JP2009073222A - 駆動制御装置 - Google Patents

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高志 河合
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武史 小谷
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Abstract

【課題】エンジンを駆動軸に実質的に直結できる走行モードを多様化できる駆動制御装置を提供する。
【解決手段】第1クラッチC1と第2クラッチC2と第3クラッチC3と第5クラッチC5とをトルク伝達可能に係合させるとともに、第4クラッチC4をトルクを伝達しないように解放させることにより、内燃機関1と駆動軸16とを、これら内燃機関1の回転数と駆動軸16の回転数との比である変速比が固定された所定の値となるように連結する固定変速比モードを設定する固定変速比モード設定手段33を備えている駆動制御装置。
【選択図】図1

Description

この発明は、内燃機関とモータ・ジェネレータなどの少なくとも二つの電動機とを動力源として備えた駆動装置を制御する制御装置に関し、特に運転モードもしくは変速状態を設定する制御を行う制御装置に関するものである。
内燃機関と併せて電動機を駆動力源として備えた駆動装置は、車両の全体としての燃費を向上させ、また排ガスを低減することを主たる目的として開発された装置であって、内燃機関を可及的に燃費の良い状態で運転、またエネルギー回生を行うように構成されている。この種の駆動装置では、内燃機関の回転数を最適燃費点もしくはそれに近い回転数に維持するために、電動機を発電機として機能させ、その起電力をアシスト用の電動機に供給してこれをモータとして機能させるのが一般的であるが、車速が増大した場合には、内燃機関の回転数の上昇を抑制するために、電動機を逆転力行させる状態が生じる。このような駆動状態では、アシスト用の電動機を発電機として機能させ、その起電力を、内燃機関の回転数を制御する電動機の供給することになるので、いわゆる動力循環が生じ、動力の伝達効率が低下する。
このような動力循環を回避もしくは抑制するために、特許文献1に記載された発明では、内燃機関の動力を電動機側と出力側とに分配する差動機構において反力要素となる回転要素を、クラッチによって変更するように構成している。すなわち、特許文献1に記載された装置は、エンジンが連結された入力要素、および第1のモータ・ジェネレータが連結された反力要素、ならびに第2のモータ・ジェネレータが連結された出力要素を備えた差動作用のある動力分割機構と、出力部材を前記出力要素と反力要素とに選択的に連結する二つのクラッチとを有している。したがって、特許文献1に記載されている装置は、動力分割機構によってエンジントルクを増幅して出力部材に出力し、また変速比を連続的に変化させるモードと、いずれかのモータ・ジェネレータを動力源として走行するモードとが可能である。
上述したハイブリッド形式の駆動装置では、自動変速機や手動変速機を備えた従来の駆動装置に比較して、内燃機関の他に電動機を備え、また動力分割機構などの機構を追加して搭載することになるので、動力損失の要因が増える場合がある。そのため、例えば特許文献2に記載された発明では、運転点に応じて変速比を切り替えることにより動力損失を低減するように構成しており、また併せて車載性を向上させるように構成している。
上述したように内燃機関の動力を電動機に分配することにより、発電に伴うトルクを反力トルクとして作用させることができ、その反力トルクによって内燃機関の回転数を燃費の良い回転数に制御できる。しかしながら、その場合には、内燃機関の動力の一部が発電のために消費され、あるいは電力変換を伴って駆動軸(もしくは出力部材)に伝達されるので、動力損失が不可避的に発生する。したがって、上述したハイブリッド形式の駆動装置を搭載した車両の燃費を更に向上させるためには、電力変換を伴わない動力伝達の可能性を増大し、あるいは動力の伝達経路を可及的に簡素化することが望まれ、この点での開発の余地が未だ存在している。
特開2005−125876号公報 特開2005−155891号公報
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、動力の伝達に伴う損失が少ない、より多様な駆動状態を設定できる駆動制御装置を提供することを目的とするものである。
この発明は、原動機と、該原動機から動力が伝達される入力軸と、該入力軸から入力された動力を第1出力軸および第2出力軸に分配する動力分割機構と、前記第2出力軸と一体に回転する第3出力軸と、前記第1出力軸との間で動力を授受可能な第1電動機と、前記第2出力軸との間で動力の授受を行う第2電動機と、変速機入力軸と変速機出力軸とを備えるとともにこれら変速機入力軸と変速機出力軸との回転数比を所定値に設定する変速機構と、該変速機構と前記第3出力軸との少なくとも一方から動力が伝達される駆動軸と、前記第3出力軸と前記変速機入力軸とを接続可能な第1クラッチと、前記第1電動機の出力軸と前記変速機入力軸とを接続可能な第2クラッチと、前記第3出力軸と前記駆動軸とを接続可能な第3クラッチと、前記変速機出力軸と前記駆動軸とを接続可能な第4クラッチと、前記第1出力軸と前記第1電動機の出力軸とを接続可能な第5クラッチとを備えた駆動機構を制御する駆動制御装置であって、前記第1クラッチと第2クラッチと第3クラッチと第5クラッチとをトルク伝達可能に係合させるとともに、前記第4クラッチをトルクを伝達しないように解放させることにより、前記内燃機関と前記駆動軸とを、これら内燃機関の回転数と駆動軸の回転数との比である変速比が固定された所定の値となるように連結する固定変速比モードを設定する固定変速比モード設定手段を備えていることを特徴とする駆動制御装置である。
この発明は、前記第1クラッチと第2クラッチと第3クラッチとをトルク伝達可能に係合させるとともに、前記第4クラッチおよび第5クラッチをトルクを伝達しないように解放させることにより、前記第1電動機および第2電動機を前記駆動軸に一体となって回転するように連結するEV走行モードを設定するEV走行モード設定手段を更に備えていることが好ましい。
また、この発明は、前記固定変速比モード設定手段に替えて、前記第1クラッチと第2クラッチと第3クラッチとをトルク伝達可能に係合させるとともに、前記第4クラッチおよび第5クラッチをトルクを伝達しないように解放させることにより、前記第1電動機および第2電動機を前記駆動軸に一体となって回転するように連結するEV走行モードを設定するEV走行モード設定手段を備えていることが好ましい。
さらに、この発明は、好ましくは、前記第1電動機の出力軸を固定可能なブレーキを更に備えている。
この発明においては、固定変速比モードが設定された場合、第1出力軸および第2出力軸ならびに第3出力軸のそれぞれが、第1クラッチおよび第2クラッチならびに第5クラッチによって互いに連結されるので、内燃機関もしくは内燃機関から動力が伝達される入力軸が第3出力軸に実質的に直結される。そして、その第3出力軸が第3クラッチによって駆動軸に接続されるので、結局、内燃機関もしくは入力軸が駆動軸に直結される。したがって、電力変換を伴わずに、また特に相対回転を増大させずに、内燃機関から駆動軸に動力を伝達でき、その結果、動力の伝達効率を向上させることができる。また、上記の固定変速比モードを、内燃機関の回転数が最適燃費回転数もしくはそれに近い回転数になる車速で設定することにより、動力損失の低減と併せて燃焼効率を向上させ、車両の全体としての燃費を向上させることができる。
