JP2009080029A - X線検査装置 - Google Patents

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修 廣瀬
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Abstract

【課題】オペレータがX線画像を柔軟に補正することが可能なX線検査装置を提供する。
【解決手段】X線検査装置10は、X線照射器13と、X線ラインセンサ14と、画像生成部21aと、LCDモニタ30とを備える。X線照射器13は、商品GにX線を照射する。X線ラインセンサ14は、商品Gを透過したX線の濃度値Srに応じたX線透視像信号を出力する。画像生成部21aは、X線の濃度値Srに基づいてX線画像を生成する。LCDモニタ30は、X線画像の画像補正画面100を表示する。画像補正画面100は、濃度値Srの変換領域の位置に関するパラメータ、濃度値Srの変換領域における濃度値Srの変化率Srに関するパラメータ、および、濃度値Srの変換領域に含まれる濃度値Srの強調領域の位置に関するパラメータの少なくとも1つの設定を受け付ける。
【選択図】図6

Description

本発明は、X線検査装置、特に、X線画像の補正機能を有するX線検査装置に関する。
食品などの商品の生産ラインにおいては、不良品を出荷しないようにするために、X線検査装置によって検査が為されることがある。このようなX線検査装置は、商品にX線を照射し、商品を透過したX線の濃度値を検出し、検出した濃度値に基づいてX線画像を作成する。例えば、異物混入検査を行う場合には、X線画像上に周囲よりも暗く写る異物の存在を検出したり、形状検査を行う場合には、X線画像上に写る商品の形状を診断したり、数量検査を行う場合には、X線画像上に写る商品の内容物の数を数えたりする。したがって、X線検査の検査精度は、X線画像に大きく依存することになる。
特許文献1は、X線画像の補正を自動的に行う技術を開示している。
特開平6−337933号公報
しかしながら、X線画像の補正は、オペレータによって商品ごとに最適に行われることが望ましい。
本発明の課題は、オペレータがX線画像を柔軟に補正することが可能なX線検査装置を提供することにある。
第1発明にかかるX線検査装置は、X線照射部と、X線検出部と、画像生成部と、表示部とを備える。X線照射部は、物品にX線を照射する。X線検出部は、物品を透過したX線の濃度値に応じた信号を出力する。画像生成部は、X線の濃度値に基づいてX線画像を生成する。表示部は、X線画像の補正画面を表示する。X線画像の補正画面は、第1パラメータ、第2パラメータおよび第3パラメータの少なくとも1つの設定を受け付ける。第1パラメータは、濃度値の変換領域または非変換領域の位置に関するものである。第2パラメータは、濃度値の変換領域における濃度値の変化率に関するものである。第3パラメータは、濃度値の変換領域に含まれる濃度値の強調領域の位置に関するものである。
このX線検査装置の表示部には、X線画像の補正画面が表示される。そして、この補正画面は、濃度値の変換領域または非変換領域の位置、濃度値の変換領域における濃度値の変化率、および、濃度値の変換領域に含まれる濃度値の強調領域の位置の少なくとも1つの設定を受け付ける。
これにより、オペレータは、X線画像を柔軟に補正することができる。
第2発明にかかるX線検査装置は、第1発明にかかるX線検査装置であって、良否判断部をさらに備える。良否判断部は、X線画像の補正画面を介して設定された第1パラメータ、第2パラメータおよび第3パラメータの少なくとも1つに基づいて変換された濃度値に基づいて、物品の良否を判断する。
X線画像の補正画面を介して上記パラメータが設定されると、当該パラメータに基づいて濃度値の変換規則(例えば、濃度変換曲線)が定まる。そして、このX線検査装置では、この変換規則に従って変換された濃度値に基づいて、物品の良否が判断される。
第3発明にかかるX線検査装置は、第1発明または第2発明にかかるX線検査装置であって、X線画像の補正画面は、第1パラメータの設定を受け付ける。
このX線検査装置では、X線画像の補正画面が、濃度値の変換領域または非変換領域の位置の設定を受け付ける。
