JP2009059449A - 光ピックアップ - Google Patents
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Abstract
【課題】2レンズ方式でありながら、両対物レンズの移動軌跡を夫々光ディスクのラジアル軸上に配置することができる光ピックアップを、提供する。
【解決手段】レーザ光源8から射出されたレーザ光は、コリメートレンズ12によって平行光に変換された状態で、立上げミラー15によって、光ディスクに向けて反射される。対物レンズアクチュエータ16は、立上げミラー15によって折り曲げられたコリメートレンズ12の光軸lに直交する方向に設置された回転軸16aを中心に回動するフレームと、各対物レンズ23,24を夫々保持し且つフォーカシング方向及びトラッキング方向に駆動すべく当該フレーム上に設置された第1対物レンズアクチュエータ32及び第2対物レンズアクチュエータ33とから、構成されておいる。そのため、フレームが回動すると、各対物レンズ23,24が、選択的に、コリメートレンズ12の光軸l上に配置される。
【選択図】図2
【解決手段】レーザ光源8から射出されたレーザ光は、コリメートレンズ12によって平行光に変換された状態で、立上げミラー15によって、光ディスクに向けて反射される。対物レンズアクチュエータ16は、立上げミラー15によって折り曲げられたコリメートレンズ12の光軸lに直交する方向に設置された回転軸16aを中心に回動するフレームと、各対物レンズ23,24を夫々保持し且つフォーカシング方向及びトラッキング方向に駆動すべく当該フレーム上に設置された第1対物レンズアクチュエータ32及び第2対物レンズアクチュエータ33とから、構成されておいる。そのため、フレームが回動すると、各対物レンズ23,24が、選択的に、コリメートレンズ12の光軸l上に配置される。
【選択図】図2
Description
本発明は、二種類以上の光ディスクの記録層に情報記録又は情報読出のためにレーザ光を照射する光ピックアップに関する。
CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)のような光ディスクに記録されている光情報を読み出したり、光ディスクに対して光情報を書き込むための各種光ディスクドライブ装置に用いられる光ピックアップは、一般に、レーザ光源から射出されたレーザ光を、光記録媒体の記録層に収束する構成となっている。
ところで、次世代DVDであるブルーレイディスクやHD DVD用には、従来のDVDやCD用のレーザ光の半分程度の波長の光が用いられるので、対物レンズの焦点深度が狭くなり、そのため、レーザ光源のパワー変化や温度変化に伴う発振波長の変化に因るデフォーカスを防止すべく、色収差を高度に補正する必要がある。更に、ブルーレイディスクにおいては、高密度記録を実現するため、対物レンズの開口数を大きくするとともに(NA=0.85)、従来のDVDやCDよりも保護層を薄くしているので、保護層厚のバラツキにより、球面収差の発生が顕著であった。
そのため、一つの対物レンズにより、これらブルーレイディスク又はHD DVDとCD又は/及びDVDとに対応するためには、前者の光ディスクと後者の光ディスクに要求される仕様が大きく異なるので、設計上犠牲にせざるを得ない要素が多く、高度な設計及び製造技術を要するために、却ってコスト高になるという問題があった(1レンズ方式)。
そこで、ブルーレイディスク又はHD DVD用の対物レンズとDVD又は/及びCD用の対物レンズとを別個に用意した方式(2レンズ方式)が、開発されている(特許文献1,図1及び図2)。即ち、特許文献1に記載された光ピックアップでは、二波長発光可能なレーザダイオードから夫々射出されたブルーレイディスク用のレーザ光とCD又はDVD用のレーザ光とは、コリメータレンズによってほぼ平行光に変換された後に、ビームスプリッタによって分離される。そして、ブルーレイディスク用のレーザ光はビームスプリッタによって反射されることにより直接ブルーディスクに向けて進行し、ブルーレイディスク用に設計された対物レンズによって、ブルーレイディスクの記録層に収束される。一方、CD又はDVD用のレーザ光は、ビームスプリッタを透過した後にミラーによって反射されることによりCD又はDVDに向けて進行し、CD及びDVD用に設計された対物レンズによって、CD又はDVDの記録層に収束される。