つぎにこの発明をより具体的に説明する。この発明で対象とする駆動装置はハイブリッド形式のものであって、動力源として内燃機関と、発電機能のある少なくとも二台の電動機とを備えている。その内燃機関は、要は、燃料を燃焼して生じる熱エネルギをトルクなどの機械的エネルギの形で出力する熱機関であって、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン、あるいはガスを燃料とするガスエンジンなどである。また前記電動機は、電力が供給されて回転することによりトルクなどの機械的エネルギを出力する以外に、外力によって強制的に回転させられて起電力を生じるように構成されたものであり、永久磁石式の同期電動機がその一例である。
これら内燃機関および各電動機は、動力分割機構に連結されている。この発明における動力分割機構は、内燃機関が出力した動力をいずれか一方の電動機と出力側とに分割する作用をなすものであり、相互に差動回転する少なくとも三つの回転要素を備えた差動機構によって構成することができる。その差動機構としては、ダブルピニオン型あるいはシングルピニオン型の遊星歯車機構や遊星ローラ機構を採用することができ、その第1の回転要素に入力軸を介して内燃機関が連結されている。なお、その連結の形態は、要は、内燃機関から第1の回転要素に動力を伝達できる形態であればよいので、両者が直接連結されていてもよく、あるいはクラッチや流体継手などの伝動機構を介して連結されていてもよい。前記回転要素のうち、第2の回転要素と第3の回転要素とに、それぞれ前記電動機が連結されている。その連結の形態は、前記内燃機関と第1の回転要素との連結の形態と同様に、直接連結してもよく、あるいはクラッチなどの伝動機構を介して連結してもよい。なお、この発明では、第1出力軸および第2出力軸が設けられ、これらの出力軸を介して各電動機との間で動力を伝達するように構成されている。さらに、いずれかの電動機と第2もしくは第3の回転要素との間に減速機構を介在させることもできる。このように構成した場合には、その電動機を出力トルクの小さい小型のものとすることができる。
さらに、この発明で対象とする駆動装置は、変速機構を備えている。その変速機構は、上記の動力分割機構と駆動軸との間に介在させられて、入力された動力を変速して、もしくは変速せずにそのまま駆動軸に出力する機構であり、少なくとも二つの変速状態を設定できるように構成されている。すなわち、前記第2回転要素と第3回転要素とのいずれか一方から入力された動力を変速して、もしくは変速せずに出力部材に出力する変速状態と、他方から入力された動力をそのままもしくは変速して出力部材に出力する変速状態とを設定できるように構成されている。
そして、内燃機関から駆動軸への動力伝達経路を切り替えるための複数の係合機構が設けられている。すなわち、第2電動機に連結される第2出力軸と一体の第3出力軸を、変速機入力軸に接続する第1クラッチと、第1電動機の出力軸を変速機入力軸に接続する第2クラッチと、前記第3出力軸を駆動軸に接続する第3クラッチと、変速機出力軸を駆動軸に接続する第4クラッチと、動力分割機構によって分割された動力が伝達される第1出力軸と第1電動機の出力軸とを接続する第5クラッチとが設けられている。これらのクラッチは、係合することによりトルクを伝達し、かつ解放することによりトルクを遮断する機構であり、多板クラッチなどの摩擦式の係合機構やドグクラッチなどの噛み合い式の係合機構によって構成することができる。図には、噛み合い式の係合機構を採用した例を示してある。
上記の駆動装置によれば、各クラッチを適宜に係合・解放させることにより、多様な動力伝達状態を設定することができる。この発明に係る制御装置は、特に、固定変速比モードを設定する手段を備えている。この固定変速比モードは、第1ないし第3のクラッチおよび第5クラッチをそれぞれ係合させ、かつ第4クラッチを解放させて設定される走行モードである。この固定変速比モードでは、第1出力軸および第2出力軸ならびに第3出力軸のそれぞれが互いに連結されるので、内燃機関もしくは内燃機関から動力が伝達される入力軸が第3出力軸に実質的に直結される。そして、その第3出力軸が第3クラッチによって駆動軸に接続されるので、結局、内燃機関もしくは入力軸が駆動軸に直結される。したがって、この発明に係る制御装置では、電力変換を伴わずに、また特に相対回転を増大させずに、内燃機関から駆動軸に動力を伝達できる固定変速比モードを設定することができるので、燃費の良好な走行モードの選択の幅が広がり、全体としての燃費を向上させることができる。
この発明の好ましい実施の形態によれば、EV走行モードを設定することができる。このEV走行モードは、第1クラッチおよび第2クラッチならびに第3クラッチを係合させ、かつ第4クラッチおよび第5クラッチを解放させて設定される走行モードである。このEV走行モードでは、第1電動機の出力軸が第1クラッチおよび第2クラッチを介して第3出力軸に連結され、その第3出力軸が第3クラッチを介して駆動軸に連結されるので、結局、第1電動機の出力軸が駆動軸に直結される。したがって、第1電動機で走行する場合、あるいは第1電動機でエネルギー回生する場合の動力伝達経路が簡素化され、また相対回転する部材の数を少なくでき、その結果、動力伝達効率が良好になる。この発明に係る制御装置では、電力変換を伴わずに、また特に相対回転を増大させずに、第1電動機から駆動軸に動力を伝達できる上記のEV走行モードを設定することができるので、燃費の良好な走行モードの選択の幅が広がり、全体としての燃費を向上させることができる。また、一方の電動機の熱負荷が大きい時や故障時にも他方の電動機でEV走行することが可能となる。
そして、この発明の好ましい実施の形態では、第1電動機の出力軸を固定するブレーキを備えている。このブレーキを係合させた場合、動力分割機構を増速機として機能させることができるので、駆動軸の回転数を増大させる運転状態であっても内燃機関の回転数を相対的に低く抑えることができ、また内燃機関を駆動軸に実質的に直結できるので、燃費を向上させることができる。また、動力損失の少ない走行モードの選択の幅が広くなる。
上述した各好ましい実施の形態を含む具体例を以下に示す。図1はこの発明の一具体例を概略的に示す図であって、内燃機関(以下、エンジンと記す)1とこの発明の電動機に相当する二つのモータ・ジェネレータ(MG1、MG2)2,3とが動力装置として設けられている。そのエンジン1は、動力分割機構4に連結され、また二つのモータ・ジェネレータ2,3は、その動力分割機構4に対して反力を与え、あるいは出力するトルクをアシストするように、動力分割機構4との間でトルクを伝達するようになっている。なお、エンジン1と動力分割機構4との間に、ダンパーやトルクコンバータ(それぞれ図示せず)を介在させてもよい。
動力分割機構4は、図1に示す例では、ダブルピニオン型の遊星歯車機構によって構成されている。すなわち、動力分割機構4は、外歯歯車であるサンギヤSmと、このサンギヤSmに対して同心円上に配置された内歯歯車であるリングギヤRmと、サンギヤSmに噛み合っているピニオンギヤおよび該ピニオンギヤとリングギヤRmとに噛み合っている他のピニオンギヤを自転かつ公転自在に保持するキャリヤCmとを回転要素とし、これら三つの回転要素が相互に差動回転するよう構成された差動歯車機構である。そのリングギヤRmにエンジン1から入力軸5を介して動力が伝達されるようになっている。また、サンギヤSmがこれと一体の第1出力軸6を介して一方のモータ・ジェネレータ(以下、第1モータ・ジェネレータと記す)2に連結されるように構成されている。さらに、キャリヤCmには第2出力軸7が一体化されており、この第2出力軸7を介して他方のモータ・ジェネレータ(以下、第2モータ・ジェネレータと記す)3との間でトルクを伝達するように構成されている。
