JP2007017769A - 光通信用微小薄膜可動素子及び微小薄膜可動素子アレイ - Google Patents

光通信用微小薄膜可動素子及び微小薄膜可動素子アレイ Download PDF

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Abstract

【課題】 可動部の振動をアクティブに減少させることのできる光通信用微小薄膜可動素子及び微小薄膜可動素子アレイを提供し、スイッチング動作を高速化させる。
【解決手段】 弾性変位可能に支持され双方向に変位する可動部27を備え、この可動部27がスイッチング機能を有する光通信用微小薄膜可動素子100であって、可動部27へ物理的作用力を加える駆動源を複数有し、駆動源により可動部27を第1の方向へ変位駆動させるに際し、可動部27が第1の方向に遷移している間に、駆動源により可動部27に対し第1の方向と異なる第2の方向に可動部の振動を抑制する物理的作用力が加えられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、双方向に変位する可動部を備えた光通信用微小薄膜可動素子及び微小薄膜可動素子アレイに関し、さらに詳しくは、可動部の振動を能動的に減少させる改良技術に関する。
近年、MEMS技術(MEMS;Micro-Electro Mechanical Systems)の急速な進歩により、μmオーダーの微小構造体を電気的に変位・移動させる微小電気機械式素子の開発が盛んに行われている。この微小電気機械式素子には、例えばマイクロミラーを傾けて光の偏向を図るデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)や、光路を切り換える微小薄膜可動素子としての光スイッチなどがある。DMDは、光学的な情報処理の分野において、投射ディスプレイ、ビデオ・モニター、グラフィック・モニター、テレビ及び電子写真プリントなど用途が広い。また、光スイッチは、光通信、光インタコネクション(並列コンピュータにおける相互結合網など光による信号接続技術)、光情報処理(光演算による情報処理)などへの応用が期待されている。
微小電気機械式素子は、一般的に弾性変位可能に支持され一方向又は双方向に変位する可動部を備え、この可動部が主にスイッチング動作を担う。従って、可動部の制動制御は、良好なスイッチング動作を行う上でも特に重要となる。
例えば、下記特許文献1に開示されるマイクロミラー装置は、一対の駆動電極のうち一方の電極に電圧を印加し、これら電極間にヒンジ接続により配置されたミラーを有する可動部を、駆動電極との間の電位差及び静電容量に応じた静電引力により回転させる構成としている。
また、下記特許文献2に開示される光路切替装置は、電磁駆動のアクチュエーターに信号電圧を印加して光路を切替える機械式の光スイッチと、光スイッチに信号電圧を供給する制御回路とを備える。信号電圧は、信号の立ち上がり振幅Vと信号幅Tについて、信号の立ち上がりからT/2経過したときの電圧が2/3V以下である。そして、アクチュエータに印加する信号電圧において、振動幅Tの信号の立ち上がりから、T/2経過した時、信号電圧を立ち上がり振幅の2/3倍以下に減少させ、振動を抑制しようとしている。
また、下記特許文献5に開示される光スイッチの切替制御方法は、制御電圧のオン、オフにより変位する振動部材と、この振動部材の先端に振動部材が変位することにより伝搬光を反射又は遮断するエレメントを備えた光スイッチにおいて、上記の制御電圧をオンする前に、振動部材の固有振動周期より短い第1の予備電圧パルスを振動部材に印加し、制御電圧をオフにした後に、振動部材の固有振動周期より短い第2の予備電圧パルスを振動部材に印加している。
一般的に光スイッチでは、制御電圧をオン、オフして振動部材が変位するとき、チャタリングと呼ばれる現象が生じる。このチャタリングは、制御電圧をオン又はオフにした後に、振動部材が直ちにその制御電圧に対応した変位量分、変化するのではなく、大きな減衰振動をしながら、最終的に制御電圧に対応した変位量分、変位する現象である。従って、この振動が減衰し、光出力が一定レベルになるまでは、光路を切り換えたことにならず、光スイッチの切り換え速度が制限されてしまう問題があった。これに対し、本従来例による光スイッチの切替制御方法では、振動部材の固有振動周期より短い予備電圧パルスを、制御電圧をオンする前とオフにした後に振動部材に印加することで、チャタリングを制御し、光スイッチの切り換え速度の向上を図っている。
特開平8−334709号公報 特開2002−169109号公報 特開平2−7014号公報
しかしながら、特許文献1に開示されるマイクロミラー装置では、駆動電極のうちの一方に電圧を印加し、可動部と駆動電極との間の電位差及び静電容量に応じた静電引力を発生させ、可動部を回転させる。このため、図21(a)に示すように、電圧Vaの印加によってマイクロミラーが接触位置へ遷移して、接触位置に着地した直後、接触部材からの反力を受けることで振動が生じた。また、マイクロミラーが接触位置に着地しない非接触構造の場合であっても、図21(b)に示すように、所望の回転角度(収束位置)を超えてオーバーシュートが発生することで、振動の鎮静化までに時間を要した。これらの振動やオーバーシュートは、微小電気機械式素子のスイッチング動作における高速化の妨げとなっていた。
