JP2009052576A - 電磁アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 アジャスタの圧入ズレを防ぎ、可動子用スプリングのバネ荷重の変化を防ぐとともに、シャフトの摺動クリアランスに異物が侵入するのを阻止できる電磁アクチュエータを提供する。
【解決手段】 可動子用スプリング43のバネ荷重は、ヨーク45に圧入されるアジャスタ49の圧入量により調整される。シャフト48の前部には大径部48bが設けられ、シャフト48が後方へ移動した際に大径部48bの後面がステータコア44の前面に当接して、シャフト48の開弁方向の移動範囲を規制するとともに、シャフト摺動穴44aを閉塞する。アジャスタ49に衝突力が加わらないため、長期に亘ってアジャスタ49の圧入ズレが防がれ、可動子用スプリング43のバネ荷重の変化が防がれる。また、大径部48bによって摺動クリアランスへの異物の侵入が阻止され、シャフト48の摺動不良を防ぐことができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、可動子にバネ荷重を付与する可動子用スプリング、およびこの可動子用スプリングのバネ荷重の調整を行うアジャスタを備える電磁アクチュエータに関し、流体が吐出する吐出口を可動子に設けられた開閉弁によって開閉(吐出口の開度調節を含む)する電磁アクチュエータに用いて好適な技術に関する。
〔従来技術1〕
可動子用スプリングのバネ荷重の調整を行うアジャスタを備える電磁アクチュエータとして、例えば、油圧により駆動されるスプール弁と組み合わされた電磁油圧制御弁が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に示された電磁油圧制御弁を、図4を参照して説明する。なお、実施例1と同一機能物には、同一符号を付して説明する。
図4に示される電磁油圧制御弁は、三方弁構造のスプール弁1におけるスプール4を、ブリード室34の圧力によって軸方向に駆動するものであり、ブリード室34の圧力制御を行う電磁ブリード弁2を備える。
電磁ブリード弁2は、スプール4との間でオイル(流体の一例)の供給を受けるブリード室34を形成するとともに、ブリード室34と低圧側(排圧側)を連通させるブリードポート(吐出口の一例)35が形成されたシート部材31と、ブリードポート35を開閉する電磁アクチュエータ33とを備える。
電磁アクチュエータ33は、通電により磁力を発生するコイル41、このコイル41の発生する磁力による磁束ループを形成する磁気固定子(ステータコア44+ヨーク45)、この磁気固定子における磁気吸引部αに磁気吸引される可動子42、この可動子42を閉弁方向(可動子42の軸方向端に形成された開閉弁32がブリードポート35を閉塞する側)に付勢する可動子用スプリング43、この可動子用スプリング43のバネ荷重の調整を行うアジャスタ49を備える。
図4に示される従来技術1の可動子42は、ブリードポート35を開閉する開閉弁32と、磁気吸引されるムービングコア47とが一体のものであった。このため、開閉弁32も鉄等の磁性部材で設けられることになり、開閉弁32がコイル41の発生する磁力によって磁化する。すると、オイル中に含まれる磁性材異物(鉄粉など)が開閉弁32に付着し、開閉弁32に摩耗が発生して初期特性に対して特性変化量が大きくなってしまう。
また、可動子42は、摺動性と磁気特性を両立しなければならず、可動子42に使用される材料や、表面処理も限られてしまう。このため、開閉弁32の硬度や、硬化膜の厚み不足が生じることになり、開閉弁32の耐摩耗性を高めることが困難となる。
〔従来技術2〕
上記の不具合を解決する技術として、図5に示すように、可動子42を、コイル41の発生する磁力により軸方向へ磁気吸引される筒形状を呈したムービングコア47と、このムービングコア47の筒内に圧入されるシャフト48とで構成することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
この特許文献2では、可動子42(ムービングコア47+シャフト48)が開弁方向へ移動した際に、可動子42の開弁方向の移動範囲を規制する手段として、ムービングコア47とシャフト48の軸ズレを抑えるために、シャフト48をアジャスタ49に衝突させる技術が提案されている。
具体的に、従来技術2では、シャフト48の端部にシャフト端凸部48aを設けるとともに、アジャスタ49の端部にもアジャスタ端凸部49aを設け、シャフト端凸部48aとアジャスタ端凸部49aが軸方向に当接することで、可動子42の開弁方向の移動範囲を規制するように設けられている。
〔問題点1〕
図5における従来技術2のアジャスタ49は、従来技術1と同様、ヨーク45(磁気固定子の構成部品)にネジ込まれて可動子用スプリング43のバネ荷重(付勢力)の調整を行うものであった。このため、ヨーク45に雌ネジを形成し、アジャスタ49に雄ネジを形成する必要があり、製造コストの上昇の要因になっていた。
また、電磁アクチュエータ33は、ヨーク45に設けられるアジャスタ螺合用の筒状ボス部J1により、軸方向寸法が長くなってしまう。
そこで、上記の不具合を解決する技術として、図2に示すように、アジャスタ49をヨーク45の内部に圧入し、軸方向の圧入量により可動子用スプリング43のバネ荷重の調整を行うことが考えられる(参考例1:周知の技術ではない)。