第4発明にかかるX線検査装置は、第1発明または第2発明にかかるX線検査装置であって、X線画像の補正画面は、第2パラメータの設定を受け付ける。
このX線検査装置では、X線画像の補正画面が、濃度値の変換領域における濃度値の変化率の設定を受け付ける。
第5発明にかかるX線検査装置は、第1発明または第2発明にかかるX線検査装置であって、X線画像の補正画面は、第3パラメータの設定を受け付ける。
このX線検査装置では、X線画像の補正画面が、濃度値の変換領域に含まれる濃度値の強調領域の位置の設定を受け付ける。
第6発明にかかるX線検査装置は、第1発明から第5発明のいずれかにかかるX線検査装置であって、X線画像の補正画面は、複数の変換領域に対する第1パラメータ、第2パラメータおよび第3パラメータの少なくとも1つの設定を受け付ける。
このX線検査装置では、濃度値の階調の中に複数の変換領域を設けることができる。これにより、オペレータは、X線画像をより柔軟に補正することができる。
第7発明にかかるX線検査装置は、第1発明から第6発明のいずれかにかかるX線検査装置であって、X線画像の補正画面には、当該補正画面を介して設定された第1パラメータ、第2パラメータおよび第3パラメータの少なくとも1つに基づいて変換された濃度値に基づくX線画像が表示される。
X線画像の補正画面を介して上記パラメータが設定されると、当該パラメータに基づいて濃度値の変換規則(例えば、濃度変換曲線)が定まる。そして、このX線検査装置では、この変換規則に従って変換された濃度値に基づくX線画像が生成され、X線画像の補正画面に表示される。したがって、オペレータは、自らが設定したパラメータによる影響をリアルタイムに確認しながら、最終的に選択すべきパラメータを決定することができる。
第8発明にかかるX線検査装置は、第3発明にかかるX線検査装置であって、第1パラメータは、濃度値の変換領域または非変換領域の上限位置および下限位置の少なくとも一方に関するものである。
このX線検査装置では、X線画像の補正画面が、濃度値の変換領域または非変換領域の上限位置および下限位置の少なくとも一方の入力を受け付ける。すなわち、オペレータは、X線画像の補正画面を介して、濃度値の変換領域または非変換領域の位置を設定することができる。
本発明にかかるX線検査装置の表示部には、X線画像の補正画面が表示される。そして、この補正画面は、濃度値の変換領域または非変換領域の位置、濃度値の変換領域における濃度値の変化率、濃度値の変換領域に含まれる濃度値の強調領域の位置の少なくとも1つの設定を受け付ける。これにより、オペレータは、X線画像を柔軟に補正することができる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態にかかるX線検査装置10について説明する。
<X線検査装置の構成>
図1に、X線検査装置10の外観を示す。X線検査装置10は、食品などの商品Gの生産ラインに組み込まれており、連続的に搬送されてくる商品Gに対してX線を照射することにより、商品Gの品質検査を行う装置である。X線検査装置10は、品質検査の1つとして、例えば、商品Gへの異物の混入の有無を検査する。この異物混入検査において主として検出対象となる異物は、X線を大きく減衰させ得る金属片である。
検体である商品Gは、図4に示すように、前段コンベア60によってX線検査装置10のところまで運ばれてくる。商品Gは、X線検査装置10において良品または不良品に分類される。X線検査装置10での品質検査の結果は、X線検査装置10の下流側に配置されている振分機構70に送られる。振分機構70は、X線検査装置10において良品と判断された商品Gを正規のラインコンベア80へと送り、X線検査装置10において不良品と判断された商品Gを不良品貯留コンベア90へと送る。
図1、図2および図5に示すように、X線検査装置10は、シールドボックス11、コンベア12、X線照射器13、X線ラインセンサ14、タッチパネル機能付きのLCDモニタ30、制御コンピュータ20などから構成されている。
(1)シールドボックス
シールドボックス11の両側面には、商品Gをシールドボックス11の内外に搬入出させるための開口11aが形成されている。開口11aは、シールドボックス11の外部へのX線の漏洩を防止するために、遮蔽ノレン16により塞がれている。遮蔽ノレン16は、鉛を含むゴムから成形されており、商品Gが開口11aを通過する際に商品Gによって押しのけられる。
