr:7.5〜30.0%,Mo:≦5.0%,N:≦0.050%,O:≦0.0150%,Ti:≦0.30%,Zr:0.01〜1.00%で、更にPb:0.01〜0.30%,Bi:0.01〜0.15%,Te:0.01〜0.30%,Se:0.01〜0.40%,Sn:0.01〜0.10%,P:0.01〜0.05%,B:0.001〜0.03%の何れか1種又は2種以上を更に含有し、残部Fe及び不可避的不純物の組成を有し、硫化物形成するMnの一部をZrで置換した形態のZr系硫化物を鋼中に生成させていることを特徴とする。
尚、請求項2において、望ましい組成は質量%で
C :≦0.050%
Si:0.01〜3.00%
Mn:0.01〜2.00%
S :0.01〜0.45%
Ni:≦3.0%
Cr:12.0〜28.0%
Mo:≦3.0%
N :≦0.040%
O :≦0.0100%
Ti:≦0.20%
Zr:0.05〜0.80%
Pb:0.02〜0.25%
Bi:0.03〜0.15
Te:0.02〜0.28
であり、より望ましい組成は
C :<0.030%
Si:0.01〜2.00%
Mn:0.01〜1.80%
S :0.01〜0.43%
Ni:≦2.0%
Cr:12.5〜25.0%
Mo:≦2.5%
N :≦0.030%
O :<0.0080%
Ti:<0.05%
Zr:0.05〜0.60%
Pb:0.05〜0.20%
Bi:0.05〜0.15
Te:0.04〜0.26
である。
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、更に下記式(1),式(2)を満たしていることを特徴とする。
0.1≦[Mn]/[Zr]≦50 ・・・式(1)
300×[O]−[Zr]≦4.0 ・・・式(2)
(但し式中[ ]は対応する元素の含有質量%を表す)
請求項4のものは、請求項1〜3の何れかにおいて、質量%でW:0.01〜0.50%,Cu:0.01〜0.50%,の何れか1種又は2種を更に含有していることを特徴とする。
請求項5のものは、請求項1〜4の何れかにおいて、質量%でAl:0.01〜3.00%,V :0.01〜0.30%,Nb:0.01〜0.30%,の何れか1種又は2種以上を更に含有していることを特徴とする。
請求項6のものは、請求項1〜5の何れかにおいて、質量%でMg:0.0001〜0.0100%,Ca:0.0001〜0.0100%,REM:0.0001〜0.0100%の何れか1種又は2種以上を更に含有していることを特徴とする(但しREMは元素周期律表にて3A族として分類される金属元素の1種又は2種以上)。
発明の作用・効果
本発明は、所定組成のフェライト系ステンレス鋼において、O量を一定以下に規制した条件の下でZrを添加することにより、硫化物形成するMnの一部をZrで置換した形態のZr系硫化物を鋼中に生成させ、そのZr系硫化物の働きによって鋼に良好な被削性又は耐食性を与えることを技術的思想とするものである。
ZrはMnに比べて硫化物形成傾向の強い元素であり、O量一定以下の規制の下で鋼にZrを添加することでZrをSと結合させて硫化物を形成せしめる。
ここでZrはMnSと同じNaCl型の立方晶の結晶構造ZrSを形成するものであり、更に2つの介在物は格子定数も極めて近いため(ZrS:5.25nm,MnS:5.22nm)、ZrはMnS中の(厳密には(Mn,Cr)S中の)Mnの一部を置換する形でMnS中に固溶し、(Mn,Zr)S介在物(厳密には(Mn,Cr,Zr)S)を形成する。
Zrが固溶した(Mn,Zr)Sは、図1の模式図(ニ)に示しているように熱間圧延後においても鋼中で比較的丸い紡錘形状で存在し、またその大きさも大きなものであることが本発明者らの研究により判明した。
しかもこの(Mn,Zr)S介在物は化学的に安定で、鋼の耐食性を良好に保持し得ることが併せて判明した。
従って本発明のフェライト系ステンレス鋼は、従来相反する性質とされていた優れた被削性と耐食性とを共に具有するものである。
本発明では、添加したZrがMnの一部に置換してMnS(厳密には(Mn,Cr)S)に固溶する形で、それらMn,Crとともに同一種類の硫化物を形成する。
従って鋼にTi添加した場合のように、Tiが単独でTiS硫化物形成して、鋼中にこれとは別にMnSを残してしまうといったことがなく、MnSによる耐食性低下の問題も解消することができる。
