JP2009080194A - 重合性樹脂組成物、転写材料、カラーフィルタ及びその製造方法、液晶表示装置用スペーサ及びその製造方法、並びに液晶表示装置 - Google Patents

重合性樹脂組成物、転写材料、カラーフィルタ及びその製造方法、液晶表示装置用スペーサ及びその製造方法、並びに液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】重合性樹脂組成物を塗布した際の膜厚均一性を良好にし、下地層の荒れが防止された転写材料の提供を可能にする。
【解決手段】RCOOR〔R:メチル基、エチル基;R:置換又は無置換のシクロヘキシル基〕で表される有機溶剤と、重合性化合物と、を含有する重合性樹脂組成物である。好ましくは、光重合開始剤とバインダーとを更に含有し、感光性に構成されている。
【選択図】なし

Description

本発明は、重合性樹脂組成物、転写材料、カラーフィルタ及びその製造方法、液晶表示装置用スペーサ及びその製造方法、並びに液晶表示装置に関する。
近年、液晶表示装置は、高画質な画像を表示する表示装置として広く利用されている。
液晶表示装置は一般に、一対の基板間に液晶材料が所定の配向をとることにより画像表示を可能とする液晶層が配置されており、この基板間隔(いわゆるセルギャップ)、すなわち液晶層の厚みを一定に維持することが良好な画像品質を保持するための要素の1つとなっている。そして、液晶層の厚みを一定に維持するために、スペーサが配設されている。この基板間の厚みは一般に「セル厚」と称され、セル厚は通常、液晶層の厚み、換言すれば表示領域である液晶層に電界を与える2枚の電極間の距離である。
スペーサは従来、微粒子のビーズを散布することにより形成されていた。しかし、微粒子のスペーサを用いるとスペーサの分布が不均一となりやすく、スペーサの分布が不均一になったときには、液晶セルのセルギャップにバラツキが生じ、液晶表示に色ムラが発生してしまうという問題がある。
このような問題に対して、従来の微粒子を用いたスペーサに替わって、感光性組成物を用いて液晶基板上にフォトリソグラフの手法によりセルギャップを均一保持するための凸型パターンを形成したスペーサ(いわゆるフォトスペーサ)が提案され、実用化されてきている。
フォトスペーサでは、そのスペーサドットの圧縮強度が弱いために塑性変形が大きいことから色ムラ等の画像ムラを生じて表示画像の品質を悪化させることがあるが、このような要因以外にも、例えばスペーサを形成するための感光性組成物を塗布した場合にその塗布膜に塗布に起因するムラができてしまうと、最終的に形成されたスペーサの高さがばらついて画像表示した際の画像品質を低下させることがある。
感光性組成物には、一般に重合性のモノマーや重合開始剤、溶剤等を含有するものが用いられており、スペーサのバラツキ防止、特に塗布後の塗布面状に起因するバラツキ防止については、従来から塗布や乾燥の方法等の面から種々の検討がなされている。
一方、バインダーポリマーと赤外線吸収物質等と共に特定のエステル系溶剤を用いた塗工液に関する開示がある(例えば、特許文献1参照)。これは、フレキソ印刷版を製造する場合に感光性樹脂表面に赤外線感受性層を設けるための塗工液であり、グラインドで荒れた感光性樹脂表面に塗工した場合のピンホール等の欠点や塗工作業環境を改善できるとされている。
特開2001−220537号公報
しかしながら、液晶表示装置を構成するスペーサやカラーフィルタ等の分野においては、カラー画像を表示しようとする場合に、スペーサに起因するセルギャップの変動や着色画素を構成するカラーフィルタの厚み変動は、表示される画像の品質に大きな影響を与えやすく、例えばスペーサやカラーフィルタをフォトリソ形成するための層を塗布形成する場合に生じる塗布ムラは、上記のようなセルギャップ変動やカラーフィルタの厚み変動を悪化させる一因となる。
また、カラーフィルタ等の作製の際に感光性組成物層を有する転写材料を用いる場合、該転写材料は仮支持体上の熱可塑性樹脂層や中間層の上に感光性組成物を設けて作製されるが、感光性組成物を設ける際に下地となる層が膨潤等して平坦性を損ない、結果として平坦性の高い感光性組成物層が得られないことがある。
このような場合に、上記した従来の技術だけでは所望とする高品質の画像表示は得られないのが実状である。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、塗布した際の膜厚均一性が良好であり、下地層の荒れを防止して表面平滑な層を形成し得る転写材料の提供が可能な重合性樹脂組成物、重合性樹脂組成物層と隣接する下地層の荒れが防止された転写材料、表面平滑性に優れたカラーフィルタ及びその製造方法、高さ均一性に優れた液晶表示装置用スペーサ及びその製造方法、並びに液晶表示装置を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 下記一般式(1)で表される有機溶剤と重合性化合物とを含有する重合性樹脂組成物である。
COOR :一般式(1)
前記一般式(1)において、Rはメチル基又はエチル基を表し、Rは置換又は無置換のシクロヘキシル基を表す。
<2> 光重合開始剤とバインダーとを更に含有し、感光性に構成されたことを特徴とする前記<1>に記載の重合性樹脂組成物である。
<3> 液晶表示装置用スペーサの形成又はカラーフィルタの作製に用いられることを特徴とする前記<1>又は前記<2>に記載の重合性樹脂組成物である。
<4> 前記一般式(1)で表される有機溶剤の含有量が、全溶剤量の20質量%以上であることを特徴とする前記<1>〜前記<3>のいずれか1つに記載の重合性樹脂組成物である。
<5> 仮支持体上に、該仮支持体側から順に、水溶性樹脂含有層と、前記<1>〜前記<4>のいずれか1つに記載の重合性樹脂組成物を用いてなる重合性樹脂組成物層とを有する転写材料である。
<6> 前記重合性樹脂組成物層は、前記重合性樹脂組成物を前記水溶性樹脂含有層の表面に塗布した後に有機溶剤の少なくとも一部を除去することにより形成されたことを特徴とする前記<5>に記載の転写材料である。
<7> 前記<1>〜前記<4>のいずれか1つに記載の重合性樹脂組成物、又は前記<5>若しくは前記<6>に記載の転写材料を用いて形成された液晶表示装置用スペーサである。
<8> 前記<1>〜前記<4>のいずれか1つに記載の重合性樹脂組成物、又は前記<5>若しくは前記<6>に記載の転写材料を用いて作製されたカラーフィルタである。
<9> 前記<1>〜前記<4>のいずれか1つに記載の重合性樹脂組成物を塗布し、又は前記<5>若しくは前記<6>に記載の転写材料の重合性樹脂組成物層を転写することにより支持体上に重合性樹脂組成物層を形成し、形成された重合性樹脂組成物層を露光、現像してスペーサパターンを形成する工程を有する液晶表示装置用スペーサの製造方法である。
<10> 前記<1>〜前記<4>のいずれか1つに記載の重合性樹脂組成物を塗布し、又は前記<5>若しくは前記<6>に記載の転写材料の重合性樹脂組成物層を転写することにより支持体上に重合性樹脂組成物層を形成し、形成された重合性樹脂組成物層を露光、現像して着色パターンを形成する工程を有するカラーフィルタの製造方法である。
<11> 前記<7>に記載の液晶表示装置用スペーサ及び/又は前記<8>に記載のカラーフィルタを備えた液晶表示装置である。
本発明によれば、塗布した際の膜厚均一性が良好であり、転写材料に用いた場合には下地層の荒れを防止して表面平滑な層を形成し得る重合性樹脂組成物を提供することができる。また、
本発明によれば、重合性樹脂組成物層と隣接する下地層の荒れが防止された転写材料、表面平滑性に優れたカラーフィルタ及びその製造方法、高さ均一性に優れた液晶表示装置用スペーサ及びその製造方法、並びに液晶表示装置を提供することができる。
以下、本発明の重合性樹脂組成物について詳細に説明し、該重合性樹脂組成物の説明を通じて、これを用いた転写材料、カラーフィルタ及びその製造方法、液晶表示装置用スペーサ及びその製造方法、並びに液晶表示装置についても詳細に説明する。
<重合性樹脂組成物>
本発明の重合性樹脂組成物は、少なくとも、以下に示す一般式(1)で表される有機溶剤と、重合性化合物とを含有してなり、好ましくは、更に光重合開始剤とバインダーとを含有して感光性を有する組成物に構成することができる。また、必要に応じて、他の成分を用いて構成することが可能である。
COOR ・・・一般式(1)
一般式(1)において、Rはメチル基又はエチル基を表し、Rは置換又は無置換のシクロヘキシル基を表す。
本発明の重合性樹脂組成物においては、組成物調製用の溶剤として、前記一般式(1)で表される有機溶剤を(好ましくは20質量%以上)用いた構成とすることで、塗布時には、適度に乾燥速度を遅くすることもできるため、塗布形成された塗布膜のレベリング効果を充分に発現させることができ、また、適度に乾燥前の塗布膜の粘度を高められるため、ハンドリング中の塗布液の流動による膜厚変動を抑えることもできる。その結果、筋状や雲状に現れる塗布ムラ(スジムラ、モヤムラ等)の発生を効果的に抑制することができる。また、転写材料の作製時には、前記同様に仮支持体上での塗布ムラが抑制されると共に、重合性樹脂組成物が付与される下地(仮支持体上の層)の組成物付与に伴なう膨潤等による荒れの発生を防止できるので、下地層の機能を維持しつつ、重合性樹脂組成物の厚み不均一を効果的に抑制することができる。
以上により、厚み均一性の高い層を塗布形成もしくは転写形成することが可能であり、例えば、液晶表示装置用スペーサを形成するときには、高さバラツキが抑えられ、高さ均一性を高めることができ、また、カラーフィルタを作製するときには、表面平滑性を向上させることができる。
−有機溶剤−
本発明の重合性樹脂組成物は、下記一般式(1)で表される有機溶剤の少なくとも一種を含有する。この有機溶剤は、乾燥速度が遅く、沸点、疎水性、粘度が高い溶剤であるので、本発明の効果を奏するのに有利である。
COOR ・・・一般式(1)
前記一般式(1)において、Rはメチル基又はエチル基を表し、Rは置換又は無置換のシクロヘキシル基を表す。シクロヘキシル基が置換されている場合の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等が挙げられる。