しかるに、図2に示すように、アジャスタ49をヨーク45に圧入する構造を採用した場合には、アジャスタ49がシャフト48の衝突荷重を受け止める機能を有する。このため、シャフト48がアジャスタ49に衝突する毎に、ヨーク45とアジャスタ49の圧入部に軸方向にズレる力が作用する。このため、電磁油圧制御弁を長期に亘って使用すると、アジャスタ49の圧入ズレ(軸方向の位置ズレ)が生じる可能性がある。
電磁アクチュエータ33は、コイル41に与えられる通電量(電流値)によって、ムービングコア47の軸方向位置が制御されて、シャフト48に設けられた開閉弁32の軸方向位置が制御されるものである。このため、アジャスタ49に圧入ズレが生じて、可動子用スプリング43のバネ荷重が変化すると、コイル41に与えられる電流値に対して、開閉弁32の位置がズレてしまう。
これにより、図3(a)に示すように、コイル41に与えられる電流値に対してスプール弁1の出力圧が、図中破線Aの初期特性に対し、図中実線Bの作動後特性に示すようにズレてしまう。
〔問題点2〕
ブリード排出ポート13から排出されたオイルには、異物が含まれている可能性がある。そこで、従来技術1、2では、ダイアフラムJ2を用いてブリード排出ポート13から排出されるオイルが電磁アクチュエータ33の内部に侵入するのを防いでいた。
具体的に、従来技術1、2では、図4、図5に示されるように、電磁アクチュエータ33の排圧室50側を可撓性のダイアフラムJ2で閉塞し、ダイアフラムJ2の反電磁アクチュエータ33側(図示左側)に防圧遮蔽板J3を設けて、排圧室50の圧力が直接的にダイアフラムJ2に加わるのを防ぐようにしていた。
しかるに、オイルに含まれる異物が電磁アクチュエータ33内に侵入するのを防ぐために、ダイアフラムJ2および防圧遮蔽板J3を設けることで、コスト上昇の要因になっていた。
また、ダイアフラムJ2および防圧遮蔽板J3の配置スペースを確保するために、電磁油圧制御弁の軸方向寸法が長くなる不具合があった。
そこで、上記の不具合を解決する技術として、ダイアフラムJ2および防圧遮蔽板J3を廃止し、図2の参考例1に示すように、電磁アクチュエータ33の排圧室50側をステータコア44で閉塞し、排圧室50に排出されたオイルが電磁アクチュエータ33内に流入するのを防ぐことが考えられる。
しかし、ステータコア44とシャフト48の間には摺動クリアランスが存在するため、ブリードポート35から排圧室50内に排出されたオイルが直接摺動クリアランスに流入するように作用する。このように、排出オイルが摺動クリアランスに直接流入するように作用することで、オイル中に含まれる異物が摺動クリアランスに侵入する可能性が高まり、シャフト48の摺動不良(スティックやロック等)の要因となる。
特開2002−357281号公報 特開2007−100833号公報
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、アジャスタを磁気固定子(例えば、ヨーク等)に圧入する構造を採用し、シャフトがアジャスタ側へ移動して衝突しても、アジャスタの圧入ズレを防ぎ、可動子用スプリングのバネ荷重の変化を防ぐことのできる電磁アクチュエータの提供にある。
〔請求項1の手段〕
請求項1に記載の電磁アクチュエータにおける可動子は、磁気吸引部に磁気吸引される磁性体製のムービングコアと、磁気固定子において軸方向に貫通形成されたシャフト摺動穴によって軸方向へ摺動自在に支持される非磁性体製のシャフトとを結合してなる。そして、シャフトは、アジャスタとは異なる側に、シャフトがアジャスタ側へ移動した際に磁気固定子に当接してアジャスタ側への移動を規制する大径部を備える。
このように、可動子がアジャスタ側へ移動した際に、シャフトが磁気固定子に当接(衝突)して軸方向の移動が規制されるため、アジャスタには衝突力が加わらない。このため、アジャスタが磁気固定子に圧入固定される構造を採用しても、アジャスタの圧入ズレが防がれ、可動子用スプリングのバネ荷重の変化が防がれる。
この結果、コイルに与えられる電流値に対する可動子の位置の特性変化を、長期に亘って抑えることができ、電磁アクチュエータの信頼性を高めることができる。
〔請求項2の手段〕
請求項2に記載の電磁アクチュエータは、流体が吐出する吐出口を、可動子に設けられた開閉弁によって開閉するものであり、シャフトが吐出口を開く開弁方向に移動して大径部が磁気固定子に当接することで、大径部がシャフト摺動穴における吐出口側を閉塞する。
このように、大径部がシャフト摺動穴における吐出口側を閉塞することで、吐出口から流出した流体(例えば、オイル等)がシャフトの摺動クリアランス(磁気固定子とシャフトの間)に流入しなくなり、流体に含まれる異物が摺動クリアランスに侵入する不具合を回避できる。
また、大径部がシャフト摺動穴を完全に塞がない状態であっても、大径部が邪魔板として作用して、吐出口から流出した流体がシャフトの摺動クリアランスに直接流入できなくなり、流体に含まれる異物が摺動クリアランスに侵入する不具合を回避できる。
このように、大径部によって摺動クリアランスへの異物の侵入が阻止されるため、シャフトの摺動不良(スティックやロック等)の発生が防がれ、電磁アクチュエータの信頼性を高めることができる。
即ち、ダイアフラムや防圧遮蔽板を廃止しても、電磁アクチュエータの信頼性を得ることができる。
〔請求項3の手段〕
請求項3に記載の電磁アクチュエータは、流体が吐出する吐出口を、可動子に設けられた開閉弁によって開閉する。そして、可動子は、筒形状を呈したムービングコアと、このムービングコアの筒内に圧入されるシャフトとからなる。
