JP2009056768A - 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】吐出能力の高い液体吐出ヘッド7及び、それを備えた液体吐出装置Aを提供する。
【解決手段】圧力室11の一部を区画する弾性部材18、弾性部材18を挟持すると共に、圧力室11の一部を区画する加圧部材15、及び、加圧部材15を変位させるように駆動することでノズル12から液体を吐出させるアクチュエータ19、を備える。弾性部材18は、加圧部材15に挟持される方向の肉厚が薄くかつ、その挟持方向に直交する方向であって、圧力室11からその外方に向かう方向の長さが相対的に長い扁平形状を有している。
【選択図】図2
【解決手段】圧力室11の一部を区画する弾性部材18、弾性部材18を挟持すると共に、圧力室11の一部を区画する加圧部材15、及び、加圧部材15を変位させるように駆動することでノズル12から液体を吐出させるアクチュエータ19、を備える。弾性部材18は、加圧部材15に挟持される方向の肉厚が薄くかつ、その挟持方向に直交する方向であって、圧力室11からその外方に向かう方向の長さが相対的に長い扁平形状を有している。
【選択図】図2
Description
本発明は、液滴を吐出する液体吐出ヘッド及び、それを備えた液体吐出装置に関する。
記録紙に対してインク滴を吐出するインクジェット技術が、近年、エレクトロニクス分野を始めとした様々な分野の製造過程に利用されている。すなわち、液体吐出ヘッドから液体材料を吐出することによって、各種のデバイス製造過程におけるパターンの形成や均一薄膜の形成等が行われている。そうしたパターン形成等に用いられる液体吐出ヘッドには、さらなる小液滴の吐出や高粘度液体の吐出が要求される。それらの要求を満たす吐出能力の高いヘッドを実現するには、圧力室内の液体に、より高い圧力を加える必要がある。
例えば特許文献1に開示されている液体吐出ヘッドでは、圧力室の一部を弾性変形可能な弾性体によって区画形成している。そして、その弾性体に対し、アクチュエータの駆動により変位する加圧板を接合している。この液体吐出ヘッドでは、アクチュエータを駆動させることで加圧板を変位させ、それによって、圧力室の体積を変化させる。この構成の液体吐出ヘッドでは、アクチュエータの駆動により発生したエネルギーを、圧力室内の液体に印加する圧力へと効率的に変換して、その液体に高い圧力を印加することができる。
特許第2721127号公報
ところが、前記文献に記載された構造の液体吐出ヘッドでは、吐出能力を向上させるべく液体に印加する圧力をさらに高めようしても、圧力室内の圧力が高くなるほど、その圧力室を区画形成する弾性体が、圧力室の外方に向かって逃げ変形してしまう。その結果、液体に印加される圧力は、その逃げ変形の分だけ低下してしまう。つまり、従来構造の液体吐出ヘッドは吐出能力をさらに向上させることが難しい、という問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、吐出能力の高い液体吐出ヘッド及び、それを備えた液体吐出装置を提供することにある。
本発明の一側面によると、液体吐出ヘッドは、液体を収容する圧力室の一部を区画する弾性部材、前記弾性部材に対し接合されることで、当該弾性部材を挟んだ反対側の部材との間で前記弾性部材を挟持すると共に、前記圧力室の一部を区画する加圧部材、及び、前記弾性部材の弾性変形を伴いながら、前記加圧部材を変位させるように駆動することで、前記圧力室内の液体に圧力を印加して当該圧力室に連通するノズルから前記液体を吐出させるアクチュエータ、を備え、前記弾性部材は、前記加圧部材に挟持される方向の肉厚が薄くかつ、その挟持方向に直交する方向であって、前記圧力室からその外方に向かう方向の長さが相対的に長い扁平形状を有している。
この構成によると、液体吐出ヘッドは、アクチュエータの駆動により、弾性部材に接合された加圧部材が変位することで、圧力室内の液体に対し圧力が印加される。そうして、その圧力室に連通するノズルから液体が吐出することになる。