前記一般式(1)で表される有機溶剤の具体例としては、シクロヘキシルアセテート(シクロヘキサノールアセテート)、シクロヘキシルプロピオネート、等が挙げられる。中でも、塗布膜の塗布ムラの発生抑制や転写材料において仮支持体上に設けられる水溶性樹脂層等の下地層の荒れ防止の点で、シクロヘキシルアセテート(シクロヘキサノールアセテート)が好ましい。
本発明の重合性樹脂組成物には、上記の一般式(1)で表される有機溶剤以外の他の溶剤を併用してもよい。他の溶剤としては、前記一般式(1)で表される有機溶剤との相溶性がある溶剤であれば、特に制限はなく、公知の溶剤から任意に選択することができる。他の溶剤の例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、等を好適に挙げることができる。
中でも、コストや安全性の観点からは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを併用した場合が好ましい。
前記一般式(1)で表される有機溶剤の重合性樹脂組成物中における含有量としては、塗布膜の塗布ムラの発生抑制や転写材料において仮支持体上に設けられる水溶性樹脂層等の下地層の荒れ防止の観点から、全溶剤量の20質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましい。
−重合性化合物、光重合開始剤、その他の成分−
本発明の重合性樹脂組成物は、重合性化合物の少なくとも一種、及び好ましくは光重合開始剤の少なくとも一種を含有する。重合性化合物を含むことにより、組成物を硬化性に構成することができ、また、前記重合性化合物と共に光重合開始剤を含むことにより、感光性に構成することができる。
本発明において、重合性化合物、光重合開始剤、その他の成分として、公知の組成物を構成する成分を好適に用いることができる。例えば、特開2006−23696号公報の段落番号[0010]〜[0020]に記載の成分や、特開2006−64921号公報の段落番号[0027]〜[0053]に記載の成分が挙げられる。
重合性化合物の重合性樹脂組成物中における含有量としては、組成物の固形分量に対して、20〜65質量%が好ましく、より好ましくは40〜60質量%である。重合性化合物の含有量が前記範囲内であると、硬化後の膜強度を高めると同時に、塗布膜のベタつきを抑えて取り扱い性を良好にすることができる。
また、光重合開始剤の重合性樹脂組成物中における含有量としては、組成物の固形分量に対して、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%である。重合性化合物の含有量が前記範囲内であると、光重合感度高めると同時に、テーパー形状を適度にコントロールすることができる。
更に、重合性化合物は、後述のバインダー(特に本発明における特定樹脂)との関係において、重合性化合物(m)のバインダー(特に本発明における特定樹脂)(p)に対する質量比率(m/p比)が0.5〜2.0であることが好ましく、0.6〜1.4であることがより好ましく、0.7〜1.2であることが特に好ましい。m/p比が前記範囲内であると、良好な現像性、力学強度を有するスペーサが得られる。
また、光重合開始剤の含有量は、樹脂に対して、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
−微粒子−
重合性樹脂組成物において、微粒子の少なくとも1種も好適に添加することができる。
微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、特開2003−302639号公報[0035]〜[0041]に記載の体質顔料が好ましく、中でも良好な現像性、力学強度を有するスペーサが得られるという観点から、コロイダルシリカが好ましい。
前記微粒子の平均粒子径は、高い力学強度を有するスペーサが得られるという観点から、5〜50nmであることが好ましく、10〜40nmであることがより好ましく、15〜30nmであることが特に好ましい。
また、前記微粒子の含有量は、高い力学強度を有するスペーサが得られるという観点から、本発明の重合性樹脂組成物中の全固形分に対する質量比率が5〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましく、15〜30質量%であることが特に好ましい。
−バインダー−
本発明の重合性樹脂組成物は、バインダーの少なくとも一種を含有する。
バインダーとしては、公知の樹脂成分から任意に選択して用いることができ、弾性回復性に優れる観点から、分子中に反応性基と酸性基とを有する樹脂が好ましく、中でも特に、側鎖に、分岐及び/又は脂環構造、酸性基、並びにエチレン性不飽和結合を有する樹脂(以下、「本発明における特定樹脂」ということがある。)が好ましい。
本発明における特定樹脂は、酸性基を有して現像性を具えると共に、側鎖にエチレン性不飽和結合を有することで、高い感度、重合反応性を具え、形状の良好なパターンを形成できる。また、分岐及び/又は脂環構造を有し、形成されたパターン構造物の外力を受けた際の圧縮弾性率、圧縮変形からの弾性回復性を高めることができる。これより、例えばカラーフィルタ用のスペーサなどのパターン構造物を構成するのに有用である。
ここで、分岐及び/又は脂環構造、酸性基、並びにエチレン性不飽和結合は、それぞれが異なる側鎖中に含まれていてもよいし、一部が組み合わされて同じ側鎖中に含まれていてもよいし、全てが同じ側鎖中に含まれていてもよい。
なお、本明細書中において、(メタ)アクリロイル基はアクリロイル基又はメタクリロイル基を表し、(メタ)アクリレートはアクリレート又はメタクリレートを表し、(メタ)アクリルはアクリル又はメタクリルを表し、(メタ)アクリルアミドはアクリルアミド又はメタクリルアミドを表し、(メタ)アクリルアニリドはアクリルアニリド又はメタクリルアニリドを表す。
−分岐及び/又は脂環構造−
バインダーは、樹脂の主鎖に結合する側鎖に、分岐及び/又は脂環構造の少なくとも1種を含む。分岐及び/又は脂環構造は、バインダーの側鎖中に複数含まれていてもよい。また、分岐及び/又は脂環構造は、バインダーの側鎖中に、酸性基及び/又はエチレン性不飽和結合とともに含まれていてもよい。
また、分岐及び/又は脂環構造は、バインダーの主鎖に直接結合して分岐及び/又は脂環構造のみでバインダーの側鎖を構成してもよいし、バインダーの主鎖に2価の有機連結基を介して結合し、分岐及び/又は脂環構造を有する基としてバインダーの側鎖を構成してもよい。
前記2価の有機連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、エステル基、アミド基、及びエーテル基から選ばれる一つ又は組み合わせが好ましい。前記アルキレン基としては、総炭素数1〜20のアルキレン基が好ましく、さらに好ましくは1〜10が好ましい。具体的には、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、オクチレン、ドデシレン、オクタデシレンなどが挙げられ、これらは分岐/環状構造、官能基を有していてもよく、さらに好ましくは、メチレン基、エチレン基、オクチレン基が好ましい。前記アリーレン基としては、総炭素数6〜20のアリーレン基が好ましく、さらに好ましくは総炭素数6〜12のアリーレン基である。具体的には、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフタレン基、アントラセン基などが挙げられ、これらは分岐、官能基を有していてもよく、さらに好ましくは、フェニレン基、ビフェニレン基が好ましい。
分岐及び/又は脂環構造は、合成の容易さの点から、少なくともエステル基(−COO−)を介してバインダーの主鎖に結合されている形態が好ましい。この形態は、分岐及び/又は脂環構造がエステル基(−COO−)のみを介してバインダーの主鎖に結合されている形態に限られず、分岐及び/又は脂環構造がエステル基(−COO−)を含む2価の連結基を介してバインダーの主鎖に結合されている形態であってもよい。すなわち、分岐及び/又は脂環構造とエステル鎖との間、及び/又は、エステル鎖とバインダーの主鎖との間に、他の原子や他の連結基が含まれていてもよい。
前記分岐構造としては、炭素原子数3〜12個の分岐状のアルキル基が挙げられ、例えば、i−プロピル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、i−アミル基、t−アミル基、3−オクチル、t−オクチル等が好ましい。これらの中でも、i−プロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基等がより好ましく、i−プロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基等が特に好ましい。
前記脂環構造としては、炭素原子数5〜20個の脂環式炭化水素基が挙げられ、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、ジシクロペンテニル基、ジシクロペンタニル基、トリシクロペンテニル基、及びトリシクロペンタニル基等並びにこれらを有する基が好ましい。これらの中でも、ジシクロペンテニル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、トリシクロペンテニル基、トリシクロペンタニル基等がより好ましく、ジシクロペンテニル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロペンテニル基等が更に好ましく、ジシクロペンテニル基が特に好ましい。
更には、分岐及び/又は脂環構造を有する基として、下記一般式(3)で表される基を有して構成された形態が好ましい。
Figure 2009080194

一般式(3)において、xは1又は2を表し、m及びnは各々独立に0〜15の整数を表す。
バインダーの側鎖に分岐及び/又は脂環構造を導入するための単量体としては、スチレン類、(メタ)アクリレート類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、(メタ)アクリルアミド類などが挙げられ、(メタ)アクリレート類、ビニルエステル類、(メタ)アクリルアミド類が好ましく、(メタ)アクリレート類がより好ましい。
