JP2009088086A - 放射線画像検出器 - Google Patents

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Abstract

【課題】電圧が印加される電圧印加電極と、放射線の照射を受けて電荷を発生する半導体層とが積層された放射線画像検出器において、画像領域を狭くすることなく、電圧印加電極から半導体層への電荷の注入を抑制するとともに、電圧印加電極の端部における放電破壊を防止する。
【解決手段】電圧印加電極1の少なくとも端部を覆うように電荷注入阻止層11を設け、電荷注入阻止層11の上面に、電圧印加電極1の端部1aの側端面1bよりも外側に一方の側端面12aが位置するとともに、他方の側端面12bが電圧印加電極1の端部1aの側端面1bの位置またはその側端面1bの位置よりも内側に位置するように張出電極12を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射線の照射を受けて電荷を発生し、その電荷を蓄積することにより放射線画像を記録する放射線画像検出器に関するものである。
従来、医療分野などにおいて、被写体を透過した放射線の照射により被写体に関する放射線画像を記録する放射線画像検出器が各種提案、実用化されている。
上記放射線画像検出器としては、たとえば、放射線の照射により電荷を発生するアモルファスセレンを利用した放射線画像検出器があり、そのような放射線画像検出器として、いわゆる光読取方式のものやTFT読取方式のものが提案されている。
光読取方式の放射線画像検出器としては、たとえば、図20に示すように、放射線画像を担持した放射線を透過する第1の電極層101、第1の電極層1を透過した放射線の照射を受けることにより電荷を発生する記録用光導電層102、記録用光導電層102において発生した電荷のうち一方の極性の電荷に対しては絶縁体として作用し、且つ他方の極性の電荷に対しては導電体として作用する電荷輸送層103、読取光の照射を受けることにより電荷を発生する読取用光導電層104、および読取光を透過する透明線状電極106と読取光を遮光する遮光線状電極107とからなる第2の電極層をこの順に積層してなるものが提案されている。
上記のような光読取方式の放射線画像検出器に放射線画像を記録する際には、まず、高圧電源によって放射線画像検出器の第1の電極層101に負の電圧を印加した状態において、被写体を透過して被写体の放射線画像を担持した放射線が放射線画像検出器101の第1の電極層101側から照射される。
そして、放射線画像検出器に照射された放射線は、第1の電極層101を透過し、記録用光導電層102に照射される。そして、その放射線の照射によって記録用光導電層102において電荷対が発生し、そのうち正の電荷は第1の電極層101に帯電した負の電荷と結合して消滅し、負の電荷は潜像電荷として記録用光導電層102と電荷輸送層103との界面に形成される蓄電部105に蓄積されて放射線画像が記録される(図20参照)。
そして、次に、第1の電極層101が接地された状態において、第2の電極層側から読取光が照射され、読取光は透明線状電極106を透過して読取用光導電層104に照射される。読取光の照射により読取用光導電層104において発生した正の電荷が蓄電部105における潜像電荷と結合するとともに、負の電荷が透明線状電極106および遮光線状電極107に帯電した正の電荷と結合する際に流れる電流が遮光線状電極に接続されたチャージアンプにより検出されて放射線画像に応じた画像信号の読取りが行われる。
しかしながら、上記のようにして放射線画像検出器に放射線画像を記録する際、第1の電極層101に負の電圧が印加されるが、このとき第1の電極層101の端部近傍において電界集中が生じるため、第1の電極層101から記録用光導電層102への電荷の注入が生じ、放射線画像の端部の濃度変動が生じやすい問題を生じていた。また、第1の電極層101の端部において沿面放電により放電破壊を起こすおそれもあった。
一方、TFT読取方式の放射線画像検出器としては、たとえば、電圧が印加される上部電極と、放射線の照射を受けて電荷を発生する半導体層と、半導体層において発生した電荷を収集する収集電極と収集電極によって収集された電荷を蓄積する蓄積容量と蓄積容量に蓄積された電荷を読み出すためのTFTスイッチとを有する画素が2次元状に多数配列されたアクティブマトリクス基板とが積層されたものが提案されている。
そして、上記のようなTFT読取方式の放射線画像検出器に放射線画像を記録する際には、まず、電圧源によって放射線画像検出器の上部電極に正の電圧を印加した状態において、被写体を透過して被写体の放射線画像を担持した放射線が放射線画像検出器の上部電極側から照射される。
そして、放射線画像検出器に照射された放射線は、上部電極を透過し、半導体層に照射される。そして、その放射線の照射によって半導体層において電荷対が発生し、そのうち負の電荷は上部電極に帯電した正の電荷と結合して消滅し、正の電荷は潜像電荷としてアクティブマトリクス基板の各画素の各収集電極に収集され、各蓄積容量に蓄積されて放射線画像が記録される。
そして、アクティブマトリクス基板のTFTスイッチがゲートドライバから出力された制御信号に応じてONされ、蓄積容量に蓄積された電荷が読み出され、その電荷信号がチャージアンプによって検出されることによって放射線画像に応じた画像信号の読取りが行われる。
しかしながら、TFT読取方式の放射線画像検出器においても、上記のようにして上部電極に正の電圧を印加すると、上部電極の端部近傍において電界集中が生じるため、上部電極から半導体層への電荷の注入が生じ、放射線画像の端部の濃度変動が生じやすい問題を生じていた。また、上部電極の端部において沿面放電により放電破壊を起こすおそれもあった。