各モータ・ジェネレータ2,3および動力分割機構4は、エンジン1の動力を前記リングギヤRmに入力する入力軸5と同一の軸線上に配列されており、第2モータ・ジェネレータ(MG2)3は動力分割機構4よりもエンジン1側に配置されている。そして、第2モータ・ジェネレータ3と動力分割機構4との間に、減速機構8が設けられている。この減速機構8は、第2モータ・ジェネレータ3が出力したトルクを増幅して動力分割機構4に伝達するためのものであり、したがって変速比もしくは減速比が“1”より大きい歯車機構もしくはローラ機構などによって構成されている。図1に示す例では、減速機構8は入力軸5の外周側に入力軸5と同一軸線上に配置されたシングルピニオン型の遊星歯車機構によって構成されている。このシングルピニオン型の遊星歯車機構は、外歯歯車であるサンギヤSfと、そのサンギヤSfに対して同心円上に配置された内歯歯車であるリングギヤRfと、これらサンギヤSfおよびリングギヤRfに噛み合っているピニオンギヤを自転かつ公転自在に保持しているキャリヤCfとを回転要素とし、これら三つの回転要素が相互に差動回転する歯車機構である。なお、これらのギヤをローラに置き換えた機構が遊星ローラ機構である。
第2モータ・ジェネレータ3のステータ3Sがケーシング(図示せず)などの固定部9に固定され、そのステータ3Sの内周側に配置されたロータ3RがサンギヤSfに連結されている。なお、第2モータ・ジェネレータ3はそのロータ3Rの位相を検出して信号を出力するレゾルバーなどのセンサ(図示せず)を備えている。したがってサンギヤSfが入力要素となっている。また、キャリヤCfは、固定部9に連結されて固定されている。したがってキャリヤCfが固定要素となっている。さらにリングギヤRfが、動力分割機構4におけるキャリヤCmに第2出力軸7を介して連結され、出力要素となっている。したがって、サンギヤSfの歯数とリングギヤRfの歯数との比であるギヤ比を“ρ”(<1)とすると、リングギヤRfはそのギヤ比に応じて減速されて回転し、そのトルクはサンギヤSfに入力されたトルクをギヤ比ρに応じて増大させたものとなる。
前述した動力分割機構4の中心部を貫通しかつ前記入力軸5と同一軸線上に配置された第3出力軸10が設けられている。この第3出力軸10は動力分割機構4から動力を出力するためのものであって、前記キャリヤCmもしくは第2出力軸7と一体化され、かつ入力軸5の延長軸線上に配置されており、その外周側に第1モータ・ジェネレータ(MG1)2が同軸上に配置されている。その第1モータ・ジェネレータ2のステータ2Sは固定部9に固定され、その内周側に配置されたロータ2Rと動力分割機構4における第1要素であるサンギヤSmに一体の第1出力軸6とを選択的に連結するクラッチ(以下、仮に第5クラッチと記す)C5が設けられている。この第5クラッチC5は、摩擦クラッチや噛み合い式のクラッチなど適宜の構成のものであってよく、図1にはドグクラッチの例を示してある。
この第5クラッチC5の構成を具体的に説明すると、動力分割機構4におけるサンギヤSmが取り付けられもしくは形成されている第1出力軸6が第3出力軸10の外周側に相対回転可能に配置されており、その第1出力軸6と同一軸線上に、第1モータ・ジェネレータ2におけるロータ2Rが一体化されているロータ軸(第1モータ・ジェネレータ2の出力軸)11が配置されている。その第1出力軸6とロータ軸11との互いに対向している端部のそれぞれに、軸線方向で互いに隣接するハブ12,13が一体に設けられており、それぞれのハブ12,13の外周面にスプラインが形成されている。さらに、これらのハブ12,13にスプライン嵌合するスリーブ14が、図示しないアクチュエータによって軸線方向に前後動するように配置されている。
したがって第5クラッチC5は、そのスリーブ14を、各ハブ12,13にスプライン嵌合する位置に移動させることにより、サンギヤSmに一体の第1出力軸6と第1モータ・ジェネレータ2のロータ2Rに一体のロータ軸11とをトルク伝達可能に連結し、またスリーブ14をそのいわゆる係合位置から軸線方向に移動させていずれか一方のハブ12(または13)のみにスプライン嵌合させることにより、サンギヤSmに一体の第1出力軸6と第1モータ・ジェネレータ2のロータ2Rに一体のロータ軸11との連結を解くように構成されている。なお、第5クラッチC5がいわゆる解放状態に制御されてサンギヤSmに一体の第1出力軸6と第1モータ・ジェネレータ2のロータ2Rに一体のロータ軸11とが非連結状態になっている場合には、動力分割機構4におけるサンギヤSmがいずれの部材にも連結されていないいわゆるフリー状態となり、したがってリングギヤRmにエンジン1のトルクを入力しても、サンギヤSmが空転するために、キャリヤCmにエンジン1からのトルクが現れないようになっている。
上記の第1モータ・ジェネレータ2を挟んで動力分割機構4とは軸線方向で反対側に、変速機構15が同一軸線上に配置されている。この変速機構15は、前記第3出力軸10の延長軸線上に配置されている出力部材である駆動軸16に出力する動力を変速するためのものであって、変速機入力軸17と変速機出力軸18とを有し、その入力回転数と出力回転数との比を複数に変化させることができるように構成されている。したがって変速機構15は遊星歯車機構や遊星ローラ機構などの差動作用のある機構によって構成することができ、図1にはシングルピニオン型は遊星歯車機構によって構成した例を示してある。
シングルピニオン型遊星歯車機構は従来知られている構成のものであって、前述した減速機構8を構成しているものと同様に、サンギヤSrと、リングギヤRrと、キャリヤCrとを回転要素とし、これらの回転要素が相互に差動回転するように構成されている。そして、リングギヤRrがケーシングなどの固定部9に取り付けられていて固定要素となっている。また、キャリヤCrに変速機出力軸18が一体化され、したがってキャリヤCrが出力要素となっている。そして、サンギヤSrに変速機入力軸17が一体化され、したがってサンギヤSrが入力要素となっている。
この変速機構15による複数の変速状態あるいは入出力状態を設定するための複数のクラッチが設けられている。具体的には、入力を切り替えるための第1クラッチC1および第2クラッチC2と、駆動軸16に対する出力を切り替えるための第3クラッチC3および第4クラッチC4とが設けられている。その第1クラッチC1は、変速機入力軸17と第3出力軸10とを選択的に連結するように構成され、また第2クラッチC2は変速機入力軸17と第1モータ・ジェネレータ2のロータ軸11とを選択的に連結するように構成されている。これらのクラッチC1,〜C4は、要は、トルクの伝達と遮断とを選択的に行うものであって、摩擦クラッチや噛み合い式のクラッチなど適宜の構成のものであってよく、図1にはドグクラッチの例を示してある。
すなわち、変速機構15を構成している遊星歯車機構のサンギヤSrに一体の変速機入力軸17には、内周面にスプラインが形成された円筒部17aが一体化されており、その内周側には、第3出力軸10に一体化されているハブ19と、第1モータ・ジェネレータ2のロータ軸11に一体化されているハブ20とが軸線方向に並んで配置されている。これらのハブ19,20の外周面にはスプラインが形成されている。そして、第3出力軸10に一体化されているハブ19の外周面と前記円筒部17aの内周面との間には、軸線方向に移動することによりこれらハブ19と円筒部17aとにスプライン嵌合するスリーブ21が配置されている。このスリーブ21は、図示しないアクチュエータによって軸線方向に移動させられ、ハブ19と円筒部17aとの両方にスプライン嵌合することにより第3出力軸10とサンギヤSrに一体の変速機入力軸17とをトルク伝達可能に連結し、またハブ19と円筒部17aとのいずれか一方にのみスプライン嵌合する状態では、第3出力軸10と変速機入力軸17との連結を解除するように構成されている。