バインダーの側鎖に分岐構造を導入するための具体的な単量体としては、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸i−アミル、(メタ)アクリル酸t−アミル、(メタ)アクリル酸sec−iso−アミル、(メタ)アクリル酸2−オクチル、(メタ)アクリル酸3−オクチル、(メタ)アクリル酸t−オクチル等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル等が好ましく、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸t−ブチル等がより好ましい。
バインダーの側鎖に脂環構造を導入するための単量体としては、炭素原子数5〜20個の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。具体的な例としては、(メタ)アクリル酸(ビシクロ〔2.2.1]ヘプチル−2)、(メタ)アクリル酸1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸3−メチル−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸3,5−ジメチル−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸3−エチルアダマンチル、(メタ)アクリル酸3−メチル−5−エチル−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸3,5,8−トリエチル−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸3,5−ジメチル−8−エチル−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸2−エチル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸オクタヒドロ−4,7−メンタノインデン−5−イル、(メタ)アクリル酸オクタヒドロ−4,7−メンタノインデン−1−イルメチル、(メタ)アクリル酸1−メンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデシル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−2,6,6−トリメチル−ビシクロ〔3.1.1〕ヘプチル、(メタ)アクリル酸3,7,7−トリメチル−4−ヒドロキシ−ビシクロ〔4.1.0〕ヘプチル、(メタ)アクリル酸(ノル)ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸フエンチル、(メタ)アクリル酸2,2,5−トリメチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸トリシクロペンテニル等が挙げられる。
これら(メタ)アクリル酸エステルの中でも、圧縮弾性率、弾性回復性が良好になる点で、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸(ノル)ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸フエンチル、(メタ)アクリル酸1−メンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸トリシクロペンテニルなどが好ましく、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸(ノル)ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸トリシクロペンテニルが特に好ましい。
また、バインダーの側鎖に脂環構造を導入するための単量体としては、下記一般式(2)又は(3)で表される化合物が挙げられる。ここで、一般式(2)、(3)において、xは1又は2を表し、Rは水素又はメチル基を表す。m及びnはそれぞれ独立に0〜15を表す。一般式(2)、(3)の中でも、x=1又は2、m=0〜8、n=0〜4が好ましく、m=1〜4、n=0〜2がより好ましい。一般式(2)又は(3)で表される化合物の好ましい具体例として、下記化合物D−1〜D−5、T−1〜T−8が挙げられる。
Figure 2009080194

Figure 2009080194
Figure 2009080194

バインダーの側鎖に脂環構造を導入するための単量体としては、適宜製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記市販品としては、日立化成工業(株)製:FA−511A、FA−512A(S)、FA−512M、FA−513A、FA−513M、TCPD−A、TCPD−M、
H−TCPD−A、H−TCPD−M、TOE−A、TOE−M、H−TOE−A、H−TOE−M等が挙げられる。これらの中でも現像性に優れ、変形回復率に優れる点で、FA−512A(S),512Mが好ましい。
−酸性基−
バインダーは、主鎖に連結する側鎖に、酸性基の少なくとも1種を含む。酸性基は、側鎖中に複数含まれていてもよい。また、酸性基は、バインダーの側鎖中に、前記分岐及び/又は脂環構造、並びにエチレン性不飽和結合とともに含まれていてもよい。
また、酸性基は、バインダーの主鎖に直接結合し酸性基のみでバインダーの側鎖を構成してもよいし、バインダーの主鎖に2価の有機連結基を介して結合し、酸性基を有する基としてバインダーの側鎖を構成してもよい。ここで、2価の有機連結基については前記分岐及び/又は脂環構造における説明で例示した2価の有機連結基が挙げられ、好ましい範囲も同様である。
前記酸性基としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、スルホンアミド基、リン酸基、フェノール性水酸基等が挙げられる。これらの中でも、現像性、及び硬化膜の耐水性が優れる点から、カルボキシ基、フェノール性水酸基であることが好ましい。
前記酸性基をバインダーに導入するための単量体としては、特に制限はなく、スチレン類、(メタ)アクリレート類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、(メタ)アクリルアミド類などが挙げられ、(メタ)アクリレート類、ビニルエステル類、(メタ)アクリルアミド類が好ましく、さらに好ましくは(メタ)アクリレート類である。
前記酸性基をバインダーに導入するための単量体の具体例としては、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、α−シアノ桂皮酸、アクリル酸ダイマー、水酸基を有する単量体と環状酸無水物との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、適宜製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記水酸基を有する単量体と環状酸無水物との付加反応物に用いられる水酸基を有する単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。前記環状酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物等が挙げられる。
前記「酸性基を有する単量体」の市販品としては、東亜合成化学工業(株)製:アロニックスM−5300、アロニックスM−5400、アロニックスM−5500、アロニックスM−5600、新中村化学工業(株)製:NKエステルCB−1、NKエステルCBX−1、共栄社油脂化学工業(株)製:HOA−MP、HOA−MS、大阪有機化学工業(株)製:ビスコート#2100等が挙げられる。これらの中でも現像性に優れ、低コストである点で(メタ)アクリル酸等が好ましい。
−エチレン性不飽和結合−
バインダーは、主鎖に連結する側鎖に、エチレン性不飽和結合の少なくとも1種を含む。このエチレン性不飽和結合は、側鎖中に複数含まれていてもよい。また、エチレン性不飽和結合は、バインダーの側鎖中に、前記分岐及び/又は脂環構造、並びに/又は前記酸性基とともに含まれていてもよい。
また、エチレン性不飽和結合は、バインダーの主鎖との間に少なくとも1つのエステル基(−COO−)を介して結合し、エチレン性不飽和結合とエステル基のみでバインダーの側鎖を構成していてもよい。また、バインダーの主鎖とエステル基との間、及び/又は、エステル基とエチレン性不飽和結合との間に、さらに2価の有機連結基を有してもよく、エチレン性不飽和結合は「エチレン性不飽和結合を有する基」としてバインダーの側鎖を構成していてもよい。ここで、2価の有機連結基については、分岐及び/又は脂環構造における説明で例示した2価の有機連結基が挙げられ、好ましい範囲も同様である。
エチレン性不飽和結合としては、(メタ)アクリロイル基を導入して配されることが好ましい。
バインダーの側鎖に(メタ)アクリロイル基を導入する方法は、公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、酸性基を持つ繰り返し単位にエポキシ基を持つ(メタ)アクリレートを付加する方法、ヒドロキシル基を持つ繰り返し単位にイソシアネート基を持つ(メタ)アクリレートを付加する方法、イソシアネート基を持つ繰り返し単位にヒドロキシ基を持つ(メタ)アクリレートを付加する方法などが挙げられる。
その中でも、酸性基を持つ繰り返し単位にエポキシ基を持つ(メタ)アクリレートを付加する方法が最も製造が容易であり、低コストである点で好ましい。
前記エチレン性不飽和結合及びエポキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、これらを有すれば特に制限はないが、例えば、下記構造式(1)で表される化合物及び下記構造式(2)で表される化合物が好ましい。
Figure 2009080194

ただし、前記構造式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。Lは有機基を表す。
Figure 2009080194