また、特許文献1にもアモルファスセレンを利用した放射線画像検出器が提案されており、特許文献1に記載の放射線画像検出器においては、上記のような電荷注入や放電破壊を防止するため、電圧が印加される電圧印加電極の端部と半導体層との間に、高耐圧の絶縁性物質を形成することが提案されている。
特開2003−133575号公報
しかしながら、特許文献1に記載の放射線画像検出器のように、電圧印加電極の端部と半導体層との間に絶縁性物質を設けるようにしたのでは、その絶縁性物質を設けた範囲に対応する半導体層において十分な電界を形成することができないため、十分な電荷を発生させることができず、十分な画像信号を読み取ることができない。つまり、画像領域として利用することができず、その結果、画像領域が狭くなるという欠点があった。
本発明は、上記の事情に鑑み、画像領域を狭くすることなく、電圧印加電極から半導体層への電荷の注入を十分に抑制することができるとともに、電圧印加電極の端部における放電破壊を防止することができる放射線画像検出器を提供することを目的とする。
本発明の放射線画像検出器は、電圧が印加される電圧印加電極と、放射線の照射を受けて電荷を発生する半導体層と放射線量に応じた電気信号を検出する電極とが積層された放射線画像検出器において、電圧印加電極の少なくとも端部を覆うように設けられた電荷注入阻止層と、電荷注入阻止層の上面に、電圧印加電極の端部の側端面よりも外側に一方の側端面が位置するとともに、他方の側端面が電圧印加電極の端部の側端面の位置またはその側端面の位置よりも内側に位置するように設けられた張出電極とを備えたことを特徴とする。
また、上記本発明の放射線画像検出器においては、張出電極を、電圧印加電極の外周に沿って設け、電圧印加電極と接触するようにすることができる。
また、張出電極を、電圧印加電極の全面に亘って設け、電圧印加電極と接触するようにすることができる。
また、張出電極を、電圧印加電極の外周に沿って設け、電圧印加電極とは接触することなく、電圧印加電極に印加される電圧と同極性の電圧が印加されるものとすることができる。
また、張出電極を、電圧印加電極の全面に亘って設け、電圧印加電極とは接触することなく、電圧印加電極に印加される電圧と同極性の電圧が電圧印加されるものとすることができる。
また、電荷注入阻止層の厚さを、1μm−30μmとすることができる。
また、電荷注入阻止層を、絶縁材料から形成するようにすることができる。
また、電荷注入阻止層を、ポリパラキシリレンから形成するようにすることができる。
また、電圧印加電極を、負の電圧が印加されるものとし、電荷注入阻止層を、電圧印加電極から半導体層への電子の注入を阻止するとともに、正孔を輸送するものとすることができる。
また、電荷注入阻止層を、有機高分子物質に正孔輸送材料を添加したものから形成するようにすることができる。
また、有機高分子物質として、ポリカーボネートを利用することができる。
また、正孔輸送材料として、TPD(N,N'-diphenyl-N,N'-bis-(3-methylphenyl)-1,1'-biphenyl-4,4'-diamine)を利用することができる。
また、電圧印加電極を、正の電圧が印加されるものとし、電荷注入阻止層を、電圧印加電極から半導体層への正孔の注入を阻止するとともに、電子を輸送するものとすることができる。
また、電荷注入阻止層を、有機高分子に電子輸送材料を添加したものから形成するようにすることができる。
また、有機高分子として、ポリカーボネートを利用することができる。
また、電子輸送材料として、カーボンクラスターまたはその誘導体、もしくはカーボンナノチューブを利用することができる。
また、カーボンクラスターとして、フラーレンC60、フラーレンC70、酸化フラーレンまたはそれらの誘導体から選択される少なくとも1種を利用することができる。
ここで、上記「電荷注入阻止層」とは、電圧印加電極から半導体層へ注入される電荷を阻止するものであり、電子および正孔のうち電子のみの注入を阻止するもの、正孔のみの注入を阻止するもの、または電子および正孔の両方を阻止するものである。
本発明の放射線画像検出器によれば、電圧印加電極の少なくとも端部を覆うように電荷注入阻止層を設け、電荷注入阻止層の上面に、電圧印加電極の端部の側端面よりも外側に一方の側端面が位置するとともに、他方の側端面が電圧印加電極の端部の側端面の位置またはその側端面の位置よりも内側に位置するように張出電極を設けるようにしたので、電荷注入阻止層を設けることによって電圧印加電極の端部における放電破壊を防止することができるとともに、張出電極を設けることによって電圧印加電極の端部における電界集中を抑制することができるので、放射線画像の端部における濃度変動を抑制することができる。
また、張出電極を、電圧印加電極の全面に亘って設けるようにした場合には、張出電極を容易に形成することができる。
また、電荷注入阻止層の厚さを、1μm〜30μmとした場合には、後述するように電圧印加電極の端部における電界集中を十分に抑制することができるとともに、張出電極から半導体層への電荷の注入も十分に抑制することができる。
以下、図面を参照して本発明の放射線画像検出器の第1の実施形態について説明する。第1の実施形態の放射線画像検出器は、いわゆる光読取方式の放射線画像検出器である。図1は第1の実施形態の放射線画像検出器の一部断面図、図2は上面図である。