また、ロータ軸11に一体化されているハブ20の外周面と前記円筒部17aの内周面との間には、軸線方向に移動することによりこれらハブ20と円筒部17aとにスプライン嵌合するスリーブ22が配置されている。このスリーブ22は、図示しないアクチュエータによって軸線方向に移動させられ、ハブ20と円筒部17aとの両方にスプライン嵌合することによりロータ軸11とサンギヤSrに一体の変速機入力軸17とをトルク伝達可能に連結し、またハブ20と円筒部17aとのいずれか一方にのみスプライン嵌合する状態では、ロータ軸11と変速機入力軸17との連結を解除するように構成されている。
さらに、駆動軸16は、変速機構15を構成している遊星歯車機構側に延びた円筒部23を備えており、その内周側には、第3出力軸10の先端部に設けられているハブ24と、変速機構15を構成している遊星歯車機構におけるキャリヤCrに一体化されている変速機出力軸18のハブ25とが軸線方向に並んで配置されている。これらのハブ24,25の外周面にはスプラインが形成されている。そして、第3出力軸10に一体化されているハブ24の外周面と前記円筒部23の内周面との間には、軸線方向に移動することによりこれらハブ24と円筒部23とにスプライン嵌合するスリーブ26が配置されている。このスリーブ26は、図示しないアクチュエータによって軸線方向に移動させられ、ハブ24と円筒部23との両方にスプライン嵌合することにより第3出力軸10と駆動軸16とをトルク伝達可能に連結し、またハブ24と円筒部23とのいずれか一方にのみスプライン嵌合する状態では、第3出力軸10と駆動軸16との連結を解除するように構成されている。
また、変速機出力軸18に一体化されているハブ25の外周面と前記円筒部23の内周面との間には、軸線方向に移動することによりこれらハブ25と円筒部23とにスプライン嵌合するスリーブ27が配置されている。このスリーブ27は、図示しないアクチュエータによって軸線方向に移動させられ、ハブ25と円筒部23との両方にスプライン嵌合することにより変速機出力軸18と駆動軸16とをトルク伝達可能に連結し、またハブ25と円筒部23とのいずれか一方にのみスプライン嵌合する状態では、変速機出力軸18と駆動軸16との連結を解除するように構成されている。
さらに、動力分割機構4を増速機構として機能させるためにそのサンギヤSmを選択的に固定するブレーキB1が設けられている。このブレーキB1は、係合状態でロータ軸11の回転を阻止し、解放状態でロータ軸11の固定を解くように構成された係合機構であり、摩擦式あるいは噛み合い式などの適宜の構成のブレーキ機構を採用することができる。図1には、噛み合い式のブレーキを示してあり、前記ロータ軸11に一体化されたハブ28とケーシングなどの固定部9に取り付けられたハブ29とが、軸線方向に並びかつ互いに接近して配置されている。これらのハブ28,29の外周面にはスプラインが形成されており、そのスプラインに嵌合するスリーブ30が図示しないアクチュエータによって軸線方向に往復動するように配置されている。すなわち、ブレーキB1は、スリーブ30が各ハブ28,29にスプライン嵌合することによりロータ軸11を固定し、その場合に前述した第5クラッチC5が係合していることになり、サンギヤSmを実質的に固定するようになっている。また、スリーブ30がいずれか一方のハブ28(もしくは29)のみにスプライン嵌合している状態では、ロータ軸11が固定されず、したがってロータ軸11に第5クラッチC5を介して連結されるサンギヤSmの固定が解除されるようになっている。
前述した各モータ・ジェネレータ2,3はインバータなどのコントローラ31を介してバッテリーなどの蓄電装置32に接続されており、そのコントローラ31によって制御されて電動機あるいは発電機として動作するように構成されている。さらに、これらのモータ・ジェネレータ2,3の出力トルクや発電量(すなわち反力トルク)の制御、各クラッチC1,〜C5およびブレーキB1を動作させることによる変速状態もしくは駆動モードの制御などを行うための電子制御装置(ECU)33が設けられている。この電子制御装置33はマイクロコンピュータを主体にして構成されたものであって、車速や要求駆動力、蓄電装置32の充電量(SOC)などの入力データおよび予め記憶しているデータを利用して演算を行い、その演算の結果を各モータ・ジェネレータ2,3を制御するための指令信号として前記コントローラ31に出力し、またいずれかのクラッチC1,〜C5もしくはブレーキB1を動作させて所定の運転モードあるいは変速段を設定する指令信号を出力するように構成されている。
上記の駆動装置は、車両に搭載することにより、各種の駆動モードあるいは変速段を設定することができる。図2は前述した各クラッチC1,〜C5およびブレーキB1の動作状態と、それに応じて設定される運転モードあるいは変速段をまとめて示している。図2において、「ENG走行」は、エンジン1が出力する動力を利用して車両が走行するモードであることを示し、「EV走行」は、エンジン1は動力を出力せずに電動機2,3が出力する動力で走行するモードを示している。
さらにENG走行モードにおいて、「1速CVT」は、動力分割機構4におけるキャリヤCmと一体の第3出力軸10から前記変速機構15に動力が入力され、かつ第1モータ・ジェネレータ2によってエンジン回転数を制御し、したがって全体としての変速比が連続的(無段階)に変化するモードを示し、「2速CVT」は、同様に、動力分割機構4におけるサンギヤSmに一体の第1出力軸6から前記変速機構15に動力が入力され、かつ第2モータ・ジェネレータ3によってエンジン回転数を制御し、したがって全体としての変速比が連続的(無段階)に変化するモードを示し、「3速CVT」は、第1モータ・ジェネレータ2によってエンジン回転数を制御している状態でキャリヤCmに一体の第3出力軸10から出力される動力を直接駆動軸16に伝達し、したがって全体としての変速比を連続的に変化させるモードを示している。
また一方、「1+2速固定」は、1速CVTモードと2速CVTモードとに共通する運転状態であって、換言すれば、1速CVTモードと2速CVTモードとの同期状態を示す。同様に、「2+3速固定」は、2速CVTモードと3速CVTモードとに共通する運転状態であり、換言すれば、2速CVTモードと3速CVTモードとの同期状態を示す。さらに、「固定変速比モード」は、エンジン1を駆動軸16に実質的に直結する運転状態を示す。そして、「3速MG1ロック」は、第1モータ・ジェネレータ2およびこれに連結されるサンギヤSmをブレーキB1で固定した状態でキャリヤCmに一体の第3出力軸10から出力される動力を駆動軸16に直接伝達するモードを示している。
一方、EV走行モードでの「1速」は第2モータ・ジェネレータ3を変速機構15に連結してその第2モータ・ジェネレータ3によって走行するモード、「2速」は第1モータ・ジェネレータ2を変速機構に連結してその第1モータ・ジェネレータ2によって走行するモード、「3速」は第2モータ・ジェネレータ3を駆動軸16に直接連結して第2モータ・ジェネレータ3によって走行するモード、「3速固定」は第1モータ・ジェネレータ2を駆動軸16に実質的に直結して走行するモードをそれぞれ示している。そして、各クラッチC1,〜C5およびブレーキB1についての「〇」印はトルク伝達するように係合していることを示し、「×」印はトルクの伝達を遮断するように解放していることを示し、括弧を付してある「○」印は係合状態および解放状態のいずれでもよいことを示している。