ただし、前記構造式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。Lは有機基を表す。Wは4〜7員環の脂肪族炭化水素基を表す。
前記構造式(1)で表される化合物及び構造式(2)で表される化合物の中でも、構造式(1)で表される化合物が構造式(2)よりも好ましい。前記構造式(1)及び(2)においては、L及びLがそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキレン基のものがより好ましい。
前記構造式(1)で表される化合物又は構造式(2)で表される化合物としては、特に制限はないが、例えば、以下の例示化合物(1)〜(10)が挙げられる。
Figure 2009080194

−その他の単量体−
前記その他の単量体としては、特に制限はなく、例えば分岐及び/又は脂環構造を持たない(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、ビニルエーテル基、二塩基酸無水物基、ビニルエステル基、炭化水素アルケニル基等を有する単量体などが挙げられる。
前記ビニルエーテル基としては、特に制限はなく、例えば、ブチルビニルエーテル基などが挙げられる。
前記二塩基酸無水物基としては、特に制限はなく、例えば、無水マレイン酸基、無水イタコン酸基などが挙げられる。
前記ビニルエステル基としては、特に制限はなく、例えば、酢酸ビニル基などが挙げられる。
前記炭化水素アルケニル基としては、特に制限はなく、例えば、ブタジエン基、イソプレン基などが挙げられる。
バインダーの具体例としては、例えば、下記構造で表される化合物(例示化合物P−1〜P−35)が挙げられる。
また、例示化合物中のx、y、及びzは、各繰り返し単位の組成比(質量比)を表し、後述の好ましい範囲で構成する形態が好適である。また、各例示化合物の重量平均分子量も、後述の好ましい範囲で構成する形態が好適である。
Figure 2009080194
Figure 2009080194
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Figure 2009080194
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<合成法>
本発明における特定樹脂は、モノマーの(共)重合反応の工程とエチレン性不飽和基を導入する工程の二段階の工程から合成することができる。
まず、(共)重合反応は種々のモノマーの(共)重合反応によって作られ、特に制限はなく公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、重合の活性種については、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、配位重合などを適宜選択することができる。これらの中でも合成が容易であり、低コストである点からラジカル重合であることが好ましい。また、重合方法についても特に制限はなく公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、バルク重合法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法などを適宜選択することができる。これらの中でも、溶液重合法であることがより望ましい。
本発明における特定樹脂の総炭素数としては、弾性係数(硬さ)の点で、10以上が好ましい。中でも、総炭素数は、10〜30がより好ましく、特に好ましくは10〜15である。
<分子量>
本発明における特定樹脂の分子量は、重量平均分子量で10,000〜10万が好ましく、12,000〜60,000が更に好ましく、15,000〜45,000が特に好ましい。重量平均分子量が前記範囲内であると、樹脂(好ましくは共重合体)の製造適性、現像性の点で望ましい。また、溶融粘度の低下により形成された形状が潰れ難い点で、また、架橋不良となり難い点、現像でのスペーサ形状の残渣がない点で好ましい。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定される。GPCについては、後記する実施例の項で詳細に示す。
<ガラス転移温度>
本発明における特定樹脂のガラス転移温度(Tg)は、40〜180℃であることが好ましく、45〜140℃であることはより好ましく、50〜130℃であることが特に好ましい。ガラス転移温度(Tg)が前記好ましい範囲内であると、良好な現像性、力学強度を有するスペーサが得られる。
<酸価>
本発明における特定樹脂の酸価は、とりうる分子構造により好ましい範囲が変動するが、一般には20mgKOH/g以上であることが好ましく、50mgKOH/g以上であることはより好ましく、70〜130mgKOH/gであることが特に好ましい。酸価が前記好ましい範囲内であると、良好な現像性、力学強度を有するスペーサが得られる。
前記本発明における特定樹脂は、良好な現像性、力学強度を有するスペーサが得られる点で、ガラス転移温度(Tg)が40〜180℃であり、かつ重量平均分子量が10,000〜100,000であることが好ましい。
更に、前記本発明における特定樹脂の好ましい例は、好ましい前記分子量、ガラス転移温度(Tg)、及び酸価のそれぞれの組合せがより好ましい。
本発明における特定樹脂は、分岐及び/又は脂環構造と、酸性基と、エチレン性不飽和結合と、をそれぞれ別の繰り返し単位(共重合単位)に有する3元共重合以上の共重合体であることが、パターン構造物(例えばカラーフィルタ用のスペーサ)を形成したときの変形回復率、現像残渣、レチキュレーションの観点から好ましい。
具体的には、本発明における特定樹脂は、分岐及び/又は脂環構造を有する繰り返し単位:X(xモル%)と、酸性基を有する繰り返し単位:Y(yモル%)と、エチレン性不飽和結合を有する繰り返し単位:Z(zモル%)と、を少なくとも有する3元共重合以上の共重合体であることが好ましい。さらに、必要に応じて、その他の繰り返し単位:L(lモル%)を有していてもよい。
このような共重合体は、例えば、分岐及び/又は脂環構造を有する単量体と、酸性基を有する単量体と、エチレン性不飽和結合を有する単量体と、必要に応じて他の単量体と、を共重合させて得ることができる。
前記本発明における特定樹脂が共重合体である場合の共重合組成比については、ガラス転移温度と酸価を勘案して決定される。一概に言えないが、下記の範囲とすることができる。
本発明における特定樹脂における、分岐及び/又は脂環構造を有する繰り返し単位の組成比(x)は、10〜70モル%が好ましく、15〜65モル%が更に好ましく、20〜60モル%が特に好ましい。組成比(x)が前記範囲内であると、良好な現像性が得られると共に、画像部の現像液耐性も良好である。
本発明における特定樹脂における、酸性基を有する繰り返し単位の組成比(y)は、5〜70モル%が好ましく、10〜60モル%が更に好ましく、20〜50モル%が特に好ましい。組成比(y)が前記範囲内であると、良好な硬化性、現像性が得られる。
本発明における特定樹脂における、エチレン性不飽和結合を有する繰り返し単位の組成比(z)は、10〜70モル%が好ましく、20〜70モル%が更に好ましく、30〜70モル%が特に好ましい。組成比(z)が前記範囲内であると、顔料分散性に優れると共に、現像性及び硬化性も良好である。
更には、本発明における特定樹脂としては、組成比(x)が10〜70モル%(更には15〜65モル%、特には20〜50モル%)であって、組成比(y)が5〜70モル%(更には10〜60モル%、特には30〜70モル%)であって、組成比(z)が10〜70モル%(更には20〜70モル%、特には30〜70モル%)である場合が好ましい。
前記本発明における特定樹脂の含有量としては、重合性樹脂組成物の全固形分に対して、5〜70質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。
本発明における特定樹脂は、後述するその他の樹脂と併用できるが、前記本発明における特定樹脂のみで構成される場合が好ましい。
−その他の樹脂−
前記本発明における特定樹脂と併用することができる他の樹脂としては、アルカリ性水溶液に対して膨潤性を示す化合物が好ましく、アルカリ性水溶液に対して可溶性である化合物がより好ましい。
アルカリ性水溶液に対して膨潤性又は溶解性を示す樹脂としては、例えば、酸性基を有するものが好適に挙げられ、具体的には、エポキシ化合物にエチレン性不飽和二重結合と酸性基とを導入した化合物(エポキシアクリレート化合物)、側鎖に(メタ)アクリロイル基、及び酸性基を有するビニル共重合体、エポキシアクリレート化合物と、側鎖に(メタ)アクリロイル基、及び酸性基を有するビニル共重合体との混合物、マレアミド酸系共重合体、などが好ましい。
前記酸性基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、などが挙げられ、これらの中でも、原料の入手性などの観点から、カルボキシル基が好ましく挙げられる。
前記本発明における特定樹脂とその他の樹脂とを併用する場合、本発明における特定樹脂と併用することができる樹脂との合計の含有量(固形分)としては、重合性樹脂組成物の全固形分に対して、5〜70質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。この含有量は、5質量%以上であると重合性樹脂組成物で形成された層の膜強度を維持でき、該層の表面のタック性を良好に保つことができ、70質量%以下であると露光感度が良好になる。
本発明の重合性樹脂組成物は、塗布あるいは樹脂成分を含む層上に重ねて付与するような分野、用途に好適であり、特に、液晶材料を含む液晶層を挟む二枚の基板間を規制して所定の間隔(セルギャップ)を保つためのスペーサの形成や、カラーフィルタの作製に好適に用いることができる。
<転写材料>
本発明の転写材料は、仮支持体上に該仮支持体側から順に、水溶性樹脂含有層と、既述の本発明の重合性樹脂組成物を用いて形成された重合性樹脂組成物層とを設けて構成されたものであり、必要に応じて、更に熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂層などの他の層が設けられていてもよい。