第1の実施形態の放射線画像検出器10は、図1および図2に示すように、放射線画像を担持した放射線を透過する第1の電極層1、第1の電極層1を透過した放射線の照射を受けることにより電荷を発生する記録用光導電層2、記録用光導電層2において発生した電荷のうち一方の極性の電荷に対しては絶縁体として作用し、且つ他方の極性の電荷に対しては導電体として作用する電荷輸送層3、読取光の照射を受けることにより電荷を発生する読取用光導電層4、および第2の電極層5をこの順に積層してなるものである。記録用光導電層2と電荷輸送層3との界面近傍には、記録用光導電層2内で発生した電荷を蓄積する蓄電部6が形成される。なお、上記各層は、ガラス基板7上に第2の電極層5から順に形成される。なお、第1の電極層1が請求項における電圧印加電極に相当する。
第1の電極層1としては、放射線を透過するものであればよく、たとえば、ネサ皮膜(SnO2)、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、アモルファス状光透過性酸化膜であるIDIXO(Idemitsu Indium X-metal Oxide ;出光興産(株))などを50〜200nm厚にして用いることができ、また、100nm厚のAlやAuなども用いることもできる。
第2の電極層5は、読取光を透過する複数の透明線状電極8と読取光を遮光する複数の遮光線状電極9とを有するものである。そして、透明線状電極8と遮光線状電極9とは、図1に示すように、所定の間隔を空けて交互に平行に配列されている。なお、図1は、透明線状電極8と遮光線状電極9の長さ方向に直交する方向についての断面図が示されている。
透明線状電極8は読取光を透過するとともに、導電性を有する材料から形成されている。上記のような材料であれば如何なるものでもよいが、たとえば、第1の電極層1と同様に、ITO、IZOやIDIXOを用いることができる。また、Al、Crなどの金属を用いて読取光を透過する程度の厚さ(たとえば、10nm程度)で形成するようにしてもよい。
遮光線状電極9は読取光を遮光するとともに、導電性を有する材料から形成されている。上記のような材料であれば如何なるものでもよいが、たとえば、100−300nm厚のCr、Mo、Wがある。または、予めレジスト材料からなる遮光層をストライプ状にパターニングし、その上に上記透明線状電極と同じ材料をストライプ状にパターニングし、遮光された電極として機能させてもよい。
記録用光導電層2は、放射線の照射を受けることにより電荷を発生するものであればよく、放射線に対して比較的量子効率が高く、また暗抵抗が高いなどの点で優れているa−Seを主成分とするものを使用する。厚さは500μm程度が適切である。
電荷輸送層3としては、たとえば、放射線画像の記録の際に第1の電極層1に帯電する電荷の移動度と、その逆極性となる電荷の移動度の差が大きい程良く(例えば10以上、望ましくは10以上)、たとえば、ポリN−ビニルカルバゾール(PVK)、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1'−ビフェニル〕−4,4'−ジアミン(TPD)やディスコティック液晶等の有機系化合物、或いはTPDのポリマー(ポリカーボネート、ポリスチレン、PVK)分散物,Clを10〜200ppmドープしたa−Se、AsSe等の半導体物質が適当である。厚さは0.2〜2μm程度が適切である。
読取用光導電層4としては、読取光および消去光の照射を受けることにより導電性を呈するものであればよく、たとえば、a−Se、Se−Te、Se−As−Te、無金属フタロシアニン、金属フタロシアニン、MgPc(Magnesium phtalocyanine),VoPc(phaseII of Vanadyl phthalocyanine)、CuPc(Cupper phtalocyanine)などのうち少なくとも1つを主成分とする光導電性物質が好適である。厚さは5〜20μm程度が適切である。
ここで、従来の光読取方式の放射線画像検出器においては、上述したように放射線画像を記録する際、第1の電極層に高圧電圧が印加されるが、このとき第1の電極層の端部近傍において電界集中が生じるため、第1の電極層から記録用光導電層への電荷の注入が生じ、放射線画像の再生時に、その再生画像の端部に濃度変動が生じやすい問題を生じていた。また、第1の電極層の端部において沿面放電により放電破壊を起こすおそれもあった。
そこで、本実施形態の放射線画像検出器10においては、図1および図2に示すように、第1の電極層1の端部1aを覆うように電荷注入阻止層11が設けられている。そして、電荷注入阻止層11は、記録用光導電層2の側面からガラス基板7に亘って設けられている。そして、さらに、電荷注入阻止層11の上面に張出電極12が設けられている。張出電極12は、その一方の側端面12aが第1の電極層1の端部1aの側端面1bよりも外側に位置するとともに、他方の側端面12bが第1の電極層1の端部1aの側端面1bの位置よりも内側に位置するように設けられている。なお、本実施形態においては、張出電極12の側端面12bが、第1の電極層1の端部1aの側端面1bの位置よりも内側に位置するようにしたが、張出電極12の側端面12bの位置を、第1の電極層1の端部1aの側端面1bと同じ位置にするようにしてもよい。また、電荷注入阻止層11は張出電極12の側端面12aよりも外側まで配置されていればよく、必ずしも記録用光導電層2を完全に覆わなくてもよい。