各モードについて説明すると、エンジン1が動力を出力している状態での1速CVTモードは、図2に示すように、第1クラッチC1および第4クラッチC4ならびに第5クラッチC5が係合させられる。また、第1モータ・ジェネレータ2は発電機として機能するように制御され、その起電力が第2モータ・ジェネレータ3に供給されてこれがモータとして機能するように制御される。この状態を図3に共線図で示してある。図3に示すように、リングギヤRmにエンジン1からのトルクがいわゆる正方向に作用し、これに対してサンギヤSmには、第5クラッチC5を介して連結されている第1モータ・ジェネレータ2による反力トルクがいわゆる負方向に作用している。したがって、キャリヤCmにはこれらのトルクを合成したトルクと、第2モータ・ジェネレータ3がモータとして機能することによるトルクとを合成したトルクが現れる。すなわち、エンジン1が出力した動力がサンギヤSmを介して第1モータ・ジェネレータ2側と、キャリヤCmを介して第3出力軸10側とに分割され、第1モータ・ジェネレータ2側に分配された動力は電力に変換された後、第2モータ・ジェネレータ3で機械的な動力に再度変換され、第3出力軸10に合成される。キャリヤCmから第3出力軸10を介して変速機構15のサンギヤSrに伝達された動力は、変速機構15の変速比に応じて変速されてキャリヤCrから駆動軸16に出力される。この変速機構15は図3に示すように減速機として機能するから、駆動軸16には変速比に応じて増幅されたトルクが現れる。
図3はエンジン1の出力する動力で加速している状態すなわちパワーオン状態を示しており、車速の増大に伴ってキャリヤCmおよびこれに連結されている第2モータ・ジェネレータ3の回転数が次第に増大し、またサンギヤSmおよびこれに連結されている第1モータ・ジェネレータ2の回転数が次第に低下する。その過程で、動力分割機構4におけるサンギヤSmおよびキャリヤCmならびにリングギヤRmの三つの回転要素の回転数が一致する状態が生じる。その状態を図4に示してあり、この状態では動力分割機構4の全体が一体となって回転するので、キャリヤCmに連結されている第1クラッチC1の回転数と、サンギヤSmに第5クラッチC5を介して連結されている第2クラッチC2の回転数とが等しくなる。すなわち、回転同期する。したがって、第2クラッチC2を係合状態に切り替えても、回転数の変化が生じない。こうして、第1および第4ならびに第5のクラッチC1,C4,C5に加えて第2クラッチC2を係合させた状態が、図2に示すエンジン走行モードでの「1+2速固定」モードである。
第1クラッチC1および第2クラッチC2を係合させると、第5クラッチC5が係合状態であることによって、動力分割機構4における二つの回転要素すなわちキャリヤCmとサンギヤSmとが連結されるので、動力分割機構4の全体が一体となって回転する。したがって、エンジン1が出力した動力がそのまま変速機構15に伝達されるので、第1モータ・ジェネレータ2および第2モータ・ジェネレータ3の電気的制御が中止され、これらは空転状態となる。すなわち、エンジン1が出力した動力は、電力変換を伴わずに変速機構15に伝達される。そして、変速機構15では、サンギヤSrに入力されたエンジン1からの動力が、その変速比(ギヤ比)に応じて変速されて駆動軸16に出力される。したがって、エンジン1が出力した動力は、電力変換を伴わずに機械的な手段もしくは機構を介して駆動軸16に伝達され、これはいわゆる内燃機関直達状態である。
「1+2速固定」モードから第1クラッチC1を解放し、かつ第2モータ・ジェネレータ3を発電機として機能するように制御するとともに、第1モータ・ジェネレータ2をモータとして機能するように制御することにより、「2速CVT」モードになる。その状態を図5に示してあり、動力分割機構4ではリングギヤRmにエンジン1が出力した動力が入力された状態で、キャリヤCmに第2モータ・ジェネレータ3による反力トルクが作用し、サンギヤSmからトルクが出力されるとともに第1モータ・ジェネレータ2のトルクが付加される。そのサンギヤSmから出力されたトルクは、第5クラッチC5および第2クラッチC2を介して変速機構15におけるサンギヤSrに伝達される。この変速機構15は、前述した「1速CVT」モードの場合と同様に、サンギヤSrに入力されたトルクを変速比に応じて増幅してキャリヤCrから駆動軸16に出力する。したがって、第2モータ・ジェネレータ3の回転数を変化させることによりエンジン1の回転数を変化させることができ、こうすることによりハイブリッド駆動装置の全体としての変速比が連続的に(すなわち無段階)に変化させられる。
図5に示す「2速CVT」モードで車速が増大すると、サンギヤSmおよびこれに連結されている第1モータ・ジェネレータ2の回転数が次第に増大し、またキャリヤCmおよびこれに連結されている第2モータ・ジェネレータ3の回転数が次第に低下する。その過程で、動力分割機構4におけるキャリヤCmの回転数が駆動軸16の回転数と一致する状態が生じる。その状態を図6に示してあり、この状態では第3クラッチC3によって連結される第3出力軸10と駆動軸16とが回転同期する。したがって、第3クラッチC3を係合状態に切り替えても、回転数の変化が生じない。こうして、第2および第4ならびに第5のクラッチC2,C4,C5に加えて第3クラッチC3を係合させた状態が、図2に示すエンジン走行モードでの「2+3速固定」モードである。
この「2+3速固定」モードでは、実質上、動力分割機構4のキャリヤCmが変速機構15のキャリヤCrに連結され、かつ動力分割機構4のサンギヤSmが変速機構15のサンギヤSrに連結される。したがって、動力分割機構4を構成しているダブルピニオン型遊星歯車機構と変速機構15を構成しているシングルピニオン型遊星歯車機構との両者が複合した遊星歯車機構もしくは変速機構を構成し、そのいわゆる複合遊星歯車機構を介してエンジン1と駆動軸16とが連結されることになる。そのため、エンジン1の回転数は、駆動軸16の回転数と、複合遊星歯車機構による変速比とで決まる回転数に規制される。言い換えれば、エンジン1が機械的な構成である複合遊星歯車機構を介して駆動軸16に直結されることになり、これは内燃機関直達状態である。したがって、この状態では、第1モータ・ジェネレータ2および第2モータ・ジェネレータ3の電気的制御が中止され、これらは空転状態となる。すなわち、エンジン1が出力した動力は、電力変換を伴わずに駆動軸16に伝達される。
「2+3速固定」モードから第4クラッチC4を解放し、あるいは第4クラッチC4に加えて第2クラッチC2を解放し、かつ第1モータ・ジェネレータ2を発電機として機能するように制御するとともに、第2モータ・ジェネレータ3をモータとして機能するように制御することにより、「3速CVT」モードになる。その状態を図7に示してあり、動力分割機構4ではリングギヤRmにエンジン1が出力した動力が入力された状態で、サンギヤSmに第1モータ・ジェネレータ2による反力トルクが作用し、キャリヤCmからトルクが出力されるとともに、そのトルクに第2モータ・ジェネレータ3のトルクが付加される。そのキャリヤCmから出力されたトルクは、第3クラッチC3を介して駆動軸16に伝達される。したがって、第1モータ・ジェネレータ2の回転数を変化させることによりエンジン1の回転数を変化させることができ、こうすることによりハイブリッド駆動装置の全体としての変速比が連続的に(すなわち無段階)に変化させられる。
