JP2009074512A - ターボ分子ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】ロータ温度をより正確に推定することができるターボ分子ポンプの提供。
【解決手段】ターボ分子ポンプにおいて、ロータ2の温度とモータ6の平均電流との相関関係が予め記憶部35に記憶されている。そして、演算部31は、モータの平均電流を算出し、算出されたモータ平均電流と相関関係とに基づいてロータ2の温度を推定する。記憶部35には固定要因(ターボ分子ポンプの設定温度、圧力調整バルブの設定温度、ガス種)の異なる複数の相関関係が記憶されており、設定部36により入力設定された固定要因に応じた相関関係を用いる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ターボ分子ポンプに関する。
従来、ドライエッチングやCVD等のプロセスが行われる製造工程では、高真空のプロセスチャンバ内で処理が行われる。このような工程では、プロセスチャンバ内のガスを排気して一定の高真空度を形成する手段として、例えばターボ分子ポンプのような高真空ポンプが用いられる。
ところで、塩素系や硫化フッ素系の反応生成物が堆積しやすいプロセスにおいてターボ分子ポンプを使用する場合には、ポンプ内における反応生成物の堆積を防止するために、ポンプ本体の温度を高温に維持する場合がある。このようにポンプ本体の温度を上昇させると、それにつれてロータ温度も上昇する。また、気体の排気に伴う圧縮熱や摩擦熱もロータ温度上昇の要因となる。
一般的に、ターボ分子ポンプのロータにはアルミ合金が使用されており、ロータ温度が120℃〜140℃以上になるとクリープ変形が生じるという問題があるので、ロータ温度に応じてターボ分子ポンプの運転を制御する必要がある。ロータ温度を求める方法としては、ロータを回転駆動するモータの電力値をリアルタイムに計測し、その電力値からその時のロータ温度を推定する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この従来の技術においては、ロータの温度はモータへの供給電力に応じて直ちに平衡温度に達するとしており、供給電力とロータの平衡温度の比例関係から、電力値に対するロータの温度を推定している。
特開平11−132186号公報
しかしながら、ロータ質量は大きいので、実際には、電力値が変化してもロータ温度は直ちに平衡温度に達することはなく、徐々に平衡温度に近付くことになる。一方、従来のように瞬時電力値によりロータ温度を推定する方法では、ガス供給のオンオフが頻繁に行われると、ガス供給のオンオフによりモータへの負荷が上下して瞬時電力値も上下に変動する。そのため、ガス供給のオンオフに同期してロータ推定温度も上下することになり、ロータ温度が所定値以上となったときに警報を発生するような制御を行った場合に、瞬時電力値が変化する度に警報が発生されてしまう不都合が生じる可能性がある。
請求項1の発明は、複数段の固定翼と複数段の回転翼とを交互に配置し、複数段の回転翼が形成されたロータをモータで回転駆動することによりガスを排気するターボ分子ポンプに適用され、モータの平均電力を算出する算出手段と、ロータ温度とモータの平均電力との相関関係が予め記憶されている記憶部と、算出手段により算出された平均電力と相関関係とに基づいてロータの温度を推定する温度推定手段とを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のターボ分子ポンプにおいて、ターボ分子ポンプの使用条件を設定する設定手段を備えるとともに、記憶部にはターボ分子ポンプの使用条件に応じた複数の相関関係が記憶され、温度推定手段は、設定手段により設定された使用条件に対応する相関関係を用いて温度の推定を行うようにしたものである。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載のターボ分子ポンプにおいて、温度推定手段により推定される温度が第1の閾値温度以上の場合に警報を発する警報手段を備えたものである。