電荷注入阻止層11は、第1の電極層1の端部において電界集中が起きるのを防止するとともに、張出電極12からの電荷の注入を阻止するためのものである。電荷注入阻止層11の材料としては、たとえば、第1の電極層1および張出電極12に負の電圧が印加される場合には、電子の注入を阻止するものを利用することができ、たとえば、絶縁材料であるポリパラキシリレンを利用することができる。また、電子の注入を阻止するとともに、正孔を輸送する材料も利用することができ、たとえば、TPD(N,N'-diphenyl-N,N'-bis-(3-methylphenyl)-1,1'-biphenyl-4,4'-diamine)を利用することができる。また、TPDをバルク層として形成して電荷注入阻止層11としてもよいし、ポリカーボネートにTPDを添加したものを塗布して電荷注入阻止層11を形成するようにしてもよい。なお、電荷注入阻止層11の材料として、絶縁材料ではなく、上記のように正孔を輸送する材料を使用するようにした場合には、放射線画像の記録時に第1の電極層1に近寄ってくる正孔を記録用光導電層2内に貯めないようにすることができるので、放射線画像検出器を繰り返し使用する場合においても第1の電極層1の端部で生じる放電破壊を防止することができる。また、上記のようにポリカーボネートのような有機高分子物質を利用することによって、電荷注入阻止層11に接する記録用光導電層2の結晶化を抑制することができる。
張出電極12は、第1の電極層1の端部1aにおいて電界集中が生じるのを防止するために設けられたものであり、たとえば、第1の電極1と同様に、ネサ皮膜、ITO、IZO、IDIXOから形成することができ、また、100nm厚のAlやAuなどから形成するようにしてもよい。
また、張出電極12は、図2に斜線で示すように、第1の電極層1の外周に沿って設けられ、図1に示すように、その内側の端部が第1の電極層1と接触するように設けられている。したがって、張出電極12には、第1の電極層1と同様の電圧が印加されることになる。
次に、上記第1の実施形態の放射線画像検出器への放射線画像の記録および読取りの作用について、図3および図4を用いて説明する。なお、図3および図4においては、電荷注入阻止層11と張出電極12とについては、図示省略している。
まず、図3(A)に示すように、高圧電源20によって放射線画像検出器10の第1の電極層1に負の電圧を印加した状態において、被写体を透過して被写体の放射線画像を担持した放射線が放射線画像検出器10の第1の電極層1側から照射される。
そして、放射線画像検出器10に照射された放射線は、第1の電極層1を透過し、記録用光導電層2に照射される。そして、その放射線の照射によって記録用光導電層2において電荷対が発生し、そのうち正の電荷は第1の電極層1に帯電した負の電荷と結合して消滅し、負の電荷は潜像電荷として記録用光導電層2と電荷輸送層3との界面に形成される蓄電部6に蓄積されて放射線画像が記録される(図3(B)参照)。
そして、次に、図4に示すように、第1の電極層1が接地された状態において、第2の電極層5側から読取光L1が照射され、読取光L1は透明線状電極8を透過して読取用光導電層4に照射される。読取光L1の照射により読取用光導電層4において発生した正の電荷が蓄電部6における潜像電荷と結合するとともに、負の電荷が、遮光線状電極9に接続されたチャージアンプ30を介して遮光線状電極9に帯電した正の電荷と結合する。
そして、読取用光導電層5において発生した負の電荷と遮光線状電極9に帯電した正の電荷との結合によって、チャージアンプ30に電流が流れ、この電流が積分されて画像信号として検出され、放射線画像に応じた画像信号の読取りが行われる。
本実施形態の放射線画像検出器10によれば、図1に示すように、電荷注入阻止層11を設けるようにしたので、第1の電極層1からの沿面放電による放電破壊を防止することができる。また、張出電極12を設けるようにしたので、図5に示すように、第1の電極層1に電圧印加された際、張出電極12によっても電界が形成されるので、第1の電極層1の端部1aでの電界集中を抑制することができ、第1の電極層1の端部1aからの電荷注入を抑制することができるので、放射線画像の端部における濃度変動を抑制することができる。
次に、本発明の放射線画像検出器の第2の実施形態について説明する。図6は第2の実施形態の放射線画像検出器の一部断面図、図7は上面図である。
第2の実施形態の放射線画像検出器15は、第1の実施形態の放射線画像検出器10と張出電極22の形状のみが異なり、その他の構成は、第1の実施形態の放射線画像検出器10と同様である。
第2の実施形態の放射線画像検出器15の張出電極22は、図6および図7に示すように、第1の電極1の外周だけではなく、第1の電極1の全面に亘って設けられている。なお、張出電極22の側端面22aは、第1の電極層1の側端面1bよりも外側に位置している。そして、張出電極22も第1の電極層1に接触しており、第1の電極層1と同様の電圧が印加される。また、電荷注入阻止層11は張出電極22の側端面22aよりも外側まで配置されていればよく、必ずしも記録用光導電層2を完全に覆わなくてもよい。
第2の実施形態の放射線画像検出器15における電荷注入阻止層11と張出電極22の作用効果は、第1の実施形態の放射線画像検出器10と同様であるが、張出電極22を第1の電極層1の全面に設けるようにしたので、第1の実施形態の放射線画像検出器10と比較するとその形成が容易である。
なお、第1の実施形態のように張出電極12を第1の電極層1の外周の沿って設け、第1の電極層1の外周部分以外には設けないようにした場合には、第2の実施形態の放射線画像検出器15のように張出電極22を第1の電極層1の全面に設ける場合と比べると、張出電極12を作成する材料が少量で済み、かつ画像形成領域に照射線される放射線の減衰を回避することができる。
次に、本発明の放射線画像検出器の第3の実施形態について説明する。図8は第3の実施形態の放射線画像検出器の一部断面図、図9は上面図である。
第3の実施形態の放射線画像検出器16は、第1の実施形態の放射線画像検出器10と電荷注入阻止層31と張出電極32の形状のみが異なり、その他の構成は、第1の実施形態の放射線画像検出器10と同様である。
