JP2009050046A - ポリマーアクチュエータおよびアクチュエータユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造で直線的な運動が取り出されるユニモルフ構造のポリマーアクチュエータを提供する。
【解決手段】ポリマーアクチュエータ10のアクチュエータ本体11は、絶縁層部21が導電層部22および導電層部23に挟まれたポリマー層20と、ポリマー層20に接合された支持層部30とを備えるユニモルフ構造を形成している。アクチュエータ本体11の端部13と端部14との間は、スプリング12によって互いに引き付け合う方向へ力が加わっている。これにより、通電によってアクチュエータ本体11に反りが生じると、アクチュエータ本体11の端部13と端部14との間の距離は変化する。すなわち、アクチュエータ本体11の反りは、端部13と端部14との距離の変化という直線運動として取り出される。
【選択図】図1
【解決手段】ポリマーアクチュエータ10のアクチュエータ本体11は、絶縁層部21が導電層部22および導電層部23に挟まれたポリマー層20と、ポリマー層20に接合された支持層部30とを備えるユニモルフ構造を形成している。アクチュエータ本体11の端部13と端部14との間は、スプリング12によって互いに引き付け合う方向へ力が加わっている。これにより、通電によってアクチュエータ本体11に反りが生じると、アクチュエータ本体11の端部13と端部14との間の距離は変化する。すなわち、アクチュエータ本体11の反りは、端部13と端部14との距離の変化という直線運動として取り出される。
【選択図】図1
Description
本発明は、ポリマーアクチュエータおよびアクチュエータユニットに関する。
例えば樹脂などの伸縮可能な絶縁膜の両面に導電膜を形成し、この導電膜間に電圧を印加することにより電気エネルギーを運動エネルギーに変換するポリマーアクチュエータが知られている。このようなポリマーアクチュエータでは、シリコン樹脂やアクリル樹脂などの伸縮可能な絶縁膜の両面に電極が設けられている。絶縁膜を挟む導電膜に電圧を印加すると、ポリマーアクチュエータは絶縁膜に加わる静電引力によって伸縮する。
上述のようなポリマーアクチュエータを用いて運動エネルギーを取り出すために、ユニモルフ構造のアクチュエータが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。ユニモルフ構造のアクチュエータは、絶縁膜と導電膜とからなるポリマー層の一方の端面にポリマー層と材質の異なる薄膜が設けられている。ユニモルフ構造のアクチュエータに通電すると、ポリマー層が伸縮するものの、薄膜はほとんど伸縮しない。そのため、ユニモルフ構造のアクチュエータに通電すると、ポリマー層と薄膜との伸縮率の差によって反りが生じる。この反りを運動エネルギーとして取り出すことにより、電気的なエネルギーが運動エネルギーに変換される。
しかしながら、ユニモルフ構造のアクチュエータの場合、通電によって反りが生じるにすぎない。そのため、ユニモルフ構造のアクチュエータの運動は、屈曲運動である。その結果、ユニモルフ構造のアクチュエータからは直線的な運動を容易に取り出すことができないという問題がある。
そこで、本発明の目的は、簡単な構造で直線的な運動が取り出されるユニモルフ構造のポリマーアクチュエータおよびアクチュエータユニットを提供することにある。
(1)本発明のポリマーアクチュエータは、伸縮可能な絶縁層部と、前記絶縁層部の一方の面および他方の面にそれぞれ設けられている導電層部と、前記絶縁層部の一方の面に形成された前記導電層部を挟んでこの一方の端面側に形成されている支持層部と、長手方向の両端部が対向するように断面が略U字形状に曲げられている帯状に積層された前記絶縁層部、前記導電層部および前記支持層部の前記両端部の間に設けられ、前記両端部を相互に引き付ける力を付与する弾性部材と、を備える。
以下、本明細書中において絶縁層部、導電層部および支持層部から構成された単位部分を、以下「アクチュエータ本体」と称する。帯状のアクチュエータ本体を略U字形状に曲げて両端部を対向させることにより、対向する両端部間に所定の距離が形成される。そして、アクチュエータ本体に通電することによりアクチュエータ本体に反りが生じると、略U字形状に曲げられたアクチュエータ本体は対向する両端部の間の距離が変化する。そのため、アクチュエータ本体の反りは、対向する両端部間における距離の変化、すなわち直線運動に変換される。したがって、簡単な構造でユニモルフ構造のポリマーアクチュエータ本体から直線的な運動を取り出すことができる。
