JP2009075309A - 光走査素子およびその駆動方法、並びに光走査素子を用いた光走査プローブ - Google Patents

光走査素子およびその駆動方法、並びに光走査素子を用いた光走査プローブ Download PDF

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Abstract

【課題】内視鏡に搭載可能な小型の光走査素子を2軸方向にそれぞれ駆動可能に構成すると共に、光学系の開口率を上げることが可能な光走査素子および駆動方法、並びに光走査プローブを提供する。
【解決手段】基板上に支持された微小ミラー29を物理的作用力によって揺動させる光走査素子であって、基板上で該基板の面に平行な第1の軸を中心として揺動変位可能に支持された第1可動部11と、第1可動部11上に一体に配置され、第1の軸とは直交する第2の軸を中心として揺動変位可能に支持されるともに、上面に微小ミラー29を備えた第2可動部13と、第1可動部11および第2可動部13に物理的作用力を印加することで、微小ミラー29を第1の軸及び前記第2の軸方向を中心とする2軸方向に揺動変位させる駆動手段31,33,35,36,・・・と、を具備した。
【選択図】図1

Description

本発明は、物理的作用力により変位する微小ミラーを備えた光走査素子およびその駆動方法、並びに光走査素子を用いた光走査プローブに関し、特に医用応用内視鏡装置の診断プローブに用いて好適な技術に関する。
近年、生体組織や細胞の表面及び内部の様子を微細に観察する手段として、光走査素子を搭載した光走査型の共焦点光学顕微鏡などが知られており、光走査素子を用いた同様の技術を内視鏡へ応用することも検討されている。このような光走査型の顕微鏡や内視鏡は、一般的な光学系の解像限界を超えた分解力を持つとともに三次元画像を構築することができるという利点を有している。
このような用途に用いる光走査素子としては、様々なものが提案されているが、特に、マイクロマシニング技術を応用して作成した微小なミラーを、捻り梁を回転軸として静電力により往復振動させるように構成した光走査素子が実用上有力視されている。この光走査素子の具体例については、同一直線上に設けられた2本の梁によって支持されたミラー基板を、ミラー基板に対向する位置に設けた電極との間の静電引力で、2本の梁を捻り回転軸として往復振動させる構造が非特許文献1に開示されている。
マイクロマシニング技術で形成されるこのような光走査素子は、従来の回転するポリゴンミラーを採用した光走査素子と比較すると、構造が簡単で半導体プロセスにより一括形成が可能なため、小型化が容易で製造コストも低く、また単一の反射面であるためポリゴンミラーのような反射面による精度のばらつきがなく、さらに往復走査であるため高速化にも対応できる等の利点がある。
上記のような光走査素子として、例えば特許文献1〜3に開示された構造のものが知られている。
特許文献1に開示された光走査素子の構成を図30に示した。この光走査素子1A,1Bは、内視鏡への適用を前提としている構成されており、光走査素子の駆動方式については一般的な静電駆動を採用している。つまり、図30(a)に示すように、可動部2の左右に備わる可動電極3a,3bと、図示しない対面的に設置された固定電極との間に電圧を印加し、発生する静電力によって可動部2が梁4を中心軸として回転変位するものである。図中ハッチ領域はミラー部分を表している。図31(a)は1軸ミラー、図31(b)は、可動電極3a,3bおよび可動電極3c,3dへの電圧印加により梁4及び5を中心軸として回転変位する2軸ミラーの構成を示している。
特許文献2に開示された光走査素子の構成を図31に示した。図31に示す光走査素子1Cの構成は、一般的には櫛歯電極構造と言われている。すなわち、電極間距離が小さく、また電極同士の対面面積を広くしているため、駆動電圧の低電圧化をすることができる。また、固定電極6a,6bが可動部2の変位方向(図面垂直方向)に存在しないため、固定電極6a,6bに可動部2が吸着されるプルイン現象が発生せず、走査角度を大きくすることができる。
特許文献3に開示された光走査素子の構成を図32に示した。図32に示す光走査素子1Dは、特許文献2に開示された構造と同様に櫛歯電極構造であり、電極間距離が小さく、また電極同士の対向面積を広くしているため、駆動電圧の低電圧化をすることができる。また、固定電極7a,7b,8a,8bが可動部2の変位方向にないため、プルイン現象が発生せず、走査角度を大きくすることができる。
IBM J.Res.Develop Vol.24 (1980) 特開2000−310743号公報 特表平11−52278号公報 特開2005−141229公報
ところで、光走査素子を内視鏡に搭載しようとする場合、内視鏡の鉗子口に挿入されるプローブの径が非常に細いため、光走査素子についても非常に小さく構成しなければならず、しかも、共焦点光学系を採用する場合には、光走査素子を2軸のそれぞれの方向について走査駆動することが求められる。しかし、これまでの光走査素子の素子形状では、反射面の面積に対して電極や支持部が占める面積の割合が比較的大きいため、反射面の開口率が低くなってしまい、MEMS(micro electro mechanical systems)技術を用いて微細に作成することのメリットが十分に活かせなかった。
また、特許文献1に示される技術では、いずれも反射面となるミラー(図中ハッチで表示)の周囲に、このミラーを支持するための支持駆動領域をミラーの周囲に確保する必要がある。そのため、反射面の周囲の面積が大きくなり、特に、2軸ミラーの場合には、2軸分の支持駆動領域を確保する必要があるため、素子全体の面積に対する反射面の面積の比率(開口率)は必然的に下がってしまう。光走査素子を細い内視鏡プローブの先端に設置する場合には、素子全体の大きさに制限があるため、その反射面は小さくなってしまい開口率は高くならない。また、可動部2の大きさにも制限があるため、素子設計においても自由度が低かった。
また、特許文献2に示される技術では、櫛歯構造による電極が可動部の横方向にあるため、支持部以外でもさらに櫛歯電極を配置するための領域を確保する必要があり、開口率はより下がってしまう。電極面積が小さくなると印加電圧を高くする必要があり、低電圧駆動の実現に支障をきたす。さらには、特に内視鏡などの体内に挿入される装置に適用する場合には、高電圧の使用が嫌われるので十分な機能が得られない問題を生じる。
さらに、特許文献3に示される技術では、特許文献2の場合と同様に、櫛歯構造による電極7a,7b,8a,8bが可動部2の周囲に配置され、支持部以外にも各櫛歯電極7a,7b,8a,8bを配置するための領域を確保する必要がある。このように、2軸ミラーを櫛歯電極で実現する場合には、櫛歯電極を配置するための面積がより多く必要となり、開口率は益々下がってしまう。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、内視鏡に搭載可能な小型の光走査素子を2軸方向にそれぞれ駆動可能に構成すると共に、光学系の開口率を上げることが可能な光走査素子およびその駆動方法、並びに光走査素子を用いた光走査プローブを提供することを目的としている。
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 基板上に支持された微小ミラーを物理的作用力によって揺動させる光走査素子であって、
前記基板上で該基板の面に平行な第1の軸を中心として揺動変位可能に支持された第1可動部と、
前記第1可動部上に一体に配置され、前記第1の軸とは直交する第2の軸を中心として揺動変位可能に支持されるともに、上面に前記微小ミラーを備えた第2可動部と、
前記第1可動部および前記第2可動部に物理的作用力を印加することで、前記微小ミラーを前記第1の軸及び前記第2の軸方向を中心とする2軸方向に揺動変位させる駆動手段と、
を具備した光走査素子。
この光走査素子によれば、微小ミラーを備えた第2可動部が第1可動部の上に配置されているので、微小ミラーを2つの軸方向に対してそれぞれ駆動することができるとともに、光走査素子の全体の面積に対する微小ミラーの露出している反射面の面積の割合である開口率を向上できる。すなわち、微小ミラーの面と、それを支持している第1可動部の面とを厚み方向に重なるように配置することができ、更に、第1可動部と第2可動部を揺動可能な状態で支持するために必要となる支持領域を、微小ミラーの面と厚み方向に重なるように配置することができるので、微小ミラーの面を上から見た場合に、微小ミラーの面の周囲に、支持領域や第1可動部の領域がはみ出す面積を低減できる。
(2) (1)記載の光走査素子であって、
前記駆動手段が、前記第1可動部と前記第2可動部の少なくともいずれかに対して、各可動部の厚み方向に重なり合う範囲内に配置された光走査素子。
この光走査素子によれば、微小ミラーの面積は、駆動手段の設置面積によらずに、光走査素子全体の面積に対する微小ミラーの面積の比率である開口率を十分に大きくできる。
(3) (1)または(2)記載の光走査素子であって、
前記駆動手段が、
前記第1可動部に前記第1の軸を中心とする第1の回転方向に物理的作用力を加える第1駆動部と、
前記第1可動部に前記第1の回転方向とは反対の第2の回転方向に物理的作用力を加える第2駆動部と、
前記第2可動部に前記第2の軸を中心とする第3の回転方向に物理的作用力を加える第3駆動部と、
前記第2可動部に前記第3の回転方向とは反対の第4の回転方向に物理的作用力を加える第4駆動部と、
を備えた光学走査素子。