そして、シールドボックス11内には、コンベア12、X線照射器13、X線ラインセンサ14、制御コンピュータ20等が収容されている。また、シールドボックス11の正面上部には、LCDモニタ30の他、キーの差し込み口および電源スイッチ等が配置されている。
(2)コンベア
コンベア12は、シールドボックス11内において商品Gを搬送するものであり、図1に示すように、シールドボックス11の両側面に形成された開口11aを貫通するように配置されている。そして、コンベア12は、コンベアモータ12a(図5参照)によって駆動される駆動ローラによって無端状のベルトを回転させながら、ベルト上に載置された商品Gを搬送する。
コンベア12による搬送速度は、オペレータが入力した設定速度になるように、制御コンピュータ20によるコンベアモータ12aのインバータ制御によって細かく制御される。また、コンベアモータ12aには、コンベア12による搬送速度を検出して制御コンピュータ20に送るエンコーダ12b(図5参照)が装着されている。
(3)X線照射器
X線照射器13は、図2に示すように、コンベア12の中央部の上方に配置されているX線源であり、下方のX線ラインセンサ14に向けて扇状の照射範囲XにX線を照射する。
(4)X線ラインセンサ
X線ラインセンサ14は、図3に示すように、コンベア12の下方に配置されており、主として多数の画素センサ14aから構成されている。これらの画素センサ14aは、コンベア12による搬送方向に直交する向きに一直線に水平配置されている。また、各画素センサ14aは、商品Gやコンベア12を透過したX線を検出し、X線の明るさ(濃度値Sr)を示すX線透視像信号を出力する。
(5)LCDモニタ
LCDモニタ30は、フルドット表示の液晶ディスプレイであり、X線画像や商品Gの良否判断の結果を表示する。また、LCDモニタ30は、タッチパネル機能も有しており、品質検査時に必要となる検査パラメータの入力をオペレータに促す画面を表示し、オペレータからの検査パラメータの入力を受け付ける。特に、LCDモニタ30は、X線画像の補正を可能にする画像補正画面100(後述する)を表示し、オペレータからの濃度値Srを変換するためのパラメータの入力を受け付ける。
(6)制御コンピュータ
制御コンピュータ20は、図5に示すように、CPU(中央演算処理装置)21、ROM(リードオンリーメモリ)22、RAM(ランダムアクセスメモリ)23、HDD(ハードディスク)25および記憶メディア等を挿入するためのドライブ24を搭載している。
CPU21では、ROM22やHDD25に格納されている各種プログラムが実行される。HDD25には、検査パラメータや品質検査の結果が保存蓄積される。検査パラメータについては、LCDモニタ30のタッチパネル機能を使ったオペレータからの入力によって変更が可能である。オペレータは、これらのデータがHDD25だけでなくドライブ24に挿入された記憶メディアにも保存蓄積されるように設定することができる。
さらに、制御コンピュータ20は、LCDモニタ30でのデータ表示を制御する表示制御回路(図示せず)、LCDモニタ30を介してオペレータによりキー入力されたデータを取り込むキー入力回路(図示せず)、プリンタ等の外部機器やLAN(ローカルエリアネットワーク)等のネットワークとの接続を可能にする通信ポート(図示せず)なども備えている。
そして、制御コンピュータ20の各部21〜25は、アドレスバスやデータバス等のバスラインを介して相互に接続されている。
また、制御コンピュータ20は、コンベアモータ12a、エンコーダ12b、光電センサ15、X線照射器13、X線ラインセンサ14、LCDモニタ30等に接続されている。
光電センサ15は、検体である商品Gが扇状のX線の照射範囲X(図2参照)を通過するタイミングを検知するための同期センサであり、主として、コンベア12を挟んで配置される一対の投光器および受光器から構成されている。
<X線検査装置の動作>
制御コンピュータ20のHDD25には、画像生成モジュールおよび良否判断モジュールを含む検査プログラムが格納されている。そして、制御コンピュータ20のCPU21は、これらのプログラムモジュールを読み出して実行することにより、画像生成部21aおよび良否判断部21b(図5参照)として動作する。
