JP2009077303A - 積層型誘電体バンドパスフィルタ - Google Patents

積層型誘電体バンドパスフィルタ Download PDF

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淳 鈴木
Takashi Tamura
尚 田村
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Abstract

【課題】積層型誘電体バンドパスフィルタにおいて、通過帯域の特性を良好に保ちながら減衰極の位置を自由に設定できるようにする。
【解決手段】信号の入力端(側面入力電極32と底面入力電極54)と出力端(側面出力電極34と底面出力電極56)との間に配置される複数のストリップライン共振器38、40、42からなるバンドパスフィルタ部と、入力端と該入力端側のストリップライン共振器との間に配置されたコンデンサ(コンデンサ電極46)と入力端とグランド(側面グランド電極36)との間に配置されたインダクタ(インダクタ電極50)とからなる整合回路部とを具備し、前記バンドパスフィルタ部と整合回路部とは同じ積層誘電体チップ中に埋設形成されており、整合回路部のインダクタがバンドパスフィルタ部のストリップライン共振器と電磁界的に結合している。
【選択図】図3

Description

本発明は、積層型の誘電体バンドパスフィルタに関し、更に詳しく述べると、複数のストリップライン共振器からなるバンドパスフィルタ部と、コンデンサとインダクタからなる整合回路部とが同じ積層誘電体チップ中に埋設形成され、整合回路部のインダクタがバンドパスフィルタ部のストリップライン共振器と電磁界的に結合している構造の積層型誘電体バンドパスフィルタに関するものである。この積層型誘電体バンドパスフィルタは、例えば携帯電話機や各種無線通信機器などに有用である。
携帯電話機、あるいはその他の各種無線通信機器では、高周波部品として積層型誘電体バンドパスフィルタが用いられている。従来公知の積層型誘電体バンドパスフイルタとしては、複数の誘電体層を積層してなるチップの内部に、ストリップライン状の共振器を複数配置し、それらを電磁界的に結合することでバンドパスフィルタ特性を発現させる構成がある(例えば特許文献1参照)。
近年の無線通信技術の進展に伴い、限りある周波数資源の有効活用の観点から、この種の積層型誘電体バンドパスフィルタでは、通信帯域外で高い減衰量と急峻な減衰特性が求められている。また、無線通信機器に使用しているICから出る通信帯域外の不要な信号を減衰させ、また、ICに悪影響を与える通信帯域外の不要な外来のノイズを減衰させるために、通過帯域外に減衰極を設けることが求められている。このようなICから出る不要な信号やICに悪影響を与える外来の不要なノイズは、各ICメーカーの仕様(ICチップセットの仕様)によって異なり、そのため積層型誘電体バンドパスフィルタに求められる減衰極の周波数位置もICチップセットによって異なるものとなる。
そこで従来技術では、ストリップライン共振器の長さ、幅、間隔等を変えることで電磁界的結合度を調整し、それによって減衰特性や減衰極の周波数位置が要求条件を満たすように設計している。しかしながら、各ICメーカーのチップセットによって仕様が異なるため、その都度全ての設計をし直さなければならず手間がかかり、また、その仕様によっては構造自体を大きく変えなければならないこともある。
特許第2806710号公報
本発明が解決しようとする課題は、積層型誘電体バンドパスフィルタにおいて、バンドパスフィルタとしての特性を良好に保ちながら、通過帯域に影響を与えることなく、減衰極の周波数位置を自由に設定できるようにすることである。本発明が解決しようとする他の課題は、積層型誘電体バンドパスフィルタにおいて、同様に、バンドパスフィルタとしての特性を良好に保ち、通過帯域に影響を与えることなく、減衰極の周波数位置を自由に設定できるようにしつつ、不平衡−平衡変換をするバラン機能をもたせることである。