本発明では、(Mn,Zr)S介在物を有効に形成する上で、請求項3に規定する上記の式(1),式(2)を満たすようにMn,Zr,Oの鋼中含有量を規制することが望ましい。
式(1)は鋼中のMn量とZr量との比率を規定するもので、Mn量とZr量とを式(1)に従って規定することで、フェライト系ステンレス鋼の被削性を耐食性を良好に維持しつつ効果的に高めることができる。
尚本発明では[Mn]/[Zr]を
0.5≦[Mn]/[Zr]≦10
とすることが望ましく、より望ましくは
0.5≦[Mn]/[Zr]≦5
とする。
一方式(2)は鋼中のOの量とZrの量とを規定するもので、これは次のような意味を有している。
Zrは酸化物形成傾向の大きい元素であり、鋼中にOが含まれていると、添加したZrがOと結合して硫化物形成に有用に用いられない。即ち本発明の目的とする(Mn,Zr)S介在物を有効に形成できない。
そこで本発明ではOとZrとの関係を上記式(2)を満たすように規制する。
本発明においてOとZrとの関係は、
300×[O]−[Zr]≦3.5
とすることが望ましく、より望ましくは
300×[O]−[Zr]≦2.5
とする。
更に望ましくは
300×[O]−[Zr]≦2.0
とする。
次に本発明における各成分の限定理由を以下に詳述する。
C :≦0.200%
Cは、侵入型元素であるために強度の向上に寄与する。一方0.200%を超えてC含有量が過剰になると、炭化物形成元素であるため炭化物を生成してしまう。中でもCr23Cは耐食性の向上に寄与する鋼中Crを使用する炭化物であるため、生成してしまうと耐食性を劣化させてしまう。また鋼中に生成する炭化物(Cr23C,ZrC,TiC等)は非常に硬質であるため、これら炭化物を含有した鋼は被削性が劣る。
Si:0.01〜5.00%
Siはフェライト生成元素であり、フェライト相維持のため0.01%以上含有させる必要がある。
一方5.00%を超える過剰な添加はσ相の析出を促進させ、熱間加工性、被削性を著しく劣化させる。
Mn:0.01〜2.50%
Mnは硫化物形成傾向の強い元素であり、一般的なS快削鋼の場合、MnS介在物として存在する。
今回の発明鋼のようなステンレス鋼中では(鋼中含有Cr量が高いため)、NaCl型結晶構造を有するMnS中でMn元素の代わりにCr元素が位置を占める(Mn,Cr)Sを形成する。そこでMn含有量が過剰であると(Mn,Cr)S中のMn濃度が高濃度(Mn量が過剰)になり、耐食性、アウトガス性の特性が著しく悪くなる。
S :0.05〜0.50%(請求項1),0.01〜0.50%(請求項2)
Sは被削性向上のために添加される重要な元素であり、本発明では0.05%以上の添加が必要である。一方、Sの過剰添加は熱間加工性を著しく害すため、0.50%を上限とする。
但し被削性の向上を、その他の快削元素とともに付与する場合には、Sの下限値を0.01%以上とすることができる。
Ni:≦5.0%
Niは、ステンレス鋼の酸性雰囲気下での耐食性向上に有効であるので添加することが好ましい。
一方、Niの過剰添加は、コストの上昇を招く。さらにNiは、オーステナイト生成元素であり、オーステナイト相の安定化に寄与するため5.0%を超える過剰な添加はフェライト単相を維持できず、熱間加工性、耐食性の面で劣ってしまう。
Cr:7.5〜30.0%
Crは耐食性、強度の向上に大きく寄与する重要な元素で、本発明では7.5%以上添加する。
一方、30.0%を超えるCrの過剰添加はCr炭窒化物の量を増大させ、ステンレス鋼そのものの耐食性を著しく低下させることに加え、Cr炭窒化物は非常に硬質であるため、これら炭窒化物を含有した鋼は被削性が劣る。また、今回の発明鋼のように、ステンレス鋼中では(鋼中含有Cr量が高いため)、NaCl型結晶構造を有するMnS中でMn元素の代わりにCr元素が位置を占める(Mn,Cr)Sを形成している。そこで鋼中Cr含有量が過剰であると、(Mn,Cr)S中のCr量が過剰になり、耐食性、アウトガス性の特性は向上するものの、被削性の特性が著しく悪くなる。
Mo:≦5.0%
Moは、耐食性の向上に大きく寄与する元素である。
一方、Moはσ相の析出を促進させ、熱間加工性、被削性を著しく劣化させるので5.0%以下とする。
N :≦0.050%