この光走査素子によれば、第1駆動部及び第2駆動部を制御することにより、第1可動部に第1の軸を中心として第1の回転方向及びその反対方向に回転変位する物理的作用力を与えることができる。また、第3駆動部及び第4駆動部を制御することにより、第2可動部に第2の軸を中心とする第3の回転方向及びその反対方向に回転変位する物理的作用力を与えることができるので、それぞれの軸方向に対して微小ミラーの面を揺動させることができる。
(4) (3)記載の光走査素子であって、
前記第3駆動部および前記第4駆動部が、前記第1可動部と前記第2可動部との間の高さ位置に配置された光学走査素子。
この光走査素子によれば、第3駆動部および第4駆動部が、第1可動部と第2可動部との間の高さ位置に配置されるので、第3駆動部および第4駆動部が第2可動部に接近した位置で配置される。従って、第3、第4駆動部と第2可動部との距離が短くなり、その結果、発生させる物理的作用力を増大させることができ、微小ミラーの回転変位の駆動が省電力化される。
(5) (1)〜(4)のいずれか1項記載の光走査素子であって、
前記第2可動部の厚み方向に重なり合う領域内に配置され、該第2可動部に対して弾性変位可能に接続された支持部材を有する光走査素子。
この光走査素子によれば、第2可動部を弾性変位可能な状態で支持する支持部材が、第2可動部の厚み方向(上下方向)に重なり合うように配置されるので、支持部材が第2可動部に設けられている微小ミラーの面の外側にはみ出すことがなくなり、微小ミラーの開口率が更に向上する。
(6) (1)〜(5)のいずれか1項記載の光走査素子であって、
前記第2可動部の前記第2の軸に直交する方向の最大寸法は、前記第1可動部の前記第1の軸に沿った方向の最大寸法に略等しい光走査素子。
この光走査素子によれば、微小ミラーが備えられた第2可動部の面と第1可動部の面とが、第1の軸に沿った方向に対して完全に重なるように配置できるので、光走査素子の全体の面積に対して、微小ミラーの面積を大きく採ることが可能になり、開口率が更に向上する。
(7) (1)〜(6)のいずれか1項記載の光走査素子であって、
少なくとも前記第1可動部および前記第2可動部が減圧状態で封止される封止構造を備えた光走査素子。
この光走査素子によれば、前記第1可動部および前記第2可動部が減圧状態の環境下で動作するので、空気の粘性の影響を低減できる。非常に小さく形成された光走査素子においては、前記第1可動部および前記第2可動部の質量が小さいため、これらを高速で振動させようとすると、それらの周囲にある空気の粘性の影響を受けることになり、振動周波数を上げることが困難になる。そこで、前記第1可動部および前記第2可動部を減圧状態で封止することにより、通常よりも密度の低い空気中で前記第1可動部および前記第2可動部が振動することになり、空気の粘性の影響が小さくなり、高速の振動動作も可能になる。
(8) (1)〜(7)のいずれか1項記載の光走査素子であって、
前記物理的作用力が静電気力である光走査素子。
この光走査素子によれば、静電気力を利用して駆動するので、例えば固定側の電極と可動側の電極との間に印加する電圧の切り替えによって駆動状態を容易に制御できる。
(9) (8)記載の光走査素子であって、
前記第1可動部と前記第2可動部は、少なくとも一部に導電性を有し、互いに電気的に接続されている光走査素子。
この光走査素子によれば、第1可動部に形成された導電性を有する領域、並びに第2可動部に形成された導電性を有する領域がそれぞれ電極を形成するので、これらと対向する位置に配置される固定電極に電圧を印加することにより、駆動力となる静電気力を発生することができる。また、第1可動部と第2可動部とを電気的に共通接続することにより、両者の間には静電気力が発生しなくなるので、第1可動部の動作と第2可動部の動作とが互いに干渉することを防止でき、精度の高い走査が可能になる。
(10) (1)〜(9)のいずれか1項記載の光走査素子の駆動方法であって、
前記第2可動部を第1の周波数で主走査駆動し、
前記第1可動部が1回揺動する間に複数回揺動するように、前記第1可動部を前記第1の周波数より低い第2の周波数で副走査駆動する光走査素子の駆動方法。
この光走査素子の駆動方法によれば、第1可動部が1回揺動する間に第2可動部を複数回揺動させることができるので、第2可動部上に存在する微小ミラーの面が向く方向を、主走査方向及び副走査に向かって二次元的に走査することができる。
(11) (10)記載の光走査素子の駆動方法であって、
前記第1可動部と前記第2可動部とが一方の回転方向から他方の回転方向へ遷移する際に、前記一方の回転方向の最終変位位置で前記可動部の下端が下方の部材に接触する前に前記他方の回転方向への変位を開始させる光走査素子の駆動方法。
この光走査素子の駆動方法によれば、第1可動部及び第2可動部がそれぞれ揺動する際に、それらが周囲の他の部材と接触することなく揺動を繰り返すので、接触による機械振動の発生を防止でき、微小ミラーの面が向く方向を高精度で制御することが可能になる。
(12) (10)または(11)記載の光走査素子の駆動方法であって、
前記第2可動部を、該第2可動部の共振周波数に略等しい周波数で振動駆動する光走査素子の駆動方法。
この光走査素子の駆動方法によれば、第2可動部の形状や質量等によって定まる固有振動数に相当する共振周波数で第2可動部が揺動するように駆動するので、必要最小限の駆動力で駆動することができ、揺動動作が安定する。
(13) (10)または(11)記載の光走査素子の駆動方法であって、
前記第2可動部を、該第2可動部の共振周波数より高い周波数で揺動駆動する光走査素子の駆動方法。
この光走査素子の駆動方法によれば、第2可動部の形状や質量等によって定まる固有振動数に相当する共振周波数より高い周波数で第2可動部が揺動するように駆動するので、第2可動部を強制的に動かすために高速な走査が可能になり、共振周波数に影響されないので、素子設計自由度が向上する。
(14) (10)または(11)記載の光走査素子の駆動方法であって、
前記第2可動部を、該第2可動部の共振周波数より低い周波数で揺動駆動する光走査素子の駆動方法。
この光走査素子の駆動方法によれば、第2可動部の形状や質量等によって定まる固有振動数に相当する共振周波数より低い周波数で第2可動部が揺動するように駆動するので、第2可動部の共振周波数によらずに、必要な時間をかけてゆっくりと走査することが可能になる。
(15) (13)または(14)記載の光走査素子の駆動方法であって、
前記第1可動部を、該第1可動部に一体とされた構造体の共振周波数に略等しい周波数で振動させる光走査素子の駆動方法。
この光走査素子の駆動方法によれば、第1可動部と一体とされた構造体、すなわち第2可動部を含む構造体の形状や質量等によって定まる固有振動数に相当する共振周波数で第1可動部が揺動するように駆動するので、必要最小限の駆動力で駆動でき、揺動動作が安定する。
(16) 被検体の体内に挿入されるプローブと、
前記被検体に光を照射するための光を発生する光源と、
前記光源からの光を前記プローブの先端部に導く光伝達手段と、
請求項1〜請求項9のいずれか1項記載の光走査素子が前記プローブの先端部に搭載され、前記光走査素子に導かれた前記光源からの光を前記被検体に向けて二次元走査する光走査部と、
前記光走査部の前記光走査素子に前記微小ミラーを揺動駆動する駆動信号を供給する走査駆動部と、
前記光走査部によって二次元走査された光の前記被検体からの反射光を基端部に導く反射光伝達手段と、
を備えた光走査プローブ。
この光走査プローブによれば、光走査部に設けられた光走査素子を用いて、光源から導入された光を二次元走査するので、被検体内の特定領域を照明すると共に、この特定領域からの反射光(戻り光)を基端側に導くことで、特定領域の二次元画像を検出することができる。
(17) (16)記載の光走査プローブであって、
前記光源と前記光走査部との間にピンホールが形成され、該ピンホールを通過する光が実質的に点光源となり、前記被検体との間に共焦点光学系が構成される共焦点ピンホールを備えた光走査プローブ。
この光走査プローブによれば、共焦点光学系を構成するので、光走査素子を用いて光を二次元走査する際に、被検体内の対象物のうち焦点の合っている領域(走査位置)の光像のみを検出することができる。また、点光源となるピンホールから共焦点光学系を介して被検体内の対象物に照明光を照射するので、照明光は焦点の合っている1点のみに集中的に照射される。そのため、走査位置の周辺から不要な散乱光が生じないので、高いコントラストで走査位置の像を検出可能になる。更に、共焦点光学系を用いることにより、光ファイバのように細い部材を用いて照明光及び戻り光を導くことができるので、内視鏡として好適に利用可能な細長い光走査プローブを構成できる。
本発明の光走査素子およびその駆動方法によれば、微小ミラーを備えた第2可動部が第1可動部の上に配置されているので、微小ミラーを2つの軸方向に対してそれぞれ駆動することができるとともに、光走査素子の全体の面積に対する微小ミラーの露出している反射面の面積の割合である開口率を向上できる。したがって、光走査素子の設置場所が非常に狭く、素子サイズを小さくせざるを得ない場合であっても、微小ミラーの有効面積を広く確保することができる。
また、本発明の光走査プローブによれば、光走査部に設けられた光走査素子を用いて光を二次元走査するので、被検体内の特定領域を照明すると共に、この特定領域からの反射光(戻り光)を基端側に導くので、特定領域の二次元画像を検出できる。また、微小ミラーの開口率が高いので、径が細い内視鏡などの用途に採用する場合であっても、高い解像度で対象物(生体組織や細胞の表面、その他、工業製品などの内部等)の像を検出できる。
以下、本発明に係る光走査素子およびその駆動方法、並びに光走査プローブの好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
