JP2009054659A - 窒化ガリウム半導体装置の製造方法 - Google Patents

窒化ガリウム半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】窒化ガリウム成長層およびバッファ層の抵抗に関係なく、基板の厚さ方向に電流が流れる縦型素子を容易に作成可能な窒化ガリウム半導体装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】シリコン基板1と前記シリコン基板上に形成されたバッファ層2とその上に窒化ガリウム半導体層を形成し、前記シリコン基板1の裏面から前記シリコン基板ならびに前記バッファ層2を貫通して前記窒化ガリウム半導体層に達する深さのトレンチを形成し、このトレンチの中に導電体を埋め込む工程を有する製造方法する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、窒化ガリウム半導体を用いた縦型半導体装置の製造方法に関する。
高耐圧、大電流を制御するパワー半導体素子の材料としては、従来シリコン単結晶が用いられている。生産されているパワー半導体素子には多くの種類があるが、それぞれ長所と短所を有しており、用途に合わせて使い分けられているのが現状である。たとえば、バイポーラトランジスタやIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)は、電流密度は多く取れるものの高速スイッチングに限界がある。その使用限界はバイポーラトランジスタが数kHz、IGBTでは20−30kHz程度の周波数といわれている。一方パワーMOSFETやショットキバリアダイオードは、大電流は取れないものの、より高速に、数MHzの高周波数域まで使用できる。しかしながら、市場では大電流と高速性を兼ね備えたパワーデバイスへの要求が強い。そのため、IGBTやパワーMOSFETなどでは特にスイッチング速度の改良に力が注がれた。その結果、現在ではほぼ、前述の材料限界に近いスイッチング速度にまで到達したといわれているが、なお、要求レベルに十分達しているとは言えない。
一方、窒化ガリウム(GaN)半導体は、そのエネルギーギャップが3eV以上と高く、従来は主に、青色LED(発光ダイオード)やLD(レーザーダイオード)などの光デバイスの開発が行われていた。しかしながら、ここ数年、窒化ガリウム(GaN)半導体は、その破壊電界が高く、最大電界強度もシリコンより1桁以上大きいという特長を有することから、低オン抵抗と高速スイッチングに用いられるパワーデバイスとすることが可能であるため、そのようなパワーデバイスへの適用にかかる研究開発が盛んに行われるようになってきた。今まで、窒化ガリウム(GaN)材料を使ったスイッチングデバイスとしてはサファイヤ基板上にGaNを成長させたHEMT(high electron mobility transistor)素子が一般に知られている。このHEMT素子は高移動度特性を有しているためオン抵抗が極めて小さくなるという特徴を有しているが、絶縁体であるサファイヤ基板を用いているため、電流取り出し電極をすべてGaN層の表面側に設置する必要がある。従って、このHEMT素子は必然的に横型デバイス構造となる(特許文献1)。
このように、HEMT素子は横型デバイス構造のため、高耐圧化は可能であるが、電流については、電流が素子表面近傍のみに流れて不均一な電流分布になり易いこと、および表面電極の配線抵抗分が大きくなり易いこと、などの理由から大電流を流すことが困難である。従って、電流取り出し電極が表面と裏面に設置され、電流が素子内を縦(厚さ)方向に均一に流れる縦型構造が最も適していると言われるパワーデバイス分野の素子として、前述の窒化ガリウム(GaN)半導体は不向きな構造であると言わざるを得ない。しかし、たとえば、GaN基板上にGaN層をエピタキシャル成長させ、そこにHEMT構造作り込むという縦型HEMT素子の検討もされている(非特許文献1)。
ところが、前述の非特許文献1記載の縦型HEMT素子に用いられるGaN基板は極めて高価であって、かつそのウエハの大口径化に難点があるため、大口径を前提とする量産化には極めて不向きであるという欠点がある。そこで、安価でかつ大口径化が可能なシリコン基板上にGaNを成長させた基板を用いて半導体素子を開発するという試みが多数なされている。この開発が上手くいけば、現状シリコンパワー半導体と同様の量産性を有する高性能半導体が可能となる。しかし、今のところ、シリコン結晶とGaN結晶では結晶格子定数が異なるため、そのままシリコン基板上にGaNを成長させると、GaN結晶内に結晶欠陥が発生しその界面からGaN結晶に転位が入り、その転位が原因で素子のオフ状態において、極めて大きな漏れ電流が発生するなど、電子デバイスとしては致命的な問題を有している。この問題に対しては、AlN層などのバッファ層をシリコンとGaN層の間に設けることでGaN層の結晶性を向上させ、前記大きな漏れ電流の問題を回避させる方法が知られている(特許文献2、3)。
さらに、シリコン半導体基板にトレンチをあらかじめ形成した後にn-GaN層を形成する点に特徴を有する製造方法について公開されている。この文献の記載ではGaNは結晶成長時、トレンチ上を横方向選択成長法により作成することで、格子定数の違いに起因する転位発生を減少させる効果を有すると記述されている(特許文献4)。
特開2004−31896号公報 特開2003−60212号公報 特開平5−343741号公報 特開2006−165191号公報 「絶縁ゲートAlGaN/GaN−HFETの縦型動作」 電気学会研究会 EDD−06−104 2006.