本発明は、信号の入力端と出力端との間に配置される複数のストリップライン共振器からなるバンドパスフィルタ部と、入力端側及び/又は出力端側に配置されるコンデンサとインダクタからなるハイパス型の整合回路部とを具備し、前記バンドパスフィルタ部と整合回路部とは同じ積層誘電体チップ中に埋設形成されており、整合回路部のインダクタがバンドパスフィルタ部のストリップライン共振器と電磁界的に結合していることを特徴とする積層型誘電体バンドパスフィルタである。ここで、バンドパスフィルタ部の各ストリップライン共振器は、一端開放他端短絡の1/4波長共振型とする。
整合回路部は、信号の入力端側あるいは出力端側、もしくは入力端側と出力端側の両方に配置することができるが、典型的には入力端側に配置する。好ましくは本発明は、信号の入力端と出力端との間に配置される複数のストリップライン共振器からなるバンドパスフィルタ部と、前記入力端と該入力端側のストリップライン共振器との間に配置されたコンデンサと前記入力端とグランドとの間に配置されたインダクタとからなる整合回路部とを具備し、前記バンドパスフィルタ部と整合回路部とは同じ積層誘電体チップ中に埋設形成されており、整合回路部のインダクタがバンドパスフィルタ部のストリップライン共振器と電磁界的に結合していることを特徴とする積層型誘電体バンドパスフィルタである。
また本発明は、不平衡信号を入力する不平衡入力端と平衡信号を出力する平衡出力端との間に配置される複数のストリップライン共振器からなるバンドパスフィルタ部と、前記不平衡入力端と該不平衡入力端側のストリップライン共振器との間に配置されたコンデンサと前記不平衡入力端とグランドとの間に配置されたインダクタとからなる整合回路部とを具備し、前記バンドパスフィルタ部と整合回路部とは同じ積層誘電体チップ中に埋設形成されており、整合回路部のインダクタがバンドパスフィルタ部のストリップライン共振器と電磁界的に結合していることを特徴とする積層型誘電体バンドパスフィルタである。ここで、バンドパスフィルタ部の各ストリップライン共振器は、両端開放の1/2波長共振型とする。
なお本発明において、「整合回路部のインダクタがバンドパスフィルタ部のストリップライン共振器と電磁界的に結合している」とは、それによって、バンドパスフィルタ部により形成される減衰極とは別の減衰極が通過帯域外に発生する程度の強さで電磁界的に結合しているという意味である。
本発明に係る積層型誘電体バンドパスフィルタは、同じ積層誘電体チップ内にバンドパスフィルタ部と整合回路部とを埋設形成し、整合回路部のインダクタをバンドパスフィルタ部と電磁界的に結合させたことにより、バンドパスフィルタとして通過帯域内の通過特性を良好に保ちつつ、減衰帯域に減衰極を設けることができる。また、整合回路部のインダクタとバンドパスフィルタ部との結合度を変えることにより、減衰極の周波数位置を自由に設定することができ、減衰極の周波数位置によって通過帯域に及ぼす影響を少なくすることができる。また本発明によれば、このような効果を有しつつ、不平衡−平衡変換をするバラン機能をもたせることもできる。
図1は、本発明に係る積層型誘電体バンドパスフィルタの一実施例を示す等価回路図である。この積層型誘電体バンドパスフィルタは、入力端INと出力端OUTの間に、整合回路部10とバンドパスフィルタ部12とを配置した構成である。ここでバンドパスフィルタ部12は、3本の一端開放他端短絡の1/4波長共振型のストリップライン共振器T1、T2、T3からなる。ストリップライン共振器T1−T2間の電磁界結合をM1で、ストリップライン共振器T2−T3間の電磁界結合をM2で表す。整合回路部10は、コンデンサCとインダクタLとからなる。この実施例は、整合回路部10を入力端側に配置している構成なので、入力端INと該入力端に接続されるストリップライン共振器T1との間にコンデンサCを配置し、入力端INとグランドとの間にインダクタLを配置している。整合回路部10のインダクタLとバンドパスフィルタ部12のストリップライン共振器T1との間の電磁界結合をMiで表す。
まず、ストリップライン共振器T1、T2、T3とそれらの間の電磁的結合M1,M2からなるバンドパスフィルタ部12は、ストリップライン共振器T1、T2、T3の電気的長さの4倍を1波長とする共振周波数で共振し、その近傍の周波数帯域を通過帯域としてそれ以外の周波数帯域を減衰させるバンドパスフィルタ特性を呈する。ここで電磁界結合M1、M2により、通過帯域幅や減衰極の位置が変化する。電磁界結合M1、M2が、電界結合が主である場合には減衰極は通過帯域よりも低域側に発生し、磁界結合が主である場合には逆に減衰極は通過帯域よりも高域側に発生するが、積層構造の誘電体バンドパスフィルタでは、通常、磁界結合が主となるので、減衰極は通過帯域よりも高域側に発生する。