請求項4の発明は、請求項3に記載のターボ分子ポンプにおいて、警報手段は、温度推定手段により推定される温度が第1の閾値温度よりも高い第2の閾値温度以上の場合には、警報を発するとともにロータの回転を停止するようにしたものである。
本発明によれば、ロータの温度をより正確に推定することができる。
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は、半導体製造装置のプロセスチャンバ20に取り付けられたターボ分子ポンプ1を示す図である。ターボ分子ポンプ1は、チャンバ内圧力調節用の圧力調整バルブ22を介してプロセスチャンバ20の排気ポート21に接続されている。ターボ分子ポンプ1の背圧側には、配管23を介してバックポンプ24が接続されている。ターボ分子ポンプ1はコントローラ30によって駆動制御される。
プロセスチャンバ20内に供給されるプロセスガスの流量と、圧力調整バルブ22の開度とを調整することにより、プロセスチャンバ20内の圧力が所定圧力に設定される。図示していないが、ターボ分子ポンプ1および圧力調整バルブ22には、加熱用のヒータが設けられている。これらのヒータでターボ分子ポンプ1および圧力調整バルブ22をそれぞれ所定温度に保つことにより、反応生成物の堆積を防止している。
図2はターボ分子ポンプ1およびコントローラ30を説明する図であり、ターボ分子ポンプ1内部の概略構成と、コントローラ30の機能ブロック図を示したものである。ターボ分子ポンプ1のフランジ13は、圧力調整バルブ22にボルト締結されている。ターボ分子ポンプ1は、タービン翼段とドラッグポンプ段とを有する複合型のターボ分子ポンプである。タービン翼段は複数段の回転翼8と複数段の固定翼9とで構成され、ドラッグポンプ段はネジロータ12とネジステータ11とで構成されている。
回転翼8およびネジロータ12は、ロータ2に形成されている。上下に並んだ回転翼8の間には固定翼9がそれぞれ配設されている。各固定翼9は、スペーサ10によって上下に挟持されるように保持されている。スペーサ10は、固定翼9の保持機能とともに、固定翼9間のギャップを所定間隔に維持する機能を有している。複数段の回転翼8およびネジロータ12はロータ2に形成されており、そのロータ2は回転軸3に固定されている。
ターボ分子ポンプ1は磁気軸受式のターボ分子ポンプであって、ベース4には回転軸3を磁気浮上させるためのラジアル電磁石51,52およびアキシャル電磁石53が設けられている。回転軸3の浮上位置は、ラジアルセンサ71,72およびアキシャルセンサ73によって検出される。ラジアル電磁石51,52およびアキシャル電磁石53により非接触支持された回転軸3は、モータ6により回転駆動される。回転軸3の回転速度は、回転数センサ19により検出される。回転軸3の上下に設けられた保護ベアリング17,18は機械式のベアリングであり、磁気軸受が作動していない場合に回転軸3を支持するとともに、回転軸3の浮上位置を制限するものとして機能する。
ロータ2が取り付けられた回転軸3を電磁石51〜53により非接触支持しつつモータ6により回転駆動すると、吸気口13a側のガスは矢印G1のように背圧側に排気される。背圧側に排気されたガスは、排気ポート16に接続されたバックポンプ24により排気される。
コントローラ30には、演算部31、磁気軸受駆動制御部32、モータ駆動制御部33、警報部34、記憶部35および設定部36が設けられている。磁気軸受駆動制御部32は、ラジアルセンサ71,72およびアキシャルセンサ73からの検出信号に基づいて、ラジアル電磁石51,52およびアキシャル電磁石53の励磁電流を制御する。モータ駆動制御部33は、回転数センサ19の出力に基づいてモータ6を駆動制御する。
記憶部35には、後述する固定要因を構成する情報が記憶されている。固定要因情報としては、ターボ分子ポンプ1をヒータで加熱する際のポンプ設定温度、圧力調整バルブ22をヒータで加熱する際の設定温度、プロセスチャンバ20内に供給されるガスの種類がある。設定部36はパラメータ等をマニュアルで入力設定するためのものであり、固定要因情報も設定部36により入力設定される。なお、入力設定は、コントローラ30の操作盤に設けられたスイッチ類を操作して行っても良いし、外部入力端子を介して設定しても良い。