前記圧力室内の液体に圧力が印加されたときには、その圧力室の一部を区画する弾性部材に対しても力が加わる。肉厚が薄くかつ、圧力室からその外方に向かう方向の長さが相対的に長い扁平形状を有している弾性部材は、加圧部材と弾性部材を挟んだ反対側の部材とによって挟持されていることから、その弾性部材は、圧力室から離れるにつれて加圧部材と前記反対側の部材による拘束によって剛体的になる。これにより圧力室内の圧力が高くなっても、弾性部材に、圧力室の外方に向かう、たわみ変形は生じず、よって、弾性部材が圧力室の外方に向かって逃げ変形することが抑制される。その結果、圧力室内の液体に対して高い圧力が印加可能になり、液体吐出ヘッドの吐出能力が向上する。
前記弾性部材は、肉厚をtとし、前記圧力室からその外方に向かう方向の長さの平均をLとしたときに、L≧10tを満たしている、としてもよい。こうすることで、前述した、弾性部材の逃げ変形が確実に抑制される。
前記弾性部材は、その体積弾性率が1GPa以上に設定されている、としてもよい。つまり、弾性部材としては、圧力室内の液体に対して圧力が印加されたときに、圧力室の外方に向かう方向に、圧縮変形し難いものであることが望ましい。そうすることによって、圧力室内の液体に印加する圧力が低下せず、液体吐出ヘッドの吐出能力が向上する。
前記液体吐出ヘッドは、前記弾性部材と圧力室との間に介在して当該圧力室の内壁面を構成する薄膜部材をさらに備えている、としてもよい。
薄膜部材によって弾性部材が圧力室内の液体に直接触れなくなるため、弾性部材の耐食性が向上する。
本発明の他の側面によると、液体吐出装置は、上述した液体吐出ヘッドを備える。このため、吐出能力の高い液体吐出装置が実現する。
以上説明したように、本発明によると、加圧部材によって挟持されて、圧力室の一部を区画する弾性部材を扁平形状にすることによって、圧力室内の液体に圧力を印加したときに、弾性部材が圧力室の外方に逃げ変形することを防止することができる。その結果、圧力室内の液体に対して高い圧力を印加して液体吐出ヘッドの吐出能力を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
図1は、液体吐出装置Aの概略構成を示している。この液体吐出装置Aは、一又は複数のヘッド本体91(図2等参照)を備えた液体吐出ヘッド7と、被記録物4を支持するステージ31と、を備えている。
図1は、液体吐出装置Aの概略構成を示している。この液体吐出装置Aは、一又は複数のヘッド本体91(図2等参照)を備えた液体吐出ヘッド7と、被記録物4を支持するステージ31と、を備えている。
液体吐出ヘッド7は、装置基台6に支持されたヘッド移動装置2によって主走査方向(図1に示すX方向)に往復移動し、ステージ31は、同じく装置基台6に支持されたステージ移動装置3によって副走査方向(図1に示すY方向)に往復移動する。
ヘッド移動装置2は、液体吐出ヘッド7を支持するキャリッジ7aを含む。キャリッジ7aは、主走査方向に延びるキャリッジ軸7bにガイドされ、図示を省略する駆動源(例えばモータ)によって、主走査方向に往復移動する。
ステージ移動装置3は、主走査方向に所定間隔を開けて配置されかつ、それぞれ副走査方向に延びる2つのステージ軸32,32を含む。ステージ31はこれらのステージ軸32,32にガイドされ、図示を省略する駆動源(例えばモータ)によって、副走査方向に往復移動する。
液体吐出装置Aはこの構成によって、液体吐出ヘッド7とステージ31上の被記録物4とを相対移動させながら、液体吐出ヘッド7(ヘッド本体91)から被記録物4に向かって液体材料を吐出し、被記録物4上に所望のパターンや均一薄膜等を形成する。
図2に示すように、ヘッド本体91は、液体材料が収容される圧力室11と、その圧力室11に連通するノズル12とを備えている。このヘッド本体91は、ノズル12が形成されたノズル板13と、圧力室11の側面を区画する圧力室部材14と、圧力室11の上面を区画する加圧部材15と、アクチュエータ19と、を積層した積層構造を有している。尚、以下においては、図2における上下方向をヘッド本体91における上下方向、図2における左右方向をヘッド本体91における左右方向と呼ぶ。
ノズル板13は、例えば約0.3mm厚のステンレス鋼からなる板状の部材であり、その上面によって圧力室11の底面が区画される。
ノズル12は、ノズル板13に対して、その板厚方向に貫通して形成されており、その径が基端から先端に向かって小さくなるテーパ形状を有している。基端開口の径は、例えば約φ0.2mm、先端開口の径は、例えば約φ0.03mmとすればよい。