次に、整合回路部10は、帯域内の反射特性を改善し、通過特性を改善する機能を果たす。コンデンサCとインダクタLの組み合わせは、ハイパス型の整合回路部となり、DC〜低周波領域の減衰特性を改善する。そして、整合回路部10のインダクタLとバンドパスフィルタ部12のストリップライン共振器T1との電磁界的結合Miは、バンドパスフィルタ部12で発生する減衰極以外に、更にもう一つの減衰極を通過帯域よりも低域側に発生させる。その滅衰極は、電磁界的結合Miの値によって周波数位置が変化し、更に電磁界的結合Miの変化は通過帯域にほとんど影響を及ぼさないため、バンドパスフィルタ部12を再設計する必要が無い。また、その減衰極を通過帯域付近の周波数位置に発生させることにより急峻な減衰特性を得ることができ、減衰極の周波数位置を変化させることで必要とするバンドパスフィルタ特性を発現させることができる。
なお、図1に示す実施例では、入力端側に整合回路部を配置しているが、これを出力端側に配置してもよい。その揚合も同様の効果が得られる。更に、整合回路部を、入力端側と出力端側の両方に配置してもよい。その揚合、滅衰極が更にもう一つ発生し、入力端側と出力端側とでそれぞれの結合度を変えることによって異なる周波数位置に減衰極を持つ特性を得ることができる。
図1に示す等価回路は、図2及び図3で説明する構造の積層型誘電体バンドパスフィルタで実現できる。図2は、その外観の斜視図であり、図3は、その内部構造を各層毎に示す説明図である。この積層型誘電体バンドパスフィルタは、コンデンサ電極やストリップライン共振器、入力電極、出力電極、アース電極、インダクタ等を、AgやCu等の導体ペーストで誘電体グリーンシート上に印刷形成し、その誘電体グリーンシートを図3の順序に積層して圧着一体化し、それを焼成することで製造される。
この積層型誘電体バンドパスフィルタは、外観的には図2に示すように、直方体状のチップ形式である。該チップの一方の端面の上端縁中央から下端縁に達し、更には底面の一部に広がるように、帯状に入力電極20(入力端IN)が形成され、該入力電極20に対向するように、他方の端面の上端縁中央から下端縁に達し、更には底面の一部に広がるように、帯状に出力電極22(出力端OUT)が形成されている。更に、前記入力電極20と出力電極22が形成されている両端面及びその近傍を除き、チップの上面、両側面、及び底面の大部分にわたってアース電極24が形成されている。
次に、前記チップの内部構造について、図3により、最上層#1から最下層#4まで順に説明する。
最上層(第1層)#1には、その上面のほぼ全面にわたって上面グランド電極30が形成されている。該上面グランド電極30は、相対向する側面入力電極32と側面出力電極34寄りの両辺は外周縁には達せず離間しており、それらと直交する対向辺は外周縁に達して側面グランド電極36に連続する。
第2層#2には、その上面に3本のストリップライン共振器38、40、42(図1中のT1、T2、T3に相当する)が形成されている。各ストリップライン共振器38、40、42は細長矩形状で、その一端は外周縁に達して側面グランド電極36に連続して短絡端となり、他端は外周縁には達せず離間した状態にあって開放端となる。出力端側のストリップライン共振器42の開放端付近の側縁からは、出力側接続ライン44が出力側の端縁まで達するように形成され、側面出力電極34に接続される。
第3層#3には、入力端側のストリップライン共振器38に上下方向で対応する位置にコンデンサ電極46が形成され、該コンデンサ電極46の側縁には、入力側の端縁から入力側接続ライン48が形成され、側面入力電極32に接続される。コンデンサ電極46とストリップライン共振器38間で厚み方向で図1中のコンデンサCが形成される。