図7に示す「3速CVT」モードで車速が増大すると、キャリヤCmおよびこれに連結されている第2モータ・ジェネレータ3の回転数が次第に増大し、またサンギヤSmおよびこれに連結されている第1モータ・ジェネレータ2の回転数が次第に低下する。そして、ついにはサンギヤSmおよびこれに連結されている第1モータ・ジェネレータ2の回転が止まり、その回転数がゼロになる。その状態を図8に示してあり、この状態では第5クラッチC5が係合していることによりサンギヤSmと共にロータ軸11の回転が止まるので、ブレーキB1の回転が止まっていわゆる同期した状態とになる。したがって、ブレーキB1を係合状態に切り替えても、回転数の変化が生じない。こうしてブレーキB1を、第3および第5のクラッチC3,C5に加えて係合させた状態が、図2に示すエンジン走行モードでの「3速MG1ロック」モードである。
この「3速MG1ロック」モードでは、動力分割機構4のサンギヤSmが固定され、かつリングギヤRmにエンジン1の動力が入力されるから、エンジン1から入力された動力を増速してキャリヤCmから出力する増速機として機能する。そして、そのキャリヤCmから出力された動力は第3クラッチC3を介して駆動軸16に伝達される。したがってエンジン1は、動力分割機構4および第3クラッチC3を介して駆動軸16に機械的に直結される。そのため、このモードでは全体としての変速比が「1」より小さいオーバードライブ段となり、また電力変換を伴わずにエンジン1から駆動軸16に動力が伝達される。これはいわゆる内燃機関直達状態である。
さらに、変速比が「1」の固定変速比モードについて説明すると、この固定変速比モードは、前記第2クラッチC2を係合させている第3速CVTモードから、第1クラッチC1を更に係合させて設定される。すなわち、第1ないし第3のクラッチC1,C2,C3と第5クラッチC5とを係合させ、かつ第4クラッチC4およびブレーキB1を解放させて設定される。第5クラッチC5が係合させられることにより、動力分割機構4のサンギヤSmがロータ軸11に連結される。また、第2クラッチC2が係合させられることにより、ロータ軸11が変速機入力軸17に連結される。さらに、第1クラッチC1が係合させられることにより、変速機入力軸17が動力分割機構4のキャリヤCmに連結される。したがって、固定変速比モードでは、動力分割機構4を構成している遊星歯車機構のサンギヤSmとキャリヤCmとが連結されるので、動力分割機構4の全体が一体となって回転する。その状態を図9に共線図で示してある。すなわち、入力軸5から動力分割機構4に伝達された動力がそのまま第3出力軸10に出力される。その第3出力軸10は第3クラッチC3が係合していることにより駆動軸16に連結されているから、結局、エンジン1は駆動軸16に実質的に直結される。言い換えれば、駆動軸16がエンジン1と一体となって回転するので、変速比は「1」となる。
したがって、固定変速比モードは、前述した「1+2速固定」モードや「2+3速固定」モードと同様に、いわゆる内燃機関直達状態となり、電力変換を伴わずにエンジン1から駆動軸16に動力を伝達できるので、動力の伝達効率が良好になる。また、変速比が「1」であって相対回転する部材が少なくなるから、摺動摩擦などによる動力損失が低減され、この点でも動力の伝達効率が良好になる。このように、この発明に係る駆動制御装置は、いわゆる内燃機関直達状態として「1+2速固定」モード、「2+3速固定」モード、「3速MG1ロック」モードに加えて、「固定変速比モード」を設定でき、これらの各内燃機関直達状態では電力変換を伴わずに効率よく動力を伝達できるので、車両の走行状態に応じてこれらの内燃機関直達状態を適宜に設定することにより、車両の燃費を向上させることができる。言い換えれば、内燃機関直達状態の選択の幅が広がるので、車両の全体としての燃費性能を向上させることができる。
なお、エンジン1を動力源とする上記の各走行モードは、駆動力要求量や車速などの車両の走行の状態に応じて選択され、前述した電子制御装置33からの制御指令信号によって設定される。したがって、上記の電子制御装置33あるいは「固定変速比モード」を設定する制御を行う機能的手段が、この発明の固定変速比モード設定手段に相当する。
上述したように、各モータ・ジェネレータ2,3は、エンジン1が動力を出力して走行している状態で運転モードが切り替わる毎に、発電機として機能する反力手段と、モータとして機能するトルクアシスト手段とに交互に切り替わる。その結果、車速が増大してもいずれかのモータ・ジェネレータ2,3の回転数が過剰に増大することが回避もしくは抑制される。
つぎに「EV走行」モードでの各モードについて説明すると、「1速」モードでは、第1クラッチC1と第4クラッチC4とが係合させられる。すなわち、動力分割機構4のキャリヤCmに一体の第3出力軸10と変速機構15のサンギヤSrに一体の変速機入力軸17とが連結され、かつその変速機構15のキャリヤCrに一体の変速機出力軸18と駆動軸16とが連結される。したがって、第2モータ・ジェネレータ3が減速機構8および変速機構15を介して駆動軸16に機械的に連結される。この状態で第2モータ・ジェネレータ3を蓄電装置32の電力でモータとして機能させることにより、その動力で駆動軸16を回転させ、車両が走行する。なお、その場合の第2モータ・ジェネレータ3と駆動軸16との間の変速比は、減速機構8での変速比と変速機構15での変速比とを合わせたものとなる。
「EV走行」モードでの「2速」モードは、第2クラッチC2と第4クラッチC4とを係合させて設定される。すなわち、第1モータ・ジェネレータ2のロータと一体のロータ軸11と変速機構15のサンギヤSrとが連結され、かつその変速機構15のキャリヤCrと駆動軸16とが連結される。したがって、第1モータ・ジェネレータ2が変速機構15を介して駆動軸16に機械的に連結される。この状態で第1モータ・ジェネレータ2を蓄電装置32の電力でモータとして機能させることにより、その動力で駆動軸16を回転させ、車両が走行する。なお、その場合の第1モータ・ジェネレータ2と駆動軸16との間の変速比は、変速機構15での変速比となる。
「EV走行」モードでの「3速」モードは、第3クラッチC3のみを係合させ、あるいは第3クラッチC3と第2クラッチC2とを係合させて設定される。すなわち、動力分割機構4のキャリヤCmに一体の第3出力軸10と駆動軸16とが直接連結される。したがって、第2モータ・ジェネレータ3が減速機構8を介して駆動軸16に機械的に連結される。この状態で第2モータ・ジェネレータ3を蓄電装置32の電力でモータとして機能させることにより、その動力で駆動軸16を回転させ、車両が走行する。なお、その場合の第2モータ・ジェネレータ3と駆動軸16との間の変速比は、減速機構8での変速比となる。
「EV走行」モードでの「3速固定」モードは、第2クラッチC2および第3クラッチC3に加えて、第1クラッチC1を係合させて設定される。したがって、第2クラッチC2によって第1モータ・ジェネレータ2が変速機入力軸17に連結され、その変速機入力軸17が第1クラッチC1によって第3出力軸10に連結される。さらに、その第3出力軸10が第3クラッチC3によって駆動軸16に連結されるので、結局、第1モータ・ジェネレータ2が駆動軸16に実質的に直結される。したがって、この状態で第1モータ・ジェネレータ2を蓄電装置32の電力でモータとして機能させることにより、その動力で駆動軸16を回転させ、車両が走行する。そして、この場合の変速比は「1」となって加減速作用が生じないので、動力伝達に介在する回転部材が「3速」モードよりも少ないことと相まって、効率良く動力を伝達することができる。言い換えれば、動力の伝達経路を簡素化してエネルギー効率の良い走行を行うことができる。