画像生成部21aは、検体である商品GのX線画像を生成し、良否判断部21bは、商品Gの良否を判断する。以下、画像生成部21aおよび良否判断部21bの動作の詳細について説明する。
(1)画像生成部
画像生成部21aは、商品Gが扇状のX線の照射範囲X(図2参照)を通過するときにX線ラインセンサ14の各画素センサ14aから出力されるX線透視像信号を細かい時間間隔で取得し、取得した濃度値Srに基づいて商品GのX線画像を生成する。なお、商品Gが扇状のX線の照射範囲Xを通過するタイミングは、光電センサ15からの信号により判断される。
より具体的には、画像生成部21aは、各画素センサ14aから得られるX線の濃度値Srに関する細かい時間間隔毎のデータをマトリクス状に時系列につなぎ合わせることにより、商品Gを写すX線画像を生成する。
また、画像生成部21aは、濃度値Srをつなぎ合わせたX線画像の他に、濃度値Srを所定の変換規則に従って変換した濃度値Scをつなぎ合わせたX線画像をも生成する。かかる変換規則は、品質検査前のオペレータによるX線画像の補正時に設定され、HDD25に記憶されている。X線画像の補正の詳細については、後述する。
(2)良否判断部
良否判断部21bは、商品Gに対して異物混入検査、形状検査、数量検査等を行って、商品Gの良否を判断する。異物混入検査を行う場合には、X線画像上に周囲よりも暗く写る異物の存在を検出したり、形状検査を行う場合には、X線画像上に写る商品Gの形状を診断したり、数量検査を行う場合には、X線画像上に写る商品Gの内容物の数を数えたりする。商品Gに対してどの品質検査を実行するのかは、オペレータの設定入力により決定される。また、1つの商品Gに対して複数の品質検査を実行することも可能である。
良否判断部21bにより商品Gが不良品であると判断されると、その旨が制御コンピュータ20から振分機構70へと伝えられる。商品Gが不良品であることを認識した振分機構70は、当該商品Gを不良品貯留コンベア90に振り分ける。
以下、各品質検査の詳細について説明する。なお、制御コンピュータ20に新しいプログラムモジュールをインストールすることにより、商品Gに対して以下に説明する以外の品質検査を実行することも可能である。
a)異物混入検査
良否判断部21bは、画像生成部21aと同様に、商品Gが扇状のX線の照射範囲X(図2参照)を通過するときにX線ラインセンサ14の各画素センサ14aから出力されるX線透視像信号を細かい時間間隔で取得する。そして、濃度値Srを所定の変換規則に従って変換した濃度値Scを所定の閾値と比較し、少なくとも1つの濃度値Scが所定の閾値よりも暗いと判断される場合には、商品Gに異物が混入しているものと判断し、全ての濃度値Scが閾値よりも明るいと判断される場合には、商品Gには異物が混入していないものと判断する。
b)形状検査
良否判断部21bは、変換後の濃度値Scに基づいて画像生成部21aにより生成された商品GのX線画像に対して画像処理を施し、商品Gの割れ欠けを検出する。当該形状検査で採用される画像処理の方式には、パターンマッチング方式、周囲長計測方式等がある。これらの方式で判断した結果、1つでも不良と判断されるものがあれば、その商品Gは不良品と判断される。
パターンマッチング方式は、予め商品Gの正常状態および異常状態の少なくとも一方におけるX線画像を判断基準としてHDD25に格納しておき、商品GのX線画像と判断基準となるX線画像とを照合する方式である。
周囲長計測方式は、X線画像上に現れる商品Gの周囲長と、正常状態における商品Gの周囲長とを比較する方式である。正常状態における商品Gの周囲長は、予めHDD25に格納されている。
c)数量検査
良否判断部21bは、変換後の濃度値Scに基づいて画像生成部21aにより生成された商品GのX線画像に対して画像処理を施し、商品Gに含まれる内容物の個数を検査する。
当該数量検査では、X線画像上に現れる商品Gの内容物の個数がカウントされ、当該個数が正常であるか否かが判断される。正常状態における商品Gの内容物の個数は、予めHDD25に格納されている。
(3)画像補正画面
以下、図6および図7を参照して、画像補正画面100について説明する。画像補正画面100は、品質検査前のオペレータによるX線画像の補正時に、LCDモニタ30に表示される画面である。X線画像の補正とは、X線画像の各画素に対応する濃度値Srの変換規則を定義することを言う(変換後の濃度値をScとする)。