以下、本明細書中において絶縁層部、導電層部および支持層部から構成された単位部分を、以下「アクチュエータ本体」と称する。帯状のアクチュエータ本体を略U字形状に曲げて両端部を対向させることにより、対向する両端部間に所定の距離が形成される。そして、アクチュエータ本体に通電することによりアクチュエータ本体に反りが生じると、略U字形状に曲げられたアクチュエータ本体は対向する両端部の間の距離が変化する。そのため、アクチュエータ本体の反りは、対向する両端部間における距離の変化、すなわち直線運動に変換される。したがって、簡単な構造でユニモルフ構造のポリマーアクチュエータ本体から直線的な運動を取り出すことができる。
(2)本発明のポリマーアクチュエータでは、前記絶縁層部および前記導電層部が複数層積層されている。
すなわち、アクチュエータ本体は、絶縁層部および導電層部を複数積層してもよい。このように複数の絶縁層部および導電層部を有することにより、ポリマーアクチュエータから取り出すことができる力を増大させることができる。
すなわち、アクチュエータ本体は、絶縁層部および導電層部を複数積層してもよい。このように複数の絶縁層部および導電層部を有することにより、ポリマーアクチュエータから取り出すことができる力を増大させることができる。
(3)本発明のアクチュエータユニットは、請求項1または2記載のポリマーアクチュエータを複数積層して備える。
複数のポリマーアクチュエータを重ねることにより、重ねられたポリマーアクチュエータユニットからは個々のポリマーアクチュエータの変位が総和として得られる。すなわち、個々のポリマーアクチュエータの変位が小さくても、ポリマーアクチュエータを重ねることにより、全体の変位が増大する。したがって、変位の大きな直線的な運動を取り出すことができる。
複数のポリマーアクチュエータを重ねることにより、重ねられたポリマーアクチュエータユニットからは個々のポリマーアクチュエータの変位が総和として得られる。すなわち、個々のポリマーアクチュエータの変位が小さくても、ポリマーアクチュエータを重ねることにより、全体の変位が増大する。したがって、変位の大きな直線的な運動を取り出すことができる。
(4)本発明のアクチュエータユニットでは、複数の前記ポリマーアクチュエータは、周方向へ所定の角度間隔ずらされている。
これにより、複数のポリマーアクチュエータは略放射状に配置される。そのため、複数のポリマーアクチュエータを重ねる場合でも、高さ方向すなわちポリマーアクチュエータユニットの変位方向の全長が低減される。したがって、体格の小型化および占有容積の低減を図ることができる。
これにより、複数のポリマーアクチュエータは略放射状に配置される。そのため、複数のポリマーアクチュエータを重ねる場合でも、高さ方向すなわちポリマーアクチュエータユニットの変位方向の全長が低減される。したがって、体格の小型化および占有容積の低減を図ることができる。
以下、本発明によるポリマーアクチュエータおよびアクチュエータユニットの複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において、実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態によるポリマーアクチュエータを図1に示す。図1は、第1実施形態によるポリマーアクチュエータを示す概略図である。図1では、ポリマーアクチュエータを側面から見た形状を示している。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態によるポリマーアクチュエータを図1に示す。図1は、第1実施形態によるポリマーアクチュエータを示す概略図である。図1では、ポリマーアクチュエータを側面から見た形状を示している。