第3の実施形態の放射線画像検出器16の電荷注入阻止層31は、図7および図8に示すように、第1の電極1の端部だけではなく、第1の電極1の全面に亘って設けられている。そして、張出電極32は、第1の実施形態の放射線画像検出器10と同様に、第1の電極層1の外周に沿って設けられているが、上述したように電荷注入阻止層31が第1の電極層1の全面に設けられているので、張出電極32と第1の電極層1とは接触していない。そして、第3の実施形態の放射線画像検出器16における張出電極32には、放射線画像の記録の際、外部の高圧電源40から電圧が印加される。このときの印加電圧は、第1の電極層1に印加される電圧と同じ極性の電圧である。そして、その大きさは、第1の電極層1に印加される電圧の0.5倍〜1.2倍であることが好ましい。この電圧よりも大きな電圧が張出電極32に印加されると新たな放電を引き起こす可能性があり、この電圧より低いと引出電極32により形成される電界強度が弱くなり十分な効果を得ることができない。なお、本実施形態においては、第1の電極層1に電圧を印加する電圧源と張出電極32に電圧を印加する電圧源とを別個に設けるようにしたが、共通の電圧源を利用するようにしてもよい。
第3の実施形態の放射線画像検出器16における電荷注入阻止層31と張出電極32の作用効果は、第1の実施形態の放射線画像検出器と同様であるが、電荷注入阻止層31を第1の電極層1の全面に設けるようにしたので、第1の実施形態の放射線画像検出器10と比較するとその形成が容易である。
次に、本発明の放射線画像検出器の第4の実施形態について説明する。図10は第4の実施形態の放射線画像検出器の一部断面図、図11は上面図である。
第4の実施形態の放射線画像検出器17は、第3の実施形態の放射線画像検出器16と張出電極42の形状のみが異なり、その他の構成は、第3の実施形態の放射線画像検出器16と同様である。
第4の実施形態の放射線画像検出器17の張出電極42は、図10および図11に示すように、第1の電極1の外周だけではなく、第1の電極1の全面に亘って設けられている。なお、張出電極42の側端面42aは、第1の電極層1の側端面1bよりも外側に位置している。そして、第2の実施形態の放射線画像検出器17においては、第3の実施形態の放射線画像検出器16と同様に、電荷注入阻止層31が第1の電極層1の全面に設けられているので、張出電極42と第1の電極層1とは接触していない。そして、第4の実施形態の放射線画像検出器17における張出電極42には、放射線画像の記録の際、外部の高圧電源40から電圧が印加される。このときの印加電圧は、第1の電極層1に印加される電圧と同じ極性の電圧である。そして、その大きさは、第1の電極層1に印加される電圧の0.5倍〜1.2倍であることが好ましい。この電圧よりも大きな電圧が張出電極42に印加されると新たな放電を引き起こす可能性があり、この電圧より低いと引出電極42により形成される電界強度が弱くなり十分な効果を得ることができない。なお、本実施形態においては、第1の電極層1に電圧を印加する電圧源と張出電極42に電圧を印加する電圧源とを別個に設けるようにしたが、共通の電圧源を利用するようにしてもよい。
第4の実施形態の放射線画像検出器17における電荷注入阻止層31と張出電極42の作用効果は、第1の実施形態の放射線画像検出器10と同様であるが、電荷注入阻止層31と張出電極42を第1の電極層1の全面に設けるようにしたので、第1の実施形態の放射線画像検出器10と比較するとその形成が容易である。
なお、上記第1から第4の実施形態の放射線画像検出器においては、電荷注入阻止層の材料として第1の電極層からの電子の注入を阻止するものを利用するようにしたが、放射線画像検出器が、放射線画像の記録の際、第1の電極層に正の電圧が印加されるものである場合には、第1の電極層からの正孔の注入を阻止するものを利用すればよい。正孔の注入を阻止する材料については、後で詳述する。
次に、本発明の放射線画像検出器の第5の実施形態について説明する。第5の実施形態の放射線画像検出器は、いわゆるTFT読取方式の放射線画像検出器である。図12は第5の実施形態の放射線画像検出器の一部断面図である。
第5の実施形態の放射線画像検出器50は、図12に示すように、アクティブマトリクス基板60と、このアクティブマトリクス基板60上に積層された放射線検出部70とから構成されている。
放射線検出部70は、アクティブマトリクス基板60上の略全面に形成された半導体層71と、半導体層71上に設けられた上部電極72とを備えている。なお、上部電極72が請求項における電圧印加電極に相当する。
半導体層71は、電磁波導電性を有するものであり、X線が照射されると膜の内部に電荷を発生するものである。半導体層71としては、たとえば、セレンを主成分とする膜厚100〜1000μmの非晶質a−Se膜を用いることができる。上記半導体層71は、アクティブマトリクス基板60上に真空蒸着法によって形成される。
上部電極72は、Au、Alなどの低抵抗の導電材料で形成されている。
アクティブマトリクス基板60は、半導体層71において発生した電荷を収集する収集電極61、収集電極61によって収集された電荷を蓄積する蓄積容量62および蓄積容量62に蓄積された電荷を読み出すためのTFTスイッチ63を有する多数の画素64とTFTスイッチ63をON/OFFするための多数の走査配線65と蓄積容量62に蓄積された電荷が読み出される多数のデータ配線66とを備えている。
TFTスイッチ63としては、一般的には、アモルファスシリコンを活性層に用いたa−SiTFTが用いられる。