また、特許文献2に開示される光路切替装置は、電磁駆動のアクチュエーターにおいて、可動部がヨークの先端に近づくとき、即ち、永久磁石磁界による吸引力が強くなる時にコイル磁界による吸引力を低下させ、総合の吸引力が強くなり過ぎることがないように可動部をファイバー接続位置に移動させている。信号発生回路により出力される波形は、図22(a)に示すように、立ち上がり電圧V=7Vで立ち上がり後に急激に電圧が減少する信号電圧である。信号幅Tは5ms、信号終端の電圧は0.5Vである。立ち上がりからT/2経過後の電圧は2.8vである。図22(b)は、立ち上がり電圧は7V、信号幅Tは5ms、ステップ状に振幅が変化する時間T=1.5msである。図22(c)は立ち上がり電圧5V、減少させた振幅が1Vになるまでの時間Tが2msである。時間Tは信号幅に相当する。時間T以降は次の切替えを行なうまで1Vの電圧を印加し続ける。図22(d)は立ち上がり電圧5V、ステップ状の振幅が変化するまでの時間T=3msで振幅が一定値0.5Vにステップ状に減少する波形である。これらの信号電圧は、立ち上がりの振幅を大きくすることで可動部の動き(切替速度)を早くするとともに、可動部が動き出したら信号電圧を急激に小さくして可動部に加わる力を低減してチャタリングを抑制することができた。しかしながら、この光路切替装置は、可動部であるブロックを双方向に平行変位させているが、順方向に働く駆動力を変化させて振動を抑制しようとしているため、振動制御方法の多様性に乏しい不利があった。また、基本的にコイル磁界による吸引力を低下させ、総合の吸引力が強くなり過ぎないように信号電圧を小さくするもので、上記同様、振動をアクティブに減少させることができなかった。
さらに、特許文献3に開示される光スイッチの切替制御方法は、図23に示すように、制御電圧をオン、オフする前に、第1の予備電圧パルス、第2の予備電圧パルスを振動部材に印加し、1つの可動部電極と1つの固定電極により静電気力を単一方向に働かせ、可動支持部の弾性力及び慣性力との力のつり合いにより可動部駆動時の振動を抑えようとするものであり、可動部遷移方向に働く順方向のみの静電気力(電位差)を変化させるため、振動抑制効果が小さい問題があった。一般的に、光通信用の光スイッチにおいては、DMDと異なり、任意の角度で位置だしされるために自由振動の収束までに非常に時間がかかる。また、レーザ光などの光情報を出射側のファイバに反射させて入射させるため、高い制御精度が求められるが、可動部(ミラー部)の振動が上記したチャタリングとしてノイズの原因となる。このように、特に光スイッチの場合、振動の影響はDMDもより大きく、重大な課題となっていた。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、可動部の遷移方向と逆方向に物理的引力を働かせ、可動部の振動をアクティブに減少させることのできる光通信用微小薄膜可動素子及び微小薄膜可動素子アレイを提供し、もって、チャタリングを減少させてノイズを低減し、スイッチング動作の高速化を図ることを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る請求項1記載の光通信用微小薄膜可動素子は、弾性変位可能に支持され双方向に変位する可動部を備え、該可動部がスイッチング機能を有する光通信用微小薄膜可動素子であって、前記可動部へ物理的作用力を加える駆動源を複数有し、該駆動源により前記可動部を第1の方向へ変位駆動させるに際し、該可動部が前記第1の方向に遷移している間に、前記駆動源により前記可動部に対し前記第1の方向と異なる第2の方向に前記可動部の振動を抑制する物理的作用力が加えられることを特徴とする。
この光通信用微小薄膜可動素子では、可動部が最終変位位置に到達する前の遷移している間に、遷移方向と逆方向に物理的引力が作用し、可動部が最終変位位置へ到達する直前の速度が減速される。これによって従来非接触駆動での最終変位位置へ到達する際のオーバーシュートや、接触駆動での可動部が大きな速度で最終変位位置へ到達することで生じていた衝突による振動が抑止される。つまり、可動部の接触時の振動がアクティブに減少可能となる。
請求項2記載の光通信用微小薄膜可動素子は、前記可動部を前記第1の方向へ変位駆動した後、前記可動部が前記第2の方向へ遷移している間に、前記駆動源により前記可動部に対し前記第1の方向に物理的作用力が加えられることを特徴とする。
この光通信用微小薄膜可動素子では、可動部が第1の方向へ変位駆動され、変位の最終位置に到達した後、さらに、停止部材に当接することによる反力、或いは弾性力によって第2の方向へ遷移している間に、第1の方向の物理的作用力が可動部に加えられることで、変位の最終位置から離反しようとする可動部の移動がアクティブに制動される。
請求項3記載の光通信用微小薄膜可動素子は、前記物理的作用力が、前記可動部の複数の作用点に加えられることを特徴とする。
この光通信用微小薄膜可動素子では、作用点が複数となることで、例えば中央が回転中心となる揺動型の可動部において、回転中心を挟む両側に物理的作用力が加えられるようになる。これにより、それぞれの作用点に、異なる大きさの制動力を、異なるタイミングで加えられるようになり、多様な制動効果が得られるようになる。
請求項4記載の光通信用微小薄膜可動素子は、前記可動部が特定方向の変位の最終位置に到達するときに、該可動部の速度が略ゼロとなることを特徴とする。
この光通信用微小薄膜可動素子では、可動部が最終変位位置へ到着する瞬間の速度が略ゼロとなり、従来非接触駆動の場合の最終変位位置へ到達する際のオーバーシュートや、可動部が大きな速度で最終変位位置へ到達することで生じていた衝突による振動が発生しなくなる。