吐出口から吐出される流体の吐出圧によってシャフトに与えられた力が、シャフトから磁気固定子に伝えられるため、シャフトとムービングコアの圧入部に衝突による軸方向のズレの力が作用せず、シャフトとムービングコアの圧入ズレが防がれる。
この結果、コイルに与えられる電流値に対する開閉弁の位置の特性変化を、長期に亘って抑えることができ、電磁アクチュエータの信頼性を高めることができる。
〔請求項4の手段〕
請求項4に記載の電磁アクチュエータは、バルブボディ内で摺動可能に支持された可動バルブを、この可動バルブの端部に形成されたブリード室の圧力によって駆動する電磁ブリード弁に用いられるものである。
これにより、コイルに与えられる電流値に対するブリード室の圧力の特性変化を、長期に亘って抑えることができ、電磁ブリード弁の信頼性を高めることができる。
〔請求項5の手段〕
請求項5に記載の電磁アクチュエータにおけるバルブボディは、略筒形状を呈したスリーブであり、可動バルブは、スリーブ内において軸方向に摺動自在に支持されたスプールである。
これによって、スプールがブリード室の圧力によって駆動されるタイプのスプール弁の特性変化を、長期に亘って抑えることができ、電磁ブリード弁と組み合わされたスプール弁の信頼性を高めることができる。
最良の形態1の電磁アクチュエータは、通電により磁力を発生するコイルと、このコイルの発生する磁力による磁束ループを形成する磁気固定子と、この磁気固定子における磁気吸引部に磁気吸引される可動子と、この可動子に対して軸方向のバネ荷重を付与する可動子用スプリングと、磁気固定子に取り付けられて可動子用スプリングのバネ荷重の調整を行うアジャスタとを備える。
アジャスタは、磁気固定子に圧入固定される。
可動子は、磁気吸引部に磁気吸引される磁性体製のムービングコアと、磁気固定子において軸方向に貫通形成されたシャフト摺動穴によって軸方向へ摺動自在に支持される非磁性体製のシャフトとを結合してなる。
シャフトは、アジャスタとは異なる側に、シャフトがアジャスタ側へ移動した際に磁気固定子に当接してアジャスタ側への移動を規制する大径部を備える。
本発明の電磁アクチュエータを電磁油圧制御弁に適用した実施例1を説明する。この実施例1では、先ず従来技術2(図5参照)を改良した「参考例1の電磁油圧制御弁」を説明し、その後で「実施例1の電磁油圧制御弁」を説明する。なお、以下では、便宜上、図1、図2の左側を前(フロント)、右側を後(リヤ)として説明するが、実際の搭載方向にかかるものではない。
〔参考例1の電磁油圧制御弁〕
参考例1の電磁油圧制御弁を図2を参照して説明する。
電磁油圧制御弁は、例えば自動変速機の油圧制御装置に搭載されるものであり、油圧の切替あるいは油圧の調整を行う油圧制御弁を構成するスプール弁1と、このスプール弁1を駆動する電磁ブリード弁2とを組み合わせたものである。
なお、以下では、電磁ブリード弁2の一部を成す電磁アクチュエータ33(後述する)がOFFの状態で、ブリードポート35(後述する)の開度が最大になるタイプであり、且つ、電磁アクチュエータ33がOFFの状態で、ブリードポート35が開かれて、後述する入力ポート7と出力ポート8の連通度合が最小(閉鎖)になるとともに、後述する出力ポート8と排出ポート9の連通度合が最大になるタイプ{電磁油圧制御弁全体で見ればN/L(ノーマリロー出力)タイプ}の電磁油圧制御弁を示す。
(スプール弁1の説明)
スプール弁1は、スリーブ(バルブボディの一例)3、スプール(可動バルブの一例)4およびスプール用リターンスプリング(圧縮コイルスプリング)5を備える。
スリーブ3は、図示しない油圧コントローラのケース内に挿入されるものであり、略円筒形状を呈する。
スリーブ3には、スプール4を軸方向へ摺動自在に支持する挿通穴6、オイルポンプ(油圧発生手段)のオイル吐出口に連通し、走行状態に応じた入力油圧(オイル)が供給される入力ポート7、スプール弁1で調圧された出力油圧が出力される出力ポート8、低圧側(オイルパン等)に連通する排出ポート9が形成されている。
スリーブ3の前端部には、スリーブ3内にスプール用リターンスプリング5を組み入れるためのバネ挿入穴11が形成されている。
入力ポート7、出力ポート8、排出ポート9等のオイルポートは、スリーブ3の側面に形成された穴であり、スリーブ3の側面には前側から後側に向けて、入力ポート7、出力ポート8、排出ポート9、後述するブリード室34にオイルを供給するオイル供給ポート12、ブリード室34から排出されたオイルをスリーブ3の外部に排出するブリード排出ポート13が形成されている。
ここで、オイル供給ポート12には、オイル供給ポート12を通過する最大のオイル流量を規制する制御オリフィス12aが設けられており、後述する開閉弁32が開かれた際の消費流量を抑えるように設けられている。
なお、オイル供給ポート12は、スリーブ3の外部(油圧コントローラ内)で減圧弁を介して入力ポート7と連通し、排出ポート9とブリード排出ポート13はスリーブ3の外部(油圧コントローラ内)で連通するものである。
スプール4は、スリーブ3内に摺動可能に配置され、入力ポート7をシールする入力シールランド14、排出ポート9をシールする排出シールランド15を有する。そして、入力シールランド14と排出シールランド15の間に分配室16が形成される。
また、スプール4は、入力シールランド14の前側に、入力シールランド14より小径のF/Bランド17を備え、入力シールランド14とF/Bランド17のランド差(径差)によってF/B室18が形成される。