例えば、X線画像上に暗く写る商品Gへの異物の混入の有無を検査しようとする場合には、X線画像上の暗い画素(濃度値Srの低い画素)どうしを微細に判別することが重要となる。このような場合には、明るいところでの濃度値よりも、暗いところでの濃度値の方が相対的に細かく表現されるように、X線画像を補正することが適切である。
オペレータがタッチパネル機能付きのLCDモニタ30を操作して画像補正機能を立ち上げると、X線検査装置10の各部12〜14等がウォームアップを始めるとともに、LCDモニタ30上には画像補正画面100の初期画面が表示される。この初期画面には、オペレータに商品Gの撮影を行うことを促すメッセージが表示されている。そして、オペレータが当該メッセージに従ってテスト用の商品Gをコンベア12上に載せると、当該商品Gは、コンベア12によってシールドボックス11内へと搬送されてゆく。シールドボックス11内では、X線照射器13から放射されるX線による、商品GのX線撮影が行われる。このX線撮影時にX線ラインセンサ14から出力されたX線透視像信号は、その強度に応じた濃度値SrへとA/D変換され、制御コンピュータ20へと送られる。その後、画像補正画面100は、初期画面からメイン画面へと切り替わる。
図7に示すように、画像補正画面100のメイン画面は、大きく3つのエリアA1〜A3に分かれている。
エリアA1は、商品GのX線画像を表示するためのエリアであり、エリアA2は、濃度変換曲線Lを表示するためのエリアである。エリアA3には、濃度値Srを変換するためのパラメータの設定入力を受け付けるボタン類(表示窓、上下キー、決定ボタンなど)が並んでいる。
エリアA1に最初に表示されるX線画像は、X線透視像信号の示す濃度値Srに基づくX線画像、すなわち、オペレータが初期画面の誘導に従って撮影した生のX線画像である。
そして、オペレータは、エリアA1に表示されているX線画像を見ながら、エリアA3のボタン類を操作し、3つのパラメータ「変換上限リミット」「変換レベル」「強調下限リミット」を変更してゆく。これらのパラメータは、濃度値Srを濃度値Scに変換するための変換規則である、濃度変換曲線Lを定義するためのパラメータである。そして、オペレータによるこれらのパラメータの変更に伴って、エリアA1のX線画像とエリアA2の濃度変換曲線Lとは、当該変更を反映したものにリアルタイムに更新されてゆく。すなわち、エリアA1のX線画像と、エリアA2に示される濃度変換曲線Lと、エリアA3のボタン類とは、同期している。
ここで、用語の説明を行う。濃度変換曲線Lとは、変換前後の濃度値Sr,Scの相関を示すものであり、横軸に変換前の濃度値Srをとり、縦軸に変換後の濃度値Scをとったものである。つまり、濃度値Srの変化率=(変換後の濃度値Sc)/(変換前の濃度値Sr)=1となるところでは、濃度値Srは変換されない。したがって、濃度変換曲線Lが直線Sc=Srとなる場合には、X線画像が全く補正されず、生の濃度値Srないし生のX線画像に対して良否判定部21bによる品質検査(異物検査、形状検査、数量検査等)が実行されることになる。
次に、「変換レベル」とは、濃度値Srの変化の度合いのことである。図7(a)は、「変換レベル」を「0」(最小)から「3」(最大)の4段階に変更したときの濃度変換曲線Lの様子を示している。なお、最左の状態は、濃度値Srが全く変換されていない(濃度値Srの変化率が常に1の)初期状態であり、右の状態へ進むほど、濃度値Srの暗い領域における濃度変換曲線Lの傾きが急になり、明るい領域における濃度変換曲線Lの傾きが緩やかになるようになっている。
次に、「変換上限リミット」とは、濃度値Srの変換領域の上限値のことである。濃度値Srの変換領域とは、濃度値Srの変換が行われる(変化率が1でない)領域のことであり、言い代えると、濃度変換曲線Lが直線Sc=Srとならない濃度値Srの領域のことである。したがって、濃度値Srが「変換上限リミット」を超える領域、すなわち、濃度値Srの変換が行われない(変化率が1である)非変換領域では、濃度変換曲線Lは直線Sc=Srとなる。