最下層(第4層)#4には、その上面にインダクタ電極50が形成される。インダクタ電極50の一方は側面入力電極32に接続され、他方は側面グランド電極36に接続される。ここでインダクタ電極50はミアンダ状に形成されているが、スルーホールを用いてコイル状に形成してもよいし、インダクタンス値が小さければ鉤型状としてもよい。インダクタ電極50は、上下方向で入力端側のストリップライン共振器38に重なるか、もしくはその近傍に位置するように設けられる。最下層#4の裏面に当たる部分には、両端縁近傍部を除きほぼ全面に底面グランド電極52が形成されており、両側縁は側面グランド電極36に連続している。また、側面入力電極32に連続するように底面入力電極54が形成され、側面出力電極34に連続するように底面出力電極56が形成される。従って、側面入力電極32と底面入力電極54とが入力電極20(図2参照)となり、側面出力電極34と底面出力電極56とが出力電極22(図2参照)となる。また、上面アース電極30と側面アース電極36と底面アース電極52とがアース電極24となる。
図2及び図3に示す例では、各層間の接続を側面電極(側面入力電極32、側面出力電極34、側面アース電極36)で行っているが、それらの一部もしくは全部をスルーホールを用いて行う構成とすることもできる。側面電極は、積層一体化後に導体ペーストを印刷することで形成する。また、バンドパスフィルタ部の出力端側は直接結合であるが、容量結合でもよい。なお、各層は、1枚以上の誘電体グリーンシートからなる。
このような構造の積層型誘電体バンドパスフィルタのフィルタ特性について、図4により説明する。特性曲線aは、バンドパスフィルタ部だけの場合の特性を示している(従来例)。また特性曲線bは、整合回路部のインダクタとバンドパスフィルタ部のストリップライン共振器との結合が殆ど無いか非常に弱い場合の特性を示している(比較例)。それに対して特性曲線cは、整合回路部のインダクタとバンドパスフィルタ部のストリップライン共振器との結合がやや強い場合の特性を示しており(本発明)、1.5GHz付近に減衰極p1が現れている。特性曲線dは、整合回路部のインダクタとバンドパスフィルタ部のストリップライン共振器との結合を更に強めた場合の特性を示している(本発明)。この場合、減衰極p2が2GHz付近に現れており、減衰特性がより一層急峻になっていることが分かる。つまり、結合が弱まるほど、減衰極の周波数位置は低周波側に移る。いずれにしても本発明ではハイパス型の整合回路部であるため、2GHzより低い周波数において減衰特性が改善されている。また、特性曲線a〜dを比べれば明らかなように、本発明のように整合回路部を設けても、通過帯域や高域側の減衰特性にはほとんど影響を与えていない(バンドパスフィルタ部により形成される本来の減衰極p3の周波数位置はほとんど変化していない)ことが分かる。
整合回路部のインダクタとバンドパスフィルタ部のストリップライン共振器との結合度は、第2層#2及び第3層#3の厚さ、あるいはストリップライン共振器38に対するインダクタ電極50の水平方向の位置ずれによって調整できる。層厚が厚くなれば結合は弱く、層厚が薄くなれば結合は強くなるし、位置ずれ量が大きければ結合は弱く、位置ずれ量が小さければ結合は強くなる。実際には、層厚よりも位置ずれ量の方が結合度の変化に与える影響(減衰を強めたり弱めたりする効果)が大きく、また層厚を大きく変えることは難しいので、インダクタ電極50の位置ずれ量(重なり具合)を調整する方が有効である。因みに、図3の例で、インダクタ電極50を左方向へずらしストリップライン共振器38との重なり具合を減らすと、結合は弱くなり、減衰極の周波数位置は低周波側(左方向)へ移る。
図5は、本発明に係る積層型誘電体バンドパスフィルタの他の実施例を示す等価回路図である。この積層型誘電体バンドパスフィルタは、不平衡信号を入力する不平衡入力端INと平衡信号を出力する平衡出力端OUT1、OUT2との間に配置される整合回路部10とバンドパスフィルタ部12を組み合わせた構成である。ここでバンドパスフィルタ部12は、3本の両端開放の1/2波長共振型のストリップライン共振器T1、T2、T3からなる。ストリップライン共振器T1−T2間の電磁界結合をM1で、ストリップライン共振器T2−T3間の電磁界結合をM2で表す。整合回路部10は、コンデンサCとインダクタLとからなる。整合回路部10は不平衡入力端側に配置され、不平衡入力端INと該不平衡入力端側のストリップライン共振器T1との間にコンデンサCを配置し、不平衡入力端INとグランドとの間にインダクタLを配置した構成である。整合回路部10のインダクタLとバンドパスフィルタ部12との間の電磁界結合をMiで表す。