スプール4内には、分配室16とF/B室18を連通するF/Bポート19が形成されており、出力圧に応じたF/B油圧をスプール4に発生させる。なお、F/Bポート19には、F/Bオリフィス19aが設けられており、F/B室18内に適切なF/B油圧が発生するように設けられている。
このため、F/B室18に印加される油圧(出力圧)が大きくなるに従って入力シールランド14とF/Bランド17のランド差による差圧により、スプール4には後方へ変位する軸力が発生する。これによって、スプール4の変位が安定し、入力圧の変動により出力圧が変動するのを防ぐことができる。
なお、スプール4は、スプール用リターンスプリング5のバネ荷重と、ブリード室34の圧力によるスプール4の駆動力と、入力シールランド14とF/Bランド17のランド差による軸力とが釣り合う位置で静止するものである。
スプール用リターンスプリング5は、スプール4を閉弁側(入力側シール長が長くなって出力圧が低下する側:後方)に付勢する筒状に螺旋形成されたコイルスプリングであり、スリーブ3の前側のバネ室21内に圧縮された状態で配置される。このスプール用リターンスプリング5は、一端がF/Bランド17の内部に軸方向に形成された凹部22の底面に当接し、他端がスリーブ3の前端に溶接やカシメ等により固着されたバネ座23の底面に当接した状態で保持される。
なお、バネ室21内に形成された段差21aは、スプール4の前端が当接することで、スプール4の「最大開弁位置(スプール最大リフト位置)」を決定するものである。
(電磁ブリード弁2の説明)
電磁ブリード弁2は、スプール4の後側に形成されるブリード室34(後述する)の圧力によってスプール4を前方へ駆動するものであり、シート部材31、開閉弁32、電磁アクチュエータ33を備える。
シート部材31は、スリーブ3の後側の内部に固定された略リング形状を呈するものであり、スプール4との間にはスプール4を駆動するためのブリード室34が形成される。また、シート部材31の中心部には、ブリード室34と低圧側(上述したブリード排出ポート13)を連通させるブリードポート35(吐出口の一例)が形成されている。
このシート部材31は、前端面にスプール4が当接して、スプール4の「最大閉弁位置(スプール着座位置)」を決定するものである。また、シート部材31は、後端面に後述するシャフト48の前端に設けられた開閉弁32が当接するものであり、開閉弁32がシート部材31の後端面に当接することにより、ブリードポート35が閉塞される。
なお、スプール4がシート部材31に当接(着座)すると、スプール4がオイル供給ポート12とブリード室34の連通状態を極めて微小にして、オイル供給ポート12→ブリード室34→ブリードポート35を介して排出されるオイルの消費流量を抑えるように設けられている。
電磁アクチュエータ33は、通電により磁力を発生するコイル41、このコイル41の発生する磁力により軸方向へ磁気吸引される可動子42の他に、可動子用スプリング(圧縮コイルスプリング)43、磁気固定子(ステータコア44とヨーク45で構成される)、コネクタ46を備え、オイルの吐出圧が加わるブリードポート35の開度を、可動子42に設けられた開閉弁32によって調整(ブリードポート35の開閉を含む)する。なお、開閉弁32がブリードポート35の開度を小さくすると、ブリード室34の内圧が上昇してスプール4が開弁方向(前方)へ変位し、逆に開閉弁32がブリードポート35の開度を大きくすると、ブリード室34の内圧が低下してスプール4が閉弁方向(後方)へ変位する。
コイル41は、通電されると磁力を発生して、可動子42(具体的には、後述するムービングコア47)と磁気固定子(ステータコア44、ヨーク45)を通る磁束ループを形成させるものであり、樹脂ボビンの周囲に絶縁被膜線を多数巻回したものである。
可動子42は、ステータコア44に磁気吸引される磁性体製のムービングコア47と、ステータコア44において軸方向に貫通形成されたシャフト摺動穴44aによって軸方向へ摺動自在に支持される非磁性体製のシャフト48とを結合してなる。具体的に可動子42は、コイル41の発生する磁力により軸方向へ磁気吸引される筒形状を呈したムービングコア47と、このムービングコア47の筒内に圧入され、軸方向の端部に開閉弁32が直接形成されたシャフト48とからなる。
ムービングコア47は、略円筒形状を呈した磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)である。
シャフト48は、ムービングコア47内に圧入固定された略棒形状を呈する高硬度の非磁性材料(例えば、ステンレス等)であり、前端部にブリードポート35を開閉する開閉弁32が形成されている。
シャフト48の前側は、ステータコア44の中心部において軸方向に貫通形成されたシャフト摺動穴44aによって軸方向へ摺動自在に支持されるものであり、シャフト48の後側(電磁アクチュエータ33の内部)の外周面にはムービングコア47が圧入固定される。このようにシャフト48により軸方向へ摺動自在に支持される構造を採用し、ムービングコア47は周囲の部材に対して非接触で支持される。
可動子用スプリング43は、シャフト48を閉弁側(開閉弁32がブリードポート35を閉じる側)に付勢する筒状に螺旋形成されたコイルスプリングであり、シャフト48とヨーク45の軸中心(具体的には、後述する内周筒の内周面)に圧入固定されたアジャスタ49との間で圧縮された状態で配置される。
ここで、電磁ブリード弁2は、電磁アクチュエータ33がOFFの時(ムービングコア47に前方へ向かう磁力が作用していない時)に、ブリードポート35内から開閉弁32が受けるオイルの吐出圧によって開閉弁32が後方へ移動してブリードポート35を開くものである。