本発明の転写材料は、既述の本発明の重合性樹脂組成物を用いて構成されるので、重合性樹脂組成物が付与される下地層となる水溶性樹脂含有層の膨潤等による荒れの発生を防止できる。また、仮支持体上に塗布して重合性樹脂組成物層を塗布形成する際の塗布ムラが抑制される。これより、水溶性樹脂含有層の機能を維持すると共に、重合性樹脂組成物の厚み不均一が抑制され、高さ均一性に優れた液晶表示装置用スペーサ及び表面平滑性に優れたカラーフィルタ等を作製することができる。
前記水溶性樹脂含有層は、重合性樹脂組成物層と仮支持体間に設けられており、酸素遮断する機能を有する層として用いることができる。これにより、特に重合性樹脂組成物層が感光性に構成された場合に露光感度を向上させることができる。また、例えば仮支持体と前記水溶性樹脂含有層との間には、転写性を向上させる目的で、クッション性を有する熱可塑性樹脂層を設けてもよい。
本発明における重合性樹脂組成物層は、既述の本発明の重合性樹脂組成物を前記水溶性樹脂含有層の表面に塗布して塗布膜を形成後、乾燥させて塗布膜中の有機溶剤の一部又は全部を除去することにより形成することができる。塗布による場合、上記のように水溶性樹脂含有層の荒れの発生が抑制されると共に、さらに塗布ムラの発生防止の点でも有効である。
本発明の転写材料を構成する仮支持体、酸素遮断する機能を有する層(水溶性樹脂含有層)、熱可塑性樹脂層、その他の層や、転写材料の作製方法については、特開2006−23696号公報の段落番号[0024]〜[0030]に記載の構成、作製方法と同様である。
<液晶表示装置用スペーサ及びカラーフィルタ並びにこれらの製造方法>
本発明の液晶表示装置用スペーサ(以下、単に「スペーサ」ともいう。)及びカラーフィルタは、既述の本発明の重合性樹脂組成物、又は既述の本発明の転写材料を用いて作製されたものである。
具体的には、本発明の液晶表示装置用スペーサは、少なくとも2枚の支持体と、前記支持体間に設けられた液晶材料と、前記液晶材料に電界を印加する2枚の電極と、前記支持体間のセル厚を規制するためのスペーサとを備えた液晶表示装置における前記スペーサであり、前記2枚の支持体の一方の上に、本発明の重合性樹脂組成物を含む重合性樹脂組成物層を形成する工程(以下、「層形成工程」と称する。)を設けることにより作製することができる。
本発明の液晶表示装置用スペーサは、既述の本発明の重合性樹脂組成物、又は既述の本発明の転写材料を用いた方法であれば任意の方法を選択することができるが、好ましくは、本発明の重合性樹脂組成物を塗布し、又は本発明の転写材料の重合性樹脂組成物層を転写することにより支持体上に重合性樹脂組成物層を形成し(層形成工程)、形成された重合性樹脂組成物層を露光、現像してスペーサパターンを形成する工程を設けること(すなわち本発明の液晶表示装置用スペーサの製造方法)により作製することができる。
本発明の液晶表示装置用スペーサの製造方法によれば、塗布による場合の筋状や雲状に現れる塗布ムラあるいは転写材料を用いた場合の下地(仮支持体上の水溶性樹脂含有層)の荒れの発生が抑制され、スペーサを形成するための重合性樹脂組成物層の厚み不均一が低減されるので、高さバラツキが少なく高さ均一性に優れたスペーサを得ることができる。
また、本発明のカラーフィルタは、前記スペーサと同様に、既述の本発明の重合性樹脂組成物、又は既述の本発明の転写材料を用いて作製されたものであり、本発明の重合性樹脂組成物を含む重合性樹脂組成物層を形成する層形成工程を設けることにより作製することができる。
本発明のカラーフィルタも、既述の本発明の重合性樹脂組成物、又は既述の本発明の転写材料を用いた方法であれば任意の方法を選択することができるが、好ましくは、本発明の重合性樹脂組成物を塗布し、又は本発明の転写材料の重合性樹脂組成物層を転写することにより支持体上に重合性樹脂組成物層を形成し(層形成工程)、形成された重合性樹脂組成物層を露光、現像して着色パターンを形成する工程を設けること(すなわち本発明のカラーフィルタの製造方法)により作製することができる。これより、塗布による場合の筋状や雲状に現れる塗布ムラあるいは転写材料を用いた場合の下地(仮支持体上の水溶性樹脂含有層)の荒れの発生が抑制され、重合性樹脂組成物層の厚み不均一が低減されるので、表面平滑性に優れたカラーフィルタを作製できる。
−層形成工程−
本発明における層形成工程では、支持体上に重合性樹脂組成物を用いて重合性樹脂組成物層を形成する。この重合性樹脂組成物層は、パターニング工程等の所望の他工程を経ることにより、セル厚を均一に保持し得るスペーサ又は平坦性のカラーフィルタを構成するものである。
層形成工程において、重合性樹脂組成物層を支持体上に設ける方法としては、重合性樹脂組成物を塗布する塗布法、重合性樹脂組成物を用いて形成された重合性樹脂組成物層が予め設けられた転写材料の前記重合性樹脂組成物層を加熱及び/又は加圧によりラミネート、転写する転写法、のいずれも適用することができる。
(a)塗布法
重合性樹脂組成物の塗布は、公知の塗布法、例えば、スピンコート法、カーテンコート法、スリットコート法、ディップコート法、エアーナイフコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、あるいは米国特許第2681294号明細書に記載のポッパーを使用するエクストルージョンコート法等により行なうことができる。中でも、特開2004−89851号公報、特開2004−17043号公報、特開2003−170098号公報、特開2003−164787号公報、特開2003−10767号公報、特開2002−79163号公報、特開2001−310147号公報等に記載のスリットノズルあるいはスリットコーターによるスリットコート法が好適である。
スリットコート法とは、支持体(又は基板)を載置した定盤あるいは塗布ヘッドを水平移動させながらスリットノズルから塗布液を支持体(又は基板)に塗布する方法である。この方法は、1m程度以上の大きさの支持体(又は基板)にも対応が容易であるといわれている。
スリットコート法に用いるスリットコーターとしては、具体的には、特開2004−89851号公報、特開2004−17043号公報、特開2003−170098号公報、特開2003−164787号公報、特開2003−10767号公報、特開2002−79163号公報、特開2001−310147号公報、特開2001−310152号公報、特開2001−62370号公報等に記載のスリット状ノズル、及びスリットコーター装置や、(株)ヒラノテクシードや東京応化(株)から市販されている装置が好ましく用いられる。
スリットコーターは、スリットノズルを設けて構成されている。スリットノズルは、内部に充填された塗布液をノズル先端に設けられたスリットから押し出して支持体(又は基板)上にコーティングを行なうための要素である。塗布液を押し出すときには、スリットノズル先端と支持体(又は基板)との距離を一定に保ち、この状態でスリットコーターをスリットノズルが支持体(又は基板)に対してX方向に相対的に移動するようにし、スリットノズル又は支持体(又は基板)のいずれかをスリットの幅方向に直線運動させる。このようにして、支持体(又は基板)に塗布膜が形成される。
(b)転写法
転写は、転写材料を用いて、仮支持体上に膜状に形成された重合性樹脂組成物層を所望の支持体面に例えば加熱及び/又は加圧したローラー又は平板を用いて圧着又は加熱圧着することによって貼り合せた後、仮支持体の剥離により重合性樹脂組成物層を支持体上に転写する。具体的には、特開平7−110575号公報、特開平11−77942号公報、特開2000−334836号公報、特開2002−148794号公報に記載のラミネーター及びラミネート方法が挙げられ、低異物の観点で、特開平7−110575号公報に記載の方法を用いるのが好ましい。
(a)塗布法、(b)転写法ともに重合性樹脂組成物層を形成する場合、その層厚は0.5〜10.0μmが好ましく、1〜6μmがより好ましい。層厚が前記範囲であると、製造時における塗布形成の際のピンホールの発生が防止され、未露光部の現像除去を長時間を要することなく行なうことができる。
重合性樹脂組成物層を形成する支持体としては、例えば、透明基板(例えばガラス基板やプラスチックス基板)、透明導電膜(例えばITO膜)付基板、カラーフィルタ付きの基板(カラーフィルタ基板ともいう。)、駆動素子(例えば、薄膜トランジスタ[TFT])付駆動基板、などが挙げられる。支持体の厚みとしては、700〜1200μmが一般に好ましい。
−パターニング工程−
本発明においては、上記の層形成工程の後、支持体上に形成された重合性樹脂組成物層をパターニングする工程(以下、「パターニング工程」ということがある。)を設けることができ、所望の形状のスペーサ又はカラーフィルタを作製することができる。本発明においては、例えば、重合性樹脂組成物を感光性に構成し、感光性の重合性樹脂組成物を露光及び現像することによりパターニングする工程を設けて好適に構成することができる。
パターニング工程の具体例としては、特開2006−64921号公報の段落番号[0071]〜[0077]に記載の形成例や、特開2006−23696号公報の段落番号[0040]〜[0051]に記載の工程などが、本発明において好適な例として挙げることができる。
本発明の液晶表示装置用スペーサは、ブラックマトリクス等の黒色遮蔽部及び着色画素等の着色部を含むカラーフィルタを形成した後に形成することができる。
前記黒色遮蔽部及び着色部とスペーサとは、塗布により層形成する塗布法と、転写材料を用いる転写法とを任意に組合せて形成することが可能である。
前記黒色遮蔽部及び着色部並びに前記スペーサはそれぞれ感光性の組成物を用いて形成することができ、具体的に例を示すと、基板に液体の感光性の組成物(好ましくは本発明の感光性を有する重合性樹脂組成物)を直接塗布することにより感光性の組成物層を形成した後に、露光・現像を行ない、前記黒色遮蔽部及び着色部をパターン状に形成し、その後、上記とは別に液状に調製された、本発明の感光性を有する重合性樹脂組成物を前記基板とは異なる別の基板(仮支持体)上に設置して感光性の重合性樹脂組成物層を形成することにより作製された転写材料を用い、この転写材料を前記黒色遮蔽部及び着色部が形成された前記基板に密着させて重合性樹脂組成物層を転写した後に、この感光性を有する重合性樹脂組成物層に露光、現像を行なうことによりスペーサをパターン状に形成することができる。このようにして、スペーサが設けられたカラーフィルタを作製することができる。