しかしながら、AlN層を用いるバッファ層では、そのバンドギャップが極めて高く(6.2eV)、そのため抵抗が高くなり、その結果、縦方向に電流を流すと、AlN層で電流がほとんど流れず素子全体の抵抗、すなわち、オン電圧が極めて大きくなってしまうという新たな問題が発生する。
さらに、前記特許文献4に記載の製造方法では、図4に示すように、GaN層5のエピタキシャル成長をさせる半導体基板1表面に、既にトレンチ6が設けられているため、GaN層5は半導体基板1の表面だけでなくトレンチ6の側壁にも形成される。ところが、たとえばシリコン基板1を用いた場合、格子定数の整合性から(111)面を主面とするウエハを用いるが、トレンチ6側壁のシリコン面は(111)ではなくなるため、側壁に形成されたGaN層5−1には結晶欠陥が多く発生し易い。そして、このトレンチ6側面のGaN層5−1が最後まで素子内に残る可能性が高く、このトレンチ6側面のGaN層5−1に発生する転位が漏れ電流の発生源になる可能性がある。さらに横方向選択成長法にて形成したGaN結晶では、図4の断面図に示すように、隣接する横方向成長層同士が基板表面でぶつかる面に、いわゆるグレインバウンダリ(Grain Boundary)11が発生し易いので、その後の工程にてトレンチ内に金属7を埋め込んだとき、前記グレインバウンダリ11を介して金属がn-GaN層5の表面にまで達し、電極間の短絡不良となる懸念がある。
本発明は、以上述べた点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、窒化ガリウム成長層およびバッファ層の抵抗に関係なく、基板の厚さ方向に電流が流れる縦型素子を容易に作成可能な窒化ガリウム半導体装置の製造方法を提供することにある。
特許請求の範囲の請求項1記載の発明によれば、絶縁体基板もしくは半導体基板の一面上に、前記基板と該基板上に成長させる窒化ガリウム半導体層との間の結晶構造変換ならびに結晶品質改善のために設けられるバッファ層を介して窒化ガリウム半導体層を成長させ、その後、前記絶縁体基板もしくは半導体基板の他面から前記窒化ガリウム半導体層に到達する深さのトレンチを複数形成し、該トレンチ中に導電物を埋め込み、前記窒化ガリウム半導体層表面と前記基板の他面に電極を形成する工程を有する窒化ガリウム半導体装置の製造方法とする。
特許請求の範囲の請求項2記載の発明によれば、前記基板がシリコンである特許請求の範囲の請求項1の窒化ガリウム半導体装置の製造方法とする。
特許請求の範囲の請求項3記載の発明によれば、前記基板がサファイヤである特許請求の範囲の請求項1の窒化ガリウム半導体装置の製造方法とする。
特許請求の範囲の請求項4記載の発明によれば、前記絶縁体基板もしくは半導体基板の他面から前記窒化ガリウム半導体層に到達する深さのトレンチを複数形成する前に、前記絶縁体基板もしくは半導体基板の他面側を研磨して厚みを薄くしてから、前記トレンチを複数形成する特許請求の範囲の請求項1乃至3のいずれか一項に記載の窒化ガリウム半導体装置の製造方法とする。
特許請求の範囲の請求項5記載の発明によれば、前記トレンチに埋め込まれる導電物がアルミニウムである特許請求の範囲の請求項4記載の窒化ガリウム半導体装置の製造方法とする。
特許請求の範囲の請求項6記載の発明によれば、前記トレンチに埋め込まれる導電物が高不純物濃度のポリシリコンである特許請求の範囲の請求項4記載の窒化ガリウム半導体装置の製造方法とする。
