JP5459695B2 - インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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Description

本発明はインクジェット記録装置及び記録方法に関わり、特には圧力室が複数隣接する記録ヘッドを搭載し、液適量を増やしつつ高速で画像を記録するようにしたインクジェット記録装置及び記録方法に関する。
ノズルから微小なインク滴を吐出して記録媒体に着弾させることにより画像を記録するインクジェット記録方法では、インク滴が記録媒体の目的の位置に着弾することが画像の均一性を確保する上で重要である。
近年、より高画質の画像を記録するために、ノズルの高密度化やインク滴の小液滴化が進んでいる。
また、一方で生産性を挙げるために記録速度の高速化も求められており、そのために駆動周波数を上げることやノズル数を増やすことが行われている。
また、記録ヘッドのタイプとしてはベンダー型、ピストン型、シェアモード型、シェアードウォール型等が知られているが、いろいろな粘度の液体が吐出でき、かつ高密度化を考えるとシェアモード型が有利であると考えられている。
しかし、記録速度の高速化のために駆動周波数を高周波にし、つまり時間間隔を短くしてインク滴を吐出すると、次の吐出までの時間が短いため圧力室における圧力波の減衰が進みにくい現象が生じることがわかった。
シェアモード型のヘッドは、圧力室となるチャネルの隔壁を隣りのチャネルと共有し、両側に隣接するチャネルからは同時には吐出できないので、全チャネルを2つおきにA、B、Cの3組のチャネル群に分割して駆動する3サイクル駆動のセットで駆動を行う。その際に、この現象が顕著に起こる。
これは、例えば、A、B、Cのチャネルが順番に並んでいた場合に、Aの駆動時による変形によって、それに隣接する、つまり次に吐出するBチャネル内に、小さいけれども、無視し得ない余計な圧力が発生してしまうためである。
しかも、時間間隔が短くなればなるほどこの圧力波の減衰が進まず、結果として、次のチャネルの吐出がうまくできず、液滴の尾曲りによる角度方向がずれて着弾誤差が生じやすいことが判った。
すなわち、ノズルから、所定の駆動周波数でインク滴を吐出すると、1滴目からの各インク滴によって形成される各ドット間隔は、図11(a)に示すように、常に一定となることが理想的である。しかしながら、高い駆動周波数でインク滴を吐出すると、従来の技術では、図11(b)に示すように、吐出時に液滴の尾曲りが生じて角度方向がずれる為に、着弾が乱れ、本来、着弾すべき位置からずれた位置に着弾してしまい画像が乱れてしまうか、もしくはまったく吐出できずノズル欠を生じてしまう場合がある。
同じヘッドを駆動周波数を下げて駆動すると、安定に吐出できるようになることから、駆動周波数とそのときに発生する圧力波の減衰のさせ方に依存して発生するものと考えられる。つまり駆動周波数を低くして減衰するための時間を十分とってやる、または、吐出時の液滴速度を落とし、圧力波を抑制して減衰しやすくするなどと、低速にしての生産性を犠牲にする方法が考えられる。
しかしこの方法では、記録速度が低下し、記録時間の短縮化を図ることが困難となり、画像記録の高速化、かつ生産性の向上の要請を満足することができなくなる。
一方、駆動周波数を高速にして安定に精度よく吐出するには、液適量自体を狙いより少なくすることで、吐出する液適量が少ないので、それの吐出に必要な運動量、圧力が少なくなるので圧力波の影響が少なくなるし、着弾時の液滴の広がりも小さいので着弾精度もなんとか市場の要求に耐えられる下限レベルを達成することができることが知られている。
つまり、液適量を減らさず、かつ、市場の要求にこたえる高速であって、相乗効果によって生産性が高く、かつ尾曲りなどの吐出精度に問題がない高精細な画像を得ることは困難であることが判った。
特許文献1には、水溶性有機溶剤のインクを用いてノズルの開口の直径30μm以下で駆動周波数15kHz以上で吐出する技術が開示されているが、やはり高速で、例えば20kHz以上における尾曲りが生じ実用に耐えなかった。
また、メニスカス位置を使った技術としては、特許文献2がある。しかしメニスカスをある所定の量引き込んだときに小液滴を吐出するための技術が開示されているのみで、やはり高速駆動での技術ではなく、高速のための高周波駆動における着弾精度をあげることができず不十分であった。
特許文献3には、駆動信号が印加されている圧力室ではなく、その隣の圧力室のメニスカスを規定することで、吐出するインクの液滴の体積を制御する技術が開示されているが、この技術ではなんら高速駆動における尾曲りについて課題解決されておらず、実用に耐えなかった。
特開2002−264333号公報 特開2003−165220号公報 特開2006−76260号公報
そこで、本発明は、同一のノズルから連続して安定に吐出でき、かつ吐出速度も落とすことなく高速で吐出して、高精細な画像を高速で記録しつつ、かつ、液適量も増加させることができ、その相乗効果によって生産性が高い、という相反する特徴を併せ持ったインクジェット記録装置及び記録方法を提供することを課題とする。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
1.インクを吐出する開口を有するノズルに連通する圧力室が複数隣接し、駆動信号の印加により前記圧力室の容積を変化させる電気・機械変換手段を備える記録ヘッドを有するインクジェット記録装置であって、
前記圧力室の容積を拡大するためのDrawパルスと、該Drawパルスの後に前記圧力室の容積を元に戻して前記ノズルからインクを吐出させるReleaseパルスとを有する駆動信号を20kHz以上の駆動周波数で前記記録ヘッドに印加して吐出を行う際、前記Drawパルスを印加する時点での前記ノズルのメニスカス位置の押し出し量が0より大きく、前記開口の直径の30%以下であり、