可動子用スプリング43は、可動子42に対して特性調整のための付勢力を与えるものであり、電磁アクチュエータ33がOFFの時に、ブリードポート35内から開閉弁32が受けるオイルの吐出圧によってシャフト48が後方へ移動できるバネ力に設定される。なお、可動子用スプリング43のバネ荷重は、アジャスタ49の圧入量(具体的には、ヨーク45に対するアジャスタ49の軸方向への圧入量)によって調整される。
ステータコア44は、磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)よりなり、ヨーク45とスリーブ3との間に軸方向に挟まれるフランジを介してヨーク45と磁気的に結合されている。
ステータコア44は、ムービングコア47と軸方向に対向し、ムービングコア47を前方(開閉弁32がブリードポート35を閉じる方向)へ磁気吸引する磁気吸引部αを備える。この磁気吸引部αは、ムービングコア47を磁気吸引した際にムービングコア47と軸方向に交差する部分に筒部を備える。なお、この筒部の外周面にテーパ面を形成し、ムービングコア47のストローク量に対して磁気吸引力が変化しないように設けても良い。
ステータコア44は、スリーブ3の後側の内部と、電磁アクチュエータ33の内部とを区画するものであり、スリーブ3の後側の内部には、シート部材31とステータコア44で区画され、ブリード排出ポート13に連通する排圧室50が形成される。
ステータコア44の中心部には、上述したように軸方向に貫通したシャフト摺動穴44aが形成されており、このシャフト摺動穴44aの内周面においてシャフト48を軸方向へ摺動自在に支持する。
ヨーク45は、コイル41の周囲を覆って磁束を流す略2重筒のカップ状に形成された磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)であり、開口端部に形成された爪部をカシメることでスリーブ3と強固に結合される。ヨーク45は、コイル41の外周を覆う外周筒と、コイル41の後側の内周に配置される内周筒と、外周筒と内周筒の後端を結合するリング状の底部とが一体に設けられたものである。内周筒は、ムービングコア47の外周に配置されて、ムービングコア47と径方向の磁束の受け渡しを行うものである。
ここで、参考例1のアジャスタ49は、上述した可動子用スプリング43のバネ荷重の調整を行う手段の他に、可動子42が開弁方向(後方)へ移動した際にシャフト48に当接して可動子42の最大開度を規制するストッパの機能を有している。具体的に、シャフト48の後端には、後方へ突出するシャフト端凸部48aが形成されており、可動子42が後方へ移動して、シャフト端凸部48aがアジャスタ49に当接(衝突)することで、可動子42の開弁方向の移動範囲が規制されるようになっている。
コネクタ46は、電磁油圧制御弁を制御する電子制御装置(AT−ECU:図示しない)と接続線を介して電気的な接続を行う接続手段であり、その内部にはコイル41の両端にそれぞれ接続される端子46aが配置されている。
なお、電子制御装置は、デューティ比制御によって電磁アクチュエータ33のコイル41へ供給する通電量(電流値)を制御するものであり、コイル41への通電量を制御することによって、ブリードポート35のオイルの吐出圧に抗して可動子42(ムービングコア47+シャフト48)の軸方向の位置をリニアに変位させるものであり、可動子42の軸方向位置を変化させることで開閉弁32の軸方向位置を変化させて、ブリードポート35の開度を制御して、ブリード室34に発生する圧力をコントロールするものである。
このように、ブリード室34に発生する圧力が電子制御装置によって制御されることで、スプール4の軸方向位置が制御される。これによって、入力シールランド14による入力ポート7と分配室16の入力側シール長と、排出シールランド15による分配室16と排出ポート9の排出側シール長との比率が制御され、その結果、出力ポート8に発生するオイルの出力圧が制御される。
具体的な電磁油圧制御弁の作動を説明する。
電磁アクチュエータ33の通電が停止された状態では、ブリードポート35に加わるオイルの吐出圧によって開閉弁32が後方へ押されて、可動子42(ムービングコア47+シャフト48)が後方へ変位し、ブリードポート35の開度が大きくなる。これによって、ブリード室34の内圧が排圧状態となり、スプール4はシート部材31に当接して「最大閉弁位置(スプール着座位置)」で停止する。このように、スプール4が「最大閉弁位置」で停止する状態では、入力ポート7と出力ポート8の連通度合が最小(閉鎖)になるとともに、出力ポート8と排出ポート9の連通度合が最大になり、出力ポート8の出力圧が排圧状態になる。
電磁アクチュエータ33に駆動電流が与えられ、ムービングコア47に前方へ向かう磁気吸引力が与えられ、可動子42(ムービングコア47+シャフト48)が前方へ変位して、ブリードポート35の開度が小さくなると、ブリード室34の内圧が上昇する。電磁アクチュエータ33に与えられる駆動電流が増加するに従い、ブリードポート35の開度が小さくなり、その結果、ブリード室34の内圧がさらに上昇して、スプール4がスプール用リターンスプリング5の付勢力に抗して前方へ移動する。即ち、電磁アクチュエータ33に与えられる駆動電流が増加するに従い、入力ポート7と出力ポート8の連通度合が大きくなるとともに、出力ポート8と排出ポート9の連通度合が小さくなり、出力ポート8の出力圧が高まる。