〜液晶表示装置用基板〜
既述の本発明の液晶表示装置用スペーサを設けることにより液晶表示装置用基板が得られる。スペーサは、支持体上に形成されたブラックマトリクス等の表示用遮光部の上やTFT等の駆動素子上に形成されることが好ましい。また、ブラックマトリクス等の表示用遮光部やTFT等の駆動素子とスペーサとの間にITO等の透明導電層(透明電極)やポリイミド等の液晶配向膜が存在していてもよい。
例えば、スペーサが表示用遮光部や駆動素子の上に設けられる場合、液晶表示装置用基板は、該支持体に予め配設された表示用遮光部(ブラックマトリクスなど)や駆動素子を覆うようにして、例えば転写材料の重合性樹脂組成物層を支持体面にラミネートし、剥離転写して重合性樹脂組成物層を形成した後、これにパターニング、好ましくは露光、現像、加熱処理等を施してスペーサを形成することによって作製することができる。
液晶表示装置用基板には、更に赤色(R)、青色(B)、緑色(G)等の着色領域(着色画素等)が設けられていてもよい。この場合、既述の本発明の液晶表示装置用スペーサは、既述の本発明のカラーフィルタ又はそれ以外のカラーフィルタを用いて形成される。
〜液晶表示素子〜
上記の液晶表示装置用基板を設けて液晶表示素子を構成することができる。液晶表示素子の1つとして、少なくとも一方が光透過性の一対の支持体(上記の液晶表示装置用基板を含む。)間に液晶層と液晶駆動手段(単純マトリックス駆動方式及びアクティブマトリックス駆動方式を含む。)を少なくとも備えたものが挙げられる。
この場合、本発明の液晶表示装置用基板は、複数のRGB画素群を有し、該画素群を構成する各画素が互いにブラックマトリックスで離画されているカラーフィルタ基板として構成できる。このカラーフィルタ基板には、本発明のスペーサが設けられるため、該カラーフィルタ基板を備えた液晶表示素子は、カラーフィルタ基板と対向基板との間にセルギャップムラ(セル厚変動)の発生が抑えられ、色ムラ等の表示ムラの発生を効果的に防止することができる。これにより、作製された液晶表示素子は鮮やかな画像を表示できる。
また、液晶表示素子の別の態様として、少なくとも一方が光透過性の一対の支持体(上記の液晶表示装置用基板を含む。)間に液晶層と液晶駆動手段とを少なくとも備え、前記液晶駆動手段がアクティブ素子(例えばTFT)を有し、かつ一対の基板間が本発明のスペーサにより所定幅に規制して構成されたものである。
この場合も、本発明の液晶表示装置用基板は、複数のRGB画素群を有し、該画素群を構成する各画素が互いにブラックマトリックスで離画されたカラーフィルタ基板として構成されている。
本発明において使用可能な液晶としては、ネマチック液晶、コレステリック液晶、スメクチック液晶、強誘電液晶が挙げられる。
また、前記カラーフィルタ基板の前記画素群は、互いに異なる色を呈する2色の画素からなるものでも、3色の画素、4色以上の画素からなるものであってもよい。例えば3色の場合、赤(R)、緑(G)及び青(B)の3つの色相で構成される。RGB3色の画素群を配置する場合には、モザイク型、トライアングル型等の配置が好ましく、4色以上の画素群を配置する場合にはどのような配置であってもよい。カラーフィルタ基板の作製は、例えば2色以上の画素群を形成した後既述のようにブラックマトリックスを形成してもよいし、逆にブラックマトリックスを形成した後に画素群を形成するようにしてもよい。RGB画素の形成については、特開2004−347831号公報等を参考にすることができる。
<液晶表示装置>
本発明の液晶表示装置は、本発明のカラーフィルタ及び/又は本発明の液晶表示装置用スペーサを設けて構成されたものである。好ましくは、本発明のカラーフィルタの上に本発明の液晶表示装置用スペーサを設けて作製された液晶表示装置用基板を用いて構成することができる。
本発明の液晶表示装置は、前記液晶表示素子を設けて構成することができる。すなわち、互いに向き合うように対向配置された一対の基板間を既述のように、本発明の液晶表示装置用スペーサで所定幅に規制し、規制された間隙に液晶材料を封入(封入部位を液晶層と称する。)して構成されており、液晶層の厚さ(セル厚)が所望の均一厚に保持されるようになっている。
液晶表示装置における液晶表示モードとしては、STN型、TN型、GH型、ECB型、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、VA型、IPS型、OCB型、ASM型、その他種々のものが好適に挙げられる。中でも、本発明の液晶表示装置においては、最も効果的に本発明の効果を奏する観点から、液晶セルのセル厚の変動により表示ムラを起こし易い表示モードが望ましく、セル厚が2〜4μmであるVA型表示モード、IPS型表示モード、OCB型表示モードに構成されるのが好ましい。
本発明の液晶表示装置の基本的な構成態様としては、(a)薄膜トランジスタ(TFT)等の駆動素子と画素電極(導電層)とが配列形成された駆動側基板と、対向電極(導電層)を備えた対向基板とをスペーサを介在させて対向配置し、その間隙部に液晶材料を封入して構成したもの、(b)駆動基板と、対向電極(導電層)を備えた対向基板とをスペーサを介在させて対向配置し、その間隙部に液晶材料を封入して構成したもの、等が挙げられ、本発明の液晶表示装置は、各種液晶表示機器に好適に適用することができる。
液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田龍男編集、側工業調査会、1994年発行)」に記載がある。本発明の液晶表示装置には、本発明の液晶表示素子を備える以外に特に制限はなく、例えば前記「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載された種々の方式の液晶表示装置に構成することができる。中でも特に、カラーTFT方式の液晶表示装置を構成するのに有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については、例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)、1996年発行)」に記載がある。
本発明の液晶表示装置は、本発明のカラーフィルタ及び/又は液晶表示装置用スペーサ以外は、電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ.視野角補償フィルム、反射防止フィルム、光拡散フィルム、防眩フィルムなどの様々な部材を用いて一般的に構成できる。これら部材については、例えば「’94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島健太郎、(株)シーエムシー、1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表良吉、(株)富士キメラ総研、2003等発行)」に記載されている。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
(実施例1):塗布法
<カラーフィルタ基板の作製>
特開2005−3861号公報の段落番号[0084]〜[0095]に記載の方法により、ブラックマトリクス、R(赤色)画素、G(緑色)画素、B(青色)画素を有するカラーフィルタを作製した(以下、これをカラーフィルタ基板と称する。)。
次いで、得られたカラーフィルタ基板のR画素、G画素、及びB画素並びにブラックマトリクスの上に更に、ITO(Indium Tin Oxide)の透明電極をスパッタリングにより形成した。
<フォトスペーサの形成>
上記で作製したITO透明電極がスパッタ形成されたカラーフィルタ基板のITO透明電極上に、スリット状ノズルを有するガラス基板用コーターMH−1600(エフ・エー・エス・アジア社製)にて下記組成よりなる感光性樹脂層用塗布液(1)を、乾燥膜厚が4.0μmとなるようにスリット塗布した。なお、感光性樹脂層用塗布液のViscomate Model VM−10A(CBC Co.Ltd.製)にて測定した粘度(29℃)は5.0mPa・sであった。
続いて、真空乾燥機VCD(東京応化(株)製)を用いて30秒間溶媒の一部を乾燥させて塗布膜の流動性をなくした後、120℃で3分間プリベークし、膜厚5.0μmの感光性樹脂層を形成した(層形成工程)。
−感光性樹脂層用塗布液(1)の組成−
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・27.3部
(ダイセル化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン ・・・11.6部
・シクロヘキサノールアセテート ・・・17.4部
(ダイセル化学工業(株)製;本発明における有機溶剤)
・DPHA76〔DPHA溶液:DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQ500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA))76部、1−メトキシ−2−プロピルアセテート24部〕 ・・・12.7部
・下記合成例1で得た化合物P−25の樹脂溶液(既述の本発明における特定樹脂(バインダー)の具体例) ・・・23.6部
(化合物P−25:1−メトキシ−2−プロピルアセテート=45%:55%)
・2,4−ビス(トリクロロエチル)−6−[4’−(N,N−ビス(エトキシカルボニルメチル)アミノ)−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン ・・・0.32部
・下記界面活性剤1 ・・・0.08部
・ビクトリアピュアブルーNAPS(保土谷化学工業(株)製)溶液〔ビクトリアピュアブルーNAPS:5部、メタノール26部、メチエチルケトン69部〕 ・・・7.01部
〜合成例1〜
反応容器中に1−メトキシ−2−プロパノール(MMPGAC、ダイセル化学工業(株)製)6.0部をあらかじめ加え、90℃に昇温し、シクロヘキシルメタクリレート9.12部、メチルメタクリレート0.26部、メタクリル酸6.04部、アゾ系重合開始剤(和光純薬社製、V−601)1部、及び1−メトキシ−2−プロパノール5.0部からなる混合溶液を窒素ガス雰囲気下、90℃の反応容器中に2時間かけて滴下した。滴下後、4時間反応させて、アクリル樹脂溶液を得た。