前記Drawパルスを印加する時点でのノズルの外側に押し出された量に相当する液滴量をVaとし、吐出された1滴の液滴量をVtとしたときに、以下の式を満足することを特徴とするインクジェット記録装置。
0<Va≦Vt/4
2.前記圧力室の音響的共振周期の1/2が1μsec以上、3μsec以下であることを特徴とする前記に記載のインクジェット記録装置。
.前記駆動信号は圧力波の残響をキャンセルするキャンセルパルスを含み、前記Drawパルスが最初に印加されることを特徴とする前記1または2に記載のインクジェット記録装置。
4.前記ノズルは、インク吐出側から前記圧力室側に向かって断面積が徐々に大きくなるテーパー部を有することを特徴とする前記1〜3の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
.前記テーパー部のテーパー角が6度以上であることを特徴とする前記に記載のインクジェット記録装置。
.前記テーパー部が2段の異なるテーパー角を有することを特徴とする前記またはに記載のインクジェット記録装置。
.前記インクの粘度が5mPa・s以上であることを特徴とする前記1〜の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
8.インクを吐出する開口を有するノズルに連通する圧力室が複数隣接し、駆動信号の印加により前記圧力室の容積を変化させる電気・機械変換手段を備える記録ヘッドを用いたインクジェット記録方法であって、
前記圧力室の容積を拡大するためのDrawパルスと、該Drawパルスの後に前記圧力室の容積を元に戻して前記ノズルからインクを吐出させるReleaseパルスとを有する駆動信号を20kHz以上の駆動周波数で前記記録ヘッドに印加して吐出を行う際、前記Drawパルスを印加する時点での前記ノズルのメニスカス位置の押し出し量が0より大きく、前記開口の直径の30%以下であり、
前記Drawパルスを印加する時点でのノズルの外側に押し出された量に相当する液滴量をVaとし、吐出された1滴の液滴量をVtとしたときに、以下の式を満足することを特徴とするインクジェット記録方法。
0<Va≦Vt/4
.前記圧力室の音響的共振周期の1/2が1μsec以上、3μsec以下であることを特徴とする前記に記載のインクジェット記録方法。
10.前記駆動信号は圧力波の残響をキャンセルするキャンセルパルスを含み、前記Drawパルスが最初に印加されることを特徴とする前記8または9に記載のインクジェット記録方法。
11.前記ノズルは、インク吐出側から前記圧力室側に向かって断面積が徐々に大きくなるテーパー部を有することを特徴とする前記8〜10の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
12.前記テーパー部のテーパー角が6度以上であることを特徴とする前記11に記載のインクジェット記録方法。
13.前記テーパー部が2段の異なるテーパー角を有することを特徴とする前記11または12に記載のインクジェット記録方法。
14.前記インクの粘度が5mPa・s以上であることを特徴とする前記13の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
本発明によれば、同一のノズルから連続して安定に吐出でき、かつ吐出速度も落とすことなく高速で吐出して、高精細な画像を高速で記録しつつ、かつ、液適量も増加させることができ、その相乗効果によって生産性が高い、という相反する特徴を併せ持ったインクジェット記録装置及び記録方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、本欄の記載は請求項の技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、以下の本発明の実施の形態における断定的な説明はベストモードを示すものであって、本発明の用語の意義や技術的範囲を限定するものではない。
<インクジェット記録装置>
図1は、インクジェット記録装置の概略構成を示す図である。このインクジェット記録装置1において、記録媒体Pは、搬送機構3の搬送ローラ対32に挟持され、更に、搬送モータ33によって回転駆動される搬送ローラ31により図示Y方向に搬送されるようになっている。
搬送ローラ31と搬送ローラ対32の間には、記録媒体Pの記録面PSと対向するように記録ヘッド2が設けられている。この記録ヘッド2は、記録媒体Pの幅方向に亘って掛け渡されたガイドレール4に沿って、不図示の駆動手段によって、上記記録媒体Pの搬送方向(副走査方向)と略直交する図示X−X’方向(主走査方向)に沿って往復移動可能に設けられたキャリッジ5に、該記録ヘッド2のノズル面が記録媒体Pの記録面PSと対向するように配置されて搭載されており、フレキシケーブル6を介して、後述する吐出信号を発生するための回路が設けられる駆動信号発生手段としての駆動信号発生部100(図3参照)に電気的に接続されている。
かかる記録ヘッド2は、キャリッジ5の移動に伴って記録媒体Pの記録面PSを図示X−X’方向に移動し、この移動過程で記録媒体Pに向けてインク滴を吐出することによって、記録媒体Pの記録面PSに所望のインクジェット画像が記録される。
なお、図中、7、8はインク受け器であり、記録媒体Pの両脇にそれぞれ配置されている。記録ヘッド2がこのインク受け器7、8上に位置している時(停止中、移動中を問わない。)に、このインク受け器7、8に向けてインク滴を少量パージするようにする。また、記録ヘッド2がホームポジションにおいて長期間作動停止している時は、図1には示されていないが、記録ヘッド2のノズル面にキャップを被せることにより保護するようになっている。