上述した両対物レンズは、光ピックアップを構成する他の光学部材とともに、光ディスクの径方向にスライド可能に設置された筐体(キャリッジ)に搭載され、この筐体(キャリッジ)がスライド駆動されることによって、両対物レンズの粗動トラッキングがなされる。即ち、両対物レンズは、筐体(キャリッジ)がスライドすることによって、読取又は書込対象のトラックへ移動する。
特開2005-327388号
特許文献1の図1に示されるように、両対物レンズによる読出及び書込対象トラックを、光ディスクの最内周トラックに限りなく近づけようとするならば、両対物レンズの並び方向と筐体(キャリッジ)の移動方向とを直交させる必要がある。このようにした場合、両対物レンズは相互に並行移動するので、何れか一方の対物レンズが光ディスクのラジアル軸方向に移動するように配置した場合、すなわちディスク記録面のピット列の接線とラジアル軸とを直交するように配置した場合、他方の対物レンズの移動軌跡は、光ディスクのラジアル軸の方向からずれてしまう。そのため、光ディスクの外周近傍に両対物レンズが存在する場合には、ピット列半径が大きいため各対物レンズの光軸がほぼ同一のトラック上に存在し、ラジアル軸上に配置されていない他方の対物レンズのトラッキング方向も、ピット列にほぼ直交するが、両対物レンズが光ディスクの内周側に近づくにつれて、他方の対物レンズによる書込及び読出対象のトラックずれが拡大し、トラッキング方向とピット列方向が直交方向ではなくなってくる。このためトラッキングエラー信号にいわゆる「トラッキング・オフセット」が生じ、その為に、トラッキングエラー信号が劣化してしまうという問題が生じていた。
この「トラッキング・オフセット」の問題を解決するために、両対物レンズの並び方向と筐体(レンズホルダ)の移動方向とを一致させると、両対物レンズの移動軌跡が共に光ディスクのラジアル軸方向と一致するので、上述した「トラッキング・オフセット」及びトラッキングエラー信号の劣化は生じないが、外周側に配置された対物レンズを光ディスクの最内周トラックに近づけることができなくなるという問題を生じる。
そこで、本発明は、2レンズ方式の光ピックアップにおいて、両対物レンズの移動軌跡を夫々光ディスクのラジアル軸上に配置することができ、その為にトラッキングエラー信号が劣化することのない光ピックアップの提供を、課題とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。即ち、本発明による光ピックアップは、2種類以上の波長帯域から選択された波長帯域のレーザ光を、夫々の波長帯域に対応した二つの対物レンズのうちの前記レーザ光の波長帯域に対応した対物レンズを通じて、前記レーザ光の波長帯域に対応した光ディスクに収束する光ピックアップであって、2種類以上の波長帯域のレーザ光を選択的に発散光として射出するレーザ光源部と、このレーザ光源部から射出されたレーザ光が入射するコリメートレンズと、このコリメートレンズの光軸上に前記二つの対物レンズを交換自在に配置する対物レンズアクチュエータユニットとを有し、前記対物レンズアクチュエータユニットは、前記光ディスクのラジアル軸方向と平行な回転軸を中心として回動するフレームと、当該フレーム上に夫々搭載され、当該フレームが第1の回転位置にある時に第1の対物レンズを前記コリメートレンズの光軸と同軸且つその光軸方向に位置調整可能に保持する第1の対物レンズアクチュエータ,及び、当該フレームが第2の回転位置にある時に第2の対物レンズを前記コリメートレンズの光軸と同軸且つその光軸方向に位置調整可能に保持する第2の対物レンズアクチュエータとを備えることを、特徴とする。
このように構成されると、各対物レンズは、使用時においては、コリメートレンズの光軸上に配置される。従って、この光ピックアップが搭載されているキャリッジが、当該コリメートレンズの光軸の移動軌跡が光ディスクのラジアル軸と重なるように移動する限り、「トラッキング・オフセット」の問題が生じることも、トラッキングエラー信号が劣化することもない。また、フレームの回転軸が光ディスクのラジアル軸方向を向いていることから、各対物レンズは、当該ラジアル軸に直交する方向に並ぶことになる。従って、何れの対物レンズを使用する場合でも、使用中の対物レンズを光ディスクの最内周トラックに近づけることができる。また、各対物レンズアクチュエータは、夫々一つの対物レンズのみを保持するだけであるので、この対物レンズを保持するためのホルダ類も最小限のもので済み、よって、各対物レンズアクチュエータが駆動する対象物の質量を抑えることができる。よって、各対物レンズの移動がレスポンス良くなるとともに、消費電力及び発熱量を抑えることができる。