図7(b)は、「変換上限リミット」を4段階に変更したときの濃度変換曲線Lの様子を示している。「変換上限リミット」が「100」(最大)の場合には、非変換領域が存在せず、「変換上限リミット」が「100」から「0」(最小)へと変化するにつれて変換領域が除々に狭くなってゆき、「変換上限リミット」が「0」となると、変換領域が存在しなくなる。
次に、「強調下限リミット」とは、濃度値Srの変換領域における濃度値Srの強調領域の下限値のことである。また、濃度値Srの強調領域とは、濃度変換曲線Lの傾きが相対的に急となる濃度値Srの領域のことである。したがって、強調領域に属する濃度値Srを有するX線画像上の画素どうしは、X線画像の補正によって互いの濃淡の差がより明瞭になる。
図7(c)は、「強調下限リミット」を4段階に変更したときの濃度変換曲線Lの様子を示している。「強調下限リミット」が「0」(最小)の場合には、濃度変換曲線Lが左端から上に凸の形状を描くように切り立ち、「強調下限リミット」が「0」から「100」(最大)へと変化するにつれて、濃度変換曲線Lの切り立つ点が除々に右側へとシフトしてゆく。
なお、濃度変換曲線Lは、連続曲線であり、変換領域において滑らかである。
そして、オペレータは、3つのパラメータを自在に変化させつつ、自身の経験等に基づいて最も検査精度が高くなるであろうと判断されるX線画像を選び出すと、当該X線画像が表示されている状態でエリアA3の決定ボタンを押す。これにより、X線画像の補正が完了する。
続いて、オペレータは、続く品質検査で用いられる検査パラメータ(例えば、異物混入検査で用いられる、濃度値Scとの比較対象となる閾値)を、補正後のX線画像を見ながら設定する。
検査パラメータの設定が終わり、オペレータがX線検査装置10に対して品質検査を開始させるための操作を行うと、X線検査装置10は品質検査モードへと移行する。
<X線検査装置の特徴>
X線検査装置10では、画像補正画面100を介したオペレータによるX線画像の補正が可能になっている。そして、画像補正画面100は、オペレータに対して3つのパラメータ「変換上限リミット」「変換レベル」「強調下限リミット」の設定入力を受け付けている。
「変換上限リミット」の調整は、濃度値Srの変換領域の位置指定(逆に言うと、濃度値Srの非変換領域の位置指定でもある)を可能にしており、さらに、濃度値Srの明るい領域に対しては補正を行わずに、濃度値Srの暗い領域に対してのみ補正を行うことも可能にしている。したがって、画像補正画面100は、X線画像上に暗く写る部位を微細に判別したい場合の補正に特に適していると言うことができる。なお、X線画像上に暗く写る部位を微細に判別したい場合とは、例えば、高密度で厚みのある商品Gに混入した異物を検出したい場合などである。
また、「変換レベル」の調整は、濃度値Srの変換領域における濃度値Srの変化の程度を選択することを可能にしている。
また、「強調下限リミット」の調整は、濃度値Srの強調領域の位置指定(逆に言うと、濃度値Srの非強調領域の位置指定でもある)を可能にしている。なお、濃度値Srの強調領域とは、濃度変換曲線Lの傾きが特に急となる濃度値Srの領域のことである。すなわち、X線画像上に特定の暗さレベルで写る部位を特に詳細に観察することを可能にしている。
これにより、濃度値Srの変換規則の設定の自由度が高まり、オペレータは、X線画像を柔軟に補正することができる。
(2)
X線検査装置10では、濃度値Srの変換規則を濃度変換曲線Lとして可視化している。そして、画像補正画面100を介して上記3つのパラメータが変更されると、画像補正画面100上に変更後のパラメータに基づく濃度変換曲線LおよびX線画像がリアルタイムに表示される。これにより、オペレータは、自らが設定したパラメータによる影響をリアルタイムに確認しながら、最終的に選択すべきパラメータを決定することができるようになっている。
<変形例>
(1)
濃度変換曲線Lを変形させる方法は上述したものに限られず、任意の方法で画像変換曲線Lを変形させてX線画像の補正(コントラスト調整、明るさ調整、ガンマ補正等)を行うことができる。例えば、以下の方法が考えられる。
a)
上記実施形態において、「変換上限リミット」に加えて、あるいは、代わりとして、濃度値Srの変換領域の下限値を定める「変換下限リミット」を直接的に設定入力可能となっていてもよい。