上記目的を達成するために、本発明の窒化ガリウム半導体装置の製造方法は、シリコン基板1と前記シリコン基板上に形成されたバッファ層2とその上に窒化ガリウム半導体層を形成し、前記シリコン基板1の裏面から前記シリコン基板ならびに前記バッファ層2を貫通して前記窒化ガリウム半導体層に達する深さのトレンチを形成し、このトレンチの中に導電体を埋め込む工程を有する。このようにして形成された窒化ガリウム半導体基板に、たとえば、前記窒化ガリウム半導体層の表面にショットキバリア電極を形成してショットキバリアダイオードを形成し、トレンチ中に導電体を埋め込んだシリコン基板1の裏面に金属電極を形成する製造方法とすれば、縦型素子として、高抵抗層の膜を含むバッファ層を有していてもオン電圧の増大を抑制し、かつ容易に製造できる窒化ガリウムショットキバリアダイオードが得られる。
本発明によれば、窒化ガリウム成長層およびバッファ層の抵抗に関係なく、基板の厚さ方向に電流が流れる縦型素子が容易に作成可能な窒化ガリウム半導体装置の製造方法を提供することが可能となる。
以下、本発明にかかる窒化ガリウム半導体装置の製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。本発明はその要旨を超えない限り、以下に説明する実施例の記載に限定されるものではない。
図1は本発明の実施例1にかかるGaNショットキバリアダイオードの断面図である。図2、図3は本発明の実施例1にかかるGaNショットキバリアダイオード製造工程の断面図である。図5は本発明の実施例1にかかるGaNショットキバリアダイオードのI−V特性図である。図6は本発明の実施例1にかかるGaNショットキバリアダイオードの耐圧特性図である。
以下、本発明の窒化ガリウム半導体装置の製造方法にかかる実施例1について、図1〜図3を参照して詳細に説明する。なお、実施例1では、縦型素子として、耐圧600Vのショットキバリアダイオードを示した。図1は、本実施例1の窒化ガリウムショットキバリアダイオードの概略断面図を示す。この図に示すように、本実施例1の窒化ガリウムショットキバリアダイオードは、シリコン基板1とその上に形成されたAlN/GaNの二層からなるバッファ層2および3を有し、その上に積層される高(不純物)濃度のn+GaN層4、低(不純物)濃度n-GaN層5を備えている。さらにシリコン基板1には裏面から前記n+GaN層4に達するトレンチ6を有し、そのトレンチ6中にはアルミニウムなどを主成分とする導電物7が充填されている。このアルミニウムなどからなる導電物7はシリコン基板1の裏面側にまで形成され、さらに、この裏面の全面に形成されたアルミニウム膜と接触するようにシリコン基板裏面全体にNi−Auなどのカソード電極8が形成されている。このような導電物としては他に高濃度ポリシリコンなどを用いることもできる。また、n-GaN層の表面にはショットキバリア電極膜9との間に逆方向電圧印加時の電界緩和のためのシリコン酸化膜10が形成されている。
次に、図2、図3を用いてショットキバリアダイオードの製造方法を説明する。まず、主面が(111)面であるシリコン基板1を準備し、この上に、周知の技術である有機金属化学的気相成長法(MOCVD)を用いてAlN層2とノンドープGaN層3をこの順に形成する。シリコン面(111)の格子定数は0.3840nmで、GaN面の格子定数は0.3819nmであって比較的近い値であるため、シリコン(111)面を選択した。シリコン基板1は直径200mm、厚さ500μmであり、その上に形成したAlN層2の厚さは15nm、ノンドープGaN層3は200nmの厚みとした。このAlN層2はシリコン基板とGaN層との間の結晶構造の変換のために被着され、またGaN層3は結晶の品質改善のための層として形成されている。さらに、その上にn型の高濃度のn+GaN層4を3μmの厚さに、n型の低濃度のn-GaN層5を厚さ6μmに、それぞれエピタキシャル成長させる。これらのGaN層の2つの層の不純物濃度はそれぞれ5×1019cm-3ならびに2×1016cm-3とした。エピタキシャル成長の際のガリウムの材料としてはトリメチルガリウムを、また窒素の材料としてアンモニアガスを用いた。また窒化ガリウム層をn型化するためのドーパント材料としてモノシランを用いた。ここまでの工程によって、図2の断面図に示すように、窒化ガリウム半導体基板の基本的な層構成は完成する。