以上のように構成された本発明の光ピックアップによると、2レンズ方式の光ピックアップであるにも拘わらず、両対物レンズを夫々使用する際における移動軌跡を、共に、光ディスクのラジアル軸と一致させることができ、その為に、使用中の対物レンズを通じて得られるトラッキングエラー信号が劣化することを防止することができる。
以下、図面に基づいて本発明による光ピックアップの実施の形態を、説明する。以下に説明する実施の形態は、本発明による光ピックアップを、CD,DVDとともにブルーレイディスクを読出/書込対象光ディスクとした光ディスクドライブ装置に、組み込んだものである。
図1は、本実施形態による光ディスクドライブ装置の斜視図である。この図1に示すように、この光ディスクドライブ装置は、図示せぬパーソナルコンピュータ,ビデオレコーダー等の筐体に組み込まれる薄型の箱状のケーシング1と、このケーシング1から引き出し状に進退可能なトレー2とから、構成されている。このトレー2には、クランプ3及びキャリッジ4が組み込まれている。
図1に示す光ディスク装置では、トレー2の上面には、光ディスクDを搭載してその回転を可能とするように、光ディスクの円形の外縁に合わせて凹んだディスク載置部2aが、形成されている。このディスク載置部2aの中心に、クランプ3が埋め込まれている。このクランプ3は、光ディスクDの中央に穿たれた穴にその先端が嵌め込まれてこれをクランプする軸を内蔵したダイレクトドライブモータによって、回転させる。その結果、クランプ3は、光ディスクDを回転させることができるのである。
キャリッジ4は、光ピックアップを内蔵しており、ディスク載置部2aの底面に形成された切り欠き2b内に、2本のレール5,6によって、クランプ3に保持された光ディスクのラジアル方向にスライド自在に保持されている。即ち、このキャリッジ4の上面には、光ピックアップに含まれる対物レンズ23,24を露出する窓4dが穿たれており、この窓の移動軌跡が上記ラジアル方向と一致するように、上記レール5,6が設置されているのである。そして、キャリッジ4の内部には、光ピックアップを収容するための空洞が形成されている。
図2は、このキャリッジ4内に内蔵された光ピックアップを構成する各光学部品の光学構成を示している。
光ピックアップを構成する光学部品とは、青色レーザダイオード8,ビームシェーパー9,ビームスプリッタ10,第1ダイクロイックプリズム11,コリメートレンズ12,液晶収差補正素子13,広帯域1/4波長板14,立上げミラー15,対物レンズ(青色用対物レンズ23,赤色/赤外用対物レンズ24),第2ダイクロイックプリズム17,CD用レーザユニット18,DVD用レーザユニット19,センサレンズ21,受光素子22である。
青色レーザダイオード8は、図示せぬ制御ユニットから駆動電流を供給されると青色の波長帯域(405nm)のレーザ光を射出するレーザダイオードである。
ビームシェーパー9は、青色レーザダイオード8から射出されたレーザ光のビーム断面を円形に成形するプリズムである。
ビームスプリッタ10は、ビームシェーパー9から発散光として射出されたレーザ光の光路中に配置され、当該光路に対して45度傾いた分離面10aを有するプリズム(偏光ビームスプリッタ)である。即ち、このビームスプリッタ10の分離面10aは、レーザ光源8から特定方向に振動する直線偏光として射出されたレーザ光を第1ダイクロイックプリズム11に向けて透過する。また、青色用対物レンズ23を通じてブルーレイディスク30の記録層に入射した当該レーザ光が当該記録層に記録された情報によって変調された状態で反射された場合に、第1ダイクロイックプリズム11を通じて戻ってきた反射光は、その直線偏光の方向が90度回転しているので、当該分離面10aは、当該反射光をサーボレンズ21に向けて反射する。
センサレンズ21は、ビームスプリッタ10の分離面10aによって反射されたレーザ光を、受光素子22の受光面に収束するレンズである。