Nは、侵入型元素であるために、強度の向上に寄与する。一方、N含有量が過剰になると、窒化物を生成してしまう。中でもCrNは耐食性の向上に寄与する鋼中Crを使用する窒化物であるため、生成してしまうと耐食性を劣化させてしまう。また鋼中に生成する窒化物(CrN,ZrN,TiN等)は非常に硬質であるため、これら窒化物を含有した鋼は被削性が劣る。本発明では上限を0.050%とする。
O :≦0.0150%
酸素は鋼中で酸化物等として存在し、耐食性などを劣化させるため、必ず製造工程で脱酸処理を行い低減させておくことが望ましい。一方、酸素の過剰な低減処理はコストの上昇を招くので上記の上限以下とする。
Ti:≦0.30%
Tiは耐食性の向上に寄与する元素である。
一方窒化物形成傾向が強いTiの過剰な添加は、硬質で粗大なTiNを形成し易く、被削性に有害である。
さらにTiは硫化物形成傾向も強いので、Tiの過剰な添加はTi硫化物も生成してしまう。Ti硫化物はMnS等とは異なるNiAs型硫化物であるため、Ti添加はMnS硫化物の組成形態制御に寄与することはない。よってTi硫化物を生成してしまうと本発明鋼で目的とする(Mn,Cr,Zr)S量を相対的に減らしてしまう。
Zr:0.01〜1.00%
Zrは本発明において重要な元素である。硫化物形成傾向が強いZrはMnS(結晶構造:NaCl型)中のMnを置換して(Mn,Zr)Sを形成する(今回の発明はステンレス鋼であるため厳密には(Mn,Cr,Zr)Sである)。硫化物の耐食性を向上させるためにはMnS中のCr濃度を上昇させることが有効であることが知られているが、Cr濃度の高い(Mn,Cr)Sは形態が紐状になる傾向が強く、被削性の観点ではMnSに劣ってしまう。一方、NaCl型硫化物中にZrが固溶した(Mn,Cr,Zr)Sとなると、耐食性の向上を維持しながら硫化物形態を紡錘状に維持することができる。しかし、Zrの過剰な添加は(Mn,Cr,Zr)S中のZr濃度が過剰に高くなり、硫化物硬度が高くなるため被削性向上効果が弱くなる。
0.1≦[Mn]/[Zr]≦50・・・式(1)
硫化物形成傾向が強いZrはMnS(結晶構造:NaCl型)中のMnを置換し、(Mn,Zr)Sを形成する(今回の発明はステンレス鋼であるため厳密には(Mn,Cr,Zr)Sである)。硫化物の耐食性を向上させるためにはMnS中のCr濃度を上昇させることが有効であることが知られているが、Cr濃度の高い(Mn,Cr)Sは形態が紐状になる傾向が強く、被削性の観点ではMnSに劣ってしまう。一方、NaCl型硫化物中にZrが固溶した(Mn,Cr,Zr)Sとなると、耐食性向上効果を維持していながら硫化物形態を紡錘状に維持し、高い被削性効果を有する硫化物となる。
しかし鋼中にZrを過剰に添加すると、(Mn,Cr,Zr)S中のZr濃度が過剰に高くなり、硫化物硬度が高くなるため、被削性向上効果が弱くなる。この硫化物組成制御のために、鋼中のMn、Zr濃度の関係を式(1)のバランスを保つように制御することで、耐食性と被削性の相反する特性を両立することができることを見出した。
[Mn]/[Zr]<0.1では(Mn,Cr,Zr)S中のZr濃度が過剰に高くなり、硫化物硬度が高くなるため被削性向上効果が弱くなる。
一方50<[Mn]/[Zr]では(Mn,Cr,Zr)S中のMn濃度が過剰に高くなり、耐食性、アウトガス性が著しく劣化する。
300×[O]−[Zr]≦4.0・・・式(2)
酸化物形成傾向も強いZrは、溶鋼中にOが多く含有されていると添加しても酸化物を形成してしまい、本発明で目的としているMnS(結晶構造:NaCl型)中のMnを置換した形態の(Mn,Zr)Sを形成する(本発明鋼はステンレス鋼であるため厳密には(Mn,Cr,Zr)Sである)ことのできるZr量が不足することがある。これを防ぐべく溶鋼の脱酸は良く行っておくことが望ましい。即ち式(2)を満たすことで、MnS(結晶構造:NaCl型)中のMnを置換し(Mn,Zr)Sを形成する(今回の発明はステンレス鋼であるため厳密には(Mn,Cr,Zr)Sである)ことのできるZr量を確保することができる。
4.0<300×[O]−[Zr]の場合には、酸素過剰、Zr不足の理由により、MnS(結晶構造:NaCl型)中のMnをZrで置換した形態の(Mn,Zr)Sを十分に形成することができなくなる。
Pb:0.01〜0.30%,Bi:0.01〜0.15%,Te:0.01〜0.30%,Se:0.01〜0.40%,Sn:0.01〜0.10%,P :0.01〜0.05%,B :0.001〜0.03%