更に、本発明において、記録媒体Pは記録ヘッド2から吐出されるインク滴によってドット画像が記録可能であればいかなる記録媒体を用いることもでき、上述した普通紙の他にも各種の紙を使用することができる。また、その他、合成樹脂製フィルムや合成樹脂製シート、布を用いることもできる。
なお、記録媒体Pは、ロール体から連続状に繰り出される長尺状のものに限らず、予め所定サイズに裁断されたものであってもよい。
また、記録ヘッド2のインク滴の吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シェアモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)等を具体的な例として挙げることができるが、本発明はシェアモード型が好ましく、本発明の効果を阻害しない範囲で、静電吸引方式などの吐出方式を加えてもよい。
図2は記録ヘッド2の一例を示す図であり、図2(a)は一部断面で示す斜視図、(b)はインク供給部を備えた状態の断面図である。また、図3はインク吐出時の作動を示す図である。
図2において、21はインクチューブ、22はノズル形成部材、23はノズル、23Kはインクを吐出する開口、24はカバープレート、25はインク供給口、26は基板、27は隔壁である。そして、圧力室となるチャネル(以下、圧力室ともいう)28が、隔壁27、カバープレート24及び基板26によって形成されている。
記録ヘッド2は、ここでは特に図3に詳細に示されるように、カバープレート24と基板26の間に、電気・機械変換手段であるPZT等の圧電材料からなる複数の隔壁27A、27B、27Cで隔てられたチャネル28が多数並設されたシェアモード型の記録ヘッドを示している。このような記録ヘッド2では、隔壁27が変形することによってチャネル28内に圧力変化を発生させる。
図3では多数のチャネル28の一部である3室(28A、28B、28C)が示されているが、チャネル28の数は限定されない。チャネル28の一端(以下、これをノズル端という場合がある)はノズル形成部材22に形成されたノズル23につながり、他端(以下、これをマニホールド端という場合がある)はインク供給口25を経て、インクチューブ21によって図示されていないインクタンクに接続されている。そして、各チャネル28内の隔壁27表面には両隔壁27の上方から基板26の底面に亘って繋がる電極29A、29B、29Cが密着形成され、各電極29A、29B、29Cは駆動信号発生手段である駆動信号発生部100に接続している。
各隔壁27は、ここでは図3の矢印で示すように分極方向が異なる2枚の圧電材料27a、27bによって構成されているが、圧電材料は例えば符号27aの部分のみであってもよく、隔壁27の少なくとも一部にあればよい。
圧電材料27a、27bに使用される圧電材料としては、電圧を加えることにより変形を生じるものであれば特に限定されず、公知のものが用いられ、有機材料からなる基板であっても良いが、圧電性非金属材料からなる基板が好ましく、この圧電性非金属材料からなる基板として、例えば成形、焼成等の工程を経て形成されるセラミックス基板、又は塗布や積層の工程を経て形成される基板等がある。有機材料としては、有機ポリマー、有機ポリマーと無機物とのハイブリッド材料が挙げられる。
セラミックス基板としては、PZT(PbZrO−PbTiO)、第三成分添加PZTがあり、第三成分としてはPb(Mg1/3Nb2/3)O、Pb(Mn1/3Sb2/3)O、Pb(Co1/3Nb2/3)O等があり、さらにBaTiO、ZnO、LiNbO、LiTaO等を用いて形成することができる。
また、塗布や積層の工程を経て形成される基板として、例えば、ゾル−ゲル法、積層基板コーティング等で形成することができる。
圧電材料27aの上面には、全チャネル28に亘って深溝部28a上を覆うようにカバープレート24が接着剤を介して接着されると共に、各チャネル28の浅溝部28b上に、チャネル28内へのインク流入口77が形成されている。
カバープレート24の接着後、ノズル23が開設された1枚のノズル形成部材22が接着剤を介して接着される。
カバープレート24及び基板26の材料は、特に限定されず、有機材料からなる基板であっても良いが、非圧電性非金属材料からなる基板が好ましく、この非圧電性非金属材料からなる基板として、アルミナ、窒化アルミニウム、ジルコニア、シリコン、窒化シリコン、シリコンカーバイド、石英、分極されていないPZTの少なくとも1つから選ばれることが好ましい。有機材料としては、有機ポリマー、有機ポリマーと有機物とのハイブリッド材料が挙げられる。
また、ノズル形成部材23の材料としては、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、液晶ポリマー、アロマティックポリアミド樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリサルフォン樹脂等の合成樹脂のほか、ステンレス等の金属材料を用いることもできる。
各チャネル28内には、その両側面から底面にかけて金属電極29が形成されており、この金属電極29は、浅溝部28bを通って圧電材料27aの後部側表面まで延びている。各金属電極29には、この後部側表面において異方導電性フィルム78を介してフレキシブルケーブル6が接着されており、駆動信号発生手段100から各金属電極29に駆動信号を印加することにより側壁27をせん断変形させ、その変形時の圧力によりチャネル28内のインクをノズルプレート22に形成されたノズル23の開口23Kから吐出するようになっている。
金属電極29に用いられる金属としては、白金、金、銀、銅、アルミニウム、パラジウム、ニッケル、タンタル、チタンを用いることができ、特に、電気的特性、加工性の点から、金、アルミニウム、銅、ニッケルが好ましく、めっき、蒸着、スパッタで形成される。