請求項5記載の光通信用微小薄膜可動素子は、前記駆動源により前記可動部を前記第1の方向及び前記第2の方向へ変位させる物理的作用力が、静電気力であることを特徴とする。
この光通信用微小薄膜可動素子では、可動部を変位させる物理的作用力が静電気力となることで、高速な振動抑止力が得られる。
請求項6記載の光通信用微小薄膜可動素子は、前記物理的作用力が、縦軸を強度、横軸を時間としたパルス波形様に印加されることを特徴とする。
この光通信用微小薄膜可動素子では、物理的作用力が、パルス波形によって特定される電圧範囲で発生され、多様な制動効果が得られるようになる。なお、ここでのパルス波形とは、矩形波、正弦波、余弦波、鋸波、三角波、及びこれらの合成波を含む。
請求項7記載の光通信用微小薄膜可動素子は、前記物理的作用力が、複数のパルス波形によって発生されることを特徴とする。
この光通信用微小薄膜可動素子では、物理的作用力が、異なる大きさ、異なるタイミングで加えられるようになり、多様な制動効果が得られるようになる。
請求項8記載の微小薄膜可動素子アレイは、請求項1〜請求項7のいずれか1項記載の光通信用微小薄膜可動素子を1次元又は2次元配列したことを特徴とする。
この微小薄膜可動素子アレイでは、高速なスイッチング動作の可能となった光通信用微小薄膜可動素子がアレイ化され、振動の鎮静化する時間の短縮が可能となり、従来より早いアドレス電圧の書込みが可能となる。
請求項9記載の微小薄膜可動素子アレイは、前記光通信用微小薄膜可動素子のそれぞれがメモリ回路を含む駆動回路を有し、前記可動部と、該可動部に対峙する少なくとも2つ以上の固定部とに設けられた電極のうち一方が前記駆動回路からの素子変位信号の入力される信号電極であり、他方が共通電極であることを特徴とする。
この微小薄膜可動素子アレイでは、メモリ回路が備えられることで、このメモリ回路に対して予め素子変位信号の書き込みが可能となる。そして、共通電極に、従来同様の一定の共通電圧が印加されると同時に、信号電極に、予めメモリ回路に書き込んでおいた素子変位信号が印加されることで、複数の光通信用微小薄膜可動素子が高速にアクティブ駆動可能となる。
請求項10記載の微小薄膜可動素子アレイは、それぞれの前記可動部をスイッチング駆動させる制御部が設けられたことを特徴とする。
この微小薄膜可動素子アレイでは、可動部が制御部によって駆動制御されることで、可動部が最終変位位置に到達する前に、可動電極と固定電極との間の電極間電圧の絶対値が減少又は増加、或いは増減され、可動部が最終変位位置へ到達することで生じていたオーバーシュートや、衝突による振動が抑止可能となる。
本発明に係る光通信用微小薄膜可動素子によれば、可動部へ物理的作用力を加える駆動源を複数有し、駆動源により可動部を第1の方向へ変位駆動させるに際し、可動部が第1の方向に遷移している間に、駆動源により可動部に対し第1の方向と異なる第2の方向に可動部の振動を抑制する物理的作用力を加えるので、可動部の遷移方向と逆方向に物理的引力を働かせ、可動部の接触時の振動をアクティブに減少させることができる。この結果、チャタリングを減少させてノイズを低減し、微小薄膜可動素子におけるスイッチング動作を高速化することができる。
本発明に係る微小薄膜可動素子アレイによれば、可動部が最終変位位置へ到達した後の振動が抑止される。従って、振動鎮静化時間をなくし或いは大幅に短縮することが可能となり、振動の収まるのを待つ必要がなく、アドレス電圧を書込むことができる。この結果、駆動サイクルを短縮して、スイッチング動作を高速化することができる。
以下、本発明に係る光通信用微小薄膜可動素子及び微小薄膜可動素子アレイの好適な実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る光通信用微小薄膜可動素子の第1の実施の形態を(a),(b)で表す概念図、図2は図1に示した微小薄膜可動素子の制振の過程を(a),(b),(c)で表した動作説明図、図3はパルス波形が印加された可動部の挙動を表した説明図である。
本実施の形態による光通信用微小薄膜可動素子としての光スイッチ100は、基本的な構成要素として、基板21と、基板21に空隙23を介して平行に配置される小片状の可動部27と、可動部27の両縁部から延出されるヒンジ29,29と、このヒンジ29,29を介して可動部27を基板21に支持するスペーサ31,31とを備える。このような構成により、可動部27は、ヒンジ29,29の捩れによって回転変位が可能となっている。
光スイッチ100は、可動部27の上面が光反射部(マイクロミラー部)となる。この他、本発明に係る光スイッチは、可動部27の材質を適宜選択することにより、音波、流体、熱線のスイッチングも可能にできる。
本実施の形態において、可動部27は、特定方向の変位の最終位置に到達するに際し、基板21や図示しない停止部材には接触せずに停止される。つまり、非接触型の光通信用微小薄膜可動素子としての光スイッチを構成している。
基板21の上面には、ヒンジ29,29を中央として両側に第1アドレス電極35aと第2アドレス電極35bが設けられる。また、可動部27にもその一部に図示しない可動電極が設けられている。光スイッチ100には基板21中に駆動回路37が設けられ、駆動回路37は可動部27と第1アドレス電極35aとの間、可動部27と第2アドレス電極35bとの間に電圧を印加する。光スイッチ100は、基本動作として、第1アドレス電極35a、第2アドレス電極35b、可動部27へ電圧を印加することによって、ヒンジ29,29を捩り中心として可動部27を揺動変位させる。つまり、可動部27がマイクロミラー部であることにより、光の反射方向がスイッチングされる。