X線画像上に明るく写る商品Gの割れ欠けを検出する場合などのように、X線画像上において比較的明るく写る部位を微細に判別したい場合がある。このような場合には、特に、「変換上限リミット」よりも「変換下限リミット」を指定可能な方が有利である。
b)
上記実施形態において、「強調下限リミット」に加えて、あるいは、代わりとして、濃度値Srの強調領域の上限値を定める「強調上限リミット」を直接的に設定入力可能となっていてもよい。
X線画像上に明るく写る商品Gの割れ欠けを検出する場合などのように、X線画像上において比較的明るく写っている部位を微細に判別したい場合がある。このような場合には、特に、「強調下限リミット」よりも「強調上限リミット」を指定可能な方が有利である。
c)
上記実施形態では、指定可能な濃度値Srの変換領域の数は1つと定まっていたが、複数の変換領域を指定できるようになっていてもよい。さらに、変換領域の数自体を指定できるようになっていてもよい。
この場合、例えば、図8に示すような画像補正画面200を用いることが考えられる。画像補正画面200も、商品GのX線画像を表示するためのエリアA1と、濃度変換曲線Lを表示するためのエリアA2と、濃度値Srを変換するためのパラメータの設定入力を受け付けるボタン類(表示窓、上下キー、決定ボタンなど)の並ぶエリアA3とを有している。画像補正画面100との差異は、エリアA3にある。
画像補正画面200のエリアA3には、変換領域の上限値および下限値を自在に入力可能な入力窓が存在している。そして、これらの入力窓に変換領域の上限値および下限値を入力したオペレータが登録ボタンを押すと、当該変換領域が登録され、当該登録がエリアA2の濃度変換曲線LとエリアA1のX線画像とに反映される。また、エリアA3には定義済みの変換領域が表示され、オペレータが定義済みの変換領域を認識し易くなっている。そして、既に定義済みの変換領域と重複しない領域に対して同様に変換領域を定義していくことにより、オペレータは変換領域の数を増やしてゆくことができる。
d)
上記実施形態において、変形例c)と同様に、濃度値Srの強調領域についても、2つ以上指定できるようになっていてもよいし、その数自体も指定できるようになっていてもよい。
e)
上記実施形態において、濃度値Srの変換領域の幅を直接的に設定入力可能となっていてもよい。
f)
上記実施形態において、濃度値Srの強調領域の幅を直接的に設定入力可能となっていてもよい。
g)
上記実施形態では、3つのパラメータ「変換上限リミット」「変換レベル」「強調下限リミット」の設定入力が可能であるが、このうちのいくつかのパラメータの設定入力機能が削除されてもよい。すなわち、3つのパラメータ「変換上限リミット」「変換レベル」「強調下限リミット」のうち、「変換上限リミット」、「変換レベル」、「強調下限リミット」、「変換上限リミット」および「変換レベル」、「変換レベル」および「強調下限リミット」、あるいは、「強調下限リミット」および「変換上限リミット」の設定入力のみを受け付けるようになっていてもよい。
(2)
上記実施形態において、濃度変換曲線Lに重ねて、画像補正画面100のエリアA2に、濃度値Srのヒストグラムが表示されるようになっていてもよい。
さらに、上記パラメータが入力されたときに、濃度値Srのヒストグラムが表示されたままであっていてもよいし、変換後の濃度値Scのヒストグラムの表示に切り替わってもよい。
(3)
上記実施形態では、良否判断部21bによる異物混入検査が画素単位(濃度値Sc単位)で行われているが、X線画像単位で行われてもよい。
この場合、例えば、良否判断部21bは、画像生成部21aにより生成された変換後の濃度値Scに基づく商品GのX線画像に対して画像処理を施し、商品Gに含まれる異物を検出する。当該異物混入検査で採用される画像処理の方式には、例えば、トレース検出方式、2値化検出方式等がある。これらの方式で判断した結果、1つでも不良と判断されるものがあれば、その商品Gは不良品と判断される。
トレース検出方式は、商品Gの大まかな厚さに沿って予め閾値を設定しておき、商品GのX線画像上に当該閾値よりも暗く現れる、所定の面積を有する領域が存在した場合に商品Gに異物が混入していると判断する方式である。この方式では、比較的小さな異物を検出することが可能である。
2値化検出方式は、商品GのX線画像上に予め設定した閾値よりも暗く現れる、所定の面積を有する領域が存在した場合に商品Gに異物が混入していると判断する方式である。この方式では、比較的大きい異物を検出することが可能である。