次に、かかるインクジェット記録装置1において、本発明の特徴となる駆動方法について図3、図4及び図5を参照して説明する。ここでは、一例として、A、B、Cの3つのチャネルに駆動信号を印加してインクを吐出する方法について図4、図5(a)の駆動信号と図5(b)の液滴形状、メニスカス位置を参照して説明する。
図5(a)、(b)の括弧内の数字は、それぞれ時間的に対応している。図5(a)において、横軸はAL時間、縦軸は駆動電圧を表す。図5(b)において、ノズル23、ノズルの開口23K、インク柱102、インク滴11、メニスカスMを示している。
各隔壁27表面に密着形成された電極29A、29B、29Cに駆動信号発生部100の制御により図4に示すような駆動信号が印加されると、以下に例示する動作によってインク滴をノズル23の開口23Kから吐出する。なお、図3ではノズルは省略してある。
シェアモード型の記録ヘッド2は、チャネル28の隔壁27を隣りのチャネル28と共有するので、両側に隣接するチャネル28からは同時には吐出できない。このため、全チャネル28を2つおきにA、B、Cの3組のチャネル群に分割して駆動する3サイクル駆動を行うことが好ましい。また、本発明の効果を阻害しない範囲で、4、5・・・などのセットのサイクル駆動を行うことができる。
まず、電極29A、29B、29Cのいずれにも駆動信号が印加されない時は、隔壁27A、27B、27Cのいずれも変形しないが、図3(a)に示す状態において、電極29A及び29Cを接地すると共に電極29Bに駆動信号発生部100から駆動信号を印加すると、隔壁27B、27Cを構成する圧電材料の分極方向に直角な方向の電界が生じ、各隔壁27B、27C共に、それぞれ隔壁27a、27bの接合面にズリ変形を生じ、図3(b)に示すように隔壁27B、27Cは互いに外側に向けて変形し、チャネル28Bの容積を拡大してチャネル28B内に負の圧力が生じてインクが流れ込む(これを以降Drawパルスという)。
また、この状態を1AL時間維持した後、(ALとは、チャネルの音響的共振周期の1/2であり詳しくは後述する)に電位を0に戻すと、隔壁27B、27Cは図3(b)に示す膨張位置から図3(a)に示す中立位置に戻り、チャネル28B内のインクに高い圧力が掛かる(Release)。
これによりチャネル28Bを満たしているインクの一部によるノズル23内のメニスカスがノズル23から押し出される方向に変化する。この正の圧力がインク滴をノズル23から吐出する程に大きくなると、ノズル23から図4(b)の(1)に示すインク滴が押し出されたメニスカス位置で、液滴の吐出方向に半円球状の液滴表面を作ると同時に、吐出方向の速度ベクトルの方向と一致させてノズル23から吐出する。
引き続いて1AL時間維持した後に電位を逆にかけ、図3(c)に示されるように、隔壁27B、27Cを互いに逆方向に変形させて、チャネル28Bの容積を収縮させ、チャネル28B内に正の圧力を生じさせ残留する圧力波をキャンセルする(Cancel)、そしてこの状態を1AL時間維持した後、電位を0に戻し、隔壁27B、27Cを収縮位置から中立位置に戻し、残留する圧力波をキャンセルする(Cancel)。
このように最初に圧力室の容積を拡大するDrawパルスを印加した後、1AL間隔で、Releaseパルス、2つのCancel(キャンセル)パルスを印加する一連の駆動方法で、きれいな自由表面を描いた液滴を吐出して、かつ、吐出後の圧力室の残響を抑えることで、次のインク滴も同様なメニスカス位置をもつことができた結果、良好な吐出サイクルが安定に可能となる。
本発明の実施様態の1つでは、このようにシェアモードで駆動する記録ヘッドの基本的な駆動法であり、Draw(チャネルを拡大させる)→Release(元に戻す)→Cancel(チャネルを縮小させる)→Cancel(元に戻す)操作を繰り返す、いわゆるDRC駆動信号を例として説明した。
実際の例としては、例えばA1、B1、C1、A2、B2、C2と連続のセット、この場合は3サイクルで、C1チャネルが隔壁27A、27Bに囲まれ、一方、A2チャネルが隔壁27B、27Cで囲まれたチャネルであるとして説明する。
本発明のメニスカス位置の押し出し量を調整して、なおかつ液適量を制御して増やすには、A2チャネルから吐出する場合に、隔壁27B、27Cを外側に向けて変形させることが必要であるが、その前に、隔壁27Bを右側(A2チャネル側)に変形させ、その変形量を電圧で制御することで調整できる。また、変形させて発生した、押し出し位置の維持、もしくは制御は、次のA2チャネルの27Bが変形動作を起こすまでの時間間隔を変えることで調整できる。
好ましくは、例えばA2から吐出する際に、C1の駆動信号によって変形して発生する圧力を変えることで、A2チャネルのメニスカス位置を制御して、かつ、C1チャネルの駆動信号の終わりのタイミングとA2の駆動信号のDrawパルスをかけるタイミングの時間間隔を調整するのが好ましい。
C1チャネルに用いる駆動信号としては特に限定されないが、特には駆動信号の最後のパルスがC1チャネルにとって収縮するパルス、つまり隔壁27Bが左(C1チャネル側)に「く」の字に変形後に右側(A2チャネル側)に戻って中立の状態になる信号の電圧を変化させて調整しつつ、しかもC1チャネルの吐出自身の残響圧力をキャンセルさせてしまうように、図4(a)のような、Cancelパルス−Cancelパルス間が1ALになるタイミングを選んでかけるのが好ましい。
特に好ましいのは、この要件をたもちつつC1、A2、B2、C2、とチャネルの駆動信号が連続で同じであるのが非常に好ましい。
また、好ましくは、前述のDRC駆動信号で、キャンセルの電位の大きさが、Drawに対して0.6〜1.0が速度の安定性から好ましい。