光スイッチ100では、可動部27に対し、第1アドレス電極35a、第2アドレス電極35bに電位差を与えると、それぞれの電極と、可動部27との間に静電気力が発生し、ヒンジ29,29を中心に回転トルクが働く。この際に発生する静電気力は、真空中の誘電率、可動部27の面積、印加電圧、可動部27とアドレス電極の間隔に依存する。
従って、真空中の誘電率、可動部27の面積、可動部27とアドレス電極の間隔、ヒンジ29、29の弾性係数が一定である場合、可動部27は、それぞれの電極の電位を制御することにより、左右に回転変位可能となる。例えば、Va>Vbのときには、第1アドレス電極35aと可動部27に発生する静電気力が、第2アドレス電極35bと可動部27に発生する静電気力より大きくなり、可動部27は左側が下がるように傾く。逆に、Va<Vbのときは、第2アドレス電極35bと可動部27に発生する静電気力が、第1アドレス電極35aと可動部27に発生する静電気力より大きくなり、可動部27は右側が下がるように傾く。
このように、可動部27の可動電極、第1アドレス電極35a、第2アドレス電極35bは、可動部27を回転変位させる駆動源となっている。このような駆動源から可動部27へ加えられる物理的作用力が、静電気力となることで、高速な回転変位が可能となる。
なお、可動部27に作用させる物理的作用力は、静電気力以外の物理的作用力であってもよい。その他の物理的作用力としては、例えば、圧電体による効果や電磁力を挙げることができる。この場合、駆動源としては、圧電素子を用いた圧電型アクチュエータや、マグネット・コイルを用いた電磁型アクチュエータが採用される。
このように、光スイッチ100は、双方向に変位する可動部27を備え、この可動部27がスイッチング機能を有する。そして、可動部27は、物理的作用力を加える複数の駆動源(可動部27の可動電極、第1アドレス電極35a、第2アドレス電極35b)によって回転変位される。ここで、本実施の形態による光スイッチ100は、駆動源により可動部27を図1の左回転方向(第1の方向)へ変位駆動させるに際し、可動部27が第1の方向に遷移している間に、駆動源により可動部27に対し第1の方向と異なる第2の方向に可動部27の振動を抑制する物理的作用力が加えられる。
図2(a)に示すように、まず、左回転方向の第1アドレス電極35aに駆動電圧Vaが印加される。次いで、図2(b)に示すように、可動部27の左端が変位の最終位置に到達する直前に、振動抑制電圧Vbが第2アドレス電極35bに印加される。この結果、図2(c)に示すように、振動抑制電圧Vbにより可動部27と第2アドレス電極35bとに静電気力が発生し、この静電気力が可動部27の右端を基板21側へと引き寄せる。この静電吸引力が吸振効果として作用し、可動部27が変位の最終位置に到達すると同時に静止することとなる。
このように、可動部27が特定方向の変位の最終位置に到達するときに、その瞬間の速度が略ゼロとなることで、従来可動部が大きな速度で最終変位位置へ到達するに際し、所望の回転角度(収束位置)を超えてオーバーシュートが発生することで生じていた振動が発生しなくなる。
また、可動部27は、最終位置に到達すると、上記の静電吸引力によって制動され、強制的に制振される。そして、吸振効果を得る物理的作用力が静電気力であるので、高速な振動抑止力が得られる。
さらに、物理的作用力が、可動部27の複数の作用点(本実施の形態では可動部27の左右)に加えられることで、例えば中央が回転中心となる揺動型の可動部27では、回転中心を挟む両側に物理的作用力が加えられるようになり、それぞれの作用点に、異なる大きさの制動力を、異なるタイミングで加えることができることから、多様な制動効果が得られるようになる。
可動部27が図3(a)に示す駆動電圧Vaの印加によって回転する場合、静電吸引力を発生させるための振動抑制電圧Vb、即ち、可動部27と第2アドレス電極35bとに印加される電圧は、図3(b)に示す縦軸を強度(電圧)、横軸を時間としたパルス波形様とすることができる。この例では、可動部27が変位の最終位置に到達する直前に、変位の逆方向へ作用する一つのパルス波形p1を印加している。以下、振動抑制電圧Vbとして可動部27と第2アドレス電極35bとに印加されるパルス波を、「逆方向のパルス波」、駆動電圧Vaとして可動部27と第1アドレス電極35aとに印加されるパルス波を、「順方向のパルス波」と称する。
振動抑制電圧Vbをこのようなパルス波形とすることで、静電吸引力が、パルス波形によって特定される電圧範囲で発生され、多様な制動効果が得られるようになる。なお、ここでのパルス波形とは、矩形波、正弦波、余弦波、鋸波、三角波、及びこれらの合成波を含む。
この光スイッチ100では、可動部27が最終変位位置に到達する前の遷移している間に、遷移方向とは逆方向に物理的引力が作用し、可動部27が最終変位位置へ到達する直前の速度が減速される。これによって従来可動部が大きな速度で最終変位位置へ到達することで生じていたオーバーシュートによる振動や、接触駆動での最終変位位置へ到達する際の衝突による振動が抑止される。つまり、可動部27の振動がアクティブに減少可能となる。
図4は駆動部への印加電圧に応じたパルス電圧を印加した場合の例を(a),(b)で表した説明図である。