図13に、アクティブマトリクス基板60の平面図を示す。アクティブマトリクス基板60には、図13に示すように、蓄積容量62とTFTスイッチ63とを有する画素64が2次元状に多数設けられており、走査配線65とデータ配線66とが、格子状に配置されている。そして、データ配線66の終端には、データ配線66に流れ出した信号電荷を検出するアンプからなる読出回路80が接続され、走査配線65には、TFTスイッチ63をON/OFFするための制御信号を出力するゲートドライバ90が接続されている。
ここで、従来のTFT読取方式の放射線画像検出器においては、上述したように放射線画像を記録する際、上部電極に電圧が印加されるが、このとき上部電極の端部近傍において電界集中が生じるため、上部電極から半導体層への電荷の注入が生じ、放射線画像の端部の濃度変動が生じやすい問題を生じていた。また、上部電極の端部において沿面放電により放電破壊を起こすおそれもあった。
そこで、本実施形態の放射線画像検出器50においては、図12に示すように、上部電極72の端部72aを覆うように電荷注入阻止層73が設けられている。そして、電荷注入阻止層73は、半導体層71の側面からアクティブマトリクス基板60に亘って設けられている。そして、さらに、電荷注入阻止層73の上面に張出電極74が設けられている。張出電極74は、その一方の側端面74aが上部電極72の端部72aの側端面72bよりも外側に位置するとともに、他方の側端面74bが上部電極72の端部72aの側端面72bの位置よりも内側に位置するように設けられている。なお、本実施形態においては、張出電極74の側端面74bが、上部電極72の端部72aの側端面72bの位置よりも内側に位置するようにしたが、張出電極74の側端面74bの位置を、上部電極72の端部72aの側端面72bと同じ位置にするようにしてもよい。
電荷注入阻止層73は、上部電極72の端部において電界集中が起きるのを防止するとともに、張出電極74からの電荷の注入を阻止するためのものである。電荷注入阻止層73の材料としては、たとえば、上部電極72および張出電極74に正の電圧が印加される場合には、正孔の注入を阻止するものを利用することができ、たとえば、絶縁材料であるポリパラキシリレンを利用することができる。また、正孔の注入を阻止するとともに、電子を輸送する材料も利用することができる。たとえば、有機高分子にカーボンクラスターまたはその誘導体、もしくはカーボンナノチューブを添加したものを利用することができる。有機高分子としては、ポリカーボネートを利用することができる。また、カーボンクラスターとしては、フラーレンC60、フラーレンC70、酸化フラーレンまたはそれらの誘導体から選択される少なくとも1種を利用することができる。
なお、カーボンクラスターまたはその誘導体とは、炭素原子が、炭素−炭素間結合の種類は問わず数個から数百個結合して形成されている集合体であって、必ずしも100%炭素クラスターのみで構成されているとは限らず、他原子の混在や、置換基を有する場合も含むものである。電荷注入阻止層73の材料として用いるカーボンクラスターは、例えば、フラーレン類の1種あるいは数種を含有してなるものである。
ここで用いられるフラーレンとは、sp2炭素よりなる球状あるいはラグビーボール状のカーボンクラスターの総称であり、一般にC60、C70、C76、C78、C84等が知られている。本発明では、これらを単独で、あるいは混合物として用いることできる。好適には、C60とC70の混合物を用いることができる。また、フラーレンを酸化した酸化フラーレンを好適に用いることができる。酸化フラーレンとしては、C60(O)、C60(O)、C60(O)等の混合物を用いることができる。
なお、電荷注入阻止層73の材料として、絶縁材料ではなく、上記のように電子を輸送する材料を使用するようにした場合には、放射線画像の記録時に上部電極72に近寄ってくる電子を半導体層71内に貯めないようにすることができるので、放射線画像検出器を繰り返し使用する場合においても上部電極72の端部で生じる放電破壊を防止することができる。また、上記のようにポリカーボネートのような有機高分子物質を利用することによって、電荷注入阻止層73に接する半導体層71の結晶化を抑制することができる。
張出電極74の材料は、第1の実施形態の放射線画像検出器と同様である。
また、張出電極74は、上部電極72の外周に沿って設けられ、図12に示すように、その内側の端部が上部電極72と接触するように設けられている。したがって、張出電極74には、上部電極72と同様の電圧が印加されることになる。
次に、上記第5の実施形態の放射線画像検出器への放射線画像の記録および読取りの作用について、図14を用いて説明する。なお、図14においては、電荷注入阻止層73と張出電極74とについては、図示省略している。
まず、図14に示すように、電圧源55によって放射線画像検出器50の上部電極に正の電圧を印加した状態において、被写体を透過して被写体の放射線画像を担持した放射線が放射線画像検出器50の上部電極72側から照射される。
そして、放射線画像検出器50に照射された放射線は、上部電極72を透過し、半導体層71に照射される。そして、その放射線の照射によって半導体層71において電荷対が発生し、そのうち負の電荷は上部電極72に帯電した正の電荷と結合して消滅し、正の電荷は潜像電荷として各画素64の各収集電極61に収集され、各蓄積容量62に蓄積されて放射線画像が記録される。
そして、次に、図13に示すゲートドライバ90から各走査配線65にTFTスイッチ63をONするための制御信号が順次出力される。そして、各走査配線65に接続されたTFTスイッチ63がゲートドライバ90から出力された制御信号に応じてONし、各画素64の蓄積容量62からデータ配線66に蓄積電荷が読み出される。そして、データ配線66に流れ出した電荷信号は読出回路80のチャージアンプにより画像信号として検出され、放射線画像に応じた画像信号の読取りが行われる。