これら元素は硫化物とは異なる形態で被削性を向上させることができる快削元素である。そのため、上記元素の何れか1種又は2種以上を含有している場合は、S:0.01〜0.50%で良い。一方で過剰の添加は熱間加工性を劣化させる。
W :0.01〜0.50%,Cu:0.01〜0.50%
耐食性向上のためこれら元素を添加することができる。一方で過剰の添加は熱間加工性を劣化させる。
Al:0.01〜3.00%,V :0.01〜0.30%,Nb:0.01〜0.30%
炭窒化物を固定することのできるこれら元素は、耐食性向上のため添加することができる。一方で過剰の添加は熱間加工性を劣化させる。
Mg:0.0001〜0.0100%,Ca:0.0001〜0.0100%,REM:0.0001〜0.0100%
炭窒化物を固定することのできるこれら元素は、耐食性向上のため添加することができる。一方で過剰の添加は熱間加工性を劣化させる。
なお、REMとしては放射活性の低い元素を主体的に用いることが取り扱い上容易であり、この観点においてSc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb及びLuから選ばれる1種または2種以上を使用することが有効である。特に上記効果のより顕著な発現と価格上の観点から、軽希土類、特にLa或いはCeを使用することが望ましい。但し希土類分離過程等にて不可避的に残留する微量の放射性希土類元素(例えばThやUなど)が含有されていても差し支えない。また原料コスト低減などの観点からミッシュメタルやジジムなど非分離希土類を使用することもできる。
次に本発明の実施形態を以下に詳述する。
表1,表2に示す成分組成(質量%)に配合した各々150kg鋼塊を高周波誘導炉にて溶製し、これを1100〜1200℃に加熱し、熱間鍛造により外径20mmの丸棒状および断面が30mm×60mmの角棒状の素材に加工した。
そして各素材を780℃で4時間加熱した後空冷する焼鈍処理を施し、以下の各試験に供した。
I.熱間加工性
熱間鍛造時の疵(などの欠陥)発生程度を目視にてクラスA(疵発生なし)からクラスE(大割れ発生:鍛造不能)までの5段階(A>B>C>D>E)に分け、熱間加工性を評価した。
II.旋削試験
丸棒状試験片を次の試験条件によって旋削加工し、60分切削後の工具のフランク摩耗量(μm)を測定した。
<試験条件>
工具:サーメット
切削速度:120m/min
送り:0.05mm/rev
切込み:0.1mm
切削油:水溶性
III.アウトガス性
鋼中に含まれているSは、条件によっては水分等との反応によって硫化水素ガスを発生する。発生した硫化水素ガスは、フェライト系ステンレス鋼を素材とする部品が密閉空間中にあると、密閉空間内の他の部品を腐食させる。こうした現象は好ましくなく、そこで硫化水素ガスの発生のし易さをアウトガス性として以下に調べた。
密閉容器中に丸棒状試験片(φ10mm×50mmL)と、Ag箔(10×5×0.1mm)及び0.5mlの純水を入れ、85℃で20h保持した後のAg箔の色の変色(すなわちAgSの生成度合い)を調べた。Ag箔の変色のないものをクラスAとし、変色が著しいもの(アウトガス発生量が多いもの)をクラスEとする(すなわちA>B>C>D>E)評価にてアウトガス性を調べた。銀箔はSを含有したガスが発生したときのゲッターとして働き、吸着したS成分が多くなると硫化銀(AgS)の生成により銀箔表面が黒変する。
IV.耐食性
JIS Z2371に規定された塩水噴霧試験に準じて、試験片(φ10mm×50mmL)を塩水噴霧雰囲気(35℃5%塩化ナトリウム水溶液)中で96h後、発錆なしをクラスA、全面発錆をクラスEとし(すなわちA>B>C>D>E)、評価した。
これら各試験の結果が表3,表4に示してある。
V.硫化物形態
本発明の実施例及び比較例において、鋼中に生成している硫化物形態を調べた。
尚測定は本発明の実施例を代表して実施例1について行い、また比較例については比較例3,比較例8,比較例12についてそれぞれの硫化物形態を調べた。
測定は次のようにして行った。
丸棒状試験片1/2R部縦断面を鏡面研磨後、光学顕微鏡にて面積100000μmにつき400倍の視野を10視野観察し、画像解析により硫化物の形態を解析した。
図3に実施例1,比較例3,比較例8,比較例12についての代表的な顕微鏡写真を示している。