なお、振動抑制電圧Vbは、駆動電圧Vaに応じて設定される。即ち、図4(a)に示すように、駆動電圧Vaが大きければ振動抑制電圧Vbも大きくなり、可動部27も振幅の大きな回転角度θで収束する。駆動電圧Vaが小さければ図4(b)に示すように、振動抑制電圧Vbも小さくなり、可動部27も振幅の小さな回転角度θで収束することになる。
図5は2軸にて揺動される可動部を備えた3次元光スイッチの例を表した斜視図である。
また、光スイッチ100は、図1に示したヒンジ29、29を捩れ中心とする基本構成となる1軸の2次元光スイッチの他、図5に示すヒンジ29a、29a、ヒンジ29b、29bを捩れ中心とする2軸の3次元光スイッチ100Aであってもよい。この場合、3次元光スイッチ100Aは、第1アドレス電極35aと第2アドレス電極35bに加え、第3アドレス電極35cと第4アドレス電極35dが設けられることになる。そして、第1アドレス電極35a、第2アドレス電極35bと、可動部27とへの電圧印加によって可動部27がX方向に駆動され、第3アドレス電極35c、第4アドレス電極35dと、可動部27とへの電圧印加によって可動部27がY方向に駆動される。
このような3次元光スイッチ100Aの場合においても、可動部27が最終変位位置に到達する前の遷移している間に、遷移方向と逆方向に物理的引力が作用し、可動部27が最終変位位置へ到達する直前の速度が減速される。これによってオーバーシュートによる振動が抑止され、3次元駆動される可動部27の振動がアクティブに減少可能となる。
次に、吸振効果を得る静電吸引力を発生させるために、振動抑制電圧Vb、駆動電圧Vaに印加される種々のパルス波形の変形例について説明する。
図6は2つの矩形パルス波形が印加される変形例1を表した説明図である。
なお、以下の各実施の形態及び各変形例において、同一の部材・部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略するものとする。
この変形例は、逆方向の複数のパルス波P2、P3が可動部27の変位の最終位置に到達直前に印加される。図では2つのパルス波P2、P3を例示するが、パルス波形は2つ以上であってもよい。
この変形例によれば、物理的作用力である静電吸引力が、異なる大きさ、異なるタイミングで加えられるようになり、多様な制動効果が得られるようになる。
図7は三角パルス波形が印加される変形例2を表した説明図である。
この変形例は、パルス波P4が三角波となる。このように、パルス波は、三角波、正弦波、その他の波形であってもよい。
この変形例によれば、物理的作用力である静電吸引力が、矩形波では得られない急峻なタイミングで加えられるようになる。
図8は2つの三角パルス波形が印加される変形例3を表した説明図である。
この変形例は、逆方向の複数の三角パルス波P5、P6が可動部27の変位の最終位置に到達直前に印加される。図では2つの三角パルス波P5、P6を例示するが、三角パルス波形は2つ以上であってもよい。
この変形例によれば、急峻な静電吸引力が、異なる大きさ、異なるタイミングで加えられるようになる。
図9は駆動電圧Vaにパルス波形が印加される変形例4を表した説明図である。
この変形例は、可動部27が変位の最終位置に到達する直前に逆方向のパルス波P2が印加された後、可動部27が変位の最終位置に到達してから反動によって離反動するときに、順方向のパルス波P7が駆動電圧Vaに印加される。即ち、可動部27を左回転方向(第1の方向)へ変位駆動した後、可動部27が右回転方向(第2の方向)へ遷移している間に、駆動源(第1アドレス電極35a、可動部27)により可動部27に対し第1の方向に物理的作用力が加えられる。
この変形例によれば、可動部27が第1の方向へ変位駆動され、変位の最終位置に到達した後、さらに、反動、或いは弾性力によって第2の方向へ遷移している間に、第1の方向の物理的作用力が可動部27に加えられることで、変位の最終位置から離反しようとする可動部27の移動がアクティブに制動される。
図10は駆動電圧Vaにパルス波形が印加された後制動電極にパルス波形が印加される変形例5を表した説明図である。
この変形例は、図9に示した変形例と、逆方向のパルス波P2と、順方向のパルス波P7とが逆の順番で印加される。即ち、可動部27が変位の最終位置に到達して離反動する直後に順方向のパルス波P7が印加され、再び可動部27が変位の最終位置に到達する直前に逆方向のパルス波P2が印加される。
この変形例によれば、可動部27が変位の最終位置に到達した後、反動、或いは弾性力によって第2の方向へ遷移している間に、第1の方向の物理的作用力が可動部27に加えられ、変位の最終位置から離反しようとする可動部27の移動がアクティブに制動される。また、この制動により静止させることのできなかった可動部27が再度変位の最終位置に到達しようとする直前に、逆方向のパルス波P2が印加されて可動部27が確実に静止される。
図11は駆動電圧Vaが所定間隔で低減される変形例6を表した説明図である。
この変形例は、可動部27が変位の最終位置に到達する直前に逆方向のパルス波P8が印加されると同時に、電圧を下げた順方向のパルス波P9が印加される。
この変形例によれば、可動部27が変位の最終位置に到達する直前に、逆方向のパルス波P8によって制動がなされるとともに、その際の駆動電圧Vaがパルス波P9によってキャンセルされることで、可動部27がより大きな力で制動されることとなる。なお、この場合、図示ではパルス波P9を0Vまで下げているが、順方向のパルス波P9の低下電圧は、0Vでなくてもよい。