更に本発明の効果を損なわない範囲であれば、後述のDRR駆動信号にキャンセル部分のパルスを組み合わせて用いることができる。
大切なのはこれらを適宜調整して、本発明になるメニスカス位置を調整することである。一方、図6(a)は、図4に示す駆動信号(図6(b)にも示す)を20kHz以上の駆動周波数で繰り返し印加した際の、開口の直径25μmのノズル内のメニスカスの押し出し量の様子を示している。図6(b)における点線は、図示されている駆動信号が繰り返し印加されることを示している。なお、図6の(a)と(b)における時間軸は一致している。
図6より、Drawパルスを加えるタイミングでメニスカスの位置が膨らんでいて、本発明のノズルのメニスカス位置の押し出し量が約5μmとなっていて、ノズルの開口の直径の30%以下となっていることがわかる。
ここで、本発明におけるノズルの開口の直径とは、ノズルのインク吐出側先端の開口の直径を意味し、開口の断面が円形の場合はその直径である。断面が矩形、楕円、長円等の非円形である場合の直径は、断面積が等しい円に置き換えた場合の直径とする。
このように、鋭意検討した結果、本発明の、高速であってそれによる生産性のアップを望むには、メニスカス押し出し量を本発明の範囲にして、引き込みの慣性量と吐出タイミング、次に影響する残響の減少の三つを同時に達成しなければならないということが判明した。そこで鋭意検討した結果、本発明の技術に至ったのである。
このように、本発明では、駆動信号を印加し吐出する際のDrawパルス印加時のノズルのメニスカス位置の押し出し量が0より大きく、ノズルの開口の直径の30%以下であって、好ましくは20%以下、さらに好ましくは5%〜20%が吐出時の速度アップがしやすく好ましい。押し出し量が0以下、つまり引き込んだ状態では吐出までの時間が、高速駆動では無視できないタイムラグとなり、安定に高速で吐出できないので本発明には含まない。
ここで、押し出し量とは、駆動信号でDrawパルス印加時(印加直前)に観察されるノズル先端からのメニスカスの位置の値である。ノズルからのメニスカスの押し出し量は、例えば、KEYENCE社製デジタルマイクロスコープ「VH−6300」を用いてストロボ同期により測定することができる。押し出し量は、図12に示すように、メニスカスMの略ノズルの中央部におけるノズル先端からの突出量を、ノズル形成部材と略垂直方向に測定した値である。
本発明は、Drawパルス印加時のノズルの外側に押し出された溢れ量に相当する液適量をVaとし、該溢れ量を含め吐出された1滴の液適量をVtとしたときに、以下の式を満足することが好ましい。
0<Va≦Vt/4
Va、Vtは、実験やシミュレーション等によって求めることができる。
本実施形態のせん断モード型ヘッドでのVaは、次の定義によって求めたものである。A、B、Cチャネルの3cycle駆動で連続して20kHz以上の駆動周波数で吐出したときの1滴の液適量がVtであり、単独で、例えばA、B、Cのうち、Aチャネルだけを駆動して、1滴吐出した場合の液適量をV1としたとき
Va=Vt−V1
で求められる。
高精細記録から、Vaは、より好ましくはVt/16以上Vt/8以下である。溢れ量が0以下、つまり引き込んだ状態では吐出までの時間が、高速駆動では無視できないタイムラグとなり、安定に高速で吐出できないので本発明には含まない。
本発明のメニスカス位置にするには、インクの表面張力、慣性、駆動周波数、その圧力室自身のAL、ノズルの抵抗、そして圧力室の圧力の減衰のしやすさを変えることで適宜調整できる。
ノズルの開口の直径は大きくすればメニスカス位置は30%以下に調整しやすいが、あまり直径を大きくするとノズルの抵抗が小さくなるが、吐出後の圧力波の残響が減衰しにくくなり、トータルの安定性は連続吐出では低下してしまう。そのため、ノズルの開口の直径は10〜30μmが好ましい。
またノズルのインク吐出方向の長さは、ノズル抵抗を増やすので、圧力波の減衰からは長いほうが好ましく30μm以上であるが、あまり長いとALが長くなり駆動周波数が高いときのメニスカス位置の押し出し量が30%を超えてしまうので80μm以下が好ましくい。
また、ノズルは、図2に示すようにインク吐出側から圧力室側に向かって断面積が徐々に大きくなるテーパー部を有することが好ましく、テーパー部のテーパー角を小さくすることで、ノズル抵抗を大きく増やし、かつ同時に圧力波の減衰を早めることにより30%以下に設計することができる。
ただし、テーパー角を6度以上にすることで、駆動電圧を下げることができ、かつ記録ヘッド総量での発熱が少なくなるので、テーパー角度は好ましくは、6度〜10度である。
同様に、漏斗型のような、二段の異なるテーパー角を有するテーパー部にすることで、ノズル抵抗を下げ押し出し量を増やす方向に調整できる。いずれのテーパー角も6度以上が好ましい。
適宜、ノズルの開口の直径、テーパー角度、漏斗型を組み合わせることでメニスカスの押し出し量を調整できるのである。漏斗型のような、二段の異なるテーパー角を有するノズルにすることで、駆動電圧を結果的に下げることができ記録ヘッド総量での発熱が少なくなるので好ましい。
一方、圧力室のチャネル長(図2におけるL)を長くしても、抵抗は大きくなるのでそれによってメニスカス位置を調整することもできるが、ALも変化してしまうので、チャネル長は1mm〜2mmが高周波駆動でも押し出し量を30%以下に適宜、安定に調整でき好ましい。
また、チャネルの断面積(図2のDと図3のWの積)を小さくしても、抵抗は大きくなるので押し出し量を調整できるが、チャネル長よりも乗数で増加しALには比較的影響しないので、駆動電圧から好ましくは、高さ(図2のD)は150〜350μm、幅(図3のW)は70〜90μmが好ましい。ただし、慣性は断面積が小さくなると同じように小さくなるので、適宜、これらパラメーターを調整し、本発明のメニスカス位置を30%以内の押し出し量にすることが必要である。