受光素子22の受光面は、公知のように、センサレンズ21の光軸を中心として多分割されており、分割された領域にて夫々入射した反射光の光量を検知する。なお、このように各領域で夫々検知された入射光量の値は、図示せぬ制御ユニットにより演算されて、それにより、ブルーレイディスク30の記録層に記録されている情報を示す再生信号,青色用対物レンズ23によって収束されたレーザ光の収束点とブルーレイディスク30の記録面とのズレを示すフォーカスエラー信号,上記収束点と上記記録面上のトラックとのズレを示すトラッキングエラー信号が、夫々得られる。
第1ダイクロイックプリズム11は、ビームスプリッタ10を透過したレーザ光の光路中に配置され、当該光路に対して45度傾いたダイクロイック面11aを有する。このダイクロイック面11aは、入射角45度にて入射した青色の波長帯域(405nm前後)の光を透過し、入射角45度にて入射した赤色及び赤外の波長帯域(650nm〜790nm)の光を反射する。
コリメートレンズ12は、コリメートレンズ用アクチュエータ25により、その光軸が青色レーザダイオード8の発光点を向く方向に向けられて保持された正レンズであり、基準位置にある場合に、第1ダイクロイックミラー11を透過したレーザ光を発散光から平行光へ変換するように、屈折させる。コリメータレンズ用アクチュエータ25は、図示せぬ制御ユニットからの制御信号に応じてコリメートレンズ12をその光軸方向に移動させる公知の機構であり、図示せぬ制御ユニットは、ブルーレイディスク21の保護層のバラツキや記録層の切り換え(片面多数層の場合)に伴ってブルーレイディスク21の記録層によって生じる球面収差を対物レンズによって補正するべく、コリメートレンズ用アクチュエータ25を移動制御し、コリメートレンズ12から射出されるレーザ光の発散又は収束の度合を調整する。
液晶収差補正素子13は、これを透過するレーザ光のビーム軸を中心軸としてパターン形成された複数の電極に図示せぬ制御ユニットからの電圧を夫々印加することによって各電極下に在る液晶材料の屈折率の分布を変化させ、これにより、当該レーザ光の光ディスク上での諸収差(コマ収差、非点収差)を補正する素子である。
広帯域1/4波長板14は、公知のように、各レーザダイオードから直線偏光として発したレーザ光を円偏向に変換するとともに、各光ディスクの記録面によって反射された反射光の円偏向を直線偏光に変換する素子である。
立上げミラー15は、コリメートレンズ12の光軸を光ディスクに向けて90度折り曲げ、広帯域1/4波長板14を透過したレーザ光を当該光軸に沿って反射する反射鏡である。
一方、第2ダイクロイックプリズム17は、第1ダイクロイックプリズム11のダイクロイック面11aにて折り曲げられたコリメートレンズ12の光軸上に配置され、当該光軸に対して45度傾いたダイクロイック面17aを有している。このダイクロイック面17aは、入射角45度にて入射した赤外帯域(780nm前後)の光を透過し、入射角45度にて入射した赤色帯域(650nm前後)の光を反射する。
CD用レーザユニット18は、赤外帯域(780nm前後)のレーザ光を発するレーザダイオードと受光素子とをワンチップ上に並べて形成してなる回路素子である。このCD用レーザユニット18上のレーザダイオードから発したレーザ光は、第2ダイクロイックプリズム17を透過し、第1ダイクロイックプリズム11のダイクロイック面11aにより反射され、コリメートレンズ12により平行光に変換される。また、赤色/赤外用対物レンズ24を通じて図示せぬCDの記録層に入射した当該レーザ光が当該記録層に記録された情報によって変調された状態で反射された場合に、第1ダイクロイックプリズム11及び第2ダイクロイックプリズム17を通じて戻ってきた反射光は、CD用レーザユニット18上の受光素子によって受光される。この受光素子の受光面も、上述した受光素子22と同様に、多分割されており、各領域で夫々検知された入射光量の値に基づいて、再生信号,フォーカスエラー信号,トラッキングエラー信号が得られる。
DVD用レーザユニット19は、赤色帯域(650nm前後)のレーザ光を発するレーザダイオードと受光素子とをワンチップ上に並べて形成してなる回路素子である。このCD用レーザユニット18上のレーザダイオードから発したレーザ光は、第2ダイクロイックプリズム17のダイクロイック面17aにて反射され、第1ダイクロイックプリズム11のダイクロイック面11aにより更に反射され、コリメートレンズ12により平行光に変換される。また、赤色/赤外用対物レンズ24を通じてDVD31(図3参照)の記録層に入射した当該レーザ光が当該記録層に記録された情報によって変調された状態で反射された場合に、第1ダイクロイックプリズム11及び第2ダイクロイックプリズム17を通じて戻ってきた反射光は、DVD用レーザユニット19上の受光素子によって受光される。この受光素子の受光面も、上述した受光素子22と同様に、多分割されており、各領域で夫々検知された入射光量の値に基づいて、再生信号,フォーカスエラー信号,トラッキングエラー信号が得られる。