図12は駆動電圧Vaが所定間隔で複数低減される変形例7を表した説明図である。
この変形例は、複数の逆方向のパルス波P2、P3が印加されると同時に、電圧を下げた順方向のパルス波P9、P10が印加される。
この変形例によれば、図9に示した変形例の作用が繰り返され、可動部27がより確実に制動されることとなる。
図13はパルス波形印加後に一定の電圧が印加される変形例8を表した説明図である。
この変形例は、可動部27が変位の最終位置に到達する直前に、逆方向のパルス波P1が印加されるが、その後に、一定の電圧Vb1が印加され続ける。つまり、逆方向のパルス波は、必ずしも通常時に0Vとしなくてもよい。
この変形例によれば、可動部27が変位の最終位置に到達した後に逆方向にバイアスされることとなる。このように、バイアス電圧と駆動電圧との差を小さな電圧差とすることで、可動部27の高速応答性などの制御性を向上できる。
図14は複数のパルス波形印加後に一定の電圧が印加される変形例9を表した説明図である。
この変形例は、逆方向の複数のパルス波P2、P3が可動部27の最終位置到達直前に印加され、その間、及びその後も一定の電圧Vb1が印加され続ける。
この変形例によれば、確実な吸振効果が得られるとともに、小さな電圧差での可動部27の駆動が可能となる。
図15はパルス波形が印加される前に一定の電圧が印加される変形例10を表した説明図である。
この変形例は、可動部27が変位の最終位置に到達する直前に、逆方向のパルス波P1が印加され、その後に、一定の電圧Vb1が印加され続けるが、逆方向のパルス波P1が印加される前においても一定の電圧Vb1が振動抑制電圧Vbとして印加される。
この変形例によれば、可動部27が逆方向で常にバイアスされ、小さな電圧差での可動部27の駆動が可能となる。可動部27の振動は、常に順方向と逆方向との静電気力のつりあいであり、接触型の場合、pull-inして(引き込まれて)可動部27が接触状態を維持する範囲の逆方向の電圧であれば、常に印加しても問題はない。
従って、上記の光スイッチによれば、可動部27へ物理的作用力を加える駆動源を複数有し、駆動源により可動部27を第1の方向へ変位駆動させるに際し、可動部27が第1の方向に遷移している間に、駆動源により可動部27に対し第1の方向と異なる第2の方向に物理的作用力を加えるので、可動部27の遷移方向と逆方向に物理的引力を働かせ、可動部27の最終位置に到達時の振動をアクティブに減少させることができる。この結果、チャタリングを減少させてノイズを低減し、光スイッチ100におけるスイッチング動作を高速化することができる。
次に、本発明に係る光通信用微小薄膜可動素子の第2の実施の形態を説明する。
図16は本発明に係る光通信用微小薄膜可動素子の第2の実施の形態を表す概念図である。
本実施の形態による光スイッチ200は、可動部41の一端がヒンジ29、29、スペーサ31、31を介して基板21に支持固定されている。つまり、可動部41は、他端が自由端となった片持ち梁状に構成される。そして、基板21上には可動部41の自由端に対向して第1アドレス電極35aが設けられ、可動部41を挟んだ第1アドレス電極35aの反対側には図示しない対向基板に形成される第2アドレス電極35bが設けられている。
このような構成の光スイッチ200においても、第1アドレス電極35aと可動部41に駆動電圧Vaを印加するとともに、第2アドレス電極35bと可動部41に振動抑制電圧Vbを印加することで、可動部27が最終変位位置(この場合、第1アドレス電極35a側の直近非接触位置)に到達する前の遷移している間に、遷移方向と逆方向に静電吸引力を作用させ、可動部27が最終変位位置へ到達する直前の速度を減速させることができる。
これにより、従来可動部27が大きな速度で最終変位位置へ到達することで生じていた衝突による振動を抑止することができる。つまり、可動部27の最終位置到達時の振動がアクティブに減少可能となる。
次に、本発明に係る光通信用微小薄膜可動素子の第3の実施の形態を説明する。
図17は本発明に係る光通信用微小薄膜可動素子の第3の実施の形態を表す概念図である。
本実施の形態による光スイッチ300は、所謂、平行平板型の素子であって、導電性と可撓性を有する平板状の可動部43の両端が基板21上に形成した絶縁膜45に所定の間隙47を有して固定されている。この基板21の可動部43の下方には、絶縁膜45を介して、第1アドレス電極35aが配設されており、また、可動部43の上方には絶縁膜49を介して第2アドレス電極35bが配設されている。つまり、可動部43は、第1アドレス電極35aと第2アドレス電極35bとの間で両端が支持された両持ち梁状に構成されている。
このような平行平板型の光スイッチ300においても、第1アドレス電極35aと可動部41に駆動電圧Vaを印加するとともに、第2アドレス電極35bと可動部41に振動抑制電圧Vbを印加することで、可動部43が最終変位位置(この場合、第1アドレス電極35a側の直近非接触位置)に到達する前の遷移している間に、遷移方向と逆方向に静電吸引力を作用させ、可動部43が最終変位位置へ到達する直前の速度を減速させることができる。
また、上記の各実施形態における光スイッチの構成に限らず、素子の方向、構造、駆動は任意であってよく、双方向で駆動される全ての素子に対して本発明を適用することができる。
図18は接触型の光スイッチに本発明を適用した場合の可動部の挙動を表した説明図である。