演算部31は、モータ駆動制御部33からモータ電流値を読み込み、所定時間の間の平均電流値を演算する。そして、演算部31は、記憶部35に記憶されている固定要因情報および後述する相関関係と、算出されたモータ平均電流値とに基づいてロータ2の温度を推定し、その結果をロータ温度モニタ信号として警報部34に出力する。もちろん、ロータ温度モニタ信号をコントローラ30の外部出力端子から出力するようにしても良い。警報部34はロータ温度異常などの警報情報をオペレータに提示する警報手段であり、警告音を発生するスピーカや警告を表示する表示装置などを備えている。
前述したように、プロセス処理中のターボ分子ポンプ1においては、ヒータによるターボ分子ポンプ1の加熱や、ガスを排気する際に発生する熱や、モータ6の発熱などにより、ロータ2の温度が上昇する。図3は、ロータ温度を決定する要因をまとめたものである。ロータ温度決定要因は、大きく分類すると固定要因と変動要因とに分けられ、ロータ温度の変化は変動要因によって決まる。
固定要因とは、プロセス処理が繰り返し行われる間において条件が一定に保たれる要因であり、ターボ分子ポンプ1をヒータで加熱する際の設定温度、圧力調整バルブ22をヒータで加熱する際の設定温度、ターボ分子ポンプ1により排気されるガスの種類(以下では、ガス種と呼ぶ)がある。上述したように、反応生成物の堆積を防止するために、ターボ分子ポンプ1のベース4はヒータにより所定の設定温度に加熱されている。同様に、圧力調整バルブ22もヒータ等によって加熱されている。圧力調整バルブ22は80〜120℃程度に加熱される。
ロータ2は磁気浮上しているため、ベース4や圧力調整バルブ22との接触によるロータ2への熱侵入はないが、放射熱やポンプ内のガスを介した熱侵入によってロータ2の温度が上昇する。また、ガス排気に伴う圧縮熱や摩擦熱によるロータ温度上昇は、排気されるガスの種類によって異なる。
一方、プロセス処理が繰り返し行われる間に条件が変化する変動要因としては、ターボ分子ポンプ1の背圧、プロセスチャンバ20に供給されるガスの流量、および、処理時間に対するガスが供給される時間の割合であるデューティ(duty)比がある。ターボ分子ポンプ1の背圧は、バックポンプ24の排気速度や、排気ポート16からバックポンプ24までのコンダクタンスに依存している。このコンダクタンスは、排気ポート16からバックポンプ24までの配管23の配管直径および長さによって決まる。
なお、コンダクタンスは配管構成によって決まってしまうものであり、バックポンプ24の排気速度もバックポンプ24の使用可能圧力範囲であればほぼ一定とみなすことができる。しかし、バックポンプ24の排気流量は圧力と排気速度との積に比例するので、ガス流量が変化するとバックポンプ24の吸気口圧力、すなわちターボ分子ポンプ1の背圧が変化する。そのようなことから、ポンプ背圧を変動要因として考える。
ところで、上述したようにロータ温度はガス排気時に発生する熱やモータ発熱に依存しており、さらに、ガス排気時の発熱やモータ発熱はターボ分子ポンプ1の背圧やガス流量に依存している。また、ターボ分子ポンプ1の背圧の高低やガス流量の大小は、モータ電流値の大小として現れる。すなわち、モータ電流値をモニタすることで、ターボ分子ポンプ1の背圧の高低やガス流量の大小によるロータ温度への寄与を推定することができる。
また、ロータ2は熱容量が比較的大きいので、ガス流量やターボ分子ポンプ背圧が変化しても瞬時に平衡温度に達する訳ではなく、平衡温度となるまでにある程度の時間を要する。そのため、プロセス処理のオンオフに連動してプロセスチャンバ20へのガス供給がオンオフされた場合、ロータ2の温度は平均ガス流量に対応した平衡温度に近づくと考えられる。平均ガス流量の変化に応じてモータ電流値の平均も変化するので、このことは、上述した3つの変動要因が、モータ平均電流という1つの変動要因で置き換え可能であることを示唆している。