以上に説明した青色レーザダイオード8,ビームシェーパー9,ビームスプリッタ10,第1ダイクロイックプリズム11,第2ダイクロイックプリズム17,CD用レーザユニット18及びDVD用レーザユニット19が、2種類以上の波長帯域のレーザ光を選択的に発散光として射出するレーザ光源部に相当する。
青色用対物レンズ23は、コリメートレンズ12によって平行光とされた青色レーザダイオード8からの青色帯域のレーザ光を、クランプ3に保持されたブルーレイディスク30の記録層に収差なく収束できるように設計された単レンズである。
また、赤色/赤外用対物レンズ24は、コリメートレンズ12によって平行光とされたCD用レーザユニット18からの赤外帯域のレーザ光をクランプ3に保持されたCD(図示略)の記録層に収差なく収束し、且つ、コリメートレンズ12によって平行光とされたDVD用レーザユニット19からの赤色帯域のレーザ光をクランプ3に保持されたDVD(図示略)の記録層に収差なく収束できるように設計された単レンズである。なお、DVDの記録層にレーザ光を収束するために要求される開口数NAが0.65であるのに比較して、CDの記録層にレーザ光を収束するために要求される開口数NAが0.45〜0.53であることから、DVD用の赤色帯域のレーザー光の有効光束径と比較して、CD用の赤外帯域のレーザ光の有効光束径を小さく制限する必要がある。かかる光束径の制限手段としては、例えば、赤色/赤外用対物レンズ24におけるCD用の有効光束径の外側に、赤外帯域の光を分散する回折構造を形成すれば良い。
これら青色用対物レンズ23及び赤色/赤外用対物レンズ24は、後述する対物レンズアクチュエータユニット16によって保持されて、立上げミラー15によって折り曲げられたコリメートレンズ12の光軸上に、交換自在に配置される。
この対物レンズアクチュエータユニット16は、各対物レンズ23,24を夫々保持する第1対物レンズアクチュエータ32及び第2対物レンズアクチュエータ33を搭載し、各対物レンズアクチュエータ32,33ごと各対物レンズ23,24を所定の回転軸16aを中心として回動させることによって、上述した対物レンズ23,24の交換を行う。
図4は、この対物レンズアクチュエータユニット16のクランプ3に対する相対位置関係を示す斜視図であるが、図示を簡略化するために、主要部品の他を省略している。図2乃至図4に示されるように、この対物レンズアクチュエータユニット16は、立上げミラー15によって折り曲げられたコリメートレンズ12の光軸lに直交するとともにクランプ3に保持された光ディスクのラジアル軸方向(トラッキング方向)と平行となるように設定された回転軸16aにより、軸支されている。即ち、この対物レンズアクチュエータユニット16は、この回転軸16aにより軸支されたフレーム34上に、青色用対物レンズ23を保持及び駆動(フォーカシング,トラッキング)するための第1対物レンズアクチュエータ32と、赤色/赤外用対物レンズ24を保持及び駆動(フォーカシング,トラッキング)するための第2対物レンズアクチュエータ33とを搭載することによって、構成されている。
このフレーム34は、回転軸16a上から見た形状が夫々略菱形であってレーザ光の光路を互いに挟むように設置された一対の軸受板34a,34aと、これら両軸受板34a,34aの間に掛け渡されたベース板34bとを、一体に有している。回転軸16aは、両軸受板34a,34aにおける上記略菱形の鈍角同士を結ぶ左右対称軸上の、ベース板34bから遠い側の角近傍を貫いており、軸受板34aは、この回転軸16aを中心として、左右対称軸とコリメートレンズ12の光軸lとが平行となる回転位置から左右に所定角度回動することができる。上記ベース板34bは、両軸受板34a,34aの縁に沿って設けられており、上記左右対称軸を中心とした左右対称の形状を有している。そして、ベース板34bにおける図2の左端近傍は、フレーム34全体が図2における反時計方向に回動しきった状態において、コリメートレンズ12の光軸lに直交する方向に拡がる平板状部34cとなっており、その端部は、光ディスクに向けて直角に立ち上がった壁部34dとなっている。