ポリマーアクチュエータ10は、アクチュエータ本体11と、弾性部材としてのスプリング12とを備えている。ポリマーアクチュエータ10のアクチュエータ本体11は、側面視した形状が略U字形状に形成されている。アクチュエータ本体11は、ポリマー層20と支持層部30とから構成されている。ポリマー層20は、絶縁層部21と導電層部22、23とから構成されている。絶縁層部21は、例えばシリコンエラストマーやポリウレタンなどの柔軟な材料で形成されている。絶縁層部21を形成する例えばシリコンエラストマーやポリウレタンは、電気を通しにくい絶縁体であり、誘電体でもある。導電層部22、23は、絶縁層部21の両面にそれぞれ形成されている。導電層部22、23は、例えばシリコンエラストマーにカーボン粒子などの導電体を分散させた樹脂で形成されている。これにより、導電層部22、23は、導電性を有する薄膜として形成される。このように、アクチュエータ本体11のポリマー層20では、絶縁層部21が導電層部22と導電層部23との間に挟み込まれている。
ポリマーアクチュエータ10のアクチュエータ本体11は、支持層部30を有している。支持層部30は、ポリマー層20を構成する導電層部23の絶縁層部21とは反対側に設けられている。支持層部30は、導電層部23に貼り付けられている。アクチュエータ本体11を略U字形状に形成するとき、支持層部30は外周側に位置する。支持層部30は、例えば樹脂や金属などポリマー層20と伸縮率の異なる材料で形成されている。第1実施形態の場合、支持層部30は、ポリエチレンで形成されている。
絶縁層部21、導電層部22および導電層部23の厚さは、それぞれ数μmから数十μm程度に設定されている。支持層部30は、数十μmから数mm程度の任意の厚さに設定されている。これらにより、ポリマーアクチュエータ10のアクチュエータ本体11は、厚さが数十μmから数mm程度に設定されている。アクチュエータ本体11、絶縁層部21、導電層部22および導電層部23、ならびに支持層部30の厚さは、任意に設定することができる。なお、絶縁層部21、導電層部22および導電層部23、ならびに支持層部30は、以上で例示したものに限らず、例えば市販の材料など、任意の材料で形成することができる。
スプリング12は、略U字形状に折り曲げられたアクチュエータ本体11の端部13と端部14とを弾性変形可能に接続している。スプリング12は、端部13と端部14とを引き付ける方向へ力を加えている。スプリング12は、ポリマー層20が取り付けられた支持層部30が平坦な板状に復元する力に対抗して、端部13と端部14とを引き付けている。これにより、アクチュエータ本体11は、略U字形状に保持される。なお、弾性部材は、端部13と端部14との間を弾性変形可能に保持するものであれば、スプリング12に限らず適用することができる。
アクチュエータ本体11は、電源15に接続されている。アクチュエータ本体11は、配線部16および配線部17を経由して電源15に接続している。配線部16は、図1および図2に示すように導電層部22に接続している。また、配線部17は、導電層部23に接続している。これにより、導電層部22と導電層部23との間には、電源15から所定の電圧が印加される。配線部16は、図2に示すように電源15とは反対側の端部がパッド18を経由して導電層部22に接続している。また、配線部17は、電源15とは反対側の端部がパッド19を経由して導電層部23に接続している。
ポリマーアクチュエータ10を製造する場合、まず図3に示すように帯状のアクチュエータ本体11が用意される。アクチュエータ本体11は、例えばシート状の積層体を切り出すことにより、帯状に形成される。アクチュエータ本体11は、支持層部30と、導電層部23、絶縁層部21および導電層部22が順に積層されたポリマー層20とから形成される。帯状に形成されたアクチュエータ本体11は、長手方向の両端部、すなわち端部13と端部14とが対向するように図3に示す矢印Rの方向へ曲げられる。アクチュエータ本体11は、導電層部22を内側にして曲げられる。このとき、アクチュエータ本体11の支持層部30は弾性力を有しているため、アクチュエータ本体11は図4に示すように略U字形状に曲げられる。
端部13と端部14とが向かい合う略U字形状に曲げられたアクチュエータ本体11は、端部13と端部14との間にスプリング12が取り付けられる。これにより、スプリング12の弾性力は端部13と端部14とを引き付ける方向に加わり、アクチュエータ本体11は略U字形状に保持される。以上の手順により、ポリマーアクチュエータ10が形成される。形成されたポリマーアクチュエータ10は、アクチュエータ本体11の導電層部22に配線部16が接続され、導電層部23に配線部17が接続される。
次に、上記の構成によるポリマーアクチュエータ10の作動について説明する。