電磁アクチュエータ33に与えられる駆動電流がさらに増加し、開閉弁32がシート部材31に当接してブリードポート35が閉塞されると、オイル供給ポート12からブリード室34に供給されるオイルの圧力によってブリード室34の内圧がさらに高まる。すると、スプール4がスプール用リターンスプリング5の付勢力に抗して前方へさらに移動し、入力ポート7と出力ポート8の連通度合が最大になるとともに、出力ポート8と排出ポート9の連通度合が最小(閉鎖)になり、出力ポート8の出力圧は最大出力になる。
なお、スプール4は、ブリード室34の圧力によるスプール4の後端面に発生する力と、スプール用リターンスプリング5のバネ荷重と、F/B室18に最大出力圧(F/B室18の入力圧)が加わった時に発生するF/Bによる軸力とが釣り合う位置で静止する。この最大出力時の静止位置は、通常はスプール4の「最大開弁位置(スプール最大リフト位置)」よりも後側に設定され、スプール4がバネ室21内に形成された段差21aに当接しないようになっている。
(参考例1の効果)
○参考例1に示す電磁油圧制御弁は、アジャスタ49をヨーク45の内部(具体的には内周筒の内側)に圧入し、軸方向の圧入量により可動子用スプリング43のバネ荷重の調整を行うように設けている。これにより、アジャスタ49をヨーク45にネジ込む従来技術2に比較して、電磁アクチュエータ33のコストを抑えることができるとともに、電磁アクチュエータ33の軸方向寸法を短縮することができる。
○可動子42を、略円筒形状を呈した磁性体金属よりなるムービングコア47と、ムービングコア47内に圧入固定された略棒形状を呈する高硬度の非磁性材料のシャフト48とで設けたため、シャフト48に設けられる開閉弁32は磁化しない。このように、開閉弁32が磁化しないため、オイル中に含まれる磁性材異物(鉄粉など)が開閉弁32に付着する不具合が回避され、開閉弁32に付着した磁性材異物により開閉弁32に摩耗が発生して初期特性に対して特性変化量が大きくなる不具合を回避できる。
○可動子42を、ムービングコア47にシャフト48を圧入して設けたため、ムービングコア47およびシャフト48に使用される材料や、表面処理を、それぞれに適したものを自由に採用することができる。即ち、ムービングコア47およびシャフト48をそれぞれ最良の部材、最良の表面処理等で設けることができる。これによって、例えば、開閉弁32の硬度や、硬化膜の厚み不足が生じる不具合を回避でき、開閉弁32の耐摩耗性を高めることができる。
○可動子42を、ムービングコア47にシャフト48を圧入して設けたため、ムービングコア47またはシャフト48の一方の形状を変えるだけで、これまでとは異なる可動子42を提供することができる。この結果、可動子42の変更に要するコストを抑えることができ、電磁アクチュエータ33のコストを抑えることが可能になる。
○開閉弁32がブリードポート35を開く方向に移動して、シャフト48がアジャスタ49に当接(衝突)することで、可動子42の開弁方向の移動が規制される。ブリードポート35から吐出されるオイルの吐出圧によってシャフト48に与えられた後方向の力が、シャフト48からアジャスタ49に伝えられるため、衝突力がシャフト48とムービングコア47の圧入部に作用しない。このため、シャフト48とムービングコア47の圧入ズレを防ぐことができる。
(参考例1の問題点1)
図2に示す参考例1の電磁油圧制御弁は、従来技術2(図5参照)と同様、可動子42がブリードポート35を開く方向に移動した際、シャフト48(具体的には、シャフト端凸部48a)がアジャスタ49に衝突して可動子42の開弁方向の移動範囲を規制していた。
具体的に、図2に示す参考例1の電磁油圧制御弁は、シャフト48が前方へ駆動されている状態からコイル41の通電が停止された場合、シャフト48にブリードポート35から吐出するオイルの吐出圧が与えられて、シャフト48が後方に向けて移動し、シャフト48がアジャスタ49に衝突する。
このため、シャフト48がアジャスタ49に衝突する毎に、アジャスタ49には後方へズレる力が作用する。これにより、電磁油圧制御弁を長期に亘って使用すると、ヨーク45に対してアジャスタ49の圧入ズレ(軸方向の位置ズレ)が生じる可能性がある。
電磁アクチュエータ33は、コイル41に与えられる通電量によって、ムービングコア47の軸方向位置が制御されて、シャフト48に設けられた開閉弁32の軸方向位置が制御されるものであるため、アジャスタ49に圧入ズレが生じて、可動子用スプリング43のバネ荷重が変化すると、コイル41に与えられる電流値に対して、開閉弁32の位置がズレることになり、ブリード室34の圧力が初期特性(狙い値)からズレてしまう。その結果、図3(a)に示すように、コイル41に与えられる電流値に対してスプール弁1の出力圧が、図中破線Aの初期特性に対し、図中実線Bの作動後特性に示すようにズレてしまう。
(参考例1の問題点2)
図2に示す参考例1の電磁油圧制御弁は、従来技術2(図5参照)で採用していたダイアフラムJ2および防圧遮蔽板J3(符号、図5参照)を廃止し、ステータコア44によって電磁アクチュエータ33内を閉塞し、排圧室50から排出されるオイルが電磁アクチュエータ33内に流入するのを防いでいる。
しかし、ステータコア44とシャフト48の間には摺動クリアランスが存在するため、ブリードポート35から排圧室50内に排出されたオイルが直接的に摺動クリアランスへ流入するように作用する。このように、オイルが直接摺動クリアランスに流入するように作用することで、オイル中に含まれる異物が摺動クリアランスに侵入する可能性が高まり、シャフト48の摺動不良(スティックやロック等)を発生させる可能性がある。