次いで、前記アクリル樹脂溶液に、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.025部及びテトエチルアンモニウムブロマイド0.084部を加えた後、グリシジルメタクリレート4.55部を2時間かけて滴下した。滴下後、空気を吹き込みながら90℃で4時間反応させた後、MMPGAC(溶媒)の添加により固形分濃度が45%になるように調製し、不飽和基を持つ下記構造の化合物P−25の樹脂溶液を得た。
なお、化合物P−25の重量平均分子量Mwは、ゲル浸透クロマトグラフ法(GPC法)を用いて測定した結果、27000であった。
Figure 2009080194

*界面活性剤1
・下記構造物1 ・・・30%
・メチルエチルケトン ・・・70%
Figure 2009080194

=評価1=
ここで、塗布形成された感光性樹脂層について、乾燥及びプリベーク後の塗布膜の均一性を下記のようにして評価した。評価結果は下記表1に示す。
−1.塗布膜均一性−
(a)スジムラ
感光性樹脂層を目視により観察し、筋状に現れるスジムラの有無を下記の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
○:スジ状のムラは全くみられなかった。
△:スジ状のムラがややみられたが、実用上許容範囲内であった。
×:幅5mm、長さ20cm以上の直線的なスジ状のムラが顕著にみられた。
(b)モヤムラ
感光性樹脂層を目視により観察し、雲状に現れるモヤムラの有無を下記の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
○:雲状のムラは全くみられなかった。
△:雲状のムラがややみられたが、実用上許容範囲内であった。
×:塗布面全体に雲状のムラがみられた。
引き続いて、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)を用いて、マスク(画像パターンを有する石英露光マスク)と、該マスクと感光性樹脂層とが向き合うように配置したカラーフィルタ基板と、を略平行に垂直に立てた状態で、マスク面と感光性樹脂層の表面との間の距離を40μmとし、マスクを介して露光量300mJ/cmにてプロキシミティー露光した。
次に、KOH系現像液(CDK-1、富士フイルムエレクトロマテリアルズ社製)を用いて23℃で60秒間、ノズル圧力1MPaでシャワー現像し、パターン像を形成した。引き続いて、洗浄剤(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有;商品名:T−SD3(富士フィルム(株)製))を純水で10倍に希釈した液を用いて33℃で20秒間、コーン型ノズル圧力0.02MPaにてシャワーで吹きかけ、形成されたパターン像の周辺の残渣除去を行ない、円柱状のスペーサパターンを300μm×300μmに1本のスペーサ間隔となるように形成した(パターニング工程)。
次に、スペーサパターンが設けられたカラーフィルタ基板を、230℃下で30分間加熱処理を行なう(熱処理工程)ことにより、カラーフィルタ基板上にフォトスペーサを形成した。得られたフォトスペーサは、円柱形状であった。
(実施例2)
実施例1において、感光性樹脂層用塗布液(1)を下記組成の感光性樹脂層用塗布液(2)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、感光性樹脂層を塗布形成し、評価を行なうと共に、フォトスペーサを形成した。
なお、感光性樹脂層用塗布液のViscomate Model VM−10A(CBC Co.Ltd.製)にて測定した粘度(29℃)は5.5mPa・sであった。得られたフォトスペーサは、円柱形状であった。
−感光性樹脂層用塗布液(2)の組成−
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・10.7部
(ダイセル化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン ・・・11.6部
・シクロヘキサノールアセテート ・・・34.0部
(ダイセル化学工業(株)製;本発明における有機溶剤)
・DPHA76〔DPHA溶液:DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQ500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA))76部、1−メトキシ−2−プロピルアセテート24部〕 ・・・12.7部
・前記合成例1で得た化合物P−25の樹脂溶液(既述の本発明における特定樹脂(バインダー)の具体例) ・・・23.6部
(化合物P−25:1−メトキシ−2−プロピルアセテート=45%:55%)
・2,4−ビス(トリクロロエチル)−6−[4’−(N,N−ビス(エトキシカルボニルメチル)アミノ)−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン ・・・0.32部
・前記界面活性剤1 ・・・0.08部
・ビクトリアピュアブルーNAPS(保土谷化学工業(株)製)溶液〔ビクトリアピュアブルーNAPS:5部、メタノール26部、メチエチルケトン69部〕 ・・・7.01部
(実施例3)
実施例1において、感光性樹脂層用塗布液(1)を下記組成の感光性樹脂層用塗布液(3)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、感光性樹脂層を塗布形成し、評価を行なうと共に、フォトスペーサを形成した。
なお、感光性樹脂層用塗布液のViscomate Model VM−10A(CBC Co.Ltd.製)にて測定した粘度(29℃)は6.0mPa・sであった。得られたフォトスペーサは、円柱形状であった。
−感光性樹脂層用塗布液(3)の組成−
・メチルエチルケトン・・・11.6部
・シクロヘキサノールアセテート ・・・45.0部
(ダイセル化学工業(株)製;本発明における有機溶剤)
・DPHA76〔DPHA溶液:DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQ500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA))76部、1−メトキシ−2−プロピルアセテート24部〕 ・・・12.7部
・前記合成例1で得た化合物P−25の樹脂溶液(既述の本発明における特定樹脂(バインダー)の具体例) ・・・23.6部
(化合物P−25:1−メトキシ−2−プロピルアセテート=45%:55%)
・2,4−ビス(トリクロロエチル)−6−[4’−(N,N−ビス(エトキシカルボニルメチル)アミノ)−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン ・・・0.32部
・前記界面活性剤1 ・・・0.08部
・ビクトリアピュアブルーNAPS(保土谷化学工業(株)製)溶液〔ビクトリアピュアブルーNAPS:5部、メタノール26部、メチエチルケトン69部〕 ・・・7.01部
(実施例4)
実施例1で調製した感光性樹脂層用塗布液(1)を用い、下記のようにスペーサ用感光性転写フィルムを作製し、下記の評価を行なった。そして、実施例1において、感光性樹脂層用塗布液(1)の塗布に代えて下記のスペーサ用感光性転写フィルムを用いた転写を行なうことにより、感光性樹脂層を転写形成したこと以外は、実施例1と同様して、フォトスペーサを作製した。得られたフォトスペーサは、円柱形状であった。
<スペーサ用感光性転写フィルムの作製>
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体(PET仮支持体)上に、下記処方Aからなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させ、乾燥層厚15.0μmの熱可塑性樹脂層を形成した。
〔熱可塑性樹脂層用塗布液の処方A〕
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 … 25.0部
(=55/11.7/4.5/28.8[モル比]、重量平均分子量90,000)
・スチレン/アクリル酸共重合体 … 58.4部
(=63/37[モル比]、重量平均分子量8,000)
・2,2−ビス〔4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン
… 39.0部
・前記界面活性剤1 … 10.0部
・メタノール … 90.0部
・1−メトキシ−2−プロパノール … 51.0部
・メチルエチルケトン …700部
次に、形成した熱可塑性樹脂層上に、下記処方Bからなる中間層用塗布液を塗布、乾燥させて、乾燥層厚1.5μmの中間層を積層した。
〔中間層用塗布液の処方B〕
・ポリビニルアルコール …3.22部
(PVA−205(鹸化率80%)、(株)クラレ製)
・ポリビニルピロリドン …1.49部
(PVP K−30、アイエスピー・ジャパン株式会社製)
・メタノール …42.3部
・蒸留水 …524部
次に、形成した中間層上に更に、実施例1で調製した感光性樹脂層用塗布液(1)をスリット塗布し、乾燥させて、乾燥層厚5.0μmの感光性樹脂層を積層した。
以上のようにして、PET仮支持体/熱可塑性樹脂層/中間層/感光性樹脂層の積層構造(3層の合計層厚:21.5μm)に構成した後、感光性樹脂層の表面に更に、カバーフィルムとして厚み12μmのポリプロピレン製のフィルムを加熱・加圧して貼り付け、スペーサ用感光性転写フィルムを得た。
=評価2=
ここで、仮支持体上に塗布形成された感光性樹脂層について、乾燥後の塗布膜均一性を前記評価1と同様に評価すると共に、更に、得られたスペーサ用感光性転写フィルムについて、下記の評価2を行なった。評価結果は下記表1に示す。
−1.塗布膜均一性−
仮支持体上の感光性樹脂層を目視により観察し、(a)スジムラ及び(b)モヤムラの有無を、前記評価1と同様に評価基準にしたがって評価した。
−2.中間層の荒れ−
スペーサ用感光性転写フィルムの作製後に25℃の条件で24時間経時させた後、感光性樹脂層をテープを貼り付けて剥離することにより露出した中間層の表面凹凸を微分干渉式顕微鏡により目視観察し、下記の評価基準にしたがって官能評価した。