尚、このノズル板13の下面は、図示は省略するが、液体材料の吐出安定性の観点から、撥水膜で被覆されていることが好ましい。この撥水膜は、公知の方法により形成することが可能である。
圧力室部材14は、例えば約0.4mm厚のステンレス鋼からなる板状部材であり、前記ノズル板13の上面に対して接着層を介して接着されている。圧力室部材14には、その厚み方向に貫通する圧力室用孔14aが形成されている。圧力室用孔14aは、その内周面によって圧力室11の側面を区画する孔であり、例えば横断面円形状に形成すればよい。また、圧力室用孔14aの直径は、例えば約φ0.25mmとすればよい。
圧力室部材14にはまた、その板厚方向の略中間部を水平方向に延びて圧力室用孔14aに連通する供給口14bが形成されている。供給口14bは、図示は省略する液体材料の供給源から圧力室11内に、液体材料を供給するための孔である。供給口14bは、例えば一辺の長さが約0.07mmの横断面矩形状の孔としてもよい。
加圧部材15は、例えばその厚みが約2.0mmの、ステンレス鋼からなる板状部材であり、前記圧力室部材14の上面に対して弾性部材18を介して接合されている。圧力室11の上面は、この加圧部材15の下面によって区画される。
弾性部材18は、後述するように、アクチュエータ19の駆動に伴い加圧部材15が上下方向に変位することで弾性的に伸縮変形して、圧力室11の体積を変化させるための部材である。弾性部材18は、図2,3に示すように、その肉厚が、その幅及び長さに比べて大幅に薄い扁平な形状を有している。弾性部材18は、一辺の長さが例えば2.0mm程度の矩形板状の部材として、その肉厚は例えば0.03mm程度とすればよい。
弾性部材18には、その中央位置に、厚み方向に貫通した貫通孔18aが形成されており、この貫通孔18aは、前記圧力室部材14の圧力室用孔14aの上側にこの圧力室用孔14aと同軸に配置されることによって、圧力室用孔14aと共に圧力室11の側面の一部を区画する。貫通孔18aの径は、例えば0.25mm程度とすればよい。
弾性部材18は、その肉厚をt、肉厚に直交する方向であって圧力室(貫通孔18a)から外方に向かう方向の長さの平均をLとしたときに、L≧10tを満たしていることが好ましい。これは、後述するように、弾性部材18の圧力室外方への逃げ変形を防止するためである。尚、長さの平均Lは、弾性部材18の肉厚方向に直交する方向に広がる面の面積を、貫通孔18aの縁から弾性部材18の縁までの間の中央位置を通る線の周長(図3における一点鎖線参照)で割った値と等しい。
弾性部材18はまた、例えばそのヤング率が4MPa程度、体積弾性率が2GPa程度の材料によって構成すればよい。こうすることで、後述するように、アクチュエータ19の駆動に伴う変形が比較的容易になる一方で、圧力室11内の液体の圧力が高まったときに、圧力室11の外方に向かって圧縮変形することは、し難くなる。つまり、圧力室11内の液体材料に高い圧力を印加する上で有利になる。また、弾性部材18は、液体材料に対する耐食性を考慮して、例えば耐溶剤性のゴム、具体的にはフッ素ゴムやシリコンゴム等によって形成してもよい。
アクチュエータ19は、例えばその厚みが1.0mm程度の積層型圧電体からなり、その下面が加圧部材15の上面に対して接合されている。アクチュエータ19は、図2では図示を省略する電極に電圧が印可されることによって、図2における上下方向に伸縮変形する(図2の矢印参照)。アクチュエータ19の伸縮駆動に伴い、加圧部材15が図2における上下方向に変位し、それに伴い弾性部材18が上下方向に伸縮変形する。そのことで圧力室11の体積が増減するようになっている。
次に、上記構成のヘッド本体91の動作について説明する。供給口14b、圧力室11、及びノズル12内のそれぞれに液体材料が充填された状態でアクチュエータ19に所定の電圧(例えば20V)を印可する。このことによって、アクチュエータ19を伸長変形させる(同図の矢印参照)。
アクチュエータ19の伸長変形に伴い加圧部材15は下方に変位するため、弾性部材18が収縮変形し、圧力室11内の液体材料に対して圧力が印加される。そうして液体材料がノズル12から押し出されて被記録物4に向かって液滴として吐出される。液滴は被記録物4の上面にドット状に付着する。