ポリマーアクチュエータ10のアクチュエータ本体11は、伸縮率の異なる支持層部30と、絶縁層部21、導電層部22および導電層部23からなるポリマー層20とが積層されている。すなわち、ポリマーアクチュエータ10のアクチュエータ本体11は、ユニモルフ構造を形成している。導電層部22と導電層部23との間に電源15から数百Vから数kVの電圧を加えると、導電層部22と導電層部23との間に挟み込まれている絶縁層部21に静電引力が発生する。そのため、アクチュエータ本体11のポリマー層20には歪みが生じ、アクチュエータ本体11は変形する。このとき、例えば図3に示すようにアクチュエータ本体11が板状の場合、アクチュエータ本体11は通電時に導電層部22を外側にして湾曲する。
ポリマーアクチュエータ10のアクチュエータ本体11は、伸縮率の異なる支持層部30と、絶縁層部21、導電層部22および導電層部23からなるポリマー層20とが積層されている。すなわち、ポリマーアクチュエータ10のアクチュエータ本体11は、ユニモルフ構造を形成している。導電層部22と導電層部23との間に電源15から数百Vから数kVの電圧を加えると、導電層部22と導電層部23との間に挟み込まれている絶縁層部21に静電引力が発生する。そのため、アクチュエータ本体11のポリマー層20には歪みが生じ、アクチュエータ本体11は変形する。このとき、例えば図3に示すようにアクチュエータ本体11が板状の場合、アクチュエータ本体11は通電時に導電層部22を外側にして湾曲する。
第1実施形態の場合、アクチュエータ本体11はあらかじめ導電層部22を内側にして端部13と端部14とが対向するU字形状に曲げられている。そのため、通電によってポリマー層20に歪みが生じ、アクチュエータ本体11が変形すると、アクチュエータ本体11はスプリング12の力に抗して端部13と端部14との間の距離が大きくなる。すなわち、アクチュエータ本体11に通電すると、端部13と端部14との間の距離は拡大する。これにより、第1実施形態では、ユニモルフ構造のポリマーアクチュエータ10を略U字形状に曲げることによって、端部13と端部14との間の距離の変化という直線運動が取り出される。
ここで、ポリマーアクチュエータ10の変位量の一例について説明する。
ポリマーアクチュエータ10のアクチュエータ本体11の変位量δは、式(1)に示すストーニーの式によって求められる。
δ={3×t1×(1−v)×L2×σ}/(E×t22) (1)
t1:ポリマー層20の厚さ
t2:支持層部30の厚さ
E :支持層部30のヤング率
v :支持層部30のポアソン比
L :アクチュエータ本体11の全長
アクチュエータ本体11の全長Lは、折り曲げられたアクチュエータ本体11を平板状に伸ばしたとき、端部13から端部14までの長さである。
δ :通電時におけるアクチュエータ本体11の変位量
変位量δは、通電の断続によって変化する端部13と端部14との間の距離に対応する。
σ :通電時にアクチュエータ本体11へ加わる内部応力
ポリマーアクチュエータ10のアクチュエータ本体11の変位量δは、式(1)に示すストーニーの式によって求められる。
δ={3×t1×(1−v)×L2×σ}/(E×t22) (1)
t1:ポリマー層20の厚さ
t2:支持層部30の厚さ
E :支持層部30のヤング率
v :支持層部30のポアソン比
L :アクチュエータ本体11の全長
アクチュエータ本体11の全長Lは、折り曲げられたアクチュエータ本体11を平板状に伸ばしたとき、端部13から端部14までの長さである。
δ :通電時におけるアクチュエータ本体11の変位量
変位量δは、通電の断続によって変化する端部13と端部14との間の距離に対応する。
σ :通電時にアクチュエータ本体11へ加わる内部応力
内部応力σは、以下の式(2)によって求められる。
σ=F/(W×L) (2)
F :通電時にアクチュエータ本体11に加わる静電引力
W :アクチュエータ本体11の幅
以上の式により、変位量δを求めることができる。ここで、第1実施形態によるポリマーアクチュエータ10のアクチュエータ本体11の実施例として以下の値を設定する。
σ=F/(W×L) (2)
F :通電時にアクチュエータ本体11に加わる静電引力
W :アクチュエータ本体11の幅
以上の式により、変位量δを求めることができる。ここで、第1実施形態によるポリマーアクチュエータ10のアクチュエータ本体11の実施例として以下の値を設定する。