〔実施例1の電磁油圧制御弁〕
実施例1の電磁油圧制御弁を、図1を参照して説明する。
上記の問題点1、2を解決するために、この実施例1の電磁アクチュエータ33は、次に示す技術を採用している。
シャフト48においてアジャスタ49とは異なる側(前側)には、シャフト48がアジャスタ49側(後方)へ移動した際にステータコア44(磁気固定子の一例)に当接してアジャスタ49側への移動を規制する大径部48bが設けられている。即ち、可動子42がブリードポート35を開く方向に移動した際、シャフト48の前部に形成された大径部48bがステータコア44に直接当接することで、可動子42の開弁方向の移動範囲を規制するように設けられている。
また、シャフト48がブリードポート35を開く開弁方向に移動して大径部48bがステータコア44に当接することで、大径部48bがシャフト摺動穴44aにおけるブリードポート35側(排圧室50側)を閉塞するように設けられている。
具体的にシャフト48には、図1(b)に示されるように、大径部48bが一体に設けられている。この大径部48bは、略円柱形状を呈する。大径部48bの外形寸法φd1は、シャフト摺動穴44aにより摺動保持される摺動軸部48cの外形寸法φd2(およびシャフト摺動穴44aの内径寸法φd0)より大きく設けられている(φd1>φd2、φd0)。そして、大径部48bと摺動軸部48cとによるリング状の段差面(大径部48bの後面)は、軸方向に対して垂直に設けられている。
この大径部48bの前端には、開閉弁32が設けられるものであり、大径部48bは排圧室50内に配置される。そして、シャフト48が後方(アジャスタ49側)へ移動することにより、大径部48bと摺動軸部48cとの段差面が、ステータコア44の前面に当接して、シャフト48の後方(開弁方向)への移動範囲を規制するとともに、シャフト摺動穴44aにおけるブリードポート35側を閉塞する。
なお、シャフト48の後端部は、大径部48bと摺動軸部48cとの段差面がステータコア44に当接した状態であっても、アジャスタ49に到達しないように設けられる。具体的にこの実施例1におけるシャフト端凸部48aは、可動子用スプリング43の前端の保持機能のみを有するバネ座であり、シャフト端凸部48aはアジャスタ49に当接しないように軸方向に短く設けられている。
(実施例1の効果)
実施例1の電磁油圧制御弁は、上記参考例1の効果に加えて、次の効果を得ることができる。
○開閉弁32がブリードポート35を開く方向に可動子42が移動した際、シャフト48が直接ステータコア44に当接して開弁方向の移動が規制される。具体的には、可動子42が後方へ移動した際に、大径部48bと摺動軸部48cとの段差面がステータコア44に当接して、シャフト48の後方への移動範囲が規制される。
このように、この実施例の電磁油圧制御弁では、アジャスタ49にシャフト48の移動範囲を規制するための衝突力が加わらない。このため、アジャスタ49がヨーク45に圧入固定される構造を採用しても、アジャスタ49の圧入ズレが防がれ、可動子用スプリング43のバネ荷重の変化が防がれる。
この結果、コイル41に与えられる電流値に対する開閉弁32の位置の特性変化を、長期に亘って抑えることができる。
言い換えると、コイル41に与えられる電流値に対するブリード室34の圧力の特性変化を、長期に亘って抑えることができる。
さらに言い換えると、コイル41に与えられる電流値に対する電磁油圧制御弁の出力圧(出力ポート8から発生する油圧)の特性変化を長期に亘って抑えることができる。具体的には、アジャスタ49の圧入ズレが長期に亘って防がれ、それによって可動子用スプリング43のバネ荷重の変化が長期に亘って防がれるため、図3(b)に示すように、コイル41に与えられる電流値に対するスプール弁1の出力圧が、図中破線Aの初期特性に対し、図中実線Bの作動後特性に示すように、長期に亘って出力圧の特性変化のズレを抑えることができる。
○開閉弁32がブリードポート35を開く方向に移動し、シャフト48がステータコア44に当接して開弁方向の移動が規制された状態は、ブリードポート35から排圧室50へ排出されるオイル流量が多い状態である。この時、大径部48bがシャフト摺動穴44aにおけるブリードポート35側を閉塞することで、ブリードポート35から流出したオイルが、ステータコア44とシャフト48の間の摺動クリアランスに流入しなくなり、オイルに含まれる異物が摺動クリアランスに侵入する不具合が生じない。
また、大径部48bがシャフト摺動穴44aを完全に塞がない状態であっても、図1(a)に示すように、大径部48bが邪魔板として作用するため、ブリードポート35から流出したオイルが摺動クリアランスに直接流入できなくなり、オイルに含まれる異物が摺動クリアランスに侵入するのを防ぐことができる。
このように、大径部48bによって摺動クリアランスへの異物の侵入が阻止されるため、シャフト48の摺動不良(スティックやロック等)の発生を防ぐことができる。これにより、ダイアフラムや防圧遮蔽板を廃止しても、電磁アクチュエータ33の信頼性を得ることができる。
○一方、この実施例1では、可動子42の開弁方向の規制手段を、参考例1の「シャフト48とアジャスタ49の当接」から「シャフト48とステータコア44の当接」に変更している。これにより、ブリードポート35から吐出されるオイルの吐出圧によってシャフト48に与えられた後方向の力が、シャフト48からステータコア44に伝えられるため、参考例1と同様、衝突力がシャフト48とムービングコア47の圧入部に作用しない。このため、シャフト48とムービングコア47の圧入ズレを防ぐことができる。