次に、図3に示すように、n-GaN層5の表面にショットキバリア電極膜9を形成する。この電極膜は周知の蒸着法によりNiとAlを積層して形成した。この際、ショットキバリア電極膜を蒸着する前にCVDにてシリコン酸化膜10を形成し、パターニング後に前記ショットキバリア電極膜9を蒸着した。このシリコン酸化膜10上のショットキバリア電極膜9がフィールドプレートの役目を果たすため、安定した耐圧特性が得られる。次に厚さ500μmあるシリコン基板1を裏面からバックグラインド(裏面研磨)し、トータル厚さ80μmにする。通常、シリコン基板1は500μm程度と厚いため、本実施例1では、その後のトレンチエッチング工程を簡略化するためにバックグラインドをしたが、元の基板が十分薄ければバックグラインド工程を省いても良い。その後、シリコン基板1の裏面に厚さ1.6μmの酸化膜を成長させ、フォトリソグラフおよびエッチングにより5μmおきに5μm幅の酸化膜マスクを形成した後、裏面からトレンチエッチングによりシリコン基板1とAlN/GaNバッファ層2、3を貫通してn+GaN層4に達する深さのトレンチを形成する。その結果、トレンチ底部に高濃度n+GaN層4が現れる。次に、導電物としてアルミニウムAlをメッキ法により前記トレンチ内に埋め込む。その後、シリコン基板1の裏面全体に前記トレンチ内に埋め込まれたAlに接触するようにTi/Ni/Auの金属膜をこの順に積層して形成する。こうすることで縦型のショットキバリアダイオードが完成する。
前記特許文献4に記載の製造方法では、前述のように、トレンチ側壁に形成されたGaNがもれ電流発生源になる可能性がある。さらに、形成したGaN結晶が横方向選択成長の場合に発生するグレインバンダリーを介してトレンチに埋め込まれた金属が素子表面にまで達し、短絡不良となる懸念があるが、本発明による窒化ガリウム半導体装置の製造方法によれば、トレンチ側壁にGaN層が形成されることは無く、また、グレインバウンダリも形成されないので、そのような懸念は解消される。
図5の電流−電圧特性図に、実施例1で説明した製造方法に沿って作成した窒化ガリウムショットキバリアダイオードの室温(R.T.)におけるI−V(電流−電圧)波形を実線で示す。今回の測定に用いたショットキバリアダイオードのチップサイズは5mm×5mm、定格電流を100A(電流密度は452.7A/cm2)とした。また比較のために、図5に通常の600V/100Aの特性を有するシリコンpnダイオードのI−V波形も合わせてドット線により示す。本発明にかかるショットキバリアダイオードは、オン電圧1.6V/100Aと大電流領域でもシリコンpnダイオードとほぼ同等な十分な低オン電圧が得られている。また図5のI−V波形から、定格電流の2倍以上(200A)の電流が流れても抵抗が増加することもない。このことから、シリコン縦型pnダイオードと同様、縦型デバイスとして十分機能していることがわかる。
さらに逆回復特性を測定すると、表1に示すように、本発明の窒化ガリウムショットキバリアダイオードの逆回復損失は0.40mJであり、シリコンpnダイオードの4.42mJに比べて、約10分の1の逆回復損失となり、低損失・高速化が図られていることがわかる。
Figure 2009054659
さらに、図6に示すように、本発明の実施例1にかかるショットキバリアダイオードの耐圧特性を測定したところ、素子耐圧710Vとなり、600V耐圧クラスのショットキバリアダイオード素子として十分な阻止特性を示していることがわかる。
以上説明した実施例1の素子構造とすることにより、高抵抗層であるバッファ層2、3ならびにシリコン基板1またはサファイヤ等の絶縁基板の抵抗に関係なく、電流はトレンチ6内に埋め込まれた導電体7を流れることとなり、大電流が許容範囲内の小さいオン電圧であって、逆回復損失が通常のpnダイオードに比べて約10分の1程度の極めて小さい縦型ショットキバリアダイオード素子が完成する。