図3中の硫化物最大絶対長とは、一番絶対長の大きい硫化物1個の長さであり、硫化物平均アスペクト比とは、視野中に存在する全ての硫化物(NaCl型、NiAs型等を含む)の針状比平均値である(何れも10視野中)。
尚、各介在物の同定方法は、以下のようにして行っている。
すなわち各丸棒から適量の試験片を取り出して、これをテトラメチルアンモニウムクロライドと10%のアセチルアセトンを含むメタノール溶液を電解質として用いることにより、金属マトリックス部分を電解する。そして、溶解後の電解液をろ過することにより、鋼中に含有されていた不溶の化合物を抽出して乾燥後、これをX線回折ディフラクトメータ法にて分析し、その回折プロファイルの出現ピークから化合物の特定を行う。なお、鋼組織中の化合物粒子の組成は別途EPMAにより分析を行っており、その2次元マッピングから、X線回折にて観察された化合物に対応する組成の化合物が形成されていることを確認している。
以上の結果から、Cが本発明の上限値を超えて高い比較例1は耐食性が悪く、Siの値が、本発明の上限値を外れて大きい比較例2は熱間加工性が悪く、Mn量及び式(1)の値が本発明の上限値を外れて大きい比較例3は、アウトガス性,耐食性が悪い。
S量が本発明の下限値を外れて小さい比較例4では、工具摩耗量が大で被削性が悪く、また逆にS量が本発明の上限値を外れて大きい比較例5では熱間加工性,アウトガス性,耐食性が悪いものとなっている。
Ni量が本発明の上限値を外れて高い比較例6では、熱間加工性,耐食性が悪く、またCr量が本発明の下限値を外れて低い比較例7では、アウトガス性,耐食性が悪く、逆にCr量が本発明の上限値を外れて高い比較例8では熱間加工性,被削性が悪いものとなっている。
次にMo量が本発明の上限値を外れて高い比較例9では熱間加工性,被削性が悪く、N量が本発明の上限値を外れて高い比較例10では被削性,耐食性が悪い。
O量が本発明の上限値を外れて高く、また式(2)を満していない比較例11では被削性,耐食性が悪く、Ti量が本発明の上限値を外れて高い比較例12では被削性が悪い。
更にZr量が本発明の上限値を外れて高い比較例13では被削性が悪いものとなっている。
更に、硫化物とは異なる形態で被削性を向上させる元素を含有していても、S量が本発明の下限値を外れて小さい比較例14では、工具摩耗量が大で、被削性が悪い。
これに対して本発明の各実施例のものは、何れも各特性が良好であることが、表3,表4の結果から見て取れる。
尚、表3の実施例1〜21に対して実施例22〜35は鋼中のCrの含有量が少なく、従って硫化物(Mn,Cr,Zr)S中のCr成分の量が少ないが耐食性は良好である。
これはZrSが非水溶性(MnSは水溶性で耐食性に有害)で耐食性を特に害さず、硫化物中のCr成分の量が少なくても耐食性に大きな影響を与えないことによる。
また、Pb,Bi,Te,Se,Sn,P,Bを含む実施例は、S量が0.01%より多ければ優れた被削性と耐食性を実現している。これは、これら元素は硫化物とは異なる形態で被削性を向上させているためである。
硫化物系介在物の形態を模式的に表した図である。 硫化物系介在物の結晶構造の図である。 実施例1,比較例3,比較例8,比較例12についての顕微鏡写真である。

Claims (6)

  1. 質量%で
    C :≦0.200
    Si:0.01〜5.00%
    Mn:0.01〜2.50%
    S :0.05〜0.50%
    Ni:≦5.0%
    Cr:7.5〜30.0%
    Mo:≦5.0%
    N :≦0.050%
    O :≦0.0150%
    Ti:≦0.30%
    Zr:0.01〜1.00%
    残部Fe及び不可避的不純物の組成を有し、硫化物形成するMnの一部をZrで置換した形態のZr系硫化物を鋼中に生成させていることを特徴とするフェライト系快削ステンレス鋼。
  2. 質量%で
    C :≦0.200
    Si:0.01〜5.00%
    Mn:0.01〜2.50%
    S :0.01〜0.50%
    Ni:≦5.0%
    Cr:7.5〜30.0%
    Mo:≦5.0%
    N :≦0.050%
    O :≦0.0150%
    Ti:≦0.30%
    Zr:0.01〜1.00%
    で、更に
    Pb:0.01〜0.30%
    Bi:0.01〜0.15%
    Te:0.01〜0.30%
    Se:0.01〜0.40%
    Sn:0.01〜0.10%