まず、ストリップライン共振器T1、T2、T3とそれらの間の電磁的結合M1,M2からなるバンドパスフィルタ部12は、ストリップライン共振器T1、T2、T3の電気的長さの2倍を1波長とする共振周波数で共振し、その近傍の周波数帯域を通過帯域としてそれ以外の周波数帯域を減衰させるバンドパスフィルタ特性を呈する。ここで電磁界結合M1、M2により、通過帯域幅や減衰極の位置が変化する。電磁界結合M1、M2が、電界結合が主である場合には減衰極は通過帯域よりも低域側に発生し、磁界結合が主である場合には逆に減衰極は通過帯域より高域側に発生するが、積層構造の誘電体バンドパスフィルタでは、通常、磁界結合が主となるので、減衰極は通過帯域よりも高域側に発生する。
次に、整合回路部10は、帯域内の反射特性を改善し、通過特性を改善する機能を果たす。コンデンサCとインダクタLの組み合わせは、ハイパス型の整合回路部となり、DC〜低周波領域の減衰特性も改善する。そして、整合回路部10のインダクタLとバンドパスフィルタ部12のストリップライン共振器T1との電磁界的結合Miは、バンドパスフィルタ部12で発生する減衰極以外に、更にもう一つの減衰極を通過帯域よりも低域側に発生させる。その滅衰極は、電磁界的結合Miの値によって周波数位置が変化し、更に電磁界的結合Miの変化は通過帯域にほとんど影響を及ぼさないため、バンドパスフィルタ部12は再設計する必要が無い。また、その減衰極を通過帯域付近の周波数位置に発生させることにより急峻な減衰特性を得ることができ、減衰極の周波数位置を変化させることで、必要とするバンドパスフィルタ特性を発現させることができる。
図5に示す等価回路は、図6及び図7で説明する構造の積層型誘電体バンドパスフィルタで実現できる。図6は、その外観の斜視図であり、図7は、その内部構造を各層毎に示す説明図である。
この実施例の積層型誘電体バンドパスフィルタは、外観的には図6に示すように、直方体状の誘電体チップ形式である。該チップの一方の端面の上端縁中央から下端縁に達し、更に底面の一部に広がるように、帯状に不平衡入力電極60(入力端IN)が形成され、該不平衡入力電極60に対向する他方の端面の上端縁から下端縁に達し、更には底面の一部に広がるように、帯状に2つの平衡出力電極62(出力端OUT1、OUT2)が互いに離間して形成されている。更に、前記不平衡入力電極60と平衡出力電極62が形成されている両端面及びその近傍を除き、チップの上面、両側面、及び底面の大部分にわたってアース電極64が形成されている。
次に、前記チップの内部構造について、図7により、最上層#1から最下層#4まで順に説明する。
最上層(第1層)#1には、その上面のほぼ全面にわたって上面グランド電極70が形成されている。該上面グランド電極70は、相対向する側面入力電極72と側面出力電極74寄りの両辺は外周縁には達せず離間しており、それらと直交する対向辺は外周縁に達して側面グランド電極76に連続する。
第2層#2には、その上面に3本のストリップライン共振器78、80、82(図5中のT1、T2、T3に相当する)が形成されている。各ストリップライン共振器78、80、82は細長矩形状で、その両端はいずれも外周縁には達せず離間した状態にあって開放端となる。出力端側のストリップライン共振器82の両開放端付近の側縁からは、それぞれ出力側接続ライン84が出力側の端縁まで達するように形成され、側面出力電極74に接続される。そのため、2つの側面出力電極74では出力信号の位相が180度ずれ、バラン機能が付加される。
第3層#3には、入力端側のストリップライン共振器78に上下方向で対応する位置にコンデンサ電極86が形成され、該コンデンサ電極86の側縁には、入力側の端縁から入力側接続ライン88が形成され、側面入力電極72に接続される。コンデンサ電極86とストリップライン共振器78間で図5中のコンデンサCが形成される。