前記実施例1の窒化ガリウムショットキバリアダイオードで用いたシリコン基板に代えてサファイヤ基板を利用してもよい。サファイヤ基板上に実施例1と同様にバッファ層としてAlN層を厚さ15nm、ノンドープGaN層を厚さ200nmで形成する。さらにその上にn+GaN層を厚さ3μm、n-GaN層を6μmの厚さにエピタキシャル成長させる。不純物濃度はそれぞれ5×1019cm-3ならびに2×1016cm-3とした。このとき、実施例1と同様に、ガリウムの材料としてトリメチルガリウムを、また窒素の材料としてアンモニアガスを用いた。また、n型化するために、ドーパント材料としてモノシランを用いた。その後、実施例1と同様の工程にてショットキバリアダイオードを形成したところ、実施例1と同様、オン電圧1.6V、耐圧710Vの特性を示した。また同様の条件で逆回復特性を測定したところ、0.41mJと前述のシリコンpnダイオードの4.42mJに比べ十分小さな逆回復損失を示すことがわかった。なお、このときのトレンチ幅は実施例1と同様に2μmとした。
窒化ガリウム半導体基板の基本的な層構成を有するシリコン基板に裏面からn+GaN層4に達する深さのトレンチを形成後、このトレンチに、実施例1のアルミニウムに代えて高濃度にリンドープされた導電性ポリシリコンをCVD法により埋め込み、その後、カソード電極を実施例1と同様に形成してショットキバリアダイオードを形成したところ、オン電圧1.68V、耐圧713Vの特性を示した。また同様に逆回復特性を測定したところ、0.38mJと前述のシリコンpnダイオードの4.42mJに比べ十分小さな損失を示すことがわかった。このときのトレンチ幅は実施例1と同様に5μmとした。本実施例1、2、3ではショットキバリアダイオードで縦型素子を形成したが、n-GaN層の表面層にp型ウエル層ならびに同p型ウエル層内にn+ソース層を形成し、さらにn-GaN層上にゲート酸化膜とゲート電極を形成するなどして、よく知られた工程を追加することにより縦型のMOSFETやIGBT等の半導体素子を作成することもできる。
以下、本発明の窒化ガリウム半導体装置の製造方法にかかる実施例4について、図7〜図13を参照して詳細に説明する。なお、以下説明する実施例4では、縦型素子として、耐圧600VのMOSFETを採り上げた。
図7は、実施例4にかかる窒化ガリウムMOSFETの概略断面図である。この図7に示す窒化ガリウムMOSFETは、シリコン基板1と、その上に形成されるAIN/GaNの二層からなるバッファ層2、3を備え、さらにその上に高濃度のn+GaN層4、低濃度のn-GaN層5がこの順に積層されている。またさらに、必要に応じて薄くされたシリコン基板1には裏面から前記n+GaN層4に達するトレンチが掘られ、このトレンチの底面、側面ならびにシリコン基板1の裏面を金属膜12が覆い、これをドレイン電極20とする。
次に、図8、図9を参照して、前記実施例4にかかる窒化ガリウムMOSFETの製造方法を説明する。
まず、主面が(111)面であるシリコン基板1を準備し、この主面上に周知の技術である有機金属化学的気相成長法(MOCVD)を用いてAIN層2とノンドープGaN層3を形成する。シリコン面(111)の格子定数は0.3840で、GaNのそれは0.3819であり、比較的近い値であるため、シリコン(111)面を選択した。直径200mm、厚さ500mmのシリコン基板を用い、その上に形成したAIN層2の厚さは15nm、ノンドープGaN層3は200mmの厚みを持っている。また、AIN層2は結晶構造の変換のために、また、GaN層3は結晶の品質改善のための層として形成している。さらに、その上にn+GaN層4を3μm、n-GaN層5を6μmの厚さにそれぞれエピタキシャル成長させる。不純物濃度はそれぞれ5×1019cm-3ならびに2×1016cm-3とした。この際、ガリウムの材料としてトリメチルガリウムを、また窒素の材料としてアンモニアを用いた。また、n型化するために、ドーパント材料としてモノシランを用いた。その上に、p-GaN層13を厚さ2μmにエピタキシャル成長させる。その不純物濃度は2×1017cm-3とし、ドーパント材料としてマグネシウムを用いた。以上の結果、図8に示す基本的な層構成が完成する。