    P :0.01〜0.05%
    B :0.001〜0.03%
    の何れか1種又は2種以上を更に含有し、
    残部Fe及び不可避的不純物の組成を有し、硫化物形成するMnの一部をZrで置換した形態のZr系硫化物を鋼中に生成させていることを特徴とするフェライト系快削ステンレス鋼。
  3. 請求項1,2の何れかにおいて、更に下記式(1),式(2)を満たしていることを特徴とするフェライト系快削ステンレス鋼。
    0.1≦[Mn]/[Zr]≦50 ・・・式(1)
    300×[O]−[Zr]≦4.0 ・・・式(2)
    (但し式中[ ]は対応する元素の含有質量%を表す)
  4. 請求項1〜3の何れかにおいて、質量%で
    W :0.01〜0.50%
    Cu:0.01〜0.50%
    の何れか1種又は2種を更に含有していることを特徴とするフェライト系快削ステンレス鋼。
  5. 請求項1〜4の何れかにおいて、質量%で
    Al:0.01〜3.00%
    V :0.01〜0.30%
    Nb:0.01〜0.30%
    の何れか1種又は2種以上を更に含有していることを特徴とするフェライト系快削ステンレス鋼。
  6. 請求項1〜5の何れかにおいて、質量%で
    Mg:0.0001〜0.0100%
    Ca:0.0001〜0.0100%
    REM:0.0001〜0.0100%
    の何れか1種又は2種以上を更に含有していることを特徴とするフェライト系快削ステンレス鋼。
    (但しREMは元素周期律表にて3A族として分類される金属元素の1種又は2種以上)
JP2008235819A 2007-09-19 2008-09-15 フェライト系快削ステンレス鋼 Pending JP2009091655A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008235819A JP2009091655A (ja) 2007-09-19 2008-09-15 フェライト系快削ステンレス鋼
DE200810048050 DE102008048050A1 (de) 2007-09-19 2008-09-19 Ferritischer rostfreier Automatenstahl

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007243067 2007-09-19
JP2008235819A JP2009091655A (ja) 2007-09-19 2008-09-15 フェライト系快削ステンレス鋼

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009091655A true JP2009091655A (ja) 2009-04-30

Family

ID=40492863

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008235819A Pending JP2009091655A (ja) 2007-09-19 2008-09-15 フェライト系快削ステンレス鋼

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2009091655A (ja)
CN (1) CN101392355A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102033008A (zh) * 2010-10-25 2011-04-27 上海大学 电解法提取s30432钢碳氮化物的方法
CN102994915A (zh) * 2012-11-20 2013-03-27 无锡常安通用金属制品有限公司 一种耐腐蚀不锈钢金属
WO2017104202A1 (ja) * 2015-12-18 2017-06-22 大同特殊鋼株式会社 フェライト系快削ステンレス鋼及びその製造方法
JP2018131670A (ja) * 2017-02-17 2018-08-23 新日鐵住金ステンレス株式会社 フェライト系快削ステンレス線材
CN110951947A (zh) * 2019-11-12 2020-04-03 江阴康瑞成型技术科技有限公司 易打孔、易切削用不锈钢棒及其生产工艺