上記の各実施の形態及び変形例では、光スイッチが非接触型である場合を例に説明したが、本発明は、接触型の光スイッチに適用されても、上記と同様の作用・効果を奏するものである。
即ち、駆動源により可動部27を第1の方向へ変位駆動させるに際し、可動部27が第1の方向に遷移している間に、駆動源により可動部27に対し第1の方向と異なる第2の方向に物理的作用力を、パルス波P1によって加えることで、可動部27の遷移方向と逆方向に物理的引力を働かせ、可動部27が停止部材に当接することによる反力、或いは弾性力によって、変位の最終位置から離反しようとする移動がアクティブに制動される。この結果、接触駆動の光スイッチにおけるスイッチング動作を高速化することができる。
上記の各実施の形態に開示した光スイッチ100,200,300のそれぞれは、1次元又は2次元配列することによって光スイッチアレイを構成することができる。
この光スイッチアレイでは、高速なスイッチング動作の可能となった光スイッチ100,200,300がアレイ化され、振動の鎮静化する時間の短縮が可能となり、従来より早いアドレス電圧の書込みが可能となる。
従って、可動部が最終変位位置へ到達した後の振動が抑止され、振動鎮静化時間をなくし、或いは大幅に短縮することが可能となり、振動の収まるのを待つ必要がなく、アドレス電圧を書込むことができる。この結果、スイッチング動作を高速化して、駆動サイクルを短縮することができる。
また、光通信用の光スイッチアレイでは高精度が求められるため、個々の素子のばらつきに起因する作動誤差の補正が必要となる。従って、光スイッチアレイにおいては、各素子ごとにこの補正を行わなければならない。これに対し、本実施の形態による光スイッチアレイによれば、この補正に対応させて個々の光スイッチ100,200,300における印加電圧を変えることで、作動誤差の補正を容易に行うことができる。
図19は光スイッチのそれぞれがメモリ回路を含む駆動回路を有した構成を示す説明図である。
さらに、光スイッチアレイ400は、光スイッチ100のそれぞれがメモリ回路61を含む駆動回路37(図1参照)を有することが好ましい。このようなメモリ回路61が備えられることで、メモリ回路61に対して予め素子変位信号の書き込みが可能となる。つまり、メモリ回路61には予め素子変位信号が書き込まれる。光スイッチ100のスイッチングのとき、各々の光スイッチ100のメモリ回路61に記憶された素子変位信号と、光スイッチ100への印加電圧を制御する駆動電圧制御回路63により、本発明の駆動電圧を所望のタイミングで光スイッチ100の信号電極(第1アドレス電極、第2アドレス電極)65に出力する。このとき、共通電極(可動電極)67に対しても所望の電圧が出力される。
このように、メモリ回路61を用いて光スイッチ100を駆動すると、複数の光スイッチ100のそれぞれを任意の駆動パターンで動作させることが容易にでき、より高速なアクティブ駆動が可能となる。なお、ここでは、図1の光スイッチアレイ100の構成を示したが、これに限らず、他の構成の光スイッチ200,300であってもよい。
また、光スイッチアレイ600には、それぞれの可動部27をスイッチング駆動させる制御部としての制御回路63が設けられることが好ましい。
このような制御回路63が備えられた光スイッチアレイ400では、可動部27が制御回路63によって駆動制御されることで、可動部27が最終変位位置に到達する前に、可動電極(共通電極67)と固定電極(信号電極65)との間の電極間電圧の絶対値が減少、又は増加、或いは増減され、可動部27が最終変位位置へ到達することで生じていた衝突による振動や、オーバーシュートが抑止可能となる。
図20は光スイッチが用いられたクロスコネクトスイッチの構成を示す説明図である。
クロスコネクトスイッチ71は、例えば光スイッチ100を1次元状に配列した光スイッチアレイ400を用いて構成することができる。図示の例では、2つの光スイッチアレイ400a,400bが設けられる。このクロスコネクトスイッチ71では、入力ファイバーボート73の光ファイバ73aからの出射光がマイクロレンズ75を通り一方の光スイッチアレイ400aの所定の光スイッチ100aに入射される。入射光は、光スイッチ100aのスイッチング動作によって、反射光となって入射側光スイッチアレイ400bの所望の光スイッチ100bに入射する。入射した光は光スイッチ100bのスイッチングによって所定の出力ファイバーボード77の光ファイバー77aへ入射する。
このクロスコネクトスイッチ71においても、上記の複数の光スイッチ100からなる光スイッチアレイ400が用いられることで、可動部(マイクロミラー部)27の最終位置到達時の振動をアクティブに減少させ、チャタリングを減少させてノイズを低減し、スイッチング動作を高速化することができる。
そして、このクロスコネクトスイッチ71では、上記のように個々の光スイッチ100における印加電圧を変えることで、作動誤差の補正を容易に行うことができることから、個々の光スイッチ100のばらつきに起因する作動誤差の補正が簡単に行え、高精度なスイッチングを行うことができる。
また、上記のクロスコネクトスイッチ71では、1軸回動される光スイッチ100を用いた例で説明したが、光スイッチアレイには図5に示した2軸回動される3次元光スイッチ100Aを用いてもよい。このような構成とすることで、例えば入力ファイバーボート73の光ファイバ73aが1次元配列され、出力ファイバーボード77の光ファイバ77aが2次元配列される場合であっても、可動部27を3次元駆動することによって、光ファイバ73aからの出射光を紙面垂直方向所望の光ファイバ77aへも切り換えることができる。