次に、p-GaN層13の表面にシリコン酸化(SiO2)膜10を形成し、パターニング後p+層14を形成する(図9)。前記p+層14はマグネシウムを加速電圧45keVでイオン注入し、不純物濃度を2×1017cm-3とした。その後、前記マスク酸化(SiO2)膜10を除去し、再度SiO2膜を選択的に形成してn+層15を形成する(図10)。前記n+層15はシリコンならびにアルミニウムを不純物としてイオン注入により形成した。その時の不純物濃度は2×1018cm-3とした。その後、表面から深さ3μmのトレンチ16を形成した後、ゲート酸化膜17を厚さ100nmにて形成する。その後、不純物をドープした低抵抗ポリシリコン18を埋め込んでゲート電極を形成する。また、ソース電極19としてチタン/アルミニウムを前記n+層15、p+層14の表面に共通にオーッミック接触するように形成する(図11)。
次に、厚さ500nmのシリコン基板1を裏面からバックグラインドして、トータル厚さを80μmにする。通常シリコン基板1は500μmと厚いため、実施例4では、その後のトレンチエッチング工程を簡略化するためにバックグラインドをしたが、元のシリコン基板が充分薄ければバックグラインドを省略してもよい。前記図7のシリコン基板1は図面では厚く見えるが、この図の各層の層厚さは正確ではない。図11はその後、図示しないが、シリコン基板の裏面に厚さ1.6μmの酸化膜を成長させ、フォトリソグラフおよびエッチングにより6μm置きに6μm幅の酸化膜マスクを形成した後、エッチングによりトレンチ内のシリコン基板1およびAIN/GaNからなるバッファ層2、3をエッチングにより順次取り除く。その際、n+GaN層4に達するまで掘ることでトレンチの先端に高濃度n+GaN層4が現れる。このトレンチ内にアルミニウムをミッキ法により埋め込む。その後、図7に示すように、シリコン基板1の裏面全体に前記トレンチ内に埋め込まれたAlに接触するようにTi/Ni/Auからなる金属膜12を順次積層してドレイン電極20を形成する。
図12、図13に、前述の実施例4にかかる窒化ガリウムMOSFETの耐圧特性ならびにオン状態におけるI−V特性をそれぞれ示す。図12に示すように、この窒化ガリウムMOSFETの耐圧特性は670Vであり、600Vクラスの耐圧素子としては充分な阻止耐圧特性を有していることが分かる。今回の窒化ガリウムMOSFETのチップサイズは5mm×5mm、定格電流を50A(活性領域の面積=0.2cm2、電流密度は250.0A/cm2)とした。また、比較のために、図13に通常の600C/50AのシリコンIGBTならびにシリコンMOSFETのオン時I−V波形も示す(それぞれ活性領域の面積=0.2cm2、電流密度は250.0A/cm2のように同条件とした)。この図13から、実施例4にかかる窒化ガリウムMOSFETのオン電圧は0.45V/50Aであり、さらにシリコンIGBT,シリコンMOSFETと比べて定格電流の2倍以上(100A以上)の電流が流れても、電圧/電流すなわち抵抗は一定で、かつ小さいことが分かる。このことから、シリコン縦型IGBTならびにシリコンMOSFETより優れた特性を示していると共に、縦型デバイスとして充分機能していることが分かる。
さらに、ターンオフ特性を測定すると、表2に示すように、シリコンIGBTに比べ、約6分の1のターンオフ時間となり、低損失、高速化が図られていることが分かる。