アクチュエータ19への電圧印加を解除することによって、伸長していたアクチュエータ19が元に戻り、加圧部材15が上方に変位して圧力室11の体積が元に戻る。このときに、液体材料の供給源から供給口14bを介して、液体材料が圧力室11内に補充される。
このヘッド本体91では、加圧部材15と圧力室部材14とによって挟持される弾性部材18が扁平形状を有している。このため、弾性部材18において、圧力室11から離れた側の部分、例えば図2に示す状態で、ヘッド本体91の左右の端部に近い辺りの弾性部材18は、加圧部材15と圧力室部材14とに拘束されることで剛体的になる。そのため、アクチュエータ19の駆動によって弾性部材18を積層方向に圧縮したときに、圧力室11の圧力が高まることでその弾性部材18が圧力室11の外方に向かってたわみ変形しようとするが、そのたわみ変形が抑制される。
また、弾性部材18は、その体積弾性率が比較的高いため、圧力室11内の液体に対して圧力が印加されたときに、圧力室11の外方に向かう方向に、圧縮変形し難くなっている。
その結果、弾性部材18の、圧力室11外方への逃げ変形が防止されるため、圧力室11内の液体材料に、高い圧力が確実に印加される。つまり、ヘッド本体91の吐出能力が高くなり、小液滴の吐出や高粘度液体の吐出が実現する。前記構成のヘッド本体91は、例えば粘度が50cP(0.05Pa・s)の高粘度液体を、約20pl(ピコリットル)の小さい液滴量で吐出することが可能である。
尚、アクチュエータ19の駆動は、前記のようないわゆる押し引き駆動ではなくて、加圧部材15を上方に変位させて液体材料を圧力室11内に充填させた後に、その加圧部材15を元に戻すことで、液体材料をノズル12から吐出させる、いわゆる引き押し駆動としてもよい。
また、弾性部材18の形状も、図3に示す矩形状に限らず、扁平形状という制約の下で適宜設定することが可能である。
(実施形態2)
液体吐出ヘッド7におけるヘッド本体の構成は、前記の構成に限定されるものではない。例えば、図4に示すような構成を採用してもよい。
液体吐出ヘッド7におけるヘッド本体の構成は、前記の構成に限定されるものではない。例えば、図4に示すような構成を採用してもよい。
実施形態2に係るヘッド本体92は、図4に示すように、ノズル12が形成されたノズル板13と、アクチュエータ19と、ヘッドプレート41と、を上下方向に積層した積層構造を有している。
このヘッド本体92における加圧部材16は、その中心軸が上下方向に延びる円柱形状を有している。加圧部材16は、例えばセラミック等の、比較的高剛性の材料によって形成されており、その外径は、例えば0.7mm程度とすればよい。また、加圧部材16の下端部は、後述するように、アクチュエータ19の貫通孔19a内に内挿されている。一方、加圧部材16の中間部は、後述するように、ヘッドプレート41の貫通孔41aに内挿されてヘッドプレート41に対し固定されている。加圧部材16には、その中心軸に沿って延びる貫通孔16aが貫通形成されている。この貫通孔16aは、その下端が圧力室11内に開口しており、圧力室11内に液体材料を供給する供給口として機能する。このように、加圧部材16に供給口を形成することによって、液体材料の供給系の構成が簡略化するという利点がある。尚、この貫通孔16a(供給口)の径は、例えば約φ0.07mm程度とすればよい。
アクチュエータ19は、例えばその厚みが1.0mm程度の積層型圧電体からなり、その下面がノズル板13の上面に対して接着層20を介して接合されていると共に、その上面がヘッドプレート41の下面に対して接合されている。尚、接着層20には、その中心位置に圧力室11を区画するための貫通孔が形成されている。
アクチュエータ19はまた、その中心位置に、その厚み方向に貫通して形成された貫通孔19aを有している。貫通孔19aは、前記円柱状の加圧部材16が内挿される孔であって、その径は、加圧部材16の外径に応じて適宜設定すればよい。ここでは、φ0.76mm程度に設定されているとする。
アクチュエータ19と加圧部材16との隙間には、弾性部材18が介在されている。弾性部材18が弾性変形することにより、加圧部材16はアクチュエータ19に対して上下方向に変位可能に保持されることになる。
このヘッド本体92の弾性部材18において、その肉厚tは、アクチュエータ19の貫通孔19aの径方向に設定されると共に、その肉厚に直交する方向の、圧力室11から外方に向かう方向の長さLは、アクチュエータ19の厚み方向の長さ(図4における上下方向の長さ)に設定される。弾性部材18の肉厚tは、例えば0.03mm程度に設定され、その長さLは、前述したように1.0mm程度に設定されることから、このヘッド本体92においても、L≧10tを満たすことになる。