上述した第1対物レンズアクチュエータ32は、この平板状部34cの上面と壁部34dの側面との間の空間に設置されている。即ち、図4に示すように、青色用対物レンズ23を保持するためのレンズホルダ32aは、壁部34dの側面に植設された4本のワイヤーによって支持されることにより、図2に示す位置(図2における時計方向に回動しきった位置)においてフォーカシング方向(光ディスクの記録面に直交し且つレーザ光のビーム軸に平行な方向)及びトラッキング方向(光ディスクのラジアル軸に平行な方向)に夫々揺動可能となっており、公知の磁石,鉄心コイル等によって構成されるリニア電磁ソレノイド33bにより、フォーカシング方向及びトラッキング方向に駆動される。なお、青色用対物レンズ23は、レンズホルダ32aにおける上記左右対称軸に近接した端部において、その光軸が回転軸16aに交差するように保持されている。
同様に、ベース板34bにおける図2の右端近傍は、フレーム34全体が図2における反時計方向に回動しきった図3に示す状態において、コリメートレンズ12の光軸lに直交する方向に拡がる平板状部34eとなっており、その端部は、光ディスクに向けて直角に立ち上がった壁部34fとなっている。上述した第2対物レンズアクチュエータ33は、この平板状部34eの上面と壁部34fの側面との間の空間に設置されている。即ち、図4に示すように、赤色/赤外用対物レンズ24を保持するためのレンズホルダ33aは、壁部34fの側面に植設された4本のワイヤーによって支持されることにより、図3に示す位置(図2における反時計方向に回動しきった位置)においてフォーカシング方向及びトラッキング方向に夫々揺動可能となっており、リニア電磁ソレノイド33bにより、フォーカシング方向及びトラッキング方向に駆動される。なお、赤色/赤外用対物レンズ24は、レンズホルダ33aにおける上記左右対称軸に近接した端部において、その光軸が回転軸16aに交差するように保持されている。
なお、ベース板34bにおける各対物レンズ23,24と回転軸16aとの間の箇所には、レーザ光を通過させるためのスリット34gが穿たれている。また、対物レンズアクチュエータユニット16全体の回動は、図示せぬ制御ユニットからの制御信号に応じて動作する、公知のロータリーソレノイド機構35によって行われる。
以上に説明した構成を有することにより、対物レンズアクチュエータユニット16全体が図2における時計方向に回転しきると、青色用対物レンズ23が立上げミラー15によって折り曲げられたコリメートレンズ12の光軸l上に配置され、キャリッジ4の窓4dを通じて光ディスク(ブルーレイディスク30)に対向する。また、対物レンズアクチュエータユニット16全体が図2における反時計方向に回転しきった図3に示す状態になると、赤色/赤外用対物レンズ24が立上げミラー15によって折り曲げられたコリメートレンズ12の光軸l上に配置され、キャリッジ4の窓4dを通じて光ディスク(図示せぬCD又はDVD31)に対向する。
図示せぬ制御ユニットは、光ディスクドライブ装置のクランプ3に図示せぬCDが装着されていると判断した場合には、ロータリーソレノイド機構35を制御することにより、赤色/赤外用対物レンズ24をコリメートレンズ12の光軸l上に配置させるとともに、CD用レーザユニット18上のレーザダイオードから、赤外帯域(780nm前後)のレーザ光を射出させる。このレーザ光は、上述したようにして立上げミラー15まで導かれ、この立上げミラー15によって反射されて赤色/赤外用対物レンズ24に入射し、NAが0.45〜0.53となるように絞られた状態で、図示せぬCDの記録層に収束される。この記録層で反射されたレーザ光は、当該記録層に記録された情報に応じて変調された状態で、上述したようにCD用レーザユニット18に戻り、その受光素子に入射する。この受光素子からの出力信号に基づき、図示せぬ制御ユニットは、上述した各信号を算出して、再生信号を出力するとともに、第2対物レンズアクチュエータ33を制御する。