Figure 2009054659
以上に説明したような窒化ガリウムショットキバリアダイオードの製造方法を含む窒化ガリウム半導体装置の製造方法によれば、既存シリコン縦型半導体なみの大電流におけるオン電圧特性を有し、かつシリコン半導体装置より高速性に優れた高耐圧縦型窒化ガリウム系半導体装置の製造方法を提供することができる。また、本発明にかかる製造方法により作成されたGaN半導体装置では、トレンチ内に埋め込んだ金属等の導電物により、オン電流によりGaN半導体層内で発生した熱の放熱性に優れるという効果も有している。
本発明の実施例1にかかるGaNショットキバリアダイオードの断面図である。 本発明の実施例1にかかるGaNショットキバリアダイオード製造工程(その1)の断面図である。 本発明の実施例1にかかるGaNショットキバリアダイオード製造工程(その2)の断面図である。 従来のシリコン基板にGaNをエピタキシャル成長させた半導体基板の概略断面図である。 本発明の実施例1にかかるGaNショットキバリアダイオードのI−V特性図である。 本発明の実施例1にかかるGaNショットキバリアダイオードの耐圧特性図である。 本発明の実施例4にかかるGaN−MOSFETの概略断面図である。 本発明の実施例4にかかるGaN−MOSFETの製造方法を示す概略断面図である(その1)。 本発明の実施例4にかかるGaN−MOSFETの製造方法を示す概略断面図である(その2)。 本発明の実施例4にかかるGaN−MOSFETの製造方法を示す概略断面図である(その3)。 本発明の実施例4にかかるGaN−MOSFETの製造方法を示す概略断面図である(その4)。 本発明の実施例4にかかるGaN−MOSFETの耐圧特性図である。 本発明の実施例4にかかるGaN−MOSFETのI−V特性図である。
符号の説明
1 シリコン半導体基板
2 AlN層、バッファ層
3 ノンドープGaN層、バッファ層
4 高濃度n+GaN層
5 低濃度n-GaN層
6 トレンチ
7 導電物、アルミニウム、導電性ポリシリコン
8 カソード電極
9 アノード電極
10 シリコン酸化膜
12 トレンチ
13 p−GaN層
14 p+
15 n+
16 トレンチ
17 ゲート酸化膜
18 低抵抗ポリシリコン。

Claims (6)

  1. 絶縁体基板もしくは半導体基板の一面上に、前記基板と該基板上に成長させる窒化ガリウム半導体層との間の結晶構造変換ならびに結晶品質改善のために設けられるバッファ層を介して窒化ガリウム半導体層を成長させ、その後、前記絶縁体基板もしくは半導体基板の他面から前記窒化ガリウム半導体層に到達する深さのトレンチを複数形成し、該トレンチ中に導電物を埋め込み、前記窒化ガリウム半導体層表面と基板の他面に電極を形成する工程を有することを特徴とする窒化ガリウム半導体装置の製造方法。
  2. 前記基板がシリコンであることを特徴とする請求項1の窒化ガリウム半導体装置の製造方法。
  3. 前記基板がサファイヤであることを特徴とする請求項1の窒化ガリウム半導体装置の製造方法。
  4. 前記絶縁体基板もしくは半導体基板の他面から前記窒化ガリウム半導体層に到達する深さのトレンチを複数形成する前に、前記絶縁体基板もしくは半導体基板の他面側を研磨して厚みを薄くしてから、前記トレンチを複数形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の窒化ガリウム半導体装置の製造方法。
  5. 前記トレンチに埋め込まれる導電物がアルミニウムであることを特徴とする請求項4記載の窒化ガリウム半導体装置の製造方法。
  6. 前記トレンチに埋め込まれる導電物が高不純物濃度のポリシリコンであることを特徴とする請求項4記載の窒化ガリウム半導体装置の製造方法。
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