Families Citing this family (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102277538B (zh) * 2011-07-27 2013-02-27 山西太钢不锈钢股份有限公司 一种含锡铁素体不锈钢板及其制造方法
CN102363869B (zh) * 2011-10-14 2013-06-19 攀钢集团江油长城特殊钢有限公司 一种易切削铁素体不锈钢430fm的制造方法
CN103643111A (zh) * 2013-11-12 2014-03-19 铜陵市肆得科技有限责任公司 一种泵阀用易加工不锈钢材料及其制备方法
US20180355455A1 (en) * 2015-03-31 2018-12-13 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Hot rolled bar or hot rolled wire rod, component, and manufacturing method of hot rolled bar or hot rolled wire rod
CN105132812A (zh) * 2015-09-01 2015-12-09 启东市荣盛铜业有限公司 一种铁素体易切削不锈钢
CN105369161A (zh) * 2015-11-11 2016-03-02 江苏宇恒电气有限公司 一种具有抗裂耐腐蚀性能的支吊架的生产工艺
CN105506510A (zh) * 2015-12-03 2016-04-20 浙江腾龙精线有限公司 一种不锈钢丝的生产工艺
CN106591742A (zh) * 2016-11-25 2017-04-26 邢台钢铁有限责任公司 高碳含硫铁素体易切削不锈钢及其生产方法
CN107058906B (zh) * 2017-02-21 2018-11-16 山西太钢不锈钢股份有限公司 不锈钢、圆珠笔头用不锈钢线材及其制备方法
CN107012401A (zh) * 2017-04-07 2017-08-04 邢台钢铁有限责任公司 一种低碳铁素体软磁不锈钢及其生产方法
CN107245662B (zh) * 2017-05-05 2019-03-01 重庆大学 一种同时提高硫系易切削结构钢机械性能和切削性能的硫化物变性方法
CN107699821A (zh) * 2017-10-31 2018-02-16 桂林加宏汽车修理有限公司 一种耐腐蚀钢合金
KR102597734B1 (ko) * 2019-02-28 2023-11-02 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 강판, 부재 및 그들의 제조 방법
CN111441001A (zh) * 2020-05-08 2020-07-24 徐州优尚精密机械制造有限公司 一种耐低温的功能性不锈钢铸件及其制造方法
CN111850407B (zh) * 2020-07-29 2021-10-08 成都先进金属材料产业技术研究院有限公司 850MPa级含钛易切削不锈钢锻造棒材及其制备方法
CN114635076A (zh) * 2020-12-16 2022-06-17 宝武特种冶金有限公司 一种高强度铁素体不锈钢及其制备方法
CN112795848B (zh) * 2021-03-22 2021-06-25 北京科技大学 一种易切削耐腐蚀钢及其制备方法
CN113073266A (zh) * 2021-03-26 2021-07-06 成都先进金属材料产业技术研究院股份有限公司 1150MPa级高强度易切削不锈钢及其制备方法
CN114182177B (zh) * 2021-12-08 2023-03-17 浙江青山钢铁有限公司 一种含硫含碲易切削铁素体不锈钢及其制造方法
CN115216693A (zh) * 2022-07-13 2022-10-21 山西太钢不锈钢股份有限公司 一种无铅易切削不锈钢及其制备方法
CN116024504A (zh) * 2022-12-16 2023-04-28 坤石容器制造有限公司 一种半导体行业高纯化学不稳定电子特气用铁素体不锈钢及其制备方法
CN116145030B (zh) * 2022-12-23 2023-12-15 鞍钢股份有限公司 三代核电站关键设备支撑用铁素体不锈钢钢板及制造方法