また、上記方式において、X線画像上にマスクを設定することも可能である。マスクは、例えば、商品Gが容器に包装されている場合にX線画像上の当該容器に対応する領域に対して設定される。
(4)
上記実施形態において、良否判断部21bが、変形例(3)とは別の態様で、濃度値Scに基づく商品GのX線画像に対して画像処理を施し、商品Gに含まれる異物を検出するようになっていてもよい。例えば、検査対象のX線画像を予め設定されている正常状態のX線画像と比較するパターンマッチング方法が採用されてもよい。
(5)
上記実施形態において、制御コンピュータ20にかかる処理が、X線検査装置10の本体と別に設けられた装置において実行されるようになっていてもよい。例えば、制御コンピュータ20から各種データがネットワークを介して別体のコンピュータに送られ、上記処理の全部または一部が当該コンピュータにおいて実行されるようになっていてもよい。
本発明は、X線検査装置、特に、食品などの商品の生産ラインに配備されるX線検査装置として有用であり、オペレータがX線画像を柔軟に補正できるようにすることができる。
本発明にかかるX線検査装置の外観斜視図。 X線検査装置のシールドボックス内部の構成図。 X線検査の原理を示す模式図。 X線検査装置の前後の構成図。 制御コンピュータのブロック構成図。 画像補正画面を示す図。 (a)変換レベルを4段階に変更したときの濃度変換曲線Lの様子を示す図。 (b)変換上限リミットを4段階に変更したときの濃度変換曲線Lの様子を示す図。 (c)強調下限リミットを4段階に変更したときの濃度変換曲線Lの様子を示す図。 変形例(1)c)にかかる画像補正画面を示す図。
符号の説明
10 X線検査装置
13 X線照射器(X線照射部)
14 X線ラインセンサ(X線検出部)
20 制御コンピュータ
21 CPU
21a 画像生成部
21b 良否判断部
30 LCDモニタ(表示部)
100,200 画像補正画面
Sr 変換前の濃度値
Sc 変換後の濃度値
G 商品(物品)

Claims (8)

  1. 物品にX線を照射するX線照射部と、
    前記物品を透過したX線の濃度値に応じた信号を出力するX線検出部と、
    前記濃度値に基づいてX線画像を生成する画像生成部と、
    前記X線画像の補正画面を表示する表示部と、
    を備え、
    前記補正画面は、前記濃度値の変換領域または非変換領域の位置に関する第1パラメータ、前記変換領域における前記濃度値の変化率に関する第2パラメータ、および、前記変換領域に含まれる前記濃度値の強調領域の位置に関する第3パラメータの少なくとも1つの設定を受け付ける、
    X線検査装置。
  2. 前記補正画面を介して設定された前記第1パラメータ、前記第2パラメータおよび前記第3パラメータの少なくとも1つに基づいて変換された前記濃度値に基づいて、前記物品の良否を判断する良否判断部、
    をさらに備える、
    請求項1に記載のX線検査装置。
  3. 前記補正画面は、前記第1パラメータの設定を受け付ける、
    請求項1または2に記載のX線検査装置。
  4. 前記補正画面は、前記第2パラメータの設定を受け付ける、
    請求項1または2に記載のX線検査装置。
  5. 前記補正画面は、前記第3パラメータの設定を受け付ける、
    請求項1または2に記載のX線検査装置。
  6. 前記補正画面は、複数の前記変換領域に対する前記第1パラメータ、前記第2パラメータおよび前記第3パラメータの少なくとも1つの設定を受け付ける、
    請求項1から5のいずれかに記載のX線検査装置。
  7. 前記補正画面には、前記補正画面を介して設定された前記第1パラメータ、前記第2パラメータおよび前記第3パラメータの少なくとも1つに基づいて変換された前記濃度値に基づく前記X線画像が表示される、
    請求項1から6のいずれかに記載のX線検査装置。
  8. 前記第1パラメータは、前記変換領域または前記非変換領域の上限位置および下限位置の少なくとも一方に関するものである、
    請求項3に記載のX線検査装置。
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