支持層部30をポリエチレンで形成する場合、ヤング率Eは、E=7.6×108N/m2である。また、支持層部30の厚さt2は、t2=0.1×10-3m=100μmである。さらに、支持層部30のポアソン比vは、v=0.45である。
一方、絶縁層部21、導電層部22および導電層部23から形成されるポリマー層20の厚さt1は、0.1×10-3m=100μmである。このポリマー層20を有するアクチュエータ本体11は、全長LがL=10×10-2m=10cmであり、幅WがW=2×10-2m=2cmである。
一方、絶縁層部21、導電層部22および導電層部23から形成されるポリマー層20の厚さt1は、0.1×10-3m=100μmである。このポリマー層20を有するアクチュエータ本体11は、全長LがL=10×10-2m=10cmであり、幅WがW=2×10-2m=2cmである。
印加電圧を5kVとしたとき、アクチュエータ本体11に加わる静電引力Fは、F=10Nであるとすると、
δ=1.08×10−3m≒1mm
となる。
したがって、図1に示すアクチュエータ本体11の場合、通電することによって端部13と端部14との間において約1mmの変位を得ることができる。
δ=1.08×10−3m≒1mm
となる。
したがって、図1に示すアクチュエータ本体11の場合、通電することによって端部13と端部14との間において約1mmの変位を得ることができる。
以上、説明したように、第1実施形態の場合、ユニモルフ構造のポリマーアクチュエータ10はアクチュエータ本体11の端部13と端部14とが対向する略U字形状に形成されている。そのため、通電によってポリマーアクチュエータ10のアクチュエータ本体11に生じる反りは、端部13と端部14との間の距離の変化に変換される。したがって、簡単な構造でユニモルフ構造のポリマーアクチュエータ10から直線的な運動を取り出すことができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態によるポリマーアクチュエータを適用したアクチュエータユニットを図5および図6に示す。
第2実施形態では、アクチュエータユニット40は、図5に示すようにポリマーアクチュエータ10が厚さ方向へ複数重ねられている。ポリマーアクチュエータ10は、例えば図6に示すように変形が生じる端部13と端部14とが互いに重ねられている。ポリマーアクチュエータ10は、第1実施形態で説明したように、通電することにより端部13と端部14との間の距離が変化する。そこで、ポリマーアクチュエータ10を重ねることにより、得られる変位は各ポリマーアクチュエータ10の変位の総和となる。例えば第1実施形態で説明した例のように一つのポリマーアクチュエータ10の変位が約1mmのとき、図5に示すように八つのポリマーアクチュエータ10を重ねるとその変位の総量すなわちアクチュエータユニット40の変位量は約8mmとなる。
本発明の第2実施形態によるポリマーアクチュエータを適用したアクチュエータユニットを図5および図6に示す。
第2実施形態では、アクチュエータユニット40は、図5に示すようにポリマーアクチュエータ10が厚さ方向へ複数重ねられている。ポリマーアクチュエータ10は、例えば図6に示すように変形が生じる端部13と端部14とが互いに重ねられている。ポリマーアクチュエータ10は、第1実施形態で説明したように、通電することにより端部13と端部14との間の距離が変化する。そこで、ポリマーアクチュエータ10を重ねることにより、得られる変位は各ポリマーアクチュエータ10の変位の総和となる。例えば第1実施形態で説明した例のように一つのポリマーアクチュエータ10の変位が約1mmのとき、図5に示すように八つのポリマーアクチュエータ10を重ねるとその変位の総量すなわちアクチュエータユニット40の変位量は約8mmとなる。
また、第2実施形態では、複数のポリマーアクチュエータ10は、重なり合う中心から周方向へ所定の角度間隔で配置されている。そのため、アクチュエータユニット40は、図6に示すようにポリマーアクチュエータ10が放射状に配置されている。ポリマーアクチュエータ10は、アクチュエータ本体11の端部13と端部14とが対向する略U字形状に曲げられている。そのため、湾曲している部分は、スプリング12の力が加わっているアクチュエータ本体11の端部13、14に比較して厚さが大きくなる。そこで、このポリマーアクチュエータ10のアクチュエータ本体11が湾曲した部分を、周方向へずらす、すなわち周方向へ所定の角度間隔で配置することにより、ポリマーアクチュエータ10同士の干渉が低減される。