また、図示せぬ制御ユニットは、クランプ3にDVD31が装着されていると判断した場合には、DVD用レーザユニット19上のレーザダイオードから、赤色帯域(650nm前後)のレーザ光を射出させる。このレーザ光は、上述したようにして立上げミラー15まで導かれ、この立上げミラー15によって反射されて赤色/赤外用対物レンズ24に入射し、NAが0.65となる光束径を維持したまま、DVD31の記録層に収束される。この記録層で反射されたレーザ光は、当該記録層に記録された情報に応じて変調された状態で、上述したようにDVD用レーザユニット19に戻り、その受光素子に入射する。この受光素子からの出力信号に基づき、図示せぬ制御ユニットは、上述した各信号を算出して、再生信号を出力するとともに、第2対物レンズアクチュエータ33を制御するとともに、読取時においては再生信号を出力し、記録時においては、DVD用レーザユニット19からのレーザ光の射出を変調する。
また、クランプ3にブルーレイディスク30が装着されていると判断した場合には、ロータリーソレノイド機構35を制御することにより、青色用対物レンズ23をコリメートレンズ12の光軸l上に配置させるとともに、青色レーザダイオード8から、青色帯域(405nm前後)のレーザ光を射出させる。このレーザ光は、上述したようにして立上げミラー15まで導かれ、この立上げミラー15によって反射されて青色用対物レンズ23に入射し、NAが0.85となる光束径を維持したまま、ブルーレイディスク30の記録層に収束される。この記録層で反射されたレーザ光は、当該記録層に記録された情報に応じて変調された状態で、上述したように受光素子22に戻って受光される。この受光素子22からの出力信号に基づき、図示せぬ制御ユニットは、上述した各信号を算出して、再生信号を出力するとともに、第1対物レンズアクチュエータ32を制御するとともに、読取時においては再生信号を出力し、記録時においては、青色レーザダイオード8からのレーザ光の射出を変調する。
以上に説明した本実施形態によれば、対物レンズアクチュエータユニット16は、回転軸16a回りに回動することによって、青色用対物レンズ23及び赤色/赤外用対物レンズ24を、選択的且つ交換自在に、立上げミラー15によって折り曲げられたコリメートレンズ12の光軸l上に配置することができる。そして、この対物レンズアクチュエータユニット16を搭載したキャリッジ4がレール5,6に沿って移動することにより、何れの対物レンズ23,24がコリメートレンズ12の光軸上に配置されていても、クランプ3に保持された光ディスクのラジアル軸に沿って移動することになる。従って、従来におけるような「トラッキング・オフセット」及びトラッキングエラー信号の劣化の問題は生じない。また、この交換に伴って各対物レンズ23,24の光源側面の位置が変化するが、基準位置に在るコリメータレンズ12が各レーザ光を平行光に変換しているので、面の位置の差に起因する問題は生じない。
また、対物レンズアクチュエータユニット16の回転軸16aが光ディスクのラジアル軸方向を向いていることから、各対物レンズ23,33は、当該ラジアル軸に直交する方向に並ぶことになる。従って、何れの対物レンズ23,33を使用する場合でも、使用中の対物レンズ23,33を光ディスクの最内周トラックに近づけることができる。
また、対物レンズアクチュエータユニット16における対物レンズ23,24の交換の機能を果たすフレーム34上において、各対物レンズ23,24は、夫々、専用のレンズホルダ32a,33aによって保持され、そのレンズホルダ32a,33aごと、各対物レンズアクチュエータ32,33のリニアソレノイド32b,33bによって駆動される。従って、この対物レンズアクチュエータ32a,33aが駆動すべき質量は最小限で済む。即ち、使用中でない他方の対物レンズ24,23やこれを保持するためのレンズホルダ33a,32aを、駆動する必要がない。従って、対物レンズアクチュエータ32,33による各対物レンズ32,33の駆動レスポンスが向上するとともに、対物レンズアクチュエータ32,33に大電流を流す必要がないので、消費電力や発熱量を抑制することができる。
なお、以上説明した実施形態では、青色用対物レンズ23は、ブルーレイディスク30に適合した仕様に設計されていたが、この光ビックアップが搭載される光ディスクドライブ装置が、ブルーレイディスクではなくHD DVDに対応したものである場合には、この青色用対物レンズ23は、HD DVDに適合した仕様に設計されていれば良い。即ち、開口数NAは、405nm前後のレーザ光に対して、0.65前後を満たすように設計されれば良い。
また、コリメートレンズ12の光軸は、光ディスクのラジアル軸方向と平行に向けられていても良い。
3 クランプ
4 キャリッジ
5 レール
6 レール
8 青色レーザダイオード
11 第1ダイクロイックミラー