本実施の形態で想定している光走査素子については、例えば内視鏡のプローブ先端付近の内部空間に搭載可能な非常に小さいサイズのもの(例えば最大寸法が1mm以下程度)を想定している。勿論、異なる用途で使用する場合には、上記より少し大きな光走査素子を構成することもできる。
図1は第1の実施の形態における光走査素子の基本構造を示す斜視図、図2は図1に示す光走査素子の一部分解斜視図、図3は図1のA1−A1線から見た縦断面図、図4は図1のB1−B1線から見た縦断面図である。
図1に示すように、この光走査素子100は、可動部として、平板形状の第1可動板(第1可動部)11及びこの第1可動板11上に一体に配置される第2可動板(第2可動部)13を備えている。第1可動板11と第2可動板13は、それらの厚み方向(図中に示すZ方向)に重なるように基板15上で上下に重なる位置に配置され、双方が独立して傾斜可能に支持されている。また、第1可動板11は、図2に示すように平面視でH形状であり、第2可動板13の平面形状は長方形とされ、それぞれ均一な厚みに形成されている。
第1可動板11は、図2、図4に示すようにX方向中央の両端部11a,11bがそれぞれ支持部材としての弾性支持梁17A,17Bを介して第1支持部19,21と連結され、これにより回転軸Ax2を中心に傾斜可能に支持されている。弾性支持梁17A,17Bは、それぞれ弾性体からなる捻り梁を形成し、基板15上に形成された第1支持部19,21の上に固定されている。
第1可動板11は、弾性体からなる弾性支持梁17A,17B介して第1支持部19,21に支持され、回転軸Ax2を中心とした回転変位が自在となる。実際には、回転変位可能な範囲に制約があるので、外部から力を加えることにより第1可動板11は回転軸Ax2を中心として揺動することになる。
第2可動板13は、図2、図3に示すようにY方向中央の両端部13a,13bがそれぞれ支持部材としての弾性支持梁23A,23Bを介して第2支持部25,27と連結され、これにより回転軸Ax1を中心に傾斜可能に支持されている。弾性支持梁23A,23Bは、それぞれ弾性体からなる捻り梁を形成し、第1可動板11上に形成された第2支持部25,27の上に固定されている。
第2可動板13は、弾性体からなる弾性支持梁23A,23Bを介して第2支持部25,27によって支持されているので、回転軸Ax1を中心とした回転変位が自在となる。実際には、回転変位可能な範囲に制約があるので、外部から力を加えることにより第2可動板13は回転軸Ax1を中心として揺動することになる。
したがって、第2可動板13は、第2支持部25,27を介して第1可動板11上に支持され、第1可動板11は第1支持部19,21を介して基板15上に支持されているので、第2可動板13の面方向は、第1可動板11の回転変位に伴って回転軸Ax2を中心として傾斜し、更に第2可動板13の回転変位に伴って回転軸Ax1を中心として傾斜するように変化する。つまり、第2可動板13の面方向は基板15に対して2軸方向にそれぞれ変位する。この第2可動板13の上面には、上面全域を覆うように光反射面である微小ミラー29が形成されている。
図2、図3に示すように、基板15の上面15aには、第1可動板11のX方向両端部近傍の下面とそれぞれ厚み方向(Z方向)に対向する位置に薄板状の第1固定電極31,33を設けてある。なお、各第1固定電極31,33のY方向の寸法は、第1可動板11のY方向の寸法と略等しくなっている。また、第1可動板11は、その全体が導電性材料からなるか、表面が導電性膜で覆われている。また、第1可動板11のうち、少なくとも第1固定電極31,33と対向する領域を導電性材料で形成する構成としてもよい。これによっても、第1可動板11が実質的に導電性を有する可動電極となる。上記の第1固定電極31,33は、第1可動板11に第1の軸Ax2を中心とする第1の回転方向および第2の回転方向に物理的作用力を加える第1、第2の駆動部として機能する。
また、図2に示すように、基板15の上面15aには、第2可動板13のY方向両端近傍の下面とそれぞれ対向する位置に、第2固定電極35,36,37,38がそれぞれ支持台39上に設けてある。これらの第2固定電極35,36,37,38は、第1可動板11のY方向の幅が狭くなっている凹領域に配置してあり、第2固定電極35,36,37,38のそれぞれは、上面位置が第1可動板11の上面と略同一になるような高さを有している。
なお、第2固定電極35は第1固定電極31と第1支持部19との間に配置され、第2固定電極36は第1固定電極33と第1支持部19との間に配置されており、いずれも第1可動板11の凹領域に配置される。また、反対側の第2固定電極37,38も同様である。
また、第2可動板13は、その全体が導電性材料からなるか、表面が導電性膜で覆われている。また、第2可動板13上の各領域のうち、少なくとも第2固定電極35,36,37,38と対向する領域は導電性材料で形成してもよい。これにより、第2可動板13が実質的に導電性を有する可動電極となる。上記の第2固定電極35,36,37,38は、第2可動板11に第2の軸Ax1を中心とする第3の回転方向および第4の回転方向に物理的作用力を加える第3、第4の駆動部として機能する。
上記構成の光走査素子100は、図1および図4に示すように、Y方向の第1可動板11の最大寸法Laと、Y方向の第2可動板13及び微小ミラー29の最大寸法Lbは、略同等の長さとされている。つまり、第1支持部19,21および第2固定電極35,36,37,38は、第1可動板11のY方向に幅の狭くなっている凹領域に配置されているので、光走査素子100の全体をZ方向上方から見ると、第1支持部19,21および第2固定電極35,36,37,38はいずれも第2可動板13の下部に隠れるようになる。
つまり、第1〜第4の駆動部は、第1可動板11と第2可動板13の少なくともいずれかに対して、各可動板11,13の厚み方向に重なり合う範囲内に配置されている。これにより、微小ミラー29の面積は、第1支持部19,21および第2固定電極35,36,37,38の配置に必要なスペースによらず、光走査素子100全体の面積に対する微小ミラー29の面積の比率である開口率を十分に大きくできる。
次に、上記構成の光走査素子100の第1可動板11、第2可動板13を回転変位させるための基本的な動作について説明する。
図5は光走査素子とそれを駆動するための電気信号の接続状態を示す説明図である。
光走査素子100を駆動する場合には、図5に示すように各電極に駆動信号φV1〜φV4が印加される。すなわち、第1固定電極31には駆動信号φV1、第1固定電極33には駆動信号φV2、第2固定電極35,36には駆動信号φV3、第2固定電極37,38には駆動信号φV4が印加される。また、第1可動板11と、第2可動板13と、これらを支持している第1支持部19,21並びに第2支持部25,27は、電気的に互いに共通に接続され、これらはアースと接続されて接地電位とされている。
図6は光走査素子とそれを駆動するための電気回路を示すブロック図である。
図6に示す駆動ユニット41は、駆動電圧制御回路43とメモリ回路45とを備えている。駆動電圧制御回路43は、光走査素子100の各電極に印加される駆動信号φV1〜φV4を生成する。メモリ回路45は、素子の駆動に先立ち、各駆動信号φV1〜φV4として出力すべき信号波形の情報を、光走査素子100の微小ミラー29の各軸に対する傾きの変位量に対応付けて保持している。メモリ回路45が外部から変位量の指示が入力されると、その変位量に対応する信号波形を生成するために必要な情報を駆動電圧制御回路43に与える。駆動電圧制御回路43は、メモリ回路45から入力される情報に基づいて、各駆動信号φV1〜φV4の波形を必要なタイミングで生成する。
なお、第1可動板11に形成された導電性を有する領域、並びに第2可動板13に形成された導電性を有する領域がそれぞれ共通電極を形成して互いに電気的に接続されるので、これらと対向する位置に配置される固定電極31,33等に電圧を印加することにより、駆動力となる静電気力を発生することができる。また、第1可動板11と第2可動板13とを共通接続することにより、両者の間には静電気力が発生しなくなり、第1可動板11の動作と第2可動板13の動作とが互いに干渉することを防止でき、精度の高い走査が可能になる。
図7に光走査素子の第2可動板を回転変位させた様子(a)、第2可動板を回転変位させた様子(b)を表す説明図を示した。
図7(a)に示すように、光走査素子の第2可動板13は回転軸Ax1を中心に傾斜(傾斜角θ2)し、図7(b)に示すように、第1可動板11は回転軸Ax2を中心に傾斜(傾斜角θ1)する。
次に、第1可動板11,第2可動板13それぞれに対する駆動動作を以下に説明する。
図8は光走査素子を図3と同じ方向から見た場合の第1可動板の各動作状態(a)〜(d)を示す説明図である。
ここで、第1可動板11は導電性材料からなり、その板面全体が電極として機能するものとする。
第1可動板11と第1固定電極31,第1可動板11と第1固定電極33との間の電位差が0である定常状態においては、図8(a)に示すように、基板15の面と、第1可動板11の面は、互いに平行な状態で配置されている。なお、第2可動板13の面は、第1可動板11の面に平行な状態にされているものとする。
いま、第1固定電極31と第1可動板11との間を所定の電圧差にする駆動信号の印加により、図8(b)に示すように第1固定電極31と第1可動板11の対向する端部11cとの間に矢印Z1方向の静電吸引力が働き、第1可動板11と、第1可動板11上の第2可動板13は回転軸Ax2を中心として反時計回りに回転変位し、第1可動板11が傾斜する。
図8(b)に示す状態で、再び第1固定電極31と第1可動板11との間の電位差を0にすると、第1固定電極31と第1可動板11の対向する端部11cとの間の静電吸引力がなくなり、弾性支持梁17A,17B(図2参照)の弾性復元力によって、図8(c)に示す状態(図8(a)と同じ状態)になる。