インクの表面張力は20〜40dyn/cmが、20dyn/cm以上でメニスカス位置が安定しやすく好ましい。40dyn/cmを超えると高周波駆動における高速吐出時に、吐出後の微小液滴やしぶきができやすく液適量が安定しにくくなる場合がある。
インク粘度を5mPa・s以上にすることで、吐出時のしぶき(微小液滴)の発生が抑えられ、高精細な印字ができ好ましい。
シェアモード型の記録ヘッドであることでノズルを多数配置したヘッドを作ることができ、生産性から優位であり好ましい。
駆動周波数は好ましくは生産性から25kHz以上、かつメニスカス位置を安定に30%以下にするためにも40kHz以下が好ましい。40kHzを超えるとメニスカス位置が連続で制御しにくくなる場合がある。
記録ヘッドの圧力室の音響的共振周期の1/2であるALは、好ましくは1μsec以上、3μsec以下、より好ましくは2μsec以下が高速駆動ができ生産性が高く好ましい。
ここで、AL(Acoustic Length)とは、チャネルの音響的共振周期の1/2である。このALは、電気・機械変換手段である圧電材料で構成された隔壁27に矩形波の電圧パルスを印加して吐出するインク滴の速度を測定し、矩形波の電圧値を一定にして矩形波のパルス幅を変化させたときに、インク滴の飛翔速度が最大になるパルス幅として求められる。また、パルス幅とは、電圧の立ち上がり10%と立ち下がり10%との間の時間と定義する。さらに、ここで矩形波とは、電圧の10%と90%との間の立ち上がり時間、立ち下がり時間のいずれもがALの1/2、好ましくは1/4以内であるような波形を指す。
駆動信号としては、つまり3サイクル駆動で、5AL間隔でインクを吐出するのが好ましい。
矩形波は、電圧の立ち上がり、立ち下がりが急激なため、これが傾斜状となる台形波よりインクの圧力変動が大きくなるように思われるが、実際は、本実施形態に示す記録ヘッド2は、チャネル28を構成する隔壁27を圧電材料により構成し、この隔壁27をせん断変形させることによりインク滴をノズル23から吐出させるための圧力を作り出すシェアモード型の記録ヘッドであるため、発生した圧力波の共振を利用して吐出するので、せん断変形する隔壁27の変位量はnmオーダーで済み、伸縮モードで作動する積層型圧電素子で振動板を変形させるタイプの記録ヘッドに比べて、チャネル28の変形は1/10〜1/100と極めて小さい。このため、矩形波を使用して隔壁27を急激に変位させても、メニスカスが上記積層型のように大きく振動することはなく、空気を吸い込んだり、メニスカス振動の静定に時間がかかるような問題はない。
また、矩形波を使用すると、台形波に比べて、電圧の立ち上がり、立ち下がり傾斜が急なので、駆動信号の長さが半分以下と短くて済む。
更に、矩形波は、簡単なデジタル回路を用いることで容易に生成可能であるため、傾斜波を有する台形波を用いるものに比べ、回路構成も簡素化できる利点がある。
本発明の溢れ量に相当する液適量Vaが前記式を満足するようにするには、メニスカスの押し出し量の調整と同様にインクの粘度、慣性、駆動周波数、その圧力室自身のAL、ノズルの抵抗、そして圧力室の圧力を変えることで、前述の押し出し量の調整と同様な方法で適宜調整できる。
一方、従来技術の第一例を図7、図8に示す。本発明とは異なり、メニスカス位置が30%を越えた状態(図8で、Drawパルス印加時の押し出し量は約11μmであり、ノズルの開口の直径25μmの約44%)で、DRC駆動を行った場合は、Draw時のインク液適量の慣性が大きく、かつノズル抵抗が大きいために、液滴の吐出のための適切な液滴形状の作成ができないので吐出に必要な速度ベクトルを合わせることができず、ノズルから液滴が溢れるだけで吐出できない。また溢れてしまった液滴により当然連続吐出できなくなってしまう。
更に、メニスカスが押し出されていない従来技術の第二例についても図9、図10に説明する。
図9(a)に示すような駆動信号いわゆるDRR(Draw−Release−Reinforce)方式を印加すると、前述の実施例と同様に図3(b)に示すように隔壁27B、27Cは互いに外側に向けて変形し、チャネル28Bの容積を拡大してチャネル28B内に負の圧力が生じてインクが流れ込む(Draw)。また、この状態を1AL時間維持した後、電位を0に戻して図3(b)に示す膨張位置から図3(a)に示す中立位置に戻し、チャネル28B内のインクに高い圧力を掛ける(Release)。引き続いて図3(c)に示すように逆方向に変形するように駆動信号を印加して、チャネル28Bの容積を収縮させると、チャネル28B内に正の圧力が生じる(Reinforce)。
これによりチャネル内のインクの一部によるノズル23内のメニスカスがノズル23から押し出されてインク滴がノズル23から吐出する。この状態を2AL時間維持した後、電位を0に戻し、隔壁27B、27Cを収縮位置から中立位置に戻し、残留する圧力波をキャンセルする(Cancel)。
図9(b)、(c)は、図9(a)のDRR駆動信号で駆動周波数を20kHzよりも低くして非常に遅くした場合である。しかし、前述の実施例における図5と異なり、Draw時のタイミングでは、メニスカス位置が引き込まれており、インクの慣性が少ない。そのためか液滴が形成されるまでの液滴の尾長さが長くなり、さらにタイミングがずれたことで残響が残り、結局吐出後のメニスカスが形成されず液ダマリとなり、次のインクが連続で安定に吐出できないので本発明の効果を得ることができない。
ちなみに、ここで記述したように、ノズル面に溢れ、かつ付着した状況での表面の高さは、本発明の押し出し量には含まない。また、同様に溢れ量にも含まない。
一方、本発明ではない駆動周波数が15kHzの例を示す。