なお、いずれかのモータ・ジェネレータ2,3を動力源とする上記の各EV走行モードは、駆動力要求量や車速などの車両の走行の状態に応じて選択され、前述した電子制御装置33からの制御指令信号によって設定される。したがって、上記の電子制御装置33あるいは「EV走行」モードでの「3速固定」モードを設定する制御を行う機能的手段が、この発明のEV走行モード設定手段に相当する。
上述した「固定変速比モード」は、前述した「3速CVT」モードを設定している状態から切り替えて設定することにより、その切り替え制御が容易になり、また「EV走行」モードでの「3速固定」モードは、「EV走行」モードでの「3速」モードから切り替えて設定することによりその切り替え制御が容易になる。先ず、「3速CVT」モードと「固定変速比モード」との間の切り替えについて説明すると、図10は動力分割機構4および減速機構8ならびに変速機構15をそれぞれ構成している遊星歯車機構についての共線図をまとめて示しており、「3速CVT」モードおよび「固定変速比モード」ならびにそれらの中間の状態における動作状態を示してある。「3速CVT」モードでは、エンジン1が動力を出力している状態で第1モータ・ジェネレータ2が発電機として機能するように制御され、その反力トルクが動力分割機構4のサンギヤSmに作用し、その結果、エンジン1から伝達されたトルクと第1モータ・ジェネレータ2による反力トルクとを合成したトルクがキャリヤCmから第3出力軸10に出力される。この「3速CVT」モードは、比較的高車速軽負荷の状態で設定されるので、図10の(a)に示すように、出力要素であるキャリヤCmの回転数よりも、入力要素であるリングギヤRmの回転数が低回転数となっており、また反力要素であるサンギヤSmの回転数がリングギヤRmの回転数よりも低回転数になっている。
一方、第1モータ・ジェネレータ2による起電力が第2モータ・ジェネレータ3に供給されてこれがモータとして機能するように制御されている。その回転方向はエンジン1や第1モータ・ジェネレータ2の回転方向とは反対の方向である。その第2モータ・ジェネレータ3が出力したトルクは、減速機構8および第2出力軸7を介して第3出力軸10に加えられる。なお、減速機構8は、キャリヤCfを固定したシングルピニオン型遊星歯車機構によって構成されているので、第2モータ・ジェネレータ3が出力したトルクは反転増幅されて第3出力軸10に伝達される。
また、第2クラッチC2を係合させている場合には、変速機構15におけるサンギヤSrが第1モータ・ジェネレータ2のロータ2Rと共に回転するので、キャリヤCrがそれより低速で回転する。しかしながら、そのキャリヤCrは他の回転部材に連結されていないので、変速機構15は駆動軸16に対するトルクの伝達には関与しない。
この状態から第1クラッチC1を係合させるためには、先ず、第1モータ・ジェネレータ2の回転数を、出力要素であるキャリヤCmの回転数まで次第に増大させる。駆動軸16に掛かっている車両の慣性モーメントはエンジン1などのいわゆる入力系の慣性モーメントより遙かに大きいので、第1モータ・ジェネレータ2の回転数の増大に伴ってエンジン1の回転数が増大する。また、第1モータ・ジェネレータ2のロータ2Rに連結されている変速機構15のサンギヤSrの回転数も次第に増大する。
このように回転数を制御することにより、ついには図10の(b)に示すように、動力分割機構4を構成している遊星歯車機構のサンギヤSmおよびキャリヤCmならびにリングギヤRmの回転数が一致し、また変速機構15におけるサンギヤSrの回転数が動力分割機構4のキャリヤCmの回転数すなわち第3出力軸10の回転数に一致する。この状態では、第1クラッチC1によって連結される変速機入力軸17と第3出力軸10とが回転同期している。したがって、この状態で第1クラッチC1を係合状態に切り替えると、回転数の変化を生じさせることなく、すなわち慣性力によるショックを生じさせることなく、動力分割機構4の全体が一体化され、エンジン1が駆動軸16に直結される。その状態を図10の(c)に示してある。
つぎに「固定変速比モード」から「3速CVT」モードに切り替える場合の制御について説明すると、この切り替えは第1クラッチC1を解放させることにより実行されるので、第1クラッチC1をスムースに解放させるとともに第1クラッチC1の解放に伴うトルク変化を生じさせないように、トルクの制御が行われる。すなわち、図11は前述した図10と同様の共線図であって、その(a)に示すように、「固定変速比モード」では、エンジン1のみが動力を出力しており、それに伴うトルクが係合状態の各クラッチC1,C2,C3,C5に作用している。この状態で第1モータ・ジェネレータ2を発電機として機能させてサンギヤSmに反力トルクを付与し、また第1モータ・ジェネレータ2で得られた電力で第2モータ・ジェネレータ3をモータとして機能させることにより、これらのトルクによって動力分割機構4の全体が一体回転させられる。すなわち、第1クラッチC1および第2クラッチC2に作用しているトルクを各モータ・ジェネレータ2,3で受け持つ状態となる。その結果、第1クラッチC1にはトルクが掛からなくなるので、そのスリーブ23を移動させて解放することが可能になる。こうして第1クラッチC1を解放させることにより、「3速CVT」モードに切り替えられる。その状態を図11の(c)に示してある。
つぎに、EV走行モードにおける「3速」モード(以下、仮に3速EVモードと記す)と「3速固定」モード(以下、3速固定EVモードと記す)との間の切り替え制御について説明する。3速EVモードは、前述したように、第2モータ・ジェネレータ3をモータとして機能させ、その動力を駆動軸16に伝達して走行するモードであり、第2クラッチC2と第3クラッチC3とが係合させられている。その状態を図12の(a)に示してある。なお、図12は前述した図10あるいは図11と同様の共線図である。したがって、第2モータ・ジェネレータ3は逆回転させられ、その出力したトルクが減速機構8によって反転増幅された後、第2出力軸7を介して第3出力軸10に伝達される。その場合、エンジン1が停止していることにより、動力分割機構4におけるサンギヤSmは逆回転する。しかしながら、第5クラッチC5は解放状態になっているので、第1モータ・ジェネレータ2は回転せずに停止している。したがって、変速機構15の全体も停止している。言い換えれば、第1モータ・ジェネレータ2や変速機構15は、動力分割機構4や第3出力軸10あるいは駆動軸16から遮断されている。
したがって、3速固定EVモードに切り替えるためには、先ず、第1モータ・ジェネレータ2を正回転させてこれに連結されている変速機入力軸17の回転数を次第に増大させる。それに伴って変速機構15におけるサンギヤSrの回転数が次第に増大するが、キャリヤCrに一体の変速機出力軸18は駆動軸16に連結されていないので、変速機構15は駆動軸16に対するトルクの伝達には関与しない。第1モータ・ジェネレータ2の回転数が次第に増大すると、第1モータ・ジェネレータ2に第2クラッチC2によって連結されている変速機入力軸17の回転数がついには第3出力軸10の回転数(すなわち動力分割機構4におけるキャリヤCmの回転数)に一致する。その状態を図12の(b)に示してある。この状態では、第1クラッチC1によって接続される第3出力軸10の回転数と変速機入力軸17の回転数(すなわち第1モータ・ジェネレータ2の回転数)とが同期するので、第1クラッチC1を係合状態に切り替えても、回転数の変化が生じない。こうして、第1クラッチC1を、第2クラッチC2および第3クラッチC3に加えて係合させた状態が、3速固定EVモードであり、これを図12の(c)に示してある。