次に、第1固定電極33と第1可動板11との間を所定の電圧差にする駆動信号の印加により、図8(d)に示すように第1固定電極33と第1可動板11の対向する端部11dとの間に矢印Z2方向の静電吸引力が働き、第1可動板11と、第1可動板11上の第2可動板13は回転軸Ax2を中心として時計回りに回転変位し、第1可動板11が傾斜する。また、この状態で電位差を0にすると、弾性支持梁17A,17Bの弾性復元力によって、図8(c)に示す状態(図8(a)と同じ状態)になる。
次に、上記構成の光走査素子100の第2可動板13を回転変位させるための基本的な動作について説明する。
図9は光走査素子を図4と同じ方向から見た場合の各動作状態(a)〜(d)を示す説明図である。
ここで、第2可動板13は導電性材料からなり、その板面全体が電極として機能するものとする。
第2可動板13と第2固定電極35,36、第2可動板13と第2固定電極37,38との間の電位差が0である定常状態においては、図9(a)に示すように、基板15の面と、第2可動板13の面(微小ミラー29の反射面)は、互いに平行な状態で配置されている。なお、第1可動板13の面は、基板15の面に平行な状態にされているものとする。
ここで、第2固定電極35,36と第2可動板13との間を所定の電圧差にする駆動信号の印加により、図9(b)に示すように第2固定電極35,36と第2可動板13の対向する端部13cとの間に矢印Z3方向の静電吸引力が働き、第2可動板13は回転軸Ax1を中心として反時計回りに回転変位し、第2可動板13は傾斜する。
図9(b)に示す状態で、再び第2固定電極35,36と第2可動板13との間の電位差を0にすると、第2固定電極35,36と第2可動板13の対向する端部13cとの間の静電吸引力がなくなり、弾性支持梁23A,23B(図2参照)の弾性復元力によって、図9(c)に示す状態(図9(a)と同じ状態)になる。
次に、第2固定電極37,38と第2可動板13の電極との間を所定の電圧差にする駆動信号の印加により、図9(d)に示すように第2固定電極37,38と第2可動板13の対向する端部13dとの間に矢印Z4方向の静電吸引力が働き、第2可動板13は回転軸Ax1を中心として時計回りに回転し、第2可動板13は傾斜する。また、この状態で電位差を0にすると、弾性支持梁23A,23Bの弾性復元力によって、図9(c)に示す状態(図9(a)と同じ状態)になる。
次に、光走査素子100を駆動する駆動信号について、具体例をあげて以下に説明する。
(第1の駆動例)
図10に光走査素子を駆動する駆動信号及びこれによる動作のタイムチャートを示した。
図10に示す例では、第2可動板13の変位(傾斜角θ2)を第2可動板13の固有振動数に相当する共振振動数によって定まる第1の周波数(f1)の駆動信号を用いて駆動し、第1可動板11の変位(傾斜角θ1)を第1の周波数(f1)よりも低い第2の周波数(f2)の駆動信号を用いて駆動する。共振周波数は、第2可動板13の形状や質量によって固有振動数が定まり、この固有振動数、すなわち共振周波数で駆動することで、揺動動作を安定化できる。
この例では、図10に示すように4つの駆動信号φV1〜φV4の印加により、第1可動板11と第2可動板13とを、それぞれ回転変位させている。駆動信号φV3,φV4は、第2可動板13を回転変位させる駆動信号であり、交互にパルスを印加することで、図9に示すように第2可動板13を一方の側、他方の側へ吸引して傾斜させる。なお、駆動信号φV3,φV4は、パルス幅T1と周波数が双方で等しくされ、パルスの印加開始タイミングが互いに半周期分ずれている。この駆動信号φV3,φV4の印加により、第2可動板13の傾斜角θ2は、初期状態から+Δθ2,0,−Δθ2と、2Δθ2を振幅としてサインカーブを描きながら変化する。回転変位の周期T2は、第2の周波数f2の逆数に相当する周期となっている。
また、駆動信号φV1,φV2は、第1可動板11を回転変位させる駆動信号であり、これも交互にパルス印加することで、図8に示すように第1可動板11を一方の側、他方の側へ吸引して傾斜させる。駆動信号φV1,φV2は、パルス幅T2と周波数が双方で等しくされ、パルスの印加タイミングが互いに半周期分ずれている。この駆動信号φV1,φV2の印加により、第2可動板11の傾斜角θ1は、初期状態から+Δθ1,0,−Δθ1と、2Δθ1を振幅としてサインカーブを描きながら変化する。回転変位の周期T4は、第1の周波数f1の逆数に相当する周期となっている。なお、本例においては、駆動信号φV3,φV4のパルス幅T3は、φV1,φV2のパルス幅よりも大きく設定し、発生させる静電吸引力の印加時間を増やしている。これにより、第1可動板13よりも大きな構造体となる第1可動板11側を必要なタイミングおよび速度で駆動させることができる。なお、第1可動板11の周期T4は周期T2の整数倍の長さになっている。
上記の駆動信号φV1〜φV4の印加により第1可動板11と第2可動板13は、次のように回転変位する。
第2可動板13の傾斜角θ2が0°の定常状態(静止状態)で、駆動信号φV3を低電位から高電位に切り替えると、前述の静電吸引力によって傾斜角θ2(図9(b)参照)は徐々に大きくなり、最大値Δθ2に達する。そして、最大値Δθ2に達した後、駆動信号φV3が再び低電位に切り替わると、静電吸引力が解除されるので、弾性支持梁23A,23Bの弾性復元力により、傾斜角θ2は再び0°の状態に戻るように変化する。
傾斜角θ2が0°の状態に戻ると、次は駆動信号φV4が低電位から高電位に切り替わるので、反対側の位置に静電吸引力が発生し、これによって傾斜角θ2はマイナス側に徐々に増大して−Δθ2に達する。駆動信号φV4が再び低電位に切り替わると、静電吸引力が解除されるので、弾性支持梁23A,23Bの弾性復元力により、傾斜角θ2は再び0°の状態に戻るように変化する。
傾斜角θ2の最大値Δθ2は、各電極に印加する駆動信号φV3,φV4の高電位の電圧値を制御することにより調整できる。この傾斜角θ2の最大値Δθ2を規制することにより、第2可動板13が回転変位時に周囲の他の部材と接触することを防止できる。
第1可動板11に対しても同様に、傾斜角θ1が0°の定常状態(静止状態)から、駆動信号φV1を低電位から高電位に切り替えると、前述の静電吸引力によって傾斜角θ1(図8(b)参照)は徐々に大きくなり、最大値Δθ1に達する。この場合の駆動信号φV1は、傾斜角θ1が最大値Δθ1に達する前に低電位に切り換える。そして、最大値Δθ1に達した後、弾性支持梁17A,17Bの弾性復元力に従って、傾斜角θ1は再び0°の状態に戻るように変化する。
傾斜角θ1が0°の状態に戻ると、次は駆動信号φV2が低電位から高電位に切り替わるので、反対側の位置に静電吸引力が発生し、これによって傾斜角θ1はマイナス側に徐々に増大して−Δθ1に達する。駆動信号φV1が再び低電位に切り替わった後は、静電吸引力が解除されるので、弾性支持梁17A,17Bの弾性復元力に従って、傾斜角θ1は、再び0°の状態に戻るように変化する。
傾斜角θ1の最大値Δθ1は、各電極に印加する駆動電圧信号φV1,φV2の高電位の電圧値を制御することにより調整できる。傾斜角θ1の最大値Δθ1を規制することにより、第2可動板13が回転変位時に周囲の他の部材と接触することを防止できる。
つまり、第1可動板11と第2可動板13とが一方の回転方向から他方の回転方向へ遷移する際に、一方の回転方向の最終変位位置で可動板の下端が下方の部材に接触する前に他方の回転方向への変位を開始させるので、第1可動板11及び第2可動板13がそれぞれ揺動する際に、それらが周囲の他の部材と接触することなく揺動を繰り返すことができる。これにより、接触による機械振動の発生を防止でき、微小ミラーの面が向く方向を高精度で制御することが可能になる。
図10に示す制御を実施することにより、光走査素子100の第1可動板11及び第2可動板13がそれぞれ同期して回転変位するので、光走査素子100の微小ミラー29に入射させた光は、例えば図11に示すように反射光を2軸の方向に順次スキャンさせることができ、二次元走査が可能となる。すなわち、主走査を第2可動板13が担い、副走査を第1可動板11が担うことで、慣性重量が大きい第1可動板11側の構造体は低い周波数で、慣性重量の小さい第2可動板13側の構造体は高い周波数で効率良く駆動される。
(第2の駆動例)
ところで、画像の取り込み用として実際に二次元走査を行う場合には、解像度を上げる要求があり、短時間で1画面の二次元走査を完了させるには、特に主走査を速めることが得策となる。そこで、第2可動板13の駆動を、第2可動板13の構造体固有の共振周波数よりも更に高い周波数で駆動する例を説明する。
図12は光走査素子を駆動する駆動信号及びこれによる動作のタイムチャートである。
図12に示す例では、第1可動板11の駆動は前述の第2の周波数(f2)で行い、第2可動板13の駆動を前述の共振周波数である第1の周波数(f1)よりも高い周波数(f3)の駆動信号を用いて行う場合を想定している。第1可動板11の駆動については、既に説明した図10の例と同様であるので、その説明は省略する。
この例においても、図12に示すように4つの駆動信号φV1〜φV4の印加により、第1可動板11と第2可動板13とを、それぞれ回転変位させている。駆動信号φV3,φV4は、パルス幅をそれぞれT5として交互にパルスを印加することで、図9に示すように第2可動板13を一方の側、他方の側へ吸引して傾斜させる。なお、駆動信号φV3,φV4は、パルス幅T5と周波数が双方で等しくされ、パルスの印加開始タイミングが互いに半周期分ずれている。この駆動信号φV3,φV4の印加により、第2可動板13の傾斜角θ2は、前述同様のサインカーブを描きながら変化するが、回転変位の周期T6は、第3の周波数f3の逆数に相当する周期となっている。この場合は、共振周波数よりも高い振動周波数で駆動する必要があるので、第2可動板13の傾斜角θ2が0の位置に戻るように第2可動板13が移動しようとするときにも、強制的に力を与えて移動を促進させる必要がある。このような制御により、傾斜角θ2が変化する周期T6は、第2可動板13等の固有振動数によって定まる共振周波数の周期よりも短くなる。なお、駆動信号φV1,φV2は、図10に示す場合と同様であるので、ここでは説明を省略する。