図9(b)、(c)のように一応吐出できるが、高速で吐出しているわけではなく、当然本発明の高速の生産性を達成できず役に立たないのは自明の理である。
(実施例1)
記録ヘッド、プリントの仕様、用いたインクは以下記す。図2に示すシェアモード型の記録ヘッド(チャネル長1.5mm、AL=3μsec、テーパー角6度、ノズルピッチ:180dpi、ノズル数:256、ノズルの開口の直径:25μm、インク滴量:4pl)を2つ用意し、各ヘッドのノズル列が、相互に1/2ピッチずらされ、千鳥状に配置するように貼り合わせ各ヘッドのそれぞれが180dpiのヘッドであるので、ノズルのピッチを互いに1/2ずらせることで、360dpiの記録ヘッドを作製した。評価は3Cycle駆動で吐出した。
使用したインクは粘度10mPa・sのアクリル系紫外線硬化インク(50℃における測定値)、表面張力28dyn/cm(25℃における測定値)。駆動信号は、図5に示すDRC駆動信号を用い、駆動周波数は22kHzとした。
記録ヘッド移動速度:105cm/sec
記録媒体とノズル面のギャップ間隔:1.0mm
基準のインク滴の初速度:6m/sec
評価項目は、吐出の精度、安定に吐出できる速度の上限である生産性とした。
<吐出の精度>
記録ヘッドを主走査方向に移動させながら、その吐出間隔(画像データを間引いた状態の駆動周波数)とインク滴の液滴量を変えた条件で、静止した記録媒体にインク滴を吐出し、その時の主走査方向の記録媒体上のドット間の間隔を経時的に調べた。なお、正規のドット間隔は、記録ヘッドの移動速度と駆動周波数から求められるので、その定常状態に対するずれを調べた。
なお、判断基準は以下の通りである。△でも実用上問題ないが○が好ましい。
○:ドット間隔が定常状態の1.25倍以下
△:ドット間隔が定常状態の1.25倍を越えて1.75倍未満
×:ドット間隔が定常状態の1.75倍以上か吐出不可
<生産性>
インク滴の初速度は6m/secで、駆動周波数を上げて行き、安定に吐出できる、しぶき、ノズル欠などが起こらない最高駆動周波数を評価した。△でも実用上問題ないが○が好ましい。
○:25kHz以上でも吐出可能
△:20〜25kHzで吐出可能
×:20kHz未満以上でも吐出可能ドット間隔が定常状態の1.75倍、以上か吐出不可。
また、ノズルのメニスカス位置の押し出し量を前述の方法により測定し、ノズルの開口の直径に対する比率を評価した。
(比較例
ノズルの開口の直径27μmである以外は実施例1と同じヘッドを作製し、実施例1と同様にして評価した。
(比較例
実施例1と同じヘッドで駆動周波数を16kHzで駆動した以外は実施例1と同様にして評価した。
以上の結果を表1に記す。
Figure 0005459695
(実施例2)
ALが2.5μsec、ノズルの開口の直径を22μmである以外は実施例1と同じヘッドを作製し、駆動周波数を27kHzで駆動した以外は実施例1と同様にして評価した。
(実施例3)
ALが2.5μsecである以外は実施例1と同じヘッドを作製し、駆動周波数を27kHzで駆動した以外は実施例1と同様にして評価した。
(比較例3)
ALが2.5μsec、ノズルの開口の直径を28μmである以外は実施例1と同じヘッドを作製し、駆動周波数を27kHzで駆動した以外は実施例1と同様にして評価した。
以上の結果を表2に記す。
Figure 0005459695
(実施例4)
ALが2.5μsecであるである以外は実施例1と同じヘッドを作製し、駆動周波数を30kHzで駆動した以外は実施例1と同様にして評価した。
結果を表3に記す。
Figure 0005459695
(実施例5)
記録ヘッドのノズルがテーパー7度である以外は実施例1と同じヘッドを作製し、駆動周波数を27kHzで駆動した以外は実施例1と同様にして評価した。
(実施例6)
記録ヘッドのノズルが、インク吐出側のテーパー5度と圧力室側のテーパー角45度の2段漏斗型とした以外は実施例1と同じヘッドを作製し、駆動周波数を27kHzで駆動した以外は実施例1と同様にして評価した。
テーパー角6度の実施例3の結果も併せて結果を表3に記す。
Figure 0005459695
ただし駆動電圧は、実施例3が20Vに対し、実施例5は24Vで、実施例3のほうが好ましかった。また実施例6のように、更に漏斗型とすると、駆動電圧は18Vで特に好ましかった。
(実施例7)
ALが2.5μsecである以外は実施例1と同じヘッドを作製し、駆動周波数を24kHzで駆動し、以下の評価項目を加えた以外は実施例1と同様にして評価した。
Drawパルスを印加する時点でのノズルの外側に押し出された量に相当する液適量をVaと、吐出された1滴の液適量をVtとしたときのVaを測定し、VaとVtの比を調べた。また、以下の評価基準でしぶきの評価を行った。
<しぶきの評価>
しぶきが起こらないきれいな吐出であるかをY、M、C、Kで文字を最大濃度で印刷して目視評価した。△でも実用上問題ないが○が好ましい。
○:目視ではみえない。
△:目視でやや見える。
×:目視で目立つ
(実施例8)
ノズルの開口の直径を23μmである以外は実施例7と同じヘッドを作製し、実施例7と同様にして評価した。
(実施例9)
ノズルの開口の直径を27μmである以外は実施例7と同じヘッドを作製し、駆動周波数を21kHzで駆動した以外は実施例7と同様にして評価した。
実施例7〜9では、ノズルの開口の直径を変えても、押し出し量がほとんど同じくらいとなるようにして駆動周波数を調整し評価した。
結果を表5に記す。
0<Va≦Vt/4の関係を満たす実施例7、9は、満たさない実施例8に比較してしぶきが少ないことがわかる。
Figure 0005459695
以上の表1〜表5より本発明の実施例は、比較例に比べて吐出精度、生産性に優れることが判る。