この結果、コイル41に与えられる電流値に対する開閉弁32の位置の特性変化を、長期に亘って抑えることができ、シャフト48とムービングコア47の圧入ズレによる出力圧の特性変化のズレを長期に亘って防ぐことができる。
〔変形例〕
上記の実施例では、電磁アクチュエータ33がOFFの状態で、ブリードポート35の開度が最大になるタイプを示したが、電磁アクチュエータ33がOFFの状態で、ブリードポート35が閉塞されるタイプに本発明を適用しても良い。
上記の実施例では、電磁アクチュエータ33がOFFの状態で、入力ポート7と出力ポート8の連通度合が最小になり、出力ポート8と排出ポート9の連通度合が最大になるN/Lタイプを示したが、電磁アクチュエータ33がOFFの状態で、入力ポート7と出力ポート8の連通度合が最大になり、出力ポート8と排出ポート9の連通度合が最小になるN/H(ノーマリハイ出力)タイプに本発明を適用しても良い。
上記の実施例では、自動変速機の油圧制御装置に用いられる電磁油圧制御弁に本発明を適用する例を示したが、自動変速機以外の他の電磁油圧制御弁に本発明を適用しても良い。
上記の実施例では、スプール弁1が三方弁を構成する例を示したが、スプール弁1は三方弁に限定されるものではなく、二方弁(開閉弁)、四方弁など、他の構成のスプール弁であっても良い。
上記の実施例では、ブリード室34の圧力制御を行う電磁ブリード弁2の電磁アクチュエータ33に本発明を適用する例を示したが、電磁ブリード弁2への適用に限定されるものではなく、流体(オイルに限定されない)の吐出圧を受ける吐出口を開閉する他の電磁アクチュエータに本発明を適用しても良い。
上記の実施例では、シャフト48に開閉弁32を設けた電磁アクチュエータ33に本発明を適用する例を示したが、シャフト48によって駆動対象物(例えば、スプール等)を駆動する電磁アクチュエータに本発明を適用しても良い。
電磁油圧制御弁の断面図、およびシャフトの側面図である(実施例1)。 電磁油圧制御弁の断面図である(参考例1)。 電磁アクチュエータに与えられる電流と、スプール弁の出力ポートから出 力される出力圧との関係を示すグラフである。 電磁油圧制御弁の断面図である(従来技術1)。 電磁油圧制御弁の断面図である(従来技術2)。
符号の説明
1 スプール弁
2 電磁ブリード弁
3 スリーブ(バルブボディ)
4 スプール(可動バルブ)
32 開閉弁
33 電磁アクチュエータ
34 ブリード室
35 ブリードポート(吐出口)
41 コイル
42 可動子
43 可動子用スプリング
44 ステータコア(シャフトを摺動自在に支持する磁気固定子)
44a シャフト摺動穴
45 ヨーク(アジャスタが圧入される磁気固定子)
47 ムービングコア
48 シャフト
48b 大径部
49 アジャスタ
α 磁気吸引部

Claims (5)

  1. 通電により磁力を発生するコイルと、このコイルの発生する磁力による磁束ループを形成する磁気固定子と、この磁気固定子における磁気吸引部に磁気吸引される可動子と、この可動子に対して軸方向のバネ荷重を付与する可動子用スプリングと、前記磁気固定子に取り付けられて前記可動子用スプリングのバネ荷重の調整を行うアジャスタとを備える電磁アクチュエータにおいて、
    前記アジャスタは、前記磁気固定子に圧入固定されるものであり、
    前記可動子は、前記磁気吸引部に磁気吸引される磁性体製のムービングコアと、前記磁気固定子において軸方向に貫通形成されたシャフト摺動穴によって軸方向へ摺動自在に支持される非磁性体製のシャフトとを結合してなり、
    前記シャフトは、前記アジャスタとは異なる側に、当該シャフトが前記アジャスタ側へ移動した際に前記磁気固定子に当接して前記アジャスタ側への移動を規制する大径部を備えることを特徴とする電磁アクチュエータ。
  2. 請求項1に記載の電磁アクチュエータにおいて、
    この電磁アクチュエータは、流体が吐出する吐出口を、前記可動子に設けられた開閉弁によって開閉するものであり、
    前記シャフトが前記吐出口を開く開弁方向に移動して前記大径部が前記磁気固定子に当接することで、前記大径部が前記シャフト摺動穴における前記吐出口側を閉塞することを特徴とする電磁アクチュエータ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電磁アクチュエータにおいて、
    この電磁アクチュエータは、流体が吐出する吐出口を、前記可動子に設けられた開閉弁によって開閉するものであり、
    前記可動子は、筒形状を呈した前記ムービングコアと、このムービングコアの筒内に圧入される前記シャフトとからなることを特徴とする電磁アクチュエータ。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電磁アクチュエータにおいて、
    この電磁アクチュエータは、バルブボディ内で摺動可能に支持された可動バルブを、この可動バルブの端部に形成されたブリード室の圧力によって駆動する電磁ブリード弁に用いられることを特徴とする電磁アクチュエータ。
  5. 請求項4に記載の電磁アクチュエータにおいて、
    前記バルブボディは、略筒形状を呈したスリーブであり、
    前記可動バルブは、前記スリーブ内において軸方向に摺動自在に支持されたスプールであることを特徴とする電磁アクチュエータ。
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