上記の駆動信号φV1〜φV4の印加により第1可動板11と第2可動板13は、基本的には前述と同様に回転変位するが、特に、第2可動板13を、を第2可動板13固有の共振振動数によって定まる第1の周波数(f1)より高い第3の周波数で駆動するので、第2可動板13の変位(傾斜角θ2)が短い周期で変化して、微小ミラーの反射光を走査させ動作が高速化される。これにより、二次元走査による1画面の走査期間が短縮され、高速な画像取り込み等が可能となる。また、第2可動板13を強制的に動かすため、共振周波数によらずに素子設計自由度が向上する。
(第3の駆動例)
一方、用途によっては比較的ゆっくりとした速度で光走査素子100の走査を行う場合もある。そのような場合には、第2可動板13の共振周波数よりも低い周波数で第2可動板13を駆動する。ここでは、第2可動板13の駆動を、第2可動板13の構造体固有の共振周波数よりも低い第4の周波数で駆動する例を説明する。
図13は光走査素子を駆動する駆動信号及びこれによる動作のタイムチャートである。
図13に示す例では、第1可動板11の駆動は前述の第1の周波数(f1)で行い、第2可動板13の駆動を前述の共振周波数である第2の周波数(f2)よりも低い第4の周波数(f4)の駆動信号を用いて行う場合を想定している。なお、第1可動板11の駆動については、既に説明した図10の例と同様であるので、その説明は省略する。
図13に示す例においては、駆動信号φV3、φV4として、鋸歯状波のように電位が時間と共に一定の傾きで上昇するスロープを有する信号波形を用いている。このような信号波形を用いることにより、前述の共振周波数である第2の周波数(f2)の速度よりも遅い速度で第2可動板13を駆動することができる。
すなわち、傾斜角θ2が0の定常状態(静止状態)で、駆動信号φV3を低電位から高電位に向かって徐々に増大させることにより前述の静電吸引力が徐々に増大し、傾斜角θ2(図9(a)参照)の変化の立ち上がりはゆっくりとなる。傾斜角θ2が最大Δθ2になったところで駆動信号φV3を低電位に切り替えると、静電吸引力が解除されるので、慣性力や弾性支持梁23A,23Bの弾性復元力等の物理的な力関係に従って、再び傾斜角0°の状態に戻るように変化する。
傾斜角θ2が0°の状態に戻ると、次は駆動信号φV4が低電位から高電位に向かって徐々に増大するので、反対側の位置に向かわせる静電吸引力が徐々に増大し、傾斜角θ2がマイナス方向にゆっくりと変化する。そして、傾斜角θ2がマイナス側の最大値−Δθ2 に到達したところで、駆動信号φV4を高電位から低電位に切り替えると、静電吸引力が解除されるので、慣性力や弾性支持梁23A,23Bの弾性復元力等の物理的な力関係に従って、傾斜角が0°の状態に戻るように変化する。これにより、第2可動板13は周期T8で回転変位されることになる。
上記の通り、駆動信号φV4の鋸波状波の面積は、第2可動板13を駆動するエネルギーに相当し、適宜波形形状を変更することで第2可動板13に所望の動作をさせることができる。
なお、上記の第2,第3の駆動例では、第1可動板11の駆動を第2可動板13の共振周波数より低い周波数で駆動していたが、これに限らず、第1可動板11に一体とされた構造体の共振周波数に略等しい周波数で振動させてもよい。その場合には、第1可動板11と一体とされた構造体、すなわち第2可動板13等を含む構造体の形状や質量等によって定まる固有振動数に相当する共振周波数で第1可動板が揺動するように駆動されるので、必要最小限の駆動力で駆動でき、揺動動作が安定する。
(第2の実施の形態)
次に、本発明に係る光走査素子の第2の実施の形態を説明する。本実施形態の光走査素子は、第2可動板を更に大型化している。
図14は第2の実施の形態における光走査素子の基本構造を示す斜視図、図15は図14に示した光走査素子の一部分解斜視図である。また、図16は図14のA2−A2線から見た縦断面図、図17は図14のB2−B2線から見た縦断面図である。なお、図14〜図17において第1の実施の形態における構造に対応する要素は同一の符号を付けて示してある。
図14に示すように、この光走査素子200は、平板形状の第1可動板(第1可動部)11上に、第2可動板(第2可動部)14が図中X方向に延長して配置されている。本実施形態の光走査素子200は、第2可動板14の支持形態を異ならせることで、第2可動板14のサイズを大きくしている。
図15に示すように、第1可動板11上に第2支持部25,27が前述の第1実施形態と同様に配置されるが、これら第2支持部25,27上を跨ぐように弾性支持梁51が設けられ、弾性支持梁51の中央部で上方に突出する接合部53によって第2可動板14が接合され支持されている点で異なっている。つまり、第2可動板14は、その厚み方向に重なり合う領域内で、第2可動板14に対して弾性変位可能に支持部材としての弾性支持梁51に接続されている。弾性支持梁51は、第1可動板11の一端から他端までの距離と略同等の長さでX方向に向かって延びる細長い板状の弾性体により形成されている。この弾性支持梁51は捻り梁を形成している。
上記構成により、弾性支持梁51は軸Ax1を中心として回転変位可能であり、弾性支持梁51の接合部53により接合されている第2可動板14は軸Ax1を中心とした回転変位が可能な状態で支持される。なお、第2可動板14の上面には、面の全域を覆うように光反射面である微小ミラー29が形成されている。
ここで、第2可動板14の微小ミラー29のサイズは、Y方向については第1の実施の形態と同様で、第1可動板11の最大寸法Laと、第2可動板14及び微小ミラー29の最大寸法Lbとはほぼ同等になっている。X方向については、図16に示すように、X方向の第1可動板11の最大寸法Lcと、X方向の第2可動板14及び微小ミラー29の最大寸法Ldとはほぼ同等になっている。
つまり、第1支持部19,21および第2固定電極35,36,37,38は、第1可動板11のY方向に幅の狭くなっている凹領域に配置されているので、光走査素子200の全体をZ方向上方から見ると、第1支持部19,21および第2固定電極35,36,37,38はいずれも第2可動板13の下部に隠れるようになる。つまり、厚み方向に重なり合うようになる。また、第2支持部25,27および弾性支持梁51についても、第2可動板14の下部に隠れるので、光走査素子200の全体をZ方向の上方から見ると、第1支持部19,21および第2固定電極35,36,37,38、並びに第2支持部25,27および弾性支持梁51は、いずれも第2可動板13の面に隠れて、第2可動板13の微小ミラー29が光走査素子200全体の平面サイズに近いサイズに拡大されている。つまり、第1固定電極31,33および第2固定電極35,36,37,38は、第2可動板14の厚み方向(上下方向)に重なり合うように配置され、弾性支持梁51を含めて、第2可動板14に設けられている微小ミラーの面の外側にはみ出すことがなくなる。したがって、光走査素子200全体の面積に対する微小ミラー29の面積の比率である開口率は、第1の実施の形態の光走査素子100と比べても更に大きくなっている。
なお、この光走査素子200の第1可動板11及び第2可動板14を駆動するための動作については第1の実施の形態と同様であるのでその説明は省略する。
(第3の実施の形態)
次に、本発明に係る光走査素子の第3の実施の形態を説明する。本実施形態の光走査素子は、第2可動板と第2固定電極との間の電極間距離を狭めた構成としている。
図18は第3の実施の形態における光走査素子の基本構造を示す斜視図、図19は図18に示した光走査素子の一部分解斜視図である。また、図20は図18のA3−A3線から見た縦断面図、図21は図18のB3−B3線から見た縦断面図である。なお、図18〜図21において第1の実施の形態又は第2の実施の形態に対応する要素は同一の符号を付けて示してある。
図18、図19に示すように、光走査素子300Cは、前述の光走査素子200の構成と比較すると、第2可動板13等の主要な構成は同一とされるが、基板15上に配置され第2固定電極35,36,37,38を頂部に有する支持台の構成、および第1可動板11の形状が異なっている。
支持台40は、基板15の上面15aに立設され、それぞれの頂部に第2固定電極35,36,37,38を配置している。第2固定電極35,36,37,38の高さは、図20,図21に示すように、第1可動板11と第2可動板14との間の高さ位置、すなわち弾性支持梁51の高さと略同一とされ、第1可動板11の設置面高さから突出した高さにされている。そして、第1可動板11を跨ぐ第2固定電極35−37間の距離、同じく第2固定電極36−38間の距離は、第1可動板11のY方向の幅が狭くなっている凹領域の幅を更に細くすることで、前述の第2実施形態の場合より短くされている。つまり、第2可動板14の回転軸Ax2と第2固定電極35,36,37,38との距離が近くなっている。
第2可動板14と第2固定電極35,36,37,38との電極間距離が短くなったため、同じ電位差を印加した場合に発生する静電気力が大きくなる。これにより、低い電圧の印加で済むようになるので、低電圧化が図られる。また、第2固定電極35,36,37,38と回転軸Ax2との距離を短くしたため、第2可動板14の走査角度を大きくすることができる。これにより、省電力で広範囲な走査を実現できる。