なお、ターボ分子ポンプにおいてはモータ電圧は一定に保持されるので、ここではモータ平均電流からロータ温度を推定しているが、一般的には、モータ平均電力を用いてロータ温度を推定することができる。以下では、モータ平均電流を用いた場合について説明するが、モータ平均電流を用いた場合も同様に適用することができる。
図4は、モータ平均電流が同一値となるような2つの測定例を示したものである。固定要因については測定例1,2とも同一条件とし、3つの変動要因についてはそれぞれ条件が異なっている。測定例1ではガス流量を650sccmに設定するとともに、デューティ比を100%に設定してガスを連続的に供給するようにした。一方、測定例2では、ガス流量を950sccmと大きくし、ガス供給のオンオフを繰り返すことでデューティ比を約83%に設定した。すなわち、変動要因をこのように設定することで、測定例1および2のモータ平均電流が同一の4.2Aとなるようにした。
その結果、このように3つの変動要因が異なっていても、モータ平均電流が同じであれば、ロータ温度は同一となることが分かった。そこで、本実施の形態では、モータ平均電流によってロータ温度を推定することとした。
図5は、ガス種とロータ温度との関係を示す図である。ここでは、図3に示した固定要因のうち、ポンプ設定温度を65℃に、圧力調整バルブ22の設定温度を45℃にそれぞれ設定した。そして、プロセスチャンバ20内にクリプトン(Kr)ガスを供給した場合と、プロセスチャンバ20内にアルゴン(Ar)ガスを供給した場合について、ロータ温度とモータ平均電流との関係を調べた。具体的には、ガス流量を変えることによりモータ平均電流を変え、種々のモータ平均電流に関してロータ温度を測定した。ロータ温度は、赤外線温度センサ等の非接触式温度センサを用いて計測する。
その結果、Krガスに関しては一点鎖線で示すようなロータ温度−モータ平均電流相関(以下では、T−I相関と呼ぶ)が得られ、Arガスに関しては点線で示すようなT−I相関が得られた。この2つのT−I相関から、モータ平均電流が同じであっても、Krガスを排気している場合のほうがロータ温度が高くなることが分かる。そして、変動要因のそれぞれの状態が分からなくても、モータ平均電流値が分かればT−I相関によりロータ温度を推定することができる。
例えば、プロセスガスがArガスである場合、モータ平均電流が4Aであることが計測されたときには、ロータ温度は115℃であると推測される。一方、Krガスを用いている場合には、ロータ温度は約127℃まで上昇していることが分かる。また、ロータ2に関するロータ温度リミットが120℃のときには、Krガスの場合にはモータ平均電流が3.4A以下となるように制御しなければならず、Arガスの場合には5A以下で使用する必要がある。
図6は、デューティ比とモータ平均電流との関係を説明する図である。図6(a)は、プロセスが繰り返し行われる場合のガス流量の時間的変化を示したものである。ここでは、プロセス処理を行っているときには、供給されるKrガスの流量は250sccmであって、処理時間は240sとなっている。プロセス処理の繰り返し周期は300sであるので、デューティ比は80%となる。
一方、ガス流が250sccmのときに計測されるモータ電流は2.3Aで、ガス流量が0のときのモータ電流は0.5A程度となる。この場合、演算部31で算出されるモータ平均電流は1.94Aとなる。平均を取る所定時間の範囲設定は、プロセス処理の条件(ガスのオンオフパターン)に応じて設定すれば良く、例えば、図6(a)に示すような周期でプロセス処理が繰り返される場合には、所定時間を5〜10分程度とすればよい。すなわち、5〜10分遡った時点から算出時までのモータ電流データを用いてモータ平均電流を算出する。
モータ平均電流とデューティ比とは図6(c)に示すような比例関係になっている。例えば、上述したモータ平均電流1.94Aがロータ温度リミットであった場合、プロセス処理を繰り返し行う際のデューティ比を80%よりも低く設定する必要がある。すなわち、図5のT−I相関と図6(c)の関係を用いることで、ターボ分子ポンプ1を安全なロータ温度範囲で使用するためのデューティ比が容易に分かり、プロセス処理の設定が行い易い。