3速EVモードから3速固定EVモードに切り替える場合には、上記のように回転同期制御を行うが、これとは反対に3速固定EVモードから3速EVモードに切り替える場合には、第1クラッチC1を解放させるために、また駆動軸16のトルク変化を防止もしくは抑制するために、トルク制御が実行される。具体的に説明すると、図13は、前述した図10ないし図12と同様の共線図であって、この図13の(a)に示すように、3速固定EVモードでは、第1モータ・ジェネレータ2が第1クラッチC1および第2クラッチC2を介して第3出力軸10に連結されるとともに、第3出力軸10が第3クラッチC3を介して駆動軸16に連結されていることにより、第1モータ・ジェネレータ2と駆動軸16とが実質的に直結されているので、動力分割機構4ではそのキャリヤCmが正回転し、リングギヤRmがエンジン1と共に停止していることにより、いわゆるフリー状態のサンギヤSmが逆回転している。また、キャリヤCmに減速機構8を介して連結されている第2モータ・ジェネレータ3は、減速機構8が反転作用を行うので逆回転している。なおこの場合、第2モータ・ジェネレータ3は通電してトルクを出力していてもよく、あるいは電流を遮断して空転していてもよい。さらに、変速機構15は、そのキャリヤCrおよびこれと一体の変速機出力軸18が他の回転部材に対して連結されていないので、空転状態となってトルクの伝達に関与しない。
この状態では第1クラッチC1には第1モータ・ジェネレータ2が出力した動力を第3出力軸10に伝達することによりトルクが掛かっている。そこで、第3速EVモードに切り替えるにあたって、先ず、第2モータ・ジェネレータ3をモータとして機能させて逆回転方向の出力トルクを増大させる。こうすることにより、減速機構8および第2出力軸7を介して第3出力軸10に掛かる正回転方向のトルクが増大する。そして、その第3出力軸10のトルクが第1モータ・ジェネレータ2が出力するトルク(より正確には第1モータ・ジェネレータ2から伝達された変速機入力軸17のトルク)に等しくなると、第1クラッチC1にはトルクが掛からなくなる。その状態を図13の(b)に示してある。したがって、第1クラッチC1が噛み合い式の係合機構によって構成されているとしても、トルクが掛かっていないことにより解放させることができる。
第1クラッチC1を解放させると、第1モータ・ジェネレータ2は駆動軸16に対して遮断されるので、第1モータ・ジェネレータ2の電流を遮断してこれを停止させる。これに対して第2モータ・ジェネレータ3はモータとして機能させることにより、第1モータ・ジェネレータ2に替わって第2モータ・ジェネレータ3から駆動軸16に走行のための動力が伝達される。この状態が3速EVモードであり、その動作状態を図13の(c)に示してある。このように、3速固定EVモードから3速EVモードに切り替える場合であっても、トルクを出力していた第1モータ・ジェネレータ2を駆動軸16から遮断するのに先立って、駆動軸16に伝達するべきトルクを第2モータ・ジェネレータ3によって受け持たせるから、第1クラッチC1を解放させることができるとともに、駆動軸16のトルクの変化を防止もしくは抑制することができる。
なお、上述した具体例では、エンジン走行モードで固定変速比モードをも設定でき、かつEV走行モードで3速固定EVモードをも設定できるように構成したが、この発明は上述した具体例に限定されないのであって、エンジン走行モードで固定変速比モードをも設定できる構成、あるいはEV走行モードで3速固定EVモードをも設定できる構成のいずれかであってもよい。
この発明に係る動力出力装置の一例を模式的に示すスケルトン図である。 各モードを設定するためのクラッチおよびブレーキの動作状態をまとめて示す図表である。 1速CVTモードにおける動作状態を説明するための共線図である。 1+2速固定モードにおける動作状態を説明するための共線図である。 2速CVTモードにおける動作状態を説明するための共線図である。 2+3速固定モードにおける動作状態を説明するための共線図である。 3速CVTモードにおける動作状態を説明するための共線図である。 3速MG1ロックモードにおける動作状態を説明するための共線図である。 固定変速比モードにおける動作状態を説明するための共線図である。 3速CVTモードから固定変速比モードに切り替える過程における動作状態の変化を説明するための共線図である。 固定変速比モードから3速CVTモードに切り替える過程における動作状態の変化を説明するための共線図である。 3速EVモードから3速固定EVモードに切り替える過程における動作状態の変化を説明するための共線図である。 3速固定EVモードから3速EVモードに切り替える過程における動作状態の変化を説明するための共線図である。
符号の説明
1…エンジン、 2,3…モータ・ジェネレータ、 4…動力分割機構、 5…入力軸、 6…第1出力軸、 7…第2出力軸、 8…減速機構、 9…固定部、 10…第3出力軸、 11…ロータ軸、 15…変速機構、 16…駆動軸、17…変速機入力軸、 18…変速機出力軸、 31…コントローラ、 33…電子制御装置(ECU)、 C1,C2,C3,C4,C5…クラッチ、 B1…ブレーキ。

Claims (4)

  1. 原動機と、該原動機から動力が伝達される入力軸と、該入力軸から入力された動力を第1出力軸および第2出力軸に分配する動力分割機構と、前記第2出力軸と一体に回転する第3出力軸と、前記第1出力軸との間で動力を授受可能な第1電動機と、前記第2出力軸との間で動力の授受を行う第2電動機と、変速機入力軸と変速機出力軸とを備えるとともにこれら変速機入力軸と変速機出力軸との回転数比を所定値に設定する変速機構と、該変速機構と前記第3出力軸との少なくとも一方から動力が伝達される駆動軸と、前記第3出力軸と前記変速機入力軸とを接続可能な第1クラッチと、前記第1電動機の出力軸と前記変速機入力軸とを接続可能な第2クラッチと、前記第3出力軸と前記駆動軸とを接続可能な第3クラッチと、前記変速機出力軸と前記駆動軸とを接続可能な第4クラッチと、前記第1出力軸と前記第1電動機の出力軸とを接続可能な第5クラッチとを備えた駆動機構を制御する駆動制御装置であって、
    前記第1クラッチと第2クラッチと第3クラッチと第5クラッチとをトルク伝達可能に係合させるとともに、前記第4クラッチをトルクを伝達しないように解放させることにより、前記内燃機関と前記駆動軸とを、これら内燃機関の回転数と駆動軸の回転数との比である変速比が固定された所定の値となるように連結する固定変速比モードを設定する固定変速比モード設定手段を備えていることを特徴とする駆動制御装置。
  2. 前記第1クラッチと第2クラッチと第3クラッチとをトルク伝達可能に係合させるとともに、前記第4クラッチおよび第5クラッチをトルクを伝達しないように解放させることにより、前記第1電動機および第2電動機を前記駆動軸に一体となって回転するように連結するEV走行モードを設定するEV走行モード設定手段を更に備えている請求項1に記載の駆動制御装置。
  3. 前記固定変速比モード設定手段に替えて、前記第1クラッチと第2クラッチと第3クラッチとをトルク伝達可能に係合させるとともに、前記第4クラッチおよび第5クラッチをトルクを伝達しないように解放させることにより、前記第1電動機および第2電動機を前記駆動軸に一体となって回転するように連結するEV走行モードを設定するEV走行モード設定手段を備えている請求項1に記載の駆動制御装置。
  4. 前記第1電動機の出力軸を固定可能なブレーキを更に備えている請求項1ないし3のいずれかに記載の駆動制御装置。
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