次に、上記構成の光走査素子の製造プロセスについて説明する。ここでは、前述の第2の実施の形態で説明した光走査素子200に相当する素子を製造する場合の製造工程の具体例を示す。
図22に光走査素子の製造工程(a)〜(l)の各段階を表す説明図を示した。なお、図22に示す各工程の状態は、図14に示す光走査素子200の前面側(Y方向の手前側)の構造と対応している。
図22(a)に示すように、まず、SOI(Si on Insulator)基板に形成した第1絶縁層55の上にCMOSよりなる駆動回路57を形成する。
次いで、駆動回路57の上部に、SiOをPECVDより成膜して第2絶縁層59を形成し、駆動回路57の出力を素子の各電極と接続するためのコンタクトホール61をフォトリソグラフィとフッ素系のRIEエッチングによりパターニング形成する。
その後、下地膜TiN薄膜(図示略)をスパッタにより成膜し、続けてタングステンWをスパッタにより成膜する。これによりタングステンWがコンタクトホール61内に埋め込まれる。さらにその表面をCMPで平坦化する。そして、コンタクトホール61がタングステンWで埋め込まれた平坦面を覆うように第2絶縁膜(図示略)を形成する。
その第2絶縁膜の上部に第1固定電極31,33の膜と第2固定電極(35,36,37,38)の下層膜、第1共通電極(第1可動板11)の下層膜であるAl(好ましくは高融点金属を含有したAl合金)をスパッタで成膜し、フォトリソグラフィと塩素系のRIEエッチングにより所望の電極形状にパターニングして第1固定電極31,33の膜と第2固定電極の下層膜、第1共通電極の下層膜を形成する。なお、このとき、第1固定電極31,33の膜と第2固定電極の下層膜、第1共通電極の下層膜は、各々コンタクトホール61を介して駆動回路57の出力に接続されて、それぞれ電位が供給可能にされる。
次に、図22(b)に示すように、犠牲層としてポジ型レジスト膜63を塗布し、ハードベークする。ハードベークはDeep UVを照射しながら200℃を超える温度で行う。これにより後工程の高温プロセスにおいてもその形状を維持し、また、レジスト剥離溶剤に不溶となる。レジストの塗布成膜により下地膜の段差に依らずレジスト表面は平坦となる。このレジスト層は犠牲層として機能し、後述の工程で除去される。従って、ハードベーク後のレジスト膜63の膜厚は将来の下部電極と支持部及び可動部の空隙を決定する。
次に、図22(c)に示すように、第2固定電極35,36,37,38、第1共通電極となる箇所をフォトリソグラフィによりパターニングしてコンタクトホール65を形成する。
そして、図22(d)に示すように、第1可動板11の膜、第2固定電極35,36,37,38、第1共通電極となるAl(好ましくは高融点金属を含有したAl合金)からなる導電膜67をスパッタにより成膜する。
次に、図22(e)に示すように、導電膜67に対して、第1可動板11の膜、第2固定電極35,36,37,38、第1共通電極となる箇所をポジ型レジストによるフォトリソグラフィおよび、フッ素系のRIEエッチングによりパターニングする。その後、酸素系のプラズマエッチング(アッシング)により、レジストを除去する。
次いで、図22(f)に示すように、再び犠牲層としてポジ型レジスト膜69を塗布し、ハードベークする。ハードベーク後のレジスト膜69の膜厚は将来の第1可動板11、第2固定電極35,36,37,38、第1共通電極と第2可動板13の支持部(第2共通電極)の空隙を決定する。
そして、図22(g)に示すように、第2共通電極となる箇所をフォトリソグラフィによるパターニングしてコンタクトホール71を形成する。
次に、図22(h)に示すように、第2共通電極(第2可動板13の支持部)となるAl(好ましくは高融点金属を含有したAl合金)からなる導電膜73をスパッタにより成膜し、ポジ型レジストによるフォトリソグラフィおよび、フッ素系のRIEエッチングによりパターニングする。その後、酸素系のプラズマエッチング(アッシング)により、レジストを除去する。
そして、図22(i)に示すように、再び犠牲層としてポジ型レジスト膜75を塗布し、ハードベークする。ハードベーク後のレジスト膜75の膜厚は将来の第2共通電極(第2可動膜の支持部)と第2可動膜の空隙を決定する。
さらに、図22(j)に示すように、第2可動板13の支柱となる箇所をフォトリソグラフィによりパターニングしてコンタクトホール76を形成する。
次に、図22(k)に示すように、第2可動板13となるAl(好ましくは高融点金属を含有したAl合金)からなる導電膜77をスパッタにより成膜し、ポジ型レジストによるフォトリソグラフィおよび、フッ素系のRIEエッチングによりパターニングする。その後、酸素系のプラズマエチング(アッシング)により、レジストを除去する。
次に、図22(l)に示すように、酸素系かつまたはフッ素系のプラズマエッチング(アッシング)により、犠牲層であるレジスト層63,69,75を除去して空隙79を形成し、所望の構造の光走査素子が形成させる。
なお、上記の材料及び製造方法は例であり、本発明の主旨に沿えば、如何なる材料及製造方法でも良い。
(第4の実施の形態)
次に、本発明に係る光走査素子を内視鏡装置の光学素子に適用した例を説明する。
本実施の形態においては、前述のように構成された光走査素子を内視鏡装置に採用した場合の具体例について、図23〜図28を参照しながら説明する。
図23は光走査素子が搭載された光走査プローブを含む光走査プローブ装置および内視鏡装置全体の構成を示す正面図である。
光走査プローブ400は、先端部が被検体内に挿入され、被検体内の所定領域に光を走査しつつ照射し、照射点より発せられる光を検出することで被検体内を観察する。この光走査プローブ400は、細長で可撓性を有するシース81で覆われている。
内視鏡装置90の接続部92にはスコープ94の基端側が接続され、このスコープ94の他端側には操作部89が接続される。そして、操作部89の先には細長の挿入部87が接続されている。操作部89には鉗子の挿入口89aが設けられ、この挿入口89aからプローブが挿入される。プローブは、挿入部89aに形成される鉗子口85を通じて挿入部87の先端まで延設されている。
そして、光走査プローブ装置96は、光走査プローブ400と、光走査プローブ400の光ファイバ101から導かれる反射光と、走査駆動部105の駆動信号から、被検体内における1次元または2次元の照射点より発せられる光の分布情報を求める信号処理装置91と、信号処理装置91から出力される映像信号を表示する表示部98とを備えたので、簡単な構造の光走査プローブ400を用い、低電圧で高速な光走査を行いながら、照射点より発せられる光の強度を電気信号として信号処理装置91に入力し、この照射点より発せられる光の分布情報を表示部98に高い応答性で表示できる。
図24に内視鏡の構成を示すブロック図を示した。
内視鏡83は、光走査プローブ400に光学情報を入出力する光学系統と、駆動制御情報を入力する駆動系統とを備えており、双方から情報を入出力することで観察画像を信号処理装置91を介して表示部93に出力する構成となっている。
光学系統では、半導体レーザ等で構成される光源95、光検出部97、光カプラ99、これらを結ぶ光伝達手段(および反射光伝達手段)である光ファイバ101を備え、駆動系統では、操作部89、およびこれに接続される制御部103、走査駆動部105、補正テーブル131(いずれも詳細は後述する)を備える。
光源95から出射されたレーザ光は、適宜な光量調整手段により光量調整されて第1の光ファイバOF1に導光され、4つの入出力を有する光カプラ99によって第3の光ファイバOF3と第4の光ファイバOF4に分岐される。第3の光ファイバOF3は、可視レーザ光が合波されたレーザ光として光走査プローブ400に伝送される。そして、光走査プローブ400の先端部に内蔵した後述する対物ユニットで走査することにより、観察光(観察ビーム)を走査して、被検体107の表面付近の観察点に集光する。
一方、検出すべき被検体107の走査位置からの反射光は、光走査プローブ400に戻り、光ファイバ101を通って光カプラ99に導かれる。そして、光カプラ99から第2の光ファイバOF2に分岐された光が光検出部97によって検出される。光検出部97は、光電変換素子のように入射光の強度を電気信号として出力する装置である。光検出部97が出力する電気信号は、信号処理装置91に入力され、表示部93に表示される。
なお、第4の光ファイバOF4に分岐した光は、その端部で反射して光カプラ99側に戻ることを防止するため、第4の光ファイバOF4の端部は閉塞或いは無反射処理を施す。これら第1の光ファイバOF1、第2の光ファイバOF2、第3の光ファイバOF3、第4の光ファイバOF4としては、好ましくはシングルモードファイバまたは、コヒーレンス性を十分に維持することが可能な低次マルチモードファイバ、偏波保存ファイバなどを用いることができる。
そして、制御部103は、対物ユニットにおける光学走査を行うための駆動信号を走査駆動部105に生成させたり、その駆動信号を信号処理装置91に出力して画像形成させたり、操作部89からの操作信号により、撮像画像のフリーズ操作や、静止画のハードコピー動作を行わせたり、光走査プローブ400の屈曲等の各種動作を制御する。
ここで、図25に光走査プローブ400の先端部の構造を示す断面図を示した。
光走査プローブ400は、シース81の先端に先端枠体111がリング状の連結部113を介して接続されており、シース81内に挿通された光ファイバ101および信号線115が先端枠体111側に接続されている。先端枠体111は、先端部が閉塞した円筒形状の構造になっている。