ノズルのメニスカス位置の押し出し量のノズルの開口の直径に対する比率が20%以下の範囲にある実施例2、実施例5は、20%を超えて30%以下のその他の実施例に比べて吐出精度が高い事が判る。
インクジェット記録装置を示す図 記録ヘッドの一例を示す図であり、(a)は一部断面で示す斜視図、(b)はインク供給部を備えた状態の断面図 インク吐出時の作動を示す図 本発明のDRC駆動方法を示す図 本発明のDRC駆動方法とメニスカス位置を示す図 本発明のDRC駆動方法とメニスカス押し出し量を示す図 従来のDRC駆動方法とメニスカス位置を示す図 従来のDRC駆動方法とメニスカス押し出し量を示す図 従来のDRR駆動方法とメニスカス位置を示す図 従来のDRR駆動方法とメニスカス押し出し量を示す図 (a)は各インク滴によって形成される理想的なドット間隔を示す図、(b)は吐出安定性が劣ったときのドット間隔を示す図 メニスカスの押し出し量を示す図
符号の説明
1 インクジェット記録装置
2 記録ヘッド
3 搬送機構
4 ガイドレール
5 キャリッジ
6 フレキシケーブル
7、8 インク受け器
21 インクチューブ
22 ノズル形成部材
23 ノズル
24 カバープレート
25 インク供給口
26 基板
27 隔壁
28 チャネル
31 搬送ローラ
32 搬送ローラ対
33 搬送モータ
100 駆動信号発生部
P 記録媒体
PS 記録面

Claims (14)

  1. インクを吐出する開口を有するノズルに連通する圧力室が複数隣接し、駆動信号の印加により前記圧力室の容積を変化させる電気・機械変換手段を備える記録ヘッドを有するインクジェット記録装置であって、
    前記圧力室の容積を拡大するためのDrawパルスと、該Drawパルスの後に前記圧力室の容積を元に戻して前記ノズルからインクを吐出させるReleaseパルスとを有する駆動信号を20kHz以上の駆動周波数で前記記録ヘッドに印加して吐出を行う際、前記Drawパルスを印加する時点での前記ノズルのメニスカス位置の押し出し量が0より大きく、前記開口の直径の30%以下であり、
    前記Drawパルスを印加する時点でのノズルの外側に押し出された量に相当する液滴量をVaとし、吐出された1滴の液滴量をVtとしたときに、以下の式を満足することを特徴とするインクジェット記録装置。
    0<Va≦Vt/4
  2. 前記圧力室の音響的共振周期の1/2が1μsec以上、3μsec以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記駆動信号は圧力波の残響をキャンセルするキャンセルパルスを含み、前記Drawパルスが最初に印加されることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記ノズルは、インク吐出側から前記圧力室側に向かって断面積が徐々に大きくなるテーパー部を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記テーパー部のテーパー角が6度以上であることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記テーパー部が2段の異なるテーパー角を有することを特徴とする請求項4または5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記インクの粘度が5mPa・s以上であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  8. インクを吐出する開口を有するノズルに連通する圧力室が複数隣接し、駆動信号の印加により前記圧力室の容積を変化させる電気・機械変換手段を備える記録ヘッドを用いたインクジェット記録方法であって、
    前記圧力室の容積を拡大するためのDrawパルスと、該Drawパルスの後に前記圧力室の容積を元に戻して前記ノズルからインクを吐出させるReleaseパルスとを有する駆動信号を20kHz以上の駆動周波数で前記記録ヘッドに印加して吐出を行う際、前記Drawパルスを印加する時点での前記ノズルのメニスカス位置の押し出し量が0より大きく、前記開口の直径の30%以下であり、
    前記Drawパルスを印加する時点でのノズルの外側に押し出された量に相当する液滴量をVaとし、吐出された1滴の液滴量をVtとしたときに、以下の式を満足することを特徴とするインクジェット記録方法。
    0<Va≦Vt/4
  9. 前記圧力室の音響的共振周期の1/2が1μsec以上、3μsec以下であることを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録方法。
  10. 前記駆動信号は圧力波の残響をキャンセルするキャンセルパルスを含み、前記Drawパルスが最初に印加されることを特徴とする請求項8または9に記載のインクジェット記録方法。
  11. 前記ノズルは、インク吐出側から前記圧力室側に向かって断面積が徐々に大きくなるテーパー部を有することを特徴とする請求項8〜10の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
  12. 前記テーパー部のテーパー角が6度以上であることを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録方法。
  13. 前記テーパー部が2段の異なるテーパー角を有することを特徴とする請求項11または12に記載のインクジェット記録方法。
  14. 前記インクの粘度が5mPa・s以上であることを特徴とする請求項8〜13の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
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