ところで、図5に示した各ガス種のT−I相関は、固定要因であるターボ分子ポンプ1のポンプ設定温度Tpおよび圧力調整バルブ22のバルブ設定温度Tvに応じて異なる。この場合、温度の組み合わせ(Tp、Tv)毎にT−I相関を予め記憶部35に格納しておくことになる。他の例としては、典型的な温度組み合わせに関するT−I相関と、補正係数F(Tp,Tv)とを用いてロータ温度を推定する方法ある。すなわち、算出されたモータ平均電流とT−I相関とからロータ温度を算出し、その算出されたロータ温度をそのときの(Tp、Tv)に応じた補正係数F(Tp,Tv)により補正し、補正したものをロータ温度として採用する。
次に、図7,8を参照して、モータ平均電流を用いたインターロック制御の一例を説明する。図7は制御の手順の一例を示すフローチャートであり、図8はモータ平均電流の時間的な変化を示したものである。図8において、横軸は時間、縦軸はモータ平均電流を示している。
上述した説明では、モータ平均電流からロータ温度を推定し、警報部34は、推定されたロータ温度に基づいて種々の警報を発生するようにした。しかし、図5に示したように、モータ平均電流とロータ温度とは一対一で対応しているので、ロータ温度の代わりにモータ平均電流を用いても良い。すなわち、図5のArガスの場合、モータ平均電流5Aをロータ温度リミット120℃の代わりに用いる。以下では、ロータ温度の代わりにモータ平均電流を用いて制御を行う場合について説明する。
図7のステップS100では、モータ平均電流Iを算出する。ステップS102では、算出されたモータ平均電流Iが、所定のウォーニング閾値Iw以上か否かを判定する。ステップS102においてI≧Iwと判定されるとステップS104へ進み、I<Iwと判定されるとステップS100へ戻る。図8に示す例では、モータ平均電流は時間の経過とともに上昇し、時間t1となったときにウォーニング閾値Iwに達している。
図8では、モータ平均電流は3つの電流範囲A,B,Cに分けられている。電流範囲Aは、モータ平均電流がウォーニング閾値Iwよりも小さな場合である。モータ平均電流がウォーニング閾値Iwよりも小さな場合には、ターボ分子ポンプを長期間にわたり使用しても、クリープ膨張によるロータ2と静止部品との接触が生じることはない。
上述したようにロータ2にはアルミ合金が一般的に用いられており、クリープ変形の許容温度が比較的低い(約120〜140℃)。そのため、ロータ2の温度が許容温度近くまで高くなりすぎると、遠心力や熱膨張による変形だけでなくクリープ膨張も考慮しなければならず、ポンプ運転時にはロータ温度がこの許容温度以下になるように常に監視する必要がある。本実施の形態では、アラーム閾値Iaをこの許容温度に設定し、短時間であれば運転が可能な温度としてウォーニング閾値Iwを設定するようにした。
電流範囲Bは、モータ平均電流Iがウォーニング閾値Iw以上であって、かつ、アラーム閾値Iaよりも小さい場合である。この電流範囲Bでターボ分子ポンプを使用した場合、短時間のうちにロータ2がクリープ膨張し、ロータ2が静止部品との接触するおそれがある。この場合、警報部34により警告表示を行い、オペレータにターボ分子ポンプの停止を促す。なお、警告表示とともに、半導体装置側に警告信号を送信するようにしても良い。
モータ平均電流Iがアラーム閾値Ia以上である電流範囲Cではロータ温度はさらに高くなり、プロセス処理条件により計算されるモータ平均電流Iがこの電流範囲Cになる場合には、条件の再検討が望まれる。図8の時間t2のように、ターボ分子ポンプ使用時にモータ平均電流Iがこの電流範囲Cとなった場合には、コントローラ30は直ちにポンプを停止して警報部34に非常停止表示を行う。なお、ポンプを停止する代わりに、ロータ回転を停止するだけにしても良い。
図7に戻って、ステップS102においてI≧Iwと判定されてステップS104に進んだ場合には、警報部34による警告表示を行う。一方、ステップS102でI<Iwと判定された場合にはステップS100へ戻る。ステップS106では、モータ平均電流Iがアラーム閾値Ia以上であるか否かを判定する。ステップS106でI≧Iaと判定されると、ステップS108へ進んでターボ分子ポンプを停止し、さらにステップS110に進んで非常停止したことを示す表示を行う。一方、ステップS106でI<Iaと判定されると、ステップS100へ戻る。