先端枠体111の内部には、保持部材117が先端枠体111の内径と略同等の外形を有して保持され、保持部材117には、光ファイバ101と信号線115を挿通するための連通孔117a,117bが形成されている。連通孔117aには光ファイバ101の先端に設けたフェルール119が配置され、連通孔117bには信号線115がパッキン121と共に挿入されている。これにより、先端枠体111の内部では、保持部材117によって密閉された内部空間123が画成される。
また、先端枠体111の先端近傍の一部分には、被検体107を撮影するための開口が形成され、この開口部分にはカバーガラス125が取り付けられている。このカバーガラス125に隣接した位置には集光レンズ127が配置され、また、集光レンズ127に対面して前述の光走査素子100が配置してある。光走査素子100は、先端枠体111の軸方向に対して約45度傾けた状態で設置してあり、前述の回転変位可能な微小ミラー29(図1参照)によって入射光の光路が変更される。つまり、保持部材117に固定されたフェルール119から出力される光は、保持部材117に支持されたコリメータレンズ129を通して光走査素子100に照射され、その反射光が走査されて被検体107に照射される。
ここで、光走査素子100を走査駆動するための駆動信号(前述のφV1〜φV4に相当)が印加される各電極は、信号線115を介して走査駆動部105(図24参照)と接続されている。
保持部材117の中央部を貫通する位置に配置されたフェルール119は、中心部を貫通する微小な貫通孔を有しており、その一端に光ファイバ101が接続され、他端側の開口は解放されている。したがって、図24に示した光走査プローブ400の光学系は共焦点光学系を構成しており、フェルール119が共焦点ピンホールとして機能している。照明光は、光源95(図24参照)から光ファイバ101に入力され、フェルール119の開口から点光源の照明光として出射される。この照明光は、コリメータレンズ129によって平行光に変換され、光走査素子100の微小ミラー29の面に入射し、微小ミラー29の面で反射し、集光レンズ127で集光され、カバーガラス125を通して被検体107を照明する。
一方、被検体107の領域のうち、光走査素子100の微小ミラー29の面の傾き(θ1,θ2)によって定まる走査位置に相当する点からの反射光は、往路を逆に辿り、カバーガラス125を通過して、集光レンズ127で集光されて光走査素子100の微小ミラー29に導かれ、微小ミラー29の面で反射し、コリメータレンズ129を通って共焦点ピンホールであるフェルール119の開口部に入射し、光ファイバ101を介して光検出部97(図24参照)まで導かれる。
このような共焦点光学系においては、集光レンズ127の焦点位置と共役な位置(像位置)に円形の開口を持つピンホールを配置することで、焦点のあった位置のみの光を検出することができる。更に、共焦点光学系では点光源から出射した光は対物レンズにより被検体107の1点に集光され照射される。そのため、被検体107の全体を均一に照明する一般的な照明とは異なり、走査位置の周辺部からの不要な散乱光が生じることがなく、像のコントラストが大幅に向上する。よって、生態組織内部等の被検体体内の表面を高画質の画像として観察することができる。
上記の画像取り込みの際、制御部103(図24参照)は、走査駆動部105が生成する各走査制御信号のタイミング、すなわち光走査素子100の微小ミラー29による走査位置を把握し、この走査位置に合わせて光検出部97から入力される電気信号を信号処理装置91に処理させ、被検体107の撮像画像である二次元画像の情報を表示部93に出力させる。なお、ここでは、光走査素子として第1実施形態の光走査素子100を一例に説明しているが、勿論、他の実施形態の光走査素子200,300等の構成であってもよい。
ところで、走査範囲(撮影する範囲)を決定する光走査素子100の微小ミラー29の傾斜角の大きさ(Δθ1,Δθ2)については、光走査素子100の各電極に印加する駆動電圧の大きさに応じて変化するが、それぞれの光走査素子100の電極間距離等にばらつきがあった場合、同じ駆動電圧を印加しても、光走査素子100毎に実際の走査範囲に誤差が生じる。また、温度等の環境変化の影響を受けて走査範囲が変化する可能性がある。
そこで、光走査素子100の実際の走査範囲が安定するように、制御部103は、光走査素子100に印加する駆動電圧を補正する補正テーブル131を有する。すなわち、印加する駆動電圧の値と実際の傾斜角(θ1,θ2)との関係を表す情報を予めテーブルに登録して保持しておき、実際に光走査素子100を駆動する際には、走査範囲が所望の範囲になるように、補正テーブル131の内容を参照して印加すべき駆動電圧の値を決定する。
この補正テーブル131については、内視鏡の製品出荷時までに作成しておく。また、補正テーブル131の内容を書き換え可能な状態にしておき、定期的なメンテナンスを行う際に補正テーブル131の内容を書き換えても良い。また、必要に応じて内視鏡の電源立ち上げ時や、使用者が決める任意のタイミングで補正テーブル131の内容を更新しても良い。
また、光走査素子100を駆動する際の走査タイミングと実際の走査位置との対応関係が非線形であるような場合には、これらの関係を表す情報も補正テーブル131に登録しておく。
ところで、光走査素子100の各可動部は複雑な構造となっており、また、質量が非常に小さく形成されているので、光走査素子10の走査(可動部の回転変位)を高速で行おうとしても、大気圧下では空気の粘性の影響を受ける。そのため、光走査素子100を高い周波数で高速駆動することは困難となる。そこで、光走査素子100が受ける空気の粘性の影響を抑制するために、光走査素子100を大気中よりも空気密度の小さい減圧状態下で使用することが望ましい。
ここで、光走査素子を密封構造として減圧状態とした例を説明する。
図26は減圧封止した光走査素子の構成例を示す縦断面図である。
この光走査素子100によれば、パッケージ133内に光走査素子100が収容され、パッケージ133の内部空間を減圧状態として透明なカバーガラス135により封止されている。パッケージ133内の光走査素子100の下方には、光走査素子100の各電極と電気的に接続される駆動回路137が配置され、光走査素子100のパッケージ133封入後における駆動信号の入出力機能を担っている。
このパッケージ素子141によれば、光走査素子100の可動部は減圧状態の環境下で駆動され、空気の粘性の影響の少ない高速駆動が可能となる。ここでの真空度は、例えば0.1気圧以下に設定することで、空気の粘性の影響を実用上十分な程度に小さくできる。そして、パッケージ素子141を前述の図25の光走査素子100の位置に配置することで、より高速な画像取り込みの行える光走査プローブが得られる。
また、光走査素子100をパッケージ内に封入する他にも、例えば図27に示す構造にしてもよい。
図27は、光走査プローブの先端枠体111の内部空間を減圧状態とした場合を示す説明図である。
この場合の構成は、前述の内視鏡の構成と同様であるが、光走査プローブ400の先端枠体111の内部に、減圧空間143を画成することで、光走査素子100単体で減圧封止する必要がなくなり、構造が簡略化される。具体的には、図中点線部分の部材を減圧環境下化で製作し、密封後に光走査プローブ400に固定すればよい。
(光走査素子の具体例の構造解析結果)
次に、光走査素子の具体的構造とその動作解析結果について説明する。
ここでは、走査線数300×300の場合を想定し、実際に光走査素子の構造を決定し、有限要素法による構造解析を行った。この構造解析で用いた光走査素子の構造を図28に示した。図28(a)は解析モデルの全体構成を示す斜視図、図28(b)は第1可動板11の形状および寸法を示す平面図、図28(c)は第2の可動部(第2可動板13)の形状および寸法を示す平面図である。
なお、図28において、各寸法は次の通りである。
L11=640μm: L12=640μm: L13=120μm: L14=400μm
L15=200μm: L16=200μm: L17= 10μm: L21=400μm
L22=500μm: L23= 10μm: L24= 40μm
また、第1可動板11と、その弾性支持梁17A,17Bの厚みはいずれも10μm。また、第2可動板13の厚みは10μmで、弾性支持梁23A.23Bの厚みは4μmである。そして、各部材の材料は、Siを想定しており、ヤング率は170GPa、ポアソン比は0.26とした。
上記モデルを用いて構造解析を行った結果、第1可動板11およびこれと一体となって変位する構造体の共振周波数はおよそ8kHz、第2可動板13の共振周波数はおよそ15kHzであった。従って、このような構造の光走査素子を駆動する場合には、第1可動板11の駆動については50Hzの駆動周波数を用いて非共振状態で駆動し、第2可動板13の駆動については15kHzの駆動周波数(共振周波数)を用いて共振状態で駆動することが好ましい。
次に、このようなモデルの駆動の様子について図29を用いて説明する。
図29に示すように、第1可動板11が走査範囲のY軸方向に1走査する時間は、振動周期の半周期なので、第1可動板11の駆動周波数を50Hzとすると、(1/50Hz)/2=0.01secとなる。第1可動板11がY軸方向に1走査する時間に、第2可動板13はX軸方向に300走査する。また、第2可動板13が1走査する時間は、同様に駆動周期の半周期なので、第2可動板13の駆動周波数(この場合は共振周波数)を15kHzとすると、 ((1/15kHz)/2)×300=0.01secとなり、第1可動板11がY軸方向に1走査する時間と一致する。よって、この素子の設計値を採用すると、第1可動板11がY軸方向に1走査する間に、第2可動板13はX軸方向の走査を300走査することができる。
したがって、このX軸方向の1走査の間に、光源をパルス的に300回照射するか、検出器のシャッタを高速に300回切替えれば、走査範囲を300×300の測定点として走査することができる。