最下層(第4層)#4には、その上面にインダクタ電極90が形成される。インダクタ電極90の一方は側面入力電極72に接続され、他方は側面グランド電極76に接続される。ここでインダクタ電極90はミアンダ状に形成されているが、スルーホールを用いてコイル状に形成してもよいし、インダクタンス値が小さければ鉤型状としてもよい。インダクタ電極90は、上下方向で入力端側のストリップライン共振器78に重なるか、もしくはその近傍に位置するように設けられる。最下層#4の裏面に当たる部分には、両端縁近傍部を除きほぼ全面に底面グランド電極92が形成されており、両側縁は側面グランド電極76に連続している。また、側面入力電極72に連続するように底面入力電極94が形成され、側面出力電極74に連続するように底面出力電極96が形成される。従って、側面入力電極72と底面入力電極74とが不平衡入力電極60(図6参照)となり、側面出力電極74と底面出力電極96とが平衡出力電極62(図6参照)となる。また、上面アース電極70と側面アース電極76と底面アース電極92とがアース電極64となる。
この実施例の積層型誘電体バンドパスフィルタは、前記実施例と同様に、バンドパスフィルタ部と整合回路部により通過帯域内の通過特性を良好に保ちつつ、整合回路部のインダクタをバンドパスフィルタ部と電磁界的に結合することにより、通過帯域に影響を与えることなく減衰帯域に減衰極を設けることができ、またその結合度を変えることにより、減衰極の周波数位置を変えることができる。その他、この実施例では、不平衡−平衡変換をするバラン機能を有する。
本発明に係る積層型誘電体バンドパスフィルタの一実施例を示す等価回路図。 その積層型誘電体バンドパスフィルタの外観図。 その積層型誘電体バンドパスフィルタの内部構造を示す説明図。 そのフィルタ特性を示すグラフ。 本発明に係る積層型誘電体バンドパスフィルタの他の実施例を示す等価回路図。 その積層型誘電体バンドパスフィルタの外観図。 その積層型誘電体バンドパスフィルタの内部構造を示す説明図。
符号の説明
10 整合回路部
12 バンドパスフィルタ部
20 入力電極
22 出力電極
24 アース電極
38、40、42 ストリップライン共振器
46 コンデンサ電極
50 インダクタ電極

Claims (5)

  1. 信号の入力端と出力端との間に配置される複数のストリップライン共振器からなるバンドパスフィルタ部と、入力端側及び/又は出力端側に配置されるコンデンサとインダクタからなるハイパス型の整合回路部とを具備し、前記バンドパスフィルタ部と整合回路部とは同じ積層誘電体チップ中に埋設形成されており、整合回路部のインダクタがバンドパスフィルタ部のストリップライン共振器と電磁界的に結合していることを特徴とする積層型誘電体バンドパスフィルタ。
  2. 信号の入力端と出力端との間に配置される複数のストリップライン共振器からなるバンドパスフィルタ部と、前記入力端と該入力端側のストリップライン共振器との間に配置されたコンデンサと前記入力端とグランドとの間に配置されたインダクタとからなる整合回路部とを具備し、前記バンドパスフィルタ部と整合回路部とは同じ積層誘電体チップ中に埋設形成されており、整合回路部のインダクタがバンドパスフィルタ部のストリップライン共振器と電磁界的に結合していることを特徴とする積層型誘電体バンドパスフィルタ。
  3. バンドパスフィルタ部の各ストリップライン共振器が一端開放他端短絡の1/4波長共振型である請求項1又は2の記載の積層型誘電体バンドパスフィルタ。
  4. 不平衡信号を入力する不平衡入力端と平衡信号を出力する平衡出力端との間に配置される複数のストリップライン共振器からなるバンドパスフィルタ部と、前記不平衡入力端と該不平衡入力端側のストリップライン共振器との間に配置されたコンデンサと前記不平衡入力端とグランドとの間に配置されたインダクタとからなる整合回路部とを具備し、前記バンドパスフィルタ部と整合回路部とは同じ積層誘電体チップ中に埋設形成されており、整合回路部のインダクタがバンドパスフィルタ部のストリップライン共振器と電磁界的に結合していることを特徴とする積層型誘電体バンドパスフィルタ。
  5. バンドパスフィルタ部の各ストリップライン共振器が両端開放の1/2波長共振型である請求項4の記載の積層型誘電体バンドパスフィルタ。
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