CN115948739A (zh) * 2022-12-29 2023-04-11 西安智能再制造研究院有限公司 一种易切削高硬度不锈钢激光熔覆层及其制备方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102033008A (zh) * 2010-10-25 2011-04-27 上海大学 电解法提取s30432钢碳氮化物的方法
CN102994915A (zh) * 2012-11-20 2013-03-27 无锡常安通用金属制品有限公司 一种耐腐蚀不锈钢金属
CN102994915B (zh) * 2012-11-20 2015-09-02 江苏高博智融科技有限公司 一种耐腐蚀不锈钢金属
WO2017104202A1 (ja) * 2015-12-18 2017-06-22 大同特殊鋼株式会社 フェライト系快削ステンレス鋼及びその製造方法
JP2018131670A (ja) * 2017-02-17 2018-08-23 新日鐵住金ステンレス株式会社 フェライト系快削ステンレス線材
CN110951947A (zh) * 2019-11-12 2020-04-03 江阴康瑞成型技术科技有限公司 易打孔、易切削用不锈钢棒及其生产工艺

Also Published As

Publication number Publication date
CN101392355A (zh) 2009-03-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009091655A (ja) フェライト系快削ステンレス鋼
JP6226081B2 (ja) 高強度ステンレス継目無鋼管およびその製造方法
AU2005264481B2 (en) Steel for steel pipe
JP5967066B2 (ja) 耐食性に優れた油井用高強度ステンレス継目無鋼管およびその製造方法
JP6304460B1 (ja) 油井用高強度ステンレス継目無鋼管およびその製造方法
JP5072285B2 (ja) 二相ステンレス鋼
RU2599936C2 (ru) Бесшовная труба из высокопрочной нержавеющей стали с высокой коррозионной стойкостью для нефтяной скважины и способ её изготовления
JP5487689B2 (ja) 油井管用マルテンサイト系ステンレス継目無鋼管の製造方法
EP3178958B1 (en) Austenitic stainless steel
MXPA04009375A (es) Acero de baja aleacion y procedimiento para su fabricacion.
MX2011004528A (es) Tubo de acero inoxidable de alta resistencia excelente para la resistencia a la tension por sulfuro y la resistencia a la corrosion por gas de acido carbonico de alta temperatura.
JP2001355048A (ja) フェライト系快削ステンレス鋼
JP2009046732A (ja) オーステナイト系快削ステンレス鋼
CN115298343A (zh) 不锈钢无缝钢管和不锈钢无缝钢管的制造方法
JP2008274361A (ja) フェライト系快削ステンレス鋼
CN115349024A (zh) 不锈钢无缝钢管和不锈钢无缝钢管的制造方法
TWI599663B (zh) 肥粒鐵不鏽鋼
EP1449932A1 (en) Free-cutting steel
JP2003247049A (ja) オーステナイト含有快削ステンレス鋼
JP5474616B2 (ja) 鍛造性に優れるフェライト系ステンレス快削鋼棒線
JP2003221654A (ja) 快削ステンレス鋼
KR102340036B1 (ko) 티타늄 합금 및 그의 제조 방법
JP3425124B2 (ja) フェライト系快削ステンレス鋼
CN114450430A (zh) 不锈钢无缝钢管及其制造方法
JP5583986B2 (ja) 鍛造性に優れるオーステナイト系ステンレス快削鋼棒線