アクチュエータ19の上面に接合されるヘッドプレート41には、その中心位置に貫通孔41aが厚み方向に貫通して形成されている。この貫通孔41a内には、加圧部材16の中間部が内挿されて固定されている。加圧部材16の上端部は、ヘッドプレート41の貫通孔41aを通って、ヘッドプレート41の上方に突出している。
このヘッド本体92では、アクチュエータ19を駆動させたときに、ヘッドプレート41を介して加圧部材16が上下方向に変位するようになり、それによって、圧力室11の体積が増減する。
前述したように、このヘッド本体92における弾性部材18の肉厚tは、図4における左右方向の肉厚に相当し、長さLは、図4における上下方向の長さに相当する。つまり、このヘッド本体92における弾性部材18は、扁平形状の弾性部材を、円柱状の加圧部材16の外周面に巻き付けた構成を有している。この構成においても、圧力室11内の液体材料に対して圧力を印加したときには、圧力室11の外方(図4における上方)へのたわみ変形が防止されるから、圧力室11内の液体材料に対して高い圧力を印加することができ、液体吐出ヘッド7の吐出能力を向上させることができる。
(変形例)
図5は変形例に係るヘッド本体93を示している。このヘッド本体93は、図4に示すヘッド本体92と比較して、アクチュエータ19の下面に保護プレート21が取り付けられている。
図5は変形例に係るヘッド本体93を示している。このヘッド本体93は、図4に示すヘッド本体92と比較して、アクチュエータ19の下面に保護プレート21が取り付けられている。
この保護プレート21は、アクチュエータ19と接着層20との間に介在することにより、圧力室11内の液体材料がアクチュエータ19に直接触れないようにするためのプレートである。保護プレート21は、例えば0.1mm厚程度のステンレス鋼製の板材によって構成すればよい。
こうした保護プレート21を取り付けることは、ヘッド本体93の長寿命化の上で有利である。
(実施形態3)
図6は、実施形態3に係るヘッド本体94を示している。このヘッド本体94は、図2に示すヘッド本体91と比較して、圧力室部材14と弾性部材18との間に薄膜22が介在している。
図6は、実施形態3に係るヘッド本体94を示している。このヘッド本体94は、図2に示すヘッド本体91と比較して、圧力室部材14と弾性部材18との間に薄膜22が介在している。
薄膜22は、例えば0.02〜0.2mm厚程度の金属膜や、0.05〜0.5mm厚程度の樹脂フィルムとすればよい。こうした薄膜22を介在させることによって、圧力室11内の液体材料が弾性部材18に直接触れることが回避されるため、弾性部材18の耐食性を向上して、ヘッド本体94の長寿命化を図る上で有利になる。また、例えば液体材料に応じて、圧力室11の内壁を構成する材質を、特定の材質にしたい場合等にも、圧力室部材14と弾性部材18との間に介在させる薄膜の材質を適宜選択することによって、容易に実現するようになる。
この構成のヘッド本体94における加圧部材15には、圧力室11に対応する位置に、その下面から下方に突出する突起15aが形成されており、この突起15aによって、圧力室11内の液体材料に対し、圧力を効果的に印加することが可能になる。
加圧部材15の下面に接合される弾性部材18は、前記突起15aを除く全ての部分に対して接合されており、これによって、弾性部材18の下面と突起15aの下面とは面一にされている。この構成によって、圧力室11内の液体材料に圧力を印加したときに薄膜22がたわむことに起因して、圧力室11内の圧力が低下することが防止される。つまり、図8に示すように、例えば弾性部材18を、圧力室部材14と加圧部材15との接合部分にのみ介在させた構成においては、突起15aの周囲において、加圧部材15と薄膜22との間に空間が形成されることになる。このため、圧力室11内の液体材料に圧力を印加したときに、薄膜22が圧力室11の外方に向かってたわんでしまう。例えば前記の薄膜を、圧力室11内の液体材料に圧力を印加したときでも、たわまない程度の剛性を有するものとしてしまうと、加圧部材15を変位させて圧力室11内の液体材料に対して圧力を印加するために大きなエネルギが必要になり、好ましくない。