<評価基準>
○:平滑な表面であり、表面の荒れ(凹凸)は見られなかった。
△:僅かな表面の荒れ(凹凸)が部分的に見られた。
×:大きな表面の荒れ(凹凸)が全面に見られた。
<フォトスペーサの作製>
得られたスペーサ用感光性転写フィルムのカバーフィルムを剥離し、露出した感光性樹脂層の表面を、実施例1と同様にして作製したITO透明電極がスパッタ形成されたカラーフィルタ基板のITO透明電極上に重ね合わせ、ラミネーターLamicII型〔(株)日立インダストリイズ製〕を用いて、線圧100N/cm、130℃の加圧・加熱条件下で搬送速度2m/分にて貼り合わせた。その後、PET仮支持体を熱可塑性樹脂層との界面で剥離除去し、感光性樹脂層を熱可塑性樹脂層及び中間層と共に転写した(層形成工程)。
引き続いて、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)を用いて、マスク(画像パターンを有する石英露光マスク)と、該マスクと熱可塑性樹脂層とが向き合うように配置したカラーフィルタ基板とを略平行に垂直に立てた状態で、マスク面と感光性樹脂層の中間層に接する側の表面との間の距離を40μmとし、マスクを介して熱可塑性樹脂層側から露光量60mJ/cmにてプロキシミティー露光した。
次に、トリエタノールアミン系現像液(トリエタノールアミン30%含有、商品名:T−PD2(富士フィルム(株)製)を純水で12倍(T−PD2を1部と純水11部の割合で混合)に希釈した液)を30℃で50秒間、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像し、熱可塑性樹脂層と中間層とを除去した。引き続き、このガラス基板の上面にエアを吹きかけて液切りした後、純水をシャワーにより10秒間吹き付け、純水シャワー洗浄し、エアを吹きかけて基板上の液だまりを減らした。次いで、炭酸Na系現像液(0.38モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、0.47モル/リットルの炭酸ナトリウム、5%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、及び安定剤含有;商品名:T−CD1(富士フィルム(株)製)を純水で10倍に希釈した液)を用いて29℃で30秒間、コーン型ノズル圧力0.15MPaでシャワー現像し、パターン像を形成した。引き続いて、洗浄剤(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有;商品名:T−SD3(富士フィルム(株)製))を純水で10倍に希釈した液を用いて33℃で20秒間、コーン型ノズル圧力0.02MPaにてシャワーで吹きかけ、形成されたパターン像の周辺の残渣除去を行ない、円柱状のスペーサパターンを300μm×300μmに1本のスペーサ間隔となるように形成した(パターニング工程)。
次に、スペーサパターンが設けられたカラーフィルタ基板を、230℃下で30分間加熱処理を行なう(熱処理工程)ことにより、カラーフィルタ基板上にフォトスペーサを形成した。得られたフォトスペーサは、円柱形状であった。
(実施例5)
実施例4において、感光性樹脂層用塗布液(1)を、実施例2で調製した感光性樹脂層用塗布液(2)に代えたこと以外は、実施例4と同様にして、スペーサ用感光性転写フィルムを作製し、評価2を行なうと共に、さらに感光性樹脂層を転写してフォトスペーサを形成した。
(実施例6)
実施例4において、感光性樹脂層用塗布液(1)を、実施例3で調製した感光性樹脂層用塗布液(3)に代えたこと以外は、実施例4と同様にして、スペーサ用感光性転写フィルムを作製し、評価2を行なうと共に、さらに感光性樹脂層を転写してフォトスペーサを形成した。
(比較例1)
実施例1において、感光性樹脂層用塗布液(1)を比較用の下記組成よりなる感光性樹脂層用塗布液(4)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、感光性樹脂層を塗布形成し、評価を行なうと共に、フォトスペーサを形成した。
なお、感光性樹脂層用塗布液のViscomate Model VM−10A(CBC Co.Ltd.製)にて測定した粘度(29℃)は4.5mPa・sであった。
−感光性樹脂層用塗布液(4)の組成−
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・44.6部
(ダイセル化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン・・・11.6部
・DPHA76〔DPHA溶液:DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQ500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA))76部、1−メトキシ−2−プロピルアセテート24部〕 ・・・12.7部
・前記合成例1で得た化合物P−25の樹脂溶液(既述の本発明における特定樹脂(バインダー)の具体例) ・・・23.6部
(化合物P−25:1−メトキシ−2−プロピルアセテート=45%:55%)
・2,4−ビス(トリクロロエチル)−6−[4’−(N,N−ビス(エトキシカルボニルメチル)アミノ)−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン ・・・0.32部
・前記界面活性剤1 ・・・0.08部
・ビクトリアピュアブルーNAPS(保土谷化学工業(株)製)溶液〔ビクトリアピュアブルーNAPS:5部、メタノール26部、メチエチルケトン69部〕 ・・・7.01部
(比較例2)
実施例4において、感光性樹脂層用塗布液(1)を、比較例1で調製した感光性樹脂層用塗布液(4)に代えたこと以外は、実施例4と同様にして、スペーサ用感光性転写フィルムを作製し、評価2を行なうと共に、さらに感光性樹脂層を転写してフォトスペーサを形成した。
(評価3)
実施例及び比較例で形成されたフォトスペーサについて、下記のように、フォトスペーサ高の均一さを評価した。
−3.フォトスペーサの高さバラツキ−
フォトスペーサ1000個の高さを三次元表面構造解析顕微鏡(メーカー:ZYGO Corporation、型式:New View 5022]で測定し、スペーサの最大値もしくは最小値の平均値に対するバラツキ[%]を求め、スペーサ高の均一さを評価する指標とした。評価結果は下記表1に示す。なお、C以上が実用レベルである。
A:スペーサ高さバラツキが±0.5%で極めて良好。
B:スペーサ高さバラツキが±1.0%で良好。
C:スペーサ高さバラツキが±1.5%で普通。
D:スペーサ高さバラツキが±2.0%で悪い。
E:スペーサ高さバラツキが±3.0%で極めて悪い。
Figure 2009080194

前記表1に示すように、実施例では、塗布ムラの発生が抑えられ、均一厚な膜(層)を形成することができた。この膜(層)から形成されたスペーサでは、高さバラツキを小さく抑えることができた。また、転写材料を作製したときには、下地となる隣接の中間層の荒れの発生も抑制された。
これに対し、比較例では、塗布時のムラの発生が抑えられず、均一厚の膜(層)は得られなかった。また、転写材料の中間層への影響も生じた。

Claims (11)

  1. 下記一般式(1)で表される有機溶剤と重合性化合物とを含有する重合性樹脂組成物。
    COOR :一般式(1)
    〔式中、Rはメチル基又はエチル基を表し、Rは置換又は無置換のシクロヘキシル基を表す。〕
  2. 光重合開始剤とバインダーとを更に含有し、感光性に構成されたことを特徴とする請求項1に記載の重合性樹脂組成物。
  3. 液晶表示装置用スペーサの形成又はカラーフィルタの作製に用いられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の重合性樹脂組成物。
  4. 前記一般式(1)で表される有機溶剤の含有量が、全溶剤量の20質量%以上であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の重合性樹脂組成物。
  5. 仮支持体上に、該仮支持体側から順に、水溶性樹脂含有層と、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の重合性樹脂組成物を用いてなる重合性樹脂組成物層とを有する転写材料。
  6. 前記重合性樹脂組成物層は、前記重合性樹脂組成物を前記水溶性樹脂含有層の表面に塗布した後に有機溶剤の少なくとも一部を除去することにより形成されたことを特徴とする請求項5に記載の転写材料。
  7. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の重合性樹脂組成物、又は請求項5若しくは請求項6に記載の転写材料を用いて形成された液晶表示装置用スペーサ。
  8. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の重合性樹脂組成物、又は請求項5若しくは請求項6に記載の転写材料を用いて作製されたカラーフィルタ。
  9. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の重合性樹脂組成物を塗布し、又は請求項5若しくは請求項6に記載の転写材料の重合性樹脂組成物層を転写することにより支持体上に重合性樹脂組成物層を形成し、形成された重合性樹脂組成物層を露光、現像してスペーサパターンを形成する工程を有する液晶表示装置用スペーサの製造方法。
  10. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の重合性樹脂組成物を塗布し、又は請求項5若しくは請求項6に記載の転写材料の重合性樹脂組成物層を転写することにより支持体上に重合性樹脂組成物層を形成し、形成された重合性樹脂組成物層を露光、現像して着色パターンを形成する工程を有するカラーフィルタの製造方法。
  11. 請求項7に記載の液晶表示装置用スペーサ及び/又は請求項8に記載のカラーフィルタを備えた液晶表示装置。
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