本実施形態の放射線画像検出器50によれば、図12に示すように、電荷注入阻止層73を設けるようにしたので、上部電極72からの沿面放電による放電破壊を防止することができる。また、張出電極74を設けるようにしたので、上記第1の実施形態の放射線画像検出器の場合と同様に、上部電極72に電圧印加された際、張出電極74によっても電界が形成され、これにより上部電極72の端部72aでの電界集中を抑制することができ、上部電極72の端部72aからの電荷注入を抑制することができるので、放射線画像の端部における濃度変動を抑制することができる。
なお、TFT読取方式の放射線画像検出器においても、光読取方式の放射線画像検出器と同様の形状で電荷注入阻止層および張出電極を設けることができ、上記第5の実施形態の放射線画像検出器における電荷注入阻止層および張出電極の形状に限らず、上記第2から第4の実施形態の放射線画像検出器の電荷注入阻止層と張出電極の形状をそのままTFT読取方式の放射線画像検出器にも適用することができる。
また、上記実施形態においては、放射線を直接電荷に変換する、いわゆる直接変換型の放射線画像検出器について説明したが、これに限らず、放射線を蛍光体により一旦光に変換し、その光を電荷に変換する、いわゆる間接変換型の放射線画像検出器に類似する構成の放射線画像検出器にも本発明は適用することができる。なお、間接変換型の放射線画像検出器に類似する構成の放射線画像検出器とは、直接変換型の放射線画像検出器よりもa
−Se層を薄くし、光透過型の第1の電極層を設けるとともに、第1の電極層の上方に蛍光体を設け、その蛍光体からの光を電荷に変換するものである。なお、上記のように構成された放射線画像検出器においては、記録用光導電層や半導体層の厚さは1〜30μm程度となり、TFT読取方式の放射線画像検出器の場合には、蓄積容量はなくてもよい。
ここで、上記実施形態の放射線画像検出器のように、電荷注入阻止層および張出電極を設けるようにした場合における効果をシミュレーションした結果について説明する。
シミュレーションは、図15に示すように、Se層上に、電圧が印加される金電極、絶縁体および張出電極を設けた場合におけるA点およびB点の電界を算出することによって行なった。
図16は、張出電極と金電極との重なり長の変化に対するB点における電界(Se界面最大電界)の変化について計算機シミュレーションを行なった結果である。なお、重なり長とは、金電極の端面Qに位置に対する張出電極の端面Pの位置を示しており、重なり長が0とは、金電極の端面QのX方向の位置と張出電極の端面PのX方向の位置とが一致している場合を示し、重なり長が正である場合とは、張出電極の端面PのX方向の位置が金電極の端面QのX方向の位置よりも金電極側に位置する場合を示し、重なり長が負である場合とは、張出電極の端面PのX方向の位置が金電極の端面QのX方向の位置よりも金電極から離れる側に位置する場合を示している。また、シミュレーションは、絶縁体の厚さ(張出電極と金電極との間の絶縁体の厚さ)を1μm〜100μmまで変化させた場合について行なった。なお、図16は、絶縁体の誘電率を4.0としてシミュレーションを行なった結果である。
図16に示すように、張出電極と金電極との重なり長が0以上の場合においてB点における電界を減少させることができることがわかった。また、絶縁体の厚さに対しては、厚さが薄い方が電界集中をより抑制することができ、1μm〜30μmである場合に、B点における電界を略半分以下に減少させることができて十分な効果が得られることがわかった。
この結果より、上記第1から第5の実施形態の放射線画像検出器においては、電荷注入阻止層の厚さ(張出電極と第1の電極層または上部電極との間の電荷注入阻止層の厚さ)を30μm以下とすることが望ましい。また、張出電極と第1の電極層または上部電極との重なり長は500μm以上であることが望ましい。また、張出電極は、第1の電極層または上部電極の端面から500μm以上外側に張り出すように設けることが望ましい。
また、図17は、張出電極と金電極との重なり長の変化に対するA点における電界(Se界面最大電界)の変化をシミュレーションした結果である。図17に示すように、絶縁体の厚さが1μm以上あれば、重なり長に関わらず、A点における電界を十分に小さくすることができることがわかった。つまり、張出電極からSe層への電荷の注入を十分に抑制することができることがわかった。したがって、この結果からも、上記第1から第5の実施形態の放射線画像検出器においては、電荷注入阻止層の厚さ(張出電極と第1の電極層または上部電極との間の電荷注入阻止層の厚さ)を1μm以上とすることが望ましい。
なお、図18および図19に、図15の構成で絶縁体の誘電率を3.0とした場合におけるシミュレーション結果を示す。図18および図19からも上記と同様の結論を導き出すことができる。
本発明の放射線画像検出器の第1の実施形態を示す一部断面図 図1に示す放射線画像検出器の上面図 第1の実施形態の放射線画像検出器への放射線画像の記録の作用を説明するための図 第1の実施形態の放射線画像検出器からの放射線画像の読取りの作用を説明するための図 第1の実施形態の放射線画像検出器における張出電極の作用効果を説明するための図 本発明の第2の実施形態の放射線画像検出器の一部断面図 図6に示す放射線画像検出器の上面図 本発明の第3の実施形態の放射線画像検出器の一部断面図 図8に示す放射線画像検出器の上面図 本発明の第4の実施形態の放射線画像検出器の一部断面図 図10に示す放射線画像検出器の上面図 本発明の第5の実施形態の放射線画像検出器の一部断面図 第5の実施形態の放射線画像検出器におけるアクティブマトリクス基板の平面図 第2の実施形態の放射線画像検出器への放射線画像の記録および読取りの作用を説明するための図 本発明の効果のシミュレーションで用いられた放射線画像検出器の構成を示す図 本発明の効果のシミュレーション結果を示す図 本発明の効果のシミュレーション結果を示す図 本発明の効果のシミュレーション結果を示す図 本発明の効果のシミュレーション結果を示す図 従来の放射線画像検出器への放射線画像の記録および読取りの作用を説明するための図