また、上述した各電極への電圧駆動のタイミングや波形は、これに限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更が可能である。
本発明に係る光通信用微小薄膜可動素子の第1の実施の形態を(a),(b)で表す概念図である。 図1に示した微小薄膜可動素子の制振の過程を(a),(b)(c)で表した動作説明図である。 パルス波形が印加された可動部の挙動を表した説明図である。 駆動部への印加電圧に応じたパルス電圧を印加した場合の例を(a),(b)で表した説明図である。 2軸にて揺動される可動部を備えた3次元光スイッチの例を表した斜視図である。 2つの矩形パルス波形が印加される変形例1を表した説明図である。 三角パルス波形が印加される変形例2を表した説明図である。 2つの三角パルス波形が印加される変形例3を表した説明図である。 駆動電圧Vaにパルス波形が印加される変形例4を表した説明図である。 駆動電圧Vaにパルス波形が印加された後制動電極にパルス波形が印加される変形例5を表した説明図である。 駆動電圧Vaが所定間隔で低減される変形例6を表した説明図である。 駆動電圧Vaが所定間隔で複数低減される変形例7を表した説明図である。 パルス波形印加後に一定の電圧が印加される変形例8を表した説明図である。 複数のパルス波形印加後に一定の電圧が印加される変形例9を表した説明図である。 パルス波形が印加される前に一定の電圧が印加される変形例10を表した説明図である。 本発明に係る光通信用微小薄膜可動素子の第2の実施の形態を表す概念図である。 本発明に係る光通信用微小薄膜可動素子の第3の実施の形態を表す概念図である。 接触型の光スイッチに本発明を適用した場合の可動部の挙動を表した説明図である。 本発明に係る光通信用微小薄膜可動素子をRFスイッチに応用した第4の実施の形態を表す平面図である。 光スイッチが用いられたクロスコネクトスイッチの構成を示す説明図である。 従来の光スイッチに生じる可動部の振動を表した説明図である。 従来の微小機械格子装置において印加される制動パルスの説明図である。 従来のマイクロマシン素子の制御方法において印加される制御信号の説明図である。
符号の説明
27 可動部
35a 第1アドレス電極
35b 第2アドレス電極
37 駆動回路
61 メモリ回路
63 制御回路(制御部)
65 信号電極
67 共通電極
100,200,300 光スイッチ(光通信用微小薄膜可動素子)
400 光スイッチアレイ(微小薄膜可動素子アレイ)

Claims (10)

  1. 弾性変位可能に支持され双方向に変位する可動部を備え、該可動部が光ファイバーの出力光を任意の他の光ファイバーに切替えるスイッチング機能を有する光通信用微小薄膜可動素子であって、
    前記可動部へ物理的作用力を加える駆動源を複数有し、
    該駆動源により前記可動部を第1の方向へ変位駆動させるに際し、該可動部が前記第1の方向に遷移している間に、前記駆動源により前記可動部に対し前記第1の方向と異なる第2の方向に前記可動部の振動を抑制する物理的作用力が加えられることを特徴とする光通信用微小薄膜可動素子。
  2. 前記可動部を前記第1の方向へ変位駆動した後、前記可動部が前記第2の方向へ遷移している間に、前記駆動源により前記可動部に対し前記第1の方向に物理的作用力が加えられることを特徴とする請求項1記載の光通信用微小薄膜可動素子。
  3. 前記物理的作用力が、前記可動部の複数の作用点に加えられることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光通信用微小薄膜可動素子。
  4. 前記可動部が特定方向の変位の最終位置に到達するときに、該可動部の速度が略ゼロとなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の光通信用微小薄膜可動素子。
  5. 前記駆動源により前記可動部を前記第1の方向及び前記第2の方向へ変位させる物理的作用力が、静電気力であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の光通信用微小薄膜可動素子。
  6. 前記物理的作用力が、縦軸を強度、横軸を時間としたパルス波形様に印加されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の光通信用微小薄膜可動素子。
  7. 前記物理的作用力が、複数のパルス波形によって発生されることを特徴とする請求項6記載の光通信用微小薄膜可動素子。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項記載の光通信用微小薄膜可動素子を1次元又は2次元配列したことを特徴とする微小薄膜可動素子アレイ。
  9. 前記光通信用微小薄膜可動素子のそれぞれがメモリ回路を含む駆動回路を有し、前記可動部と、該可動部に対峙する少なくとも2つ以上の固定部とに設けられた電極のうち一方が前記駆動回路からの素子変位信号の入力される信号電極であり、他方が共通電極であることを特徴とする請求項8記載の微小薄膜可動素子アレイ。
  10. それぞれの前記可動部をスイッチング駆動させる制御部が設けられたことを特徴とする請求項8又は請求項9記載の微小薄膜可動素子アレイ。
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