第2実施形態では、ポリマーアクチュエータ10を複数重ねることにより、取り出される変位を大きくすることができる。また、第2実施形態では、複数のポリマーアクチュエータ10は、周方向へ所定の角度間隔で配置されている。したがって、ポリマーアクチュエータ10同士の干渉が低減され、複数のポリマーアクチュエータ10が重ねられたアクチュエータユニット40の全長および占有容積を低減することができる。
また、第2実施形態では、複数重ねたポリマーアクチュエータ10のアクチュエータ本体11への通電を個々に制御してもよい。複数のポリマーアクチュエータ10のアクチュエータ本体11への通電を個々に制御することにより、アクチュエータユニット40全体の変位量を任意に調整することができる。例えば、八つのポリマーアクチュエータ10を重ねる場合、そのうちの四つのポリマーアクチュエータ10に通電することにより、変位の総量の約半分の変位を取り出すことができる。
(その他の実施形態)
以上説明した複数の実施形態では、ポリマーアクチュエータ10のアクチュエータ本体11の導電層部23側に支持層部30を設ける例について説明した。しかし、アクチュエータ本体11の導電層部22側にも支持層部を設けてもよい。この場合、導電層部23側に設ける支持層部30と導電層部22側に設ける支持層部との伸縮率は、同一でも異なっていてもよい。
以上説明した複数の実施形態では、ポリマーアクチュエータ10のアクチュエータ本体11の導電層部23側に支持層部30を設ける例について説明した。しかし、アクチュエータ本体11の導電層部22側にも支持層部を設けてもよい。この場合、導電層部23側に設ける支持層部30と導電層部22側に設ける支持層部との伸縮率は、同一でも異なっていてもよい。
また、第2実施形態では、放射状に八つのポリマーアクチュエータ10を重ねる例について説明したが、ポリマーアクチュエータ10の数は八つに限らず任意の数に設定することができる。また、複数のポリマーアクチュエータ10は、必ずしも一定の角度間隔で配置する必要はなく、任意の角度間隔で配置してもよい。さらに、ポリマーアクチュエータ10を複数積層するだけでなく、ポリマアクチュエータ10のアクチュエータ本体11においてポリマー層20を複数層積層してもよい。すなわち、各ポリマーアクチュエータ10のアクチュエータ本体11において、絶縁層部21、ならびに導電層部22および導電層部23を複数積層してもよい。このように各ポリマーアクチュエータ10のポリマー層20を複数積層することにより、各ポリマーアクチュエータ10から取り出される力を増大することができる。
10:ポリマーアクチュエータ、11:アクチュエータ本体、12:スプリング(弾性部材)、13:端部、14:端部、21:絶縁層部、22、23:導電層部、30:支持層部、40:アクチュエータユニット
Claims (4)
- 伸縮可能な絶縁層部と、
前記絶縁層部の一方の面および他方の面にそれぞれ設けられている導電層部と、
前記絶縁層部の一方の面に形成された前記導電層部を挟んでこの一方の端面側に形成されている支持層部と、
長手方向の両端部が対向するように断面が略U字形状に曲げられている帯状に積層された前記絶縁層部、前記導電層部および前記支持層部の前記両端部の間に設けられ、前記両端部を相互に引き付ける力を付与する弾性部材と、
を備えるポリマーアクチュエータ。 - 前記絶縁層部および前記導電層部が複数層積層されている請求項1記載のポリマーアクチュエータ。
- 請求項1または2記載のポリマーアクチュエータを複数積層して備えるアクチュエータユニット。
- 複数の前記ポリマーアクチュエータは、周方向へ所定の角度間隔ずらされている請求項3記載のアクチュエータユニット。
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JP2007211192A JP2009050046A (ja) | 2007-08-14 | 2007-08-14 | ポリマーアクチュエータおよびアクチュエータユニット |
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2007
- 2007-08-14 JP JP2007211192A patent/JP2009050046A/ja active Pending
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