符号の説明
1 第1の電極層(電圧印加電極)
2 記録用光導電層(半導体層)
3 電荷輸送層
4 読取用光導電層
5 第2の電極層
6 蓄電部
7 ガラス基板
8 透明線状電極
9 遮光線状電極
10,15,16 放射線画像検出器
11,31,73 電荷注入阻止層
12,22,32,42,74 張出電極
20 高圧電源
30 チャージアンプ
40 高圧電源
50 放射線画像検出器
55 電圧源
60 アクティブマトリクス基板
61 収集電極
62 蓄積容量
63 TFTスイッチ
64 画素
65 走査配線
66 データ配線
70 放射線検出部
71 半導体層
72 上部電極(電圧印加電極)
80 読出回路
90 ゲートドライバ
101 第1の電極層
102 記録用光導電層
103 電荷輸送層
104 読取用光導電層
105 蓄電部
106 透明線状電極
107 遮光線状電極

Claims (17)

  1. 電圧が印加される電圧印加電極と、放射線の照射を受けて電荷を発生する半導体層と放射線量に応じた電気信号を検出する電極とが積層された放射線画像検出器において、
    前記電圧印加電極の少なくとも端部を覆うように設けられた電荷注入阻止層と、
    該電荷注入阻止層の上面に、前記電圧印加電極の端部の側端面よりも外側に一方の側端面が位置するとともに、他方の側端面が前記電圧印加電極の端部の側端面の位置または該側端面の位置よりも内側に位置するように設けられた張出電極とを備えたことを特徴とする放射線画像検出器。
  2. 前記張出電極が、前記電圧印加電極の外周に沿って設けられ、前記電圧印加電極と接触していることを特徴とする請求項1記載の放射線画像検出器。
  3. 前記張出電極が、前記電圧印加電極の全面に亘って設けられ、前記電圧印加電極と接触していることを特徴とする請求項1記載の放射線画像検出器。
  4. 前記張出電極が、前記電圧印加電極の外周に沿って設けられ、前記電圧印加電極とは接触することなく、前記電圧印加電極に印加される電圧と同極性の電圧が印加されるものであることを特徴とする請求項1記載の放射線画像検出器。
  5. 前記張出電極が、前記電圧印加電極の全面に亘って設けられ、前記電圧印加電極とは接触することなく、前記電圧印加電極に印加される電圧と同極性の電圧が印加されるものであることを特徴とする請求項1記載の放射線画像検出器。
  6. 前記電荷注入阻止層の厚さが、1μm〜30μmであることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の放射線画像検出器。
  7. 前記電荷注入阻止層が、絶縁材料から形成されていることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の放射線画像検出器。
  8. 前記電荷注入阻止層が、ポリパラキシリレンから形成されていることを特徴とする請求項7記載の放射線画像検出器。
  9. 前記電圧印加電極が、負の電圧が印加されるものであり、
    前記電荷注入阻止層が、前記電圧印加電極から前記半導体層への電子の注入を阻止するとともに、正孔を輸送するものであることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の放射線画像検出器。
  10. 前記電荷注入阻止層が、有機高分子物質に正孔輸送材料を添加したものから形成されていることを特徴とする請求項9記載の放射線画像検出器。
  11. 前記有機高分子物質が、ポリカーボネートであることを特徴とする請求項10記載の放射線画像検出器。
  12. 前記正孔輸送材料が、TPD(N,N'-diphenyl-N,N'-bis-(3-methylphenyl)-1,1'-biphenyl-4,4'-diamine)であることを特徴とする請求項10または11記載の放射線画像検出器。
  13. 前記電圧印加電極が、正の電圧が印加されるものであり、
    前記電荷注入阻止層が、前記電圧印加電極から前記半導体層への正孔の注入を阻止するとともに、電子を輸送するものであることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の放射線画像検出器。
  14. 前記電荷注入阻止層が、有機高分子に電子輸送材料を添加したものから形成されていることを特徴とする請求項13記載の放射線画像検出器。
  15. 前記有機高分子が、ポリカーボネートであることを特徴とする請求項14記載の放射線画像検出器。
  16. 前記電子輸送材料が、カーボンクラスターまたはその誘導体、もしくはカーボンナノチューブであることを特徴とする請求項14または15記載の放射線画像検出器。
  17. 前記カーボンクラスターが、フラーレンC60、フラーレンC70、酸化フラーレンまたはそれらの誘導体から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項16記載の放射線画像検出器。
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