これに対し、図7に示す構成では、圧力室11内の液体材料に圧力を印加したときに、薄膜22が圧力室11の外方に向かってたわむことが、弾性部材18によって規制されることになる。従って、圧力室11内の液体材料に対して、高い圧力を印加することができる。また、薄膜22の剛性を低下させることができるため、省エネルギの観点からも好ましい。
尚、ヘッド本体91〜94において、圧力室11内の液体に対して圧力を印加するためのアクチュエータ19としては、圧電体に限らず、例えば磁歪素子を採用することも可能である。
また、ヘッド本体91〜94の構成は一例であり、その構成は適宜変更することが可能である。例えば図2等に示すヘッド本体91においては、ノズル12を上下方向に延びるものとして下方に向かって開口するようにしているが、例えばノズルを水平方向に延びるものとしてヘッド本体の側方に向かって開口するようにしてもよい。また、例えば図2等に示すヘッド本体91において、圧力室11内に液体材料を供給する供給口を、例えばアクチュエータを貫通して形成してもよい。
以上説明したように、本発明は、小液滴の吐出や高粘度液体の吐出が実現するから、例えばフラットパネルディスプレイや回路基板等の各種デバイスの製造といったエレクトロニクス分野を始めとして、オプトエレクトロニクス分野、バイオ・メディカル分野等の各種の技術分野において、種々なパターンや均一薄膜等を形成する液体材料吐出ヘッド及び液体材料吐出装置として有用であると共に、インクを吐出することによって例えば記録紙等の記録媒体上に画像を形成するインク吐出ヘッド及び画像形成装置としても有用である。
11 圧力室
12 ノズル
14 圧力室部材
15 加圧部材
16 加圧部材
18 弾性部材
19 アクチュエータ
22 薄膜部材
7 液体吐出ヘッド
91 ヘッド本体
92 ヘッド本体
93 ヘッド本体
94 ヘッド本体
A 液体吐出装置
12 ノズル
14 圧力室部材
15 加圧部材
16 加圧部材
18 弾性部材
19 アクチュエータ
22 薄膜部材
7 液体吐出ヘッド
91 ヘッド本体
92 ヘッド本体
93 ヘッド本体
94 ヘッド本体
A 液体吐出装置
Claims (5)
- 液体を収容する圧力室の一部を区画する弾性部材、
前記弾性部材に対し接合されることで、当該弾性部材を挟んだ反対側の部材との間で前記弾性部材を挟持すると共に、前記圧力室の一部を区画する加圧部材、及び、
前記弾性部材の弾性変形を伴いながら、前記加圧部材を変位させるように駆動することで、前記圧力室内の液体に圧力を印加して当該圧力室に連通するノズルから前記液体を吐出させるアクチュエータ、を備え、
前記弾性部材は、前記加圧部材に挟持される方向の肉厚が薄くかつ、その挟持方向に直交する方向であって、前記圧力室からその外方に向かう方向の長さが相対的に長い扁平形状を有している液体吐出ヘッド。 - 請求項1に記載の液体吐出ヘッドにおいて、
前記弾性部材は、肉厚をtとし、前記圧力室からその外方に向かう方向の長さの平均をLとしたときに、L≧10tを満たしている液体吐出ヘッド。 - 請求項1に記載の液体吐出ヘッドにおいて、
前記弾性部材は、その体積弾性率が1GPa以上に設定されている液体吐出ヘッド。 - 請求項1に記載の液体吐出ヘッドにおいて、
前記弾性部材と圧力室との間に介在して当該圧力室の内壁面を構成する薄膜部材をさらに備えている液体吐出ヘッド。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドを備えている液体吐出装置。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007227793A Pending JP2009056768A (ja) | 2007-09-03 | 2007-09-03 | 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009056768A (ja) |
-
2007
- 2007-09-03 JP JP2007227793A patent/JP2009056768A/ja active Pending
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