上記各実施形態の光走査素子は、レーザプリンタ等のレーザ走査記録装置、レーザ加工装置、レーザ走査顕微鏡、レーザスキャナ装置等をはじめ、レーザディスプレイ、網膜走査ディスプレイ(RSD:Retinal Scanning Display)等の種々の用途に対しても適用が可能である。また、上記光走査プローブは、共焦点光学系光走査プローブ装置やレーザ光断層診断装置OCT、血管光走査プローブ装置などに好適に用いられ、経口内視鏡、気管支内視鏡、大腸内視鏡などの医療用内視鏡装置、工業用内視鏡装置等、他のいかなる内視鏡装置に対しても適用が可能である。
第1の実施の形態における光走査素子の基本構造を示す斜視図である。 図1に示す光走査素子の一部分解斜視図である。 図1のA1−A1線から見た縦断面図である。 図1のB1−B1線から見た縦断面図である。 光走査素子とそれを駆動するための電気信号の接続状態を示す説明図である。 光走査素子とそれを駆動するための電気回路を示すブロック図である。 光走査素子の第2可動板を回転変位させた様子(a)、第2可動板を回転変位させた様子(b)を表す説明図である。 光走査素子を図3と同じ方向から見た場合の第1可動板の各動作状態(a)〜(d)を示す説明図である。 光走査素子を図4と同じ方向から見た場合の各動作状態(a)〜(d)を示す説明図である。 光走査素子を駆動する駆動信号及びこれによる動作のタイムチャートである。 光走査素子の駆動により変化する走査位置を表す模式図である。 光走査素子を駆動する駆動信号及びこれによる動作のタイムチャートである。 光走査素子を駆動する駆動信号及びこれによる動作のタイムチャートである。 第2の実施の形態における光走査素子の基本構造を示す斜視図である。 図14に示した光走査素子の一部分解斜視図である。 図14のA2−A2線から見た縦断面図である。 図14のB2−B2線から見た縦断面図である。 第3の実施の形態における光走査素子の基本構造を示す斜視図である。 図18に示した光走査素子の一部分解斜視図である。 図18のA3−A3線から見た縦断面図である。 図18のB3−B3線から見た縦断面図である。 光走査素子の製造工程(a)〜(l)の各段階を表す説明図である。 光走査素子が搭載された光走査プローブを含む内視鏡装置全体の構成を示す正面図である。 内視鏡の構成を示すブロック図である。 光走査プローブの先端部の構造を示す断面図である。 減圧封止した光走査素子の構成例を示す縦断面図である。 光走査プローブの先端枠体の内部空間を減圧状態とした場合を示す説明図である。 構造解析で用いた光走査素子の構造を示す図で、(a)は解析モデルの全体構成を示す斜視図、(b)は第1可動板の形状および寸法を示す平面図、(c)は第2の可動部の形状および寸法を示す平面図である。 図28に示したモデルによる光走査素子の駆動例を示す説明図である。 従来例1の光走査素子の構成を示す平面図である。 従来例2の光走査素子の構成を示す平面図である。 従来例3の光走査素子の構成を示す平面図である。
符号の説明
11 第1可動板
13,14 第2可動板
13a,13b 端部
15 基板
15a 上面
17A,17B 弾性支持梁
19,21 第1支持部
23A,23B 弾性支持梁
25,27 第2支持部
29 微小ミラー
31,33 第1固定電極
35,36,37,38 第2固定電極
39,40 支持台
41 駆動ユニット
43 駆動電圧制御回路
45 メモリ回路
51 弾性支持梁
53 接合部
55 SOI基板
57 駆動回路
81 シース
83 内視鏡
85 鉗子口
87 挿入部
89 操作部
91 信号処理装置
93 表示部
95 光源
97 光検出部
99 光カプラ
100,200,300 光走査素子
101 光ファイバ
103 制御部
105 走査駆動部
107 被検体
111 先端枠体
113 連結部
115 信号線
117 保持部材
117a,117b 連通孔
119 フェルール
121 パッキン
123 内部空間
125 カバーガラス
127 集光レンズ
129 コリメータレンズ
131 補正テーブル
133 パッケージ
135 カバーガラス
137 駆動回路
141 パッケージ素子
143 減圧空間
400 光走査プローブ

Claims (17)

  1. 基板上に支持された微小ミラーを物理的作用力によって揺動させる光走査素子であって、
    前記基板上で該基板の面に平行な第1の軸を中心として揺動変位可能に支持された第1可動部と、
    前記第1可動部上に一体に配置され、前記第1の軸とは直交する第2の軸を中心として揺動変位可能に支持されるともに、上面に前記微小ミラーを備えた第2可動部と、
    前記第1可動部および前記第2可動部に物理的作用力を印加することで、前記微小ミラーを前記第1の軸及び前記第2の軸方向を中心とする2軸方向に揺動変位させる駆動手段と、
    を具備した光走査素子。
  2. 請求項1記載の光走査素子であって、
    前記駆動手段が、前記第1可動部と前記第2可動部の少なくともいずれかに対して、各可動部の厚み方向に重なり合う範囲内に配置された光走査素子。
  3. 請求項1または請求項2記載の光走査素子であって、
    前記駆動手段が、
    前記第1可動部に前記第1の軸を中心とする第1の回転方向に物理的作用力を加える第1駆動部と、
    前記第1可動部に前記第1の回転方向とは反対の第2の回転方向に物理的作用力を加える第2駆動部と、
    前記第2可動部に前記第2の軸を中心とする第3の回転方向に物理的作用力を加える第3駆動部と、
    前記第2可動部に前記第3の回転方向とは反対の第4の回転方向に物理的作用力を加える第4駆動部と、
    を備えた光学走査素子。
  4. 請求項3記載の光走査素子であって、
    前記第3駆動部および前記第4駆動部が、前記第1可動部と前記第2可動部との間の高さ位置に配置された光学走査素子。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の光走査素子であって、
    前記第2可動部の厚み方向に重なり合う領域内に配置され、該第2可動部に対して弾性変位可能に接続された支持部材を有する光走査素子。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の光走査素子であって、
    前記第2可動部の前記第2の軸に直交する方向の最大寸法は、前記第1可動部の前記第1の軸に沿った方向の最大寸法に略等しい光走査素子。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の光走査素子であって、
    少なくとも前記第1可動部および前記第2可動部が減圧状態で封止される封止構造を備えた光走査素子。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項記載の光走査素子であって、
    前記物理的作用力が静電気力である光走査素子。
  9. 請求項8記載の光走査素子であって、
    前記第1可動部と前記第2可動部は、少なくとも一部に導電性を有し、互いに電気的に接続されている光走査素子。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれか1項記載の光走査素子の駆動方法であって、
    前記第2可動部を第1の周波数で主走査駆動し、
    前記第1可動部が1回揺動する間に複数回揺動するように、前記第1可動部を前記第1の周波数より低い第2の周波数で副走査駆動する光走査素子の駆動方法。
  11. 請求項10記載の光走査素子の駆動方法であって、
    前記第1可動部と前記第2可動部とが一方の回転方向から他方の回転方向へ遷移する際に、前記一方の回転方向の最終変位位置で前記可動部の下端が下方の部材に接触する前に前記他方の回転方向への変位を開始させる光走査素子の駆動方法。
  12. 請求項10または請求項11記載の光走査素子の駆動方法であって、
    前記第2可動部を、該第2可動部の共振周波数に略等しい周波数で揺動駆動する光走査素子の駆動方法。
  13. 請求項10または請求項11記載の光走査素子の駆動方法であって、
    前記第2可動部を、該第2可動部の共振周波数より高い周波数で揺動駆動する光走査素子の駆動方法。
  14. 請求項10または請求項11記載の光走査素子の駆動方法であって、
    前記第2可動部を、該第2可動部の共振周波数より低い周波数で揺動駆動する光走査素子の駆動方法。
  15. 請求項13または請求項14記載の光走査素子の駆動方法であって、
    前記第1可動部を、該第1可動部に一体とされた構造体の共振周波数に略等しい周波数で振動させる光走査素子の駆動方法。
  16. 被検体の体内に挿入されるプローブと、
    前記被検体に光を照射するための光を発生する光源と、
    前記光源からの光を前記プローブの先端部に導く光伝達手段と、
    請求項1〜請求項9のいずれか1項記載の光走査素子が前記プローブの先端部に搭載され、前記光走査素子に導かれた前記光源からの光を前記被検体に向けて二次元走査する光走査部と、
    前記光走査部の前記光走査素子に前記微小ミラーを揺動駆動する駆動信号を供給する走査駆動部と、
    前記光走査部によって二次元走査された光の前記被検体からの反射光を基端部に導く反射光伝達手段と、
    を備えた光走査プローブ。
  17. 請求項16記載の光走査プローブであって、
    前記光源と前記光走査部との間にピンホールが形成され、該ピンホールを通過する光が実質的に点光源となり、前記被検体との間に共焦点光学系が構成される共焦点ピンホールを備えた光走査プローブ。
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