12 コリメートレンズ
15 立上げミラー
16 アクチュエータユニット
16a 回転軸
18 CD用レーザユニット
19 DVD用レーザユニット
23 青色用対物レンズ
24 赤色/赤外用対物レンズ
32 第1対物レンズアクチュエータ
33 第2対物レンズアクチュエータ
34 フレーム
35 ロータリーソレノイド機構
4 キャリッジ
5 レール
6 レール
8 青色レーザダイオード
11 第1ダイクロイックミラー
12 コリメートレンズ
15 立上げミラー
16 アクチュエータユニット
16a 回転軸
18 CD用レーザユニット
19 DVD用レーザユニット
23 青色用対物レンズ
24 赤色/赤外用対物レンズ
32 第1対物レンズアクチュエータ
33 第2対物レンズアクチュエータ
34 フレーム
35 ロータリーソレノイド機構
Claims (5)
- 2種類以上の波長帯域から選択された波長帯域のレーザ光を、夫々の波長帯域に対応した二つの対物レンズのうちの前記レーザ光の波長帯域に対応した対物レンズを通じて、クランプに保持された光ディスクに収束する光ピックアップであって、
2種類以上の波長帯域のレーザ光を選択的に発散光として射出するレーザ光源部と、
このレーザ光源部から射出されたレーザ光が入射するコリメートレンズと、
このコリメートレンズの光軸上に前記二つの対物レンズを交換自在に配置する対物レンズアクチュエータユニットとを有し、
前記対物レンズアクチュエータユニットは、
前記光ディスクのラジアル軸方向と平行な回転軸を中心として回動するフレームと、
当該フレーム上に夫々搭載され、当該フレームが第1の回転位置にある時に第1の対物レンズを前記コリメートレンズの光軸と同軸且つその光軸方向に位置調整可能に保持する第1の対物レンズアクチュエータ,及び、当該フレームが第2の回転位置にある時に第2の対物レンズを前記コリメートレンズの光軸と同軸且つその光軸方向に位置調整可能に保持する第2の対物レンズアクチュエータとを備える
ことを特徴とする光ピックアップ。 - 前記各対物レンズアクチュエータは、各対物レンズを、互いに近接させて保持する
ことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。 - 前記各対物レンズアクチュエータは、各対物レンズを、その光軸に直交する方向にも位置調整する
ことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。 - 前記光軸に直交する方向とは、前記光ディスクに対するトラッキング方向である
ことを特徴とする請求項3記載の光ピックアップ。 - 前記レーザ光源部,前記コリメートレンズ及び前記対物レンズアクチュエータユニットが、前記クランプに保持された光ディスクのラジアル方向にスライド自在に設けられたキャリッジに搭載されている
ことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007227960A JP2009059449A (ja) | 2007-09-03 | 2007-09-03 | 光ピックアップ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007227960A JP2009059449A (ja) | 2007-09-03 | 2007-09-03 | 光ピックアップ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009059449A true JP2009059449A (ja) | 2009-03-19 |
Family
ID=40555035
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007227960A Pending JP2009059449A (ja) | 2007-09-03 | 2007-09-03 | 光ピックアップ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009059449A (ja) |
-
2007
- 2007-09-03 JP JP2007227960A patent/JP2009059449A/ja active Pending
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