上述したように、本実施の形態ではロータ温度と相関のあるモータ平均電流を用いることにより、複数の変動要因のそれぞれの値を求めることなくロータ温度を容易に推定することができる。さらに、従来のようなモータ電流の瞬間値ではなく平均値によりロータ温度を推定しているので、繰り返し行われるガス供給のオンオフに伴う電流値の変化に起因するロータ温度の誤判定を防止することができる。その結果、警報が不必要に発生されるのを防止することができる。
なお、上述した実施の形態では磁気軸受け式のターボ分子ポンプを例に説明したが、磁気軸受け式に限らず本発明を適用することができる。また、複合タイプではなく全翼タイプのターボ分子ポンプであっても、モータ平均電流からロータ温度を推定することができる。
以上説明した実施の形態と特許請求の範囲の要素との対応において、演算部31は算出手段および温度推定手段を、設定部36は設定手段を、ウォーニング閾値Iwは第1の閾値温度を、アラーム閾値Iaは第2の閾値温度を、警報部34は警報手段をそれぞれ構成する。なお、以上の説明はあくまでも一例であり、発明を解釈する際、上記実施の形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係に何ら限定も拘束もされない。
半導体製造装置のプロセスチャンバ20に取り付けられたターボ分子ポンプ1を示す図である。 ターボ分子ポンプ1およびコントローラ30を説明する図である。 ロータ温度を決定する要因を示す図である。 固定要因が異なるがモータ平均電流が同一値となる場合の、2つの測定例1,2を示す図である。 ガス種とロータ温度との関係を示す図である。 (a)はデューティ比を、(b)はモータ平均電流を、(c)はデューティ比とモータ平均電流との関係をそれぞれ示す図である。 ポンプ運転制御の手順を示すフローチャートである。 モータ平均電流の時間的な変化を示す図である。
符号の説明
1:ターボ分子ポンプ、2:ロータ、6:モータ、8:回転翼、9:固定翼、11:ネジステータ、12:ネジロータ、20:プロセスチャンバ、22:圧力調整バルブ、23:配管、24:バックポンプ、30:コントローラ、31:演算部、32:磁気軸受駆動制御部、33:モータ駆動制御部、34:警報部、35:記憶部、36:設定部

Claims (4)

  1. 複数段の固定翼と複数段の回転翼とを交互に配置し、前記複数段の回転翼が形成されたロータをモータで回転駆動することによりガスを排気するターボ分子ポンプにおいて、
    前記モータの平均電力を算出する算出手段と、
    ロータ温度と前記モータの平均電力との相関関係が予め記憶されている記憶部と、
    前記算出手段により算出された平均電力と前記相関関係とに基づいて前記ロータの温度を推定する温度推定手段とを備えたことを特徴とするターボ分子ポンプ。
  2. 請求項1に記載のターボ分子ポンプにおいて、
    ターボ分子ポンプの使用条件を設定する設定手段を備えるとともに、前記記憶部には前記ターボ分子ポンプの使用条件に応じた複数の相関関係が記憶され、
    前記温度推定手段は、前記設定手段により設定された使用条件に対応する相関関係を用いて温度の推定を行うことを特徴とするターボ分子ポンプ。
  3. 請求項1または2に記載のターボ分子ポンプにおいて、
    前記温度推定手段により推定される温度が第1の閾値温度以上の場合に警報を発する警報手段を備えたことを特徴とするターボ分子ポンプ。
  4. 請求項3に記載のターボ分子ポンプにおいて、
    前記警報手段は、前記温度推定手段により推定される温度が前記第1の閾値温度よりも高い第2の閾値温度以上の場合には、警報を発するとともに前記ロータの回転を停止することを特徴とするターボ分子ポンプ。
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